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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024033066
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】開閉構造
(51)【国際特許分類】
   A47G 33/02 20060101AFI20240306BHJP
   E05F 1/00 20060101ALI20240306BHJP
   E06B 9/00 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
A47G33/02 E
E05F1/00 Z
E06B9/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022136446
(22)【出願日】2022-08-30
(71)【出願人】
【識別番号】500345504
【氏名又は名称】株式会社星野民藝
(74)【代理人】
【識別番号】100197642
【弁理士】
【氏名又は名称】南瀬 透
(74)【代理人】
【識別番号】100099508
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 久
(74)【代理人】
【識別番号】100219483
【弁理士】
【氏名又は名称】宇野 智也
(72)【発明者】
【氏名】竹内 主直
(57)【要約】
【課題】操作性を維持しつつ、意匠性を高めることが可能な開閉構造を提供する。
【解決手段】開閉構造は、被取付部である家具本体に取り付けられ、円形状の開口部が形成されたベース板20と、ベース板20に基端部31が連結され、円弧状に形成された羽根板30と、羽根板の先端部32を半径方向に沿って放射状に延びるガイド溝41hにより回転と共に移動させる操作板40とを備えている。そして、羽根板30の先端部32は、ガイド溝41hに移動可能に嵌入部80が挿入されることで、操作板40を回転させると羽根板30が連動する。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被取付部に取り付けられ、円形状の開口部が形成されたベース板と、
前記ベース板に基端部が連結され、円弧状に形成された羽根板と、
前記羽根板の先端部を回転と共に移動を案内するガイド溝であり、半径方向に沿って放射状に延びるガイド溝が裏面に形成されていると共に、操作者が回転させるためのハンドル部がおもて面に形成された操作板と、
前記操作板を覆い、前記ハンドル部を挿入させ、突出させる円弧状の挿通孔が形成された前面板とを備え、
前記羽根板の先端部に形成された嵌入部は、前記ガイド溝に移動可能に挿入された開閉構造。
【請求項2】
前記嵌入部は、前記ベース板に形成されたねじ孔から挿入されたねじと、前記ねじの軸部に設けられ、前記ガイド溝の溝壁に摺動する軸受部材を備えた請求項1記載の開閉構造。
【請求項3】
前記羽根板は、前記ベース板と連結する前記基端部と、前記操作板と連結する前記先端部との残余が、前記基端部と前記先端部とより薄い薄板状に形成された請求項1記載の開閉構造。
【請求項4】
前記羽根板の先端部における内周側も、薄板状に形成された請求項3記載の開閉構造。
【請求項5】
前記羽根板が閉じた状態のときの開口部を塞ぐ円形部が設けられた請求項1記載の開閉構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、絞り機構を用いた開閉構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
カメラの絞りに用いられる絞り機構は、リング状のベース板に円弧状の羽根板の基端部が接続され、リング状に形成された操作板が円周方向に回転すると、操作板に放射状に開設されたガイド孔を羽根板の先端部が移動することで、取り込む光量を調整する。
【0003】
このような絞り機構について、物品を出し入れする扉に使用したものとして、特許文献1に記載されたものが知られている。
【0004】
特許文献1に記載の歯科用穿削器具の紫外線消毒器は、透明石英ガラス管よりなる保持管の開口端に合わせて消毒器本体前面に、写真機の絞り機構に類似する開閉機構を取り付けたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭63-186654号公報
【特許文献2】実開平3-30311号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この特許文献1に記載の歯科用穿削器具の紫外線消毒器における開閉機構は、開閉機構を回転させて開閉するための操作レバーが外枠から外方へ向かって突出している。
しかし、開閉の際に操作レバーを回転させると、操作レバーが消毒器本体からはみ出てしまう。
このような外方へ突出した操作レバーは、装置の意匠性を低下させてしまう。
【0007】
そこで本発明は、操作性を維持しつつ、意匠性を高めることが可能な開閉構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の開閉構造は、被取付部に取り付けられ、円形状の開口部が形成されたベース板と、前記ベース板に基端部が連結され、円弧状に形成された羽根板と、前記羽根板の先端部を回転と共に移動を案内するガイド溝であり、半径方向に沿って放射状に延びるガイド溝が裏面に形成されていると共に、操作者が回転させるためのハンドル部がおもて面に形成された操作板と、前記操作板を覆い、前記ハンドル部を挿入させ、突出させる円弧状の挿通孔が形成された前面板とを備え、前記羽根板の先端部に形成された嵌入部は、前記ガイド溝に移動可能に挿入されたことを特徴としたものである。
【0009】
本発明によれば、ハンドル部が前面板の挿通孔から突出して操作板に形成されているため、前面部からハンドル部が外方へ向かってはみ出ない状態とすることができる。またハンドル部を移動させる挿通孔が前面板に形成されていても、羽根板の先端部が沿って移動するガイド溝が操作板の裏面に形成されているため、前面板の挿通孔からガイド溝が見えない。従って、挿通孔からガイド溝を隠すことができる。
【0010】
前記嵌入部は、前記ベース板に形成されたねじ孔から挿入されたねじと、前記ねじの軸部に設けられ、前記ガイド溝の溝壁に摺動する軸受部材とを備えたものとすることができる。羽根板の先端部が操作板のガイド溝に案内されて半径方向に移動するときに、軸部には、ガイド溝の溝壁に摺動する軸受部材が設けられているので、ねじの軸部をスムーズに移動させることができる。
【0011】
前記羽根板は、前記ベース板と連結する前記基端部と、前記操作板と連結する前記先端部との残余が、前記基端部と前記先端部とより薄い薄板状に形成されたものとすることができる。羽根板を開くときに、羽根板が重なり合う面積が広くなるが、羽根板の重なり合う部分を薄板部であるため、重なり合う羽根板の厚みを減少させることができる。従って、羽根板の移動に対する抵抗が高くなり、開き難くなることを軽減することができる。
【0012】
前記羽根板の先端部における内周側も、薄板状に形成されたものとすることができる。
羽根板の先端部における内周側の角部が薄板部であるため、基端部を除くそれぞれの羽根板の内周側は均等な厚みの薄板部が重なり合うように見えるので、意匠性を高めることができる。
【0013】
前記羽根板が閉じた状態のときの開口部を塞ぐ円形部が設けられたものとすることができる。そうすることで、羽根板が閉じた状態のときに開口部から向こう側が円形部により隠すことができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、前面部からハンドル部が外方へ向かってはみ出ない状態とすることができ、挿通孔からガイド溝を隠すことができるので、操作性を維持しつつ、意匠性を高めることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施の形態に係る開閉機構を家具の扉として、仏壇に用いた例を示すものであり、(A)は仏壇の正面図、(B)は仏壇の平面図、(C)は仏壇の右側面図である。
図2図1に示す仏壇の内部を示すものであり、(A)は仏壇の正面から透過した状態の図、(B)は(A)のX1-X1矢視図、(C)は(A)のY1-Y1矢視図である。
図3図1および図2に示す仏壇の開閉機構である扉を示すものであり、(A)は扉が閉じた状態の正面図、(B)は扉が開いた状態の正面図である。
図4図2に示す扉から操作板を取り除いた状態の図であり、(A)は扉が閉じた状態の正面図、(B)は扉が開いた状態の正面図である。
図5図4に示す扉のベース板を説明するための図であり、(A)はベース板の正面図、(B)はベース板の側面図である。
図6図3に示す扉の羽根板を説明するための斜視図である。
図7図3に示す扉の操作板の裏面の図である。
図8】羽根板とベース板とを連結する連結部と、操作板に羽根板を連動させる嵌入部とを説明するための一部拡大図である。
図9図8に示す嵌入部を説明するための拡大図である。
図10図9に示す嵌入部を説明するための透視した状態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施の形態に係る開閉構造を図面に基づいて説明する。
本実施の形態に係る開閉構造は、家具の扉に絞り機構を用いたものである。図1および図2に示す家具は、仏壇を例としたものである。
【0017】
図1(A)から同図(C)に示す仏壇100は、硬質で堅牢なカバザクラ材により形成されている。この仏壇100のサイズは様々なものとすることができるが、本実施の形態では、仏壇100のサイズについては、幅が約60cm、高さが60cm、奥行きが420cmにより形成されている。
仏壇100は、天面部101と、側面部102,103と、背面部104と、底面部105と、前面部106とにより形成された仏壇本体100Aを備えている。
【0018】
図1(A)から同図(C)および図2(A)から同図(C)に示すように、前面部106は中央に円形状の開口を有している。前面部106は、上部、下部、右部と左部との4つの前面用パーツ106o,106p,106q,106rから形成されている。この前面用パーツ106o~106rは、千切り106eにより連結されている。
また、前面部106には、後述する扉のハンドル部を回転させるために、ハンドル部が貫通する挿通孔106fが円弧状に形成されている。
【0019】
図2(A)から同図(C)に示すように、仏壇本体100Aの底部の奥部には、形見入れ111が設けられている。形見入れ111は蓋部111aが上部開口を覆うように配置される。形見入れ111上には2段の須弥壇112が取り外し可能に配置されている。
天面部101と、側面部102,103との内壁面には、テープ状のLED照明113が埋設されている。
仏壇本体100Aの底部の前部には、形見入れ111の蓋部111aと同じ高さとすることで嵩上げされた床部114が設けられている。床部114には、倒伏することで前面部106の開口から突出する棚部115が設けられている。
【0020】
棚部115は、ヒンジ部116により床部114に接続されている。棚部115は、絞り機構を締めたときに中央にできる開口部11を塞ぐ円形部115aと、円形部115aを開口部11に位置させ、倒伏状態のときに、線香立てやおりんなどの仏具を置くことができる棚本体115bとを備えている。
【0021】
前面部106には、絞り機構による扉10が設けられ、後述する操作板を前面部106が覆っている。
本実施の形態に係る開閉構造を用いた扉10(図3参照)は、リング状のベース板20(図4および図5参照)と、回転に伴い開閉する羽根板30(図3および図4参照)と、羽根板30の開閉動作を案内する操作板40とを備えている。
【0022】
図4および図5に示すように、ベース板20は、図2に示す仏壇100の被取付部となる前面部106に取り付けられる。ベース板20は、収納のためや取り出しのための円形状の開口部が形成されたリング状(ドーナツ状)のベース本体部21と、ベース本体部21の外周縁から起立した外周壁22が形成されている。
外周壁22には、操作板40を配置させ、操作板40とベース本体部21との間に隙間を確保する段差部22s(図5(A)および図8参照)が形成されている。本実施の形態では、ベース板20の内径が約450mmであり、外径が約590mmに形成されている。
【0023】
図4に示すように羽根板30は、円弧状に形成されている。本実施の形態では、羽根板30を基準位置となるベース板20から20°を傾斜角度として操作板40(図3参照)に案内されることで、18枚の羽根板30により開閉動作する。羽根板30は、内周側がΦ450mmであり、外周側がΦ590mmである。また、ベース板20の厚みは約13mmである。
図4および図6に示す羽根板30は、ベース板20と連結する基端部31と、操作板40と連結する先端部32との残余の範囲における一面側が切削されることで薄板部33が形成されている。
【0024】
図6に示すように、本実施の形態では、ベース板20との連結位置となる基端部31は、幅方向全体が板厚部31tに形成されており、操作板40により案内されて移動する先端部32は、内周側の角部が薄板部33であり、外周側の角部が板厚部32tに形成されている。
板厚部31t,32tの厚みは、約3mmに形成されている。薄板部33の厚みは、約約1.5mmに形成されている。
【0025】
基端部31の内周側には、ベース板20と連結するための連結部70(図8参照)が配置される。また、先端部32の外周側には、操作板40に案内させるための嵌入部80(図4参照)が配置される。
【0026】
図3に示すように、操作板40は、リング状(ドーナツ状)に形成された操作本体部41と、操作本体部41のおもて面41fに形成され、操作者が操作本体部41を回転させるためのハンドル部42とを備えている。ハンドル部42は、操作本体部41のおもて面41fから突出して、図1に示す前面部106の挿通孔106fを貫通するように取り付けられている。図7に示すように、操作本体部41の裏面41bには、半径方向に沿って円中心から放射状に延びる長溝によるガイド溝41hが形成されている。
本実施の形態では、ガイド溝41は溝幅が約8mm、溝深さが約12mmに形成されている。
このようにして、ベース板20と羽根板30と操作板40とにより絞り構造が構成されている。
【0027】
ここで、ベース板20と羽根板30との連結構造、および羽根板30と操作板40との連動構造について図面に基づいて説明する。
図8に示すように、ベース板20と羽根板30との連結構造について、本実施の形態では、羽根板30とベース板20との連結位置に配置された連結部70は、ねじ71(平ねじ)による軸部71sがベース板20に設けられ、羽根板30に軸部71sが挿入される軸受孔34が形成されている。反対に、羽根板30に軸部が設けられ、ベース板20に軸受孔が形成されていてもよい。
【0028】
なお、本実施の形態では、軸部71sには、ねじの頭部を受けるワッシャー71wと、ねじの抜け止めするナット71nを備えている。
【0029】
図9および図10に示すように、羽根板30と操作板40との連動構造について、本実施の形態では、ガイド溝41hに挿入される嵌入部80は、羽根板30を操作板40に連動させるものである。嵌入部80は、羽根板30先端部32のねじ孔の開口部に形成された皿穴(ざぐり)に頭部81tが収納され、軸部81sが操作板40のガイド溝41hに挿入される平ねじによるねじ81を備えている。
【0030】
軸部81sは、羽根板30を貫通し、ワッシャー82を介してガイド溝41hに挿入されている。また、軸部81sには軸受部材としてベアリング83が設けられている。ベアリング83は、内輪が軸部81sを貫通させることができ、外輪がガイド溝41hの溝壁と摺動するサイズに形成されている。本実施の形態では、ベアリング83を2段重ねて軸部81sに設けられているが、ベアリングの外輪の幅とガイド溝41hの溝壁との関係により、十分にガイド溝41h内を安定して移動可能とすることができれば、ベアリングは1個でもよいし、3個以上を重ねてもよい。本実施の形態では、ベアリング83の外径は、約8mmである。軸部81sの先端部には、ナット85が設けられている。
【0031】
以上のように構成された本発明の実施の形態に係る扉10の使用状態について図面に基づいて説明する。
図1(A),図2(A)および図3(A)に示すように扉10は閉じた状態である。扉10が閉じた状態であるが、羽根板30の重なり合いによって中央はわずかに開いた状態であり、開口部11ができる。しかし、図1(A)および図2(A)~同図(C)に示すように、棚部115の円形部115aが、棚本体115bにより、扉10を閉めた状態のときにできる開口部11に位置している。従って、扉10を閉めた状態とすると、扉10を閉鎖した状態とすることができる。
【0032】
使用者は、操作板40のハンドル部42を掴み、図3(A)に示す操作本体部41を回転させ、図3(B)に示す状態とするために。反時計回りに回転させる。
図3に示す操作板40が回転しても、図4に示す羽根板30の基端部31はベース板20との連結位置から移動しない。しかし、羽根板30の先端部32は、操作板40のガイド溝41h(図7参照)に嵌入されている。そのため、操作板40の回転と共に、羽根板30の先端部32が円周方向に移動しながらガイド溝41hに沿って半径方向に移動する。
そうすることで、羽根板30の基端部31を中心に外側に向かって円弧を描くように羽根板30が移動する。
【0033】
図10に示すように、羽根板30の先端部32は、嵌入部80により操作板40のガイド溝41hに嵌入しており、操作板40のガイド溝41hの溝壁にはベアリング83が摺動しているので、大きな抵抗を伴うことなくスムーズにねじ81がガイド溝41hを移動することができる。
【0034】
図3および図4に示すように、羽根板30が開きながら、ベース板20と操作板40との間に移動すると、羽根板30が重なり合う面積が広くなる。しかし、羽根板30の重なり合う部分は連結部分(板厚部31t,32t(図6参照))より薄板状に形成された薄板部33であるため、羽根板30同士が重なり合う部分が増加しても、重なり合う羽根板30の厚みを減少させることができる。従って、羽根板30同士が重なり合うことで厚みが膨れ上がり、操作板40を押し上げることで、羽根板30の移動に対する抵抗が高くなり、開き難くなることを軽減することができる。
【0035】
羽根板30が開き、ベース板20と操作板40との間に収納されると、重なり合った羽根板30の長さ方向に沿った端面が扉10の開口部から見える。
図6に示すように、羽根板30の先端部32は、内周側の角部が薄板部33であるため、基端部31を除くそれぞれの羽根板30の内周側は均等な厚みの薄板部33が重なり合うように見える。従って、図1に示す扉10の意匠性を高めることができる。
【0036】
このようにして、ハンドル部42が操作板40から外方へ突出しておらず、操作板40のおもて面41fに設けられていても、回転させることで、羽根板30を開閉することができる。
【0037】
例えば、特許文献2に記載の照明装置のアイリスシャッターは、シャッタ羽根のピンが係合するガイド穴であり、円板の半径方向に向かう放射状のガイド孔を有する作動板が、内面ガイド板、外面ガイド板および外周ガイド板によって投光孔を中心に滑らかに回転するように装着されたものである。
この特許文献2に記載の照明装置のアイリスシャッターでは、特許文献1に記載の紫外線消毒器と同様に、作動板に設けられた操作取手が、作動板から外方へ向かって延びるように形成されている。
この作動取手を作動板のおもて面に設ける場合には、本発明と同様に、外面ガイド板および外周ガイド板に作動取手の移動を可能とする円弧状の挿通孔を設ければ可能である。
しかし、円弧状の挿通孔を設けると、挿通孔から作動板のガイド孔が見えるため、意匠性を低下させてしまう。この挿通孔からガイド孔が視認できないようにするは、挿通孔の内側壁に沿ってモヘア等による隙間遮蔽部材(緩衝材)を貼り付ける必要がある。
【0038】
本実施の形態に係る扉10では、羽根板30は操作板40のガイド溝41hに沿って移動する。そして、操作板40のおもて面41fからは、操作板40の裏面41bに形成されたガイド溝41hが見えない。
従って、ハンドル部42を突出させ、移動させるための挿通孔106fが前面部106に形成されていても、挿通孔106fからは何も見えないので、ハンドル部42を回転可能とする挿通孔106fからガイド溝41hを隠すことができる。従って、挿通孔106fにモヘヤなどによる隙間遮蔽部材を貼り付ける必要がない。
【0039】
よって、扉10は、ハンドル部42を回転させることで羽根板30が開閉できるので、開閉の操作性を維持しつつ、意匠性を高めることが可能である。
【0040】
図3(A)および図4(A)に示すように羽根板30の先端部32が中心に寄った状態となることで扉10が閉じた状態のときに、螺旋状に巻いた羽根板30の先端部を奥側に押してしまうことがある。図9に示すように羽根板30の先端部32は、嵌入部80により操作板40のガイド溝41hに嵌入されており、ベアリング83の外周面がガイド溝41hの溝壁に接触した状態である。従って、羽根板30の先端部を斜め奥側に押圧されるとねじ81の軸部81sが傾斜してベアリング83が溝壁に引っ掛かる。従って、嵌入部80が抵抗となるため、羽根板30の先端部をガイド溝41hから抜け難くすることができる。
【0041】
図6に示すように、この羽根板30は、硬質で堅牢なカバザクラ材により形成されているため、羽根板30の先端部32を押されても撓みにくいので、図10に示す嵌入部80のガイド溝41hから脱落し難くすることができる。
【0042】
また、図1(A)に示すように棚部115を立位状態とすることで、扉10を閉じたときにできる開口を円形部115aにより塞ぐことができ、倒伏状態とすることで棚本体115bにより仏具を置いて礼拝することができる。
【0043】
なお、本実施の形態では、本発明の開閉機構を家具の扉として用いたものであるが、本発明の開閉機構は、被取付部を壁面部または屋根部とした窓の明り取りとしても用いることができきる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明の開閉機構は、扉として家具に用いたり、窓の明り取りとして天窓は壁面に取り付けたりすることに好適である。
【符号の説明】
【0045】
10 扉
11 開口部
20 ベース板
21 ベース本体部
22 外周壁
22s 段差部
30 羽根板
31 基端部
31t 板厚部
32 先端部
32t 板厚部
33 薄板部
34 軸受孔
40 操作板
41 操作本体部
41f おもて面
41b 裏面
41h ガイド溝
42 ハンドル部
70 連結部
71 ねじ
71s 軸部
71n ナット
71w ワッシャー
80 嵌入部
81 ねじ
81t 頭部
81s 軸部
82 ワッシャー
83 ベアリング
85 ナット
100 仏壇
101 天面部
102,103 側面部
104 背面部
105 底面部
106 前面部
106o,106p,106q,106r 前面用パーツ
106e 千切り
106f 挿通孔
111 形見入れ
111a 蓋部
112 須弥壇
113 LED照明
114 床部
115 棚部
115a 円形部
115b 棚本体
116 ヒンジ部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10