(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024033075
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】コネクタ及びコネクタ対
(51)【国際特許分類】
H01R 13/03 20060101AFI20240306BHJP
H01R 12/71 20110101ALI20240306BHJP
【FI】
H01R13/03 D
H01R12/71
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022136460
(22)【出願日】2022-08-30
(71)【出願人】
【識別番号】591043064
【氏名又は名称】モレックス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100116207
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100096426
【弁理士】
【氏名又は名称】川合 誠
(72)【発明者】
【氏名】杉水流 誉司
【テーマコード(参考)】
5E223
【Fターム(参考)】
5E223AB41
5E223AB77
5E223AC17
5E223AC18
5E223BA01
5E223BA07
5E223BB01
5E223BB12
5E223CB22
5E223CB31
5E223CB38
5E223CD01
5E223DA05
5E223DB08
5E223DB11
5E223DB25
5E223DB33
5E223DB36
5E223EA03
5E223EA36
5E223EB04
5E223EB13
5E223EB23
5E223EB32
5E223EB38
(57)【要約】
【課題】はんだバリアを形成することなく、はんだ濡れ性を適度に維持し、基板接続部の接続強度を向上させつつ、接点部における接触抵抗を低減することができ、構造が簡素で、コストが低く、信頼性が高くなるようにする。
【解決手段】シールドは、本体部と、本体部の一端側に位置する基板接続部と、本体部の他端側に位置する接点部とを含み、コネクタの周辺を囲み、本体部、基板接続部及び接点部は、ハウジングから露出した露出面を含み、基板接続部は、コネクタの全周に亘って形成され、本体部、基板接続部及び接点部は、金属基材と、金属基材の上に形成された第1~第3層のめっき層を含み、第1層は、ニッケル又はニッケル合金のめっき層であり、第2層は、白金族金属又は白金族金属合金のめっき層であり、第3層は、金又は金合金のめっき層であり、第3層の厚さは0.2~15〔nm〕である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)ハウジングと、シールドとを備えるコネクタであって、
(b)前記シールドは、本体部と、該本体部の一端側に位置する基板接続部と、前記本体部の他端側に位置する接点部とを含み、前記コネクタの周辺を囲み、
(c)前記本体部、基板接続部及び接点部は、それぞれ、前記ハウジングから露出した露出面を含み、
(d)前記基板接続部は、前記コネクタの全周に亘って形成され、
(e)前記本体部、基板接続部及び接点部は、それぞれ、金属基材と、該金属基材の上に形成された第1~第3層のめっき層を含み、
(f)前記第1層は、ニッケル又はニッケル合金のめっき層であり、前記第2層は、白金族金属又は白金族金属合金のめっき層であり、前記第3層は、金又は金合金のめっき層であり、前記第3層の厚さは0.2~15〔nm〕であることを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記ハウジングは、前記シールドと一体成形される請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記基板接続部は、全周に亘って基板にはんだ付される請求項1に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記基板接続部は、全周に亘って連続するフランジである請求項1に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記接点部は、前記シールドの四辺に形成可能である請求項1に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記シールドの上端には、前記コネクタの内側に向って湾曲する湾曲部を形成可能である請求項1に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記めっき層は、前記シールドの全体に亘って形成されている請求項1に記載のコネクタ。
【請求項8】
前記第3層の厚さは0.5~8〔nm〕である請求項1に記載のコネクタ。
【請求項9】
前記白金族金属はパラジウム又はパラジウム合金であり、前記第2層の厚さは2~200〔nm〕である請求項1に記載のコネクタ。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載のコネクタと、該コネクタと嵌合する相手方コネクタとを有するコネクタ対。
【請求項11】
(a)前記相手方コネクタは、ハウジングと、シールドとを備え、
(b)該シールドは、本体部と、該本体部の一端側に位置する基板接続部と、前記本体部の他端側に位置する接点部とを含み、前記相手方コネクタの周辺を囲み、
(c)前記本体部、基板接続部及び接点部は、それぞれ、前記ハウジングから露出した露出面を含み、
(d)前記基板接続部は、前記相手方コネクタの全周に亘って形成され、
(e)前記本体部、基板接続部及び接点部は、それぞれ、金属基材と、該金属基材の上に形成された第1~第3層のめっき層を含み、
(f)前記第1層は、ニッケル又はニッケル合金のめっき層であり、前記第2層は、白金族金属又は白金族金属合金のめっき層であり、前記第3層は、金又は金合金のめっき層であり、前記第3層の厚さは0.2~15〔nm〕である請求項10に記載のコネクタ対。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コネクタ及びコネクタ対に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、一対の平行な回路基板同士を電気的に接続するために、基板対基板コネクタが使用されている。このようなコネクタは、それぞれ、導電部材である端子を複数本ずつ備え、各端子の基板接続部が回路基板上に形成された配線パターン等にはんだ付によって接続されており、コネクタ同士が嵌合し、対応する端子の接点部同士が互いに接触すると、一対の回路基板の対応する配線パターン同士が互いに導通する。そして、各端子には、溶融したはんだが基板接続部から接点部にまで這上がってしまうことを防止するために、はんだバリアが形成されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
図16は従来の端子を示す図であって、(a)は側面図、(b)は断面図である。
【0004】
図において、861は、図示されないコネクタのハウジングに取付けられる端子であり、細長い帯状の導電性の金属板を屈曲させて形成された部材であり、細長い本体部861cと、該本体部861cの一端側に形成され、相手方の端子と接触する接点部861aと、前記本体部861cの他端側に形成され、図示されない回路基板上に形成された配線パターン等にはんだ付によって接続される基板接続部861bとを備えている。
【0005】
そして、前記接点部861a及び基板接続部861bにおいては、
図16(b)に示されるように複数のめっき層が形成されている。図において、862は金属基材であり、例えば、ベリリウム銅等の銅合金から成る。また、863aは、金属基材862の上に形成された下地層としてのニッケルめっき層であり、その厚さは2〔μm〕程度である。さらに、863bは、ニッケルめっき層863aの上に形成されたパラジウムめっき層であり、例えば、Pd-Ni合金等のパラジウム合金から成り、その厚さは0.1〔μm〕以上であることが望ましい。さらに、863cは、パラジウムめっき層863bの上に形成された金めっき層であり、例えば、Au-Co合金等の金合金から成り、その厚さは0.3〔μm〕以上であることが望ましい。
【0006】
これにより、前記接点部861aにおいては、電気抵抗を低減させるとともに硬度及び耐摩耗性を向上させることができ、良好な接触信頼性を得ることができる。また、前記基板接続部861bにおいては、良好な耐食性及びはんだ濡れ性を保ちつつ、硬度及び耐摩耗性を向上させることができる。さらに、前記本体部861cにおいては、ニッケルめっき層863a、及び、該ニッケルめっき層863a上のパラジウムめっき層863bが形成されているものの、金めっき層863cは存在しないようになっている。
【0007】
このように、金めっき層863cよりもはんだ濡れ性が悪いパラジウムめっき層863bが表面に形成されているので、前記本体部861cは、はんだバリアとして機能し、溶融したはんだが基板接続部861bから接点部861aにまで這上がってしまうことを防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、前記従来のコネクタにおいては、基板接続部861bと接点部861aとの間にはんだバリアを形成する必要があり、しかも、はんだが基板接続部861bから接点部861aまで這上がってしまうことを確実に防止するためには、はんだバリアを広範囲に亘って形成する必要があるが、そうすると、基板接続部861bから接点部861aまでの距離が長くなり、端子861が大型化してしまう。近年では、特に、基板対基板コネクタの小型化及び低背化が進んでいるので、端子861を大型にして基板接続部861bから接点部861aまでの距離を長くすることは困難である。そもそも、基板対基板コネクタの小型化及び低背化に伴って端子861も小型化されているので、基板接続部861bから接点部861aまでの間に、はんだバリアを形成すること自体が非常に困難である。
【0010】
ここでは、前記従来の問題点を解決して、はんだバリアを形成することなく、はんだ濡れ性を適度に維持し、基板接続部の接続強度を向上させつつ、接点部における接触抵抗を低減することができ、構造が簡素で、コストが低く、信頼性の高いコネクタ及びコネクタ対を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
そのために、コネクタにおいては、ハウジングと、シールドとを備えるコネクタであって、前記シールドは、本体部と、該本体部の一端側に位置する基板接続部と、前記本体部の他端側に位置する接点部とを含み、前記コネクタの周辺を囲み、前記本体部、基板接続部及び接点部は、それぞれ、前記ハウジングから露出した露出面を含み、前記基板接続部は、前記コネクタの全周に亘って形成され、前記本体部、基板接続部及び接点部は、それぞれ、金属基材と、該金属基材の上に形成された第1~第3層のめっき層を含み、前記第1層は、ニッケル又はニッケル合金のめっき層であり、前記第2層は、白金族金属又は白金族金属合金のめっき層であり、前記第3層は、金又は金合金のめっき層であり、前記第3層の厚さは0.2~15〔nm〕である。
【0012】
他のコネクタにおいては、さらに、前記ハウジングは、前記シールドと一体成形される。
【0013】
更に他のコネクタにおいては、さらに、前記基板接続部は、全周に亘って基板にはんだ付される。
【0014】
更に他のコネクタにおいては、さらに、前記基板接続部は、全周に亘って連続するフランジである。
【0015】
更に他のコネクタにおいては、さらに、前記接点部は、前記シールドの四辺に形成可能である。
【0016】
更に他のコネクタにおいては、さらに、前記シールドの上端には、前記コネクタの内側に向って湾曲する湾曲部を形成可能である。
【0017】
更に他のコネクタにおいては、さらに、前記めっき層は、前記シールドの全体に亘って形成されている。
【0018】
更に他のコネクタにおいては、さらに、前記第3層の厚さは0.5~8〔nm〕である。
【0019】
更に他のコネクタにおいては、さらに、前記白金族金属はパラジウム又はパラジウム合金であり、前記第2層の厚さは2~200〔nm〕である。
【0020】
コネクタ対においては、本開示のコネクタと、該コネクタと嵌合する相手方コネクタとを有する。
【0021】
他のコネクタ対においては、さらに、前記相手方コネクタは、ハウジングと、シールドとを備え、該シールドは、本体部と、該本体部の一端側に位置する基板接続部と、前記本体部の他端側に位置する接点部とを含み、前記相手方コネクタの周辺を囲み、前記本体部、基板接続部及び接点部は、それぞれ、前記ハウジングから露出した露出面を含み、前記基板接続部は、前記相手方コネクタの全周に亘って形成され、前記本体部、基板接続部及び接点部は、それぞれ、金属基材と、該金属基材の上に形成された第1~第3層のめっき層を含み、前記第1層は、ニッケル又はニッケル合金のめっき層であり、前記第2層は、白金族金属又は白金族金属合金のめっき層であり、前記第3層は、金又は金合金のめっき層であり、前記第3層の厚さは0.2~15〔nm〕である。
【発明の効果】
【0022】
本開示によれば、コネクタは、はんだバリアを形成することなく、はんだ濡れ性を適度に維持し、基板接続部の接続強度を向上させつつ、接点部における接触抵抗を低減することができる。また、構造を簡素化し、コストを低減することができるとともに、信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本実施の形態における第1コネクタの分解図である。
【
図2】本実施の形態における第1コネクタの二面図であって、(a)は上面図、(b)は(a)のA-A矢視断面図である。
【
図3】本実施の形態における第1シールドの二面図であって、(a)は上面図、(b)は(a)のB-B矢視断面図である。
【
図4】本実施の形態における第2コネクタの斜視図であって、(a)は斜め上方から観た図、(b)は斜め下方から観た図である。
【
図5】本実施の形態における第2コネクタの三面図であって、(a)は上面図、(b)は側面図、(c)は正面図である。
【
図6】本実施の形態における第2コネクタの下面図である。
【
図7】本実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとの嵌合初期の状態の平面図である。
【
図8】本実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとの嵌合初期の状態の断面図であって、(a)は
図7のC-C矢視断面図、(b)は
図7のD-D矢視断面図である。
【
図9】本実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとの嵌合が完了した状態の斜視図である。
【
図10】本実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとの嵌合が完了した状態の平面図である。
【
図11】本実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとの嵌合が完了した状態の側断面図であって、(a)は
図10のE-E矢視断面図、(b)は
図10のF-F矢視断面図である。
【
図12】本実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとの嵌合が完了した状態の横断面図であって、(a)は
図10のG-G矢視断面図、(b)は
図10のH-H矢視断面図である。
【
図13】本実施の形態におけるめっき層の構成を示す導電部材の表面近傍の模式断面図である。
【
図14】本実施の形態におけるはんだ濡れ広がり実験の結果を示す図である。
【
図15】本実施の形態における第2及び第3層の厚さを変化させた実験の結果を示す表である。
【
図16】従来の端子を示す図であって、(a)は側面図、(b)は断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0025】
図1は本実施の形態における第1コネクタの分解図、
図2は本実施の形態における第1コネクタの二面図、
図3は本実施の形態における第1シールドの二面図である。なお、
図2において、(a)は上面図、(b)は(a)のA-A矢視断面図であり、
図3において、(a)は上面図、(b)は(a)のB-B矢視断面図である。
【0026】
図において、10は、本実施の形態におけるコネクタであって、コネクタ対である一対の基板対基板コネクタの一方としての第1コネクタである。該第1コネクタ10は、実装部材としての図示されない基板である第1基板の表面に実装される表面実装型のレセプタクルコネクタであって、後述される相手方コネクタとしての第2コネクタ101と互いに嵌合される。また、該第2コネクタ101は一対の基板対基板コネクタの他方であり、実装部材としての図示されない基板である第2基板の表面に実装される表面実装型のプラグコネクタである。
【0027】
なお、本実施の形態におけるコネクタ対の第1コネクタ10及び第2コネクタ101は、好適には、基板としての第1基板及び第2基板を電気的に接続するために使用するものであるが、他の部材を電気的に接続するためにも使用することができる。前記第1基板及び第2基板は、例えば、電子機器等に使用されるプリント回路基板、フレキシブルフラットケーブル(FFC)、フレキシブル回路基板(FPC)等であるが、いかなる種類の基板であってもよい。
【0028】
また、本実施の形態において、コネクタ対の第1コネクタ10及び第2コネクタ101の各部の構成及び動作を説明するために使用される上、下、左、右、前、後等の方向を示す表現は、絶対的なものでなく相対的なものであり、前記第1コネクタ10及び第2コネクタ101の各部が図に示される姿勢である場合に適切であるが、その姿勢が変化した場合には姿勢の変化に応じて変更して解釈されるべきものである。
【0029】
そして、前記第1コネクタ10は、導電性の金属板に打抜き、絞り等の加工を施すことによって形成されたシールドである第1外側シールドとしての第1シールド50と、合成樹脂等の絶縁性材料によって一体的に形成されたハウジングとしての第1ハウジング11とを有する。該第1ハウジング11は、平板状の底板18と、該底板18の上面から上方に向けて突出する凸部としての第1凸部13と、前記底板18の四隅から上方に向けて突出する隅部17とを有する。
【0030】
該隅部17は、第1シールド50がオーバーモールド乃至インサート成形によって第1ハウジング11と一体化される際に、前記第1シールド50と接続される部分である。本実施の形態において、第1ハウジング11は、第1シールド50と一体成形される。すなわち、第1ハウジング11は、第1シールド50をあらかじめ内部にセットした金型のキャビティ内に合成樹脂等の絶縁性材料を充填することによって成形され、前記隅部17において第1シールド50と一体的に接続される。したがって、第1ハウジング11と第1シールド50とは、別個に存在するものではないが、
図1においては、説明の都合上、第1ハウジング11と第1シールド50とが別個に存在するように、示されている。
【0031】
図1に示されるように、各隅部17は、それぞれ、円筒壁を四分割した1つのような形状となっており、平面視において、中心角が約90度の円弧状の形状を有する上壁部17aと、該上壁部17aの外縁から下方(Z軸負方向)に延在する円筒面状の外壁部17bと、前記上壁部17aの内縁から下方に延在する円筒面状の内壁部17cと、中心角が約90度の円弧の両端に相当する上壁部17aの縁から下方に延在する一対の平面状の側壁部17dとを含んでいる。なお、
図1に示される例において、各側壁部17dには、周縁を除いて凹入した凹入部17d1が形成されているが、該凹入部17d1を省略し、側壁部17dを平面にすることもできる。
【0032】
そして、前記内壁部17cには、第1シールド50の嵌合位置決め部51bに含まれるコーナ部50cにおける内壁51を収容するように凹入したシールド収容部17eが存在する。該シールド収容部17eの下端部は、底板18の接続部18aにおける上面とほぼ平行となるように形成されている。そして、
図1及び2(b)に示されるように、前記シールド収容部17eの下端部近傍の少なくとも一部には、収容部50dの内方に向けて突出する係止凸部17hが形成されることが望ましい。
【0033】
また、前記第1シールド50の嵌合位置決め部51bに含まれるコーナ部50cは、その下端部がフランジ部54における上面とほぼ平行となるように形成されている。そして、前記コーナ部50cを含む嵌合位置決め部51bの上端近傍は、収容部50dの内方斜め下に向けて緩やかに傾斜した緩傾斜面部51hとなっている。
【0034】
なお、前記嵌合位置決め部51bは、緩傾斜面部51hの下端から下方にほぼ鉛直に延びる位置決め下部51jを含んでいる。そして、
図3(b)に示されるように、前記位置決め下部51jの内壁面、すなわち、外壁52に対向する壁面の下端部近傍の少なくとも一部には、収容部50dの内方に向けて凹入する係止凹部51kが形成されていることが望ましい。
【0035】
これにより、第1シールド50がオーバーモールド乃至インサート成形によって第1ハウジング11と一体化される際に、
図2(b)に示されるように、コーナ部50cの裏側に充填された第1ハウジング11の構成材料の一部が係止凹部51k内に進入して、係止凸部17hが形成され、該係止凸部17hと係止凹部51kとが噛合った状態となる。したがって、コーナ部50cと隅部17とは確実に一体化され、分離不能となる。なお、前記位置決め下部51jの外壁面、すなわち、収容部50dの内方に向いた壁面と、隅部17の内壁部17cとは、鉛直方向に延びるほぼ同一面となる。
【0036】
前記第1凸部13は、第1コネクタ10の長手方向(X軸方向)に延在する概略直方体状の部材であり、第1コネクタ10の幅方向(Y軸方向)両側において第1コネクタ10の長手方向に延在する一対の外側凸部13aと、前記幅方向の中央において第1コネクタ10の長手方向に延在する内側凸部13bと、前記幅方向に延在し、外側凸部13a及び内側凸部13bの長手方向両端同士を接続する一対の横向凸部13cとを含んでいる。そして、内側凸部13bの左右両側における外側凸部13aとの間には、第1凹部12の一部として、第1コネクタ10の長手方向に延在する凹部である一対の内凹溝部12aが形成される。
【0037】
ここで、前記内側凸部13bの左右両側の側面から、内凹溝部12aの底面を通って、外側凸部13aの側面にかけては、第1信号端子収容キャビティ15が形成されている。図に示される例において、第1信号端子収容キャビティ15は、前記底板18を板厚方向(Z軸方向)に貫通するように形成される。なお、前記第1信号端子収容キャビティ15のうちで、内側凸部13bの左右両側の側面に形成された凹溝状の部分を第1信号端子収容内側キャビティ15aと称し、外側凸部13aにおける内側凸部13bと対向する側面に形成された凹溝状の部分を第1信号端子収容外側キャビティ15bと称する。
【0038】
前記第1信号端子収容キャビティ15は、所定(例えば、0.35〔mm〕。)のピッチで複数(図に示される例においては3つ)が長手方向に並んで形成されている。なお、該第1信号端子収容キャビティ15のピッチ及び数は適宜変更することができる。そして、第1信号端子収容キャビティ15の各々に収容されて第1ハウジング11に取付けられる端子としての第1端子61も、各第1凸部13の両側に、同様のピッチで複数個ずつ配設されている。すなわち、前記第1端子61は、各内凹溝部12aに沿って複数ずつ配設され、並列する一対の端子群列を形成している。
【0039】
また、前記第1凸部13における長手方向両端外側、すなわち、横向凸部13cの外側には、後述される第2コネクタ101の第2シールド150が備える内壁151が進入するスリットとしての第2シールド収容スリット13dがそれぞれ形成されている。図に示される例において、第2シールド収容スリット13dは、底板18を板厚方向に貫通するように形成されているが、必ずしも、底板18を板厚方向に貫通する必要はない。
【0040】
前記第1凸部13における第1コネクタ10の幅方向外側における底板18には、側凹部18bが形成され、これにより、底板18は、第1コネクタ10の幅方向の寸法が小さく、すなわち、幅狭に形成されている。また、底板18の第1コネクタ10の長手方向両端には端凹部18cが形成され、これにより、底板18は、第1コネクタ10の長手方向の寸法が小さく、すなわち、短く形成されている。
【0041】
さらに、第1コネクタ10の長手方向に関して第1凸部13よりも外側においては、底板18の上面から上方に向けて突出する一対の支持部としての第1高周波端子支持部16が形成されている。該第1高周波端子支持部16は、上方から観た形状が、
図2(a)に示されるように、概略U字状の柱状部材であって、上下方向に延在する高周波端子収容溝としての第1高周波端子収容溝16aを有する。また、第1高周波端子支持部16同士は、それぞれの第1高周波端子収容溝16aの開口が反対方向を向くように配置され、しかも、
図2(a)に示されるように、上方から観て、すなわち、平面視において、第1コネクタ10の中心に関して点対称となるように、かつ、第1コネクタ10の幅方向の中心から離間して幅方向の外側に偏倚するように配置されている。そして、前記第1高周波端子収容溝16aには、高周波端子としての第1高周波端子71が収容される。また、前記第1高周波端子収容溝16aの下方及びその前方においては、底板18を板厚方向に貫通する開口としての第1高周波端子収容開口16bが形成されている。
【0042】
前記第1シールド50は、導電性の金属板に打抜き、絞り等の加工を施すことによって一体的に形成された部材であって、第1コネクタ10の嵌合方向に延伸する曲線的部材であるから、その表面は延伸面であると言える。また、前記第1シールド50は、
図2(a)に示されるように、上方から観て、すなわち、平面視において、概略矩形の枠状の部材であり、第1コネクタ10の周辺を囲み、第1ハウジング11の周囲を囲繞する。そして、前記第1シールド50は、その上端における内周縁に形成された斜め下方に向けて延びる傾斜部としての傾斜面部51d及び緩傾斜面部51hを含んでいる。また、前記第1シールド50は、第1コネクタ10の長手方向に直線的に延在するリニア部としての複数(図に示される例において、一対)の長辺部50aと、第1コネクタ10の幅方向に直線的に延在するリニア部としての複数(図に示される例において、一対)の短辺部50bと、前記長辺部50aの一端と短辺部50bの一端とを接続する略90度に湾曲した湾曲部としての複数(図に示される例において、4つ)のコーナ部50cとを含んでいる。
【0043】
また、前記第1シールド50は、外壁52と、該外壁52の内側において前記外壁52とほぼ平行な内壁51と、前記外壁52の上端と内壁51の上端とを連結して一体化する連結部53とを含んでいる。該連結部53は、第1シールド50の上端において第1コネクタ10の内側に向って湾曲する湾曲部となっている。前記外壁52は全周に亘って連続した壁であるのに対して、前記内壁51は、長辺部50a及び短辺部50bにおいてコーナ部50cに近接した部分に形成されたスリット部53aによって、嵌合ばね部51aと嵌合位置決め部51bとに分離されている。なお、前記内壁51の長辺部50a、短辺部50b及びコーナ部50cに対応する部分によって周囲を囲繞された空間は、相手方コネクタである第2コネクタ101が挿入されて収容される収容部50dとなっている。
【0044】
前記嵌合ばね部51aは、各長辺部50aの範囲内及び各短辺部50bの範囲内に含まれる直線的に延在する部分であって、第1コネクタ10と第2コネクタ101とが嵌合した状態で、該第2コネクタ101の第2シールド150の後述される外壁152と弾性的に接触して第1シールド50と第2シールド150との導通状態を維持するグラウンドばねとして機能する。また、前記嵌合位置決め部51bは、湾曲したコーナ部50cの両側に長辺部50aの一部及び短辺部50bの一部が接続された部分であって、第1コネクタ10と第2コネクタ101とが嵌合する際に、収容部50d内に挿入される第2コネクタ101をガイドする。具体的には、第2コネクタ101は、その第2シールド150の外壁152が嵌合位置決め部51bに接触しながら収容部50d内に挿入され、これにより、第2コネクタ101の第1コネクタ10に対する位置決めが行われる。
【0045】
そして、前記嵌合ばね部51aは、その上端が連結部53の下端に接続され、収容部50dの内方斜め下に向けて延びる傾斜面部51dと、該傾斜面部51dの下端に形成され、収容部50dの内方に向けて突出する係合凸部51cと、該係合凸部51cの下端から下方にほぼ鉛直に延びる内壁下部51eとを含んでいる。前記係合凸部51cは、第1コネクタ10と第2コネクタ101とが嵌合した状態で、該第2コネクタ101の第2シールド150の外壁152、又は、該外壁152に形成された後述される係合凸部152cと係合して接触する部分であって、接点部として機能する。なお、前記係合凸部51cは、第1コネクタ10の長手方向又は幅方向に直線的に延在する。各嵌合ばね部51aは、第1ハウジング11と接続されず、しかも、その両端がスリット部53aによって他の部分から分離されているので、比較的柔軟性を有し、外壁52に接近又は離間する方向に弾性的に変形可能である。
【0046】
なお、前記嵌合位置決め部51bの上端近傍は、連結部53における内壁51の上端との連結部分であって、収容部50dの内方斜め下に向けて緩やかに傾斜した緩傾斜面部51hとなっている。そのため、第1コネクタ10の長手方向及び幅方向に観ると、緩傾斜面部51hの傾斜角、すなわち、テーパ角は、嵌合ばね部51aの傾斜面部51dのテーパ角より緩く、第1コネクタ10と第2コネクタ101とが嵌合する際に、収容部50d内に挿入される第2コネクタ101には、緩傾斜面部51hが当接した後に、傾斜面部51dが当接する。これにより、第1コネクタ10と第2コネクタ101とが嵌合する際に、嵌合ばね部51aが受けるダメージを低減することができる。
【0047】
また、前記嵌合位置決め部51bに含まれるコーナ部50cは、第1シールド50がオーバーモールド乃至インサート成形によって第1ハウジング11と一体化される際に、第1ハウジング11と接続される部分であり、具体的には、隅部17と一体化される部分である。なお、第1シールド50における他の部分は、第1ハウジング11から分離されている。したがって、第1シールド50と第1ハウジング11とが一体化された状態では、コーナ部50cにおける外壁52及び連結部53は、隅部17における外壁部17b及び上壁部17aを覆っている。また、コーナ部50cにおける内壁51は、隅部17における内壁部17cに形成されたシールド収容部17e内に収容される。
【0048】
これにより、コーナ部50cと隅部17とは確実に一体化され、分離不能となる。また、コーナ部50cは、第1ハウジング11の隅部17と一体化され、少なくとも、外壁52、内壁51及び連結部53によって周囲を画定された空間には、第1ハウジング11を構成する絶縁性材料が充填されている。すなわち、コーナ部50cは、その裏側に第1ハウジング11の構成材料が充填されているので、堅牢である。そして、コーナ部50cを含む嵌合位置決め部51bは、堅牢性が高いので、第2コネクタ101の第2シールド150の後述される嵌合面101aの近傍部分が当接しても、変形したり、破損したりすることがない。
【0049】
前記外壁52の下端には、略90度に湾曲した湾曲部52aを介して、外方に延在する平面部としてのフランジ部54が接続されている。前記湾曲部52a及びフランジ部54は、全周に亘って連続して外壁52の下端に接続されている。なお、図に示される例において、前記フランジ部54の複数箇所に小さなノッチ54aが形成されているが、該ノッチ54aは適宜省略することができる。
【0050】
前記フランジ部54は、基板接続部として機能し、その下面が第1基板の表面と平行であり、該表面の接続パッドにはんだ付によって接続される部分である。なお、内壁51における接点部としての係合凸部51cが形成された箇所から、連結部53及び外壁52を含んで、基板接続部としてのフランジ部54までの範囲を統合的に説明する場合には、本体部として説明する。前記接続パッドは、典型的には、グラウンドラインに接続されている。そして、前記外壁52は、それ自体が全周に亘って連続した壁であることに加え、その上端が連結部53において連続した部分であって、横断面において、外壁52と直交する方向に延在する箇所を含む部分に接続され、その下端がフランジ部54のように連続した部材であって、横断面において、外壁52と直交する方向に延在する部材に接続されているので、比較的剛性が高く、変形しにくくなっている。
【0051】
そして、第1ハウジング11が収容部50d内において第1シールド50と接続された状態では、前記収容部50d内に周囲が内壁51によって囲まれ、下方が底板18によって画定された凹部であって、第2コネクタ101と嵌合する第1凹部12が形成される。また、前述のように、内側凸部13bの左右両側における外側凸部13aとの間には、第1凹部12の一部として、第1コネクタ10の長手方向に延在する細長い凹部である内凹溝部12aが形成される。さらに、各外側凸部13aと内壁51との間には、第1凹部12の一部として、第1コネクタ10の長手方向に延在する細長い凹部である外凹溝部12cが形成される。さらに、第1コネクタ10の長手方向に関する第1凸部13の両端外方には、第1凹部12の一部として、嵌合凹部12bが形成される。
【0052】
前記第1端子61は、導電性の金属板に打抜き、曲げ等の加工を施すことによって一体的に形成された部材であり、被保持部63と、該被保持部63の下端に接続された基板接続部としてのテール部62と、前記被保持部63の上端に接続された外側接続部65と、該外側接続部65の下端に接続された略U字状の側面形状を備える下側接続部64とを備え、前記外側接続部65の下端近傍に第1コネクタ10の幅方向の内方に向って膨出するように湾曲した接触部65aが形成されているものであるが、さらに、前記下側接続部64の先端に接続された内側接続部66を備えている。該内側接続部66は、下側接続部64に対して曲げて接続され、上方(Z軸正方向)を向いて延出し、その上端近傍には、第1コネクタ10の幅方向の外方に向って膨出するように湾曲した接触部66aが形成されている。該接触部66aは、前記外側接続部65の接触部65aと同様に、第2コネクタ101が備える後述される第2端子161と接触する部分である。つまり、本実施の形態における第1端子61は、互いに対向する外側接続部65の接触部65aと内側接続部66の接触部66aとを備え、第2端子161と2点接触をするように構成されている。第1端子61が第1ハウジング11に取付けられた状態において、外側接続部65の接触部65aと内側接続部66の接触部66aとは、内凹溝部12a内に突出して、互いに向合っている。
【0053】
そして、前記第1端子61は、第1コネクタ10の下面(Z軸負方向面)である実装面10b側から、第1信号端子収容キャビティ15内に圧入され、被保持部63が第1信号端子収容外側キャビティ15bの内側の側面によって両側から挟持されることにより、第1ハウジング11に固定される。なお、第1端子61は、必ずしも圧入によって第1ハウジング11に取付けられるものでなく、オーバーモールド乃至インサート成形によって第1ハウジング11と一体化されるものであってもよいが、ここでは、説明の都合上、被保持部63が第1信号端子収容外側キャビティ15b内に圧入されて保持されるものである場合について、説明する。
【0054】
また、前記テール部62は、被保持部63に対して曲げて接続され、左右方向(Y軸方向)、すなわち、第1コネクタ10の幅方向の外方を向いて延出し、第1基板の導電トレースに連結された接続パッドにはんだ付等によって接続される。なお、前記導電トレースは、電力を供給する電力ラインであってもよいが、典型的には、信号ラインである。また、該信号ラインは、高周波信号を伝達するものでなく、高周波信号よりも周波数の低い通常の周波数(例えば、周波数10〔GHz〕未満。)の信号を伝達するものであるとして、説明する。なお、前記テール部62は、第1コネクタ10の嵌合方向から観て、すなわち、嵌合面10a側から観て視認可能である。
【0055】
前記第1高周波端子71は、導電性の金属板に打抜き、曲げ等の加工を施すことによって一体的に形成された部材であり、被保持部73と、該被保持部73の下端に接続された基板接続部としてのテール部72と、前記被保持部73の上端に接続された上側接続部75とを備える。
【0056】
そして、前記被保持部73は、上下方向(Z軸方向)に延在し、前記第1高周波端子収容溝16a内に圧入されて保持される部分である。前述のように、第1高周波端子支持部16同士はそれぞれの第1高周波端子収容溝16aの開口が反対方向を向くように配置されているので、被保持部73が第1高周波端子収容溝16a内に保持された第1高周波端子71同士も、互いに反対を向くような姿勢となる。なお、第1高周波端子71は、必ずしも圧入によって第1ハウジング11に取付けられるものでなく、オーバーモールド乃至インサート成形によって第1ハウジング11と一体化されるものであってもよいが、ここでは、説明の都合上、被保持部73が第1高周波端子収容溝16a内に圧入されて保持されるものである場合について、説明する。
【0057】
また、前記テール部72は、被保持部73に対して曲げて接続され、左右方向(Y軸方向)、すなわち、第1コネクタ10の幅方向の中心を向いて延出し、第1基板の導電トレースに連結された接続パッドにはんだ付等によって接続される。なお、前記導電トレースは、信号ラインであって、典型的には、RF信号のような高い周波数(例えば、周波数10〔GHz〕以上。)の高周波信号を伝達するものであるとして、説明する。
【0058】
さらに、前記上側接続部75は、第1コネクタ10の長手方向から観て概略S字状に湾曲し、第1コネクタ10の幅方向の中心を向いて膨出するように湾曲した部分は、接触部75aとして機能する。該接触部75aは、第2コネクタ101が備える後述される第2高周波端子171と接触する部分である。
【0059】
前記第1高周波端子71は、実装面10b側から、嵌合凹部12b内に位置する第1高周波端子支持部16の第1高周波端子収容溝16a内に圧入され、被保持部73が第1高周波端子収容溝16aの内側の側面によって両側から挟持されることにより、第1ハウジング11に固定される。この状態、すなわち、第1高周波端子71が第1ハウジング11に装填された状態において、一対の第1高周波端子71の接触部75a同士は、互いに反対方向を向いている。
【0060】
そして、前記第1コネクタ10は、実装面10b側にはんだシートとしての図示されない第1はんだシートが付与されて第1基板の表面上に載置され、加熱炉等によって前記第1はんだシートが加熱されて溶融することにより、第1基板の表面上に固定されて実装される。なお、第1シールド50、第1端子61、第1高周波端子71等を第1基板の接続パッド等に接続するための手段は、必ずしもはんだシートの付与でなく、はんだペーストの付与、クリームはんだの転写、ドブ漬け、噴流はんだ付等によるものであってもよいが、ここでは、説明の都合上、はんだシートを用いる場合について説明する。
【0061】
前記第1はんだシートは、第1コネクタ10の長手方向に直線的に連続して延在する細長い帯状の一対の長辺部分と、第1コネクタ10の幅方向に直線的に連続して延在する細長い帯状の一対の短辺部分と、長辺が第1コネクタ10の幅方向に延在し、短辺が第1コネクタ10の長手方向に延在する矩形状の複数の短尺部分とを含んでいる。なお、各短辺部分は、その両端が長辺部分に接続されていることが望ましい。また、前記長辺部分及び短辺部分は、必ずしも連続して延在するものである必要はなく、断続的なものであってもよいが、ここでは、連続して延在するものとして説明する。
【0062】
そして、一対の長辺部分は、第1シールド50の長辺部50aに対応するフランジ部54の下面に付与され、一対の短辺部分は、第1シールド50の短辺部50bに対応するフランジ部54の下面に付与される。また、各短尺部分は、各第1端子61のテール部62の下面、及び、各第1高周波端子71のテール部72の下面に、それぞれ、付与される。
【0063】
このようにして付与された第1はんだシートが加熱されて溶融することによって、第1コネクタ10が第1基板の表面上に実装されると、第1シールド50において全周に亘って連続している外壁52の下端に、全周に亘って連続して接続されているフランジ部54は、第1基板の表面の接続パッドに隙間なく接続される。したがって、第1基板の表面の接続パッドに接続された第1シールド50の強度は高いものとなり、ひいては、前記第1シールド50によって外周が囲まれた第1コネクタ10全体の強度が高いものとなる。また、第1基板の表面の接続パッドに隙間なく接続された第1シールド50が発揮する電磁気的なシールド効果は、非常に高いものとなり、前記第1シールド50によって外周が囲まれた第1コネクタ10は、非常に効果的に電磁気的にシールドされる。特に、フランジ部54の下面の平滑度が高いので、第1基板の表面の接続パッドに接続された第1シールド50の強度を極めて高くすることができ、第1基板の表面の接続パッドとの間に隙間が生じないので、電磁気的なシールド効果も極めて高くすることができる。
【0064】
このように、第1コネクタ10は、強度が高く、かつ、電磁気的なシールド効果が高いので、小型低背化しても、高周波信号を伝達することができる。例えば、第1コネクタ10の長手方向、幅方向及び高さ方向の寸法を3.3〔mm〕以下、2.3〔mm〕以下、及び、0.7〔mm〕以下に設定しても、第1高周波端子71は、60〔GHz〕程度の高周波信号を伝達することができる。
【0065】
次に、第2コネクタ101の構成について説明する。
【0066】
図4は本実施の形態における第2コネクタの斜視図、
図5は本実施の形態における第2コネクタの三面図、
図6は本実施の形態における第2コネクタの下面図である。なお、
図4において、(a)は斜め上方から観た図、(b)は斜め下方から観た図であり、
図5において、(a)は上面図、(b)は側面図、(c)は正面図である。
【0067】
本実施の形態における第2コネクタ101は、導電性の金属板に打抜き、絞り等の加工を施すことによって形成されたシールドである第2外側シールドとしての第2シールド150と、合成樹脂等の絶縁性材料によって一体的に形成されたハウジングとしての第2ハウジング111とを有する。該第2ハウジング111は、平板状の底板118と、第2コネクタ101の長手方向中央において底板118の上面から上方に向けて突出する凸部としての第2凸部112と、第2コネクタ101の長手方向(X軸方向)両端において底板118の上面から上方に向けて突出する一対の突出端部122とを有する。前記第2凸部112は、突出端部122より幅狭で、該突出端部122の両側端よりも第2コネクタ101の幅方向(Y軸方向)の内側に位置する。
【0068】
前記第2凸部112は、第2コネクタ101の長手方向に延在する概略直方体状の部材であり、幅方向中央には上面から下方に凹入する溝状の中央溝112bが形成され、該中央溝112bの左右両側の部分は、相手方端子としての第2端子161を支持する端子支持壁112aとなっている。前記第2端子161は、第1端子61に対応するピッチで、対応する数だけ、端子支持壁112aの表面に少なくとも一部が露出するように配設されている。すなわち、前記第2端子161は、各端子支持壁112aに沿って複数ずつ配設され、並列する一対の端子群列(相手方端子群列)を形成している。
【0069】
各突出端部122は、第2コネクタ101の長手方向外側及び幅方向両側を向く外壁面と、第2コネクタ101の嵌合面101a側を向く上面122bと、第2コネクタ101の長手方向内側を向く内壁面122cとを含んでいる。なお、各突出端部122は、第2凸部112の長手方向両端から離間している。そして、各突出端部122には、支持部としての第2高周波端子支持部116が形成されている。該第2高周波端子支持部116は、上下方向に延在する高周波端子収容溝としての第2高周波端子収容溝116aを有し、上方から観た形状が概略U字状となっている。また、第2高周波端子支持部116同士は、それぞれの第2高周波端子収容溝116aの開口が反対方向を向くように配置され、しかも、
図5(a)に示されるように、上方から観て、すなわち、平面視において、第2コネクタ101の中心に関して点対称となるように、かつ、第2コネクタ101の幅方向の中心から離間して幅方向の外側に偏倚するように配置されている。そして、前記第2高周波端子収容溝116aには、高周波端子としての第2高周波端子171が収容される。また、前記第2高周波端子収容溝116aの下方及びその前方においては、底板118を板厚方向に貫通する開口としての第2高周波端子収容開口116bが形成されている。さらに、各突出端部122には、前記第2高周波端子収容溝116aの前方に、前記第2高周波端子収容開口116bから上面122bに至って該上面122bに開口する相手方端子収容凹部としての第1高周波端子収容凹部116cが形成されている。
【0070】
前記第2シールド150は、導電性の金属板に打抜き、絞り等の加工を施すことによって一体的に形成された部材であって、第2コネクタ101の嵌合方向に延伸する曲線的部材であるから、その表面は延伸面であると言える。また、前記第2シールド150は、平面視において、概略矩形の枠状の部材であり、第2コネクタ101の周辺を囲み、第2ハウジング111の周囲を囲繞する。そして、前記第2シールド150は、第2コネクタ101の長手方向に直線的に延在する一対の長辺部150aと、第2コネクタ101の幅方向に直線的に延在する一対の短辺部150bと、前記長辺部150aの一端と短辺部150bの一端とを接続する略90度に湾曲した4つのコーナ部150cとを含んでいる。
【0071】
また、前記第2シールド150は、外壁152と、第2内側シールドとしての内壁151と、上壁153とを含んでいる。そして、前記外壁152は全周に亘って連続した壁である。また、前記上壁153は、各短辺部150b、該短辺部150b両端のコーナ部150c、及び、各長辺部150aの両端近傍において、外壁152の上端に接続され、前記突出端部122の上面122bの少なくとも一部、望ましくは、過半を覆うように形成されている。なお、前記上壁153には、第1高周波端子収容凹部116cに対応する開口としての第1高周波端子収容開口153aが形成されている。さらに、前記内壁151は、前記上壁153における第2コネクタ101の長手方向内側端にその上端が接続されて下方に延在し、前記突出端部122の内壁面122cの少なくとも一部、望ましくは、ほぼ全体を覆うように形成されている。なお、前記内壁151の上端には上壁153に接続される湾曲した上壁接続部151aが形成され、前記内壁151の下端には、先端が第2コネクタ101の長手方向内側を向くように湾曲した基板接続部としてのテール部151bが接続されている。該テール部151bは、その下面が第2基板の表面と平行であり、該表面の接続パッドにはんだ付等によって接続される部分である。前記接続パッドは、典型的には、グラウンドラインに接続されている。そして、一対の長辺部150aに対応する外壁152と一対の内壁151とによって周囲を囲繞された空間は、第1コネクタ10の第1凸部13が挿入されて収容される第2凹部113となっている。
【0072】
前記外壁152の下端には、略90度に湾曲した湾曲部152aを介して、平面部としてのフランジ部154が接続されている。前記湾曲部152a及びフランジ部154は、全周に亘って連続して外壁152の下端に接続されている。なお、図に示される例において、前記フランジ部154の複数箇所に小さなノッチ154aが形成されているが、該ノッチ154aは適宜省略することができる。
【0073】
前記フランジ部154は、基板接続部として機能し、その下面が第2基板の表面と平行であり、該表面の接続パッドにはんだ付によって接続される部分である。前記接続パッドは、典型的には、グラウンドラインに接続されている。そして、前記外壁152は、それ自体が全周に亘って連続した壁であることに加え、その下端がフランジ部154のように連続した部材であって、断面において、外壁152と直交する方向に延在する部材に接続されているので、比較的剛性が高く、変形しにくくなっている。本実施の形態においては、フランジ部154は全周に亘って連続して外壁152の下端に接続されている例を示したが、比較的高い剛性が必要とされない場合は、一部のみに接続されるようにしてもよい。
【0074】
また、長辺部150a及び短辺部150bに対応する外壁152は、外方に突出する係合凸部152cを有してもよい。該係合凸部152cは、第1コネクタ10と第2コネクタ101とが互いに嵌合されたときに、前記第1コネクタ10が備える第1シールド50の内壁51に形成された係合凸部51cと係合して接触する部分であって、接点部として機能し、第2コネクタ101の長手方向及び幅方向に直線的に延在する。そして、外壁152における接点部としての係合凸部152cが形成された箇所から、基板接続部としてのフランジ部154までの範囲を統合的に説明する場合には、本体部として説明する。
【0075】
なお、前記第2シールド150はオーバーモールド乃至インサート成形によって第2ハウジング111と一体化される。本実施の形態において、第2ハウジング111は、第2シールド150と一体成形される。すなわち、第2ハウジング111は、第2シールド150をあらかじめ内部にセットした金型のキャビティ内に合成樹脂等の絶縁性材料を充填することによって成形され、突出端部122において第2シールド150と一体的に接続される。
【0076】
前記第2端子161は、導電性の金属板に打抜き、曲げ等の加工を施すことによって一体的に形成された部材であり、上下方向(Z軸方向)に延在する外側接続部165と、該外側接続部165の下端に接続された基板接続部としてのテール部162と、前記外側接続部165の上端に接続された上側接続部164と、該上側接続部164の下端に接続され、前記外側接続部165と対向する内側接続部166を備えている。そして、前記第2端子161はオーバーモールド乃至インサート成形によって第2ハウジング111と一体化される。すなわち、第2ハウジング111は、第2端子161をあらかじめ内部にセットした金型のキャビティ内に合成樹脂等の絶縁性材料を充填することによって成形される。
【0077】
これにより、第2端子161は、少なくとも一部が第2ハウジング111における第2凸部112の端子支持壁112a内に埋没するようにして、端子支持壁112aに一体的に取付けられ、外側接続部165、上側接続部164及び内側接続部166の表面の少なくとも一部が端子支持壁112aの外側面、上面及び内側面に露出する。なお、前記外側接続部165及び内側接続部166の表面は、接触部として機能し、第1コネクタ10が備える第1端子61と接触する。また、前記テール部162は、端子支持壁112aから第2ハウジング111の幅方向外側を向いて延出し、第2基板の導電トレースに連結された接続パッドにはんだ付等によって接続される。前記テール部162は、第2コネクタ101の長手方向(X軸方向)から観て、内壁151のテール部151bと重複する位置に配設されている。なお、前記導電トレースは、電力を供給する電力ラインであってもよいが、典型的には、信号ラインである。また、該信号ラインは、高周波信号を伝達するものでなく、高周波信号よりも周波数の低い通常の周波数(例えば、周波数10〔GHz〕未満。)の信号を伝達するものであるとして、説明する。
【0078】
また、第2端子161は、必ずしもオーバーモールド乃至インサート成形によって第2ハウジング111と一体化するのではなく、圧入等によって第2ハウジング111に取付けられてもよいが、ここでは、説明の都合上、オーバーモールド乃至インサート成形によって第2ハウジング111と一体化されたものである場合について、説明する。
【0079】
前記第2高周波端子171は、導電性の金属板に打抜き、曲げ等の加工を施すことによって一体的に形成された部材であり、被保持部173と、該被保持部173の下端に接続された基板接続部としてのテール部172と、前記被保持部173の上端に接続された上側接続部175とを備える。
【0080】
そして、前記被保持部173は、上下方向に延在し、前記第2高周波端子収容溝116a内に圧入されて保持される部分であり、前述のように、第2高周波端子支持部116同士はそれぞれの第2高周波端子収容溝116aの開口が反対方向を向くように配置されているので、被保持部173が第2高周波端子収容溝116a内に保持された第2高周波端子171同士も、互いに反対を向くような姿勢となる。なお、第2高周波端子171は、必ずしも圧入によって第2ハウジング111に取付けられるものでなく、オーバーモールド乃至インサート成形によって第2ハウジング111と一体化されるものであってもよいが、ここでは、説明の都合上、被保持部173が第2高周波端子収容溝116a内に圧入されて保持されるものである場合について、説明する。
【0081】
また、前記テール部172は、被保持部173に対して曲げて接続され、左右方向(Y軸方向)、すなわち、第2コネクタ101の幅方向の中心を向いて延出し、第2基板の導電トレースに連結された接続パッドにはんだ付等によって接続される。なお、前記導電トレースは、信号ラインであって、典型的には、RF信号のような高い周波数(例えば、周波数10〔GHz〕以上。)の高周波信号を伝達するものであるとして、説明する。
【0082】
さらに、前記上側接続部175は、第2コネクタ101の長手方向から観て概略S字状に湾曲し、第2コネクタ101の幅方向の中心を向いて膨出するように湾曲した部分は、接触部175aとして機能する。該接触部175aは、第1コネクタ10が備える第1高周波端子71と接触する部分である。
【0083】
前記第2高周波端子171は、実装面101b側から、突出端部122に位置する第2高周波端子支持部116の第2高周波端子収容溝116a内に圧入され、被保持部173が第2高周波端子収容溝116aの内側の側面によって両側から挟持されることにより、第2ハウジング111に固定される。この状態、すなわち、第2高周波端子171が第2ハウジング111に装填された状態において、一対の第2高周波端子171の接触部175a同士は、互いに反対方向を向いている。
【0084】
なお、図に示される例において、第2高周波端子171は、第1高周波端子71と同様の寸法及び形状を有するように形成されている。したがって、第1高周波端子71を第2高周波端子171として使用することができる。
【0085】
そして、前記第2コネクタ101は、実装面101b側にはんだシートとしての図示されない第2はんだシートが付与されて第2基板の表面上に載置され、加熱炉等によって前記第2はんだシートが加熱されて溶融することにより、第2基板の表面上に固定されて実装される。なお、第2シールド150、第2端子161、第2高周波端子171等を第2基板の接続パッド等に接続するための手段は、必ずしもはんだシートの付与でなく、はんだペーストの付与、クリームはんだの転写、ドブ漬け、噴流はんだ付等によるものであってもよいが、ここでは、説明の都合上、第2はんだシートを用いる場合について説明する。
【0086】
該第2はんだシートは、第2コネクタ101の長手方向に直線的に連続して延在する細長い帯状の一対の長辺部分と、第2コネクタ101の幅方向に直線的に連続して延在する細長い帯状の複数の短辺部分と、長辺が第2コネクタ101の幅方向に延在し、短辺が第2コネクタ101の長手方向に延在する矩形状の複数の短尺部分とを含んでいる。なお、各短辺部分は、その両端が長辺部分に接続されていることが望ましい。また、前記長辺部分及び短辺部分は、必ずしも連続して延在するものである必要はなく、断続的なものであってもよいが、ここでは、連続して延在するものとして説明する。
【0087】
そして、一対の長辺部分は、第2シールド150の長辺部150aに対応するフランジ部154の下面に付与され、一対の短辺部分は、第2シールド150の短辺部150bに対応するフランジ部154の下面に付与され、他の一対の短辺部分は、内壁151のテール部151bの下面に付与される。また、各短尺部分は、各第2端子161のテール部162の下面、及び、各第2高周波端子171のテール部172の下面に、それぞれ、付与される。
【0088】
このようにして付与された第2はんだシートが加熱されて溶融することによって、第2コネクタ101が第2基板の表面上に実装されると、第2シールド150において全周に亘って連続している外壁152の下端に、全周に亘って連続して接続されている湾曲部152a及びフランジ部154は、第2基板の表面の接続パッドに隙間なく接続される。したがって、第2基板の表面の接続パッドに接続された第2シールド150の強度は高いものとなり、ひいては、前記第2シールド150によって外周が囲まれた第2コネクタ101全体の強度が高いものとなる。また、第2基板の表面の接続パッドに隙間なく接続された第2シールド150が発揮する電磁気的なシールド効果は、非常に高いものとなり、前記第2シールド150によって外周が囲まれた第2コネクタ101は、非常に効果的に電磁気的にシールドされる。特に、フランジ部154の下面の平滑度が高いので、第2基板の表面の接続パッドに接続された第2シールド150の強度を極めて高くすることができ、第2基板の表面の接続パッドとの間に隙間が生じないので、電磁気的なシールド効果も極めて高くすることができる。
【0089】
また、第2コネクタ101の長手方向両端の突出端部122の各々は、第2コネクタ101の長手方向外側及び幅方向両側を向く外壁面が第2シールド150の外壁152によって覆われ、第2コネクタ101の嵌合面101a側を向く上面122bが第2シールド150の上壁153によって覆われ、第2コネクタ101の長手方向内側を向く内壁面122cが第2シールド150の内壁151によって覆われて、周囲全体がシールドされた状態となっているので、突出端部122に形成された第2高周波端子支持部116によって支持されている第2高周波端子171は、非常に効果的に電磁気的にシールドされる。
【0090】
このように、第2コネクタ101は、強度が高く、かつ、電磁気的なシールド効果が高いので、小型低背化しても、高周波信号を伝達することができる。例えば、第2コネクタ101の長手方向、幅方向及び高さ方向の寸法を2.9〔mm〕以下、1.9〔mm〕以下、及び、0.7〔mm〕以下に設定しても、第2高周波端子171は60〔GHz〕程度の高周波信号を伝達することができる。
【0091】
次に、前記構成の第1コネクタ10と第2コネクタ101とを嵌合させる動作について説明する。
【0092】
図7は本実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとの嵌合初期の状態の平面図、
図8は本実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとの嵌合初期の状態の断面図、
図9は本実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとの嵌合が完了した状態の斜視図、
図10は本実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとの嵌合が完了した状態の平面図、
図11は本実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとの嵌合が完了した状態の側断面図、
図12は本実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとの嵌合が完了した状態の横断面図である。なお、
図8において、(a)は
図7のC-C矢視断面図、(b)は
図7のD-D矢視断面図であり、
図11において、(a)は
図10のE-E矢視断面図、(b)は
図10のF-F矢視断面図であり、
図12において、(a)は
図10のG-G矢視断面図、(b)は
図10のH-H矢視断面図である。
【0093】
第1コネクタ10と第2コネクタ101とを嵌合させる場合 まず、オペレータは、第1コネクタ10の嵌合面10aと第2コネクタ101の嵌合面101aとを対向させた状態とし、第1コネクタ10の第1凸部13の位置が第2コネクタ101の第2凹部113の位置と合致し、第2コネクタ101の突出端部122の位置が第1コネクタ10の対応する嵌合凹部12bの位置と合致すると、第1コネクタ10と第2コネクタ101との位置合せが完了する。
【0094】
この状態で、第1コネクタ10及び/又は第2コネクタ101を相手側に接近する方向、すなわち、嵌合方向に移動させると、第2コネクタ101の第2シールド150が第1コネクタ10の第1シールド50の収容部50d内に挿入され、第1コネクタ10の第1凸部13が第2コネクタ101の第2凹部113内に挿入され、第2コネクタ101の突出端部122が第1コネクタ10の嵌合凹部12b内に挿入される。
【0095】
なお、第1コネクタ10の嵌合面10aには、その周囲を囲むように第1シールド50の連結部53が存在し、第2コネクタ101の嵌合面101aには、第2シールド150の外壁152及び上壁153が存在するので、嵌合の際に第1コネクタ10の嵌合面10aと第2コネクタ101の嵌合面101aとが当接しても、損傷を受けたり破損したりすることがない。
【0096】
また、
図7及び8に示されるような嵌合初期の状態、すなわち、第2コネクタ101の第2シールド150の嵌合面101aの近傍部分が第1コネクタ10の第1シールド50の収容部50d内にわずかに進入した状態では、
図8(a)及び(b)に示されるように、第2シールド150のコーナ部150cにおける外壁152の嵌合面101aの近傍部分が、第1シールド50のコーナ部50cにおける嵌合位置決め部51bの上端近傍(嵌合面10aの近傍)の緩傾斜面部51hに当接し、該緩傾斜面部51hに接触してガイドされながら収容部50d内に挿入される。これにより、第2コネクタ101の第1コネクタ10に対する位置決めが行われる。なお、嵌合位置決め部51bに含まれるコーナ部50cは、第1ハウジング11の隅部17と一体化され、裏側に第1ハウジング11を構成する絶縁性材料が充填されているので、堅牢である。したがって、嵌合位置決め部51bは、堅牢性が高いので、第2コネクタ101の第2シールド150の嵌合面101aの近傍部分が当接しても、変形したり、破損したりすることがない。
【0097】
また、第2シールド150のコーナ部150cにおける外壁152の嵌合面101aの近傍部分は、前記緩傾斜面部51hに当接した後に、第1シールド50の嵌合ばね部51aの傾斜面部51dに当接する。これにより、嵌合ばね部51aが受けるダメージを低減することができる。
【0098】
続いて、
図9~12に示されるように、第1コネクタ10と第2コネクタ101との嵌合が完了すると、第1端子61と第2端子161とが導通し、第1高周波端子71と第2高周波端子171とが導通した状態となる。
【0099】
具体的には、第2ハウジング111の第2凸部112の一対の端子支持壁112aが第1ハウジング11の一対の内凹溝部12a内に挿入され、
図12(a)に示されるように、内凹溝部12a内に突出して、互いに向合っている第1端子61の外側接続部65の接触部65aと内側接続部66の接触部66aとが、端子支持壁112aの外側面及び内側面に露出している第2端子161の外側接続部165及び内側接続部166に接触する。
【0100】
この際、第1端子61の下側接続部64とその近傍は、概略U字状の形状を有して弾性変形可能であるので、互いに向合う外側接続部65の接触部65aと内側接続部66の接触部66aとの間隔は、弾性的に拡張可能となっている。そのため、外側接続部65の接触部65aと内側接続部66の接触部66aとの間隔はその間に挿入された第2端子161によって弾性的に押広げられ、その反作用として、第2端子161は、外側接続部65の接触部65aと内側接続部66の接触部66aとによって両側から弾性的に挟持された状態となる。これにより、互いに対応する第1端子61の外側接続部65の接触部65a及び第2端子161の外側接続部165、並びに、第1端子61の内側接続部66の接触部66a及び第2端子161の内側接続部166は、衝撃や振動を受けたときにも、接触を維持して離間することがないので、安定した導通状態を維持することができる。また、互いに対応する第1端子61と第2端子161とは、2箇所で接触する、いわゆる、2点接触の状態となり、仮に1箇所の接触が解除されても、他方の接触が維持されるので、接触状態を安定的に維持することができる。
【0101】
また、嵌合凹部12b内に位置する第1高周波端子支持部16が突出端部122の第1高周波端子収容凹部116c内に挿入され、
図12(b)に示されるように、第1高周波端子71の接触部75aと第2高周波端子171の接触部175aとが接触する。この際、第1高周波端子71及び第2高周波端子171の接触部75a及び175aは、湾曲した上側接続部75及び175自体が弾性変形可能であるので、第1コネクタ10及び第2コネクタ101の幅方向に弾性的に変位可能となっている。これにより、互いに対応する第1高周波端子71の接触部75aと第2高周波端子171の接触部175aとは、衝撃や振動を受けたときにも、接触を維持して離間することがないので、安定した導通状態を維持することができる。なお、互いに対応する第1高周波端子71と第2高周波端子171とは、1箇所でのみ接触する、いわゆる、単接点の状態となり、第1高周波端子71のテール部72から第2高周波端子171のテール部172までの信号の伝送線路に意図しないスタブやDivided Circuitが形成されることがない。したがって、前記伝送線路のインピーダンスが安定し、良好なSI特性を得ることができる。
【0102】
このように、互いに接触した第1高周波端子71及び第2高周波端子171は、その全周が第1シールド50の内壁51及び外壁52と、第2シールド150の内壁151及び外壁152とによって連続して囲繞された状態となるので、極めて効果的にシールドされる。したがって、第1高周波端子71のテール部72から第2高周波端子171のテール部172までの信号の伝送線路のインピーダンスが安定し、良好なSI特性を得ることができる。
【0103】
さらに、第2コネクタ101の第2シールド150が第1コネクタ10の第1シールド50の収容部50d内に挿入されると、第2シールド150の外壁152の外面が第1シールド50の内壁51の内面に当接又は近接し、
図11(a)及び12(a)に示されるように、第2シールド150の外壁152、又は、該外壁152に形成された係合凸部152cと第1シールド50の内壁51に形成された係合凸部51cとが係合して接触する。なお、該係合凸部51cが形成されている内壁51の嵌合ばね部51aは、その両端がスリット部53aによって他の部分から分離され、比較的柔軟性を有しているので、第2シールド150の外壁152の係合凸部152cとの係合状態を確実に維持することができる。これにより、第1シールド50と第2シールド150とがロックされた状態となり、第1コネクタ10と第2コネクタ101との嵌合状態の解除が防止される。また、第1シールド50と第2シールド150とが互いに接触して導通し、等電位となるので、電磁的なシールド性が向上する。なお、前記係合凸51cは、前記係合凸部152cと係合して接触する部分であるが、前記外壁152が前記係合凸部152cを備えず、前記外壁152の表面が、前記係合凸部152cとの接点部として機能しても、同様の電磁的なシールド性を向上することができる。
【0104】
次に、本実施の形態における導電部材である第1シールド50及び第2シールド150の表面である延伸面に形成されためっき層の構成について説明する。
【0105】
図13は本実施の形態におけるめっき層の構成を示す導電部材の表面近傍の模式断面図、
図14は本実施の形態におけるはんだ濡れ広がり実験の結果を示す図、
図15は本実施の形態における第2及び第3層の厚さを変化させた実験の結果を示す表である。
【0106】
本実施の形態において、導電部材である第1シールド50及び第2シールド150の全体における表面近傍は、
図13に示されるような層構造を有する。
【0107】
図において、91は、導電部材である第1シールド50及び第2シールド150を構成する導電性の金属基材であって、例えば、銅(Cu)又は銅合金から成る。
【0108】
また、92は、金属基材91の表面上に形成されためっき層であり、第1層92a、第2層92b及び第3層92cを含んでいる。
【0109】
前記第1層92aは、ニッケル(Ni)又はニッケル合金のめっき層であり、その厚さは、1~3〔μm〕であることが望ましい。なお、第1層92aは、金属基材91から第2層92b及び第3層92cへの銅の拡散を防止する機能を有する。
【0110】
前記第2層92bは、白金族金属又は白金族金属合金のめっき層であり、その厚さは、2〔nm〕以上であることが望ましい。なお、コスト等を考慮すると200〔nm〕以下であることが望ましいので、その厚さは2~200〔nm〕であることが望ましいと言える。さらに、第1層92aの金属と第3層92cの金属との相互拡散を十分に防止するという観点からは、その厚さは5~25〔nm〕であることがより望ましい。また、白金族金属としては、白金族に属するルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)及びプラチナ(Pt)のうちのいずれかを選択することができるが、最も望ましいのは、パラジウムである。さらに、白金族金属合金としては、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム及びプラチナのうちのいずれかを50〔%〕以上含有する合金であるが、より望ましくは、パラジウムを50〔%〕以上含有するパラジウム合金(例えば、PdNi等。)である。
【0111】
前記第3層92cは、金又は金合金のめっき層であり、その厚さは、0.2~15〔nm〕であることが望ましく、0.5~8〔nm〕であることがより望ましい。また、金合金としては、金を90〔%〕以上含有する金合金(例えば、AuCo、AuCu、AuNi、AuFe等。)であるが、金と白金族金属との合金の場合には、金を20〔%〕以上含有する金合金(例えば、AuPd、AuPt等。)であればよい。
【0112】
本実施の形態において、第2層92b及び第3層92cの厚さの数値範囲は、
図15の表に示されるような実験結果(試験結果)に基づいて設定されている。
図15において、横軸は第2層92bの厚さの数値〔nm〕を示し、縦軸は第3層92cの厚さの数値〔nm〕を示している。また、表の各セル(マス目)内には、接触抵抗(contact resistance)試験、実装強度(soldering strength)試験及びはんだ濡れ広がり(solder wettability)試験のそれぞれの試験結果の評価が、記号○、△及び×のいずれかによって示されている。記号○は良好を意味し、記号△はやや良好を意味し、記号×は不良を意味している。
【0113】
実験においては、まず、金属基材91から成る所定の大きさのテストピースの各々の表面に、第2層92b及び第3層92cの厚さが各セルに対応する数値となるようにしためっき層92を形成し、次に、各テストピースを使用して、接触抵抗試験、実装強度試験及びはんだ濡れ広がり試験を行った。なお、
図15に示されるように、第2層92bの厚さは0~200〔nm〕の範囲で変化させ、第3層92cの厚さは0~20〔nm〕の範囲で変化させた。
【0114】
接触抵抗試験においては、各テストピースのめっき層92の表面の接触抵抗の大きさを測定し、接触抵抗が第1の閾値未満のものを良好、接触抵抗が第1の閾値より大きい第2の閾値未満のものをやや良好、接触抵抗が第2の閾値以上のものを不良と評価した。
【0115】
また、実装強度試験においては、各テストピースのめっき層92の表面に別のテストピースをはんだ付し、当該別のテストピースに引張力を付与し、はんだ付部分が破断する引張力の大きさを測定し、引張力が第1の閾値以上のものを良好、引張力が第1の閾値より小さい第2の閾値以上のものをやや良好、引張力が第2の閾値未満のものを不良と評価した。
【0116】
さらに、はんだ濡れ広がり試験においては、
図14に示されるように、各テストピースのめっき層92の表面に数個のはんだボール(例えば、粒径0.6〔mm〕。)を置き、加熱装置(例えば、はんだリフロー炉等。)を使って加熱した後のはんだの広がり径を測定し、広がり径が第1の閾値未満のものを良好、広がり径が第1の閾値より大きい第2の閾値未満のものをやや良好、広がり径が第2の閾値以上のものを不良と評価した。
【0117】
図15に示されるように、実験の結果、第2層92bの厚さが2~200〔nm〕の範囲内、及び、第3層92cの厚さが0.2~15〔nm〕の範囲内であれば、試験結果の評価に不良が含まれていないので、導電部材である第2端子161として使用可能であることが分かった。さらに、第3層92cの厚さを0.5~8〔nm〕の範囲内に限定すると、試験結果の評価に不良もやや良好も含まれていない、すなわち、すべての試験結果の評価が良好となるので、より望ましいものとなることが分かった。なお、
図15からは、第2層92bの厚さを200〔nm〕より大きな値としても、すべての試験結果の評価が良好となるであろうことが推測されるものの、コスト等を考慮すると200〔nm〕より大きな値とすることは、現実的でないので、ここでは、第2層92bの厚さの上限を200〔nm〕とした。
【0118】
図14に示されるように、金又は金合金のめっき層である第3層92cの厚さが薄いと、はんだの広がり径が小さく、はんだ濡れ性が低下する、すなわち、はんだが濡れ広がりにくくなるので、はんだ上がりを抑制することができ、第1シールド50の接点部である係合凸部51c及び第2シールド150の接点部である外壁152、又は、該外壁152に形成された係合凸部152cまではんだが這上がることを防止することができる。一方、はんだ濡れ性が低下すると、第1シールド50の基板接続部であるフランジ部54及び第2シールド150の基板接続部であるフランジ部154のはんだ付が困難となり、はんだ付部分の強度が低下し、フランジ部54の第1基板表面への実装強度及びフランジ部154の第2基板表面への実装強度が低下する。また、金又は金合金のめっき層である第3層92cの厚さが薄いと接触抵抗が増加し、しかも、第3層92cが摩滅しやすくなる。しかし、第3層92cの下に、白金族金属又は白金族金属合金のめっき層である第2層92bを所定値以上の厚さで形成することによって、第3層92cの接触抵抗を低減し、しかも、摩滅を防止することができる。
【0119】
このように、第3層92cの厚さを0.2~15〔nm〕とするとともに、第3層92cの下の第2層92bの厚さを2~200〔nm〕とすることによって、はんだ濡れ性を適度に維持し、第1シールド50のフランジ部54及び第2シールド150のフランジ部154の接続強度を向上させつつ、はんだバリアを形成しなくても、はんだ上がりを抑制することができるとともに、第1シールド50の係合凸部51c及び第2シールド150の係合凸部152cの接触抵抗を低減することができる。
【0120】
なお、本実施の形態において、第2層92b及び第3層92cの厚さは、X線電子分光法、通称、XPSを用いて測定された。XPSは、試料の表層の成分を測定する方法であって、一般に、表層から0.2~6〔nm〕程度の深さにある物質を測定することができる。また、試料の表層は、イオンスパッタ(イオンを用いたスパッタエッチング)によって削られる。イオンスパッタによって、0.2~1〔nm〕程度を削ることができる。なお、削り量は調整可能である。
【0121】
本実施の形態において、測定は、XPSを用いて試料の表層物質を測定、イオンスパッタによって試料の表層を削る、XPSを用いて試料の表層物質を測定、という操作を繰返すことによって行われた。例えば、XPSを用いて表層である第3層92cを測定して金又は金合金を検出した後、イオンスパッタによって表層である第3層92cを0.2〔nm〕だけ削り、続いて、XPSを用いて測定し、金又は金合金を検出することができれば、金又は金合金から成る第3層92cの厚さは0.2〔nm〕以上である、と判定することができる。
【0122】
このように、本実施の形態において、第1コネクタ10は、第1ハウジング11と第1シールド50とを備える。そして、第1シールド50は、内壁51における接点部としての係合凸部51cが形成された箇所から、連結部53及び外壁52を含んで、基板接続部としてのフランジ部54までの範囲である本体部と、本体部の一端に位置するフランジ部54と、本体部の他端に位置する係合凸部51cとを含み、第1コネクタ10の周辺を囲み、本体部、フランジ部54及び係合凸部51cは、それぞれ、第1ハウジング11から露出して露出面を含み、フランジ部54は第1コネクタ10の全周に亘って形成され、本体部、フランジ部54及び係合凸部51cは、それぞれ、金属基材91と、金属基材91の上に形成された第1層92a、第2層92b及び第3層92cを含み、第1層92aは、ニッケル又はニッケル合金のめっき層であり、第2層92bは、白金族金属又は白金族金属合金のめっき層であり、第3層92cは、金又は金合金のめっき層であり、第3層92cの厚さは0.2~15〔nm〕である。
【0123】
また、本実施の形態において、第2コネクタ101は、第2ハウジング111と第2シールド150とを備える。そして、第2シールド150は、外壁152における接点部としての係合凸部152cが形成された箇所から、基板接続部としてのフランジ部154までの範囲である本体部と、本体部の一端に位置するフランジ部154と、本体部の他端に位置する係合凸部152cとを含み、第2コネクタ101の周辺を囲み、本体部、フランジ部154及び係合凸部152cは、それぞれ、第2ハウジング111から露出して露出面を含み、フランジ部154は第2コネクタ101の全周に亘って形成され、本体部、フランジ部154及び係合凸部152cは、それぞれ、金属基材91と、金属基材91の上に形成された第1層92a、第2層92b及び第3層92cを含み、第1層92aは、ニッケル又はニッケル合金のめっき層であり、第2層92bは、白金族金属又は白金族金属合金のめっき層であり、第3層92cは、金又は金合金のめっき層であり、第3層92cの厚さは0.2~15〔nm〕である。
【0124】
これにより、はんだ濡れ性を適度に維持して、フランジ部54及び154の接続強度を向上させつつ、フランジ部54及び154と係合凸部51c及び152cとの間にはんだバリアを形成しなくても、はんだの這上がりを防止して、係合凸部51c及び152cにおける接触抵抗を低減することができる。したがって、極めて小型で低背の第1コネクタ10及び第2コネクタ101に使用される微小寸法の第1シールド50及び第2シールド150にはんだバリアを形成する必要がなくなるので、第1コネクタ10及び第2コネクタ101の構造を簡素化し、コストを低減することができるとともに、信頼性を向上させることができる。
【0125】
また、第1ハウジング11は第1シールド50と一体成形され、第2ハウジング111は第1シールド150と一体成形される。さらに、フランジ部54及び154は、全周に亘って第1基板及び第2基板にはんだ付される。さらに、フランジ部54及び154は、全周に亘って連続する。さらに、係合凸部51c及び152cは、第1シールド50及び第2シールド150の四辺に形成され得る。さらに、第1シールド50の上端には、第1コネクタ10の内側に向って湾曲する連結部53を形成することができる。さらに、めっき層92は、第1シールド50及び第2シールド150の全体に亘って形成されている。さらに、第3層92cの厚さは、より望ましくは、0.5~8〔nm〕である。さらに、白金族金属は、望ましくは、パラジウム又はパラジウム合金であり、第2層92bの厚さは2~200〔nm〕である。
【0126】
なお、本明細書の開示は、好適で例示的な実施の形態に関する特徴を述べたものである。ここに添付された特許請求の範囲内及びその趣旨内における種々の他の実施の形態、修正及び変形は、当業者であれば、本明細書の開示を総覧することにより、当然に考え付くことである。
【産業上の利用可能性】
【0127】
本開示は、コネクタ及びコネクタ対に適用することができる。
【符号の説明】
【0128】
10 第1コネクタ
10a、101a 嵌合面
10b、101b 実装面
11 第1ハウジング
12 第1凹部
12a 内凹溝部
12b 嵌合凹部
12c 外凹溝部
13 第1凸部
13a 外側凸部
13b 内側凸部
13c 横向凸部
13d 第2シールド収容スリット
15 第1信号端子収容キャビティ
15a 第1信号端子収容内側キャビティ
15b 第1信号端子収容外側キャビティ
16 第1高周波端子支持部
16a 第1高周波端子収容溝
16b、153a 第1高周波端子収容開口
17 隅部
17a 上壁部
17b 外壁部
17c 内壁部
17d 側壁部
17d1 凹入部
17e シールド収容部
17h 係止凸部
18、118 底板
18a 接続部
18b 側凹部
18c 端凹部
50 第1シールド
50a、150a 長辺部
50b、150b 短辺部
50c、150c コーナ部
50d 収容部
51、151 内壁
51a 嵌合ばね部
51b 嵌合位置決め部
51c、152c 係合凸部
51d 傾斜面部
51e 内壁下部
51h 緩傾斜面部
51j 位置決め下部
51k 係止凹部
52、152 外壁
52a、152a 湾曲部
53 連結部
53a スリット部
54、154 フランジ部
54a、154a ノッチ
61 第1端子
62、72、151b、162、172 テール部
63、73、173 被保持部
64 下側接続部
65、165 外側接続部
65a、66a、75a、175a 接触部
66、166 内側接続部
71 第1高周波端子
75、164、175 上側接続部
91、862 金属基材
92 めっき層
92a 第1層
92b 第2層
92c 第3層
101 第2コネクタ
111 第2ハウジング
112 第2凸部
112a 端子支持壁
112b 中央溝
113 第2凹部
116 第2高周波端子支持部
116a 第2高周波端子収容溝
116b 第2高周波端子収容開口
116c 第1高周波端子収容凹部
122 突出端部
122b 上面
122c 内壁面
150 第2シールド
151a 上壁接続部
153 上壁
161 第2端子
171 第2高周波端子
861 端子
861a 接点部
861b 基板接続部
861c 本体部
863a ニッケルめっき層
863b パラジウムめっき層
863c 金めっき層