(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024033076
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】支援装置、支援方法、及び支援プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/06 20230101AFI20240306BHJP
G06Q 10/10 20230101ALI20240306BHJP
【FI】
G06Q10/06
G06Q10/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022136461
(22)【出願日】2022-08-30
(71)【出願人】
【識別番号】520366710
【氏名又は名称】株式会社日立リアルエステートパートナーズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野寄 祐樹
(72)【発明者】
【氏名】加藤 正恭
(72)【発明者】
【氏名】大林 結
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 信治
(72)【発明者】
【氏名】江崎 博嗣
(72)【発明者】
【氏名】山本 宏一
(72)【発明者】
【氏名】山下 知子
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA06
5L049AA11
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ユーザが業務で遵守すべき法的要求事項を網羅的に管理する支援装置、支援方法および支援プログラムを提供する。
【解決手段】プロセッサ及びメモリを有する支援装置において、法的要求事項管理部を実現するプロセッサは、法令で定められている法的要求事項の対象たる客体の種別を示す対象タグを、法的要求事項に付与して記憶するタグ付き法的要求事項記憶部と、法的要求事項が定める客体に関する業務の実施履歴を、客体ごとに記憶する実施履歴記憶部と、ユーザから業務に関わる客体の入力を受け付け、入力された客体に対応付けられている対象タグが付与された法的要求事項をタグ付き法的要求事項記憶部から検索する検索部と、検索した法的要求事項を、実施履歴記憶部から読み出した客体に関する業務の実施履歴とともに表示する表示部と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサ及びメモリを有し、
法令で定められている法的要求事項の対象たる客体の種別を示す対象タグを、前記法的要求事項に付与して記憶するタグ付き法的要求事項記憶部と、
前記法的要求事項が定める客体に関する業務の実施履歴を、前記客体ごとに記憶する実施履歴記憶部と、
ユーザから業務に関わる客体の入力を受け付け、入力された前記客体に対応付けられている対象タグが付与された法的要求事項を前記タグ付き法的要求事項記憶部から検索する検索部と、
検索した法的要求事項を、前記実施履歴記憶部から読み出した前記客体に関する業務の実施履歴とともに表示する表示部と
を備える支援装置。
【請求項2】
表示した法的要求事項について、前記客体に関する実施状況の入力を受け付け、入力された実施状況を前記実施履歴記憶部に書き込む登録部
を備える請求項1に記載の支援装置。
【請求項3】
前記タグ付き法的要求事項記憶部は、法的要求事項が要求する業務の種別を示す内容タグが付与された法的要求事項を記憶し、
前記検索部は、内容タグが示す業務を要求している法的要求事項を検索する、
請求項1に記載の支援装置。
【請求項4】
前記内容タグは、前記実施履歴の登録の要否を示し、
前記表示部は、前記実施履歴の登録の必要性を示している内容タグが付与されている法的要求事項を、前記実施履歴の登録の必要性を示していない内容タグが付与されている法的要求事項よりも優先的に表示する、
請求項3に記載の支援装置。
【請求項5】
前記表示部は、前記実施履歴の登録の必要性を示している内容タグが付与されている法的要求事項が示す業務のうち、前記実施履歴記憶部が記憶する実施履歴に基づき特定した、未実施の業務を通知する、
請求項4に記載の支援装置。
【請求項6】
前記表示部は、実施履歴の登録の必要性を示している内容タグが付与されている法的要求事項について、前記実施履歴記憶部から読み出した実施履歴を表示する前回実施欄と、前記客体に関する業務の実施状況の入力を受け付ける実施欄とを備える表示画面を表示する、
請求項4に記載の支援装置。
【請求項7】
前記タグ付き法的要求事項記憶部は、ユーザが法的要求事項を実施すべきタイミングを示すタイミングタグが付与された法的要求事項を記憶し、
前記検索部は、タイミングタグが示すタイミングでの前記客体に関する業務の実施を規定している法的要求事項を検索する、
請求項1に記載の支援装置。
【請求項8】
前記表示部は、ユーザが法的要求事項を常時遵守することを示すタイミングタグが付与されている法的要求事項を、参考情報として表示する、
請求項7に記載の支援装置。
【請求項9】
前記表示部は、ユーザが法的要求事項を定期的に実施することを示す前記タイミングタグが付与されている法的要求事項について、前記実施履歴記憶部から読み出したユーザの実施履歴を表示する前回実施欄と、前記実施履歴記憶部が記憶する実施履歴及び当該法的要求事項が定める期限の情報に基づく、当該法的要求事項のユーザに対する将来の実施期限を表示する実施期限欄と、前記客体に関する業務のユーザの実施状況の入力を受け付ける実施欄とを備える表示画面を表示する、
請求項7に記載の支援装置。
【請求項10】
前記表示部は、前記実施履歴記憶部が記憶する実施履歴及び前記検索した法的要求事項が定める期限の情報に基づいて、前記検索した法的要求事項の将来の実施期限を表示する、
請求項1に記載の支援装置。
【請求項11】
法令で定められている法的要求事項の対象たる客体の種別を示す対象タグを、前記法的要求事項に付与して記憶する情報処理装置が、
ユーザから業務に関わる客体の入力を受け付け、入力された前記客体に対応付けられている対象タグが付与された法的要求事項を検索する検索処理と、
前記法的要求事項が定める客体に関する業務の実施履歴を、前記客体ごとに記憶する実施履歴記憶部から読み出した前記客体に関する業務の実施履歴とともに、検索した法的要求事項を表示する表示処理とを実行する
支援方法。
【請求項12】
法令で定められている法的要求事項の対象たる客体の種別を示す対象タグを、前記法的要求事項に付与して記憶する情報処理装置に、
ユーザから業務に関わる客体の入力を受け付け、入力された前記客体に対応付けられている対象タグが付与された法的要求事項を検索する検索処理と、
前記法的要求事項が定める客体に関する業務の実施履歴を、前記客体ごとに記憶する実施履歴記憶部から読み出した前記客体に関する業務の実施履歴とともに、検索した法的要求事項を表示する表示処理とを実行させる
支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支援装置、支援方法、及び支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
環境に関連する業務では、遵守しなければならない環境法令があるが、その全てを理解するには時間がかかる。そのため、各業務で遵守すべき法令を特定し、その管理を人手でするには多くの労力を要する。よって、各法令で義務付けられているタスクの実施漏れ、または官公庁等への届出漏れが生じる可能性がある。そして、法令を遵守しなければ、企業の重大なコンプライアンス違反につながるおそれがある。
【0003】
このような問題に関して、特許文献1に開示の技術は、設備ごとに環境側面に対応する環境影響評価項目を作成し、業務ごとの環境側面及び環境影響評価項目に係る情報に基づいて著しい環境側面の特定をする。これにより、環境側面に係る情報に基づいて業務ごとに環境管理計画の策定し、策定された環境管理計画に対する活動実績等を評価する。
【0004】
また、特許文献2に開示の技術は、設備、届出者、法令のいずれかが更新されたときに、更新された内容に従って届出の提出を通知することで、官公庁への届出漏れを防止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010-102589号公報
【特許文献2】特開2018-205899号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、設備に関する環境側面以外の法的要求事項については考慮されていない。また、特許文献2に記載の技術では、官公庁への届出以外の法的要求事項については考慮されていない。よって、上述した技術では、業務で遵守すべき法令の全てを管理することはできない。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、ユーザが業務で遵守すべき法的要求事項を網羅的に管理することが可能な支援装置、支援方法、及び支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための本発明の一つは、プロセッサ及びメモリを有し、法令で定められている法的要求事項の対象たる客体の種別を示す対象タグを、前記法的要求事項に付与して記憶するタグ付き法的要求事項記憶部と、前記法的要求事項が定める客体に関する業務の実施履歴を、前記客体ごとに記憶する実施履歴記憶部と、ユーザから業務に関わる客体の入力を受け付け、入力された前記客体に対応付けられている対象タグが付与された法的要求事項を前記タグ付き法的要求事項記憶部から検索する検索部と、検索した法的要求事項を、前記実施履歴記憶部から読み出した前記客体に関する業務の実施履歴とともに表示する表示部とを備える支援装置である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ユーザが業務で遵守すべき法的要求事項を網羅的に管理することがで
きる。
上記した以外の構成及び効果等は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施形態における支援システムの構成例を示す図である。
【
図2】法的要求事項管理部の詳細な機能構成を示す図である。
【
図3】法的要求事項に付与するタグの一例を示す図である。
【
図5】タグ付き法的要求事項テーブルの一例を示す図である。
【
図10】法的要求事項検索画面の一例を示す図である。
【
図11】法的要求事項検索結果画面の一例を示す図である。
【
図12】各タグの優先度を説明するための図である。
【
図17】定期実施事項検索画面の一例を示す図である。
【
図18】定期実施事項管理画面の一例を示す図である。
【
図19】検索処理の概要を説明する処理フロー図である。
【
図20】法的要求事項取得処理の詳細を説明する処理フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
以下の記載および図面は、本発明を説明するための例示であって、説明の明確化のため、適宜、省略および簡略化がなされている。本発明は、他の種々の形態でも実施する事が可能である。特に限定しない限り、各構成要素は単数でも複数でも構わない。
【0012】
図面において示す各構成要素の位置、大きさ、形状、範囲などは、発明の理解を容易にするため、実際の位置、大きさ、形状、範囲などを表していない場合がある。このため、本発明は、必ずしも、図面に開示された位置、大きさ、形状、範囲などに限定されない。
以下の説明では、「テーブル」、「リスト」、「キュー」等の表現にて各種情報を説明することがあるが、各種情報は、これら以外のデータ構造で表現されていてもよい。データ構造に依存しないことを示すために「XXテーブル」、「XXリスト」等を「XX情報」と呼ぶことがある。識別情報について説明する際に、「識別情報」、「識別子」、「名」、「ID」、「番号」等の表現を用いるが、これらについてはお互いに置換が可能である。
同一あるいは同様な機能を有する構成要素が複数ある場合には、同一の符号に異なる添字を付して説明する場合がある。ただし、これらの複数の構成要素を区別する必要がない場合には、添字を省略して説明する場合がある。
【0013】
また、以下の説明では、プログラムを実行して行う処理を説明する場合があるが、プログラムは、プロセッサ(例えばCPU、GPU)によって実行されることで、定められた処理を、適宜に記憶資源(例えばメモリ)および/またはインターフェースデバイス(例えば通信ポート)等を用いながら行うため、処理の主体がプロセッサとされてもよい。同様に、プログラムを実行して行う処理の主体が、プロセッサを有するコントローラ、装置、システム、計算機、ノードであってもよい。プログラムを実行して行う処理の主体は、
演算部であれば良く、特定の処理を行う専用回路(例えばFPGAやASIC)を含んでいてもよい。
プログラムは、プログラムソースから計算機のような装置にインストールされてもよい。プログラムソースは、例えば、プログラム配布サーバまたは計算機が読み取り可能な記憶メディアであってもよい。プログラムソースがプログラム配布サーバの場合、プログラム配布サーバはプロセッサと配布対象のプログラムを記憶する記憶資源を含み、プログラム配布サーバのプロセッサが配布対象のプログラムを他の計算機に配布してもよい。また、以下の説明において、2以上のプログラムが1つのプログラムとして実現されてもよいし、1つのプログラムが2以上のプログラムとして実現されてもよい。
【0014】
図1は、本実施形態における支援システム1の構成例を示す図である。
支援システム1は、支援装置100、1または複数の法令関連データベース200、1または複数の業務管理システム300、及び1または複数のユーザ端末400を含んで構成される。支援装置100と、法令関連データベース200、業務管理システム300、またはユーザ端末400とは、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、又は専用線等の有線又は無線の通信ネットワークによ
り通信接続する。
【0015】
支援装置100は、環境に関連する業務をする際に、環境に関する法令の遵守を支援するための環境法令遵守自動化システムである。支援装置100は、1または複数のサーバ装置から構成される情報処理装置である。図示するように、支援装置100は、CPU(Central Processing Unit)等の処理装置110と、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置120と、RAM(Random Access Memory)、RO
M(Read Only Memory)等のメモリ130と、NIC(Network Interface Card)、無線通信モジュール、USB (Universal Serial Interface)モジュール、又はシリアル通信モジュール等で構成されるネットワークインタフェース140等を備える。処理装置110、記憶装置120、メモリ130、及びネットワークインタフェース140は、バスを介して相互に接続する。
【0016】
処理装置110は、法令・条例情報収集部111、条文解析部112、法的要求事項生成部113、及び法的要求事項管理部114の各機能を実現するプロセッサである。
法令・条例情報収集部111は、環境に関する法律、法令、または条例等の情報を法令関連データベース200から取得し、取得した法律、法令、または条例の情報を記憶装置120に書き込む。
条文解析部112は、記憶装置120が記憶する各法律、法令、または条例等の条文を解析する。例えば、条文解析部112は、記憶装置120が記憶する条文部品情報122を使用した形態素解析等により、条文から法的要求事項を抽出する。法的要求事項は、法律、法令、または条例等で遵守が要求されている事項である。法的要求事項は、例えば、事業者が行わなければならない業務の種別、内容(対象)、及びタイミング等である。
【0017】
法的要求事項生成部113は、抽出した法的要求事項に対し、後述するタグを付与し、記憶装置120に書き込む。
法的要求事項管理部114は、業務に関する法的要求事項の遵守を支援するための処理を実行する。例えば、法的要求事項管理部114は、業務で遵守すべき法的要求事項を管理するための表示画面をユーザ端末400に表示させる。法的要求事項管理部114が有する各機能の詳細については後述する。
【0018】
記憶装置120は、条文情報121、条文部品情報122、法令/条例名一覧123、法的要求事項情報124、及び該否情報125を記憶する。
条文情報121は、法律、法令、または条例等の条文のテキストデータ等であり、後述
する法令関連データベース200から取得される情報である。
条文部品情報122は、条文解析部112が条文を解析するために使用する部品(例えば、対象言語の文法、または単語の品詞等)に関する情報である。
法令/条例名一覧123は、記憶する条文の法律、法令名、または条例名の一覧である。
法的要求事項情報124は、法的要求事項の対象たる客体が、法律を遵守するために実施すべき事項を示す情報であり、例えば、条文から抽出したテキストデータ等である。
該否情報125は、業務で使用する設備若しくは部品、または業務に関連する人物が、法的要求事項の対象たる客体に該当するか否かを示す情報である。
【0019】
法令関連データベース200は、環境に関する法律、法令、または条例等の情報を記憶するデータベースシステムである。法令関連データベース200は、例えば、例規集を記憶するデータベースシステム、省庁あるいは自治体のホームページ、またはインターネット版官報を提供するシステム等である。
業務管理システム300は、業務を管理するための外部システムである。例えば、業務管理システム300は、法的要求事項に規定されている、業務で使用する設備若しくは備品または業務に関連する人物等の情報を記憶している。
ユーザ端末400は、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、またはスマートフォン等の、業務の各担当者(以下、「ユーザ」とする)U1~U3が使用する端末装置である。なお、本図では、複数のユーザU1~U3それぞれがユーザ端末400を操作しうる構成を例示したが、ユーザの人数またはユーザ端末400の台数構成については限定しない。
【0020】
図2は、本実施形態における法的要求事項管理部114の詳細な機能構成を示す図である。
図示するように、法的要求事項管理部114は、検索部115と、表示部116と、登録部117と、タグ付き法的要求事項記憶部118と、実施履歴記憶部119とを備える。
タグ付き法的要求事項記憶部118は、タグを法的要求事項に付与して記憶する。タグ付き法的要求事項記憶部118は、タグを付与した法的要求事項151(以下、「タグ付き法的要求事項」とする。)を入力とし、入力されたタグ付き法的要求事項を示すタグ付き法的要求事項テーブル500を記憶する。
【0021】
図3は、本実施形態における法的要求事項に付与するタグの一例を示す図である。
図示するように、本実施形態では、各法的要求事項に付与するタグは、タイミングタグと、内容タグと、対象タグとの3種類がある。タイミングタグは、ユーザが法的要求事項で定められている業務を実施すべきタイミングを示すタグである。図示する例では、タイミングタグとして、法的要求事項で定められている業務をアクション時に行わなければならないことを示すタグである「アクション」タグと、法的要求事項で定められている業務を定期的に行わなければならないことを示すタグである「定期」タグと、法的要求事項で定められている業務を常時行わなければならないことを示すタグである「常時」タグとを示している。アクションとは、例えば、設備の導入、設備の変更、設備の廃棄、産業廃棄物処理、または屋外作業等の、任意のタイミングで行われる所定の業務活動である。また、対象タグは、法的要求事項の対象たる客体の種別を示すタグである。客体は、設備、または人物等である。図示するように、対象タグには、例えば、ばい煙発生施設、あるいは一般廃棄物処理施設等の施設名、または、特定事業者またはエネルギー管理者等の肩書きがある。また、内容タグは、法的要求事項が要求する業務の種別を示すタグである。図示する例では、内容タグにより、法的要求事項を、「実施」、「届出」「基準」、「制限」、及び「義務」の5つのカテゴリに分類している。
【0022】
図4は、本実施形態による内容タグを説明するための図である。
内容タグは、主に法的要求事項が定める客体に関する業務の実施履歴の登録の要否(具体的には、ユーザが、法的要求事項の客体に関して、後述する実施履歴テーブル600に実施履歴の登録を行う必要があるか否か)を示す。実施履歴は、法的要求事項が定める業務を客体に関し実施した履歴の記録である。図示するように、内容タグ「実施」は、実施すべき事項(具体的にやること)を示し、ユーザが実施した業務を実施履歴として登録する必要があることを示す(実施履歴の登録の必要性を示している)。また、内容タグ「届出」は、許認可、市長または役所への届出等の実施すべき届出を示し、届出の手続きを実施履歴として登録する必要があることを示す。また、内容タグ「基準」は、条件付き実施または制限を示し、実施の場合にはユーザが実施した業務を実施履歴として登録する必要があることを示し、制限の場合は実施履歴の登録が不要であることを示す(実施履歴の登録の必要性を示していない)。また、内容タグ「制限」は、具体的な禁止事項を示し、実施履歴の登録が不要であることを示す。また、内容タグ「義務」は、努力義務または思想を示し、実施履歴の登録が不要であることを示す。
【0023】
(タグ付き法的要求事項テーブル)
図5は、本実施形態におけるタグ付き法的要求事項テーブル500の一例を示す図である。タグ付き法的要求事項テーブル500は、支援装置100が自動的に作成してもよいが、例えば、ユーザが予め設定する。
タグ付き法的要求事項テーブル500は、タグ(タイミングタグ、内容タグ、又は対象タグ)が付された法的要求事項を格納したデータベースである。タグ付き法的要求事項テーブル500は、法的要求事項を識別する識別情報であるID501、法的要求事項の具体的内容である要求事項502、法的要求事項に付与されたタイミングタグの内容が設定されるタイミングタグ503、法的要求事項に付与された内容タグの内容が設定される内容タグ504、法的要求事項に付与された対象タグの内容が設定される対象タグ505、及び、法的要求事項を実施する期限506の各データ項目を有する。期限506には、法的要求事項に期限が要求されている場合に情報が設定される。
【0024】
図示する例では、ID「1」の法的要求事項は、タイミングタグ「定期」、内容タグ「実施」、対象タグ「フロン類使用製品」、が付与され、期限が「1回/3か月」である。よって、ID「1」の法的要求事項は、「フロン類使用製品」について3か月に1回「定期的」に「実施」しなければならない。また、ID「2」の法的要求事項は、タイミングタグ「定期」、内容タグ「実施」、対象タグ「ばい煙」、が付与され、期限が「1回/5年」である。よって、ID「2」の法的要求事項は、「ばい煙」について5年に1回「定期的」に「実施」しなければならない。また、ID「3」の法的要求事項は、タイミングタグ「アクション」、内容タグ「届出」、対象タグ「事業用大規模建築物の所有者」、が付与され、期限が「~14日」である。よって、ID「3」の法的要求事項は、「事業用大規模建築物の所有者」について「アクション時(選任があった日)」から「14日以内」に「届出」なければならない。また、ID「4」の法的要求事項は、タイミングタグ「アクション」、内容タグ「実施」、対象タグ「ばい煙」、が付与され、期限が「-(設定されていない)」である。よって、ID「4」の法的要求事項は、「ばい煙」について「アクション時(事故があったとき)」に「実施」しなければならない。
【0025】
図2に戻り、法的要求事項管理部114の機能構成について説明を続ける。
実施履歴記憶部119は、法的要求事項が定める客体に関する業務の実施履歴154の入力をユーザから受け付け、入力された実施履歴を実施履歴テーブル600に記憶する。
【0026】
(実施履歴テーブル)
図6は、本実施形態における実施履歴テーブル600の一例を示す図である。実施履歴テーブル600は、例えば、ユーザが、法的要求事項で要求されている業務活動を行った
場合に、随時更新する。
実施履歴テーブル600は、業務に関わる各客体に関し実施した法的要求事項の実施履歴を格納したデータベースである。実施履歴テーブル600は、客体の名称601、対象タグ602、法的要求事項603、実施履歴604、実施備考605、及び、アクション実施履歴606の各データ項目を有する。法的要求事項603は、法的要求事項のIDを示す。実施履歴604は、対応する法的要求事項を直近で実施した年月日である。実施備考605は、法的要求事項の実施に関する備考である。アクション実施履歴606は、対応する法的要求事項を最初に実施した年月日である。
【0027】
図示する例では、対象タグ「ばい煙」である対象「ボイラーA」は、法的要求事項「ID1」を「2020/10/1」に実施し、その実施備考が「測定結果:5cm/sec」である。また、対象「ボイラーA」は、法的要求事項「ID2」を、直近で「2021/2/15」に実施し、最初に「2021/2/1」に実施している。また、対象タグ「ばい煙」である対象「ボイラーB」は、法的要求事項「ID1」を「2020/11/1」に実施し、その実施備考が「測定結果:3cm/sec」である。また、対象タグ「責任者」である対象「鈴木さん」は、法的要求事項「ID3」を「2020/9/1」に実施している。
【0028】
図2に戻り、法的要求事項管理部114の機能構成について説明を続ける。
検索部115(環境法令検索部)は、検索する法的要求事項の条件である検索クエリ153の入力をユーザから受け付ける。そして、検索部115は、タグ付き法的要求事項テーブル500から読み出したタグ付き法的要求事項152に基づき、検索クエリに合致する法的要求事項を検索する。検索クエリは、任意のキーワードとタグとの組み合わせである。例えば、検索部115は、ユーザから業務に関わる客体の入力を受け付け、入力された客体に対応付けられている対象タグが付与された法的要求事項をタグ付き法的要求事項テーブル500から検索する。また、検索部115は、内容タグが示す業務を要求している法的要求事項を検索する。また、検索部115は、タイミングタグが示すタイミングでの客体に関する業務の実施を規定している法的要求事項を検索する。
【0029】
表示部116(検索結果表示部)は、検索した法的要求事項(検索結果156)を、実施履歴テーブル600から読み出した客体に関する実施履歴155とともに表示する。このとき、表示部116は、実施履歴テーブル600が記憶する実施履歴155及び検索した法的要求事項が定める期限の情報に基づいて、検索した法的要求事項の実施期限を算出して表示する。また、表示部116は、ユーザが法的要求事項を常時遵守することを示すタイミングタグが付与されている法的要求事項を、参考情報として表示する。また、表示部116は、実施履歴の登録を要する内容タグが付与されている法的要求事項が示す業務のうち、実施履歴テーブル600が記憶する実施履歴に基づき特定した未実施の業務を通知する。「未実施」は、実施していないこと示す。
【0030】
登録部117は、表示した法的要求事項について、客体に関する実施状況の入力を受け付け、入力された実施状況を実施履歴154として実施履歴テーブル600に書き込む。
【0031】
続いて、本支援装置100の動作について説明する。
以下に説明する表示画面は、支援装置100の表示部116によってユーザ端末400に表示される。また、以下に説明する表示画面における各操作は、支援装置100の登録部117によって受け付けられる。
【0032】
(メニュー画面)
図7は、本実施形態によるメニュー画面700の一例を示す図である。
メニュー画面700は、業務に関する客体を登録するための対象登録701、業務に関
し要求される法的要求事項を検索するための法的要求事項検索702、法的要求事項の実施を管理するための実施事項管理703、法的要求事項に関する届出を管理するための届出管理704、及び、定期的に実施すべき法的要求事項を管理するための定期実施事項管理705の各種メニューと、実施していない法的要求事項を通知する未実施事項通知欄710とを備える。未実施事項通知欄710の詳細については後述する。
【0033】
(対象登録画面)
図8は、本実施形態による対象登録画面800の一例を示す図である。
表示部116は、メニュー画面700で対象登録701を選択する操作を受け付けたときに、対象登録画面800を表示する。対象登録画面800は、業務に関する客体の名称(例えば、設備名、管理者名)の入力を受け付けるキーワード入力欄801、対象タグの選択を受け付ける対象タグ選択欄802、キーワード入力欄801に入力された名称に、対象タグ選択欄802で選択された対象タグを付与して登録するための登録ボタン803、及び、登録された対象の一覧を表示する対象一覧表810を備える。対象一覧表810は、登録されている客体の名称を、付与された対象タグに対応付けて一覧表示する。
【0034】
例えば、図示するように、キーワード入力欄801に客体の名称「加熱炉」を入力し、対象タグ選択欄802で「ばい煙」を選択して、登録ボタン803を押下する入力をユーザから受け付けると、表示部116は、名称「加熱炉」を、対象タグ「ばい煙」と対応付けて(例えば、両者を並べて)対象一覧表810の最下部に表示する。また、登録部117は、対象登録画面800で登録された客体の名称「加熱炉」に、対象タグ「ばい煙」をタグ付けして記憶する。なお、本例では、1つの客体に対して1つの対象タグを付与する場合について説明したが、これに限らず、1つの客体に対して複数の対象タグを付与してもよい。
【0035】
(メニュー画面)
図9は、本実施形態によるメニュー画面700の他の表示例を示す図である。
本図には、対象登録画面800で、新たに客体「加熱炉」が登録された場合の表示例を示している。表示部116は、登録された各客体に対応付けられた対象タグが付与された法的要求事項であって、実施履歴の登録を要する内容タグが付与されている法的要求事項のうち、実施履歴テーブル600が記憶する実施履歴に基づき特定した未実施のものを、未実施事項通知欄710の通知欄711に、その客体の名称を、未実施事項通知欄710の対象欄712に表示する。図示する例では、表示部116は、新たに登録された「加熱炉」について、実施すべき法的要求事項のうち、未実施のものの通知「設置届け出出してください!」、「公害防止管理者を選任してください!」、及び「ばい煙の測定をしてください!(期限まであとXX日)」を未実施事項通知欄710に一覧表示している。ここで、表示部116は、登録された各客体に付与された対象タグと、内容タグ「実施」または「届出」とが付与された法的要求事項を、各客体について実施すべき法的要求事項としてタグ付き法的要求事項テーブル500から抽出する。
【0036】
このように、登録された各客体について実施すべき法的要求事項のうち、未実施のものをメニュー画面に表示することで、ユーザは、業務で実施すべき法的要求事項に気付くことができるため、実施漏れを防ぐことができる。
【0037】
(法的要求事項検索画面)
図10は、本実施形態による法的要求事項検索画面900の一例を示す図である。
表示部116は、メニュー画面700で法的要求事項検索702を選択する操作を受け付けたときに、法的要求事項検索画面900を表示する。法的要求事項検索画面900は、任意のキーワードの入力を受け付けるキーワード入力欄901、タイミングタグの選択を受け付けるタイミングタグ選択欄902、内容タグの選択を受け付ける内容タグ選択欄
903、客体の選択を受け付ける対象選択欄904、及び、検索を開始するための検索ボタン905を備える。対象選択欄904では、対象登録画面800で登録された客体の名称が選択可能である。
【0038】
(法的要求事項検索結果画面)
図11は、本実施形態による法的要求事項検索結果画面1000の一例を示す図である。
表示部116は、法的要求事項検索画面900で検索ボタン905を押下する操作を受け付けたときに、法的要求事項検索結果画面1000を表示する。検索部115は、法的要求事項検索画面900のキーワード入力欄901に入力されたキーワード、タイミングタグ選択欄902で選択されたタイミングタグ、内容タグ選択欄903で選択された内容タグ、及び対象選択欄904で選択された客体に対応付けられた対象タグを示す第1検索クエリに合致する法的要求事項を、タグ付き法的要求事項テーブル500から検索して読み出す。表示部116は、検索部115が読み出した法的要求事項に対する、対象選択欄904で選択された客体(対象選択欄904で客体が選択されていない場合には全ての客体)に関する実施履歴を実施履歴テーブル600から読み出す。そして、表示部116は、検索部115が読み出した法的要求事項を、客体に関する実施履歴とともに法的要求事項検索結果画面1000に一覧表示する。
【0039】
本図には、法的要求事項検索画面900において、対象選択欄904で「加熱炉」が選択された場合の表示例を示している。本例では、表示部116は、「加熱炉」の対象タグ「ばい煙」が付与された法的要求事項を法的要求事項検索結果画面1000に一覧表示している。法的要求事項検索結果画面1000は、読み出した法的要求事項を示す法的要求事項欄1001、対応する法的要求事項に付与されたタイミングタグを示すタイミングタグ欄1002、対応する法的要求事項に付与された内容タグを示す内容タグ欄1003、対応する法的要求事項に付与された対象タグ対象タグ欄1004、及び、実施履歴テーブル600から読み出したユーザの実施履歴を表示する前回実施欄1005の各項目を有する検索結果表1010を備える。表示部116は、前回実施の対象たる客体の名称、前回実施の日時、及び前回実施の備考を、実施履歴テーブル600から読み出した名称601、実施履歴604、及び実施備考605に基づいて前回実施欄1005に表示する。
【0040】
例えば、本例で1行目に示す法的要求事項は、「加熱炉」に対し、実施日時「2021/12/1」に、備考「鈴木さんを選任」して実施している。また、本例で2行目に示す法的要求事項は、「加熱炉」に対し、備考「未実施」である。
【0041】
このように、ユーザは、法的要求事項検索画面900で、検索したい法的要求事項の条件を指定することで、条件に合致する法的要求事項を、法的要求事項検索結果画面1000に一覧表示することができる。例えば、ユーザは、対象選択欄904で客体を選択することにより、客体に関して遵守すべき法的要求事項を一覧表示することができる。これにより、ユーザは、業務に関する各客体それぞれに関して遵守すべき法的要求事項を容易に把握することができる。すなわち、ユーザが業務で遵守すべき法的要求事項を網羅的に一括で管理することができる。
【0042】
また、法的要求事項検索結果画面1000には、各法的要求事項に付与されているタイミングタグ、内容タグ、及び対象タグが表示されるため、ユーザは、表示された各法的要求事項で定める業務を実施するタイミング、業務の種別、及びその対象たる客体の種別を容易に把握することができる。
【0043】
さらに、法的要求事項検索結果画面1000には、各法的要求事項で定める業務を前回実施した客体、実施日時、及びその備考を表示するため、ユーザは、各法的要求事項で定
める業務を客体に関し実施できているかを容易に把握することができる。
【0044】
また、表示部116は、検索した法的要求事項を一覧表示する各画面では、予め設定されている各タグの優先度に従い、優先度の高いタグが付与された法的要求事項を、優先度の低いタグが付与された法的要求事項よりも優先的に表示させる。例えば、登録部117は、各タグの優先度を設定する入力を受け付け、入力された優先度を各タグに対応付けて記憶する。表示部116は、記憶している各タグの優先度を読み出すことで、各タグの優先度を特定する。「優先的に表示させる」とは、優先度の高いタグが付与された法的要求事項から順に表示させること、または、優先度の高いタグが付与された法的要求事項を強調して表示させることを含む。「強調して表示させる」ことには、表示色の変更、文字の大きさの変更、背景色の変更、またはマーク等の付与等が含まれる。本実施形態では、表示部116は、優先度の高いタグが付与された法的要求事項から順に表示させる。
【0045】
図12は、本実施形態における各タグの優先度を説明するための図である。
図示するように、内容タグは、タイミングタグより優先度が高い。また、タイミングタグは、「アクション」、「定期」、「常時」の順に優先度が高い。また、内容タグは、「実施」「届出」、「基準」、「制限」、「義務」の順に優先度が高い。すなわち、実施履歴の登録を要する内容タグほどその優先度が高く、実施履歴の登録が不要な内容タグほどその優先度が低い。
【0046】
よって、図示するように、表示部116は、検索クエリに合致する法的要求事項を、各タグの優先度に従い、最も優先度の高い内容タグ「実施」とタイミングタグ「アクション」とが付与された法的要求事項から順に、法的要求事項検索結果画面1000に表示する。このように、実施履歴の登録を要する内容タグが付与されている法的要求事項を、実施履歴の登録を要さない内容タグが付与されている法的要求事項よりも優先的に表示させることにより、ユーザは、実施履歴の登録を要する法的要求事項を容易に特定することができる。
【0047】
(実施事項検索画面)
図13は、本実施形態による実施事項検索画面1100の一例を示す図である。
表示部116は、メニュー画面700で実施事項管理703を選択する操作を受け付けたときに、実施事項検索画面1100を表示する。実施事項検索画面1100は、任意のキーワードの入力を受け付けるキーワード入力欄1101、客体の選択を受け付ける対象選択欄1102、及び、検索を開始するための検索ボタン1103を備える。対象選択欄1102では、対象登録画面800で登録された客体の名称が選択可能である。
【0048】
(実施事項管理画面)
図14は、本実施形態による実施事項管理画面1200の一例を示す図である。
表示部116は、実施事項検索画面1100で検索ボタン1103を押下する操作を受け付けたときに、実施事項管理画面1200を表示する。検索部115は、実施事項検索画面1100のキーワード入力欄1101に入力されたキーワード、対象選択欄1102で選択された客体に対応付けられた対象タグ、内容タグ「実施」、及びタイミングタグ「アクション」を示す第2クエリに合致する法的要求事項をタグ付き法的要求事項テーブル500から検索して読み出す。表示部116は、検索部115が読み出した法的要求事項に対する、対象選択欄1102で選択された客体(対象選択欄1102で客体が選択されていない場合には全ての客体)に関する実施履歴を実施履歴テーブル600から読み出す。そして、表示部116は、検索部115が読み出した法的要求事項の一覧を、客体に関する実施履歴とともに実施事項管理画面1200に表示する。
【0049】
本図には実施事項検索画面1100において、対象選択欄1102で「加熱炉」が選択
された場合の表示例を示している。本例では、表示部116は、「加熱炉」の対象タグ「ばい煙」、内容タグ「実施」及びタイミングタグ「アクション」が付与された法的要求事項を実施事項管理画面1200に一覧表示している。実施事項管理画面1200は、法的要求事項欄1201、タイミングタグ欄1202、内容タグ欄1203、対象タグ欄1204、前回実施欄1205、及び、実施欄1206の各項目を有する実施事項表1210を備える。実施欄1206は、実施した日付の入力を受け付ける日付入力欄1207、実施の備考の入力を受け付ける備考入力欄1208、及び入力した内容を登録するための登録ボタン1209を備え、客体に関する業務のユーザの実施状況の入力を受け付ける。
【0050】
登録部117は、実施欄1206が備える登録ボタン1209を押下する入力を受け付けると、日付入力欄1207に入力された日付、及び備考入力欄1208に入力された備考を、それぞれ実施履歴テーブル600の実施履歴604、及び実施備考605に書き込む。実施事項表1210の他の項目は、法的要求事項検索結果画面1000の検索結果表1010と同様であるため、その説明を省略する。
【0051】
このように、ユーザは、実施事項検索画面1100で、検索したい法的要求事項の条件を指定することで、条件に合致する法的要求事項であって、アクション時に実施すべき法的要求事項を、それぞれその実施履歴とともに実施事項管理画面1200に一覧表示することができる。例えば、ユーザは、対象選択欄1102で客体を選択することにより、客体に関してアクション時に実施すべき法的要求事項を、過去の実施履歴の内容とともにそれぞれ表示することができる。これにより、ユーザは、遵守すべき法的要求事項が定める業務を客体に関し実施できているかを漏れなく確認することができる。
【0052】
また、実施事項管理画面1200では、ユーザがアクション時に実施すべき法的要求事項に対する実施履歴の入力を受け付けるため、ユーザは、法的要求事項が定める業務の実施履歴を容易に登録することができる。
【0053】
また、本例に示す実施事項管理画面1200は、「加熱炉」の対象タグ「ばい煙」が付与された法的要求事項であって、タイミングタグ「定期」または「常時」が付与された法的要求事項を、参考情報として一覧表示する参考表1220を備える。検索部115は、対象選択欄1102で選択された「加熱炉」の対象タグ「ばい煙」が付与された法的要求事項であって、タイミングタグ「定期」または「常時」が付与された法的要求事項をタグ付き法的要求事項テーブル500から検索して読み出す。表示部116は、検索部115が読み出した法的要求事項の一覧を参考表1220に表示する。参考表1220が有する各項目は、実施事項表1210と同様であるため、その説明を省略する。なお、参考表1220に表示される法的要求事項のうち、実施の登録を要する内容タグ「実施」または「届出」が付与された法的要求事項は、その実施欄に、日付入力欄、備考欄、及び登録ボタンが設けられ、実施履歴の入力を受け付ける。
【0054】
このように、参考表1220を表示することで、ユーザは、定期的または常時実施すべき法的要求事項についても、容易に把握することができ、また、その実施履歴を登録することができる。なお、本例では、表示部116は、タイミングタグ「定期」または「常時」が付与されている法的要求事項を参考情報として表示しているが、タイミングタグ「アクション」及び内容タグ「実施」が付与されている法的要求事項以外のものであれば、参考情報として表示する法的要求事項はこれに限らない。例えば、表示部116は、タイミングタグ「アクション」が付与されている法的要求事項であって、内容タグ「実施」以外の内容タグが付与されている法的要求事項を参考情報として表示してもよい。
【0055】
(届出検索画面)
図15は、本実施形態による届出検索画面1300の一例を示す図である。
表示部116は、メニュー画面700で届出管理704を選択する操作を受け付けたときに、届出検索画面1300を表示する。届出検索画面1300は、任意のキーワードの入力を受け付けるキーワード入力欄1301、客体の選択を受け付ける対象選択欄1302、及び、検索を開始するための検索ボタン1303を備える。対象選択欄1302では、対象登録画面800で登録された客体の名称が選択可能である。
【0056】
(届出管理画面)
図16は、本実施形態による届出管理画面1400の一例を示す図である。
表示部116は、届出検索画面1300で検索ボタン1303を押下する操作を受け付けたときに、届出管理画面1400を表示する。検索部115は、届出検索画面1300のキーワード入力欄1301に入力されたキーワード、対象選択欄1302で選択された客体に対応付けられた対象タグ、及び内容タグ「届出」を示す第3検索クエリに合致する法的要求事項の一覧をタグ付き法的要求事項テーブル500から検索して読み出す。表示部116は、検索部115が読み出した法的要求事項に対する、対象選択欄1302で選択された客体(対象選択欄1302で客体が選択されていない場合には全ての客体)に関する実施履歴を実施履歴テーブル600から読み出す。そして、表示部116は、検索部115が読み出した法的要求事項の一覧を、客体に関する実施履歴とともに届出管理画面1400に表示する。
【0057】
本図には、届出検索画面1300において、対象選択欄1302で「加熱炉」が選択された場合の表示例を示している。本例では、表示部116は、「加熱炉」の対象タグ「ばい煙」、及び内容タグ「届出」が付与された法的要求事項を届出管理画面1400に一覧表示している。届出管理画面1400は、法的要求事項欄1401、タイミングタグ欄1402、内容タグ欄1403、対象タグ欄1404、前回実施欄1405、当該法的要求事項で定める届出を実施するユーザに対する期限を示す届出実施期限欄1406、アクション実施欄1407、及び、届出実施欄1408の各項目を有する届出事項表1410を備える。
【0058】
表示部116は、タグ付き法的要求事項テーブル500の期限506と、実施履歴テーブル600の実施履歴604とに基づいて、各法的要求事項の届出実施期限を算出し、算出した届出実施期限を届出実施期限欄1406に表示する。また、アクション実施欄1407は、届出の必要なアクションを実施した日付の入力を受け付ける。登録部117は、アクション実施欄1407に入力された日付を、実施履歴テーブル600のアクション実施履歴606に書き込む。届出実施欄1408は、届出を実施した日付の入力を受け付ける日付入力欄1409、届出の実施の備考の入力を受け付ける備考入力欄1411、及び入力した内容を登録するための登録ボタン1412を備え、届出の実施履歴の入力を受け付ける。登録部117は、届出実施欄1408が備える登録ボタン1412を押下する入力を受け付けると、日付入力欄1409に入力された日付、及び備考入力欄1411に入力された備考を、それぞれ実施履歴テーブル600の実施履歴604、及び実施備考605に書き込む。届出事項表1410が有する他の項目は、実施事項管理画面1200が備える実施事項表1210と同様であるため、その説明を省略する。
【0059】
このように、ユーザは、届出検索画面1300で、検索したい法的要求事項の条件を指定することで、条件に合致する法的要求事項であって、届出の実施を定める法的要求事項を、それぞれその実施履歴とともに届出管理画面1400に一覧表示することができる。例えば、ユーザは、対象選択欄1302で客体を選択することにより、客体に関する届出を定める法的要求事項を、過去の実施履歴の内容とともにそれぞれ表示することができる。これにより、ユーザは、遵守すべき法的要求事項が定める届出を客体に関し実施できているかを漏れなく確認することができる。また、各法的要求事項の届出実施期限を表示することにより、ユーザは、該当する法的要求事項が定める届出をいつまでに実施すべきか
を容易に把握することができる。これにより、法的要求事項で定められた届出の実施漏れを防ぐことができる。
【0060】
また、届出管理画面1400では、法的要求事項で定める届出のユーザの実施履歴の入力を受け付けるため、ユーザは、法的要求事項が定める届出の実施履歴を容易に登録することができる。
【0061】
また、本例に示す、届出管理画面1400は、「加熱炉」の対象タグ「ばい煙」が付与された法的要求事項であって、タイミングタグ「定期」または「常時」が付与された法的要求事項を、参考情報として一覧表示する参考表1420を備える。検索部115は、対象選択欄1302で選択された「加熱炉」の対象タグ「ばい煙」が付与された法的要求事項であって、タイミングタグ「定期」または「常時」が付与された法的要求事項をタグ付き法的要求事項テーブル500から検索して読み出す。表示部116は、検索部115が読み出した法的要求事項の一覧を参考表1420に表示する。参考表1420が有する各項目は、実施事項管理画面1200の参考表1220と同様であるため、その説明を省略する。
【0062】
このように、参考表1420を表示することで、ユーザは、定期的または常時実施すべき法的要求事項についても、容易に把握することができ、また、その実施履歴を登録することができる。なお、本例では、表示部116は、タイミングタグ「定期」または「常時」が付与されている法的要求事項を参考情報として表示しているが、タイミングタグ「アクション」及び内容タグ「届出」が付与されている法的要求事項以外のものであれば、参考情報として表示する法的要求事項はこれに限らない。例えば、表示部116は、タイミングタグ「アクション」が付与されている法的要求事項であって、内容タグ「届出」以外の内容タグが付与されている法的要求事項を参考情報として表示してもよい。
【0063】
(定期実施事項検索画面)
図17は、本実施形態による定期実施事項検索画面1500の一例を示す図である。
表示部116は、メニュー画面700で定期実施事項管理705を選択する操作を受け付けたときに、定期実施事項検索画面1500を表示する。定期実施事項検索画面1500は、任意のキーワードの入力を受け付けるキーワード入力欄1501、客体の選択を受け付ける対象選択欄1502、及び、検索を開始するための検索ボタン1503を備える。対象選択欄1502では、対象登録画面800で登録された客体の名称が選択可能である。
【0064】
(定期実施事項管理画面)
図18は、本実施形態による定期実施事項管理画面1600の一例を示す図である。
表示部116は、定期実施事項検索画面1500で検索ボタン1503を押下する操作を受け付けたときに、定期実施事項管理画面1600を表示する。検索部115は、定期実施事項検索画面1500のキーワード入力欄1501に入力されたキーワード、対象選択欄1502で選択された客体に対応付けられた対象タグ、内容タグ「実施」、及びタイミングタグ「定期」を示す第4検索クエリに合致する法的要求事項をタグ付き法的要求事項テーブル500から検索して読み出す。表示部116は、検索部115が読み出した法的要求事項に対する、対象選択欄1502で選択された客体(対象選択欄1502で客体が選択されていない場合には全ての客体)に関する実施履歴を実施履歴テーブル600から読み出す。そして、表示部116は、検索部115が読み出した法的要求事項の一覧を、客体に関する実施履歴とともに定期実施事項管理画面1600に表示する。
【0065】
本図には定期実施事項検索画面1500において、対象選択欄1502で「加熱炉」が選択された場合の表示例を示している。本例では、表示部116は、「加熱炉」の対象タ
グ「ばい煙」、内容タグ「実施」及びタイミングタグ「定期」が付与された法的要求事項を定期実施事項管理画面1600に一覧表示している。定期実施事項検索画面1500は、法的要求事項欄1601、タイミングタグ欄1602、内容タグ欄1603、対象タグ欄1604、実施履歴テーブル600から読み出したユーザの実施履歴を表示する前回実施欄1605、当該法的要求事項のユーザに対する将来の実施の期限を示す実施期限欄1606、及び、客体に関する業務のユーザの実施状況の入力を受け付ける実施欄1607の各項目を有する定期実施事項表1610を備える。
【0066】
表示部116は、タグ付き法的要求事項テーブル500の期限506と、実施履歴テーブル600の実施履歴604とに基づいて、各法的要求事項の実施期限を算出し、算出した届出実施期限を実施期限欄1606に表示する。定期実施事項表1610が有する他の項目は、実施事項管理画面1200が備える実施事項表1210と同様であるため、その説明を省略する。
【0067】
このように、ユーザは、定期実施事項検索画面1500で、検索したい法的要求事項の条件を指定することで、条件に合致する法的要求事項であって、定期的に実施すべき法的要求事項を、それぞれその実施履歴とともに、定期実施事項管理画面1600に一覧表示することができる。例えば、ユーザは、対象選択欄1502で客体を選択することにより、客体に関して定期的に実施すべき法的要求事項を、過去の実施履歴の内容とともにそれぞれ表示することができる。これにより、ユーザは、遵守すべき法的要求事項が定める業務を客体に関し定期的に実施できているかを漏れなく確認することができる。また、各法的要求事項の将来の実施期限を表示することにより、ユーザは、該当する法的要求事項を次回いつまでに実施すべきかを容易に把握することができる。これにより、法的要求事項で定められた定期的に実施すべき業務の実施漏れを防ぐことができる。
【0068】
また、定期実施事項管理画面1600では、ユーザが定期的に実施すべき法的要求事項に対する実施履歴の入力を受け付けるため、ユーザは、法的要求事項が定める業務の実施履歴を容易に登録することができる。
【0069】
また、本例に示す定期実施事項管理画面1600は、「加熱炉」の対象タグ「ばい煙」が付与された法的要求事項であって、タイミングタグ「常時」が付与された法的要求事項を、参考情報として一覧表示する参考表1620を備える。検索部115は、対象選択欄1502で選択された「加熱炉」の対象タグ「ばい煙」が付与された法的要求事項であって、タイミングタグ「常時」が付与された法的要求事項をタグ付き法的要求事項テーブル500から検索して読み出す。表示部116は、検索部115が読み出した法的要求事項の一覧を参考表1620に表示する。参考表1620が有する各項目は、実施事項管理画面1200の参考表1220と同様であるため、その説明を省略する。
【0070】
このように、参考表1620を表示することで、ユーザは、常に遵守しなければならない法的要求事項についても、容易に把握することができる。なお、本例では、表示部116は、タイミングタグ「常時」が付与されている法的要求事項を参考情報として表示しているが、タイミングタグ「定期」及び内容タグ「実施」が付与されている法的要求事項以外のものであれば、参考情報として表示する法的要求事項はこれに限らない。例えば、表示部116は、タイミングタグ「アクション」が付与されている法的要求事項、または内容タグ「届出」が付与されている法的要求事項を参考情報として表示してもよい。
【0071】
<検索処理>
図19は、本実施形態における支援装置100で行われる、各検索画面(法的要求事項検索画面900、実施事項検索画面1100、届出検索画面1300、または定期実施事項検索画面1500)を用いた各種情報のユーザ検索のための処理である検索処理の概要
を説明する処理フロー図である。本図に示す検索処理は、各検索画面で検索ボタンを押下する入力を受け付けたときに実行される。
【0072】
まず、検索部115は、検索画面で入力された条件を示す検索クエリを読み込むとともに、タグ付き法的要求事項テーブル500からタグ付き法的要求事項を読み出す(ステップS101)。
【0073】
例えば、法的要求事項検索画面900で入力された条件を示す第1検索クエリは、キーワード入力欄901に入力されたキーワード、タイミングタグ選択欄902で選択されたタイミングタグ、内容タグ選択欄903で選択された内容タグ、及び対象選択欄904で選択された客体に対応付けられた対象タグを含む。実施事項検索画面1100で入力された条件を示す第2検索クエリは、キーワード入力欄1101に入力されたキーワード、及び対象選択欄1102で選択された客体に対応付けられた対象タグ、内容タグ「実施」、及びタイミングタグ「アクション」を含む。また、届出検索画面1300で入力された条件を示す第3検索クエリは、キーワード入力欄1301に入力されたキーワード、対象選択欄1302で選択された客体に対応付けられた対象タグ、及び内容タグ「届出」を含む。また、定期実施事項検索画面1500で入力された条件を示す第4検索クエリは、キーワード入力欄1501に入力されたキーワード、対象選択欄1502で選択された客体に対応付けられた対象タグ、内容タグ「実施」、及びタイミングタグ「定期」を含む。
【0074】
続いて、検索部115は、検索クエリにヒットする法的要求事項を取得する(ステップS102)。検索クエリにヒットする法的要求事項を取得する法的要求事項取得処理の詳細は後述する。
【0075】
そして、検索部115は、取得した法的要求事項を表示部116に出力する。表示部116は、入力された法的要求事項に対する実施履歴を実施履歴テーブル600から読み出し、入力された法的要求事項を、読み出した実施履歴とともに表示する(ステップS103)。
【0076】
例えば、表示部116は、法的要求事項検索画面900で検索ボタン905を押下する操作を受け付けた場合には、入力された法的要求事項をその実施履歴とともに法的要求事項検索結果画面1000に表示する。また、表示部116は、実施事項検索画面1100で検索ボタン1103を押下する操作を受け付けた場合には、入力された法的要求事項をその実施履歴とともに実施事項管理画面1200に表示する。また、表示部116は、届出検索画面1300で検索ボタン1303を押下する操作を受け付けた場合には、入力された法的要求事項をその実施履歴とともに届出管理画面1400に表示する。また、表示部116は、定期実施事項検索画面1500で検索ボタン1503を押下する操作を受け付けた場合には、入力された法的要求事項をその実施履歴とともに定期実施事項管理画面1600に表示する。その後、検索処理を終了する。
【0077】
<法的要求事項取得処理>
図20は、本実施形態における法的要求事項取得処理の詳細を説明する処理フロー図である。本図に示す法的要求事項取得処理は、上述したステップS102で実行される。検索部115は、全ての法的要求事項に対し、ステップS1021~S1023の処理を繰り返し実行する。
【0078】
まず、検索部115は、法的要求事項に付与されているタグが、検索クエリに含まれるタグにマッチするか否かを判定する(ステップS1021)。タグにマッチするとは、検索クエリに含まれるタグと、法的要求事項に付与されているタグとが一致することである。タグにマッチしない場合(ステップS1021:No)、検索部115は、次の法的要
求事項に対し、ステップS1021~ステップS1023の処理を実行する。
【0079】
一方、検索部115は、タグにマッチする場合(ステップS1021:Yes)、法的要求事項が、検索クエリのキーワードにマッチするか否かを判定する(ステップS1022)。キーワードにマッチするとは、例えば、法的要求事項にキーワードまたはキーワードと同一もしくは類似の意味の言葉が記載されていることである。なお、検索部115は、予め用意した語彙データベースと形態素解析とで言葉の意味の類似を判定する。キーワードにマッチしない場合(ステップS1022:No)、検索部115は、次の法的要求事項に対し、ステップS1021~ステップS1023の処理を実行する。
【0080】
一方、検索部115は、キーワードにマッチする場合(ステップS1022:Yes)、当該法的要求事項をヒットした法的要求事項として出力する(ステップS1023)。そして、検索部115は、全ての法的要求事項について、ステップS1021~ステップS1023の処理を実行すると、法的要求事項取得処理を終了する。
【0081】
以上説明したように、本実施形態の支援装置100は、プロセッサ及びメモリを有し、法令で定められている法的要求事項の対象たる客体の種別を示す対象タグを、前記法的要求事項に付与して記憶するタグ付き法的要求事項記憶部118と、前記法的要求事項が定める客体に関する業務の実施履歴を、前記客体ごとに記憶する実施履歴記憶部119と、ユーザから業務に関わる客体の入力を受け付け、入力された前記客体に対応付けられている対象タグが付与された法的要求事項をタグ付き法的要求事項記憶部118から検索する検索部115と、検索した法的要求事項を、実施履歴記憶部119から読み出した客体に関する業務の実施履歴とともに表示する表示部116とを備える。
【0082】
このような構成により、支援装置100は、客体に対応付けられている対象タグが付与された法的要求事項を、それぞれ過去の実施履歴とともに表示することができる。よって、ユーザは、遵守すべき法的要求事項が定める業務を客体に関し実施できているかを漏れなく確認することができる。これにより、ユーザが業務で遵守すべき法的要求事項を網羅的に一括で管理することができる。
【0083】
また、本実施形態の支援装置100は、表示した法的要求事項について、客体に関する実施状況の入力を受け付け、入力された実施状況を実施履歴記憶部119に書き込む。このような構成により、法的要求事項で定める各客体に関する業務の実施履歴を、簡単に登録することができる。
【0084】
また、本実施形態の支援装置100は、法的要求事項が要求する業務の種別示す内容タグが付与された法的要求事項を記憶し、内容タグが示す業務を要求している法的要求事項を検索する。このような構成により、内容タグが示す業務の種別で法的要求事項を検索することができるため、内容タグにより分類されたカテゴリ別に法的要求事項を検索することができる。
【0085】
また、本実施形態の内容タグは、実施履歴の登録の要否を示し、支援装置100は、実施履歴の登録の必要性を示している内容タグが付与されている法的要求事項を、実施履歴の登録の必要性を示していない内容タグが付与されている法的要求事項よりも優先的に表示する。このような構成により、ユーザは、実施履歴の登録が必要な法的要求事項を容易に把握することができるため、法的要求事項の実施漏れを防ぐことができる。
【0086】
また、本実施形態の支援装置100は、実施履歴の登録の必要性を示している内容タグが付与されている法的要求事項が示す業務のうち、実施履歴記憶部119が記憶する実施履歴に基づき特定した未実施の業務を通知する。このような構成により、法的要求事項で
定められている、ユーザが実施すべき業務の実施漏れを防ぐことができる。
【0087】
支援装置100は、実施履歴の登録の必要性を示している内容タグが付与されている法的要求事項について、実施履歴記憶部119から読み出した実施履歴を表示する前回実施欄1205と、客体に関する業務の実施状況の入力を受け付ける実施欄1206とを備える実施事項管理画面1200を表示する。このような構成により、ユーザは、実施事項管理画面1200で、ユーザが業務で実施すべき法的要求事項を効率よく管理することができる。
【0088】
また、本実施形態の支援装置100は、ユーザが法的要求事項を実施すべきタイミングを示すタイミングタグが付与された法的要求事項を記憶し、タイミングタグが示すタイミングでの客体に関する業務の実施を規定している法的要求事項を検索する。このような構成により、ユーザが業務を実施すべきタイミング別に、法的要求事項を検索することができる。
【0089】
また、本実施形態の支援装置100は、ユーザが法的要求事項を常時遵守することを示すタイミングタグが付与されている法的要求事項を、参考情報として表示する。このような構成により、ユーザは、業務で常時遵守すべき法的要求事項を容易に把握することができる。
【0090】
また、本実施形態の支援装置100は、ユーザが法的要求事項を定期的に実施することを示すタイミングタグが付与されている法的要求事項について、実施履歴記憶部119から読み出したユーザの実施履歴を表示する前回実施欄1605と、実施履歴記憶部119が記憶する実施履歴及び当該法的要求事項が定める期限の情報に基づく、当該法的要求事項のユーザに対する将来の実施期限を表示する実施期限欄1606と、客体に関する業務のユーザの実施状況の入力を受け付ける実施欄1607とを備える定期実施事項管理画面1600を表示する。このような構成により、ユーザは、定期実施事項管理画面1600で、法的要求事項で定められている、ユーザが定期的に実施すべき業務を効率よく管理することができる。
【0091】
また、本実施形態の支援装置100は、実施履歴記憶部119が記憶する実施履歴及び検索した法的要求事項が定める期限の情報に基づいて、検索した法的要求事項の将来の実施期限を表示する。このような構成により、ユーザは、法的要求事項の将来の実施期限を容易に把握することができる。
【0092】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で、任意の構成要素を用いて実施可能である。以上説明した実施形態や変形例はあくまで一例であり、発明の特徴が損なわれない限り、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。また、上記では種々の実施形態や変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
【0093】
例えば、本実施形態の各装置が備えるハードウェアの一部は、他の装置に設けてもよい。
【0094】
また、支援装置の各プログラムは他の装置に設けてもよいし、あるプログラムを複数のプログラムからなるものとしてもよいし、複数のプログラムを一つのプログラムに統合してもよい。
【符号の説明】
【0095】
100 支援装置、110 処理装置、115 検索部、116 表示部、117 登録部、118 タグ付き法的要求事項記憶部、119 実施履歴記憶部