(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024033078
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】ベッド装置
(51)【国際特許分類】
A47C 19/00 20060101AFI20240306BHJP
A47C 21/00 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
A47C19/00 B
A47C21/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022136464
(22)【出願日】2022-08-30
(71)【出願人】
【識別番号】000010032
【氏名又は名称】フランスベッド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石橋 俊一
(57)【要約】
【課題】 より少ないスペースで組み立て作業または解体作業を行うことができるベッド装置を提供する。
【解決手段】 一実施形態に係るベッド装置は、鉛直方向に並ぶとともに長手方向に長尺な第1フレームおよび第2フレームと、一対の第1アームを有し、前記第1フレームおよび前記第2フレームに取り付けられる第1リンク部材と、前記長手方向と交差する幅方向に見て、前記一対の第1アームと交差する一対の第2アームを有し、前記第1フレームおよび前記第2フレームに取り付けられる第2リンク部材と、前記一対の第1アームと前記一対の第2アームとを前記幅方向と平行な軸を中心に回動可能に連結する回動部材と、前記第1リンク部材と前記第2リンク部材とに取り付けられ、前記一対の第1アームに対する前記一対の第2アームの相対的な移動を規制するフレームストッパと、を備える。
【選択図】
図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉛直方向に並ぶとともに長手方向に長尺な第1フレームおよび第2フレームと、
一対の第1アームを有し、前記第1フレームおよび前記第2フレームに取り付けられる第1リンク部材と、
前記長手方向と交差する幅方向に見て、前記一対の第1アームと交差する一対の第2アームを有し、前記第1フレームおよび前記第2フレームに取り付けられる第2リンク部材と、
前記一対の第1アームと前記一対の第2アームとを前記幅方向と平行な軸を中心に回動可能に連結する回動部材と、
前記第1リンク部材と前記第2リンク部材とに取り付けられ、前記一対の第1アームに対する前記一対の第2アームの相対的な移動を規制するフレームストッパと、を備える、
ベッド装置。
【請求項2】
伸縮自在な伸縮部を有し、前記伸縮部によって前記第1リンク部材および前記第2リンク部材を回動させ、前記第1フレームおよび前記第2フレームの間の前記鉛直方向における距離を変化させる駆動源と、
第1連結機構と、
第2連結機構と、
第3連結機構と、を備え、
前記第1リンク部材は、前記幅方向に延び、前記一対の第1アームを連結する第1連結部材をさらに有し、
前記第2リンク部材は、前記幅方向に延び、前記一対の第2アームを連結する第2連結部材をさらに有し、
前記第1連結機構は、前記第1連結部材に設けられ、前記駆動源の前記長手方向における一端部を回動可能に連結し、
前記第2連結機構は、前記第1フレームに設けられ、前記駆動源の前記長手方向における他端部を連結し、
前記第3連結機構は、前記第2連結部材に設けられ、前記駆動源の前記他端部を連結し、
前記駆動源の前記他端部の連結先を前記第2連結機構と前記第3連結機構との間で切り替えることができる、
請求項1に記載のベッド装置。
【請求項3】
前記第1リンク部材は、前記幅方向に延び、前記第2連結部材と平行に並び、前記一対の第1アームを連結する第3連結部材をさらに有し、
前記フレームストッパは、前記第2連結部材と係合可能な第1係合部と、前記第3連結部材と係合可能な第2係合部と、を有する、
請求項2に記載のベッド装置。
【請求項4】
前記駆動源は、前記フレームストッパを着脱自在に保持する保持部を有する、
請求項2に記載のベッド装置。
【請求項5】
前記フレームストッパを取り付けた状態において、前記一対の第1アームおよび前記一対の第2アームが前記鉛直方向に沿って延びるように、前記第1リンク部材および前記第2リンク部材を水平面に置いた場合、前記第1リンク部材および前記第2リンク部材は、自立可能である、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のベッド装置。
【請求項6】
鉛直方向に並ぶとともに長手方向に長尺な第1フレームおよび第2フレームと、
一対の第1アームと、前記長手方向と交差する幅方向に延び、前記一対の第1アームを連結する第1連結部材と、を有し、前記第1フレームおよび前記第2フレームに取り付けられる第1リンク部材と、
前記幅方向に見て、前記一対の第1アームと交差する一対の第2アームと、前記幅方向に延び、前記一対の第2アームを連結する第2連結部材と、を有し、前記第1フレームおよび前記第2フレームに取り付けられる第2リンク部材と、
前記一対の第1アームと前記一対の第2アームとを前記幅方向と平行な軸を中心に回動可能に連結する回動部材と、
伸縮自在な伸縮部を有し、前記伸縮部によって前記第1リンク部材および前記第2リンク部材を回動させ、前記第1フレームおよび前記第2フレームの間の前記鉛直方向における距離を変化させる駆動源と、
前記第1連結部材に設けられ、前記駆動源の前記長手方向における一端部を回動可能に連結する第1連結機構と、
前記第1フレームに設けられ、前記駆動源の前記長手方向における他端部を連結する第2連結機構と、
前記第2連結部材に設けられ、前記駆動源の前記他端部を連結する第3連結機構と、を備え、
前記駆動源の前記他端部の連結先を前記第2連結機構と前記第3連結機構との間で切り替えることができる、
ベッド装置。
【請求項7】
前記長手方向において、前記第1連結機構は、前記第2連結機構と前記第3連結機構との間に位置している、
請求項6に記載のベッド装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベッド装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ベッド装置の一例として、床に置かれる脚部を有する下フレームと、下フレームによって支持される上フレームと、上フレームを下フレームに対して昇降させる昇降機構とを備えたものが知られている。例えば、昇降機構は、下フレームと上フレームを連結するリンク部材と、このリンク部材を駆動する昇降モータとを備えている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したようなベッド装置は、例えばリンク部材と下フレームの連結、リンク部材と上フレームの連結、昇降モータと下フレームまたは上フレームの連結、脚部材と下フレームの連結などの多くの作業工程を経て組み立てられる。
【0005】
例えば、特許文献1に開示されたベッドは、昇降機構としてのXリンク機構を備えている。Xリンク機構は、一対の第1リンクとおよび第2リンクを備える。第1リンクおよび第2リンクは、前後方向の略中央部同士がリンク固定部を介して回動自在に連結されている。
【0006】
このようなXリンク機構において、第1リンクおよび第2リンクは、リンク固定部を介して回動するため、組み立て作業や解体作業において、平らな状態で保管する場合がある。そのため、組み立て作業や解体作業において、第1リンクおよび第2リンクを保管するためのスペースを確保する必要がある。
【0007】
そこで、本発明は、より少ないスペースで組み立て作業または解体作業を行うことができるベッド装置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態に係るベッド装置は、鉛直方向に並ぶとともに長手方向に長尺な第1フレームおよび第2フレームと、一対の第1アームを有し、前記第1フレームおよび前記第2フレームに取り付けられる第1リンク部材と、前記長手方向と交差する幅方向に見て、前記一対の第1アームと交差する一対の第2アームを有し、前記第1フレームおよび前記第2フレームに取り付けられる第2リンク部材と、前記一対の第1アームと前記一対の第2アームとを前記幅方向と平行な軸を中心に回動可能に連結する回動部材と、前記第1リンク部材と前記第2リンク部材とに取り付けられ、前記一対の第1アームに対する前記一対の第2アームの相対的な移動を規制するフレームストッパと、を備える。
【0009】
前記ベッド装置は、伸縮自在な伸縮部を有し、前記伸縮部によって前記第1リンク部材および前記第2リンク部材を回動させ、前記第1フレームおよび前記第2フレームの間の前記鉛直方向における距離を変化させる駆動源と、第1連結機構と、第2連結機構と、第3連結機構と、を備えてもよい。
【0010】
前記第1リンク部材は、前記幅方向に延び、前記一対の第1アームを連結する第1連結部材をさらに有し、前記第2リンク部材は、前記幅方向に延び、前記一対の第2アームを連結する第2連結部材をさらに有し、前記第1連結機構は、前記第1連結部材に設けられ、前記駆動源の前記長手方向における一端部を回動可能に連結し、前記第2連結機構は、前記第1フレームに設けられ、前記駆動源の前記長手方向における他端部を連結し、前記第3連結機構は、前記第2連結部材に設けられ、前記駆動源の前記他端部を連結してもよい。前記駆動源の前記他端部の連結先を前記第2連結機構と前記第3連結機構との間で切り替えることができてもよい。
【0011】
前記第1リンク部材は、前記幅方向に延び、前記第2連結部材と平行に並び、前記一対の第1アームを連結する第3連結部材をさらに有し、前記フレームストッパは、前記第2連結部材と係合可能な第1係合部と、前記第3連結部材と係合可能な第2係合部と、を有してもよい。
【0012】
前記駆動源は、前記フレームストッパを着脱自在に保持する保持部を有してもよい。前記フレームストッパを取り付けた状態において、前記一対の第1アームおよび前記一対の第2アームが前記鉛直方向に沿って延びるように、前記第1リンク部材および前記第2リンク部材を水平面に置いた場合、前記第1リンク部材および前記第2リンク部材は、自立可能であってもよい。
【0013】
一実施形態に係るベッド装置は、鉛直方向に並ぶとともに長手方向に長尺な第1フレームおよび第2フレームと、一対の第1アームと、前記長手方向と交差する幅方向に延び、前記一対の第1アームを連結する第1連結部材と、を有し、前記第1フレームおよび前記第2フレームに取り付けられる第1リンク部材と、前記幅方向に見て、前記一対の第1アームと交差する一対の第2アームと、前記幅方向に延び、前記一対の第2アームを連結する第2連結部材と、を有し、前記第1フレームおよび前記第2フレームに取り付けられる第2リンク部材と、前記一対の第1アームと前記一対の第2アームとを前記幅方向と平行な軸を中心に回動可能に連結する回動部材と、伸縮自在な伸縮部を有し、前記伸縮部によって前記第1リンク部材および前記第2リンク部材を回動させ、前記第1フレームおよび前記第2フレームの間の前記鉛直方向における距離を変化させる駆動源と、前記第1連結部材に設けられ、前記駆動源の前記長手方向における一端部を回動可能に連結する第1連結機構と、前記第1フレームに設けられ、前記駆動源の前記長手方向における他端部を連結する第2連結機構と、前記第2連結部材に設けられ、前記駆動源の前記他端部を連結する第3連結機構と、を備える。前記駆動源の前記他端部の連結先を前記第2連結機構と前記第3連結機構との間で切り替えることができる。
【0014】
前記長手方向において、前記第1連結機構は、前記第2連結機構と前記第3連結機構との間に位置してもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、より少ないスペースで組み立て作業または解体作業を行うことができるベッド装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、一実施形態に係るベッド装置の概略的な斜視図である。
【
図2】
図2は、一実施形態に係るベッドフレームおよび昇降機構の概略的な斜視図である。
【
図3】
図3は、一実施形態に係るベッドフレームおよび昇降機構の概略的な平面図である。
【
図4】
図4は、一実施形態に係る昇降機構の一部を示す概略的な斜視図である。
【
図5】
図5は、一実施形態に係る昇降機構の概略的な斜視図である。
【
図9】
図9は、一実施形態に係る駆動源の概略的な斜視図である。
【
図10】
図10は、一実施形態に係る連結機構の概略的な斜視図である。
【
図11】
図11は、一実施形態に係る連結機構の概略的な正面図である。
【
図12】
図12は、一実施形態に係る昇降機構の概略的な斜視図である。
【
図13】
図13は、一実施形態に係る昇降機構の概略的な斜視図である。
【
図14】
図14は、一実施形態に係る連結機構の概略的な斜視図である。
【
図15】
図15は、一実施形態に係るフレームストッパの概略的な斜視図である。
【
図16】
図16は、一実施形態に係るフレームストッパの概略的な側面図である。
【
図17】
図17は、一実施形態に係るフレームストッパの概略的な側面図である。
【
図18】
図18は、一実施形態に係る駆動源の一部を示す概略的な斜視図である。
【
図19】
図19は、昇降機構が自立した状態を示す概略的な斜視図である。
【
図20】
図20は、一実施形態に係るヘッドフレームおよび延長フレームの概略的な斜視図である。
【
図21】
図21は、一実施形態に係るヘッドフレームおよび延長フレームが自立した状態を示す概略的な斜視図である。
【
図22】
図22は、一実施形態に係る上フレームと大腿部床板とを示す概略的な斜視図である。
【
図23】
図23は、一実施形態に係る連結機構の概略的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
一実施形態につき、図面を参照しながら説明する。
本実施形態においては、ベッド装置の一例として、床板体(ベッドプラットフォーム)の昇降と変形が可能な電動ベッドを開示する。ただし、本実施形態において開示する構成、特に各種の部材同士の連結に関する構造は、例えば電気的な制御要素を備えないベッド装置など、他種のベッド装置にも適用し得る。
【0018】
図1は、本実施形態に係るベッド装置1の概略的な斜視図である。以下の説明においては、図示したように長手方向X、幅方向Yおよび鉛直方向Zを定義する。本実施形態においては、これら方向X,Y,Zが互いに直交する。また、本実施形態において、鉛直方向Zを上または上方と定義し、鉛直方向Zと反対側の方向を下または下方と定義する。
【0019】
ベッド装置1は、ベッドフレーム2と、ベッドフレーム2の上に配置された床板体10と、ベッドフレーム2に装着された複数の脚部材3と、を備えている。ベッドフレーム2および床板体10は、いずれも長手方向Xに長尺な形状を有している。
【0020】
床板体10は、背部床板10Aと、腰部床板10Bと、大腿部床板10Cと、足部床板10Dと、を含んでいる。背部床板10A、腰部床板10B、大腿部床板10C、および足部床板10Dは、この順で長手方向Xに並んでいる。これら床板10A,10B,10C,10Dのうちの隣り合う2つは、幅方向Yと平行な軸を中心として回動可能に連結されている。ベッド装置1の使用時には、床板体10の上にマットレスが置かれる。
【0021】
ベッド装置1は、床板体10の下方に配置された駆動機構をさらに備えている。例えば、この駆動機構は、床板体10を上昇および下降させる後述の昇降機構を含む。さらに、駆動機構は、床板体10を
図1に示すような平坦な状態から所定の形状に変形させる。
【0022】
所定の形状としては、例えば、背部床板10Aが起き上がった背上げ状態、大腿部床板10Cおよび足部床板10Dの少なくとも一方が起き上がった脚上げ状態などが挙げられる。
【0023】
図1に示すように、ベッド装置1は、ヘッドボード11およびフットボード12を備えてもよい。ヘッドボード11は、ベッドフレーム2の長手方向Xにおける頭側の端部に配置される。フットボード12は、ベッドフレーム2の長手方向Xにおける脚側の端部に配置される。
【0024】
図2は、本実施形態に係るベッドフレーム2および昇降機構6の概略的な斜視図である。
図3は、本実施形態に係るベッドフレーム2および昇降機構6の概略的な平面図である。
図4は、本実施形態に係る昇降機構6の一部を示す概略的な斜視図である。
図5は、本実施形態に係る昇降機構6の概略的な斜視図である。
図4においては、昇降機構6から駆動源9を省略している。
【0025】
図2および
図3に示すように、ベッドフレーム2は、鉛直方向Zに並ぶ下フレーム4および上フレーム5を備えている。本実施形態においては、下フレーム4が第1フレームに相当し、上フレーム5が第2フレームに相当する。下フレーム4および上フレーム5は、いずれも長手方向Xに長尺な形状を有している。
【0026】
下フレーム4は、フレーム材40L,40Rと、横桟41,42と、を備えている。フレーム材40L,40Rは、長手方向Xに延びるとともに、幅方向Yに並んでいる。横桟41,42は、長手方向Xに間隔を空けて配置され、フレーム材40L,40Rを連結している。
【0027】
図2および
図3に示す例において、横桟41は、幅方向Yに直線状に延びている。一方、横桟42は、幅方向Yにおける中央部が長手方向X(脚側)に突出するように屈曲している。脚部材3は、フレーム材40Lの長手方向Xにおける両端部およびフレーム材40Rの長手方向Xにおける両端部にそれぞれ装着されている。
【0028】
上フレーム5は、フレーム材50L,50Rと、横桟51,52と、を備えている。フレーム材50L,50Rは、長手方向Xに延びるとともに、幅方向Yに並んでいる。横桟51,52は、長手方向Xに間隔を空けて配置され、フレーム材50L,50Rを連結している。
図2および
図3に示す例において、横桟51,52は、幅方向Yに直線状に延びている。
【0029】
上フレーム5は、昇降機構6によって駆動され、鉛直方向Zに沿って移動可能である。すなわち、昇降機構6は、下フレーム4および上フレーム5の間の鉛直方向Zにおける距離を変化させる。
【0030】
図2および
図3に示すように、昇降機構6は、下フレーム4と上フレーム5を連結するリンク部材7,8と、リンク部材7,8を回動可能に連結する回動部材と、を備えている。本実施形態においては、リンク部材7が第1リンク部材に相当し、リンク部材8が第2リンク部材に相当する。これらリンク部材7,8は、いわゆるXリンクを構成する。
【0031】
リンク部材7は、リンクアーム70L,70Rと、横桟71,72と、ブラケット73L,73Rと、シャフト74L,74Rと、シャフト75L,75Rと、を有している。本実施形態においては、リンクアーム70L,70Rは一対の第1アームに相当し、横桟71は第3連結部材に相当し、横桟72は第1連結部材に相当する。
【0032】
リンクアーム70L,70Rは、幅方向Yに間隔を空けて平行に並んでいる。横桟71,72は、幅方向Yに延びるとともに、リンクアーム70L,70Rを連結している。具体的には、リンクアーム70Lの一端がブラケット73Lを介して横桟71に連結されている。また、リンクアーム70Rの一端がブラケット73Rを介して横桟71に連結されている。
【0033】
シャフト74Lは、ブラケット73Lを介してリンクアーム70Lに連結され、フレーム材40Lに向けて幅方向Yと平行に延びている。シャフト74Rは、ブラケット73Rを介してリンクアーム70Rに連結され、フレーム材40Rに向けて幅方向Yと平行に延びている。
【0034】
シャフト75Lは、リンクアーム70Lに直接連結され、フレーム材50Lに向けて幅方向Yと平行に延びている。シャフト75Rは、リンクアーム70Rに直接連結され、フレーム材50Rに向けて幅方向Yと平行に延びている。
【0035】
シャフト74Lは、取付機構76Lによってフレーム材40Lに取り付けられている。シャフト74Rは、取付機構76Rによってフレーム材40Rに取り付けられている。シャフト75Lは、取付機構77Lによってフレーム材50Lに取り付けられている。シャフト75Rは、取付機構77Rによってフレーム材50Rに取り付けられている。
【0036】
リンク部材8は、リンクアーム80L,80Rと、シャフト81,82と、を有している。本実施形態においては、リンクアーム80L,80Rは一対の第2アームに相当し、シャフト82は第2連結部材に相当する。
【0037】
リンクアーム80L,80Rは、幅方向Yに間隔を空けて平行に並んでいる。
図2および
図4に示すように、リンクアーム80L,80Rは、幅方向Yに見て、リンクアーム70L,70Rと交差している。
【0038】
シャフト81は、幅方向Yに延びるとともに、リンクアーム80L,80Rを連結している。シャフト81の一端は、リンクアーム80Lよりもフレーム材40Lに向けて突出している。シャフト81の一端は、取付機構83Lによってフレーム材40Lに取り付けられている。
【0039】
シャフト81の他端は、リンクアーム80Rよりもフレーム材40Rに向けて突出している。シャフト81の他端は、取付機構83Rによってフレーム材40Rに取り付けられている。
【0040】
シャフト82は、幅方向Yに延びるとともに、リンクアーム80L,80Rを連結している。シャフト82は、横桟71と平行に並んでいる。シャフト82の一端は、リンクアーム80Lよりもフレーム材50Lに向けて突出している。シャフト82の一端は、取付機構84Lによってフレーム材50Lに取り付けられている。
【0041】
シャフト82の他端は、リンクアーム80Rよりもフレーム材50Rに向けて突出している。シャフト82の他端は、取付機構84Rによってフレーム材50Rに取り付けられている。
【0042】
すなわち、リンクアーム70L,70R、およびリンクアーム80L,80Rは、下フレーム4および上フレーム5に取り付けられている。
【0043】
回動部材は、リンクアーム70L,70Rとリンクアーム80L,80Rとを回動軸を中心に回動可能に連結している。回動部材は、例えば、回動ピン60L,60Rである。リンクアーム70L,80Lの中腹部は、回動ピン60Lによって連結されている。
【0044】
リンクアーム70R,80Rの中腹部は、回動ピン60Rによって連結されている。回動ピン60L,60Rの回動軸は、いずれも幅方向Yと平行である。回動ピン60Lの回動軸は、幅方向Yに回動ピン60Rの回動軸と並んでいる。
【0045】
図4に示すように、シャフト74Lにはローラ78Lが設けられ、シャフト74Rにはローラ78Rが設けられている。シャフト75Lにはローラ79Lが設けられ、シャフト75Rにはローラ79Rが設けられている。
【0046】
また、シャフト81の一端にはローラ85Lが設けられ、他端にはローラ85Rが設けられている。さらに、シャフト82の一端にはローラ86Lが設けられ、他端にはローラ86Rが設けられている。
【0047】
図2および
図3に示すように、昇降機構6は、駆動源9をさらに備えている。駆動源9は、モータ90と、モータ90に連結されたシリンダ91と、シリンダ91に収容されたロッド92と、コントロールボックスCBと、を有している。シリンダ91およびロッド92は、昇降機構6の伸縮自在な伸縮部を構成している。
【0048】
ベッド装置1は、連結機構C1,C2,C3と、をさらに備えている。本実施形態においては、連結機構C1は第1連結機構に相当し、連結機構C2は第2連結機構に相当し、連結機構C3は第3連結機構に相当する。
【0049】
図3に示すように、鉛直方向Zと反対の方向に見て、連結機構C1は、長手方向Xにおいて、連結機構C2と連結機構C3との間に位置している。他の観点からは、連結機構C3、連結機構C1、および連結機構C2は、この順で長手方向Xに沿って並んでいる。
【0050】
連結機構C1は、横桟72に設けられている。
図4に示す例において、連結機構C1は、横桟72に設けられたブラケット96を有している。ブラケット96は、一対の側壁を有している。一対の側壁は、横桟72から鉛直方向Zに向けて突出するとともに、幅方向Yに間隔を置いて並んでいる。
【0051】
駆動源9は、回動ピン95をさらに有している。回動ピン95は、ブラケット96に位置している。回動ピン95は、ロッド92の先端部に設けられた取付孔(
図9に示す)に通される。回動ピン95は、ブラケット96によって回動可能に支持されている。回動ピン95の回動軸は、幅方向Yと平行である。連結機構C2,C3に適用し得る構成については後述する。
【0052】
駆動源9は、モータ90の駆動に伴い、シリンダ91から突出するロッド92の突出量が変化する。この突出量の変化に伴い、回動ピン60L,60Rを中心にリンク部材7,8が回動する。言い換えると、駆動源9において、シリンダ91およびロッド92で構成される伸縮部がリンク部材7,8を回動させる。
【0053】
ロッド92の突出量が増加すると、リンク部材7,8の高さが増加し、上フレーム5が上昇する。ロッド92の突出量が減少すると、リンク部材7,8の高さが減少し、上フレーム5が下降する。
図5は、ロッド92の突出量が最も減少した状態に相当する。言い換えると、
図5は、シャフト82が横桟71と最も近づいた状態に相当する。
【0054】
コントロールボックスCBは、昇降機構6の動きを制御する。コントロールボックスCBは、モータ90に取り付けられ、モータ90と電気的に接続されている。コントロールボックスCBは、幅方向Yにモータ90と並んでいる。
【0055】
コントロールボックスCBは、例えば、昇降機構6を含む駆動機構およびベッド装置1全体を制御してもよい。コントロールボックスCBは、図示しないケーブルを介して、電源、リモコン等と電気的に接続されている。
【0056】
図6は、取付機構77Lの概略的な斜視図である。取付機構77Lは、
図4にも示したローラ79Lと、ローラ79Lを保持するレール53とを含む。レール53は、フレーム材50Lの側面に設けられている。
【0057】
レール53は、底壁531および上壁532を有している。底壁531および上壁532は、長手方向Xに長尺な形状を有し、鉛直方向Zに間隔を空けて対向している。ローラ79Lは、底壁531および上壁532の間に配置されており、長手方向Xに沿って移動可能である。
【0058】
図6に示す例は、上フレーム5を最大限に上昇させた状態に相当する。上フレーム5を下降させる際には、ローラ79Lが横桟52の方向に向けて移動する。
【0059】
なお、取付機構77R,83L,83Rは、
図6に示した取付機構77Lと同様の構成を有している。すなわち、取付機構77R,83L,83Rは、いずれもレール53を含み、これらレール53によってローラ79R,85L,85Rが保持されている。
【0060】
取付機構77Rのレール53はフレーム材50Rに設けられ、取付機構83Lのレール53はフレーム材40Lに設けられ、取付機構83Rのレール53はフレーム材40Rに設けられている。
【0061】
図7は、取付機構76Lの概略的な斜視図である。取付機構76Lは、
図4にも示したローラ78Lと、壁部材43と、可動部材44と、回動ピン45と、弾性体46とを含む。
【0062】
壁部材43は、フレーム材40Lの側面に設けられており、ローラ78Lの収容スペースSを形成する。具体的には、壁部材43は、底壁431と、側壁432,433と、上壁434とを有しており、これらで囲われた領域が収容スペースSに相当する。
【0063】
底壁431は、長手方向Xと平行に延びている。側壁432,433は、底壁431の長手方向Xにおける両端部から鉛直方向Zに延びている。上壁434は、側壁432から長手方向Xと平行に延び、鉛直方向Zにおいて底壁431と対向している。
【0064】
長手方向Xにおいて、上壁434は底壁431よりも短い。これにより、上壁434と側壁433の間に、鉛直方向Zに開口した出入口ENが形成されている。出入口ENは、ローラ78Lの直径よりも大きい幅を有している。
【0065】
さらに、壁部材43は、スリット435と、連結部436と、支持部437とを有している。スリット435は、底壁431と側壁433とに及んでいる。連結部436は、側壁433から側壁432に向けて突出している。支持部437は、側壁433の外面から長手方向Xに突出したU字型を成している。
【0066】
可動部材44は、回動ピン45によって連結部436に対し回動可能に連結されている。この回動軸は、幅方向Yと平行である。可動部材44の一部は、スリット435の内側に位置している。
【0067】
可動部材44は、鉛直方向Zにおいて出入口ENと重なる位置に設けられている。
図7に示す例において、可動部材44は、上面441と、側面442と、係止部443とを有している。上面441は、概ね鉛直方向Zを向いており、出入口ENに面している。側面442は、側壁432と対向している。係止部443は、底壁431の下方に位置している。
【0068】
弾性体46は、例えば螺旋部から一対のアームが突出したトーションばねである。螺旋部には、回動ピン45が通されている。一方のアームは支持部437によって支持されている。他方のアームは可動部材44に固定されている。
【0069】
回動ピン45を中心に可動部材44を回動させることにより、収容スペースSへの可動部材44の突出量を調整可能である。弾性体46は、可動部材44の収容スペースSへの突出量が最大となるように可動部材44を付勢している。
【0070】
係止部443は、当該突出量が最大となった状態において底壁431の下面に接触し、可動部材44のそれ以上の回動を規制する。係止部443は、幅方向Yにおいて底壁431よりも突出している。このように突出した係止部443を下方に押すことにより、可動部材44を回動させることができる。
【0071】
図8は、取付機構76Lの動作を示す図である。この図においては、収容スペースSに最大限突出した状態の可動部材44を実線で示し、収容スペースSからある程度退避した状態の可動部材44を鎖線で示している。
【0072】
実線で示す可動部材44と上壁434の間には、ローラ78Lが通過できるほどの隙間が形成されていない。また、可動部材44の側面442がローラ78Lの大部分と対向している。以下、このような可動部材44の状態を閉塞状態と呼ぶ。
【0073】
一方で、鎖線で示す可動部材44と上壁434の間には、ローラ78Lの直径よりも大きい隙間が形成されている。また、可動部材44の側面442がローラ78Lと対向していない。以下、このような可動部材44の状態を開放状態と呼ぶ。
【0074】
弾性体46は、可動部材44を閉塞状態に向けて付勢している。閉塞状態から開放状態に移行させるためには、係止部443を押し下げるなどの操作が必要となる。
【0075】
閉塞状態においては、ローラ78Lの長手方向Xへの移動が可動部材44によって規制される。したがって、可動部材44が閉塞状態にあるときには、収容スペースSに位置するローラ78Lを出入口ENに向けて移動させることができない。
【0076】
一方、開放状態においては、ローラ78Lを出入口ENに向けて移動可能である。したがって、ローラ78Lを出入口ENから出すことができる。
【0077】
なお、収容スペースSの外にあるローラ78Lを収容スペースSに移動させる際には、矢印Rで示すようにローラ78Lを移動させればよい。すなわち、先ず破線で示すローラ78Lのように、ローラ78Lを閉塞状態の可動部材44の上面441に押し付ける。
【0078】
これにより、可動部材44が下方に回動し、開放状態に移行する。その後、ローラ78Lを側壁432に当たる位置まで押し込めば、可動部材44がローラ78Lと接触しなくなり、弾性体46に付勢されて閉塞状態へと移行する。
【0079】
図8に示す例においては、開放状態の可動部材44の上面441が側壁432に向けて傾斜している。これにより、ローラ78Lを側壁432に向けて円滑に移動させることが可能である。
【0080】
なお、取付機構76R,84L,84Rは、
図7および
図8に示した取付機構76Lと同様の構成を有している。すなわち、取付機構76R,84L,84Rは、いずれも壁部材43、可動部材44、回動ピン45および弾性体46を含み、これらによってローラ78R,86L,86Rが保持されている。
【0081】
取付機構76Rの壁部材43等はフレーム材40Rに設けられ、取付機構84Lの壁部材43等はフレーム材50Lに設けられ、取付機構84Rの壁部材43等はフレーム材50Rに設けられている。取付機構84L,84Rにおいては、出入口ENが下方を向いている。
【0082】
図9は、一実施形態に係る駆動源9の概略的な斜視図である。上述の通り、駆動源9は、モータ90、シリンダ91、ロッド92、コントロールボックスCBを有している。駆動源9は、キャップ97と、回動ピン99と、をさらに有している。
【0083】
キャップ97は、ロッド92の先端に取り付けられている。キャップ97には、幅方向Yに貫通する取付孔97aが形成されている。取付孔97aには、
図4に示した回動ピン95が通される。キャップ97および回動ピン95は、駆動源9の長手方向における一端部に相当する。ロッド92の先端部は、リンク部材7の横桟72に対し、キャップ97および回動ピン95を介して連結機構C1によって回動可能に連結される。
【0084】
モータ90には、幅方向Yに並ぶ一対の凸部98が設けられている。一対の凸部98には、隙間で形成されている。これら凸部98には、幅方向Yに貫通する取付孔98aが形成されている。回動ピン99は、取付孔98aに通されている。凸部98および回動ピン99は、駆動源9の長手方向における他端部に相当する。
【0085】
回動ピン99の回動軸は、幅方向Yと平行である。回動ピン99の両端部は、各取付孔98aから突出している。モータ90は、下フレーム4の横桟42に対し、凸部98および回動ピン99を介して連結機構C2によって回動可能に連結される。
【0086】
図10は、本実施形態に係る連結機構C2の概略的な斜視図である。
図11は、本実施形態に係る連結機構C2の概略的な正面図である。連結機構C2は、横桟42に設けられている。
図10および
図11に示すように、連結機構C2は、ブラケット100と、一対の係止片110と、一対の固定部材120と、を含んでいる。
【0087】
ブラケット100は、下フレーム4の横桟42に設けられている。ブラケット100は、幅方向Yに並ぶ一対の側壁101と、これら側壁101の下端を繋ぐ底壁102と、を有している。各側壁101は、鉛直方向Zに沿って窪んだ凹部103(溝)を有している。
【0088】
一対の係止片110は、一対の側壁101の外面にそれぞれ設けられている。すなわち、一対の側壁101は、幅方向Yにおいて一対の係止片110の間に位置している。各係止片110は、例えば金属材料また樹脂材料で形成された板材であり、鉛直方向Zに長尺に延びている。
【0089】
各係止片110は、円形の開口112を有している。これら開口112は、凹部103と幅方向Yに重なっている。
【0090】
図10に示す例においては、左側の側壁101にスリット104および雌ねじ105が設けられている。また、左側の係止片110に爪部111が設けられている。爪部111は、スリット104に通され、側壁101の内側に突出している。
【0091】
固定部材120は、例えば雄ねじであり、係止片110に設けられた貫通孔を通り、雌ねじ105に捻じ込まれている。雌ねじ105および係止片110の貫通孔は、当該係止片110の開口112や凹部103の下方に位置している。右側の係止片110も同様の構造によって右側の側壁101に固定されている。
【0092】
さらに、各係止片110は、テーパ部113を有している。これらテーパ部113は、幅方向Yにおける互いの間隔が先端に近づくに連れて大きくなるように鉛直方向Zに対して傾斜している。テーパ部113の少なくとも一部は、凹部103の上方に位置している。
【0093】
一対の係止片110は可撓性を有しており、
図11において鎖線で示すように固定部材120による固定位置を支点として撓ませることが可能である。
【0094】
回動ピン99を取り付ける際には、
図11において矢印で示すように、回動ピン99を上方から凹部103(
図10に示す)に向けて下降させる。回動ピン99の長さは、一対の側壁101の間隔よりも大きい。したがって、回動ピン99が凹部103に入る前に、回動ピン99の両端部が一対のテーパ部113に接触する。
【0095】
この状態からさらに回動ピン99を下降させると、一対の係止片110が幅方向Yに押し広げられる。回動ピン99が凹部103に達すると、一対の係止片110の開口112の幅方向Yにおける間隔が回動ピン99の長さよりも大きくなり、回動ピン99の両端部が開口112に通される。このとき、係止片110が幅方向Yに押し広げる力から解放され、
図10に示した形状に戻る。
【0096】
このように、本実施形態においては、回動ピン99を凹部103に向けて下降させることで、特段の操作を要さずに回動ピン99をブラケット100に連結することができる。回動ピン99が連結された状態においては、係止片110および凹部103によって回動ピン99の移動が規制される。
【0097】
なお、回動ピン99は、開口112に通された状態で回動可能である。係止片110の爪部111が側壁101のスリット104に通されているため、固定部材120を中心とした係止片110の回動が抑制される。
【0098】
回動ピン99をブラケット100から取り外す際、ユーザは、例えば一対の係止片110のテーパ部113を押し広げ、モータ90を上方に持ち上げる。これにより、回動ピン99が開口112から外れる。
【0099】
続いて、昇降機構6の収納状態について、説明する。
【0100】
図12および
図13は、本実施形態に係る昇降機構6の概略的な斜視図である。
図13は、
図12とは異なる方向(反対の方向)から見た斜視図である。
図12に示す駆動源9は、幅方向Yに見て、
図5に示した状態から回動ピン95の回動軸を中心に反時計周りに回動されている。
【0101】
昇降機構6は、リンク部材7,8、回動ピン60L,60R、および駆動源9を備えている。連結機構C3は、シャフト82に設けられている。
図12および
図13に示す例において、モータ90は、リンク部材8のシャフト82に対し、凸部98および回動ピン99を介して連結機構C3によって連結されている。
【0102】
図12および
図13に示すように、ベッド装置1は、フレームストッパ200をさらに備えている。フレームストッパ200は、リンクアーム70L,70Rに対するリンクアーム80L,80Rの相対的な移動を規制する。言い換えると、リンク部材8は、リンク部材7に対して、回動ピン60L,60Rを中心に回動しない。
【0103】
フレームストッパ200は、例えば、リンク部材7の横桟71とリンク部材8のシャフト82とに取り付けられる。フレームストッパ200に適用し得る構成については後述する。
【0104】
図12および
図13に示すように、回動ピン99が連結機構C3によってシャフト82に連結され、フレームストッパ200が横桟71とシャフト82とに取り付けられた状態を昇降機構6の「収納状態」と呼ぶ場合がある。
【0105】
図14は、本実施形態に係る連結機構C3の概略的な斜視図である。
図14に示すように、連結機構C3は、ブラケット310と、モータストッパ320と、回動ピン330と、を含んでいる。
図12および
図13に示すように、収納状態において、ブラケット310およびモータストッパ320の一部は、幅方向Yにおいて、一対の凸部98の間に位置する。
【0106】
ブラケット310は、リンク部材8のシャフト82に設けられている。ブラケット310は、例えば金属材料で形成された板材である。
図14に示す例において、ブラケット310は、長手方向Xおよび鉛直方向Zによって規定されるX-Z平面と実質的に平行である。ブラケット310は、例えば、シャフト81に向けて突出している。
【0107】
ブラケット310は、先端部において、鉛直方向Zに沿って窪んだ凹部311を有している。凹部311は、上方に向けて開口している。収納状態において、凹部311には、回動ピン99が位置する。
【0108】
凹部311は、側面311a,311bを有している。側面311aは、側面311bと向かい合っている。側面311aは、側面311bよりもブラケット310の先端側に位置している。
図14に示す例において、側面311bは、側面311aよりも長い。言い換えると、ブラケット310において、凹部311よりも先端側に位置する部分は、凹部311よりもシャフト82側に位置する部分よりも鉛直方向Zに沿う長さが小さい。
【0109】
モータストッパ320は、例えば、樹脂材料によって一体的に形成されている。モータストッパ320には、スリット340が設けられている。スリット340は、長手方向Xにモータストッパ320を貫通している。ブラケット310は、スリット340に通される。
【0110】
モータストッパ320は、本体部321と、ストッパ部322と、弾性部323と、取手部324と、を有している。本体部321は、幅方向Yに見て、略長方形状を有している。
【0111】
ストッパ部322は、本体部321よりも上方に位置している。ストッパ部322は、凹部311の側面311bと向かい合っている。ストッパ部322は、例えば、側面311bに向かうような湾曲した形状を有している。スリット340は、本体部321とストッパ部322とに及んでいる。言い換えると、本体部321とストッパ部は、幅方向Yにブラケット310と重なる部分を含む。
【0112】
ストッパ部322は、鉛直方向Zにおいて、凹部311と重なる部分P1を有している。回動ピン99が凹部311に位置する際、ストッパ部322の部分P1が回動ピン99の上方への移動を規制する。凹部311とストッパ部322の部分P1との間には、回動ピン99が位置する空間が形成される。
【0113】
弾性部323は、ブラケット310の下方に位置している。モータストッパ320がブラケット310に対して回動すると、弾性部323は弾性変形する。弾性部323は、板状体を曲げたような形状である。
【0114】
図14に示す例において、弾性部323は、第1部分323aと、第2部分323bと、第3部分323cと、第4部分323dと、を有している。第1部分323aは、ブラケット310の下端に沿って延びている。
【0115】
第2部分323bは、第1部分323aと鉛直方向Zに間隔を置いて設けられている。第2部分323bは、第1部分323aと鉛直方向Zに重なっている。第2部分323bは、鉛直方向Zに向けて凸状に湾曲している。第2部分323bの一部は、ブラケット310の下端と接触している。第2部分323bには、例えば、ブラケット310が位置する溝が形成されてもよい。
【0116】
第3部分323cは、第1部分323aの一端と本体部321とを連結している。第3部分323cは、鉛直方向Zと反対の方向に向けて凸状に湾曲している。第4部分323dは、第1部分323aの他端と第2部分323bの一端とを連結している。弾性部323が弾性変形すると、第1部分323aと第2部分323bとの鉛直方向Zにおける距離が小さくなる。
【0117】
取手部324は、本体部321の下端から下方に向けて延びている。取手部324は、例えば、シャフト82に向かうような湾曲した形状を有している。モータストッパ320は、ブラケット310に対して、回動ピン330によって回動可能に取り付けられる。本体部321のシャフト82側には、回動ピン330が通される開口325が形成されている。
【0118】
回動ピン330は、開口325およびブラケット310に設けられた貫通孔(図示しない)に通される。回動ピン330の回動軸は、幅方向Yと平行である。例えば、ユーザが取手部324を下方に向けて引っ張ると、モータストッパ320は、ブラケット310に対して回動する。
【0119】
ブラケット310がスリット340に位置するため、モータストッパ320を回動させることができる。弾性部323は、凹部311の側面311bとストッパ部322とが近づくように付勢している。
【0120】
回動ピン99を取り付ける際には、まず、回動ピン99をブラケット100から取り外し、回動ピン95の回動軸を中心にモータ90を回動させる。次に、
図14において矢印で示すように、回動ピン99を上方から凹部311に向けて下降させる。このとき、シリンダ91から突出するロッド92の突出量は、適宜調整される。
【0121】
回動ピン99が凹部311に入る前に、回動ピン99の外周面は、ストッパ部322の上端と接触する。例えば、回動ピン99の外周面は、ストッパ部322の上端に位置する傾斜面322aと接触する。傾斜面322aは、長手方向Xと反対の方向において、下方に向けて傾斜している。
【0122】
この状態から回動ピン99をさらに下降させると、回動ピン99によって傾斜面322aが押され、弾性部323が弾性変形することで、モータストッパ320がブラケット310に対して回動する。
【0123】
回動ピン99をさらに下降させると、モータストッパ320がブラケット310に対して回動し、回動ピン99はストッパ部322と凹部311との間に位置する。回動ピン99がストッパ部322と凹部311との間に達すると、弾性変形した弾性部323が元の形状に戻り、モータストッパ320は、
図14に示した位置に戻る。
【0124】
このように、本実施形態においては、回動ピン99を凹部311に向けて下降させることで、特段の操作を要さずに回動ピン99をシャフト82に連結することができる。回動ピン99が連結された状態においては、モータストッパ320のストッパ部322によって、回動ピン99の移動が規制される。
【0125】
回動ピン99を連結機構C3から取り外す際、ユーザは、例えば、モータストッパ320の取手部324を下方に向けて引っ張ることで、モータストッパ320をブラケット310に対して回動させ、ストッパ部322と凹部311の側面311bとの間に隙間を形成することができる。
【0126】
この状態において、ユーザはモータ90を上方に持ち上げることで、回動ピン99はシャフト82から外れる。モータストッパ320を回動させることにより、ストッパ部322と凹部311の側面311bとの間に隙間の大きさを調整可能である。
【0127】
図2および
図3を用いて説明したように、モータ90は、下フレーム4の横桟42に対し、連結機構C2によって連結される。すなわち、駆動源9における回動ピン99の連結先は、連結機構C2と連結機構C3との間で切り替えることができる。
【0128】
続いて、フレームストッパ200について、説明する。
図15は、本実施形態に係るフレームストッパ200の概略的な斜視図である。
図16および
図17は、本実施形態に係るフレームストッパ200の概略的な側面図である。
図18は、本実施形態に係る駆動源9の一部を示す概略的な斜視図である。
【0129】
フレームストッパ200は、例えば、樹脂材料によって一体的に形成されている。フレームストッパ200は、ベース部210と、係合部221,222と、取付部230と、を有している。係合部221は第1係合部に相当し、係合部222は第2係合部に相当する。
【0130】
図15および
図16に示す例において、ベース部210は、長尺な平板状である。ベース部210は、略長方形状を有している。ベース部210は、短辺側に位置する端部211と、端部211と反対側の端部212と、を含んでいる。端部211には係合部221が設けられ、端部212には係合部222が設けられている。
【0131】
係合部221,222は、シャフト82および横桟71と係合可能な形状を有している。本実施形態において、シャフト82および横桟71の断面形状は、円形状である。
図15および
図16に示す例において、係合部221,222は、円弧状に形成される。係合部221,222には、シャフト82および横桟71の形状等に応じて、種々の形状を適用することができる。
【0132】
係合部221,222は、所定の間隔を置いて設けられている。係合部221と係合部222との距離は、収納状態における横桟71とシャフト82との距離に応じて、適宜変更される。
図13に示す例において、係合部221はシャフト82と係合し、係合部222は横桟71と係合している。
【0133】
係合部221の内周面はシャフト82の外周面と接触し、係合部222の内周面は横桟71の外周面と接触する。より具体的には、係合部221は、周方向におけるシャフト82の外周の半分以上と接し、係合部222は、周方向における横桟71の外周の半分以上と接する。
【0134】
係合部221はシャフト82が通る開口部223を有し、係合部222は横桟71が通る開口部224を有している。開口部223は、開口部224と向かい合っている。開口部223は端部211と係合部221の一端との間に設けられ、開口部224は端部212と係合部222の一端との間に設けられている。
【0135】
例えば、開口部223,224の大きさは、シャフト82および横桟71の外径よりも小さい。係合部221,222は、例えば、可撓性を有している。フレームストッパ200をシャフト82および横桟71に取り付ける際、係合部221,222が撓むことで開口部223,224が広がり、シャフト82および横桟71は開口部223,224を通ることができる。
【0136】
係合部221の一端には爪部225が設けられ、係合部222の一端には爪部226が設けられている。爪部225,226は開口部223,224と反対の方向に向けて延出している。フレームストッパ200をシャフト82および横桟71から外す際、ユーザは、爪部225,226に力をかけることで、係合部221,222をシャフト82および横桟71から外すことができる。
【0137】
図15および
図16に示す例において、取付部230は、ベース部210に沿って延びる、長尺な平板状である。取付部230は、係合部221の外周面と係合部222の外周面とを連結している。
【0138】
取付部230は、ベース部210と間隔を置いて設けられている。ベース部210と取付部230との間には、補強部240がさらに設けられてもよい。補強部240は、ベース部210と取付部230とを連結している。
【0139】
図18に示す例において、モータ90は、フレームストッパ200を着脱自在に保持する保持部93を有している。フレームストッパ200は、取付部230を介して保持部93に取り付けることができる。
【0140】
保持部93は、例えば、モータ90に沿って延びる溝である。モータ90に沿う方向とは、例えば、幅方向Yである。保持部93の側面には、保持部93の延在方向に延びる一対の凹部94が形成されている。
【0141】
図15乃至
図17に示すように、取付部230は、一対の凹部94に通すことができる一対の凸部231を有している。一対の凸部231は、係合部221,222と離間した一端に設けられている。例えば、
図18において矢印で示すように、一対の凸部231を一対の凹部94に通すことで、フレームストッパ200を保持部93に取り付けることができる。
【0142】
図19は、昇降機構6が自立した状態を示す概略的な斜視図である。
図19に示す例において、昇降機構6は、収納状態である。すわなち、回動ピン99は連結機構C3によってシャフト82に連結され、シャフト82および横桟71にはフレームストッパ200が取り付けられている。
【0143】
収納状態において、昇降機構6(リンク部材7,8)は、自立可能である。
図19に示す例において、リンク部材7のリンクアーム70L,70Rおよびリンク部材8のリンクアーム80L,80Rが鉛直方向Zに沿って延びるように、リンク部材7およびリンク部材8は、床面等の水平面SFに置かれている。
【0144】
より具体的には、リンク部材7のローラ79L,79R、リンク部材8のローラ85L,85Rは、水平面SFと接触している。フレームストッパ200は、駆動源9よりも上方に位置している。
【0145】
ローラ79L,79R,85L,85Rと水平面SFとの接地点を結ぶと、直線で囲まれた領域が形成される。鉛直方向Zに見て、昇降機構6の重心は、当該領域内に位置する。このとき、リンク部材7のシャフト75L,75R、およびリンク部材8のシャフト81は、水平面SFと接触してもよい。
【0146】
リンクアーム70L,70Rに対するリンクアーム80L,80Rの相対的な移動はフレームストッパ200によって規制されているため、リンク部材7に対して、リンク部材8は回動しない。
【0147】
これにより、リンクアーム70L,70Rおよびリンクアーム80L,80Rが鉛直方向Zに沿って延びた状態を維持することができる。その結果、収納状態において、昇降機構6(リンク部材7,8)は、自立可能である。
【0148】
図20は、本実施形態に係るヘッドフレーム400および延長フレーム500の概略的な斜視図である。
図21は、本実施形態に係るヘッドフレーム400および延長フレーム500が自立した状態を示す概略的な斜視図である。
【0149】
ベッドフレーム2は、ヘッドフレーム400と、延長フレーム500と、をさらに備えている。ヘッドフレーム400および延長フレーム500は、長手方向Xにおいて、上フレーム5よりも頭側に位置する。ヘッドフレーム400は、床板体10の背部床板10A(
図1に示す)を支持する。
【0150】
ヘッドフレーム400は、フレーム材410L,410Rと、横桟420と、側柵ベース450L,450Rと、を備えている。フレーム材410L,410Rは、長手方向Xに延びるとともに、幅方向Yに並んでいる。横桟420は、フレーム材410L,410Rを連結している。横桟420は、幅方向Yに直線状に延びている。
【0151】
側柵ベース450L,450Rは、ベッド装置1の幅方向Yの両側に配置される側柵を支持する。側柵ベース450Lはフレーム材410Lに取り付けられ、側柵ベース450Rはフレーム材410Rに取り付けられている。
【0152】
側柵ベース450Lは、フレーム材451と、複数(例えば、2つ)の連結材452と、カバー453と、を有している。フレーム材451は、長手方向Xに延び、幅方向Yにフレーム材410Lと並んでいる。
【0153】
2つの連結材452は、長手方向Xに間隔を空けて配置され、フレーム材410Lとフレーム材451とを連結している。カバー453は、フレーム材451を覆っている。フレーム材451およびカバー453には、側柵を取り付けるための複数の開口454が形成されている。
【0154】
側柵ベース450Rは、フレーム材455と、複数(例えば、2つ)の連結材456と、カバー457と、を有している。フレーム材455は、長手方向Xに延び、幅方向Yにフレーム材410Rと並んでいる。
【0155】
2つの連結材456は、長手方向Xに間隔を空けて配置され、フレーム材410Rとフレーム材455とを連結している。カバー457は、フレーム材455を覆っている。フレーム材455およびカバー457には、側柵を取り付けるための複数の開口458が形成されている。
【0156】
延長フレーム500は、ヘッドフレーム400に対する長手方向Xにおける位置に応じて、ベッドフレーム2の長手方向Xの長さを調整することができる。延長フレーム500は、フレーム材510L,510Rと、横桟520と、保持部材530L,530Rと、を備えている。
【0157】
フレーム材510L,510Rは、長手方向Xに延びるとともに、幅方向Yに並んでいる。
図20および
図21に示す例において、フレーム材510Lはフレーム材410Lに沿って設けられ、フレーム材510Rはフレーム材410Rに沿って設けられている。横桟520は、フレーム材510L,510Rを連結している。横桟520は、幅方向Yに直線状に延びている。
【0158】
保持部材530L,530Rは、ベッドフレーム2に対してヘッドボード11(
図1に示す)を保持する。保持部材530Lはフレーム材510Lの一端に設けられ、保持部材530Rはフレーム材510Rの一端に設けられている。保持部材530L,530Rは、幅方向Yに並んでいる。
【0159】
保持部材530L,530Rは、例えば、板材によって形成されている。保持部材530L,530Rは、フレーム材510L,510Rに対して、直交するように設けられている。より具体的には、保持部材530L,530Rは、幅方向Yおよび鉛直方向Zによって規定されるY-Z平面に対して、実質的に平行である。
【0160】
図21に示す例においては、保持部材530L,530Rが水平面SFと接触した状態で、延長フレーム500は水平面SFに置かれている。このとき、ヘッドフレーム400のフレーム材410L,410Rおよび延長フレーム500のフレーム材510L,510Rは、鉛直方向Zに沿って延びている。
【0161】
延長フレーム500は、ヘッドフレーム400に取り付けられた状態で自立可能である。
図21に示す例においては、延長フレーム500はヘッドフレーム400に取り付けられているが、延長フレーム500のみであっても、自立可能である。
【0162】
ベッドフレーム2に対してヘッドボード11を保持するための保持部材530L,530Rについて説明したが、保持部材530L,530Rの構造は、フットボード12(
図1に示す)を保持するための保持部材にも提供することができる。この場合、当該保持部材を有するフレームも自立可能である。
【0163】
続いて、上フレーム5と床板体10とを連結するための連結機構C4について、説明する。一例として、上フレーム5と大腿部床板10Cとを連結するための連結機構C4を開示する。連結機構C4は、他の床板10A,10B,10Dと上フレーム5との連結や、床板10A,10B,10C,10D同士を連結するためにも適用することができる。
【0164】
図22は、本実施形態に係る上フレーム5と大腿部床板10Cとを示す概略的な斜視図である。
図23は、本実施形態に係る連結機構C4の概略的な斜視図である。
【0165】
大腿部床板10Cは、フレーム材601,602と、床板部611,612と、を備えている。フレーム材601,602は、幅方向Yに延びるとともに、長手方向Xに並んでいる。
【0166】
フレーム材601,602は、長手方向Xに延びるとともに、幅方向Yに並ぶ、複数の連結材(図示しない)によって連結されている。床板部611,612は、フレーム材601とフレーム材602との間に設けられている。床板部611,612は、長手方向Xに並んでいる。
【0167】
ベッド装置1は、2つの連結機構C4をさらに備えている。連結機構C4は、長手方向Xにおいて、大腿部床板10Cと腰部床板10Bとの間に位置する。
図22に示すように、2つの連結機構C4は、幅方向Yに並んでいる。
【0168】
大腿部床板10Cは、2つの連結機構C4によって、上フレーム5に連結されている。連結機構C4は、X-Z平面に関して、面対称の形状を有している。
図23においては、上フレーム5のフレーム材50R側に位置する連結機構C4を示しているが、フレーム材50L側に位置する連結機構C4も同様に構成される。
【0169】
図23に示すように、連結機構C4は、ブラケット710,720と、固定部材810と、弾性体820と、を備えている。ブラケット710は、上フレーム5のフレーム材50Rの側面501に設けられている。
【0170】
ブラケット710は、例えば金属材料で形成された板材である。
図23に示す例において、ブラケット710は、X-Z平面と実質的に平行である。ブラケット710は、フレーム材50Rの上面502よりも上方に突出している。ブラケット710は、フレーム材50Rの上面502よりも上方において、円形の開口711を有している。
【0171】
ブラケット720は、大腿部床板10Cのフレーム材601に設けられている。より具体的には、ブラケット720は、腰部床板10Bと向かい合う、フレーム材601の側面603に設けられている。
【0172】
ブラケット720は、幅方向Yに並ぶ一対の側壁721,722と、これら側壁721,722の上端を繋ぐ上壁723と、を有している。側壁721は略円形の開口724を有し、側壁722は円形の開口725を有している。開口724は、幅方向Yに開口725と並んでいる。
【0173】
開口724は、基本形状が円形である。さらに、開口724には、一対の拡大部726が形成されている。開口724は、長手方向Xに長尺な形状を有しているともいえる。一対の拡大部726は、長手方向Xに並んでいるが、この限りではない。
図23に示すように、開口724,725は、開口711と幅方向Yに重なる。
【0174】
固定部材810は、軸部811と、ヘッド部812と、を有している。軸部811は、幅方向Yに延びる中心軸を有する円柱形状を有している。ヘッド部812は、軸部811の一端に設けられている。ヘッド部812は、側壁722よりも外側に位置している。
【0175】
ヘッド部812の大きさは、開口725よりも大きい。軸部811は、開口711,724,725に通される。これにより、大腿部床板10Cは、固定部材810の軸部811を中心に回動可能に上フレーム5に設けられる。
【0176】
弾性体820は、一対の側壁721,722の間に設けられている。弾性体820は、一例では、幅方向Yに延びる中心軸を有する、コイルばねである。軸部811は、弾性体820に通されている。弾性体820は、軸部811が開口711に向かうように付勢している。
【0177】
連結機構C4は、一対のばね押さえ830をさらに備えている。ばね押さえ830は、一対の側壁721,722の間において、弾性体820の両側に位置している。ばね押さえ820は、一例では、平座金である。軸部811は、一対のばね押さえ820に通されている。
【0178】
軸部811の先端部(ヘッド部812と反対側)には、2つの雌ねじ813が設けられている。雌ねじ813には、ストッパ840が設けられている。ストッパ840は、軸部811の軸方向と交差する方向に軸部811の外周面よりも突出している。ストッパ840は、例えば、止めねじ等である。
【0179】
固定部材810は、幅方向Yおよび幅方向Yと反対の方向に移動可能である。幅方向Yに拡大部726とストッパ840が重なることで、固定部材810は、幅方向Yおよび幅方向Yと反対の方向に移動することができる。幅方向Yにストッパ840と側壁721とが重なることで、固定部材810は、幅方向Yおよび幅方向Yと反対の方向の移動が規制される。
【0180】
大腿部床板10Cを取り付ける際には、幅方向Yと反対の方向に固定部材810を移動させる。より具体的には、固定部材810を幅方向Yと反対の方向に引っ張る。これにより、大腿部床板10Cを取り付ける際に軸部811がブラケット710と接触しないため、大腿部床板10Cを上フレーム5に配置することができる。このとき、ストッパ840がばね押さえ830と接触するため、弾性体820は圧縮されている。
【0181】
そして、大腿部床板10Cを上フレーム5に配置した後、幅方向Yに固定部材810を移動させる。より具体的には、固定部材810を幅方向Yと反対の方向に引っ張る力から解放することで、弾性体820が元の形状に戻り、固定部材810が幅方向Yに移動し、軸部811がブラケット710の開口711に通される。
【0182】
さらに、軸部811が開口711に通された後、固定部材810を回転(例えば、約90度)させることで、ストッパ840は、幅方向Yに側壁721と重なる。これにより、固定部材810の幅方向Yおよび幅方向Yと反対の方向の移動が規制される。
【0183】
大腿部床板10Cを上フレーム5から取り外す際、ユーザは、例えば固定部材810を引っ張り、開口711から軸部811を外し、大腿部床板10Cを上方に持ち上げる。これにより、大腿部床板10Cが上フレーム5から外れる。
【0184】
本実施形態であれば、ユーザは、工具等を使用することなく、上フレーム5に対して、大腿部床板10Cを取り付けたり、取り外したりすることができる。
【0185】
以上のように構成されたベッド装置1は、リンク部材7のリンクアーム70L,70Rに対するリンク部材8のリンクアーム80L,80Rの相対的な移動を規制するフレームストッパ200を備えている。
【0186】
図12および
図13を用いて説明したように、フレームストッパ200によって、リンク部材7に対してリンク部材8は回動しない。これにより、リンクアーム70L,70Rおよびリンクアーム80L,80Rが鉛直方向Zに沿って延びた状態でリンク部材7およびリンク部材8を水平面SFに置いた際にこの状態を維持することができる。これにより、収納状態において、昇降機構6は自立可能である。
【0187】
昇降機構6が自立するため、組み立て作業または解体作業において、リンク部材7,8を水平面SFに対して平らな状態で保管する場合と比較して、リンク部材7,8を保管するためのスペースを小さくすることができる。その結果、本実施形態であれば、より少ないスペースで組み立て作業または解体作業を行うことができる。
【0188】
フレームストッパ200によって、リンク部材7に対してリンク部材8が回動しないため、ユーザは、昇降機構6を運搬しやすい。不意にリンク部材7,8が回動しないため、ユーザは、安全に昇降機構6を運搬することができる。
【0189】
ベッド装置1は、駆動源9における回動ピン99の連結先を連結機構C2と連結機構C3との間で切り替えることができる。より具体的には、
図3に示すように、連結機構C1は、長手方向Xにおいて、連結機構C2と連結機構C3との間に位置している。これにより、駆動源9は、回動ピン95の回動軸を中心に回動することで、駆動源9における回動ピン99の連結先を連結機構C2と連結機構C3との間で切り替えることができる。
【0190】
さらに、
図19を用いて説明したように、昇降機構6は、駆動源9が連結された状態において、自立可能である。これにより、本実施形態の昇降機構6であれば、別途駆動源9を保管するためのスペースを準備する必要がない。
【0191】
本実施形態において、駆動源9は、モータ90に取り付けられたコントロールボックスCBを有している。これにより、ベッドフレーム2等にコントロールボックスCBを取り付ける場合と比較して、ベッド装置1をコンパクトにすることができる。また、昇降機構6は、収納状態で梱包材によって梱包することができる。これにより、ベッド装置1の梱包を削減することができる。
【0192】
本実施形態において、駆動源9のモータ90は、保持部93を有している。保持部93は、フレームストッパ200を着脱自在に保持することができる。例えば、
図2および
図3に示す例のように、フレームストッパ200を使用しない場合、ユーザは、フレームストッパ200を保持部93によってモータ90に取り付けることができる。その結果、ユーザは、フレームストッパ200を紛失しにくくなる。
【0193】
ここで、ベッド装置1の組み立て作業のうち、ベッドフレーム2への昇降機構6の取り付けについて、説明する。
【0194】
まず、リンク部材7の端部を取付機構76L,76Rを介して、下フレーム4に取り付ける。この際、リンク部材8の端部は、取付機構83L,83Rを介して、下フレーム4に取り付ける。リンク部材8の端部の下フレーム4への取り付けは、リンク部材7の端部を下フレーム4に取り付ける前に行われてもよいし、リンク部材7の端部を下フレーム4に取り付けた後に行われてもよい。
【0195】
続いて、リンク部材7,8からフレームストッパ200を取り外す。ただし、フレームストッパ200は、リンク部材7,8を下フレーム4に取り付ける前に取り外してもよい。
【0196】
続いて、
図14を用いて説明したように、回動ピン99を連結機構C3から取り外し、回動ピン95の回動軸を中心に駆動源9を回動させる。そして、
図10および
図11を用いて説明したように、連結機構C2によって回動ピン99を下フレーム4に取り付ける。この際、シリンダ91から突出するロッド92の突出量は、適宜調整される。
【0197】
続いて、リンク部材8の端部を取付機構84L,84Rを介して、上フレーム5に取り付け、リンク部材7の端部を取付機構77L,77Rを介して、上フレーム5に取り付ける。上述のような各工程を経て、ベッドフレーム2へ昇降機構6が取り付けられる。
【0198】
本実施形態において、
図2乃至
図8を用いて説明したように、取付機構76L,76Rによってリンク部材7の端部を容易に下フレーム4に取り付けることができる。また、取付機構84L,84Rによってリンク部材8の端部を容易に上フレーム5に取り付けることができる。
図9乃至
図11を用いて説明したように、連結機構C2によって駆動源9を容易に下フレーム4に取り付けることができる。
図12乃至
図14を用いて説明したように、連結機構C3によって駆動源9を容易にリンク部材8に取り付けることができる。
【0199】
本実施形態の構成によれば、これらの取付作業に特段の工具を用いる必要がない。これにより、ユーザは、ベッド装置1の組み立て作業や解体作業を容易に行うことができる。
【0200】
本実施形態の延長フレーム500は、
図20および
図21を用いて説明したように、自立可能である。これにより、ベッド装置1の組み立て作業または解体作業に必要なスペースをより少なくすることができる。
【0201】
なお、本実施形態においては、一例として、延長フレーム500が自立可能である場合を開示したが、延長フレーム500以外のベッド装置1を構成する他の部材が自立可能でもよい。
【0202】
フレームストッパ200が取り付けられる位置は、上述の例に限られない。フレームストッパ200は、例えば、リンクアーム70L(70R)とリンクアーム80L(80R)とに取り付けられてもよい。フレームストッパ200の形状は、取り付けられる部材の形状等に応じて、適宜変更される。
【0203】
本実施形態において、モータ90が保持部93を有しているが、保持部93が設けられる位置はモータ90に限られない。例えば、保持部93に相当する部分は、下フレーム4、上フレーム5、およびリンク部材7,8のいずれかに設けられてもよい。
【0204】
本実施形態は、本発明の範囲を当該実施形態にて開示した構成に限定するものではない。本発明は、当該実施形態にて開示した構成を種々の態様に変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0205】
1…ベッド装置、2…ベッドフレーム、4…下フレーム、5…上フレーム、6…昇降機構、7,8…リンク部材、9…駆動源、60L,60R…回動ピン、70L,70R…リンクアーム、71,72…横桟、80L,80R…リンクアーム、81,82…シャフト、90…モータ、91…シリンダ、92…ロッド、93…保持部、95…回動ピン、99…回動ピン、200…フレームストッパ、221…係合部、222…係合部、320…モータストッパ、400…ヘッドフレーム、500…延長フレーム、C1,C2,C3,C4…連結機構、SF…水平面。