(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024033090
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】縁石一体型排水ブロック
(51)【国際特許分類】
E01C 11/22 20060101AFI20240306BHJP
【FI】
E01C11/22 A
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022136479
(22)【出願日】2022-08-30
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-01-06
(71)【出願人】
【識別番号】521113221
【氏名又は名称】水野 章博
(74)【代理人】
【識別番号】110001726
【氏名又は名称】弁理士法人綿貫国際特許・商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】水野 章博
【テーマコード(参考)】
2D051
【Fターム(参考)】
2D051AA03
2D051AC06
2D051AF03
2D051DB09
(57)【要約】
【課題】縁石ブロックを排水ブロックの上面に着脱可能にすることで、縁石ブロックを取り外した後の排水ブロックの補修を不要とし、排水ブロックから取り外した縁石ブロックを再利用することができ、縁石ブロックと排水ブロックを強固に一体化できる縁石一体型排水ブロックを提供すること。
【解決手段】排水空間10を形成する排水ブロック20と、排水ブロック20の上面から排水空間10に連通する開口部25と、排水ブロック20の上面における車道側端部に立設された起立部24と、排水ブロック20の上面において、起立部24と向かい合う位置に排水ブロック20に取り付けられる取付具30と、起立部24と取付具30とにより挟持されると共に、開口部25の一部を覆う配置で排水ブロック20に着脱可能に取り付けられる縁石ブロック40と、を具備することを特徴とする縁石一体型排水ブロック100である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車道と歩道の境界に敷設され、内部に排水空間を有する排水ブロックと、
前記排水ブロックの上面から前記排水空間に連通する開口部と、前記排水ブロックの上面における幅方向の車道側端部に立設された起立部と、
前記排水ブロックの上面において、前記起立部と向かい合う位置に前記排水ブロックに取り付けられる取付具と、
前記起立部と前記取付具とにより挟持されると共に、前記開口部の一部を覆う配置で前記排水ブロックに着脱可能に取り付けられる縁石ブロックと、を具備することを特徴とする縁石一体型排水ブロック。
【請求項2】
前記排水ブロックの上面に前記縁石ブロックが取り付けられた状態において、前記開口部が少なくとも車道に開口していることを特徴とする請求項1記載の縁石一体型排水ブロック。
【請求項3】
前記取付具には嵌合凸部が形成されており、
前記縁石ブロックの側壁には前記嵌合凸部と凹凸嵌合する嵌合凹部が形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の縁石一体型排水ブロック。
【請求項4】
前記排水ブロックの上面には締結穴が設けられており、
前記取付具には前記締結穴の位置に位置合わせされ、前記排水ブロックの上面における幅方向に長い長孔が形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の縁石一体型排水ブロック。
【請求項5】
前記開口部は、前記起立部の一部にまで形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の縁石一体型排水ブロック。
【請求項6】
前記縁石ブロックの側壁には前記開口部に連通する開口凹部が設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の縁石一体型排水ブロック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は縁石一体型排水ブロックに関し、より詳細には、縁石が着脱可能な縁石一体型排水ブロックに関する。
【背景技術】
【0002】
道路の幅方向両端部には、雨水を排水するための排水ブロックと車道と歩道とを区切るための縁石ブロックが敷設されている。従来、排水ブロックと縁石ブロックを着脱可能にした構成が特許文献1(特開2016-65371号公報)や特許文献2(特許第6758840号公報)等において提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-65371号公報(請求項1,明細書段落0023―0038,
図1―
図4他)
【特許文献2】特許第6758840号公報(明細書段落0026-0033,
図1―
図3他)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されている構造は、排水ブロックと縁石ブロックが横並びに敷設されているため、敷設面積が大きくなってしまうという課題がある。また、排水ブロックと縁石ブロックの境界部分における嵌合強度が不十分であるという課題を有している。また、特許文献2に開示されている構成では、排水ブロックの上部に一体形成されている縁石部分を取り外すことはできるものの、一旦排水ブロックから取り外した縁石部分を元に戻して利用することが極めて困難であり、縁石部分が取り外された後の排水ブロックの上面に形成された凹部をモルタル等で平坦化する補修が必要になり煩雑であるといった課題を有している。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで本発明は、縁石ブロックを排水ブロックの上面に着脱可能にすることで、縁石ブロックを取り外した後の排水ブロックの補修を不要とし、排水ブロックから取り外した縁石ブロックを再利用することができ、縁石ブロックと排水ブロックを強固に一体化させることが可能な縁石一体型排水ブロックの提案を目的とする。
【0006】
すなわち本発明は、車道と歩道の境界に敷設され、内部に排水空間を有する排水ブロックと、前記排水ブロックの上面から前記排水空間に連通する開口部と、前記排水ブロックの上面における幅方向の車道側端部に立設された起立部と、前記排水ブロックの上面において、前記起立部と向かい合う位置に前記排水ブロックに取り付けられる取付具と、前記起立部と前記取付具とにより挟持されると共に、前記開口部の一部を覆う配置で前記排水ブロックに着脱可能に取り付けられる縁石ブロックと、を具備することを特徴とする縁石一体型排水ブロックである。
【0007】
これにより、縁石ブロックを排水ブロックの上面に着脱可能にすることで、縁石ブロックを取り外した後に排水ブロックの補修を不要とし、排水ブロックから取り外した縁石ブロックを再利用することができ、縁石ブロックと排水ブロックを強固に一体化させることが可能になる。また、排水空間に連通する開口部を覆う縁石ブロックが着脱可能であるため、排水空間の清掃等のメンテナンスを行うためのグレーチング蓋の配設が不要になり、雨天時等におけるグレーチング蓋部分でのスリップを防止することもできる。
【0008】
また、前記排水ブロックの上面に前記縁石ブロックが取り付けられた状態において、前記開口部が少なくとも車道に開口していることが好ましい。
【0009】
これにより、少なくとも車道の表面水を効率的に排水空間に取り込むことが可能になる。
【0010】
また、前記取付具には嵌合凸部が形成されており、前記縁石ブロックの側壁には前記嵌合凸部と凹凸嵌合する嵌合凹部が形成されていることが好ましい。
【0011】
これにより、取付具と起立部とによる縁石ブロックの固定をより強固にすることができ、車両が接触しても縁石ブロックが排水ブロックから外れてしまうことがない。
【0012】
また、前記排水ブロックの上面には締結穴が設けられており、前記取付具には前記締結穴の位置に位置合わせされ、前記排水ブロックの上面における幅方向に長い長孔が形成されていることが好ましい。
【0013】
これにより、複数サイズの縁石ブロックを使用することが可能になる。また、同一サイズの縁石ブロックにおいては、開口部の開口状態を調整することができる。
【0014】
また、前記開口部は、前記起立部の一部にまで形成されていることが好ましい。
【0015】
これにより、車道側の表面水の取り込み能力が向上する。
【0016】
また、前記縁石ブロックの側壁には前記開口部に連通する開口凹部が設けられていることが好ましい。
【0017】
これにより、車道側および歩道側の表面水の取り込み能力が向上する。
【発明の効果】
【0018】
本発明の構成によれば、縁石ブロックを排水ブロックの上面に着脱可能にすることで、縁石ブロックを取り外した後の排水ブロックの補修を不要とし、排水ブロックから取り外した縁石ブロックを再利用することができ、縁石ブロックと排水ブロックを強固に一体化させることが可能になる。また、排水空間に連通する開口部を覆う縁石ブロックが着脱可能であるため、排水空間の清掃等のメンテナンスを行うためのグレーチング蓋の配設が不要になり、雨天時等におけるグレーチング蓋部分でのスリップを防止することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】第1実施形態における縁石一体型排水ブロックの平面図である。
【
図2】第1実施形態における縁石一体型排水ブロックの斜視図である。
【
図3】
図1中のIII-III線における断面図である。
【
図4】第1実施形態における排水ブロックの斜視図である。
【
図5】第1実施形態における取付具の斜視図である。
【
図6】第1実施形態における縁石ブロックの斜視図である。
【
図7】第1実施形態における縁石一体型排水ブロックの組み立て状況を示す斜視図である。
【
図9】第2実施形態における縁石一体型排水ブロックの斜視図である。
【
図10】第2実施形態における縁石ブロックの斜視図である。
【
図11】第2実施形態における排水ブロックの斜視図である。
【
図12】第3実施形態における縁石一体型排水ブロックの斜視図である。
【
図13】第3実施形態における縁石ブロックの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しながら縁石一体型排水ブロック100の具体的な形態について説明する。
【0021】
(第1実施形態)
本実施形態における縁石一体型排水ブロック100は、
図1~
図3に示すように、車道と歩道の境界に敷設することで排水空間10を有する排水ブロック20と、排水ブロック20に取り付けられる取付具30および縁石ブロック40とを具備している。
【0022】
図4に示すように、内部に排水空間10を有する排水ブロック20は、底部21、側部22、天部23が一体に形成された変形筒状体に形成されている。本実施形態においては排水ブロック20の内部空間が排水空間10になる。排水ブロック20の排水空間10の延長方向における両端部(排水方向における両端部)には、シール部材28と連結金具29がそれぞれ取り付けられている。底部21の流水面である上面は円弧状面に形成されている。底部21の幅方向両端部には側部22が一体形成されている。側部22は、底部21から上方に起立している。側部22の内壁面は平坦面に形成され、側部22の外壁面には軽量化および強度向上を目的とした凹部22Aが適宜配設されている。側部22の上端部には2つの側部22どうしを掛け渡すようにして天部23が一体形成されている。
【0023】
天部23の上面には、排水方向と水平面内で直交する方向(排水ブロック20の幅方向)の車道側端部に起立部24が排水方向に沿って立設されている。また、天部23には天部23の厚さ方向に貫通し、排水空間10に連通する開口部25が形成されている。本実施形態における開口部25は、排水方向に所要間隔をあけた2箇所に形成されている。1つの開口部25の排水方向における長さは、縁石ブロック40の排水方向における長さ未満に形成されている。本実施形態における開口部25の排水方向の長さは、
図1、
図2、
図4に示すように、縁石ブロック40の排水方向における長さの半分程度になっているが、この長さに限定されるものではない。また、本実施形態における開口部25は、起立部24の幅方向の一部範囲に食い込ませた状態で形成されている。また、天部23の上面において、起立部24と対向する位置には取付具30を固定するための締結穴26が排水方向に所要間隔をあけた複数箇所に設けられている。締結穴26の内周面には雌ねじ部が形成されている。
【0024】
締結穴26に固定される取付具30は、
図1、
図3、
図5等に示すように、いわゆるアングルを加工することにより形成されている。取付具30の第1端辺には、締結穴26に螺着するためのボルトBを挿通させるボルト挿通孔32が締結穴26の位置に位置合わせされた状態で形成されている。ボルト挿通孔32は、排水ブロック20の幅方向に長い長孔に形成されていることが好ましい。これにより、排水ブロック20への複数サイズの縁石ブロック40の取り付けに対応することができる。さらには、同一サイズの縁石ブロック40を用いた際においては、天部23の幅方向における固定位置を変更することで開口部25の露出面積を調整することもできる。この場合、縁石ブロック40の車道側の垂直起立面40Bと起立部24との間に生じる隙間(図示はせず)には、少なくとも開口部25が形成されている部分を除いた部分にモルタルや楔を連続または間欠的に起立部24の上面と同一高さ以下で配設すればよい。また、縁石ブロック40と当接する取付具30の第2端辺には、縁石ブロック40の側壁に形成された嵌合凹部42に嵌合する嵌合凸部34が形成されている。なお、図示はしないが、嵌合凸部34を取付具30の長さ方向の複数箇所に配設した形態を採用することもできる。
【0025】
本実施形態における縁石ブロック40は、
図2、
図3、
図6等に示すように、底面40Aから垂直に起立する垂直起立面40Bと垂直起立面40Bの上端部から縁石ブロック40の上面に延びる傾斜面40Cを有する形状に形成されている。垂直起立面40Bと傾斜面40Cとの境界線は舗装体の上端面高さ位置を示す線にすることもできる。本実施形態における縁石ブロック40のように歩道側と車道側とで垂直起立面40Bと傾斜面40Cとの境界線の高さ位置を異ならせることもできる。縁石ブロック40の一方の側壁(歩道側側壁)の基部には、取付具30の嵌合凸部34を凹凸嵌合させるための嵌合凹部42が形成されている。嵌合凹部42は縁石ブロック40の底面側に開口している。また、縁石ブロック40の歩道側側壁および車道側側壁の上部側位置には吊上用凹部44がそれぞれ配設されている。吊上用凹部44は、排水方向に所要間隔をあけた複数箇所に配設されていることが好ましい。本実施形態における縁石ブロック40のように、縁石ブロック40の上面に吊具取付体46が埋設されていてもよい。
【0026】
次に本実施形態における縁石一体型排水ブロック100の組み立て方法について説明する。
図7に示すように、施工者は、車道と歩道の境界部分に掘削した掘削溝の内底部に構築した基礎部50および均しコンクリート60の上面に排水ブロック20を敷設する。次に、施工者は、取付具30のボルト挿通孔32の位置を締結穴26の位置に位置合わせして、ボルトBをボルト挿通孔32に通して締結穴26に螺着させることにより取付具30を排水ブロック20の天部23に固定する。ボルト挿通孔32は、長孔に形成されているので、縁石ブロック40のサイズに合わせた位置に取付具30を固定することができる。
【0027】
次に、
図8に示すように、施工者は、縁石ブロック40の嵌合凹部42の位置を取付具30の嵌合凸部34の位置に位置合わせした状態で、縁石ブロック40を天部23(嵌合凸部34)に落とし込む。これにより、縁石ブロック40の嵌合凹部42が取付具30の嵌合凸部34と凹凸嵌合し、縁石ブロック40を天部23において排水方向(排水ブロック20の延長方向)と排水ブロック20の幅方向に位置決めした状態で敷設することができる。次に、縁石ブロック40が取り付けられた状態で取付具30を埋設するように歩道の舗装が行われる。この際、縁石ブロック40の歩道側の表面に舗装材料に適応する剥離剤が塗布されていれば、歩道の舗装後においても縁石ブロック40を天部23から取り外しやすくなる点において好都合である。なお、歩道の舗装は省略することもできる。
【0028】
このようにして敷設された縁石ブロック40は、
図1~
図3に示すように天部23と水平面内においては強固に一体化され、自動車のタイヤが接触する等しても縁石ブロック40が天部23から外れてしまうことがない。一方、縁石ブロック40を持ち上げる方向においては、縁石ブロック40の自重プラスアルファ程度の力で天部23から取り外すことが可能である。前述のとおり、天部23には排水空間10に連通する開口部25が形成されており、天部23に縁石ブロック40を載置することで開口部25の一部範囲が蓋をされた状態になるが、起立部24の一部範囲に形成された開口部25は露出状態を維持する。なお、起立部24の上端面高さは車道の幅方向端部における表面高さと同一高さ位置になっているので、車道の表面水は車道の横断勾配により起立部24の上面に誘導された後、開口部25の露出部分から排水空間10に流入させることができる。また、縁石ブロック40と天部23との間を流入してきた水を、縁石ブロック40により蓋をされた状態になっている開口部25を通じて排水空間10に流入させることができる。
【0029】
また、排水空間10における堆砂を除去する等の排水空間10のメンテナンスが必要な際には、天部23から縁石ブロック40を取り外す必要が生じる。本実施形態における縁石ブロック40には縁石ブロック40の設置面(底面40A)に垂直な垂直起立面40Bが形成されているので、縁石ブロック40の吊上用凹部44に吊り上げ機械等の図示しない吊上具を係止させて持ち上げれば、天部23から縁石ブロック40を破壊することなく取り外すことができる。また、排水ブロック20から取り外された縁石ブロック40は、再度、天部23に取り付けることもできる。
【0030】
本実施形態における縁石一体型排水ブロック100によれば、縁石ブロック40を天部23(排水ブロック20)に強固に固定した状態での使用が可能である。また、車道の表面水を開口部25から排水空間10に流入させることができる。また、排水空間10のメンテナンスが必要な際には、天部23から縁石ブロック40を破壊することなく取り外すことができ、排水空間10のメンテナンスが終了した後は、取り外した縁石ブロック40を再び天部23に取り付けることができる。したがって、従来技術のようにグレーチング蓋の配設が不要になり、降水時におけるグレーチング蓋上でのスリップ事故を防止することができる。
【0031】
(第2実施形態)
図9は第2実施形態における縁石一体型排水ブロック100の斜視図である。
図10は、第2実施形態における縁石ブロック40の斜視図であり、
図11は第2実施形態における排水ブロック20の斜視図である。本実施形態においては、第1実施形態と共通する構成部分については説明の重複を避けるため、第1実施形態で用いた符号と同一符号を付すことによりここでの詳細な説明を省略している。
【0032】
本実施形態における排水ブロック20は、開口部25が起立部24の幅方向の一部範囲に食い込んでおらず、天部23にのみ形成されている点で第1実施形態における排水ブロック20の形態と異なっている。そして本実施形態における縁石ブロック40は、車道側側壁に開口部25の位置に位置合わせした状態で取水用開口部45が形成されている。取水用開口部45は車道の表面水の取込口であるため、起立部24の上端面高さ位置よりも上側の位置から縁石ブロック40の底面に至る範囲に形成されている。このような排水ブロック20および縁石ブロック40の形態を採用することで、第1実施形態と同様に車道の表面水や縁石ブロック40と天部23との間を流入してきた水を、開口部25を通じて排水空間10に流入させることができる。取水用開口部45は、縁石ブロック40の幅方向において嵌合凹部42の周囲を適宜幅寸法で回避した部分で貫通させてもよい。これにより歩道側の表面水を積極的に開口部25に取り込むことができる。
【0033】
(第3実施形態)
図12は第3実施形態における縁石一体型排水ブロック100の斜視図である。
図13は、第3実施形態における縁石ブロック40の斜視図である。本実施形態においては、第1実施形態および第2実施形態と共通する構成部分については説明の重複を避けるため、第1実施形態および第2実施形態で用いた符号と同一符号を付すことによりここでの詳細な説明を省略している。
【0034】
本実施形態における排水ブロック20は、第2実施形態と同一形態のものを採用している。このような排水ブロック20の形態によると、第1実施形態の排水ブロック20の形態に比較して、開口部25の開口面積が小さくなってしまう。そこで本実施形態における縁石ブロック40は、
図13に示すように、車道側の垂直起立面40Bを外側(車道側)に突出させた突出片48に形成された形態を採用している。突出片48は、排水方向における取水用開口部45が形成されている部分との非重複部分において起立部24の上端面高さと同じ高さ範囲に立設されている。本実施形態における突出片48のように、突出片48の取水用開口部45の側の端部は、取水用開口部45に向けてテーパ状に形成されていることが好ましい。
【0035】
また、縁石ブロック40の車道側壁面からの突出片48の突出量を調整することで、開口部25の露出範囲(開口部25の露出面積)を調整することができる。このような縁石ブロック40の形態を採用することで、起立部24の歩道側と第1実施形態と同様に車道の表面水や縁石ブロック40と天部23との間を流入してきた水を、開口部25を通じて排水空間10に流入させることができる。
【0036】
以上に本発明にかかる縁石一体型排水ブロック100の実施形態について詳細に説明したが、本発明の技術的範囲は以上の実施形態に限定されるものではない。例えば、排水空間10は、底面が円弧状をなす逆蒲鉾形状に形成されているが、排水空間10の具体的形状は特に限定されるものではない。また、本実施形態における縁石一体型排水ブロック100は、コンクリート製であることを想定しているが、縁石一体型排水ブロック100は、コンクリート製に限定されるものではない。少なくとも縁石ブロック40は、合成樹脂や金属により形成したものを用いることができる。
【0037】
また、排水ブロック20は、以上の実施形態で説明した変形筒状体に限定されるものではなく、底部21の上面を平坦面に形成した形態や、側部22の外壁面を平坦面に形成した形態を採用することもできる。また、底部21の構成を省略して側部22と天部23のみとし、逆U字状体や倒コ字状体をなす自由勾配側溝に代表されるような門型断面形状に形成された排水ブロック20の形態を採用することもできる。このような排水ブロック20であっても敷設箇所に敷設することで、敷設箇所(均しコンクリート60)と排水ブロック20により閉塞された空間により排水空間10を形成することができる。
【0038】
また、以上の実施形態における取付具30には、縁石ブロック40の歩道側側壁に設けた嵌合凹部42に凹凸嵌合する嵌合凸部34が配設されているが、この嵌合凸部34の配設を省略した形態を採用することもできる。また、嵌合凸部34の配設が省略された取付具30を用いる際には、縁石ブロック40の嵌合凹部42の配設も省略することができる。これらの取付具30および縁石ブロック40の形態を採用した場合であっても、起立部24と取付具30により縁石ブロック40を幅方向に挟み込んだ状態で固定することができ、水平面内に作用する外力に十分抵抗することができる。また、縁石ブロック40を天部23から着脱可能な状態で一体化させることもできる。
【0039】
また、以上の実施形態における縁石一体型排水ブロック100は、排水ブロック20の天部23に取付具30を固定した後に縁石ブロック40を敷設して組み立てられているが、この形態に限定されるものではない。排水ブロック20の天部23に縁石ブロック40が敷設された後、取付具30で縁石ブロック40を起立部24に押し付けるようにして取付具30を固定した形態を採用することもできる。また、歩道の舗装を省略した形態を採用した場合は、締結穴26へのボルトBの締結を解除し、排水ブロック20の天部23から取付具30を取り外した後に縁石ブロック40を取り外すようにしてもよい。
【0040】
また、以上の実施形態においては、車道側側壁にのみ開口部25に連通する取水用開口部45が配設された形態を例示しているが、歩道側側壁にも開口部25に連通する取水用開口部45と同様の開口凹部が配設された形態(図示はせず)を採用することもできる。歩道側側壁における開口凹部は、歩道の舗装面の高さ位置において開口するように配設される。この形態によれば、開口部25が歩道側においても開口することになり、歩道の表面水を開口凹部と開口部25を通じて排水空間10に流下させることができる。
【0041】
さらに、以上に説明した本実施形態の構成に対し、明細書中に記載されている変形例や、他の公知の構成を適宜組み合わせた形態を採用することもできる。
【符号の説明】
【0042】
10:排水空間
20:排水ブロック
21:底部,22:側部,22A:凹部,23:天部,24:起立部,25:開口部,
26:締結穴,28:シール部材、29:連結金具
30:取付具
32:ボルト挿通孔,34:嵌合凸部,
40:縁石ブロック
40A:底面,40B:垂直起立面,40C:傾斜面,42:嵌合凹部,
44:吊上用凹部,45:開口凹部,46:吊具取付体,48:突出片
50:基礎部
60:均しコンクリート
B:ボルト
100:縁石一体型排水ブロック