(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024033093
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】串刺し食品用包装容器、およびそれを利用した串刺し包装食品
(51)【国際特許分類】
B65D 85/50 20060101AFI20240306BHJP
B65D 75/34 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
B65D85/50 100
B65D75/34
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022136483
(22)【出願日】2022-08-30
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-06-22
(71)【出願人】
【識別番号】322009561
【氏名又は名称】株式会社東だんご本舗
(74)【代理人】
【識別番号】100129159
【弁理士】
【氏名又は名称】黒沼 吉行
(72)【発明者】
【氏名】鈴 木 眞 司
【テーマコード(参考)】
3E035
3E067
【Fターム(参考)】
3E035AA20
3E035BA02
3E035BB01
3E035BC02
3E035CA02
3E067AA14
3E067AB01
3E067AC04
3E067AC12
3E067BA02
3E067BA26
3E067BB14
3E067BC02
3E067DA08
3E067EA18
3E067EB22
3E067EC07
3E067EC12
3E067FA01
3E067FB20
3E067FC01
3E067GA06
3E067GD01
3E067GD02
(57)【要約】
【課題】 串刺し食品用の各種包装容器をより小型化し、生産コストおよび輸送コストを節減し、店頭の陳列スペースも縮小し、寄り高密度に展示、販売できる新たな包装容器技術を提供する。
【解決手段】 串刺し食品6の食品部61を収容する個凹室aの外周囲に開口部を有する器状の収容部30が設けられ、該器状の収容部30の開口部の外周囲に環状凸条31が突設された器本体3を有し、該器本体3の器状の収容部30の開口部を上方から密閉する天面カバー部40が設けられ、該天面カバー部40の外周囲に当該環状凸条31と嵌合する環状溝条41が凹設された蓋体4を有し、当該器本体3の環状凸条31および蓋体4の環状溝条41の間の、当該個凹室aに収容された場合の当該串刺し食品6の串60の把持範囲kが対応する位置に、串通し管路f,f,……が設けられた串刺し食品用包装容器2である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容対象品である串刺し食品の串の把持範囲を除く食品部を収容可能な1個かまたは複数個かの何れか一方であって、複数個の場合には該串刺し食品の複数本が互いに平行に並べられ、隣合う食品部同士間を中仕切り壁で仕切られた個凹室が設けられ、同個凹室の外周囲の上端に開口部を有してなる器状の収容部が設けられ、該器状の収容部の開口部の外周囲に上向きの環状凸条が突設された器本体を有し、該器本体の器状の収容部の開口部を上方から密閉する天面カバー部が設けられ、該天面カバー部の外周囲には、当該環状凸条と嵌合する下向きの環状溝条が凹設された蓋体を有し、当該器本体の環状凸条および蓋体の環状溝条の間の、各個凹室に収容された場合の当該串刺し食品の串の把持範囲が対応する位置に、当該器本体および蓋体の内外を連通する串通し管路が設けられたことを特徴とする串刺し食品用包装容器。
【請求項2】
収容対象品である串刺し食品の串の把持範囲を除く食品部を収容可能な1個かまたは複数個かの何れか一方であって、複数個の場合には該串刺し食品の複数本が互いに平行に並べられ、隣合う食品部同士間を中仕切り壁で仕切られた個凹室が設けられ、同個凹室の外周囲の上端に開口部を有してなる器状の収容部が設けられ、該器状の収容部の開口部の外周囲に上向きの環状凸条が突設された器本体を有し、該器本体の器状の収容部の開口部を上方から密閉する天面カバー部が設けられ、該天面カバー部の外周囲には、当該環状凸条と嵌合する下向きの環状溝条が凹設された蓋体を有し、当該器本体の環状凸条および蓋体の環状溝条の間の、各個凹室に収容された場合の当該串刺し食品の串の把持範囲が対応する位置に、当該器本体および蓋体の内外を連通する串通し管路が設けられ、該蓋体が、1本または複数個の何れか一方の串刺し食品を収容した当該器本体を施蓋した場合に、当該串刺し食品の串の把持範囲が外部に露出され、食品部のみを密閉包装するものとされたことを特徴とする串刺し食品用包装容器。
【請求項3】
収容対象品である串刺し食品の串の把持範囲を除く食品部を収容可能な1個かまたは複数個かの何れか一方であって、複数個の場合には該串刺し食品の複数本が互いに平行に並べられ、隣合う食品部同士間を中仕切り壁で仕切られた個凹室が設けられ、同個凹室の外周囲の上端に開口部を有してなる器状の収容部が設けられ、該器状の収容部の開口部の外周囲には、上向きの環状凸条が突設されると共に、同環状凸条の外周縁に外周接合下環壁が水平に延出された上、当該環状凸条および外周接合下環壁の、各個凹室の内底壁から上方に、当該串刺し食品の食品部の上下端間寸法の1/2ないし2/3の高さ位置であって収容される同串刺し食品の串の把持範囲が対応する位置に、各個凹室の内外を連通する串通し管路の下部をなす串通し下溝路が設けられた器本体を有し、該器本体の器状の収容部の開口部を上方から密閉する天面カバー部を有し、該天面カバー部の外周囲には、当該環状凸条と嵌合する下向きの環状溝条が凹設されると共に、同環状溝条の外周縁に当該外周接合下環壁に接合される外周接合上環壁が水平に延出された上、当該環状溝条の外壁および外周接合上環壁の当該各串通し下溝路に対応する位置に、各串通し管路の上部をなす串通し上溝路が設けられた蓋体を有するものとされたことを特徴とする串刺し食品用包装容器。
【請求項4】
器本体の外周接合下環壁、および、蓋体の外周接合上環壁の全周囲の中、串通し管路が設けられた範囲を除く何れかの範囲がヒンジ部を介して開閉自在に連結されたものとしてなる、請求項3記載の串刺し食品用包装容器。
【請求項5】
複数個の個凹室を有し、蓋体の天面カバー部の各個凹室に対応する範囲が上方に膨出された拡張天壁とされ、各中仕切り壁が、環状凸条よりも高く、しかも同中仕切り壁の上端と当該天面カバー部の下面壁との間に緩衝用間隙が設定された、請求項1ないし請求項4何れか一記載の串刺し食品用包装容器。
【請求項6】
中仕切り壁の上端と当該天面カバー部の下面壁との間に緩衝用間隙が、3ないし15mm、望ましくは7mm設定された、請求項1ないし請求項5何れか一記載の串刺し食品用包装容器。
【請求項7】
器本体の環状凸条の外周壁の少なくとも一部に、水平方向の外がわに向けて膨出された水平膨出部が設けられ、該水平膨出部に対応する蓋体の環状溝条の内壁が水平方向の外がわに向けて凹められた水平凹部が設けられた、請求項1ないし請求項6何れか一記載の串刺し食品用包装容器。
【請求項8】
器本体の器状の収容部の各個凹室と、閉じ合わされた蓋体の天面カバー部との上下内壁間に串刺し食品の食品部の上下端間寸法が納まる寸法とされ、串通し管路の内外連通路長が、当該串刺し食品の串の把持範囲の長さよりも短く設定され、1本かまたは複数本かの何れか一方の串刺し食品が、同食品部を各個凹室に収容され、各串の把持範囲が、該串通し管路を通じて外部に露出されるよう配された上、当該器本体に対し蓋体が施蓋されてなるものとされた、請求項1ないし請求項7何れか一記載の串刺し食品用包装容器を用いた串刺し包装食品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、店頭に展示、販売する食品用の包装技術に関連するものであり、特に、串刺しされた食品類を衛生的に包装する包装容器を製造、提供する分野は勿論のこと、その輸送、保管、組み立ておよび、それを利用して包装、展示、販売する際に必要となる設備、器具類を提供、販売する分野から、それら資材や機械装置、部品類に必要となる素材、例えば、木材、石材、各種繊維類、プラスチック、各種金属材料等を提供する分野、それらに組み込まれる電子部品やそれらを集積した制御関連機器の分野、各種計測器の分野、当該設備、器具を動かす動力機械の分野、そのエネルギーとなる電力やエネルギー源である電気、オイルの分野といった一般的に産業機械と総称されている分野、更には、それら設備、器具類を試験、研究したり、それらの展示、販売、輸出入に係わる分野、将又、それらの使用の結果やそれを造るための設備、器具類の運転に伴って発生するゴミ屑の回収、運搬等に係わる分野、それらゴミ屑を効率的に再利用するリサイクル分野などの外、現時点で想定できない新たな分野までと、関連しない技術分野はない程である。
【背景技術】
【0002】
(着目点)
串団子や焼き鳥などの串刺し食品を店頭から持ち帰る際に、油紙や樹脂製の惣菜袋や透明樹脂製または発泡樹脂製などの食品包装用パックが用いられており、近年は特に、食品工場や、店舗に併設された厨房にて製造した串刺し食品を衛生的且つ速やかにパック詰めした上、鮮度を失わない中(うち)に、販売店へ搬送し、そのまま陳列、販売するのが一般的になっている。
【0003】
(従来の技術)
こうした状況を反映し、串刺し食品用の包装容器が普及している。
例えば、下記の特許文献1(1)に提案されているものに代表されるように、串刺し食品の串の把持範囲を含む全体を包装するものと見られる蓋一体型の包装用合成樹脂パック本体であって、同包装用合成樹脂パック本体の蓋の蝶番部が設けられたのとは反対がわとなる長手縁片側の両端寄りの2箇所に、夫々U字型切込が設置されてなり、食する際に、該U字型切込に串の手元部を挿入し、食品部を当該パック本体の内壁に掛止させたまま、それらの串を引き抜くよう操作できるようにされた串引き皿や、同特許文献1(2)に見られるような、串刺し食品を収容するための収容凹部と、この収容凹部の一方の内壁から離れて形成され、かつ串刺し食品の串部を支持するための支持部とを備えた容器本体を有する包装容器であって、前記収容凹部が、前記支持部から同収容凹部の他方の対向内壁の方向にいくにつれて下方に傾斜した傾斜収容凹部を形成しており、容器本体の前記一方の内壁に対応する側壁の高さが、支持部による串の支持高さよりも低く形成され、串の手元部が上方に持ち上がっているため、粘稠なタレなどが付着し、かつ串に刺された食品であっても、串の手元部を利用して容易に取り出しできるものとされた包装容器などが散見される。
【0004】
しかし、前記特許文献1(1)および1(2)に示されているような包装容器類は、何れも透明合成樹脂を原材料とするフードパック商品とされた場合には、何れも串の把持範囲を含む串刺し食品の全体を収容するよう包装するものとされているから、その分包装容器全体の外郭寸法が大きくなってしまい、その分原材料を多く必要とし、価格の高騰を招くという欠点を残すものであった。
【特許文献1】(1)特開2014-97270号公報 (2)特許第6073667号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
(問題意識)
上述したとおり、従前までに提案のある串刺し食品用の各種包装容器類は、何れも串刺し食品の串が挿し込まれた食品部、および、同食品部から露出された串の把持範囲を含む全体を収容するものとなっているから、外郭寸法が大きく、包装容器そのものの価格を削減することが難しく、さらに、輸送コストの高騰や店頭陳列棚のスペースを多く必要とするという欠点が残るものであった。
【0006】
(発明の目的)
そこで、この発明は、串刺し食品用の各種包装容器をより小型化し、生産コストを大幅に削減すると共に、輸送コストを節減し、店頭における陳列スペースも縮小し、寄り高密度に展示、販売することができる新たな包装容器技術の開発はできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造の串刺し食品用包装容器、およびそれを利用した新規な構造の串刺し包装食品を実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(発明の構成)
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明の串刺し食品用包装容器は基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、収容対象品である串刺し食品の串の把持範囲を除く食品部を収容可能な1個かまたは複数個かの何れか一方であって、複数個の場合には該串刺し食品の複数本が互いに平行に並べられ、隣合う食品部同士間を中仕切り壁で仕切られた個凹室が設けられ、同個凹室の外周囲の上端に開口部を有してなる器状の収容部が設けられ、該器状の収容部の開口部の外周囲に上向きの環状凸条が突設された器本体を有し、該器本体の器状の収容部の開口部を上方から密閉する天面カバー部が設けられ、該天面カバー部の外周囲には、当該環状凸条と嵌合する下向きの環状溝条が凹設された蓋体を有し、当該器本体の環状凸条および蓋体の環状溝条の間の、各個凹室に収容された場合の当該串刺し食品の串の把持範囲が対応する位置に、当該器本体および蓋体の内外を連通する串通し管路が設けられた構成を要旨とする串刺し食品用包装容器である。
【0008】
この基本的な構成からなる串刺し食品用包装容器は、その表現を変えて示すならば、収容対象品である串刺し食品の串の把持範囲を除く食品部を収容可能な1個かまたは複数個かの何れか一方であって、複数個の場合には該串刺し食品の複数本が互いに平行に並べられ、隣合う食品部同士間を中仕切り壁で仕切られた個凹室が設けられ、同個凹室の外周囲の上端に開口部を有してなる器状の収容部が設けられ、該器状の収容部の開口部の外周囲に上向きの環状凸条が突設された器本体を有し、該器本体の器状の収容部の開口部を上方から密閉する天面カバー部が設けられ、該天面カバー部の外周囲には、当該環状凸条と嵌合する下向きの環状溝条が凹設された蓋体を有し、当該器本体の環状凸条および蓋体の環状溝条の間の、各個凹室に収容された場合の当該串刺し食品の串の把持範囲が対応する位置に、当該器本体および蓋体の内外を連通する串通し管路が設けられ、該蓋体が、1本または複数個の何れか一方の串刺し食品を収容した当該器本体を施蓋した場合に、当該串刺し食品の串の把持範囲が外部に露出され、食品部のみを密閉包装するものとされた構成からなる串刺し食品用包装容器となる。
【0009】
より具体的には、収容対象品である串刺し食品の串の把持範囲を除く食品部を収容可能な1個かまたは複数個かの何れか一方であって、複数個の場合には該串刺し食品の複数本が互いに平行に並べられ、隣合う食品部同士間を中仕切り壁で仕切られた個凹室が設けられ、該個凹室の外周囲の上端に開口部を有してなる器状の収容部が設けられ、該器状の収容部の開口部の外周囲には、上向きの環状凸条が突設されると共に、同環状凸条の外周縁に外周接合下環壁が水平に延出された上、当該環状凸条および外周接合下環壁の、各個凹室の内底壁から上方に、当該串刺し食品の食品部の上下端間寸法の1/2ないし2/3の高さ位置であって収容される同串刺し食品の串の把持範囲が対応する位置に、各個凹室の内外を連通する串通し管路の下部をなす串通し下溝路が設けられた器本体を有し、該器本体の器状の収容部の開口部を上方から密閉する天面カバー部を有し、該天面カバー部の外周囲には、当該環状凸条と嵌合する下向きの環状溝条が凹設されると共に、同環状溝条の外周縁に当該外周接合下環壁に接合される外周接合上環壁が水平に延出された上、当該環状溝条の外壁および外周接合上環壁の当該各串通し下溝路に対応する位置に、各串通し管路の上部をなす串通し上溝路が設けられた蓋体を有するものとされた構成からなる串刺し食品用包装容器となる。
【0010】
(関連する発明)
上記した串刺し食品用包装容器に関連し、この発明には、それを利用した串刺し包装食品も包含している。
即ち、器本体の器状の収容部の各個凹室と、閉じ合わされた蓋体の天面カバー部との上下内壁間に串刺し食品の食品部の上下端間寸法が納まる寸法とされ、串通し管路の内外連通路長が、当該串刺し食品の串の把持範囲の長さよりも短く設定され、1本かまたは複数本かの何れか一方の串刺し食品が、同食品部を各個凹室に収容され、各串の把持範囲が、該串通し管路を通じて外部に露出されるよう配された上、当該器本体に対し蓋体が施蓋されてなるものとされた、この発明の基本をなす前記何れか一記載の串刺し食品用包装容器を用いた串刺し包装食品である。
【発明の効果】
【0011】
以上のとおり、この発明の串刺し食品用包装容器によれば、従前までのものとは違い、上記したとおりの固有の特徴ある構成から、収容対象品である串刺し食品の食品部を衛生的に密閉且つ外力を緩衝する状態に包装することができる上、従前までであれば該串刺し食品の串の把持範囲を含む全体が包装される構造となっていたから、その分、包装容器が大型化され、その原材料も多く使用する必要があったが、この発明の串刺し食品用包装容器は、串の把持範囲を包装容器の外がわに露出させた状態に包装するものとなっているという特段の特徴的構造を有しており、その分、包装容器が小型・軽量化されると共に、原材料の使用量も大幅に節減することができ、保管、輸送、陳列に際して省スペース化、および、流通・販売コストの大幅な削減を達成し、より低価格にて提供することができるものになるという秀でた特徴が得られるものである。
【0012】
加えて、器本体の環状凸条が、蓋体の環状溝条に嵌合するよう施蓋された場合に、該器本体と蓋体との閉じ合わせ位置がより正確に規制されるから、各串通し下溝路と各串通し上溝路とが自動的に一致され、閉じ合わせ操作と同時に各串通し管路が正確に形成されるものとなり、包装作業性を格段に高めるものとなる上、当該器本体の串通し下溝路が、各個凹室の内底壁から上方に、串刺し食品の食品部の上下端間寸法の1/2ないし2/3の高さ位置に設けられたものとなっているから、串の把持範囲がわが、少なくとも串の半径分上方に支持されることとなり、各個凹室に収容された該串刺し食品は、その食品部が、該串通し下溝路から、該個凹室の奥行き方向に向けて下り勾配をもって支持、収容され、該食品部にかけられた餡やタレ、または、乗せられた各種トッピング類などが、該串通し下溝路がわに流れ出さないよう包装することができるという効果を発揮するものとなる。
【0013】
そして、この発明の基本をなす串刺し食品用包装容器、およびそれを利用した串刺し包装食品によれば、器本体と蓋体とがヒンジ部を介して開閉自在に連結、一体化されたものの場合には、該器本体に対し蓋体を閉じ合わせる際に、各串通し下溝路と串通し上溝路とをより正確且つ確実に一致させることが可能となり、包装作業の効率化および包装ミスの抑止効果を格段に高めたものとすることができ、また、当該串刺し食品用包装容器を利用した串刺し包装食品は、当該串刺し食品用包装容器が施蓋された状態のまま、串の把持範囲を串通し管路を通じて外方に引き抜くよう操作することにより、食品部から該串をより確実且つ衛生的に抜き取ることが可能となり、串刺しされたままでは食べにくい串刺し食品がより食べ易くなり、しかも、ヒンジ部を介して器本体と蓋体とが一体化されたものは、器本体と蓋体とが別体のものに比較して施蓋状態をより確実に維持することができるから、串の引き抜き操作に際し、同串から脱抜された食品部や一緒に包装されている他の串刺し食品が不用意に当該串刺し食品用包装容器内から漏れ出してしまうのを確実に防止できるものとなる。
【0014】
また、複数個の個凹室を有し、蓋体の天面カバー部の各個凹室に対応する範囲が上方に膨出された拡張天壁とされ、各中仕切り壁が、環状凸条よりも高く、しかも同中仕切り壁の上端と当該天面カバー部の下面壁との間に緩衝用間隙が設けられた、この発明の串刺し食品用包装容器、およびそれを利用した串刺し包装食品によれば、各中仕切り壁が、隣接する個凹室同士間をより確実に隔離し、隣接して収容された各串刺し食品が不用意に転動、移動したり、食品部にかけられた餡やタレ、トッピング類が他の個凹室に流出したりするのをより確実に防止することができるだけでなく、施蓋された状態にある当該串刺し食品用包装容器に下向きの外力が加わった場合に、蓋体の天面カバー部およびその拡張天壁が、その許容範囲内で弾性変形しながら外力を分散吸収する上、該拡張天壁が緩衝用間隙を超えて変形した場合に、各中仕切り壁の上端が、該拡張天壁を下支えしてそれ以上変形してしまうのを阻止するから、外力に対する耐久性を格段に高めたものとすることができる。
【0015】
加えて、器本体の環状凸条の外周壁の少なくとも一部に、水平方向の外がわに向けて膨出された水平膨出部が設けられ、該水平膨出部に対応する蓋体の環状溝条の内壁が水平方向の外がわに向けて凹められた水平凹部が設けられた、この発明の串刺し食品用包装容器、およびそれを利用した串刺し包装食品によれば、各串通し管路から串刺し食品の串の把持範囲が外部に露出された状態であっても、当該環状凸条と環状溝条との嵌合構造が、器本体に対する蓋体の閉じ位置を正確に決定可能とすると共に、当該水平膨出部に水平凹部が嵌合することによってより確りと施蓋状態に仮固定し、各串通し管路の位置および管路形状をより強固に維持するものとなるから、熔着や粘着テープ(またはホッチキス類)などによる結合が不要となり、さらに効率的且つ経済的に包装することができるものとなる。
【0016】
そして、蓋体の天面カバー部の器状の収容部および各個凹室に対応する範囲が上方に膨出された拡張天壁とされ、器本体の器状の収容部の各個凹室と、閉じ合わされた蓋体の拡張天壁との上下内壁間に串刺し食品の食品部の上下端間寸法が納まる寸法とされ、串通し下溝路と串通し上溝路とが組み合わされてなる串通し管路の内外連通路長が、当該串刺し食品の串の把持範囲の長さよりも短く設定され、1本かまたは複数本かの何れか一方の串刺し食品が、各食品部を個凹室に収容され、各串の把持範囲が、該串通し管路を通じて外部に露出されるよう配された上、当該器本体に対し蓋体が施蓋されてなるものとされた、この発明の串刺し食品用包装容器を利用した串刺し包装食品によれば、従来型の包装食品に比較し、その包装容器の大きさを当該串刺し食品の食品部のみを包装する寸法に留めることができるから、包装容器の小型化、軽量化、原材料の省資源化による大幅なコスト削減と、包装ゴミの減量化とを高水準で達成するものになるという大きな効果を奏することになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
上記したとおりの構成からなるこの発明の実施に際し、その最良もしくは望ましい形態について説明を加えることにする。
器本体は、この発明の基本をなす串刺し食品用包装容器の、収容対象品である串刺し食品の串の把持範囲を除く食品部を下がわから受けて周囲を包囲するよう収容可能とする機能を担い、該串刺し食品の串に串刺しされ1本分に纏められた食品部を、夫々個別に仕切るよう収容する個凹室を有するものとしなければならず、該串刺し食品の串の把持範囲を除く食品部を収容可能な1個かまたは複数個かの何れか一方であって、複数個の場合には該串刺し食品の複数本が互いに平行に並べられ、隣合う食品部同士間を中仕切り壁で仕切られた個凹室が設けられ、同個凹室の外周囲の上端に開口部を有してなる器状の収容部が設けられ、該器状の収容部の開口部の外周囲に上向きの環状凸条が突設され、該環状凸条の各個凹室の当該串刺し食品の串の把持範囲が対応する位置に、各個凹室の内外を連通する串通し管路の下部をなす串通し下溝路が設けられたものとするのがよい。
【0018】
器本体の中仕切り壁は、隣接する個凹室を隔離し、各個凹室に収容された食品部に施されたタレや餡などの流動物が他の個凹室がわに流出するのを阻止する機能を分担し、その上端が、器状の収容部の開口部の外周囲に配された環状凸条よりも高くなり、収容する食品の高さかそれよりやや高くするものの、後述する実施例にも示しているように、蓋体によって施蓋された場合に、同蓋体の天面カバー部の下向き内壁(下面壁)と、中仕切り壁の上端との間に上下端間の隙間が確保される位置まで延伸されたものとするのが望ましく、上方から下向きの外圧が加わった場合に該天面カバー部の僅かな変形を許容し、且つ収容した食品のタレや餡などの流動物が天面カバー部の下向き内壁に付着してしまい、店頭に並べ置いた時の外観上で見栄えを悪くしてしまわないようにすると共に、最悪、さらに大きな外力を受けて変形した場合などには、該天面カバー部の下向き内壁に接した中仕切り壁が、その外力を受け下支えし、該天面カバー部が過大に変形してしまうのを阻止し、該蓋体の天面カバー部および中仕切り壁の凹みや歪み、割れなどの損傷に対する耐久強度をより高めたものとするのが良い。
【0019】
また、器本体は、後述する実施例にも示しているように、環状凸条の外周縁から外周接合下環壁が水平に延出され、当該環状凸条および外周接合下環壁の各個凹室の内底壁から上方に、当該串刺し食品の食品部の上下端間寸法の1/2ないし2/3の高さ位置であって収容される串刺し食品の串の把持範囲が対応する位置に、各個凹室の内外を連通する串通し管路の下部をなす串通し下溝路が設けられたものとすることができ、さらに、外周接合下環壁の少なくとも一角には、蓋体と重なり合わない形状の非重合下舌片が設けられ、同非重合下舌片の表裏壁に細かな凹凸からなる滑り止めが形成されたものとするのが良い。
【0020】
そして、器本体は、蓋体と別体のものとし施蓋するよう組み合わせられるものとすることができる外、ヒンジ部を介して蓋体と開閉自在に一体化されたものとすることができ、該器本体および蓋体は、有色または無色、透明、半透明または不透明の少なくとも何れかの樹脂成形品、紙成形品または折り箱などとすることができ、必要に応じて補強用の溝や凸条などが一体に形成されたものとするのが良く、ヒンジ部は、枢軸を有し、分解可能かまたは分解不能かの何れか一方とされた蝶番機構からなるものの外、軸方向の断面が横転Ω字形、横転V字形、横転U字形などの弾性を有した湾曲形状部、または、薄肉部やミシン孔、溝などの脆弱形状部などの何れかからなる可撓部や、弾性素材製の可撓部品の組み込みからなるものなどの少なくとも何れかとすることができる。
【0021】
蓋体は、器本体と対をなし施蓋する機能を担い、器本体の器状の収容部の開口部を上方から密閉する天面カバー部を有するものとしなければならず、該天面カバー部の外周囲には、器本体の環状凸条と嵌合する下向きの環状溝条が凹設され、該環状溝条の外壁の各個凹室の串通し下溝路に対応する位置に、各串通し管路の上部をなす串通し上溝路が設けられたものとすべきである。
また、この蓋体は、後述する実施例にも示しているように、環状溝条の外周縁に外周接合下環壁に接合される外周接合上環壁が水平に延出され、当該環状溝条の外壁および外周接合上環壁の各個凹室の串通し下溝路に対応する位置に、各串通し管路の上部をなす串通し上溝路が設けられたものとすることができ、さらに、外周接合上環壁の少なくとも一角には、器本体と重なり合わない形状の非重合上舌片が設けられ、同非重合上舌片の表裏壁に細かな凹凸からなる滑り止めが形成されたものとするのが良い。
【0022】
串通し管路は、個凹室内に食品部が収容された串刺し食品の串の把持範囲が、該個凹室外へと導出された状態に包装可能とする機能を担うものであり、器本体に対する蓋体の施蓋に伴う串通し下溝路と串通し上溝路との組み合わせからなり、串刺し食品の串の把持範囲に倣った管路形状をなすものとすべきであり、後述する実施例にも示しているが、該串通し管路の下部をなす串通し下溝路の最下位(串の把持範囲が掛止する高さ位置)は、当該個凹室の内底壁から上方に、串刺し食品の食品部の上下端間寸法の1/2ないし2/3の高さ位置に設定されたものとし、同食品部が同個凹室に収容された場合に、該串および食品部がその先端に向けて下り勾配、基端がわに向けて登り勾配の姿勢となるよう設定され、食品部に施されたタレや餡などの流動物が、該串の把持範囲がわ、および、串通し下溝路(串通し管路)がわへ流出してしまうのを阻止可能なものとするのが良い。
【0023】
また、串通し管路は、器本体の環状凸条の外周壁か、または、環状凸条の外周壁および外周接合下環壁かの何れか一方に設けられた、串刺し食品の串の把持範囲の直径と同じか、それよりも僅かに大きな内径に設定された、正面視U字形またはV字形の樋状の串通し下溝路からなり、蓋体の環状溝条の外周壁か、または、環状溝条の外周壁および外周接合上環壁かの何れにも串通し上溝路が設けられないものとすることができ、また、蓋体の環状溝条の外周壁か、または、環状溝条の外周壁および外周接合上環壁かの何れか一方に設けられた、串刺し食品の串の把持範囲の直径と同じか、それよりも僅かに大きな内径に設定された、正面視上下反転U字形または上下反転V字形の上下反転樋状の串通し上溝路からなり、器本体の環状凸条の外周壁か、または、環状凸条の外周壁および外周接合下環壁かの何れにも串通し下溝路が設けられないものとすることができる。
【0024】
器本体の環状凸条、および、蓋体の環状溝条は、後述する実施例にも示すように、該環状凸条の外周壁の少なくとも一部に、水平方向の外がわに向けて膨出された水平膨出部が突設され、該水平膨出部に対応する該環状溝条の内壁が水平方向の外がわに向けて凹められた水平凹部が凹設され、より確実に嵌合可能なものとすることができる外、後述する実施例には示していないが、当該環状凸条および環状溝条の該水平膨出部および水平凹部が設けられていない範囲や、外周接合下環壁および外周接合上環壁など、施蓋された場合に器本体と蓋体とが重なり合う1箇所または複数箇所の何れか一方に、嵌合用の茸型ボタン部と、該茸型ボタン部が嵌合、離脱可能な壺型ボタン穴が対をなして設けられたものとすることができる。
【0025】
収容対象品としての串刺し食品は、串またはそれに置き換え可能なカトラリー類などに串刺しされてなる食品であり、例えば、焼き鳥や串刺し野菜、串刺しの小魚などの串焼き食品、串刺しの天ぷらや串かつ、串刺しのしそ巻きなどの串揚げ食品、串団子の外、バーベキュー用の串刺し素材食品などとすることができ、換言すると、対象の食品である食品部に串の串刺し範囲が刺し込まれ、同串の把持範囲が食品部から露出されたものであると云うことができ、また、収容対象品は、当該食品部が、装飾品や玩具、文具、その他の物品類に置き換えられた串刺し型の商品や、串の串刺し範囲に相当する範囲が、先端がわに食品またはそれ以外の物品を離脱可能に保持した挟持・離脱可能な挟着機構部や、開閉可能な籠機構部などに置き換えられ、基端がわに棒状の把持範囲が設けられたものとすることができ、さらに、該串の把持範囲の外端に、L字形、J字形、b字形、花形、葉形、星形、太陽形、月形、ハート型、マスコット、その他の装飾部などの異形装飾部が一体化され、直線棒形状以外の形状のものとすることができる。
【0026】
串刺し包装食品は、収容対象品である串刺し食品を衛生的に輸送、保管、陳列および販売可能とする機能を担い、該串刺し食品が、この発明の基本をなす串刺し食品用包装容器で包装されてなるものであり、串刺し食品用包装容器は、その器状の収容部の個凹室が、収容対象品である串刺し食品の食品部の収納に適する寸法に設定され、串通し下溝路と串通し上溝路とが組み合わされてなる串通し管路の内外連通路長が、当該串刺し食品の串の把持範囲の長さよりも短く設定され、1本かまたは複数本かの何れか一方の串刺し食品を包装してなるものとすべきである。
以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図面は、この発明の串刺し食品用包装容器、およびそれを利用した串刺し包装食品の技術的思想を具現化した代表的な幾つかの実施例を示すものである。
【
図1】串刺し食品用包装容器を利用した串刺し包装食品を、蓋体を開放して示す平面図である。
【
図2】蓋体を開放した串刺し食品用包装容器を示す斜視図である。
【
図3】蓋体を開放した串刺し食品用包装容器を示す平面図である。
【
図4】蓋体を閉じた串刺し食品用包装容器を示す正面図である。
【
図5】蓋体を僅かに開いた串刺し食品用包装容器を示す正面図である。
【
図6】蓋体を僅かに開いた串刺し食品用包装容器を示す側面図である。
【
図7】蓋体を閉じた串刺し食品用包装容器を示す側面図である。
【
図8】蓋体を閉じた串刺し食品用包装容器を示す背面図である。
【
図9】蓋体を僅かに開いた串刺し食品用包装容器の串刺し食品の収容状態を示す正面図である。
【
図10】蓋体を閉じた串刺し食品用包装容器の串刺し食品の収容状態を示す正面図である。
【
図11】蓋体を閉じた串刺し食品用包装容器の串刺し食品の収容状態を示す側面図である。
【実施例0028】
図1ないし
図11に示す事例は、収容対象品6である串刺し食品6の串60の把持範囲kを除く食品部61を収容可能な1個かまたは複数個かの何れか一方であって、複数個の場合には該串刺し食品6,6,……の複数本が互いに平行に並べられ、隣合う食品部61,61,……同士間を中仕切り壁b,b,……で仕切られた個凹室a,a,……が設けられ、同個凹室a,a,……の外周囲の上端に開口部を有してなる器状の収容部30が設けられ、該器状の収容部30の開口部の外周囲に上向きの環状凸条31が突設された器本体3を有し、該器本体3の器状の収容部30の開口部を上方から密閉する天面カバー部40が設けられ、該天面カバー部40の外周囲には、当該環状凸条31と嵌合する下向きの環状溝条41が凹設された蓋体4を有し、当該器本体3の環状凸条31および蓋体4の環状溝条41の間の、各個凹室a,a,……に収容された場合の当該串刺し食品6の串60の把持範囲kが対応する位置に、当該器本体3および蓋体4の内外を連通する串通し管路f,f,……が設けられた、この発明の串刺し食品用包装容器における代表的な一実施例を示すものである。
【0029】
それら各図からも明確に把握できるとおり、この発明の串刺し食品用包装容器2は、その全体が無色透明なポリエチレン樹脂から成形されてなり、器本体3と、該器本体3の奥行き方向端に軸方向断面が横転Ω字形の可撓性のヒンジ部5を介して開閉自在に一体化された蓋体4とを有し、収容対象品6としての串刺し食品6である串団子6は、串60の先端がわの串刺し範囲jに球形の3個の団子61からなる食品部61が挿し込まれ、同串60の基端がわの把持範囲kが該食品部61から露出されたものであり、当該器本体3は、該串団子6の串60の把持範囲kを除く串刺し範囲jに串刺しされた食品部61の、該球形の団子の1個分の横幅(直径)、同球形の団子の1個分の高さの少なくとも1/2ないし2/3の高さ(半径)、および、同球形の団子3個分の縦(軸方向)長さ(直径×3)jの夫々を僅かに上回る内寸に設定され、該串60が僅かに傾斜された姿勢の1本分の食品部61が1個ずつ収容可能とされた個凹室aの5個が、4枚の中仕切り壁b,b,……で仕切られ、収容された場合の5本の串団子6,6,……の各串60,60,……が互いに平行に配置されるよう並べられ、それら5個の各個凹室a,a,……が1つに纏められた外周囲の上端に1個の開口部を有する器状の収容部30が設けられたものとされている。
【0030】
図1ないし
図7に示すように、器本体3の器状の収容部30の開口部の外周囲には、同器状の収容部30の四角に臨む内周壁に緩衝(弾性確保)用の凹欠部n,n,……が夫々配された環状凸条31が上向きに突設されており、中仕切り壁b,b,……の上端は、該環状凸条31の上端よりも寸法h(例えば、3ないし10mm望ましくは4mm)分高く設定されており、該寸法hが、3mm未満の場合には、串刺し食品6の餡やタレ、トッピングなどが中仕切り壁b,b,……の上端を超えて隣の個凹室aに流れてしまう虞があり、また、10mmを超えたものの場合には、樹脂成形金型の抜き勾配を確保するため、各中仕切り壁b,b,……の厚みが大きくなり、串刺し食品用包装容器2が大型化してしまうものであり、串刺し食品用包装容器2を小型化するため、高さが10mmを超えた各中仕切り壁b,b,……の先端の厚みを小さくし過ぎると、各中仕切り壁b,b,……に充分な強度が確保できなくなるという欠点を招く虞がある。
【0031】
さらに、該環状凸条31の当該ヒンジ部5とは反対がわとなる辺の両角の外周壁には夫々、水平方向の外がわに向けて膨出された水平膨出部c,cが突設されたものとなっており、該環状凸条31の全外周縁の下端から外がわに向けて外周接合下環壁32が一定幅の帯状水平板状に延出されたものとなっており、当該環状凸条31および外周接合下環壁32の各個凹室31,31,……の夫々の1/2幅の位置であって収容される串刺し食品6,6,……の各串60,60,……の夫々の把持範囲k,k,……が対応する位置に、各個凹室31,31,……の内外を水平方向か、または、外から個凹室31内に向けて僅かに下向きに傾斜されるかの何れか一方の向きに連通する串通し管路f,f,……の下部をなす串通し下溝路33,33,……が、水平か、または、外から個凹室31内に向けて僅かに下向きに傾斜されるかの何れかの姿勢の概略下半円弧形樋状をなすよう設けられたものとなっており、各串通し下溝路33,33,……の直径は、串刺し食品6串60の把持範囲kの直径に一致するか、それよりも僅かに大きな寸法に設定されたものとなっている。
【0032】
図1、
図4および
図6に示すように、当該環状凸条31の左右の水平膨出部c,cは、左右端(最外側)に配された各串通し下溝路33,33から、同環状凸条31の開閉端がわの外周壁、および、同環状凸条31の左右夫々の角部分の外周壁を経て、該開閉端がわの外周壁の水平膨出部cから角部分までの距離に略等しい寸法分、同環状凸条31の角部分から左右外周壁の奥行き方向に延伸されたものとされており、換言すると、該左右の水平膨出部c,cは、環状凸条31の開閉端がわの左右の角部分およびその近傍の外周壁の夫々に設けられたものとなっている。
【0033】
また、環状凸条31の水平膨出部cは、前述のように器状の収容部30の開閉端がわの環状凸条31の外周壁の左右角部分およびその近傍の外周壁だけに留まらず、同器状の収容部30のヒンジ部5がわの環状凸条31の外周壁の左右角部分およびその近傍にも設けられたものとすることができ、また、環状凸条31の開閉端がわの外周壁の全ての串通し下溝路33,33,……の間にも設けられたものとすることが可能であり、さらに、同環状凸条31の左右辺がわの外周壁の奥行きの全長に渡って設けられたものや、同環状凸条31の外周壁の全周囲に渡って設けられたものなどとすることができる。
【0034】
図1ないし
図3および
図7に示すように、器本体3の串通し下溝路33,33,……が設けられたのとは反対がわの辺となる外周接合下環壁32の外端には、前述の如くヒンジ部5を介して蓋体4の基端が一体化されており、該蓋体4は、該器本体3の器状の収容部30の開口部を上方から密閉する天面カバー部40を有し、該天面カバー部40は、器本体3に対して閉じ合わせられた場合に、当該中仕切り壁b,b,……の上端と同天面カバー部40の下面壁との間に、上下間寸法G(例えば、3ないし15mm望ましくは7mm)分の緩衝用間隙が確保されるよう、同天面カバー部40が、各個凹室a,a,……に対応する範囲に渡って上方に膨出された拡張天壁gとされ、同拡張天壁gの天面壁が、施蓋状態にて水平な平坦面壁をなすものとなっている。
【0035】
図7の当該上下間寸法Gが、3mmm未満の場合には、蓋体4の天面カバー部40に上方から下向きの外力が加わったときに、該天面カバー部40の弾性変形の許容範囲内にあり、該蓋体4だけで充分な耐久性を発揮できる段階で、同天面カバー部40の下面壁が、中仕切り壁b,b,……の上端に接触してしまい、過大な加重を受けた各中仕切り壁b,b,……が容易に変形、または破損させてしまう虞を生じたり、そのような変形、破損には至らないまでも、収容した串刺し食品6のタレや餡などの流動物が天面カバー部40の下面壁に付着、汚すことになってしてしまい、店頭に並べ置いた時の外観上で見栄えを悪くし、展示している間の商品価値を落として購入意欲に水を差し兼ねないということにも繋がってしまう。
【0036】
他方、それら上下間寸法Gが、15mmを超えるよう成形したものの場合には、上方から下向きの外力が加わった該天面カバー部40が、仮令、その弾性変形の許容範囲を超えても、各中仕切り壁b,b,……による下支えを受けることができず、同天面カバー部40が塑性変形してしまったり、割れて破損させてしまう虞が生じたり、何よりもそれだけ高い寸法のものに成形するようにした場合、中仕切り壁b,b,……を突設、形成するためのポリエチレン樹脂材を増えさせてしまい、包装容器全体の製造価格を高騰させてしまうという無視できない欠点に繋がることにもなってしまう。
【0037】
図1に示すように、蓋体4の天面カバー部40の外周囲には、当該環状凸条31と嵌合する下向きの環状溝条41が凹設されると共に、同環状溝条41の外周縁に当該外周接合下環壁32に接合される外周接合上環壁42が一定幅の帯状水平板状に延出された上、当該環状溝条41の外壁および外周接合上環壁42の各個凹室a,a,……の1/2幅の位置に対応する位置であって当該各串通し下溝路33,33,……の夫々対応する位置に、各串通し管路f,f,……の上部をなす概略上半円弧形溝状の串通し上溝路43,43,……が設けられたものとなっており、各串通し上溝路43,43,……の直径が、串刺し食品6串60の把持範囲kの直径に一致するか、それよりも僅かに大きな寸法に設定されたものとなっている。
【0038】
図4および
図5に示すように、器本体3の環状凸条31の各串通し下溝路33,33,……を挟んで対峙し、ヒンジ部5が設けられたのとは反対がわに配置された角部の夫々の外周壁に、水平方向の外がわに向けて膨出された当該各水平膨出部c,cに対応する蓋体4の環状溝条41の(ヒンジ部5が設けられたのとは反対がわとなる開閉端がわに配置された2つの角部の)夫々の内壁には、水平方向の外がわに向けて凹められた水平凹部s,sが設けられ、該環状凸条31に環状溝条41が嵌合され、施蓋された場合に、各水平膨出部c,cが、対応する各水平凹部s,sに嵌合され、密閉された状態に施蓋状態が仮固定されるものとされており、換言すると、該水平凹部sは、施蓋状態における環状溝条41の少なくとも環状凸条31の水平膨出部cに対応する範囲に配設されたものとすることができる。
【0039】
図1および
図11に示すように、当該串刺し食品用包装容器2は、器本体3の器状の収容部30の各個凹室a,a,……と、閉じ合わされた蓋体4の拡張天壁gとの上下内壁間の全高AH内に、串60の把持範囲kの外端がわが僅かに上向きに傾斜された串刺し食品6の食品部61の上下端間寸法6Hが納まる寸法に設定され、しかも、各串通し下溝路33,33,……と各串通し上溝路43,43,……とが組み合わされてなる各串通し管路f,f,……の夫々の内外連通路長fLが、当該串刺し食品6の串60の把持範囲kの長さよりも短く設定されたものとなっている。
【0040】
加えて、当該串刺し食品用包装容器2の器本体3および蓋体4の各所には、補強緩衝用の凸条・凹条rs,rs,……が設けられている。また、
図4および
図10に示すように、串通し下溝路33と串通し上溝路43とが、正面視で夫々逆三角形(V字形)と三角形(上下反転V字形)の溝形状とされ、施蓋によって互いが菱形状をなすよう組み合わせられた場合に、対峙する4辺が、串60の把持範囲kの断面形状を上下の4方から挟み込むよう仮固定することが可能なものとすることができる外、図示していないが、串通し下溝路33が正面視で中心角度が180°を超えた円弧形か、または、左右上端に内向きの小角が突設されたものかの何れか一方とされ、串刺し食品6の串60の把持範囲kが、該串通し下溝路33に対して弾性的に嵌着、挟持状に把持される嵌着機構が一体に設けられたものとされ、該串通し下溝路33の余となる範囲の円弧形状をなす串通し上溝路43が設けられ、該串通し下溝路33と串通し上溝路43とが組み合わせられて串通し管路fを形成するものとされ、蓋体4を開放した際などに、不用意に串刺し食品6が脱落するのを防止可能なものとすることができる。
【0041】
図1ないし
図11に示すように、器本体3の外周接合下環壁32の各串通し下溝路33,33,……を挟んで左右に対峙し、且つ、ヒンジ部5とは反対がわとなる2つの角部の夫々に、蓋体4の外周接合上環壁42に重なり合わないよう、僅かに下方にずらされた非重合下舌片d,dが外がわに、外周接合下環壁32の開閉端がわの外縁と左右がわの外縁とが互いに交叉する延長線の範囲内に納まる2つの角形状をなすよう延伸され、各非重合下舌片d,dの表裏壁には、複数本の凹凸溝条が交叉するよう刻設された滑り止めe,eが設けられたものとされており、また、蓋体4の外周接合上環壁42の各串通し上溝路43,43,……を挟んで左右に対峙し、且つ、ヒンジ部5とは反対がわとなる2つの角部の夫々に、当該器本体3の外周接合下環壁32に重なり合わないよう、僅かに上方にずらされた、非重合上舌片d,dが外がわに、各外周接合上環壁42の開閉端がわの外縁と左右がわの外縁とが互いに交叉する延長線の範囲内に納まる角形状をなすよう延伸され、各非重合上舌片d,dの表裏壁には、複数本の凹凸溝条が交叉するよう刻設された滑り止めe,eが設けられたものとなっており、器本体3と蓋体4との施蓋状態で互いに対峙する各非重合下舌片d,dと各非重合上舌片d,dとは互いに密着せず、上下間に僅かな(1ないし5mmの)間隙を隔てて対峙するよう配置されることとなる。
【0042】
図1に示すように、串刺し食品用包装容器2は、その器本体3の串通し下溝路33,33,……が設けられたがわの環状凸条31および外周接合下環壁32の奥行き寸法である内外連通路長(串通し管路fの長さ)fLに、個凹室a(器状の収容部30)の奥行き寸法aLと、串通し下溝路33,33,……が設けられたのとは反対がわであってヒンジ部5が設けられたがわの外周接合下環壁32の奥行き寸法(ヒンジ長)5Lとを加えた奥行き寸法(器本体の全長)3Lとされ、該器本体の全長3Lは、蓋体4の全長4Lに一致するよう寸法設定されている。
そして、器本体3の個凹室a(器状の収容部30)の長さaLと、串通し下溝路33,33,……が設けられたがわの環状凸条31および外周接合下環壁32の奥行き寸法である内外連通路長(串通し管路fの長さ)fLとの合計寸法(aL+fL)が、収容対象品6である串団子6の串60(串刺し範囲jおよび把持範囲k)の全長jkよりも、短く設定されたものとなっている。
【0043】
(実施例1の作用・効果)
図1ないし
図11に示すように、以上のとおりの構成からなるこの発明の串刺し食品用包装容器2は、5本の収容対象品6,6,……である串団子6,6,……が収容されることにより、串刺し包装食品1となるものであり、該串刺し包装食品1は、当該串刺し食品用包装容器2の器本体3の各個凹室a,a,……の夫々に、収容対象品6である串団子6の食品部61が収容されると共に、各串団子6,6,……の串60,60,……の把持範囲k,k,……が、各串通し下溝路33,33,……に落とし込まれ、各把持範囲k,k,……の外端がわが、各串通し下溝路33,33,……よりも外がわに突出された状態に配された上、該器本体3に対し蓋体4がヒンジ部5を支点に回動されて閉じ合わせられ、環状凸条31およびその水平膨出部c,cに、環状溝条41およびその水平凹部s,sが嵌合され、外周接合下環壁32と外周接合上環壁42とが密に接合され、各串団子6,6,……の食品部61,61,……が、器本体3の器状の収容部の各個凹室a,a,……と、蓋体4の天面カバー部40およびその拡張天壁gとによって密閉状に包装されると共に、串通し下溝路33,33,……と串通し上溝路43,43,……とが組み合わせられてなる串通し管路f,f,……が、各串60,60,……の把持範囲k,k,……を仮固定状に挟持されたものとなっている。
【0044】
当該串刺し包装食品1は、該串刺し食品用包装容器2の器本体3の各個凹室a,a,……の夫々に収容されている串団子6の食品部61が、その左右がわの側部が、個凹室aの側壁か、または、中仕切り壁bかの少なくとも何れか一方によって保持され、さらに、
図6に示すように、環状凸条31よりも寸法h分高く設定された各中仕切り壁b,b,……が、各食品部61に掛けられた餡やタレその他のトッピング物などが、隣の個凹室aがわへ流動してしまうのを阻止するものとなり、しかも、各中仕切り壁b,b,……が器本体3を内部から補強すると共に、
図7に示すように、各中仕切り壁b,b,……の上端と、施蓋状態にある蓋体4の天面カバー部40の拡張天壁gの下面壁との間に緩衝用隙間Gが設けられているから、外力が加わった場合に、該天面カバー部40および拡張天壁gが、その許容範囲内で弾性変形して外力を分散、吸収し、且つそれを超えた外力が加わった場合には、各中仕切り壁b,b,……の上端が該天面カバー部40および拡張天壁gを下支えするものになるという秀でた耐久強度を達成できる共に、通常展示で、仮令、多少の押圧外力などが加わったとしても、常に天面カバー部40の裏がわは、食品部61に掛けられた餡やタレその他のトッピング物を付着させることもなく、透明のまま綺麗な外観を維持することができるものになる。
【0045】
そして、
図1ないし
図4に示すように、串刺し包装食品1の施蓋された串刺し食品用包装容器2のヒンジ部5とは反対がわの開閉端の左右角部の最外側に左右の非重合下舌片d、dおよび非重合上舌片d,dが配されており、それら左右の非重合下舌片d,dおよび非重合上舌片d,dの直近となる環状凸条31の左右の角部の外周壁に夫々水平膨出部c,c、および、環状溝条41の左右の角部の内周壁に夫々水平凹部s,sが設けられているから、左の非重合下舌片dおよび非重合上舌片dと、右の非重合下舌片dおよび非重合上舌片dとを夫々左右別々に開閉操作すると、左右夫々の水平膨出部cと水平凹部sとの嵌合を個別に且つ直接的に解いたり、簡単に嵌合させたりすることができ、蓋体4の開閉操作を格段に静かに行うことができるものとなり、各串通し管路f,f,……の串通し下溝路33,33,……および串通し上溝路43,43,……をより静かに組み合わせたり離脱させたりすることができ、器本体3を静置させた状態のまま、収容された串刺し食品6,6,……に不要な振動や衝撃力を加えることなく、静かに開閉できるという格段に優れた開閉操作性を達成することができる。
【0046】
(結 び)
叙述の如く、この発明の串刺し食品用包装容器、およびそれを利用した串刺し包装食品は、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも製造も容易で、従前からの串刺し食品の全体を包装する包装容器に比較して大幅に小型化、軽量化すると共に、耐久強度を高め且つ低廉化して遥かに経済的なものとすることができる上、串刺し食品の包装作業の効率を大幅に高め、串刺し包装食品の保管、輸送および陳列の格段の省スペース化を達成できるものとなるから、包装コストや輸送コストの削減を目指す食品製造業界、および、保管スペースや陳列スペースの合理化を検討している食品販売業界はもとより、より経済的な包装食品の提供と、過剰包装を廃して生活ゴミを削減することができる食品包装を希望する一般家庭においても高く評価され、広範に渡って利用、普及していくものになると予想される。
収容対象品である串刺し食品の串の把持範囲を除く食品部を収容可能な1個かまたは複数個かの何れか一方であって、複数個の場合には該串刺し食品の複数本が互いに平行に並べられ、隣合う食品部同士間を中仕切り壁で仕切られた個凹室が設けられ、同個凹室の外周囲の上端に開口部を有してなる器状の収容部が設けられ、該器状の収容部の開口部の外周囲に上向きの環状凸条が突設されると共に、同環状凸条の外周縁に外周接合下環壁が水平に延出された器本体を有し、
該器本体の器状の収容部の開口部を上方から密閉する天面カバー部が設けられ、該天面カバー部の外周囲には、当該環状凸条と嵌合する下向きの環状溝条が凹設されると共に、同環状溝条の外周縁に当該外周接合下環壁に接合される外周接合上環壁が水平に延出された蓋体を有し、
当該器本体の環状凸条および蓋体の環状溝条の間の、各個凹室に収容された場合の当該串刺し食品の串の把持範囲が対応する位置に、当該器本体および蓋体の内外を、水平方向か、または、外から個凹室内に向けて僅かに下向きに傾斜する向きに連通する串通し管路が設けられ、
当該串通し管路の下部をなす串通し下溝路は、水平か、または、外から個凹室内に向けて僅かに下向きに傾斜する姿勢で設けられており、
前記中仕切り壁の上端と前記天面カバー部の下面壁との間に3ないし15mmに設定された緩衝用間隙が設けられたことを特徴とする串刺し食品用包装容器。
収容対象品である串刺し食品の串の把持範囲を除く食品部を収容可能な1個かまたは複数個かの何れか一方であって、複数個の場合には該串刺し食品の複数本が互いに平行に並べられ、隣合う食品部同士間を中仕切り壁で仕切られた個凹室が設けられ、同個凹室の外周囲の上端に開口部を有してなる器状の収容部が設けられ、該器状の収容部の開口部の外周囲に上向きの環状凸条が突設されると共に、同環状凸条の外周縁に外周接合下環壁が水平に延出された器本体を有し、該器本体の器状の収容部の開口部を上方から密閉する天面カバー部が設けられ、該天面カバー部の外周囲には、当該環状凸条と嵌合する下向きの環状溝条が凹設されると共に、同環状溝条の外周縁に当該外周接合下環壁に接合される外周接合上環壁が水平に延出された蓋体を有し、当該器本体の環状凸条および蓋体の環状溝条の間の、各個凹室に収容された場合の当該串刺し食品の串の把持範囲が対応する位置に、当該器本体および蓋体の内外を、水平方向か、または、外から個凹室内に向けて僅かに下向きに傾斜する向きに連通する串通し管路が設けられ、
当該串通し管路の下部をなす串通し下溝路は、水平か、または、外から個凹室内に向けて僅かに下向きに傾斜する姿勢で設けられており、
前記中仕切り壁の上端と前記天面カバー部の下面壁との間に3ないし15mmに設定された緩衝用間隙が設けられ、
該蓋体が、1本または複数個の何れか一方の串刺し食品を収容した当該器本体を施蓋した場合に、当該串刺し食品の串の把持範囲が外部に露出され、食品部のみを密閉包装するものとされたことを特徴とする串刺し食品用包装容器。
収容対象品である串刺し食品の串の把持範囲を除く食品部を収容可能な1個かまたは複数個かの何れか一方であって、複数個の場合には該串刺し食品の複数本が互いに平行に並べられ、隣合う食品部同士間を中仕切り壁で仕切られた個凹室が設けられ、同個凹室の外周囲の上端に開口部を有してなる器状の収容部が設けられ、該器状の収容部の開口部の外周囲には、上向きの環状凸条が突設されると共に、同環状凸条の外周縁に外周接合下環壁が水平に延出された上、当該環状凸条および外周接合下環壁の、各個凹室の内底壁から上方に、当該串刺し食品の食品部の上下端間寸法の1/2ないし2/3の高さ位置であって収容される同串刺し食品の串の把持範囲が対応する位置に、各個凹室の内外を連通する串通し管路の下部をなす串通し下溝路が設けられた器本体を有し、
該器本体の器状の収容部の開口部を上方から密閉する天面カバー部を有し、該天面カバー部の外周囲には、当該環状凸条と嵌合する下向きの環状溝条が凹設されると共に、同環状溝条の外周縁に当該外周接合下環壁に接合される外周接合上環壁が水平に延出された上、当該環状溝条の外壁および外周接合上環壁の当該各串通し下溝路に対応する位置に、各串通し管路の上部をなす串通し上溝路が設けられた蓋体を有し、
前記串通し下溝路は、各個凹室の内外を水平方向か、または、外から個凹室内に向けて僅かに下向きに傾斜する向きに連通する串通し管路の下部をなしており、水平か、または、外から個凹室内に向けて僅かに下向きに傾斜する姿勢で設けられ、
前記中仕切り壁の上端と前記天面カバー部の下面壁との間に3ないし15mmに設定された緩衝用間隙が設けられたことを特徴とする串刺し食品用包装容器。
器本体の外周接合下環壁、および、蓋体の外周接合上環壁の全周囲の中、串通し管路が設けられた範囲を除く何れかの範囲がヒンジ部を介して開閉自在に連結されたものとしてなる、請求項3記載の串刺し食品用包装容器。
複数個の個凹室を有し、蓋体の天面カバー部の各個凹室に対応する範囲が上方に膨出された拡張天壁とされ、各中仕切り壁が、環状凸条よりも高く、しかも同中仕切り壁の上端と当該天面カバー部の下面壁との間に緩衝用間隙が設定された、請求項1ないし請求項4何れか一記載の串刺し食品用包装容器。
器本体の環状凸条の外周壁の少なくとも一部に、水平方向の外がわに向けて膨出された水平膨出部が設けられ、該水平膨出部に対応する蓋体の環状溝条の内壁が水平方向の外がわに向けて凹められた水平凹部が設けられた、請求項1ないし請求項4何れか一記載の
串刺し食品用包装容器。
器本体の器状の収容部の各個凹室と、閉じ合わされた蓋体の天面カバー部との上下内壁間に串刺し食品の食品部の上下端間寸法が納まる寸法とされ、串通し管路の内外連通路長が、当該串刺し食品の串の把持範囲の長さよりも短く設定され、1本かまたは複数本かの何れか一方の串刺し食品が、同食品部を各個凹室に収容され、各串の把持範囲が、該串通し管路を通じて外部に露出されるよう配された上、当該器本体に対し蓋体が施蓋されてなるものとされた、請求項1ないし請求項4何れか一記載の串刺し食品用包装容器を用い
た串刺し包装食品。