(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024033099
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】レンズキャップ、及び、撮影装置
(51)【国際特許分類】
G03B 11/04 20210101AFI20240306BHJP
G02B 7/02 20210101ALI20240306BHJP
H04N 23/52 20230101ALI20240306BHJP
【FI】
G03B11/04 A
G02B7/02 E
H04N5/225 430
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022136490
(22)【出願日】2022-08-30
(71)【出願人】
【識別番号】000004075
【氏名又は名称】ヤマハ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100134359
【弁理士】
【氏名又は名称】勝俣 智夫
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100206391
【弁理士】
【氏名又は名称】柏野 由布子
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 俊英
【テーマコード(参考)】
2H044
2H083
5C122
【Fターム(参考)】
2H044AE09
2H083BB24
5C122DA01
5C122EA02
5C122EA42
5C122FB03
5C122FB09
5C122FL04
5C122GE01
5C122GE04
(57)【要約】
【課題】撮影装置の利用者が撮影レンズを簡単に閉じることができるレンズキャップを提供する。
【解決手段】レンズキャップ4は、撮影装置の撮影レンズを保護するレンズキャップ4であって、基部20と、基部20に対して、撮影レンズを覆う閉塞位置と、撮影レンズを開放する開放位置との間で揺動可能に連結された蓋板30と、を備える。基部20は、基部側ヒンジ部22を有する。蓋板30は、撮影レンズを覆うための蓋板本体31と、蓋板本体31の縁に設けられ、基部側ヒンジ部22に揺動可能に連結される蓋板側ヒンジ部32と、蓋板側ヒンジ部32に隣接して設けられて蓋板本体31を揺動させるために操作される操作部33と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影装置の撮影レンズを保護するレンズキャップであって、
基部と、前記基部に対して、前記撮影レンズを覆う閉塞位置と、前記撮影レンズを開放する開放位置との間で揺動可能に連結された蓋板と、を備え、
前記基部は、基部側ヒンジ部を有し、
前記蓋板は、前記撮影レンズを覆うための蓋板本体と、前記蓋板本体の縁に設けられ、前記基部側ヒンジ部に揺動可能に連結される蓋板側ヒンジ部と、前記蓋板側ヒンジ部に隣接して設けられて前記蓋板本体を揺動させるために操作される操作部と、を有するレンズキャップ。
【請求項2】
前記操作部は、前記蓋板本体を前記開放位置から前記閉塞位置に動かすために操作される請求項1に記載のレンズキャップ。
【請求項3】
前記操作部は、前記蓋板側ヒンジ部の軸線から前記蓋板本体が延びる方向と異なる方向に延びる請求項1又は請求項2に記載のレンズキャップ。
【請求項4】
前記操作部は、前記蓋板本体が前記閉塞位置に配置された状態で前記撮影レンズに対向する前記蓋板本体の対向面側に突出する請求項1又は請求項2に記載のレンズキャップ。
【請求項5】
前記操作部は、前記蓋板側ヒンジ部に直接接続されている請求項3に記載のレンズキャップ。
【請求項6】
前記基部は、基部本体と、前記基部本体と前記基部側ヒンジ部とを連結し、前記基部側ヒンジ部を前記基部本体から離れて位置させる連結部と、を有し、
前記基部本体と前記基部側ヒンジ部との間には、前記蓋板本体の前記開放位置と前記閉塞位置と間の揺動に伴って前記操作部が通過する隙間が形成されている請求項5に記載のレンズキャップ。
【請求項7】
撮影レンズと、前記撮影レンズを収容すると共に当該撮影レンズを外側に臨ませる開口を有する筐体と、請求項1又は請求項2に記載のレンズキャップと、を備え、
前記筐体の外面は、前記開口が設けられる前面と、前記前面に隣り合って前記前面と異なる方向に向く隣接面と、を含み、
前記基部は、前記筐体の前記前面に設けられ、
前記基部側ヒンジ部及び前記蓋板側ヒンジ部は、前記前面と前記隣接面との角部に位置し、
前記蓋板本体は、前記隣接面に重ねて配置されることで前記開放位置に位置し、
前記操作部は、前記蓋板本体が前記開放位置に位置した状態で、前記筐体の前記隣接面から離れる方向に延びる撮影装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズキャップ、及び、撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、撮影装置の撮影レンズを保護するレンズキャップが開示されている。特許文献1のレンズキャップは、撮影レンズを含む撮影装置の本体部分に取り付けられる基部と、基部に対して撮影レンズを覆う閉塞位置と撮影レンズを開放する開放位置との間で揺動可能に連結された蓋板と、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のレンズキャップでは、蓋板が開放位置に配置された状態において、蓋板を操作し難いことがある。例えば、レンズキャップを含む撮影装置が高い位置に配置されている場合には、利用者の手が開放位置に配された蓋板に届きにくいことがある。このような場合には、利用者が撮影レンズを簡単に閉じることができない、という問題がある。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、利用者が撮影レンズを簡単に閉じることが可能なレンズキャップ、及び、レンズキャップを備える撮影装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一の態様は、撮影装置の撮影レンズを保護するレンズキャップであって、基部と、前記基部に対して、前記撮影レンズを覆う閉塞位置と、前記撮影レンズを開放する開放位置との間で揺動可能に連結された蓋板と、を備え、前記基部は、基部側ヒンジ部を有し、前記蓋板は、前記撮影レンズを覆うための蓋板本体と、前記蓋板本体の縁に設けられ、前記基部側ヒンジ部に揺動可能に連結される蓋板側ヒンジ部と、前記蓋板側ヒンジ部に隣接して設けられて前記蓋板本体を揺動させるために操作される操作部と、を有するレンズキャップである。
【0007】
本発明の第二の態様は、撮影レンズと、前記撮影レンズを収容すると共に当該撮影レンズを外側に臨ませる開口を有する筐体と、前記レンズキャップと、を備え、前記筐体の外面は、前記開口が設けられる前面と、前記前面に隣り合って前記前面と異なる方向に向く隣接面と、を含み、前記基部は、前記筐体の前記前面に設けられ、前記基部側ヒンジ部及び前記蓋板側ヒンジ部は、前記前面と前記隣接面との角部に位置し、前記蓋板本体は、前記隣接面に重ねて配置されることで前記開放位置に位置し、前記操作部は、前記蓋板本体が前記開放位置に位置した状態で、前記筐体の前記隣接面から離れる方向に延びる撮影装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、撮影装置の利用者が撮影レンズの蓋を簡単に閉じることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係るレンズキャップを示す斜視図である。
【
図2】
図1のレンズキャップを異なる方向から見た斜視図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る撮影装置であって、レンズキャップの蓋板を開放位置に配置した状態を示す斜視図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る撮影装置であって、レンズキャップの蓋板を開放位置に配置した状態を示す断面図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る撮影装置であって、レンズキャップの蓋板を閉塞位置に配置した状態を示す斜視図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る撮影装置であって、レンズキャップの蓋板を閉塞位置に配置した状態を示す断面図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る撮影装置の使用例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、
図1~6を参照して本発明の一実施形態について説明する。
図3に示すように、本実施形態の撮影装置1は、撮影レンズ2と、筐体3と、レンズキャップ4と、を備える。
【0011】
筐体3は、撮影レンズ2を収容し、当該撮影レンズ2を外側に臨ませる開口11を有する。筐体3の外面は、開口11が設けられる前面12と、前面12に隣り合って前面12と異なる方向に向く隣接面13と、を含む。本実施形態において、隣接面13は上側(Z軸正方向側)に向く上面13である。
図3において、筐体3の前面12と上面13とがなす角度は、90度となっているが、これに限ることはない。
【0012】
図3~
図6に示すように、レンズキャップ4は、撮影レンズ2を保護するものであり、筐体3の前面12に設けられる基部20と、基部20に連結されて撮影レンズ2を覆う蓋板30と、を備える。なお、
図5では、撮影レンズ2及び筐体3の開口11が蓋板30によって覆われているため見えない。また、
図4、
図6では、撮影レンズ2を外側に臨ませる筐体3の開口11のみが記載され、撮影レンズ2の記載が省略されている。
【0013】
図1、
図2に示すように、基部20は、基部本体21と、基部側ヒンジ部22と、連結部23と、2つの係合片24,25と、基部側係合部26と、を有する。
【0014】
基部本体21は、貫通孔211を有する。本実施形態の基部本体21は、貫通孔211を有することで概ね環状に形成されている。本実施形態において、貫通孔211の軸方向から見た貫通孔211の平面視形状は、円形状となっている。なお、貫通孔211の平面視形状は、矩形状など任意であってよい。
環状に形成された基部本体21のうち周方向において互いに180度となる2つの位置には、基部本体21を周方向において2つに分断する隙間212,213が設けられている。周方向において2つに分断された基部本体21は、後述する2つの係合片24,25によって結合されている。
【0015】
図3、
図4に示すように、基部本体21は、筐体3の前面12に配置される。本実施形態において、基部本体21は、撮影レンズ2が基部本体21の貫通孔211を通して外側に臨むように、筐体3の前面12に配置される。また、基部本体21が筐体3の前面12に配置された状態では、基部本体21の2つの隙間212,213が上下方向(Z軸方向)に並ぶ。本実施形態では、基部本体21が筐体3の前面12に接触する。以下の説明では、基部本体21のうち筐体3の前面12に接触する面を、基部本体21の接触面214と呼ぶ。
【0016】
図1、
図2に示すように、基部側ヒンジ部22は、後述する蓋板30を基部20に対して揺動可能に連結するための部位である。基部側ヒンジ部22は、後述する連結部23によって基部本体21から離れて位置する。本実施形態において、基部側ヒンジ部22は、基部本体21の周方向において一方の隙間212(第一隙間212)に対応する位置に配置されている。
図3~
図6に示すように、基部側ヒンジ部22は、基部本体21を筐体3の前面12に配置した状態で、筐体3の前面12と上面13との角部14に位置する。具体的に、基部側ヒンジ部22は、筐体3の前面12側に位置し、かつ、筐体3の上面13よりも上側(Z軸正方向側)に位置する。
【0017】
図1、
図2に示すように、連結部23は、基部本体21と基部側ヒンジ部22とを連結し、基部側ヒンジ部22を基部本体21から離れて位置させる。具体的に、連結部23は、環状とされた基部本体21から概ね基部本体21の径方向外側に延びる。基部側ヒンジ部22は、連結部23の延長方向の先端部に設けられている。本実施形態において、連結部23は、基部本体21の第一隙間212の両側に設けられている。これら2つの連結部23の先端部に、基部側ヒンジ部22がそれぞれ設けられている。
【0018】
上記した連結部23によって基部本体21と基部側ヒンジ部22とが離れて位置することで、これら基部本体21と基部側ヒンジ部22との間には、隙間27(通過用隙間27)が形成されている。通過用隙間27は、後述する蓋板30の第一操作部33が通過する隙間である。本実施形態において、通過用隙間27は、基部本体21の第一隙間212とつながっている。
図4に示すように、通過用隙間27は、基部本体21を筐体3の前面12に配置した状態で、筐体3の上面13よりも上側に位置する。
【0019】
図1、
図2に示すように、2つの係合片24,25は、それぞれ基部本体21の接触面214側に突出しており、互いに間隔をあけて位置する。本実施形態において、2つの係合片24,25は、基部本体21の周方向において2つの隙間212,213に対応する位置に配置されている。また、2つの係合片24,25は、それぞれ基部本体21の隙間212,213の両側を接続している。すなわち、2つの係合片24,25は、周方向において2つに分断された基部本体21を結合している。
本実施形態においては、第一隙間212に対応する位置に配置された第一係合片24が、連結部23から突出している。基部本体21の周方向において基部本体21の他方の隙間213(第二隙間213)に対応する位置に配置された第二係合片25は、基部本体21の接触面214から突出している。なお、これら2つの係合片24,25は、例えば両方とも基部本体21の接触面214から突出してよい。
【0020】
図4に示すように、2つの係合片24,25は、筐体3に係合することで基部本体21を筐体3に保持させる。具体的には、2つの係合片24,25によって筐体3を挟むことで、基部本体21が筐体3に保持される。
【0021】
図6に示すように、基部側係合部26は、蓋板30が筐体3の開口11(すなわち撮影レンズ2)を覆った状態で、後述する蓋板30の蓋板側係合部34が係合する基部20の部位である。本実施形態において、基部側係合部26は、基部本体21の第二隙間213に対応する位置に配置されている。具体的に、基部側係合部26は、第二係合片25に設けられている。なお、基部側係合部26は、例えば基部本体21に設けられてもよい。
【0022】
図3~
図6に示すように、蓋板30は、撮影レンズ2を覆う閉塞位置P1と、撮影レンズ2を開放する開放位置P2との間で、基部20に対して揺動可能に連結されている。
図1、
図2に示すように、蓋板30は、蓋板本体31と、蓋板側ヒンジ部32と、第一操作部33と、蓋板側係合部34と、第二操作部35と、を有する。
【0023】
蓋板本体31は、撮影レンズ2を覆うための板状の部位である。すなわち、蓋板本体31が閉塞位置P1と開放位置P2との間で基部20に対して揺動可能とされている。蓋板本体31は、少なくとも基部本体21の貫通孔211を塞ぐように形成されている。
本実施形態の蓋板本体31は、平面視円形状の貫通孔211を塞ぐ円形板部311を有する。また、蓋板本体31は、円形板部311に対して互いに逆向きに延びる第一帯状板部312及び第二帯状板部313をさらに有する。
【0024】
図5に示すように、円形板部311は、蓋板本体31が閉塞位置P1に配置された状態で、基部本体21の貫通孔211を塞ぐ。第一帯状板部312は、円形板部311が貫通孔211を塞いだ状態で、基部本体21の第一隙間212及び基部本体21と基部側ヒンジ部22との間の通過用隙間27を塞ぐ。第二帯状板部313は、円形板部311が貫通孔211を塞いだ状態で、基部本体21の第二隙間213を塞ぐ。
以下の説明では、
図6に示すように、蓋板本体31が閉塞位置P1に配置された状態で筐体3の開口11(すなわち撮影レンズ2)に対向する蓋板本体31の面を、対向面314と呼ぶ。
【0025】
図1、
図2に示すように、蓋板側ヒンジ部32は、蓋板本体31の縁に設けられている。蓋板側ヒンジ部32は、基部側ヒンジ部22に揺動可能に連結されている。
本実施形態において、蓋板側ヒンジ部32は、蓋板本体31のうち第一帯状板部312の延長方向の先端部に設けられている。また、蓋板側ヒンジ部32は、基部20の2つの基部側ヒンジ部22の間に位置する。基部側ヒンジ部22に対する蓋板側ヒンジ部32の揺動中心をなす蓋板側ヒンジ部32の軸線A1は、2つの帯状板部312,313が並ぶ方向に直交している。このように蓋板側ヒンジ部32が設けられていることで、第二帯状板部313の延長方向の先端部が、蓋板側ヒンジ部32の軸線A1から最も離れた蓋板本体31の先端をなす。
図3~
図6に示すように、蓋板側ヒンジ部32は、基部側ヒンジ部22と同様に、基部20を筐体3の前面12に配置した状態で、筐体3の前面12と上面13との角部14に位置する。
【0026】
図1~
図6に示すように、第一操作部33は、蓋板本体31を揺動させるために操作される蓋板30の部位である。具体的に、第一操作部33は、蓋板本体31を開放位置P2から閉塞位置P1に動かすために操作される部位である。
第一操作部33は、蓋板側ヒンジ部32に隣接して設けられている。本実施形態において、第一操作部33は、蓋板側ヒンジ部32に直接接続されている。
【0027】
また、第一操作部33は、蓋板側ヒンジ部32の軸線A1から蓋板本体31が延びる方向と異なる方向に延びている。本実施形態において、第一操作部33は、蓋板本体31の対向面314側に突出している。具体的に、第一操作部33は、蓋板本体31の対向面314側に突出するように、蓋板本体31が延びる方向に対して90度の角度をなす方向に高さを有する。第一操作部33の大きさは、蓋板本体31の開放位置P2と閉塞位置P1との間の揺動に伴って、筐体3に干渉しないように設定されている。
第一操作部33は、蓋板本体31の開放位置P2と閉塞位置P1との間の揺動に伴って、基部本体21と基部側ヒンジ部22との間の通過用隙間27を通過する。
【0028】
図1、
図2に示すように、蓋板側係合部34は、第二帯状板部313の延長方向の先端部(すなわち蓋板本体31の先端)に設けられている。蓋板側係合部34は、蓋板本体31の対向面314側に突出している。
図6に示すように、蓋板側係合部34は、蓋板本体31が閉塞位置P1に配置された状態で、基部側係合部26に係合する。この状態では、蓋板本体31が閉塞位置P1に保持される。なお、基部側係合部26と蓋板側係合部34とによる蓋板本体31の保持力は、利用者が手指等で蓋板本体31を閉塞位置P1から動かすことができる程度の力である。
【0029】
図5、
図6に示すように、第二操作部35は、第一操作部33と同様に、蓋板本体31を揺動させるために操作される蓋板30の部位である。具体的に、第二操作部35は、蓋板本体31を閉塞位置P1から開放位置P2に動かすために操作される部位である。
図1、
図2に示すように、第二操作部35は、第二帯状板部313の延長方向の先端部(すなわち蓋板本体31の先端)に設けられている。本実施形態において、第二操作部35は、第二帯状板部313の延長方向の先端部から蓋板本体31の延長方向にさらに延びている。なお、第二操作部35は、少なくとも蓋板本体31を閉塞位置P1から開放位置P2に動かすために利用者の手指で操作できるように形成されていればよい。このため、第二操作部35は、例えば、対向面314と反対側に向く蓋板本体31の前面から突出するように形成されてもよい。
【0030】
本実施形態の撮影装置1においては、
図3、
図4に示すように、蓋板本体31が、筐体3の上面13に重ねて配置されることで開放位置P2に位置する。この状態において、第一操作部33は、筐体3の上面13から離れる方向に延びている。具体的に、蓋板本体31が開放位置P2に位置した状態において、第一操作部33は、筐体3の上面13から概ね上方(Z軸正方向)に高さを有する。
【0031】
上記した開放位置P2と閉塞位置P1との間で蓋板本体31を揺動させる際、第一操作部33は、連結部23によって基部本体21と基部側ヒンジ部22との間に形成された通過用隙間27を通過する。このため、基部20に対して蓋板本体31を揺動させる際に、第一操作部33は基部20(特に基部本体21)に干渉しない。
一方、
図5、
図6に示すように、蓋板本体31が閉塞位置P1に位置した状態では、蓋板本体31の対向面314が撮影レンズ2に対向する。この状態において、蓋板本体31の対向面314側に突出する第一操作部33は筐体3に干渉しない。この点について説明すれば、第一操作部33が突出する蓋板側ヒンジ部32は、筐体3の上面13よりも上方に位置している。このため、蓋板本体31が閉塞位置P1に位置していても、第一操作部33が筐体3(例えば前面12)や撮影レンズ2に接触することはない。
【0032】
以上説明したように、本実施形態のレンズキャップ4では、第一操作部33が蓋板側ヒンジ部32に隣接して設けられている。ここで、蓋板側ヒンジ部32(基部側ヒンジ部22)は、蓋板本体31の位置(閉塞位置P1及び開放位置P2)に関わらず常に同じ場所に位置する。このため、蓋板側ヒンジ部32(基部側ヒンジ部22)が利用者の手が届く位置に配置されることで、第一操作部33を利用者の手が届く位置に配置することができる。これにより、開放位置P2に配置された蓋板本体31(特に先端部)に利用者の手が届きにくい位置に配されていても、利用者が第一操作部33を操作することで、蓋板本体31の開放位置P2から閉塞位置P1への移動を簡単に開始させることができる。
すなわち、利用者は撮影レンズ2を簡単に閉じることができる。
以下、上記の効果について、本実施形態の撮影装置1を例に挙げて具体的に説明する。
【0033】
本実施形態の撮影装置1では、筐体3に取り付けられたレンズキャップ4の蓋板本体31が、開放位置P2に位置した状態で、筐体3の上面13に配置される。このため、撮影装置1を高い位置に配置した場合、筐体3の上面13及び上面13に配置された蓋板本体31には、筐体3の前面12側に居る利用者の手が届きにくい。
例えば、
図7に示すように、テレビ会議など映像や画像を使った双方向通信を行うために、相手側の映像や画像を表示する表示面51を有する表示装置5の上に撮影装置1を配置することがある。この構成において、撮影装置1は、筐体3の前面12(撮影レンズ2)が表示装置5の表示面51側に向くように配置される。表示装置5のサイズが大きい場合には、撮影装置1が高くに位置するため、開放位置P2に位置した蓋板本体31には、表示装置5の表示面51側に居る利用者Uの手が届きにくい。
【0034】
これに対して、蓋板側ヒンジ部32は、筐体3の前面12と上面13との角部14に配置される。このため、蓋板側ヒンジ部32に隣接して設けられる第一操作部33は、筐体3の前面12と上面13との角部14あるいは当該角部14の近傍に配置される。また、第一操作部33は、蓋板本体31が開放位置P2に位置した状態で筐体3の上面13から離れる方向に高さを有する。このため、蓋板本体31が開放位置P2に位置した状態でも、(蓋板本体31を下側から操作する)利用者の手が第一操作部33に届きやすく、蓋板本体31を操作しやすい。これにより、利用者の手が開放位置P2に配置された蓋板本体31(特に先端部)に届かない、あるいは届きにくくても、利用者は第一操作部33を操作することで、蓋板本体31を簡単に開放位置P2から閉塞位置P1に向けて移動させることができる。すなわち、利用者は撮影レンズ2を簡単に閉じることができる。
【0035】
また、本実施形態のレンズキャップ4では、第一操作部33が、蓋板側ヒンジ部32の軸線A1から蓋板本体31が延びる方向と異なる方向に延びている。これにより、利用者の手でより操作しやすい位置に第一操作部33を配置することができる。
【0036】
また、本実施形態のレンズキャップ4では、第一操作部33が、蓋板本体31の対向面314側に突出している。これにより、蓋板本体31が開放位置P2に配置された状態で、利用者が手指で第一操作部33を筐体3の前側(利用者側)に動かすだけで、蓋板本体31の開放位置P2から閉塞位置P1への移動を簡単に開始させることができる。
【0037】
さらに、本実施形態のレンズキャップ4では、蓋板本体31と蓋板本体31の対向面314側に突出する第一操作部33とがなす角度が、90度となっている。これにより、蓋板本体31が開放位置P2に配置された状態で、利用者が手指で第一操作部33を筐体3の前側(利用者側)に動かす力が小さくても、蓋板本体31の開放位置P2から閉塞位置P1への移動を簡単に開始させることができる。
また、蓋板本体31を開放位置P2から閉塞位置P1まで回動させる際、利用者は、少なくとも蓋板本体31が開放位置P2から蓋板側ヒンジ部32上において鉛直に起立する位置よりも微小に閉塞位置P1側まで回動するように、第一操作部33を操作すればよい。このような位置に蓋板本体31が位置した状態においては、蓋板本体31が自重によって閉塞位置P1に向けて回動する。すなわち、利用者は蓋板本体31が開放位置P2から閉塞位置P1に至る途中の位置まで回動させるだけで、蓋板本体31を閉塞位置P1に到達させることができる。
【0038】
また、本実施形態のレンズキャップ4では、第一操作部33が、蓋板側ヒンジ部32に直接接続されている。これにより、第一操作部33が蓋板本体31に直接接続されている場合と比較して、利用者の手がより届きやすい位置に第一操作部33を配置することができる。
【0039】
また、本実施形態のレンズキャップ4では、基部本体21と基部側ヒンジ部22とを連結する連結部23が、基部側ヒンジ部22を基部本体21から離れて位置させることで、基部本体21と基部側ヒンジ部22との間に、蓋板本体31の開放位置P2と閉塞位置P1と間の揺動に伴って第一操作部33が通過可能な通過用隙間27が形成されている。これにより、基部20に対する蓋板本体31の揺動に伴って第一操作部33が基部20(特に基部本体21)と干渉することを防止することができる。
【0040】
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0041】
本発明において、蓋板本体31と第一操作部33とがなす角度は、90度に限らず、少なくとも0度よりも大きく180度以下であればよい。蓋板本体31と第一操作部33とがなす角度が0度よりも大きく180度よりも小さい場合、第一操作部33は、少なくとも蓋板本体31の対向面314側に突出していればよい。
【0042】
蓋板本体31と第一操作部33とが180度の角度をなすことは、蓋板本体31と第一操作部33とが、蓋板側ヒンジ部32から互いに逆向きに延びることを意味する。蓋板本体31と第一操作部33とが180度の角度をなす場合、蓋板本体31を開放位置P2に配置した状態では、第一操作部33が筐体3の前面12から突出するように位置する。すなわち、第一操作部33が筐体3の上面13(隣接面13)から離れる方向に延びる。このため、蓋板本体31が開放位置P2に位置した状態でも、利用者の手が第一操作部33に届きやすく、操作しやすい。これにより、上記実施形態と同様の効果を奏する。
【0043】
本発明において、第一操作部33は、例えば、蓋板本体31のうち蓋板側ヒンジ部32の近くの部位に接続されてもよい。蓋板本体31のうち蓋板側ヒンジ部32の近くの部位は、例えば、蓋板側ヒンジ部32の軸線A1から離れる方向における蓋板本体31の長さを基準として、蓋板側ヒンジ部32の軸線A1から蓋板本体31の長さの半分~1/3までの部位に設けられてよい。このような構成であっても、蓋板本体31が開放位置P2に配置された状態において、第一操作部33は利用者の手が届きやすい位置に配置される。したがって、上記実施形態と同様の効果を奏する。
【0044】
なお、第一操作部33が蓋板本体31の対向面314から突出するように配置される場合、蓋板本体31を閉塞位置P1に配置した状態では、第一操作部33が蓋板本体31から撮影レンズ2や筐体3の前面12に向けて延びる。このため、第一操作部33が撮影レンズ2に触れないように、また、筐体3の前面12に押し付けられないようにすることが好ましい。具体的には、例えば、第一操作部33の突出長さが、第一操作部33が撮影レンズ2や筐体3の前面12に接触しない程度の長さに設定されるとよい。また、例えば、撮影レンズ2が、第一操作部33に接触しないように筐体3の前面12から窪んで位置するとよい。
【0045】
本発明において、レンズキャップ4の基部20は、上記実施形態のように筐体3に取り付けられることに限らず、例えば筐体3に一体に形成されてもよい。この場合、基部20は、例えば2つの係合片24,25を含まなくてもよい。
【符号の説明】
【0046】
1…撮影装置、2…撮影レンズ、3…筐体、4…レンズキャップ、11…開口、12…前面、13…上面(隣接面)、14…角部、20…基部、21…基部本体、22…基部側ヒンジ部、23…連結部、27…通過用隙間(隙間)、30…蓋板、31…蓋板本体、314…対向面、32…蓋板側ヒンジ部、33…第一操作部(操作部)、P1…閉塞位置、P2…開放位置