(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024033140
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20240306BHJP
F21V 9/32 20180101ALI20240306BHJP
F21V 9/20 20180101ALI20240306BHJP
F21V 5/04 20060101ALI20240306BHJP
F21V 29/502 20150101ALI20240306BHJP
F21V 29/76 20150101ALI20240306BHJP
F21V 29/503 20150101ALI20240306BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240306BHJP
F21Y 115/30 20160101ALN20240306BHJP
【FI】
F21S2/00 340
F21V9/32
F21V9/20
F21V5/04 250
F21V29/502 100
F21V29/76
F21V29/503
F21Y115:10
F21Y115:30
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022136554
(22)【出願日】2022-08-30
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(74)【代理人】
【識別番号】100156177
【弁理士】
【氏名又は名称】池見 智治
(74)【代理人】
【識別番号】100130166
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 宏明
(72)【発明者】
【氏名】明石 朋義
(57)【要約】
【課題】照明装置の小型化を図る。
【解決手段】照明装置は、筐体、光源、第1ベース部、波長変換部、第2ベース部、フィルタおよび1つ以上の第1レンズを備えている。筐体は、第1開口および該第1開口の逆側の第2開口を有する。光源は、励起光を出射する。第1ベース部は、光源が固定されており且つ筐体に固定された状態にある。波長変換部は、励起光の照射に応じて蛍光を発する。第2ベース部は、波長変換部が固定されており且つ筐体に固定された状態にある。フィルタは、筐体の内部空間に位置し、光源からの励起光を波長変換部に向けて反射し、波長変換部からの蛍光を第1開口に向けて透過させる。1つ以上の第1レンズは、内部空間に位置している。第1開口から第2開口に向かう第1方向において、第1開口から第1ベース部のうちの光源が固定された部分までの距離は、第1開口から第2ベース部のうちの波長変換部が固定された部分までの距離以上である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1開口および該第1開口とは逆側に位置している第2開口を有する筒状の筐体と、
励起光を出射する光源と、
該光源が固定されており且つ前記筐体に固定された状態にある第1ベース部と、
前記光源からの前記励起光の照射に応じて前記励起光とは異なる波長スペクトルを有する蛍光を発する波長変換部と、
該波長変換部が固定されており且つ前記筐体に固定された状態にある第2ベース部と、
前記筐体の内部空間に位置しており、前記光源からの前記励起光を前記波長変換部に向けて反射するとともに前記波長変換部からの前記蛍光を前記第1開口に向けて透過させる波長分離フィルタと、
前記内部空間に位置している1つ以上の第1レンズと、を備え、
前記波長変換部は、前記内部空間のうちの前記第2開口側の第1領域、前記内部空間を基準として前記第1開口から前記第2開口に向かう第1方向の側に位置している第2領域、および前記第1領域と前記第2領域とに跨がった第3領域、の何れか1つの領域に位置しており、
前記1つ以上の第1レンズは、前記波長変換部から前記第1開口に至る前記蛍光の光路上に位置しており、
前記第1方向において、前記第1開口から前記第1ベース部のうちの前記光源が固定された第1部分までの第1距離は、前記第1開口から前記第2ベース部のうちの前記波長変換部が固定された第2部分までの第2距離以上である、照明装置。
【請求項2】
第1開口および該第1開口とは逆側に位置している第2開口を有する筒状の筐体と、
励起光を出射する光源と、
該光源が固定されており且つ前記筐体に固定された状態にある第1ベース部と、
前記光源からの前記励起光の照射に応じて前記励起光とは異なる波長スペクトルを有する蛍光を発する波長変換部と、
該波長変換部が固定されており且つ前記筐体に固定された状態にある第2ベース部と、
前記筐体の内部空間に位置しており、前記光源からの前記励起光を前記波長変換部に向けて反射するとともに前記波長変換部からの前記蛍光を前記第1開口に向けて透過させる波長分離フィルタと、
前記内部空間に位置している1つ以上の第1レンズと、を備え、
前記波長変換部は、前記内部空間のうちの前記第2開口側の第1領域、前記内部空間を基準として前記第1開口から前記第2開口に向かう第1方向の側に位置している第2領域、および前記第1領域と前記第2領域とに跨がった第3領域、の何れか1つの領域に位置しており、
前記1つ以上の第1レンズは、前記波長変換部から前記第1開口に至る前記蛍光の光路上に位置しており、
前記筐体は、前記第1開口を有する第1端部と、該第1端部とは逆側において前記第2開口を有する第2端部と、を含み、
前記第1ベース部および前記第2ベース部のそれぞれが、前記筐体のうちの前記第2端部側の部分に固定された状態にある、照明装置。
【請求項3】
請求項2に記載の照明装置であって、
前記第1方向において、前記第1開口から前記第1ベース部のうちの前記光源が固定された第1部分までの第1距離は、前記第1開口から前記第2ベース部のうちの前記波長変換部が固定された第2部分までの第2距離以上である、照明装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3の何れか1つの請求項に記載の照明装置であって、
前記1つ以上の第1レンズは、前記波長変換部と前記波長分離フィルタとの間に位置している第1Aレンズを含む、照明装置。
【請求項5】
請求項4に記載の照明装置であって、
前記第1Aレンズは、前記光源から前記波長分離フィルタに向かう前記励起光の光路上に位置しておらず、前記波長分離フィルタから前記波長変換部に向かう前記励起光の光路上に位置している、照明装置。
【請求項6】
請求項1から請求項3の何れか1つの請求項に記載の照明装置であって、
前記1つ以上の第1レンズは、平坦な第1面と凸状の第2面とを有する平凸レンズを含み、
前記波長分離フィルタは、前記第1面上に位置している、照明装置。
【請求項7】
請求項1から請求項3の何れか1つの請求項に記載の照明装置であって、
前記第1ベース部と前記第2ベース部とを含むベース部材、を備えている、照明装置。
【請求項8】
請求項7に記載の照明装置であって、
前記ベース部材は、前記第1ベース部と前記第2ベース部との間に位置しており且つ前記第1ベース部および前記第2ベース部の何れよりも低い熱伝導率を有する断熱部を含む、照明装置。
【請求項9】
請求項1から請求項3の何れか1つの請求項に記載の照明装置であって、
前記第1ベース部および前記第2ベース部のそれぞれに固定された状態にあり且つ複数の突起部分を有する放熱部材、を備えている、照明装置。
【請求項10】
請求項1から請求項3の何れか1つの請求項に記載の照明装置であって、
前記第1ベース部と前記第2ベース部とが、空間を介して離れて位置している、照明装置。
【請求項11】
請求項1から請求項3の何れか1つの請求項に記載の照明装置であって、
前記光源は、前記筐体の外部の空間のうちの前記第2領域とは異なる第4領域に位置しており、
前記筐体は、前記光源から前記波長分離フィルタに向かう前記励起光が通過する第3開口をさらに有しており、
前記照明装置は、前記光源から前記第3開口に至る前記励起光の光路上に位置している1つ以上の第2レンズを、さらに備えている、照明装置。
【請求項12】
請求項10に記載の照明装置であって、
前記第1方向において、前記光源は、前記波長変換部よりも前記第1開口から離れて位置しており、
前記照明装置は、前記波長変換部から前記波長分離フィルタに向かう前記蛍光の光路上に位置しておらず、且つ前記光源から前記波長分離フィルタに向かう前記励起光の光路上に位置している1つ以上の第2レンズを、さらに備えている、照明装置。
【請求項13】
請求項12に記載の照明装置であって、
前記1つ以上の第1レンズの光軸に対する前記波長変換部の位置を調整する位置調整機構、を備えている、照明装置。
【請求項14】
請求項8に記載の照明装置であって、
複数の突起部分を有する第1放熱部材と、
前記第2ベース部に固定された状態にあり且つ複数の突起部分を有する第2放熱部材と、を備え、
前記第1放熱部材は、前記第1ベース部に固定された状態にあるか、あるいは前記第1ベース部を含む、照明装置。
【請求項15】
請求項1から請求項3の何れか1つの請求項に記載の照明装置であって、
前記光源は、前記第1領域、前記第2領域および前記第3領域の何れか1つの領域に位置している、照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ダイクロイックミラーなどによる光の透過および反射などを利用して、青色の励起光の照射に応じて蛍光体が発する蛍光と、この蛍光とは異なる波長を有する青色などの光と、を合成し、対象物または対象空間に投光する照明装置がある(例えば、特許文献1~3の記載を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2012/053057号
【特許文献2】特開2014-160178号公報
【特許文献3】特開2014-170749号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
照明装置については、小型化を図る点で改善の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
照明装置が開示される。
【0006】
照明装置の一態様は、筒状の筐体、光源、第1ベース部、波長変換部、第2ベース部、波長分離フィルタおよび1つ以上の第1レンズを備えている。前記筒状の筐体は、第1開口および該第1開口とは逆側に位置している第2開口を有する。前記光源は、励起光を出射する。前記第1ベース部は、前記光源が固定されており且つ前記筐体に固定された状態にある。前記波長変換部は、前記光源からの前記励起光の照射に応じて前記励起光とは異なる波長スペクトルを有する蛍光を発する。前記第2ベース部は、前記波長変換部が固定されており且つ前記筐体に固定された状態にある。前記波長分離フィルタは、前記筐体の内部空間に位置しており、前記光源からの前記励起光を前記波長変換部に向けて反射するとともに前記波長変換部からの前記蛍光を前記第1開口に向けて透過させる。前記1つ以上の第1レンズは、前記内部空間に位置している。前記波長変換部は、前記内部空間のうちの前記第2開口側の第1領域、前記内部空間を基準として前記第1開口から前記第2開口に向かう第1方向の側に位置している第2領域、および前記第1領域と前記第2領域とに跨がった第3領域、の何れか1つの領域に位置している。前記1つ以上の第1レンズは、前記波長変換部から前記第1開口に至る前記蛍光の光路上に位置している。前記第1方向において、前記第1開口から前記第1ベース部のうちの前記光源が固定された第1部分までの第1距離は、前記第1開口から前記第2ベース部のうちの前記波長変換部が固定された第2部分までの第2距離以上である。
【0007】
照明装置の一態様は、筒状の筐体、光源、第1ベース部、波長変換部、第2ベース部、波長分離フィルタおよび1つ以上の第1レンズを備えている。前記筒状の筐体は、第1開口および該第1開口とは逆側に位置している第2開口を有する。前記光源は、励起光を出射する。前記第1ベース部は、前記光源が固定されており且つ前記筐体に固定された状態にある。前記波長変換部は、前記光源からの前記励起光の照射に応じて前記励起光とは異なる波長スペクトルを有する蛍光を発する。前記第2ベース部は、前記波長変換部が固定されており且つ前記筐体に固定された状態にある。前記波長分離フィルタは、前記筐体の内部空間に位置しており、前記光源からの前記励起光を前記波長変換部に向けて反射するとともに前記波長変換部からの前記蛍光を前記第1開口に向けて透過させる。前記1つ以上の第1レンズは、前記内部空間に位置している。前記波長変換部は、前記内部空間のうちの前記第2開口側の第1領域、前記内部空間を基準として前記第1開口から前記第2開口に向かう第1方向の側に位置している第2領域、および前記第1領域と前記第2領域とに跨がった第3領域、の何れか1つの領域に位置している。前記1つ以上の第1レンズは、前記波長変換部から前記第1開口に至る前記蛍光の光路上に位置している。前記筐体は、前記第1開口を有する第1端部と、該第1端部とは逆側において前記第2開口を有する第2端部と、を含む。前記第1ベース部および前記第2ベース部のそれぞれが、前記筐体のうちの前記第2端部側の部分に固定された状態にある。
【発明の効果】
【0008】
照明装置の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る照明装置の構成の一例を概略的に示す断面図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る照明装置における光路の一例を概略的に示す断面図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る照明装置の波長分離フィルタの一具体例における光の波長毎の入射角度と反射率との関係を示すグラフである。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係る照明装置の波長分離フィルタの一具体例における光の入射角度が0度である場合の光の波長と反射率との関係を示すグラフである。
【
図5】
図5は、一参考例に係る照明装置の構成を概略的に示す断面図である。
【
図6】
図6は、一参考例に係る照明装置の波長分離フィルタの一例におけるS偏光についての波長毎の入射角度と反射率との関係を示すグラフである。
【
図7】
図7は、一参考例に係る照明装置の波長分離フィルタの一例におけるS偏光とP偏光との合成光についての波長毎の入射角度と反射率との関係を示すグラフである。
【
図8】
図8は、一参考例に係る照明装置の波長分離フィルタの一例におけるS偏光およびP偏光についての入射角度が45度である場合の波長と反射率との関係を示すグラフである。
【
図9】
図9は、第2実施形態に係る照明装置の構成の一例を概略的に示す断面図である。
【
図10】
図10は、第3実施形態に係る照明装置の構成の一例を概略的に示す断面図である。
【
図11】
図11は、第4実施形態に係る照明装置の構成の一例を概略的に示す断面図である。
【
図12】
図12は、第5実施形態に係る照明装置の構成の一例を概略的に示す断面図である。
【
図13】
図13は、第6実施形態に係る照明装置の構成の第1例を概略的に示す断面図である。
【
図14】
図14は、第6実施形態に係る照明装置の構成の第2例を概略的に示す断面図である。
【
図15】
図15は、第7実施形態に係る照明装置の構成の第1例を概略的に示す断面図である。
【
図16】
図16は、第7実施形態に係る照明装置の構成の第2例を概略的に示す断面図である。
【
図17】
図17は、第7実施形態に係る照明装置の構成の第3例を概略的に示す断面図である。
【
図18】
図18は、第7実施形態に係る照明装置の構成の第4例を概略的に示す断面図である。
【
図19】
図19は、第8実施形態に係る照明装置の構成の一例を概略的に示す断面図である。
【
図20】
図20は、第8実施形態に係る位置調整機構の一例を概略的に示す断面図である。
【
図21】
図21は、第9実施形態に係る照明装置の構成の一例を概略的に示す断面図である。
【
図22】
図22は、第10実施形態に係る照明装置の構成の第1例を概略的に示す断面図である。
【
図23】
図23は、第10実施形態に係る照明装置の構成の第2例を概略的に示す断面図である。
【
図24】
図24は、第11実施形態に係る照明装置の構成の第1例を概略的に示す断面図である。
【
図25】
図25は、第11実施形態に係る照明装置の構成の第2例を概略的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ダイクロイックミラーなどによる光の透過および反射などを利用して、青色の励起光の照射に応じて蛍光体が発する蛍光と、この蛍光とは異なる波長を有する青色などの光と、を合成し、対象物または対象空間に対して投光する照明装置がある。
【0011】
この照明装置については、小型化を図る点で改善の余地がある。
【0012】
そこで、本開示の発明者は、照明装置について、小型化を図ることができる技術を創出した。
【0013】
これについて、以下、各種の実施形態に係る照明装置について、図面を参照しつつ説明する。
【0014】
図面においては同一もしくは類似の構成または機能を有する部分に同じ符号が付されており、下記説明では重複説明が省略される。図面は模式的に示されたものである。
図1、
図2、
図5および
図9から
図25には、右手系のXYZ座標系が付されている。このXYZ座標系では、照明装置1または照明装置901から光が出射される一つの方向が-Z方向とされており、-Z方向に垂直である一つの方向が+X方向とされており、-Z方向および+X方向の両方に垂直である一つの方向が+Y方向とされている。
【0015】
<1.第1実施形態>
第1実施形態に係る照明装置1について、
図1から
図4を参照しつつ説明する。
【0016】
図1は、第1実施形態に係る照明装置1の構成の一例を概略的に示す断面図である。
図2は、第1実施形態に係る照明装置1における光の経路(光路ともいう)の一例を概略的に示す断面図である。
図1および
図2では、後述の第1中心線Cn1、第2中心線Cn2および第1光軸Ax1を含む断面における照明装置1の構成の一例が示されている。
【0017】
図2で示されるように、照明装置1は、照明光としての蛍光L1を照明空間S1に出射することができる装置である。
図2の例では、蛍光L1の外縁の一例が細い2点鎖線で模式的に示されている。照明空間S1は、例えば、建築物の室内空間である。照明装置1は、例えば、照明空間S1の上方に位置している天井部に配置される。
【0018】
図1および
図2で示されるように、照明装置1は、筐体2と、光源3と、第1ベース部41と、波長変換部5と、第2ベース部42と、波長分離フィルタ62と、1つ以上の第1レンズ7と、を備えている。また、第1実施形態では、照明装置1は、保持機構8と、開口部材9と、放熱部材10と、を備えている。
【0019】
<1-1.筐体>
筐体2は、例えば、波長分離フィルタ62および1つ以上の第1レンズ7を収容している部分である。筐体2は、筒状の部材(筐筒ともいう)である。筐体2は、内部空間2sを有する。内部空間2sは、筐体2の内面で囲まれた空間である。
【0020】
筐体2は、第1開口2aおよび第2開口2bを有する。第2開口2bは、第1開口2aとは逆側に位置している。換言すれば、筐体2では、第1開口2aと第2開口2bとが内部空間2sを挟んで位置している。第1開口2aおよび第2開口2bのそれぞれは、例えば、筐体2の外部Ex1に開口している。
【0021】
筐体2は、例えば、第1方向としての+Z方向に沿った中空の空間を有していてよい。筐体2は、例えば、第1方向としての+Z方向に沿った長手方向を有していてよい。この筐体2には、例えば、第1方向としての+Z方向に沿った長手方向を有する直線状(I型状ともいう)の筒状の部材が適用される。例えば、筐体2には、円柱状の中空の空間を有する円筒状の部材、楕円柱状の中空の空間を有する楕円筒状の部材および角柱状の中空の空間を有する角筒状の部材のうちの何れの部材が適用されてもよい。
図1および
図2の例では、筐体2は、円筒状の部材である。
【0022】
筐体2は、例えば、長手方向の両端において、第1端部E1と第2端部E2とを有する。換言すれば、筐体2は、例えば、第1端部E1と、この第1端部E1とは逆側に位置している第2端部E2と、を含む。第1端部E1は、筐体2のうちの第1方向としての+Z方向とは逆の第2方向としての-Z方向の側の端に位置している部分である。第2端部E2は、筐体2のうちの第1方向としての+Z方向の側の端に位置している部分である。筐体2は、例えば、1つの部材で構成されていてもよいし、2つ以上の部材が連結、接着または接合などで一体化された構造を有していてもよい。
【0023】
第1開口2aは、例えば、筐体2のうちの第1端部E1に位置している。換言すれば、第1端部E1は、例えば、第1開口2aを有する。ここでは、第1開口2aは、例えば、第1端部E1の内周面によって構成されている。
図1および
図2の例では、第1開口2aは、筐体2のうちの第2方向としての-Z方向の端において第2方向としての-Z方向に開口している。第1開口2aの断面の形状は、例えば、円形状であってよい。第1開口2aの断面の形状は、1つ以上の第1レンズ7の光軸(第1光軸ともいう)Ax1に沿った方向に垂直な第1開口2aの断面の形状であってよい。第1開口2aの断面の形状は、円形状に限られず、多角形状または楕円形状などの他の形状であってもよい。
【0024】
第2開口2bは、例えば、筐体2のうちの第2端部E2に位置している。換言すれば、第2端部E2は、例えば、第2開口2bを有する。さらに換言すれば、筐体2は、第1開口2aを有する第1端部E1と、この第1端部E1とは逆側において第2開口2bを有する第2端部E2と、を含む。ここでは、第2開口2bは、例えば、第2端部E2の内周面によって構成されている。
図1および
図2の例では、第2開口2bは、筐体2のうちの第1方向としての+Z方向の端において第1方向としての+Z方向に開口している。第2開口2bの断面の形状は、例えば、円形状であってよい。第2開口2bの断面の形状は、第1光軸Ax1に沿った方向に垂直な第2開口2bの断面の形状であってよい。第2開口2bの断面の形状は、円形状に限られず、多角形状または楕円形状などの他の形状であってもよい。
【0025】
筐体2の素材に、例えば、アルミニウム合金が適用されれば、照明装置1の軽量化および剛性の向上などが図られ得る。筐体2の素材は、アルミニウム合金に限られず、例えば、合成樹脂などのその他の素材であってもよい。
【0026】
<1-2.光源>
光源3は、励起光L0を出射することができる。
図2では、励起光L0の外縁の一例が細い破線で模式的に示されている。
図1および
図2では、第1中心線Cn1の一例および第2中心線Cn2の一例のそれぞれが細い一点鎖線で模式的に示されている。第1中心線Cn1は、光源3から出射される励起光L0の光線束の中心を通る仮想的な線である。光源3から出射される励起光L0の第1中心線Cn1に垂直な断面は、例えば、第1中心線Cn1を中心とした円形もしくは楕円形の形状を有していてよい。第2中心線Cn2は、後述する波長分離フィルタ62で反射された励起光L0の光束線の中心を通る仮想的な線である。別の観点から言えば、第2中心線Cn2は、後述する波長分離フィルタ62の法線62nを対称の軸として第1中心線Cn1を反転させた線である。換言すれば、第1中心線Cn1と第2中心線Cn2とは、後述する波長分離フィルタ62の法線62nを基準とした線対称の関係を有する。波長分離フィルタ62から波長変換部5に向かう励起光L0の第2中心線Cn2に垂直な断面は、例えば、第2中心線Cn2を中心とした円形もしくは楕円形の形状を有していてよい。なお、励起光L0は、例えば、この励起光L0の進行方向において光線束が中心線(例えば、第1中心線Cn1)を中心に広がる形で光源3から出射されてよい。励起光L0の光線束が進行方向において広がる角度(広がり角ともいう)は、例えば、中心線を中心として10度から30度程度であってもよい。換言すれば、励起光L0は、例えば、中心線を中心に10°~30°程度の広がりを有していてもよい。
【0027】
光源3は、励起光L0を出射する出射部(例えば、出射面)3eを有する。励起光L0としては、例えば、380nmから415nmまでの波長の範囲内に光の強度が最大となる波長(第1ピーク波長ともいう)を有する光が採用される。また、励起光L0の半値幅は、例えば、約15nmから35nmに設定される。半値幅は、第1ピーク波長を中心とした光の強度が最大値の半分以上である波長の範囲の幅である。励起光L0の具体的な一例として、第1ピーク波長が約405nmである紫色の光が採用される。この一例では、半値幅は、例えば、約20nmに設定される。なお、光源3がレーザーダイオード(laser diode:LD)である場合、半値幅は、例えば、1nm程度であってもよい。
【0028】
光源3としては、例えば、レーザーダイオード(LD)などの半導体レーザー素子、垂直共振器型面発光レーザー(Vertical Cavity Surface Emitting LASER:VCSEL)、発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)またはスーパールミネッセントダイオード(Super Luminescent Diode:SLD)などの発光素子が採用される。光源3は、例えば、金属の部材に発光素子が固定された構造を有していてよい。出射部3eには、例えば、発光素子の出射端が適用される。この発光素子には、例えば、405nmの紫色のレーザー光を励起光L0として放出する窒化ガリウム(GaN)系の半導体レーザーが適用され得る。
【0029】
光源3は、例えば、筐体2の内部空間2sのうちの第2開口2b側の領域(第1領域ともいう)A1に位置している。ここで、第1領域A1は、例えば、内部空間2sを第1方向として+Z方向において仮想的にn個(nは3以上の自然数)の領域に等分割した場合に、n個の領域のうちの最も第2開口2bの近くに位置している領域であってよい。自然数nは、例えば、3から5の自然数であってもよいし、6から8の自然数であってもよいし、9以上の自然数であってよい。第1実施形態では、光源3は、筐体2の内部空間2sに対して露出している状態で位置している。
図1および
図2の例では、光源3は、第2方向としての-Z方向に向かって内部空間2sに対して露出している。ここで、内部空間2sに対して露出している状態は、内部空間2sに対して光を射出することができる状態を含む。
【0030】
<1-3.第1ベース部>
第1ベース部41は、光源3が固定された部分である。また、この第1ベース部41は、筐体2に固定された状態にある。別の観点から言えば、第1ベース部41は、光源3が固定された部分(第1部分ともいう)41fを有する。
【0031】
第1ベース部41には、例えば、板状の部分が適用される。光源3は、例えば、第1ベース部41のうちの第2方向としての-Z方向に向いた面に固定された状態にある。光源3は、例えば、第1ベース部41に対して、接着、はめ込み、接合または締結などによって固定されていてよい。光源3は、例えば、第1ベース部41のうちの第2方向としての-Z方向の側において第1方向としての+Z方向に凹んだ部分(第1凹部ともいう)に嵌め込まれた状態で位置していてもよい。この場合には、第1部分41fには、第1凹部が適用される。光源3は、第1ベース部41に対して直接固定されていてもよいし、第1ベース部41に対して別の1つ以上の部材などを介して固定されていてもよい。
【0032】
第1ベース部41は、例えば、筐体2のうちの第2端部E2側の部分に固定された状態にある。ここでは、例えば、第1ベース部41は、筐体2のうちの第2開口2bを構成している部分に固定されていてもよいし、筐体2のうちの第2端部E2に固定されていてもよい。第1ベース部41は、例えば、筐体2に対して、接着、はめ込み、接合または締結などによって固定されていてよい。第1ベース部41は、筐体2に対して直接固定されていてもよいし、筐体2に対して別の1つ以上の部材などを介して固定されていてもよい。
【0033】
ここで、第1ベース部41の素材が、熱伝導率が高い素材であれば、第1ベース部41によって光源3から熱が放散する速度を増加させることができる。この場合には、第1ベース部41が、いわゆるヒートシンクとしての機能を果たし得る。これにより、光源3が熱によって劣化する程度が低減され得る。例えば、第1ベース部41の素材には、熱伝導率が高い金属材料などが適用される。この金属材料には、例えば、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、金(Au)、銀(Ag)、鉄(Fe)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、ベリリウム(Be)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)または合金などが適用される。
【0034】
<1-4.波長変換部>
波長変換部5は、例えば、筐体2の内部空間2sのうちの第2開口2b側の第1領域A1に位置している。波長変換部5は、筐体2の内部空間2sに対して露出している状態で位置している。
図1および
図2の例では、波長変換部5は、第2方向としての-Z方向に向かって内部空間2sに対して露出している表面を有する。ここで、内部空間2sに対して露出している状態は、内部空間2sからの光が照射され得る状態を含む。
【0035】
波長変換部5は、光源3からの励起光L0の照射に応じて励起光L0とは異なる波長スペクトルを有する蛍光L1を発することができる。ここで、蛍光L1の光線束の中心を通る仮想的な線は、第1光軸Ax1に沿った線であってよい。
【0036】
波長変換部5は、蛍光体を含む。例えば、蛍光L1において強度が極大値を示す波長は、励起光L0の第1ピーク波長よりも大きい。蛍光L1は、可視光であってよい。波長変換部5は、例えば、板状または膜状の形状を有する。波長変換部5の厚さ方向は、例えば、第1光軸Ax1に沿った方向に設定されている。
【0037】
波長変換部5は、励起光L0を青色の光に変換する波長変換材料(蛍光材料ともいう)として、例えば、BaMgAl10O17:Eu、または(Sr,Ca,Ba)10(PO4)6Cl2:Eu,(Sr,Ba)10(PO4)6Cl2:Euなどを含んでいてよい。波長変換部5は、励起光L0を青緑色の光に変換する波長変換材料として、例えば、(Sr,Ba,Ca)5(PO4)3Cl:Eu,Sr4Al14O25:Euなどを含んでいてよい。波長変換部5は、励起光L0を緑色の光に変換する波長変換材料として、例えば、SrSi2(O,Cl)2N2:Eu、(Sr,Ba,Mg)2SiO4:Eu2+、またはZnS:Cu,Al、Zn2SiO4:Mnなどを含んでいてよい。波長変換部5は、励起光L0を赤色の光に変換する波長変換材料として、例えば、Y2O2S:Eu、Y2O3:Eu、SrCaClAlSiN3:Eu2+、CaAlSiN3:Eu、またはCaAlSi(ON)3:Euなどを含んでいてよい。波長変換部5は、励起光L0を近赤外領域の波長を有する光に変換する波長変換材料として、3Ga5O12:Crなどを含んでいてよい。波長変換部5が、複数色の光に対応した複数種類の波長変換材料を含んでいれば、波長変換部5は、演色性の高い蛍光L1を発することができる。具体的には、例えば、励起光L0が380nmから415nmの範囲に第1ピーク波長を有する光であって、波長変換部5が、赤、緑、青の3色の光の成分を含む蛍光L1を発する場合は、蛍光L1の演色性を高めることができる。青色の蛍光としては、例えば、430nmから490nmまでの波長の範囲内に強度のピークを持つ光が採用される。青色の蛍光の具体的な一例として、約450nmにおいて強度が最大となる波長(第2ピーク波長ともいう)を有する青色の光が採用される。また、波長変換部5は、蛍光体の微粒子どうしを連結するためのバインダなどの樹脂を含んでいてもよい。
【0038】
<1-5.第2ベース部>
第2ベース部42は、波長変換部5が固定された部分である。また、この第2ベース部42は、筐体2に固定された状態にある。別の観点から言えば、第2ベース部42は、波長変換部5が固定された部分(第2部分ともいう)42fを有する。
【0039】
ここで、第1方向としての+Z方向において、第1開口2aから第1ベース部41のうちの光源3が固定された第1部分41fまでの距離を第1距離D1とする。また、第1方向としての+Z方向において、第1開口2aから第2ベース部42のうちの波長変換部5が固定された第2部分42fまでの距離を第2距離D2とする。この場合に、第1距離D1が、第2距離D2以上であれば、筐体2の同じ方向の側である第1方向としての+Z方向の側に光源3および波長変換部5を配置することができる。これにより、照明装置1の小型化を図ることができる。
【0040】
例えば、第1実施形態に係る照明装置1によれば、
図5で示されるように筒状の筐体902の異なる方向に光源3と波長変換部5とが配置された一参考例に係る照明装置901と比較して、照明装置1の小型化を図ることができる。
図5は、一参考例に係る照明装置901の構成を概略的に示す断面図である。照明装置901では、筐体902は、第1方向としての+X方向に沿った長手方向を有しており、-X方向の端に第1の開口902aを有するとともに、+X方向の端に第2の開口902bを有する。また、照明装置901では、光源3が固定された第1のベース部941は、筐体902のうちの長手方向の中央部分から+X方向に突出している筒状の部分に固定されており、波長変換部5が固定された第2のベース部942は、筐体902のうちの第2の開口902bの側の部分に固定されている。また、照明装置901では、第1のベース部941に第1の放熱部材910aが固定されており、第2のベース部942に第2の放熱部材910bが固定されている。この照明装置901では、光源3から-X方向に向けて出射された励起光L0は、筐体902の側方に設けられた開口902iを通過し、筐体902内の波長分離フィルタ62で+Z方向に向けて反射されて、波長変換部5に照射される。励起光L0の照射に応じて波長変換部5から-Z方向に向けて出射される蛍光L1は、波長分離フィルタ62を透過し、第1の開口902aを介して照明空間S1に出射される。
図5では、励起光L0の外縁の一例が細い破線で模式的に示されており、蛍光L1の外縁の一例が細い2点鎖線で模式的に示されており、第1中心線Cn1、第2中心線Cn2および第1光軸Ax1のそれぞれの一例が細い一点鎖線で模式的に示されている。
図5では、図示の複雑化を避けるため1つ以上の第1レンズ7および波長分離フィルタ62を保持している各種の構成の記載が便宜的に省略されている。
【0041】
第1実施形態に係る照明装置1では、例えば、第1光軸Ax1に垂直な方向において波長変換部5からずれた場所に光源3が位置している。換言すれば、例えば、第1光軸Ax1に垂直な方向において第2部分42fからずれた場所に第1部分41fが位置している。第1光軸Ax1に垂直な方向における波長変換部5の中心と光源3の中心との間の距離は、例えば、5ミリメートル(mm)から数十mmに設定されてもよいし、10mmから20mmに設定されてもよいし、10mmから15mmに設定されてもよい。
図1および
図2の例では、第1光軸Ax1に垂直な方向として、-X方向が採用されている。
【0042】
第2ベース部42には、例えば、板状の部分が適用される。波長変換部5は、例えば、第2ベース部42のうちの第2方向としての-Z方向に向いた面に固定された状態にある。波長変換部5は、例えば、第2ベース部42に対して、接着、はめ込み、接合または締結などによって固定されていてよい。波長変換部5は、第2ベース部42に対して直接固定されていてもよいし、第2ベース部42に対して別の1つ以上の部材などを介して固定されていてもよい。波長変換部5は、例えば、第2ベース部42のうちの第2方向としての-Z方向の側において第1方向としての+Z方向に凹んだ部分(第2凹部ともいう)に充填された状態で位置していてもよい。
【0043】
例えば、波長変換部5は、別の1つ以上の部材としての第1部材を介して第2ベース部42に固定されていてもよい。この場合には、第1部材は、例えば、第1方向としての+Z方向の側から波長変換部5を保持していてよい。第1部材には、例えば、板状の部材が適用される。第1部材は、波長変換部5が充填された凹部を有していてもよいし、波長変換部5が被着している板面を有していてもよい。第1部材の素材は、例えば、金属材料であってもよいし、セラミックスなどの他の無機材料であってもよい。ここで、第1部材の素材が、波長変換部5よりも熱伝導率が高い素材であれば、第1部材によって波長変換部5から熱が放散する速度を増加させることができる。これにより、波長変換部5が熱によって劣化する程度が低減され得る。例えば、第1部材の素材には、熱伝導率が高い金属材料などが適用される。この金属材料には、例えば、Cu、Al、Mg、Au、Ag、Fe、Cr、Co、Be、Mo、Wまたは合金などが適用される。また、第1部材の表面は励起光L0を反射する特性(反射性ともいう)を有していてもよい。例えば、第1部材の表面における励起光L0についての反射率は、60%以上であってもよく、80%以上であってもよく、90%以上であってもよい。この場合、波長変換部5を透過した励起光L0は第1部材の表面で反射し、再び波長変換部5に入射する。これにより、波長変換部5が発する蛍光L1の光量が増加し得る。ここで、例えば、第1部材の金属材料が、Al、Mg、Ag、Fe、CrまたはCoであれば、第1部材の表面における可視光の反射率が上昇し、励起光L0に応じて波長変換部5が出射する蛍光L1の光量が増加し得る。ここで、第1部材は、例えば、熱伝導性と接着性とを有するグリスなどを用いて第2ベース部42に固定されてよい。第1部材は、例えば、半田(はんだ)などを用いた接合、接着、はめ込みまたは締結などで第2ベース部42に固定されてもよい。
【0044】
第2ベース部42は、例えば、筐体2のうちの第2端部E2側の部分に固定された状態にある。ここでは、例えば、第2ベース部42は、筐体2のうちの第2開口2bを構成している部分に固定されていてもよいし、筐体2のうちの第2端部E2に固定されていてもよい。第2ベース部42は、例えば、筐体2に対して、接着、はめ込み、接合または締結などによって固定されていてよい。第2ベース部42は、筐体2に対して直接固定されていてもよいし、筐体2に対して別の1つ以上の部材などを介して固定されていてもよい。
【0045】
ここで、第2ベース部42の素材が、熱伝導率が高い素材であれば、第2ベース部42によって波長変換部5から熱が放散する速度を増加させることができる。この場合には、第2ベース部42が、いわゆるヒートシンクとしての機能を果たし得る。これにより、波長変換部5が熱によって劣化する程度が低減され得る。例えば、第2ベース部42の素材には、熱伝導率が高い金属材料などが適用される。この金属材料には、例えば、Cu、Al、Mg、Au、Ag、Fe、Cr、Co、Be、Mo、Wまたは合金などが適用される。
【0046】
ここで、例えば、上述したように、第1ベース部41および第2ベース部42が、それぞれ筐体2のうちの第2端部E2側の部分に固定された状態にあれば、筐体2の同じ方向の側である第1方向としての+Z方向の側に光源3および波長変換部5を配置することができる。これによって、照明装置1の小型化を図ってもよい。この場合には、第1距離D1が、第2距離D2以上であっても、第2距離D2以上でなくてもよい。ここで、筐体2のうちの第2端部E2側の部分は、例えば、筐体2を第1方向としての+Z方向において仮想的にm個(mは3以上の自然数)の部分に等分割した場合に、m個の部分のうちの最も第2開口2bの近くに位置している領域であってよい。自然数mは、例えば、3から5の自然数であってもよいし、6から8の自然数であってもよいし、9以上の自然数であってよい。
【0047】
第1実施形態では、照明装置1は、第1ベース部41と第2ベース部42とを含む部材(ベース部材ともいう)4を備えている。この場合には、照明装置1における部品点数を削減することができる。また、例えば、ベース部材4に光源3および波長変換部5が固定された状態で、筐体2にベース部材4を固定することができる。これにより、筐体2に対して光源3および波長変換部5を固定する作業量を削減することができる。
図1および
図2の例では、ベース部材4が、第2開口2bを塞いでいる状態で位置している。ベース部材4には、例えば、第1ベース部41および第2ベース部42を含む板状の部材が適用され得る。
【0048】
<1-6.波長分離フィルタ>
波長分離フィルタ62は、筐体2の内部空間2sに位置している。
図1および
図2の例では、波長変換部5と、波長分離フィルタ62と、第1開口2aとが、この記載の順に第2方向としての-Z方向において並んでいる。波長分離フィルタ62には、光源3からの励起光L0が照射される。第1光軸Ax1に沿った方向における波長変換部5と波長分離フィルタ62との距離は、例えば、20mmから50mmに設定されてもよいし、30mmから40mmに設定されてもよい。また、
図1および
図2の例では、第1中心線Cn1に沿った方向において、光源3と、波長分離フィルタ62と、第1開口2aとが、この記載の順に並んでいる。第1中心線Cn1に沿った方向における光源3と波長分離フィルタ62との距離は、例えば、20mmから50mmに設定されてもよいし、30mmから40mmに設定されてもよい。
【0049】
波長分離フィルタ62は、光源3からの励起光L0を波長変換部5に向けて反射する。また、波長分離フィルタ62は、波長変換部5からの蛍光L1を第1開口2aに向けて透過させる。
【0050】
波長分離フィルタ62には、例えば、ダイクロイックフィルムが適用される。波長分離フィルタ62は、例えば、平坦な膜状の形状を有する。波長分離フィルタ62は、例えば、透明な基材61上に位置している。この場合には、照明装置1は、基材61および波長分離フィルタ62を含むフィルタ部材6を備えている。
【0051】
基材61には、例えば、ガラスおよび樹脂のうちの少なくとも一方を含む透明な部材が適用される。基材61の形状には、例えば、平板状の形状が適用される。この場合には、基材61は、第1板面61aと第2板面61bとを有する。
【0052】
波長分離フィルタ62は、例えば、基材61の第1板面61aまたは第2板面61bの上に位置している。
図1および
図2の例では、基材61の第1板面61a上に波長分離フィルタ62が位置している。波長分離フィルタ62には、例えば、誘電体多層膜が適用される。誘電体多層膜は、例えば、誘電体の薄膜が複数回繰り返して積層された構造を有する。誘電体としては、例えば、酸化ケイ素(SiO
2)、酸化チタン(TiO
2)、酸化アルミニウム(Al
2O
3)、酸化ジルコニウム(ZrO
2)、酸化タンタル(Ta
2O
5)および酸化ニオブ(Nb
2O
3)のうちの1つ以上の材料が採用される。例えば、誘電体多層膜を構成している複数の誘電体の薄膜の厚さを適宜設定することで、誘電体多層膜における励起光L0を反射し且つ蛍光L1を透過させる分光透過率が実現され得る。ここで、励起光L0についての波長分離フィルタ62の反射率は、例えば、80%以上であってもよく、90%以上であってもよく、95%以上であってもよい。蛍光L1についての波長分離フィルタ62の透過率は、例えば、80%以上であってもよく、90%以上であってもよく、95%以上であってもよい。
【0053】
第1光軸Ax1に垂直な仮想平面P1と波長分離フィルタ62とが成す角度(傾斜角度ともいう)αは、例えば、仮想平面P1と基材61の第1板面61aとが成す角度である。
図1の例では、仮想平面P1は、XY平面に沿った仮想的な平面である。
図1では、傾斜角度αの一例が、細い弧状の矢印で示されている。傾斜角度αは、例えば、0度から20度に設定されていてもよいし、0度から15度に設定されていていもよいし、0度から10度に設定されていてもよいし、0度から5度に設定されていてもよい。
【0054】
波長分離フィルタ62に対して励起光L0が入射する角度(第1の入射角度ともいう)βは、波長分離フィルタ62の法線62nと第1中心線Cn1とが成す角度であってよい。第1の入射角度βは、例えば、基材61の第1板面61aの法線と第1中心線Cn1とが成す角度であってもよい。
図1では、第1の入射角度βの一例が、細い弧状の矢印で示されている。第1の入射角度βは、例えば、数度から20度に設定されていてもよいし、数度から15度に設定されていてもよいし、数度から10度に設定されていてもよい。
図1の例では、また、波長分離フィルタ62において励起光L0が反射する角度(第1の反射角度ともいう)は、波長分離フィルタ62の法線62nと第2中心線Cn2とが成す角度であってよい。この第1の反射角度は、第1の入射角度βと等しい。
【0055】
波長分離フィルタ62に対して蛍光L1が入射する角度(第2の入射角度ともいう)γは、波長分離フィルタ62の法線62nと第1光軸Ax1とが成す角度であってよい。第2の入射角度γは、例えば、基材61の第1板面61aの法線と第1光軸Ax1とが成す角度であってよい。
図1では、第2の入射角度γの一例が、細い弧状の矢印で示されている。第2の入射角度γは、例えば、0度から20度に設定されていてもよいし、0度から15度に設定されていてもよいし、0度から10度に設定されていてもよいし、0度から5度に設定されていてもよい。
図1の例では、第2の入射角度γは、傾斜角度αと等しい。
【0056】
フィルタ部材6では、例えば、第1板面61a上に波長分離フィルタ62が位置し、第2板面61b上に反射防止膜が位置していてもよい。
【0057】
<1-7.第1レンズ>
1つ以上の第1レンズ7は、筐体2の内部空間2sに位置している。この1つ以上の第1レンズ7は、波長変換部5から第1開口2aに至る蛍光L1の光路上に位置している。
【0058】
図1および
図2の例では、1つ以上の第1レンズ7は、第1Aレンズ71、第1Bレンズ72および第1Cレンズ73を含む。第1光軸Ax1は、第1Aレンズ71の光軸であってよい。第1Aレンズ71、第1Bレンズ72および第1Cレンズ73は、第1光軸Ax1上において第2方向としての-Z方向に並んでいる。第1Aレンズ71および第1Bレンズ72は、波長変換部5と波長分離フィルタ62との間に位置している。第1Cレンズ73は、波長分離フィルタ62と第1開口2aとの間に位置している。1つ以上の第1レンズ7のそれぞれは、例えば、ガラスおよび樹脂の少なくともいずれか一方を含む材料によって形成される。
【0059】
例えば、光源3からの励起光L0は、第1Aレンズ71および第1Bレンズ72をこの記載の順に透過して、波長分離フィルタ62に照射される。ここでは、励起光L0は、波長分離フィルタ62で反射した後に、第1Bレンズ72および第1Aレンズ71をこの記載の順に透過し、波長変換部5に入射する。第1Bレンズ72および第1Aレンズ71は、例えば、波長分離フィルタ62で反射した励起光L0を波長変換部5に集光させる。第1Aレンズ71および第1Bレンズ72のそれぞれには、例えば、両凸レンズが適用される。この場合には、励起光L0が第1Bレンズ72および第1Aレンズ71を順に透過することで、段階的に励起光L0の広がりの程度が小さくなり得る。換言すれば、波長分離フィルタ62から波長変換部5に進む励起光L0は、第2中心線Cn2に垂直な断面の大きさが段階的に小さくなり得る。
【0060】
波長変換部5は、入射した励起光L0に応じて蛍光L1を発する。この蛍光L1は、波長変換部5から大きな広がり角で進み、第1Aレンズ71および第1Bレンズ72を透過して波長分離フィルタ62に入射する。第1Aレンズ71および第1Bレンズ72は、蛍光L1を波長分離フィルタ62の有効面に向かって透過させる。ここでいう有効面とは、波長分離フィルタ62のフィルタ機能を実現できる範囲をいう。
【0061】
図2の例では、蛍光L1が第1Aレンズ71および第1Bレンズ72を順に透過することで、段階的に蛍光L1の広がりの程度が小さくなる。換言すれば、波長変換部5から波長分離フィルタ62に進む蛍光L1は、第1光軸Ax1に垂直な断面の大きさが段階的に小さくなる。このため、波長変換部5からの蛍光L1の広がり角は、第1Aレンズ71および第1Bレンズ72によって低減される。これにより、波長分離フィルタ62の大型化を招くことなく、より多くの蛍光L1が波長分離フィルタ62へ導かれ得る。
【0062】
図2の例では、第1Bレンズ72を透過した蛍光L1の第1光軸Ax1に垂直な断面の大きさは、第1Cレンズ73に向かうにつれて低減した後に、ウェスト部BWを経て増加している。ウェスト部BWとは、第1Bレンズ72と第1Cレンズ73との間において蛍光L1の第1光軸Ax1に垂直な断面が最も小さくなる部分である。
図2で示されるように、ウェスト部BWは、第1光軸Ax1に沿った方向(光軸方向ともいう)において波長分離フィルタ62の中央部と重なる位置にあってもよい。換言すれば、ウェスト部BWが光軸方向において波長分離フィルタ62の中央部と重なるように、第1Aレンズ71および第1Bレンズ72が設計されてもよい。
【0063】
波長分離フィルタ62は、蛍光L1を第1開口2aに向けて透過させる。波長分離フィルタ62からの蛍光L1は、第1Cレンズ73を透過し、第1開口2aを通過して照明空間S1に出射される。
図2の例では、波長分離フィルタ62からの蛍光L1は、第1Cレンズ73を透過し、第1開口2aおよび後述する照明開口9aを通過して照明空間S1に出射される。
【0064】
ここで、例えば、第1方向としての+Z方向において、第1開口2aから第1部分41fまでの第1距離D1が、第1開口2aから第2部分42fまでの第2距離D2以上であれば、第1Aレンズ71を波長変換部5に近づけることができる。これにより、波長変換部5から大きな広がり角で放射される蛍光L1のうち、波長分離フィルタ62の有効面を透過する蛍光L1の光量をより増加させることが可能となる。その結果、照明装置1における照明光の明るさおよびエネルギー効率をさらに向上させることができる。
【0065】
ここで、例えば、波長変換部5と波長分離フィルタ62との間に位置している第1レンズ7の個数は、2つに限られず、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。換言すれば、1つ以上の第1レンズ7は、波長変換部5と波長分離フィルタ62との間に位置している第1Aレンズ71を含んでいてよい。この場合には、波長変換部から放射された蛍光L1を波長分離フィルタ62の有効面に向かって透過させるための第1Aレンズ71を配置することができる。これにより、波長変換部5から大きな広がり角で放射される蛍光L1のうちの波長分離フィルタ62の有効面を透過する蛍光L1の光量を増加させることができる。これにより、照明装置1における照明光の明るさおよびエネルギー効率を向上させることができる。
【0066】
ここで、例えば、第1Cレンズ73は、存在していなくてもよい。
【0067】
<1-8.保持機構>
保持機構8は、筐体2内において、フィルタ部材6および1つ以上の第1レンズ7を保持している。
図1および
図2で示されるように、保持機構8は、1つ以上の保持部材81を含む。1つ以上の保持部材81のそれぞれは、例えば、筐体2の内周面に沿って位置している。
図1および
図2の例では、1つ以上の保持部材81は、第1保持部材81a、第2保持部材81b、第3保持部材81c、第4保持部材81dおよび第5保持部材81eを含む。1つ以上の保持部材81の素材には、筐体2と同じ素材が適用されてもよいし、筐体2と異なる素材が適用されてもよい。1つ以上の保持部材81の素材は、例えば、アルミニウム合金であってもよいし、合成樹脂などのその他の素材であってもよい。
【0068】
<<第1保持部材81a>>
第1保持部材81aは、第2保持部材81bとともに第1Aレンズ71を保持しているレンズホルダとして機能し得る。
図1および
図2の例では、第1保持部材81aは、ベース部材4と第1Aレンズ71との間に位置している。
【0069】
第1保持部材81aは、例えば、第1光軸Ax1を囲む筒状の形状を有する。第1保持部材81aの内周面は、第1Aレンズ71の外周面よりも第1光軸Ax1の近くに位置している。第1保持部材81aの内周面は、第1保持部材81aの第1光軸Ax1の近くに位置している内周の面であってよい。第1Aレンズ71の外周面は、第1Aレンズ71の第1光軸Ax1を中心とした外周の面であってよい。第1Aレンズ71の外周面は、第1Aレンズ71のうちの波長変換部5側に位置している面と、第1Aレンズ71のうちの第1開口2a側に位置している面と、を接続している環状の側面であってよい。
【0070】
第1保持部材81aの外周面は、筐体2の内周面に接していてもよい。第1保持部材81aの外周面は、第1保持部材81aの第1光軸Ax1を中心とした外周の面であってよい。第1保持部材81aの外周面は、筐体2の内周面に嵌まっていてもよい。例えば、第1保持部材81aの外周面の雄ネジ部が、筐体2の内周面の雌ネジ部に嵌まり込んだ構造が採用されてもよい。第1保持部材81aの外周面は、筐体2の内周面に接着などで固定されていてもよい。第1Aレンズ71の外周面は、筐体2の内周面に接していてもよい。
【0071】
第1Aレンズ71は、筐体2の内周面に嵌まっていてもよい。また、ここで、例えば、第1保持部材81aが第1Aレンズ71の外周部に接していれば、第1保持部材81aは、波長変換部5と第1Aレンズ71との間隔を決めるスペーサとして機能し得る。これにより、波長変換部5と第1Aレンズ71との間隔を容易に設定することができる。第1Aレンズ71の外周部は、第1Aレンズ71のうちの第1光軸Ax1を中心とした外周の部分であってよい。なお、第1保持部材81aは、筐体2の内周面において出っ張った部分(内周凸部ともいう)に置き換えられてもよい。
【0072】
<<第2保持部材81b>>
第2保持部材81bは、第1保持部材81aとともに第1Aレンズ71を保持しているレンズホルダとして機能し得る。
図1および
図2の例では、第2保持部材81bは、第1Aレンズ71と第1Bレンズ72との間に位置している。第1Aレンズ71の外周部は、光軸方向において、第1保持部材81aと第2保持部材81bとで挟み持たれた状態にあってよい。
【0073】
第2保持部材81bは、例えば、第1光軸Ax1を囲む筒状の形状を有する。第2保持部材81bの内周面は、第1Aレンズ71の外周面よりも第1光軸Ax1の近くに位置している。第2保持部材81bの内周面は、第2保持部材81bのうちの第1光軸Ax1の近くに位置している内周の面であってよい。また、第2保持部材81bの内周面は、第1Bレンズ72の外周面よりも第1光軸Ax1の近くに位置している。第1Bレンズ72の外周面は、第1Bレンズ72の第1光軸Ax1を中心とした外周の面であってよい。第1Bレンズ72の外周面は、第1Bレンズ72のうちの波長変換部5側に位置している面と、第1Bレンズ72のうちの第1開口2a側に位置している面と、を接続している環状の側面であってよい。
【0074】
第2保持部材81bの外周面は、筐体2の内周面に接していてもよい。第2保持部材81bの外周面は、第2保持部材81bの第1光軸Ax1を中心とした外周の面であってよい。第2保持部材81bの外周面は、筐体2の内周面に嵌まっていてもよい。例えば、第2保持部材81bの外周面の雄ネジ部が、筐体2の内周面の雌ネジ部に嵌まり込んだ構造が採用されてもよい。第2保持部材81bの外周面は、筐体2の内周面に接着などで固定されていてもよい。第1Bレンズ72の外周面は、筐体2の内周面に接していてもよい。
【0075】
第1Bレンズ72は、筐体2の内周面に嵌まっていてもよい。また、ここで、例えば、第2保持部材81bが第1Bレンズ72の外周部に接していれば、第2保持部材81bは、第1Aレンズ71と第1Bレンズ72との間隔を決めるスペーサとして機能し得る。これにより、第1Aレンズ71と第1Bレンズ72との間隔を容易に設定することができる。第1Bレンズ72の外周部は、第1Bレンズ72のうちの第1光軸Ax1を中心とした外周の部分であってよい。
【0076】
<<第3保持部材81c>>
第3保持部材81cは、第2保持部材81bとともに第1Bレンズ72を保持しているレンズホルダとして機能し得る。
図1および
図2の例では、第3保持部材81cは、第1Bレンズ72とフィルタ部材6との間に位置している。
【0077】
第3保持部材81cは、例えば、第1光軸Ax1を囲む筒状の形状を有する。第3保持部材81cの内周面は、第1Bレンズ72の外周面よりも第1光軸Ax1の近くに位置している。第3保持部材81cの内周面は、第3保持部材81cのうちの第1光軸Ax1の近くに位置している内周の面であってよい。
【0078】
第3保持部材81cの外周面は、筐体2の内周面に接していてもよい。第3保持部材81cの外周面は、第3保持部材81cの第1光軸Ax1を中心とした外周の面であってよい。第3保持部材81cの外周面は、筐体2の内周面に嵌まっていてもよい。第1Bレンズ72の外周部は、光軸方向において、第2保持部材81bと第3保持部材81cとで挟み持たれた状態にあってよい。この場合には、第2保持部材81bの第1Bレンズ72側の端縁部は、第1Bレンズ72のうちの波長変換部5側に位置している面の外周部に接している。第3保持部材81cの第1Bレンズ72側の端縁部は、第1Bレンズ72のうちの第1開口2a側に位置している面の外周部に接している。
【0079】
第3保持部材81cのうちのフィルタ部材6側の端縁部は、例えば、フィルタ部材6の外周部に接していてよい。この場合には、第3保持部材81cは、第1Bレンズ72とフィルタ部材6との間隔を決めるスペーサとして機能し得る。フィルタ部材6の外周部は、フィルタ部材6のうちの第1光軸Ax1を中心とした外周の部分であってよい。第3保持部材81cのうちのフィルタ部材6と対面している端面は、フィルタ部材6の波長変換部5側を向いた第1板面61aに沿った形状を有していてもよい。
【0080】
<<第4保持部材81d>>
第4保持部材81dは、第3保持部材81cとともに、フィルタ部材6を保持しているフィルタホルダとして機能し得る。
図1および
図2の例では、第4保持部材81dは、フィルタ部材6と第1Cレンズ73との間に位置している。
【0081】
第4保持部材81dは、例えば、第1光軸Ax1を囲む筒状の形状を有する。
【0082】
第4保持部材81dの外周面は、筐体2の内周面に接していてもよい。第4保持部材81dの外周面は、第4保持部材81dの第1光軸Ax1を中心とした外周の面であってよい。
【0083】
第4保持部材81dのうちのフィルタ部材6側の端縁部は、例えば、フィルタ部材6の外周部に接していてよい。
図1および
図2の例では、第4保持部材81dのうちのフィルタ部材6側の端縁部は、フィルタ部材6の第2板面61bの外周部に接している。第4保持部材81dのうちのフィルタ部材6と対面している端面は、フィルタ部材6の第1Cレンズ73側を向いた第2板面61bに沿った形状を有していてもよい。
【0084】
フィルタ部材6の外周部は、光軸方向において、第3保持部材81cと第4保持部材81dとによって挟み持たれた状態にあってよい。この場合には、第3保持部材81cのうちのフィルタ部材6側の端縁部は、フィルタ部材6のうちの波長変換部5側に位置している面の外周部に接している。第4保持部材81dのうちのフィルタ部材6側の端縁部は、フィルタ部材6のうちの波長変換部5とは逆側に位置している面の外周部に接している。
【0085】
フィルタ部材6と第3保持部材81cとの間には接着剤が位置していてもよい。フィルタ部材6と第4保持部材81dとの間には接着剤が位置していてもよい。フィルタ部材6と筐体2の内周面との間には接着剤が位置していてもよい。第3保持部材81cと筐体2の内周面との間には接着剤が位置していてもよい。第4保持部材81dと筐体2の内周面との間には接着剤が位置していてもよい。
【0086】
ここで、第4保持部材81dのうちの第1Cレンズ73側の端縁部が、第1Cレンズ73の外周部に接していれば、第4保持部材81dは、フィルタ部材6と第1Cレンズ73との間隔を決めるスペーサとして機能し得る。第1Cレンズ73の外周部は、第1Cレンズ73のうちの第1光軸Ax1を中心とした外周の部分であってよい。
【0087】
<<第5保持部材81e>>
第5保持部材81eは、第4保持部材81dとともに第1Cレンズ73を保持しているレンズホルダとして機能し得る。第5保持部材81eは、第1Cレンズ73と開口部材9との間に位置している。
【0088】
第5保持部材81eは、例えば、第1光軸Ax1を囲む筒状の形状を有する。第5保持部材81eの内周面は、第1Cレンズ73の外周面よりも第1光軸Ax1の近くに位置している。第5保持部材81eの内周面は、第5保持部材81eの第1光軸Ax1の近くに位置している内周の面であってよい。第1Cレンズ73の外周面は、第1Cレンズ73の第1光軸Ax1を中心とした外周の面であってよい。
図1および
図2の例では、第1Cレンズ73の外周面は、第1Cレンズ73のうちの波長変換部5側に位置している面と、第1Cレンズ73のうちの第1開口2a側に位置している面と、を接続している環状の側面である。
【0089】
第1Cレンズ73の外周部は、光軸方向において、第4保持部材81dと第5保持部材81eとによって挟み持たれた状態にあってよい。この場合には、第4保持部材81dのうちの第1Cレンズ73側の端縁部は、第1Cレンズ73のフィルタ部材6側の面の外周部に接している。第5保持部材81eのうちの第1Cレンズ73側の端縁部は、第1Cレンズ73の第1開口2a側の面の外周部に接している。
【0090】
第5保持部材81eの外周面は、筐体2の内周面に接していてもよい。第5保持部材81eの外周面は、第5保持部材81eの第1光軸Ax1を中心とした外周の面であってよい。例えば、第5保持部材81eの外周面の雄ネジ部が、筐体2の内周面の雌ネジ部に嵌まり込んでいる構造が採用されてもよい。第5保持部材81eの外周面は、筐体2の内周面に接着などによって固定されていてもよい。第1Cレンズ73の外周面は、筐体2の内周面に接していてもよい。第1Cレンズ73は、筐体2の内周面に嵌まっていてもよい。
【0091】
<1-9.開口部材9>
開口部材9は、第1開口2a側から筐体2に固定された状態で位置している。
図1および
図2の例では、開口部材9は、筐体2のうちの第1端部E1に固定された状態にある。
【0092】
図1および
図2で示されるように、開口部材9は、例えば、板状部91と、突出部92と、を含んでいてよい。板状部91は、板状の形状を有する。
図1および
図2の例では、板状部91の厚さ方向は、光軸方向に沿った方向である。板状部91は、筐体2側に位置している面(第3板面ともいう)91uを有する。突出部92は、板状部91の第3板面91uから光軸方向に沿って波長分離フィルタ62側に突出している部分である。突出部92は、例えば、筒状の形状を有していてよい。突出部92は、例えば、筐体2の内面に沿って内部空間2s内に挿入された状態で、筐体2に固定された状態にある。例えば、突出部92は、筐体2の第1端部E1側の内周部にある雌ネジ部に嵌め込まれた雄ネジ部を有していてもよい。突出部92は、例えば、接着、接合または嵌め込みなどによって筐体2に固定されてもよい。
【0093】
開口部材9は、第5保持部材81eに接していてもよい。
図1および
図2の例では、開口部材9の板状部91が、第5保持部材81eのうちの開口部材9側の端縁部に接している。第3板面91uは、第1端部E1に接していてもよい。
【0094】
開口部材9は、例えば、蛍光L1が通過する照明開口9aを有する。例えば、板状部91が照明開口9aを有していてよい。
図1および
図2の例では、開口部材9の照明開口9aが、筐体2の第1開口2aの照明空間S1側に位置している。このため、蛍光L1は、第1開口2aを通過した後に照明開口9aを通過する。
図1および
図2の例では、照明開口9aは、板状部91の中央部を光軸方向に貫通している。照明開口9aの径は、例えば、第5保持部材81eの内径よりも小さい。
図1および
図2で示されるように、開口部材9のうちの照明開口9aを形成している第1内周面91sは、光軸方向において照明空間S1に近づくにつれて、光軸方向に垂直な断面の面積(開口面積ともいう)が増加している形で、第1光軸Ax1に対して傾斜していてもよい。換言すれば、第1内周面91sは、照明空間S1に近づくにつれて照明開口9aの中心軸から遠ざかる形で、該中心軸に対して傾斜していてもよい。
【0095】
開口部材9の素材には、アルミニウム合金または種々の合成樹脂などが適用され得る。なお、開口部材9は、複数の部材が、接着、接合、嵌め込みまたは締結などによって連結された構造を有していてもよい。
【0096】
ここで、上述したように、第1保持部材81aが、筐体2の内周面において出っ張った内周凸部に置き換えらえた場合には、開口部材9は、内周凸部との間において、1つ以上の第1レンズ7およびフィルタ部材6を挟んでいる状態にあってよい。換言すれば、1つ以上の第1レンズ7およびフィルタ部材6は、筐体2の内周凸部と開口部材9とによって挟まれた状態にあってもよい。より具体的には、1つ以上の第1レンズ7、フィルタ部材6および複数の保持部材81が、筐体2の内周凸部と、開口部材9の板状部91とによって挟まれた状態にあってもよい。
【0097】
ここで、開口部材9は、筐体2の一部であってもよい。この場合には、照明開口9aを第1開口2aとみなしてもよい。
【0098】
ここで、開口部材9は、筐体2の内部空間2sに位置していてもよい。この場合には、例えば、照明装置1は、1つ以上の保持部材81が第5保持部材81eを含まず、開口部材9が、第5保持部材81eの代わりに、第4保持部材81dとともに第1Cレンズ73を保持するレンズホルダとして機能している構造を有していてもよい。
【0099】
<1-10.放熱部材>
放熱部材10は、照明装置1から外部Ex1の空間への熱の放散を増大させる部材である。放熱部材10は、第1ベース部41および第2ベース部42のそれぞれに固定された状態にあるとともに、複数の突起部分102を有する。これにより、筐体2の同じ方向の側に、光源3および波長変換部5を冷却するための放熱部材10を配置することができる。このため、放熱部材10を含めた照明装置1の小型化を図ることができる。また、例えば、放熱部材10から外部Ex1の空間への熱の放散を促進させるための放熱用のファンなどによる空気の流れの設計も簡単になり得る。
【0100】
放熱部材10における複数の突起部分102のそれぞれは、薄板状のフィンであってもよいし、細長い棒状のピンであってもよい。この複数の突起部分102の存在によって、放熱部材10から外部Ex1の空間への熱の放散が増加し得る。放熱部材10は、例えば、板状の基部101と、この基部101から突起している形でそれぞれ位置している複数の突起部分102と、を含んでいてよい。
図1および
図2の例では、放熱部材10は、ベース部材4の第1方向としての+Z方向の側の部分に固定された状態にある。より具体的には、放熱部材10の基部101が、ベース部材4の第1方向としての+Z方向の側の部分に固定された状態にある。放熱部材10は、ベース部材4に対して、接合、嵌め込みまたは締結などによって固定されてよい。
【0101】
放熱部材10の素材が、熱伝導率が高い素材であれば、放熱部材10によって光源3および波長変換部5から熱が放散する速度を増加させることができる。この場合には、放熱部材10が、いわゆるヒートシンクとしての機能を果たし得る。これにより、光源3および波長変換部5が熱によって劣化する程度が低減され得る。放熱部材10の素材には、例えば、Cu、Al、Mg、Au、Ag、Fe、Cr、Co、Be、Mo、Wまたは合金などの熱伝導率が高い金属材料などが適用される。
【0102】
<1-11.波長分離フィルタにおける励起光の反射および蛍光の透過>
図3は、照明装置1の波長分離フィルタ62の一具体例における、光の波長毎の入射角度と反射率との関係を示すグラフである。
図3では、410nmの波長を有する光についての入射角度と反射率との関係が実線で描かれた曲線で示されている。430nmの波長を有する光についての入射角度と反射率との関係が破線で描かれた曲線で示されている。450nmの波長を有する光についての入射角度と反射率との関係が一点鎖線で描かれた曲線で示されている。
【0103】
図4は、照明装置1の波長分離フィルタ62の一具体例における、光の入射角度が0度である場合の光の波長と反射率との関係を示すグラフである。
図4では、光の入射角度が0度である場合における、光の波長と反射率との関係が実線で描かれた曲線で示されている。
【0104】
図6は、一参考例に係る照明装置901の波長分離フィルタ62の一例における、S偏光についての波長毎の入射角度と反射率との関係を示すグラフである。
図6では、410nmの波長を有するS偏光についての入射角度と反射率との関係が実線で描かれた曲線で示されている。430nmの波長を有するS偏光についての入射角度と反射率との関係が破線で描かれた曲線で示されている。450nmの波長を有するS偏光についての入射角度と反射率との関係が一点鎖線で描かれた曲線で示されている。
【0105】
図7は、一参考例に係る照明装置901の波長分離フィルタ62の一例における、S偏光とP偏光との合成光についての波長毎の入射角度と反射率との関係を示すグラフである。
図7では、410nmの波長を有するS偏光とP偏光との合成光についての入射角度と反射率との関係が実線で描かれた曲線で示されている。430nmの波長を有するS偏光とP偏光との合成光についての入射角度と反射率との関係が破線で描かれた曲線で示されている。450nmの波長を有するS偏光とP偏光との合成光についての入射角度と反射率との関係が一点鎖線で描かれた曲線で示されている。
【0106】
図8は、一参考例に係る照明装置901の波長分離フィルタ62の一例における、S偏光およびP偏光についての入射角度が45度である場合の波長と反射率との関係を示すグラフである。
図8では、光の入射角度が45度である場合における、S偏光についての波長と反射率との関係が実線で描かれた曲線で示されている。光の入射角度が45度である場合における、P偏光についての波長と反射率との関係が一点鎖線で描かれた曲線で示されている。光の入射角度が45度である場合における、S偏光およびP偏光についての波長と反射率の平均値との関係が破線で描かれた曲線で示されている。
【0107】
ここで、例えば、励起光L0が、約405nmにおいて第1ピーク波長を有する紫色の光であって、蛍光L1が、約450nmにおいて第2ピーク波長を有する青色の光を含む場合を想定する。また、ここでは、励起光L0が、波長分離フィルタ62の入射面についてのS偏光である直線偏光を有するレーザー光である場合を想定する。
【0108】
図5で示された一参考例に係る照明装置901では、波長分離フィルタ62に対する励起光L0の入射角度が45度前後であり、波長分離フィルタ62に対する蛍光L1の入射角度が45度前後である。
【0109】
この場合には、
図6で示されるように、波長分離フィルタ62に対する入射角度が、45度の前後において少し変わると、波長分離フィルタ62で反射される光の波長が大きく変わる。このため、例えば、励起光L0における第1ピーク波長である約405nmよりも大きな波長を有し且つ波長分離フィルタ62に対する入射角度が45度よりも数度以上大きな成分の光については、波長分離フィルタ62を透過し得る。これにより、例えば、波長変換部5に照射される励起光L0の光量が低下し得る。その結果、一参考例に係る照明装置901では、波長変換部5で発せられる蛍光L1の光量が低下して、照明空間S1に出射される照明光としての蛍光L1の光量が低下し得る。
【0110】
また、励起光L0の照射に応じて波長変換部5から発せられる蛍光L1は、偏光を有していない。このため、
図7で示されるように、例えば、少なくとも蛍光L1における一点鎖線で描かれた曲線の左側の部分に相当する光が波長分離フィルタ62を透過しない。例えば、蛍光L1における第2ピーク波長である約450nmよりも小さな波長を有し且つ波長分離フィルタ62に対する入射角度が45度よりも小さな成分の光については、波長分離フィルタ62で反射し得る。よって、一参考例に係る照明装置901では、照明空間S1に出射される照明光としての蛍光L1の光量が低下し得る。
【0111】
また、波長変換部5に照射される励起光L0については、励起光L0の大部分が波長変換部5で吸収されて蛍光L1に変換されるものの、励起光L0の一部が波長変換部5で散乱され、偏光の方向が変わった状態で、波長分離フィルタ62に戻ってくる。この波長変換部5から波長分離フィルタ62に戻ってくる励起光L0の一部は、S偏光の成分およびP偏光の成分の両方を有する。この約405nmにピーク波長を有する励起光L0におけるP偏光の成分は、
図8で示されるように、波長分離フィルタ62を透過し得る。換言すれば、一参考例に係る照明装置901では、照明空間S1に出射される照明光に、意図しない励起光L0の一部が含まれ得る。
【0112】
これに対して、第1実施形態に係る照明装置1では、筐体2の同じ方向の側に光源3および波長変換部5を配置することができる。これにより、波長分離フィルタ62に対する励起光L0の第1の入射角度βを0度に近づけることができ、波長分離フィルタ62に対する蛍光L1の第2の入射角度γを0度に近づけることができる。そして、例えば、第1の入射角度βおよび第2の入射角度γがともに0度に近づくと、P偏光とS偏光とを区別することなく、波長分離フィルタ62における励起光L0の反射と、波長分離フィルタ62における蛍光L1の透過とに係る設定を行うことができる。
【0113】
この場合には、
図3で示されるように、波長分離フィルタ62に対する入射角度が、0度の近くにおいてある程度変わったとしても、波長分離フィルタ62で反射される光の波長および波長分離フィルタ62で透過する光の波長が変わる度合いが小さい。このため、例えば、励起光L0における第1ピーク波長である約405nmよりも大きな波長を有し且つ波長分離フィルタ62に対する入射角度が0度よりも数度から20度程度大きな成分の光であっても、波長分離フィルタ62を透過する光の量が小さくなり得る。例えば、蛍光L1における第2ピーク波長である約450nmよりも小さな波長を有し且つ波長分離フィルタ62に対する入射角度が0度よりも数度から30度程度大きな成分の光であっても、波長分離フィルタ62で反射される光の量が小さくなり得る。これにより、第1実施形態に係る照明装置1では、照明空間S1に出射される照明光としての蛍光L1の光量が増加し得る。また、約405nmに第1ピーク波長を有する励起光L0を反射し、蛍光L1に含まれる約450nmに第2ピーク波長を有する青色の光を透過させるための、波長分離フィルタ62の設計の難易度が低下し得る。
【0114】
また、励起光L0の一部が波長変換部5で散乱されて偏光の方向が変わった状態で波長分離フィルタ62に戻ってきたとしても、
図3および
図4で示されるように、波長分離フィルタ62を透過する励起光L0の光量を小さくすることができる。換言すれば、第1実施形態に係る照明装置1では、照明空間S1に出射される照明光に、意図しない励起光L0の一部が含まれる度合いを小さくすることができる。
【0115】
したがって、第1実施形態に係る照明装置1では、筐体2の同じ方向の側に光源3および波長変換部5を配置することで、波長分離フィルタ62に対する励起光L0の第1の入射角度βと、波長分離フィルタ62に対する蛍光L1の第2の入射角度γと、をともに0度に近づけることができる。これにより、波長分離フィルタ62に対する励起光L0および蛍光L1の入射角度が0度からある程度ずれたとしても、波長分離フィルタ62における励起光L0の反射率および蛍光L1の透過率が変化する度合いが小さくなる。よって、蛍光L1に、励起光L0の波長と近い波長の成分が含まれている場合であっても、波長分離フィルタ62で反射される励起光L0の光量および波長分離フィルタ62を透過する蛍光L1の光量をそれぞれ高めることができる。その結果、照明装置1において演色性の高い照明光を高効率で出射させることができる。
【0116】
<1-12.その他の構成>
1つ以上の第1レンズ7は、波長変換部5の像を仮想的な像面IS1に形成させる結像光学系を構成してもよい。
図1および
図2の例では、この結像光学系を、第1Aレンズ71、第1Bレンズ72および第1Cレンズ73が構成している。波長変換部5は、像面IS1に対して共役関係を有していてもよい。ここでいう共役関係とは厳密な意味ではなく、波長変換部5よりも照明開口9a側において、蛍光L1が最も集光された部位(蛍光L1における第1光軸Ax1に垂直な断面の大きさが最も小さい部位)を像面IS1とみなすことができる。像面IS1は、例えば、照明開口9aに位置していてもよい。像面IS1は、平面であっても、湾曲面であってもよい。蛍光L1は、像面IS1で集光しつつ、照明開口9aを通じて、照明空間S1に出射される。ここで、像面IS1は照明開口9aの内部に位置していなくてもよい。像面IS1は、
図2で示されるように、照明開口9aの内部空間と筐体2の内部空間2sとの境界に位置していてもよい。あるいは、像面IS1は、この境界から筐体2の内部空間2s側にわずかにずれた箇所に位置してもよい。あるいは、像面IS1は、照明開口9aの内部空間と照明空間S1との境界に位置していてもよく、この境界から照明空間S1側にわずかにずれた箇所に位置していてもよい。
【0117】
ここで、波長変換部5の表面における蛍光L1の大きさを第1の大きさとし、像面IS1における蛍光L1の大きさを第2の大きさとし、照明開口9aの大きさを第3の大きさとする。この照明装置1では、結像光学系の結像倍率が、第3の大きさを第1の大きさで除した値以下に設定されてよい。第1の大きさは、例えば、波長変換部5の1つ以上の第1レンズ7側の面のうちの励起光L0が照射される領域の大きさであってよい。第3の大きさは、光軸方向に沿って見た照明開口9aの開口面積の最小値であってよい。結像倍率は、第2の大きさを、第1の大きさで除した値であってよい。
【0118】
なお、蛍光L1の大きさは、第1光軸Ax1に垂直な断面において、蛍光L1の光量分布におけるピーク値のe
2分の1の光量を有する等高線によって規定されてもよい。ここで、“e”はネイピア数と呼ばれる。換言すれば、
図2で示される蛍光L1の両外縁の光線は、第1光軸Ax1に垂直な断面における光量分布のピーク値のe
2分の1の光量を有する光線であってもよい。上記の等高線(つまり、両外縁の光線)で囲まれる領域よりも外側の領域における光は、ノイズ光とみなされてもよい。
【0119】
結像倍率が、第3の大きさを第1の大きさで除した値以下であれば、像面IS1における蛍光L1の大きさ(第2の大きさ)を照明開口9aの大きさ(第3の大きさ)以下にすることができる。よって、蛍光L1が、筐体2のうちの照明開口9aの周縁部に入射する可能性を低減させることができる。これにより、照明開口9aから漏れ出る不要な反射散乱光を低減させることができる。
【0120】
また、結像光学系の結像倍率は、照明開口9a内を通過する蛍光L1の大きさが照明開口9aよりも小さくなる値に設定されてもよい。これにより、反射散乱光をさらに低減させることができる。
【0121】
また、ここで、波長変換部5から第1Aレンズ71に向かう蛍光L1の広がり角を第1広がり角θ1とし、照明空間S1における蛍光L1の広がり角を第2広がり角(配光角ともいう)θ2とする。
図2では、第1の広がり角θ1および第2の広がり角θ2のそれぞれの一例が細い弧状の矢印で示されている。第1広がり角θ1を、1つ以上の第1レンズ7の直前における蛍光L1の広がり角とみなすことができ、第2広がり角θ2を、像面IS1の直後における蛍光L1の広がり角とみなすことができる。1つ以上の第1レンズ7は、第2広がり角θ2が第1広がり角θ1よりも小さくなる条件で設計されてよい。第2広がり角θ2に関する具体的な一例として、照明空間S1における蛍光L1の配向角(例えば、半値角)は、60度以下程度である。照明装置1の配向角は、例えば、45度未満、30度未満または15度未満であってもよい。これにより、例えば、照明空間S1に対して一定間隔で複数の照明装置1が設置されると、照明空間S1において、視界に入る照明装置1のグレアが低減される。その結果、照明空間S1の快適性が高まり得る。
【0122】
<2.他の実施形態>
本開示は上述の第1実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更および改良などが可能である。
【0123】
<2-1.第2実施形態>
上記第1実施形態において、例えば、
図9で示されるように、波長変換部5は、筐体2の内部空間2sを基準として第1開口2aから第2開口2bに向かう第1方向としての+Z方向の側に位置している領域(第2領域ともいう)A2に位置していてもよい。換言すれば、波長変換部5は、筐体2の外部Ex1の空間における第2領域A2に位置していてもよい。第2領域A2は、筐体2の外部Ex1の空間のうち、筐体2の内部空間2sの第1方向としての+Z方向の側に位置している。この場合には、光源3は、第2領域A2に位置していてもよいし、第1領域A1と第2領域A2に跨がった領域(第3領域ともいう)A3に位置していてもよい。光源3が、第1領域A1、第2領域A2および第3領域A3の何れか1つの領域に位置している構成が採用されれば、筐体2の径方向における照明装置1のサイズが低減され得る。
【0124】
図9は、第2実施形態に係る照明装置1の構成の一例を概略的に示す断面図である。
図9で示された第2実施形態に係る照明装置1の構成の一例は、
図1で示された第1実施形態に係る照明装置1の構成の一例を基礎として、光源3、ベース部材4、波長変換部5および放熱部材10の位置、ベース部材4のサイズならびに筐体2のうちの第1ベース部41および第2ベース部42が固定された位置が変更された構成を有する。
【0125】
図9の例では、光源3が第3領域A3に位置しており、波長変換部5が第2領域A2に位置しており、ベース部材4が筐体2の第2端部E2および第2開口2bに沿って位置している。第1部分41fおよび第2部分42fのそれぞれが第2領域A2に位置している。ベース部材4は、筐体2のうちの第2端部E2に固定された状態にある。より具体的には、第1ベース部41および第2ベース部42のそれぞれが筐体2のうちの第2端部E2に固定された状態にある。
【0126】
<2-2.第3実施形態>
上記第1実施形態において、例えば、
図10で示されるように、波長変換部5は、筐体2のうちの内部空間2sの第1領域A1と筐体2の外部Ex1の空間における第2領域A2とに跨がった第3領域A3に位置していてもよい。換言すれば、波長変換部5は、筐体2の内部空間2sから外部Ex1の空間との境界上に位置していてもよい。この場合には、光源3は、第2領域A2に位置していてもよいし、第1領域A1と第2領域A2に跨がった第3領域A3に位置していてもよい。
【0127】
図10は、第3実施形態に係る照明装置1の構成の一例を概略的に示す断面図である。
図10で示された第3実施形態に係る照明装置1の構成の一例は、
図1で示された第1実施形態に係る照明装置1の構成の一例を基礎として、光源3、ベース部材4、波長変換部5および放熱部材10の位置、ベース部材4のサイズならびに筐体2のうちの第1ベース部41および第2ベース部42が固定された位置が変更された構成を有する。
【0128】
図10の例では、光源3および波長変換部5がそれぞれ第3領域A3に位置しており、ベース部材4が筐体2の第2端部E2および第2開口2bに沿って位置している。第1部分41fおよび第2部分42fのそれぞれが第2領域A2に位置している。ベース部材4は、筐体2のうちの第2端部E2に固定された状態にある。より具体的には、第1ベース部41および第2ベース部42のそれぞれが筐体2のうちの第2端部E2に固定された状態にある。
【0129】
<2-3.第4実施形態>
上記各実施形態において、例えば、
図11で示されるように、光源3は、筐体2の外部Ex1の空間のうちの第2領域A2とは異なる領域(第4領域ともいう)A4に位置していてもよい。さらに、筐体2は、光源3から波長分離フィルタ62に向かう励起光L0が通過する第3開口2cをさらに有していてよい。そして、照明装置1は、光源3から第3開口2cに至る励起光L0の光路上に位置している1つ以上の第2レンズ7Aを備えていてよい。
【0130】
この構成が採用されれば、例えば、光源3から出射される励起光L0の第1中心線Cn1に垂直な断面の形状が、楕円形などの円形でない場合であっても、光源3からの励起光L0の断面の形状を1つ以上の第2レンズ7Aで成型することができる。このため、波長変換部5の形状およびサイズに応じた励起光L0のスポットを波長変換部5上に形成することができる。これにより、波長変換部5に照射される励起光L0の光量を増加させることができる。このため、照明装置1から出射される照明光としての蛍光L1の光量をより増加させることが可能となる。その結果、照明装置1における照明光の明るさおよびエネルギー効率をさらに向上させることができる。
【0131】
図11は、第4実施形態に係る照明装置1の構成の一例を概略的に示す断面図である。
図11で示された第4実施形態に係る照明装置1の構成の一例は、
図1で示された第1実施形態に係る照明装置1の構成の一例を基礎として、筐体2および保持機構8の形状、光源3の位置ならびにベース部材4および放熱部材10の形状が変更されており且つ1つ以上の第2レンズ7Aが追加された構成を有する。
図11では、1つ以上の第2レンズ7Aの一例として、便宜的に1つの第2レンズ7Aが描かれている。
【0132】
第4実施形態では、例えば、筐体2は、外部Ex1に開口している第3開口2cを有する。第3開口2cは、光源3からの励起光L0を通過させて、励起光L0を筐体2の内部空間2sに導くための開口である。第3開口2cは、筐体2のうちの第1端部E1と第2端部E2との間の第1の所定の部分に位置している。第1の所定の部分は、筐体2のうち、第1方向としての+Z方向において、第1端部E1と第2端部E2との中間の部分であってよいし、この中間の部分から第1端部E1または第2端部E2に近づけた部分であってもよい。第3開口2cは、筐体2を-X方向に沿って貫通していてよい。筐体2の第2端部E2は、XY平面に沿った形状を有していなくてもよい。例えば、
図11で示されるように、筐体2の第2端部E2は、周方向の一部分が第1方向としての+Z方向に突出している形状を有していてもよい。
【0133】
保持機構8は、例えば、第3開口2cと内部空間2sとを接続している開口(第4開口ともいう)81chを有していてよい。第4開口81chは、光源3からの励起光L0を通過させて、励起光L0を筐体2の内部空間2sに導くための開口である。
図11の例では、第4開口81chは、第3保持部材81cを-X方向に貫通している開口である。第4開口81chは、円筒状の第3保持部材81cの一部に位置している貫通孔で構成されていてもよいし、円筒状の第3保持部材81cの一部が欠けた部分(欠け部ともいう)で構成されていてもよい。
【0134】
光源3が位置している第4領域A4は、例えば、第1領域A1、第2領域A2および第3領域A3のうちの何れかの領域を基準として、第1光軸Ax1に垂直な方向にシフトさせた場所に位置していてよい。
図11の例では、第4領域A4は、第3領域A3を基準として第1光軸Ax1に垂直な方向に位置している。別の観点から言えば、第4領域A4は、筐体2の第2端部E2を挟んで、第3領域A3とは逆側に位置している。換言すれば、第4領域A4と第3領域A3との間に第2端部E2が位置している。ここでは、第4領域A4と第1領域A1との間に第2端部E2が位置していてもよい。
【0135】
ベース部材4は、例えば、第1領域A1、第2領域A2および第3領域A3のうちの1つの領域から、第4領域A4にかけて位置していてよい。別の観点から言えば、第1ベース部41は、第4領域A4に位置しており、第2ベース部42は、第1領域A1、第2領域A2および第3領域A3のうちの1つ以上の領域に位置していてよい。換言すれば、第1部分41fは、第4領域A4に位置しており、第2部分42fは、第1領域A1、第2領域A2および第3領域A3のうちの1つ以上の領域に位置していてよい。
【0136】
図11の例では、第1ベース部41が第4領域A4に位置しており、第2ベース部42が第3領域A3に位置している。より具体的には、第1ベース部41は、筐体2の第2開口2bを構成している内周面のうちの一部に沿った部分から、筐体2の第2端部E2の一部に沿った部分にかけて位置している。第2ベース部42は、筐体2の第2端部E2の一部に沿った部分から筐体2の径方向において外部Ex1に向けて突出している状態で位置している。別の観点から言えば、ベース部材4は、第2ベース部42と、第2ベース部42から筐体2の径方向において外部Ex1に向けて突出している部分としての第1ベース部41と、を有する。第1部分41fは、第4領域A4に位置しており、第2部分42fは、第1領域A1に位置している。
【0137】
放熱部材10は、例えば、ベース部材4のサイズに応じたサイズを有していてよい。例えば、放熱部材10の基部101は、ベース部材4のうちの第1方向としての+Z方向を向いた面の全面に沿って位置していてもよいし、ベース部材4のうちの第1方向としての+Z方向を向いた面のうちの一部に沿って位置していてもよい。
図11の例では、放熱部材10の基部101は、ベース部材4のうちの第1方向としての+Z方向を向いた面の全面に沿って位置している。
【0138】
1つ以上の第2レンズ7Aは、例えば、筐体2の外部Ex1に位置している。1つ以上の第2レンズ7Aは、例えば、レンズホルダ部2hなどを介して筐体2に固定されていてよい。レンズホルダ部2hは、接合、接着、嵌め込みまたは締結などによって筐体2に固定された部材であってもよいし、筐体2の一部であってもよい。1つ以上の第2レンズ7Aには、例えば、シリンドリカルレンズなどが適用される。1つ以上の第2レンズ7Aは、1つのレンズであってもよいし、2つのレンズであってもよいし、3つ以上のレンズであってもよい。
【0139】
<2-4.第5実施形態>
上記各実施形態において、例えば、
図12で示されるように、1つ以上の第1レンズ7は、平坦な第1面7aと凸状の第2面7bとを有するとともに、第1面7a上に波長分離フィルタ62が位置している、平凸レンズを含んでいてもよい。この場合には、1つ以上の第1レンズ7とは別に、波長分離フィルタ62を含むフィルタ部材6を配置しなくてもよい。このため、照明装置1における部品点数を削減することができる。
【0140】
図12は、第5実施形態に係る照明装置1の構成の一例を概略的に示す断面図である。
図12で示された第5実施形態に係る照明装置1の構成の一例は、
図1で示された第1実施形態に係る照明装置1の構成の一例を基礎として、フィルタ部材6が削除され、第1Bレンズ72が平凸レンズに変更され、保持機構8が第3保持部材81cおよび第4保持部材81dの代わりに第6保持部材81fを含む構成を有する。
【0141】
図12の例では、第1Bレンズ72は、波長変換部5側に平坦な第1面7aを有し、第1開口2a側に凸状の第2面7bを有する、平凸レンズである。波長分離フィルタ62は、第1Bレンズ72の第1面7a上に位置している。波長分離フィルタ62には、例えば、第1Bレンズ72のうちの平坦な第1面7a上に形成された誘電体多層膜などのダイクロイックフィルムが適用される。
【0142】
第6保持部材81fは、第2保持部材81bとの間で第1Bレンズ72を保持しているレンズホルダとして機能し得る。
図12の例では、第6保持部材81fは、第1Bレンズ72と第1Cレンズ73との間に位置している。第1Bレンズ72の外周部は、光軸方向において、第2保持部材81bと第6保持部材81fとで挟み持たれた状態にあってよい。
【0143】
第6保持部材81fは、例えば、第1光軸Ax1を囲む筒状の形状を有する。第6保持部材81fの内周面は、第1Bレンズ72の外周面よりも第1光軸Ax1の近くに位置している。第6保持部材81fの内周面は、第6保持部材81fのうちの第1光軸Ax1の近くに位置している内周の面であってよい。また、第6保持部材81fの内周面は、第1Cレンズ73の外周面よりも第1光軸Ax1の近くに位置している。
【0144】
第6保持部材81fの外周面は、筐体2の内周面に接していてもよい。第6保持部材81fの外周面は、第6保持部材81fの第1光軸Ax1を中心とした外周の面であってよい。第6保持部材81fの外周面は、筐体2の内周面に嵌まっていてもよい。例えば、第6保持部材81fの外周面の雄ネジ部が、筐体2の内周面の雌ネジ部に嵌まり込んだ構造が採用されてもよい。第6保持部材81fの外周面は、筐体2の内周面に接着などで固定されていてもよい。第1Cレンズ73の外周面は、筐体2の内周面に接していてもよい。
【0145】
第1Cレンズ73は、筐体2の内周面に嵌まっていてもよい。また、ここで、例えば、第6保持部材81fが第1Cレンズ73の外周部に接していれば、第6保持部材81fは、第1Bレンズ72と第1Cレンズ73との間隔を決めるスペーサとして機能し得る。これにより、第1Bレンズ72と第1Cレンズ73との間隔を容易に設定することができる。第1Cレンズ73の外周部は、第1Cレンズ73のうちの第1光軸Ax1を中心とした外周の部分であってよい。
【0146】
ここで、例えば、第1Bレンズ72の代わりに、第1Aレンズ71または第1Cレンズ73が、波長分離フィルタ62を有する平凸レンズとされてもよい。換言すれば、1つ以上の第1レンズ7のうちの何れの第1レンズ7が、波長分離フィルタ62を有する平凸レンズとされてもよい。また、例えば、1つ以上の第1レンズ7に含まれる平凸レンズは、波長変換部5側に凸状の第2面7bを有し、第1開口2a側に平坦な第1面7aを有していてもよい。
【0147】
<2-5.第6実施形態>
上記各実施形態において、例えば、
図13および
図14で示されるように、ベース部材4は、第1ベース部41と第2ベース部42との間に位置している断熱部43を含んでいてもよい。ここで、断熱部43は、第1ベース部41および第2ベース部42の何れよりも低い熱伝導率を有する。この場合には、例えば、光源3の発熱量が波長変換部5の発熱量よりも大きな場合には、光源3で生じて第1ベース部41を介して第2ベース部42に伝わる熱が低減される。これにより、第2ベース部42などによる波長変換部5の冷却を増大させることができる。その結果、波長変換部5の熱による劣化を低減することができる。
【0148】
図13は、第6実施形態に係る照明装置1の構成の第1例を概略的に示す断面図である。
図13で示された第6実施形態に係る照明装置1の構成の第1例は、
図11で示された第4実施形態に係る照明装置1の構成の一例を基礎として、ベース部材4が第1ベース部41と第2ベース部42との間に断熱部43を含む形態に変更された構成を有する。
図14は、第6実施形態に係る照明装置1の構成の第2例を概略的に示す断面図である。
図14で示された第6実施形態に係る照明装置1の構成の第2例は、
図12で示された第5実施形態に係る照明装置1の構成の一例を基礎として、ベース部材4が第1ベース部41と第2ベース部42との間に断熱部43を含む形態に変更された構成を有する。
【0149】
断熱部43の素材には、例えば、第1ベース部41および第2ベース部42の素材よりも熱伝導率が低いセラミックスなどが適用され得る。例えば、第1ベース部41と第2ベース部42とを、断熱部43の存在によって完全に分離すれば、光源3で生じて第1ベース部41を介して第2ベース部42に伝わる熱をより低減することができる。
【0150】
ここで、例えば、放熱部材10は、第1ベース部41に固定された放熱部材(第1放熱部材ともいう)と、第2ベース部42に固定された放熱部材(第2放熱部材ともいう)と、に分割されてもよい。第1放熱部材および第2放熱部材は、それぞれ複数の突起部分を有する。この構成が採用されれば、例えば、光源3の発熱量が波長変換部5の発熱量よりも大きな場合には、光源3で生じて第1ベース部41などを介して第2ベース部42に伝わる熱が低減される。これにより、第2ベース部42などによる波長変換部5の冷却を増大させることができる。その結果、波長変換部5の熱による劣化を低減することができる。
【0151】
複数の突起部分のそれぞれは、薄板状のフィンであってもよいし、細長い棒状のピンであってもよい。ここで、例えば、第1放熱部材を存在させずに、第1ベース部41が、複数の突起部分を有していてもよい。
【0152】
<2-6.第7実施形態>
上記各実施形態において、例えば、
図15および
図16で示されるように、第1ベース部41と第2ベース部42とが、空間44を介して離れて位置していてもよい。この構成が採用されても、例えば、光源3の発熱量が波長変換部5の発熱量よりも大きな場合には、光源3で生じて第1ベース部41を介して第2ベース部42に伝わる熱が低減される。これにより、第2ベース部42などによる波長変換部5の冷却を増大させることができる。その結果、波長変換部5の熱による劣化を低減することができる。
【0153】
図15は、第7実施形態に係る照明装置1の構成の第1例を概略的に示す断面図である。
図15で示された第7実施形態に係る照明装置1の構成の第1例は、
図13で示された第6実施形態に係る照明装置1の構成の第1例を基礎として、断熱部43が、空間44に置換された構成を有する。
図16は、第7実施形態に係る照明装置1の構成の第2例を概略的に示す断面図である。
図16で示された第7実施形態に係る照明装置1の構成の第2例は、
図14で示された第6実施形態に係る照明装置1の構成の第2例を基礎として、断熱部43が、空間44に置換された構成を有する。
【0154】
例えば、第1ベース部41と第2ベース部42とを、空間44の存在によって完全に分離すれば、光源3で生じて第1ベース部41を介して第2ベース部42に伝わる熱をより低減することができる。
【0155】
ここで、例えば、空間44の一部が断熱部43に置換されてもよい。この構成が採用されても、例えば、光源3の発熱量が波長変換部5の発熱量よりも大きな場合には、光源3で生じて第1ベース部41を介して第2ベース部42に伝わる熱が低減される。これにより、第2ベース部42などによる波長変換部5の冷却を増大させることができる。その結果、波長変換部5の熱による劣化を低減することができる。
【0156】
ここで、例えば、
図17および
図18で示されるように、放熱部材10は、第1ベース部41に固定された放熱部材(第1放熱部材ともいう)10aと、第2ベース部42に固定された放熱部材(第2放熱部材ともいう)10bと、に置き換えられてもよい。第1放熱部材10aは、複数の突起部分(第1突起部分ともいう)102aを有する。第2放熱部材10bは、複数の突起部分(第2突起部分ともいう)102bを有する。換言すれば、照明装置1は、第1ベース部41に固定された状態にあり且つ複数の第1突起部分102aを有する第1放熱部材10aと、第2ベース部42に固定された状態にあり且つ複数の第2突起部分102bを有する第2放熱部材10bと、を備えていてもよい。この構成が採用されれば、例えば、光源3の発熱量が波長変換部5の発熱量よりも大きな場合には、光源3で生じて第1ベース部41などを介して第2ベース部42に伝わる熱が低減される。これにより、第2ベース部42による波長変換部5の冷却を増大させることができる。その結果、波長変換部5の熱による劣化を低減することができる。第1放熱部材10aと第2放熱部材10bとが離れて位置していれば、光源3で生じて第1ベース部41などを介して第2ベース部42に伝わる熱がより低減される。
【0157】
図17は、第7実施形態に係る照明装置1の構成の第3例を概略的に示す断面図である。
図17で示された第7実施形態に係る照明装置1の構成の第3例は、
図15で示された第7実施形態に係る照明装置1の構成の第1例を基礎として、放熱部材10が第1放熱部材10aおよび第2放熱部材10bに置き換えられた構成を有する。
図18は、第7実施形態に係る照明装置1の構成の第4例を概略的に示す断面図である。
図18で示された第7実施形態に係る照明装置1の構成の第4例は、
図16で示された第7実施形態に係る照明装置1の構成の第2例を基礎として、放熱部材10が第1放熱部材10aおよび第2放熱部材10bに置き換えられた構成を有する。
【0158】
第1放熱部材10aおよび第2放熱部材10bは、それぞれ、照明装置1から外部Ex1の空間への熱の放散を増大させる部材である。
【0159】
第1放熱部材10aにおける複数の第1突起部分102aのそれぞれは、薄板状のフィンであってもよいし、細長い棒状のピンであってもよい。複数の第1突起部分102aの存在によって、第1放熱部材10aから外部Ex1の空間への熱の放散が増加し得る。第1放熱部材10aは、例えば、板状の第1基部101aと、この第1基部101aから突起している形でそれぞれ位置している複数の第1突起部分102aと、を含んでいてよい。
図17および
図18の例では、第1放熱部材10aは、第1ベース部41の第1方向としての+Z方向の側の部分に固定された状態にある。より具体的には、第1放熱部材10aの第1基部101aが、第1ベース部41の第1方向としての+Z方向の側の部分に固定された状態にある。第1放熱部材10aは、第1ベース部41に対して、接合、嵌め込みまたは締結などによって固定されてよい。
【0160】
第1放熱部材10aの素材が、熱伝導率が高い素材であれば、第1放熱部材10aによって光源3から熱が放散する速度を増加させることができる。換言すれば、第1放熱部材10aが、いわゆるヒートシンクとしての機能を果たし得る。これにより、光源3が熱によって劣化する程度が低減され得る。第1放熱部材10aの素材には、例えば、Cu、Al、Mg、Au、Ag、Fe、Cr、Co、Be、Mo、Wまたは合金などの熱伝導率が高い金属材料などが適用される。
【0161】
第2放熱部材10bにおける複数の第2突起部分102bのそれぞれは、薄板状のフィンであってもよいし、細長い棒状のピンであってもよい。複数の第2突起部分102bの存在によって、第2放熱部材10bから外部Ex1の空間への熱の放散が増加し得る。第2放熱部材10bは、例えば、板状の第2基部101bと、この第2基部101bから突起している形でそれぞれ位置している複数の第2突起部分102bと、を含んでいてよい。
図17および
図18の例では、第2放熱部材10bは、第2ベース部42の第1方向としての+Z方向の側の部分に固定された状態にある。より具体的には、第2放熱部材10bの第2基部101bが、第2ベース部42の第1方向としての+Z方向の側の部分に固定された状態にある。第2放熱部材10bは、第2ベース部42に対して、接合、嵌め込みまたは締結などによって固定されてよい。
【0162】
第2放熱部材10bの素材が、熱伝導率が高い素材であれば、第2放熱部材10bによって波長変換部5から熱が放散する速度を増加させることができる。換言すれば、第2放熱部材10bが、いわゆるヒートシンクとしての機能を果たし得る。これにより、波長変換部5が熱によって劣化する程度が低減され得る。第2放熱部材10bの素材には、例えば、Cu、Al、Mg、Au、Ag、Fe、Cr、Co、Be、Mo、Wまたは合金などの熱伝導率が高い金属材料などが適用される。
【0163】
<2-7.第8実施形態>
上記第7実施形態において、例えば、
図19で示されるように、第1方向としての+Z方向において、光源3は、波長変換部5よりも第1開口2aから離れて位置しており、照明装置1は、1つ以上の第2レンズ7Aを備えていてもよい。1つ以上の第2レンズ7Aは、波長変換部5から波長分離フィルタ62に向かう蛍光L1の光路上に位置しておらず且つ光源3から波長分離フィルタ62に向かう励起光L0の光路上に位置している。
【0164】
この場合には、光源3からの励起光L0の断面の形状を1つ以上の第2レンズ7Aで成型することができる。このため、波長変換部5の形状およびサイズに応じた励起光L0のスポットを波長変換部5上に形成することができる。これにより、波長変換部5に照射される励起光L0の光量を増加させることができる。このため、照明装置1から出射される照明光としての蛍光L1の光量をより増加させることが可能となる。その結果、照明装置1における照明光の明るさおよびエネルギー効率をさらに向上させることができる。また、第1ベース部41と第2ベース部42とが空間44を介して離れて位置しているため、筐体2に対する光源3の位置と、筐体2に対する波長変換部5の位置と、を別々に設定することができる。これにより、波長変換部5に対して励起光L0が照射される位置を調整することができてもよい。
【0165】
図19は、第8実施形態に係る照明装置1の構成の一例を概略的に示す断面図である。
図19で示された第8実施形態に係る照明装置1の構成の一例は、
図1および
図2で示された第1実施形態に係る照明装置1の構成の一例を基礎として、ベース部材4が空間44を介して離れて位置している第1ベース部41および第2ベース部42に置換され、放熱部材10が第1放熱部材10aおよび第2放熱部材10bに置換され、第2レンズ7Aが追加された構成を有する。
図19では、1つ以上の第2レンズ7Aの一例として、便宜的に1つの第2レンズ7Aが描かれている。
【0166】
図19で示されるように、第8実施形態に係る照明装置1では、例えば、第1ベース部41は、第2ベース部42よりも第1方向としての+Z方向にずれた場所に位置している。例えば、第1放熱部材10aは、第2放熱部材10bよりも第1方向としての+Z方向にずれた場所に位置している。ここでは、光源3は、第1領域A1、第2領域A2および第3領域A3の何れに位置していてもよい。1つ以上の第2レンズ7Aは、第1領域A1、第2領域A2および第3領域A3の何れに位置していてもよい。波長変換部5は、第1領域A1、第2領域A2および第3領域A3の何れに位置していてもよい。第1方向としての+Z方向において、第1距離D1は、第2距離D2よりも大きくてよい。第1方向としての+Z方向における第1開口2aからの距離は、波長変換部5、1つ以上の第2レンズ7Aおよび光源3の順に大きくてよい。
【0167】
1つ以上の第2レンズ7Aは、例えば、筐体2に対して、レンズホルダ部2hなどを介して筐体2に固定されていてよい。レンズホルダ部2hは、接合、接着、嵌め込みまたは締結などによって筐体2に固定された部材であってもよいし、筐体2の一部であってもよい。1つ以上の第2レンズ7Aには、例えば、シリンドリカルレンズなどが適用される。1つ以上の第2レンズ7Aは、1つのレンズであってもよいし、2つのレンズであってもよいし、3つ以上のレンズであってもよい。第2ベース部42は、光源3からの励起光L0の光路を遮らない形状を有する。
【0168】
ここで、例えば、
図19で示されるように、照明装置1は、第1ベース部41に固定された状態にあり且つ複数の第1突起部分102aを有する第1放熱部材10aと、第2ベース部42に固定された状態にあり且つ複数の第2突起部分102bを有する第2放熱部材10bと、を備えていてもよい。この構成が採用されれば、例えば、光源3の発熱量が波長変換部5の発熱量よりも大きな場合には、光源3で生じて第1ベース部41などを介して第2ベース部42に伝わる熱が低減される。これにより、第2ベース部42による波長変換部5の冷却を増大させることができる。その結果、波長変換部5の熱による劣化を低減することができる。第1放熱部材10aと第2放熱部材10bとが離れて位置していれば、光源3で生じて第1ベース部41などを介して第2ベース部42に伝わる熱がより低減される。
【0169】
図19の例では、筐体2の第2端部E2は、第1ベース部41が固定された部分が、第2ベース部42が固定された部分よりも第1方向としての+Z方向に突出している形状を有する。第2ベース部42は、光源3からの励起光L0が通過する開口(導入開口ともいう)4hを有する。導入開口4hは、第1方向としての+Z方向において第2ベース部42を貫通している。
【0170】
ここで、照明装置1は、1つ以上の第1レンズ7の第1光軸Ax1に対する波長変換部5の位置を調整する機構(位置調整機構ともいう)Ad1を備えていてもよい。これにより、波長変換部5において励起光L0が照射される位置を調整することができる。
【0171】
図20は、第8実施形態に係る位置調整機構Ad1の一例を概略的に示す断面図である。
図20の断面図は、
図19のXX-XX線に沿った位置に対応する断面図である。
図20で示されるように、位置調整機構Ad1は、例えば、筐体2の径方向において筐体2をそれぞれ貫通している複数のネジ孔2shと、複数のネジ孔2shに対して貫通しており且つ嵌まっている状態で位置している複数の雄ネジ部材2swと、を有する。例えば、筐体2における周方向の異なる3箇所以上の複数の場所のそれぞれにネジ孔2shが位置している。ここでは、複数のネジ孔2shのそれぞれに雄ネジ部材2swが貫通しており且つ嵌まっている状態にある。複数のネジ孔2shは、それぞれ内周部に雌ネジを有する。複数の雄ネジ部材2swは、それぞれ外周部に雄ネジを有する。複数の雄ネジ部材2swには、例えば、ボルトなどが適用される。第2ベース部42は、例えば、複数の雄ネジ部材2swによって挟み持たれた状態にある。これにより、第2ベース部42は、複数の雄ネジ部材2swを介して筐体2に固定されている。
【0172】
図20の例では、位置調整機構Ad1は、3つのネジ孔2shと、3つの雄ネジ部材2swと、を有する。3つのネジ孔2shは、第1光軸Ax1を中心とした3つの場所に位置していてよい。この3つの場所は、例えば、1つのネジ孔2shが位置している1つ目の場所と、この1つ目の場所を基準として第1光軸Ax1を中心に120度の回転を順に行った先の2つの場所と、を含む。そして、第2ベース部42は、3つの雄ネジ部材2swによって3方向から挟み持たれている。
【0173】
ここでは、複数の雄ネジ部材2swのそれぞれについて、ネジ孔2shに対してねじ込まれている量を調整することで、第2ベース部42が筐体2に対して固定されている位置を第1光軸Ax1に垂直な仮想平面に沿って移動させることができる。これにより、第1光軸Ax1に対する第2ベース部42の位置を調整することができる。その結果、第1光軸Ax1に対する波長変換部5の位置を調整することができる。
【0174】
ここで、例えば、照明装置1は、第1光軸Ax1に対する光源3の位置を調整することが可能な機構を備えていてもよい。例えば、照明装置1は、第1ベース部41が筐体2に対して固定されている位置を第1光軸Ax1に垂直な仮想平面に沿って移動させることが可能な機構を備えていてもよい。
【0175】
<2-8.第9実施形態>
上記第1実施形態から上記第4実施形態および上記第6実施形態から上記第8実施形態において、例えば、
図21で示されるように、波長分離フィルタ62は、第1Aレンズ71と第1Bレンズ72との間に位置していてもよい。換言すれば、波長分離フィルタ62は、1つ以上の第1レンズ7のうちの何れの2つの第1レンズ7の間に位置していてもよい。これにより、1つ以上の第1レンズ7におけるレンズの設計の自由度を広げることができる。また、配光角θ2に係る設計の自由度を広げることができる。
【0176】
図21は、第9実施形態に係る照明装置1の構成の一例を概略的に示す断面図である。
図21で示された第9実施形態に係る照明装置1の構成の一例は、
図19で示された第8実施形態に係る照明装置1の構成の一例を基礎として、フィルタ部材6の位置が、第1Bレンズ72と第1Cレンズ73との間から、第1Aレンズ71と第1Bレンズ72との間に変更された構成を有する。
図21の例では、第2保持部材81bと第3保持部材81cとの間にフィルタ部材6が位置し、第3保持部材81cと第4保持部材81dとの間に第1Bレンズ72が位置している。
【0177】
また、波長分離フィルタ62は、1つ以上の第1レンズ7と第1開口2aとの間に位置していてもよい。また、波長分離フィルタ62は、波長変換部5と第1開口2aとの間の任意の場所に位置していてもよい。
【0178】
<2-9.第10実施形態>
上記各実施形態において、例えば、
図22および
図23で示されるように、第1Aレンズ71は、光源3から波長分離フィルタ62に向かう励起光L0の光路上に位置しておらず、波長分離フィルタ62から波長変換部5に向かう励起光L0の光路上に位置していてもよい。この場合には、波長変換部5から放射された蛍光L1を波長分離フィルタ62の有効面に向かって透過させるための第1Aレンズ71と波長変換部5との距離を近づけることができる。これにより、波長変換部5から大きな広がり角で放射される蛍光L1のうちの波長分離フィルタ62の有効面を透過する蛍光L1の光量をより増加させることができる。その結果、照明装置1における照明光の明るさおよびエネルギー効率をさらに向上させることができる。
【0179】
図22は、第10実施形態に係る照明装置1の構成の第1例を概略的に示す断面図である。
図22で示された第10実施形態に係る照明装置1の構成の第1例は、
図21で示された第9実施形態に係る照明装置1の構成の一例を基礎として、第1Aレンズ71のサイズが縮小され、第1保持部材81aおよび第2保持部材81bの形状が変更された構成を有する。
図22の例では、第1保持部材81aおよび第2保持部材81bは、第1Aレンズ71を挟み持つ形状を有しているとともに、励起光L0が通過する貫通孔を有する。
【0180】
図23は、第10実施形態に係る照明装置1の構成の第2例を概略的に示す断面図である。
図23で示された第10実施形態に係る照明装置1の構成の第2例は、
図1および
図2で示された第1実施形態に係る照明装置1の構成の一例を基礎として、第1Aレンズ71のサイズが縮小され、第1保持部材81aおよび第2保持部材81bの形状が変更された構成を有する。
図23の例では、第1保持部材81aおよび第2保持部材81bは、第1Aレンズ71を挟み持つ形状を有しているとともに、光源3が配置された貫通孔を有する。また、光源3から出射される励起光L0は、第2保持部材81bの貫通孔を通過する。
【0181】
<2-10.第11実施形態>
上記第7実施形態から上記第10実施形態において、例えば、
図24および
図25で示されるように、光源3は、第1ベース部41を介することなく、第1放熱部材10aに固定されていてもよい。この場合には、例えば、第1放熱部材10aを、第1ベース部41とみなしてもよい。換言すれば、第1放熱部材10aは、第1ベース部41を含んでいてもよい。
【0182】
図24は、第11実施形態に係る照明装置1の構成の第1例を概略的に示す断面図である。
図24で示された第11実施形態に係る照明装置1の構成の第1例は、
図21で示された第9実施形態に係る照明装置1の構成の一例を基礎として、第1ベース部41が削除され、第1放熱部材10aが第1ベース部41とされた構成を有する。
図25は、第11実施形態に係る照明装置1の構成の第2例を概略的に示す断面図である。
図25で示された第11実施形態に係る照明装置1の構成の第2例は、
図22で示された第10実施形態に係る照明装置1の構成の第1例を基礎として、第1ベース部41が削除され、第1放熱部材10aが第1ベース部41とされた構成を有する。
【0183】
ここでは、例えば、光源3は、第1ベース部41としての第1放熱部材10aの第1基部101aのうちの第2方向としての-Z方向の側の部分に固定された状態にあってよい。光源3は、例えば、第1基部101aに対して、接着、はめ込み、接合または締結などによって固定されていてよい。光源3は、例えば、第1基部101aのうちの第2方向としての-Z方向の側において第1方向としての+Z方向に凹んだ部分(第3凹部ともいう)に嵌め込まれた状態で位置していてもよい。この場合には、第1部分41fには、第3凹部が適用される。光源3は、第1基部101aに対して直接固定されていてもよいし、第1基部101aに対して別の1つ以上の部材などを介して固定されていてもよい。第1基部101aは、例えば、筐体2のうちの第2端部E2側の部分に固定されている。例えば、第1基部101aは、筐体2のうちの第2開口2bを構成している部分に固定されていてもよいし、筐体2のうちの第2端部E2に固定されていてもよい。第1基部101aは、例えば、筐体2に対して、接着、はめ込み、接合または締結などによって固定されていてよい。第1基部101aは、筐体2に対して直接固定されていてもよいし、筐体2に対して別の1つ以上の部材などを介して固定されていてもよい。
【0184】
<3.その他の例>
上記各実施形態において、例えば、筐体2は、第2端部E2から内方に突出しているとともに、第2開口2bを有する部分(開口部分ともいう)を含んでいてもよい。開口部分は、例えば、XY平面に沿った板状の形状を有していてよい。第2開口2bの径は、第1開口2aの径よりも小さくてもよい。第2開口2bの断面の大きさは、第2開口2bが開口部分を貫通している方向において一定であっても、一定でなくてもよい。
【0185】
上記各実施形態において、例えば、開口部材9は、筐体2の内部空間2sに位置していてもよい。ここで、開口部材9の板状部91は、第1開口2aよりも波長分離フィルタ62の近くに位置していてもよいし、第1開口2aに位置していてもよい。蛍光L1は、開口部材9の照明開口9aを通過した後に筐体2の第1開口2aを通過してもよいし、筐体2の第1開口2aを通過しながら開口部材9の照明開口9aを通過してもよい。また、例えば、開口部材9は、存在していなくてもよい。この場合には、例えば、第5保持部材81eが、照明開口9aと同じ機能を有する開口を有していてもよい。
【0186】
上記各実施形態において、例えば、放熱部材10、第1放熱部材10aおよび第2放熱部材10bのうちの1つ以上の部材が存在していなくてもよい。
【0187】
上記各実施形態において、例えば、1つ以上の第1レンズ7は、第1Aレンズ71および第1Bレンズ72を含み且つ第1Cレンズ73を含んでいなくてもよいし、第1Aレンズ71を含み且つ第1Bレンズ72および第1Cレンズ73を含んでいなくてもよい。
【0188】
上記各実施形態において、例えば、筐体2の内壁が、少なくとも1つの第1レンズ7を固定するための突起あるいは凹部を有していてもよい。この場合には、例えば、保持機構8における1つ以上の保持部材81の数を適宜削減してもよい。
【0189】
上記各実施形態において、例えば、波長分離フィルタ62と第1開口2aとの間に、励起光L0の波長の光を吸収するフィルタが位置していてもよい。
【0190】
上記各実施形態において、例えば、1つ以上の保持部材81には、迷光を削減するための機能を持たせてもよい。
【0191】
上記各実施形態において、例えば、光源3は、発光素子に加えて、ファイバおよびロッドレンズなどの導光部材をさらに含んでいてもよい。ファイバは、線状のコアとクラッドとを含む。クラッドは、コアよりも低い屈折率を有しており、コアを被覆している。励起光L0は、コアとクラッドとの間の境界面で全反射しながらコア内を透過することができる。ロッドレンズは、例えば、柱状の形状を有する。励起光L0は、ロッドレンズの側面で全反射しながらロッドレンズの内部を透過することができる。これらの導光部材の入射端は、ファイバの長手方向の端に位置している第1端面またはロッドレンズの端に位置している第1端面に相当し、導光部材の出射端は、ファイバの第1端面とは逆側の第2端面またはロッドレンズの第1端面とは逆側の第2端面に相当する。発光素子からの励起光L0は、導光部材の入射端に入射し、導光部材内を進んで導光部材の出射端から出射する。この場合、光源3の出射部3eは、導光部材の出射端に相当する。
【0192】
以上のように、照明装置1は詳細に説明されたが、上記の説明は、すべての局面において、例示であって、この照明装置1がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の例が、この開示の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。上述した各実施形態および各種の例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせたり、省略したりすることができる。
【0193】
本開示には、以下の内容が含まれる。
【0194】
一実施形態において、(1)照明装置は、第1開口および該第1開口とは逆側に位置している第2開口を有する筒状の筐体と、励起光を出射する光源と、該光源が固定されており且つ前記筐体に固定された状態にある第1ベース部と、前記光源からの前記励起光の照射に応じて前記励起光とは異なる波長スペクトルを有する蛍光を発する波長変換部と、該波長変換部が固定されており且つ前記筐体に固定された状態にある第2ベース部と、前記筐体の内部空間に位置しており、前記光源からの前記励起光を前記波長変換部に向けて反射するとともに前記波長変換部からの前記蛍光を前記第1開口に向けて透過させる波長分離フィルタと、前記内部空間に位置している1つ以上の第1レンズと、を備え、前記波長変換部は、前記内部空間のうちの前記第2開口側の第1領域、前記内部空間を基準として前記第1開口から前記第2開口に向かう第1方向の側に位置している第2領域、および前記第1領域と前記第2領域とに跨がった第3領域、の何れか1つの領域に位置しており、前記1つ以上の第1レンズは、前記波長変換部から前記第1開口に至る前記蛍光の光路上に位置しており、前記第1方向において、前記第1開口から前記第1ベース部のうちの前記光源が固定された第1部分までの第1距離は、前記第1開口から前記第2ベース部のうちの前記波長変換部が固定された第2部分までの第2距離以上である。
【0195】
一実施形態において、(2)照明装置は、第1開口および該第1開口とは逆側に位置している第2開口を有する筒状の筐体と、励起光を出射する光源と、該光源が固定されており且つ前記筐体に固定された状態にある第1ベース部と、前記光源からの前記励起光の照射に応じて前記励起光とは異なる波長スペクトルを有する蛍光を発する波長変換部と、該波長変換部が固定されており且つ前記筐体に固定された状態にある第2ベース部と、前記筐体の内部空間に位置しており、前記光源からの前記励起光を前記波長変換部に向けて反射するとともに前記波長変換部からの前記蛍光を前記第1開口に向けて透過させる波長分離フィルタと、前記内部空間に位置している1つ以上の第1レンズと、を備え、前記波長変換部は、前記内部空間のうちの前記第2開口側の第1領域、前記内部空間を基準として前記第1開口から前記第2開口に向かう第1方向の側に位置している第2領域、および前記第1領域と前記第2領域とに跨がった第3領域、の何れか1つの領域に位置しており、前記1つ以上の第1レンズは、前記波長変換部から前記第1開口に至る前記蛍光の光路上に位置しており、前記筐体は、前記第1開口を有する第1端部と、該第1端部とは逆側において前記第2開口を有する第2端部と、を含み、前記第1ベース部および前記第2ベース部のそれぞれが、前記筐体のうちの前記第2端部側の部分に固定された状態にある。
【0196】
(3)上記(2)の照明装置は、前記第1方向において、前記第1開口から前記第1ベース部のうちの前記光源が固定された第1部分までの第1距離は、前記第1開口から前記第2ベース部のうちの前記波長変換部が固定された第2部分までの第2距離以上であってもよい。
【0197】
(4)上記(1)から(3)の何れか1つの照明装置において、前記1つ以上の第1レンズは、前記波長変換部と前記波長分離フィルタとの間に位置している第1Aレンズを含んでいてもよい。
【0198】
(5)上記(4)の照明装置において、前記第1Aレンズは、前記光源から前記波長分離フィルタに向かう前記励起光の光路上に位置しておらず、前記波長分離フィルタから前記波長変換部に向かう前記励起光の光路上に位置していてもよい。
【0199】
(6)上記(1)から(5)の何れか1つの照明装置において、前記1つ以上の第1レンズは、平坦な第1面と凸状の第2面とを有する平凸レンズを含み、前記波長分離フィルタは、前記第1面上に位置していてもよい。
【0200】
(7)上記(1)から(6)の何れか1つの照明装置は、前記第1ベース部と前記第2ベース部とを含むベース部材、を備えていてもよい。
【0201】
(8)上記(7)の照明装置において、前記ベース部材は、前記第1ベース部と前記第2ベース部との間に位置しており且つ前記第1ベース部および前記第2ベース部の何れよりも低い熱伝導率を有する断熱部を含んでいてもよい。
【0202】
(9)上記(1)から(8)の何れか1つの照明装置は、前記第1ベース部および前記第2ベース部のそれぞれに固定された状態にあり且つ複数の突起部分を有する放熱部材、を備えていてもよい。
【0203】
(10)上記(1)から(6)の何れか1つの照明装置において、前記第1ベース部と前記第2ベース部とが、空間を介して離れて位置していてもよい。
【0204】
(11)上記(1)から(10)の何れか1つの照明装置において、前記光源は、前記筐体の外部の空間のうちの前記第2領域とは異なる第4領域に位置しており、前記筐体は、前記光源から前記波長分離フィルタに向かう前記励起光が通過する第3開口をさらに有していてもよく、前記照明装置は、前記光源から前記第3開口に至る前記励起光の光路上に位置している1つ以上の第2レンズを、さらに備えていてもよい。
【0205】
(12)上記(10)の照明装置において、前記第1方向において、前記光源は、前記波長変換部よりも前記第1開口から離れて位置していてもよく、前記照明装置は、前記波長変換部から前記波長分離フィルタに向かう前記蛍光の光路上に位置しておらず、且つ前記光源から前記波長分離フィルタに向かう前記励起光の光路上に位置している1つ以上の第2レンズを、さらに備えていてもよい。
【0206】
(13)上記(12)の照明装置は、前記1つ以上の第1レンズの光軸に対する前記波長変換部の位置を調整する位置調整機構、を備えていてもよい。
【0207】
(14)上記(8)、(10)、(12)および(13)の何れか1つの照明装置は、複数の突起部分を有する第1放熱部材と、前記第2ベース部に固定された状態にあり且つ複数の突起部分を有する第2放熱部材と、を備えていてもよく、前記第1放熱部材は、前記第1ベース部に固定された状態にあるか、あるいは前記第1ベース部を含んでいてもよい。
【0208】
(15)上記(1)から(10)および(12)から(14)の何れか1つの照明装置において、前記光源は、前記第1領域、前記第2領域および前記第3領域の何れか1つの領域に位置していてもよい。
【符号の説明】
【0209】
1,901 照明装置
10 放熱部材
102 突起部分
102a 第1突起部分
102b 第2突起部分
10a 第1放熱部材
10b 第2放熱部材
2,902 筐体
2a 第1開口
2b 第2開口
2c 第3開口
2s 内部空間
3 光源
4 ベース部材
41 第1ベース部
41f 第1部分
42 第2ベース部
42f 第2部分
43 断熱部
44 空間
5 波長変換部
62 波長分離フィルタ
7 第1レンズ
71 第1Aレンズ
72 第1Bレンズ
73 第1Cレンズ
7A 第2レンズ
7a 第1面
7b 第2面
9a 照明開口
A1 第1領域
A2 第2領域
A3 第3領域
A4 第4領域
Ad1 位置調整機構
Ax1 第1光軸
D1 第1距離
D2 第2距離
E1 第1端部
E2 第2端部
Ex1 外部
L0 励起光
L1 蛍光