(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024033153
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/06 20120101AFI20240306BHJP
【FI】
G06Q20/06 300
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022136579
(22)【出願日】2022-08-30
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-04-13
(71)【出願人】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】江田 哲平
(72)【発明者】
【氏名】下平 正人
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055AA12
(57)【要約】
【課題】暗号資産を発行する財源の供給者に利益を提供することができるようにする。
【解決手段】所定の暗号資産の流通を制御する情報処理装置1である。情報処理装置1は、暗号資産の保有者から移転される暗号資産の資産額を含む移転依頼を受信する移転依頼受信部131と、保有者が保有する暗号資産の資産額と、該暗号資産を発行するための資金の供給者である資金供給者と、を関連付けて取得する取得部132と、保有者が保有する暗号資産のうち、移転依頼に含まれる資産額の暗号資産を移転させる移転部133と、保有者から移転した暗号資産の資産額に基づいて、保有者から移転した暗号資産に関連付けられた資金供給者に対して提供する対価を決定する対価決定部134とを有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の暗号資産の流通を制御する情報処理装置であって、
暗号資産の保有者から移転される前記暗号資産の資産額を含む移転依頼を受信する移転依頼受信部と、
前記保有者が保有する前記暗号資産の資産額と、該暗号資産を発行するための資金の供給者である資金供給者と、を関連付けて取得する取得部と、
前記保有者が保有する前記暗号資産のうち、前記移転依頼に含まれる資産額の前記暗号資産を移転させる移転部と、
前記保有者から移転した前記暗号資産の資産額に基づいて、前記保有者から移転した前記暗号資産に関連付けられた前記資金供給者に対して提供する対価を決定する対価決定部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記移転部は、前記保有者から移転する前記暗号資産の資産額と、該暗号資産の資金供給者と、を含むトランザクションデータであって、ブロックチェーン上に記録されるための前記トランザクションデータを生成する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
資金を供給する資金供給者のユーザ識別情報と、該資金供給者が供給した資金の金額とを、を受け付ける受付部と、
該資金供給者のユーザ識別情報と該資金供給者が供給した資金に前記暗号資産において対応する資産額とを含む供給資金データであって、前記ブロックチェーン上に記録されるための前記供給資金データを生成する発行部と、
をさらに有する請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記発行部は、前記受付部が資金の供給を受け付けた場合、前記資金供給者が供給した金額に対応する資産額の前記暗号資産が発行し、発行された前記暗号資産の保有者である、資金の供給を受けた事業者のユーザ識別情報と、発行された前記暗号資産の資産額と、を含む発行資産データであって、前記ブロックチェーン上に記録されるための前記発行資産データを生成する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記取得部は、前記保有者が保有する前記暗号資産の資産額と、該暗号資産の前記資金供給者と、該暗号資産が移転された履歴を示す移転履歴情報と、を関連付けて取得し、
前記対価決定部は、前記移転履歴情報が前記保有者から移転した前記暗号資産が所定の回数以上移転していることを示す場合、前記保有者から移転した前記暗号資産の資産額に基づいて、前記保有者から移転した前記暗号資産に関連付けられた前記資金供給者に対して提供する対価を決定する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
(1)前記資金供給者に提供した対価の量又は
(2)該対価の量が前記資金供給者が供給した資金に対する割合
を外部装置に表示させるよう制御する表示制御部をさらに有する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記対価決定部が決定した対価に法定通貨において相当する金額を前記保有者から移転した前記暗号資産に関連付けられた前記資金供給者の口座への入金を依頼する送金依頼情報を送信する対価支払依頼部をさらに有する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記対価決定部は、前記保有者から移転した前記暗号資産の資産額に基づいて、前記保有者から移転した前記暗号資産に関連付けられた前記資金供給者に対して、前記暗号資産の発行者、管理者又は移転先から提供する対価を決定する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
コンピュータが実行する、所定の暗号資産の流通を制御する情報処理方法であって、
暗号資産の保有者から移転される前記暗号資産の資産額を含む移転依頼を受信するステップと、
前記保有者が保有する前記暗号資産の資産額と、該暗号資産を発行するための資金の供給者である資金供給者と、を関連付けて取得するステップと、
前記保有者が保有する前記暗号資産のうち、前記移転依頼に含まれる資産額の前記暗号資産を移転させるステップと、
前記保有者から移転した前記暗号資産の資産額に基づいて、前記保有者から移転した前記暗号資産に関連付けられた前記資金供給者に対して提供する対価を決定するステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項10】
コンピュータに、所定の暗号資産の流通を制御させるためのプログラムであって、
暗号資産の保有者から移転される前記暗号資産の資産額を含む移転依頼を受信するステップと、
前記保有者が保有する前記暗号資産の資産額と、該暗号資産を発行するための資金の供給者である資金供給者と、を関連付けて取得するステップと、
前記保有者が保有する前記暗号資産のうち、前記移転依頼に含まれる資産額の前記暗号資産を移転させるステップと、
前記保有者から移転した前記暗号資産の資産額に基づいて、前記保有者から移転した前記暗号資産に関連付けられた前記資金供給者に対して提供する対価を決定するステップと、
実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
地域経済を活性化させることを目的として、特定の地域においてのみ利用可能な仮想通貨を流通させるシステムが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
地域デジタル通貨の流通量を拡大させる方法として、自治体が補助金を拠出することで地域デジタル通貨の発行量を拡大させることが行われているが、財源に限りがある。出資等により得た資金で地域デジタル通貨の発行量を拡大することが考えられるが、資金の供給者にメリットを享受させる必要がある。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、地域デジタル通貨等の暗号資産の財源の供給者に利益を提供できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の情報処理装置においては、所定の暗号資産の流通を制御する情報処理装置であって、暗号資産の保有者から移転される前記暗号資産の資産額を含む移転依頼を受信する移転依頼受信部と、前記保有者が保有する前記暗号資産の資産額と、該暗号資産を発行するための資金の供給者である資金供給者と、を関連付けて取得する取得部と、前記保有者が保有する前記暗号資産のうち、前記移転依頼に含まれる資産額の前記暗号資産を移転させる移転部と、前記保有者から移転した前記暗号資産の資産額に基づいて、前記保有者から移転した前記暗号資産に関連付けられた前記資金供給者に対して提供する対価を決定する対価決定部と、を有する。
【0007】
前記移転部は、前記保有者から移転する前記暗号資産の資産額と、該暗号資産の資金供給者と、を含むトランザクションデータであって、ブロックチェーン上に記録されるための前記トランザクションデータを生成してもよい。
【0008】
資金を供給する資金供給者のユーザ識別情報と、該資金供給者が供給した資金の金額とを、を受け付ける受付部と、該資金供給者のユーザ識別情報と該資金供給者が供給した資金に前記暗号資産において対応する資産額とを含む供給資金データであって、前記ブロックチェーン上に記録されるための前記供給資金データを生成する発行部と、をさらに有してもよい。
【0009】
前記発行部は、前記受付部が資金の供給を受け付けた場合、前記資金供給者が供給した金額に対応する資産額の前記暗号資産が発行し、発行された前記暗号資産の保有者である、資金の供給を受けた事業者のユーザ識別情報と、発行された前記暗号資産の資産額と、を含む発行資産データであって、前記ブロックチェーン上に記録されるための前記発行資産データを生成してもよい。
【0010】
前記取得部は、前記保有者が保有する前記暗号資産の資産額と、該暗号資産の前記資金供給者と、該暗号資産が移転された履歴を示す移転履歴情報と、を関連付けて取得し、前記対価決定部は、前記移転履歴情報が前記保有者から移転した前記暗号資産が所定の回数以上移転していることを示す場合、前記保有者から移転した前記暗号資産の資産額に基づいて、前記保有者から移転した前記暗号資産に関連付けられた前記資金供給者に対して提供する対価を決定してもよい。
【0011】
(1)前記資金供給者に提供した対価の量又は(2)該対価の量が前記資金供給者が供給した資金に対する割合を外部装置に表示させるよう制御する表示制御部をさらに有してもよい。
【0012】
前記対価決定部が決定した対価に法定通貨において相当する金額を前記保有者から移転した前記暗号資産に関連付けられた前記資金供給者の口座への入金を依頼する送金依頼情報を送信する対価支払依頼部をさらに有してもよい。
【0013】
前記対価決定部は、前記保有者から移転した前記暗号資産の資産額に基づいて、前記保有者から移転した前記暗号資産に関連付けられた前記資金供給者に対して、前記暗号資産の発行者、管理者又は移転先から提供する対価を決定してもよい。
【0014】
本発明の第2の態様の情報処理方法においては、コンピュータが実行する、所定の暗号資産の流通を制御する情報処理方法であって、暗号資産の保有者から移転される前記暗号資産の資産額を含む移転依頼を受信するステップと、前記保有者が保有する前記暗号資産の資産額と、該暗号資産を発行するための資金の供給者である資金供給者と、を関連付けて取得するステップと、前記保有者が保有する前記暗号資産のうち、前記移転依頼に含まれる資産額の前記暗号資産を移転させるステップと、前記保有者から移転した前記暗号資産の資産額に基づいて、前記保有者から移転した前記暗号資産に関連付けられた前記資金供給者に対して提供する対価を決定するステップと、を有する。
【0015】
本発明の第3の態様のプログラムにおいては、コンピュータに、所定の暗号資産の流通を制御させるためのプログラムであって、暗号資産の保有者から移転される前記暗号資産の資産額を含む移転依頼を受信するステップと、前記保有者が保有する前記暗号資産の資産額と、該暗号資産を発行するための資金の供給者である資金供給者と、を関連付けて取得するステップと、前記保有者が保有する前記暗号資産のうち、前記移転依頼に含まれる資産額の前記暗号資産を移転させるステップと、前記保有者から移転した前記暗号資産の資産額に基づいて、前記保有者から移転した前記暗号資産に関連付けられた前記資金供給者に対して提供する対価を決定するステップと、実行させる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、暗号資産の財源の供給者に利益を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】実施形態にかかる情報処理システムSの概要を説明する図である。
【
図2】情報処理装置1の構成を示すブロック図である。
【
図3】記憶部12が記憶する口座情報の一例を示す図である。
【
図4】情報処理装置1における移転処理について説明する図である。
【
図5】情報処理装置1における発行処理について説明する図である。
【
図6】情報処理装置1における処理の流れを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[情報処理システムSの概要]
図1は、実施形態にかかる情報処理システムSの概要を説明する図である。情報処理システムSは、暗号資産を用いた決済をするためのシステムである。情報処理システムSは、情報処理装置1、決済サーバ2及び情報端末3を有する。
【0019】
情報処理装置1は、暗号資産を管理するためのコンピュータである。一例として情報処理装置1は、ブロックチェーンによって暗号資産を管理する。暗号資産は、代金の決済等に利用可能であり、法定通貨(日本円や米国ドル等)とは異なる電子的な資産である。暗号資産は、法定通貨を裏付けとした電子的な資産、例えば法定通貨と同等の価値及び保証を有する電子的な資産であってもよい。暗号資産は一例として、所定の地域において利用可能な地域デジタル通貨である。
【0020】
情報処理装置1は、ユーザが保有する暗号資産と、暗号資産の発行の裏付けとなる資金を供給した資金供給者と、を関連付けて管理する。資金供給者は、一例として暗号資産を発行するための資金の出資者又は融資者である。情報処理装置1は、取引等により暗号資産を移転した場合に、移転した暗号資産に関連付けられた資金供給者に提供する対価を決定する。資金供給者に提供する対価は、一例として暗号資産を発行する発行者又は暗号資産を管理する管理者が原資を負担する。
【0021】
決済サーバ2は、暗号資産を用いて代金を決済するためのコンピュータである。決済サーバ2は、例えば、情報端末3又はその他の端末から決済要求を受信したことに応じて、情報処理装置1に対して決済対象の金額に対応する暗号資産を依頼元ユーザの暗号資産口座から移転先ユーザの暗号資産口座に移転させる移転依頼を送信する。決済サーバ2は、ネットワークを介して情報処理装置1及び情報端末3と通信可能である。
【0022】
情報端末3は、暗号資産を用いた決済サービスを利用するユーザが使用する端末である。情報端末3は例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン又はタブレットである。
【0023】
情報処理システムSにおける処理の概要について説明する。決済サーバ2は、決済依頼を情報端末3から取得する(
図1における(1))。決済依頼は、決済処理を依頼する情報である。決済依頼は、依頼者のユーザID(Identification)、支払先のユーザID及び決済金額を含む。なお、決済サーバ2はPOS(Point of Sale)端末から決済依頼を取得してもよい。
【0024】
情報処理装置1は、決済サーバ2から移転依頼を取得する(
図1における(2))。移転依頼は、暗号資産の移転を依頼する情報である。移転依頼は、移転元ユーザを識別するID、移転先ユーザを識別するID及び移転する暗号資産の資産額を含む。なお、暗号資産と法定通貨との通貨単位の価値が異なる場合、法定通貨と暗号資産との交換レートに基づいて、情報処理装置1は、決済金額から暗号資産の資産額に換算する。
【0025】
情報処理装置1は、移転元ユーザが保有する資産額と、移転元ユーザが保有する暗号資産に関連付けられた資金供給者を示す情報と、を関連付けて取得する(
図1における(3))。
【0026】
情報処理装置1は、暗号資産を移転元のユーザから移転先のユーザへ移転させる(
図1における(4))。情報処理装置1は、資金供給者に支払う対価を決定する(
図1における(5))。一例として、情報処理装置1は、移転された暗号資産額に所定の係数を乗じて、資金供給者に支払う対価を決定する。
【0027】
情報処理装置1は、移転完了を決済サーバ2に通知する(
図1における(6))。決済サーバ2は、決済完了を情報端末3に通知する(
図1における(7))。
【0028】
情報処理システムSがこのように構成されることで、暗号資産の財源の供給者に利益を提供することができる。
【0029】
[情報処理装置1の構成]
図2は、情報処理装置1の構成を示すブロック図である。情報処理装置1は、通信部11、記憶部12及び制御部13を有する。制御部13は、移転依頼受信部131、取得部132、移転部133、対価決定部134、受付部135、発行部136、表示制御部137及び対価支払依頼部138を有する。
【0030】
通信部11は、ネットワークを介して他の装置とデータの送受信をするための通信インターフェースである。記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、SSD(Solid State Drive)、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを予め記憶している。
【0031】
記憶部12は、ユーザが保有する暗号資産を管理する口座情報を記憶していてもよい。
図3は記憶部12が記憶する口座情報の一例を示す図である。
図3に示す口座情報においては、暗号資産の保有者と、保有者それぞれが保有する暗号資産の資産額と、当該暗号資産を発行する裏付けとなる資金を供給した資金供給者とが関連付けられている。記憶部12は、資金供給者と、資金供給者に対価を支払うための口座番号と、を関連付けた供給者情報を記憶していてもよい。
【0032】
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサである。制御部13は、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、移転依頼受信部131、取得部132、移転部133、対価決定部134、受付部135、発行部136、表示制御部137及び対価支払依頼部138として機能する。
【0033】
移転依頼受信部131は、暗号資産の保有者から移転される暗号資産の資産額を含む移転依頼を受信する。移転依頼受信部131は、決済サーバ2から移転依頼を受信する。移転依頼は、移転される暗号資産の資産額に加え、移転元のユーザを識別するID(以下、移転元ユーザIDと言う)及び移転先のユーザを識別するID(以下、移転先ユーザIDと言う)を含む。移転元ユーザID及び移転先ユーザIDは一例として、ユーザID、ユーザの口座を識別するID又はアドレスである。
【0034】
取得部132は、保有者が保有する暗号資産の資産額と、該暗号資産を発行するための資金の供給者である資金供給者と、を関連付けて取得する。取得部132は、移転元ユーザが保有する暗号資産の資産額と、移転元のユーザの暗号資産に関連付けられている資金供給者を識別する情報を取得する。取得部132は、一例として記憶部12が記憶する口座情報を参照して、保有元のユーザが保有する資産額及び保有元のユーザが保有する資産に関連付けられた資金供給者を取得する。
【0035】
移転部133は、保有者が保有する暗号資産のうち、移転依頼に含まれる資産額の暗号資産を移転させる。移転部133は、移転元ユーザの口座から移転される資産額分の資産を減額し、移転先ユーザの口座に移転される資産額分の資産を増額させる。
【0036】
対価決定部134は、保有者から移転した暗号資産の資産額に基づいて、保有者から移転した暗号資産に関連付けられた資金供給者に対して提供する対価を決定する。一例として、対価決定部134は、移転される資産額に所定の係数を乗じて得た暗号資産の資産額を資金供給者に提供する対価の額として決定する。所定の係数は、取引手数料の手数料率等に基づいて定められる値であり例えば0.1%である。
【0037】
情報処理装置1がこのように構成されることで、暗号資産の財源の供給者に利益を提供することができる。
【0038】
なお、資金供給者に対して提供する対価の金額は法定通貨に換算して資金供給者に支払われてもよい。この場合、対価支払依頼部138は、対価決定部134が決定した対価に法定通貨において相当する金額を保有者から移転した暗号資産に関連付けられた資金供給者の口座への入金を依頼する送金依頼情報を送信する。具体的には、対価支払依頼部138は、対価決定部134が決定した対価に暗号資産と法定通貨との交換レートを乗じて法定通貨単位での対価の金額を決定する。対価支払依頼部138は、移転した暗号資産に関連付けられた資金供給者のユーザIDに基づいて、資金供給者の口座情報を取得する。対価支払依頼部138は不図示の外部装置から資金供給者の口座情報を取得してもよいし、記憶部12に記憶された供給者情報を参照し口座情報を取得してもよい。対価支払依頼部138は、決定した金額を資金供給者の口座に送金することを依頼する送金依頼情報を不図示の送金サーバに送信する。一例として、対価は暗号資産の発行者又は管理者の口座から資金供給者の口座に送金される。なお、対価は支払先(暗号資産の移転先)の店舗の口座から送金されてもよいし、決済時の決済金額から値引き又はキャッシュバックにより支払われてもよい。この場合、対価は当該店舗において利用可能なポイントを供給者に交付することにより提供されてもよい。
【0039】
なお、上記の例においては暗号通貨単位で決定された対価を法定通貨に換算して支払う例について説明したが、対価決定部134が法定通貨単位で資金供給者に提供する対価の額を決定し、対価支払依頼部138は、対価決定部134が決定した法定通貨単位の対価の金額を資金供給者の口座に送金することを依頼する送金依頼情報を送信してもよい。また、資金供給者に提供される対価は資金供給者が資金を供給した際の交換レートに基づいて決定されてもよい。この場合、記憶部12は、資金供給者と当該資金供給者に適用する交換レートとを関連付けて記憶している。対価決定部134は、記憶部12を参照し、資金供給者に対応する交換レートを取得し、取得した交換レートと移転した暗号資産の資産額に基づいて対価の量を決定する。
[ブロックチェーンによる構成例]
【0040】
情報処理装置1がブロックチェーンにより暗号資産を管理するよう構成されてもよい。
図4は、情報処理装置1における移転処理について説明する図である。
図4の左側の表は取得部132が取引履歴を示すブロックから取得した移転前における移転元ユーザと移転先ユーザとの資産を示す。すなわち、取得部132は、取引履歴を示すブロックを取得することで、移転元のユーザが保有する資産額及び移転元のユーザが保有する資産に関連付けられた資金供給者を取得する。
【0041】
移転前においては、ユーザAは出資者Aと関連付けられた1000コインの暗号資産及び出資者Bと関連付けられた1000コインの暗号資産を保有している。ここでコインは暗号資産の通貨単位を示す。そしてユーザBは出資者Cと関連付けられた1000コインの暗号資産を保有している。
【0042】
図4の中央には移転依頼受信部131が受信した移転依頼に含まれる取引の内容を示している。
図4において移転依頼に含まれる移転元ユーザ、移転先ユーザ及び移転される資産額はそれぞれ、ユーザA、ユーザB及び500コインである。
【0043】
保有者から移転された暗号資産の資産額と、該暗号資産の資金供給者と、を含むトランザクションデータがブロックチェーン上に記録される。具体的には、移転部133は、保有者から移転する暗号資産の資産額と、該暗号資産の資金供給者と、を含むトランザクションデータを含むブロックを生成する。移転部133は、
図4の右側に示す取引後の状態を示すトランザクションデータと、直前のブロックのハッシュ値とナンス値(number used once)とを含むブロックを生成する。移転部133は、生成したブロックをブロックチェーンに反映させ、暗号資産の移転を反映させる。移転後においては、出資者Aと関連付けられた500コインの暗号資産がユーザAが保有する資産から減額され、該暗号資産がユーザBの資産に増額されている。
【0044】
なお、上記の例において移転後の状態を示すブロックを生成する例を説明したが、移転部133は、取引内容を示すブロックを生成してもよい。この場合、ユーザAが保有する出資者Aと関連付けられた500コインの暗号資産を減額し、ユーザAから減額した資産をユーザBが保有する資産として増額させる取引を示すブロックを生成する。
【0045】
なお、上記の例では、暗号資産の移転、において、情報処理装置1がブロックチェーンに記録する例を用いて説明するが、ブロックチェーンに参加する他の装置が記録してもよい。一例として、移転部133は、トランザクションデータをブロックチェーンに参加する他の装置に送信し、他の装置(例えば最も早くハッシュ値が条件を満足するナンスを発見した装置)がトランザクションデータをブロックチェーンに記録させるよう構成されてもよい。また、ブロックチェーンに参加する他の装置にトランザクションデータを送信し、トランザクションデータをブロックチェーンに記録させてもよい。
[資金供給者の登録処理]
資金供給者を登録する処理について説明する。受付部135は、資金を供給する資金供給者のユーザ識別情報と、該資金供給者が供給した資金の金額とを、を受け付ける。一例として、資金供給者が操作する情報端末3から、資金供給者のユーザIDと、資金供給者が供給する、法定通貨単位での資金の金額とを取得する。
【0046】
発行部136は、受付部135が受付けた資金供給者のユーザ識別情報と、該資金供給者が供給した金額に暗号資産において対応する資産額と、を含むブロックを生成する。発行部136は、受付部135が受付けた資金の金額を暗号資産の資産額に換算する。発行部136は、受付部135が受付けた資金供給者のIDと、供給された資金に基づいて発行される資産額と、を含むトランザクションデータ(供給資金データとも言う)を含むブロックを生成し、ブロックチェーンに反映させる。
【0047】
なお、受付部135は、供給された資金の金額を暗号資産単位に換算した資産額を、法定通貨単位での金額に変えて受付けるよう構成されてもよい。
【0048】
また、資金が供給された場合に暗号資産を発行し、発行された暗号資産とともにブロックチェーンに反映させるよう情報処理装置1が構成されてもよい。
図5は、情報処理装置1における発行処理について説明する図である。
図5においては、資金の供給前に情報処理装置1が管理している暗号資産の状態を示す。移転前においては、事業者Cは出資者Dと関連付けられた10,000コインの暗号資産を保有している。事業者Cは、一例として、暗号資産を発行する事業者、資金を供給された事業者、又はその両方である。
【0049】
図5の中央には受付部135が受付けた供給された資金の金額に対応する資産額を示している。
図5において受付部135が出資者Eから5,000コインの暗号資産の出資を受付けている。
【0050】
発行部136は、受付部135が資金の供給を受け付けた場合に、資金供給者が供給した金額に対応する資産額の暗号資産を発行し、発行された暗号資産の保有者である資金の供給を受けた事業者のユーザ識別情報と、発行された暗号資産の資産額とを含むトランザクションデータ(発行資産データとも言う)を生成し、生成したトランザクションデータを含むブロックを生成する。発行部136は、受付部135が受付けた出資に基づいて、
図5の右側に示すブロックを生成する。
図5の右側に示すブロックは、出資者Eに関連付けられた5,000コインの暗号資産が発行され、事業者Cの資産に増額された状態を示している。発行部136は、生成したブロックをブロックチェーンに反映させる。
【0051】
情報処理装置1がこのように構成されることで、資金供給者と、供給された資金により発行された暗号資産と、を関連付けて管理することが可能となる。
【0052】
なお、上記の例では、暗号資産の発行及び資金供給の受付において、情報処理装置1がブロックチェーンに記録する例を用いて説明したが、ブロックチェーンに参加する他の装置が記録してもよい。一例として、発行部136又は受付部135は、トランザクションデータ(供給資金データ又は発行資産データ)をブロックチェーンに参加する他の装置に送信し、他の装置(例えば最も早くハッシュ値が条件を満足するナンスを発見した装置)がトランザクションデータをブロックチェーンに記録させるよう構成されてもよい。また、情報処理装置1がブロックチェーンに参加しない場合において、ブロックチェーンに参加する他の装置にトランザクションデータを送信し、トランザクションデータをブロックチェーンに記録させてもよい。
【0053】
[取引履歴等に基づく対価の決定]
ところで、取引の内容又は移転される暗号資産の移転履歴に基づいて対価の支払い有無又は対価の量を制御するよう情報処理装置1が構成されてもよい。情報処理装置1がこのように構成されることで、暗号資産の流通を促進させることができる。
【0054】
取得部132は、保有者が保有する暗号資産の資産額と、該暗号資産の資金供給者と、該暗号資産が移転された履歴を示す移転履歴情報と、を関連付けて取得する。移転履歴情報は、例えば、暗号資産が発行されてから移転された回数又は移転の有無を示す。移転履歴情報は、記憶部12が記憶する口座情報において保有者が保有する資産と関連付けて記憶されていてもよいし、情報処理装置1が管理するブロックチェーンから取引履歴を取得することで取得されてもよい。
【0055】
対価決定部134は、移転履歴情報が保有者から移転した暗号資産が所定の回数以上移転していることを示す場合、保有者から移転した暗号資産の資産額に基づいて、保有者から移転した暗号資産に関連付けられた資金供給者に対して提供する対価を決定する。所定の回数は、暗号資産を流通させる目的に応じて設定される。所定の回数は例えば1回、3回、5回等である。対価決定部134は、移転される暗号資産が所定の回数以上移転されている場合に対価を支払い、移転される暗号資産の移転回数が所定の回数未満である場合に対価を支払わないことを決定してもよい。また、対価決定部134は、移転される暗号資産が所定の回数以上移転されている場合に、移転回数が所定の回数未満である場合よりも対価が高額となるよう対価を決定してもよい。
【0056】
また、移転依頼受信部131が取得する移転依頼に取引の内容を示す情報がさらに含まれるよう構成されていてもよい。対価決定部134は、移転依頼受信部131が取得した移転依頼に含まれる取引の内容に基づいて保有者から移転した暗号資産に関連付けられた資金供給者に対して提供する対価を決定する。一例として、対価決定部134は、取引の内容が商品やサービスの売買である場合に対価を支払うことを決定し、取引の内容が資産の贈与である場合には対価を支払わないことを決定してもよい。対価決定部134は、取引内容が所定の地域での決済であることを示す場合に対価を支払うことを決定し、取引内容が所定の地域での決済ではないことを示す場合に対価を支払わないことを決定してもよい。
【0057】
[資金提供者の利益の表示]
ところで、資金供給者に提供した対価の金額や資金供給者が供給した資金の金額に対する提供した対価の利回りを表示させることができるように情報処理装置1が構成されると、資金供給者に対してメリットを訴求することができる。
【0058】
表示制御部137は、(1)資金供給者に提供した対価の量又は(2)該対価の量が、資金供給者が供給した資金に対する割合を外部装置に表示させるよう制御する。一例として、記憶部12は資金供給者のIDと、当該資金供給者に提供した対価の金額(対価が暗号資産で提供される場合は資産額)を記憶している。表示制御部137は、資金供給者が使用する情報端末3から対価の金額に関する表示依頼を取得する。表示依頼は、資金供給者のIDを含む。表示依頼を取得した場合、表示制御部137は、記憶部12を参照し、資金供給者のIDに関連付けられた対価の金額を集計する。そして、表示制御部137は、集計した対価の金額を資金供給者が使用する情報端末3に表示させるよう制御する。
【0059】
なお、資金供給者が享受した利益は、利回りで表示された方が分かりやすい場合がある。そこで、表示制御部137は、集計した対価の金額と、資金供給者が供給した資金の金額で除算することで得られた利回りを算出してもよい。
【0060】
なお、資金供給者が異なるタイミングで複数回資金を供給している場合、供給した資金ごとに対価の金額を集計し、利回りを算出してもよい。この場合、発行部136及び移転部133は、資金を供給したタイミングを識別できるよう、資金の供給者に加え供給した時点を識別できる情報を含むブロックを生成し、ブロックチェーンに反映させる。
【0061】
[情報処理装置1における処理の流れ]
図6は、情報処理装置1における処理の流れを示すフローチャートである。
図6における処理は、決済サーバ2から移転依頼を取得する時点から開始している。
【0062】
移転依頼受信部131は、決済サーバ2から移転依頼を取得する(S01)。取得部132は、移転依頼に含まれる移転元ユーザの資産額と移転元ユーザの資産に関連付けられた資金の供給者とを取得する(S02)。
【0063】
移転部133は、暗号資産を移転可能か否かを判定する(S03)。一例として、移転部133は移転元ユーザの資産額が移転依頼に含まれる移転される資産額より大きい場合に、暗号資産を移転可能と判定する。暗号資産を移転可能ではないと移転部133が判定する場合(S03におけるNO)、移転部133は、移転が未完了であることを決済サーバ2に通知し(S08)、情報処理装置1は処理を終了する。
【0064】
暗号資産を移転可能と移転部133が判定する場合(S03におけるYES)、移転部133は、暗号資産を移転させる(S04)。移転部133は、移転が完了したことを決済サーバ2に通知する(S05)。対価決定部134は、暗号資産を移転した取引が対価の支払い対象か否かを判定する(S06)。対価決定部134は、一例として、取引において移転された暗号資産が所定の回数以上移転されている場合に支払い対象と判定する。
【0065】
暗号資産を移転した取引が対価の支払い対象である場合(S06におけるYES)、対価決定部134は、移転された暗号資産の資産額に基づいて、移転された暗号資産に関連付けられた資金の供給者に対して支払う対価を決定し(S07)、処理を終了する。
【0066】
暗号資産の移転をした取引が対価の支払い対象でない場合(S06におけるNO)、移転部133は、処理を終了する。
【0067】
[情報処理装置1による効果]
情報処理装置1がこのように構成されることで、暗号資産を発行する財源の供給者に利益を提供することができる。
【0068】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0069】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0070】
1 情報処理装置
2 決済サーバ
3 情報端末
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
131 移転依頼受信部
132 取得部
133 移転部
134 対価決定部
135 受付部
136 発行部
137 表示制御部
138 対価支払依頼部
【手続補正書】
【提出日】2023-02-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の暗号資産の流通を制御する情報処理装置であって、
暗号資産の保有者から移転される前記暗号資産の資産額を含む移転依頼を受信する移転依頼受信部と、
前記保有者が保有する前記暗号資産の資産額と、該暗号資産を発行するための資金の供給者である資金供給者と、を関連付けて取得する取得部と、
前記保有者が保有する前記暗号資産のうち、前記移転依頼に含まれる資産額の前記暗号資産を移転させる移転部と、
前記保有者から移転した前記暗号資産の資産額に基づいて、前記保有者から移転した前記暗号資産に関連付けられた前記資金供給者に対して提供する対価を決定する対価決定部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記移転部は、前記保有者から移転する前記暗号資産の資産額と、該暗号資産の資金供給者と、を含むトランザクションデータであって、ブロックチェーン上に記録されるための前記トランザクションデータを生成する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
資金を供給する資金供給者のユーザ識別情報と、該資金供給者が供給した資金の金額とを、を受け付ける受付部と、
該資金供給者のユーザ識別情報と該資金供給者が供給した資金に前記暗号資産において対応する資産額とを含む供給資金データであって、前記ブロックチェーン上に記録されるための前記供給資金データを生成する発行部と、
をさらに有する請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記発行部は、前記受付部が資金の供給を受け付けた場合、前記資金供給者が供給した金額に対応する資産額の前記暗号資産が発行し、発行された前記暗号資産の保有者である、資金の供給を受けた事業者のユーザ識別情報と、発行された前記暗号資産の資産額と、を含む発行資産データであって、前記ブロックチェーン上に記録されるための前記発行資産データを生成する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記取得部は、前記保有者が保有する前記暗号資産の資産額と、該暗号資産の前記資金供給者と、該暗号資産が移転された履歴を示す移転履歴情報と、を関連付けて取得し、
前記対価決定部は、前記移転履歴情報が前記保有者から移転した前記暗号資産が所定の回数以上移転していることを示す場合、前記保有者から移転した前記暗号資産の資産額に基づいて、前記保有者から移転した前記暗号資産に関連付けられた前記資金供給者に対して提供する対価を決定する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
(1)前記資金供給者に提供した対価の量又は
(2)該対価の量が前記資金供給者が供給した資金に対する割合
を外部装置に表示させるよう制御する表示制御部をさらに有する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記対価決定部が決定した対価に法定通貨において相当する金額を前記保有者から移転した前記暗号資産に関連付けられた前記資金供給者の口座への入金を依頼する送金依頼情報を送信する対価支払依頼部をさらに有する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記対価決定部は、前記保有者から移転した前記暗号資産の資産額に基づいて、前記保有者から移転した前記暗号資産に関連付けられた前記資金供給者に対して、前記暗号資産の発行者、管理者又は移転先から提供する対価を決定する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
コンピュータが実行する、所定の暗号資産の流通を制御する情報処理方法であって、
暗号資産の保有者から移転される前記暗号資産の資産額を含む移転依頼を受信するステップと、
前記保有者が保有する前記暗号資産の資産額と、該暗号資産を発行するための資金の供給者である資金供給者と、を関連付けて取得するステップと、
前記保有者が保有する前記暗号資産のうち、前記移転依頼に含まれる資産額の前記暗号資産を移転させるステップと、
前記保有者から移転した前記暗号資産の資産額に基づいて、前記保有者から移転した前記暗号資産に関連付けられた前記資金供給者に対して提供する対価を決定するステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項10】
コンピュータに、所定の暗号資産の流通を制御させるためのプログラムであって、
暗号資産の保有者から移転される前記暗号資産の資産額を含む移転依頼を受信するステップと、
前記保有者が保有する前記暗号資産の資産額と、該暗号資産を発行するための資金の供給者である資金供給者と、を関連付けて取得するステップと、
前記保有者が保有する前記暗号資産のうち、前記移転依頼に含まれる資産額の前記暗号資産を移転させるステップと、
前記保有者から移転した前記暗号資産の資産額に基づいて、前記保有者から移転した前記暗号資産に関連付けられた前記資金供給者に対して提供する対価を決定するステップと、
を前記コンピュータに実行させるプログラム。