(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024033163
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】水洗大便器
(51)【国際特許分類】
E03D 11/13 20060101AFI20240306BHJP
E03D 11/02 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
E03D11/13
E03D11/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022136591
(22)【出願日】2022-08-30
(71)【出願人】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】桃枝 理彰
(72)【発明者】
【氏名】刀根 佑輔
【テーマコード(参考)】
2D039
【Fターム(参考)】
2D039AA02
2D039AD00
2D039DB00
(57)【要約】
【課題】パネル部材を便器本体に取り付ける際の施工性を向上させるとともに、意匠性を向上させることができる水洗大便器を提供する。
【解決手段】実施形態に係る水洗大便器は、便器本体と、機能部と、パネル部材と、保持部とを備えることを特徴とする。機能部は、便器本体の後方に設けられる。パネル部材は、便器本体の側面側に配置され機能部の側面を覆う。保持部は、パネル部材の前端面と、便器本体の側面に形成されパネル部材の前端面と前後方向に対向する対向面とを磁力によって吸着保持する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
便器本体と、
前記便器本体の後方に設けられた機能部と、
前記便器本体の側面側に配置され前記機能部の側面を覆うパネル部材と、
前記パネル部材の前端面と、前記便器本体の前記側面に形成され前記パネル部材の前記前端面と前後方向に対向する対向面とを磁力によって吸着保持する保持部と
を備えることを特徴とする水洗大便器。
【請求項2】
前記パネル部材の前記前端面および前記便器本体の前記対向面は、
直線状に形成される
ことを特徴とする請求項1に記載の水洗大便器。
【請求項3】
前記パネル部材の前記前端面および前記便器本体の前記対向面は、
床面に対して前後方向に傾斜する直線状に形成される
ことを特徴とする請求項2に記載の水洗大便器。
【請求項4】
前記パネル部材は、
前記便器本体の前記側面を覆うパネル本体部と、
前記パネル本体部の前側において前記保持部が取り付けられる前記前端面を形成する前端部と、
前記パネル本体部において前記前端部より外側の位置から前記便器本体の前記対向面へ向けて延在するパネル側延在部と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の水洗大便器。
【請求項5】
前記パネル側延在部の左右方向の厚さは、前記パネル本体部の左右方向の厚さより薄くなるように構成される
ことを特徴とする請求項4に記載の水洗大便器。
【請求項6】
前記前端部は、
前記パネル本体部の前側の部位を左右方向に突出させて形成される
ことを特徴とする請求項4または5に記載の水洗大便器。
【請求項7】
前記前端部の左右方向の厚さは、前記パネル本体部の左右方向の厚さより厚くなるように構成される
ことを特徴とする請求項6に記載の水洗大便器。
【請求項8】
前記便器本体は、
前記便器本体の前記側面側において前記保持部が取り付けられる前記対向面を形成する対向部と、
前記便器本体において前記対向部より外側の位置から前記パネル部材の前記前端面へ向けて延在する便器側延在部と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の水洗大便器。
【請求項9】
前記パネル部材の前記前端面および前記便器本体の前記対向面の少なくともいずれかに凹部が形成され、
前記凹部には、前記保持部が収容されて取り付けられる
ことを特徴とする請求項1に記載の水洗大便器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、水洗大便器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パネル部材によって機能部の側面を覆う水洗大便器において、パネル部材を便器本体に取り付けて保持する技術が種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。従来技術にあっては、パネル部材に設けられた係止部を便器本体側に設けられた挿入溝に係止させることで、パネル部材を便器本体に取り付けて保持している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術には、パネル部材を便器本体に取り付ける際の施工性を向上させるという点で改善の余地があった。
【0005】
また、水洗大便器の側面視において、パネル部材と便器本体との間には隙間が生じる。かかる隙間の大きさは、例えばパネル部材を取り付ける施工者の技量により増減し易い。そのため、パネル部材と便器本体との間の隙間が増大してしまうと、水洗大便器の見栄えが悪くなり、意匠性の低下を招くおそれがあった。
【0006】
実施形態の一態様は、パネル部材を便器本体に取り付ける際の施工性を向上させるとともに、意匠性を向上させることができる水洗大便器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の一態様に係る水洗大便器は、便器本体と、前記便器本体の後方に設けられた機能部と、前記便器本体の側面側に配置され前記機能部の側面を覆うパネル部材と、前記パネル部材の前端面と、前記便器本体の前記側面に形成され前記パネル部材の前記前端面と前後方向に対向する対向面とを磁力によって吸着保持する保持部とを備えることを特徴とする。
【0008】
これにより、パネル部材を便器本体に取り付ける際の施工性を向上させることができる。すなわち、パネル部材は、水洗大便器の外観を構成する部材である。従って、水洗大便器の意匠性を確保するため、パネル部材には、施工時に施工者が利用する持ち手などが明確には形成されない。そこで、保持部が、上記したパネル部材の前端面と便器本体の対向面とを磁力によって吸着保持するように構成されることで、施工者は、例えばパネル部材の後方を持って便器本体の後方から押し当てて吸着保持させることが可能となって、パネル部材を容易に便器本体に取り付けることができ、パネル部材の取り付け時の施工性を向上させることができる。
【0009】
また、パネル部材の前端面と便器本体の対向面とが保持部の磁力によって吸着保持されるようにしたので、前端面と対向面との間の隙間の大きさ(言い換えると、前端面と対向面との離間距離)は、保持部の厚さ分に相当する値となる。従って、隙間の大きさを予め設定された値(詳しくは、保持部の厚さ分の値)にすることができることから、従来技術のように施工者の技量によって隙間が増減することがなく、よって水洗大便器の意匠性を向上させることができる。
【0010】
また、前記パネル部材の前記前端面および前記便器本体の前記対向面は、直線状に形成されることを特徴とする。
【0011】
これにより、パネル部材の便器本体に対する位置ずれを抑制することができる。すなわち、便器本体は、例えば製造公差により各部位の寸法にばらつきが生じることがある。このような製造公差がある場合に、例えば前端面および対向面が、製造公差(寸法ばらつき)の影響を受け易い曲線状に形成され、保持部が取り付けられると、保持部が適正位置からずれ易く、結果としてパネル部材が便器本体に対する適正位置からずれるおそれがある。
【0012】
これに対し、前端面および対向面が、製造公差(寸法ばらつき)の影響を受けにくい直線状に形成されることで、保持部が適正位置からずれにくく、結果としてパネル部材の便器本体に対する位置ずれを抑制することができる。
【0013】
また、パネル部材の前端面および便器本体の対向面が、直線状に形成されるため、取り付け時にパネル部材をスライドさせて位置決めを容易にすることができる。すなわち、例えば保持部が取り付けられる前端面および対向面が湾曲していると、パネル部材を便器本体に保持させた状態でスライドしにくくなり、パネル部材の位置決めが難しくなる。
【0014】
そこで、保持部が取り付けられる前端面および対向面が直線状に形成されることで、例えばパネル部材を保持部の吸着面と平行な方向へ直線的に容易にスライドさせることができる。従って、例えば施工者は、パネル部材を便器本体等に保持させた状態で、パネル部材を便器本体に対してスライドさせて、パネル部材を適正位置へ容易に調整することができる、言い換えると、パネル部材の位置決めを容易にすることができる。
【0015】
また、前記パネル部材の前記前端面および前記便器本体の前記対向面は、床面に対して前後方向に傾斜する直線状に形成される。
【0016】
これにより、パネル部材の便器本体に対する位置ずれを抑制することができる。すなわち、前端面および対向面が、製造公差(寸法ばらつき)の影響を受けにくい直線状であり、床面に対して前後方向に傾斜して形成されているため、保持部が適正位置からより一層ずれにくく、結果としてパネル部材の便器本体に対する位置ずれをより一層抑制することができる。
【0017】
また、前記パネル部材は、前記便器本体の前記側面を覆うパネル本体部と、前記パネル本体部の前側において前記保持部が取り付けられる前記前端面を形成する前端部と、前記パネル本体部において前記前端部より外側の位置から前記便器本体の前記対向面へ向けて延在するパネル側延在部とを備えることを特徴とする。
【0018】
これにより、パネル側延在部が、前端面と対向面との間の隙間を覆って隠すことが可能になる。これにより、隙間を目立たなくすることができるため、水洗大便器の見栄えを良くすることができ、意匠性をより向上させることができる。
【0019】
また、前記パネル側延在部の左右方向の厚さは、前記パネル本体部の左右方向の厚さより薄くなるように構成されることを特徴とする。
【0020】
このように、パネル側延在部の左右方向の厚さを比較的薄くすることで、例えばパネル部材の取り付け時に、パネル側延在部の先端部が、便器本体の対向面の形状に追従するように弾性変形して、対向面に当接させることが可能になる。これにより、パネル側延在部が、前端面と対向面との間の隙間を確実に覆って隠すことが可能になり、よって水洗大便器の意匠性をより一層向上させることができる。
【0021】
また、前記前端部は、前記パネル本体部の前側の部位を左右方向に突出させて形成されることを特徴とする。
【0022】
このように、前端部がパネル本体部から突出させて形成されることで、前端面において保持部が取り付けられる領域(取付面積)を確実に確保することが可能となる。
【0023】
また、前記前端部の左右方向の厚さは、前記パネル本体部の左右方向の厚さより厚くなるように構成されることを特徴とする。
【0024】
このように、前端部の左右方向の厚さを比較的厚くすることで、前端面における保持部の取付面積をより確実に確保することが可能となる。また、パネル本体部の左右方向の厚さを比較的薄くすることで、パネル部材の軽量化を図ることができる。
【0025】
また、前記便器本体は、前記便器本体の前記側面側において前記保持部が取り付けられる前記対向面を形成する対向部と、前記便器本体において前記対向部より外側の位置から前記パネル部材の前記前端面へ向けて延在する便器側延在部とを備えることを特徴とする。
【0026】
これにより、便器側延在部が、前端面と対向面との間の隙間を覆って隠すことが可能になる。これにより、隙間を目立たなくすることができるため、水洗大便器の見栄えを良くすることができ、意匠性をより向上させることができる。
【0027】
また、前記パネル部材の前記前端面および前記便器本体の前記対向面の少なくともいずれかに凹部が形成され、前記凹部には、前記保持部が収容されて取り付けられることを特徴とする。
【0028】
これにより、保持部の一部が凹部によってパネル部材や便器本体に埋め込まれることとなる。そのため、保持部においてパネル部材や便器本体から露出する部分を小さくすることができる、言い換えると、露出する部位の前後方向の長さを短くすることができる。これにより、前端面と対向面との間に生じる隙間の大きさを可能な限り小さくすることができる。従って、隙間を目立たなくすることができるため、水洗大便器の見栄えを良くすることができ、意匠性をより向上させることができる。
【発明の効果】
【0029】
実施形態の一態様によれば、パネル部材を便器本体に取り付ける際の施工性を向上させるとともに、意匠性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係る水洗大便器の側面図である。
【
図2】
図2は、パネル部材を内側から見たときの側面図である。
【
図3】
図3は、便器本体を左後方から見たときの斜視図である。
【
図5】
図5は、第2の実施形態に係る保持部付近の端面図である。
【
図6】
図6は、第3の実施形態に係る保持部付近の端面図である。
【
図7】
図7は、第4の実施形態に係る保持部付近の端面図である。
【
図8】
図8は、第5の実施形態に係る保持部付近の端面図である。
【
図9】
図9は、第6の実施形態に係る保持部付近の端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する水洗大便器の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合があることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
【0032】
(第1の実施形態)
まず、
図1を参照して第1の実施形態に係る水洗大便器1の全体構成について説明する。
図1は、第1の実施形態に係る水洗大便器1の側面図である。なお、
図1には、説明を分かりやすくするために、鉛直上向き(上方)を正方向とするZ軸を含む3次元の直交座標系を図示している。かかる直交座標系では、Y軸の正方向を「前方」、Y軸の負方向を「後方」、X軸の正方向を「左方」、X軸の負方向を「右方」と規定している。このため、以下の説明において、X軸方向を「左右方向」、Y軸方向を「前後方向」、Z軸方向を「上下方向」という場合がある。かかる直交座標系は、他の図においても図示する場合がある。
【0033】
図1に示すように、本実施形態に係る水洗大便器1は、床面100に設置される、いわゆる床置き式の水洗大便器である。なお、水洗大便器1は、図示しない壁面に取り付けられる、いわゆる壁掛け式の水洗大便器であってもよい。
【0034】
水洗大便器1は、便器本体3と、機能部5と、衛生洗浄装置7と、パネル部材9とを備える。便器本体3は、例えば陶器製である。なお、便器本体3は、陶器製に限定されず、例えば、樹脂製のものでもよいし、陶器と樹脂とを組み合わせたものでもよい。
【0035】
便器本体3は、図示しないボウル部と、排水トラップ管路10とを備える。ボウル部は、汚物を受けることが可能なボウル状に形成される。ボウル部の上縁には、リム部が形成され、かかるリム部のリム吐水口(いずれも不図示)から洗浄水が吐水されてボウル部を洗浄する。ボウル部を洗浄した洗浄水は、排水トラップ管路10を通って排出される。
【0036】
機能部5は、便器本体3の後方に設けられる。機能部5は、例えば便器本体3のボウル部や衛生洗浄装置7に給水を行う機能などを有する。例えば、機能部5は、貯水タンクおよび加圧ポンプ(いずれも不図示)などを含み、貯水タンクに貯水された洗浄水を加圧ポンプによって加圧して、大流量でジェット吐水口(図示せず)からボウル部へ吐出させる。
【0037】
衛生洗浄装置7は、便器本体3の上方に設けられ、便座部8a、便座部8aを覆う蓋部8b、および、図示しないノズル装置などを備える。衛生洗浄装置7は、かかるノズル装置から洗浄水を使用者の身体へ噴出して局部を洗浄することができる。なお、上記では、衛生洗浄装置7は、衛生洗浄機能を有するようにしたが、これに限られず、例えば便座部8aに座った使用者のおしりなどに温風を吹き付けて乾燥させる乾燥機能や、便座部8aの着座面を適温に温める便座暖房機能などを有していてもよい。
【0038】
パネル部材9は、便器本体3の後方の位置であって便器本体3の側面側(正確には左右方向における側面側)に配置され、機能部5の側面を覆うように構成される。このパネル部材9により、機能部5への外的障害や汚水侵入を防ぐことが可能になる。なお、パネル部材9は、例えば樹脂製であるが、これに限定されるものではない。
【0039】
また、パネル部材9は、磁力を用いて便器本体3に取り付けられて保持される。以下、パネル部材9と便器本体3との取り付けに関する構成について詳しく説明する。
【0040】
水洗大便器1は、保持部21を備える。保持部21は、便器本体3とパネル部材9とを磁力によって吸着保持する。詳しくは、保持部21は、パネル部材9の前端面41aと、便器本体3の対向面51aとを磁力によって吸着保持する。便器本体3の対向面51aは、便器本体3の側面側に形成され、パネル部材9の前端面41aと前後方向(Y軸方向)に対向する面である。
【0041】
具体的には、保持部21は、便器本体3とパネル部材9との境界位置Eに設けられる。境界位置Eとは、便器本体3にパネル部材9を適正に設置した際、便器本体3とパネル部材9との境界となる位置である。
【0042】
保持部21は、上側保持部21aと、下側保持部21bとを含む。上側保持部21aは、パネル部材9が便器本体3に取り付けられた状態において上方に位置し、下側保持部21bは、上側保持部21aより下方に位置するように設けられる。なお、以下では、上側保持部21aと下側保持部21bとを特に区別せずに説明する場合には、「保持部21」と記載する場合がある。
【0043】
保持部21は、パネル側磁性体25と、本体側磁性体27とを備える。パネル側磁性体25は、パネル部材9に設けられる磁性体であり、例えば磁石である。以下では、パネル側磁性体25を「磁石25」と記載する場合がある。本体側磁性体27は、便器本体3に設けられる磁性体であり、例えば金属製の板材、すなわち板金である。以下では、本体側磁性体27を「板金27」と記載する場合がある。
【0044】
なお、上記では、パネル側磁性体25が磁石、本体側磁性体27が板金である例を示したが、これに限定されるものではなく、例えばパネル側磁性体25が板金、本体側磁性体27が磁石であってもよい。また、板金27に代えて磁石を用いてもよい。
【0045】
ここで、保持部21について
図2~
図4も参照しつつ、さらに詳しく説明する。
図2は、パネル部材9を内側から見たときの側面図である。
図3は、便器本体3を左後方から見たときの斜視図である。なお、
図3では、パネル部材9が取り外された状態の便器本体3を示している。
図4は、
図1のIV‐IV線端面図である。
【0046】
保持部21の磁石25は、
図1,2,4に示すように、パネル部材9の前方(Y軸正方向側)の面、すなわち前端面41aに取り付けられる(設けられる)。例えば、上側保持部21aの磁石25は、パネル部材9の上端と中央との区間に設けられ、下側保持部21bの磁石25は、パネル部材9の下端と中央との区間に設けられる。
【0047】
磁石25は、厚さの薄い直方体であるが、これに限定されるものではなく、任意の形状に設定可能である。なお、上側保持部21aの磁石25と下側保持部21bの磁石25とは、同じ形状とされるが、これに限られず、互いに異なる形状であってもよい。
【0048】
ここで、磁石25が取り付けられるパネル部材9について説明すると、パネル部材9は、パネル本体部40と、前端部41とを備える。パネル本体部40は、例えば平板状の部材であり、便器本体3の後方の側面を覆う部位、言い換えると、機能部5の側面を覆う部位である。
【0049】
前端部41は、パネル本体部の前側(Y軸正方向側)の部位であり、上記した前端面41aが形成される。すなわち、前端部41は、パネル本体部40の前側において保持部21(正確には磁石25)が取り付けられる前端面41aを形成するように構成される。
【0050】
パネル部材9の前端面41aは、水洗大便器1の側面視において直線状(別言すれば平坦状)となるように形成される。詳しくは、前端面41aは、水洗大便器1が設置される床面100(
図1参照)に対して前後方向に傾斜する直線状に形成される。より詳しくは、前端面41aは、上端が前方(Y軸正方向)、下端が後方(Y軸負方向)に位置するように傾斜し、かつ、直線状に形成される。
【0051】
保持部21の板金27は、
図1,3,4に示すように、便器本体3の側面において、パネル部材9の前端面41aと対向する対向面51aに取り付けられる(設けられる)、言い換えると、便器本体3の側面において後方(Y軸負方向側)に面する後方面に取り付けられる。例えば、上側保持部21aの板金27は、上側保持部21aの磁石25に対応する位置であって、便器本体3の上端と中央との区間に設けられる。また、下側保持部21bの板金27は、下側保持部21bの磁石25に対応する位置であって、便器本体3の下端と中央との区間に設けられる。
【0052】
板金27は、厚さの薄い直方体であるが、これに限定されるものではなく、任意の形状に設定可能である。なお、上側保持部21aの板金27と下側保持部21bの板金27とは、同じ形状とされるが、これに限られず、互いに異なる形状であってもよい。
【0053】
ここで、板金27が取り付けられる便器本体3について説明すると、便器本体3は、側面に対向部51が形成される。対向部51は、便器本体3の側面に設けられた段差状の部位であり、上記した対向面51aが形成される。すなわち、対向部51は、便器本体3の側面側において保持部21(正確には板金27)が取り付けられる対向面51aを形成するように構成される。
【0054】
便器本体3の対向面51aは、パネル部材9の前端面41aと同様に、水洗大便器1の側面視において直線状(別言すれば平坦状)となるように形成される。詳しくは、対向面51aは、水洗大便器1が設置される床面100(
図1参照)に対して前後方向に傾斜する直線状に形成される。より詳しくは、対向面51aは、上端が前方(Y軸正方向)、下端が後方(Y軸負方向)に位置するように傾斜し、かつ、直線状に形成される。
【0055】
本実施形態に係る水洗大便器1にあっては、パネル部材9および便器本体3が上記のように形成されることで、パネル部材9の前端面41aと便器本体3の対向面51aとが対向して合わせ面となるように構成される。そして、合わせ面となる前端面41aと対向面51aとが保持部21の磁力によって吸着保持されることで、パネル部材9が便器本体3に保持される。
【0056】
なお、上記した保持部21(磁石25や板金27)が設けられる位置や数などは、あくまでも例示であって限定されるものではなく、保持部21の位置や数は、任意に設定可能である。すなわち、上記では、保持部21は、複数(2個)ある例を示したが、1個であっても、3個以上であってもよい。
【0057】
次いで、上記のように構成された水洗大便器1におけるパネル部材9の便器本体3への取り付けについて説明する。例えば、パネル部材9は施工者によって、便器本体3の側方(正確には機能部5の側方)に位置される。このとき、パネル部材9の前端面41aと便器本体3の対向面51aとは対向するように配置されるが、磁石25と板金27とは、まだ離間していて吸着されていないものとする。
【0058】
続いて、かかるパネル部材9が施工者によって前方(Y軸正方向)に移動させられ、磁石25と板金27とが当接すると、磁力によってパネル部材9が便器本体3に取り付けられて保持される。すなわち、パネル部材9の前端面41aと、便器本体3の対向面51aとが保持部21の磁力によって吸着保持され、パネル部材9が便器本体3に保持される。
【0059】
本実施形態に係る水洗大便器1にあっては、上記のように構成されることで、パネル部材9を便器本体3に取り付ける際の施工性を向上させることができる。すなわち、パネル部材9は、水洗大便器1の外観を構成する部材である。従って、水洗大便器1の意匠性を確保するため、パネル部材9には、施工時に施工者が利用する持ち手などが明確には形成されない。そこで、保持部21が、上記したパネル部材9の前端面41aと便器本体3の対向面51aとを磁力によって吸着保持するように構成されることで、施工者は、例えばパネル部材9の後方を持って便器本体3の後方から押し当てて吸着保持させることが可能となって、パネル部材9を容易に便器本体3に取り付けることができ、パネル部材9の取り付け時の施工性を向上させることができる。
【0060】
また、水洗大便器1の側面視において、パネル部材9の前端面41aと便器本体3の対向面51aとの間には隙間60(
図1参照)が生じる。従来技術において、かかる隙間60の大きさは、例えばパネル部材9を取り付ける施工者の技量により増減し易く、隙間60が増大すると、水洗大便器1の意匠性の低下を招くおそれがあった。
【0061】
これに対し、本実施形態にあっては、パネル部材9の前端面41aと便器本体3の対向面51aとを保持部21の磁力によって吸着保持するようにした。これにより、隙間60の大きさ(言い換えると、前端面41aと対向面51aとの離間距離)は、保持部21の厚さ分に相当する値となる。すなわち、隙間60の大きさを予め設定された値(詳しくは、保持部21の厚さ分の値)にすることができることから、従来技術のように施工者の技量によって隙間60が増減することがなく、よって水洗大便器1の意匠性を向上させることができる。
【0062】
また、保持部21が取り付けられる面、すなわちパネル部材9の前端面41aおよび便器本体3の対向面51aは、直線状に形成される。これにより、パネル部材9の便器本体3に対する位置ずれを抑制することができる。
【0063】
すなわち、便器本体3は、例えば製造公差により各部位の寸法にばらつきが生じることがある。このような製造公差がある場合に、例えば前端面41aおよび対向面51aが、製造公差(寸法ばらつき)の影響を受け易い曲線状に形成され、保持部21が取り付けられると、保持部21である磁石25や板金27が適正位置からずれ易く、結果としてパネル部材9が便器本体3に対する適正位置からずれるおそれがある。
【0064】
これに対し、本実施形態にあっては、前端面41aおよび対向面51aが、製造公差(寸法ばらつき)の影響を受けにくい直線状に形成されているため、保持部21である磁石25や板金27が適正位置からずれにくく、結果としてパネル部材9の便器本体3に対する位置ずれを抑制することができる。
【0065】
また、本実施形態にあっては、パネル部材9の前端面41aおよび便器本体3の対向面51aが、直線状に形成されるため、取り付け時にパネル部材9をスライドさせて位置決めを容易にすることができる。
【0066】
すなわち、例えば保持部21が取り付けられる前端面41aおよび対向面51aが湾曲していると、パネル部材9を、便器本体3に保持させた状態でスライドしにくくなり、パネル部材9の位置決めが難しくなる。
【0067】
そこで、本実施形態に係る水洗大便器1においては、保持部21が取り付けられる前端面41aおよび対向面51aが直線状に形成されるため、パネル部材9を保持部21の吸着面と平行な方向(
図1の矢印D参照)へ直線的に容易にスライドさせることができる。従って、例えば施工者は、パネル部材9を便器本体3等に保持させた状態で、パネル部材9を便器本体3に対して矢印D方向へスライドさせて、パネル部材9を適正位置へ容易に調整することができる、言い換えると、パネル部材9の位置決めを容易にすることができる。
【0068】
また、保持部21が取り付けられる面、すなわちパネル部材9の前端面41aおよび便器本体3の対向面51aは、床面100に対して前後方向に傾斜する直線状に形成される。これにより、パネル部材9の便器本体3に対する位置ずれを抑制することができる。
【0069】
すなわち、前端面41aおよび対向面51aが、製造公差(寸法ばらつき)の影響を受けにくい直線状であり、床面100に対して前後方向に傾斜して形成されているため、保持部21である磁石25や板金27が適正位置からより一層ずれにくく、結果としてパネル部材9の便器本体3に対する位置ずれをより一層抑制することができる。
【0070】
上述してきたように、第1の実施形態に係る水洗大便器1は、便器本体3と、機能部5と、パネル部材9と、保持部21とを備えることを特徴とする。機能部5は、便器本体3の後方に設けられる。パネル部材9は、便器本体3の側面側に配置され機能部5の側面を覆う。保持部21は、パネル部材9の前端面41aと、便器本体3の側面に形成されパネル部材9の前端面41aと前後方向に対向する対向面51aとを磁力によって吸着保持する。これにより、パネル部材9を便器本体3に取り付ける際の施工性を向上させるとともに、意匠性を向上させることができる。
【0071】
(第2の実施形態)
次いで、第2の実施形態について
図5を参照して説明する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同様の部分については、既に説明した部分と同一の符号を付し、重複する説明を省略する場合がある。
【0072】
図5は、第2の実施形態に係る保持部21付近の端面図である。なお、
図5は、
図4と同様な端面図である。
【0073】
図5に示すように、第2の実施形態において、パネル部材9は、上記した保持部21および前端部41に加え、パネル側延在部42を備えるようにした。パネル側延在部42は、パネル本体部40から延在するように構成される。詳しくは、パネル側延在部42は、パネル本体部40において前端部41より外側(
図5の例ではX軸正方向側)の位置から便器本体3の対向面51aへ向けて延在するように構成される。言い換えると、パネル側延在部42は、前端部41の前端面41aより外側の位置から対向面51aへ向けて突出するように立設される壁部である。
【0074】
また、図示は省略するが、パネル側延在部42は、パネル部材9の上端から下端にわたって形成され、上記したパネル部材9の前端面41aと便器本体3の対向面51aとの間の隙間60を覆うように形成される。
【0075】
このように、第2の実施形態にあっては、パネル部材9がパネル側延在部42を備えるようにしたので、パネル側延在部42が隙間60を覆って隠すことが可能になる。これにより、隙間60を目立たなくすることができるため、水洗大便器1の見栄えを良くすることができ、意匠性をより向上させることができる。
【0076】
また、パネル部材9において、パネル本体部40の左右方向の厚さAと、パネル側延在部42の左右方向の厚さBとは、互いに異なるように設定される。具体的には、パネル側延在部42の左右方向の厚さBは、パネル本体部40の左右方向の厚さAより薄くなるように構成される(B<A)。
【0077】
このように、パネル側延在部42の左右方向の厚さBを比較的薄くすることで、例えばパネル部材9の取り付け時に、パネル側延在部42の先端部42aが、便器本体3の対向面51aの形状に追従するように弾性変形して、対向面51aに当接させることが可能になる。これにより、パネル側延在部42が隙間60を確実に覆って隠すことが可能になり、よって水洗大便器1の意匠性をより一層向上させることができる。
【0078】
(第3の実施形態)
次いで、第3の実施形態について
図6を参照して説明する。
図6は、第3の実施形態に係る保持部21付近の端面図である。なお、
図6は、
図4と同様な端面図である。
【0079】
図6に示すように、第3の実施形態に係るパネル部材9において、前端部41は、パネル本体部40の前側の部位を左右方向に突出させて形成されるように構成される。詳しくは、前端部41は、パネル本体部40の前側(Y軸正方向側)の部位を左右方向における内側(
図6の例ではX軸負方向側)へ突出させて形成される。
【0080】
このように、前端部41がパネル本体部40から突出させて形成されることで、前端面41aにおいて保持部21(正確には磁石25)が取り付けられる領域(取付面積)を確実に確保することが可能となる。
【0081】
また、パネル部材9において、パネル本体部40の左右方向の厚さAと、前端部41の左右方向の厚さCとは、互いに異なるように設定される。具体的には、前端部41の左右方向の厚さCが、パネル本体部40の左右方向の厚さAより厚くなるように構成される(C>A)。
【0082】
このように、前端部41の左右方向の厚さCを比較的厚くすることで、前端面41aにおける保持部21の取付面積をより確実に確保することが可能となる。また、パネル本体部40の左右方向の厚さAを比較的薄くすることで、パネル部材9の軽量化を図ることができる。
【0083】
(第4の実施形態)
次いで、第4の実施形態について
図7を参照して説明する。
図7は、第4の実施形態に係る保持部21付近の端面図である。なお、
図7は、
図4と同様な端面図である。
【0084】
図7に示すように、第4の実施形態は、上記した第2の実施形態と第3の実施形態とを組み合わせた実施形態である。具体的には、パネル部材9は、パネル側延在部42を備えるとともに、前端部41は、パネル本体部40の前側の部位を左右方向に突出させて形成されるように構成される。
【0085】
これにより、第4の実施形態にあっては、第2の実施形態と同様に、パネル側延在部42が隙間60を覆って隠すことが可能になるため、水洗大便器1の意匠性をより向上させることができる。また、第4の実施形態にあっては、第3の実施形態と同様に、前端部41がパネル本体部40から突出させて形成されることで、前端面41aにおいて保持部21(正確には磁石25)が取り付けられる取付面積を確実に確保することが可能となる。
【0086】
また、パネル部材9において、パネル本体部40の左右方向の厚さAと、パネル側延在部42の左右方向の厚さBと、前端部41の左右方向の厚さCとは、互いに異なるように設定される。具体的には、パネル側延在部42の左右方向の厚さBは、パネル本体部40の左右方向の厚さAより薄くなるように構成されるともに、前端部41の左右方向の厚さCが、パネル本体部40の左右方向の厚さAより厚くなるように構成される(C>A>B)。
【0087】
これにより、第4の実施形態にあっては、第2の実施形態と同様に、パネル側延在部42の左右方向の厚さBを比較的薄くすることで、例えばパネル部材9の取り付け時に、パネル側延在部42の先端部42aが対向面51aの形状に追従するように弾性変形して当接し、パネル側延在部42が隙間60を確実に覆って隠すことが可能になる。そのため、水洗大便器1の意匠性をより一層向上させることができる。
【0088】
また、第4の実施形態にあっては、第3の実施形態と同様に、前端部41の左右方向の厚さCを比較的厚くすることで、前端面41aにおける保持部21の取付面積をより確実に確保することが可能となる。また、パネル本体部40の左右方向の厚さAを比較的薄くすることで、パネル部材9の軽量化を図ることができる。
【0089】
(第5の実施形態)
次いで、第5の実施形態について
図8を参照して説明する。
図8は、第5の実施形態に係る保持部21付近の端面図である。なお、
図8は、
図4と同様な端面図である。
【0090】
図8に示すように、第5の実施形態において、便器本体3は、対向部51に加え、便器側延在部52を備えるようにした。便器側延在部52は、対向部51から延在するように構成される。詳しくは、便器側延在部52は、便器本体3において対向部51より外側(
図8の例ではX軸正方向側)の位置からパネル部材9の前端面41aへ向けて延在するように構成される。言い換えると、便器側延在部52は、対向部51の対向面51aより外側の位置から前端面41aへ向けて突出するように立設される壁部である。
【0091】
また、図示は省略するが、便器側延在部52は、便器本体3の上端から下端にわたって形成され、上記したパネル部材9の前端面41aと便器本体3の対向面51aとの間の隙間60を覆うように形成される。
【0092】
このように、第5の実施形態にあっては、便器本体3が便器側延在部52を備えるようにしたので、便器側延在部52が隙間60を覆って隠すことが可能になる。これにより、隙間60を目立たなくすることができるため、水洗大便器1の見栄えを良くすることができ、意匠性をより向上させることができる。
【0093】
(第6の実施形態)
次いで、第6の実施形態について
図9を参照して説明する。
図9は、第6の実施形態に係る保持部21付近の端面図である。なお、
図9は、
図4と同様な端面図である。
【0094】
図9に示すように、第6の実施形態において、パネル部材9の前端面41aには、パネル側凹部43が形成される。詳しくは、パネル側凹部43は、前端面41aにおいて保持部21である磁石25が取り付けられる位置に形成される。
【0095】
また、便器本体3の対向面51aには、便器側凹部53が形成される。詳しくは、便器側凹部53は、対向面51aにおいて保持部21である板金27が取り付けられる位置に形成される。
【0096】
パネル側凹部43や便器側凹部53は、パネル部材9や便器本体3に形成される穴部(窪み)であるが、これに限られず、例えばパネル部材9や便器本体3において上端から下端にわたって延在する溝部などであってもよい。また、パネル側凹部43および便器側凹部53は、凹部の一例である。
【0097】
そして、パネル側凹部43には、保持部21である磁石25が収容されて取り付けられる。詳しくは、パネル側凹部43には、保持部21の接着面(正確には磁石25の接着面)が露出するように収容されて取り付けられる。
【0098】
また、便器側凹部53には、保持部21である板金27が収容されて取り付けられる。詳しくは、便器側凹部53には、保持部21の接着面(正確には板金27の接着面)が露出するように収容されて取り付けられる。
【0099】
すなわち、第6の実施形態にあっては、保持部21の一部がパネル部材9あるいは便器本体3に埋め込まれるようにした。このように、保持部21の一部がパネル側凹部43あるいは便器側凹部53に埋め込まれることで、保持部21においてパネル部材9あるいは便器本体3から露出する部分を小さくすることができる、言い換えると、露出する部位の前後方向の長さを短くすることができる。
【0100】
これにより、パネル部材9の前端面41aと便器本体3の対向面51aとの間に生じる隙間60の大きさを可能な限り小さくすることができる。従って、隙間60を目立たなくすることができるため、水洗大便器1の見栄えを良くすることができ、意匠性をより向上させることができる。
【0101】
なお、上記した第6の実施形態では、パネル側凹部43および便器側凹部53を備える例を示したが、これに限定されるものではなく、いずれか一方を備える構成であってもよい。すなわち、凹部は、パネル部材9の前端面41aおよび便器本体3の対向面51aの少なくともいずれかに形成されていればよい。
【0102】
なお、上記した第1~第6実施形態については、適宜に組み合わせることができる。
【0103】
<付記>
(1)便器本体と、
前記便器本体の後方に設けられた機能部と、
前記便器本体の側面側に配置され前記機能部の側面を覆うパネル部材と、
前記パネル部材の前端面と、前記便器本体の前記側面に形成され前記パネル部材の前記前端面と前後方向に対向する対向面とを磁力によって吸着保持する保持部と
を備えることを特徴とする水洗大便器。
(2)前記パネル部材の前記前端面および前記便器本体の前記対向面は、
直線状に形成される
ことを特徴とする(1)に記載の水洗大便器。
(3)前記パネル部材の前記前端面および前記便器本体の前記対向面は、
床面に対して前後方向に傾斜する直線状に形成される
ことを特徴とする(2)に記載の水洗大便器。
(4)前記パネル部材は、
前記便器本体の前記側面を覆うパネル本体部と、
前記パネル本体部の前側において前記保持部が取り付けられる前記前端面を形成する前端部と、
前記パネル本体部において前記前端部より外側の位置から前記便器本体の前記対向面へ向けて延在するパネル側延在部と
を備えることを特徴とする(1)~(3)のいずれか一つに記載の水洗大便器。
(5)前記パネル側延在部の左右方向の厚さは、前記パネル本体部の左右方向の厚さより薄くなるように構成される
ことを特徴とする(4)に記載の水洗大便器。
(6)前記前端部は、
前記パネル本体部の前側の部位を左右方向に突出させて形成される
ことを特徴とする(1)~(5)のいずれか一つに記載の水洗大便器。
(7)前記前端部の左右方向の厚さは、前記パネル本体部の左右方向の厚さより厚くなるように構成される
ことを特徴とする(6)に記載の水洗大便器。
(8)前記便器本体は、
前記便器本体の前記側面側において前記保持部が取り付けられる前記対向面を形成する対向部と、
前記便器本体において前記対向部より外側の位置から前記パネル部材の前記前端面へ向けて延在する便器側延在部と
を備えることを特徴とする(1)~(7)のいずれか一つに記載の水洗大便器。
(9)前記パネル部材の前記前端面および前記便器本体の前記対向面の少なくともいずれかに凹部が形成され、
前記凹部には、前記保持部が収容されて取り付けられる
ことを特徴とする(1)~(8)のいずれか一つに記載の水洗大便器。
【0104】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。従って、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0105】
1 水洗大便器
3 便器本体
5 機能部
9 パネル部材
21 保持部
41a 前端面
51a 対向面