(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024033185
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】印刷装置
(51)【国際特許分類】
B41J 2/175 20060101AFI20240306BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
B41J2/175 151
B41J2/01 301
B41J2/175 169
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022136624
(22)【出願日】2022-08-30
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(74)【代理人】
【識別番号】100196058
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 彰雄
(72)【発明者】
【氏名】中田 聡
(72)【発明者】
【氏名】山田 克己
(72)【発明者】
【氏名】田中 当成
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EA16
2C056EA22
2C056KC02
2C056KC04
(57)【要約】
【課題】液体収容体を装着部から取り外す場合において、液体収容体と第2規制部とが干渉してしまうことを抑制することができる印刷装置を提供すること。
【解決手段】印刷部と、液体収容体を脱着可能な装着部と、装着部の状態を切り替えるカバーと、を備え、液体収容体は、装着部からの液体収容体の取り外しを規制する第1規制部と、第1規制部による規制を解除する操作を受け付ける操作部と、カバーに近づくほど鉛直方向上方に向かって傾斜する傾斜部と、を備え、装着部は、傾斜部をガイドする第1ガイド部を備え、カバーは、装着部の状態が閉状態において操作部に向かって突出し、液体収容体の動きを規制する第2規制部を備え、液体収容体は、規制位置と解除位置との間で変位可能であり、装着部から液体収容体が取り出される場合、液体収容体と第2規制部とが干渉しないように、液体収容体と第2規制部とを相対的に移動させることができる、印刷装置。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷媒体への印刷を行う印刷部と、
前記印刷部に供給する液体を貯留する液体貯留部を有する液体収容体を脱着可能な装着部と、
前記装着部の状態を、前記装着部が開かれる開状態と、前記装着部が閉じられる閉状態との間で切り替えるカバーと、
を備え、
前記液体収容体は、
鉛直方向における前記液体収容体の上部に設けられ、前記装着部からの前記液体収容体の取り外しを規制する第1規制部と、
鉛直方向における前記液体収容体の上部に設けられ、且つ、前記液体収容体が前記装着部に装着されている場合において前記第1規制部より前記カバーの近くに位置し、前記第1規制部による規制を解除する操作を受け付ける操作部と、
鉛直方向における前記液体収容体の下部に設けられ、且つ、前記操作部の下方に位置し、前記液体収容体が前記装着部に装着されている場合において前記カバーに近づくほど鉛直方向上方に向かって傾斜する傾斜部と、
を備え、
前記装着部は、前記傾斜部をガイドする第1ガイド部を備え、
前記カバーは、前記装着部の状態が前記閉状態において前記操作部に向かって突出し、前記液体収容体の動きを規制する第2規制部を備え、
前記液体収容体は、鉛直方向と直交する方向のうち前記装着部から前記カバーに向かう第1方向に沿った動きが前記第1規制部により規制される規制位置と、前記第1規制部による規制が解除され、前記傾斜部が前記第1ガイド部と接する解除位置との間で変位可能であり、
前記装着部から前記液体収容体が取り出される場合、前記液体収容体と前記第2規制部とが干渉しないように、前記液体収容体と前記第2規制部とを相対的に移動させることができる、
印刷装置。
【請求項2】
前記カバーが前記装着部を開いている場合、且つ、前記液体収容体が前記装着部に装着されている場合において、前記第1方向と逆の装着方向に向かって前記印刷装置を見た場合、前記第2規制部と前記液体収容体とが重ならない、
請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記第2規制部は、起立した状態と倒伏した状態とを切り替え可能な部材である、
請求項1又は2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記第2規制部は、起立した状態から倒伏した状態へ切り替わる場合、前記第1方向に向かって倒伏する、
請求項3に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記第2規制部は、自重によって起立した状態と倒伏した状態とが切り替わる、
請求項3に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記第2規制部の状態を切り替える状態切替部を備え、
前記状態切替部は、前記装着部の状態を前記カバーによって前記閉状態から前記開状態へ切り替えた場合、前記第2規制部を起立した状態から倒伏した状態へと切り替え、前記装着部の状態を前記カバーによって前記開状態から前記閉状態へ切り替えた場合、前記第2規制部を倒伏した状態から起立した状態へ切り替える、
請求項3に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記装着部から前記液体収容体が取り出される場合において前記液体収容体をガイドするガイド姿勢と、前記カバーに収納される収納姿勢とに姿勢を切り替え可能な第2ガイド部を備え、
前記ガイド姿勢の前記第2ガイド部は、前記装着部から前記液体収容体が取り出される場合、鉛直方向において前記第2規制部の上端よりも上方に前記液体収容体をガイドする、
請求項1に記載の印刷装置。
【請求項8】
前記第2ガイド部の姿勢を前記ガイド姿勢と前記収納姿勢との間で変化させる姿勢変化部を備え、
前記姿勢変化部は、前記装着部の状態を前記カバーによって前記閉状態から前記開状態へ切り替えた場合、前記第2ガイド部の姿勢を前記ガイド姿勢へ切り替え、前記装着部の状態を前記カバーによって前記開状態から前記閉状態へ切り替えた場合、前記第2ガイド部の姿勢を前記収納姿勢へ切り替える、
請求項7に記載の印刷装置。
【請求項9】
前記姿勢変化部は、前記第2ガイド部の姿勢が前記ガイド姿勢となる方向に前記第2ガイド部を付勢する付勢部材を含む、
請求項8に記載の印刷装置。
【請求項10】
前記液体収容体が有する面のうち、前記第1方向及び鉛直方向と交差する幅方向と直交する2つの面のうちの一方には、前記液体収容体を前記第1方向に向かって前記第1方向よりも上方にガイドする第3ガイド部と、前記第3ガイド部によってガイドされる突起部とのうちの一方が設けられており、
前記装着部には、前記第3ガイド部と前記突起部とのうちの他方が設けられている、
請求項1に記載の印刷装置。
【請求項11】
前記液体収容体は、
前記装着部に設けられる被接続部に接続し、前記液体を供給する接続部と、
前記接続部の外面に設けられ、前記液体収容体が前記装着部に装着される装着過程において、前記装着部の突起によりガイドされるガイド溝と、
を備え、
前記ガイド溝は、前記第1方向と逆の装着方向における前端が前方に開放されており、前記第1方向に延びた第1ガイド面と、前記第1ガイド面と交差する第2ガイド面とを備える、
請求項1に記載の印刷装置。
【請求項12】
前記第1ガイド面は、前記液体収容体が前記装着部に装着されている場合において、前記第1方向に向かって前記第1方向よりも上方に、予め決められた第1角度で傾斜し、
前記傾斜部は、前記第1方向に向かって前記第1方向よりも上方に、前記第1角度以下の第2角度で傾斜している、
請求項11に記載の印刷装置。
【請求項13】
前記カバーは、前記装着部の状態が前記開状態である場合、前記第1ガイド部の上面を含む仮想的な面よりも下方まで開くことにより、前記液体収容体と前記第2規制部とが干渉しないように、前記液体収容体に対して前記第2規制部を相対的に移動させる、
請求項1に記載の印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インクカートリッジから供給されるインクによって印刷を行う印刷装置についての研究、開発が行われている。
【0003】
これに関し、装着部の開口を通じて、液体カートリッジが第1方向へ向かって、第1方向と反対の第2方向へ向かう付勢力に抗して挿入されることにより装着される液体供給装置であって、液体カートリッジは、液体貯留室と、液体カートリッジが装着部に挿入される状態において第1方向を向く前面と、前面との間に液体貯留室を挟んで配置された後面と、前面と後面との間で延びる側面と、前面に配置された液体供給部と、側面に配置されたロック面と、第2方向に開口した凹陥部と、を具備しており、装着部は、液体供給部に挿入される液体供給管と、ロック面と当接するロック部と、開口を開放する開姿勢と開口を閉塞する閉姿勢に回動可能であって突起を有するカバーと、を具備しており、液体カートリッジは、装着部において液体供給管が液体供給部に挿入された状態において、ロック面がロック部と第1方向及び第2方向に向かい合って当接する第1姿勢と、ロック面がロック部と第1方向及び第2方向に向かい合わない第2姿勢との間で回動可能であって、第1姿勢において、ロック面がロック部と第2方向に当接することにより付勢力に抗して装着部に位置決めされた状態となり、カバーは、装着部に位置決めされた状態の液体カートリッジがあるときに、閉姿勢とされることにより、突起が凹陥部に収容されて液体カートリッジが第2姿勢へ回動する動きを規制し、装着部において液体カートリッジが第2姿勢であるときに、開姿勢から閉姿勢へ向かって回動される過程において、突起が液体カートリッジに当接する液体供給装置が知られている(特許文献1参照)。また、特許文献1に記載された液体カートリッジの構造の一例は、特許文献2に記載されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-185660号公報
【特許文献2】特開2018-161877号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1、2に記載されたような液体カートリッジが装着される液体供給装置では、液体カートリッジを第2方向に向かって装着部から取り外そうとする場合、液体カートリッジがカバーの突起と干渉してしまうことがある。このような干渉は、液体カートリッジを振動させてしまうため、その振動による液体カートリッジからの液体の漏出を引き起こすことに繋がり、望ましくない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本開示の一態様は、印刷媒体への印刷を行う印刷部と、前記印刷部に供給する液体を貯留する液体貯留部を有する液体収容体を脱着可能な装着部と、前記装着部の状態を、前記装着部が開かれる開状態と、前記装着部が閉じられる閉状態との間で切り替えるカバーと、を備え、前記液体収容体は、鉛直方向における前記液体収容体の上部に設けられ、前記装着部からの前記液体収容体の取り外しを規制する第1規制部と、鉛直方向における前記液体収容体の上部に設けられ、且つ、前記液体収容体が前記装着部に装着されている場合において前記第1規制部より前記カバーの近くに位置し、前記第1規制部による規制を解除する操作を受け付ける操作部と、鉛直方向における前記液体収容体の下部に設けられ、且つ、前記操作部の下方に位置し、前記液体収容体が前記装着部に装着されている場合において前記カバーに近づくほど鉛直方向上方に向かって傾斜する傾斜部と、を備え、前記装着部は、前記傾斜部をガイドする第1ガイド部を備え、前記カバーは、前記装着部の状態が前記閉状態において前記操作部に向かって突出し、前記液体収容体の動きを規制する第2規制部を備え、前記液体収容体は、鉛直方向と直交する方向のうち前記装着部から前記カバーに向かう第1方向に沿った動きが前記第1規制部により規制される規制位置と、前記第1規制部による規制が解除され、前記傾斜部が前記第1ガイド部と接する解除位置との間で変位可能であり、前記装着部から前記液体収容体が取り出される場合、前記液体収容体と前記第2規制部とが干渉しないように、前記液体収容体と前記第2規制部とを相対的に移動させることができる、印刷装置である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】装着部12に装着された状態のインクカートリッジICRの構成の一例を示す図である。
【
図3】
図2に示したインクカートリッジICRの斜視図である。
【
図4】
図2に示したインクカートリッジICRを三次元座標系TCにおけるXZ平面と平行な面に沿って切断した場合の断面図である。
【
図5】4本のインクカートリッジICが装着部12に装着されている様子の一例を示す図である。
【
図6】
図5に示した4本のインクカートリッジICのうちのインクカートリッジICRの操作部CLを上から下に向かって押下した様子の一例を示す図である。
【
図7】カバー13によってインクカートリッジ挿入空間が閉じられ、装着部12の状態が閉状態になっている場合における印刷装置1の外観の一例を示す図である。
【
図8】起立した状態の第2規制部LM2の構成の一例を示す斜視図である。
【
図9】
図8に示した第2規制部LM2を別の方向から見た場合の斜視図である。
【
図10】倒伏した状態の第2規制部LM2の一例を示す斜視図である。
【
図11】第2規制部LM2の他の構成を示す図である。
【
図12】第2規制部LM2の構成の更に他の例を示す図である。
【
図13】第2規制部LM2の更に更に他の例を示す図である。
【
図14】カバー13を開いた状態の印刷装置1の様子の一例を示す図である。
【
図15】第2ガイド部GD4が設けられたカバー13の一例を示す図である。
【
図16】ガイド姿勢の第2ガイド部GD4の一例を示す図である。
【
図17】収納姿勢の第2ガイド部GD4の一例を示す図である。
【
図18】第3ガイド部GD5が設けられた装着部12の一例を示す図である。
【
図19】突起部THが設けられたインクカートリッジICRの一例を示す図である。
【
図20】第3ガイド部GD5が設けられたインクカートリッジICRの一例を示す図である。
【
図21】突起部THが設けられた装着部12の一例を示す図である。
【
図22】装着部12に装着されている場合におけるインクカートリッジICRの様子の一例を示す。
【
図23】
図22に示したインクカートリッジICRの操作部CLが上から下に向かって押下されたインクカートリッジICRの様子の一例を示す図である。
【
図24】
図23に示したインクカートリッジICRを抜去方向に向かってユーザーにより途中まで引き抜かれた様子の一例を示す図である。
【
図25】
図24に示したインクカートリッジICRを抜去方向に向かってユーザーにより更に引き抜かれた様子の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<実施形態>
以下、本開示の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0009】
<印刷装置の概要>
まず、実施形態に係る印刷装置の概要について説明する。
【0010】
実施形態に係る印刷装置は、印刷部と、装着部と、カバーを備える。印刷部は、印刷媒体への印刷を行う。装着部は、印刷部に供給する液体を貯留する液体貯留部を有する液体収容体を脱着可能な部材である。カバーは、装着部の状態を、装着部が開かれる開状態と、装着部が閉じられる閉状態との間で切り替える。また、液体収容体は、第1規制部と、操作部と、傾斜部を備える。第1規制部は、鉛直方向における液体収容体の上部に設けられ、装着部からの液体収容体の取り外しを規制する。操作部は、鉛直方向における液体収容体の上部に設けられ、且つ、液体収容体が装着部に装着されている場合において第1規制部よりカバーの近くに位置し、第1規制部による規制を解除する操作を受け付ける。傾斜部は、鉛直方向における液体収容体の下部に設けられ、且つ、操作部の下方に位置し、液体収容体が装着部に装着されている場合においてカバーに近づくほど鉛直方向上方に向かって傾斜する。ここで、装着部は、傾斜部をガイドする第1ガイド部を備える。また、カバーは、第2規制部を備える。第2規制部は、装着部の状態が閉状態において操作部に向かって突出し、液体収容体の動きを規制する。また、液体収容体は、鉛直方向と直交する方向のうち装着部からカバーに向かう第1方向に沿った動きが第1規制部により規制される規制位置と、第1規制部による規制が解除され、傾斜部が第1ガイド部と接する解除位置との間で変位可能である。そして、このような印刷装置は、装着部から液体収容体が取り出される場合、液体収容体と第2規制部とが干渉しないように、液体収容体と第2規制部とを相対的に移動させることができる。これにより、印刷装置は、液体収容体を装着部から取り外す場合において、液体収容体と第2規制部とが干渉してしまうことを抑制することができる。その結果、印刷装置は、液体収容体と第2規制部との干渉による振動によって液体収容体から液体が漏れ出てしまうことを抑制することができる。
【0011】
以下では、実施形態に係る印刷装置の構成について詳しく説明する。
【0012】
<印刷装置の構成>
以下、実施形態に係る印刷装置の構成について、印刷装置1を例に挙げて説明する。
【0013】
【0014】
ここで、三次元座標系TCは、三次元座標系TCが描かれた各図における方向を示す三次元直交座標系である。以下では、説明の便宜上、三次元座標系TCにおけるX軸を、単にX軸と称して説明する。また、以下では、説明の便宜上、三次元座標系TCにおけるY軸を、単にY軸と称して説明する。また、以下では、説明の便宜上、三次元座標系TCにおけるZ軸を、単にZ軸と称して説明する。
【0015】
また、以下では、一例として、Z軸の負方向が鉛直方向と一致している場合について説明する。なお、鉛直方向は、重力方向と称されてもよい。また、以下では、説明の便宜上、Z軸の正方向を、上方向又は単に上と称して説明し、Z軸の負方向を、下方向又は単に下と称して説明する。また、以下では、説明の便宜上、印刷装置1が有する面のうち、Z軸の正方向側の面を上面と称し、上面と反対側の面を下面と称して説明する。また、以下では、説明の便宜上、印刷装置1が有する面のうち、X軸の正方向側の面を前面と称し、前面と反対側の面を後面と称して説明する。また、以下では、説明の便宜上、印刷装置1が有する面のうち、Y軸の正方向側の面を左面と称し、左面と反対側の面を右面と称して説明する。
【0016】
印刷装置1は、インクカートリッジICから供給されるインクによって印刷媒体上へ画像を印刷するインクジェット式のプリンターである。印刷装置1は、インクジェット式のプリンターであれば、如何なる種類のプリンターであってもよい。
【0017】
印刷装置1は、印刷部11と、装着部12と、カバー13を備える。
【0018】
印刷部11は、インクジェット式の印刷ヘッドを含み、インクカートリッジICから供給されるインクによって印刷媒体への画像の印刷を行う部材である。
図1では、図を簡略化するため、印刷装置1の内部に位置する印刷部11を、直方体形状の物体として示している。
【0019】
装着部12は、1本以上のインクカートリッジICを脱着可能な部材である。装着部12は、1本以上のインクカートリッジICを外部から挿入可能な空間を形成する凹部121を含んで構成される。凹部121は、印刷装置1の前面から後面に向かって凹んだ空間を形成するように、印刷装置1の筐体に形成されている。このため、凹部121の内壁に囲まれた空間には、印刷装置1の前面から後面に向かって外部から1本以上のインクカートリッジICを挿入可能である。また、この空間は、カバー13によって開閉可能な空間である。以下では、説明の便宜上、この空間を、インクカートリッジ挿入空間と称して説明する。
【0020】
ここで、1本以上のインクカートリッジICのそれぞれを装着部12に装着する場合、1本以上のインクカートリッジICのそれぞれは、X軸の負方向に向かってインクカートリッジ挿入空間へ挿入される。一方、1本以上のインクカートリッジICのそれぞれを装着部12から取り外す場合、1本以上のインクカートリッジICのそれぞれは、X軸の正方向に向かってインクカートリッジ挿入空間から引き抜かれる。そこで、以下では、説明の便宜上、X軸の正方向を抜去方向と称し、X軸の負方向を装着方向と称して説明する。
【0021】
以下では、一例として、装着部12が、
図1に示したように、4本のインクカートリッジICが装着可能な場合について説明する。このため、
図1に示した例では、インクカートリッジ挿入空間内には、これら4本のインクカートリッジICが挿入されている。これら4本のインクカートリッジICは、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックそれぞれの色のインクについてのインクカートリッジである。以下では、説明の便宜上、シアンのインクについてのインクカートリッジICを、インクカートリッジICRと称して説明する。また、以下では、説明の便宜上、マゼンダのインクについてのインクカートリッジICを、インクカートリッジICGと称して説明する。また、以下では、説明の便宜上、イエローのインクについてのインクカートリッジICを、インクカートリッジICBと称して説明する。また、以下では、説明の便宜上、ブラックのインクについてのインクカートリッジICを、インクカートリッジICKと称して説明する。
【0022】
4本のインクカートリッジICのそれぞれは、前述の液体収容体の一例である。また、4本のインクカートリッジICのそれぞれに収容されたインクは、液体収容体が有する液体貯留部に貯留された液体の一例である。4本のインクカートリッジICのそれぞれは、インクを貯留する液体貯留部TKを内部に有している。なお、
図1では、図を簡略化するため、4本のインクカートリッジICのそれぞれの液体貯留部TKを省略している。
【0023】
ここで、
図2~
図4を参照し、インクカートリッジICRの構成について説明する。なお、インクカートリッジICG、インクカートリッジICB、インクカートリッジICKそれぞれの構成は、インクカートリッジICRの構成と同様の構成である。このため、インクカートリッジICG、インクカートリッジICB、インクカートリッジICKそれぞれの構成については、説明を省略する。
【0024】
図2は、装着部12に装着された状態のインクカートリッジICRの構成の一例を示す図である。また、
図3は、
図2に示したインクカートリッジICRの斜視図である。また、
図4は、
図2に示したインクカートリッジICRを三次元座標系TCにおけるXZ平面と平行な面に沿って切断した場合の断面図である。なお、
図2では、インクカートリッジ挿入空間は、カバー13によって閉じられている。
【0025】
インクカートリッジICRの形状は、略直方体形状である。インクカートリッジICRは、液体貯留部TKと、接続部CNと、ガイド溝GDと、第1規制部LM1と、操作部CLと、傾斜部TPを備える。
【0026】
液体貯留部TKは、印刷部11に供給するインクを貯留する部材である。この液体貯留部TKに貯留されたインクは、後述する接続部CNを介して印刷部11へ供給される。
図2では、図を簡略化するため、インクカートリッジICRの液体貯留部TKを、四角形状の物体として示している。また、
図3では、図を簡略化するため、液体貯留部TKが省略されている。
【0027】
接続部CNは、装着部12に設けられた被接続部CN2に接続し、被接続部CN2を介してインクを印刷装置1へ供給する。この一例において、装着部12には、前述した通り、4本のインクカートリッジICが装着される。このため、装着部12には、4本のインクカートリッジICそれぞれの接続部CNと接続される被接続部CN2が設けられている。装着部12に設けられた被接続部CN2は、接続部CNに挿入されるニードルを有する。装着部12に装着されたインクカートリッジICのインクは、このニードルを通って印刷部11へ供給される。このため、接続部CNは、このようなニードルが挿入される挿入口HLを有する。インクカートリッジICRの接続部CNと接続される被接続部CN2のニードルは、X軸と平行な方向に向かって延伸している。このため、インクカートリッジICRが装着方向に向かってインクカートリッジ挿入空間内に挿入されると、インクカートリッジICRの接続部CNの挿入口HLには、この接続部CNと接続される被接続部CN2のニードルが挿入される。
【0028】
ここで、接続部CNは、エラストマーによって構成される弾性体である。また、接続部CNの挿入口HLに挿入されるニードルは、接続部CNの挿入口HLに挿入されている場合において、インクカートリッジ挿入空間内におけるインクカートリッジICRの動きに応じて弾性変形可能な程度の柔らかい素材によって構成される。これらのため、接続部CNと、接続部CNに挿入されるニードルとのそれぞれは、インクカートリッジICRの装着部12への装着過程、又は、インクカートリッジICRの装着部12からの取り外し過程において、塑性変形してしまうことが抑制されている。
【0029】
また、接続部CNは、弾性部材SPを備える。弾性部材SPは、装着部12に装着されたインクカートリッジICRを抜去方向に向かって付勢する部材である。弾性部材SPは、例えば、バネであるが、これに代えて、装着部12に装着されたインクカートリッジICRを、抜去方向に向かって付勢することが可能な他の弾性部材であってもよい。このような弾性部材SPは、ユーザーによるインクカートリッジICRの装着部12からの取り外しを補助することができる。換言すると、ユーザーは、接続部CNが弾性部材SP備えることにより、インクカートリッジICRの装着部12からの取り外しを容易に行うことができる。
図4に示した例では、弾性部材SPは、インクカートリッジICRの本体と接続部CNとの間に位置するように接続部CNに備えられている。なお、弾性部材SPは、接続部CNに代えて、装着部12に装着されたインクカートリッジICRを抜去方向に向かって付勢することが可能なように、カバー13、装着部12等に設けられる構成であってもよい。
【0030】
ガイド溝GDは、このような接続部CNの挿入口HLへのニードルの挿入を容易にするために設けられた溝である。ガイド溝GDは、インクカートリッジICRの接続部CNの外面に設けられる。そして、ガイド溝GDは、インクカートリッジICRが装着部12に装着される装着過程において、装着部12の突起によりガイドされる。すなわち、装着部12には、4本のインクカートリッジICそれぞれのガイド溝GDをガイドする突起が設けられている。なお、このような突起の構成は、4本のインクカートリッジICそれぞれのガイド溝GDをガイド可能な構成であれば如何なる構成であってもよい。このため、本実施形態では、このような突起の構成についての図示による説明を省略する。このようなガイド溝GDを接続部CNが備えるため、印刷装置1は、インクカートリッジICRが装着部12に装着される場合において、接続部CNと接続される被接続部CN2へ接続部CNを容易に接続させることができる。
【0031】
また、ガイド溝GDは、インクカートリッジICRが装着部12に装着されている場合、装着方向における前端が前方に開放されており、X軸と平行な方向に延びた第1ガイド面GD1と、第1ガイド面GD1と交差する第2ガイド面GD2とを備える。
図2に示した例では、第1ガイド面GD1と第2ガイド面GD2とは、互いに直交している。ここで、
図2では、第2ガイド面GD2は、三次元座標系TCにおけるXZ平面と平行な面である。そして、第1ガイド面GD1は、このXZ平面と直交する面である。また、このような第1ガイド面GD1は、インクカートリッジICRが装着部12に装着されている場合において、抜去方向に向かって抜去方向よりも上方に、予め決められた第1角度θ1で傾斜している。
【0032】
第1規制部LM1は、インクカートリッジICRの上部に設けられ、装着部12からのインクカートリッジICRの取り外しを規制する。第1規制部LM1は、略直方体形状のインクカートリッジICの上部から上に向かって突出している突起状の部材である。第1規制部LM1が有する面のうちの印刷装置1の前面に最も近い面は、インクカートリッジ挿入空間内に設けられたワイヤーが引っ掛かる面である。以下では、説明の便宜上、この面を第1規制面と称して説明する。インクカートリッジICRがインクカートリッジ挿入空間内に挿入されることによってインクカートリッジICRが装着部12に装着された場合、第1規制面には、当該ワイヤーが引っ掛かる。これにより、インクカートリッジICRは、ワイヤーによってX軸の正方向への動きが規制される。
【0033】
傾斜部TPは、インクカートリッジICRの下部に設けられ、且つ、操作部CLの下方に位置し、インクカートリッジICRが装着部12に装着されている場合においてカバー13に近づくほど鉛直方向上方に向かって傾斜する。これにより、インクカートリッジICRは、後述する操作部CLが上から下に向かって押下された場合、傾斜部TPとインクカートリッジ挿入空間の下面との隙間のぶん、ニードルが挿入された接続部CN付近に位置する傾斜部TPの後端TPEを中心として回動することができる。換言すると、インクカートリッジICRは、当該場合、傾斜部TPとインクカートリッジ挿入空間の下面との隙間のぶん、ニードルが挿入された接続部CN付近に位置する傾斜部TPの後端TPEを中心として変位することができる。ここで、傾斜部TPの後端TPEは、傾斜部TPが有する端部のうち印刷装置1の後面に最も近い端部のことである。このような回動が生じた場合、傾斜部TPは、インクカートリッジ挿入空間の下面と接する。このため、傾斜部TPは、インクカートリッジICRを装着部12から取り外す場合、インクカートリッジ挿入空間を形成する凹部121の下面によってガイドされる。以下では、説明の便宜上、凹部121の下面を、第1ガイド部GD3と称して説明する。第1ガイド部GD3は、三次元座標系TCにおけるXY平面と略平行な面を有し、傾斜部TPを当該XY平面と略平行にガイドする。なお、本明細書において、ある面が当該XY平面と略平行であることは、当該面が当該XY平面に対して数度程度の傾いていたとしても、当該面を当該XY平面に対して平行であると見做すことを意味する。また、本明細書において、ある面が当該XY平面と略平行であることは、当該面が当該XY平面に対して多少の凹凸を有していたとしても、当該面を当該XY平面に対して平行であると見做すことを意味する。
【0034】
ここで、傾斜部TPの傾斜角度を大きくすると、インクカートリッジICRの液体貯留部TKの体積が小さくなってしまう。これは、インクカートリッジICRによるインクの貯留量を減少させてしまうため、望ましいことではない。一方、インクカートリッジICRの装着部12への装着時における取り付け誤差を許容するためには、傾斜部TPの傾斜角度は、大きい方が望ましい。しかしながら、インクカートリッジICRのガイド溝GDが装着部12の突起によってガイドされた後であれば、第1ガイド部GD3は、インクカートリッジICRを安定して装着部12へガイドすることができる。このため、傾斜部TPは、抜去方向に向かって抜去方向よりも上方に、第1角度θ1以下の第2角度θ2で傾斜している。これにより、インクカートリッジICRは、インクカートリッジICRによるインクの貯留量が減少してしまうことを抑制しつつ、装着部12への装着過程における装着部12への適切なガイドを実現することができる。
【0035】
このような傾斜部TPを備えるため、インクカートリッジICRは、前述した通り、後述する操作部CLが上から下に向かって押下された場合、規制位置と、解除位置との間で回動可能である。換言すると、インクカートリッジICRは、当該場合、規制位置と、解除位置との間で変位可能である。具体的には、インクカートリッジICRは、傾斜部TPの後端TPEを中心として回動することができる。より具体的には、インクカートリッジICRは、規制位置と、解除位置との間で回動可能である。規制位置は、鉛直方向と直交する方向のうち装着部12からカバー13に向かう方向、すなわち、抜去方向に沿った動きが第1規制部LM1により規制される位置のことである。解除位置は、第1規制部LM1による規制が解除され、傾斜部TPが第1ガイド部GD3と接する位置のことである。
なお、インクカートリッジICRは、後端TPEを中心に回動する構成に代えて、接続部CNと被接続部CN2とが接続する接続位置を中心に回動する構成であってもよい。
【0036】
操作部CLは、インクカートリッジICRの上部に設けられ、且つ、インクカートリッジICRが装着部12に装着されている場合において第1規制部LM1よりカバー13の近くに位置し、第1規制部LM1による規制を解除する操作を受け付ける。操作部CLを上から下に向かってユーザーが押下した場合、インクカートリッジICRは、前述した通り、傾斜部TPの後端TPEを中心として、規制位置から解除位置へと回転する。これにより、第1規制部LM1に引っ掛かっていたワイヤーは、第1規制部LM1から外れる。その結果、インクカートリッジICRは、第1ガイド部GD3に沿ってガイドされながら抜去方向に向かって動くことができるようになる。すなわち、これにより、ユーザーは、インクカートリッジICRを装着部12から取り外すことができる。
【0037】
ここで、
図5は、4本のインクカートリッジICが装着部12に装着されている様子の一例を示す図である。そして、
図6は、
図5に示した4本のインクカートリッジICのうちのインクカートリッジICRの操作部CLを上から下に向かって押下した様子の一例を示す図である。
図6に示したように、操作部CLを上から下に向かってユーザーが押下した場合、インクカートリッジICRは、前述した通り、傾斜部TPの後端TPEを中心として、規制位置から解除位置へと回動する。その結果、傾斜部TPが第1ガイド部GD3と接する。
図6には、インクカートリッジICRの傾斜部TPが第1ガイド部GD3と接している様子が示されている。傾斜部TPが第1ガイド部GD3と接している場合において、ユーザーがインクカートリッジICRを抜去方向へ引き抜くと、傾斜部TPは、第1ガイド部GD3によってガイドされる。その結果、インクカートリッジICRの接続部CNと接続されていた被接続部CN2のニードルは、インクカートリッジICRの接続部CNの挿入口HLからが引き抜かれる。これにより、インクカートリッジICRは、装着部12から取り外される。なお、以下では、これら4本のインクカートリッジICのそれぞれを区別する必要がない限り、単にインクカートリッジICと称して説明する。
【0038】
カバー13は、装着部12の状態を、装着部12が開かれる開状態と、装着部12が閉じられる閉状態との間で切り替える。装着部12の状態が閉状態である場合、インクカートリッジ挿入空間は、
図7に示したように、印刷装置1の外部から見えないようにカバー13によって閉じられている。ここで、
図7は、カバー13によってインクカートリッジ挿入空間が閉じられ、装着部12の状態が閉状態になっている場合における印刷装置1の外観の一例を示す図である。
図7に示したように、カバー13によってインクカートリッジ挿入空間が閉じられている場合、ユーザーは、4本のインクカートリッジICのそれぞれへ触れることができない。このため、当該場合、ユーザーは、4本のインクカートリッジICのそれぞれと装着部12との脱着を行うことができない。一方、装着部12の状態が開状態である場合、インクカートリッジ挿入空間は、印刷装置1の外部から見えるようにカバー13によって開けられている。このため、当該場合、ユーザーは、4本のインクカートリッジICのそれぞれと装着部12との脱着を行うことができる。
【0039】
また、カバー13は、第2規制部LM2を備える。
【0040】
第2規制部LM2は、
図2に示したように、装着部12の状態が閉状態において操作部CLに向かって突出し、4本のインクカートリッジICそれぞれの動きを規制する部材である。第2規制部LM2は、装着部12の状態が閉状態において操作部CLに向かって突出し、4本のインクカートリッジICそれぞれの動きを規制することが可能な部材であれば、如何なる部材であってもよい。
図1及び
図2に示した例では、第2規制部LM2は、4本のインクカートリッジICそれぞれの動きを規制する矩形平板形状の部材である。
【0041】
ここで、第2規制部LM2は、
図2に示したように、装着部12の状態が閉状態である場合、インクカートリッジICRの筐体と操作部CLとの間の空隙に位置する。これにより、第2規制部LM2は、操作部CLを上から下に押下した場合に起きるインクカートリッジICRの回動が起こらないように、インクカートリッジICRの動きを規制する。その結果、第2規制部LM2は、ユーザーの意図していないタイミングにおいて、何らかの原因によりインクカートリッジICRが規制位置から解除位置へ回動してしまうことを抑制することができる。
【0042】
このような第2規制部LM2は、例えば、起立した状態と倒伏した状態とを切り替え可能な部材である。ここで、
図8は、起立した状態の第2規制部LM2の構成の一例を示す斜視図である。また、
図9は、
図8に示した第2規制部LM2を別の方向から見た場合の斜視図である。また、
図10は、倒伏した状態の第2規制部LM2の一例を示す斜視図である。ここで、第2規制部LM2が起立した状態から倒伏した状態へ切り替え不可能であった場合、例えば、ユーザーがインクカートリッジICRを装着部12から取り外そうとすると、抜去方向に引き抜かれたインクカートリッジICRは、第2規制部LM2と干渉してしまうことがある。このような干渉は、インクカートリッジICRを振動させてしまうため、その振動によるインクカートリッジICRからの液体の漏出を引き起こすことに繋がり、望ましくない。このような事情は、インクカートリッジICRのみならず、他の3本のインクカートリッジICについても同様である。そこで、
図1~
図10に示した印刷装置1では、起立した状態と倒伏した状態とを切り替え可能な部材を第2規制部LM2として採用している。これにより、印刷装置1は、装着部12からインクカートリッジICが取り出される場合、インクカートリッジICと第2規制部LM2とが干渉しないように、インクカートリッジICと第2規制部LM2とを相対的に移動させることができる。換言すると、これにより、印刷装置1では、装着部12の状態をカバー13によって閉状態から開状態へ切り替えた場合、且つ、インクカートリッジICが装着部12に装着されている場合において、抜去方向と逆の装着方向に向かって印刷装置1を見た場合、第2規制部LM2とインクカートリッジICとが重ならないようにすることができる。換言すると、印刷装置1では、カバー13が装着部12を開いている場合、且つ、インクカートリッジICが装着部12に装着されている場合において、抜去方向と逆の装着方向に向かって印刷装置1を見た場合、第2規制部LM2とインクカートリッジICとが重ならないようにすることができる。その結果、印刷装置1は、装着部12から取り外されたインクカートリッジICと第2規制部LM2とが干渉してしまうことを抑制することができ、インクカートリッジICと第2規制部LM2との干渉による振動によってインクカートリッジICからインクが漏れ出てしまうことを抑制することができる。これは、ユーザーによる印刷装置1の利便性を向上させることに繋がり、有用である。なお、本実施形態において、カバー13が装着部12を開いていることは、装着部12の状態が開状態であることを意味する。
【0043】
図8~
図10に示した例では、第2規制部LM2は、起立した状態から、抜去方向に向かって倒伏した状態へと切り替え可能な部材である。これにより、第2規制部LM2は、第2規制部LM2の状態をユーザーが起立した状態から倒伏した状態へ切り替え忘れたとしても、抜去方向へ装着部12から取り外されたインクカートリッジICに押されて、起立した状態から倒伏した状態へ切り替わる。この場合であっても、印刷装置1は、インクカートリッジICと第2規制部LM2との干渉による振動を抑制することができ、インクカートリッジICからインクが漏れ出てしまうことを抑制することができる。
【0044】
また、
図8~
図10に示した例では、カバー13には、第2規制部LM2が装着方向へ倒伏した状態へ切り替わらないように、第2規制部LM2の装着方向への倒伏を規制する第3規制部LM3が設けられている。第3規制部LM3は、例えば、インクカートリッジ挿入空間を開いている状態のカバー13から上方向に向かって突出している突起である。なお、第3規制部LM3は、第2規制部LM2の装着方向への倒伏を規制可能な他の部材であってもよい。また、第3規制部LM3は、
図8及び
図10に示した例では、先端が鋭く尖っている形状であるが、これに代えて、先端が丸みを帯びた形状であってもよい。また、インクカートリッジ挿入空間を開いている状態のカバー13からの第3規制部LM3の高さは、インクカートリッジ挿入空間を開いている状態のカバー13からの第2規制部LM2の高さよりも低く、抜去方向と逆の装着方向に向かって印刷装置1を見た場合において、インクカートリッジICと重ならない高さである。
【0045】
なお、第2規制部LM2が起立した状態から倒伏可能な方向は、抜去方向に代えて、他の方向であってもよい。また、第2規制部LM2は、ユーザーからの操作を受け付けることなく、自重によって起立した状態と倒伏した状態とが切り替わる構成であってもよい。この場合、第2規制部LM2は、装着部12の状態をカバー13によって閉状態から開状態へ切り替えると、その切り替え時の振動によって起立した状態から倒伏した状態へと切り替わる。また、この場合、第2規制部LM2は、装着部12の状態をカバー13によって開状態から閉状態へ切り替えた場合、その切り替え時の振動によって倒伏した状態から起立した状態へ切り替わる。これにより、印刷装置1は、第2規制部LM2の状態を変える付加的な操作をユーザーに行わせる必要がなく、カバー13の開け閉めと連動して第2規制部LM2の状態を切り替えることができる。更には、これにより、印刷装置1は、第2規制部LM2の状態を変化させる部材を備える必要がなく、カバー13の構成を単純化することができる。
【0046】
また、第2規制部LM2は、
図11に示したように、起立した状態からある方向に曲がって倒伏した状態へ切り替わることができるが、起立した状態から当該方向以外の方向へ曲がって倒伏した状態へ切り替わることができない複数の関節を有する部材であってもよい。
図11は、第2規制部LM2の他の構成を示す図である。
図11に示した例では、第2規制部LM2は、装着部12の状態が開状態である場合において、起立した状態から抜去方向へ曲がることが可能であり、且つ、起立した状態から抜去方向以外の方向へ曲がることが不可能な複数の関節を有している。この場合であっても、印刷装置1は、インクカートリッジICと第2規制部LM2との干渉による振動を抑制することができ、インクカートリッジICからインクが漏れ出てしまうことを抑制することができる。
【0047】
また、第2規制部LM2は、
図12に示したように、第2規制部LM2の状態を切り替える状態切替部LMMを備える構成であってもよい。
図12は、第2規制部LM2の構成の更に他の例を示す図である。状態切替部LMMは、装着部12の状態をカバー13によって閉状態から開状態へ切り替えた場合、第2規制部LM2を起立した状態から倒伏した状態へと切り替え、装着部12の状態をカバー13によって開状態から閉状態へ切り替えた場合、第2規制部LM2を倒伏した状態から起立した状態へ切り替える。状態切替部LMMは、装着部12の状態をカバー13によって閉状態から開状態へ切り替えた場合、第2規制部LM2を起立した状態から倒伏した状態へと切り替え可能であり、且つ、装着部12の状態をカバー13によって開状態から閉状態へ切り替えた場合、第2規制部LM2を倒伏した状態から起立した状態へ切り替え可能である構成であれば、如何なる構成であってもよい。
図12に示した例では、状態切替部LMMは、1つのラックと3つのギアとを有し、ラックに対する3つのギアの回転によって第2規制部LM2の状態を起立した状態と倒伏した状態との間で切り替える。そして、このような状態切替部LMMによる第2規制部LM2の状態の切り替えは、カバー13の動きと連動するように構成される。このような連動を実現する方法は、既知の方法であってもよく、これから開発される方法であってもよい。このような状態切替部LMMを備えることにより、印刷装置1は、第2規制部LM2の状態を切り替える操作をユーザーから受け付けることなく、第2規制部LM2の状態を切り替えることができる。その結果、印刷装置1は、ユーザーの手間を増やすことなく、インクカートリッジICと第2規制部LM2との干渉を、より確実に抑制することができる。なお、
図12では、図を簡略化するため、3つのギアのそれぞれを、円形状の物体として示している。また、
図12では、図を簡略化するため、ラックを扇形形状の物体として示している。ラックは、例えば、装着部12に設けられる。また、
図12では、3つのギアそれぞれが回転する方向を、リボン状の矢印によって示している。なお、
図12において3つのギアそれぞれの後ろ側に描かれている四角形状の物体は、3つの歯車それぞれを保持している部材であり、例えば、カバー等である。また、
図12では、図を簡略化するため、ラックとカバー13とを繋ぐ部材については、省略されている。このため、
図12では、ラックがカバー13から浮いているように描かれているが、実際に浮いているわけではない。
【0048】
また、第2規制部LM2は、
図13に示したように、付勢部材SP2によって付勢され、外部から力が加えられない限り、起立した状態を保つ構成であってもよい。
図13は、第2規制部LM2の更に更に他の例を示す図である。ここで、付勢部材SP2は、例えば、ねじりバネであるが、これに代えて、外部から力が加えられない限り、第2規制部LM2の状態を起立した状態を保つことが可能な付勢部材であれば、如何なる付勢部材であってもよい。
図13には、開かれたカバー13の上において、付勢部材SP2によって装着方向へ付勢されることによって起立した状態にされている第2規制部LM2が示されている。この場合、第2規制部LM2は、抜去方向に力が加えられることによって、倒伏した状態へ切り替わる。この場合であっても、印刷装置1は、インクカートリッジICと第2規制部LM2との干渉による振動を抑制することができ、その結果、インクカートリッジICからインクが漏れ出てしまうことを、より確実に抑制することができる。
【0049】
以上のように、印刷装置1は、印刷媒体への印刷を行う印刷部11と、印刷部11に供給するインクを貯留する液体貯留部TKを有するインクカートリッジICを脱着可能な装着部12と、装着部12の状態を、装着部12が開かれる開状態と、装着部12が閉じられる閉状態との間で切り替えるカバー13と、を備え、インクカートリッジICは、鉛直方向におけるインクカートリッジICの上部に設けられ、装着部12からのインクカートリッジICの取り外しを規制する第1規制部LM1と、鉛直方向におけるインクカートリッジICの上部に設けられ、且つ、インクカートリッジICが装着部12に装着されている場合において第1規制部LM1よりカバー13の近くに位置し、第1規制部LM1による規制を解除する操作を受け付ける装着部12と、鉛直方向におけるインクカートリッジICの下部に設けられ、且つ、装着部12の下方に位置し、インクカートリッジICが装着部12に装着されている場合においてカバー13に近づくほど鉛直方向上方に向かって傾斜する傾斜部TPと、を備え、装着部12は、傾斜部TPをガイドする第1ガイド部GD3を備え、カバー13は、装着部12の状態が閉状態において装着部12に向かって突出し、インクカートリッジICの動きを規制する第2規制部LM2を備え、インクカートリッジICは、鉛直方向と直交する方向のうち装着部12からカバー13に向かう抜去方向に沿った動きが第1規制部LM1により規制される規制位置と、第1規制部LM1による規制が解除され、傾斜部TPが第1ガイド部GD3と接する解除位置との間で変位可能であり、装着部12からインクカートリッジICが取り出される場合、インクカートリッジICと第2規制部LM2とが干渉しないように、インクカートリッジICと第2規制部LM2とを相対的に移動させることができる。これにより、印刷装置1は、インクカートリッジICを装着部12から取り外す場合において、インクカートリッジICと第2規制部LM2とが干渉してしまうことを抑制することができる。
【0050】
また、印刷装置1では、装着部12の状態をカバー13によって閉状態から開状態へ切り替えた場合、且つ、インクカートリッジICが装着部12に装着されている場合において、抜去方向と逆の装着方向に向かって印刷装置1を見た場合、第2規制部LM2とインクカートリッジICとが重ならない、構成が用いられてもよい。
【0051】
また、印刷装置1では、第2規制部LM2は、起立した状態と倒伏した状態とを切り替え可能な部材である、構成が用いられてもよい。
【0052】
また、印刷装置1では、第2規制部LM2は、起立した状態から倒伏した状態へ切り替わる場合、抜去方向に向かって倒伏する、構成が用いられてもよい。
【0053】
また、印刷装置1では、第2規制部LM2は、自重によって起立した状態と倒伏した状態とが切り替わる、構成が用いられてもよい。
【0054】
また、印刷装置1は、第2規制部LM2の状態を切り替える状態切替部LMMを備え、状態切替部LMMは、装着部12の状態をカバー13によって閉状態から開状態へ切り替えた場合、第2規制部LM2を起立した状態から倒伏した状態へと切り替え、装着部12の状態をカバー13によって開状態から閉状態へ切り替えた場合、第2規制部LM2を倒伏した状態から起立した状態へ切り替える、構成が用いられてもよい。
【0055】
<実施形態の変形例1>
以下、実施形態の変形例1について説明する。実施形態の変形例1では、印刷装置1は、第2規制部LM2が起立した状態と倒伏した状態とを切り替え可能な部材である構成に代えて、カバー13が、装着部12の状態が開状態である場合、第1ガイド部GD3の上面を含む仮想的な面よりも下方まで開くことにより、インクカートリッジICと第2規制部LM2とが干渉しないように、インクカートリッジICに対して第2規制部LM2を相対的に移動させる。これにより、印刷装置1は、装着部12からインクカートリッジICが取り出される場合、インクカートリッジICと第2規制部LM2とが干渉しないように、インクカートリッジICと第2規制部LM2とを相対的に移動させることができる。その結果、印刷装置1は、インクカートリッジICからインクが漏れ出てしまうことを抑制することができる。
【0056】
図14は、カバー13を開いた状態の印刷装置1の様子の一例を示す図である。
図14に示した面M1は、第1ガイド部GD3の上面を含む仮想的な面の一例を示す。
図14に示したように、実施形態の変形例1において、カバー13は、カバー13が開いた状態である場合、すなわち、装着部12の状態が開状態である場合、第1ガイド部GD3の上面を含む仮想的な面M1よりも下方まで開く。すなわち、印刷装置1は、インクカートリッジICを抜去方向に向かって装着部12から取り外す場合においてインクカートリッジICと第2規制部LM2とが干渉しないように、インクカートリッジICに対して第2規制部LM2を相対的に移動させる。これにより、印刷装置1では、装着部12の状態をカバー13によって閉状態から開状態へ切り替えた場合、且つ、インクカートリッジICが装着部12に装着されている場合において、抜去方向と逆の装着方向に向かって印刷装置1を見た場合、第2規制部LM2とインクカートリッジICとが重ならない。その結果、印刷装置1は、インクカートリッジICを装着部12から取り外す場合において、インクカートリッジICと第2規制部LM2とが干渉してしまうことを抑制することができる。
なお、カバー13には、
図6等で示す通り、カバー13が閉じた状態である場合、印刷装置1の外装面の一部を覆う覆い部13Aが設けられていてもよい。覆い部13Aは、カバー13が開いた状態である場合、鉛直方向に向かって突出している。この構成の場合、カバー13は、覆い部13Aの先端が第1ガイド部GD3の上面を含む仮想的な面M1よりも下方に位置するように開いてもよい。これにより、インクカートリッジICを抜去方向に向かって装着部12から取り外す場合においてインクカートリッジICと覆い部13Aとが干渉することを抑制できる。
【0057】
<実施形態の変形例2>
以下、実施形態の変形例2について説明する。実施形態の変形例2では、印刷装置1は、第2規制部LM2が起立した状態と倒伏した状態とを切り替え可能な部材である構成に代えて、装着部12からインクカートリッジICが取り出される場合においてインクカートリッジICをガイドするガイド姿勢と、カバー13に収納される収納姿勢とに姿勢を切り替え可能な第2ガイド部GD4を備える。そして、ガイド姿勢の第2ガイド部GD4は、装着部12からインクカートリッジICが取り出される場合、鉛直方向において第2規制部LM2の上端よりも上方にインクカートリッジICをガイドする。これにより、印刷装置1は、装着部12からインクカートリッジICが取り出される場合、インクカートリッジICと第2規制部LM2とが干渉しないように、インクカートリッジICと第2規制部LM2とを相対的に移動させることができる。その結果。印刷装置1は、インクカートリッジICを装着部12から取り外す場合において、インクカートリッジICと第2規制部LM2とが干渉してしまうことを抑制することができる。
【0058】
このような第2ガイド部GD4は、カバー13が有する面のうち第2規制部LM2が設けられている面に設けられる。
図15は、第2ガイド部GD4が設けられたカバー13の一例を示す図である。
図15に示した例では、第2ガイド部GD4は、略平板形状の部材である。また、第2ガイド部GD4は、予め決められた軸周りに回動可能であり、この回動によってガイド姿勢と収納姿勢とを切り替えることができる。予め決められた軸は、当該例では、カバー13の回動軸と一致しているが、カバー13の回動軸と一致していない構成であってもよい。第2ガイド部GD4の姿勢は、このような予め決められた軸周りの第2ガイド部GD4の回動によって変化する。より具体的には、第2ガイド部GD4は、予め決められた軸周りの回動によって、カバー13と略平行な姿勢と、カバー13に対して傾斜した姿勢とを切り替えることができる。第2ガイド部GD4の姿勢のうちのカバー13と略平行な姿勢は、第2ガイド部GD4の姿勢のうち、カバー13が有する面のうちの第2規制部LM2が設けられている面と、略矩形平板形状の第2ガイド部GD4が有する面のうち最も広い面とが略平行になる姿勢のことである。また、第2ガイド部GD4の姿勢のうちのカバー13に対して傾斜した姿勢は、第2ガイド部GD4の姿勢のうち、カバー13が有する面のうちの第2規制部LM2が設けられている面に対して、略矩形平板形状の第2ガイド部GD4が有する面のうち最も広い面が傾斜した姿勢のことである。
【0059】
ここで、第2ガイド部GD4には、第2規制部LM2が挿通可能な開口が形成されている。この開口は、第2ガイド部GD4の姿勢がカバー13と略平行な姿勢となった場合において、第2ガイド部GD4と第2規制部LM2とが干渉しないようにするため第2ガイド部GD4に形成されている。このため、第2ガイド部GD4は、第2規制部LM2と干渉することなく、カバー13と略平行な姿勢となることができる。前述の第2ガイド部GD4の収納姿勢は、このようなカバー13と略平行な姿勢のことである。なお、第2ガイド部GD4は、第2規制部LM2が挿通可能な開口が形成されていない構成であってもよい。この場合、第2ガイド部GD4の形状は、収納姿勢となった場合に、カバー13が有する面のうち第2規制部LM2が設けられた面と直交する方向において第2規制部LM2と重ならない形状であり、且つ、装着部12からインクカートリッジICが取り出される場合に、鉛直方向において第2規制部LM2の上端よりも上方にインクカートリッジICをガイドすることが可能な形状であれば、如何なる形状であってもよい。
【0060】
一方、第2ガイド部GD4のガイド姿勢は、第2ガイド部GD4がカバー13に対して傾斜した姿勢である。ただし、第2ガイド部GD4のガイド姿勢は、第2ガイド部GD4の開口に第2規制部LM2が挿通されていない姿勢である。これにより、第2ガイド部GD4が有する面のうちカバー13と対向していない方の面によってガイドされる物体は、第2規制部LM2と干渉することがない。その結果、ガイド姿勢の第2ガイド部GD4は、装着部12からインクカートリッジICが取り出される場合、鉛直方向において第2規制部LM2の上端よりも上方にインクカートリッジICをガイドすることができる。すなわち、印刷装置1は、装着部12からインクカートリッジICが取り出される場合、インクカートリッジICと第2規制部LM2とが干渉しないように、インクカートリッジICと第2規制部LM2とを相対的に移動させることができる。
【0061】
図16は、ガイド姿勢の第2ガイド部GD4の一例を示す図である。
図16に示した例では、第2ガイド部GD4とカバー13との間には、第2ガイド部GD4の姿勢をガイド姿勢となるように第2ガイド部GD4を付勢する付勢部材SP3が設けられている。付勢部材SP3は、例えば、バネであるが、これに代えて、第2ガイド部GD4の姿勢をガイド姿勢となるように第2ガイド部GD4を付勢することが可能な他の付勢部材であってもよい。このような付勢部材SP3をカバー13が備えることにより、第2ガイド部GD4は、
図17に示したようにカバー13が閉じられた場合、すなわち、装着部12の状態が閉状態になった場合、インクカートリッジICに押されて収納姿勢へと切り替わる。
図17は、収納姿勢の第2ガイド部GD4の一例を示す図である。このように、当該場合、第2ガイド部GD4は、第2ガイド部GD4がガイド姿勢から収納姿勢へ切り替わることにより、インクカートリッジICの回動を抑制することができ、且つ、第2ガイド部GD4が収納姿勢からガイド姿勢へ切り替わることにより、鉛直方向において第2規制部LM2の上端よりも上方にインクカートリッジICをガイドすることができる。付勢部材SP3は、第2ガイド部GD4の姿勢をガイド姿勢と収納姿勢との間で変化させる姿勢変化部に含まれる付勢部材一例である。なお、印刷装置1は、第2ガイド部GD4の姿勢をガイド姿勢と収納姿勢との間で変化させる他の部材を姿勢変化部として備える構成であってもよい。また、印刷装置1は、このような付勢部材SP3を備えることにより、第2ガイド部GD4の姿勢を変える付加的な操作をユーザーに行わせる必要がなく、カバー13の開け閉めと連動して第2ガイド部GD4の姿勢を切り替えることができる。更には、これにより、印刷装置1は、第2規制部LM2の状態を変化させる操作を受け付ける部材を備える必要がなく、カバー13の構成を単純化することができる。
【0062】
<実施形態の変形例3>
以下、実施形態の変形例3について説明する。実施形態の変形例3では、印刷装置1は、第2規制部LM2が起立した状態と倒伏した状態とを切り替え可能な部材である構成に代えて、インクカートリッジICを装着部12から取り外す場合において、インクカートリッジICを抜去方向に向かって抜去方向よりも上方にガイドする第3ガイド部GD5が設けられている。
【0063】
図18は、第3ガイド部GD5が設けられた装着部12の一例を示す図である。なお、
図18では、図を簡略化するため、カバー13が省略されている。また、
図18では、第3ガイド部GD5が装着部12に設けられている様子が見やすいように、4本のインクカートリッジICのいずれもが装着部12に装着されていない場合の凹部121の外観が示されている。
図18に示した例では、第3ガイド部GD5は、凹部121が有する面のうち印刷装置1の右面に最も近い面に設けられている。第3ガイド部GD5は、インクカートリッジICRを装着部12から取り外す場合において、インクカートリッジICRを抜去方向に向かって抜去方向よりも上方にガイドする。これにより、印刷装置1は、鉛直方向において第2規制部LM2の上端よりも上方にインクカートリッジICRをガイドすることができる。その結果、印刷装置1は、装着部12からインクカートリッジICRが取り出される場合、インクカートリッジICRと第2規制部LM2とが干渉しないように、インクカートリッジICRと第2規制部LM2とを相対的に移動させることができ、インクカートリッジICRを装着部12から取り外す場合においてインクカートリッジICRと第2規制部LM2とが干渉してしまうことを抑制することができる。装着部12に設けられた第3ガイド部GD5によるインクカートリッジICRのガイドを実現するため、インクカートリッジICRには、第3ガイド部GD5によってガイドされる突起部THが設けられている。
【0064】
図19は、突起部THが設けられたインクカートリッジICRの一例を示す図である。
図19に示した例では、突起部THは、インクカートリッジICRを装着部12から取り外す過程において、装着部12に設けられた第3ガイド部GD5によってインクカートリッジICRが抜去方向に向かって抜去方向よりも上方にガイドされるように、インクカートリッジICRが有する面のうち印刷装置1の右面に最も近い面に設けられている。なお、インクカートリッジICRが有する面のうち印刷装置1の左面に最も近い面には、
図20に示すように、第3ガイド部GD5が設けられている。
図20は、第3ガイド部GD5が設けられたインクカートリッジICRの一例を示す図である。インクカートリッジICRに設けられた第3ガイド部GD5は、インクカートリッジICRの隣において装着部12に装着されたインクカートリッジIC、すなわち、インクカートリッジICGを装着部12から取り外す場合において、インクカートリッジICGを抜去方向に向かって抜去方向よりも上方にガイドする。このようなインクカートリッジICGのガイドを実現するため、インクカートリッジICGには、インクカートリッジICRに設けられた第3ガイド部GD5によってガイドされる突起部THが設けられている。なお、インクカートリッジICGに設けられた第3ガイド部GD5及び突起部THそれぞれの構成は、インクカートリッジICRに設けられた第3ガイド部GD5及び突起部THそれぞれの構成と同様の構成である。このため、インクカートリッジICGに設けられた第3ガイド部GD5及び突起部THそれぞれの構成については、図示による説明を省略する。
【0065】
また、インクカートリッジICGに設けられた第3ガイド部GD5は、インクカートリッジICBを装着部12から取り外す場合において、インクカートリッジICBを抜去方向に向かって抜去方向よりも上方にガイドする。このようなインクカートリッジICBのガイドを実現するため、インクカートリッジICBには、インクカートリッジICBに設けられた第3ガイド部GD5によってガイドされる突起部THが設けられている。なお、インクカートリッジICBに設けられた第3ガイド部GD5及び突起部THそれぞれの構成は、インクカートリッジICRに設けられた第3ガイド部GD5及び突起部THそれぞれの構成と同様の構成である。このため、インクカートリッジICBに設けられた第3ガイド部GD5及び突起部THそれぞれの構成については、図示による説明を省略する。
【0066】
また、インクカートリッジICBに設けられた第3ガイド部GD5は、インクカートリッジICKを装着部12から取り外す場合において、インクカートリッジICKを抜去方向に向かって抜去方向よりも上方にガイドする。このようなインクカートリッジICKのガイドを実現するため、インクカートリッジICKには、インクカートリッジICKに設けられた第3ガイド部GD5によってガイドされる突起部THが設けられている。なお、インクカートリッジICKに設けられた第3ガイド部GD5及び突起部THそれぞれの構成は、インクカートリッジICRに設けられた第3ガイド部GD5及び突起部THそれぞれの構成と同様の構成である。このため、インクカートリッジICKに設けられた第3ガイド部GD5及び突起部THそれぞれの構成については、図示による説明を省略する。
【0067】
そして、装着部12には、インクカートリッジICKの取り外しにおいてインクカートリッジICBの第3ガイド部GD5によるインクカートリッジICKのガイドを補助するため、突起部THが設けられている。より具体的には、装着部12が有する面のうち印刷装置1の左面に最も近い面には、突起部THが設けられている。
図21は、突起部THが設けられた装着部12の一例を示す図である。
図21では、図を簡略化するため、カバー13が省略されている。
【0068】
なお、4本のインクカートリッジICのそれぞれに設けられた突起部THと、装着部12に設けられた突起部THとは、印刷装置1の左面に向かって印刷装置1を見た場合、且つ、4本のインクカートリッジICのすべてが装着部12に装着されている場合、取り付け誤差によるずれを除いて略重なっている。また、4本のインクカートリッジICのそれぞれに設けられた第3ガイド部GD5と、装着部12に設けられた第3ガイド部GD5とは、印刷装置1の左面に向かって印刷装置1を見た場合、且つ、4本のインクカートリッジICのすべてが装着部12に装着されている場合、取り付け誤差によるずれを除いて略重なっている。
【0069】
以上のように、実施形態の変形例3では、装着部12及び4本のインクカートリッジICRのそれぞれには、第3ガイド部GD5及び突起部THが設けられている。これにより、4本のインクカートリッジICのそれぞれは、装着部12から取り外される場合、抜去方向に向かって抜去方向よりも上方にガイドされる。その結果、印刷装置1は、インクカートリッジICを装着部12から取り外す場合において、インクカートリッジICと第2規制部LM2とが干渉してしまうことを抑制することができる。
【0070】
ここで、
図22~
図25には、実施形態の変形例3に係るインクカートリッジICRが取り外される場合に第3ガイド部GD5によってガイドされる様子が示されている。
図22は、装着部12に装着されている場合におけるインクカートリッジICRの様子の一例を示す。
図22に示した突起部THは、インクカートリッジICRに設けられた突起部THである。また、
図22に示した第3ガイド部GD5は、
図22において図示が省略されている装着部12に設けられた第3ガイド部GD5である。
図23は、
図22に示したインクカートリッジICRの操作部CLが上から下に向かって押下されたインクカートリッジICRの様子の一例を示す図である。
図24は、
図23に示したインクカートリッジICRを抜去方向に向かってユーザーにより途中まで引き抜かれた様子の一例を示す図である。そして、
図25は、
図24に示したインクカートリッジICRを抜去方向に向かってユーザーにより更に引き抜かれた様子の一例を示す図である。
図22~
図25に示したように、インクカートリッジICRは、第3ガイド部GD5によって、抜去方向よりも上方にガイドされる。これにより、印刷装置1は、インクカートリッジICRを装着部12から取り外す場合において、インクカートリッジICRと第2規制部LM2とが干渉してしまうことを抑制することができる。なお、インクカートリッジICG、インクカートリッジICB、インクカートリッジICKのそれぞれを取り外す場合におけるインクカートリッジICG、インクカートリッジICB、インクカートリッジICKそれぞれの動きは、このようなインクカートリッジICRを取り外す場合におけるインクカートリッジICRの動きと同様の動きである。すなわち、印刷装置1は、4本のインクカートリッジICのそれぞれについて、インクカートリッジICを装着部12から取り外す場合において、インクカートリッジICと第2規制部LM2とが干渉してしまうことを抑制することができる。
【0071】
なお、上記において説明した事項は、如何様に組み合わされてもよい。
例えば、本実施形態における第1ガイド部GD3は、凹部121の下面であったが、これに代えて、印刷装置1は、傾斜部TPを案内する他の部材を備えていてもよい。
例えば、 本実施形態における第1規制部LM1は、インクカートリッジICRの上部に設けられていたが、これに代えて、インクカートリッジICRの他の部分に設けられていてもよい。同様に、操作部CLが設けられる位置も適宜変更可能である。
また、本実施形態は、インクカートリッジICと形状や構成が異なるインクカートリッジが装着可能な印刷装置に応用してもよい。すなわち、印刷装置1は、印刷媒体への印刷を行う印刷部と、前記印刷部に供給する液体を貯留する液体貯留部を有する液体収容体を脱着可能な装着部と、前記装着部の状態を、前記装着部が開かれる開状態と、前記装着部が閉じられる閉状態との間で切り替えるカバーと、を備え、前記液体収容体は、前記装着部からの前記液体収容体の取り外しを規制する第1規制部と、前記第1規制部による規制を解除する操作を受け付ける操作部と、を備え、前記カバーは、前記装着部の状態が前記閉状態において前記操作部に向かって突出し、前記液体収容体の動きを規制する第2規制部を備え、前記液体収容体は、鉛直方向と直交する方向のうち前記装着部から前記カバーに向かう第1方向に沿った動きが前記第1規制部により規制される規制位置と、前記第1規制部による規制が解除される解除位置との間で変位可能であり、前記装着部から前記液体収容体が取り出される場合、前記液体収容体と前記第2規制部とが干渉しないように、前記液体収容体と前記第2規制部とを相対的に移動させることができる印刷装置としてもよい。
なお、上記の印刷装置において、実施形態及び変形例1-3の事項を如何様に組み合わされてもよい。
【0072】
以上説明したように、実施形態に係る印刷装置は、印刷媒体への印刷を行う印刷部と、印刷部に供給する液体を貯留する液体貯留部を有する液体収容体を脱着可能な装着部と、装着部の状態を、装着部が開かれる開状態と、装着部が閉じられる閉状態との間で切り替えるカバーと、を備え、液体収容体は、鉛直方向における液体収容体の上部に設けられ、装着部からの液体収容体の取り外しを規制する第1規制部と、鉛直方向における液体収容体の上部に設けられ、且つ、液体収容体が装着部に装着されている場合において第1規制部よりカバーの近くに位置し、第1規制部による規制を解除する操作を受け付ける操作部と、鉛直方向における液体収容体の下部に設けられ、且つ、操作部の下方に位置し、液体収容体が装着部に装着されている場合においてカバーに近づくほど鉛直方向上方に向かって傾斜する傾斜部と、を備え、装着部は、傾斜部をガイドする第1ガイド部を備え、カバーは、装着部の状態が閉状態において操作部に向かって突出し、液体収容体の動きを規制する第2規制部を備え、液体収容体は、鉛直方向と直交する方向のうち装着部からカバーに向かう第1方向に沿った動きが第1規制部により規制される規制位置と、第1規制部による規制が解除され、傾斜部が第1ガイド部と接する解除位置との間で変位可能であり、装着部から液体収容体が取り出される場合、液体収容体と第2規制部とが干渉しないように、液体収容体と第2規制部とを相対的に移動させることができる。これにより、印刷装置は、液体収容体を装着部から取り外す場合において、液体収容体と第2規制部とが干渉してしまうことを抑制することができる。なお、上記において説明した例では、印刷装置1は、当該印刷装置の一例である。また、上記において説明した例では、印刷部11は、当該印刷部の一例である。また、上記において説明した例では、液体貯留部TKは、当該液体貯留部の一例である。また、上記において説明した例では、インクカートリッジICは、当該液体収容体の一例である。また、上記において説明した例では、装着部12は、当該装着部の一例である。また、上記において説明した例では、カバー13は、当該カバーの一例である。また、上記において説明した例では、第1規制部LM1は、当該第1規制部の一例である。また、上記において説明した例では、操作部CLは、当該操作部の一例である。また、上記において説明した例では、傾斜部TPは、当該傾斜部の一例である。また、上記において説明した例では、第1ガイド部GD3は、当該第1ガイド部の一例である。また、上記において説明した例では、第2規制部LM2は、当該第2規制部の一例である。
【0073】
<付記>
[1]
印刷媒体への印刷を行う印刷部と、
前記印刷部に供給する液体を貯留する液体貯留部を有する液体収容体を脱着可能な装着部と、
前記装着部の状態を、前記装着部が開かれる開状態と、前記装着部が閉じられる閉状態との間で切り替えるカバーと、
を備え、
前記液体収容体は、
鉛直方向における前記液体収容体の上部に設けられ、前記装着部からの前記液体収容体の取り外しを規制する第1規制部と、
鉛直方向における前記液体収容体の上部に設けられ、且つ、前記液体収容体が前記装着部に装着されている場合において前記第1規制部より前記カバーの近くに位置し、前記第1規制部による規制を解除する操作を受け付ける操作部と、
鉛直方向における前記液体収容体の下部に設けられ、且つ、前記操作部の下方に位置し、前記液体収容体が前記装着部に装着されている場合において前記カバーに近づくほど鉛直方向上方に向かって傾斜する傾斜部と、
を備え、
前記装着部は、前記傾斜部をガイドする第1ガイド部を備え、
前記カバーは、前記装着部の状態が前記閉状態において前記操作部に向かって突出し、前記液体収容体の動きを規制する第2規制部を備え、
前記液体収容体は、鉛直方向と直交する方向のうち前記装着部から前記カバーに向かう第1方向に沿った動きが前記第1規制部により規制される規制位置と、前記第1規制部による規制が解除され、前記傾斜部が前記第1ガイド部と接する解除位置との間で変位可能であり、
前記装着部から前記液体収容体が取り出される場合、前記液体収容体と前記第2規制部とが干渉しないように、前記液体収容体と前記第2規制部とを相対的に移動させることができる、
印刷装置。
[2]
前記カバーが前記装着部を開いている場合、且つ、前記液体収容体が前記装着部に装着されている場合において、前記第1方向と逆の装着方向に向かって前記印刷装置を見た場合、前記第2規制部と前記液体収容体とが重ならない、
[1]に記載の印刷装置。
[3]
前記第2規制部は、起立した状態と倒伏した状態とを切り替え可能な部材である、
[1]又は[2]に記載の印刷装置。
[4]
前記第2規制部は、起立した状態から倒伏した状態へ切り替わる場合、前記第1方向に向かって倒伏する、
[3]に記載の印刷装置。
[5]
前記第2規制部は、自重によって起立した状態と倒伏した状態とが切り替わる、
[3]又は[4]に記載の印刷装置。
[6]
前記第2規制部の状態を切り替える状態切替部を備え、
前記状態切替部は、前記装着部の状態を前記カバーによって前記閉状態から前記開状態へ切り替えた場合、前記第2規制部を起立した状態から倒伏した状態へと切り替え、前記装着部の状態を前記カバーによって前記開状態から前記閉状態へ切り替えた場合、前記第2規制部を倒伏した状態から起立した状態へ切り替える、
[3]から[5]のうちいずれか一項に記載の印刷装置。
[7]
前記装着部から前記液体収容体が取り出される場合において前記液体収容体をガイドするガイド姿勢と、前記カバーに収納される収納姿勢とに姿勢を切り替え可能な第2ガイド部を備え、
前記ガイド姿勢の前記第2ガイド部は、前記装着部から前記液体収容体が取り出される場合、鉛直方向において前記第2規制部の上端よりも上方に前記液体収容体をガイドする、
[1]に記載の印刷装置。
[8]
前記第2ガイド部の姿勢を前記ガイド姿勢と前記収納姿勢との間で変化させる姿勢変化部を備え、
前記姿勢変化部は、前記装着部の状態を前記カバーによって前記閉状態から前記開状態へ切り替えた場合、前記第2ガイド部の姿勢を前記ガイド姿勢へ切り替え、前記装着部の状態を前記カバーによって前記開状態から前記閉状態へ切り替えた場合、前記第2ガイド部の姿勢を前記収納姿勢へ切り替える、
[7]に記載の印刷装置。
[9]
前記姿勢変化部は、前記第2ガイド部の姿勢が前記ガイド姿勢となる方向に前記第2ガイド部を付勢する付勢部材を含む、
[8]に記載の印刷装置。
[10]
前記液体収容体が有する面のうち、前記第1方向及び鉛直方向と交差する幅方向と直交する2つの面のうちの一方には、前記液体収容体を前記第1方向に向かって前記第1方向よりも上方にガイドする第3ガイド部と、前記第3ガイド部によってガイドされる突起部とのうちの一方が設けられており、
前記装着部には、前記第3ガイド部と前記突起部とのうちの他方が設けられている、
[1]に記載の印刷装置。
[11]
前記液体収容体は、
前記装着部に設けられる被接続部に接続し、前記液体を供給する接続部と、
前記接続部の外面に設けられ、前記液体収容体が前記装着部に装着される装着過程において、前記装着部の突起によりガイドされるガイド溝と、
を備え、
前記ガイド溝は、前記第1方向と逆の装着方向における前端が前方に開放されており、前記第1方向に延びた第1ガイド面と、前記第1ガイド面と交差する第2ガイド面とを備える、
[1]から[10]のうちいずれか一項に記載の印刷装置。
[12]
前記第1ガイド面は、前記液体収容体が前記装着部に装着されている場合において、前記第1方向に向かって前記第1方向よりも上方に、予め決められた第1角度で傾斜し、
前記傾斜部は、前記第1方向に向かって前記第1方向よりも上方に、前記第1角度以下の第2角度で傾斜している、
[11]に記載の印刷装置。
[13]
前記カバーは、前記装着部の状態が前記開状態である場合、前記第1ガイド部の上面を含む仮想的な面よりも下方まで開くことにより、前記液体収容体と前記第2規制部とが干渉しないように、前記液体収容体に対して前記第2規制部を相対的に移動させる、
[1]に記載の印刷装置。
【0074】
以上、この開示の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この開示の要旨を逸脱しない限り、変更、置換、削除等されてもよい。
【符号の説明】
【0075】
1…印刷装置、11…印刷部、12…装着部、13…カバー、13A…覆い部、121…凹部、CL…操作部、CN…接続部、CN2…被接続部、GD…ガイド溝、GD1…第1ガイド面、GD2…第2ガイド面、GD3…第1ガイド部、GD4…第2ガイド部、GD5…第3ガイド部、HL…挿入口、IC…インクカートリッジ、ICB…インクカートリッジ、ICG…インクカートリッジ、ICK…インクカートリッジ、ICR…インクカートリッジ、LM1…第1規制部、LM2…第2規制部、LM3…第3規制部、LMM…状態切替部、SP…弾性部材、SP2…付勢部材、SP3…付勢部材、TC…三次元座標系、TH…突起部、TK…液体貯留部、TP…傾斜部