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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024000332
(43)【公開日】2024-01-05
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/20 20120101AFI20231225BHJP
【FI】
G06Q50/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022099063
(22)【出願日】2022-06-20
(71)【出願人】
【識別番号】000003621
【氏名又は名称】株式会社竹中工務店
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】和田 直樹
(72)【発明者】
【氏名】北村 昂一
(72)【発明者】
【氏名】中 陽童
(72)【発明者】
【氏名】大森 理央
(72)【発明者】
【氏名】永田 えり
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC34
(57)【要約】
【課題】教育に関する時間割の好適化及び当該教育を行う建築物の建築条件の好適化を両立することができる情報処理装置及び情報処理プログラムを得る。
【解決手段】情報処理装置10は、教育に関する時間割の前提条件となる前提条件情報、及び当該教育を行う建築物に対する建築条件を示す建築条件情報を取得する取得部11Aと、建築条件情報が示す建築条件で建築物を建築した場合における、前提条件情報が示す前提条件を前提とする時間割を作成する作成部11Bと、作成した時間割における、予め定められた制約条件に対する充足度、及び建築物の稼働率の少なくとも一方を用いて、建築条件の採否を決定する決定部11Cと、決定部11Cによる決定結果を示す結果情報を提示する提示部11Dと、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
教育に関する時間割の前提条件となる前提条件情報、及び前記教育を行う建築物に対する建築条件を示す建築条件情報を取得する取得部と、
前記建築条件情報が示す建築条件で前記建築物を建築した場合における、前記前提条件情報が示す前提条件を前提とする時間割を作成する作成部と、
作成した時間割における、予め定められた制約条件に対する充足度、及び前記建築物の稼働率の少なくとも一方を用いて、前記建築条件の採否を決定する決定部と、
前記決定部による決定結果を示す結果情報を提示する提示部と、
を備えた情報処理装置。
【請求項2】
教育に関する時間割の前提条件となる前提条件情報、及び前記教育を行う建築物に対する、各々異なる建築条件を示す複数の建築条件情報を取得する取得部と、
前記複数の建築条件情報が各々示す複数の建築条件で前記建築物を建築した場合の各々における、前記前提条件情報が示す前提条件を前提とする複数の時間割を作成する作成部と、
作成した複数の時間割の各々における、予め定められた制約条件に対する充足度、及び前記建築物の稼働率の少なくとも一方を用いて、前記複数の建築条件の優劣を示す優劣情報を導出する導出部と、
導出した優劣情報を提示する提示部と、
を備えた情報処理装置。
【請求項3】
前記前提条件情報は、前記教育を指導する指導者の数、前記教育を受ける被教育者の数、前記教育の種類、前記教育が学校教育である場合の学年数、及び前記教育が大学教育である場合の学部数の少なくとも1つを含み、
前記建築条件情報は、前記建築物に設けられる、前記教育を行う部屋の数、及び当該部屋の収容人数の少なくとも一方を含む、
請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制約条件は、最低限守るべき制約条件を示す必須制約条件、及び守ることができる方が望ましい制約条件を示す希望制約条件の少なくとも一方を含む、
請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制約条件は、指導者が同一日時に二重に指導を行わないとの条件、必修授業の実施日時が重ならないとの条件、及び履修人数が対応する部屋の収容人数を超えないとの条件の少なくとも1つを含む、
請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
教育に関する時間割の前提条件となる前提条件情報、及び前記教育を行う建築物に対する建築条件を示す建築条件情報を取得し、
前記建築条件情報が示す建築条件で前記建築物を建築した場合における、前記前提条件情報が示す前提条件を前提とする時間割を作成し、
作成した時間割における、予め定められた制約条件に対する充足度、及び前記建築物の稼働率の少なくとも一方を用いて、前記建築条件の採否を決定し、
決定結果を示す結果情報を提示する、
処理をコンピュータに実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、大学、高等学校、中学校、小学校、幼稚園、保育園、専門学校等の学校や、予備校、学習塾、カルチャースクール等といった各種教育を行う場における、当該教育に関する時間割を作成することには、非常に煩雑な作業を伴う。これは、教員数、学習者数、授業科目等の観点で様々な制約を考慮し、矛盾や不満が生じないように授業を配置する必要があるためである。
【0003】
この問題を解決するために適用することができる技術として、特許文献1には、シラバス編集と時間割作成とを並行して行うことができ、時間割作成に必要な各種データベースを確定した時間割を基に更新していくことができる時間割生成装置が開示されている。
【0004】
この時間割生成装置は、シラバスデータを基に時間割データを生成する時間割生成装置であって、科目の履修に関する属性を示す履修データと、教室の属性を示す教室データとを記憶するメモリと、操作手段と、を備えている。また、この時間割生成装置は、シラバスデータを基に、教員の属性を示す教員データおよび科目の属性を示す科目データを生成し、当該生成した前記教員データおよび科目データを前記メモリに書き込む教員・科目データ生成手段を備えている。また、この時間割生成装置は、前記メモリから読み出した前記教員データ、前記科目データ、前記履修データおよび前記教室データを基に、仮時間割データを生成し、当該仮時間割データを出力する時間割生成手段を備えている。更に、この時間割生成装置は、前記時間割生成手段が生成した前記仮時間割データについての前記操作手段による修正操作を基に、前記メモリに記憶された前記教員データ、前記科目データ、前記履修データおよび前記教室データを更新し、確定時間割データを生成する更新手段を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006-323177号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示されている技術では、教育が行われる学校等の建築物に対する建築条件を好適化することについては考慮されておらず、当該建築物を新たに建築する場合や、既に稼働している建築物を改修する場合等における、当該建築物の建築条件を好適化することはできない、という問題点があった。
【0007】
本開示は、以上の事情を鑑みて成されたものであり、教育に関する時間割の好適化及び当該教育を行う建築物の建築条件の好適化を両立することができる情報処理装置及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の本発明に係る情報処理装置は、教育に関する時間割の前提条件となる前提条件情報、及び前記教育を行う建築物に対する建築条件を示す建築条件情報を取得する取得部と、前記建築条件情報が示す建築条件で前記建築物を建築した場合における、前記前提条件情報が示す前提条件を前提とする時間割を作成する作成部と、作成した時間割における、予め定められた制約条件に対する充足度、及び前記建築物の稼働率の少なくとも一方を用いて、前記建築条件の採否を決定する決定部と、前記決定部による決定結果を示す結果情報を提示する提示部と、を備える。
【0009】
請求項1に記載の本発明に係る情報処理装置によれば、教育に関する時間割の前提条件となる前提条件情報、及び教育を行う建築物に対する建築条件を示す建築条件情報を取得し、建築条件情報が示す建築条件で建築物を建築した場合における、前提条件情報が示す前提条件を前提とする時間割を作成し、作成した時間割における、予め定められた制約条件に対する充足度、及び建築物の稼働率の少なくとも一方を用いて、建築条件の採否を決定し、決定結果を示す結果情報を提示することで、結果情報が示す決定結果が採用である場合における建築条件及び時間割を適用することにより、教育に関する時間割の好適化及び当該教育を行う建築物の建築条件の好適化を両立することができる。
【0010】
請求項2に記載の本発明に係る情報処理装置は、教育に関する時間割の前提条件となる前提条件情報、及び前記教育を行う建築物に対する、各々異なる建築条件を示す複数の建築条件情報を取得する取得部と、前記複数の建築条件情報が各々示す複数の建築条件で前記建築物を建築した場合の各々における、前記前提条件情報が示す前提条件を前提とする複数の時間割を作成する作成部と、作成した複数の時間割の各々における、予め定められた制約条件に対する充足度、及び前記建築物の稼働率の少なくとも一方を用いて、前記複数の建築条件の優劣を示す優劣情報を導出する導出部と、導出した優劣情報を提示する提示部と、を備える。
【0011】
請求項2に記載の本発明に係る情報処理装置によれば、教育に関する時間割の前提条件となる前提条件情報、及び教育を行う建築物に対する、各々異なる建築条件を示す複数の建築条件情報を取得し、当該複数の建築条件情報が各々示す複数の建築条件で建築物を建築した場合の各々における、前提条件情報が示す前提条件を前提とする複数の時間割を作成し、作成した複数の時間割の各々における、予め定められた制約条件に対する充足度、及び建築物の稼働率の少なくとも一方を用いて、上記複数の建築条件の優劣を示す優劣情報を導出し、導出した優劣情報を提示することで、優劣情報が示す最も優位である建築条件及び時間割を適用することにより、教育に関する時間割の好適化及び当該教育を行う建築物の建築条件の好適化を両立することができる。
【0012】
請求項3に記載の本発明に係る情報処理装置は、請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置であって、前記前提条件情報が、前記教育を指導する指導者の数、前記教育を受ける被教育者の数、前記教育の種類、前記教育が学校教育である場合の学年数、及び前記教育が大学教育である場合の学部数の少なくとも1つを含み、前記建築条件情報が、前記建築物に設けられる、前記教育を行う部屋の数、及び当該部屋の収容人数の少なくとも一方を含むものである。
【0013】
請求項3に記載の本発明に係る情報処理装置によれば、前提条件情報が、教育を指導する指導者の数、教育を受ける被教育者の数、教育の種類、教育が学校教育である場合の学年数、及び教育が大学教育である場合の学部数の少なくとも1つを含み、建築条件情報が、建築物に設けられる、教育を行う部屋の数、及び当該部屋の収容人数の少なくとも一方を含むものとすることで、適用した条件に応じて、教育に関する時間割の好適化及び当該教育を行う建築物の建築条件の好適化を両立することができる。
【0014】
請求項4に記載の本発明に係る情報処理装置は、請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置であって、前記制約条件が、最低限守るべき制約条件を示す必須制約条件、及び守ることができる方が望ましい制約条件を示す希望制約条件の少なくとも一方を含むものである。
【0015】
請求項4に記載の本発明に係る情報処理装置によれば、制約条件が、最低限守るべき制約条件を示す必須制約条件、及び守ることができる方が望ましい制約条件を示す希望制約条件の少なくとも一方を含むものとすることで、適用した条件に応じて、教育に関する時間割の好適化及び当該教育を行う建築物の建築条件の好適化を両立することができる。
【0016】
請求項5に記載の本発明に係る情報処理装置は、請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置であって、前記制約条件が、指導者が同一日時に二重に指導を行わないとの条件、必修授業の実施日時が重ならないとの条件、及び履修人数が対応する部屋の収容人数を超えないとの条件の少なくとも1つを含むものである。
【0017】
請求項5に記載の本発明に係る情報処理装置によれば、制約条件が、指導者が同一日時に二重に指導を行わないとの条件、必修授業の実施日時が重ならないとの条件、及び履修人数が対応する部屋の収容人数を超えないとの条件の少なくとも1つを含むものとすることで、適用した条件に応じて、教育に関する時間割の好適化及び当該教育を行う建築物の建築条件の好適化を両立することができる。
【0018】
請求項6に記載の本発明に係る情報処理プログラムは、教育に関する時間割の前提条件となる前提条件情報、及び前記教育を行う建築物に対する建築条件を示す建築条件情報を取得し、前記建築条件情報が示す建築条件で前記建築物を建築した場合における、前記前提条件情報が示す前提条件を前提とする時間割を作成し、作成した時間割における、予め定められた制約条件に対する充足度、及び前記建築物の稼働率の少なくとも一方を用いて、前記建築条件の採否を決定し、決定結果を示す結果情報を提示する、処理をコンピュータに実行させる。
【0019】
請求項6に記載の本発明に係る情報処理プログラムによれば、教育に関する時間割の前提条件となる前提条件情報、及び教育を行う建築物に対する建築条件を示す建築条件情報を取得し、建築条件情報が示す建築条件で建築物を建築した場合における、前提条件情報が示す前提条件を前提とする時間割を作成し、作成した時間割における、予め定められた制約条件に対する充足度、及び建築物の稼働率の少なくとも一方を用いて、建築条件の採否を決定し、決定結果を示す結果情報を提示することで、結果情報が示す決定結果が採用である場合における建築条件及び時間割を適用することにより、教育に関する時間割の好適化及び当該教育を行う建築物の建築条件の好適化を両立することができる。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように、本発明によれば、教育に関する時間割の好適化及び当該教育を行う建築物の建築条件の好適化を両立することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示すブロック図である。
図2】実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3】第1実施形態に係る情報処理装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
図4】実施形態に係る前提条件情報データベースの構成の一例を示す模式図である。
図5】第1実施形態に係る建築条件情報データベースの構成の一例を示す模式図である。
図6】実施形態に係る制約条件情報データベースの構成の一例を示す模式図である。
図7】第1実施形態に係る情報処理の一例を示すフローチャートである。
図8】実施形態に係る初期情報入力画面の構成の一例を示す正面図である。
図9】第1実施形態に係る第1決定結果提示画面の構成の一例を示す正面図である。
図10】第1実施形態に係る第2決定結果提示画面の構成の一例を示す正面図である。
図11】第2実施形態に係る情報処理装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
図12】第2実施形態に係る建築条件情報データベースの構成の一例を示す模式図である。
図13】第2実施形態に係る情報処理の一例を示すフローチャートである。
図14】第2実施形態に係る優劣情報提示画面の構成の一例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態例を詳細に説明する。なお、ここでは、本開示の技術における教育として、大学教育を適用した場合について説明する。
【0023】
[第1実施形態]
まず、図1を参照して、本実施形態に係る情報処理システム1の構成を説明する。図1は、本実施形態に係る情報処理システム1の構成の一例を示すブロック図である。
【0024】
図1に示すように、本実施形態に係る情報処理システム1は、本システムの中心的な役割を担う情報処理装置10と、情報蓄積装置90と、を含む。本実施形態に係る情報処理装置10は、教育に関する時間割の作成、及び当該教育を行う建築物に対する建築条件の適否の判断を支援するものである。また、本実施形態に係る情報蓄積装置90は、情報処理システム1で取り扱う各種情報を蓄積するものである。
【0025】
本実施形態に係る情報蓄積装置90は不揮発性の記憶部92を備えている。記憶部92はHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等によって実現される。記憶媒体としての記憶部92には、前提条件情報データベース92A、建築条件情報データベース92B、及び制約条件情報データベース92Cが記憶されている。前提条件情報データベース92A、建築条件情報データベース92B、及び制約条件情報データベース92Cについては、詳細を後述する。
【0026】
情報処理装置10と、情報蓄積装置90とは、ネットワークNを介して接続されており、情報処理装置10は、情報蓄積装置90とネットワークNを介して相互に通信可能とされている。なお、本実施形態では、ネットワークNとしてLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等の企業内の通信回線を適用しているが、この形態に限定されるものではない。ネットワークNとして、例えば、インターネット、電話回線等の公共の通信回線を適用してもよく、これらの企業内の通信回線及び公共の通信回線を組み合わせて適用してもよい。また、本実施形態では、ネットワークNとして有線の通信回線を適用しているが、この形態に限定されるものではなく、無線の通信回線を適用してもよく、有線及び無線の各通信回線を組み合わせて適用してもよい。
【0027】
次に、図2を参照して、本実施形態に係る情報処理装置10のハードウェア構成を説明する。図2は、本実施形態に係る情報処理装置10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。なお、情報処理装置10の例としては、パーソナルコンピュータ及びサーバコンピュータ等の各種コンピュータが挙げられる。
【0028】
本実施形態に係る情報処理装置10は、CPU(Central Processing Unit)11、一時記憶領域としてのメモリ12、不揮発性の記憶部13、キーボードとマウス等の入力部14、液晶ディスプレイ等の表示部15、媒体読み書き装置(R/W)16及び通信インタフェース(I/F)部18を備えている。CPU11、メモリ12、記憶部13、入力部14、表示部15、媒体読み書き装置16及び通信I/F部18はバスBを介して互いに接続されている。媒体読み書き装置16は、記録媒体17に書き込まれている情報の読み出し及び記録媒体17への情報の書き込みを行う。
【0029】
記憶部13はHDD、SSD、フラッシュメモリ等によって実現される。記憶媒体としての記憶部13には、情報処理プログラム13Aが記憶されている。情報処理プログラム13Aは、当該プログラム13Aが書き込まれた記録媒体17が媒体読み書き装置16にセットされ、媒体読み書き装置16が記録媒体17からの当該プログラム13Aの読み出しを行うことで、記憶部13へ記憶(インストール)される。CPU11は、情報処理プログラム13Aを記憶部13から適宜読み出してメモリ12に展開し、情報処理プログラム13Aが有するプロセスを順次実行する。
【0030】
次に、図3を参照して、本実施形態に係る情報処理装置10の機能的な構成について説明する。図3は、本実施形態に係る情報処理装置10の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【0031】
図3に示すように、情報処理装置10は、取得部11A、作成部11B、決定部11C、及び提示部11Dを含む。情報処理装置10のCPU11が情報処理プログラム13Aを実行することで、取得部11A、作成部11B、決定部11C、及び提示部11Dとして機能する。
【0032】
本実施形態に係る取得部11Aは、教育に関する時間割の前提条件となる前提条件情報、及び当該教育を行う建築物に対する建築条件を示す建築条件情報を取得する。
【0033】
本実施形態では、前提条件情報が、上記教育を指導する指導者の数、当該教育を受ける被教育者の数、当該教育の種類、当該教育を行う大学の学年数、及び当該大学の学部数の少なくとも1つ(本実施形態では、全て)を含む。また、本実施形態では、建築条件情報が、上記建築物に設けられる、上記教育を行う部屋の数、及び当該部屋の収容人数の少なくとも一方(本実施形態では、全て)を含む。
【0034】
一方、本実施形態に係る作成部11Bは、建築条件情報が示す建築条件で上記建築物を建築した場合における、前提条件情報が示す前提条件を前提とする時間割を作成する。なお、本実施形態では、時間割の作成を、一例としてインターネット<URL:http://www.nec.co.jp/press/ja/9512/0601.html>に掲載されている日本電気ソフトウェア株式会社製の「スクールマジック」等といった既存のアプリケーション・プログラムと同等のアルゴリズムを適用して行うものとしているが、これに限るものではない。例えば、上記建築条件で上記建築物を建築した場合における、上記前提条件を前提とする時間割を作成する新たなアルゴリズムを構築して上記時間割を作成する形態としてもよい。
【0035】
また、本実施形態に係る決定部11Cは、作成した時間割における、予め定められた制約条件に対する充足度、及び上記建築物の稼働率の少なくとも一方(本実施形態では、全て)を用いて、建築条件の採否を決定する。
【0036】
本実施形態では、制約条件が、最低限守るべき制約条件を示す必須制約条件、及び守ることができる方が望ましい制約条件を示す希望制約条件の少なくとも一方(本実施形態では、全て)を含む。更に、本実施形態では、制約条件が、指導者が同一日時に二重に指導を行わないとの条件、必修授業の実施日時が重ならないとの条件、及び履修人数が対応する部屋の収容人数を超えないとの条件の少なくとも1つ(本実施形態では、全て)を含む。
【0037】
そして、本実施形態に係る提示部11Dは、決定部11Cによる決定結果を示す結果情報を提示する。なお、本実施形態では、提示部11Dによる提示として、表示部15による表示による提示を適用しているが、これに限るものではない。例えば、スピーカ等の音声生成装置による音声による提示や、プリンタ等の画像形成装置による印刷による提示を、提示部11Dによる提示として適用する形態としてもよい。
【0038】
次に、図4を参照して、本実施形態に係る前提条件情報データベース92Aについて説明する。図4は、本実施形態に係る前提条件情報データベース92Aの構成の一例を示す模式図である。本実施形態に係る前提条件情報データベース92Aは、上述した前提条件情報を記憶するためのものである。
【0039】
図4に示すように、本実施形態に係る前提条件情報データベース92Aは、大学名、キャンパス、及び前提条件の各情報が関連付けられて記憶される。
【0040】
上記大学名は、本実施形態に係る情報処理システム1が対象としている大学の名称を示す情報であり、上記キャンパスは、対応する大学に設置されているキャンパスを示す情報である。そして、上記前提条件は、上述した前提条件情報そのものを示す情報である。
【0041】
図4に示す例では、A大学は東京キャンパス及び神奈川キャンパス等を有し、前提条件として、4学年あり、各学年に共通に、応用数学A、応用数学B等の教科(上記「教育の種類」に相当。)が設けられ、例えば、応用数学Aの教員数(上記「指導者の数」に相当。)が3名で履修する学生数(上記「被教育者の数」に相当。)が250名であるといったことが記憶されている。
【0042】
次に、図5を参照して、本実施形態に係る建築条件情報データベース92Bについて説明する。図5は、本実施形態に係る建築条件情報データベース92Bの構成の一例を示す模式図である。本実施形態に係る建築条件情報データベース92Bは、上述した建築条件情報を記憶するためのものである。
【0043】
図5に示すように、本実施形態に係る建築条件情報データベース92Bは、大学名、キャンパス、及び建築条件の各情報が関連付けられて記憶される。
【0044】
上記大学名及びキャンパスは、各々前提条件情報データベース92Aの大学名及びキャンパスと同一の情報であり、上記建築条件は、上述した建築条件情報そのものを示す情報である。
【0045】
図5に示す例では、A大学の各キャンパスは、建築条件として、教室数(上記「部屋の数」に相当。)が15であり、例えば、第1教室の収容人数が40人であるといったことが記憶されている。
【0046】
次に、図6を参照して、本実施形態に係る制約条件情報データベース92Cについて説明する。図6は、本実施形態に係る制約条件情報データベース92Cの構成の一例を示す模式図である。本実施形態に係る制約条件情報データベース92Cは、上述した制約条件を示す情報を記憶するためのものである。
【0047】
図6に示すように、本実施形態に係る制約条件情報データベース92Cは、大学名、キャンパス、及び制約条件の各情報が関連付けられて記憶される。
【0048】
上記大学名及びキャンパスは、各々前提条件情報データベース92Aの大学名及びキャンパスと同一の情報である。また、上記制約条件は、上述した制約条件そのものを示す情報であり、上述したように、必須制約条件と、希望制約条件の2種類の条件を示す情報を有する。
【0049】
図6に示す例では、A大学の各キャンパスは、制約条件における必須制約条件の1つとして、教員が同一日時に二重に指導を行わない、との条件が記憶されており、希望制約条件の1つとして、履修人数が対応する教室の収容人数を超えない、との条件が記憶されている。
【0050】
次に、図7図10を参照して、本実施形態に係る情報処理装置10の情報処理の実行時における作用を説明する。図7は、本実施形態に係る情報処理の一例を示すフローチャートである。
【0051】
情報処理装置10のCPU11が情報処理プログラム13Aを実行することによって、図7に示す情報処理が実行される。図7に示す情報処理は、情報処理装置10のユーザにより、情報処理プログラム13Aの実行を開始する指示入力が入力部14を介して行われた場合に実行される。なお、錯綜を回避するために、以下では、前提条件情報データベース92A、建築条件情報データベース92B、及び制約条件情報データベース92Cが既に構築されている場合について説明する。
【0052】
図7のステップ100で、CPU11は、予め定められた構成とされた初期情報入力画面を表示するように表示部15を制御し、ステップ102で、CPU11は、所定情報が入力されるまで待機する。
【0053】
図8には、本実施形態に係る初期情報入力画面の構成の一例が示されている。図8に示すように、本実施形態に係る初期情報入力画面では、処理対象とする大学の指定を促すメッセージが表示される。また、本実施形態に係る初期情報入力画面では、処理対象とする大学を示す情報を指定するための指定領域15Aが表示される。なお、本実施形態では、指定領域15Aに、情報処理システム1が対象とする全大学の大学名を示す情報がプルダウンメニュー形式で表示され、当該プルダウンメニューから処理対象とする大学名を選択指定するものとされている。しかしながら、これに限るものではなく、例えば、処理対象とする大学名を直接入力する形態としてもよい。
【0054】
一例として図8に示す初期情報入力画面が表示部15に表示されると、ユーザは、入力部14を用いて、処理対象とする大学名を指定した後、当該画面に表示されている終了ボタン15Dを指定する。ユーザによって終了ボタン15Dが指定されると、ステップ102が肯定判定となってステップ104に移行する。
【0055】
ステップ104で、CPU11は、前提条件情報データベース92Aから、ユーザにより指定された大学名(以下、「指定大学名」という。)に対応する前提条件情報を読み出し、建築条件情報データベース92Bから、指定大学名に対応する建築条件情報を読み出す。ステップ106で、CPU11は、制約条件情報データベース92Cから、指定大学名に対応する制約条件を示す情報(以下、「制約条件情報」という。)を読み出す。
【0056】
ステップ108で、CPU11は、読み出した建築条件情報が示す建築条件(以下、単に「建築条件」という。)で建築物(以下、「対象建築物」という。)を建築した場合における、読み出した前提条件情報が示す前提条件を前提とする時間割を、上述したように既存のアプリケーション・プログラムと同等のアルゴリズムを用いて作成する。なお、指定大学名が示す大学に複数のキャンパスが存在する場合、各キャンパスに建築物を分散して設置する場合や、同一キャンパス内でも、複数の建築物を設置する場合もあるが、これらの場合には、当該複数の建築物が対象建築物となる。
【0057】
ステップ110で、CPU11は、作成した時間割における、読み出した制約条件情報が示す制約条件(以下、単に「制約条件」という。)に対する充足度を以下のように導出する。
【0058】
即ち、CPU11は、制約条件の総数に対する、作成した時間割において満足する制約条件の数の割合(本実施形態では、百分率)を、必須制約条件及び希望制約条件の各々別に、対応する条件に対する充足度として算出する。そして、CPU11は、必須制約条件の充足度の重み値を、希望制約条件の充足度の重み値より大きくした、各充足度の加重平均値を、対象建築物全体の充足度として算出する。
【0059】
ステップ112で、CPU11は、作成した時間割で授業を行った場合における対象建築物の稼働率を以下のように導出する。
【0060】
即ち、CPU11は、作成した時間割で授業を行った場合における、上記建築条件に含まれる各教室の収容人数に対する、受講者の人数の割合(本実施形態では、百分率)を、各教室別の稼働率として週単位で算出する。そして、CPU11は、算出した教室別の稼働率の平均値を、対象建築物全体の稼働率として算出する。
【0061】
ステップ114で、CPU11は、導出した充足度及び稼働率を用いて、上記建築条件を採用するか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ116に移行する。
【0062】
本実施形態では、上記建築条件を採用するか否かの判定を、充足度が予め定められた充足度下限値以上であり、かつ、稼働率が予め定められた稼働率下限値以上であると共に、必須制約条件に関する充足度が100%である場合に、上記建築条件を採用すると判定し、他の場合に採用しないと判定しているが、これに限るものではない。例えば、充足度が上記充足度下限値以上であるか、又は、稼働率が上記稼働率下限値以上であり、必須制約条件に関する充足度が100%である場合に、上記建築条件を採用すると判定し、他の場合に採用しないと判定する形態としてもよい。
【0063】
ステップ116で、CPU11は、予め定められた構成とされた第1決定結果提示画面を表示するように表示部15を制御し、ステップ118で、CPU11は、所定情報が入力されるまで待機する。
【0064】
図9には、本実施形態に係る第1決定結果提示画面の構成の一例が示されている。図9に示すように、本実施形態に係る第1決定結果提示画面では、採用した建築条件15Bが表示されると共に、ステップ108の処理によって作成した時間割15Cが表示される。従って、ユーザは、第1決定結果提示画面を参照することで、採用された建築条件、及び当該建築条件に対応する時間割を把握することができる。
【0065】
一例として図9に示す第1決定結果提示画面が表示部15に表示されると、ユーザは、当該画面での表示内容を把握した後、入力部14を用いて当該画面に表示されている終了ボタン15Dを指定する。ユーザによって終了ボタン15Dが指定されると、ステップ118が肯定判定となって本情報処理が終了する。
【0066】
一方、ステップ114において否定判定となった場合は、上記建築条件を採用しないものと見なしてステップ120に移行する。
【0067】
ステップ120で、CPU11は、予め定められた構成とされた第2決定結果提示画面を表示するように表示部15を制御し、ステップ122で、CPU11は、所定情報が入力されるまで待機する。
【0068】
図10には、本実施形態に係る第2決定結果提示画面の構成の一例が示されている。図10に示すように、本実施形態に係る第2決定結果提示画面では、上記建築条件が不採用となった旨を示す情報が表示される。従って、ユーザは、第2決定結果提示画面を参照することで、設定した建築条件が不採用となった旨を把握することができる。
【0069】
一例として図10に示す第2決定結果提示画面が表示部15に表示されると、ユーザは、当該画面での表示内容を把握した後、入力部14を用いて当該画面に表示されている終了ボタン15Dを指定する。ユーザによって終了ボタン15Dが指定されると、ステップ122が肯定判定となって本情報処理が終了する。
【0070】
以上説明したように、本実施形態によれば、教育に関する時間割の前提条件となる前提条件情報、及び教育を行う建築物に対する建築条件を示す建築条件情報を取得し、建築条件情報が示す建築条件で建築物を建築した場合における、前提条件情報が示す前提条件を前提とする時間割を作成し、作成した時間割における、予め定められた制約条件に対する充足度、及び建築物の稼働率の少なくとも一方を用いて、建築条件の採否を決定し、決定結果を示す結果情報を提示している。従って、結果情報が示す決定結果が採用である場合における建築条件及び時間割を適用することにより、教育に関する時間割の好適化及び当該教育を行う建築物の建築条件の好適化を両立することができる。
【0071】
また、本実施形態によれば、前提条件情報が、教育を指導する指導者の数、教育を受ける被教育者の数、教育の種類、教育が学校教育である場合の学年数、及び教育が大学教育である場合の学部数の少なくとも1つを含み、建築条件情報が、建築物に設けられる、教育を行う部屋の数、及び当該部屋の収容人数の少なくとも一方を含むものとしている。従って、適用した条件に応じて、教育に関する時間割の好適化及び当該教育を行う建築物の建築条件の好適化を両立することができる。
【0072】
また、本実施形態によれば、制約条件が、最低限守るべき制約条件を示す必須制約条件、及び守ることができる方が望ましい制約条件を示す希望制約条件の少なくとも一方を含むものとしている。従って、適用した条件に応じて、教育に関する時間割の好適化及び当該教育を行う建築物の建築条件の好適化を両立することができる。
【0073】
更に、本実施形態によれば、制約条件が、指導者が同一日時に二重に指導を行わないとの条件、必修授業の実施日時が重ならないとの条件、及び履修人数が対応する部屋の収容人数を超えないとの条件の少なくとも1つを含むものとしている。従って、適用した条件に応じて、教育に関する時間割の好適化及び当該教育を行う建築物の建築条件の好適化を両立することができる。
【0074】
[第2実施形態]
本実施形態に係る情報処理システム1及び情報処理装置10のハードウェア的な構成は、第1実施形態に係るもの(図1図2参照。)と同様であるので、ここでの説明は省略し、まず、図11を参照して、本実施形態に係る情報処理装置10の機能的な構成について説明する。図11は、本実施形態に係る情報処理装置10の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【0075】
図11に示すように、情報処理装置10は、取得部11E、作成部11F、導出部11G、及び提示部11Hを含む。情報処理装置10のCPU11が、第1実施形態のものとは異なる情報処理プログラム13Aを実行することで、取得部11E、作成部11F、導出部11G、及び提示部11Hとして機能する。
【0076】
本実施形態に係る取得部11Eは、教育に関する時間割の前提条件となる前提条件情報、及び当該教育を行う建築物に対する、各々異なる建築条件を示す複数の建築条件情報を取得する。
【0077】
一方、本実施形態に係る作成部11Fは、上記複数の建築条件情報が各々示す複数の建築条件で上記建築物を建築した場合の各々における、前提条件情報が示す前提条件を前提とする複数の時間割を作成する。なお、本実施形態でも、時間割の作成を既存のアプリケーション・プログラムと同等のアルゴリズムを用いて行っていることは第1実施形態の作成部11Bと同様である。
【0078】
また、本実施形態に係る導出部11Gは、作成した複数の時間割の各々における、予め定められた制約条件に対する充足度、及び上記建築物の稼働率の少なくとも一方(本実施形態では、全て)を用いて、上記複数の建築条件の優劣を示す優劣情報を導出する。
【0079】
そして、本実施形態に係る提示部11Hは、導出した優劣情報を提示する。なお、本実施形態でも、提示部11Hによる提示として、表示部15による表示による提示を適用しているが、これに限るものではない。例えば、スピーカ等の音声生成装置による音声による提示や、プリンタ等の画像形成装置による印刷による提示を、提示部11Hによる提示として適用する形態としてもよい。
【0080】
なお、前提条件情報、建築条件情報、及び制約条件を示す情報の具体例は、第1実施形態に記載の情報と同一であるので、ここでの説明は省略する。
【0081】
本実施形態に係る前提条件情報データベース92A及び制約条件情報データベース92Cは第1実施形態に係るものと同一であるので、ここでの説明は省略し、次に、図12を参照して、本実施形態に係る建築条件情報データベース92Bについて説明する。図12は、本実施形態に係る建築条件情報データベース92Bの構成の一例を示す模式図である。
【0082】
図12に示すように、本実施形態に係る建築条件情報データベース92Bは、第1実施形態に係る建築条件情報データベース92Bに比較して、建築条件情報が大学毎に複数記憶されている点が異なっている。即ち、本実施形態に係る複数の建築条件情報は、各々が独立した情報であり、各々採用候補とされている情報である。
【0083】
次に、図13図14を参照して、本実施形態に係る情報処理装置10の情報処理の実行時における作用を説明する。図13は、本実施形態に係る情報処理の一例を示すフローチャートである。
【0084】
情報処理装置10のCPU11が情報処理プログラム13Aを実行することによって、図13に示す情報処理が実行される。図13に示す情報処理は、情報処理装置10のユーザにより、情報処理プログラム13Aの実行を開始する指示入力が入力部14を介して行われた場合に実行される。なお、錯綜を回避するために、以下では、前提条件情報データベース92A、建築条件情報データベース92B、及び制約条件情報データベース92Cが既に構築されている場合について説明する。
【0085】
図13のステップ200で、CPU11は、第1実施形態と同様の初期情報入力画面(図8も参照。)を表示するように表示部15を制御し、ステップ202で、CPU11は、所定情報が入力されるまで待機する。
【0086】
初期情報入力画面が表示部15に表示されると、ユーザは、入力部14を用いて、処理対象とする大学名を指定した後、当該画面に表示されている終了ボタン15Dを指定する。ユーザによって終了ボタン15Dが指定されると、ステップ202が肯定判定となってステップ204に移行する。
【0087】
ステップ204で、CPU11は、前提条件情報データベース92Aから、ユーザにより指定された大学名である指定大学名に対応する前提条件情報を読み出し、建築条件情報データベース92Bから、指定大学名に対応する複数の建築条件情報を読み出す。ステップ206で、CPU11は、制約条件情報データベース92Cから、指定大学名に対応する制約条件情報を読み出す。
【0088】
ステップ208で、CPU11は、読み出した複数の建築条件情報が示す建築条件で建築物を建築した場合の各々における、読み出した前提条件情報が示す前提条件を前提とする複数の時間割を、上述したように既存のアプリケーション・プログラムと同等のアルゴリズムを用いて作成する。
【0089】
ステップ210で、CPU11は、作成した複数の時間割の各々における、読み出した制約条件情報が示す制約条件に対する充足度を、第1実施形態に係る情報処理のステップ110の処理と同様に導出する。
【0090】
ステップ212で、CPU11は、作成した複数の時間割で各々授業を行った場合における建築物の稼働率を、第1実施形態に係る情報処理のステップ112の処理と同様に導出する。
【0091】
ステップ214で、CPU11は、導出した複数の充足度及び稼働率を用いて、読み出した複数の建築条件情報が示す建築条件の優劣を決定する。
【0092】
本実施形態では、複数の建築条件の優劣の決定として、対応する充足度及び稼働率の相加平均値が大きい順に優位であると決定しているが、これに限るものではない。例えば、対応する充足度及び稼働率の加重平均値が大きい順に優位であると決定する形態としてもよい。この形態では、充足度及び稼働率に対する重要度に応じて重み付けを行うことで、よりきめ細かく建築条件の優劣を決定することができる。
【0093】
ステップ216で、CPU11は、以上の複数の建築条件の優劣の決定結果を用いて、予め定められた構成とされた優劣情報提示画面を表示するように表示部15を制御し、ステップ218で、CPU11は、所定情報が入力されるまで待機する。
【0094】
図14には、本実施形態に係る優劣情報提示画面の構成の一例が示されている。図14に示すように、本実施形態に係る優劣情報提示画面では、最も優位とされた建築条件情報が示す建築条件15Bが表示されると共に、ステップ208の処理によって作成した、当該建築条件に対応する時間割15Cが表示される。従って、ユーザは、優劣情報提示画面を参照することで、最も優位とされた建築条件、及び当該建築条件に対応する時間割を把握することができる。
【0095】
一例として図14に示す優劣情報提示画面が表示部15に表示されると、ユーザは、当該画面での表示内容を把握した後、入力部14を用いて当該画面に表示されている終了ボタン15Dを指定する。ユーザによって終了ボタン15Dが指定されると、ステップ218が肯定判定となって本情報処理が終了する。
【0096】
以上説明したように、本実施形態によれば、教育に関する時間割の前提条件となる前提条件情報、及び教育を行う建築物に対する、各々異なる建築条件を示す複数の建築条件情報を取得し、当該複数の建築条件情報が各々示す複数の建築条件で建築物を建築した場合の各々における、前提条件情報が示す前提条件を前提とする複数の時間割を作成し、作成した複数の時間割の各々における、予め定められた制約条件に対する充足度、及び建築物の稼働率の少なくとも一方を用いて、上記複数の建築条件の優劣を示す優劣情報を導出し、導出した優劣情報を提示している。従って、優劣情報が示す最も優位である建築条件及び時間割を適用することにより、教育に関する時間割の好適化及び当該教育を行う建築物の建築条件の好適化を両立することができる。
【0097】
なお、上記各実施形態では、提示部により、決定部によって得られた結果情報、又は導出部によって得られた優劣情報と、作成部によって得られた時間割とを提示する場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、これらの情報に加えて、導出した充足度及び稼働率の少なくとも一方を提示する形態としてもよい。ここで、充足度を提示する場合は、必須制約条件及び希望制約条件の各条件別の充足度を提示する形態としてもよいし、個別の制約条件毎に満足したか否かを示す情報を提示する形態としてもよい。更に、この場合、満足しなかった制約条件については、どこで制約の破れが発生しているのかを示す情報(例えば、月曜日の1限に田中先生が2つ同時に授業をする時間割になっているので、「教員が同一日時に二重に指導を行わない。」との制約条件が満足しない、との情報)を提示する形態としてもよい。また、稼働率に関しては、集計結果を提示する形態としてもよい。更に、上記結果情報及び上記優劣情報の少なくとも一方として一組の情報のみを提示する形態に限らず、複数組の情報(例えば、最もよいものから順に5組の情報)を提示する形態としてもよい。
【0098】
また、上記各実施形態では特に言及しなかったが、作成部による時間割の作成時間を短縮するため、量子アニーリング法と呼ばれる方法で時間割を作成する形態としてもよい。これにより、量子コンピュータ又は同等のシステム上でプログラムを稼働させることができ、総合大学のような講座数・教室数ともに多い学校でも、量子コンピュータ又は同等のシステムを使って、短時間に結果を出すことが可能になる。
【0099】
また、上記各実施形態では、充足度及び稼働率を、想定されているものに対する満足する割合(百分率)として導出する場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、加点方式や減点方式、それらの組み合わせ等によって充足度及び稼働率を導出する形態としてもよい。
【0100】
また、上記各実施形態では、新規に建築する建築物を処理の対象とした場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、当該新規に建築する建築物に加えて、既に建築済みの建築物も含めた建築物を処理の対象とする形態としてもよい。この場合、既存の建築物も有効活用することができるため、より効果的な時間割の作成が可能となる。なお、この形態では、建築条件情報データベース92Bを、既存の建築物に対応するデータベースと、新築する建築物に対応するデータベースとに区分して構築することが、新築する建築物については複数の建築条件を想定することが容易となるため、好ましい。
【0101】
また、上記各実施形態では、本開示の技術の教育の場として大学を適用した場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、高等学校、中学校、小学校、幼稚園、保育園、専門学校等の学校や、予備校、学習塾、カルチャースクール、貸し教室等といった各種教育を行う場を本開示の技術の教育の場として適用する形態としてもよい。
【0102】
また、上記各実施形態では、本発明の情報処理装置を、情報処理装置10及び情報蓄積装置90の各装置を用いて適用した場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、情報処理装置10及び情報蓄積装置90を一体化した単一の装置で本発明の情報処理装置を構成する形態としてもよい。
【0103】
また、上記各実施形態では、情報処理の初期情報入力画面における指定対象として大学のみを適用した場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、当該大学に加えて、年度、学期(例えば、前期授業、後期授業等)も指定可能とする形態としてもよい。この場合、前提条件情報データベース92Aに「年度」及び「学期」の各項目を、前提条件を示す情報として登録することになる。この場合、上記各実施形態に比較して、よりきめ細かな時間割を作成することができると共に、当該時間割に応じた建築条件を得ることができる。
【0104】
また、上記各実施形態では、対象建物の稼働率として、作成した時間割で授業を行った場合における、建築条件に含まれる各教室の収容人数に対する、受講者の人数の割合、換言すれば座席の稼働率を適用した場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、各教室に対し、全てのコマ数(月曜日から金曜日まで、1限から5限までなら25コマ(=5×5))のうち、何コマが授業で使用されるかを表す稼働率、換言すれば教室の稼働率を、対象建物の稼働率として適用する形態としてもよい。
【0105】
また、上記第1実施形態では、必須制約条件については100%の充足度を要求する場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、必須制約条件の充足度が、その後に人の手で修正すれば十分な時間割が作成できると見なされる値として予め定められた閾値(例えば、90%)以上であることを要求する形態としてもよい。
【0106】
また、上記各実施形態では、提示部による提示対象(第1実施形態では、第1決定結果提示画面による表示対象で、第2実施形態では、優劣情報提示画面による表示対象)を画面表示により提示する場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、これらの提示対象の提示として、予め定められたファイル形式での出力による提示を適用する形態としてもよい。
【0107】
また、上記各実施形態において、例えば、取得部11A、作成部11B、決定部11C、提示部11D、取得部11E、作成部11F、導出部11G、及び提示部11Hの各処理を実行する処理部(processing unit)のハードウェア的な構造としては、次に示す各種のプロセッサ(processor)を用いることができる。上記各種のプロセッサには、前述したように、ソフトウェア(プログラム)を実行して処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPUに加えて、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が含まれる。
【0108】
処理部は、これらの各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせや、CPUとFPGAとの組み合わせ)で構成されてもよい。また、処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。
【0109】
処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアント及びサーバ等のコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウェアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(System On Chip:SoC)等に代表されるように、処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサの1つ以上を用いて構成される。
【0110】
更に、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造としては、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路(circuitry)を用いることができる。
【符号の説明】
【0111】
1 情報処理システム
10 情報処理装置
11 CPU
11A 取得部
11B 作成部
11C 決定部
11D 提示部
11E 取得部
11F 作成部
11G 導出部
11H 提示部
12 メモリ
13 記憶部
13A 情報処理プログラム
14 入力部
15 表示部
15A 指定領域
15B 建築条件
15C 時間割
15D 終了ボタン
16 媒体読み書き装置
17 記録媒体
18 通信I/F部
90 情報蓄積装置
92 記憶部
92A 前提条件情報データベース
92B 建築条件情報データベース
92C 制約条件情報データベース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14