(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024033215
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】環境画像表示制御システム、プログラム、及び、環境画像表示制御方法
(51)【国際特許分類】
H04N 7/18 20060101AFI20240306BHJP
G01N 17/02 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
H04N7/18 D
G01N17/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022136675
(22)【出願日】2022-08-30
(71)【出願人】
【識別番号】000108797
【氏名又は名称】エスペック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104444
【弁理士】
【氏名又は名称】上羽 秀敏
(74)【代理人】
【識別番号】100132506
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 哲文
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 剛
【テーマコード(参考)】
2G050
5C054
【Fターム(参考)】
2G050BA03
2G050BA05
2G050EC10
5C054CA04
5C054CC02
5C054FD07
5C054FE14
5C054FE17
5C054HA19
(57)【要約】
【課題】環境形成装置の内部の状態の監視をしやすくする。
【解決手段】環境画像表示制御システム1は、所定の環境に調整可能な環境形成室7aを備える環境形成装置7に設けられたカメラ8で撮影された環境形成室7a内の環境画像を取得する取得部2と、環境画像をディスプレイ12に表示する表示制御部4と、ユーザから、環境画像中の範囲の指定を受け付ける入力受付部3と、を備える。表示制御部4は、ユーザから指定された環境画像中の範囲を、新たな独立した環境画像として表示する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の環境に調整可能な環境形成室を備える環境形成装置に設けられたカメラで撮影された前記環境形成室内の環境画像を取得する取得部と、
前記環境画像をディスプレイに表示する表示制御部と、
ユーザから、前記環境画像中の範囲の指定を受け付ける入力受付部と、を備え、
前記表示制御部は、前記ユーザから指定された前記環境画像中の範囲を、新たな独立した環境画像として表示する、環境画像表示制御システム。
【請求項2】
請求項1に記載の環境画像表示制御システムであって、
前記環境画像中の少なくとも1つの予め設定された設定範囲を記録する記憶部にアクセス可能であり、
前記入力受付部は、前記ユーザから前記記憶部に記録された前記設定範囲の指定を受け付け、
前記表示制御部は、前記環境画像における前記ユーザから指定された前記設定範囲の画像を、新たな独立した環境画像として表示する、環境画像表示制御システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の環境画像表示制御システムであって、
過去に撮影された前記環境形成室内の過去環境画像を記録する記憶部にアクセス可能であり、
前記入力受付部は、前記環境画像中の範囲の指定とともに、前記過去環境画像の指定を受け付け、
前記表示制御部は、前記ユーザから前記範囲の指定とともに前記過去環境画像が指定された場合、指定された前記過去環境画像における前記ユーザから指定された範囲の画像を、新たな独立した環境画像として表示する、環境画像表示制御システム。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の環境画像表示制御システムであって、
過去に撮影された前記環境形成室内の過去環境画像を、前記過去環境画像の撮影時間における前記環境形成室内の環境条件と対応付けて記録した記憶部にアクセス可能であり、
前記入力受付部は、前記ユーザから環境条件の指定を受け付け、
前記表示制御部は、前記ユーザから指定された環境条件が発生した時間を撮影時間とする過去環境画像を表示する、環境画像表示制御システム。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の環境画像表示制御システムであって、
前記表示制御部は、前記ユーザから指定された複数の範囲を、それぞれ互いに独立した複数の環境画像として表示し、
前記複数の環境画像のそれぞれに対して変化を検出する変化検出部を、さらに備えた、環境画像表示制御システム。
【請求項6】
請求項5に記載の環境画像表示制御システムであって、
前記変化検出部は、前記複数の環境画像それぞれにおける変化の検出結果を用いて、前記環境形成室内における変化を検出する、環境画像表示制御システム。
【請求項7】
所定の環境に調整可能な環境形成室を備える環境形成装置と、
前記環境形成装置に設けられ、前記環境形成室内を撮影するカメラと、
前記カメラで撮影された前記環境形成室内の環境画像を取得する取得部と、
前記環境画像をディスプレイに表示する表示制御部と、
ユーザから、前記環境画像中の範囲の指定を受け付ける入力受付部と、を備え、
前記表示制御部は、前記ユーザから指定された前記環境画像中の範囲を、新たな独立した環境画像として表示する、環境形成システム。
【請求項8】
所定の環境に調整可能な環境形成室を備える環境形成装置に設けられたカメラで撮影された前記環境形成室内の環境画像を取得する取得処理と、
前記環境画像をディスプレイに表示する表示制御処理と、
ユーザから、前記環境画像中の範囲の指定を受け付ける入力受付処理と、をコンピュータに実行させ、
前記表示制御処理は、前記ユーザから指定された前記環境画像中の範囲を、新たな独立した環境画像として表示する処理を含む、プログラム。
【請求項9】
コンピュータにより実行される環境画像表示制御方法であって、
所定の環境に調整可能な環境形成室を備える環境形成装置に設けられたカメラで撮影された前記環境形成室内の環境画像を取得する取得工程と、
前記環境画像をディスプレイに表示する表示制御工程と、
ユーザから、前記環境画像中の範囲の指定を受け付ける入力受付工程と、を有し、
前記表示制御工程では、前記ユーザから指定された前記環境画像中の範囲を、新たな独立した環境画像として表示する、環境画像表示制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、環境形成装置における環境形成室を撮影した環境画像の表示制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特開平7-22480号公報(特許文献1)には、テレビカメラ観察装置を備えた環境試験装置が開示されている。この環境試験装置は、断熱密閉構造の試験槽を備えている。試験槽に、被試験物が挿入配置される。試験槽の内部は、被試験物の環境試験に応じて、ヒータまたは冷却器を選択的に動作させることにより所望の温度に設定保持される。試験槽の内部に、被試験物を観察するためのCCDカメラが配設される。CCDカメラは、ケースに収納される。このケース内に液チューブが配設される。液チューブに液体が循環供給され、ケース内の温度をCCDカメラの動作温度範囲内に保持する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術のように、内部空間の温度等の環境を調整可能な環境形成装置では、内部空間を撮影するカメラは、その環境に耐えることが求められる。そのため、環境形成装置に設けられるカメラは、構造が複雑でない方が好ましく、台数も多すぎない方が好ましい。一方で、カメラで撮影された画像によって、環境形成装置内の状態を監視するユーザにとっては、内部空間を多様な見方で監視できることが好ましい。例えば、複数の箇所を同時に監視したり、特定の部分を拡大して監視したりできることが好ましい。
【0005】
そこで、本開示は、環境形成装置の内部の状態の監視がしやすくなる環境画像表示制御システム、プログラム及び環境画像表示制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態における環境画像表示制御システムは、所定の環境に調整可能な環境形成室を備える環境形成装置に設けられたカメラで撮影された前記環境形成室内の環境画像を取得する取得部と、前記環境画像をディスプレイに表示する表示制御部と、ユーザから、前記環境画像中の範囲の指定を受け付ける入力受付部と、を備える。前記表示制御部は、前記ユーザから指定された前記環境画像中の範囲を、新たな独立した環境画像として表示する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本実施形態における環境画像表示制御システムを含む環境形成システムの構成例を示す図である。
【
図5】記憶部6に記録される環境条件の例を示す図である。
【
図6】環境条件の指定を受け付ける画面の例を示す図である。
【
図7】変化検出部による検出結果が表示される画面の例を示す図である。
【
図8】変化検出処理の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(構成1)
本発明の実施形態における環境画像表示制御システムは、所定の環境に調整可能な環境形成室を備える環境形成装置に設けられたカメラで撮影された前記環境形成室内の環境画像を取得する取得部と、前記環境画像をディスプレイに表示する表示制御部と、ユーザから、前記環境画像中の範囲の指定を受け付ける入力受付部と、を備える。前記表示制御部は、前記ユーザから指定された前記環境画像中の範囲を、新たな独立した環境画像として表示する。
【0009】
上記構成1によれば、環境形成室内を撮影した環境画像のうち、ユーザが指定した範囲の画像が、新たな独立した環境画像として表示される。そのため、ユーザは、表示されている環境画像中の見たい範囲について、別の環境画像として表示させることができる。これにより、ユーザは多様な見方で環境形成室内を監視することが可能になる。そのため、環境形成装置の内部の状態の監視がしやすくなる。
【0010】
ユーザから環境画像中の範囲の指定を受け付ける態様として、例えば、すでに表示されている環境画像に対する範囲の指定を受け付ける態様であってもよい。これにより、ユーザは、見たい範囲を直接的に指定できる。なお、入力受付部は、環境画像が表示されていない状態で、範囲の指定を受け付けてもよいし、すでに表示されている環境画像以外の領域において範囲の指定を受け付けてもよい。
【0011】
ユーザから指定された環境画像中の範囲を、新たな独立した環境画像として表示する態様は、例えば、すでに表示されている環境画像とは別に、指定された範囲の画像を表示する態様とすることができる。この場合、元の環境画像と、新たな環境画像の両方が視認可能な状態で表示される。なお、すでに表示されている環境画像がない状態で、ユーザに指定された範囲の画像が、新たな環境画像として表示される場合があってもよい。
【0012】
(構成2)
上記構成1において、前記環境画像表示制御システムは、前記環境画像中の少なくとも1つの予め設定された設定範囲を記録する記憶部にアクセス可能であってもよい。前記入力受付部は、前記ユーザから前記記憶部に記録された前記設定範囲の指定を受け付けてもよい。前記表示制御部は、前記環境画像における前記ユーザから指定された前記設定範囲の画像を、新たな独立した環境画像として表示してもよい。これにより、ユーザは、予め設定された設定範囲を指定することで、その範囲の環境画像を新たに表示させることができる。例えば、ユーザは、環境画像上の位置を指定して範囲を指定する動作を省くことができる。
【0013】
(構成3)
上記構成1又は2において、前記環境画像表示制御システムは、過去に撮影された前記環境形成室内の過去環境画像を記録する記憶部にアクセス可能であってもよい。前記入力受付部は、前記環境画像中の範囲の指定とともに、前記過去環境画像の指定を受け付けてもよい。前記表示制御部は、前記ユーザから前記範囲の指定とともに前記過去環境画像が指定された場合、指定された前記過去環境画像における前記ユーザから指定された範囲の画像を、新たな独立した環境画像として表示してもよい。これにより、ユーザは、環境画像中の指定した範囲について、過去の環境画像を指定して表示させることができる。これにより、より多様な見方で監視が可能になる。
【0014】
(構成4)
上記構成1~3のいずれかにおいて、前記環境画像表示制御システムは、過去に撮影された前記環境形成室内の過去環境画像を、前記過去環境画像の撮影時間における前記環境形成室内の環境条件と対応づけて記録した記憶部にアクセス可能であってもよい。前記入力受付部は、前記ユーザから環境条件の指定を受け付けてもよい。前記表示制御部は、前記ユーザから指定された環境条件が発生した時間を撮影時間とする過去環境画像を表示してもよい。これにより、ユーザは、指定した環境条件を満たす過去環境画像を抽出して表示させることができる。
【0015】
構成4において、表示制御部は、ユーザから指定された環境条件が発生した時間を撮影時間とする過去環境画像におけるユーザに指定された範囲を、新たな独立した環境画像として表示することができる。入力受付部は、例えば、環境条件の指定に加えて、環境画像中の範囲の指定をユーザから受け付けてもよい。或いは、過去に過去環境画像を表示した際にユーザが指定した範囲を記憶部に記録しておき、表示制御部が、過去環境画像を再生する時に記録された範囲の過去環境画像を表示してもよい。
【0016】
(構成5)
上記構成1~4のいずれかにおいて、前記表示制御部は、前記ユーザから指定された複数の範囲を、それぞれ互いに独立した複数の環境画像として表示してもよい。前記環境画像表示制御システムは、前記複数の環境画像のそれぞれに対して変化を検出する変化検出部を、さらに備えてもよい。これにより、ユーザが指定した複数の範囲のそれぞれにおいて変化を検出できる。そのため、例えば、ユーザは、特に変化を検出したい範囲を指定しておくことで、効率よく変化を検出することができる。
【0017】
(構成6)
上記構成5において、前記変化検出部は、前記複数の環境画像それぞれにおける変化の検出結果を用いて、前記環境形成室内における変化を検出してもよい。これにより、ユーザが指定した複数の範囲における変化を総合的に考慮して、環境形成室内における変化を検出することができる。
【0018】
(構成7)
本発明の実施形態における環境形成システムは、所定の環境に調整可能な環境形成室を備える環境形成装置と、前記環境形成装置に設けられ、前記環境形成室内を撮影するカメラと、前記カメラで撮影された前記環境形成室内の環境画像を取得する取得部と、前記環境画像をディスプレイに表示する表示制御部と、ユーザから、前記環境画像中の範囲の指定を受け付ける入力受付部と、を備える。前記表示制御部は、前記ユーザから指定された前記環境画像中の範囲を、新たな独立した環境画像として表示する。これにより、環境形成室内の状態の監視がしやすくなる。
【0019】
本発明の実施形態におけるプログラムは、所定の環境に調整可能な環境形成室を備える環境形成装置に設けられたカメラで撮影された前記環境形成室内の環境画像を取得する取得処理と、前記環境画像をディスプレイに表示する表示制御処理と、ユーザから、前記環境画像中の範囲の指定を受け付ける入力受付処理と、をコンピュータに実行させる。前記表示制御処理は、前記ユーザから指定された前記環境画像中の範囲を、新たな独立した環境画像として表示する処理を含む。
【0020】
本発明の実施形態における環境画像表示制御方法は、コンピュータにより実行される環境画像表示制御方法である。前記環境画像表示制御方法は、所定の環境に調整可能な環境形成室を備える環境形成装置に設けられたカメラで撮影された前記環境形成室内の環境画像を取得する取得工程と、前記環境画像をディスプレイに表示する表示制御工程と、ユーザから、前記環境画像中の範囲の指定を受け付ける入力受付工程と、を有する。前記表示制御工程では、前記ユーザから指定された前記環境画像中の範囲を、新たな独立した環境画像として表示する。
【0021】
(実施形態)
(システム構成例)
図1は、本実施形態における環境画像表示制御システム1を含む環境形成システムの構成例を示す図である。環境形成システムは、環境形成装置7、カメラ8、コンバータ9及び、環境画像表示制御システム1(以下、単に表示制御システム1と称する)を含む。環境形成装置7は、環境を調整可能な環境形成室7aを備える。カメラ8は、環境形成室7a内を撮影する。カメラ8により撮影された環境形成室7a内の画像、すなわち、環境画像は、コンバータ9により、ネットワークを介してアクセス可能とされる。
図1の例では、カメラ8は、コンバータ9に接続される。コンバータ9、環境形成装置7、及び、表示制御システム1は、ネットワークを介して互いに通信可能に接続される。表示制御システム1は、コンバータ9を介して、カメラ8が撮影した環境画像を取得することができる。表示制御システム1は、環境画像のディスプレイ12への表示を制御する。表示制御システム1は、例えば、ネットワークに接続されたコンピュータによって構成される。
【0022】
環境形成装置7は、環境形成室7a内に環境を形成する装置である。そのため、環境形成装置7は、環境形成室7aの環境を調整するための装置を有する。環境形成装置7で形成され得る環境は、例えば、温度、湿度、気圧、又は、雨、雪、風、霧等の天候を含む物理的環境、若しくは、雰囲気の化学成分等の化学的環境である。環境を調整する装置として、例えば、加熱器、冷却器、加湿器、除湿器、送風機、気圧ポンプ、降雪機、降雨機、又は、噴霧機等が設けられる。また、環境形成装置7は、このような装置を制御することで、環境の時間的変化が、設定されたパターンになるように制御してもよい。環境形成室7aは、対象物を収納可能である。環境形成室7aは、例えば、断熱壁を用いて形成された断熱槽によって構成されてもよい。環境形成室7aは、槽と称される場合がある。環境形成装置7は、対象物を環境試験、保管、又は加工等するために用いられる。加工の例としては、加熱、熟成、醸造、又は、燻煙等が挙げられる。環境形成装置7は、例えば、環境試験装置であってもよい。環境形成装置7は、操作及び設定入力を受け付ける入力部7bを有してもよい。入力部7bは、例えば、タッチパネルでもよいし、ディスプレイとボタンの組み合わせでもよい。
【0023】
カメラ8は、環境形成室7a内を撮影可能な位置に配置される。
図1の例では、環境形成室7aと外部を繋ぐ貫通孔に挿入されたケースにカメラ8が収納される。ケースは、環境形成室7aの外の空気をケース内に取り込み、排気する空調機構を有してもよい。カメラ8は、環境形成室7aの環境の変化範囲において動作可能であることが好ましい。これに限定されないが、カメラ8は、例えば、動作可能温度範囲が、少なくとも-30℃~+140℃の仕様のものを用いてもよい。又は、カメラ8は、動作可能湿度範囲が、少なくとも0%rh~98%rhの仕様のものを用いてもよい。カメラ8は、例えば、固定焦点で広い視野角のカメラであってもよい。カメラ8の視野角は、これに限られないが、例えば、水平100°以上、垂直60°以上とすることができる。
【0024】
コンバータ9は、カメラ8で撮影された環境画像のデータを、ネットワーク上に供給できるように変換する。コンバータ9は、例えば、ネットワークを介して受信した要求に応じて、環境画像を供給するサーバの機能を有してもよい。また、コンバータ9は、環境形成装置7と接続され、環境形成装置7のサンプリングデータを、ネットワーク上に供給できるよう変換するよう構成されてもよい。なお、ネットワークは、例えば、インタネットであってもよいし、ローカルネットワークであってもよい。また、ネットワークは、有線又は無線の少なくともいずれかの通信経路を含んでもよい。
【0025】
表示制御システム1は、取得部2、入力受付部3、表示制御部4、及び変化検出部5を備える。取得部2は、カメラ8で撮影された環境画像を取得する。取得部2は、コンバータ9から環境画像を受信してもよい。或いは、取得部2は、環境画像が記録された記憶部にアクセスし、記憶部から環境画像を取得してもよい。入力受付部3は、ユーザから入力装置11を介して入力を受け付ける。入力装置11は、特に限定されないが、例えば、マウス、キーボード、ボタン、コントローラ、又は、ディスプレイ12と一体的に構成されるタッチパネル等であってもよい。表示制御部4は、取得部2が取得した環境画像をディスプレイ12に表示する。表示制御部4により、環境画像の表示態様が制御される。
【0026】
入力受付部3は、ユーザから、環境画像中の範囲の指定を受け付ける。表示制御部4は、ユーザから指定された環境画像中の範囲を、新たな独立した環境画像として表示する。
図2は、この表示制御の一例を示す画面遷移図である。
図2に示す例では、ディスプレイ12に表示される画面A1において、画像領域G1に、カメラ8で撮影された環境画像G11が表示される。環境画像G11とともに、撮影日時が表示される。また、カメラ8の動作状態(撮影中)、及び、環境形成装置7のサンプリングデータ(設定値、測定値)も、環境画像G11とともに、表示される。さらに、カメラ8の撮影の開始又は中止を制御するためのボタンも表示される。
【0027】
ユーザは、この環境画像G11における範囲K1をカーソルCsで指定する。指定された範囲K1は、例えば、点線等、環境画像G11に重ねて示される。この例では、環境形成室7aに収納された対象物Tg1を含む範囲K1が指定されている。範囲K1が指定された状態で、ユーザが、「複製」ボタンB1をクリックすると、画面A2に示すように、指定された範囲K1の拡大画像が、独立した新たな環境画像G21として、表示される。画面A2では、すでに表示されていた画像領域G1に加えて、環境画像G21を表示するための画像領域G2が新たに表示される。これにより、ユーザは、すでに表示されていた環境画像G11と、指定した範囲の新たな環境画像G21の両方を同時に視認することができる。
【0028】
図2の例の新たな環境画像G21では、指定された範囲K1が拡大されて表示される。すなわち、環境画像G11中の指定された範囲K1のサイズよりも、新たな環境画像G21のサイズの方が大きくなるよう表示される。この拡大表示は、デジタルズームにより実行される。これにより、ユーザは、元の環境画像G11と、指定した範囲を拡大した環境画像G21の両方を同時に監視できる。なお、
図2の例では、表示された環境画像G11、G21のデジタルズームによる拡大及び縮小の指示を受け付けるためのインタフェース(例として、拡大、縮小ボタン)が設けられる。
【0029】
環境画像G11、G21は、いずれもカメラ8で撮影中の環境画像である。この場合、カメラ8の撮影動作に応じて、表示される環境画像G11、G21はリアルタイムで更新される。すなわち、カメラ8の撮影と同期して、環境画像G11、G21の両方が更新される。環境画像G11、G21は、それぞれの表示範囲を維持したまま、カメラ8の撮影動作に応じて更新される。
【0030】
図2に示す例では、入力受付部3は、ユーザによる環境画像G11上の位置の指定を受け付けることで、範囲K1の指定を受け付けている。この変形例として、入力受付部3は、予め設定された設定範囲の指定を受け付けてもよい。例えば、記憶部6に、予め設定された少なくとも1つの設定範囲を示すデータが記録されてもよい。入力受付部3は、記録された設定範囲を選択可能な態様で表示してもよい。ユーザは、設定範囲を選択することで、設定範囲を指定することができる。設定範囲が指定されると、表示制御部4は、環境画像における指定された設定範囲の画像を、新たな独立した環境画像として表示する。
【0031】
図3は、この表示制御の変形例を示す画面遷移図である。
図3の例では、画面A3において、環境画像G31に重ねて、予め設定された設定範囲K1~K4が示されている。この設定範囲K1~K4は、ユーザの指示(例えば、「プリセット表示」ボタンB3をクリック)に応じて表示されてもよい。入力受付部3は、記憶部6から設定範囲K1~K4を読み出し、環境画像G31に重畳して表示する。また、この設定範囲K1~K4の指定を受け付けるボタン(「プリセット複製」ボタン)B2が表示されている。ユーザが、設定範囲K1~K4が環境画像G31に示されている状態で、ボタンB2をクリックすると、画面A4のように、設定範囲K1~K4のそれぞれを拡大した画像が、新たな環境画像G41a~G41dとして、独立して表示される。これにより、ユーザは、環境画像G31上の位置を指定する等の動作をしなくても、新たな環境画像として見たい範囲を指定することができる。
【0032】
記憶部6には、複数の異なるパターンの設定範囲が記録されてもよい。入力受付部3は、複数の設定範囲の中からユーザが設定範囲を選択できるよう表示してもよい。例えば、
図3において、ユーザが「プリセット表示」ボタンB3をクリックする度に、環境画像G31に重ねて表示される設定範囲を切り替えてもよい。
【0033】
予め設定される設定範囲は、ユーザの指定に基づいて記録されてもよい。入力受付部3は、設定範囲の登録画面を表示する等により、ユーザからの設定範囲の事前登録を受け付けてもよい。又は、ユーザが環境画像上の位置の指定によって指定した範囲を、記憶部6に記録してもよい。このユーザが過去に指定した範囲を、設定範囲として記憶部6に記録しておき、ユーザが後に選択できるようにしてもよい。すなわち、ユーザの範囲指定の履歴を設定範囲としてもよい。
【0034】
或いは、表示制御システム1は、環境画像に対する画像処理により認識した対象物の位置に基づいて、自動的に設定範囲を決定し、記録してもよい。例えば、入力受付部3は、環境画像において認識された対象物のそれぞれを囲む範囲を、設定範囲としてユーザが選択可能に表示してもよい。
【0035】
図3の例では、画面A4には、5つの画像領域G3、G4a~G4dが表示される。画像領域G3の一部は、新たに表示された画像領域G4a、G4cと重なっている。表示制御部4は、新たな環境画像を表示する際に、複数の環境画像同士の重なりが予め決められた量を超えないように、環境画像の配置又はサイズの少なくとも一方を調整してもよい。また、その際に、ユーザに指定された範囲が拡大して表示されるように、環境画像の配置又はサイズの少なくとも一方が調整されてもよい。例えば、表示制御部4は、新たに表示される環境画像と他の環境画像の重なりが所定量以下となり、且つ、ユーザにより指定された範囲が拡大して表示されるように、各環境画像の表示サイズを自動的に調整して表示してもよい。これにより、ユーザが複数の環境画像を監視しやすくなる。
【0036】
図3の例では、環境画像G31においてユーザに指定された複数の範囲のそれぞれについて、互いに独立した環境画像G31が新たに表示される。これにより、例えば、環境形成室7a内に配置された複数の対象物を同時に監視しやすくなる。
【0037】
上記の例は、カメラ8で撮影中の環境画像をリアルタイムで表示する例である。変形例として、入力受付部3は、環境画像中の範囲の指定とともに、過去に撮影された過去環境画像の指定を受け付けてもよい。表示制御部4は、過去環境画像におけるユーザが指定した範囲を、新たな環境画像として表示してもよい。過去環境画像は、表示制御システム1がアクセス可能な記憶部6に、記録される。
【0038】
図4は、この表示制御の変形例を示す画面遷移図である。
図4の画面A5では、画像領域G5において、撮影中の環境画像G51、すなわち、現在の環境画像G51が表示される。現在の環境画像G51に対するユーザの範囲の指定が受け付けられる。ユーザは、環境画像G51上の任意の位置をカーソルで指定することで、表示したい範囲K5を指定できる。
【0039】
画像領域G5では、現在の環境画像G51とともに、過去環境画像の指定を受け付けるための入力エリアD1と、過去環境画像の表示を指示する「表示」ボタンB4が、さらに表示される。ユーザは、入力エリアD1に、表示したい過去環境画像の時間を入力し、「表示」ボタンB4をクリックすると、画面A6に示すように、指定された範囲K5に対応する範囲の過去環境画像の拡大画像が、新たに表示される。過去環境画像G61として、入力エリアD1で入力された時間に対応する環境画像G61が表示される。新たに表示される画像領域G6において、過去環境画像G61とともに、その過去環境画像G61の撮影日時が表示される。過去環境画像G61は、経過時間に応じて更新されてもよい。すなわち、入力エリアD1で指定された時間から、過去環境画像G61の再生が開始されてもよい。このように、画面A6では、ユーザにより指定された過去環境画像の指定した範囲の拡大画像G61と、現在の環境画像G51が同時に表示される。これにより、ユーザは、現在の環境画像G51を、過去環境画像G61と見比べながら監視することができる。
【0040】
図4の例では、過去環境画像の指定として、時間の入力を受け付けている。この変形例として、入力受付部3は、表示する過去環境画像を決定するために、環境条件の指定をユーザから受け付けてもよい。この場合、記憶部6には、過去環境画像と、過去環境画像の撮影時間における環境形成室内の環境条件とが、対応付けて記録される。表示制御部4は、ユーザから指定された環境条件が発生した時間を撮影時間とする過去環境画像をディスプレイ12に表示する。
【0041】
図5は、記憶部6に記録される環境条件の例を示す図である。
図5の例では、撮影時間として、カメラ8で撮影した環境画像の収録日時が記録される。環境条件として、環境形成装置7の運転状態、環境の設定値及び測定値が、撮影時間と対応付けて記録される。さらに、撮影時間と対応付けて、過去環境画像を特定するための画像データが記録される。画像データは、例えば、画像ファイルを示すデータ又は画像ID等としてもよい。
【0042】
図6は、環境条件の指定を受け付ける画面の例を示す図である。
図6に示す画面A7は、環境条件として、温度の設定値の指定を受け付ける画面の例である。画面A7では、指定受付のための画像領域G7に、環境条件の時間変化を示すグラフと、環境条件を指定するための入力エリアD2が表示される。この例では、環境条件の指定として、温度範囲(上限及び下限の少なくとも1つ)の入力を受け付ける。ユーザが環境条件(例えば、温度範囲=80℃以上)を入力すると、その環境条件が発生した時間帯がグラフで示される。例えば、グラフにおいて、設定温度が80℃以上の時間帯(t1~t2、t3~t4、t5~t6)が強調されて表示される。なお、環境条件の指定は上記例に限られず、数値範囲の他、運転状態等の状態が指定されてもよい。環境条件は、例えば、温度の設定値の他、温度の測定値、並びに、湿度の設定値又は測定値等であってもよい。このように、入力受付部3は、環境形成装置7の運転状態、若しくは、環境形成装置7で形成される環境の設定値又は測定値のうち、少なくとも1つを、環境条件の指定として受け付けることができる。なお、入力受付部3は、複数の環境条件の指定を受け付けてもよい。
【0043】
図6の画像領域G7において、環境条件が入力され、「決定」ボタンB5がクリックされると、表示制御部4は、指定された環境条件が発生した時間帯を撮影時間とする過去環境画像を記憶部6から読み出し、ディスプレイ12に表示する。表示制御部4は、例えば、上記時間帯(t1~t2、t3~t4、t5~t6)における複数の過去環境画像を順次、表示することができる。この場合、表示制御部4は、上記時間帯における複数の過去環境画像を、自動送りで順次表示してもよいし、ユーザの操作に応じて順次表示してもよい。ユーザの操作は、例えば、
図6に示すようなグラフをクリックする、又は、次の画像の表示を指示するためのボタンをクリックする等とすることができる。
【0044】
この場合、表示制御部4は、過去環境画像のユーザに指定された範囲の画像を表示してもよい。
図6の例では、環境条件が発生した時間帯における時刻t1を撮影時間とする過去環境画像G51aが画像領域G7に表示される。過去環境画像G51aに重ねて、過去環境画像G51aを過去に表示した際にユーザが指定した範囲K5aが表示される。「決定」ボタンB5がクリックされると、表示制御部4は、この範囲K5aの過去環境画像を新たな環境画像として表示してもよい。また、画像領域G7の過去環境画像G51aにおいて、ユーザからの範囲の指定を受け付けてもよい。ユーザは、過去環境画像において見たい範囲を指定することができる。ユーザが過去環境画像G51aで範囲を指定した場合、その指定した範囲の過去環境画像が表示される。
【0045】
表示制御部4は、指定された環境条件の時間帯における複数の過去環境画像を順次表示する場合に、ユーザからの指定された範囲の複数の過去環境画像を、順次表示してもよい。例えば、
図6の例のように、環境条件及び範囲K5aの指定をユーザから受け付けた場合、指定された環境条件の時間帯における複数の過去環境画像の範囲K5aの拡大画像が、順次表示されてもよい。この場合、ユーザは、複数の過去環境画像のそれぞれについて、範囲K5aを指定しなくても、環境条件指定時に範囲K5aを一度指定することで、複数の過去環境画像の範囲K5aの拡大画像を順次表示させることができる。
【0046】
表示制御部4が、環境画像においてユーザから指定された範囲を、新たな環境画像として独立して表示した場合、変化検出部5が、新たに独立して表示された環境画像毎に、画像処理を実行し、変化を検出することができる。例えば、表示制御部4は、ユーザから指定された複数の範囲を、それぞれ互いに独立した複数の環境画像として表示した場合に、変化検出部5が、複数の環境画像のそれぞれに対して変化を検出する。
【0047】
図7は、変化検出部5による検出結果が表示される画面の例を示す図である。
図7に示す画面A8では、環境画像G81においてユーザに指定された複数の範囲K6~K8のそれぞれについて、新たに独立した環境画像G91、G101、G111が表示されている。これらの互いに独立した複数の環境画像G91、G101、G111のそれぞれについて、変化検出部5が、画像処理を実行し、変化を検出する。互いに独立して表示される複数の環境画像G91~G111は、カメラ8の撮影動作に伴って更新される。変化検出部5は、更新された環境画像G91~G111のそれぞれを基準画像と比較することで、変化の有無を判断することができる。基準画像は、例えば、変化検出対象の環境画像よりも前に撮影された同じ範囲の環境画像とすることができる。表示制御部4は、環境画像G91~G111のそれぞれに対する変化検出部5の判断結果をこれらの環境画像G91~G111とともに表示する。
図7の例では、指定された範囲K6~K8の各々に対応して、画像領域G9~G11内に、各環境画像G91~G111及び変化検出部5の判断結果が表示される。
【0048】
このように、変化検出部5は、ユーザが指定した範囲について独立して拡大表示された環境画像のそれぞれに対して、独立して変化を検出するための画像処理を実行する。これにより、ユーザが指定した範囲についてより高い精度で変化を検出できる。また、ユーザは、互いに独立して表示される環境画像ごとに変化の有無を監視することができる。これにより、ユーザは、対象物の変化を監視しやすくなる。また、変化検出部5により変化が検出された環境画像G111について、さらに、ユーザからの範囲の指定を受け付けてもよい。これにより、ユーザは、変化したと思われる範囲を指定し、その範囲を新たな環境画像として独立して表示させることができる。その結果、例えば、ユーザは、変化した対象物の変化箇所について重点的に監視することができる。
【0049】
図8は、変化検出部5による環境画像における変化検出処理の例を示すフローチャートである。
図8に示す例では、変化検出部5は、変化検出の対象となる1枚の環境画像を取得する(S1)。基準画像がある場合(S2でYES)、変化検出部5は、S1で取得した環境画像を基準画像と比較する(S3)。比較処理では、例えば、環境画像の各画素の値と、基準画像の対応する画素の値の差分に基づいて、環境画像の基準画像に対する変化量を算出することができる。比較処理の結果として算出される変化量が閾値以上の場合、変化検出部5は、画像変化ありと判断する(S4)。この場合、基準画像はクリアされる(S5)。また、画像変化ありを示す情報が、環境画像とともに表示される。S2において基準画像がないと判断された場合、基準画像を、S1で取得した環境画像に更新する(S7)。S3において取得した環境画像の基準画像に対する変化量が閾値より少ないと判断された場合も、基準画像を、S1で取得した環境画像に更新する(S7)。S1~S7の処理は、変化検出部5が、終了(S8でYES)と判断するまで繰り返し実行される。例えば、ユーザから終了指示が入力された場合に、終了(S8でYES)と判断される。S8でNOの場合は、一定時間待機の後、S1にて環境画像が取得される。待機時間は、例えば、環境画像のリフレッシュレートに応じた時間としてもよい。
【0050】
図8に示す処理により、各環境画像における変化を検出することができる。変化の検出は、例えば、異常検出であってもよい。なお、変化検出処理は、
図8の例に限られない。
図8では、前回取得した環境画像を基準画像として、今回の環境画像の変化を判断する。これに対して、例えば、初期画像を基準画像として、基準画像と取得した環境画像との変化量に基づき、変化の有無を判断してもよい。また、基準画像として、複数の画像を用いてもよい。
【0051】
変化検出部5は、互いに独立して表示される複数の環境画像G91~G111それぞれにおける変化の検出結果を用いて、環境形成室7a内における変化を検出してもよい。すなわち、変化検出部5は、複数の環境画像G91~G111に対する複数の変化検出結果に基づいて、変化の有無を判断することができる。これにより、複数の環境画像G91~G111のそれぞれにおける検出結果を考慮した、総合的な変化の検出が可能になる。
【0052】
例えば、変化検出部5は、複数の環境画像G91~G111の少なくとも1つで変化が検出された場合に、環境形成室7a内における変化ありと判断してもよい。又は、複数の環境画像G91~G111の全てにおいて変化が検出された場合に、環境形成室7a内における変化ありと判断してもよい。或いは、複数の環境画像G91~G111のそれぞれにおいて検出された変化量に基づいて、環境形成室7a内における変化を検出してもよい。
【0053】
変化検出部5は、例えば、複数の環境画像G91~G111のそれぞれにおける変化の検出結果に加えて、これらの検出結果に基づく環境形成室7a内における変化の検出結果を、環境画像G91~G111とともに表示することができる。
【0054】
上記の本実施形態によれば、環境画像におけるユーザが指定した範囲を、新たな環境画像として独立して表示することにより、カメラ8で撮影された環境画像に対して、多様な見方での監視が可能になる。その結果、ユーザは環境形成室内の監視がし易くなる。また、本実施形態によれば、表示制御により多様な見方での監視を可能にする。そのため、カメラ8の光学的構成又はカメラ8の物理的な機構を複雑化したり、カメラ台数を増やしたりしなくても、ユーザの監視の容易性を向上させることができる。すなわち、カメラ構成の複雑化を避けつつ、環境形成装置の内部の状態の監視をしやすくできる。
【0055】
表示制御システム1は、例えば、プロセッサ及びメモリを有する1又は複数のコンピュータにより構成することができる。取得部2、入力受付部3、表示制御部4、及び、変化検出部5の各機能は、プロセッサが所定のプログラムを実行することで実現される。このようなプログラム及びそれを記録した非一時的(non-transitory)な記録媒体も、本発明の実施形態に含まれる。記憶部6は、表示制御システム1を構成するコンピュータがアクセス可能な記憶装置(ストレージ又はメモリ)で構成することができる。記憶部6は、表示制御システム1を構成するコンピュータに内蔵された記憶装置であってもよいし、ネットワークを介してコンピュータがアクセス可能な記憶装置であってもよい。
【0056】
表示制御システム1は、コンバータ9及び環境形成装置7と通信可能なコンピュータによって構成される。一例として、
図1に示すように、ネットワークを介して、コンバータ9及び環境形成装置7と接続されたコンピュータに、表示制御システム1の少なくとも一部が実装されてもよい。この場合、例えば、ネットワークに接続されたサーバ又はコンピュータ端末に表示制御システム1を実装することができる。変形例として、コンバータ9又は環境形成装置7のコンピュータに、表示制御システム1の少なくとも一部が実装されてもよい。例えば、コンバータ9又は環境形成装置7のコンピュータ(コントローラ)に表示制御システム1を実装する場合、コンバータ9又は環境形成装置7にネットワークを介して接続された他のコンピュータ(例えば、コンピュータ端末)が、表示制御システム1にアクセス可能とすることができる。この場合、表示制御システム1は、例えば、他のコンピュータの入力装置を介してユーザからの入力を受け付け、他のコンピュータのディスプレイへの環境画像の表示を制御することができる。また、入力装置11又はディスプレイ12の少なくとも1つは、コンバータ9又は環境形成装置7に設けられてもよい。一例として、環境形成装置7の入力部7bを、表示制御システム1の入力装置11として用いることができる。なお、表示制御システム1の取得部2、入力受付部3、表示制御部4、及び、変化検出部5の各機能は、複数のコンピュータに分散して設けられてもよい。
【0057】
本発明は、上記実施形態に限られない。例えば、環境形成装置と、表示制御システム1は、接続されていなくてもよい。表示制御システム1において、変化検出部5は省略されてもよい。環境形成装置は、環境試験装置の他、例えば、オーブン等の加熱処理を行う装置や、空調機能を備えた保管庫等であってもよい。
【0058】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上述した実施形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施形態を適宜変形して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0059】
1:環境画像表示制御システム、2:取得部、3:入力受付部、4:表示制御部、5:変化検出部、6:記憶部、7:環境形成装置、7a:環境形成室、8:カメラ