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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024033221
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】水洗大便器
(51)【国際特許分類】
   E03D 11/02 20060101AFI20240306BHJP
【FI】
E03D11/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022136686
(22)【出願日】2022-08-30
(71)【出願人】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古田 祐一
【テーマコード(参考)】
2D039
【Fターム(参考)】
2D039AA02
2D039AD04
2D039DB01
(57)【要約】
【課題】ヒータの汎用性を向上させることができる水洗大便器を提供することを目的とする。
【解決手段】実施形態に係る水洗大便器は、ボウル部と、トラップ部と、ヒータとを備える。ボウル部は、汚物を受ける。トラップ部は、ボウル部に溜水を形成する。ヒータは、トラップ部に設けられ、溜水を加熱する。また、ヒータは、接続箇所を介して接続される2つ以上の部材で構成される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
汚物を受けるボウル部と、
前記ボウル部に溜水を形成するトラップ部と、
前記トラップ部に設けられ、前記溜水を加熱するヒータと
を備え、
前記ヒータは、
接続箇所を介して接続される2つ以上の部材で構成される
ことを特徴とする水洗大便器。
【請求項2】
前記ヒータは、
接続される前記部材間の前記接続箇所に形成される折り曲げ部
を備えることを特徴とする請求項1に記載の水洗大便器。
【請求項3】
前記ヒータは、
シートと、
前記シートに配線される線状の発熱体と
を備え、
前記シートの平面視において、前記折り曲げ部に対応する前記シートに配線される前記発熱体の面積が、前記部材に対応する前記シートに配線される前記発熱体の面積より小さくなるように構成される
ことを特徴とする請求項2に記載の水洗大便器。
【請求項4】
前記ヒータは、
シートと、
前記シートに配線される線状の発熱体と、
前記折り曲げ部に対応する前記シートに形成される切欠き部と
を備えることを特徴とする請求項2に記載の水洗大便器。
【請求項5】
前記ヒータは、
3つ以上の前記部材で構成され、
3つ以上の前記部材は、
前記ボウル部の下方の位置であって前記トラップ部の前面側の位置に設けられる前側部材と、
前記前側部材から延在するように形成されて前記トラップ部に設けられる2つ以上の延在部材と
を含むことを特徴とする請求項1に記載の水洗大便器。
【請求項6】
2つ以上の前記延在部材は、
前記トラップ部を側面から挟むような位置に設けられる
ことを特徴とする請求項5に記載の水洗大便器。
【請求項7】
前記トラップ部は、
前記ボウル部の下部に形成される入口部と、前記入口部に接続され前記入口部から下方へ延びる下降管路と、前記下降管路に接続され前記下降管路から上方へ延びる上昇管路とを含み、
前記延在部材は、
前記上昇管路の側面に沿った形状に形成される
ことを特徴とする請求項6に記載の水洗大便器。
【請求項8】
前記ヒータは、
4つ以上の前記部材で構成され、
4つ以上の前記部材は、
前記前側部材から延在するように形成されて前記トラップ部の底面側の位置に設けられる底面側延在部材
をさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の水洗大便器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、水洗大便器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水洗大便器には、寒冷地において便器周辺の温度が0℃以下に冷えることでボウル部に溜まった洗浄水(溜水)が凍結することを防止するため、ボウル部およびトラップ部にヒータを設けるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9-144114号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記したトラップ部やボウル部の形状は、水洗大便器の種類によって異なる。また、水洗大便器においては、デザイン性や機能性の向上を目的として、トラップ部等の形状が設計変更されることがある。
【0005】
しかしながら、従来技術にあっては、水洗大便器の種類や設計変更などによって、トラップ部等の形状が複数種ある場合、トラップ部等の各形状に即したヒータを複数種準備する必要があり、ヒータの汎用性に欠けるものであった。
【0006】
実施形態の一態様は、ヒータの汎用性を向上させることができる水洗大便器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の一態様に係る水洗大便器は、汚物を受けるボウル部と、前記ボウル部に溜水を形成するトラップ部と、前記トラップ部に設けられ、前記溜水を加熱するヒータとを備え、前記ヒータは、接続箇所を介して接続される2つ以上の部材で構成されることを特徴とする。
【0008】
これにより、ヒータの汎用性を向上させることができる。詳しくは、トラップ部等の形状は、水洗大便器の種類によって異なる。また、水洗大便器においては、デザイン性や機能性の向上を目的として、トラップ部等の形状が設計変更されることがある。このように水洗大便器の種類や設計変更などによって、トラップ部等の形状が複数種ある場合に、例えばヒータが1つの部材で構成されていると、トラップ部等の各形状に即したヒータを複数種準備する必要があり、ヒータの汎用性に欠ける。
【0009】
これに対し、実施形態に係るヒータにあっては、接続箇所を介して接続される2つ以上の部材で構成されるようにしたので、トラップ部等の形状が複数種ある場合であっても、トラップ部等の形状に即した位置(例えば、トラップ部の溜水を加熱し易い位置)に各部材を取り付けることが可能となる。このように、実施形態に係るヒータにあっては、複数種あるトラップ部等の形状に対応することが可能となり、よってヒータの汎用性を向上させることができる。
【0010】
また、設計変更などによってトラップ部等の形状が変更になった場合であっても、実施形態に係るヒータは、変更後のトラップ部等の形状に即した(追従した)位置に各部材を取り付けることで対応することができ、よってヒータの汎用性を向上させることができる。
【0011】
また、前記ヒータは、接続される前記部材間の前記接続箇所に形成される折り曲げ部を備えることを特徴とする。
【0012】
これにより、接続箇所でヒータを折り曲げることが可能となり、折り曲げられたヒータを用いることで、各部材をトラップ部等の形状に即した位置に容易に取り付けることが可能となる。そして、ヒータは、トラップ部等の形状に即した位置に取り付けられることで、トラップ部の溜水を効率良く加熱することができる。
【0013】
また、前記ヒータは、シートと、前記シートに配線される線状の発熱体とを備え、前記シートの平面視において、前記折り曲げ部に対応する前記シートに配線される前記発熱体の面積が、前記部材に対応する前記シートに配線される前記発熱体の面積より小さくなるように構成されることを特徴とする。
【0014】
これにより、折り曲げ部を折り曲げ易くすることができる。すなわち、例えば折り曲げ部に対応するシートには、比較的少ない本数の発熱体のみが通るように構成される一方、部材に対応するシートには、発熱体が張り巡らされるように構成される。そのため、発熱体の面積を比較すると、折り曲げ部における発熱体の面積は、部材における発熱体の面積より小さくなる。このように、折り曲げ部においては、発熱体の面積が小さいため、部材のように発熱体の面積が多い場合に比べて折り曲げ易くすることができる。
【0015】
また、前記ヒータは、シートと、前記シートに配線される線状の発熱体と、前記折り曲げ部に対応する前記シートに形成される切欠き部とを備えることを特徴とする。
【0016】
これにより、折り曲げ部をより折り曲げ易くすることができる。すなわち、ヒータは、切欠き部を備えることで、折り曲げ部に対応する部分のシートの面積を、可能な限り小さくすることができるため、折り曲げ部を切欠き部が無い場合に比べて、より折り曲げ易くすることができる。
【0017】
また、前記ヒータは、3つ以上の前記部材で構成され、3つ以上の前記部材は、前記ボウル部の下方の位置であって前記トラップ部の前面側の位置に設けられる前側部材と、前記前側部材から延在するように形成されて前記トラップ部に設けられる2つ以上の延在部材とを含むことを特徴とする。
【0018】
このように、前側部材がトラップ部の前面に設けられるとともに、2つ以上の延在部材がトラップ部に設けられるようにした。そのため、ヒータは、前側部材、2つ以上の延在部材の3つの部材でトラップ部の前面などを覆うことが可能になる。これにより、ヒータは、トラップ部の溜水をより効率良く加熱することができる。
【0019】
また、2つ以上の前記延在部材は、前記トラップ部を側面から挟むような位置に設けられることを特徴とする。
【0020】
これにより、ヒータにおいては、トラップ部の溜水を、トラップ部の側面からより一層効率良く加熱することができる。
【0021】
また、前記トラップ部は、前記ボウル部の下部に形成される入口部と、前記入口部に接続され前記入口部から下方へ延びる下降管路と、前記下降管路に接続され前記下降管路から上方へ延びる上昇管路とを含み、前記延在部材は、前記上昇管路の側面に沿った形状に形成されることを特徴とする。
【0022】
これにより、ヒータにおいては、トラップ部の溜水を、上昇管路の側面から効率良く加熱することができる。
【0023】
また、前記ヒータは、4つ以上の前記部材で構成され、4つ以上の前記部材は、前記前側部材から延在するように形成されて前記トラップ部の底面側の位置に設けられる底面側延在部材をさらに含むことを特徴とする。
【0024】
これにより、ヒータにおいては、トラップ部の溜水を、トラップ部の底面から効率良く加熱することができる。また、ヒータは、前側部材、2つ以上の延在部材および底面側延在部材の4つ以上の部材でトラップ部の前面、側面および底面を覆うことが可能になる。これにより、ヒータは、トラップ部の溜水をより効率良く加熱することができる。
【発明の効果】
【0025】
実施形態の一態様によれば、ヒータの汎用性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は、実施形態に係る水洗大便器を示す側断面図である。
図2図2は、ヒータの平面図である。
図3図3は、折り曲げられたヒータを示す斜視図である。
図4図4は、ヒータが取り付けられた状態の便器本体の底面図である。
図5図5は、変形例に係るヒータを示す平面図である。
図6図6は、変形例に係るヒータが取り付けられた水洗大便器を示す側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する水洗大便器の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合があることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
【0028】
(実施形態)
先ず、図1を参照して実施形態に係る水洗大便器1の全体構成について説明する。図1は、実施形態に係る水洗大便器1を示す側断面図である。なお、図1では、説明を分かり易くするため、鉛直上向きを正方向とするZ軸を含む3次元の直交座標系を図示している。かかる直交座標系では、X軸正方向を「右方」、X軸負方向を「左方」、Y軸正方向を「前方」、Y軸負方向を「後方」、Z軸正方向を「上方」、Z軸負方向を「下方」と記載する場合がある。かかる直交座標系は、他の図においても図示する場合がある。
【0029】
図1に示すように、水洗大便器1は、トイレ室の床面Fに設置される、いわゆる床置き式の水洗大便器である。なお、水洗大便器1は、図示しない壁面に取り付けられる、いわゆる壁掛け式の水洗大便器であってもよい。
【0030】
水洗大便器1は、便器本体2と、ヒータ50とを備える。便器本体2は、例えば陶器製であるが、これに限られず、例えば樹脂製でもよいし、陶器および樹脂を組み合わせて製造されたものでもよい。なお、図1にあっては、図示の簡略化のため、便器本体2の上部に設けられる便座や便座を覆うカバーなど一部の部材の図示を省略している。
【0031】
便器本体2は、ボウル部21と、リム部22と、吐水部23と、トラップ部30とを備える。ボウル部21は、汚物を受けることが可能なボウル状に形成される。リム部22は、ボウル部21の上縁に形成され、リム部22には吐水部23が形成される。
【0032】
吐水部23は、ボウル部21内へ向けて洗浄水を吐出する。例えば、吐水部23は、図示しない貯水タンクから供給される洗浄水を吐水口を介してボウル部21内へ吐出する。なお、図1では、図示の簡略化のため、吐水部23(吐水口)を二点鎖線で模式的に図示している。
【0033】
吐水部23から吐出された洗浄水は、例えばボウル部21内で旋回流を生じ、ボウル部21の洗浄を行う。また、ボウル部21へ供給された洗浄水は、便器洗浄後、ボウル部21およびトラップ部30に貯留される。なお、図1では、ボウル部21およびトラップ部30に貯留された洗浄水を二点鎖線で示し、かかる洗浄水を、以下では溜水Wと記載する場合がある。このように、トラップ部30等が溜水Wで満たされることで、溜水Wが封水として機能し、後述する排水配管40からの臭気等がボウル部21側へ逆流することを防止する。
【0034】
トラップ部30の構成について説明すると、トラップ部30は、ボウル部21の下部21aに接続され、ボウル部21内の汚物を洗浄水とともに排出する。また、トラップ部30は、ボウル部21に溜水Wを形成する。詳しくは、トラップ部30は、入口部31と、下降管路32と、上昇管路33と、排出管路34とを備える。
【0035】
入口部31は、ボウル部21の下部21aに連続するように形成され、ボウル部21からの洗浄水や汚物をトラップ部30へ流入させる。
【0036】
下降管路32は、入口部31に接続され入口部31から下方へ延びるように形成される。具体的には、下降管路32は、入口部31の後流側の端部から連続するように形成され、入口部31から斜め後ろ下方に向けて延在される。そして、下降管路32は、ボウル部21および入口部31からの洗浄水を下方へ向けて流す。
【0037】
上昇管路33は、下降管路32に接続され下降管路32から上方へ延びるように形成される。具体的には、上昇管路33は、下降管路32の後流側の端部から連続するように形成され、下降管路32から斜め後ろ上方に向けて延在される。そして、上昇管路33は、下降管路32からの洗浄水を上方へ向けて流す。
【0038】
排出管路34は、上昇管路33に接続され下方へ延びるように形成される。具体的には、排出管路34は、上昇管路33の後流側の端部から連続するように形成され、上昇管路33から斜め後ろ下方へ向けて延在された後、下方へ向けて延在される。そして、排出管路34の後流側の端部には、排水配管40が接続される。したがって、上記のように構成されたトラップ部30において、便器洗浄が行われる場合、ボウル部21の洗浄水は、入口部31、下降管路32、上昇管路33および排出管路34を通って排水配管40へと排水され、汚物が排出される。また、トラップ部30およびボウル部21には、洗浄水の一部が溜水Wとして溜まる。
【0039】
ヒータ50は、トラップ部30に設けられ、溜水Wを加熱する。すなわち、水洗大便器1は、寒冷地仕様に対応する便器であり、ヒータ50は、トラップ部30およびボウル部21に溜まった溜水Wを加熱することで、溜水Wの凍結を防止するためのヒータである。
【0040】
ここで、ヒータ50の構成について図2も参照しつつ説明する。図2は、ヒータ50の平面図である。なお、ヒータ50は、後述するようにトラップ部30の形状に沿うように折り曲げられてトラップ部30に取り付けられるが、図2に示すヒータ50は、折り曲げられる前の状態を示している。
【0041】
図2に示すように、ヒータ50は、シート状に形成される。具体的には、ヒータ50は、伝熱シート50aと、発熱体50bとを含む。伝熱シート50aは、例えば熱伝導性および可撓性を有する材料から製作される。例えば、伝熱シート50aは、陶器製のトラップ部30より熱伝導性がよく、また、折り曲げ可能な金属製のフィルムである。かかる金属としては、アルミニウムを用いることができるが、これに限られず、例えば銅などその他の種類の金属を用いてもよい。なお、伝熱シート50aの材質は、金属に限定されるものではない。また、伝熱シート50aは、シートの一例である。
【0042】
発熱体50bは、伝熱シート50aに配線され、通電により発熱する。例えば、発熱体50bは、可撓性を有するとともに、線状(コード状)に形成される電熱線である。具体的には、発熱体50bは、樹脂によって被覆された電熱線(ヒータ線)であり、折り曲げ可能に構成される。かかる樹脂としては、塩化ビニールを用いることができるが、これに限られず、例えばシリコンゴムなどその他の種類の樹脂を用いてもよい。なお、以下では、発熱体50bを「電熱線50b」と記載する場合がある。
【0043】
電熱線50bは、平面視において伝熱シート50aの全域にわたって張り巡らされるようにして配線される。なお、本実施形態に係る電熱線50bの配線手法は、図2に示すように、1本の電熱線50bが伝熱シート50aに張り巡らされるものであるが、これに限定されるものではなく、例えば電熱線50bがメッシュ状に配線されるなど任意の配線手法を用いることができる。
【0044】
電熱線50bの端部には、電源コード50b1が接続され、電熱線50bは、かかる電源コード50b1を介して図示しない電源に接続される。すなわち、電熱線50bは、電源から電源コード50b1を介して通電されて発熱する。
【0045】
そして、図示は省略するが、水洗大便器1は、ヒータ50を制御する制御装置を備える。制御装置は、例えばトラップ部30の外表面の温度や溜水Wの温度をセンサ等を用いて検知し、検知した温度が所定温度に到達するまでヒータ50(正確には電熱線50b)へ通電を行い、溜水Wの凍結を防止する。また、制御装置は、検知した温度が所定温度に到達した場合、ヒータ50への通電を停止する。なお、所定温度は、溜水Wが凍結しないと推定される温度に設定される。また、制御装置は、上記したトラップ部30の外表面の温度や溜水Wの温度、または、便器周辺の温度が、溜水Wの凍結が予測される温度まで低下した場合のみヒータ50への通電を行ってもよい。
【0046】
ヒータ50の説明を続ける。ヒータ50は、図2に示すように、大きく分けて3つの部材51,52,53で構成される。なお、部材51,52,53は、ヒータ50を構成する構成物であるともいえる。
【0047】
部材51と部材52とは、接続箇所Aを介して接続される。接続箇所Aは、部材51と部材52とを連続するように接続する部位である。また、部材51と部材53とは、接続箇所Bを介して接続される。接続箇所Bは、部材51と部材53とを連続するように接続する部位である。なお、図2では、理解の便宜のため、接続箇所A,Bを破線で囲んで示している。
【0048】
部材51は、後述するように、トラップ部30の前面30a側の位置に設けられるため(図1参照)、以下では「前側部材51」と記載する場合がある。また、部材52,53はそれぞれ、前側部材51から延在するように形成されるため、以下では「延在部材52,53」と記載する場合がある。
【0049】
なお、上記では、ヒータ50が、前側部材51、延在部材52,53の3つの部材で構成されるようにしたが、これに限定されるものではない。すなわち、ヒータ50は、前側部材51と延在部材52のみ、あるいは、前側部材51と延在部材53のみで構成されるなど2つの部材で構成されてもよい。すなわち、本実施形態に係るヒータ50は、2つ以上の部材で構成されていればよい、言い換えると、複数の部材で構成されていればよい。
【0050】
前側部材51は、2つの部材511,512で構成される。以下では、部材511を「第1前側部材511」、部材512を「第2前側部材512」と記載する場合がある。第1前側部材511と第2前側部材512とは、接続箇所Cを介して接続される。接続箇所Cは、第1前側部材511と第2前側部材512とを連続するように接続する部位である。
【0051】
第1前側部材511は、ヒータ50の平面視において、三角形状(あるいは略三角形状)に形成される。例えば、第1前側部材511は、先端部511aから基端部511bに向けて左右方向の幅が拡幅するように形成される。なお、第1前側部材511の形状は、上記した三角形状に限定されるものではなく、例えば矩形状などその他の形状であってもよい。
【0052】
第2前側部材512は、ヒータ50の平面視において、矩形状(あるいは略矩形状)または台形状(あるいは略台形状)に形成される。第2前側部材512の一方の端部512aには、上記した第1前側部材511の基端部511bが接続箇所Cを介して接続される。また、第2前側部材512の他方の端部512bには、延在部材52が接続箇所Aを介して接続されるとともに、延在部材53が接続箇所Bを介して接続される。
【0053】
なお、上記では、前側部材51が、第1、第2前側部材511,512の2つの部材で構成されるようにしたが、これに限られず、1つの部材、あるいは、3つ以上の部材で構成されてもよい。
【0054】
延在部材52は、ヒータ50の平面視において、矩形状(あるいは略矩形状)に形成され、前側部材51から延在するように形成される。詳しくは、延在部材52は、基端部52aが前側部材51(正確には第2前側部材512)に接続され、基端部52aから先端部52bに向かうにつれて湾曲するように形成される。かかる湾曲により、延在部材52は、トラップ部30の側面30b(図1参照)に沿った形状とされるが、これについては後述する。
【0055】
延在部材53は、ヒータ50の平面視において、矩形状(あるいは略矩形状)に形成され、前側部材51から延在するように形成される。詳しくは、延在部材53は、基端部53aが前側部材51(正確には第2前側部材512)に接続され、基端部53aから先端部53bに向かうにつれて湾曲するように形成される。かかる湾曲により、延在部材53は、トラップ部30の側面30b(図1参照)に沿った形状とされるが、これについては後述する。
【0056】
また、延在部材53の先端部53bには、上記した電熱線50bの電源コード50b1が接続される。延在部材53の延在方向の長さは、かかる電源コード50b1の接続端子が延在部材53に設けられる分、延在部材52の延在方向の長さより長くなるように構成される。
【0057】
また、延在部材52と延在部材53とは、ヒータ50の平面視において、ヒータ50の中心線Eを中心として左右対称となるような位置に形成される。
【0058】
また、ヒータ50は、ヒータ50をトラップ部30に取り付ける際に折り曲げ可能な折り曲げ部55a,55b,55cを備える。
【0059】
折り曲げ部55aは、接続箇所Aに形成される。詳しくは、折り曲げ部55aは、接続される延在部材52と前側部材51(正確には第2前側部材512)との間の接続箇所Aに形成される。このように、ヒータ50は、折り曲げ部55aを備えることで、延在部材52と前側部材51との間で折り曲げることが可能になる。
【0060】
また、折り曲げ部55aは、伝熱シート50aの平面視において、折り曲げ部55aに対応する伝熱シート50aに配線される電熱線50bの面積が、各部材51,52,53に対応する伝熱シート50aに配線される電熱線50bの面積より小さくなるように構成される。例えば、図2では、折り曲げ部55aに対応する伝熱シート50aには、2本の電熱線50bのみが通るように構成される。これに対し、各部材51,52,53に対応する伝熱シート50aには、電熱線50bが張り巡らされている。そのため、電熱線50bの面積を比較すると、折り曲げ部55aにおける電熱線50bの面積は、各部材51,52,53における電熱線50bの面積より小さくなる。このように、折り曲げ部55aにおいては、電熱線50bの面積が小さいため、部材51,52,53のように電熱線50bの面積が多い場合に比べて折り曲げ易くすることができる。
【0061】
また、折り曲げ部55aに対応する伝熱シート50aには、切欠き部56aが形成される。これにより、折り曲げ部55aをより折り曲げ易くすることができる。すなわち、ヒータ50は、上記した切欠き部56aを備えることで、折り曲げ部55aに対応する部分の伝熱シート50aの面積を、可能な限り小さくすることができるため、折り曲げ部55aを切欠き部56aが無い場合に比べて、より折り曲げ易くすることができる。
【0062】
折り曲げ部55bは、接続箇所Bに形成される。詳しくは、折り曲げ部55bは、接続される延在部材53と前側部材51(正確には第2前側部材512)との間の接続箇所Bに形成される。このように、ヒータ50は、折り曲げ部55bを備えることで、延在部材53と前側部材51との間で折り曲げることが可能になる。
【0063】
また、折り曲げ部55bは、折り曲げ部55aと同様に、伝熱シート50aの平面視において、折り曲げ部55bに対応する伝熱シート50aに配線される電熱線50bの面積が、各部材51,52,53に対応する伝熱シート50aに配線される電熱線50bの面積より小さくなるように構成される。これにより、折り曲げ部55bにおいては、折り曲げ部55aと同様に、折り曲げ易くすることができる。
【0064】
また、折り曲げ部55bに対応する伝熱シート50aには、折り曲げ部55aと同様に、切欠き部56bが形成される。これにより、折り曲げ部55aと同様に、折り曲げ部55bをより折り曲げ易くすることができる。
【0065】
折り曲げ部55cは、接続箇所Cに形成される。詳しくは、折り曲げ部55cは、接続される第1前側部材511と第2前側部材512との間の接続箇所Cに形成される。このように、ヒータ50は、折り曲げ部55cを備えることで、第1前側部材511と第2前側部材512との間で折り曲げることが可能になる。
【0066】
また、折り曲げ部55cは、折り曲げ部55a,55bと同様に、伝熱シート50aの平面視において、折り曲げ部55cに対応する伝熱シート50aに配線される電熱線50bの面積が、各部材51,52,53に対応する伝熱シート50aに配線される電熱線50bの面積より小さくなるように構成される。これにより、折り曲げ部55cにおいては、折り曲げ部55a,55bと同様に、折り曲げ易くすることができる。
【0067】
また、折り曲げ部55cに対応する伝熱シート50aには、折り曲げ部55a,55bと同様に、切欠き部56cが形成される。これにより、折り曲げ部55a,55bと同様に、折り曲げ部55cをより折り曲げ易くすることができる。
【0068】
上記のように構成されたヒータ50は、折り曲げ部55a,55b,55cで折り曲げられつつ、トラップ部30(図1参照)に取り付けられる。
【0069】
ここで、ヒータ50のトラップ部30への取り付けについて図3および図4を参照して説明する。図3は、折り曲げられたヒータ50を示す斜視図である。図4は、トラップ部30にヒータ50が取り付けられた状態の便器本体2の底面図である。
【0070】
図3に示すように、ヒータ50は、トラップ部30(図4参照)の形状に即すように、言い換えると、トラップ部30の形状に追従するように折り曲げ部55a,55b,55cで折り曲げられる。なお、図3では、折り曲げ部55a,55bは、折り曲げられていないが、トラップ部30への取り付け時にトラップ部30の形状に合わせて折り曲げられるものとする。
【0071】
また、本実施形態に係るヒータ50は、上記したように、可撓性を有する伝熱シート50aや電熱線50bから製作されるため、折り曲げ部55a,55b,55c以外の部位でも、トラップ部30の形状に合わせて適宜に折り曲げられるものとする。
【0072】
上記のようにして折り曲げられたヒータ50は、図1および4に示すように、トラップ部30に取り付けられる。なお、図1では、延在部材52を破線で示し、延在部材53を一点鎖線で示している。
【0073】
ヒータ50の前側部材51は、ボウル部21(図1参照)の下方の位置であってトラップ部30の前面30a側の位置に設けられる。詳しくは、ヒータ50は、前側部材51である第1前側部材511と第2前側部材512とが折り曲げ部55c(図2参照)などで折り曲げられることで、トラップ部30の前面30aに即した形状とされて取り付けられる。より詳しくは、第1前側部材511はトラップ部30の入口部31に取り付けられ、第2前側部材512は、下降管路32に取り付けられる。なお、ヒータ50とトラップ部30とは、図示しない両面テープあるいは接着剤などによって接着(固定)されるが、これに限定されるものではない。
【0074】
また、ヒータ50の延在部材52,53も、トラップ部30に設けられる。詳しくは、延在部材52は、折り曲げ部55a(図2参照)などで折り曲げられることで、トラップ部30の側面30b(正確には左側面30b1)に即した形状とされて取り付けられる。延在部材53は、折り曲げ部55b(図2参照)などで折り曲げられることで、トラップ部30の側面30b(正確には右側面30b2)に即した形状とされて取り付けられる。
【0075】
このように、本実施形態に係るヒータ50にあっては、前側部材51、延在部材52,53など2つ以上の部材で構成されるようにしたので、ヒータ50の汎用性を向上させることができる。
【0076】
詳説すると、トラップ部30等の形状は、水洗大便器1の種類によって異なる。また、水洗大便器1においては、デザイン性や機能性の向上を目的として、トラップ部30等の形状が設計変更されることがある。このように水洗大便器1の種類や設計変更などによって、トラップ部30等の形状が複数種ある場合に、例えばヒータが1つの部材で構成されていると、トラップ部30等の各形状に即したヒータを複数種準備する必要があり、ヒータの汎用性に欠ける。
【0077】
これに対し、本実施形態に係るヒータ50にあっては、前側部材51、延在部材52,53など2つ以上の部材で構成されるようにしたので、トラップ部30等の形状が複数種ある場合であっても、トラップ部30等の形状に即した位置(言い換えると、トラップ部30の溜水Wを加熱し易い位置)に各部材を取り付けることが可能となる。このように、本実施形態に係るヒータ50にあっては、複数種あるトラップ部30等の形状に対応することが可能となり、よってヒータ50の汎用性を向上させることができる。
【0078】
また、設計変更などによってトラップ部30等の形状が変更になった場合であっても、本実施形態に係るヒータ50は、変更後のトラップ部30等の形状に即した(追従した)位置に各部材を取り付けることで対応することができ、よってヒータ50の汎用性を向上させることができる。
【0079】
また、本実施形態に係るヒータ50は、接続される部材間の接続箇所A,B,Cに形成される折り曲げ部55a,55b,55cを備えるようにした。これにより、接続箇所A,B,Cでヒータ50を折り曲げることが可能となり、折り曲げられたヒータ50を用いることで、各部材(例えば前側部材51、延在部材52,53など)をトラップ部30等の形状に即した位置に容易に取り付けることが可能となる。そして、ヒータ50は、トラップ部30等の形状に即した位置に取り付けられることで、トラップ部30の溜水Wを効率良く加熱することができる。
【0080】
また、本実施形態に係るヒータ50にあっては、上記したように、前側部材51がトラップ部30の前面30aに設けられるとともに、延在部材52,53がトラップ部30の側面30bに設けられるようにした。すなわち、ヒータ50は、前側部材51、延在部材52,53の3つの部材でトラップ部30の前面30aおよび側面30bを覆うように構成される。これにより、ヒータ50は、トラップ部30の溜水Wをより効率良く加熱することができる。
【0081】
なお、本実施形態では、ヒータ50は、トラップ部30の底面30cを覆わない構成であるが、これに限定されるものではなく、底面30cを覆うように構成してもよい。かかる構成については、変形例として後述する。
【0082】
また、ヒータ50においては、延在部材52がトラップ部30の左側面30b1に設けられ、延在部材53がトラップ部30の右側面30b2に設けられるようにした。すなわち、延在部材52,53は、トラップ部30を側面30bから挟むような位置に設けられるようにした。言い換えると、延在部材52,53の間にトラップ部30が位置されるようにした。これにより、本実施形態に係るヒータ50においては、トラップ部30の溜水Wを、トラップ部30の側面30bからより一層効率良く加熱することができる。
【0083】
また、延在部材52,53は、図1等に示すように、トラップ部30の上昇管路33の側面30bに沿った形状に形成される。詳しくは、延在部材52,53は、上記したようい湾曲するように形成されるため(図2参照)、トラップ部30の下降管路32から上昇管路33の側面30bに沿った形状に形成される。これにより、本実施形態に係るヒータ50においては、トラップ部30の溜水Wを、上昇管路33の側面30bから効率良く加熱することができる。
【0084】
上述してきたように、実施形態に係る水洗大便器1は、ボウル部21と、トラップ部30と、ヒータ50とを備える。ボウル部21は、汚物を受ける。トラップ部30は、ボウル部21に溜水Wを形成する。ヒータ50は、トラップ部30に設けられ、溜水Wを加熱する。また、ヒータ50は、接続箇所A,B,Cを介して接続される2つ以上の部材(例えば前側部材51、延在部材52,53)で構成される。これにより、ヒータ50の汎用性を向上させることができる。
【0085】
(変形例)
次いで、変形例について図5,6を参照して説明する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同様の部分については、既に説明した部分と同一の符号を付し、重複する説明を省略する場合がある。
【0086】
図5は、変形例に係るヒータ150を示す平面図である。図6は、変形例に係るヒータ150が取り付けられた水洗大便器1を示す側断面図である。図5および図6に示すように、変形例に係るヒータ150は、上記した前側部材51、延在部材52,53の3つの部材に加え、底面側延在部材54を備える。すなわち、変形例に係るヒータ150は、4つの部材で構成される。
【0087】
底面側延在部材54は、図5に示すように、前側部材51に接続箇所Dを介して接続される。接続箇所Dは、底面側延在部材54と前側部材51(正確には第2前側部材512)とを連続するように接続する部位である。
【0088】
底面側延在部材54は、ヒータ150の平面視において、矩形状(あるいは略矩形状)に形成され、前側部材51から延在するように形成される。詳しくは、底面側延在部材54は、基端部54aが前側部材51(正確には第2前側部材512)に接続され、基端部54aから先端部54bに向けて直線状に形成される。また、底面側延在部材54は、延在部材52と延在部材53との間に位置するように形成される。
【0089】
また、底面側延在部材54の接続箇所Dには、折り曲げ部55dが形成される。詳しくは、折り曲げ部55dは、接続される底面側延在部材54と前側部材51(正確には第2前側部材512)との間の接続箇所Dに形成される。このように、ヒータ150は、折り曲げ部55dを備えることで、底面側延在部材54と前側部材51との間で折り曲げることが可能になる。
【0090】
また、折り曲げ部55dは、折り曲げ部55a等(図2参照)と同様に、伝熱シート50aの平面視において、折り曲げ部55dに対応する伝熱シート50aに配線される電熱線50bの面積が、各部材51,52,53,54に対応する伝熱シート50aに配線される電熱線50bの面積より小さくなるように構成される。これにより、折り曲げ部55dにおいては、折り曲げ部55a等と同様に、折り曲げ易くすることができる。
【0091】
また、折り曲げ部55dに対応する伝熱シート50aには、折り曲げ部55a等と同様に、切欠き部56dが形成される。これにより、折り曲げ部55a等と同様に、折り曲げ部55dをより折り曲げ易くすることができる。
【0092】
上記のように構成されたヒータ150は、折り曲げ部55d等で折り曲げられつつ、トラップ部30に取り付けられる(図6参照)。具体的には、ヒータ150の底面側延在部材54は、トラップ部30の底面30c側の位置に設けられる。詳しくは、底面側延在部材54は、折り曲げ部55d(図5参照)などで折り曲げられることで、トラップ部30の底面30cに即した形状とされて取り付けられる。これにより、変形例に係るヒータ150は、トラップ部30の溜水Wを、トラップ部30の底面30cから効率良く加熱することができる。
【0093】
また、変形例に係るヒータ150は、前側部材51、延在部材52,53および底面側延在部材54の4つ以上の部材でトラップ部30の前面30a、側面30bおよび底面30cを覆うように構成される。これにより、ヒータ50は、トラップ部30の溜水Wをより効率良く加熱することができる。
【0094】
<付記>
(1)汚物を受けるボウル部と、
前記ボウル部に溜水を形成するトラップ部と、
前記トラップ部に設けられ、前記溜水を加熱するヒータと
を備え、
前記ヒータは、
接続箇所を介して接続される2つ以上の部材で構成される
ことを特徴とする水洗大便器。
(2)前記ヒータは、
接続される前記部材間の前記接続箇所に形成される折り曲げ部
を備えることを特徴とする(1)に記載の水洗大便器。
(3)前記ヒータは、
シートと、
前記シートに配線される線状の発熱体と
を備え、
前記シートの平面視において、前記折り曲げ部に対応する前記シートに配線される前記発熱体の面積が、前記部材に対応する前記シートに配線される前記発熱体の面積より小さくなるように構成される
ことを特徴とする(2)に記載の水洗大便器。
(4)前記ヒータは、
シートと、
前記シートに配線される線状の発熱体と、
前記折り曲げ部に対応する前記シートに形成される切欠き部と
を備えることを特徴とする(2)または(3)に記載の水洗大便器。
(5)前記ヒータは、
3つ以上の前記部材で構成され、
3つ以上の前記部材は、
前記ボウル部の下方の位置であって前記トラップ部の前面側の位置に設けられる前側部材と、
前記前側部材から延在するように形成されて前記トラップ部に設けられる2つ以上の延在部材と
を含むことを特徴とする(1)~(4)のいずれか一つに記載の水洗大便器。
(6)2つ以上の前記延在部材は、
前記トラップ部を側面から挟むような位置に設けられる
ことを特徴とする(5)に記載の水洗大便器。
(7)前記トラップ部は、
前記ボウル部の下部に形成される入口部と、前記入口部に接続され前記入口部から下方へ延びる下降管路と、前記下降管路に接続され前記下降管路から上方へ延びる上昇管路とを含み、
前記延在部材は、
前記上昇管路の側面に沿った形状に形成される
ことを特徴とする(6)に記載の水洗大便器。
(8)前記ヒータは、
4つ以上の前記部材で構成され、
4つ以上の前記部材は、
前記前側部材から延在するように形成されて前記トラップ部の底面側の位置に設けられる底面側延在部材
をさらに含むことを特徴とする(6)または(7)に記載の水洗大便器。
【0095】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。従って、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0096】
1 水洗大便器
21 ボウル部
30 トラップ部
50 ヒータ
51 前側部材
52,53 延在部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6