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特開2024-33240品質推定システム、ラミネートシステム、品質推定方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024033240
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】品質推定システム、ラミネートシステム、品質推定方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   B29C 65/48 20060101AFI20240306BHJP
【FI】
B29C65/48
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022136722
(22)【出願日】2022-08-30
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-09-04
(71)【出願人】
【識別番号】000222118
【氏名又は名称】artience株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(74)【代理人】
【識別番号】100124936
【弁理士】
【氏名又は名称】秦 恵子
(71)【出願人】
【識別番号】396009595
【氏名又は名称】東洋モートン株式会社
(72)【発明者】
【氏名】前田 諭志
(72)【発明者】
【氏名】大島 良太
【テーマコード(参考)】
4F211
【Fターム(参考)】
4F211AA11
4F211AA24
4F211AC03
4F211AG01
4F211AG03
4F211AP12
4F211AR13
4F211TA03
4F211TC01
4F211TD11
4F211TJ11
4F211TN60
4F211TQ03
4F211TW16
(57)【要約】
【課題】ラミネート装置で積層体を形成した後、積層体の品質を迅速に推定すること。
【解決手段】本開示の一態様にかかる品質推定システム10は、第1基材27および第2基材28を互いに貼り合わせた直後の積層体29の画像データを第1画像データとして取得する第1画像データ取得部11と、積層体29を形成した後、所定期間経過後の積層体29の画像データを積層体29の品質に対応する第2画像データとして取得する第2画像データ取得部12と、積層体29を形成する際のパラメータ情報を取得するパラメータ情報取得部13と、第1画像データ、第2画像データ、及びパラメータ情報を教師データとして機械学習させ、積層体29の品質推定モデルを生成する品質推定モデル生成部15と、第1画像データとパラメータ情報とを品質推定モデルに入力することで、積層体29の品質を推定する品質推定部16と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラミネート装置を用いて第1基材および第2基材を接着剤を介して互いに貼り合わせて形成された積層体の品質を推定する品質推定システムであって、
前記第1基材および前記第2基材を互いに貼り合わせた直後の前記積層体の画像データを第1画像データとして取得する第1画像データ取得部と、
前記積層体を形成した後、所定期間経過後の前記積層体の画像データを前記積層体の品質に対応する第2画像データとして取得する第2画像データ取得部と、
前記積層体を形成する際のパラメータ情報を取得するパラメータ情報取得部と、
前記第1画像データ、前記第2画像データ、及び前記パラメータ情報を教師データとして機械学習させ、前記積層体の品質推定モデルを生成する品質推定モデル生成部と、
前記第1画像データと前記パラメータ情報とを前記品質推定モデルに入力することで、前記積層体の品質を推定する品質推定部と、を備える、
品質推定システム。
【請求項2】
前記パラメータ情報は、前記ラミネート装置の設定に関する情報、前記接着剤に関する情報、前記第1及び第2基材に関する情報、並びに前記第1基材に印刷された画像に関する情報のうちの少なくとも一つを含む、請求項1に記載の品質推定システム。
【請求項3】
前記ラミネート装置の設定に関する情報は、前記第1及び第2基材の搬送速度、並びに前記積層体を巻取りローラを用いて巻き取る際の張力のうちの少なくとも一つを含む、請求項2に記載の品質推定システム。
【請求項4】
前記接着剤に関する情報は、前記接着剤の種類、前記接着剤の表面張力、前記接着剤の温度、前記接着剤の塗工量、前記接着剤の粘度、及び塗工後の前記接着剤の平滑性のうちの少なくとも一つを含む、請求項2に記載の品質推定システム。
【請求項5】
前記第1及び第2基材に関する情報は、前記第1基材の種類、前記第2基材の種類、及び前記第1基材と前記第2基材の層構成のうちの少なくとも一つを含む、請求項2に記載の品質推定システム。
【請求項6】
前記第1基材に印刷された画像に関する情報は、前記第1基材に印刷されたインキの種類に関する情報、前記第1基材上における前記印刷された画像の平滑性に関する情報、前記第1基材に印刷されたインキの表面張力に関する情報、前記第1基材に印刷されたインキの含水率に関する情報、及び前記第1基材に印刷された模様に関する情報のうちの少なくとも一つを含む、請求項2に記載の品質推定システム。
【請求項7】
前記品質推定モデル生成部は、前記第1画像データに含まれる気泡の数、前記第2画像データに含まれる気泡の数、及び前記パラメータ情報を用いて前記品質推定モデルを生成する、請求項1に記載の品質推定システム。
【請求項8】
前記品質推定モデル生成部は、前記第1画像データに対して2値化処理を実施し、当該二値化処理後の第1画像データを用いて前記気泡の数を求める、請求項7に記載の品質推定システム。
【請求項9】
前記品質推定モデル生成部は、前記ラミネート装置の種類に応じた品質推定モデルを生成する、請求項1に記載の品質推定システム。
【請求項10】
前記品質推定システムはネットワークを介して複数のラミネート装置と接続されており、
前記第1画像データ取得部は、前記各々のラミネート装置から前記ネットワークを介して前記第1画像データを取得し、
前記第2画像データ取得部は、前記各々のラミネート装置から前記ネットワークを介して前記第2画像データを取得し、
前記パラメータ情報取得部は、前記各々のラミネート装置から前記ネットワークを介して前記パラメータ情報を取得し、
前記品質推定モデル生成部は、前記各々のラミネート装置毎に前記品質推定モデルを生成し、
前記品質推定部は、前記各々のラミネート装置から前記ネットワークを介して前記第1画像データ及び前記パラメータ情報を取得し、当該取得した第1画像データ及びパラメータ情報を前記ラミネート装置毎の前記品質推定モデルに入力することで、前記ラミネート装置毎に前記積層体の品質を推定する、
請求項1に記載の品質推定システム。
【請求項11】
前記ラミネート装置と、
請求項1~10のいずれか一項に記載の品質推定システムと、を備えるラミネートシステムであって、
前記ラミネート装置が備える制御装置は、前記品質推定システムで推定された前記積層体の品質に応じて前記ラミネート装置を制御する、
ラミネートシステム。
【請求項12】
ラミネート装置を用いて第1基材および第2基材を接着剤を介して互いに貼り合わせて形成された積層体の品質を推定する品質推定方法であって、
前記第1基材および前記第2基材を互いに貼り合わせた直後の前記積層体の画像データを第1画像データとして取得し、
前記積層体を形成した後、所定期間経過後の前記積層体の画像データを前記積層体の品質に対応する第2画像データとして取得し、
前記積層体を形成する際のパラメータ情報を取得し、
前記第1画像データ、前記第2画像データ、及び前記パラメータ情報を教師データとして機械学習させ、前記積層体の品質推定モデルを生成し、
前記第1画像データ及び前記パラメータ情報を前記品質推定モデルに入力することで、前記積層体の品質を推定する、
品質推定方法。
【請求項13】
ラミネート装置を用いて第1基材および第2基材を接着剤を介して互いに貼り合わせて形成された積層体の品質を推定する品質推定用のプログラムであって、
前記第1基材および前記第2基材を互いに貼り合わせた直後の前記積層体の画像データを第1画像データとして取得し、
前記積層体を形成した後、所定期間経過後の前記積層体の画像データを前記積層体の品質に対応する第2画像データとして取得し、
前記積層体を形成する際のパラメータ情報を取得し、
前記第1画像データ、前記第2画像データ、及び前記パラメータ情報を教師データとして機械学習させ、前記積層体の品質推定モデルを生成し、
前記第1画像データ及び前記パラメータ情報を前記品質推定モデルに入力することで、前記積層体の品質を推定する、処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、品質推定システム、ラミネートシステム、品質推定方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
フィルム等の基材同士を互いに貼り合わせて積層体を形成するラミネート装置が知られている。特許文献1には、ラミネートロールのクリアランスを適切に設定し、板厚不良が発生することを抑制する積層板の製造方法に関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-300959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ラミネート装置は、第1巻出しローラから供給された第1基材と第2巻出しローラから供給された第2基材とをラミネートローラで貼り合わせることで、積層体を連続的に形成する装置である。ラミネート装置で形成された積層体の品質は、積層体を形成した後、所定期間経過後(エージング後)に判明するため、品質不良が判明するまでに時間を要していた。このため、ラミネート装置で積層体を形成した後、積層体の品質を迅速に推定するシステムが必要とされていた。
【0005】
上記課題に鑑み本開示の目的は、ラミネート装置で積層体を形成した後、積層体の品質を迅速に推定することが可能な品質推定システム、ラミネートシステム、品質推定方法、及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様にかかる品質推定システムは、ラミネート装置を用いて第1基材および第2基材を接着剤を介して互いに貼り合わせて形成された積層体の品質を推定する品質推定システムであって、前記第1基材および前記第2基材を互いに貼り合わせた直後の前記積層体の画像データを第1画像データとして取得する第1画像データ取得部と、前記積層体を形成した後、所定期間経過後の前記積層体の画像データを前記積層体の品質に対応する第2画像データとして取得する第2画像データ取得部と、前記積層体を形成する際のパラメータ情報を取得するパラメータ情報取得部と、前記第1画像データ、前記第2画像データ、及び前記パラメータ情報を教師データとして機械学習させ、前記積層体の品質推定モデルを生成する品質推定モデル生成部と、前記第1画像データと前記パラメータ情報とを前記品質推定モデルに入力することで、前記積層体の品質を推定する品質推定部と、を備える。
【0007】
本開示の一態様にかかるラミネートシステムは、前記ラミネート装置と、上述の品質推定システムと、を備えるラミネートシステムであって、前記ラミネート装置が備える制御装置は、前記品質推定システムで推定された前記積層体の品質に応じて前記ラミネート装置を制御する。
【0008】
本開示の一態様にかかる品質推定方法は、ラミネート装置を用いて第1基材および第2基材を接着剤を介して互いに貼り合わせて形成された積層体の品質を推定する品質推定方法であって、前記第1基材および前記第2基材を互いに貼り合わせた直後の前記積層体の画像データを第1画像データとして取得し、前記積層体を形成した後、所定期間経過後の前記積層体の画像データを前記積層体の品質に対応する第2画像データとして取得し、前記積層体を形成する際のパラメータ情報を取得し、前記第1画像データ、前記第2画像データ、及び前記パラメータ情報を教師データとして機械学習させ、前記積層体の品質推定モデルを生成し、前記第1画像データ及び前記パラメータ情報を前記品質推定モデルに入力することで、前記積層体の品質を推定する。
【0009】
本開示の一態様にかかるプログラムは、ラミネート装置を用いて第1基材および第2基材を接着剤を介して互いに貼り合わせて形成された積層体の品質を推定する品質推定用のプログラムであって、前記第1基材および前記第2基材を互いに貼り合わせた直後の前記積層体の画像データを第1画像データとして取得し、前記積層体を形成した後、所定期間経過後の前記積層体の画像データを前記積層体の品質に対応する第2画像データとして取得し、前記積層体を形成する際のパラメータ情報を取得し、前記第1画像データ、前記第2画像データ、及び前記パラメータ情報を教師データとして機械学習させ、前記積層体の品質推定モデルを生成し、前記第1画像データ及び前記パラメータ情報を前記品質推定モデルに入力することで、前記積層体の品質を推定する、処理をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本開示により、ラミネート装置で積層体を形成した後、積層体の品質を迅速に推定することが可能な品質推定システム、ラミネートシステム、品質推定方法、及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施の形態にかかるラミネートシステムの一例を示す模式図である。
図2】実施の形態にかかる品質推定システムを説明するためのブロック図である。
図3】品質推定モデル生成処理を説明するための図である。
図4】品質推定処理を説明するための図である。
図5】複数のラミネート装置を含むラミネートシステムの構成例を示すブロック図である。
図6】実施の形態にかかる品質推定システムのハードウェア構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。
図1は、実施の形態にかかるラミネートシステムの一例を示す模式図である。図1に示すように、本実施の形態にかかるラミネートシステム1は、品質推定システム10およびラミネート装置20を備える。
【0013】
ラミネート装置20は、第1巻出しローラ21、巻取りローラ22、第2巻出しローラ23、ガイドローラ24、ラミネートローラ25、26、第1基材27、第2基材28、印刷部31、塗工部32、第1撮像部33、第2撮像部34、及び制御装置35を備える。
【0014】
第1巻出しローラ21には第1基材27が捲回されており、第1基材27は第1巻出しローラ21から図中矢印方向に向かって搬送される。第2巻出しローラ23には第2基材28が捲回されており、第2基材28は第2巻出しローラ23から図中矢印方向に向かって搬送される。このとき第2基材28はガイドローラ24によってガイドされる。ラミネートローラ25、26は、搬送されてきた第1基材27と第2基材28とを貼り合わせて積層体29を形成する。ラミネートローラ25、26で形成された積層体29は、巻取りローラ22で巻き取られる。
【0015】
本実施の形態においてラミネート装置20は、第1巻出しローラ21および第2巻出しローラ23からそれぞれ第1基材27および第2基材28を連続的に供給し、ラミネートローラ25、26で第1基材27および第2基材28を連続的に貼り合わせて積層体29形成し、形成された積層体29を巻取りローラ22で連続的に巻き取ることで、積層体29を連続的に形成する。
【0016】
印刷部31は、第1基材27に所定の画像を印刷する。例えば、印刷部31はインクジェット技術を用いた印刷装置である。インクジェット技術を用いる場合は、イエローのインキ、マゼンタのインキ、シアンのインキ、ブラックのインキをそれぞれインクジェットヘッドから第1基材27の表面に向けて吐出することで画像を形成する。また、印刷部31はグラビア技術を用いた印刷装置であってもよい。なお、本実施の形態では、画像が予め印刷された第1基材27を使用してもよい。つまり、画像が予め印刷された第1基材27を第1巻出しローラ21に捲回しておき、画像が予め印刷された第1基材27を、図中矢印方向に向かって搬送するようにしてもよい。この場合は、印刷部31を省略できる。
【0017】
塗工部32は、第1基材27の表面(貼合面)に接着剤を塗工する。接着剤には、溶剤型の接着剤や無溶剤型の接着剤を使用できる。無溶剤型の接着剤を使用した場合は、溶剤型の接着剤を使用した場合と比べてCOの排出量を削減できる。例えば、接着剤として、主剤および硬化剤の二液を混合させることによって硬化が開始する二液硬化型の接着剤を使用してもよい。この場合、塗工部32は、主剤および硬化剤を混合した接着剤を第1基材27に塗工してもよく、主剤を第1基材27に塗工した後、硬化剤を第1基材27に塗工してもよく、硬化剤を第1基材27に塗工した後、主剤を第1基材27に塗工してもよい。また、主剤および硬化剤を第1基材27および第2基材28に別々に塗工するようにしてもよい。すなわち、主剤を第1基材27に塗工し、硬化剤を第2基材28に塗工してもよく、硬化剤を第1基材27に塗工し、主剤を第2基材28に塗工してもよい。また、主剤および硬化剤を混合した接着剤を第1基材27に塗工し、その他の反応成分や添加剤を第2基材28に塗工してもよい。なお、第2基材28に主剤等を塗工する場合は別途、第2基材28に主剤等を塗工する塗工部を設けてもよい。
【0018】
ラミネートローラ25、26は、接着剤が塗工された第1基材27と第2基材28とを挟み込んで圧縮して第1基材27と第2基材28と貼り合わせて積層体29を形成する。ラミネートローラ25、26で形成された積層体29は、巻取りローラ22で巻き取られる。
【0019】
その後、巻取りローラ22で巻き取られた積層体29を所定期間静置してエージングを実施する。例えば、エージングは30~40℃の条件で24~72時間静置して実施する。エージングを実施することで、接着剤を硬化させることができる。
【0020】
制御装置35は、ラミネート装置20を制御する。例えば、制御装置35は、第1巻出しローラ21の巻出し速度、第2巻出しローラ23の巻出し速度、巻取りローラ22の巻取り速度、ラミネートローラ25、26のラミネート条件、印刷部31の印刷条件、塗工部32の塗工条件等を制御する。
【0021】
第1撮像部33は、第1基材27および第2基材28を互いに貼り合わせた直後の積層体29、つまり、ラミネートローラ25、26で形成された直後の積層体29の表面を撮像する。第1撮像部33で撮像された画像は第1画像データとして品質推定システム10に供給される。第1撮像部33は、カメラを用いて構成できる。
【0022】
第2撮像部34は、積層体29を形成した後、所定期間経過後の積層体29の表面、すなわちエージング後の積層体29の表面を撮像する。第2撮像部34で撮像された画像は第2画像データとして品質推定システム10に供給される。第2撮像部34は、カメラを用いて構成できる。
【0023】
品質推定システム10は、ラミネート装置20を用いて第1基材27および第2基材28を接着剤を介して互いに貼り合わせて形成された積層体29の品質を推定するシステムである。以下、品質推定システム10について説明する。
【0024】
図2は、実施の形態にかかる品質推定システム10を説明するためのブロック図である。図2に示すように、品質推定システム10は、第1画像データ取得部11、第2画像データ取得部12、パラメータ情報取得部13、データ格納部14、品質推定モデル生成部15、及び品質推定部16を備える。
【0025】
第1画像データ取得部11は、第1基材27および第2基材28を互いに貼り合わせた直後の積層体29(図1参照)の画像データを第1画像データとして取得する。第1画像データ取得部11で取得された第1画像データは、データ格納部14に格納される。また、積層体29の品質を推定する際、第1画像データ取得部11で取得された第1画像データは、品質推定部16に供給される。
【0026】
第2画像データ取得部12は、積層体29を形成した後、所定期間経過後の積層体29の画像データを、積層体29の品質に対応する第2画像データとして取得する。つまり、第2画像データ取得部12は、エージング後の巻き取りローラ30に捲回されている積層体29の表面の画像データを第2画像データとして取得する。第2画像データ取得部12で取得された第2画像データは、データ格納部14に格納される。
【0027】
パラメータ情報取得部13は、積層体29を形成する際のパラメータ情報を取得する。パラメータ情報は、ラミネート装置20の設定に関する情報、接着剤に関する情報、第1基材27及び第2基材28に関する情報、並びに第1基材27に印刷された画像に関する情報のうちの少なくとも一つを含んでもよい。
【0028】
上述のラミネート装置20の設定に関する情報は、第1基材27及び第2基材28の搬送速度、並びに積層体29を巻取りローラ22で巻き取る際の張力のうちの少なくとも一つを含んでもよい。
【0029】
例えば、第1基材27及び第2基材28の搬送速度が速い場合は、塗工された接着剤面が粗くなり、ラミネート時に気泡が多くなる傾向がある。一方、第1基材27及び第2基材28の搬送速度が遅い場合は、塗工された接着剤面が平滑になり、ラミネート時に気泡が少なくなる傾向がある。
【0030】
また、積層体29を巻取りローラ22で巻き取る際の張力が大きい場合は、ラミネートされた積層体29中の気泡がつぶされるので、気泡が少なくなる傾向がある。一方、積層体29を巻取りローラ22で巻き取る際の張力が小さい場合は、ラミネートされた積層体29中の気泡が残りやすい傾向がある。
【0031】
上述の接着剤に関する情報は、接着剤の種類、接着剤の表面張力、接着剤の温度、接着剤の塗工量、接着剤の粘度、及び塗工後の接着剤の平滑性のうちの少なくとも一つを含んでもよい。例えば、接着剤の温度が高い場合は接着剤の粘度が下がり、塗工された接着剤面が平滑になる。一方、接着剤の温度が低い場合は接着剤の粘度が上がり、塗工された接着剤面が粗くなる。
【0032】
また、接着剤の塗工量が過多となると、エージング中に気泡が発生しやすくなる。一方、接着剤の塗工量が不足すると、ラミネート時に気泡が発生しやすくなる。例えば、塗工部32として接着剤転移ローラを使用した場合、接着剤転移ローラの回転速度が高すぎると、接着剤の塗工量が過多となり、エージング中に気泡が発生しやすくなる。一方、接着剤転移ローラの回転速度が低すぎると、接着剤の塗工量が不足し、ラミネート時に気泡が発生しやすくなる。
【0033】
また、接着剤の粘度が低い場合は、塗工された接着剤面が平滑になり、ラミネート時に気泡が少なくなる傾向がある。一方、接着剤の粘度が高い場合は、塗工された接着剤面が粗くなり、ラミネート時に気泡が多くなる傾向がある。また、塗工後の接着剤の平滑性が高い場合、つまり塗工後の接着剤面が平滑である場合は、ラミネート時に気泡が少なくなる傾向がある。一方、塗工後の接着剤の平滑性が低い場合、つまり塗工後の接着剤面が粗い場合は、ラミネート時に気泡が多くなる傾向がある。
【0034】
上述の第1基材27及び第2基材28に関する情報は、第1基材27の種類、第2基材28の種類、及び第1基材27と第2基材28の層構成のうちの少なくとも一つを含んでもよい。例えば、第1基材27と第2基材28の層構成によっては外観不良が発生しやすい組み合わせもある。一例を挙げると、OPP(Oriented Polypropylene)とCPP(Cast Polypropylene)の組み合わせは外観不良が発生しにくい傾向がある。一方、OPPとVMCPP(Vacuum Metallizing Cast Polypropylene)の組み合わせは外観不良が発生しやすい傾向がある。PET(Polyethylene Terephthalate)とVMPET(Vacuum Metallizing Polyethylene Terephthalate)の組み合わせは外観不良がより発生しやすい傾向がある。
【0035】
上述の第1基材27に印刷された画像に関する情報は、第1基材27に印刷されたインキの種類に関する情報、第1基材27上における印刷された画像の平滑性に関する情報、第1基材27に印刷されたインキの表面張力に関する情報、第1基材27に印刷されたインキの含水率に関する情報、及び第1基材27に印刷された模様に関する情報のうちの少なくとも一つを含んでもよい。
【0036】
例えば、第1基材27上に印刷されたインキの表面が平滑な場合は、ラミネート時に気泡が少なくなる傾向がある。一方、第1基材27上に印刷されたインキの表面が粗い場合は、ラミネート時に気泡が多くなる傾向がある。また、第1基材27に印刷された模様に関する情報にはインキありの箇所とインキなしの箇所の段差に関する情報が含まれている。例えば、インキありの箇所とインキなしの箇所の段差が大きい場合は、エージング後も気泡が多くなる傾向がある。一方、インキありの箇所とインキなしの箇所の段差が小さい場合は、エージング後の気泡が少なくなる傾向がある。
【0037】
なお、上述のパラメータは一例であり、本実施の形態では上述したパラメータ以外のパラメータを用いてもよい。
【0038】
図2に示すデータ格納部14は、第1画像データ取得部11で取得された第1画像データ、第2画像データ取得部12で取得された第2画像データ、及びパラメータ情報取得部13で取得されたパラメータ情報を格納する。
【0039】
品質推定モデル生成部15は、データ格納部14に格納されている第1画像データ、第2画像データ、及びパラメータ情報を取得する。そして図3に示すように、品質推定モデル生成部15は、第1画像データ、第2画像データ、及びパラメータ情報を教師データとして機械学習させ、積層体29の品質推定モデルを生成する。生成された品質推定モデルは、品質推定部16に供給される。
【0040】
品質推定モデル生成部15は、第1画像データに含まれる気泡の数、第2画像データに含まれる気泡の数、及びパラメータ情報を用いて品質推定モデルを生成してもよい。このとき、品質推定モデル生成部15は、第1画像データに対して2値化処理を実施し、当該二値化処理後の第1画像データを用いて気泡の数および気泡の大きさを求めてもよい。同様に品質推定モデル生成部15は、第2画像データに対して2値化処理を実施し、当該二値化処理後の第2画像データを用いて気泡の数および気泡の大きさを求めてもよい。
【0041】
例えば、品質推定モデル生成部15は、畳み込みニューラルネットワーク(CNN:Convolutional neural network)等の公知の機械学習アルゴリズムを用いて、第1画像データ、第2画像データ、及びパラメータ情報との関係を教師データとして機械学習させることで品質推定モデルを生成できる。公知の機械学習アルゴリズムとしては、VGG19、Inception V3、ResNet等を使用できる。
【0042】
例えば、品質推定モデル生成部15は、エージング後の積層体29の第2画像データのうち品質が良好な積層体29の第2画像データと、品質が良好な第2画像データと対応する第1画像データおよびパラメータ情報と、を教師データとして用いて機械学習させてもよい。ここで、品質が良好な積層体29とは、気泡の数が少ない(または気泡が含まれない)積層体である。
【0043】
また、品質推定モデル生成部15は、エージング後の積層体29の第2画像データのうち品質が良好な積層体29以外の第2画像データと、これらの第2画像データと対応する第1画像データおよびパラメータ情報と、を教師データとして更に用いて機械学習させてもよい。換言すると、品質推定モデル生成部15は、あらゆる品質の積層体29の第2画像データと、これらの第2画像データと対応する第1画像データおよびパラメータ情報と、を教師データとして用いて機械学習させてもよい。
【0044】
このように、品質推定モデル生成部15は、第1画像データ、第2画像データ、及びパラメータ情報を教師データとして機械学習させることで、第1画像データ及びパラメータ情報からエージング後の積層体の品質を推定可能な品質推定モデルを生成できる。
【0045】
品質推定部16は、品質推定モデル生成部15で生成された品質推定モデルに、第1画像データとパラメータ情報とを入力することで、積層体29の品質(つまり、エージング後の積層体29の品質)を推定する。具体的には図2図4に示すように、品質推定部16は、品質推定モデル生成部15で生成された品質推定モデルを取得する。また、品質推定部16には、第1画像データ取得部11から第1画像データが、パラメータ情報取得部13からパラメータ情報がそれぞれ供給される。そして、品質推定部16は、品質推定モデルに第1画像データとパラメータ情報とを入力することで、エージング後の積層体29の品質を推定する。
【0046】
以上で説明したように、本実施の形態では、ラミネート直後の積層体の第1画像データ、エージング後の積層体の第2画像データ、及びパラメータ情報を教師データとして機械学習させ、積層体の品質推定モデルを生成している。そして、この品質推定モデルに第1画像データとパラメータ情報とを入力することで、エージング後の積層体の品質を推定している。したがって、ラミネート直後の積層体の第1画像データを用いてエージング後の積層体の品質を推定できるので、ラミネート装置で積層体を形成した後、積層体の品質を迅速に推定することができる。
【0047】
また、ラミネート直後の積層体に気泡が含まれている場合でも、エージング後の積層体では気泡が少なくなり品質が良好となる場合がある。逆に、ラミネート直後の積層体に含まれる気泡が少ない場合でも、エージング後の積層体では気泡が多くなり品質が劣化する場合もある。このように、ラミネート直後の積層体からエージング後の積層体の品質を予測することは困難であった。これに対して本実施の形態では、ラミネート直後の積層体の第1画像データ、エージング後の積層体の第2画像データ、及びパラメータ情報を教師データとして機械学習させ、積層体の品質推定モデルを生成し、この品質推定モデルを用いてエージング後の積層体の品質を推定している。したがって、ラミネート直後の積層体の第1画像データを用いてエージング後の積層体の品質を正確に推定できる。
【0048】
なお、本実施の形態では、ラミネート装置20に赤外線塗工量計を設け、この赤外線塗工量計を用いて接着剤の塗工量を測定してもよい。このような構成により、接着剤の塗工量をリアルタイムかつ正確に測定できる。
【0049】
また、本実施の形態では、ラミネート装置20にインライン粘度計を設け、このインライン粘度計を用いて接着剤の粘度を測定してもよい。このような構成により、接着剤の粘度をリアルタイムかつ正確に測定できる。
【0050】
また、ラミネート装置20が備える制御装置35は、品質推定システム10で推定された積層体29の品質に応じてラミネート装置20を制御してもよい。例えば、品質推定システム10で推定された積層体29の品質が良好でない場合は、積層体29の品質が良好となるように、機械学習の結果に基づいてラミネート装置20のパラメータの設定を変更してもよい。例えば、制御装置35は、第1基材27及び第2基材28の搬送速度、積層体29を巻取りローラ22で巻き取る際の張力等を調整してもよい。このような構成とすることで、品質のよい積層体29を製造することができる。また、機械学習の結果に基づいて、ラミネート装置20のパラメータを容易に決定できるので、熟練しているユーザでなくても品質のよい積層体を製造することができる。
【0051】
図5は、複数のラミネート装置を含むラミネートシステムの構成例を示すブロック図である。図5に示すラミネートシステム2は、品質推定システム10と複数のラミネート装置20a~20cとを備える。品質推定システム10はネットワーク40を介して複数のラミネート装置20a~20cと接続されている。図5に示すラミネートシステムにおいて、品質推定システム10は、各々のラミネート装置20a~20cで形成された積層体の品質を推定する。なお、各々のラミネート装置20a~20cの構成は、図1に示したラミネート装置20の構成と同様である。
【0052】
品質推定システム10の第1画像データ取得部11(図2参照)は、各々のラミネート装置20a~20cからネットワーク40を介して第1画像データを取得する。第2画像データ取得部12(図2参照)は、各々のラミネート装置20a~20cからネットワーク40を介して第2画像データを取得する。パラメータ情報取得部13(図2参照)は、各々のラミネート装置20a~20cからネットワーク40を介してパラメータ情報を取得する。
【0053】
品質推定モデル生成部15(図2参照)は、各々のラミネート装置20a~20c毎に品質推定モデルを生成する。このとき、品質推定モデル生成部15は、ラミネート装置の種類に応じた品質推定モデルを生成してもよい。つまり、各々のラミネート装置20a~20cは、ラミネート装置の種類が異なる場合や、使用する第1基材27、第2基材28、接着剤等も異なる場合がある。このため品質推定モデル生成部15は、ラミネート装置20a~20c毎に品質推定モデルを生成する。
【0054】
品質推定部16(図2参照)は、各々のラミネート装置20a~20cからネットワーク40を介して第1画像データ及びパラメータ情報を取得し、当該取得した第1画像データ及びパラメータ情報をラミネート装置20a~20c毎の品質推定モデルに入力することで、ラミネート装置20a~20c毎に積層体の品質を推定する。
【0055】
図5に示すラミネートシステム2においても、各々のラミネート装置20a~20cで積層体を形成した後、積層体の品質を迅速に推定することができる。また、図5に示すラミネートシステム2では、品質推定システム10は、複数のラミネート装置20a~20cにおける第1画像データ、第2画像データ、及びパラメータ情報を取得できる。このため、品質推定システム10が取得したこれらのデータを解析することで、高品質な積層体を製造するための情報、つまりラミネート装置の設定に関する情報、接着剤に関する情報、第1基材及び第2基材に関する情報、並びに第1基材に印刷された画像に関する情報等を取得できる。また、このようにして取得した情報を用いて、各々のラミネート装置20a~20cを制御(フィードバック制御)することで、より高品質の積層体を製造することができる。
【0056】
次に、図6を用いて、本実施の形態にかかる品質推定システム10のハードウェア構成例を説明する。品質推定システム10は、プロセッサ101と、メモリ102とを有している。プロセッサ101は、例えば、マイクロプロセッサ、MPU(Micro Processing Unit)、又はCPU(Central Processing Unit)であってもよい。プロセッサ101は、複数のプロセッサを含んでもよい。メモリ102は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成される。メモリ102は、プロセッサ101から離れて配置されたストレージを含んでもよい。この場合、プロセッサ101は、図示されていない入出力インタフェースを介してメモリ102にアクセスしてもよい。
【0057】
また、上述の実施の形態における各装置は、ハードウェア又はソフトウェア、もしくはその両方によって構成され、1つのハードウェア又はソフトウェアから構成してもよいし、複数のハードウェア又はソフトウェアから構成してもよい。上述の実施の形態における各装置の機能(処理)を、コンピュータにより実現してもよい。例えば、メモリ102に実施の形態における動作を行うためのプログラムを格納し、各機能を、メモリ102に格納されたプログラムをプロセッサ101で実行することにより実現してもよい。
【0058】
本実施の形態に係る品質推定用のプログラムは、ラミネート装置を用いて第1基材および第2基材を接着剤を介して互いに貼り合わせて形成された積層体の品質を推定する品質推定用のプログラムであって、(1)第1基材および第2基材を互いに貼り合わせた直後の積層体の画像データを第1画像データとして取得し、(2)積層体を形成した後、所定期間経過後の積層体の画像データを前記積層体の品質に対応する第2画像データとして取得し、(3)積層体を形成する際のパラメータ情報を取得し、(4)第1画像データ、第2画像データ、及び前記パラメータ情報を教師データとして機械学習させ、積層体の品質推定モデルを生成し、(5)第1画像データ及びパラメータ情報を品質推定モデルに入力することで、積層体の品質を推定する、処理をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0059】
プログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、実施の形態で説明された1又はそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリ、solid-state drive(SSD)又はその他のメモリ技術、CD-ROM、digital versatile disk(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、またはその他の形式の伝搬信号を含む。
【0060】
以上、本発明を上記実施形態に即して説明したが、本発明は上記実施の形態の構成にのみ限定されるものではなく、本願特許請求の範囲の請求項の発明の範囲内で当業者であればなし得る各種変形、修正、組み合わせを含むことは勿論である。
【符号の説明】
【0061】
1、2 ラミネートシステム
10 品質推定システム
11 第1画像データ取得部
12 第2画像データ取得部
13 パラメータ情報取得部
14 データ格納部
15 品質推定モデル生成部
16 品質推定部
20 ラミネート装置
21 第1巻出しローラ
22 巻取りローラ
23 第2巻出しローラ
24 ガイドローラ
25、26 ラミネートローラ
27 第1基材
28 第2基材
29 積層体
30 エージング後の巻き取りローラ
31 印刷部
32 塗工部
33 第1撮像部
34 第2撮像部
35 制御装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2023-07-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラミネート装置を用いて第1基材および第2基材を接着剤を介して互いに貼り合わせて形成された積層体の品質を推定する品質推定システムであって、
前記第1基材および前記第2基材を互いに貼り合わせた直後の前記積層体の画像データを第1画像データとして取得する第1画像データ取得部と、
前記積層体を形成した後、エージング後の前記積層体の画像データを前記積層体の品質に対応する第2画像データとして取得する第2画像データ取得部と、
前記積層体を形成する際のパラメータ情報を取得するパラメータ情報取得部と、
前記第1画像データ、前記第2画像データ、及び前記パラメータ情報を教師データとして機械学習させ、前記積層体の品質推定モデルを生成する品質推定モデル生成部と、
前記第1画像データと前記パラメータ情報とを前記品質推定モデルに入力することで、前記積層体の品質を推定する品質推定部と、を備える、
品質推定システム。
【請求項2】
前記パラメータ情報は、前記ラミネート装置の設定に関する情報、前記接着剤に関する情報、前記第1及び第2基材に関する情報、並びに前記第1基材に印刷された画像に関する情報のうちの少なくとも一つを含む、請求項1に記載の品質推定システム。
【請求項3】
前記ラミネート装置の設定に関する情報は、前記第1及び第2基材の搬送速度、並びに前記積層体を巻取りローラを用いて巻き取る際の張力のうちの少なくとも一つを含む、請求項2に記載の品質推定システム。
【請求項4】
前記接着剤に関する情報は、前記接着剤の種類、前記接着剤の表面張力、前記接着剤の温度、前記接着剤の塗工量、前記接着剤の粘度、及び塗工後の前記接着剤の平滑性のうちの少なくとも一つを含む、請求項2に記載の品質推定システム。
【請求項5】
前記第1及び第2基材に関する情報は、前記第1基材の種類、前記第2基材の種類、及び前記第1基材と前記第2基材の層構成のうちの少なくとも一つを含む、請求項2に記載の品質推定システム。
【請求項6】
前記第1基材に印刷された画像に関する情報は、前記第1基材に印刷されたインキの種類に関する情報、前記第1基材上における前記印刷された画像の平滑性に関する情報、前記第1基材に印刷されたインキの表面張力に関する情報、前記第1基材に印刷されたインキの含水率に関する情報、及び前記第1基材に印刷された模様に関する情報のうちの少なくとも一つを含む、請求項2に記載の品質推定システム。
【請求項7】
前記品質推定モデル生成部は、前記第1画像データに含まれる気泡の数、前記第2画像データに含まれる気泡の数、及び前記パラメータ情報を用いて前記品質推定モデルを生成する、請求項1に記載の品質推定システム。
【請求項8】
前記品質推定モデル生成部は、前記第1画像データに対して2値化処理を実施し、当該二値化処理後の第1画像データを用いて前記気泡の数を求める、請求項7に記載の品質推定システム。
【請求項9】
前記品質推定モデル生成部は、前記ラミネート装置の種類に応じた品質推定モデルを生成する、請求項1に記載の品質推定システム。
【請求項10】
前記品質推定システムはネットワークを介して複数のラミネート装置と接続されており、
前記第1画像データ取得部は、前記各々のラミネート装置から前記ネットワークを介して前記第1画像データを取得し、
前記第2画像データ取得部は、前記各々のラミネート装置から前記ネットワークを介して前記第2画像データを取得し、
前記パラメータ情報取得部は、前記各々のラミネート装置から前記ネットワークを介して前記パラメータ情報を取得し、
前記品質推定モデル生成部は、前記各々のラミネート装置毎に前記品質推定モデルを生成し、
前記品質推定部は、前記各々のラミネート装置から前記ネットワークを介して前記第1画像データ及び前記パラメータ情報を取得し、当該取得した第1画像データ及びパラメータ情報を前記ラミネート装置毎の前記品質推定モデルに入力することで、前記ラミネート装置毎に前記積層体の品質を推定する、
請求項1に記載の品質推定システム。
【請求項11】
前記ラミネート装置と、
請求項1~10のいずれか一項に記載の品質推定システムと、を備えるラミネートシステムであって、
前記ラミネート装置が備える制御装置は、前記品質推定システムで推定された前記積層体の品質に応じて前記ラミネート装置を制御する、
ラミネートシステム。
【請求項12】
ラミネート装置を用いて第1基材および第2基材を接着剤を介して互いに貼り合わせて形成された積層体の品質を推定する品質推定方法であって、
前記第1基材および前記第2基材を互いに貼り合わせた直後の前記積層体の画像データを第1画像データとして取得し、
前記積層体を形成した後、エージング後の前記積層体の画像データを前記積層体の品質に対応する第2画像データとして取得し、
前記積層体を形成する際のパラメータ情報を取得し、
前記第1画像データ、前記第2画像データ、及び前記パラメータ情報を教師データとして機械学習させ、前記積層体の品質推定モデルを生成し、
前記第1画像データ及び前記パラメータ情報を前記品質推定モデルに入力することで、前記積層体の品質を推定する、
品質推定方法。
【請求項13】
ラミネート装置を用いて第1基材および第2基材を接着剤を介して互いに貼り合わせて形成された積層体の品質を推定する品質推定用のプログラムであって、
前記第1基材および前記第2基材を互いに貼り合わせた直後の前記積層体の画像データを第1画像データとして取得し、
前記積層体を形成した後、エージング後の前記積層体の画像データを前記積層体の品質に対応する第2画像データとして取得し、
前記積層体を形成する際のパラメータ情報を取得し、
前記第1画像データ、前記第2画像データ、及び前記パラメータ情報を教師データとして機械学習させ、前記積層体の品質推定モデルを生成し、
前記第1画像データ及び前記パラメータ情報を前記品質推定モデルに入力することで、前記積層体の品質を推定する、処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。