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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024033241
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】運転データ出力装置
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20240306BHJP
   G07C 5/00 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
G08G1/00 D
G07C5/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022136723
(22)【出願日】2022-08-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005463
【氏名又は名称】日野自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100130052
【弁理士】
【氏名又は名称】大阪 弘一
(72)【発明者】
【氏名】岡田 祐一
(72)【発明者】
【氏名】近藤 大介
(72)【発明者】
【氏名】望月 貴司
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 明彦
【テーマコード(参考)】
3E138
5H181
【Fターム(参考)】
3E138AA07
3E138CA03
3E138DA01
3E138DA07
3E138DB02
3E138DB08
3E138DB09
3E138MA01
3E138MB03
3E138MB04
3E138MB11
3E138MB12
3E138MB13
3E138MB14
3E138MD03
3E138MD05
5H181AA01
5H181FF10
(57)【要約】
【課題】運転時の環境に基づく出力を行うこと。
【解決手段】運転データ出力装置1は、車両の運転時の操作に関する運転操作データと、当該運転時の環境に関する運転環境データとが対応付いた運転データを格納する格納部10と、格納部10によって格納された異なる二つ以上の運転データに基づく出力を行う出力部12と、を備える。運転データは、運転時の燃費がさらに対応付いていてもよい。操作は、車両の燃費に影響を与える操作を含んでもよい。環境は、車両の燃費に影響を与える環境を含んでもよい。出力は、異なる二つ以上の運転データの比較に基づく出力を含んでもよい。出力は、燃費改善に関する出力を含んでもよい。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の運転時の操作に関する運転操作データと、当該運転時の環境に関する運転環境データとが対応付いた運転データを格納する格納部と、
前記格納部によって格納された異なる二つ以上の運転データに基づく出力を行う出力部と、
を備える運転データ出力装置。
【請求項2】
運転データは、前記運転時の燃費がさらに対応付いている、
請求項1に記載の運転データ出力装置。
【請求項3】
前記操作は、前記車両の燃費に影響を与える操作を含む、
請求項1に記載の運転データ出力装置。
【請求項4】
前記操作は、アクセル開度、無噴射走行、空ぶかし、波状運転、発進加速度、補助ブレーキ走行、アイドルストップ、シフトアップ時のエンジン回転数、又は、エコモード走行の少なくとも一つに関する操作を含む、
請求項1又は3に記載の運転データ出力装置。
【請求項5】
前記環境は、前記車両の燃費に影響を与える環境を含む、
請求項1に記載の運転データ出力装置。
【請求項6】
前記環境は、前記車両の発進、停止、車速若しくはDPR(Diesel Particulate Filter)再生、道路の勾配、GVW(Gross Vehicle Weight)、又は、交通渋滞の少なくとも一つに関する環境を含む、
請求項1又は5に記載の運転データ出力装置。
【請求項7】
前記出力は、前記異なる二つ以上の運転データの比較に基づく出力を含む、
請求項1に記載の運転データ出力装置。
【請求項8】
前記出力は、燃費改善に関する出力を含む、
請求項1又は7に記載の運転データ出力装置。
【請求項9】
前記異なる二つ以上の運転データは、仕様又は使われ方の少なくとも一つが類似する二つ以上の車両それぞれの運転データを含む、
請求項1に記載の運転データ出力装置。
【請求項10】
運転データは、前記運転時の燃費がさらに対応付いており、
前記異なる二つ以上の運転データは、一の運転データと、当該一の運転データに対応付いている燃費よりも優れた燃費が対応付いている一つ以上の運転データとを含む、
請求項1又は9に記載の運転データ出力装置。
【請求項11】
前記異なる二つ以上の運転データは、一のユーザによる異なるタイミングでの運転それぞれの運転データを含む、
請求項1に記載の運転データ出力装置。
【請求項12】
前記異なる二つ以上の運転データは、一のユーザが運転に関する教習を受ける前の当該一のユーザによる運転の運転データと、当該一のユーザが当該教習を受けた後の当該一のユーザによる一つ以上の運転それぞれの運転データとを含む、
請求項1又は11に記載の運転データ出力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の一側面は、車両の運転時の操作に関する運転操作データと、当該運転時の環境に関する運転環境データとが対応付いた運転データに基づく出力を行う運転データ出力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1では、同一作業場所における同一機体の過去の最小の燃料消費量であった作業期間のエンジン回転数情報および移動速度情報を機体識別情報に対応した所定の通信端末に送信する遠隔サーバが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-045268号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記遠隔サーバによれば、機体の過去の最小の燃料消費量であった作業期間のエンジン回転数情報および移動速度情報が送信される。しかしながら、当該作業期間の機体の運転時の環境については送信されないため、例えば、エンジン回転数情報および移動速度情報を受信したユーザは当該環境を加味した判断を行うことはできない。そこで、運転時の環境に基づく出力を行うことが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一側面に係る運転データ出力装置は、車両の運転時の操作に関する運転操作データと、当該運転時の環境に関する運転環境データとが対応付いた運転データを格納する格納部と、格納部によって格納された異なる二つ以上の運転データに基づく出力を行う出力部と、を備える。このような側面においては、車両の運転時の操作に関する運転操作データが対応付いた運転データに基づく出力が行われるため、運転時の操作に基づく出力を行うことができる。また、車両の運転時の環境に関する運転環境データが対応付いた運転データに基づく出力が行われるため、運転時の環境に基づく出力を行うことができる。また、運転操作データと運転環境データとが対応付いた運転データに基づく出力が行われるため、運転時の操作及び環境に基づく出力を行うことができる。
【0006】
また、本開示の一側面に係る運転データ出力装置において、運転データは、運転時の燃費がさらに対応付いていてもよい。このような側面においては、運転時の燃費がさらに対応付いた運転データに基づく出力が行われるため、運転時の燃費に基づく出力を行うことができる。
【0007】
また、本開示の一側面に係る運転データ出力装置において、操作は、車両の燃費に影響を与える操作を含んでもよい。このような側面においては、車両の燃費に影響を与える操作に関する運転操作データが対応付いた運転データに基づく出力が行われるため、車両の燃費に影響を与える操作に基づく出力を行うことができる。
【0008】
また、本開示の一側面に係る運転データ出力装置において、操作は、アクセル開度、無噴射走行、空ぶかし、波状運転、発進加速度、補助ブレーキ走行、アイドルストップ、シフトアップ時のエンジン回転数、又は、エコモード走行の少なくとも一つに関する操作を含んでもよい。このような側面においては、アクセル開度、無噴射走行、空ぶかし、波状運転、発進加速度、補助ブレーキ走行、アイドルストップ、シフトアップ時のエンジン回転数、又は、エコモード走行の少なくとも一つに関する操作に関する運転操作データが対応付いた運転データに基づく出力が行われるため、それらの少なくとも一つに関する操作に基づく出力を行うことができる。
【0009】
また、本開示の一側面に係る運転データ出力装置において、環境は、車両の燃費に影響を与える環境を含んでもよい。このような側面においては、車両の燃費に影響を与える環境に関する運転環境データが対応付いた運転データに基づく出力が行われるため、車両の燃費に影響を与える環境に基づく出力を行うことができる。
【0010】
また、本開示の一側面に係る運転データ出力装置において、環境は、車両の発進、停止、車速若しくはDPR(Diesel Particulate Filter)再生、道路の勾配、GVW(Gross Vehicle Weight)、又は、交通渋滞の少なくとも一つに関する環境を含んでもよい。このような側面においては、車両の発進、停止、車速若しくはDPR再生、道路の勾配、GVW、又は、交通渋滞の少なくとも一つに関する環境に関する運転環境データが対応付いた運転データに基づく出力が行われるため、それらの少なくとも一つに関する環境に基づく出力を行うことができる。
【0011】
また、本開示の一側面に係る運転データ出力装置において、出力は、異なる二つ以上の運転データの比較に基づく出力を含んでもよい。このような側面においては、異なる二つ以上の運転データの比較に基づく出力を行うことができる。
【0012】
また、本開示の一側面に係る運転データ出力装置において、出力は、燃費改善に関する出力を含んでもよい。このような側面においては、燃費改善に関する出力を行うことができる。
【0013】
また、本開示の一側面に係る運転データ出力装置において、異なる二つ以上の運転データは、仕様又は使われ方の少なくとも一つが類似する二つ以上の車両それぞれの運転データを含んでもよい。このような側面においては、仕様又は使われ方の少なくとも一つが類似する二つ以上の車両それぞれの運転データに基づく出力を行うことができる。それにより、例えば、ユーザは類似する車両間で運転データの比較を行うことができる。
【0014】
また、本開示の一側面に係る運転データ出力装置において、運転データは、運転時の燃費がさらに対応付いており、異なる二つ以上の運転データは、一の運転データと、当該一の運転データに対応付いている燃費よりも優れた燃費が対応付いている一つ以上の運転データとを含んでもよい。このような側面においては、一の運転データと、当該一の運転データに対応付いている燃費よりも優れた燃費が対応付いている一つ以上の運転データとに基づく出力を行うことができる。それにより、例えば、ユーザは自分の運転の運転データと、自分の運転より燃費が優れた運転の運転データとの比較を行うことができる。
【0015】
また、本開示の一側面に係る運転データ出力装置において、異なる二つ以上の運転データは、一のユーザによる異なるタイミングでの運転それぞれの運転データを含んでもよい。このような側面においては、一のユーザによる異なるタイミングでの運転それぞれの運転データに基づく出力を行うことができる。それにより、例えば、ユーザは異なるタイミングでの自分の運転の運転データの比較を行うことができる。
【0016】
また、本開示の一側面に係る運転データ出力装置において、異なる二つ以上の運転データは、一のユーザが運転に関する教習を受ける前の当該一のユーザによる運転の運転データと、当該一のユーザが当該教習を受けた後の当該一のユーザによる一つ以上の運転それぞれの運転データとを含んでもよい。このような側面においては、一のユーザが運転に関する教習を受ける前の当該一のユーザによる運転の運転データと、当該一のユーザが当該教習を受けた後の当該一のユーザによる一つ以上の運転それぞれの運転データとに基づく出力を行うことができる。それにより、例えば、ユーザは運転に関する教習を受ける前後の自分の運転の運転データの比較を行うことができる。
【発明の効果】
【0017】
本開示の一側面によれば、運転時の環境に基づく出力を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施形態に係る運転データ出力装置の機能構成の一例を示す図である。
図2】実施形態に係る運転データ出力装置で用いられるコンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】運転データのテーブル例を示す図である。
図4図3のテーブル例のうち運転操作データ部分を詳細化した図である。
図5図3のテーブル例のうち運転環境データ部分を詳細化した図である。
図6】レポートの一例を示す図である。
図7図6のレポートのうち運転操作部分を詳細化した図である。
図8図6のレポートのうち運転環境部分を詳細化した図である。
図9】実施形態に係る運転データ出力装置の出力結果の利用例を示す図である。
図10】実施形態に係る運転データ出力装置が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら本開示での実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、以下の説明における本開示での実施形態は、本発明の具体例であり、特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの実施形態に限定されないものとする。
【0020】
図1は、実施形態に係る運転データ出力装置1(運転データ出力装置)の機能構成の一例を示す図である。運転データ出力装置1は、車両の運転時におけるデータに基づく出力を行うコンピュータ装置(サーバ)である。
【0021】
車両は、トラック、自動車、二輪車、電車など、車輪のついた乗り物である。車両は、人であるドライバーが手動の操作で運転を行うことを想定するが、これに限るものではなく、例えば自動運転が行われてもよい。
【0022】
運転データ出力装置1が対象とする各車両には、当該車両に関する任意のデータを任意のタイミングで取得して、運転データ出力装置1に当該データを任意のタイミングで無線通信などのICT(Information and Communication Technology)により送信可能な装置が予め備えられてもよい。
【0023】
上述の車両に関する任意のデータの具体例として、車両の(ドライバーによる)運転時の操作に関するデータである運転操作データ、当該運転時の環境に関するデータである運転環境データ、及び、当該運転時の燃費(に関するデータ)が挙げられる。上述の車両に関する任意のデータは、運転操作データ、運転環境データ又は燃費の少なくとも一つが対応付いた運転データであってもよい。すなわち、運転データは、運転操作データ(のみ)であってもよいし、運転環境データ(のみ)であってもよいし、燃費(のみ)であってもよいし、運転操作データと運転環境データとが対応付いたデータであってもよいし、運転操作データと燃費とが対応付いたデータであってもよいし、運転環境データと燃費とが対応付いたデータであってもよいし、運転操作データと運転環境データと燃費とが対応付いたデータであってもよい。運転データには、車両に関するその他の任意のデータが対応付いていてもよい。例えば、運転データは、車両を識別する車両識別情報、車両のドライバー(ユーザ)を識別するドライバー識別情報、車両の運転時の走行距離、車両の仕様(後述)、車両の使われ方(後述)、又は、車両の運転時の日にち、日時若しくは時期がさらに対応付いていてもよい。本実施形態では、各車両は自車両の運転データを取得し、取得した運転データを運転データ出力装置1に定期的に送信することを想定するが、これに限るものではない。
【0024】
運転データに含まれる各データ(識別情報など、統計量を適用するのが適切ではないデータは除く)は、所定の期間などの、平均値、順位、パーセンタイル、又は、偏差値であってもよい。すなわち、任意の統計量で示されてもよい。本実施形態では、運転データに含まれる各データ(上述の通り識別情報などは除く)は平均値であることを想定し、各データが平均値である旨の説明は省略するが、平均値に限るものではない。
【0025】
上述の(運転操作データにおける)車両の運転時の操作は、車両の燃費に影響を与える操作(因子)を含んでもよい。上述の車両の運転時の操作は、アクセル開度、無噴射走行、空ぶかし、波状運転、発進加速度、補助ブレーキ走行、アイドルストップ、シフトアップ時のエンジン回転数、又は、エコモード走行の少なくとも一つに関する操作を含んでもよい。
【0026】
上述の(運転環境データにおける)車両の運転時の環境は、車両の燃費に影響を与える環境(因子)を含んでもよい。上述の車両の運転時の環境は、車両の発進、停止、車速若しくはDPR(Diesel Particulate Filter)再生、道路の勾配、GVW(Gross Vehicle Weight)、又は、交通渋滞の少なくとも一つに関する環境を含んでもよい。
【0027】
図1に示す通り、運転データ出力装置1は、格納部10(格納部)、取得部11、及び、出力部12(出力部)を含んで構成される。
【0028】
運転データ出力装置1の各機能ブロックは、運転データ出力装置1内にて機能することを想定しているが、これに限るものではない。例えば、運転データ出力装置1の機能ブロックの一部は、運転データ出力装置1とは異なるコンピュータ装置であって、運転データ出力装置1とネットワーク接続されたコンピュータ装置内において、運転データ出力装置1と情報を適宜送受信しつつ機能してもよい。また、運転データ出力装置1の一部の機能ブロックは無くてもよいし、複数の機能ブロックを一つの機能ブロックに統合してもよいし、一つの機能ブロックを複数の機能ブロックに分解してもよい。
【0029】
図2は、運転データ出力装置1で用いられるコンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。運転データ出力装置1は物理的には、図2に示すように、中央処理装置(プロセッサ)であるCPU(Central Processing Unit)100、主記憶装置であるRAM(Random access memory)101及びROM(Read Only Memory)102、キーボード、マイク及びディスプレイなどの入出力装置103、データ送受信デバイスである通信モジュール104、並びに、ハードディスク及びSSD(Solid State Drive)などの補助記憶装置105を含むコンピュータシステムとして構成されている。CPU100、RAM101及びROM102、入出力装置103、通信モジュール104、並びに、補助記憶装置105は、それぞれ複数で構成されてもよい。図1に示す各機能ブロックの機能は、図2に示すCPU100、RAM101などのハードウェア上に所定のコンピュータソフトウェアを読み込ませることにより、CPU100の制御のもとで入出力装置103及び通信モジュール104を動作させるとともに、RAM101及び補助記憶装置105におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。
【0030】
以下、図1に示す運転データ出力装置1の各機能について説明する。
【0031】
格納部10は、運転データを格納する。例えば、格納部10は、運転操作データ、運転環境データ又は燃費の少なくとも一つが対応付いた運転データを格納する。
【0032】
図3は、運転データのテーブル例を示す図である。図3に示すテーブル例の通り、運転データは、ドライバーを識別するドライバー識別情報(ユーザ)と、当該トライバーによる車両の運転時の走行距離と、当該運転時の燃費(走行燃費)と、当該運転時の操作に関する運転操作データ(運転操作)と、当該運転時の環境に関する運転環境データ(運転環境)とを含んで構成される。図3において、図面の制約上、運転操作データ及び運転環境データは一部内容を省略して表示している。
【0033】
図4は、図3のテーブル例のうち運転操作データ部分を詳細化した図である。なお、理解容易性のため、テーブル例にはドライバー識別情報を対応付けている。図4に示すテーブル例の通り、運転操作データは、車速ありAcc50%以下比率(単位は%)と、無噴射走行比率(又は無噴射走行距離比率)(単位は%)と、空ぶかし頻度(単位は回/km)と、波状運転頻度(単位は回/km)と、平均発進加速度(単位はm/s)と、補助ブレーキ走行比率(単位は%)と、アイドルストップ頻度(単位は回/km)と、エコモード走行距離比率(単位は%)とを含んで構成される。
【0034】
図5は、図3のテーブル例のうち運転環境データ部分を詳細化した図である。なお、理解容易性のため、テーブル例にはドライバー識別情報を対応付けている。図5に示すテーブル例の通り、運転環境データは、発進頻度(単位は回/km)と、停止頻度(単位は回/km)と、平均車速(km/h)と、平均上り勾配(単位は%)と、平均下り勾配(単位は%)と、渋滞頻度(分/km)と、DPR再生頻度(分/km)とを含んで構成される。
【0035】
格納部10は、運転データ出力装置1の処理などで利用又は出力されるその他の任意の情報を格納してもよい。格納部10は、運転データ出力装置1の各機能にて算出される情報を格納してもよい。格納部10によって格納された情報は、運転データ出力装置1の各機能によって適宜参照されてもよい。
【0036】
取得部11は、運転データを取得する。取得部11は、運転データ出力装置1が対象とする各車両から運転データをICTにより取得(受信)してもよいし、ネットワークで接続された他の装置から運転データをICTにより取得(受信)してもよい。取得部11は、取得した運転データを格納部10によって格納させる。
【0037】
取得部11は、後述の出力部12による指示に基づいて運転データを取得してもよい。
【0038】
出力部12は、格納部10によって格納された異なる二つ以上の運転データに基づく出力を行う。より具体的には、出力部12は、格納部10によって格納された運転データのうち異なる二つ以上の運転データを抽出し、抽出した異なる二つ以上の運転データに基づく出力を行う。出力部12は、目的とする運転データを抽出できない場合は、当該運転データを取得部11によって取得させ、取得された当該運転データを利用してもよい。出力部12が行う出力は、例えば、入出力装置103の一つであるディスプレイへの表示、入出力装置103の一つであるスピーカへの音声出力、又は、ネットワークを介した他の装置への情報送信などである。例えば、出力部12は、異なる二つ以上の運転データを整理したレポートを生成し、生成したレポートを出力してもよい。例えば、出力部12は、異なる二つ以上の運転データを整理したレポートをディスプレイに表示してもよい。
【0039】
出力部12が行う出力は、異なる二つ以上の運転データの比較に基づく出力を含んでもよい。例えば、出力部12が行う出力は、異なる二つ以上の運転データの比較結果を出力すること、又は、当該比較結果に基づいたユーザへのアドバイス若しくはコメントを出力することを含んでもよい。
【0040】
出力部12が行う出力は、燃費改善に関する出力を含んでもよい。例えば、出力部12が行う出力は、燃費改善のためのユーザへのアドバイス若しくはコメントを出力することを含んでもよい。
【0041】
出力部12が行う出力が基づく、異なる二つ以上の運転データは、仕様又は使われ方の少なくとも一つが類似する二つ以上の車両それぞれの運転データを含んでもよい。仕様とは、例えば、エンジン(E/G)、馬力、架装又はトランスミッション(TM、変速機)などである。使われ方とは、例えば、地場(での利用)又は高速(での利用)などである。類似の対象の車両は、例えば、市場の車両又は全国の車両などである。例えば、運転データは、仕様又は使われ方の少なくとも一つに関する情報がさらに対応付いており、出力部12は、当該情報に基づいて仕様又は使われ方の少なくとも一つが類似する二つ以上の車両それぞれの運転データを格納部10から抽出し、抽出した(異なる二つ以上の)運転データに基づく出力を行ってもよい。
【0042】
出力部12が行う出力が基づく、異なる二つ以上の運転データは、一の運転データと、当該一の運転データに対応付いている燃費よりも優れた燃費が対応付いている一つ以上の運転データとを含んでもよい。例えば、運転データは燃費がさらに対応付いており、出力部12は、運転データ出力装置1の実施者などから一の運転データを指定する指定情報を取得した場合、当該指定情報が指定する一の運転データと、当該一の運転データに対応付いている燃費よりも優れた燃費が対応付いている一つ以上の運転データとを格納部10から抽出し、抽出した(異なる二つ以上の)運転データに基づく出力を行ってもよい。
【0043】
出力部12が行う出力が基づく、異なる二つ以上の運転データは、一のユーザによる異なるタイミングでの運転それぞれの運転データを含んでもよい。例えば、出力部12が行う出力が基づく、異なる二つ以上の運転データは、一のドライバーによる4月1日での運転の運転データと、当該一のユーザによる同年6月15日での運転の運転データとを含んでもよい。例えば、運転データはドライバー識別情報と車両の運転時の日にち、日時又は時期とがさらに対応付いており、出力部12は、運転データ出力装置1の実施者などから一のドライバー(ユーザ)と異なる二つ以上の日にち、日時又は時期とを指定する指定情報を取得した場合、当該指定情報が指定するドライバーに対応するドライバー識別情報が対応付いた運転データのうち、当該指定情報が指定する二つ以上の日にち、日時又は時期それぞれが対応付いた運転データを格納部10から抽出し、抽出した(異なる二つ以上の)運転データに基づく出力を行ってもよい。
【0044】
出力部12が行う出力が基づく、異なる二つ以上の運転データは、一のユーザが運転に関する教習(講習、実技講習)を受ける前の当該一のユーザによる運転の運転データと、当該一のユーザが当該教習を受けた後の当該一のユーザによる一つ以上の運転それぞれの運転データとを含んでもよい。例えば、一のユーザが運転に関する教習を受けた日が5月31日である場合、出力部12が行う出力が基づく、異なる二つ以上の運転データは、当該一のユーザによる同年4月1日(教習前)での運転の運転データと、当該一のユーザによる同年6月15日(教習後)での運転の運転データと、当該一のユーザによる同年9月8日(教習後)での運転の運転データとを含んでもよい。例えば、運転データはドライバー識別情報と車両の運転時の日にち、日時又は時期とがさらに対応付いており、出力部12は、運転データ出力装置1の実施者などから一のドライバー(ユーザ)と当該一のドライバーが運転に関する教習を受ける前の日にち、日時又は時期と当該一のドライバーが運転に関する教習を受けた後の一つ以上の日にち、日時又は時期とを指定する指定情報を取得した場合、当該指定情報が指定するドライバーに対応するドライバー識別情報が対応付いた運転データのうち、当該指定情報が指定する二つ以上の日にち、日時又は時期それぞれが対応付いた運転データを格納部10から抽出し、抽出した(異なる二つ以上の)運転データに基づく出力を行ってもよい。
【0045】
図6~8を参照しながら、出力部12が異なる二つ以上の運転データに基づいて生成したレポートの一例を説明する。
【0046】
図6は、レポートの一例を示す図である。図6に示すレポートは、一のユーザが運転に関する教習を受ける前(教習前)の当該一のユーザによる運転の運転データ(教習前の運転データ)と、当該一のユーザが当該教習を受けた後(教習後)の当該一のユーザによる運転の運転データ(教習後の運転データ)とに基づいて出力部12により生成されたレポートである。レポートでは、運転データのうち運転操作データに関わるデータ(レポートの「運転操作」列)と運転環境データに関わるデータ(レポートの「運転環境」列)とが分けられて表示される。図6において、図面の制約上、運転操作及び運転環境は一部内容を省略して表示している。
【0047】
レポートのうち「教習前」行には、教習前の運転データが表示される。なお、説明の便宜上、(図3とは異なり)燃費は運転操作の一つとしている。レポートのうち「教習後」行には、教習後の運転データが表示される。レポートの「教習前」行及び「教習後」行の表示により、教習前後の運転データの各データ(因子)の数値比較を行うことができる。教習前後の運転データの比較がさらに容易にできるよう、レポートでは、運転操作データに関するスパイダーチャートC1と、運転環境データに関するスパイダーチャートC2とが表示される。スパイダーチャートについては後述する。
【0048】
レポートのうち「教習後の結果」行には、教習前の運転データの各データと教習後の運転データの各データとの差分(比較結果)が表示される。差分においては、差分の値が表示されてもよいし、教習前より教習後の値が燃費の観点で良くなっている(燃費に対してプラスに寄与している)場合は上向き矢印が表示され、教習前より教習後の値が燃費の観点で悪くなっている(燃費に対してマイナスに寄与している)場合は下向き矢印が表示され、教習前と教習後の値が燃費の観点で同じ(燃費に対して寄与していない)場合は右向き矢印が表示されてもよい。なお、矢印の代わりに、笑顔/泣き顔アイコン、太陽/雨アイコンなど、良し悪しを表す図を視覚的に表示してもよい。
【0049】
レポートのうち「<<コメント>>」欄には、教習前後の運転データの比較に基づいたユーザへのアドバイス及びコメント(例えば、燃費の変化に対する分析コメント)、並びに、当該比較に基づいた燃費改善のためのユーザへのアドバイス及びコメントが表示される。具体的には、図6に示すレポートでは、文章「燃費は2.4%向上しました。運転操作ではほとんどの項目が向上しており、燃費向上につながりました。運転環境では発進停止頻度、渋滞頻度が悪化していますが、運転操作でカバーすることで燃費が向上しました。発進時のアクセル踏み込み過ぎに気を付けて省燃費運転を継続してください。」が表示される。アドバイス及びコメントは、例えば、運転データの教習前後の値の差分がこの基準を満たす場合にこの文章を出力する、といった予め定められたルールに基づいて出力部12により出力される。
【0050】
図7は、図6のレポートのうち運転操作部分を詳細化した図である。レポートのうち「教習前」行、「教習後」行及び「教習後の結果」行は、図6と同様のため説明を省略する。レポートのうちスパイダーチャートC1は、運転操作データの各データ(因子)の教習前後の変化(%)を示したグラフである。スパイダーチャートC1のうち、黒実線は教習前のデータを示し、二点鎖線は教習後のデータを示す。基準は教習前のデータであり、スパイダーチャートC1の外側に線が膨らむほど、燃費の観点では良い変化を示す。
【0051】
図8は、図6のレポートのうち運転環境部分を詳細化した図である。レポートのうち「教習前」行、「教習後」行及び「教習後の結果」行は、図6と同様のため説明を省略する。レポートのうちスパイダーチャートC2は、運転環境データの各データ(因子)の教習前後の変化(%)を示したグラフである。スパイダーチャートC2のうち、黒実線は教習前のデータを示し、二点鎖線は教習後のデータを示す。基準は教習前のデータであり、スパイダーチャートC2の外側に線が膨らむほど、燃費の観点では良い変化を示す。
【0052】
続いて、図9を参照しながら、運転データ出力装置1の利用例を説明する。図9は、運転データ出力装置1の出力結果の利用例を示す図である。車両(トラック)の販売会社が運転データ出力装置1を利用して、お客様に省燃費教習及びそのフォローを行うことを想定する。図9では、時系列に沿った5つの場面を示している。5つの場面とは、時系列順に、お客様勧誘、教習前、教習、教習後1ヶ月、及び、教習後nヶ月(例えば、nは2以上の整数)である。なお、教習後nヶ月は、一つに限らず、例えば、教習後2ヶ月、教習後3ヶ月及び教習後4ヶ月に展開するなど、複数であってもよい。
【0053】
お客様勧誘の場面は、過去に車両を販売したお客様に、当該車両の運転の教習を勧誘する場面である。運転データ出力装置1の実施者が、運転データ出力装置1の出力結果の一つであるお客様リストを参照し、燃費教習の効果がありそうなお客様の選定を行う(図9の(1))。お客様リストは、例えば、運転データ出力装置1が、各お客様の最近の運転データと当該お客様の車両の仕様又は使われ方が類似する(別のユーザの)車両の運転データとの差分を全お客様分算出し、差分が所定の基準を超えた(燃費の観点で悪い)お客様をリストとして出力したものである。選定された各お客様について、販売会社の営業担当が教習への勧誘又は教習の提案を行う(図9の(2))。
【0054】
教習前の場面は、お客様が教習を受けることに同意し、教習を受ける前の場面である。運転データ出力装置1の実施者が、運転データ出力装置1の出力結果の一つであるレポート(教習前)を参照し、教習を受けるお客様の運転の特徴を分析し、改善ポイントを明確化する(図9の(3))。レポート(教習前)は、例えば、運転データ出力装置1が、教習を受けるお客様の最近の運転データと当該お客様の車両の仕様又は使われ方が類似し、かつ、当該お客様以上の燃費の(別のユーザの)車両の運転データとの比較結果に基づくレポートである。レポート(教習前)には、さらに、運転データ出力装置1が、上記比較結果に基づいて、教習後に期待できる燃費改善の程度を予測(算出)した情報を含めてもよい。レポート(教習前)はお客様に事前に提供してもよい。
【0055】
教習の場面は、お客様が教習を受ける場面である。運転データ出力装置1の実施者(又は当該実施者が監督する者)が、教習前の場面で分析したお客様の運転の特徴及び改善ポイントを参考(中心)に、お客様に車両を用いた省燃費教習を行う(図9の(4))。
【0056】
教習後1ヶ月の場面は、お客様が教習を受けて1ヶ月経った場面である。運転データ出力装置1の実施者が、運転データ出力装置1の出力結果の一つであるレポート(教習後)を参照し、教習を受けたお客様の運転を分析する(図9の(5))。レポート(教習後)は、例えば、運転データ出力装置1が、教習を受ける前のお客様の運転データと教習を受けた1ヶ月後の当該お客様の運転データとの比較結果に基づくレポートである。そして運転データ出力装置1の実施者が、レポート(教習後)及び分析結果に沿ってお客様に教習後ご報告を行う(図9の(6))。
【0057】
教習後nヶ月の場面は、お客様が教習を受けてnヶ月経った場面である。運転データ出力装置1の実施者が、運転データ出力装置1の出力結果の一つであるレポート(教習後)を参照し、教習を受けたお客様の運転を分析する(図9の(7))。レポート(教習後)は、例えば、運転データ出力装置1が、教習を受ける前のお客様の運転データと教習を受けたnヶ月後の当該お客様の運転データとの比較結果に基づくレポートである。そして運転データ出力装置1の実施者が、レポート(教習後)及び分析結果に沿ってお客様に経過(効果)ご報告を行う(図9の(8))。教習後nヶ月の場面は、1回のみに限らず、例えば、教習後1ヶ月、教習後2ヶ月、教習後3ヶ月、…と定期的に行われ、予め設定していた目標が達成されるまでお客様をサポートしてもよい。その場合、レポート(教習後)は、教習を受ける前のお客様の運転データと教習を受けたnヶ月後の当該お客様の運転データとの比較結果ではなく、教習を受ける前のお客様の運転データと教習を受けた1ヶ月後の当該お客様の運転データとお客様の運転データと教習を受けた2ヶ月後の当該お客様の運転データとお客様の運転データと教習を受けた3ヶ月後の当該お客様の運転データと…と教習を受けたnヶ月後の当該お客様の運転データとの比較結果、すなわち三つ以上の運転データの比較結果に基づくレポートであってもよい。
【0058】
図10は、運転データ出力装置1が実行する処理(運転データ出力方法)の一例を示すフローチャートである。まず、格納部10が、車両の運転時の操作に関する運転操作データと、当該運転時の環境に関する運転環境データとが対応付いた運転データを格納する(ステップS1、格納ステップ)。次に、出力部12が、S1において格納部10によって格納された異なる二つ以上の運転データに基づく出力を行う(ステップS2、出力ステップ)。
【0059】
続いて、運転データ出力装置1の作用効果について説明する。
【0060】
運転データ出力装置1によれば、車両の運転時の操作に関する運転操作データと、当該運転時の環境に関する運転環境データとが対応付いた運転データを格納する格納部10と、格納部10によって格納された異なる二つ以上の運転データに基づく出力を行う出力部12と、を備える。このような側面においては、車両の運転時の操作に関する運転操作データが対応付いた運転データに基づく出力が行われるため、運転時の操作に基づく出力を行うことができる。また、車両の運転時の環境に関する運転環境データが対応付いた運転データに基づく出力が行われるため、運転時の環境に基づく出力を行うことができる。また、運転操作データと運転環境データとが対応付いた運転データに基づく出力が行われるため、運転時の操作及び環境に基づく出力を行うことができる。
【0061】
また、運転データ出力装置1によれば、運転データは、運転時の燃費がさらに対応付いていてもよい。このような側面においては、運転時の燃費がさらに対応付いた運転データに基づく出力が行われるため、運転時の燃費に基づく出力を行うことができる。
【0062】
また、運転データ出力装置1によれば、操作は、車両の燃費に影響を与える操作を含んでもよい。このような側面においては、車両の燃費に影響を与える操作に関する運転操作データが対応付いた運転データに基づく出力が行われるため、車両の燃費に影響を与える操作に基づく出力を行うことができる。
【0063】
また、運転データ出力装置1によれば、操作は、アクセル開度、無噴射走行、空ぶかし、波状運転、発進加速度、補助ブレーキ走行、アイドルストップ、シフトアップ時のエンジン回転数、又は、エコモード走行の少なくとも一つに関する操作を含んでもよい。このような側面においては、アクセル開度、無噴射走行、空ぶかし、波状運転、発進加速度、補助ブレーキ走行、アイドルストップ、シフトアップ時のエンジン回転数、又は、エコモード走行の少なくとも一つに関する操作に関する運転操作データが対応付いた運転データに基づく出力が行われるため、それらの少なくとも一つに関する操作に基づく出力を行うことができる。
【0064】
また、運転データ出力装置1によれば、環境は、車両の燃費に影響を与える環境を含んでもよい。このような側面においては、車両の燃費に影響を与える環境に関する運転環境データが対応付いた運転データに基づく出力が行われるため、車両の燃費に影響を与える環境に基づく出力を行うことができる。
【0065】
また、運転データ出力装置1によれば、環境は、車両の発進、停止、車速若しくはDPR再生、道路の勾配、GVW、又は、交通渋滞の少なくとも一つに関する環境を含んでもよい。このような側面においては、車両の発進、停止、車速若しくはDPR再生、道路の勾配、GVW、又は、交通渋滞の少なくとも一つに関する環境に関する運転環境データが対応付いた運転データに基づく出力が行われるため、それらの少なくとも一つに関する環境に基づく出力を行うことができる。
【0066】
また、運転データ出力装置1によれば、出力は、異なる二つ以上の運転データの比較に基づく出力を含んでもよい。このような側面においては、異なる二つ以上の運転データの比較に基づく出力を行うことができる。
【0067】
また、運転データ出力装置1によれば、出力は、燃費改善に関する出力を含んでもよい。このような側面においては、燃費改善に関する出力を行うことができる。
【0068】
また、運転データ出力装置1によれば、異なる二つ以上の運転データは、仕様又は使われ方の少なくとも一つが類似する二つ以上の車両それぞれの運転データを含んでもよい。このような側面においては、仕様又は使われ方の少なくとも一つが類似する二つ以上の車両それぞれの運転データに基づく出力を行うことができる。それにより、例えば、ユーザは類似する車両間で運転データの比較を行うことができる。
【0069】
また、運転データ出力装置1によれば、運転データは、運転時の燃費がさらに対応付いており、異なる二つ以上の運転データは、一の運転データと、当該一の運転データに対応付いている燃費よりも優れた燃費が対応付いている一つ以上の運転データとを含んでもよい。このような側面においては、一の運転データと、当該一の運転データに対応付いている燃費よりも優れた燃費が対応付いている一つ以上の運転データとに基づく出力を行うことができる。それにより、例えば、ユーザは自分の運転の運転データと、自分の運転より燃費が優れた運転の運転データとの比較を行うことができる。
【0070】
また、運転データ出力装置1によれば、異なる二つ以上の運転データは、一のユーザによる異なるタイミングでの運転それぞれの運転データを含んでもよい。このような側面においては、一のユーザによる異なるタイミングでの運転それぞれの運転データに基づく出力を行うことができる。それにより、例えば、ユーザは異なるタイミングでの自分の運転の運転データの比較を行うことができる。
【0071】
また、運転データ出力装置1によれば、異なる二つ以上の運転データは、一のユーザが運転に関する教習を受ける前の当該一のユーザによる運転の運転データと、当該一のユーザが当該教習を受けた後の当該一のユーザによる一つ以上の運転それぞれの運転データとを含んでもよい。このような側面においては、一のユーザが運転に関する教習を受ける前の当該一のユーザによる運転の運転データと、当該一のユーザが当該教習を受けた後の当該一のユーザによる一つ以上の運転それぞれの運転データとに基づく出力を行うことができる。それにより、例えば、ユーザは運転に関する教習を受ける前後の自分の運転の運転データの比較を行うことができる。
【0072】
運転データ出力装置1は、燃費改善支援サービスを提供し得る。
【0073】
運転データ出力装置1は、お客様の運転操作、車両動態データの分析を行い燃費改善のための改善ポイントをレポートとして提供する。また、運転データ出力装置1は、実地講習前の受講により期待される燃費改善の程度を予測し提供する。さらに、運転データ出力装置1により、分析結果に基づいた実施講習と講習後のフォロー(レポートの提供)が行えるため、目標達成までお客様の燃費改善を支援することができる。
【0074】
運転データ出力装置1は、ICTにより取得したドライバーの運転操作と走行環境データを類似した市場の車両(エンジン、馬力、架装など)と比較することでドライバーの特徴をつかみ、これをもとに実地教習を行い、教習後の変化をレポートとして提供する。運転データ出力装置1によれば、ドライバーの特徴に合わせた実地講習の提供および、講習後のフォローが可能となる。
【0075】
運転データ出力装置1によれば、ユーザは運転データの差異を知ることができる。また、ユーザは、他のドライバーの運転データを知ることができるため、ユーザ自身の最小燃費をさらに改善させるための運転技術を習得することができる。
【0076】
運転データ出力装置1は以下の手段を取る。
(i)実技講習前に受講者の燃費と燃費に影響を及ぼす因子のICTでデータを取得する。因子は運転操作(アクセル開度、発進加速度など)と走行環境(勾配、渋滞頻度等)のデータを対象とする。
(ii)受講者の車両仕様(E/G、架装、TM等)、使われ方(地場or高速等)が同じ全国の類似車両を対象として上記(i)と同様のICTでデータを取得する。
(iii)上記(ii)の中で受講者同等以上の燃費の車両について燃費に影響を及ぼす各因子のICTでデータを取得する。
(iv)上記(iii)と受講者の各因子を比較分析することにより明確化した改善ポイントを中心に実技講習を実施する。また、分析結果はレポートとしてドライバーへ提供する。さらに、受講前には受講後に期待できる燃費改善の程度を予測し提供する。
(v)受講後には受講前後の燃費、運転操作、走行環境の変化を比較するレポートを定期的に提供し目標達成までサポートする。
【0077】
運転データ出力装置1によれば、ドライバーの現在の燃費より優れた燃費で走行している他車のデータと比較することができるため、ドライバーのさらなる燃費改善のための改善ポイントを明確にすることが可能となる。また、受講者の類似車両との比較であるため、受講者の業務形態に合わせた適切な改善ポイントの分析、および、目標設定が可能となる。また、受講後に提供するレポートには走行環境の変化も含むため、受講の効果を運転技術の向上と走行環境の変化を切り分けて受講者が知ることができる。
【0078】
実地講習では、市場類似車両の平均値に対して受講者が苦手とする、アクセル開度(車速ありAcc50%以下比率)及びエコモードの使用率(エコモード走行距離比率)の2点をポイントとしてもよい。
【0079】
運転データ出力装置1は、解析対象とする車両と「仕様」及び「使われ方」が類似する車両から、ドライバの燃費と同等、あるいは同等以上の燃費で運転されている車両を特定し、燃費に影響を及ぼす各因子を比較分析し、ドライバの燃費改善ポイントを教示する。運転データ出力装置1によれば、類似車両との比較を行うため、受講者の業務形態が相違しても適切な改善ポイントを分析でき、また、ドライバの燃費よりも優れたデータを用いて解析を行うため、改善ポイントをより明確にしたうえで、ドライバへ報知するため、ドライバの燃費改善意識がより向上する。
【0080】
本開示の運転データ出力装置1は、以下の構成を有する。
【0081】
[1]
車両の運転時の操作に関する運転操作データと、当該運転時の環境に関する運転環境データとが対応付いた運転データを格納する格納部と、
前記格納部によって格納された異なる二つ以上の運転データに基づく出力を行う出力部と、
を備える運転データ出力装置。
【0082】
[2]
運転データは、前記運転時の燃費がさらに対応付いている、
[1]に記載の運転データ出力装置。
【0083】
[3]
前記操作は、前記車両の燃費に影響を与える操作を含む、
[1]又は[2]に記載の運転データ出力装置。
【0084】
[4]
前記操作は、アクセル開度、無噴射走行、空ぶかし、波状運転、発進加速度、補助ブレーキ走行、アイドルストップ、シフトアップ時のエンジン回転数、又は、エコモード走行の少なくとも一つに関する操作を含む、
[1]~[3]の何れか一項に記載の運転データ出力装置。
【0085】
[5]
前記環境は、前記車両の燃費に影響を与える環境を含む、
[1]~[4]の何れか一項に記載の運転データ出力装置。
【0086】
[6]
前記環境は、前記車両の発進、停止、車速若しくはDPR(Diesel Particulate Filter)再生、道路の勾配、GVW(Gross Vehicle Weight)、又は、交通渋滞の少なくとも一つに関する環境を含む、
[1]~[5]の何れか一項に記載の運転データ出力装置。
【0087】
[7]
前記出力は、前記異なる二つ以上の運転データの比較に基づく出力を含む、
[1]~[6]の何れか一項に記載の運転データ出力装置。
【0088】
[8]
前記出力は、燃費改善に関する出力を含む、
[1]~[7]の何れか一項に記載の運転データ出力装置。
【0089】
[9]
前記異なる二つ以上の運転データは、仕様又は使われ方の少なくとも一つが類似する二つ以上の車両それぞれの運転データを含む、
[1]~[8]の何れか一項に記載の運転データ出力装置。
【0090】
[10]
運転データは、前記運転時の燃費がさらに対応付いており、
前記異なる二つ以上の運転データは、一の運転データと、当該一の運転データに対応付いている燃費よりも優れた燃費が対応付いている一つ以上の運転データとを含む、
[1]~[9]の何れか一項に記載の運転データ出力装置。
【0091】
[11]
前記異なる二つ以上の運転データは、一のユーザによる異なるタイミングでの運転それぞれの運転データを含む、
[1]~[10]の何れか一項に記載の運転データ出力装置。
【0092】
[12]
前記異なる二つ以上の運転データは、一のユーザが運転に関する教習を受ける前の当該一のユーザによる運転の運転データと、当該一のユーザが当該教習を受けた後の当該一のユーザによる一つ以上の運転それぞれの運転データとを含む、
[1]~[11]の何れか一項に記載の運転データ出力装置。
【符号の説明】
【0093】
1…運転データ出力装置、10…格納部、11…取得部、12…出力部、100…CPU、101…RAM、102…ROM、103…入出力装置、104…通信モジュール、105…補助記憶装置、C1・C2…スパイダーチャート。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10