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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024033246
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】情報処理装置、及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04R 3/00 20060101AFI20240306BHJP
   G06F 3/16 20060101ALI20240306BHJP
   H04R 1/02 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
H04R3/00 320
G06F3/16 510
H04R1/02 107
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022136731
(22)【出願日】2022-08-30
(71)【出願人】
【識別番号】311012169
【氏名又は名称】NECパーソナルコンピュータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100206081
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 央
(72)【発明者】
【氏名】中林 茉央
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 啓悦
(72)【発明者】
【氏名】山田 譲二
【テーマコード(参考)】
5D017
5D220
【Fターム(参考)】
5D017BC01
5D220BA02
5D220BC05
(57)【要約】
【課題】複数の筐体面に設けられているマイクロフォンを適切に制御すること。
【解決手段】情報処理装置は、筐体の2面以上のそれぞれに設けられた複数のマイクロフォンと、システムのプログラムを一時的に記憶するメモリと、メモリに記憶されたプログラムに基づいてシステムの処理を実行するプロセッサと、を備える。プロセッサは、システム上で実行する処理に基づいて、筐体の第1面に設けられた第1マイクロフォンと、第1面とは異なる第2面に設けられた第2マイクロフォンとを個別に制御する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自情報処理装置の筐体の2面以上のそれぞれに設けられた複数のマイクロフォンと、
システムのプログラムを一時的に記憶するメモリと、
前記メモリに記憶された前記プログラムに基づいてシステムの処理を実行するプロセッサと、
を備え、
前記プロセッサは、
前記システム上で実行する処理に基づいて、前記筐体の第1面に設けられた第1マイクロフォンと、前記第1面とは異なる第2面に設けられた第2マイクロフォンとを個別に制御する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記筐体は、
第1筐体と、第2筐体と、前記第1筐体の第1面と前記第2筐体の第2面とが対向して重なる閉じた第1状態から前記第1面と前記第2面とが重ならずに開いた第2状態に回動可能に前記第1筐体と前記第2筐体とを結合する回動機構とを含み、
前記第1マイクロフォンは、前記第1面または前記第2面に設けられ、
前記第2マイクロフォンは、前記第1面及び前記第2面以外の面に設けられている、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記第1筐体と前記第2筐体とが前記第1状態と前記第2状態とのいずれであるかに応じて、前記第1マイクロフォン及び前記第2マイクロフォンを有効にするか否かを個別に制御する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記第1筐体と前記第2筐体とが前記第1状態である場合、前記第1マイクロフォンを無効に制御するとともに、前記第2マイクロフォンを有効に制御し、
前記第1筐体と前記第2筐体とが前記第2状態である場合、前記第1マイクロフォンを有効に制御するとともに、前記第2マイクロフォンを有効または無効に制御する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記第1マイクロフォンの指向性と前記第2マイクロフォンの指向性とを個別に制御する、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
ユーザによる設定に応じて、前記第1マイクロフォンの指向性と前記第2マイクロフォンの指向性とを個別に制御する、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、
ユーザによる設定に応じて、前記第1マイクロフォン及び前記第2マイクロフォンを有効にするか否かを個別に制御する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、
ユーザによる設定に応じて、前記第1マイクロフォン及び前記第2マイクロフォンを有効にするか否かと有効の場合の指向性とを個別に制御する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
自情報処理装置の筐体の2面以上のそれぞれに設けられた複数のマイクロフォンと、システムのプログラムを一時的に記憶するメモリと、プロセッサとを備える情報処理装置における制御方法であって、
前記プロセッサが、
前記メモリに記憶された前記プログラムに基づいてシステムの処理を実行するステップと、
前記システム上で実行する処理に基づいて、前記筐体の第1面に設けられた第1マイクロフォンと、前記第1面とは異なる第2面に設けられた第2マイクロフォンとを個別に制御するステップと、
を含む制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
クラムシェル型のノートPC(Personal Computer)のような情報処理装置において、外部の音を集音するためのマイクロフォンが設けられている。一般的なノートPCでは、ディスプレイが設けられている筐体面(ユーザに対面する側の面:前面)に、マイクロフォンが設けられていることが多い(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ノートPCの場合、ユーザがディスプレイを視認できるように、通常はディスプレイが設けられている筐体面をキーボード側の筐体面に対して開いた状態(開状態)で使用されるが、外部モニタに接続して使用する際には閉じた状態(閉状態)で使用されることもある。開状態と閉状態の両方で使用されることを想定し、ディスプレイが設けられている筐体の前面に加えて、側面(例えば、開状態において天面)にもマイクロフォンが設けられているものもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-72904号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来は複数の筐体面のそれぞれに設けられているマイクロフォンに対して同様に制御が行われていたため、各種の利用シーンに対して適切な制御とは言えない場合があった。
【0006】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、複数の筐体面に設けられているマイクロフォンを適切に制御する情報処理装置、及び制御方法を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の第1態様に係る情報処理装置は、自情報処理装置の筐体の2面以上のそれぞれに設けられた複数のマイクロフォンと、システムのプログラムを一時的に記憶するメモリと、前記メモリに記憶された前記プログラムに基づいてシステムの処理を実行するプロセッサと、を備え、前記プロセッサは、前記システム上で実行する処理に基づいて、前記筐体の第1面に設けられた第1マイクロフォンと、前記第1面とは異なる第2面に設けられた第2マイクロフォンとを個別に制御する。
【0008】
上記情報処理装置において、前記筐体は、第1筐体と、第2筐体と、前記第1筐体の第1面と前記第2筐体の第2面とが対向して重なる閉じた第1状態から前記第1面と前記第2面とが重ならずに開いた第2状態に回動可能に前記第1筐体と前記第2筐体とを結合する回動機構とを含み、前記第1マイクロフォンは、前記第1面または前記第2面に設けられ、前記第2マイクロフォンは、前記第1面及び前記第2面以外の面に設けられていてもよい。
【0009】
上記情報処理装置において、前記プロセッサは、前記第1筐体と前記第2筐体とが前記第1状態と前記第2状態とのいずれであるかに応じて、前記第1マイクロフォン及び前記第2マイクロフォンを有効にするか否かを個別に制御してもよい。
【0010】
上記情報処理装置において、前記プロセッサは、前記第1筐体と前記第2筐体とが前記第1状態である場合、前記第1マイクロフォンを無効に制御するとともに、前記第2マイクロフォンを有効に制御し、前記第1筐体と前記第2筐体とが前記第2状態である場合、前記第1マイクロフォンを有効に制御するとともに、前記第2マイクロフォンを有効または無効に制御してもよい。
【0011】
上記情報処理装置において、前記プロセッサは、前記第1マイクロフォンの指向性と前記第2マイクロフォンの指向性とを個別に制御してもよい。
【0012】
上記情報処理装置において、前記プロセッサは、ユーザによる設定に応じて、前記第1マイクロフォンの指向性と前記第2マイクロフォンの指向性とを個別に制御してもよい。
【0013】
上記情報処理装置において、前記プロセッサは、ユーザによる設定に応じて、前記第1マイクロフォン及び前記第2マイクロフォンを有効にするか否かを個別に制御してもよい。
【0014】
上記情報処理装置において、前記プロセッサは、ユーザによる設定に応じて、前記第1マイクロフォン及び前記第2マイクロフォンを有効にするか否かと有効の場合の指向性とを個別に制御してもよい。
【0015】
また、本発明の第2態様に係る、自情報処理装置の筐体の2面以上のそれぞれに設けられた複数のマイクロフォンと、システムのプログラムを一時的に記憶するメモリと、プロセッサとを備える情報処理装置における制御方法は、前記プロセッサが、前記メモリに記憶された前記プログラムに基づいてシステムの処理を実行するステップと、前記システム上で実行する処理に基づいて、前記筐体の第1面に設けられた第1マイクロフォンと、前記第1面とは異なる第2面に設けられた第2マイクロフォンとを個別に制御するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0016】
本発明の上記態様によれば、複数の筐体面に設けられているマイクロフォンを適切に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】第1の実施形態に係る情報処理装置の外観を示す斜視図。
図2】第1の実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図。
図3】第1の実施形態に係る情報処理装置の機能構成の一例を示すブロック図。
図4】第1の実施形態に係るマイク制御処理の一例を示すフローチャート。
図5】第2の実施形態に係る利用シーン(場面)に応じたマイクの指向性の設定例を示す図。
図6】第3の実施形態に係る利用シーン(場面)に応じたマイクのオンとオフ及び指向性の設定例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
<第1の実施形態>
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る情報処理装置の外観を示す斜視図である。図示する情報処理装置100は、例えばクラムシェル型のノートPCであり、第1筐体10、第2筐体20、及びヒンジ機構15を備える。第1筐体10と第2筐体20は、ヒンジ機構15を用いて結合されている。ヒンジ機構15は、第1筐体10と第2筐体とを回動可能に結合する回動機構を含む。第1筐体10は、第2筐体20に対して、ヒンジ機構15がなす回転軸の周りに相対的に回動可能である。第1筐体10と第2筐体20との回動による開き角を「θ」として図示している。
【0019】
以下の説明では、第1筐体10と第2筐体20の側面のうち、ヒンジ機構15が備わる面を、それぞれ側面10c、20cと呼ぶ。第1筐体10と第2筐体20の側面のうち、側面10c、20cとは反対側の側面を、それぞれ側面10a、20aと呼ぶ。図示において、側面20aから側面20cに向かう方向を「後」と呼び、側面20cから側面20aに向かう方向を「前」と呼ぶ。後方に対して右方、左方を、それぞれ「右」、「左」と呼ぶ。第1筐体10、第2筐体20の左側の側面をそれぞれ側面10b、20bと呼び、右側の側面をそれぞれ側面10d、20dと呼ぶ。
【0020】
また、第1筐体10と第2筐体20とが重なり合って閉じた状態(開き角θ=0°の状態)を「閉状態」と呼ぶ。閉状態において第1筐体10と第2筐体20との互いに対向する面(対面する側の面)を、それぞれの「内面」と呼び、内面に対して反対側の面を「外面」と呼ぶ。また、閉状態に対して第1筐体10の内面10eと第2筐体20の内面20eとが重ならず開いた状態のことを「開状態」と呼ぶ。
【0021】
第1筐体10の内面10eには、表示部110(ディスプレイ)が設けられている。表示部110は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどを含んで構成されている。一方、第2筐体20の内面20eには、ユーザの操作入力を受け付ける入力デバイスとして、キーボード151及びタッチパッド153等が設けられている。
【0022】
図1に示す情報処理装置100の外観は開状態の例を示している。開状態では、第1筐体10と第2筐体20とのそれぞれの内面が表れ、ユーザは、表示部110の表示画面を視認することも、キーボード151及びタッチパッド153に対して操作することも可能である。開状態は、ユーザが情報処理装置100を使用する際の一般的な使用状態の一つであり、典型的には開き角θ=100~130°程度の状態で使用されることが多い。なお、開状態となる開き角θの範囲は、ヒンジ機構15よって回動可能な角度の範囲等に応じて任意に定めることができる。
【0023】
また、情報処理装置100は、複数のマイクロフォン(以下、単に「マイク」と称する)を備えている。図示する例では、第1筐体10の内面10eのうち表示部110の周縁の領域に、撮像部120及びマイク1が設けられている。例えば、撮像部120及びマイク1は、表示部110の周縁の領域のうち側面20a側の領域に配置されている。撮像部120は、開状態において、第1筐体10の内面10eに対面する方向(前方)の所定の撮像範囲を撮像する。所定の撮像範囲とは、撮像部120が有する撮像素子と撮像素子の撮像面の前方に設けられた光学レンズとによって定まる画角の範囲である。例えば、撮像部120は、情報処理装置100の前方(正面側)に存在するユーザを含む画像を撮像することができる。
【0024】
マイク1は、例えばステレオマイクであり、マイク1aとマイク1bとの2つのマイクを含んで構成されている。マイク1は、開状態において主に前方の音を集音するように第1筐体10の内面10e、即ち前面側に設けられている。
【0025】
また、第1筐体10の側面10aには、マイク2が設けられている。マイク2は、例えばステレオマイクであり、マイク2aとマイク2bとの2つのマイクを含んで構成されている。マイク2は、開状態において上側、即ち天面側に設けられており、主に上方及び後方の音を集音する。
【0026】
なお、マイク1及びマイク2は、それぞれ2つのマイクを含む構成に限らず、1つまたは3つ以上のマイクを含む構成としてもよい。
【0027】
また、第2筐体20の側面20bには、電源ボタン140が設けられている。電源ボタン140は、電源のオン(システムの起動)などをユーザが指示するための操作子である。
【0028】
なお、第1筐体10と第2筐体20とが閉じた閉状態では、第1筐体10の内面10eと第2筐体20の内面20eとが対向して重なる閉じた状態となる。そのため、第1筐体10の内面10eに設けられている表示部110、撮像部120、及びマイク1と、第2筐体20の内面20eに設けられているキーボード151及びタッチパッド153は、互いに他方の筐体面で覆われ、機能を発揮できない状態となる。但し、情報処理装置100に、外部モニタ、外付けのキーボード、マウス等を接続している場合には、閉状態にして使用することも可能である。
【0029】
[情報処理装置のハードウェア構成]
図2は、本実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す概略ブロック図である。なお、この図において、図1の各部に対応する構成には同一の符号を付している。
【0030】
情報処理装置100は、マイク1、マイク2、表示部110、撮像部120、通信部130、記憶部135、電源ボタン140、入力デバイス150、開閉センサ160、EC(Embedded Controller)200、メイン処理部300、及び電源部400を含んで構成される。
【0031】
マイク1及びマイク2は、所定の方向からの音による振動を受けて電気信号に変換する集音機能を有する。例えば、マイク1及びマイク2は、集音した音の電気信号を増幅するプリアンプや、デジタル信号に変換するADコンバータ等を含んで構成されている。このマイク1及びマイク2は、外部からの制御により、集音機能のオン(有効)とオフ(無効)とを切り替えることができる。また、マイク1及びマイク2は、それぞれ所定の指向性を有し、この指向性についても切り替え可能であってもよい。一例として、マイク1及びマイク2は、図1に示すようにステレオマイクである。
【0032】
表示部110は、メイン処理部300により実行されるシステム処理及びシステム処理上で動作するアプリケーションプログラムの処理等に基づいて生成された表示データ(画像)を表示する。
【0033】
撮像部120は、第1筐体10の内面10eに対面する方向(前方)の所定の画角内の物体の像を撮像し、撮像した画像をメイン処理部300へ出力する。例えば、撮像部120は、RGBカメラとIRカメラとを備えている。RGBカメラとは、可視光線を受光して撮像する通常のカメラである。IRカメラは、物体から放出される赤外線を撮像するカメラである。
【0034】
通信部130は、無線または有線による通信ネットワークを介して他の機器と通信可能に接続し、各種のデータの送信および受信を行う。例えば、通信部130は、イーサネット(登録商標)等の有線LANインターフェースやWi-Fi(登録商標)等の無線LANインターフェース等を含んで構成されている。また、例えば、通信部130は、USB(Universal Serial Bus)インターフェースやBluetooth(登録商標)等の近距離無線通信のインターフェース等を含んで構成されている。
【0035】
記憶部135は、HDD(Hard Disk Drive)、SDD(Solid State Drive)、RAM、ROMなどの記憶媒体を含んで構成される。記憶部135は、OS、デバイスドライバ、アプリケーションなどの各種のプログラム、その他、プログラムの動作により取得した各種のデータを記憶する。
【0036】
電源ボタン140は、ユーザの操作に応じて操作信号をEC200へ出力する。入力デバイス150は、ユーザの入力を受け付ける入力部であり、例えばキーボード151及びタッチパッド153を含んで構成されている。入力デバイス150は、キーボード151及びタッチパッド153に対する操作を受け付けることに応じて、操作内容を示す操作信号をEC200へ出力する。
【0037】
開閉センサ160は、情報処理装置100が開状態であるか或いは閉状態であるかを検出するためのセンサである。例えば、開閉センサ160は、ホールセンサを有する。具体的には、第1筐体10側に磁石と第2筐体20側にホールセンサとがそれぞれ対応する位置に設けられている。開閉センサ160は、開状態のときと閉状態のときで変化する磁界に応じたホールセンサの検知信号を出力する。
【0038】
電源部400は、情報処理装置100の各部の動作状態に応じて各部へ電力を供給する。電源部400は、DC(Direct Current)/DCコンバータを備える。DC/DCコンバータは、AC(Alternate Current)/DCアダプタもしくはバッテリー(電池パック)から供給される直流電力の電圧を、各部で要求される電圧に変換する。DC/DCコンバータで電圧が変換された電力が各電源系統を介して各部へ供給される。例えば、電源部400は、EC200から入力される制御信号に基づいて各電源系統を介して各部に電力を供給する。
【0039】
EC200は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)およびI/O(Input/Output)ロジック回路などを含んで構成されたマイクロコンピュータである。EC200のCPUは、自部のROMに予め記憶した制御プログラム(ファームウェア)を読み出し、読み出した制御プログラムを実行して、その機能を発揮する。EC200は、メイン処理部300とは独立に動作し、メイン処理部300の動作を制御し、その動作状態を管理する。また、EC200は、電源ボタン140、入力デバイス150、開閉センサ160、及び電源部400等と接続されている。
【0040】
例えば、EC200は、電源部400と通信を行うことにより、バッテリーの状態(残容量など)の情報を電源部400から取得するとともに、情報処理装置100の各部の動作状態に応じた電力の供給を制御するための制御信号などを電源部400へ出力する。また、EC200は、電源ボタン140や入力デバイス150から操作信号を取得し、取得した操作信号のうちメイン処理部300の処理に関連する操作信号についてはメイン処理部300へ出力する。また、EC200は、開閉センサ160から出力された検知信号に基づいて、開状態であるか或いは閉状態であるかを検出する。
【0041】
メイン処理部300は、CPU(Central Processing Unit)301、GPU(Graphic Processing Unit)302、チップセット303、及びシステムメモリ304を含んで構成され、OS(Operating System)に基づくシステム処理によって、OS上で各種のデバイスドライバやアプリケーションプログラム等の処理の実行が可能である。
【0042】
CPU301は、BIOS(Basic Input Output System)による処理、OSによる処理、OS上で動作するアプリケーションプログラムによる処理などを実行する。
【0043】
GPU302は、表示部110に接続されている。GPU302は、CPU301の制御に基づいて画像処理を実行して表示データを生成する。GPU302は、生成した表示データを表示部110に出力する。
【0044】
チップセット303は、メモリコントローラとしての機能及びI/Oコントローラとしての機能などを有する。例えば、チップセット303は、CPU301及びGPU302によるシステムメモリ304、記憶部135などからのデータの読出し、書込みを制御する。また、チップセット303は、通信部130、表示部110およびEC200からのデータの入出力を制御する。
【0045】
システムメモリ304は、CPU301で実行されるプログラムの読み込み領域ならびに処理データを書き込む作業領域などとして用いられる。また、システムメモリ304は、撮像部120で撮像された撮像画像の画像データを一時的に記憶する。
【0046】
なお、CPU301、GPU302、及びチップセット303は、一体化された一つのプロセッサとして構成されてもよいし、一部またはそれぞれが個々のプロセッサとして構成されてもよい。
【0047】
[情報処理装置の機能構成]
次に、情報処理装置100が複数のマイクを個別に制御する機能構成について説明する。情報処理装置100は、システム上で実行する処理に基づいて、マイク1とマイク2とを個別に制御する。例えば、情報処理装置100は、開状態であるか或いは閉状態であるかに応じて、マイク1及びマイク2をオン(有効)にするか或いはオフ(無効)にするかを個別に制御する。
【0048】
図3は、本実施形態に係る情報処理装置の機能構成の一例を示すブロック図である。なお、この図において、図1及び図2の各部に対応する構成には同一の符号を付している。例えば、情報処理装置100は、開状態であるか或いは閉状態であるかに応じて、マイク1及びマイク2を個別に制御する機能構成として、開閉センサ160、EC200、BIOS310、IFドライバ320、OS330、オーディオアプリ340、及びマイク1とマイク2を含む。
【0049】
ここで、BIOS300は、CPU301がBIOSのプログラムを実行することにより実現あれる機能構成である。また、IFドライバ320は、CPU301がデバイスドライバ(インターフェースドライバ)のプログラムを実行することにより実現あれる機能構成である。また、OS330は、CPU301がOSのプログラムを実行することにより実現あれる機能構成である。また、オーディオアプリ340は、CPU301がOS上で動作するオーディオ制御用のアプリケーションのプログラムを実行することにより実現あれる機能構成である。オーディオ制御用のアプリケーションは、マイク1及びマイク2のオンとオフの制御、不図示のスピーカのオンとオフや音量の制御などを行うためのアプリケーションである。
【0050】
EC200は、開閉センサ160から出力された検知信号を取得し、取得した検知信号に基づいて開状態であるか或いは閉状態であるかを検出する。例えば、EC200は、開閉センサ160とGPIO等で接続されており、開閉センサ160から出力された検知信号がハイ「High」であるかロー「Low」であるかに応じて、開状態であるか或いは閉状態であるかを検出する。また、EC200は、CPU301とSPI(Serial Peripheral Interface)バスなどで接続されている。EC200は、開状態であるか或いは閉状態であるかの検出結果を、SPIバスなどを介してBIOS310へ送信する。
【0051】
BIOS310は、EC200から送信された開状態であるか或いは閉状態であるかの検出結果に基づいて、開状態から閉状態への状態変化、或いは閉状態から開状態への錠来変化を検出する。そして、BIOS310は、いずれかの状態変化を検出した場合、割り込み処理により、IFドライバ320へ開閉検出信号を通知する。例えば、BIOS310は、開状態から閉状態への変化を検出した場合、閉状態を示す開閉検出信号をIFドライバ320へ通知する。また、BIOS310は、閉状態から開状態への変化を検出した場合、開状態を示す開閉検出信号をIFドライバ320へ通知する。
【0052】
IFドライバ320は、BIOS310から通知された開閉検出信号を取得すると、開状態を示す開閉検出信号である場合には開状態であることを示す状態情報を、閉状態を示す開閉検出信号である場合には閉状態であることを示す状態情報を、OS330及びオーディオアプリ340へ通知する。このように、EC200及びBIOS310を介することにより、開閉センサ160によって検出される開閉状態をIFドライバ32へ受け渡すことができる。また、BIOS310からIFドライバ320へ開閉検出信号を送信するのは、BIOS310からオーディオアプリ340へ直接的にアクセスすることができないためである。
【0053】
オーディオアプリ340は、IFドライバ320から通知される状態情報に基づいて、マイク1とマイク2を個別に制御する。符号3401が示す表は、制御内容の一例を示している。例えば、オーディオアプリ340は、IFドライバ320から閉状態であることを示す状態情報が通知された場合、前面のマイク1をオフにしてマイク1の収音機能を無効にするとともに、天面のマイク2をオンにしてマイク2の収音機能を有効にする。一方、オーディオアプリ340は、IFドライバ320から開状態であることを示す状態情報が通知された場合、前面のマイク1をオンにしてマイク2の収音機能を有効にするとともに、天面のマイク2をオフにしてマイク2の収音機能を無効にする。
【0054】
オーディオアプリ340は、上記の制御内容に従って、マイク1及びマイク2をオンまたはオフに個別に制御するためのマイク制御信号を、マイク1及びマイク2へ送信する。なお、オーディオアプリ340は、OSにマイクの制御内容を把握させるために、マイク制御信号をOS330にも送信する。
【0055】
[マイク制御処理の動作]
次に、情報処理装置100において、CPU301がシステム及びアプリケーションの処理に基づいて実行するマイク制御処理の動作について説明する。
図4は、本実施形態に係るマイク制御処理の一例を示すフローチャートである。
【0056】
(ステップS101)CPU301は、BIOSの処理により、開閉センサ160の検知信号に基づく開閉状態の検出結果をEC200から取得する。そして、ステップS103の処理へ進む。
【0057】
(ステップS103)CPU301は、BIOSの処理により、EC200から取得した開閉状態の検出結果に基づいて開閉状態に変化があったか否かを判定する。CPU301は、開閉状態に変化がないと判定した場合(NO)、ステップS101の処理へ戻る。一方、CPU301は、開閉状態に変化があったと判定した場合(YES)、ステップS105の処理へ進む。
【0058】
(ステップS105)CPU301は、BIOSの処理により、開状態から閉状態への変化を検出した場合、閉状態を示す開閉検出信号をIFドライバ320へ通知する。また、CPU301は、BIOSの処理により、閉状態から開状態への変化を検出した場合、開状態を示す開閉検出信号をIFドライバ320へ通知する。
【0059】
(ステップS107)CPU301は、IFドライバ320の処理により、BIOS310から通知された開閉検出信号を取得すると、開状態を示す開閉検出信号であるか或いは閉状態を示す開閉検出信号であるかを判定する。CPU301は、IFドライバ320の処理により、開状態を示す開閉検出信号であると判定した場合、開状態であることを示す状態情報をOS330及びオーディオアプリ340へ通知し、ステップS109の処理へ進む。一方、CPU301は、IFドライバ320の処理により閉状態を示す開閉検出信号であると判定した場合、閉状態であることを示す状態情報をOS330及びオーディオアプリ340へ通知し、ステップS111の処理へ進む。
【0060】
(ステップS109)CPU301は、オーディオアプリ340の処理により、前面のマイク1をオンにしてマイク2の収音機能を有効にするとともに、天面のマイク2をオフにしてマイク2の収音機能を無効にする。
【0061】
(ステップS111)CPU301は、オーディオアプリ340の処理により、前面のマイク1をオフにしてマイク1の収音機能を無効にするとともに、天面のマイク2をオンにしてマイク2の収音機能を有効にする。
【0062】
以上説明したように、本実施形態に係る情報処理装置100は、筐体(例えば、第1筐体10)の2面以上のそれぞれに設けられた複数のマイク(例えば、前面のマイク1と天面のマイク2)を備えている。また、情報処理装置100は、システム(例えば、BIOS、OSなど)のプログラムを一時的に記憶するシステムメモリ304(メモリの一例)と、システムメモリ304に記憶されたプログラムに基づいてシステムの処理を実行するCPU301(プロセッサの一例)とを備えている。CPU301は、システム上で実行する処理に基づいて、第1筐体10の内面10e(第1面の一例)に設けられた前面のマイク1(第1マイクロフォンの一例)と、第1筐体10の内面10eとは異なる側面10a(第2面の一例)に設けられた天面のマイク2(第2マイクロフォンの一例)とを個別に制御する。
【0063】
これにより、情報処理装置100は、利用シーンによって複数の筐体面に設けられているマイクを個別に制御することができるため、当該複数のマイクを適切に制御することができる。
【0064】
情報処理装置100の筐体は、第1筐体10と、第2筐体20と、第1筐体10の内面10e(第1面の一例)と第2筐体20の内面20e(第2面の一例)とが対向して重なる閉じた閉状態(第1状態の一例)から第1筐体10の内面10eと第2筐体20の内面20eとが重ならずに開いた開状態(第2状態の一例)に回動可能に第1筐体10と第2筐体20とを結合するヒンジ機構15(回動機構の一例)とを含む。例えば、マイク1は、第1筐体10の内面10eに設けられている。
【0065】
これにより、マイク1は、開状態において主に前方(即ち、ユーザの方向)の音を集音することができる。なお、マイク1は、第2筐体20の内面20eに設けられてもよい。第2筐体20の内面20eに設けられている場合も、マイク1は、第1筐体10の内面10eに設けられている場合と同様に、開状態において主に前方(即ち、ユーザの方向)の音を集音することができるとともに、閉状態では、第1筐体10の内面10eで覆われて機能を発揮できない状態となる。
【0066】
一方、マイク2は、第1筐体10の内面10e及び第2筐体20の内面20e以外の面に設けられている。例えば、マイク2は、第1筐体10の側面10a(天面)に設けられている。これにより、情報処理装置100は、閉状態では、マイク1に代わって、マイク2を用いて、主に前方(即ち、ユーザの方向)の音を集音することができる。
【0067】
CPU301は、第1筐体10と第2筐体20とが閉状態と開状態とのいずれであるかに応じて、マイク1及びマイク2を有効にするか否かを個別に制御する。
【0068】
これにより、情報処理装置100は、閉状態と開状態とのいずれであるかによって、マイク1及びマイク2をそれぞれ有効にするか否かを適切に制御することができる。
【0069】
例えば、CPU301は、第1筐体10と第2筐体20とが閉状態である場合、マイク1をオフ(無効)に制御するとともに、マイク2をオン(有効)に制御する。一方、CPU301は、第1筐体10と第2筐体20とが開状態である場合、マイク1をオン(有効)に制御するとともに、マイク2をオフ(無効)に制御する。
【0070】
これにより、情報処理装置100は、閉状態の場合には、第2筐体20の内面20eで覆われて機能を発揮できないマイク1をオフ(無効)に制御し、マイク2をオン(有効)にすることで前方(即ち、ユーザの方向)の音を集音することができる。一方、情報処理装置100は、開状態では、マイク2をオフ(無効)にしてマイク1をオン(有効)にすることで前方(即ち、ユーザの方向)の音を集音することができる。つまり、情報処理装置100は、必要なマイクのみをオンに制御することができる。よって、情報処理装置100は、複数の筐体面に設けられているマイクを適切に制御することができる。
【0071】
なお、上記実施形態では、CPU301は、第1筐体10と第2筐体20とが開状態である場合、マイク2をオフ(無効)に制御する例を説明したが、マイク2をオン(有効)に制御してもよい。つまり、CPU301は、第1筐体10と第2筐体20とが開状態である場合、マイク1及びマイク2の両方をオン(有効)に制御してもよい。
【0072】
これにより、情報処理装置100は、開状態では、マイク1及びマイク2の両方をオン(有効)に制御することで、ユーザの方向と反対方向との両方向の音を集音することができる。例えば、打合せや商談などのように、情報処理装置100を挟んで前方と後方の両方に人物が対面して存在している場合に、両者の音声を集音することが可能である。
【0073】
また、本実施形態に係る情報処理装置100における制御方法は、CPU301(プロセッサの一例)が、システムメモリ304(メモリの一例)に記憶されたプログラムに基づいてシステム(例えば、BIOS、OSなど)の処理を実行するステップと、システム上で実行する処理に基づいて、第1筐体10の内面10e(第1面の一例)に設けられた前面のマイク1(第1マイクロフォンの一例)と、第1筐体10の内面10eとは異なる側面10a(第2面の一例)に設けられた天面のマイク2(第2マイクロフォンの一例)とを個別に制御するステップと、を含む。
【0074】
これにより、情報処理装置100は、利用シーンによって複数の筐体面に設けられているマイクを個別に制御することができるため、当該複数のマイクを適切に制御することができる。
【0075】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
第1の実施形態では、複数のマイクのオンとオフを個別に制御する例を説明したが、本実施形態では、指向性を個別に制御する例を説明する。なお、本実施形態に係る情報処理装置100の基本的な構成は、図1図2及び図3に示す構成と同様である。
【0076】
オーディオアプリ340は、マイク1及びマイク2のオンとオフの制御だけでなく、指向性を個別に制御する。例えば、オーディオアプリ340は、マイク1の指向性とマイク2の指向性とをユーザが設定可能な設定画面を表示部110へ表示させる。ユーザが設定画面に対して操作を行うことにより、オーディオアプリ340は、マイク1とマイク2の指向性を設定及び変更する。
【0077】
図5は、本実施形態に係る利用シーン(場面)に応じたマイクの指向性の設定例を示す図である。ここでは、場面A~Dの4つの場面を例にして説明する。場面Aは、情報処理装置100を挟んだ対面で、1対1で使用される状況である。この場面Aでは、前面のマイク1の指向性も天面のマイク2の指向性も狭く設定することにより、ユーザと対面する人物との両者の音声を集音しつつ、周囲の音を極力拾わないようにすることができる。
【0078】
場面Bは、情報処理装置100を挟んだ対面で、1対複数(例えば2、3人)で使用される状況である。この場面Bでは、前面のマイク1の指向性は場面Aと同様に狭く設定するものの、天面のマイク2の指向性を広く設定することにより、ユーザに対面する複数の人物の音声を集音することができる。
【0079】
場面Cは、情報処理装置100を挟んだ対面で、複数(例えば2、3人)対1で使用される状況である。この場面Cでは、前面のマイク1の指向性も天面のマイク2の指向性を広く設定することにより、対面する両者が複数であっても音声を集音することができる。
【0080】
場面Dは、情報処理装置100を挟んだ対面で、複数(例えば2、3人)対1使用される状況である。この場面Dでは、天面のマイク2の指向性は場面Aと同様に狭く設定するものの前面のマイク1の指向性を広く設定することにより、ユーザ自身の側に複数の人物が居る場合でも、複数の人物の音声を集音することができる。
【0081】
このような各種の利用シーン(場面)に応じて、ユーザがマイク1とマイク2の指向性を個別に設定することにより、情報処理装置100は、ユーザによる設定に応じて、マイク1の指向性とマイク2の指向性とを個別に制御することができる。
【0082】
なお、ユーザによる指向性の設定は、例えば、マイク1とマイク2のそれぞれについて指向性の選択肢の中から選択できるようにしてもよい。指向性の選択肢としては、狭い「狭」と広い「広」の2種類であってもよいし、狭い「狭」と中間「中」と広い「広」の3種類であってもよいし、さらに多段階の指向性が選択肢として用意されてもよい。また、スライダーバーに対する操作によりリニアに指向性を変化・設定できるようにしてもよい。また、図5に示す各場面のマイク1とマイク2の指向性に対応する設定が予め選択肢として用意されてもよい。
【0083】
以上説明したように、本実施形態に係る情報処理装置100において、CPU301は、マイク1の指向性とマイク2の指向性とを個別に制御する。
【0084】
これにより、情報処理装置100は、利用シーンによって複数の筐体面に設けられているマイクの指向性を個別に制御することができるため、当該複数のマイクを適切に制御することができる。
【0085】
例えば、CPU301は、ユーザによる設定に応じて、マイク1の指向性とマイク2の指向性とを個別に制御する。
【0086】
これにより、情報処理装置100は、利用シーンによって複数の筐体面に設けられているマイクの指向性をユーザが個別に設定することができる。よって、情報処理装置100は、ユーザによる設定に応じて、複数のマイクを適切に制御することができる。
【0087】
なお、指向性に代えて、マイクのオン(有効)とオフ(無効)とをユーザが設定可能な構成としてもよい。
【0088】
例えば、CPU301は、ユーザによる設定に応じて、マイク1及びマイク2をオン(有効)にするか否かを個別に制御してもよい。
【0089】
これにより、情報処理装置100は、利用シーンによって複数の筐体面に設けられているマイクのオンとオフをユーザが個別に設定することができる。よって、情報処理装置100は、ユーザによる設定に応じて、複数のマイクを適切に制御することができる。
【0090】
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
本実施形態では、マイクのオンとオフの設定と、指向性の設定との両方をユーザが設定可能な構成の例を説明する。なお、本実施形態に係る情報処理装置100の基本的な構成は、図1図2及び図3に示す構成と同様である。
【0091】
オーディオアプリ340は、ユーザによる設定に応じて、マイク1及びマイク2のオンとオフの制御と指向性の制御とを行う。例えば、オーディオアプリ340は、マイク1及びマイク2のオンとオフの設定と、オンの場合の指向性の設定とをユーザが設定可能な設定画面を表示部110へ表示させる。ユーザが設定画面に対して操作を行うことにより、オーディオアプリ340は、マイク1とマイク2のオンとオフ及びオンのときの指向性を設定及び変更する。
【0092】
図6は、本実施形態に係る利用シーン(場面)に応じたマイクのオンとオフ及び指向性の設定例を示す図である。ここでは、場面E~Gの3つの場面を例にして説明する。場面Eは、情報処理装置100を1人で使用しており、ユーザ(自分)の音声のみを集音したい状況である。この場面Eでは、前面のマイク1をオンにして指向性を狭く設定し、天面のマイク2をオフすることにより、ユーザの音声を集音しつつ、周囲の音を極力拾わないようにすることができる。
【0093】
場面Fは、情報処理装置100を挟んだ対面で、1対1で使用するが、対面する相手の音声のみを集音したい状況である。この場面Fでは、前面のマイク1はオフし、天面のマイク2をオンして指向性も狭く設定することにより、対面する相手の音声を集音しつつ、周囲の音を極力拾わないようにすることができる。
【0094】
場面Gは、情報処理装置100を挟んだ対面で、1対複数(例えば2、3人)で使用するが、対面する相手(複数の人物)の音声のみを集音したい状況である。この場面Gでは、前面のマイク1はオフし、天面のマイク2をオンして指向性も広く設定することにより、対面する複数の人物の音声を集音しつつ、周囲の音を極力拾わないようにすることができる。
【0095】
このような各種の利用シーン(場面)に応じて、ユーザがマイク1とマイク2のオンとオフ及び指向性をそれぞれ個別に設定することにより、情報処理装置100は、ユーザによる設定に応じて、マイク1とマイク2のオンとオフ及び指向性を個別に制御することができる。
【0096】
なお、ユーザによる指向性の設定は、第2の実施形態と同様に、例えば指向性の選択肢の中から選択できるようにしてもよい。指向性の選択肢としては、狭い「狭」と広い「広」の2種類であってもよいし、狭い「狭」と中間「中」と広い「広」の3種類であってもよいし、さらに多段階の指向性が選択肢として用意されてもよい。また、スライダーバーに対する操作によりリニアに指向性を変化・設定できるようにしてもよい。また、図5に示す各場面のマイク1とマイク2の指向性に対応する設定が予め選択肢として用意されてもよい。
【0097】
以上説明したように、本実施形態に係る情報処理装置100において、CPU301は、ユーザによる設定に応じて、マイク1及びマイク2を有効にするか否かと有効の場合の指向性とを個別に制御する。
【0098】
これにより、情報処理装置100は、利用シーンによって複数の筐体面に設けられているマイクのオンとオフとオンのときの指向性をユーザが個別に設定することができる。よって、情報処理装置100は、ユーザによる設定に応じて、複数のマイクを適切に制御することができる。
【0099】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。例えば、上記の各実施形態で説明した構成は、任意に組み合わせてもよい。
【0100】
なお、上記実施形態では、マイク2が第1筐体10の側面10aに設けられている例を説明したが、マイク2の位置はこれに限られるものではない。例えば、マイク2は、第1筐体10の側面10b、側面10d、或いは内面10eの反対側の外面に設けられてもよい。また、上記実施形態では、異なる2つの筐体面のそれぞれに設けられた2つのマイク(マイク1及びマイク2)を個別に制御する例を説明したが、異なる3つ以上の筐体面のそれぞれに設けられた3つのマイクを個別に制御する構成としてもよい。
【0101】
また、上記実施形態では、情報処理装置100がノートPCである例を説明したが、タブレット型のPCであってもよい。例えば、情報処理装置100がノートPCである場合には、前面(ディスプレイ面)側と背面側のそれぞれに設けられたマイクを個別に制御する構成としてもよい。このときの制御は、オンとオフ及び指向性のいずれか一方または両方であってもよい。なお、情報処理装置100は、PCに限られるものではなく、スマートフォンやゲーム機などであってもよい。
【0102】
なお、上述した情報処理装置100は、内部にコンピュータシステムを有している。そして、上述した情報処理装置100のそれぞれが備える各構成の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述した情報処理装置100のそれぞれが備える各構成における処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。
【0103】
また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部又は外部に設けられた記録媒体も含まれる。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に情報処理装置100が備える各構成で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0104】
また、上述した実施形態における情報処理装置100が備える各機能の一部、または全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。各機能は個別にプロセッサ化してもよいし、一部、又は全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
【符号の説明】
【0105】
1 マイク、2 マイク、10 第1筐体、20 第2筐体、15 ヒンジ機構、100 情報処理装置、110 表示部、120 撮像部、130 通信部、135 記憶部、140 電源ボタン、150 入力デバイス、151 キーボード、153 タッチパッド、160 開閉センサ、200 EC、300 メイン処理部、301 CPU、302 GPU、303 チップセット、304 システムメモリ、310 BIOS、320 IFドライバ、330 OS、340 オーディオアプリ
図1
図2
図3
図4
図5
図6