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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024033282
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】燃料電池システム
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/04858 20160101AFI20240306BHJP
   H01M 8/00 20160101ALI20240306BHJP
   H01M 8/04228 20160101ALI20240306BHJP
   H01M 8/04303 20160101ALI20240306BHJP
   H01M 8/04664 20160101ALI20240306BHJP
   H01M 8/04955 20160101ALI20240306BHJP
   H01M 8/04746 20160101ALI20240306BHJP
   H02M 3/155 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
H01M8/04858
H01M8/00 A
H01M8/04228
H01M8/04303
H01M8/04664
H01M8/04955
H01M8/04746
H02M3/155 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022136783
(22)【出願日】2022-08-30
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】長澤 知哉
【テーマコード(参考)】
5H127
5H730
【Fターム(参考)】
5H127AB04
5H127AB27
5H127AB29
5H127AC17
5H127BA02
5H127BA22
5H127BA33
5H127BA39
5H127BA57
5H127BA58
5H127BA59
5H127BB02
5H127BB12
5H127BB26
5H127BB37
5H127BB39
5H127BB40
5H127CC07
5H127DA12
5H127DC03
5H127DC89
5H127DC90
5H127DC96
5H730AA20
5H730AS04
5H730AS05
5H730AS08
5H730AS13
5H730AS17
5H730BB13
5H730BB14
5H730BB57
5H730DD04
5H730FD01
5H730FD11
5H730FD31
5H730FD41
5H730FF09
5H730FG01
5H730XX02
5H730XX15
5H730XX22
5H730XX35
(57)【要約】
【課題】燃料電池システムの非常停止時または異常停止時において、燃料電池やDCDCコンバータにかかる電圧を所望な電圧に低下させるためにかかる時間の短縮化を図る。
【解決手段】燃料電池FCの非常停止時または異常停止時において、DCDCコンバータCNVのローサイドのスイッチSW2及びDCDCコンバータCNVと蓄電装置Bとの間に接続されるリレーReを常時オフさせるとともに燃料電池FCが発電されないように水素循環ポンプHPなどの補機を駆動させて、燃料電池FCからDCDCコンバータCNVのインダクタL、ダイオードD1、及びコンデンサCを介して補機に電流を流す。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池と、
ハイサイドのダイオードと、ローサイドのスイッチと、前記ダイオード及び前記スイッチの接続点と前記燃料電池との間に接続されるインダクタと、前記ダイオード及び前記スイッチに並列接続されるコンデンサとを備え、前記スイッチがオン、オフすることで前記燃料電池の電圧を昇圧させ、前記スイッチが常時オフすることで前記燃料電池の電圧を降圧させるDCDCコンバータと、
前記DCDCコンバータから出力される電力が供給される蓄電装置と、
前記DCDCコンバータと前記蓄電装置との間に接続されるリレーと、
前記DCDCコンバータと前記リレーとの間に接続され、前記燃料電池を発電させるための補機と、
前記スイッチ、前記リレー、及び前記補機の動作を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、非常停止時または異常停止時、前記スイッチ及び前記リレーを常時オフさせるとともに前記燃料電池が発電されないように前記補機を駆動させて、前記燃料電池から前記インダクタ、前記ダイオード、及び前記コンデンサを介して前記補機に電流を流す
ことを特徴とする燃料電池システム。
【請求項2】
請求項1に記載の燃料電池システムであって、
前記制御部は、非常停止時または異常停止時、前記燃料電池から排出される水素ガスを前記燃料電池に再度供給するための水素循環ポンプを、前記補機として前記燃料電池内の水が前記燃料電池の外に排出されるように駆動させる
ことを特徴とする燃料電池システム。
【請求項3】
請求項1に記載の燃料電池システムであって、
前記制御部は、非常停止時または異常停止時、2つ以上の前記補機を駆動させる
ことを特徴とする燃料電池システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池システムに関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池システムとして、ハイサイドのダイオードと、ローサイドのスイッチと、ダイオード及びスイッチの接続点と燃料電池との間に接続されるインダクタと、ダイオード及びスイッチに並列接続されるコンデンサとを備え、スイッチがオン、オフすることで燃料電池の電圧を昇圧させ、スイッチが常時オフすることで燃料電池の電圧を降圧させるDCDCコンバータを備えるものがある。関連する技術として、例えば、特許文献1がある。
【0003】
ところで、非常停止ボタンがユーザにより押されることなどによる非常停止時、または、燃料電池システム内の部品が故障することなどによる異常停止時において、燃料電池からDCDCコンバータを介して外部負荷に電力が供給されることを停止させる場合、DCDCコンバータのスイッチを常時オフさせるとともに補機を停止させている。
【0004】
そのため、上記燃料電池システムでは、非常停止時または異常停止時において、DCDCコンバータのスイッチを常時オフさせるとともに補機を停止させる場合、燃料電池やDCDCコンバータに比較的小さい電流(暗電流)が流れる状態になるため、すなわち、燃料電池やDCDCコンバータに残留する電荷が消費され難い状態になるため、燃料電池やDCDCコンバータにかかる電圧を所望な電圧に低下させるために比較的長い時間がかかるという懸念がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2022-82092号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の一側面に係る目的は、燃料電池システムの非常停止時または異常停止時において、燃料電池やDCDCコンバータにかかる電圧を所望な電圧に低下させるためにかかる時間の短縮化を図ることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る一つの形態である燃料電池システムは、燃料電池と、ハイサイドのダイオードと、ローサイドのスイッチと、前記ダイオード及び前記スイッチの接続点と前記燃料電池との間に接続されるインダクタと、前記ダイオード及び前記スイッチに並列接続されるコンデンサとを備え、前記スイッチがオン、オフすることで前記燃料電池の電圧を昇圧させ、前記スイッチが常時オフすることで前記燃料電池の電圧を降圧させるDCDCコンバータと、前記DCDCコンバータから出力される電力が供給される蓄電装置と、前記DCDCコンバータと前記蓄電装置との間に接続されるリレーと、前記DCDCコンバータと前記リレーとの間に接続され、前記燃料電池を発電させるための補機と、前記スイッチ、前記リレー、及び前記補機の動作を制御する制御部とを備え、前記制御部は、非常停止時または異常停止時、前記スイッチ及び前記リレーを常時オフさせるとともに前記燃料電池が発電されないように前記補機を駆動させて、前記燃料電池から前記インダクタ、前記ダイオード、及び前記コンデンサを介して前記補機に電流を流す。
【0008】
これにより、非常停止時または異常停止時において、燃料電池やDCDCコンバータに残留する電荷を補機により消費させることができるため、燃料電池やDCDCコンバータにかかる電圧を所望な電圧に低下させるためにかかる時間の短縮化を図ることができる。
【0009】
また、前記制御部は、非常停止時または異常停止時、前記燃料電池から排出される水素ガスを前記燃料電池に再度供給するための水素循環ポンプを、前記補機として前記燃料電池内の水が前記燃料電池の外に排出されるように駆動させるように構成してもよい。
【0010】
これにより、非常停止時または異常停止時において、燃料電池内の水を燃料電池の外に積極的に排出することができるため、燃料電池内に水が残ることによって起因する燃料電池の劣化を抑制することができる。
【0011】
また、前記制御部は、非常停止時または異常停止時、2つ以上の前記補機を駆動させるように構成してもよい。
【0012】
これにより、燃料電池やDCDCコンバータに残留する電荷の単位時間あたりの消費量を増加させることができるため、燃料電池やDCDCコンバータにかかる電圧を所望な電圧に低下させるためにかかる時間をさらに短縮することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、燃料電池システムの非常停止時または異常停止時において、燃料電池やDCDCコンバータにかかる電圧を所望な電圧に低下させるためにかかる時間の短縮化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施形態の燃料電池システムの適用例を示す図である。
図2】実施形態の燃料電池システムの他の適用例を示す図である。
図3】DCDCコンバータの一例を示す図である。
図4】発電制御開始時における発電制御フラグ、燃料電池の電圧、DCDCコンバータ制御フラグ、リレー制御フラグ、及び補機制御フラグの一例を示す図である。
図5】非常停止時/異常停止時における発電制御フラグ、燃料電池の電圧、DCDCコンバータ制御フラグ、リレー制御フラグ、及び補機制御フラグの一例を示す図である。
図6】非常停止時/異常停止時における発電制御フラグ、燃料電池の電圧、DCDCコンバータ制御フラグ、リレー制御フラグ、及び補機制御フラグの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下図面に基づいて実施形態について詳細を説明する。
【0016】
図1は、実施形態の燃料電池システムの適用例を示す図である。
【0017】
図1に示す燃料電池システムの適用例では、燃料電池システム1が車両Veに備えられている。例えば、車両Veは、フォークリフトなどの産業車両とする。また、車両Veには、走行用モータを駆動するインバータなどの外部負荷Loが搭載され、燃料電池システム1から外部負荷Loに電力が供給されるものとする。
【0018】
また、図2は、実施形態の燃料電池システムの他の適用例を示す図である。なお、図2に示す燃料電池システム1は、図1に示す燃料電池システム1と同様とする。
【0019】
図2に示す燃料電池システム1の適用例では、燃料電池システム1が定置式発電機Sgに備えられている。例えば、定置式発電機Sgは、商用電源や太陽光発電機などと協働して外部負荷Loに電力を供給する発電機であって、燃料電池システム1から外部負荷Loに電力が供給されるものとする。
【0020】
また、図1または図2に示す燃料電池システム1は、燃料電池FCと、燃料タンクTkと、主止弁SVと、インジェクタINJと、気液分離機GLSと、水素循環ポンプHPと、排気排水弁EDVと、希釈器DILと、エアコンプレッサACPと、エア調圧弁ARVと、エアシャット弁ASVとを備える。
【0021】
また、図1または図2に示す燃料電池システム1は、ラジエタRと、ファンFと、ウォータポンプWPと、インタークーラICと、DCDCコンバータCNVと、蓄電装置Bと、リレーReと、電流センサSifと、電圧センサSvfと、電流センサSibと、電圧センサSvbと、記憶部2と、制御部3とを備える。
【0022】
燃料電池FCは、複数の燃料電池セルを積層させて構成され、水素ガスに含まれる水素と酸化剤ガスに含まれる酸素との電気化学反応により電気を発生させる。
【0023】
燃料タンクTkは、水素ガスの貯蔵容器である。燃料タンクTkに貯蔵された水素ガスは主止弁SV及びインジェクタINJを介して燃料電池FCに供給される。
【0024】
主止弁SVは、電磁弁などにより構成され、水素ガスをインジェクタINJに供給する。また、主止弁SVは、制御部3の動作制御によりインジェクタINJへの水素ガスの供給を遮断する。なお、燃料電池システム1が車両Veに備えられている場合、燃料タンクTk及び主止弁SVは車両Veの内部に備えられる。燃料電池システム1が定置式発電機Sgに備えられている場合、燃料タンクTk及び主止弁SVは定置式発電機Sgの外部に備えられる。
【0025】
インジェクタINJは、燃料電池FCに供給される水素ガスの圧力が一定になるように水素ガスの流量を調整する。
【0026】
気液分離機GLSは、燃料電池FCから排出される水素ガスと液水とを分離する。
【0027】
水素循環ポンプHPは、気液分離機GLSにより分離された水素ガスを燃料電池FCに再度供給する。
【0028】
排気排水弁EDVは、気液分離機GLSにより分離された液水を希釈器DILに送る。希釈器DILに送られた液水は、希釈器DIL内の不図示のタンクに溜まる。また、燃料電池FCからエア調圧弁ARVを介して排出された酸化剤ガスは、排気排水弁EDVから排出された水素ガスと希釈器DILで合流し、希釈器DILから排出される。
【0029】
エアコンプレッサACPは、周囲の酸化剤ガスを圧縮し、その圧縮した酸化剤ガスをインタークーラIC及びエアシャット弁ASVを介して燃料電池FCに供給する。なお、エアコンプレッサACPの圧縮率は、燃料電池FCの下流に設けられるエア調圧弁ARVの開度を調節することで制御される。
【0030】
インタークーラICは、圧縮により高温になった酸化剤ガスをインタークーラICに流れる冷却水などの冷媒と熱交換させる。
【0031】
エアシャット弁ASVは、制御部3の動作制御により燃料電池FCへの酸化剤ガスの供給を遮断する。
【0032】
エア調圧弁ARVは、燃料電池FCに供給される酸化剤ガスの圧力や流量を調整する。
【0033】
ラジエタRは、燃料電池FCが発する熱により温められた冷媒をラジエタRの周囲の雰囲気と熱交換させる。
【0034】
ファンFは、ラジエタRの放熱量を上昇させる。
【0035】
ウォータポンプWPは、ラジエタRにより冷却された冷媒をインタークーラICを介して燃料電池FCに供給する。
【0036】
DCDCコンバータCNVは、燃料電池FCの後段に接続され、燃料電池FCの電圧を昇圧または降圧する。また、DCDCコンバータCNVから出力される電力は、外部負荷Lo、エアコンプレッサACP、水素循環ポンプHP、及びウォータポンプWPなどの補機、及び蓄電装置Bに供給される。また、DCDCコンバータCNVから出力される電圧は、不図示の他のDCDCコンバータにより降圧され、ファンF、エアシャット弁ASV、及びエア調圧弁ARVなどの補機に供給される。
【0037】
ここで、図3は、DCDCコンバータCNVの一例を示す図である。
【0038】
図3に示すDCDCコンバータCNVは、ハイサイドのスイッチSW1と、スイッチSW1に並列接続されるハイサイドのダイオードD1(ダイオード)と、スイッチSW1に直列接続されるローサイドのスイッチSW2(スイッチ)と、スイッチSW2に並列接続されるローサイドのダイオードD2と、スイッチSW1、SW2の接続点と燃料電池FCとの間に接続されるインダクタLと、スイッチSW1、SW2に並列接続されるコンデンサCとを備える。
【0039】
例えば、スイッチSW1、SW2をそれぞれMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)とする場合、ダイオードD1、D2はスイッチSW1、SW2の寄生ダイオードとする。
【0040】
また、スイッチSW1、SW2をそれぞれMOSFETとする場合、インダクタLの一方端子が燃料電池FCの一方端子に接続され、インダクタLの他方端子がスイッチSW1のソース端子とスイッチSW2のドレイン端子との接続点に接続されている。また、スイッチSW1のドレイン端子がコンデンサCの一方端子に接続され、スイッチSW2のソース端子が燃料電池FCの他方端子及びコンデンサCの他方端子に接続されている。
【0041】
また、コンデンサCの一方端子が外部負荷Lo及び補機のそれぞれの一方端子に接続されているとともにリレーReを介して蓄電装置Bの正極端子に接続されている。また、コンデンサCの他方端子が外部負荷Lo及び補機のそれぞれの他方端子に接続されているとともに蓄電装置Bの負極端子に接続されている。
【0042】
蓄電装置Bは、リチウムイオンキャパシタなどにより構成され、DCDCコンバータCNVから出力される電力が供給される。すなわち、DCDCコンバータCNVから出力される電力と、補機に供給される電力の合計値との差に相当する供給電力が、外部負荷Loから要求される要求電力より大きい場合、その供給電力のうちの要求電力に相当する電力が外部負荷Loに供給されるとともに残りの電力が蓄電装置Bに供給される。DCDCコンバータCNVから蓄電装置Bに電力が供給されると、蓄電装置Bが充電され蓄電装置Bの充電量Chが増加する。また、DCDCコンバータCNVから出力される電力と、補機に供給される電力の合計値との差に相当する供給電力が、外部負荷Loから要求される要求電力より小さい場合、その供給電力が外部負荷Loに供給されるとともに足りない分の電力が蓄電装置Bから外部負荷Loに供給される。蓄電装置Bから外部負荷Loに電力が供給されると、蓄電装置Bが放電され蓄電装置Bの充電量Chが減少する。なお、充電量Chとは、蓄電装置Bの充電率[%](蓄電装置Bの満充電容量に対する残容量の割合)、または、蓄電装置Bに電流が流れていないときの蓄電装置Bの開回路電圧[V]、または、蓄電装置Bに電流が流れているときの蓄電装置Bの閉回路電圧[V]、または、蓄電装置Bに流れる電流の積算値[Ah]などとする。
【0043】
リレーReは、電磁式リレーなどにより構成される。リレーReの一方端子は、電圧センサSvb、電流センサSib、補機、及び外部負荷Loを介してDCDCコンバータCNVの一方の出力端子(コンデンサCの一方端子)に接続され、リレーReの他方端子は、蓄電装置Bの正極端子に接続されている。すなわち、DCDCコンバータCNVと蓄電装置Bとの間にリレーReが接続され、DCDCコンバータCNVとリレーReとの間に外部負荷Loや補機(エアコンプレッサACP、水素循環ポンプHP、及びウォータポンプWPなど)が接続されている。制御部3の動作制御によりリレーReがオン(導通)すると、DCDCコンバータCNV、外部負荷Lo、及び補機と、蓄電装置Bとが電気的に接続される。一方、制御部3の動作制御によりリレーReがオフ(遮断)すると、DCDCコンバータCNV、外部負荷Lo、及び補機と、蓄電装置Bとが電気的に遮断される。
【0044】
電流センサSifは、シャント抵抗やホール素子などにより構成され、燃料電池FCからDCDCコンバータCNVに流れる電流Ifを検出し、その検出した電流Ifを制御部3に送る。
【0045】
電圧センサSvfは、分圧抵抗などにより構成され、燃料電池FCの電圧Vfを検出し、その検出した電圧Vfを制御部3に送る。
【0046】
電流センサSibは、シャント抵抗やホール素子などにより構成され、リレーReがオンしているとき、燃料電池FCからDCDCコンバータCNV及びリレーReを介して蓄電装置Bに流れる電流Ibまたは蓄電装置BからリレーReを介して外部負荷Loに流れる電流Ibを検出し、その検出した電流Ibを制御部3に送る。
【0047】
電圧センサSvbは、分圧抵抗などにより構成され、リレーReがオンしているとき、リレーReと蓄電装置Bとが直列接続された状態での蓄電装置Bの電圧Vbを検出し、その検出した電圧Vbを制御部3に送る。
【0048】
記憶部2は、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などにより構成される。なお、記憶部2は、後述する閾値Vthなどを記憶している。例えば、閾値Vthは、燃料電池システム1または定置式発電機Sgで扱われる電圧の最小値とする。
【0049】
制御部3は、マイクロコンピュータなどにより構成され、燃料電池FCの発電を制御する。
【0050】
<発電制御開始時>
制御部3は、車両Veに備えられるイグニッションキーがユーザにより操作されることなどで車両Veの電源がオフ状態からオン状態になると、または、定置式発電機Sgに備えられる電源ボタンがユーザにより操作されることなどで定置式発電機Sgの電源がオフ状態からオン状態になると、燃料電池FCの発電制御を開始する。
【0051】
例えば、制御部3は、燃料電池FCの発電制御開始時、発電制御フラグをオフからオンに切り替える。制御部3は、発電制御フラグをオフからオンに切り替えると、補機制御フラグ、DCDCコンバータ制御フラグ、及びリレー制御フラグをオフからオンに切り替える。制御部3は、補機制御フラグをオフからオンに切り替えると、補機の駆動を開始し、DCDCコンバータ制御フラグをオフからオンに切り替えると、DCDCコンバータCNVの駆動を開始し、リレー制御フラグをオフからオンに切り替えると、リレーReをオフ(遮断)からオン(導通)に切り替える。
【0052】
<発電制御中>
制御部3は、燃料電池FCの発電制御中、蓄電装置Bの充電量Chに応じて目標発電電力Ptを段階的に変化させる。
【0053】
また、制御部3は、燃料電池FCの発電制御中、燃料電池FCの発電電力(電流Ifと電圧Vfの乗算値)が目標発電電力Ptに追従するように、補機の動作を制御する。例えば、制御部3は、燃料電池FCの発電制御中、PI(Proportional-Integral)制御により、燃料電池FCの発電電力と目標発電電力Ptとの差がゼロになるように、エアコンプレッサACPのモータの回転数や水素循環ポンプHPのモータの回転数などを制御する。
【0054】
また、制御部3は、燃料電池FCの発電制御中、燃料電池FCの電圧Vfが目標電圧Vt(例えば、48V)より低い場合、燃料電池FCの電圧Vfが目標電圧Vtに昇圧されるように、スイッチSW1、SW2を交互にオン、オフさせる。なお、制御部3は、燃料電池FCの発電制御中、燃料電池FCの電圧Vfが目標電圧Vtより低い場合、燃料電池FCの電圧Vfが目標電圧Vtまで昇圧されるように、スイッチSW1を常時オフさせつつスイッチSW2をオン、オフさせるように構成してもよい。この状態において、目標電圧Vtが外部負荷Loの電圧より高い場合、燃料電池FCからDCDCコンバータCNVを介して外部負荷Loに電流が流れる。また、目標電圧Vtが蓄電装置Bの電圧Vbより高い場合で、かつ、リレーReがオンしている場合、燃料電池FCからDCDCコンバータCNV及びリレーReを介して蓄電装置Bに電流が流れる。
【0055】
また、制御部3は、燃料電池FCの発電制御中、燃料電池FCの電圧Vfが目標電圧Vt以上である場合、燃料電池FCの電圧Vfが降圧されるように、スイッチSW1、SW2を常時オフさせる。なお、制御部3は、燃料電池FCの発電制御中、燃料電池FCの電圧Vfが目標電圧Vt以上である場合、スイッチSW1を常時オンさせるとともにスイッチSW2を常時オフさせるように構成してもよい。この状態において、目標電圧Vtが外部負荷Loの電圧より高い場合、燃料電池FCからDCDCコンバータCNVを介して外部負荷Loに電流が流れる。また、目標電圧Vtが蓄電装置Bの電圧Vbより高い場合で、かつ、リレーReがオンしている場合、燃料電池FCからDCDCコンバータCNV及びリレーReを介して蓄電装置Bに電流が流れる。
【0056】
<発電制御終了時>
制御部3は、車両Veに備えられるイグニッションキーがユーザにより操作されることなどで車両Veの電源がオン状態からオフ状態になると、または、定置式発電機Sgに備えられる電源ボタンがユーザにより操作されることなどで定置式発電機Sgの電源がオン状態からオフ状態になると、燃料電池FCの発電制御を終了する。
【0057】
例えば、制御部3は、燃料電池FCの発電制御終了時、発電制御フラグをオンからオフに切り替える。制御部3は、発電制御フラグをオンからオフに切り替えると、補機制御フラグをオンからオフに切り替えて補機を停止させる。
【0058】
また、制御部3は、発電制御フラグをオンからオフに切り替えてから燃料電池FCの電圧Vfが閾値Vth以下になるまでの期間、DCDCコンバータCNVを駆動させるとともにリレーReを常時オンさせる。これにより、燃料電池FCの発電制御終了時において、発電制御フラグがオンからオフに切り替わってから燃料電池FCの電圧Vfが閾値Vth以下になるまでの期間、燃料電池FCからDCDCコンバータCNV及びリレーReを介して蓄電装置Bに積極的に電流を流すことができるため、すなわち、燃料電池FCやDCDCコンバータCNVに残留する電荷を蓄電装置Bに積極的に移動させることができるため、燃料電池FCの電圧VfやDCDCコンバータCNVの電圧を所望な電圧に低下させることができる。
【0059】
また、制御部3は、発電制御フラグをオンからオフに切り替えてから燃料電池FCの電圧Vfが閾値Vth以下になると、DCDCコンバータ制御フラグをオンからオフに切り替えてDCDCコンバータCNVを停止させるとともに、リレー制御フラグをオンからオフに切り替えてリレーReを常時オフさせる。
【0060】
<非常停止時/異常停止時>
制御部3は、車両Veまたは定置式発電機Sgに備えられる不図示の非常停止ボタンがユーザにより押されると、または、燃料電池システム1内の部品(水素循環ポンプHPなど)に異常が発生したと判断すると、外部負荷Loや蓄電装置Bに電力が供給されることをすぐに停止させるために、非常停止/異常停止フラグをオフからオンに切り替えて非常停止/異常停止処理を開始する。例えば、制御部3は、燃料電池FCの発電制御中、水素循環ポンプHPに印加される電流を検出する不図示の電流センサにより検出される電流が所定電流値以上になると、水素循環ポンプHPに異常が発生したと判断する。
【0061】
また、制御部3は、非常停止/異常停止フラグをオフからオンに切り替えると、DCDCコンバータ制御フラグをオンからオフに切り替えてスイッチSW1、SW2を常時オフさせるとともに、リレー制御フラグをオンからオフに切り替えてリレーReを常時オフさせる。このように、非常停止時/異常停止時において、リレーReを常時オフさせることで燃料電池FCから蓄電装置Bに電力が供給されることを停止させることができる。
【0062】
また、制御部3は、非常停止/異常停止フラグをオフからオンに切り替えてから燃料電池FCの電圧Vfが閾値Vth以下になるまでの期間、補機制御フラグをオンに維持し、燃料電池FCが発電しないように補機を駆動させる。例えば、非常停止/異常停止フラグをオフからオンに切り替えてから燃料電池FCの電圧Vfが閾値Vth以下になるまでの期間において、エアコンプレッサACPを駆動させる場合、制御部3は、エアコンプレッサACPに備えられるモータが回転しないようにモータの動作を制御することで、燃料電池FCからDCDCコンバータCNVを介してエアコンプレッサACPのモータに電流を流す。このように、非常停止時/異常停止時において、燃料電池FCが発電しないように補機を駆動させているため、燃料電池FCの発電がすぐに停止し、外部負荷Loに電力が供給されることをすぐに停止させることができる。また、非常停止時/異常停止時において、燃料電池FCからインダクタL、ダイオードD1、及びコンデンサCを介して補機に積極的に電流を流すことができるため、すなわち、燃料電池FCやDCDCコンバータCNVに残留する電荷を補機により消費させることができるため、燃料電池FCの電圧VfまたはDCDCコンバータCNVの電圧を所望な電圧に低下させることができる。また、非常停止時/異常停止時において、水素循環ポンプHPを駆動させる場合、燃料電池FC内の水を燃料電池FCの外に積極的に排出する処理(掃気処理)を行うことができるため、燃料電池FC内に水が残ることによって起因する燃料電池FCの劣化を抑制することができる。なお、非常停止/異常停止フラグをオフからオンに切り替えた場合、燃料電池FCから外部負荷への電力の供給は基本的には行われない。
【0063】
また、制御部3は、非常停止/異常停止フラグをオフからオンに切り替えてから燃料電池FCの電圧Vfが閾値Vth以下になるまでの期間、2つ以上の補機を駆動させるように構成してもよい。例えば、制御部3は、非常停止/異常停止フラグをオフからオンに切り替えてから燃料電池FCの電圧Vfが閾値Vth以下になるまでの期間、水素循環ポンプHP及びウォータポンプWPを駆動させるように構成してもよい。これにより、水素循環ポンプHPが故障していることで、燃料電池FCやDCDCコンバータCNVに残留する電荷を水素循環ポンプHPで消費させることができない状態であっても、燃料電池FCやDCDCコンバータCNVに残留する電荷をウォータポンプWPにより消費させることができるため、燃料電池FCの電圧VfまたはDCDCコンバータCNVの電圧を所望な電圧に低下させることができる。
【0064】
また、制御部3は、非常停止/異常停止フラグをオフからオンに切り替えてから燃料電池FCの電圧Vfが閾値Vth以下になるまでの期間、消費電力が比較的大きい補機を選択的に駆動させるように構成してもよい。これにより、非常停止時/異常停止時において、燃料電池FCやDCDCコンバータCNVに残留する電荷をより短時間で消費させることができ、燃料電池FCの電圧VfまたはDCDCコンバータCNVの電圧を所望な電圧により早く低下させることができる。
【0065】
また、制御部3は、非常停止/異常停止フラグをオフからオンに切り替えた後、燃料電池FCの電圧Vfが閾値Vth以下になると、補機制御フラグをオンからオフに切り替えて補機を停止させる。
【0066】
ここで、図4は、発電制御開始時における発電制御フラグ、燃料電池FCの電圧Vf、DCDCコンバータ制御フラグ、リレー制御フラグ、及び補機制御フラグの一例を示す図である。なお、図4(a)~図4(e)に示す各二次元座標の横軸は時間を示し、縦軸は電圧を示し、図4(a)に示す実線は発電制御フラグを示し、図4(b)に示す実線は燃料電池FCの電圧Vfを示し、図4(c)に示す実線はDCDCコンバータ制御フラグを示し、図4(d)に示す実線はリレー制御フラグを示し、図4(e)に示す実線は補機制御フラグを示す。
【0067】
図4(a)~図4(e)に示す例では、時刻t11において、発電制御フラグがオン(電圧Vhigh)からオフ(電圧Vlow)に切り替わると、補機制御フラグがオン(電圧Vhigh)からオフ(電圧Vlow)に切り替わる。また、発電制御フラグがオンからオフに切り替わっても、DCDCコンバータ制御フラグ及びリレー制御フラグはオン(電圧Vhigh)に維持されている。これにより、燃料電池FCの発電が停止するとともに、燃料電池FCからDCDCコンバータCNVを介して蓄電装置Bに電流が流れ、燃料電池FCの電圧Vfが徐々に低下していく。
【0068】
そして、時刻t12において、燃料電池FCの電圧Vfが閾値Vth以下になると、すなわち、燃料電池FCの電圧Vfが燃料電池システム1または定置式発電機Sgで扱われる電圧の最小値まで低下すると、DCDCコンバータ制御フラグがオンからオフ(電圧Vlow)に切り替わりスイッチSW1、SW2が常時オフするとともに、リレー制御フラグがオンからオフ(電圧Vlow)に切り替わりリレーReが常時オフする。
【0069】
ところで、非常停止時/異常停止時において、外部負荷Loや蓄電装置Bに電力が供給されることをすぐに停止させようとする場合では、非常停止/異常停止フラグがオフからオンに切り替わってからすぐにDCDCコンバータ制御フラグ、リレー制御フラグ、及び補機制御フラグをオンからオフに切り替えることが考えられる。
【0070】
図5は、このように非常停止/異常停止フラグがオフからオンに切り替わってからすぐに、DCDCコンバータ制御フラグ、リレー制御フラグ、及び補機制御フラグをオンからオフに切り替える場合における発電制御フラグ、燃料電池FCの電圧Vf、DCDCコンバータ制御フラグ、リレー制御フラグ、及び補機制御フラグの一例を示す図である。なお、図5(a)~図5(e)に示す各二次元座標の横軸は時間を示し、縦軸は電圧を示し、図5(a)に示す実線は非常停止/異常停止フラグを示し、図5(b)に示す実線は燃料電池FCの電圧Vfを示し、図5(c)に示す実線はDCDCコンバータ制御フラグを示し、図5(d)に示す実線はリレー制御フラグを示し、図5(e)に示す実線は補機制御フラグを示す。
【0071】
図5(a)~図5(e)に示す例では、時刻t21において、非常停止/異常停止フラグがオフ(電圧Vlow)からオン(電圧Vhigh)に切り替わると、DCDCコンバータ制御フラグ、リレー制御フラグ、及び補機制御フラグがそれぞれオン(電圧Vhigh)からオフ(電圧Vlow)に切り替わる。これにより、非常停止時/異常停止時において、外部負荷Loや蓄電装置Bに電力が供給されることをすぐに停止させることができる。
【0072】
しかしながら、非常停止時/異常停止時において、すぐにDCDCコンバータCNV及び補機を停止させるとともにリレーReを遮断させる場合、燃料電池FCやDCDCコンバータCNVに比較的小さい電流(暗電流)が流れるだけで、燃料電池FCやDCDCコンバータCNVに残留する電荷が燃料電池FCやDCDCコンバータCNVから移動し難い状態になるため、図4(b)に示すように、時刻t21において非常停止/異常停止フラグがオフからオンに切り替わってから時刻t23において燃料電池FCの電圧Vfが閾値Vth以下になるまでの期間が比較的長くなってしまう。
【0073】
そこで、実施形態の燃料電池システム1では、非常停止/異常停止フラグがオフからオンに切り替わってから燃料電池FCの電圧Vfが閾値Vth以下になるまで期間、燃料電池FCが発電しないように補機を駆動させている。
【0074】
図6は、実施形態の燃料電池システム1における非常停止/異常停止時の発電制御フラグ、燃料電池FCの電圧Vf、DCDCコンバータ制御フラグ、リレー制御フラグ、及び補機制御フラグの一例を示す図である。なお、図6(a)~図6(e)に示す各二次元座標の横軸は時間を示し、縦軸は電圧を示し、図6(a)に示す実線は非常停止/異常停止フラグを示し、図6(b)に示す実線は燃料電池FCの電圧Vfを示し、図6(c)に示す実線はDCDCコンバータ制御フラグを示し、図6(d)に示す実線はリレー制御フラグを示し、図6(e)に示す実線は補機制御フラグを示す。
【0075】
まず、時刻t21において、非常停止/異常停止フラグがオフ(電圧Vlow)からオン(電圧Vhigh)に切り替わると、DCDCコンバータ制御フラグ及びリレー制御フラグがそれぞれオン(電圧Vhigh)からオフ(電圧Vlow)に切り替わることで、スイッチSW1、SW2及びリレーReが常時オフする。このように、非常停止時/異常停止時において、リレーReが常時オフすることにより、燃料電池FCから蓄電装置Bへの電力供給をすぐに停止させることができる。
【0076】
また、時刻t21において、非常停止/異常停止フラグがオフからオンに切り替わると、補機制御フラグがオンを維持しつつ、燃料電池FCが発電しないように補機が駆動する。これにより、非常停止時/異常停止時において、燃料電池FCやDCDCコンバータCNVに残留する電荷を補機により消費させることができる。
【0077】
そして、時刻t22において、燃料電池FCの電圧Vfが閾値Vth以下になると、補機制御フラグがオンからオフに切り替わり、補機が停止する。
【0078】
このように、実施形態の燃料電池システム1では、非常停止時/異常停止時において、燃料電池FCやDCDCコンバータCNVに残留する電荷を蓄電装置Bによって消費できないような状況であっても、補機により消費させることができるため、燃料電池FCやDCDCコンバータCNVに残留する電荷をDCDCコンバータが備える比較的抵抗値が小さい素子で消費させる場合に比べて、燃料電池FCやDCDCコンバータCNVに残留する電荷の単位時間あたりの消費量を増加させることができ、燃料電池FCの電圧VfやDCDCコンバータCNVの電圧を閾値Vth以下にするためにかかる時間を短縮することができる。また、燃料電池システム1で電荷を消費させる制御が完結するため、外部負荷によって燃料電池FCやDCDCコンバータCNVに残留する電荷を消費させる機能を持たせる必要が無い。そのため、燃料電池システム1を適用するアプリケーション自体に、設計変更を施さなくてよい。
【0079】
また、実施形態の燃料電池システム1では、非常停止時/異常停止時において、燃料電池FCの電圧VfやDCDCコンバータCNVの電圧を比較的短い時間で低下させることができるため、燃料電池システム1内の故障部品をすぐに交換することができる。
【0080】
なお、本発明は、以上の実施の形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更が可能である。
【0081】
<変形例1>
上記実施形態では、制御部3は、非常停止/異常停止フラグをオフからオンに切り替えると、DCDCコンバータ制御フラグをオンからオフに切り替えてスイッチSW1、SW2を常時オフさせる構成であるが、非常停止/異常停止フラグをオフからオンに切り替えると、DCDCコンバータ制御フラグをオンからオフに切り替えてスイッチSW1を常時オンさせるとともにスイッチSW2を常時オフさせるように構成してもよい。
【0082】
<変形例2>
DCDCコンバータCNVにおいて、スイッチSW1を省略してもよい。すなわち、スイッチSW1を省略する場合、DCDCコンバータCNVは、ハイサイドのダイオードD1と、ローサイドのスイッチSW2と、ダイオードD1及びスイッチSW2の接続点と燃料電池FCとの間に接続されるインダクタLと、ダイオードD1及びスイッチSW2に並列接続されるコンデンサCとを備え、スイッチSW2をオン、オフさせることで燃料電池FCの電圧Vfを昇圧し、スイッチSW2を常時オフさせることで燃料電池FCの電圧Vfを降圧する。
【0083】
<変形例3>
上記実施形態では、インダクタL、ハイサイドの素子(スイッチSW1やダイオードD1)、及びローサイドの素子(スイッチSW2やダイオードD2)からなる1相のDCDCコンバータCNVを採用しているが、2相以上のDCDCコンバータCNVを採用してもよい。なお、2相以上のDCDCコンバータCNVを採用する場合、制御部3は、各相のハイサイドの素子及びローサイドの素子のそれぞれのオン、オフの位相を互いにずらすことで、燃料電池FCの電圧Vfを目標電圧Vtに昇圧させる。
【符号の説明】
【0084】
1 燃料電池システム
2 記憶部
3 制御部
Ve 車両
Lo 外部負荷
Sg 定置式発電機
FC 燃料電池
Tk 燃料タンク
SV 主止弁
INJ インジェクタ
GLS 気液分離機
HP 水素循環ポンプ
EDV 排気排水弁
DIL 希釈器
ACP エアコンプレッサ
ARV エア調圧弁
ASV エアシャット弁
R ラジエタ
F ファン
WP ウォータポンプ
IC インタークーラ
CNV DCDCコンバータ
B 蓄電装置
Sif 電流センサ
Svf 電圧センサ
Sib 電流センサ
Svb 電圧センサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6