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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024033287
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】通信システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240306BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022136789
(22)【出願日】2022-08-30
(71)【出願人】
【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105980
【弁理士】
【氏名又は名称】梁瀬 右司
(74)【代理人】
【識別番号】100121027
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100178995
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 陽介
(72)【発明者】
【氏名】大森 裕介
(72)【発明者】
【氏名】山田 香織
(72)【発明者】
【氏名】泉 洋樹
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】車両を利用するユーザにサービスを提供する通信システムにおいて、サーバから通信端末装置へのレスポンス速度の向上により、ユーザビリティの向上を図る。
【解決手段】通信システムでは、車両提供サービスを利用する際、ユーザと特定するユーザ識別情報に対して、ユーザが事前に選択したサービスプランに関する情報と、当該サービスプランを提供可能な車両を識別可能な車両識別情報とが紐づけて、車両提供サービスのサーバ1に記憶される。これにより、ユーザが車両提供サービスを利用する際に、サーバ1のCPU1aが利用可能な車両を検索する処理と、ユーザが事前に選択したサービスプランの検索処理のスピードを向上させることができ、ユーザビリティが向上する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信端末装置を介してサーバとの間で通信を行い、車両を利用するユーザにサービスを提供する通信システムであって、
前記通信端末装置は、前記サーバとの間で前記サービスに関する情報を含む情報の送受信を行う送受信部を有し、
前記サーバは、ユーザが利用可能な複数の車両それぞれを特定可能な車両識別情報と、前記車両識別情報の種類に応じて設定されている提供可能なサービスプランの種類を特定可能なサービスプラン情報とを予め記憶する記憶部を有し、
前記サーバは、ユーザにより選択された前記サービスプランに関する情報を前記通信端末装置から受信した場合は、当該選択されたサービスプランを提供可能な前記車両識別情報を選定した上で、前記選定した車両識別情報と、当該選択されたサービスプランに対応するサービスプラン情報とを、前記選定した車両識別情報それぞれに対して紐づけて前記記憶部に記憶し、
前記サーバは、ユーザによる所定のアプリケーションの起動に基づいて、事前に選定した前記車両識別情報の中から、利用可能な一または複数の前記車両識別情報を前記通信端末装置側に送信し、
前記サーバから送信された当該利用可能な一または複数の前記車両識別情報の中から選択された一の前記車両識別情報に紐づけて前記記憶部に記憶されている前記サービスプラン情報に基づいて前記サービスが提供される
ことを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記通信端末装置は、前記所定のアプリケーションの起動後に前記サーバとの接続処理を実行し、
前記サーバは、前記接続処理の完了後に、事前に選定された前記車両識別情報の中から、利用可能な一または複数の前記車両識別情報を前記通信端末装置に送信し、
前記通信端末装置は、前記利用可能な一または複数の前記車両識別情報から選択された一の前記車両識別情報を前記サーバに送信し、
前記選択された一の車両識別情報に紐づけて前記サーバの前記記憶部に記憶されている前記サービスプラン情報に基づいて、提供される前記サービスが決定される
ことを特徴とする請求項1に記載の通信システム。





【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信端末装置を介してサーバとの間で通信を行い、車両を利用するユーザにサービスを提供する通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザが様々は車両に手軽に乗れるように構成された通信システムがある。例えば、特許文献1に記載の通信システムでは、カーシェアの利用に供される個人の車両や法人の車両を情報提供装置に記憶させ、ユーザが車両の乗車を希望する場合は、ユーザの情報端末に利用可能な車両の一覧に関する情報が提供され、当該一覧にある車両をユーザが選択することにより、当該車両の予約登録が情報提供装置で行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-176041号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の通信システムでは、ユーザが様々な車両に乗るだけでなく、選択された車両に応じて様々なサービスを提供することによってユーザの満足度を高めることもできる。例えば、事前にユーザが所望するサービスの種類を選定し、当該選定されたサービスを提供可能な車両の中から一の車両を選択して乗車する構成とした場合、情報提供装置では、システムの利用に供される車両のデータベースと、事前にユーザが選定したサービスに関する情報とが記憶される。
【0005】
そして、当該通信システムが利用される際は、情報提供装置側では、利用時に使用可能な車両を検索し、検索結果で選定された車両の中から事前に選定されたサービスを提供可能な車両を検索し、当該検索結果をユーザに通知する。この場合、情報提供装置において、登録されている車両識別情報のデータベースと、ユーザが選定したサービスに関する情報とが個別のデータとして記憶されている場合など、データの格納態様によっては各種の検索に時間がかかる場合あり、この場合は、ユーザに対する検索結果のレスポンス速度が遅くなる。
【0006】
本発明は、上記した課題を鑑みてなされたものであり、通信端末装置を介してサーバとの間で通信を行い、車両を利用するユーザにサービスを提供する通信システムにおいて、サーバから通信端末装置へのレスポンス速度の向上により、ユーザビリティの向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の目的を達成するため、本発明にかかる通信システムは、 通信端末装置を介してサーバとの間で通信を行い、車両を利用するユーザにサービスを提供する通信システムであって、前記通信端末装置は、前記サーバとの間で前記サービスに関する情報を含む情報の送受信を行う送受信部を有し、前記サーバは、ユーザが利用可能な複数の車両それぞれを特定可能な車両識別情報と、前記車両識別情報の種類に応じて設定されている提供可能なサービスプランの種類を特定可能なサービスプラン情報とを予め記憶する記憶部を有し、前記サーバは、ユーザにより選択された前記サービスプランに関する情報を前記通信端末装置から受信した場合は、当該選択されたサービスプランを提供可能な前記車両識別情報を選定した上で、前記選定した車両識別情報と、当該選択されたサービスプランに対応するサービスプラン情報とを、前記選定した車両識別情報それぞれに対して紐づけて前記記憶部に記憶し、前記サーバは、ユーザによる所定のアプリケーションの起動に基づいて、事前に選定した前記車両識別情報の中から、利用可能な一または複数の前記車両識別情報を前記通信端末装置側に送信し、前記サーバから送信された当該利用可能な一または複数の前記車両識別情報の中から選択された一の前記車両識別情報に紐づけて前記記憶部に記憶されている前記サービスプラン情報に基づいて前記サービスが提供されることを特徴としている(請求項1)。
【0008】
また、前記通信端末装置は、前記所定のアプリケーションの起動後に前記サーバとの接続処理を実行し、前記サーバは、前記接続処理の完了後に、事前に選定された前記車両識別情報の中から、利用可能な一または複数の前記車両識別情報を前記通信端末装置に送信し、前記通信端末装置は、前記利用可能な一または複数の前記車両識別情報から選択された一の前記車両識別情報を前記サーバに送信し、前記選択された一の車両識別情報に紐づけて前記サーバの前記記憶部に記憶されている前記サービスプラン情報に基づいて、提供される前記サービスが決定されるようにしてもよい(請求項2)。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明によれば、事前に登録されたサービスプランに対応するサービスプラン情報と、当該サービスプランを提供可能な車両識別情報とがサーバで紐づけて記憶されるため、当該通信システムを利用する際に、利用可能な車両の検索処理と、ユーザが選択したサービスプランの検索処理のスピードを向上させることができる。これにより、ユーザに対するサーバからの検索結果のレスポンス速度を向上させることができ、ユーザビリティが向上する。
【0010】
請求項2の発明によれば、請求項1の通信システムの具体的な処理のフローを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係る通信システムの概略構成図である。
図2図1の車両用通信システムを用いて提供されるサービスの事前登録の流れを示す図である。
図3図1のサーバで記憶されるデータテーブルの一例を示す図である。
図4図1の通信システムを用いて提供されるサービスの利用の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の一実施形態にかかる通信システムについて、図1図4を参照して説明する。なお、図1は本発明の一実施形態の通信システムの構成図、図2図1の車両用通信システムを用いて提供されるサービスの事前登録の流れを示す図、図3はサーバに記憶されるデータテーブルの一例を示す図、図4図1の通信システムを用いて提供されるサービスの利用の流れを示す図である。
【0013】
(通信システムの概略構成)
本発明の一実施形態にかかる通信システムは、例えば、カーシェアリングなど、法人などが所有する車両を、登録したユーザが利用するとともに、車両の利用時に事前に契約したサービスも併せて提供するシステムに利用される通信システムであり、サーバと通信端末装置とを備える。
【0014】
サーバ1は、各種の制御プログラムを実行するCPU1aと、制御プログラムや各種のデータを記憶するメモリ1bと、通信端末装置2との間でデータの送受信を行う送受信回路1cとを有する。サーバ1は、カーシェアリングサービスなどの車両提供サービスを提供する事業者により管理される。
【0015】
CPU1aは、車両提供サービスの提供にかかる各種の制御プログラムを実行したり、ユーザの登録情報、ユーザが指定したサービスプランなどをメモリ1bに書き込む処理を実行したり、ユーザが車両提供サービスを利用する際に、利用可能な車両の検索処理や提供するサービスプランの検索処理を行う。また、CPU1aは、各種情報(データ)を送受信回路1cに入力する処理を行う。また、CPU1aは、送受信回路1cを介して、通信端末装置2の表示画面に各種情報を表示させる処理を行う。
【0016】
メモリ1bは、ROMおよびRAMなどで構成されており、ROMにはサーバ1のCPU1aにより実行される各種制御プログラムなどが記憶される。RAMには、ユーザが使用可能な複数の車両を識別する車両識別情報のデータベース、ユーザにより選択可能な各種サービスプランを特定可能な情報(サービスプラン情報)のデータベース、車ユーザ識別情報、利用に供される車両ごとに設定されている提供可能なサービスプランの種類を特定する情報などが記憶される。ユーザが車両提供サービスの利用登録時に選択したサービスプランを選択した際には、ユーザ識別情報と、車両識別情報と、サービスプラン情報とが紐づけられたデータが記憶される。
【0017】
ユーザ識別情報は、車両提供サービスを利用する複数のユーザの中から各個人を特定可能な情報である。
【0018】
車両識別情報は、ユーザが利用可能な複数の車両の各々を特定可能な情報であり、例えば、車両のプレートナンバーを特定可能な情報や、各車両の自動車登録番号を特定可能な情報を採用することができる。なお、ユーザが当該車両提供サービスを利用する際に、車種を指定するように構成されている場合は、利用可能な車種を特定可能な情報であってもよい。なお、車両識別情報は、プレートナンバーや自動車登録番号に限らず、各々の車両を特定可能な情報であれば適宜採用可能である。
【0019】
サービスプラン情報は、提供可能なサービスとして設定されている複数のサービスプランの種類を特定可能な情報であり、この実施形態では、サービスプランA、サービスプランB、サービスプランCがユーザが選択可能なサービスプランとして設定されている場合について説明する。なお、サービスプランとは、例えば、ユーザが利用する車両の中で視聴可能なビデオコンテンツの提供であり、例えば、利用可能なビデオコンテンツの全てが視聴可能なサービスプランA(プレミアム)、一部のコンテンツに視聴制限がかけられたサービスプランB(ハイグレード)、ビデオコンテンツの視聴ができないサービスプランC(スタンダード)が設定されていてもよい。
【0020】
サービスプランについては、適宜設定可能であり、例えば、車両にWiFiルータが配設されている場合は、通信端末装置2がWiFiルータを利用して通信する際の通信速度がその種類によって異なるサービスプランを提供してもよい。また、車両に人がいる場合には警告を行うか否かがその種類によって異なるサービスプランを提供してもよい。また、車両にかける保険サービスがその種類によって異なるサービスプランを提供してもよい。
【0021】
送受信回路1cは、通信端末装置2との間で情報(データ)の送受信を行う。送受信回路1cは、通信端末装置2から送信されたデータを受信した場合は、当該データをCPU1aに入力する。また、送受信回路1cは、CPU1aからデータが入力された場合は、当該データを通信端末装置2に送信する。
【0022】
通信端末装置2は、車両提供サービスを利用するユーザが所有する端末装置であり、通信端末装置2を用いてサーバ1にアクセスすることにより、使用する車両の予約を行う。通信端末装置2は、例えば、スマートフォンやタブレットなどであり、各種制御プログラムの実行を行うCPU2aと、各種制御プログラムやデータを記憶するメモリ2bと、サーバ1との無線通信を行う送受信回路2cとを備える。
【0023】
CPU2aは、車両提供サービスの利用登録を行う際に、サーバ1に送信する各種データを送受信回路2cに入力する。また、CPU2aは、車両提供サービスの利用を容易にするためのアプリケーションの制御プログラムをサーバ1からダウンロードし、メモリ2bに記憶させる。CPU2aは、表示画面に表示された車両提供サービス用のアプリケーションのアイコンが押下された場合は、メモリ2bに記憶させた当該アプリケーションの制御プログラムを起動させる。CPU2aは、サーバ1のCPU1aからの各種情報の表示要求にかかる信号を受信した場合は、当該信号に基づいて表示画面に各種情報(例えば、選択画面)を表示させる。CPU2aは、選択画面に基づいて、ユーザが車両やサービスプランを選択した場合は、当該選択内容を特定可能な情報を送受信回路2cに入力する。
【0024】
メモリ2bは、ROMおよびRAMを含み、車両提供サービスのアプリケーションに係るプログラムを含む各種制御プログラムを記憶する。
【0025】
送受信回路2cは、サーバ1との間で情報(データ)の送受信を行う。送受信回路2cは、サーバ1から送信されたデータを受信した場合は、当該データをCPU2aに入力する。また、送受信回路2cは、CPU2aからデータが入力された場合は、当該データをサーバ1に送信する。
【0026】
(車両提供サービスの事前登録)
次に、この実施形態にかかる車両提供サービスの事前登録の流れについて、図2および図3を参照して説明する。
【0027】
ユーザが車両提供サービスに加入登録を行う前の段階で、当該サービスを運営する事業者は、当該サービスの利用に供される車両に関する情報をサーバ1に登録する。CPU1aは、当該登録操作に基づいて、メモリ1bに設けられた登録車両を格納するデータベース(登録車両データベース)に、登録車両に関する車両識別情報を加えて記憶させる。なお、登録車両のデータベースに登録された車両については、それぞれの車両に応じて提供可能なサービスプランの種類が設定されており、当該情報もメモリ1bに記憶される。
【0028】
また、ユーザが車両提供サービスに加入登録を行う前の段階で、当該サービスを運営する事業者は、ユーザが利用可能なサービスプランをサーバ1のメモリ1bに登録する。このとき、CPU1aは、提供可能なサービスプランを格納するデータベースに各種サービスプラン情報を記憶させる。この実施形態では、ユーザが選択可能なサービスプランの種類として、サービスプランA、サービスプランB、サービスプランCの3種類が設定されており、この実施形態では、最上位(プレミアム)がサービスプランA、その次の上位がサービスプランB(ハイグレード)、最下位がサービスプランCである。
【0029】
加入検討を行って加入すると決定したユーザは、例えば、当該サービスを提供する事業者が指定するURLにアクセスして事前の登録作業を行う。例えば、ユーザは、アクセスしたサイト上で、個人の氏名や生年月日、住所、クレジットカード情報などの個人情報の入力を行う。入力された個人情報は、ユーザを特定するユーザ識別情報としてCPU1aによりメモリ1bに記憶される。個人情報の入力が終了すると、例えば、ユーザが契約するサービスプランの選択画面が通信端末装置2に表示される。この実施形態では、サービスプランA、サービスプランB、サービスプランCのいずれかの選択が可能な選択画面が表示される。
【0030】
選択画面に基づいて、ユーザがサービスプランの種類を選択した場合は、当該選択されたサービスプランの種類を特定可能な情報がCPU2aから送受信回路2cに入力され、当該情報がサーバ1に送信される。サーバ1のCPU1aは、ユーザが選択したサービスプランに関する情報が送受信回路1cから入力された場合は、それぞれメモリ1bに格納されている登録車両のデータベースに登録されている車両の中から、ユーザが選択したサービスプランまたは、選択したサービスプランよりも上位のサービスプラン(例えば、ユーザがサービスプランBを選択した場合は、サービスプランA)を提供可能な車両を選定する。
【0031】
サーバ1のCPU1aは、車両の選定処理が終了すると、ユーザを特定するユーザ識別情報に、選定した車両に関する車両識別情報と、提供可能なサービスプラン情報とを紐づけてメモリ1bに記憶させる。このとき、CPU1aは、例えば、ユーザがサービスプランBを選択した場合に、選定した車両の中で当該サービスプランBよりも上位のサービスが提供されるサービスプランAも提供可能なものがあった場合は、サービスプランAを特定するサービスプラン情報もメモリ1bに記憶させる。すなわち、選定した車両の中で、ユーザが選択したサービスプランの種類よりも上位のサービスプランも提供可能な車両があった場合は、選択したサービスプラン情報と上位のサービスプラン情報の両方を選定した車両に関する車両識別情報に紐づけて記憶させる。
【0032】
例えば、ユーザがサービスプランCを選択し、登録車両の中で、サービスプランCおよびそれより上位のサービスプランを提供可能車両として、図1に示すように、自動車A(VIN1):車両識別情報A、自動車B(VIN2):車両識別情報B、自動車C(VIN3):車両識別情報Cの3台が選定されたとする。なお、自動車Aの提供可能なサービスプランは「サービスプランA」のみで、自動車Bの提供可能なサービスプランは「サービスプランA」と「サービスプランB」、自動車Cの提供可能なサービスプランは「サービスプランB」と「サービスプランC」であったとする。
【0033】
この場合、サーバ1のCPU1aは、図3に示すように、メモリ1bには、ユーザ識別情報に紐づけて、選定した利用可能な車両の情報として、車両識別情報Aと、車両識別情報Bと、車両識別情報Cとを記憶させ、車両識別情報Aには、提供可能なサービスプラン情報としてサービスプラン情報Aと紐づけて記憶させる。車両識別情報Bには、提供可能なサービスプラン情報としてサービスプラン情報Aとサービスプラン情報Bとを紐づけて記憶させる。車両識別情報Cには、提供可能なサービスプラン情報としてサービスプラン情報Bとサービスプラン情報Cとを紐づけて記憶させる。これにより、当該車両提供サービスの事前登録が終了する。
【0034】
なお、この実施形態では、ユーザが選択したサービスプランを提供可能な車両の中に、当該選択されたサービスプランよりも下位のサービスプランも提供可能であった場合、当該車両識別情報に紐づけて記憶されるサービスプラン情報には、選択したサービスプランよりも下位のサービスプラン情報は除かれる。例えば、車両識別情報Cで提供可能なサービスプランはサービスプランA~Cの全てであって、ユーザによりサービスプランBが選択された場合は、車両識別情報Cに紐づけて記憶されるのは、サービスプラン情報Aとサービスプラン情報Bである。
【0035】
なお、サービスプラン情報と紐づけて記憶される車両の選定については、例えば、ユーザが登録している住所から所定距離の直径の円の範囲で待機している車両に絞って選定するようにしてもよい。
【0036】
また、この実施形態では、車両を選定する際、ユーザが選択したサービスプランを提供可能な車両と、当該選択されたサービスプランよりも上位のサービスプランを提供可能な車両とを対象としたが、ユーザが選択したサービスプランを提供可能な車両のみを選定する構成であってもよい。
【0037】
(車両提供サービスの利用の流れ)
次に、本実施形態の通信システムを用いた車両提供サービスの利用の流れについて、図4を参照して説明する。ユーザは、事前登録が終了し、当該サービスを利用可能な状態になると、例えば、通信端末装置2に専用のアプリケーション(以下、「専用アプリ」という。)をインストールして、車両の予約やサービスプランの選択を行うことができる。専用アプリのプログラムは、例えば、サーバ1のメモリ1bに記憶されており、サーバ1からダウンロードが可能になっている。
【0038】
車両提供サービスの利用を開始する場合、ユーザは、例えば、通信端末装置2においてインストールした専用アプリを起動させる。専用アプリの起動操作が行われると、通信端末装置2のCPU2aは、ユーザ識別情報や、当該端末装置を特定可能な端末装置識別情報などを送受信回路2cに入力し、送受信回路2cからサーバ1にこれらの情報が送信される。サーバ1の送受信回路1cは、当該情報をCPU1aに入力する。CPU1aは、ユーザ識別情報が入力されると、メモリ1bに記憶されている各ユーザのユーザ識別情報が記憶されているユーザ登録者のデータベースの中に、入力されたユーザ識別情報があるか否かを照合する処理を含む接続処理を行う。
【0039】
サーバ1のCPU1aは、入力されたユーザ識別情報がデータベースにあると判断した場合は、メモリ1bに記憶されている当該ユーザ識別情報に紐づけられた車両識別情報(図3参照)の中から、利用可能な車両(車両識別情報)を抽出する処理(利用可能な車両の検索処理)を行う。CPU1aは、利用可能な車両の検索処理の結果、利用可能な車両があった場合は、通信端末装置2に当該車両を特定可能な情報(例えば、車両識別情報)を送信する(利用可能な車両を応答)。利用可能な車両がなかった場合、CPU1aは、送受信回路1cを介してその旨を通信端末装置2に通知する。
【0040】
また、CPU1aは、検索処理により抽出した車両(車両識別情報)に紐づけられているサービスプラン情報を読み出し(サービスプランの検索処理)、当該情報を送受信回路1cを介して通信端末装置2に送信する(サービスプラン情報の通知)。サーバ1のCPU1aは、送信したサービスプラン情報に関しては、メモリ1bに記憶させ、ユーザが車両を利用する際は、メモリ1bに記憶させたサービスプラン情報に基づいて、併せて当該サービスプランを提供する。
【0041】
なお、CPU1aは、検索処理により抽出した車両(車両識別情報)に紐づけられているサービスプラン情報が複数あった場合は、それらのいずれかを選択するための選択画面を通信端末装置2の表示画面に表示させる。当該選択画面に基づいてユーザがサービスプランを選択すると、通信端末装置2のCPU2aは、送受信回路2cを介して選択されたサービスプランの種類を特定可能な情報をサーバ1に送信する。サーバ1のCPU1aは、ユーザが選択したサービスプランを特定可能な情報が送受信回路1cから入力されたことに基づいて、車両の利用に併せて当該サービスプランを提供する。
【0042】
利用可能な車両の検索処理の結果、利用可能な車両が複数あった場合、サーバ1のCPU1aは、それらのいずれかを選択するための選択画面を通信端末装置2の表示画面に表示させる。当該選択画面に基づいてユーザが特定の車両を選択すると、通信端末装置2のCPU2aは、送受信回路2cを介して選択された車両を特定可能な情報をサーバ1に送信する。
【0043】
サーバ1のCPU1aは、ユーザにより選択された車両を特定可能な情報が送受信回路1cを介して入力された場合は、当該車両(車両識別情報)に紐づけられているサービスプラン情報を読み出し(サービスプランの検索処理)、当該情報を送受信回路1cを介して通信端末装置2に送信する(サービスプラン情報の通知)。CPU1aは、ユーザにより選択された車両(車両識別情報)に紐づけられているサービスプラン情報が複数あった場合は、上記した場合と同様にそれらのいずれかを選択するための選択画面を通信端末装置2の表示画面に表示させる。そして、当該選択画面に基づいて選択されたサービスプランが、車両の利用に併せて提供される。
【0044】
なお、ユーザによりサービスプランの選択に併せて、利用開始日時を予約できる構成であってもよい。この場合、通信端末装置2から予約日時を特定可能な情報がサーバ1に送信され、サーバ1側ではその情報を取得して管理する。
【0045】
したがって、上記した実施形態によれば、車両提供サービスを利用するユーザは、事前に契約するサービスプランを選択し、車両提供サービスを管理するサーバ1では、当該選択されたサービスに基づいて、当該サービスプランを提供可能な車両を選定する。このとき、サーバ1のCPU1aは、車両に対して他の車両と識別可能な識別情報(車両識別情報)を付して、当該ユーザを特定可能なユーザ識別情報に紐づけてメモリ1bに記憶させる。さらに、CPU1aは、ユーザ識別情報に紐づけられた車両識別情報には、当該車両で提供可能なサービスプラン情報も紐づけてメモリ1bに記憶させる。このようにすると、ユーザが車両提供サービスを利用する際に、サーバ1のCPU1aが利用可能な車両を検索する処理と、ユーザが事前に選択したサービスプランの検索処理のスピードを向上させることができる。これにより、ユーザに対するサーバ1からの検索結果のレスポンス速度を向上させることができ、ユーザビリティが向上する。
【0046】
また、ユーザ識別情報に対して、車両識別情報とユーザが選択したサービスプラン情報とを紐づけてメモリ1bに記憶されるため、サービスプランの追加などの新たな要件や仕様の追加に対応しやすい。
【0047】
また、契約したサービスプランは、車両識別情報と紐づけて記憶されるため、例えば、利用する車両が共通するユーザ(例えば、同じ所帯のユーザ)に対しても、同じサービスプランを提供する場合に、容易に対応することができる。この場合、例えば、同じ所帯の複数のユーザ識別情報に対して、同じ車両識別情報並びに事前に契約したサービスプラン情報を紐づけてサーバ1のメモリ1bに記憶するとよい。
【0048】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0049】
例えば、上記した車両提供サービスの利用時は、サーバ1のCPU1aにより通信端末装置2との接続処理が行われるが、CPU1aは、通信端末装置2との通信方式(例えば、WiFiなど)を判定し、当該判定結果が特定の結果であった場合に、この実施形態の通信システムや通信端末装置2の専用アプリが利用可能に構成してもよい。また、CPU1aが、事前に登録された通信端末装置からの接続かどうかを判定し、登録された通信端末装置であると判断した場合に、この実施形態の通信システムや通信端末装置2の専用アプリが利用可能に構成してもよい。
【0050】
また、上記した実施形態では、車両提供サービスを利用する際に、通信端末装置2にインストールした専用アプリを用いたが、例えば、ユーザが、通信端末装置2を用いてサーバ1に設けられたサイトのURLにアクセスして、当該サイト上で車両やサービスプランの選択を行うようにしてもよい。
【符号の説明】
【0051】
1:サーバ
1a:CPU
1b:メモリ
1c:送受信回路
2:通信端末装置
2a:CPU
2b:メモリ
2c:送受信回路
図1
図2
図3
図4