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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024033315
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20240306BHJP
【FI】
H04N1/00 Z
H04N1/00 127B
H04N1/00 127A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022136831
(22)【出願日】2022-08-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮田 千恵美
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 弘一
(72)【発明者】
【氏名】高橋 透
【テーマコード(参考)】
5C062
【Fターム(参考)】
5C062AA02
5C062AA05
5C062AA12
5C062AA13
5C062AA14
5C062AA35
5C062AA37
5C062AB02
5C062AB20
5C062AB23
5C062AB38
5C062AB40
5C062AB42
5C062AC05
5C062AC22
5C062AC34
5C062AE15
(57)【要約】
【課題】本開示の技術は、ユーザが記入漏れの有無を確認することを支援できる情報処理装置、及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【解決手段】情報処理装置は、プロセッサを含み、前記プロセッサは、記入項目を含む書類を記入する側から撮影した映像を取得し、前記映像における前記書類の未記入の前記記入項目である未記入項目を出力する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを含み、
前記プロセッサは、
記入項目を含む書類を記入する側から撮影した映像を取得し、
前記映像における前記書類の未記入の前記記入項目である未記入項目を出力する
情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記書類の前記記入項目を特定するフォーマットを受け付け、
前記映像における前記書類の前記フォーマットが特定する前記記入項目を出力する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記フォーマットを特定する情報を表す識別表記を撮影した映像を受け付け、
撮影した前記識別表記から特定されるフォーマットを前記書類に適用する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
ユーザによる前記記入項目の指定を受け付け、
指定された前記記入項目を特定するための情報を前記フォーマットに関連付ける
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記映像からユーザが記入した前記記入項目を特定するための情報を前記フォーマットに関連付ける
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記未記入項目の領域を前記映像に重畳して表示する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、
前記未記入項目の種別に応じて、前記未記入項目の領域の表示態様を変更する
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、
遮蔽物が前記未記入項目の領域に重なって撮影された場合、前記遮蔽物に重畳して前記未記入項目の領域を表示する
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、
全ての前記記入項目が記入済みの場合、スキャンの実行を指示する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
記入項目を含む書類を記入する側から撮影した映像を取得し、
前記映像における前記書類の未記入の前記記入項目である未記入項目を出力する
ことをプロセッサに実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の技術は、情報処理装置及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像処理装置の使用において、ユーザを支援する技術がある。
特許文献1には、情報入力装置であって、複数の記入欄が設定される帳票の特徴点と、それぞれの記入欄にユーザが使用すべき物体の種別とを対応づけて帳票情報を登録する登録手段と、特定の画像を投影する投影手段と、載置される帳票を読み取る読取手段と、ユーザの操作に対応する距離画像を取得する取得手段と、読み取られる帳票の画像の解析から抽出される特徴点と、登録された帳票の特徴点とを照合して載置された帳票と、当該帳票に印刷された複数の記入欄を認識する第1の認識手段と、前記取得手段が取得する距離画像を解析してユーザが操作する物体と、当該物体の種別とを認識する第2の認識手段と、前記第2の認識手段で認識するユーザが操作する物体の種別が変化することに応じて、前記第1の認識手段で認識された前記複数の記入欄のうち、ユーザが使用すべき物体の種別に対応づけられた前記帳票の記入欄に対して、前記特定の画像を投影するように前記投影手段を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする情報入力装置、が開示されている。
【0003】
特許文献2には、イメージを生成する方法であって、イメージされる領域の動作をモニターし、当該領域における動作の停止のモニターに反応して、当該領域のイメージの取込をトリガーすることを特徴とするイメージ生成方法、が開示されている。
【0004】
特許文献3には、画像読み込み装置で読み込んだ原稿において所定の記入領域に記入されている内容を確認する確認部と、確認の結果、前記記入領域に記入されている内容に基づき前記読み込んだ原稿を送信して良いか否かを判断する判断部と、を備えることを特徴とする画像処理装置、が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2017-033454号公報
【特許文献2】特開2007-013972号公報
【特許文献3】特開2016-012751号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
各種手続き等において、ユーザは、書類の記入項目に必要事項を記入し、手続きの申請等を行う。
【0007】
ここで、記入項目の多さ等の諸般の事由から、記入項目への記入漏れが発生する場合がある。
【0008】
本開示の技術は、ユーザが記入漏れの有無を確認することを支援できる情報処理装置、及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1態様に係る情報処理装置は、プロセッサを含み、前記プロセッサは、記入項目を含む書類を記入する側から撮影した映像を取得し、前記映像における前記書類の未記入の前記記入項目である未記入項目を出力する。
【0010】
第2態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記書類の前記記入項目を特定するフォーマットを受け付け、前記映像における前記書類の前記フォーマットが特定する前記記入項目を出力する。
【0011】
第3態様に係る情報処理装置は、第2態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記フォーマットを特定する情報を表す識別表記を撮影した映像を受け付け、撮影した前記識別表記から特定されるフォーマットを前記書類に適用する。
【0012】
第4態様に係る情報処理装置は、第2態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、ユーザによる前記記入項目の指定を受け付け、指定された前記記入項目を特定するための情報を前記フォーマットに関連付ける。
【0013】
第5態様に係る情報処理装置は、第2態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記映像からユーザが記入した前記記入項目を特定するための情報を前記フォーマットに関連付ける。
【0014】
第6態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記未記入項目の領域を前記映像に重畳して表示する。
【0015】
第7態様に係る情報処理装置は、第6態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記未記入項目の種別に応じて、前記未記入項目の領域の表示態様を変更する。
【0016】
第8態様に係る情報処理装置は、第6態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、遮蔽物が前記未記入項目の領域に重なって撮影された場合、前記遮蔽物に重畳して前記未記入項目の領域を表示する。
【0017】
第9態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、全ての前記記入項目が記入済みの場合、スキャンの実行を指示する。
【0018】
第10態様に係る情報処理プログラムは、プロセッサに、記入項目を含む書類を記入する側から撮影した映像を取得し、前記映像における前記書類の未記入の前記記入項目である未記入項目を出力する、ことを実行させる。
【発明の効果】
【0019】
第1態様及び第10態様によれば、ユーザが記入漏れの有無を確認することを支援できる。
【0020】
第2態様によれば、記入項目を特定する精度を向上できる。
【0021】
第3態様によれば、撮影した識別表記に基づいてフォーマットを適用できる。
【0022】
第4態様によれば、ユーザの操作に基づいてフォーマットを更新できる。
【0023】
第5態様によれば、ユーザの記入に基づいてフォーマットを更新できる。
【0024】
第6態様によれば、未記入項目の位置を視認しやすい。
【0025】
第7態様によれば、記入が必要な項目の種別を判別しやすい。
【0026】
第8態様によれば、遮蔽物により記入項目を見落とすことを防止できる。
【0027】
第9態様によれば、記入漏れがある書類のスキャンの実行を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本実施形態に係る画像処理装置の全体的な構成の一例を示す斜視図である。
図2】本実施形態に係る画像処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】本実施形態に係る画像処理装置の支援処理の流れを示すフローチャートである。
図4】原稿台に載った書類及び識別表記を示す一例である。
図5】表示部に表示される書類表示領域の一例である。
図6】記入項目の指定を受け付ける表示部の一例である。
図7】原稿台に載った書類を示す一例である。
図8】表示部に表示される書類表示領域の一例である。
図9】原稿台に載った書類を示す一例である。
図10】スキャンを実行している間の表示部の一例である。
図11】原稿台に載った書類を示す一例である。
図12】遮蔽物が未記入項目に重複する場合の表示部の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の技術の実施形態の一例を、図面を参照しつつ説明する。なお、各図面において同一又は等価な構成要素及び部分には同一の参照符号を付与している。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0030】
図1は、本開示の画像処理装置10の全体的な構成の一例を示す斜視図である。本開示の技術の情報処理装置は、役所、オフィス、学校又は家庭等に設けられ、かつ、書画カメラを有する画像処理装置10を対象として適用した場合の形態例について説明する。
【0031】
画像処理装置10は、上面に原稿である書類が置かれる原稿台30、各種情報の表示や各種情報の入力を行うユーザインタフェース部40及び書画カメラ70を備えている。
【0032】
原稿台30は、ユーザが書類を配置し、書類に必要事項を記入するための作業台である。
【0033】
ユーザインタフェース部40は、入力を受け付ける入力部15、及び液晶ディスプレイ等により構成された表示部16を備えている。ユーザインタフェース部40は、タッチパネルを用いることにより、入力部15及び表示部16が一体となった構成であってもよい。画像処理装置10は、書画カメラ70が撮影した映像を表示部16に表示する。
【0034】
書画カメラ70は、原稿台30の上面側を撮影可能に構成されている。例えば、書画カメラ70は、一端部が原稿台30の奥手側に固定されたアームの他端部に設けられており、その撮影画角が、原稿台30における原稿配置領域32にほぼ一致するように位置決めされている。なお、書画カメラ70の代わりにカメラを構成に含むスマートフォン又はタブレット型端末等を用いてもよい。この場合、画像処理装置10は、スマートフォン又はタブレット型端末等から撮影した映像を受け付ける。
【0035】
図2は、画像処理装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。画像処理装置10は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、ストレージ14、入力部15、表示部16、通信インタフェース(通信I/F)17、画像形成ユニット18及び書画カメラ70の各構成を有する。各構成は、バス19を介して相互に通信可能に接続されている。
【0036】
CPU11は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU11は、ROM12又はストレージ14からプログラムを読み出し、RAM13を作業領域としてプログラムを実行する。CPU11は、ROM12又はストレージ14に記録されているプログラムにしたがって、上記各構成の制御及び各種の演算処理を行う。本実施形態では、ROM12又はストレージ14には、ユーザが記入漏れの有無を確認することを支援する情報処理プログラムが格納されている。
【0037】
ROM12は、各種プログラム及び各種データを格納する。RAM13は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。ストレージ14は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、及び各種データを格納する。
【0038】
入力部15は、マウス等のポインティングデバイス、及びキーボードを含み、各種の入力を行うために使用される。
【0039】
表示部16は、たとえば、液晶ディスプレイであり、各種の情報を表示する。
【0040】
ユーザインタフェース部40は、入力部15及び表示部16を含む。ユーザインタフェース部40は、液晶ディスプレイにタッチパネル方式を採用して、入力部15及び表示部16が一体となった構成であってもよい。
【0041】
通信インタフェース17は、データベース等の他の機器と通信するためのインタフェースであり、たとえば、イーサネット(登録商標)、FDDI、Wi-Fi(登録商標)等の規格が用いられる。
【0042】
画像形成ユニット18は、受け付けた映像を紙等の記録媒体に形成するものである。画像を形成する方式としては、トナー方式やインクジェット方式等が採用される。画像形成ユニット18は、例えば、コピー機能、スキャナ機能及び印刷機能等を有する。
【0043】
次に、画像処理装置10の作用について説明する。
図3は、画像処理装置10による支援処理の流れを示すフローチャートである。CPU11がROM12又はストレージ14から支援プログラムを読み出して、RAM13に展開して実行することにより、支援処理が行なわれる。
【0044】
ステップS101では、CPU11は、書類を検知したか否かを判断する。すなわち、CPU11は、原稿台30の原稿配置領域32内に書類が配置されているか否かを検知する。書類を検知したと判断した場合(ステップS101:YES)、CPU11は、ステップS102へ移行する。書類を検知していないと判断した場合(ステップS101:NO)、CPU11は、書類を検知するまで待機する。
【0045】
ステップS102では、CPU11は、書類1を記入する側から撮影した映像を取得する。書類を記入する側から撮影した映像とは、書類1の記入面の上方に設置した書画カメラ70を用いて撮影した映像又はスマートフォン若しくはタブレット型端末等を用いて記入項目を撮影した映像等である。CPU11は、ステップS103へ移行する。
【0046】
ステップS103では、CPU11は、フォ―マットを検知したか否かを判断する。フォ―マットを検知したと判断した場合(ステップS103:YES)、CPU11は、ステップS104へ移行する。フォ―マットを検知していないと判断した場合(ステップS103:NO)、CPU11は、ステップS107へ移行する。
【0047】
ここで、図4は、原稿台30に載った書類1及び識別表記2を示す一例である。ユーザは、例えば、記入項目を含む書類1へ住所の記載、署名及び捺印を行う。書類1は、例えば、契約書又は各種申請書等である。識別表記2は、フォーマットを特定する情報を表す識別子である。識別表記2は、例えば、URL(Uniform Resource Locator)及び識別番号等の文字列又は二次元コードが記載された用紙又はマーカ等であってもよい。識別表記2は、書類1に記載されていてもよい。フォーマットは、記入項目を特定する予め作成された雛形である。画像処理装置10は、原稿配置領域32に書類1がある場合、書類を検知する。画像処理装置10は、原稿配置領域32に識別表記2がある場合、識別表記2を検知する。すなわち、画像処理装置10は、識別表記2を検知することにより、識別表記2により特定されるフォーマットを検知する。
【0048】
ステップS104では、CPU11は、フォーマットを受け付ける。CPU11は、例えば、識別表記2を撮影した映像を受け付け、識別表記2から特定されるフォーマットを取得する。また、CPU11は、例えば、入力部15からフォーマットの指定を受け付けてもよい。CPU11は、ステップS105へ移行する。
【0049】
ステップS105では、CPU11は、フォーマットを書類1に適用する。なお、CPU11は、原稿配置領域32に複数の書類1が配置された場合、書類1ごとにそれぞれフォーマットを適用してもよいし、1つのフォーマットを複数の書類1に適用してもよい。CPU11は、ステップS106へ移行する。
【0050】
ステップS106では、CPU11は、フォーマットが特定する記入項目を出力する。CPU11は、ステップS110へ移行する。
【0051】
ここで、図5は、表示部16に表示される書類表示領域3の一例である。書類表示領域3は、撮影された映像における書類1を表示する領域である。図5は、図4における書類1に対応する書類表示領域3の表示である。換言すれば、画像処理装置10は、書画カメラ70が撮影した書類1を書類表示領域3に表示する。書類表示領域3は、項目表示領域4を含む。項目表示領域4は、例えば、項目であることを表現する領域である。画像処理装置10は、フォーマットが特定する記入項目に対して、項目表示領域4を重畳して表示する。また、画像処理装置10は、署名開始ボタン50が選択された場合に、ユーザによる記入を受け付けるようにしてもよい。
また、画像処理装置10は、項目表示領域4の表示態様をハイライト表示又は点滅表示等にしてもよい。画像処理装置10は、項目表示領域4の表示態様を記入項目の種別に応じて変更してもよい。記入項目の種別は、例えば、記入項目の記入対象が文字である文字形式か記入対象が画像である画像形式かによる分類である。記入項目の種別は、例えば、文字形式として、記述式若しくは選択式の形式、住所若しくは電話番号等の形式又は文字のみ若しくは数字のみの形式等である。記入項目の種別は、例えば、画像形式として、捺印、証明写真、切手又は各種印紙等の形式である。画像処理装置10は、図5において、住所、会社名/氏名を記入する欄を、文字形式の項目表示領域4Aとし、捺印をする欄を図形形式の項目表示領域4Bとして表現している。
【0052】
ステップS107では、CPU11は、外部装置へ映像を送信する。CPU11は、例えば、書類1に詳しいオペレータが操作する端末装置へ映像を送信する。CPU11は、ステップS108へ移行する。
【0053】
ステップS108では、CPU11は、記入項目の指定を受け付ける。CPU11は、例えば、記入しているユーザ又は外部装置を操作するオペレータによる指定を受け付ける。CPU11は、ステップS109へ移行する。
【0054】
ここで、図6は、記入項目の指定を受け付ける表示部16の一例である。画像処理装置10は、表示部16に、ポインタ5、フリーテキストボタン51、画像ボタン52、送信先登録ボタン53及びフォーマット登録ボタン54を表示する。ポインタ5は、ユーザが入力部15を用いて指定する表示部16の座標である。
画像処理装置10は、フリーテキストボタン51が選択された場合に、ポインタ5が指定する範囲の記入項目の種別を、記述式の形式であるフリーテキストに設定する。
画像処理装置10は、画像ボタン52が選択された場合に、ポインタ5が指定する範囲の記入項目の種別を、画像形式に設定する。
画像処理装置10は、送信先登録ボタン53が選択された場合に、送信先を登録するための画面を表示部16に表示する。画像処理装置10は、フォーマットに送信先を関連付けてもよい。
画像処理装置10は、フォーマット登録ボタン54が選択された場合に、フォーマットを登録する。すなわち、画像処理装置10は、設定した記入項目の種別又は関連付けた連絡先をフォーマットに設定する。
【0055】
ステップS109では、CPU11は、フォーマットを作成する。すなわち、CPU11は、上述した図6のフォーマット登録ボタン54を選択することにより、フォーマットを作成する。CPU11は、指定された記入項目を特定するための情報を作成したフォーマットに関連付ける。CPU11は、ステップS106へ移行する。
【0056】
ステップS110では、CPU11は、ユーザによる記入があるか否かを判断する。ユーザによる記入があると判断した場合(ステップS110:YES)、CPU11は、ステップS111へ移行する。ユーザによる記入がないと判断した場合(ステップS110:NO)、CPU11は、ユーザによる記入があるまで待機する。
【0057】
ステップS111では、CPU11は、ユーザが記入した記入項目を特定するための情報をフォーマットに関連付ける。すなわち、CPU11は、ユーザが記入した項目を記入項目として認識するようにフォーマットを更新する。CPU11は、ステップS112へ移行する。
【0058】
ステップS112では、CPU11は、未記入項目を検出する。すなわちCPU11は、映像における書類の未記入の記入項目である未記入項目を検出する。例えば、CPU11は、ステップS102の時刻における映像と現在の時刻における映像とを比較し、これらに差異がない記入項目を未記入項目として検出する。例えば、CPU11は、OCR(Optical Character Recognition)によりテキストを検出できない記入項目を未記入項目として検出する。CPU11は、ステップS113へ移行する。
【0059】
ステップS113では、CPU11は、フォーマットが特定する記入項目のうち未記入項目を出力する。CPU11は、例えば、未記入項目の領域を映像に重畳して表示する。CPU11は、例えば、未記入項目の項目名の表示又は音声読み上げにより、未記入項目を出力してもよい。CPU11は、ステップS114へ移行する。
【0060】
ここで、図7及び図8は、ユーザにより一部の記入項目に記入がされた場合の処理の一例である。図7は、原稿台30に載った書類1を示す一例である。図7における書類1は、図4における書類1から住所の記載及び署名がされており、捺印はされていない。
【0061】
図8は、図7における書類1に対応する書類表示領域3の表示であり、表示部16に表示される書類表示領域3の一例である。図8における書類表示領域3は、図5における表示部16の表示から項目表示領域4Aが削除され、項目表示領域4Bが表示されている。画像処理装置10は、未記入項目が記入されることにより未記入項目ではなくなった場合、項目表示領域4を削除すること等により、表示態様を変更する。
【0062】
ステップS114では、CPU11は、全ての記入項目が記入済みか否かを判断する。全ての記入項目が記入済みと判断した場合(ステップS114:YES)、CPU11は、ステップS115へ移行する。未記入項目があると判断した場合(ステップS114:NO)、CPU11は、ステップS110へ移行する。
【0063】
ステップS115では、CPU11は、スキャンの実行を指示する。すなわち、CPU11は、画像形成ユニット18を用いてスキャンを実行する。CPU11は、ステップS116へ移行する。
【0064】
ここで、図9及び図10は、ユーザにより全ての記入項目に記入がされた場合の処理の一例である。図9は、原稿台30に載った書類1を示す一例である。図9における書類1は、図7における書類1から捺印がされており、全ての記入項目に記入がされている。
図10は、図9における書類1に対応する書類表示領域3の表示であり、表示部16に表示される書類表示領域3の一例である。図10における書類表示領域3は、図8における表示部16の表示から項目表示領域4Bが削除されており、項目表示領域4が1つも表示されていない。画像処理装置10は、書類1の全ての記入項目が記入済みの場合、書類のスキャンの実行を指示する。画像処理装置10は、中止ボタン55が選択された場合に、スキャンの実行を中止する。
【0065】
ステップS116では、CPU11は、スキャンデータを送信先へ送信する。CPU11は、例えば、フォーマットに関連付いた送信先へスキャンデータを送信する。CPU11は、支援処理を終了する。
【0066】
以上、上述したステップS101からステップS113の処理により、CPU11は、記入項目を含む書類を記入する側から撮影した映像を取得し、映像における書類の未記入項目を出力する。
【0067】
[変形例]
以上、本実施形態の画像処理装置10について説明してきた。しかし、本開示は、上記実施形態に限定されない。種々の改良または改変が可能である。
【0068】
本実施形態は、情報処理装置が画像処理装置10である場合について説明した一方で、これに限定しない。すなわち、情報処理装置は、画像処理装置と一体となった形態でもよく、画像処理装置と分離した形態であってもよい。例えば、情報処理装置は、カメラを備えたスマートフォン又はタブレット型端末等であって、カメラで撮影した映像に基づいて未記入項目を出力してもよい。
【0069】
本実施形態に係る画像処理装置10は、フォーマットを検知した場合であっても、ユーザによる記入項目の指定を受け付けてもよい。すなわち、図3のステップS103の処理において、CPU11は、フォーマットを検知した場合に、ステップS104及びステップS105の処理に加え、ステップS107からステップS109の処理を実行してもよい。この場合、CPU11は、ステップS109の処理として、検知したフォーマットを更新する処理を実行する。
【0070】
本実施形態に係る画像処理装置10は、従来技術を用いて記入項目を検出するようにしてもよい。例えば、画像処理装置10は、映像における書類1から、矩形の抽出及び項目名の抽出を行うことにより、当該矩形が記入項目であると判定してもよい。
【0071】
本実施形態に係る画像処理装置10は、遮蔽物6が未記入項目の領域に重なって撮影された場合、遮蔽物に重畳して未記入項目の領域を表示してもよい。図11及び図12は、遮蔽物が未記入項目の領域に重なった場合の処理の一例である。図11は、原稿台に載った書類を示す一例である。図11は、書画カメラ70が撮影する映像において、遮蔽物6である鉛筆が書類1の未記入項目にあるため、未記入項目の一部が表示されていない様子を示す。
図12は、図11における書類1に対応する書類表示領域3の表示であり、表示部16に表示される書類表示領域3の一例である。画像処理装置10は、項目表示領域4Aを遮蔽物6である鉛筆に重畳するように表示する。
【0072】
本実施形態に係る画像処理装置10は、記入項目に関する補足情報を出力してもよい。図3のステップS113において、CPU11は、未記入項目に関して、記入項目、記入内容又は記入方法のヘルプ情報を表示部16に表示する。
【0073】
上記の処理は、専用のハードウェア回路によっても実現することもできる。この場合には、1つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
【0074】
上記実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU: Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU: Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0075】
また上記実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0076】
また、画像処理装置10を動作させるプログラムは、USB(Universal Serial Bus)メモリ、フレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体によって提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介してオンラインで提供されてもよい。この場合、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムは、通常、メモリ又はストレージ等に転送され記憶される。また、このプログラムは、たとえば、単独のアプリケーションソフトとして提供されてもよいし、画像処理装置10の一機能としてその各装置のソフトウェアに組み込んでもよい。
【0077】
[付記]
以下に、本開示の好ましい形態について付記する。
【0078】
(((1)))
プロセッサを含み、
前記プロセッサは、
記入項目を含む書類を記入する側から撮影した映像を取得し、
前記映像における前記書類の未記入の前記記入項目である未記入項目を出力する
情報処理装置。
【0079】
(((2)))
前記プロセッサは、
前記書類の前記記入項目を特定するフォーマットを受け付け、
前記映像における前記書類の前記フォーマットが特定する前記記入項目を出力する
(((1)))に記載の情報処理装置。
【0080】
(((3)))
前記プロセッサは、
前記フォーマットを特定する情報を表す識別表記を撮影した映像を受け付け、
撮影した前記識別表記から特定されるフォーマットを前記書類に適用する
(((2)))に記載の情報処理装置。
【0081】
(((4)))
前記プロセッサは、
ユーザによる前記記入項目の指定を受け付け、
指定された前記記入項目を特定するための情報を前記フォーマットに関連付ける
(((2)))又は(((3)))に記載の情報処理装置。
【0082】
(((5)))
前記プロセッサは、
前記映像からユーザが記入した前記記入項目を特定するための情報を前記フォーマットに関連付ける
(((2)))から(((4)))の何れか1つに記載の情報処理装置。
【0083】
(((6)))
前記プロセッサは、
前記未記入項目の領域を前記映像に重畳して表示する
(((1)))から(((5)))の何れか1つに記載の情報処理装置。
【0084】
(((7)))
前記プロセッサは、
前記未記入項目の種別に応じて、前記未記入項目の領域の表示態様を変更する
(((6)))に記載の情報処理装置。
【0085】
(((8)))
前記プロセッサは、
遮蔽物が前記未記入項目の領域に重なって撮影された場合、前記遮蔽物に重畳して前記未記入項目の領域を表示する
(((6)))又は(((7)))に記載の情報処理装置。
【0086】
(((9)))
前記プロセッサは、
全ての前記記入項目が記入済みの場合、スキャンの実行を指示する
(((1)))から(((8)))の何れか1つに記載の情報処理装置。
【0087】
(((10)))
記入項目を含む書類を記入する側から撮影した映像を取得し、
前記映像における前記書類の未記入の前記記入項目である未記入項目を出力する
ことをプロセッサに実行させるための情報処理プログラム。
【0088】
以下に、付記の構成による効果について記載する。
【0089】
(((1)))又は(((10)))の情報処理装置によれば、ユーザが記入漏れの有無を確認することを支援できる。
【0090】
(((2)))の情報処理装置よれば、記入項目を特定する精度を向上できる。
【0091】
(((3)))の情報処理装置よれば、撮影した識別表記に基づいてフォーマットを適用できる。
【0092】
(((4)))の情報処理装置よれば、ユーザの操作に基づいてフォーマットを更新できる。
【0093】
(((5)))の情報処理装置よれば、ユーザの記入に基づいてフォーマットを更新できる。
【0094】
(((6)))の情報処理装置よれば、未記入項目の位置を視認しやすい。
【0095】
(((7)))の情報処理装置よれば、記入が必要な項目の種別を判別しやすい。
【0096】
(((8)))の情報処理装置よれば、遮蔽物により記入項目を見落とすことを防止できる。
【0097】
(((9)))の情報処理装置よれば、記入漏れがある書類のスキャンの実行を防止できる。
【符号の説明】
【0098】
1 書類
2 識別表記
3 書類表示領域
4、4A、4B 項目表示領域
5 ポインタ
6 遮蔽物
10 画像処理装置
30 原稿台
32 原稿配置領域
50 署名開始ボタン
51 フリーテキストボタン
52 画像ボタン
53 送信先登録ボタン
54 フォーマット登録ボタン
55 中止ボタン
70 書画カメラ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12