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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024033349
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】搬送車
(51)【国際特許分類】
   B65G 49/07 20060101AFI20240306BHJP
   H01L 21/677 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
B65G49/07 L
H01L21/68 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022136876
(22)【出願日】2022-08-30
(71)【出願人】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(71)【出願人】
【識別番号】508192142
【氏名又は名称】台湾大福高科技設備股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】衣川 知孝
(72)【発明者】
【氏名】沈 加揚
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131AA03
5F131BA01
5F131BA11
5F131BA17
5F131BA21
5F131CA53
5F131DA05
5F131DA23
5F131DA24
5F131DB12
5F131DC06
5F131DD02
5F131DD12
5F131DD22
5F131DD33
(57)【要約】
【課題】物品を把持した状態において物品の脱落を適切に抑制する。
【解決手段】把持部30は、把持本体部31と、把持本体部31に対して第1方向Xに相対移動可能に支持された把持体32と、把持体32を駆動する把持体駆動部30mと、を備えている。把持体32は、把持本体部31に支持された被支持部320と、被支持部320から下方に延在する基部321と、基部321から第1方向Xに延在する延出部322と、を備えている。延出部322の上面322fに、被把持部81の下面81fuが載置される載置領域322rが形成されている。延出部322は、基部321に対して載置領域322rを挟んだ第1方向Xの反対側において、載置領域322rよりも上方に突出するように形成された突出部322aを備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行経路に沿って走行して物品を搬送する搬送車であって、
前記物品を収容する収容部と、
前記物品を把持する把持部と、
前記把持部を前記収容部と前記走行経路よりも下方に配置された移載対象箇所との間で昇降させる昇降部と、を備え、
前記物品は、物品本体部と、前記物品本体部から上方に突出すると共に前記把持部により把持される被把持部と、を備え、
水平方向に沿う特定の方向を第1方向として、
前記被把持部は、前記物品本体部に対して上方から対向する下面と、前記下面に連続すると共に前記第1方向における一方側を向く側面と、を備え、
前記把持部は、把持本体部と、前記把持本体部に対して前記第1方向に相対移動可能に支持された把持体と、前記把持体を駆動する把持体駆動部と、を備え、
前記把持体は、前記把持本体部に支持された被支持部と、前記被支持部から下方に延在する基部と、前記基部から前記第1方向に延在する延出部と、を備え、
前記延出部の上面に、前記被把持部の前記下面が載置される載置領域が形成され、
前記延出部は、前記基部に対して前記載置領域を挟んだ前記第1方向の反対側において、前記載置領域よりも上方に突出するように形成された突出部を備える、搬送車。
【請求項2】
前記物品は、前記被把持部を一対備え、
一対の前記被把持部のうちの一方を第1被把持部とし、他方を第2被把持部として、
前記第1被把持部と前記第2被把持部とは、前記第1方向に離間して配置され、
前記把持部は、前記把持体を一対備え、
一対の前記把持体は、前記把持体駆動部によって前記第1方向に互いに接近及び離間するように駆動され、
一対の前記把持体のうちの一方である第1把持体の前記載置領域に前記第1被把持部の前記下面が載置され、
一対の前記把持体のうちの他方である第2把持体の前記載置領域に前記第2被把持部の前記下面が載置される、請求項1に記載の搬送車。
【請求項3】
前記第1把持体と前記第2把持体とは、前記第1方向における前記第1被把持部と前記第2被把持部との間に配置された状態から、前記把持体駆動部によって駆動されることで前記第1方向に沿って互いに離間する離間動作を行い、
前記第1把持体の前記載置領域は、前記離間動作により、前記第1被把持部の前記下面に下方から対向する位置に配置され、
前記第2把持体の前記載置領域は、前記離間動作により、前記第2被把持部の前記下面に下方から対向する位置に配置される、請求項2に記載の搬送車。
【請求項4】
前記把持部は、前記載置領域に前記被把持部の前記下面が載置されたことを検知するセンサを備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の搬送車。
【請求項5】
前記センサは、前記突出部の上端よりも下方かつ前記載置領域よりも上方の領域において、前記被把持部の有無を検知するように構成されている、請求項4に記載の搬送車。
【請求項6】
上下方向視で前記第1方向に直交する方向を第2方向として、
前記第1把持体が複数設けられ、複数の前記第1把持体が前記第2方向に沿って並ぶように配置され、
前記第2把持体が複数設けられ、複数の前記第2把持体が前記第2方向に沿って並ぶように配置され、
複数の前記第1把持体は、1つの前記第1被把持部を把持するように構成され、
複数の前記第2把持体は、1つの前記第2被把持部を把持するように構成されている、請求項2又は3に記載の搬送車。
【請求項7】
複数の前記第1把持体のそれぞれにおける前記載置領域、及び、複数の前記第2把持体のそれぞれにおける前記載置領域に、前記被把持部の前記下面が載置されたことを検知するセンサが設けられている、請求項6に記載の搬送車。
【請求項8】
前記把持本体部から下方に突出する下方突出部が設けられ、
前記下方突出部と前記突出部とが上下方向に対向しており、
前記下方突出部の下端と前記突出部の上端との上下方向の隙間が、前記被把持部の上下方向の厚みよりも小さい、請求項1から3のいずれか一項に記載の搬送車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行経路に沿って走行して物品を搬送する搬送車であって、前記物品を収容する収容部と、前記物品を把持する把持部と、前記把持部を前記収容部と前記走行経路よりも下方に配置された移載対象箇所との間で昇降させる昇降部と、を備えた搬送車に関する。
【背景技術】
【0002】
このような搬送車の一例が、特開2005-064130号公報(特許文献1)に開示されている。以下、背景技術の説明において括弧内に示された符号は、特許文献1のものである。
【0003】
特許文献1に開示された搬送車(1)は、収納容器(51)におけるフランジ部材(53)を把持機構(32)によって把持することで、収納容器(51)の移載を行っている。把持機構(32)は、互いに逆方向に移動することによって開閉する一対の爪部材(33)を備えている。一対の爪部材(33)は、閉状態になることによって、フランジ部材(53)を両側から挟みつつ下方から支持するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-064130号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の構成では、一対の爪部材(33)がフランジ部材(53)を下方から支持している状態、すなわち、把持機構(32)が収容容器(51)を把持している状態において、例えば誤動作や振動等により一対の爪部材(33)が開いてしまった場合には、把持機構(32)から収容容器(51)が脱落する可能性がある。
【0006】
上記実状に鑑みて、物品を把持した状態において物品の脱落を適切に抑制可能な技術の実現が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
走行経路に沿って走行して物品を搬送する搬送車であって、
前記物品を収容する収容部と、
前記物品を把持する把持部と、
前記把持部を前記収容部と前記走行経路よりも下方に配置された移載対象箇所との間で昇降させる昇降部と、を備え、
前記物品は、物品本体部と、前記物品本体部から上方に突出すると共に前記把持部により把持される被把持部と、を備え、
水平方向に沿う特定の方向を第1方向として、
前記被把持部は、前記物品本体部に対して上方から対向する下面と、前記下面に連続すると共に前記第1方向における一方側を向く側面と、を備え、
前記把持部は、把持本体部と、前記把持本体部に対して前記第1方向に相対移動可能に支持された把持体と、前記把持体を駆動する把持体駆動部と、を備え、
前記把持体は、前記把持本体部に支持された被支持部と、前記被支持部から下方に延在する基部と、前記基部から前記第1方向に延在する延出部と、を備え、
前記延出部の上面に、前記被把持部の前記下面が載置される載置領域が形成され、
前記延出部は、前記基部に対して前記載置領域を挟んだ前記第1方向の反対側において、前記載置領域よりも上方に突出するように形成された突出部を備える。
【0008】
本構成によれば、物品における被把持部の下面が、把持体の延出部における載置領域に載置されることで、物品が把持される。そして、被把持部の下面が把持体の延出部における載置領域に載置された状態で、被把持部の第1方向の一方側への移動は突出部によって規制され、第1方向の他方側への移動は把持体の基部によって規制される。従って、本構成によれば、物品を把持した状態において物品の脱落を適切に抑制することができる。
【0009】
本開示に係る技術のさらなる特徴と利点は、図面を参照して記述する以下の例示的かつ非限定的な実施形態の説明によってより明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】搬送設備の平面図
図2】移載動作を示す図
図3】物品を上方から見た斜視図
図4】把持動作を示す図
図5】把持部を下方から見た斜視図
図6】把持部の下降限度を示す図
図7】被把持部が把持体に載置される前の状態を示す図
図8】被把持部が把持体に載置された状態を示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
搬送車は、走行経路に沿って走行して物品を搬送するように構成されている。以下、搬送車が搬送設備に適用される場合を例示して、搬送車の実施形態について説明する。
【0012】
なお、以下では、上下方向を示す参照符に「Z」を用いる。また、図3以降の図に示すように、水平方向に沿う特定の方向を「第1方向X」とする。上下方向Z視で第1方向Xに直交する方向(ここでは、第1方向Xに直交する水平方向)を「第2方向Y」とする。
【0013】
図1及び図2に示すように、搬送設備100は、規定の走行経路Rと、走行経路Rを走行して物品8を搬送する搬送車1と、走行経路Rに沿って設けられた複数の移載対象箇所9と、を備えている。
【0014】
走行経路Rは、床面から上方に離間した位置に設定されている。本例では、走行経路Rは、天井付近に設けられたレールRaを用いて構成されている。搬送車1は、いわゆる天井搬送車として構成されており、レールRaに沿って走行する。移載対象箇所9は、走行経路Rよりも下方に配置されている。搬送車1は、物品8を昇降させることにより、移載対象箇所9との間で物品8を移載するように構成されている。
【0015】
本実施形態では、搬送設備100は、搬送車1を複数備えている。複数の搬送車1のそれぞれは、設備を統括管理する上位制御装置(不図示)から搬送指令を受けて、当該搬送指令に応じたタスクを実行するように構成されている。例えば搬送指令には、物品8の搬送元と搬送先との情報が含まれる。搬送指令を受けた搬送車1は、搬送元から搬送先まで物品8を搬送する。搬送元や搬送先には、移載対象箇所9が含まれる。
【0016】
搬送設備100で取り扱われる物品8としては、様々なものがある。本例では、搬送設備100は、半導体製造工場に用いられる。そのため、基板(ウェハやパネル等)を収容する基板収容容器(いわゆるFOUP:Front Opening Unified Pod)や、レチクルを収容するレチクル収容容器(いわゆるレチクルポッド)などが、物品8とされる。この場合、搬送車1は、基板収容容器やレチクル収容容器などの物品8を、走行経路Rに沿って各工程間に亘って搬送する。
【0017】
本実施形態では、移載対象箇所9は、物品8に対する処理を行う処理装置90と、処理装置90に隣接して配置された載置台91と、を備えている。本明細書において「物品8に対する処理」とは、収容容器としての物品8に収容された被収容物(基板やレチクル)に対する処理を意味する。搬送車1は、処理装置90による処理を終えた物品8を載置台91から受け取り、又は、処理装置90による処理が済んでいない物品8を載置台91に引き渡す。なお、処理装置90は、例えば、薄膜形成、フォトリソグラフィー、エッチングなどの種々の処理を行う。
【0018】
図2に示すように、搬送車1は、レールRaを走行する走行部20を備えている。また、搬送車1は、物品8を収容する収容部10と、物品8を把持する把持部30と、把持部30を収容部10と走行経路Rよりも下方に配置された移載対象箇所9との間で昇降させる昇降部40と、を備えている。
【0019】
本実施形態では、走行部20は、レールRaを転動する複数の走行輪21と、複数の走行輪21のうち少なくとも一部を駆動する走行駆動部20mと、を備えている。例えば、走行駆動部20mは、電動モータを用いて構成されている。
【0020】
本実施形態では、収容部10は、走行部20に吊下げ支持されており、レールRaよりも下方に配置されている。収容部10は、把持部30に把持された物品8を収容可能に構成されている。搬送車1が走行経路Rに沿って物品8を搬送する場合には、物品8は収容部10に収容される。
【0021】
本実施形態では、昇降部40は、把持部30に連結された昇降ベルト41と、昇降ベルト41を駆動する昇降駆動部40mと、を備えている。昇降駆動部40mは、昇降ベルト41が巻回される回転体と、当該回転体を回転させる駆動源と、を備えている。回転体が、正転方向または逆転方向に回転することで、昇降ベルト41が巻き取られ、又は繰り出される。これにより、昇降ベルト41に連結された把持部30が昇降する。
【0022】
図4に示すように、把持部30は、把持本体部31と、把持本体部31に対して第1方向Xに相対移動可能に支持された把持体32と、把持体32を駆動する把持体駆動部30mと、を備えている。例えば、把持体駆動部30mは、電動モータを含む。把持部30の詳細については後述する。
【0023】
次に、物品8について説明する。上述したように、物品8は、被収容物を収容するための収容容器である。
【0024】
図3に示すように、物品8は、物品本体部80と、物品本体部80から上方に突出すると共に把持部30により把持される被把持部81と、を備えている。物品本体部80は、被収容物が収容される部分であり、箱状に形成されている。被把持部81は、搬送車1の把持部30によって把持される部分である。
【0025】
本実施形態では、物品8は、被把持部81を一対備えている。被把持部81は、物品本体部80の上面から延びる複数の支柱材81aと、複数の支柱材81aそれぞれの上端を連結すると共に水平方向に沿って延びる横架材81bと、を備えている。本例では、横架材81bは、板状に形成されている。但し、板状以外の形状が除外されるわけではない。
【0026】
被把持部81は、物品本体部80に対して上方から対向する下面81fu(図6も参照)と、下面81fuに連続すると共に第1方向Xにおける一方側を向く側面81fsと、を備えている。本実施形態では、下面81fuは、横架材81bにおける下方を向く面である。また、側面81fsは、横架材81bにおける第1方向Xの一方側を向く面である。以下では、説明の便宜上、横架材81bの下面81fuを、被把持部81の下面81fuと称する場合がある。また、横架材81bの側面81fsを、被把持部81の側面81fsと称する場合がある。
【0027】
1つの被把持部81を構成する複数の支柱材81aは、互いに第2方向Yに間隔を空けて配置されている。図示の例では、3つの支柱材81aが等間隔に配置されている。詳細は後述するが、複数の支柱材81a同士の間隔は、把持部30の把持体32が通ることが可能な間隔となっている。
【0028】
横架材81bは、複数の支柱材81aが並ぶ第2方向Yに沿う長尺状に形成されている。横架材81bには、その上面から下方に凹む凹部81cが形成されている。複数(図示の例では2つ)の凹部81cが、横架材81bに形成されている。詳細は後述するが、把持部30が被把持部81を把持する場合に、凹部81cには、把持部30の位置決め部33が嵌め込まれる。
【0029】
以下では、一対の被把持部81のうちの一方を第1被把持部811とし、他方を第2被把持部812とする。第1被把持部811と第2被把持部812とは、第1方向Xに離間して配置されている。なお、以下の説明において第1被把持部811と第2被把持部812とを特に区別しない場合には、単に「被把持部81」と総称する。
【0030】
次に、把持部30の構造について詳細に説明する。把持部30は、上述の一対の被把持部81を把持可能に構成されている。
【0031】
図4に示すように、把持部30は、把持本体部31と、把持本体部31に対して第1方向Xに相対移動可能に支持された把持体32と、把持体32を駆動する把持体駆動部30mと、を備えている。把持本体部31には、上述した昇降ベルト41が連結されている。本例では、把持部30は、複数の位置決め部33を備えている。
【0032】
本実施形態では、把持部30は、把持体32を少なくとも一対備えている。一対の把持体32は、互いに第1方向Xに離間して配置されている。一対の把持体32は、把持体駆動部30mによって第1方向Xに互いに接近及び離間するように駆動される。すなわち、一対の把持体32は、接近動作及び離間動作を行うように構成されている。
【0033】
一対の把持体32のうちの一方を第1把持体32Aとし、他方を第2把持体32Bとする。図5に示すように、本実施形態では、第1把持体32Aが複数設けられている。複数の第1把持体32Aは、第2方向Yに沿って並ぶように配置されている。複数の第1把持体32Aは、1つの第1被把持部811を把持するように構成されている(図4参照)。図示の例では、2つの第1把持体32Aが設けられており、当該2つの第1把持体32Aによって、1つの第1被把持部811が把持される。また、本実施形態では、第2把持体32Bが複数設けられている。複数の第2把持体32Bは、第2方向Yに沿って並ぶように配置されている。複数の第2把持体32Bは、1つの第2被把持部812を把持するように構成されている(図4参照)。図示の例では、2つの第2把持体32Bが設けられており、当該2つの第2把持体32Bによって、1つの第2被把持部812が把持される。以下では、第1把持体32Aと第2把持体32Bとを特に区別しない場合には、これらを単に「把持体32」と総称する。
【0034】
図4に示すように、把持体32は、把持本体部31に支持された被支持部320と、被支持部320から下方に延在する基部321と、基部321から第1方向Xに延在する延出部322と、を備えている。本例では、把持体32の全体が、被支持部320、基部321、及び延出部322によって、第2方向Y視でL字状を成すように形成されている。
【0035】
延出部322の上面322fに、被把持部81の下面81fuが載置される載置領域322rが形成されている。被把持部81の下面81fuが、延出部322の上面322fに載置されることにより、被把持部81が把持体32によって把持される(図8も参照)。
【0036】
本実施形態では、第1把持体32A(本例では複数の第1把持体32A)の載置領域322rに第1被把持部811の下面81fuが載置される。これにより、第1被把持部811が第1把持体32Aによって把持される。また、第2把持体32B(本例では複数の第2把持体32B)の載置領域322rに第2被把持部812の下面81fuが載置される。これにより、第2被把持部812が第2把持体32Bによって把持される。
【0037】
本実施形態では、第1把持体32Aと第2把持体32Bとは、第1方向Xにおける第1被把持部811と第2被把持部812との間に配置された状態から、把持体駆動部30mによって駆動されることで第1方向Xに沿って互いに離間する離間動作(以下、単に「離間動作」と称する。)を行う。換言すれば、把持部30は、第1方向Xにおける第1被把持部811と第2被把持部812との間に第1把持体32A及び第2把持体32Bを配置し、これら第1把持体32A及び第2把持体32Bに離間動作を行わせる。把持部30は、少なくとも第1把持体32A及び第2把持体32Bに離間動作を行わせることによって、物品8を把持する。
【0038】
図4において仮想線で示すように、第1把持体32Aの載置領域322rは、離間動作により、第1被把持部811の下面81fuに下方から対向する位置に配置される。第2把持体32Bの載置領域322rは、離間動作により、第2被把持部812の下面81fuに下方から対向する位置に配置される。この状態から、把持部30の全体が昇降部40によって上昇することにより、第1被把持部811の下面81fuが第1把持体32Aの載置領域322rに載置されると共に第2被把持部812の下面81fuが第2把持体32Bの載置領域322rに載置される。このようにして、把持部30は物品8を把持する。
【0039】
本実施形態では、上述した複数の位置決め部33は、把持本体部31から下方に突出するように設けられている。複数の位置決め部33のそれぞれは、物品8の被把持部81に設けられた凹部81cに対応する位置に設けられている。複数の位置決め部33のそれぞれは、少なくとも、把持部30が被把持部81を把持している状態で、対応する凹部81cに嵌まり込むように構成されている。また、搬送車1が、載置台91に載置されている物品8を受け取る場合には、把持部30の載置台91への下降に伴って、複数の位置決め部33のそれぞれが凹部81cに嵌まり込む。すなわち、把持部30が被把持部81を把持するよりも前に、複数の位置決め部33のそれぞれが凹部81cに嵌まり込む。これにより、把持体32が、被把持部81に対して適正位置に位置決めされる。把持部30が上下方向Zに沿う軸心回りに旋回可能に構成されている場合には、複数の位置決め部33のそれぞれが凹部81cに嵌まり込むことで、物品8に対する把持部30の旋回位置が適正位置となる。その後、各把持体32を動作させることで、被把持部81を適切に把持することが可能となる。
【0040】
本実施形態では、把持本体部31から下方に突出する下方突出部35が設けられている。図5では下方突出部35を省略している。下方突出部35は、把持本体部31に固定されている。また、下方突出部35は、物品8の被把持部81に対応して設けられている。本例では、一対の被把持部81に対応して、一対の下方突出部35が設けられている。
【0041】
図6に示すように、下方突出部35は、把持部30が下降限度に配置されている状態において、物品8の被把持部81に当接する。これにより、把持部30が下降限度を越えて下降することを抑制することができると共に、把持部30が下降限度において被把持部81に衝突する際の衝撃を緩和することができる。すなわち、下方突出部35は、把持部30の過度の下降を抑制する機能を有していると共に、衝撃緩和機能を有している。なお、「下降限度」とは、把持部30が移載対象箇所9に配置された物品8に対して下降可能な限度である。図6に示すように、把持部30が下降限度に配置されている状態において、把持体32の下面は、物品本体部80の上面よりも上方に配置される。これにより、仮に把持部30が過剰に下降した場合であっても、把持体32が物品本体部80に接触する前に把持部30の下降を止めることが可能となっている。
【0042】
上述のように、物品8の移載が行われる場合には、物品8の被把持部81は、把持体32の延出部322に形成された載置領域322rに載置される。ここで、図7に示すように、延出部322は、基部321に対して載置領域322rを挟んだ第1方向Xの反対側において、載置領域322rよりも上方に突出するように形成された突出部322aを備えている。本実施形態では、突出部322aは、延出部322における第1方向Xの端部に形成されている。被把持部81を把持するための把持動作(本実施形態では、上述した離間動作)は、突出部322aの上端322eが被把持部81の下面81fuよりも下方に配置された状態で行われる。
【0043】
図8に示すように、突出部322aは、物品8の被把持部81が延出部322の載置領域322rに載置された状態で、被把持部81における側面81fsに対して、第1方向Xに対向し、或いは当接する。これにより、被把持部81の第1方向Xの外側への移動は突出部322aによって規制される。また、被把持部81の第1方向Xの内側への移動は基部321によって規制される。従って、搬送車1は、把持部30によって物品8を把持した状態において、当該物品8の脱落を適切に抑制することができる。
【0044】
図7に示すように、把持部30は、載置領域322rに被把持部81の下面81fuが載置されたことを検知するセンサ34を備えている。本実施形態では、センサ34は、突出部322aの上端322eよりも下方かつ載置領域322rよりも上方の領域Dr(以下、「検知領域Dr」と称する。)において、被把持部81(詳細には下面81fu)の有無を検知するように構成されている。すなわち、突出部322aよりも上方は、センサ34による検知対象外となっている。従って、突出部322aよりも上方に被把持部81の下面81fuが配置されている場合であっても、センサ34は当該下面81fuを検知しない。このような構成によれば、例えば、把持体32によって把持された被把持部81が、載置領域322rに正しく載置されず突出部322aの上に乗り上げてしまった場合には、センサ34が被把持部81を検知しないようにできる。従って、把持体32による被把持部81の把持が不適切である場合に、把持が適切であるとセンサ34が誤検知しないようにできる。なお、把持部30が、被把持部81を把持するための把持動作を行ったにもかかわらず、センサ34が被把持部81の下面81fuを検知しない場合には、把持部30は、把持動作をリトライするとよい。把持動作のリトライによってもセンサ34による検知がない場合には、搬送車1は、上位制御装置や作業者等に向けてエラーを報知するとよい。
【0045】
本実施形態では、センサ34は、被把持部81の下面81fuが載置領域322rに載置されたことを検知するように構成されている。詳細には、センサ34は、載置領域322rに載置された被把持部81の下面81fuにより押圧される被押圧部34aを備えると共に、被押圧部34aが押圧されることにより、載置領域322rに被把持部81の下面81fuが載置されたことを検知するように構成されている(図8参照)。本例では、被押圧部34aが、載置領域322rから上方に突出するように配置されていると共に、被押圧部34aの上端が、突出部322aの上端322eよりも下方に配置されている。これにより、センサ34は、突出部322aの上端322eよりも下方かつ載置領域322rよりも上方の検知領域Drにおいて、被把持部81の下面81fuを検知することができる。
【0046】
上述のように本実施形態では、把持部30は、複数(本例では2つ)の第1把持体32A及び複数(本例では2つ)の第2把持体32Bを備えている。本実施形態では、センサ34は、複数の第1把持体32A及び複数の第2把持体32Bのそれぞれに対応して設けられている。すなわち、複数の第1把持体32Aのそれぞれにおける載置領域322r、及び、複数の第2把持体32Bのそれぞれにおける載置領域322rに、被把持部81の下面81fuが載置されたことを検知するセンサ34が設けられている。これにより、各把持体32による各被把持部81の把持が適切に行われているか否かを検知することができる。また、例えば、複数の把持体32のうち一部が被把持部81を検知し、他の一部が被把持部81を検知しない場合には、それらの検知結果に基づいて、把持されている物品8の姿勢や傾斜方向も判定することが可能となる。把持部30が上下方向Zに沿う軸心回りに旋回可能に構成されている場合には、物品8に対する把持部30の旋回位置のずれについても、複数のセンサ34の検知結果に基づいて判断可能となる。
【0047】
図7に示すように、本実施形態では、下方突出部35と把持体32の突出部322aとが、上下方向Zに対向している。詳細には、離間動作後の把持体32の突出部322a、すなわち第1方向Xの外側に開いた状態の把持体32の突出部322aに対して、下方突出部35が上下方向Zに対向している。換言すれば、把持体32の離間動作後において、下方突出部35と突出部322aとが、上下方向Z視で重複するように配置されている。そして、下方突出部35の下端35eと突出部322aの上端322eとの上下方向Zの隙間Gzが、被把持部81の上下方向Zの厚みLzよりも小さい。なお、被把持部81の上下方向Zの厚みLzは、本例では、被把持部81における延出部322によって下方から支持される部分(ここでは、横架材81b)の上下方向Zの厚みLzである。上記構成により、把持部30に把持されている状態の被把持部81が、例えば振動等によって突出部322aに乗り上げようとした場合であっても、当該被把持部81が下方突出部35の下端35eと突出部322aの上端322eとの上下方向Zの隙間Gzを抜けて脱落することを抑制できる。
【0048】
以上説明した搬送車1によれば、把持体32の載置領域322rに被把持部81の下面81fuが載置された状態で、把持体32の突出部322aが被把持部81の側面81fsに対して第1方向Xに対向し、或いは当接するため、被把持部81が把持部30から脱落することを抑制できる。また、下方突出部35の下端35eと突出部322aの上端322eとの上下方向Zの隙間Gzが被把持部81の上下方向Zの厚みLzよりも小さいため、被把持部81が隙間Gzを抜けて把持部30から脱落することを更に抑制できる。
【0049】
〔その他の実施形態〕
次に、搬送車のその他の実施形態について説明する。
【0050】
(1)上記の実施形態では、第1把持体32Aと第2把持体32Bとが、第1方向Xにおける第1被把持部811と第2被把持部812との間に配置された状態から、第1方向Xに沿って互いに離間する離間動作を行うことで、第1被把持部811と第2被把持部812との双方を第1方向Xの内側から把持する例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、第1把持体32Aが第1被把持部811に対して第1方向Xの外側に配置されると共に第2把持体32Bが第2被把持部812に対して第1方向Xの外側に配置された状態で、第1把持体32Aと第2把持体32Bとが第1方向Xに沿って互いに接近する接近動作を行うことで、第1被把持部811と第2被把持部812との双方を第1方向Xの外側から把持してもよい。
【0051】
(2)上記の実施形態では、センサ34は、載置領域322rに載置された被把持部81の下面81fuにより押圧される被押圧部34aを備えると共に、被押圧部34aが押圧されることにより、載置領域322rに被把持部81の下面81fuが載置されたことを検知するように構成されている例について説明した。すなわち、センサ34が接触式のセンサとして構成されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、センサ34は、対象物を非接触で検知する非接触式のセンサとして構成されていてもよい。この場合、センサ34は、光センサや超音波センサ等の公知のセンサを用いて構成されていてよい。
【0052】
(3)上記の実施形態では、センサ34が、複数の第1把持体32A及び複数の第2把持体32Bのそれぞれに対応して設けられている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、複数の第1把持体32A及び複数の第2把持体32Bの一部にセンサ34が設けられていてもよい。上記実施形態の場合、2つの第1把持体32Aと2つの第2把持体32Bとが設けられている。この場合、合計で4つの把持体32のうち上下方向Z視で対角に配置される第1把持体32Aと第2把持体32Bのみに、センサ34を設けるとよい。これによれば、センサ34の設置数を削減できる。また、上下方向Z視で対角の位置において把持体32に対する被把持部81の載置を検知することができるため、物品8全体として適切に把持されているか否かを検知し易い。
【0053】
(4)上記の実施形態では、把持本体部31から下方に突出する下方突出部35が設けられている例について説明した。しかし、下方突出部35は必須の構成ではない。また、下方突出部35を設ける場合であっても、下方突出部35の下端35eと突出部322aの上端322eとの上下方向Zの隙間Gzが、被把持部81の上下方向Zの厚みLzよりも小さくならないようにしてもよい。この場合、下方突出部35は、被把持部81の脱落抑制機能は有しないが、上記実施形態と同様に、把持部30の過度の下降を抑制する機能や、衝撃緩和機能は有しているとよい。
【0054】
(5)上記の実施形態では、把持部30が、第1被把持部811に形成された凹部81cに嵌合する位置決め部33(図示の例では2つの位置決め部33)と、第2被把持部812に形成された凹部81cに嵌合する位置決め部33(図示の例では2つの位置決め部33)と、の双方を備えている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、把持部30が、第1被把持部811及び第2被把持部812の何れか一方に形成された凹部81cに嵌合する位置決め部33のみを備える構成としてもよい。すなわち、第1被把持部811及び第2被把持部812の何れか他方に形成された凹部81cに対応する位置決め部33は、設けられていなくてもよい。
【0055】
(6)上記の実施形態では、物品8が、被把持部81を一対備えている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、物品8は、被把持部81を1つのみ備えていてもよいし、或いは3つ以上備えていてもよい。被把持部81を把持するための把持体32の数は、被把持部81の数に応じて任意に定められる。
【0056】
(7)なお、上述した実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【0057】
〔上記実施形態の概要〕
以下、上記において説明した搬送車について説明する。
【0058】
走行経路に沿って走行して物品を搬送する搬送車であって、
前記物品を収容する収容部と、
前記物品を把持する把持部と、
前記把持部を前記収容部と前記走行経路よりも下方に配置された移載対象箇所との間で昇降させる昇降部と、を備え、
前記物品は、物品本体部と、前記物品本体部から上方に突出すると共に前記把持部により把持される被把持部と、を備え、
水平方向に沿う特定の方向を第1方向として、
前記被把持部は、前記物品本体部に対して上方から対向する下面と、前記下面に連続すると共に前記第1方向における一方側を向く側面と、を備え、
前記把持部は、把持本体部と、前記把持本体部に対して前記第1方向に相対移動可能に支持された把持体と、前記把持体を駆動する把持体駆動部と、を備え、
前記把持体は、前記把持本体部に支持された被支持部と、前記被支持部から下方に延在する基部と、前記基部から前記第1方向に延在する延出部と、を備え、
前記延出部の上面に、前記被把持部の前記下面が載置される載置領域が形成され、
前記延出部は、前記基部に対して前記載置領域を挟んだ前記第1方向の反対側において、前記載置領域よりも上方に突出するように形成された突出部を備える。
【0059】
本構成によれば、物品における被把持部の下面が、把持体の延出部における載置領域に載置されることで、物品が把持される。そして、被把持部の下面が把持体の延出部における載置領域に載置された状態で、被把持部の第1方向の一方側への移動は突出部によって規制され、第1方向の他方側への移動は把持体の基部によって規制される。従って、本構成によれば、物品を把持した状態において物品の脱落を適切に抑制することができる。
【0060】
前記物品は、前記被把持部を一対備え、
一対の前記被把持部のうちの一方を第1被把持部とし、他方を第2被把持部として、
前記第1被把持部と前記第2被把持部とは、前記第1方向に離間して配置され、
前記把持部は、前記把持体を一対備え、
一対の前記把持体は、前記把持体駆動部によって前記第1方向に互いに接近及び離間するように駆動され、
一対の前記把持体のうちの一方である第1把持体の前記載置領域に前記第1被把持部の前記下面が載置され、
一対の前記把持体のうちの他方である第2把持体の前記載置領域に前記第2被把持部の前記下面が載置される、と好適である。
【0061】
本構成によれば、一対の被把持部を備える物品を、一対の把持体によって適切に把持することができる。また、第1把持体と第2把持体とのそれぞれの突出部が、対応する被把持部の側面に係止されることによって、第1把持体及び第2把持体の第1方向(接近又は離間する方向)の移動が規制される。そのため、第1把持体及び第2把持体の第1方向の移動を規制するブレーキ機構等を設ける必要性を低減できる。従って本構成によれば、把持部の部品点数を削減でき、軽量化や低コスト化を図ることができる。
【0062】
前記第1把持体と前記第2把持体とは、前記第1方向における前記第1被把持部と前記第2被把持部との間に配置された状態から、前記把持体駆動部によって駆動されることで前記第1方向に沿って互いに離間する離間動作を行い、
前記第1把持体の前記載置領域は、前記離間動作により、前記第1被把持部の前記下面に下方から対向する位置に配置され、
前記第2把持体の前記載置領域は、前記離間動作により、前記第2被把持部の前記下面に下方から対向する位置に配置される、と好適である。
【0063】
本構成によれば、第1把持体と第2把持体とによって、第1被把持部及び第2被把持部のそれぞれを第1方向の内側から把持することができる。そのため、これらの被把持部を第1方向の外側から挟み込むように把持する構成に比べて、把持部を第1方向に小型化し易い。
【0064】
前記把持部は、前記載置領域に前記被把持部の前記下面が載置されたことを検知するセンサを備える、と好適である。
【0065】
本構成によれば、センサによって、載置領域に被把持部の下面が載置されたことを検知することができる。従って、把持部が物品を把持しているか否かを適切に検知することができる。
【0066】
前記センサは、前記突出部の上端よりも下方かつ前記載置領域よりも上方の領域において、前記被把持部の有無を検知するように構成されている、と好適である。
【0067】
本構成によれば、例えば、把持体によって把持された被把持部が、載置領域に正しく載置されず突出部の上に乗り上げてしまった場合には、センサが被把持部を検知しないようにできる。従って本構成によれば、把持体による被把持部の把持が適切であるか否かをセンサにより検知することができる。
【0068】
上下方向視で前記第1方向に直交する方向を第2方向として、
前記第1把持体が複数設けられ、複数の前記第1把持体が前記第2方向に沿って並ぶように配置され、
前記第2把持体が複数設けられ、複数の前記第2把持体が前記第2方向に沿って並ぶように配置され、
複数の前記第1把持体は、1つの前記第1被把持部を把持するように構成され、
複数の前記第2把持体は、1つの前記第2被把持部を把持するように構成されている、と好適である。
【0069】
本構成によれば、複数の第1把持体及び複数の第2把持体によって、物品を安定的に把持することが可能となる。
【0070】
複数の前記第1把持体のそれぞれにおける前記載置領域、及び、複数の前記第2把持体のそれぞれにおける前記載置領域に、前記被把持部の前記下面が載置されたことを検知するセンサが設けられている、と好適である。
【0071】
本構成によれば、各把持体による各被把持部の把持が適切に行われているか否かを検知することができる。また、例えば、複数の把持体のうち一部が被把持部を検知し、他の一部が被把持部を検知しない場合には、それらの検知結果に基づいて、把持されている物品の姿勢や傾斜方向も判定することが可能となる。
【0072】
前記把持本体部から下方に突出する下方突出部が設けられ、
前記下方突出部と前記突出部とが上下方向に対向しており、
前記下方突出部の下端と前記突出部の上端との上下方向の隙間が、前記被把持部の上下方向の厚みよりも小さい、と好適である。
【0073】
本構成によれば、把持部に把持されている状態の被把持部が、例えば振動等によって突出部の上に乗り上げようとした場合であっても、当該被把持部が下方突出部の下端と突出部の上端との上下方向の隙間を抜けて脱落することを抑制できる。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本開示に係る技術は、走行経路に沿って走行して物品を搬送する搬送車であって、前記物品を収容する収容部と、前記物品を把持する把持部と、前記把持部を前記収容部と前記走行経路よりも下方に配置された移載対象箇所との間で昇降させる昇降部と、を備えた搬送車に利用することができる。
【符号の説明】
【0075】
1 :搬送車
10 :収容部
30 :把持部
30m :把持体駆動部
31 :把持本体部
32 :把持体
320 :被支持部
321 :基部
322 :延出部
322a :突出部
322e :上端
322f :上面
322r :載置領域
32A :第1把持体
32B :第2把持体
34 :センサ
35 :下方突出部
35e :下端
40 :昇降部
8 :物品
80 :物品本体部
81 :被把持部
81fs :側面
81fu :下面
811 :第1被把持部
812 :第2被把持部
9 :移載対象箇所
Dr :領域(検知領域)
Gz :隙間
Lz :厚み
R :走行経路
X :第1方向
Y :第2方向
Z :上下方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8