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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024033352
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】堆肥製造方法および堆肥
(51)【国際特許分類】
   C05F 11/00 20060101AFI20240306BHJP
   B09B 3/38 20220101ALI20240306BHJP
   C05F 3/00 20060101ALN20240306BHJP
【FI】
C05F11/00
B09B3/38 ZAB
C05F3/00
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022136880
(22)【出願日】2022-08-30
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-06-21
(71)【出願人】
【識別番号】516213482
【氏名又は名称】株式会社リュウクス
(74)【代理人】
【識別番号】100135781
【弁理士】
【氏名又は名称】西原 広徳
(74)【代理人】
【識別番号】100217227
【弁理士】
【氏名又は名称】野呂 亮仁
(72)【発明者】
【氏名】謝花 一成
(72)【発明者】
【氏名】南出 拓人
(72)【発明者】
【氏名】大嶺 薫
(72)【発明者】
【氏名】菊池 翔
(72)【発明者】
【氏名】望月 美登志
(72)【発明者】
【氏名】渕上 浩一
【テーマコード(参考)】
4D004
4H061
【Fターム(参考)】
4D004AA36
4D004BA04
4D004CA15
4D004CB21
4D004CC15
4D004DA09
4D004DA10
4H061AA01
4H061AA02
4H061BB01
4H061CC35
4H061CC36
4H061CC55
4H061EE61
4H061EE64
4H061EE66
4H061GG41
4H061GG48
(57)【要約】
【課題】作業性の向上を図ることができる堆肥製造方法および堆肥を提供することができる。
【解決手段】本発明の堆肥製造方法は、動物由来の窒素源材料と植物由来の炭素源材料を混合する混合工程を経て堆肥を製造する堆肥製造方法である。本発明の堆肥製造方法では、燃焼した植物性バイオマス燃料を用いた火力発電にて排出される燃焼灰であるバイオマス燃焼灰を前記窒素源材料に混合して改質窒素源材料とする窒素源改質工程を行い、前記窒素源改質工程の後に前記混合工程として前記改質窒素源材料と前記炭素源材料を混合する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
窒素源材料と炭素源材料を混合する混合工程を経て堆肥を製造する堆肥製造方法であって、
バイオマス燃焼灰を前記窒素源材料に混合して改質窒素源材料とする窒素源改質工程を行い、
前記窒素源改質工程の後に前記混合工程として前記改質窒素源材料と前記炭素源材料を混合する
堆肥製造方法。
【請求項2】
前記窒素源改質工程は、
前記窒素源材料100質量%に対して前記バイオマス燃焼灰を20~40質量%混合する
請求項1記載の堆肥製造方法。
【請求項3】
前記バイオマス燃焼灰を前記炭素源材料に混合して改質炭素源材料とする炭素源改質工程を行い、
前記炭素源改質工程の後に前記混合工程として前記改質窒素源材料と前記改質炭素源材料を混合する
請求項1記載の堆肥製造方法。
【請求項4】
前記バイオマス燃焼灰を前記炭素源材料に混合して改質炭素源材料とする炭素源改質工程を行い、
前記炭素源改質工程の後に前記混合工程として前記改質窒素源材料と前記改質炭素源材料を混合する
請求項2記載の堆肥製造方法。
【請求項5】
前記炭素源改質工程は、
前記炭素源材料100質量%に対して前記バイオマス燃焼灰を20~40質量%混合する
請求項4記載の堆肥製造方法。
【請求項6】
前記バイオマス燃焼灰は、火力発電所にて植物系材料が燃焼して得られた燃焼灰である
請求項1から5のいずれか1つに記載の堆肥製造方法。
【請求項7】
バイオマス燃焼灰が窒素源材料に混合された改質窒素源材料と、炭素源材料とを含有した
堆肥。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、生物系廃棄物を原材料とした堆肥および堆肥製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、畜産施設から廃棄物として排出される牛糞、豚糞、鶏糞等の畜産糞を原料として、嫌気性処理および乾燥処理等の適宜の処理を行い、これによって堆肥を製造する堆肥製造方法が提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、特許文献1で提案されているような従来の堆肥製造方法においては、窒素源材料である畜産糞が腐敗しやすいという問題がある。このため、窒素源材料が腐敗する前に炭素源材料との混合作業を行わなければならず、高頻度で混合作業が発生するという問題がある。すなわち、作業性の観点で改善の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-051474号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は、上述の問題に鑑みて、作業性の向上を図ることができる堆肥製造方法および堆肥を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、窒素源材料と炭素源材料を混合する混合工程を経て堆肥を製造する堆肥製造方法であって、バイオマス燃焼灰を前記窒素源材料に混合して改質窒素源材料とする窒素源改質工程を行い、前記窒素源改質工程の後に前記混合工程として前記改質窒素源材料と前記炭素源材料を混合する堆肥製造方法および堆肥であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
この発明により、作業性の向上を図ることができる堆肥製造方法および堆肥を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】循環流動層ボイラの構成を示す概略構成図。
図2】ストーカ式ボイラの構成を示す概略構成図。
図3】植物性バイオマス燃料由来のバイオマス燃焼灰から堆肥を作製するフロー図。
図4】変形例における植物性バイオマス燃料由来のバイオマス燃焼灰から堆肥を作製するフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
従来、火力発電においては、エネルギー効率の観点から石炭、石油、天然ガス等の化石燃料が多く使用されてきた。しかし、化石燃料は燃焼した際に発生する二酸化炭素量が多く、地球温暖化が進行する可能性があるとして、環境負荷が低い別の燃料が検討されてきた。その中でも、植物等(植物系材料)を燃料(植物性バイオマス燃料)として使用するバイオマス発電は、植物の成長過程で吸収する二酸化炭素が、燃料使用時に燃焼させた際に発生する二酸化炭素よりも多い(カーボンニュートラル)という考えの元、環境負荷が低い火力発電として普及が進んでいる。
【0010】
しかし、バイオマス発電は燃料に植物等を使用することから、一定量の燃焼灰が発生する。発生する燃焼灰は産業廃棄物として扱われ、一般に埋め立て処理がされているが、広大な埋め立て地の確保が必要であるという問題があり、バイオマス発電の副産物としての燃焼灰の、資源としての有効利用が検討されてきた。
【0011】
このようなバイオマス発電で発生する燃焼灰の有効利用について、出願人は鋭意研究した。そして、植物を原料とする燃料(以下、「植物性バイオマス燃料」という。)を用いた火力発電にて排出されるバイオマス燃焼灰(植物性バイオマス燃焼灰)を用いた堆肥および堆肥製造方法を発明した。
【0012】
以下、この発明の一実施形態を図面と共に説明する。本発明の堆肥は、原材料として、少なくとも燃焼した植物性バイオマス燃料の燃焼灰を含むバイオマス燃焼灰と、窒素源材料と、炭素源材料と、活性材料を含有する。
【0013】
バイオマス燃焼灰は、植物性バイオマス燃料を燃焼して灰化させたものであって、主に植物性バイオマス燃料を燃料とする火力発電(バイオマス発電)の副産物として生成される。植物性バイオマス燃料は、生物系廃棄物ということもできる。
【0014】
植物性バイオマス燃料の原料としては、イネ科の植物を用いることができる。たとえば、植物性バイオマス燃料の原料としては、イネ科の植物である、バガス(サトウキビ搾汁後の残渣)、ソルガム、イネの籾殻、麦藁等を用いることができる。これらのイネ科の植物は、栽培適用範囲が広いことからその収穫量も多く、燃料として安定的に入手することができるから、植物性バイオマス燃料として好適である。
【0015】
また、植物性バイオマス燃料の原料としては、イネ科の植物由来の物質の他に、パームヤシ殻、木質チップ、および木質ペレット(ウッドペレット)等を用いることもできる。パームヤシ殻は、パームヤシと呼ばれるヤシの種子殻であって、パーム油を生産する過程で発生する残渣である。パームヤシ殻にはカルシウム成分と、抽出されずに残った微量のパーム油とが含まれることから燃焼効率が高く、植物性バイオマス燃料として好適である。木質チップとは、丸太、樹皮、枝葉や製材時に発生する端材などの木材を顆粒状に破砕して人工的に製造したものであり、木質ペレットとは、木質チップまたは木質チップの製造過程で生じる木材由来の物質を圧縮成型したものである。木質チップおよび木質ペレットのいずれも、製造および入手が容易であり、燃料として安定的に入手することができるから、植物性バイオマス燃料として好適である。
【0016】
なお、植物性バイオマス燃料としては、単一の物質(植物)からなるものであっても良いし、複数種類(二種類以上)の物質(植物)を混合したものであっても良い。たとえば、パームヤシ殻と木質ペレットを混合したものを植物性バイオマス燃料として使用することができる。
【0017】
窒素源材料および炭素源材料のそれぞれは、生物(動物または植物等)由来の材料(有機資材)である。より詳しくは、窒素源材料および炭素源材料のそれぞれは、動物または植物由来の廃棄物(生物系廃棄物)により構成されるものである。したがって、窒素源材料は有機質窒素源材料ということもでき、炭素源材料は有機質炭素源材料ということもできる。
【0018】
窒素源材料は、少なくとも窒素を含有する材料であり、牛糞、豚糞、鶏糞、馬糞、羊糞等の畜産糞や下水汚泥(廃水処理施設等から排出される汚泥)など、動物の糞が含まれる材料、または、これらの材料の二種類以上の材料を混合した材料で構成される。また、これらの牛糞、豚糞、鶏糞、馬糞、羊糞等の畜産糞は、尿も混じっている牛糞尿、豚糞尿、鶏糞尿、馬糞尿、羊糞尿等の畜産糞尿を用いても良い。
【0019】
炭素源材料は、少なくとも炭素を含有する材料であり、おが粉、チップ、バガス、廃菌床、刈草、竹、バーク、もみ殻、麦わら、稲わら、剪定枝、樹皮、木葉、植物性プランクトンや藻類などの植物由来の材料、または、これらの材料の二種以上の材料を混合した材料で構成される。
【0020】
活性材料は、発酵菌または発酵菌を含有する活性液である。発酵菌は、たとえばバチルス属微生物などの細菌、放線菌、糸状菌、亜硝酸菌、硝酸菌、セルロース分解菌などを用いることができる。
【0021】
植物性バイオマス燃料を使用した火力発電に用いるボイラ(燃焼炉)は、バイオマス発電に用いることができるボイラであれば形式を限定せず様々な種類のボイラを採用できる。たとえば、植物性バイオマス燃料を燃焼させるためのボイラ(以下、「バイオマス燃焼ボイラ」という。)としては、流動床式ボイラやストーカ式ボイラなどを使用することができる。
【0022】
簡単に説明すると、流動床式ボイラは、流動媒体として砂を使用する流動層(床)を備えたボイラである。ストーカ式ボイラは、植物性バイオマス燃料を階段状に設けられた複数のストーカ上で焼却処理するものである。
【0023】
流動床式ボイラは、流動媒体として砂を強制的に循環させる機構(循環機構)を備えている循環流動層(床)ボイラであることがより好ましい。図1は、循環流動層ボイラ10の構成を示す概略構成図である。以下、図1を参照して循環流動層ボイラ10の構成を説明する。
【0024】
図1に示すように、循環流動層ボイラ10は、炉本体10aと、燃料供給口11と、ベッド材12と、火炉13と、火炉13内に空気を流入する空気流入路14と、火炉13の上部空間側面に連通した火炉出口15と、火炉13内での燃焼により発生した燃焼ガス中に含まれる灰(バイオマス燃焼灰)とそのバイオマス燃焼灰と共に流動してきた一部のベッド材12とを捕集および分離するサイクロン16と、サイクロン16中の燃焼ガスを微粉末(微細なバイオマス燃焼灰)とともに炉本体10aの外部に排気する排気路17と、サイクロン16の底部および火炉13の下部側面に連通した灰戻し管18とを備える。
【0025】
燃料供給口(燃料投入部)11は、炉本体10aの内部(火炉13)に連通し、炉本体10aの外部から植物性バイオマス燃料を火炉13に供給するために設けられる。すなわち、燃料供給口11は、炉本体10aの外部空間と火炉13の内部空間とを連通している。
【0026】
ベッド材12は、たとえば主にケイ砂で構成される粒状の部材である。ベッド材12は、火炉13の内部に位置しており、火炉13の内部において燃料供給口11から供給される植物性バイオマス燃料(燃料)と混合された状態となっている。ベッド材12には、ケイ砂に加えて排煙脱硫のための石灰石が含有されていてもよい。
【0027】
また、図示は省略するが、循環流動層ボイラ10には、火炉13を加熱するための加熱装置が適宜の位置に設けられている。火炉13は、加熱装置によって、植物性バイオマス燃料およびベッド材12の燃焼を行うための温度(燃焼温度)に加熱される。燃焼温度は、十分な熱量の確保と、植物性バイオマス燃料の種類および燃焼灰の発生量等の観点から適宜設定される。循環流動層ボイラ10における燃焼温度の下限は、600℃以上とすることができ、700℃以上とすることが好ましい。燃焼温度の上限は、1100℃以下とすることができ、900℃以下とすることが好ましい。
【0028】
空気流入路14は、火炉13の下部に設けられている。空気流入路14を通して火炉13の内部に空気が供給される。空気流入路14から火炉13に供給された空気によって植物性バイオマス燃料およびベッド材12は、火炉13の下部から吹き込まれる空気によって火炉13内で上下に燃焼されながら流動する。植物性バイオマス燃料およびベッド材12が火炉13内を流動することによって、火炉13内の温度が均一化され、燃焼効率を高めることができる。
【0029】
火炉出口15は、火炉13の上部空間側面に連通するように設けられている。植物性バイオマス燃料およびベッド材12は、火炉13内で燃焼されることによって、燃料時(燃焼前)よりも粒度(粒径)が小さく、かつ重量が軽いバイオマス燃焼灰となる。重量が所定の重量よりも軽くなったバイオマス燃焼灰は、燃焼によって発生した燃焼ガスとともに火炉出口15の高さまで吹き上がり、火炉出口15を通って連通するサイクロン16に移動する。火炉出口15が火炉13に連通する位置(高さ)としては、燃焼前(重量が軽くなる前の)の植物性バイオマス燃料およびベッド材12が火炉13内を流動する範囲の上端部(最高地点)よりも上方に位置することが好ましい。このようにすれば、軽いバイオマス燃焼灰は火炉出口15の高さに到達して火炉出口15に流入し、火炉出口15を通ってサイクロン16に移動するが、バイオマス燃焼灰に比べて重い燃焼前の植物性バイオマス燃料およびベッド材12は火炉出口15の高さに到達しないから火炉出口15に流入しない。すなわち、燃焼してバイオマス燃焼灰となったものを効率的にサイクロン16に移動させ(運搬し)、かつ燃焼前の植物性バイオマス燃料およびベッド材12の火炉出口15からの流出を抑制できる。
【0030】
サイクロン16は、火炉13から火炉出口15を通して運搬されたバイオマス燃焼灰について、比較的粗粒な(粒度(粒径)が大きく比較的重い)バイオマス燃焼灰を沈降させる(下方に移動させる)ことによって、粗粒な(重い)バイオマス燃焼灰と微細な(軽い)バイオマス燃焼灰とを分離する。粗粒なバイオマス燃焼灰はサイクロン16の底部に連通した灰戻し管18を通して、再び火炉13の底部に戻され、再度燃焼されることによって、微細なバイオマス燃焼灰となってサイクロン16に戻される。一方、微細なバイオマス燃焼灰は、燃焼ガスとともに排気路17に導入される。
【0031】
排気路17に導入された燃焼ガスとバイオマス燃焼灰とは、燃焼ガスの熱から蒸気を発生させその蒸気をタービン発電機(図示省略)に供給するための対流伝熱部を経て適宜の分離機構によって分離される。この分離機構としては、バグフィルターまたは電気集塵機を使用することができる。燃焼ガスは、脱硫処理が施され、硫黄酸化物が除去された後に排煙として大気中に放出される。脱硫処理の方法としては石灰石・石膏法等を用いることができる。ベッド材12に石灰石を含有していた場合は、燃焼段階で脱硫処理と同等の効果が得られる(硫黄酸化物が除去されている)ため、燃焼ガスの脱硫処理を省略することができる。燃焼ガスと分離されたバイオマス燃焼灰は適宜の方法で回収することができる。
【0032】
このような循環流動層ボイラ10を備え、植物性バイオマス燃料を燃料とする火力発電設備(火力発電所)から、上記の方法によりバイオマス燃焼灰を取得することができる。
【0033】
次に、ストーカ式ボイラについて説明する。図2は、ストーカ式ボイラ20の構成を示す概略構成図である。以下、図2を参照してストーカ式ボイラ20の概略構成を説明する。
【0034】
図2に示すように、ストーカ式ボイラ20は、炉本体20aと、炉本体20aの内部に連通する燃料投入ホッパ21と、燃料供給部22と、ストーカ部23と、ストーカ下ホッパ24と、灰通路25と、燃焼室26と、廃熱ボイラ27と、空気供給部28と、燃焼灰回収部29と、燃焼灰搬送部30等を備えている。
【0035】
燃料投入ホッパ(燃料投入部)21は、炉本体20aの内部に連通し、炉本体20aの外部から植物性バイオマス燃料を燃料供給部22に供給するために設けられる。すなわち、燃料投入ホッパ21は、炉本体20aの外部と炉本体20aの内部とを連通している。
【0036】
燃料供給部22は、燃料投入ホッパ21の排出口の下部に設けられ、燃料投入ホッパ21から排出された植物性バイオマス燃料をストーカ部23に供給する。また、燃料供給部22は、往復運動を行うプッシャー、プッシャーを作動させる駆動源および駆動源を制御する制御部などを有している。燃料供給部22では、プッシャーのストローク、作動速度、作動間隔が適宜調整されており、ストーカ部23に供給される植物性バイオマス燃料の量(供給量)が制御されている。
【0037】
ストーカ部23は、燃料供給部22側を基端部とし、燃料供給部22から離れる方向に向かって下り勾配となるように傾斜して設けられている。このストーカ部23は、複数の火格子を有しており、複数の火格子は、基端部(燃料供給部22側端部)から先端部(燃料供給部22の反対側端部)に向かうにつれて徐々に低くなるように階段状に並べられている。また、複数の火格子は、ストーカ部23の基端部側と先端部側の間で往復運動を行う可動火格子と、固定された(移動しない)固定火格子とを有している。可動火格子と固定火格子とは、ストーカ部23の基端部側から先端部側に向かって交互に配置されている。
【0038】
ストーカ部23に供給された植物性バイオマス燃料は、階段状に並べられた複数の火格子の上を基端部(上流側)から先端部(下流側)に向かって加熱されながら移動する。
【0039】
ストーカ下ホッパ24は、ストーカ部23の下方を覆うように設けられる。ストーカ下ホッパ24には、ストーカ部23の反対側(本実施例ではストーカ下ホッパ24の下側)に設けられたブロワ(押込送風機)等の空気供給部28から送り込まれる空気が流入する。ストーカ下ホッパ24に流入した空気は、ストーカ部23(火格子)を下方から上方に通過する。
【0040】
また、ストーカ部23は、上流側から順に、植物性バイオマス燃料の水分を蒸発させて植物性バイオマス燃料を乾燥させるための乾燥ストーカ23a、乾燥した植物性バイオマス燃料を燃焼(主燃焼)させる燃焼ストーカ23b、燃焼後の植物性バイオマス燃料の燃え残りを完全燃焼させるための後燃焼ストーカ23cを有する。また、ストーカ下ホッパ24は、乾燥ストーカ23aの下方を覆う乾燥ストーカ用ホッパ24a、燃焼ストーカ23bの下方を覆う燃焼ストーカ用ホッパ24b、後燃焼ストーカ23cの下方を覆う後燃焼ストーカ用ホッパ24cを有する。
【0041】
ストーカ部23上で加熱された植物性バイオマス燃料は、ストーカ下ホッパ24から供給される空気によって上方に吹き上げられ、燃焼室26において燃焼する。ストーカ式ボイラ20における燃焼温度の下限は、600℃以上とすることができ、700℃以上とすることが好ましい。燃焼温度の上限は、1100℃以下とすることができ、900℃以下とすることが好ましい。燃焼室26において植物性バイオマス燃料が燃焼することによって発生する燃焼ガスは、燃焼室26の上方に連通する廃熱ボイラ27に流入する。
【0042】
廃熱ボイラ27は、燃焼ガスから熱回収して水を加熱蒸発させ、発生した蒸気を更に過熱して過熱蒸気とし、この過熱蒸気をタービン発電機(図示省略)に供給する。また、廃熱ボイラ27は、燃焼室26を通過した燃焼ガスから放射熱を受けて蒸気を発生させるための放射伝熱面を有する放射伝熱室27aを有する。放射伝熱室27aの内壁は、水管壁により形成されている。この水管壁は、並列状に配置した複数本の水管と、隣接する水管同士を気密状に連結する帯板状の連結部材とを有している。すなわち、放射伝熱室27aの内壁を形成する水管壁の内側面がボイラ放射伝熱面となっており、放射伝熱面を介して燃焼ガスによって水管内部の水が加熱されて過熱蒸気となる。
【0043】
以上のように、植物性バイオマス燃料は、ストーカ部23で燃焼され、燃料時よりも粒度が小さく、かつ重量が軽いバイオマス燃焼灰となる。また、ストーカ部23の先端部の先には、燃焼灰回収部29に連通し、下方に延びる灰通路25が設けられており、ストーカ部23から排出されるバイオマス燃焼灰は可動火格子の往復運動によって灰通路25に導かれ、灰通路25を通って燃焼灰回収部29に移動(落下)する。すなわち、ストーカ部23で燃焼したバイオマス燃焼灰は燃焼灰回収部29に運搬される。また、一部のバイオマス燃焼灰はストーカ下ホッパ24に落下することもある。灰通路25およびストーカ下ホッパ24の下方には、コンベヤや押出機構等を有し、バイオマス燃焼灰を燃焼灰回収部29に搬送する燃焼灰搬送部30が設けられている。このため、ストーカ下ホッパ24および灰通路25に落下したバイオマス燃焼灰は燃焼灰搬送部30によって燃焼灰回収部29に運搬される。
【0044】
燃焼灰回収部29に運搬されたバイオマス燃焼灰は適宜の方法で回収することができる。このようなストーカ式ボイラ20を備え、植物性バイオマス燃料を燃料とする火力発電設備(火力発電所)から、上記の方法によりバイオマス燃焼灰を取得することができる。
【0045】
循環流動層ボイラ10およびストーカ式ボイラ20であれば、植物性バイオマス燃料の種類に応じて適切な燃焼温度を設定し、燃え残りの発生を抑制し、表面積が大きい細かい粒(粒径については後述する)のバイオマス燃焼灰を得ることができる。すなわち、循環流動層ボイラ10およびストーカ式ボイラ20であれば、堆肥の原材料として好適なバイオマス燃焼灰を取得することができる。
【0046】
図3は、植物性バイオマス燃料由来のバイオマス燃焼灰から堆肥を作製(製造)する本発明の堆肥の作製処理(堆肥の製造方法)のフロー図である。図3に示すように、本発明の堆肥の作製処理では、最初に植物性バイオマス燃料を燃焼させる(ステップS1)。ここでは、バイオマス燃焼ボイラ(上述したような循環流動層ボイラ10またはストーカ式ボイラ20)に火力発電の燃料としての植物性バイオマス燃料が投入され、植物性バイオマス燃料が燃焼される。
【0047】
次に、バイオマス燃焼ボイラから排出されたバイオマス燃焼灰を適宜の方法で回収する(ステップS2)。このとき、堆肥に含有させる(堆肥の原材料としての)バイオマス燃焼灰の粒径は、分級機を使用して調整することが好ましい。バイオマス燃焼灰の粒径は、体積平均粒径(MV)、個数平均粒径(MN)、面積平均粒径(MA)または累積平均径(メジアン径、D50)によって定義される。
【0048】
堆肥の原材料としてのバイオマス燃焼灰の体積平均粒径(MV)の上限は、100μm以下が好ましく、40μm以下とすることがより好ましい。また、バイオマス燃焼灰の個数平均粒径(MN)の上限は、20μm以下とすることが好ましく、15μm以下がより好ましく、15μm以下がより好ましい。さらに、バイオマス燃焼灰の面積平均粒径(MA)の上限は、40μm以下が好ましく、30μm以下がより好ましく、20μm以下とすることがさらに好ましい。さらにまた、バイオマス燃焼灰の累積平均径(メジアン径、D50)の上限は、40μm以下が好ましく、30μm以下がより好ましく、20μm以下とすることがさらに好ましい。また、バイオマス燃焼灰の、体積平均粒径(MV)、個数平均粒径(MN)、面積平均粒径(MA)、または累積平均径(メジアン径、D50)における下限は、1μm以上とすることができる。このように、堆肥の原材料として所定の粒径以下のバイオマス燃焼灰を用いることで堆肥およびこれに含有されたバイオマス燃焼灰の比表面積が増大する。
【0049】
また、堆肥の原材料としてのバイオマス燃焼灰は、酸化カルシウム成分を15~50重量%含んでいる。バイオマス燃焼灰に含まれる酸化カルシウムは、火力発電の燃料とした植物性バイオマス燃料に元来含まれているカルシウム成分由来の酸化物質である。なお、堆肥を使用する土壌の状態や、燃焼後のバイオマス燃焼灰に含まれているカルシウム成分の量に応じて、上記範囲内に収まるよう適宜酸化カルシウムまたは酸化カルシウムを含有する物質を添加しても良い。酸化カルシウムを含有する物質としては、たとえば脱硫処理の際に使用する石灰石が挙げられる。この場合、脱硫処理に使用された石灰石から放出される酸化カルシウムを適宜収集してバイオマス燃焼灰に添加することができる。バイオマス燃焼ボイラの形式によっては、バイオマス燃焼灰が排出される過程で脱硫処理時に生じた酸化カルシウムが混合されるため、この石灰石由来の酸化カルシウムが混合されたバイオマス燃焼灰をそのまま利用してもよい。
【0050】
また、堆肥の原材料としてのバイオマス燃焼灰は、二酸化ケイ素成分を30~60重量%含んでいる。たとえば、バイオマス燃焼灰に含まれる二酸化ケイ素は、循環流動層ボイラ10を使用した場合の火力発電のベッド材としたケイ砂由来の成分である。そして、バイオマス燃焼灰に含まれる酸化カルシウム成分および二酸化ケイ素成分は、その合計割合がバイオマス燃焼灰全体の90重量%以下とすることができる。
【0051】
次に、ステップS2で回収したバイオマス燃焼灰を窒素源材料に添加(バイオマス燃焼灰と窒素源材料とを混合)して改質窒素源材料を生成する(ステップS3:窒素源改質工程)。ステップS3におけるバイオマス燃焼灰の添加量の下限は、窒素源材料100質量%に対して15質量%以上とすることができ、20質量%以上とすることが好ましく、30質量%以上とすることがより好ましい。また、ステップS3におけるバイオマス燃焼灰の添加量の上限は、窒素源材料100質量%に対して45質量%以下とすることができ、40質量%以下とすることが好ましく、30質量%以下とすることがより好ましい。また、この添加においては、窒素源材料とバイオマス燃焼灰をよく混合させて、改質窒素源材料中に窒素源材料とバイオマス燃焼灰の偏りが無いようにすることが好ましい。
【0052】
続いて、ステップS3までに作製した改質窒素源材料と、炭素源材料と、活性材料のそれぞれを適宜の量混合し(ステップS4:混合工程)、各材料を均質(改質窒素源材料と炭素源材料と活性材料とが略均一に分散するように)になるように混合する(ステップS5)。
【0053】
次に、ステップS5までに作製した混合物の水分量が許容範囲内かどうかを判断する(ステップS6)。ここで、混合物の水分量の許容範囲の下限は、40%以上とすることができ、50%以上とすることが好ましく、55%以上とすることがより好ましい。また、混合物の水分量の許容範囲の上限は、65%以下とすることができ、60%以下とすることが好ましく、55%以下とすることがより好ましい。
【0054】
混合物の水分量が許容範囲内でない場合、すなわち、混合物の水分量が許容範囲外である場合(ステップS6:NO)、ステップS4に戻り、各材料の混合比を調整し、ステップS5で各材料を均質になるように再度混合する。すなわち、混合物の水分量が許容範囲内でない場合、ステップS4およびステップS5の処理を繰り返す。
【0055】
混合物の水分量が許容範囲内である場合(ステップS6:YES)、ステップS7で混合物を発酵させ(ステップS7)、堆肥の作製処理を終了する。ステップS7(発酵ステップ)では、複数のステップ(工程)に分けて混合物を発酵させることができる。たとえば、1次発酵ステップ(7~10日)、2次発酵ステップ(7~10日)、3次発酵ステップ(7~10日)の順で3つのステップに分けて混合物を発酵させることができる。各発酵ステップの期間については、適宜変更することができる。また、3次発酵ステップが完了した時点で、所定の大きさ以上の塊を1次発酵ステップの最初に戻すようにしてもよい。ここで、塊の大きさ(直径)の基準は、10mm、12mm、15mm、20mmのいずれかとすることができる。
【0056】
このようにして、窒素源材料およびバイオマス燃焼ボイラから排出されたバイオマス燃焼灰を含有する改質窒素源材料と、炭素源材料と、活性材料を原料とした混合物が得られ、これを堆肥とすることができる。
【0057】
本発明の堆肥の製造方法(堆肥製造方法)によれば、窒素源材料にバイオマス燃焼灰を添加して改質窒素源材料とした。この改質窒素源材料は、改質前(従来)の窒素源材料に比べて腐敗しにくく、従来の窒素源材料よりも長い期間(たとえば1週間~10日)貯留することができるようになった。これにより、混合作業の頻度を低減することができ、堆肥製造時の作業性を向上させる(省力化を図る)ことができる。また、本発明の堆肥の製造方法によれば、1回の混合作業における改質窒素源材料の投入量を増大させることができ、大量生産が可能になり、堆肥の製造効率を向上させることができた。また、窒素源材料にバイオマス燃焼灰を添加したことで、水分調整効果が得られて性状が安定し、取り扱いが容易になるとともに、臭気を低減することができ、発酵状態を改善することができた。
【0058】
また、窒素源材料100質量%に対してバイオマス燃焼灰を20~40質量%混合することによって、改質窒素源材料の腐敗抑制効果をより高めることができ、堆肥製造時の作業性および堆肥の製造効率の向上を図ることができる。
【0059】
さらに、本発明の堆肥は、植物性バイオマス燃料が燃焼することにより生じるバイオマス燃焼灰を原材料としている。植物性バイオマス燃料は火力発電の中でも環境負荷が小さいバイオマス発電の燃料となるものであり、本発明の堆肥の原材料として、バイオマス発電の発電工程で発生する副産物であるバイオマス燃焼灰を使用できる。この構成により、廃棄物削減を実現でき、環境にやさしい堆肥を提供できる。
【0060】
また、本発明の堆肥の原材料であるバイオマス燃焼灰には、所定量の酸化カルシウムや二酸化ケイ素が含まれているため、酸化カルシウムや二酸化ケイ素を豊富に含んだ堆肥を製造することができる。
【0061】
さらに、本発明の堆肥の製造過程では、バイオマス燃焼灰を含む各材料材(窒素源材料および炭素源材料など)が略均一に分散するように混合しているから、堆肥性能のバラつきを抑えることができる。
【0062】
さらにまた、本発明の堆肥の製造過程では、バイオマス燃焼灰の調湿機能によって、堆肥化の過程で塊ができにくくなり、堆肥製品の歩留まりが良くなる。すなわち、塊ができると、その塊を次回堆肥作成における発酵工程の最初に戻して再度処理をする必要が生じるが、このような作業を削減して効率よく堆肥を製造することができる。また、塊ができにくいことにより、取り扱いが容易になる。
【0063】
また、以上のようにして生産された堆肥を農業用の土壌に添加あるいは散布することで、水捌けも改善され、植物の発育も良好となった。
【0064】
なお、この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。たとえば、バイオマス燃焼灰を炭素源材料に添加して改質炭素源材料を生成し、炭素源材料に代えて改質炭素源材料を改質窒素源材料や活性材料と混合するようにしても良い。この場合、図4に示すように、ステップS3で改質窒素源材料を生成した後、バイオマス燃焼灰を炭素源材料に添加(バイオマス燃焼灰と炭素源材料とを混合)して改質炭素源材料を生成し(ステップS11:炭素源改質工程)、ステップS11までに作製した改質窒素源材料と、改質炭素源材料と、活性材料を混合し(ステップS12:混合工程)、ステップS5に進む。このようにすれば、バイオマス燃焼灰の調湿機能によって季節や天候によらず改質炭素源材料の水分量を安定させることができ、発酵ステップにおける発酵条件が安定する。これにより、従来熟練の作業者の経験が必要であった堆肥化プロセスをマニュアル化して、作業性および作業効率を向上させることができる。また、改質炭素源材料の製造時におけるバイオマス燃焼灰の添加量の下限は、炭素源材料100質量%に対して20質量%以上とすることができ、25質量%以上とすることが好ましく、30質量%以上とすることがより好ましい。また、改質炭素源材料の製造時におけるバイオマス燃焼灰の添加量の上限は、炭素源材料100質量%に対して40質量%以下とすることができ、35質量%以下とすることが好ましく、30質量%以下とすることがより好ましい。このようにすれば、改質炭素源材料の水分量を適切に安定させ腐敗抑制効果を高め、堆肥製造時の作業性および作業効率を向上させることができる。
【0065】
なお、炭素源材料に対するバイオマス燃焼灰の添加においては、炭素源材料とバイオマス燃焼灰をよく混合させて、改質炭素源材料中に炭素源材料とバイオマス燃焼灰の偏りが無いようにすることが好ましい。
また、炭素源改質工程は、堆肥作成時に行うことに限らず、炭素源材料として回収される前に行っておいても良い。例えば、牛舎において廃菌床を敷料として使用している場合に、この敷料を炭素源材料として堆肥作成が可能である。この敷料にバイオマス燃焼灰を混合した状態で牛舎にて使用しておき、使用後に回収したものをバイオマス燃焼灰の混合済みの炭素源材料(敷料)とし、これを用いて上述した工程により堆肥作成しても良い。この場合も上述と同様の作用効果を奏することができる。
【0066】
さらに、本発明を応用して、廃菌床(炭素源材料)にバイオマス燃焼灰を混合したものを畜舎(たとえば牛舎)の敷料として使用することもできる。従来では廃菌床とおが粉を混合したものを敷料としていたが、作成した混合物のうち均質な粉体として使用可能なものが少なく歩留まりが悪かった。これに対し、廃菌床とバイオマス燃焼灰とを混合した敷料では、作成した混合物のうちの大部分が均質な粉体として使用可能なものとなり、歩留まりが大幅に向上した。また、敷料の水分調整効果が向上し、敷料の交換頻度が低減した。また、敷料の交換時のハンドリング(作業性)が改善した。また、敷料交換時の殺菌・消毒消用石灰の使用量を削減できた。また、バイオマス燃焼灰の消(吸)臭作用により、臭気を低減することができた。また、使用後の敷料の堆肥化において、切り返し回数や臭気が低減し、発酵状態が改善した。
【産業上の利用可能性】
【0067】
この発明は、生物系廃棄物を原材料とした堆肥を製造する産業に利用することができる。
【符号の説明】
【0068】
10…循環流動層ボイラ
11…燃料供給口
12…ベッド材
13…火炉
14…空気流入路
15…火炉出口
16…サイクロン
17…排気路
18…灰戻し管
20…ストーカ式ボイラ
21…燃料投入ホッパ
22…燃料供給部
23…ストーカ部
24…ストーカ下ホッパ
25…灰通路
26…燃焼室
27…廃熱ボイラ
28…空気供給部
29…燃焼灰回収部
30…燃焼灰搬送部
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2023-03-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物の糞が含まれる窒素源材料と植物由来の炭素源材料を混合する混合工程を経て堆肥を製造する堆肥製造方法であって、
バイオマス燃焼灰を前記窒素源材料に混合して改質窒素源材料とする窒素源改質工程を行い、
前記窒素源改質工程の後に前記混合工程として前記改質窒素源材料と前記炭素源材料とを混合し、
前記混合工程で作製した前記混合物の水分量が許容範囲としての40~60%の範囲内であるかどうかを判断する判断工程を行い、
前記判断工程において前記混合物の水分量が前記許容範囲の範囲外であると判断した場合には、前記改質窒素源材料と前記炭素源材料との混合比を調整して前記混合工程を繰り返し行い、
前記判断工程において前記混合物の水分量が前記許容範囲の範囲内であると判断した場合に当該混合物を発酵させる発酵工程を開始する
堆肥製造方法。
【請求項2】
前記窒素源改質工程は、
前記窒素源材料100質量%に対して前記バイオマス燃焼灰を20~40質量%混合する
請求項1記載の堆肥製造方法。
【請求項3】
前記バイオマス燃焼灰を前記炭素源材料に混合して改質炭素源材料とする炭素源改質工程を行い、
前記炭素源改質工程の後に前記混合工程として前記改質窒素源材料と前記改質炭素源材料を混合する
請求項1記載の堆肥製造方法。
【請求項4】
前記バイオマス燃焼灰を前記炭素源材料に混合して改質炭素源材料とする炭素源改質工程を行い、
前記炭素源改質工程の後に前記混合工程として前記改質窒素源材料と前記改質炭素源材料を混合する
請求項2記載の堆肥製造方法。
【請求項5】
前記炭素源改質工程は、
前記炭素源材料100質量%に対して前記バイオマス燃焼灰を20~40質量%混合する
請求項4記載の堆肥製造方法。
【請求項6】
前記バイオマス燃焼灰は、火力発電所にて植物系材料が燃焼して得られた燃焼灰である
請求項1から5のいずれか1つに記載の堆肥製造方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
この発明は、動物の糞が含まれる窒素源材料と植物由来の炭素源材料を混合する混合工程を経て堆肥を製造する堆肥製造方法であって、バイオマス燃焼灰を前記窒素源材料に混合して改質窒素源材料とする窒素源改質工程を行い、前記窒素源改質工程の後に前記混合工程として前記改質窒素源材料と前記炭素源材料を混合し、前記混合工程で作製した前記混合物の水分量が許容範囲としての40~60%の範囲内であるかどうかを判断する判断工程を行い、前記判断工程において前記混合物の水分量が前記許容範囲の範囲外であると判断した場合には、前記改質窒素源材料と前記炭素源材料との混合比を調整して前記混合工程を繰り返し行い、前記判断工程において前記混合物の水分量が前記許容範囲の範囲内であると判断した場合に当該混合物を発酵させる発酵工程を開始する堆肥製造方法および堆肥であることを特徴とする。
【手続補正書】
【提出日】2023-05-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物の糞が含まれる窒素源材料と植物由来の炭素源材料を混合する混合工程を経て堆肥を製造する堆肥製造方法であって、
前記窒素源材料100質量%に対してバイオマス燃焼灰を20~40質量%混合して改質窒素源材料とする窒素源改質工程を行い、
前記窒素源改質工程の後に前記混合工程として前記改質窒素源材料と前記炭素源材料とを混合し、
前記混合工程で作製した混合物の水分量が許容範囲としての40~60%の範囲内であるかどうかを判断する判断工程を行い、
前記判断工程において前記混合物の水分量が前記許容範囲の範囲外であると判断した場合には、前記改質窒素源材料と前記炭素源材料との混合比を調整して前記混合工程を繰り返し行い、
前記判断工程において前記混合物の水分量が前記許容範囲の範囲内であると判断した場合に当該混合物を発酵させる発酵工程を開始する
堆肥製造方法。
【請求項2】
前記バイオマス燃焼灰を前記炭素源材料に混合して改質炭素源材料とする炭素源改質工程を行い、
前記炭素源改質工程の後に前記混合工程として前記改質窒素源材料と前記改質炭素源材料を混合する
請求項1記載の堆肥製造方法。
【請求項3】
前記バイオマス燃焼灰を前記炭素源材料に混合して改質炭素源材料とする炭素源改質工程を行い、
前記炭素源改質工程の後に前記混合工程として前記改質窒素源材料と前記改質炭素源材料を混合する
請求項記載の堆肥製造方法。
【請求項4】
前記炭素源改質工程は、
前記炭素源材料100質量%に対して前記バイオマス燃焼灰を20~40質量%混合する
請求項記載の堆肥製造方法。
【請求項5】
前記バイオマス燃焼灰は、火力発電所にて植物系材料が燃焼して得られた燃焼灰である
請求項1からのいずれか1つに記載の堆肥製造方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
この発明は、動物の糞が含まれる窒素源材料と植物由来の炭素源材料を混合する混合工程を経て堆肥を製造する堆肥製造方法であって、前記窒素源材料100質量%に対してバイオマス燃焼灰を20~40質量%混合して改質窒素源材料とする窒素源改質工程を行い、前記窒素源改質工程の後に前記混合工程として前記改質窒素源材料と前記炭素源材料を混合し、前記混合工程で作製した混合物の水分量が許容範囲としての40~60%の範囲内であるかどうかを判断する判断工程を行い、前記判断工程において前記混合物の水分量が前記許容範囲の範囲外であると判断した場合には、前記改質窒素源材料と前記炭素源材料との混合比を調整して前記混合工程を繰り返し行い、前記判断工程において前記混合物の水分量が前記許容範囲の範囲内であると判断した場合に当該混合物を発酵させる発酵工程を開始する堆肥製造方法および堆肥であることを特徴とする。