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特開2024-33361材料吐出装置、射出成形装置、および、三次元造形装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024033361
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】材料吐出装置、射出成形装置、および、三次元造形装置
(51)【国際特許分類】
   B29C 45/54 20060101AFI20240306BHJP
   B29C 64/393 20170101ALI20240306BHJP
   B29C 64/209 20170101ALI20240306BHJP
【FI】
B29C45/54
B29C64/393
B29C64/209
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022136897
(22)【出願日】2022-08-30
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渕井 理司
(72)【発明者】
【氏名】丸山 英伸
(72)【発明者】
【氏名】姉川 賢太
【テーマコード(参考)】
4F206
4F213
【Fターム(参考)】
4F206AA11
4F206AA13
4F206AA23
4F206AA25
4F206AA28
4F206AJ06
4F206AM32
4F206AR12
4F206JA07
4F206JD04
4F206JF06
4F206JL02
4F206JN03
4F206JP14
4F206JP15
4F206JP30
4F206JQ07
4F206JQ45
4F206JQ90
4F213AA11
4F213AA13
4F213AA23
4F213AA25
4F213AA28
4F213AJ06
4F213AR06
4F213AR07
4F213AR08
4F213AR13
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL02
4F213WL15
4F213WL74
4F213WL85
4F213WL96
(57)【要約】
【課題】シリンダーおよびプランジャーを備える材料吐出装置において、シリンダー内やシリンダーが接続された流路内の状態を観測する技術を提供する。
【解決手段】材料吐出装置は、可塑化材料を生成する可塑化部と、流路に連通するノズル開口から可塑化材料を吐出するノズルと、流路に接続されたシリンダーとプランジャーとを有し、シリンダー内に可塑化材料を吸引する吸引操作と、吸引した可塑化材料を流路に送出する送出操作とを実行する吸引送出部とを備える。流路の壁とシリンダーとの少なくともいずれかは、少なくとも一部が透明部材によって形成されている。透明部材を通して、流路とシリンダーとの少なくともいずれかの内部の可塑化材料に外部からシート状の光線を照射する照射部と、透明部材を通して、光線が照射された可塑化材料を、可塑化材料に照射された前記光線の面と交差する方向に撮像するカメラとを更に備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料を可塑化して、可塑化材料を生成する可塑化部と、
前記可塑化材料が流れる流路に連通するノズル開口を有し、前記可塑化材料を前記ノズル開口から吐出するノズルと、
前記流路に接続されたシリンダー、および、前記シリンダー内を移動するプランジャーを有し、前記シリンダー内に前記可塑化材料を吸引する吸引操作と、前記シリンダー内に吸引した前記可塑化材料を前記流路に送出する送出操作と、を実行する吸引送出部と、を備え、
前記流路の壁と前記シリンダーとの少なくともいずれかは、少なくとも一部が透明部材によって形成され、
前記壁と前記シリンダーとの少なくともいずれかを形成する透明部材を通して、前記流路と前記シリンダーとの少なくともいずれかの内部の前記可塑化材料に外部からシート状の光線を照射する照射部と、
前記壁と前記シリンダーとの少なくともいずれかを形成する透明部材を通して、前記光線が照射された前記可塑化材料を、前記可塑化材料に照射された前記光線の面と交差する方向に撮像するカメラと、を更に備える、材料吐出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の材料吐出装置であって、
前記可塑化部は、溝が形成された溝形成面を有し、回転軸に沿った方向の長さが前記回転軸に垂直な方向の長さよりも短いフラットスクリューと、前記溝形成面に対向する対向面を有し、前記対向面に前記流路の少なくとも一部を形成する連通孔が形成されたバレルと、を備え、
前記シリンダーは、前記連通孔に接続され、
前記シリンダーの少なくとも一部と、前記バレルの少なくとも一部とは、それぞれ、透明部材によって形成され、
前記照射部は、前記シリンダーと前記バレルとのそれぞれを形成する透明部材を通して、前記光線を前記シリンダーの内部の前記可塑化材料に照射し、
前記カメラは、前記シリンダーを形成する透明部材を少なくとも通して、前記光線が照射された前記可塑化材料を撮像する、材料吐出装置。
【請求項3】
請求項2に記載の材料吐出装置であって、
前記バレルは、前記溝に供給された前記可塑化材料を加熱する加熱部を備え、
前記加熱部は、前記バレル内において、前記対向面に沿って、かつ、前記回転軸に沿った方向において前記対向面と前記シリンダーとの間に配置され、
前記光線は、前記バレルの側面のうち、前記回転軸に沿った方向において前記加熱部と前記ノズル開口との間に位置する部分を通って、前記シリンダーの内部の前記可塑化材料に照射される、材料吐出装置。
【請求項4】
請求項3に記載の材料吐出装置であって、
前記バレルの側面のうち、前記光線が入射する部分は、表面粗さが0.2μm以下の平面によって構成されている、材料吐出装置。
【請求項5】
請求項2に記載の材料吐出装置であって、
前記バレルは、前記対向面を形成する部分である第1部分と、前記回転軸に沿った方向において前記第1部分と前記ノズルとの間に位置する第2部分と、を有し、
前記第1部分の少なくとも一部と、前記第2部分の少なくとも一部とは、それぞれ異なる材質の透明部材によって形成されている、材料吐出装置。
【請求項6】
請求項5に記載の材料吐出装置であって、
前記第1部分は、樹脂によって形成され、前記第2部分はガラスによって形成されている、材料吐出装置。
【請求項7】
請求項1に記載の材料吐出装置であって、
前記カメラによる撮像結果に基づいて、前記プランジャーの移動速度と、前記可塑化部のスクリューの回転速度と、前記可塑化部に備えられた加熱部の温度と、の少なくともいずれかを制御する制御部を備える、材料吐出装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の材料吐出装置と、
前記ノズル開口から前記可塑化材料が射出される成形型を開閉させる型締装置と、を備える、射出成形装置。
【請求項9】
請求項1から7のいずれか一項に記載の材料吐出装置と、
前記ノズル開口から吐出される前記可塑化材料を堆積する造形テーブルと、を備える、三次元造形装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、材料吐出装置、射出成形装置、および、三次元造形装置に関する。
【背景技術】
【0002】
可塑化した材料を吐出する材料吐出装置に関して、特許文献1には、可塑化部で可塑化した材料を、射出プランジャーによってシリンダー内で計量し、金型に射出して充填する射出成形機が開示されている。特許文献2には、材料の吐出を停止する際にノズルからシリンダー内に材料を吸引し、材料の吐出を開始する際にシリンダーからノズルへと材料を送出するプランジャーを備える三次元造形装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-241016号公報
【特許文献2】特開2020-82465号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の射出成形機では、例えば、プランジャーが空気を巻き込むことによって、シリンダー内で計量される材料の密度のばらつきや、金型への材料の充填不足等の不具合が生じる場合がある。また、特許文献2の三次元造形装置においても、同様に、プランジャーによって吸引または送出される材料の量のばらつきにより、吐出量の過不足等の不具合が生じる場合がある。こういった不具合の兆候を検知するために、シリンダー内や、シリンダーが接続された流路内の状態を観測する技術が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1の形態によれば、材料吐出装置が提供される。この材料吐出装置は、材料を可塑化して、可塑化材料を生成する可塑化部と、前記可塑化材料が流れる流路に連通するノズル開口を有し、前記可塑化材料を前記ノズル開口から吐出するノズルと、前記流路に接続されたシリンダー、および、前記シリンダー内を移動するプランジャーを有し、前記シリンダー内に前記可塑化材料を吸引する吸引操作と、前記シリンダー内に吸引した前記可塑化材料を前記流路に送出する送出操作と、を実行する吸引送出部と、を備える。前記流路の壁と前記シリンダーとの少なくともいずれかは、少なくとも一部が透明部材によって形成され、前記壁と前記シリンダーとの少なくともいずれかを形成する透明部材を通して、前記流路と前記シリンダーとの少なくともいずれかの内部の前記可塑化材料に外部からシート状の光線を照射する照射部と、前記壁と前記シリンダーとの少なくともいずれかを形成する透明部材を通して、前記光線が照射された前記可塑化材料を、前記可塑化材料に照射された前記光線の面と交差する方向に撮像するカメラと、を更に備える。
【0006】
本開示の第2の形態によれば、射出成形装置が提供される。この射出成形装置は、上記形態の材料吐出装置と、前記ノズル開口から前記可塑化材料が射出される成形型を開閉させる型締装置と、を備える。
【0007】
本開示の第3の形態によれば、三次元造形装置が提供される。この三次元造形装置は、上記形態の材料吐出装置と、前記ノズル開口から吐出される前記可塑化材料を堆積する造形テーブルと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態における射出成形装置の概略構成を示す斜視図である。
図2】材料吐出装置の概略構成を示す断面図である。
図3】スクリューの概略構成を示す斜視図である。
図4】バレルの概略構成を示す斜視図である。
図5図4のV-V断面図である。
図6】可塑化材料への光線の照射を説明する第1の図である。
図7】可塑化材料への光線の照射を説明する第2の図である。
図8】第2実施形態としての三次元造形装置の概略構成を示す図である。
図9】他の実施形態における流路の例を示す模式図である。
図10】他の実施形態における可塑化材料への光線の照射を説明する図である。
図11】他の実施形態における材料吐出装置の例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
A.第1実施形態:
図1は、第1実施形態における射出成形装置200の概略構成を示す斜視図である。図1には、互いに直交するX,Y,Z方向に沿った矢印が表されている。X,Y,Z方向は、互いに直交する3つの空間軸であるX軸、Y軸、Z軸に沿った方向であり、それぞれ、X軸、Y軸、Z軸に沿う一方側の方向と、その反対方向を両方含む。X軸およびY軸は、水平面に沿った軸であり、Z軸は、鉛直線に沿った軸である。他の図においても、X,Y,Z方向に沿った矢印が、適宜、表されている。図1におけるX,Y,Z方向と、他の図におけるX,Y,Z方向とは、同じ方向を表している。以下では、+Z方向のことを「上」、-Z方向のことを「下」ともいう。また、X方向およびY方向に沿った平面のことを「XY平面」とも呼び、X方向およびZ方向に沿った平面のことを「XZ平面」とも呼ぶ。
【0010】
図1に示すように、射出成形装置200は、材料吐出装置100、型締装置130、表示部300および制御部500を備えている。射出成形装置200には、成形型160が装着されている。射出成形装置200は、成形型160内に、材料吐出装置100から可塑化材料を射出して成形品を成形する。材料吐出装置100、型締装置130および表示部300は、制御部500によって制御される。制御部500は、CPUとメモリーとを備えるコンピューターとして構成されており、メモリーに記憶されたプログラムをCPUが実行することで、射出成形装置200の各部を制御する。なお、制御部500は、回路によって構成されていてもよい。
【0011】
表示部300は、例えば、液晶モニター等によって構成される。表示部300は、制御部500による制御下で、例えば、射出成形装置200の制御状態等の各種情報を表示する。
【0012】
本実施形態では、型締装置130には、金属製の成形型160が装着されている。成形型160は、金属製に限られず、樹脂製あるいはセラミック製でもよい。金属製の成形型160のことを金型と呼ぶ。成形型160は、固定型161と可動型162とを含む。固定型161は、材料吐出装置100に固定された型であり、可動型162は、型締装置130により固定型161に対して型締め方向に進退可能な型である。型締め方向は、本実施形態では、-Y方向である。
【0013】
型締装置130は、固定型161と可動型162との開閉を行う機能を有している。型締装置130は、制御部500の制御下で、モーターによって構成される型駆動部131を駆動することによってボールネジを回転させ、ボールネジに結合された可動型162を固定型161に対して移動させて成形型160を開閉させる。
【0014】
材料吐出装置100には、成形品の材料が投入されるホッパー30が接続されている。成形品の材料として、例えば、ペレット状に形成された熱可塑性樹脂が用いられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)、PC(ポリカーボネート)、POM(ポリアセタール)、PP(ポリプロピレン)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)などが用いられる。材料吐出装置100への材料の供給は、ホッパー30に限らず、例えば、材料が圧送されるチューブを介して行われてもよい。
【0015】
材料吐出装置100は、ホッパー30から供給された材料の少なくとも一部を可塑化して可塑化材料を生成し、生成した可塑化材料をノズル140のノズル開口141から吐出する。本実施形態における材料吐出装置100は、ノズル140を介して、可塑化材料を成形型160へと射出する。より詳細には、可塑化材料は、固定型161と可動型162との間に区画されたキャビティーへと射出される。本明細書において「可塑化」とは、溶融を含む概念であり、固体から流動性を有する状態に変化させることである。具体的には、ガラス転移が起こる材料の場合、可塑化とは、材料の温度をガラス転移点以上にすることである。ガラス転移が起こらない材料の場合、可塑化とは、材料の温度を融点以上にすることである。以下では、ノズル開口141から吐出される可塑化材料の量のことを吐出量とも呼ぶ。本実施形態における吐出量は、ノズル140を介して成形型160に射出される可塑化材料の射出量であるとも言える。
【0016】
図2は、材料吐出装置100の概略構成を示す断面図である。材料吐出装置100は、可塑化部110と、ノズル開口141を有するノズル140と、吸引送出部120と、照射部170と、カメラ180とを備える。可塑化部110は、スクリュー111と、バレル112と、加熱部113とを有する。なお、加熱部113は、図2には示されておらず、後述する図4図6に示されている。
【0017】
スクリュー111は、スクリューケース101に収容されている。スクリュー111は、駆動モーター118によって、駆動モーター118の駆動軸119を中心にスクリューケース101内で回転する。スクリュー111の回転中心となる中心軸RXは、XZ平面において、駆動モーター118の駆動軸119の中心に一致する。本実施形態において、駆動軸119及び中心軸RXの軸方向は、Y方向に沿っている。駆動モーター118によるスクリュー111の回転は制御部500によって制御される。なお、スクリュー111は、減速機を介して駆動モーター118によって駆動されてもよい。本実施形態におけるスクリュー111は、ローター、あるいは、フラットスクリューとも呼ばれる。
【0018】
バレル112は、バレルケース102に収容されている。バレル112の中心には、連通孔115が形成されている。連通孔115は、可塑化材料が流れる流路116の少なくとも一部を形成する。本実施形態では、連通孔115には、後述するシリンダー121及びノズル140が接続されている。シリンダー121やノズル140は、流路116に接続されているとも言える。また、ノズル開口141は、流路116に連通しているとも言える。連通孔115内には、シリンダー121よりも上流部に、逆止弁124が備えられている。逆止弁124は、ノズル140側からスクリュー111側への可塑化材料の逆流を防止する。
【0019】
図3は、スクリュー111の概略構成を示す斜視図である。スクリュー111は、その中心軸RXに沿った方向である軸線方向における長さが軸線方向に直交する方向における長さよりも小さい略円柱状を有する。スクリュー111の、バレル112に対向する溝形成面201には、中央部205を中心に、渦状の溝202が形成されている。溝202は、スクリュー111の側面に形成された材料投入口203に連通している。ホッパー30から供給される材料は、材料投入口203を通じて溝202に供給される。溝202は、凸条部204によって隔てられることにより形成されている。図3には、溝202が3本形成されている例を示しているが、溝202の数は、1本でもよいし、2本以上であってもよい。なお、溝202は、渦状に限らず、螺旋状あるいはインボリュート曲線状であってもよいし、中央部205から外周に向かって弧を描くように延びる形状であってもよい。中心軸RXのことを、スクリュー111の回転軸とも呼ぶ。
【0020】
図4は、バレル112の概略構成を示す斜視図である。図4に示すように、本実施形態におけるバレル112は、全体として、その軸方向がY方向に沿った略円柱状を有している。図2および図4に示すように、バレル112は、中心軸RXに沿った方向において、スクリュー111の溝形成面201に対向する対向面212を有している。対向面212の中央には、上述した連通孔115が形成されている。対向面212には、連通孔115に接続され、連通孔115から外周に向かって渦状に延びている複数の案内溝211が形成されている。なお、バレル112に案内溝211が設けられていなくてもよい。また、案内溝211は、連通孔115に接続されていなくてもよい。
【0021】
図2および図4に示すように、本実施形態では、バレル112は、対向面212を形成する部分である第1部分221と、Y方向において第1部分221とノズル140との間に位置する第2部分222とを有している。より詳細には、図2に示すように、本実施形態におけるバレル112は、第1部分221と第2部分222と第3部分223とによって構成されている。第3部分223は、第1部分221および第2部分222とは異なる部分である。
【0022】
本実施形態における第1部分221は、バレル112のうち、最も-Y方向側の部分を構成する略円板状の部分である。第1部分221の-Y方向側の面は、上述した対向面212を形成する。また、第1部分221は、連通孔115の入口側の端部を形成している。第2部分222は、第1部分221の+Y方向側に、第1部分221と接触して配置され、略円筒形状を有している。第3部分223は、略円柱状を有しており、図2に示すように、第2部分222の円筒の中空部に挿入されている。これによって、第3部分223は、第1部分221のX方向およびZ方向における中央部の+Y方向側に、第1部分221に接触して配置されている。第3部分223は、第1部分221とともに、連通孔115を形成している。より詳細には、第3部分223は、連通孔115の出口側の端部を含む部分を形成している。また、第3部分223は、後述するように、シリンダー121の+X方向の先端部を形成している。本実施形態では、上述した逆止弁124は、第3部分223内に配置されている。第1部分221~第3部分223は、例えば、ボルト等の固定具によって互いに固定される。第1部分221~第3部分223の各部同士の間や、第1部分221~第3部分223と固定具との間に、金属材料等によって形成された緩衝部材が配置されてもよい。
【0023】
第1部分221と、第2部分222とは、それぞれ異なる部材によって形成されている。また、第1部分221の少なくとも一部と、第2部分222の少なくとも一部とは、それぞれ異なる材質の透明部材によって形成されている。また、本実施形態では、これにより、バレル112の少なくとも一部が透明部材によって形成されている。本実施形態では、第1部分221の全体が、透明な樹脂材料によって形成されている。より具体的には、第1部分221は、PPSU(ポリフェニルサルフォン)によって形成されている。また、第2部分222の全体が、透明なガラス材料によって形成されている。より具体的には、第2部分222は、石英ガラスによって形成されている。第3部分223は、第1部分221と同様に、透明なPPSUによって形成されている。以下では、ある部材の、透明部材によって形成された透明な部分のことを、透明部とも呼ぶ。つまり、例えば、第1部分221と第2部分222と第3部分223とは、それぞれ、透明部を有しているとも言える。より詳細には、本実施形態における第1部分221と第2部分222と第3部分223とは、それぞれ、その全体が透明部である。
【0024】
他の実施形態では、第1部分221は、例えば、PPSU以外の透明な樹脂材料によって形成されてもよい。この場合、第1部分221を形成する材料としては、加熱部113による加熱温度を考慮して、十分に高い耐熱性を有する材料が選定されることが好ましい。また、第2部分222は、石英ガラス以外の他のケイ酸塩ガラスや、ケイ酸塩以外の成分を主成分とするガラス材料によって形成されていてもよい。また、第3部分223は、例えば、第2部分222と同じ材質の材料によって形成されていてもよいし、第1部分221および第2部分222の両方と異なる材質の材料によって形成されていてもよい。なお、本明細書において、ある物質中の「主成分」とは、その物質に含まれる成分のうち、その質量分率が50%以上である成分のことを指す。
【0025】
図5は、図4のV-V断面図である。図4および図5に示した加熱部113は、溝202に供給された可塑化材料を加熱する。本実施形態では、加熱部113は、バレル112の内部において、対向面212に沿って配置されている。より詳細には、加熱部113は、その軸方向がX方向に沿うように配置された4つの棒状のカートリッジヒーターによって構成されている。各カートリッジヒーターは、それぞれ、バレル112に設けられたX方向に沿って延びる孔213に挿入されている。図5に示すように、孔213は、Y方向において、対向面212と後述するシリンダー121との間に、より詳細には、対向面212とシリンダー121内の分岐流路125との間に設けられている。つまり、加熱部113は、Y方向において、対向面212と分岐流路125との間に配置されている。分岐流路125が、Y方向において、加熱部113とバレル112の下面229との間に配置されているとも言える。下面229は、バレル112の対向面212と反対側の面である。
【0026】
スクリュー111の溝202に供給された材料は、スクリュー111の回転と加熱部113の加熱とによって、スクリュー111とバレル112との間において可塑化されながら、スクリュー111の回転によって溝202及び案内溝211に沿って流動し、スクリュー111の中央部205へと導かれる。中央部205に流入した材料は、バレル112の中心に設けられた連通孔115からノズル140に流出する。なお、本明細書では、スクリュー111の溝形成面201とバレル112の対向面212との間の空間も、流路116の一部であるものとする。従って、溝形成面201や対向面212は、流路116を区画する壁の一部である。以下では、流路116を区画する壁のことを、単に「流路116の壁」とも呼ぶ。本実施形態では、上述したようにバレル112の少なくとも一部が透明部材によって形成されていることにより、流路116の壁の少なくとも一部が透明部材によって形成されている。
【0027】
図2に示すように、吸引送出部120は、シリンダー121と、プランジャー122と、プランジャー駆動部123とを有する。吸引送出部120は、シリンダー121内の可塑化材料を、成形型160のキャビティーに射出注入する機能を有する。吸引送出部120は、制御部500の制御下で、ノズル140からの可塑化材料の射出量や射出速度、射出圧力を制御する。シリンダー121は、その内部に、流路116に接続された分岐流路125を有している。分岐流路125の内部には、プランジャー122が配置されている。
【0028】
本実施形態では、バレル112にX方向に沿って設けられた、略円形状の断面形状を有する孔が、分岐流路125として機能する。つまり、本実施形態では、シリンダー121は、バレル112と一体に形成されているとも言える。より詳細には、本実施形態では、シリンダー121の+X方向の先端部が上述した透明な第3部分223によって形成され、先端部よりも-X方向側の部分が透明な第2部分222によって形成されている。従って、本実施形態では、シリンダー121の少なくとも一部が、より詳細には、シリンダー121の全部が、透明部材によって形成されている。プランジャー122は、シリンダー121の内部を流路116から離れる方向に後退して、シリンダー121内に可塑化材料を吸引して計量する。また、プランジャー122は、シリンダー121の内部を流路116に近づく方向に前進して、吸引した可塑化材料を流路116に送出する。送出された可塑化材料は、ノズル140に圧送される。プランジャー122は、モーターによって構成されるプランジャー駆動部123により駆動される。ノズル140に圧送された可塑化材料は、ノズル140のノズル開口141から成形型160のキャビティーに射出される。
【0029】
図6は、照射部170およびカメラ180を説明する図である。図7は、シート状の光線Bmが可塑化材料に照射される様子を示す図である。図2図6および図7に示した照射部170は、流路116の壁とシリンダー121との少なくともいずれかを形成する透明部材を通して、流路116とシリンダー121との少なくともいずれかの内部の可塑化材料に外部からシート状の光線Bmを照射する。より詳細には、図6および図7に示すように、本実施形態における照射部170は、シリンダー121とバレル112とのそれぞれの透明部材を通して、光線Bmをシリンダー121の内部の可塑化材料に照射する。なお、図2では照射部170を簡略的に示したが、実際には、照射部170は、図6図7に示すように、バレル112の上方に配置されている。より詳細には、照射部170は、後述するように、バレル112の入射部216の+X方向および+Z方向側に配置されている。
【0030】
照射部170は、可視光領域のパルスレーザーを発振するレーザー発振器と、シリンドリカルレンズ等によって構成されるライトシート光学系とを有している。照射部170は、レーザー発振器によって発振されたレーザーをライトシート光学系によって拡散させることによって、光線Bmとして、シート状のレーザー光線を可塑化材料に照射する。シート状のレーザー光線は、レーザーシートやシートレーザーとも呼ばれる。
【0031】
カメラ180は、流路116の壁とシリンダー121との少なくともいずれかを形成する透明部材を介して、光線Bmが照射された可塑化材料を、可塑化材料に照射された光線Bmの面と交差する交差方向から撮像する。本実施形態では、交差方向は、+Y方向である。カメラ180は、交差方向に沿った撮像方向diに可塑化材料を撮像するとも言える。撮像方向diは、カメラ180が向く方向に相当し、本実施形態では、-Y方向である。本実施形態におけるカメラ180は、ハイスピードカメラによって構成され、少なくともシリンダー121の透明部を通して、光線Bmが照射された可塑化材料を撮像する。より詳細には、本実施形態では、カメラ180は、シリンダー121とバレル112とのそれぞれを形成する透明部材を通して、シリンダー121の内部の、光線Bmが照射された可塑化材料を交差方向から撮像する。本実施形態では、照射部170とカメラ180とは、カメラ180による撮像が行われる撮像箇所に照射される光線Bmの面が、交差方向と直交するように配置される。本実施形態における撮像箇所は、シリンダー121内である。
【0032】
図2に示すように、本実施形態では、カメラ180は、バレルケース102内の空間Spに設けられている。空間Spは、シリンダー121の+Y方向の位置に、バレル112の下面229に向かって-Y方向に開口するように形成されている。上述した照射部170は、例えば、本実施形態におけるカメラ180と同様に、バレルケース102内に設けられてもよい。また、例えば、バレルケース102にバレルケース102の内外を連通させる開口部を設け、その開口部を介してバレルケース102の外部から光線Bmの照射や撮像を行うことが可能な位置に、照射部170やカメラ180を配置してもよい。また、バレルケース102の一部や全部を透明部材によって形成し、バレルケース102を形成する透明部材を介して光線Bmの照射や撮像を行うことが可能なように、照射部170やカメラ180を配置してもよい。つまり、照射部170やカメラ180は、それぞれ、型締装置130や成形型160等の他の部材と干渉せず、かつ、撮像箇所への光線Bmの照射や撮像箇所の撮像を行うことが可能な位置に設けられればよい。
【0033】
本実施形態において、上述した制御部500は、カメラ180による撮像結果に基づいて、流路116とシリンダー121との少なくともいずれかの内部の可塑化材料の状態を検知する。本実施形態では、制御部500は、公知の画像流速測定法(PIV:Particle Image Velocimetry)を応用した手法を用いて、シリンダー121の可塑化材料の流動状態を検知する。以下では、可塑化材料の流動状態を検知することを、単に「流動状態検知」とも呼ぶ。
【0034】
PIVは、流体に追従する粒子を流動場に混入させ、連続撮影された可視化画像から微少時間における粒子の変位ベクトルを求めることによって、その流体の速度ベクトルを算出する手法である。より具体的には、PIVでは、まず、流体に追従する粒子にシート状の光線を照射するとともに、光線が照射された部分をハイスピードカメラ等によって連続撮像する。そして、撮像された各画像を画像処理することによって、フレーム間の微小時間における粒子の変位ベクトルを算出し、算出された粒子の変位ベクトルに基づいて流体の局所速度ベクトルを算出する。PIVにおいて流体に混入される粒子は、トレーサー粒子やトレーサーとも呼ばれる。一方で、本実施形態における流動状態検知では、PIVとは異なり、流体としての可塑化材料にトレーサー粒子を混入させることなく、可塑化材料の状態を検知する。より詳細には、本実施形態における流動状態検知では、トレーサー粒子が混入されていない可塑化材料の輝度等に基づいて可塑化材料の微小部分の変位ベクトルを算出し、算出された微小部分の変位ベクトルに基づいて流体の局所速度ベクトルを算出する。本実施形態における流動状態検知は、このように流体にトレーサー粒子が混入されない点を除いて、PIVと略同様である。制御部500は、算出された可塑化材料の局所速度ベクトルに基づいて、可塑化材料の状態として、例えば、可塑化材料の局所速度ベクトルと相関する物理量である、可塑化材料の移動速度や粘度を推定する。これによって、可塑化材料の状態が検知される。
【0035】
制御部500は、表示部300を制御することによって、検知した可塑化材料の状態、つまり、推定した可塑化材料の移動速度や速度を、表示部300に表示させてもよい。また、制御部500は、例えば、カメラ180による撮像結果を適宜、表示部300に表示させてもよい。
【0036】
図5に示すように、本実施形態では、光線Bmは、バレル側面215のうち、Y方向において加熱部113とノズル開口141との間に位置する部分を通って、シリンダー121内の可塑化材料に照射される。つまり、本実施形態では、光線Bmは、バレル112内において加熱部113と下面229との間の部分のみを通って、シリンダー121内の可塑化材料に照射される。また、図5図7に示すように、本実施形態では、照射部170から照射された光線Bmは、バレル側面215の入射部216を介して、バレル112の外部から内部へと入射する。
【0037】
本実施形態では、略円柱状のバレル112のバレル側面215のうち、+Z方向側に形成されたXY平面に沿った平面状の部分Psが、入射部216として機能する。部分Psは、表面粗さが0.2μm以下の平面として構成されている。つまり、入射部216は、表面粗さが0.2μm以下の平面によって構成されている。部分PsのX方向における長さは、部分Psに到達した光線BmのX方向における幅W1以上であると好ましい。部分PsのY方向における長さは、光線BmのY方向における幅、つまり、光線Bmの厚み以上であればよい。
【0038】
図6および図7に示すように、本実施形態では、光線Bmは、始点Stから、入射部216に向かって、XZ平面に沿って-X方向および-Z方向に進むように照射される。始点Stは、照射部170の配置位置に対応する位置であり、入射部216の+X方向および+Z方向側の位置である。光線Bmは、始点Stから入射部216に向かって、光線BmのX方向における幅を徐々に広げながら進む。その後、入射部216に入射した光線Bmは、入射部216で屈折し、光線BmのX方向における幅を更に広げながら、バレル112内をXZ平面に沿って-X方向および-Z方向に進む。そして、光線Bmは、シリンダー121に到達し、シリンダー121を形成する透明部材を通してシリンダー121内の可塑化材料に照射される。
【0039】
図5に示すように、本実施形態では、光線Bmは、分岐流路125のY方向における中央位置を通るように照射される。これにより、シリンダー121内のより中心に近い部分における可塑化材料の状態を観測できる。なお、シリンダー121等が透明な部分を有していれば、シート状の光線Bmを照射しなくても、シリンダー121内の表面における可塑化材料の状態を目視や撮像によって観測することが可能である。しかしながら、光線Bmを照射せずにシリンダー121内の表面より内側の部分における可塑化材料の状態を観測することは、その部分がよりシリンダー121内の中心に近いほど困難である。
【0040】
また、本実施形態では、シリンダー121に到達した光線BmのX方向における幅W2は、シリンダー121のX方向における長さLの半分以上である。他の実施形態では、光線Bmは、このような態様で照射されなくてもよい。光線Bmの幅W2や、シリンダー121のうち光線Bmが照射される位置は、例えば、照射部170の配置位置や角度を変更することによって変更可能である。
【0041】
本実施形態では、制御部500は、カメラ180による撮像結果に基づいて、プランジャー122の移動速度と、スクリュー111の回転速度と、加熱部113の温度との少なくともいずれかを制御する。より詳細には、制御部500は、流動状態検知によって検知した可塑化材料の流動状態に基づいて、プランジャー122の移動速度と、スクリュー111の回転速度と、加熱部113の温度との少なくともいずれかを制御する。例えば、制御部500は、撮像結果に基づいて検知した可塑化材料の粘度と、予め定められた粘度の基準値とを比較し、検知した可塑化材料の粘度が粘度の基準値よりも高い場合、プランジャー122の移動速度を速くすることや、スクリュー111の回転速度を速くすること、加熱部113の温度を高くすることを実行する。プランジャー122の移動速度を速くすることにより、可塑化材料の流動性の低下に由来する吐出量の不足を抑制できる。また、スクリュー111の回転速度を速くすることにより、可塑化材料の流量を増加させ、上記の吐出量の不足を抑制できる。また、加熱部113の温度を高くすることにより、可塑化材料の流動性を高めることができる。反対に、検知した粘度が基準値よりも低い場合、制御部500は、例えば、プランジャー122の移動速度を遅くすることや、スクリュー111の回転速度を遅くすること、加熱部113の温度を低くすることを実行する。これによって、プランジャー122によって吸引または送出される可塑化材料の過不足を抑制できる。
【0042】
他の実施形態では、制御部500は、可塑化材料の状態として、可塑化材料の移動速度に基づいて、プランジャー122の移動速度と、スクリュー111の回転速度と、加熱部113の温度との少なくともいずれかを制御してもよい。例えば、制御部500は、検知した移動速度が予め定められた移動速度の基準値よりも低い場合、上述した、検知した粘度が基準値よりも高い場合と同様にスクリュー111等を制御し、検知した移動速度が基準値よりも高い場合、検知した粘度が基準値よりも低い場合と同様にスクリュー111等を制御することにより、吸引または送出される可塑化材料の過剰や不足を抑制できる。
【0043】
以上のように構成された本実施形態における材料吐出装置100によれば、流路116の壁とシリンダー121との少なくともいずれかは、その少なくとも一部が透明部材によって形成されている。そして、材料吐出装置100は、流路116の壁とシリンダー121の少なくともいずれかを形成する透明部材を通して、流路116とシリンダー121との少なくともいずれかの内部の可塑化材料に外部から光線Bmを照射する照射部170と、流路116の壁とシリンダー121との少なくともいずれかを形成する透明部材を通して、光線Bmが照射された可塑化材料を、可塑化材料に照射された光線Bmの面と交差する交差方向から撮像するカメラ180とを備える。これによって、カメラ180による撮像結果に基づいて、シリンダー121内や流路116内の可塑化材料の状態を観測できる。そのため、観測された可塑化材料の状態に基づいて、例えば、吐出量の過不足等の不具合の兆候を検知できる。また、不具合の兆候を検知した場合、例えば、不具合の発生を抑制するように可塑化部110や吸引送出部120を制御できる。つまり、不具合を未然に防止できる可能性を高めることができる。
【0044】
また、本実施形態では、可塑化部110は、溝形成面201を有するフラットスクリューと、対向面212を有し、連通孔115が形成されたバレル112とを備える。シリンダー121は、連通孔115に接続され、シリンダー121の少なくとも一部とバレル112の少なくとも一部とは、それぞれ透明部材によって形成されている。照射部170は、シリンダー121とバレル112とのそれぞれを形成する透明部材を通して、光線Bmをシリンダー121の内部の可塑化材料に照射する。カメラ180は、シリンダー121を形成する透明部材を少なくとも通して、シリンダー121内部の、光線Bmが照射された可塑化材料を撮像する。これによって、シリンダー121が連通孔115に接続されているので、例えば、シリンダー121の一部や全部をバレル112内に配置することや、シリンダー121の一部や全部をバレル112と一体に形成することができる。そのため、シリンダー121が連通孔115とは異なる流路116に接続されている場合と比較して、材料吐出装置100全体を小型化できる可能性が高まる。また、シリンダー121の少なくとも一部、および、バレル112の少なくとも一部が透明部材によって形成されているので、シリンダー121が連通孔115に接続されている形態において、シリンダー121内の可塑化材料の状態を簡易に観測できる。
【0045】
また、本実施形態では、加熱部113は、バレル112内において、対向面212に沿って、かつ、Y方向において対向面212とシリンダー121との間に配置され、光線Bmは、バレル側面215のうち、Y方向において加熱部113とノズル開口141との間に位置する部分を通って、シリンダー121の内部の可塑化材料に照射される。そのため、加熱部113がバレル112内に配置されている場合であっても、簡易に、光線Bmを、加熱部113によって遮ることなくシリンダー121内の可塑化材料に照射できる。
【0046】
また、本実施形態では、バレル側面215のうち入射部216は、表面粗さが0.2μm以下の平面によって構成されている。そのため、光線Bmを、入射部216を通して、効率良く、シリンダー121内の可塑化材料に照射できる。
【0047】
また、本実施形態では、バレル112は、対向面212を形成する部分である第1部分221と、Y方向において第1部分221とノズル140との間に位置する第2部分222とを有し、第1部分221の少なくとも一部と、第2部分222の少なくとも一部とは、それぞれ異なる材質の透明部材によって形成されている。そのため、対向面212を形成する第1部分221を、第2部分222とは異なる材質の部材によって形成できる。また、第1部分221と第2部分222とのそれぞれの少なくとも一部が透明部材によって形成されているので、いずれかの少なくとも一部のみが透明部材によって形成されている場合と比較して、照射部170やカメラ180の配置の自由度を高めることができる。
【0048】
また、本実施形態では、バレル112の第1部分221は、樹脂によって形成され、第2部分222は、ガラスによって形成されている。そのため、例えば、第1部分221をガラスによって形成する場合と比較して、対向面212の加工の自由度を高めることができる。より詳細には、例えば、対向面212の案内溝211を所望の形状に形成することや、案内溝211をより複雑な形状に形成することが容易となる。また、第1部分221がガラスによって形成されている形態と比較して、溝形成面201と対向面212とが接触した場合であっても、溝形成面201の摩耗等を抑制できる。また、第2部分222を樹脂によって形成する場合と比較して、第2部分222の耐久性や耐熱性を向上させることができる。
【0049】
また、本実施形態では、制御部500は、カメラ180による撮像結果に基づいて、プランジャー122の移動速度と、スクリュー111の回転速度と、加熱部113の温度との少なくともいずれかを制御する。そのため、カメラ180による撮像結果に基づいて、吐出量の過不足等の不具合の兆候を検知し、その不具合の発生を抑制するように、プランジャー122の移動速度や、スクリュー111の回転速度、加熱部113の温度を制御できる。
【0050】
B.第2実施形態:
図8は、第2実施形態としての三次元造形装置400の概略構成を示す図である。三次元造形装置400は、材料吐出装置100bと、造形テーブル410と、位置変更部420と、制御部500bとを備えている。
【0051】
材料吐出装置100bの構成は、第1実施形態における材料吐出装置100と同じである。ただし、本実施形態では、連通孔115とノズル140の間の流路116には、ノズル140からの可塑化材料の吐出量あるいは吐出の有無を切り替える吐出量調整部430が設けられている。また、本実施形態では、流路116に逆止弁124が備えられていない。吐出量調整部430は、制御部500bの制御下で駆動される。本実施形態では、吐出量調整部430は、流路116を開閉するバタフライバルブを有するバルブ機構として構成されているが、他の実施形態では、例えば、流路116を開閉するシャッターを有するシャッター機構によって構成されてもよい。
【0052】
造形テーブル410の上面は、ノズル140に対向している。三次元造形物は、造形テーブル410上に造形される。本実施形態では、造形テーブル410は、水平方向に沿っている。造形テーブル410は、位置変更部420によって支持されている。
【0053】
位置変更部420は、ノズル140と造形テーブル410との相対的な位置を変化させる。本実施形態では、位置変更部420は、造形テーブル410を移動させることによって、ノズル140と造形テーブル410との相対的な位置を変化させる。本実施形態における位置変更部420は、3つのモーターが発生させる動力によって、造形テーブル410をX,Y,Z方向の3軸方向に移動させる3軸ポジショナーによって構成されている。各モーターは、制御部500bの制御下で駆動される。なお、位置変更部420は、造形テーブル410を移動させずに、可塑化部110を移動させることによって、ノズル140と造形テーブル410との相対的な位置を変化させるように構成されてもよい。また、位置変更部420は、造形テーブル410と可塑化部110との両方を移動させることによって、ノズル140と造形テーブル410との相対的な位置を変化させるように構成されてもよい。
【0054】
三次元造形装置400は、制御部500bの制御下で、ノズル140と造形テーブル410との相対的な位置を変化させつつノズル140から可塑化材料を吐出させることによって、造形テーブル410上に可塑化材料の層を積層して所望の形状の三次元造形物を造形する。
【0055】
本実施形態における吸引送出部120は、例えば、流路116内の圧力を調整する機能を有する。吸引操作が行われた場合、流路116内の可塑化材料がシリンダー121へと吸引されるため、流路116内の圧力は減少する。送出操作が行われた場合、シリンダー121から流路116へと可塑化材料が排出されるため、流路116内の圧力は増加する。流路116内の圧力は、吐出量調整部430によって調整される流路116の開度と同様に、吐出量に影響を及ぼす。
【0056】
なお、吸引操作を実行して流路116内の圧力を減少させることにより、可塑化材料がノズル開口141から糸を引くように垂れる尾引き現象を抑制することも可能である。この場合、制御部500bは、吐出量調整部430によって流路116の開度をゼロとした後に吸引操作を実行することで、尾引き現象をより効果的に抑制できる。また、送出操作を実行して流路116内の圧力を増加させることにより、吐出開始時や吐出再開時におけるノズル開口141からの可塑化材料の送出の応答性を高めることも可能である。この場合、制御部500bは、吐出量調整部430によって流路116の開度をゼロより大きくする前に送出操作を実行することで、可塑化材料の送出の応答性をより高めることができる。
【0057】
本実施形態における三次元造形装置400においても、第1実施形態で説明した射出成形装置200と同様に、照射部170やカメラ180は、それぞれ、三次元造形装置400の他の部材と干渉せず、かつ、撮像箇所への光線Bmの照射や撮像箇所の撮像を行うことが可能な位置に設けられればよい。
【0058】
以上で説明した第2実施形態によっても、カメラ180による撮像結果に基づいて、吐出量の過不足等の不具合の兆候を検知することや、不具合の発生を抑制するように可塑化部110の各部を制御することができる。
【0059】
C.他の実施形態:
(C-1)図9は、他の実施形態における流路116bの例を示す模式図である。図9の例では、流路116bは、連通孔115とノズル140との間に、X方向に沿って延びる部分流路PPxを有している。これにより、図9の例では、ノズル140は、第1実施形態よりも、シリンダー121bに対して、より+X方向側に位置している。また、図9の例では、シリンダー121bは、バレル112bの連通孔115ではなく、部分流路PPxの-X方向側の端部に接続されている。シリンダー121bの全部は、第1実施形態と同様に、石英ガラスやPPSU等の透明部材によって形成される。図9に示すように流路116bを構成することで、第1実施形態と比較して、ノズル140の+Y方向側に設置される成形型160を、シリンダー121bに対して、より+X方向側に位置させることができる。そのため、シリンダー121の+Y方向側にカメラ180や照射部170を配置するためのスペースをより設けやすくなる。例えば、図9の例では、カメラ180が、成形型160の-X方向側に配置されている。このように、照射部170による光線Bmの照射や、カメラ180による撮像がより容易となるように、流路116bの配置位置や方向を設定してもよい。同様に、照射部170による光線Bmの照射や、カメラ180による撮像がより容易となるように、シリンダー121bの配置位置や方向を設定してもよい。
【0060】
(C-2)上記実施形態では、流路116の壁の少なくとも一部が透明部材によって形成されているが、上記実施形態のようにシリンダー121内の可塑化材料を撮像する場合、流路116の壁が透明部材によって形成されていなくてもよい。
【0061】
(C-3)上記実施形態では、入射部216は、表面粗さが0.2μm以下の平面によって構成されている。これに対して、入射部216は、例えば、表面粗さが0.2μmより大きい平面によって構成されていてもよい。また、入射部216の一部や全部が、平面ではなく、曲面によって構成されていてもよい。
【0062】
(C-4)上記実施形態では、バレル側面215を通って光線Bmがシリンダー121内部の可塑化材料に照射されているが、光線Bmは、バレル側面215を通らなくてもよい。例えば、図10は、他の実施形態における可塑化材料への光線Bmの照射を説明する図である。図10に示したバレル112の構成は、第1実施形態と同様である。図10の例では、光線Bmが照射される方向が、第1実施形態と異なる。図10の例では、光線Bmは、シリンダー121の+Y方向および+Z方向側から、シリンダー121に向かって-Y方向および-Z方向に進むように照射される。そして、光線Bmは、バレル112の下面229を通って、シリンダー121の可塑化材料に照射される。なお、これにより、図10の例では、撮像方向diも第1実施形態と異なり、その方向は、-Y方向および+Z方向に向かう方向である。そのため、図10の例では、第1実施形態と比較して、カメラ180を、成形型160と干渉しないように配置しやすい。
【0063】
(C-5)上記実施形態では、バレル112の第1部分221は、樹脂によって形成され、第2部分222は、ガラスによって形成されている。これに対して、第1部分221や第2部分222がこのように形成されていなくてもよい。例えば、第1部分221がガラスによって形成され、第2部分222が樹脂によって形成されていてもよい。また、上記実施形態では、第1部分221の少なくとも一部と第2部分222の少なくとも一部とは、それぞれ異なる材質の透明部材によって構成されているが、第1部分221や第2部分222が透明部材によって構成されていなくてもよい。また、第1部分221と第2部分222とが同一の材質の材料によって形成されていてもよい。この場合、第1部分221と第2部分222とが一体に形成されていてもよい。また、第3部分223は、第1部分221や第2部分222と一体に形成されていてもよい。
【0064】
(C-6)上記実施形態では、シリンダー121は、バレル112と一体に形成されている。これに対して、シリンダー121の一部や全部が、バレル112と一体に形成されていなくてもよい。例えば、図11は、他の実施形態における材料吐出装置100cの例を示す断面図である。図11には、バレル112cの第2部分222b内にX方向に沿って配置された石英ガラス製のスリーブSLが示されている。図11の例では、シリンダー121cは、第3部分223と、スリーブSLとによって形成されている。また、この場合、バレル112の少なくとも一部は、透明部材によって形成されていなくてもよい。この場合、例えば、バレル112に開口部を設け、この開口部と、シリンダー121cの透明部材とを通して、シリンダー121c内の可塑化材料に光線Bmが照射されてもよい。
【0065】
(C-7)上記実施形態では、シリンダー121は、連通孔115に接続されているが、連通孔115ではない流路116に接続されていてもよい。
【0066】
(C-8)上記実施形態では、シリンダー121内の可塑化材料を撮像しているが、例えば、流路116内の可塑化材料を撮像してもよい。例えば、第1実施形態と同様に流路116やシリンダー121が構成されており、連通孔115内の可塑化材料を撮像する場合、空間Sp内に照射部170を設置し、照射部170から連通孔115に向かって+X方向に、XY平面に沿ったシート状の光線Bmを照射できる。そして、連通孔115の+Z方向側または-Z方向側に配置されたカメラ180によって、連通孔115内の可塑化材料を撮像できる。また、例えば、流路116の一部である、スクリュー111の溝形成面201とバレル112の対向面212との間の空間に光線Bmを照射し、この空間内の可塑化材料を撮像してもよい。また、流路116内の可塑化材料のみを撮像し、シリンダー121内の可塑化材料を撮像しない場合、流路116の壁の少なくとも一部が透明部材によって形成されていればよく、シリンダー121が透明部材によって形成されていなくてもよい。より詳細には、撮像箇所に光線Bmを照射することが可能なように、かつ、撮像箇所を撮像可能なように、流路116の壁の少なくとも一部が透明部材によって形成されていればよい。
【0067】
(C-9)上記実施形態のように、PIVを応用した流動状態検知を実行する場合、いわゆる「ステレオPIV」の手法を用いてもよい。ステレオPIVでは、同じ撮像領域を撮像する2台のカメラによる撮像結果に基づいて、撮像領域における、流体の奥行き方向における局所速度ベクトルをも算出できる。この場合、材料吐出装置100には、少なくとも2台のカメラ180が、それぞれの撮像方向が互いに交差し、かつ、それぞれの撮像方向が光線Bmの面と直交せずに交差するように配置される。
【0068】
(C-10)上記実施形態では、制御部500は、撮像結果に基づいて、PIVを応用した流動状態検知を実行している。これに対して、制御部500は、PIVを応用した流動状態検知を実行しなくてもよい。例えば、制御部500は、撮像結果を画像解析することによって、可塑化材料の状態として可塑化材料内や可塑化材料の周囲の気泡の量を検出してもよい。この場合、制御部500は、検出した気泡の量に基づいて、プランジャー122の移動速度と、スクリュー111の回転速度と、加熱部113の温度との少なくともいずれかを制御してもよい。より詳細には、この場合、制御部500は、例えば、気泡の量が予め定められた気泡の基準量よりも多い場合、プランジャー122の移動速度を遅くする。これによって、吸引操作や送出操作における可塑化材料のプランジャー122に対する追従性が向上するため、吸引操作において計量される可塑化材料の不足や、送出操作において送出される可塑化材料の不足を抑制できる。
【0069】
(C-11)上記実施形態では、制御部500は、撮像結果に基づいて検知した可塑化材料の状態に基づいて、プランジャー122の移動速度と、スクリュー111の回転速度と、加熱部113の温度との少なくともいずれかを制御している。これに対して、制御部500は、このようにプランジャー122の移動速度等を制御しなくてもよい。例えば、制御部500は、単に、撮像結果や、撮像結果に基づいて検知した可塑化材料の状態を表示部300に表示するだけでもよい。この場合、ユーザーは、表示部300に表示された撮像結果等を確認することによって、吐出量の過不足等の不具合の兆候を検知できる。
【0070】
(C-12)上記実施形態では、スクリュー111はフラットスクリューとして構成されている。これに対して、スクリュー111は、フラットスクリューとして構成されていなくてもよく、インラインスクリューとして構成されていてもよい。この場合、バレル112は、スクリュー111を収容する筒状の部材として構成される。
【0071】
D.他の形態:
本開示は、上述した実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実現することができる。例えば、本開示は、以下の形態によっても実現可能である。以下に記載した各形態中の技術的特徴に対応する上記実施形態中の技術的特徴は、本開示の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、本開示の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【0072】
(1)本開示の第1の形態によれば、材料吐出装置が提供される。この材料吐出装置は、材料を可塑化して、可塑化材料を生成する可塑化部と、前記可塑化材料が流れる流路に連通するノズル開口を有し、前記可塑化材料を前記ノズル開口から吐出するノズルと、前記流路に接続されたシリンダー、および、前記シリンダー内を移動するプランジャーを有し、前記シリンダー内に前記可塑化材料を吸引する吸引操作と、前記シリンダー内に吸引した前記可塑化材料を前記流路に送出する送出操作と、を実行する吸引送出部と、を備える。前記流路の壁と前記シリンダーとの少なくともいずれかは、少なくとも一部が透明部材によって形成され、前記壁と前記シリンダーとの少なくともいずれかを形成する透明部材を通して、前記流路と前記シリンダーとの少なくともいずれかの内部の前記可塑化材料に外部からシート状の光線を照射する照射部と、前記壁と前記シリンダーとの少なくともいずれかを形成する透明部材を通して、前記光線が照射された前記可塑化材料を、前記可塑化材料に照射された前記光線の面と交差する方向に撮像するカメラと、を更に備える。
このような形態によれば、カメラによる撮像結果に基づいて、シリンダー内や流路内の可塑化材料の状態を観測できる。そのため、観測された可塑化材料の状態に基づいて、例えば、吐出量の過不足等の不具合の兆候を検知することや、不具合の発生を抑制するように可塑化部や吸引送出部を制御することができる。
【0073】
(2)上記形態では、前記可塑化部は、溝が形成された溝形成面を有し、回転軸に沿った方向の長さが前記回転軸に垂直な方向の長さよりも短いフラットスクリューと、前記溝形成面に対向する対向面を有し、前記対向面に前記流路の少なくとも一部を形成する連通孔が形成されたバレルと、を備え、前記シリンダーは、前記連通孔に接続され、前記シリンダーの少なくとも一部と、前記バレルの少なくとも一部とは、それぞれ、透明部材によって形成され、前記照射部は、前記シリンダーと前記バレルとのそれぞれを形成する透明部材を通して、前記光線を前記シリンダーの内部の前記可塑化材料に照射し、前記カメラは、前記シリンダーを形成する透明部材を少なくとも通して、前記光線が照射された前記可塑化材料を撮像してもよい。このような形態によれば、シリンダーが連通孔に接続されているので、例えば、シリンダーの一部や全部をバレル内に配置することや、シリンダーの一部や全部をバレルと一体に形成することができる。そのため、シリンダーが連通孔とは異なる流路に接続されている場合と比較して、材料吐出装置全体を小型化できる可能性が高まる。また、シリンダーの少なくとも一部、および、バレルの少なくとも一部が透明部材によって形成されているので、シリンダーが連通孔に接続されている形態において、シリンダー内の可塑化材料の状態を簡易に観測できる。
【0074】
(3)上記形態では、前記バレルは、前記溝に供給された前記可塑化材料を加熱する加熱部を備え、前記加熱部は、前記バレル内において、前記対向面に沿って、かつ、前記回転軸に沿った方向において前記対向面と前記シリンダーとの間に配置され、前記光線は、前記バレルの側面のうち、前記回転軸に沿った方向において前記加熱部と前記ノズル開口との間に位置する部分を通って、前記シリンダーの内部の前記可塑化材料に照射されてもよい。このような形態によれば、加熱部がバレル内に配置されている場合であっても、簡易に、光線を、加熱部によって遮ることなくシリンダー内の可塑化材料に照射できる。
【0075】
(4)上記形態では、前記バレルの側面のうち、前記光線が入射する部分は、表面粗さが0.2μm以下の平面によって構成されてもよい。このような形態によれば、光線を、入射部を通して、効率良く、シリンダー内の可塑化材料に照射できる。
【0076】
(5)上記形態では、前記バレルは、前記対向面を形成する部分である第1部分と、前記回転軸に沿った方向において前記第1部分と前記ノズルとの間に位置する第2部分と、を有し、前記第1部分の少なくとも一部と、前記第2部分の少なくとも一部とは、それぞれ異なる材質の透明部材によって形成されていてもよい。このような形態によれば、対向面を形成する第1部分を、第2部分とは異なる材質の部材によって形成できる。また、第1部分と第2部分とのそれぞれの少なくとも一部が透明部材によって形成されているので、いずれかの少なくとも一部のみが透明部材によって形成されている場合と比較して、照射部やカメラの配置の自由度を高めることができる。
【0077】
(6)上記形態では、前記第1部分は、樹脂によって形成され、前記第2部分はガラスによって形成されていてもよい。このような形態によれば、例えば、第1部分をガラスによって形成する場合と比較して、対向面の加工の自由度を高めることができる。また、第2部分を樹脂によって形成する場合と比較して、第2部分の耐久性や耐熱性を向上させることができる。
【0078】
(7)上記形態では、前記カメラによる撮像結果に基づいて、前記プランジャーの移動速度と、前記可塑化部のスクリューの回転速度と、前記可塑化部に備えられた加熱部の温度と、の少なくともいずれかを制御する制御部を備えていてもよい。このような形態によれば、カメラによる撮像結果に基づいて、吐出量の過不足等の不具合の兆候を検知し、その不具合の発生を抑制するように、プランジャーの移動速度や、スクリューの回転速度、加熱部の温度を制御できる。
【0079】
(8)本開示の第2の形態によれば、射出成形装置が提供される。この射出成形装置は、上記形態の材料吐出装置と、前記ノズル開口から前記可塑化材料が射出される成形型を開閉させる型締装置と、を備える。
【0080】
(9)本開示の第3の形態によれば、三次元造形装置が提供される。この三次元造形装置は、上記形態の材料吐出装置と、前記ノズル開口から吐出される前記可塑化材料を堆積する造形テーブルと、を備える。
【符号の説明】
【0081】
30…ホッパー、100,100b,100c…材料吐出装置、101…スクリューケース、102…バレルケース、110…可塑化部、111…スクリュー、112,112b,112c…バレル、113…加熱部、115…連通孔、116,116b…流路、118…駆動モーター、119…駆動軸、120…吸引送出部、121,121b,121c…シリンダー、122…プランジャー、123…プランジャー駆動部、124…逆止弁、125…分岐流路、130…型締装置、131…型駆動部、140…ノズル、141…ノズル開口、160…成形型、161…固定型、162…可動型、170…照射部、180…カメラ、200…射出成形装置、201…溝形成面、202…溝、203…材料投入口、204…凸条部、205…中央部、211…案内溝、212…対向面、213…孔、215…バレル側面、216…入射部、221…第1部分、222,222b…第2部分、223…第3部分、229…下面、300…表示部、400…三次元造形装置、410…造形テーブル、420…位置変更部、430…吐出量調整部、500,500b…制御部
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