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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024033417
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】トイレ管理システム
(51)【国際特許分類】
   A47K 17/00 20060101AFI20240306BHJP
   E03D 9/00 20060101ALI20240306BHJP
   E03D 11/00 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
A47K17/00
E03D9/00 Z
E03D11/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022136980
(22)【出願日】2022-08-30
(71)【出願人】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】早田 哲弘
(72)【発明者】
【氏名】杉田 佳弘
(72)【発明者】
【氏名】大竹 美保
(72)【発明者】
【氏名】戸崎 正道
(72)【発明者】
【氏名】坪井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】野村 航希
(72)【発明者】
【氏名】森下 翔午
【テーマコード(参考)】
2D037
2D038
2D039
【Fターム(参考)】
2D037EB06
2D038KA02
2D038KA03
2D039FA01
2D039FA03
2D039FA09
(57)【要約】
【課題】使用者の使用用途に応じて、清掃タイミングを適切に管理すること。
【解決手段】実施形態に係るトイレ管理システムは、使用者の排泄物を受けるボウルを有する便器装置と、使用者による前記便器装置の使用用途に関する情報を検出する検出部と、前記検出部による検出結果に基づいて、使用者の使用用途が大利用または小利用の少なくとも1つを含むかを判定する判定部と、前記大利用の使用回数および前記小利用の使用回数に基づいて、前記大利用と前記小利用とにて異なる重み付けにより、前記便器装置の汚れレベルを算出し、算出した前記汚れレベルが第一所定値を超えたか否かを判定する算出部と、前記第一所定値を超えた場合に、清掃タイミングであることを通知する通知部と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の排泄物を受けるボウルを有する便器装置と、
使用者による前記便器装置の使用用途に関する情報を検出する検出部と、
前記検出部による検出結果に基づいて、使用者の使用用途が大利用または小利用の少なくとも1つを含むかを判定する判定部と、
前記大利用の使用回数および前記小利用の使用回数に基づいて、前記大利用と前記小利用とにて異なる重み付けにより、前記便器装置の汚れレベルを算出し、算出した前記汚れレベルが第一所定値を超えたか否かを判定する算出部と、
前記第一所定値を超えた場合に、清掃タイミングであることを通知する通知部と、
を備えることを特徴とするトイレ管理システム。
【請求項2】
前記重み付けは、前記大利用の方が前記小利用よりも重みを大きく設定した
ことを特徴とする請求項1に記載のトイレ管理システム。
【請求項3】
前記検出部は、
前記ボウル内を撮像する撮像装置であって、
前記判定部は、
前記撮像装置により撮像された画像に含まれる大便の性状を判定し、
前記算出部は、
前記大便の性状により前記重み付けを変更する
ことを特徴とする請求項2に記載のトイレ管理システム。
【請求項4】
前記検出部は、
前記ボウル内を撮像する撮像装置であって、
前記算出部は、
1回の使用者の使用用途が、前記小利用及び前記大利用の両方であると判定された場合、前記1回の使用者の使用用途が前記小利用及び前記大利用の両方であるとして、前記便器装置の前記汚れレベルを算出する
ことを特徴とする請求項2に記載のトイレ管理システム。
【請求項5】
前記判定部は、
使用者の使用用途が判定できない場合、前記大利用とする
ことを特徴とする請求項2に記載のトイレ管理システム。
【請求項6】
前記第一所定値は、少なくとも1回のトイレ利用後からは、時間経過とともに低下するように設定されている
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のトイレ管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、トイレ管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、トイレブース(個室)の各々に便器装置(大便器)が配置されたトイレ室について清掃タイミングを検知するシステムが知られている(例えば特許文献1)。例えば、特許文献1に記載されたシステムでは、入室情報、ドア開閉情報、排水レバーの使用状況から使用頻度を判定し、トイレ室について清掃するタイミングを決定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-166798号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の技術には改善の余地がある。例えば、上述した従来技術のシステムでは、トイレブースに配置された便器装置の使用用途については考慮されていないため、使用者による便器装置の使用用途が大便での利用であっても、小便での利用であっても同様に扱うため、決定した清掃タイミングが便器装置を清掃するタイミングとしては適切ではない場合が生じ得る。そのため、使用者の使用用途に応じて、清掃タイミングを適切に管理することが望まれている。
【0005】
上記のような点を鑑みて、使用者の使用用途に応じて、清掃タイミングを適切に管理することが課題となる。
【0006】
開示の実施形態は、使用者の使用用途に応じて、清掃タイミングを適切に管理することができるトイレ管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の一態様に係るトイレ管理システムは、使用者の排泄物を受けるボウルを有する便器装置と、使用者による前記便器装置の使用用途に関する情報を検出する検出部と、前記検出部による検出結果に基づいて、使用者の使用用途が大利用または小利用の少なくとも1つを含むかを判定する判定部と、前記大利用の使用回数および前記小利用の使用回数に基づいて、前記大利用と前記小利用とにて異なる重み付けにより、前記便器装置の汚れレベルを算出し、算出した前記汚れレベルが第一所定値を超えたか否かを判定する算出部と、前記第一所定値を超えた場合に、清掃タイミングであることを通知する通知部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
実施形態の一態様に係るトイレ管理システムによれば、大利用と小利用とに利用される便器装置(大便器)の使用用途が異なったとしても大便器の汚れの程度に合わせ、例えば、清掃担当者に向けて最適な清掃のタイミングを案内できる。そのため、トイレ管理システムは、例えば、大便器の汚れを抑制するために過剰に清掃に訪れたり、単に清掃回数を減らすことによって大便器の汚れがひどくなったりすることを抑制できる。したがって、トイレ管理システムは、使用者の使用用途に応じて、清掃タイミングを適切に管理することができる。例えば、トイレブースに設けられた便器装置(大便器)に対する大/小利用といった利用実態により、大便器の内面に付着する汚れ度合いが変化する。そのため、大便器の使用頻度は同じであったとしても、大便器の汚れ度合いが異なり、大便器の汚れ度合いに適さないタイミングに清掃担当者に対して案内をしてしまう懸念がある。そうした場合に清掃回数が増え清掃者への負担が大きくなる。一方で、実施形態の一態様に係るトイレ管理システムによれば、便器装置の使用用途を加味することで、便器装置の汚れの度合い(汚れレベル)精度良く推定できるため、使用者の使用用途に応じて、清掃タイミングを適切に管理することができる。なお、トイレブースには、例えばトイレブースを構成する便器装置も含まれる。
【0009】
実施形態の一態様に係るトイレ管理システムは、前記重み付けは、前記大利用の方が前記小利用よりも重みを大きく設定したことを特徴とする。
【0010】
実施形態の一態様に係るトイレ管理システムによれば、大利用の方が小利用よりも重みを大きい重み付けをすることにより、一般的に大便器に対して汚れが小利用よりも付着しやすい大利用を考慮した大便器の汚れの程度に合わせ、例えば、清掃担当者に向けて最適な清掃のタイミングを案内できる。
【0011】
実施形態の一態様に係るトイレ管理システムにおいて、前記検出部は、前記ボウル内を撮像する撮像装置であって、前記判定部は、前記撮像装置により撮像された画像に含まれる大便の性状を判定し、前記算出部は、前記大便の性状により前記重み付けを変更することを特徴とする。
【0012】
例えば、同じ大便であったとしても、固形便と泥状便とでは、便器に付着する汚れの度合いが異なる。そこで、実施形態の一態様に係るトイレ管理システムによれば、複便の性状により、重み付けを変更することでより精度よく清掃タイミングを判定(算出)できる。したがって、トイレ管理システムは、使用者の使用用途に応じて、清掃タイミングを適切に管理することができる。
【0013】
実施形態の一態様に係るトイレ管理システムにおいて、前記検出部は、前記ボウル内を撮像する撮像装置であって、前記算出部は、1回の使用者の使用用途が、前記小利用及び前記大利用の両方であると判定された場合、前記1回の使用者の使用用途が前記小利用及び前記大利用の両方であるとして、前記便器装置の前記汚れレベルを算出することを特徴とする。
【0014】
1回の排泄行為において、小利用、または、大利用だけでなく、両方が含む場合には、汚れが片方だけの利用時よりも付着する。そこで、実施形態の一態様に係るトイレ管理システムによれば、使用者の使用用途が大利用及び小利用の両方である場合、大利用及び小利用の両方を加算することでより精度よく清掃タイミングを算出できる。したがって、トイレ管理システムは、使用者の使用用途に応じて、清掃タイミングを適切に管理することができる。
【0015】
実施形態の一態様に係るトイレ管理システムにおいて、前記判定部は、使用者の使用用途が判定できない場合、前記大利用とすることを特徴とする。
【0016】
実施形態の一態様に係るトイレ管理システムによれば、使用者の使用用途が大利用か小利用か判定できない場合に、大利用としてカウントすることにより、清掃タイミングより前に便器が汚れている状態を抑制できる。したがって、トイレ管理システムは、使用者の使用用途に応じて、清掃タイミングを適切に管理することができる。
【0017】
実施形態の一態様に係るトイレ管理システムにおいて、前記第一所定値は、少なくとも1回のトイレ利用後からは、時間経過とともに低下するように設定されていることを特徴とする。
【0018】
便器に付着した汚れは、時間経過とともに便器に固着し清掃が困難となる。そこで、実施形態の一態様に係るトイレ管理システムによれば、1回のトイレ利用後から一定期間の間、トイレ利用がなかったとしても便器への固着を考慮し、清掃タイミングを早めることでより清掃タイミングに適した時期を清掃担当者に報知できる。したがって、トイレ管理システムは、使用者の使用用途に応じて、清掃タイミングを適切に管理することができる。
【発明の効果】
【0019】
実施形態の一態様によれば、使用者の使用用途に応じて、清掃タイミングを適切に管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、実施形態に係るトイレの利用対象の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る清掃タイミング判定処理の一例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係るトイレ管理システムの構成例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る情報処理装置の構成の一例を示すブロック図である。
図5図5は、実施形態に係る配置情報記憶部の一例を示す図である。
図6図6は、トイレ管理システムが実行する処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図7図7は、所定値の変更の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照して、本願の開示するトイレ管理システムの実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0022】
<1.実施形態>
<1-1.トイレ室の構成例>
実施形態に係るトイレ管理システム1(図3参照)において実行される清掃タイミング判定の処理の説明に先だって、図1を用いて、トイレ室の構成例について説明する。図1は、実施形態に係るトイレの利用対象の一例を示す図である。図1は、トイレの利用対象の物理的な配置等の概念的に示す。
【0023】
図1に示すトイレ室2は、個室空間を形成するトイレブースであるトイレブースTB1~TB3と、トイレブース以外の空間である共有空間である共有空間CS1を有する。なお、トイレブースTB1、トイレブースTB2、トイレブースTB3等、トイレ室2に設けられるトイレブースを区別せずに説明する場合、「トイレブースTB」と記載する場合がある。
【0024】
トイレブースTBは、パーティション(間仕切り)で区切られた空間(個室空間)である。各トイレブースTBは、便器装置10を備え、人が排泄行為を行う場所としての機能を有する。また、各トイレブースTBは、そのトイレブースTB内に入室するための開閉可能なドア(図示は省略)を備える。なお、各トイレブースTBのドアは、一般的なトイレブースTBに設けられるドアと同様であるため、詳細な説明は省略する。また、トイレブースTBは、パーティションによって、完全に区切られた空間でなくてもよく、パーティションの上部や下部に、隣接するトイレブースTBや共有空間と区切られていない部分が設けられていてもよい。
【0025】
また、共有空間CS1等、トイレ室2に設けられる共有空間を区別せずに説明する場合、「共有空間CS」と記載する場合がある。共有空間CSは、トイレ室2内において複数人が同時に滞在し得る共有部である。例えば、共有空間CSは、トイレ室2への入り口、洗面化粧台部50等の洗面の設備、各トイレブースTBへの経路を有する。共有空間CSは、トイレ室2への入場、手等の洗浄、各トイレブースTBへの移動等を行うための場所としての機能を有する。なお、トイレ室2が男性用のトイレ室2として機能する場合、その共有空間CSには小便器が配置されてもよい。すなわち、共有空間CSも人が排泄行為を行う場所として機能する場合がある。
【0026】
次に、図1に示すトイレ室2を参照して、トイレ室2における各装置の配置について説明する。便器装置1011は、トイレブースTB1に配置される。また、便器装置1012は、トイレブースTB2に配置される。また、便器装置1013は、トイレブースTB3に配置される。なお、便器装置1011、便器装置1012、便器装置1013等を区別せずに説明する場合、「便器装置10」と記載する場合がある。
【0027】
図1では、便器装置10の数が3つである場合を一例として示すが、便器装置10の数は、任意の数が採用可能であり、便器装置10の数は、2つ以下または4つ以上であってもよい。なお、便器装置10の機能などの詳細は後述する。また、情報の収集や判定等の処理の対象として、便器装置10を説明する記載は、その便器装置10が配置されるトイレブースTBと読み替えてもよい。また、情報の収集や判定等の処理の対象として、トイレブースTBを説明する記載は、そのトイレブースTBに配置される便器装置10と読み替えてもよい。例えば、便器装置1011は、トイレブースTB1と読み替えてもよく、トイレブースTB1は、便器装置1011と読み替えてもよい。
【0028】
洗面化粧台部50は、共有空間CS1に配置される。洗面化粧台部50は、複数の洗面器が設けられる。図1では、洗面化粧台部50に設けられる洗面器の数が3つである場合を一例として示すが、洗面器の数は、所望の処理が可能であれば任意の数が採用可能である。
【0029】
なお、図1に示すトイレ室2は、一例に過ぎず、トイレ室2については任意の構成が採用可能である。例えば、トイレ室2は、便器装置10を有する構成であれば、どのような構成であってもよい。例えば、図1では、トイレ室2が3つの便器装置10を有する場合を一例として説明するが、トイレ室2は1つの便器装置10のみを有する住宅(個人宅)のトイレであってもよい。
【0030】
<1-2.トイレ空間の配置>
トイレ室2の配置について簡単に説明する。トイレ室2は、そのトイレ室2が物理的に配置可能な空間であれば、どのような場所に設けられてもよい。すなわち、トイレ室2が設けられる場所は、任意の場所が採用可能である。例えば、トイレ室2は、デパート(百貨店)等のような商業施設に設けられてもよい。また、トイレ室2が設けられる場所は、店舗等の商業施設に限らず、種々の施設であってもよい。例えば、トイレ室2が設けられる場所は、遊園地や競技場やオフィスビル等であってもよい。例えば、トイレ室2が設けられる場所は、観光地等の地域に設けられるトイレであってもよい。例えば、トイレ室2が設けられる場所は、公園や駐車場等であってもよい。すなわち、トイレは公園や駐車場等の屋外に設けられてもよい。例えば、トイレ室2が設けられる場所は、個人宅のような住宅施設であってもよい。このように、トイレ室2が設けられる場所は、トイレ室2が配置可能な空間があれば、どのような場所であってもよい。
【0031】
<1-3.清掃タイミング判定の第1の処理例>
ここから、トイレ管理システム1(図3参照)において実行される清掃タイミング判定の第1の処理例の概要について図2を参照して説明する。図2は、実施形態に係る清掃タイミング判定処理の一例を示す図である。
【0032】
以下、図2に示す処理例について説明する、具体的には、図2では、便器装置1011、便器装置1012、及び便器装置1013等の便器装置10の各々を対象として、トイレ管理システム1が各便器装置10の汚れレベルを基に各便器装置10の清掃タイミング判定を行う。例えば、汚れレベルは、便器装置10について推定される汚れの程度を示す値(スコア)である。なお、図2では、1つの便器装置1011の汚れレベルが第一所定値を超える場合を示すため、便器装置1011の汚れレベルを示す線LN11のみを示す。第一所定値FV11は、清掃タイミングの判定に用いられる所定値である。なお、図2では、第一所定値FV11は、値VL14に設定される場合を示すが、第一所定値FV11には、任意の値が設定される。
【0033】
図2では、トイレ管理システム1の情報処理装置100(図3参照)は、便器装置1011、便器装置1012、及び便器装置1013の3つの便器装置10の各々について、検出された使用者による便器装置10の使用用途に関する情報を取得する。
【0034】
図2中のグラフGR11は、縦軸が便器装置1011の汚れレベルを示し、横軸が時間経過を示す。例えば、グラフGR11の原点の時間(開始時点t0)は、汚れレベルの算出の開始時点に対応する。例えば、グラフGR11の原点の時間(開始時点t0)は、便器装置1011の清掃が完了した時点に対応し、便器装置1011の汚れレベルがリセットされた時点に対応する。このように、グラフGR11の線LN11は、便器装置1011の汚れレベルを示す。例えば、線LN11は、開始時点t0からの便器装置1011の汚れレベルの時間経過に応じた変化(変遷)を示す。
【0035】
図2では、便器装置1011は、開始時点t0より後の時点t11に汚れレベルのリセット後に最初(1回目)の使用が行われる。情報処理装置100は、検知した情報を基に、時点t11における便器装置1011の1回目の使用について、その使用用途を判定する。例えば、情報処理装置100は、時点t11における便器装置1011の使用時に撮像された便器装置1011のボウル内の画像を用いて、便器装置1011の1回目の使用について、その使用用途が大利用及び小利用の少なくとも1つを含むか否かを判定する。
【0036】
図2では、情報処理装置100は、便器装置1011の1回目の使用が大利用であると判定する。そのため、情報処理装置100は、便器装置1011の1回目の使用について、便器装置10の汚れレベルに第1部分スコアa1を加算する。これにより、情報処理装置100は、時点t11における便器装置1011の汚れレベルを0から値VL11に増加させる。例えば、第1部分スコアa1は、大利用の使用回数「1」に大利用に対応する重み(「大利用重み値」ともいう)を乗算した値である。
【0037】
情報処理装置100は、便器装置1011の汚れレベルと第一所定値FV11との比較に基づいて、便器装置1011の清掃タイミングを判定する。情報処理装置100は、時点t11における便器装置1011の汚れレベルの値VL11が第一所定値FV11を超えていないため、時点t11では便器装置1011の清掃タイミングではないと判定する。
【0038】
なお、情報処理装置100は、使用者による便器装置10の使用用途が小利用も含むと判定した場合、便器装置10の汚れレベルに第2部分スコアa2も加算してもよい。この場合、情報処理装置100は、便器装置10の汚れレベルに第1部分スコアa1及び第2部分スコアa2の両方も加算する。なお、第1部分スコアa1が第2部分スコアa2よりも大きければ、第1部分スコアa1及び第2部分スコアa2には任意の値が設定可能である。例えば、第1部分スコアa1が「2」であり、第2部分スコアa2が「1」であってもよい。例えば、第2部分スコアa2は、小利用の使用回数「1」に小利用に対応する重み(「小利用重み値」ともいう)を乗算した値である。小利用重み値は大利用重み値よりも小さく設定される。例えば、大利用重み値が「2」であり、小利用重み値が「1」であってもよい。
【0039】
また、図2では、便器装置1011は、時点t11より後の時点t12に2回目の使用が行われる。情報処理装置100は、検知した情報を基に、時点t12における便器装置1011の2回目の使用について、その使用用途を判定する。情報処理装置100は、便器装置1011の2回目の使用が小利用であると判定する。そのため、情報処理装置100は、便器装置1011の2回目の使用について、便器装置10の汚れレベルに第2部分スコアa2を加算する。これにより、情報処理装置100は、時点t12における便器装置1011の汚れレベルを値VL11から値VL12に増加させる。
【0040】
情報処理装置100は、便器装置1011の汚れレベルと第一所定値FV11との比較に基づいて、便器装置1011の清掃タイミングを判定する。情報処理装置100は、時点t12における便器装置1011の汚れレベルの値VL12が第一所定値FV11を超えていないため、時点t12では便器装置1011の清掃タイミングではないと判定する。
【0041】
また、図2では、便器装置1011は、時点t12より後の時点t13に3回目の使用が行われる。情報処理装置100は、検知した情報を基に、時点t13における便器装置1011の3回目の使用について、その使用用途を判定する。情報処理装置100は、便器装置1011の3回目の使用が大利用であると判定する。そのため、情報処理装置100は、便器装置1011の3回目の使用について、便器装置10の汚れレベルに第1部分スコアa1を加算する。これにより、情報処理装置100は、時点t13における便器装置1011の汚れレベルを値VL12から値VL13に増加させる。
【0042】
情報処理装置100は、便器装置1011の汚れレベルと第一所定値FV11との比較に基づいて、便器装置1011の清掃タイミングを判定する。情報処理装置100は、時点t13における便器装置1011の汚れレベルの値VL13が第一所定値FV11を超えていないため、時点t13では便器装置1011の清掃タイミングではないと判定する。
【0043】
また、図2では、便器装置1011は、時点t13より後の時点t14に4回目の使用が行われる。情報処理装置100は、検知した情報を基に、時点t14における便器装置1011の4回目の使用について、その使用用途を判定する。情報処理装置100は、便器装置1011の4回目の使用が小利用であると判定する。そのため、情報処理装置100は、便器装置1011の4回目の使用について、便器装置10の汚れレベルに第2部分スコアa2を加算する。これにより、情報処理装置100は、時点t14における便器装置1011の汚れレベルを値VL13から値VL15に増加させる。
【0044】
情報処理装置100は、便器装置1011の汚れレベルと第一所定値FV11との比較に基づいて、便器装置1011の清掃タイミングを判定する。情報処理装置100は、時点t14における便器装置1011の汚れレベルの値VL15が第一所定値FV11を超えたため、時点t14に便器装置1011の清掃タイミングになったと判定する。
【0045】
そして、情報処理装置100は、清掃タイミングになったと判定した場合、清掃タイミングであることを通知する。図2では、情報処理装置100は、トイレ室2を管理する管理者に、時点t14において便器装置1011が清掃タイミングになったことを通知する。情報処理装置100は、便器装置1011を示す情報を通知する。例えば、情報処理装置100は、トイレ室2を管理する管理者が利用するコンピュータ(パソコン、スマートフォン等)に、便器装置1011が清掃タイミングになったことを示す情報を送信する。なお、情報処理装置100からコンピュータへの通知の方法としては、メール送信の形式でもよいし、画面上へポップ表示する形式が含まれていてもよい。また、通知の表示は、単発であってもよいし、継続して表示してもよい。
【0046】
上述した処理により、トイレ管理システム1は、大利用と小利用とで汚れレベルの増加量を異ならせて汚れレベルを算出し、便器装置10の汚れレベルが第一所定値FV11を超えたタイミングを清掃タイミングであると判定する。これにより、トイレ管理システム1は、適切なタイミングで清掃担当者(清掃者)に清掃を行わせることができる。したがって、トイレ管理システムは、使用者の使用用途に応じて、清掃タイミングを適切に管理することができる。
【0047】
なお、上述した例は一例に過ぎず、トイレ管理システム1は、便の性状等、様々な情報を適宜用いて、清掃タイミングの判定及び、清掃タイミングになったことの通知等を行ってもよいが、この点については後述する。
【0048】
<1-4.トイレ管理システムの構成>
次に、トイレ管理システム1の構成について図3を参照して説明する。図3は、実施形態に係るトイレ管理システムの構成例を示す図である。具体的には、図3は、トイレ管理システム1の構成を示す。
【0049】
トイレ管理システム1は、清掃タイミング判定の処理に用いる情報を収集し、清掃タイミング判定の処理を実行する情報処理装置100を有する。図3に示すトイレ管理システム1は、情報処理装置100、複数の便器装置1011、1012、1013、及び複数の検知部10111、10112、10113を含む。なお、検知部10111、検知部10112、検知部10113等を区別せずに説明する場合、「検知部101」と記載する場合がある。
【0050】
また、トイレ管理システム1には、洗面化粧台部50等の各共有設備を検知対象とする検知部(共有設備検知部)が含まれてもよい。なお、トイレ管理システム1には、複数の情報処理装置100、複数の洗面化粧台部50等が含まれてもよい。また、清掃タイミング判定の処理に用いる情報を収集する情報処理装置と、清掃タイミング判定の処理を実行する情報処理装置とは別装置であってもよい。
【0051】
図1では、便器装置10をトイレ管理システム1の清掃タイミング判定の対象とするが、清掃の対象は、便器装置10に限らず、トイレ室2全体、小便器、手指乾燥部、鏡及び洗面化粧台部50等の共有設備が含まれてもよい。
【0052】
トイレ室2は、施設等の空間に設けられ、トイレを使用する使用者が入退場する空間である。例えば、トイレ室2は、トイレブースTB、共有空間CS等を有し、トイレに関する構造物が配置される空間である。例えば、図1に示すトイレ室2は、複数の便器装置1011、1012、1013、が各々配置されるトイレブースTB1~TB3、及び洗面化粧台部50が配置される共有空間CS1を有する。このように、トイレ室2は、便器装置10が設置されたトイレブースTBを複数有する。
【0053】
便器装置10は、トイレを使用する使用者が大便または小便等を排泄する際に使用されるトイレの使用対象である。便器装置10は、使用者の排泄物を受けるボウルを有する。便器装置10は、トイレ室2内に設けられるトイレブースTBに配置される。例えば、便器装置10は、使用者が着座する便座、及び洗浄用の水を吐水するためのノズルを操作するための操作部を含む便座装置を有する。便器装置10は、便座装置以外にも、便蓋、便器等、大便器としての機能を実現するための各種構成を有するが、詳細な説明は省略する。
【0054】
便器装置10の検知部101は、便器装置10に関する検知を行う。検知部101は、便器装置10の使用用途に関する情報を検出する検出部として機能する。検知部101は、便器装置10の使用を示す情報を検知する。便器装置10の検知部101は、便器装置10が配置されたトイレブースTBに関する検知を行う。
【0055】
検知部101は、便器装置10のボウル内を撮像する撮像装置である。例えば、検知部101は、便器装置10の便座よりも下部に配置されボウル内を撮像する。検知部101は、使用者による便器装置10の使用用途に関する情報(画像)を検出する。なお、検知部101は、便器装置10のボウル内を撮像し、便器装置10の使用者の排泄物を撮像可能な位置であれば、どのような位置に配置されてもよい。
【0056】
例えば、検知部101は、一次元画像を撮影するラインセンサ(一次元のイメージセンサ)であってもよいし、二次元画像を撮影するエリアセンサ(二次元のイメージセンサ)であってもよい。例えば、ラインセンサである場合、検知部101は、便器装置10の便座と封水部(封水が溜まる部分)との間を撮影する方向に向けて配置される。このように、検知部101は、使用者が排泄後に便器装置10の封水部(封水が溜まる部分)に着水するまでの落下中の便を撮影するように配置されてもよい。
【0057】
また、例えば、エリアセンサである場合、検知部101は、便器装置10の封水部を撮影する方向に向けて配置される。このように、検知部101は、便器装置10の封水部を撮影するように配置されてもよい。なお、検知部101は、便を検知(撮像)可能であれば、どのような配置態様であってもよい。また、検知部101は、静止画像を撮影してもよいし、動画像を撮影してもよい。また、使用者が便座に座ることで便器内が暗くなり、十分な明るさで撮影できない場合は、光源(発光部)を設けてもよい。
【0058】
便器装置10の検知部101は、例えば無線通信機能を有する通信部(例えば通信回路等)を含み、情報処理装置100と無線により通信可能に接続される。例えば、検知部101は、撮像した画像(映像)や撮像した日時などを示す検知情報を、その便器装置10または便器装置10が配置されたトイレブースTBを識別する識別情報(ID等)とともに情報処理装置100へ送信する。
【0059】
なお、検知部101は、使用者による便器装置10の使用用途の判定に用いる様々な情報を検知するセンサを有してもよい。例えば、検知部101は、大小洗浄操作を検知するセンサを有してもよい。例えば、検知部101は、洗浄レバー回転量を検知するセンサを有してもよい。例えば、検知部101は、お尻等の使用者の身体的部位の洗浄の利用を検知するセンサを有してもよい。例えば、検知部101は、着座継続時間を検知するセンサを有してもよい。例えば、検知部101は、トイレットペーパーの使用量を検知するセンサを有してもよい。例えば、検知部101は、臭気を検知するセンサ(ガスセンサ)を有してもよい。
【0060】
検知部101は、便器装置10が配置されたトイレブースTBへの人(使用者)の入退場を検知するセンサを有してもよい。例えば、検知部101は、人体検知センサ、行動検知センサ、着座検知センサ等の各種のセンサを有してもよい。検知部101は、トイレブースTBのドア等に設けられ、トイレブースTBのドアの開閉を検知するドアセンサを有してもよい。検知部101は、トイレブースTBのドア付近を撮像する画像センサを有してもよい。検知部101は、便器装置10への使用者の着座を検知する着座センサを有してもよい。
【0061】
洗面化粧台部50は、トイレを使用する使用者が手を洗ったり、顔を洗ったり、鏡を見たりする際に使用される洗面器を有するトイレの使用対象である。洗面化粧台部50は、トイレ室2内に設けられる共有空間CSに配置される。例えば、洗面化粧台部50の各洗面器は、自動水栓の機能を有する蛇口、蛇口からの水を受ける水受け部を有する。
【0062】
情報処理装置100は、清掃タイミングを判定する判定処理を実行する情報処理装置(コンピュータ)である。例えば、情報処理装置100は、クラウドサーバ等であってもよい。情報処理装置100は、検知部101と、インターネット等の所定のネットワークNを介して、無線または有線により通信可能に接続される。なお、情報処理装置100は、情報の送受信が可能であれば、検知部101とどのように接続されてもよく、無線により通信可能に接続されてもよいし、有線により通信可能に接続されてもよい。
【0063】
情報処理装置100は、収集した情報を用いて、トイレの清掃タイミングであるか否かを判定する判定処理を実行する。情報処理装置100は、検知部101から受信した情報である収集情報を用いて、清掃タイミングを判定する判定処理を実行する。情報処理装置100は、収集情報を用いて、便器装置10に関する清掃タイミングを判定する。
【0064】
情報処理装置100は、各種情報を収集する。例えば、情報処理装置100は、ゲートウェイ装置等であってもよい。情報処理装置100は、各使用対象について検知されるセンサデータ等の検知情報を収集する装置である。情報処理装置100は、他の装置から情報を収集する。情報処理装置100は、トイレ室2、便器装置10、及び洗面化粧台部50等について検知された情報である検知情報を収集する。情報処理装置100は、トイレ室2、便器装置10、及び洗面化粧台部50等の情報を検知する装置から検知情報を受信する。
【0065】
情報処理装置100は、便器装置10の検知部101から便器装置10の検知情報を受信する。情報処理装置100は、便器装置10の検知部101と、無線により通信可能に接続される。なお、情報処理装置100は、情報の送受信が可能であれば、トイレ室2、便器装置10、及び洗面化粧台部50等の情報を検知する装置とどのように接続されてもよく、有線により通信可能に接続されてもよい。
【0066】
情報処理装置100はトイレ室2外に配置されてもよいし、トイレ室2内に配置されてもよい。例えば、情報処理装置100は、トイレ室2が設けられた施設などに配置されるサーバ装置であってもよい。なお、上記は一例に過ぎず、検知部101と通信して、情報を収集可能であれば、情報処理装置100の装置構成及び配置は任意の形態が採用可能である。
【0067】
<1-5.情報処理装置の機能構成>
以下、情報処理装置の機能構成について図4を参照して説明する。図4は、実施形態に係る情報処理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【0068】
図4に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。なお、情報処理装置100は、情報処理装置100の管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0069】
通信部110は、例えば、通信回路等によって実現される。通信部110は、所定のネットワークN(図3参照)と有線または無線で接続され、外部の情報処理装置との間で情報の送受信を行う。例えば、通信部110は、所定のネットワークN(図3参照)と有線または無線で接続され、検知部101等の他の装置との間で情報の送受信を行う。
【0070】
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。例えば、記憶部120は、判定処理等の清掃タイミング判定プログラム等によって使用されるデータ等を非一時的に記録するコンピュータが読み取り可能な記録媒体である。
【0071】
実施形態に係る記憶部120は、図4に示すように、配置情報記憶部121と、収集情報記憶部122とを有する。なお、記憶部120は、配置情報記憶部121及び収集情報記憶部122に限らず、処理に必要な様々な情報を記憶する。例えば、記憶部120は、判定処理で用いる様々な情報(例えば閾値に関する情報)を記憶する。例えば、記憶部120は、判定処理で用いる閾値を算出するための関数、算出した関数の情報を記憶する。例えば、記憶部120は、閾値として用いる第一所定値を記憶する。
【0072】
実施形態に係る配置情報記憶部は、トイレ管理システム1の検知対象となる各種の使用対象の配置に関する各種情報を記憶する。例えば、配置情報記憶部は、トイレ室2、便器装置10及び洗面化粧台部50の配置に関する情報を記憶する。図5は、実施形態に係る配置情報記憶部の一例を示す図である。図5に示す配置情報記憶部には、「施設」、「トイレ空間」、「配置箇所」、「配置要素」といった項目が含まれる。
【0073】
「施設」は、トイレ空間(トイレ室)が配置される場所を示す。なお、「施設」には、構造物に限らず、トイレ空間が配置される場所であれば様々な場所が登録可能である。「トイレ空間」は、各トイレ空間を識別するための識別情報を示す。図5では、説明の為に「トイレ空間」に「2」といった各トイレ空間に付した符号を図示するが、「トイレ空間」には、トイレ空間(トイレ室)を特定可能な情報(例えばトイレ空間ID等)が記憶される。
【0074】
「配置箇所」は、各配置箇所を識別するための識別情報を示す。図5では、説明の為に「配置箇所」に「TB1」、「TB2」、「TB3」、「CS1」といったトイレ室2の各構成に付した符号を図示するが、「配置箇所」には、配置箇所を特定可能な情報(例えば配置箇所ID等)が記憶される。
【0075】
「配置要素」は、対応する配置箇所に配置されるトイレの使用対象を識別するための識別情報を示す。例えば、「配置要素」は、対応する配置箇所に配置される便器装置10、及び洗面化粧台部50等のトイレの使用対象を識別するための識別情報を示す。図5では、説明の為に「配置要素」に「1011」、「1012」、「1013」、「50」等の各構成に付した符号を図示するが、「配置要素」には、各使用対象を識別可能であればどのような情報が登録されてもよい。
【0076】
例えば、「配置要素」には、対応する配置箇所に配置される便器装置を特定可能な情報(例えば便器装置ID等)、小便器を識別するための識別情報(例えば小便器ID等)、または洗面器を識別するための識別情報(例えば洗面器ID等)が記憶される。
【0077】
図5の例では、「2」により識別されるトイレ室2には、「TB1」により識別されるトイレブースTB1、「TB2」により識別されるトイレブースTB2、「TB3」により識別されるトイレブースTB3が配置箇所として含まれることを示す。また、トイレ室2には、「CS1」により識別される共有空間CS1が配置箇所として含まれることを示す。
【0078】
「TB1」により識別される配置箇所であるトイレブースTB1には、「1011」により識別される便器装置1011が配置されることを示す。また、「TB2」により識別される配置箇所であるトイレブースTB2には、「1012」により識別される便器装置1012が配置されることを示す。また、「TB3」により識別される配置箇所であるトイレブースTB3には、「1013」により識別される便器装置1013が配置されることを示す。
【0079】
なお、配置情報記憶部121は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。例えば、配置情報記憶部121は、検知対象となる各使用対象のセンサデータ(検知情報)を検知するセンサ(検知部)を特定可能な情報(例えばセンサID等)を、そのセンサが検知する使用対象に対応付けて記憶してもよい。
【0080】
各トイレの使用対象の具体的な配置位置を示す情報(例えば緯度経度情報等)を、各トイレの使用対象に対応付けて記憶してもよい。例えば、各トイレ室2の具体的な配置位置を示す情報(例えば緯度経度情報等)を、各トイレ室2に対応付けて記憶してもよい。例えば、各便器装置10の具体的な配置位置を示す情報(例えば緯度経度情報等)を、各便器装置10に対応付けて記憶してもよい。例えば、配置情報記憶部121は、洗面化粧台部50が検知する情報や洗面化粧台部50の具体的な配置位置を示す情報(例えば緯度経度情報等)を、洗面化粧台部50に対応付けて記憶してもよい。
【0081】
収集情報記憶部122は、各トイレの使用対象について収集したセンサデータ等の検知情報を記憶する。収集情報記憶部122は、検知部101から受信した情報を記憶する。収集情報記憶部122は、検知部101により検知された検知情報を記憶する。例えば、収集情報記憶部122は、各トイレの使用対象の使用履歴を、各トイレの使用対象を識別する情報に対応付けて記憶する。
【0082】
例えば、収集情報記憶部122は、各トイレの使用対象が使用された日時を、各トイレの使用対象を識別する情報に対応付けて記憶する。収集情報記憶部122は、各便器装置10が使用された日時を、各便器装置10を識別する情報に対応付けて記憶する。収集情報記憶部122は、各便器装置10が配置されたトイレブースTBが使用された日時を、各トイレブースTBを識別する情報に対応付けて記憶する。収集情報記憶部122は、洗面化粧台部50が使用された日時を、洗面化粧台部50を識別する情報に対応付けて記憶する。収集情報記憶部122は、各トイレ室2が使用された日時を、各トイレ室2を識別する情報に対応付けて記憶する。
【0083】
例えば、収集情報記憶部122は、各トイレの使用対象が使用された日時、及びその使用における使用時間を、各トイレの使用対象を識別する情報に対応付けて記憶する。収集情報記憶部122は、各便器装置10が使用された日時、及びその使用における使用時間を、各便器装置10を識別する情報に対応付けて記憶する。収集情報記憶部122は、各便器装置10が配置されたトイレブースTBが使用された日時、及びその使用における使用時間を、各トイレブースTBを識別する情報に対応付けて記憶する。収集情報記憶部122は、洗面化粧台部50が使用された日時、及びその使用における使用時間を、洗面化粧台部50を識別する情報に対応付けて記憶する。収集情報記憶部122は、各トイレ室2が使用された日時、及びその使用における使用時間を、各トイレ室2を識別する情報に対応付けて記憶する。
【0084】
なお、上記は一例に過ぎず、収集情報記憶部122は、収集された様々な情報を記憶する。
【0085】
図4に戻り、説明を続ける。制御部130は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等によって、情報処理装置100内部に記憶されたプログラム(例えば、本開示に係る判定処理等の清掃タイミング判定プログラム等)がRAM等を作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、コントローラ(controller)であり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0086】
図4に示すように、制御部130は、取得部131と、判定部132と、算出部133と、通知部134とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、図4に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0087】
取得部131は、各種情報を取得する。取得部131は、記憶部120から各種情報を取得する。取得部131は、他の装置から情報を受信する。取得部131は、検知部101が収集した情報(検知情報等)を検知部101から受信する。取得部131は、トイレの使用対象について検知された検知情報を検知部101から受信する。取得部131は、トイレの使用対象に対応するセンサ等により検知された検知情報を検知部101から受信する。
【0088】
取得部131は、便器装置10について検知部101により検知された検知情報を検知部101から受信する。取得部131は、便器装置10が配置されたトイレブースTBについて検知部101により検知された検知情報を検知部101から受信する。取得部131は、洗面化粧台部50等の各共有設備について共有設備検知部により検知された検知情報を共有設備検知部から受信する。
【0089】
取得部131は、処理に用いる情報を記憶部120から取得する。取得部131は、判定処理に用いる情報を、収集情報記憶部122から取得する。取得部131は、判定対象となる便器装置10に対応する情報を、収集情報記憶部122から取得する。
【0090】
判定部132は、判定処理を行う。判定部132は、使用者による便器装置10の使用用途の判定処理を行う第1判定部として機能する。判定部132は、記憶部120に記憶された各種の情報を用いて判定処理を行う。判定部132は、取得部131により取得された各種の情報を用いて判定処理を行う。判定部132は、検知部101の検出結果に基づいて、使用者による便器装置10の使用用途を判定する。
【0091】
判定部132は、検知部101による検出結果に基づいて、使用者の使用用途が大利用または小利用の少なくとも1つを含むかを判定する。判定部132は、使用者の使用用途が判定できない場合、大利用とする。
【0092】
判定部132は、検知部101が撮像した画像に大便または小便が含まれるかを判定する。判定部132は、画像認識に関する種々の技術を用いて画像に含まれる物体を認識(識別)する。例えば、判定部132は、検知部101が撮像した画像を解析し、画像に大便が含まれるか否かを判定する。また、判定部132は、検知部101が撮像した画像を解析し、画像に小便が含まれるか否かを判定する。
【0093】
判定部132は、検知部101による検出結果に基づいて、使用者の使用用途が大利用または小利用の少なくとも1つを含むかを判定する。判定部132は、検知部101が撮像した画像に大便が含まれる場合、その画像に対応する使用者による便器装置10の使用用途が大利用であると判定する。判定部132は、検知部101が撮像した画像に小便が含まれる場合、その画像に対応する使用者による便器装置10の使用用途が小利用であると判定する。なお、判定部132は、検知部101が撮像した画像に大便及び小便の両方が含まれる場合、その画像に対応する使用者による便器装置10の使用用途が大利用及び小利用の両方であると判定する。判定部132は、検知部101が撮像した画像に大便及び小便のいずれも含まれず、その画像に対応する使用者による便器装置10の使用用途が判定できない場合、大利用であると判定する。
【0094】
判定部132は、画像以外にも様々な情報を用いて、使用者による便器装置10の使用用途を判定してもよい。例えば、判定部132は、大小洗浄操作に応じて、使用者による便器装置10の使用用途を判定してもよい。例えば、判定部132は、洗浄レバー回転量検知に応じて、使用者による便器装置10の使用用途を判定してもよい。例えば、判定部132は、お尻等の使用者の身体的部位の洗浄の利用検知に応じて、使用者による便器装置10の使用用途を判定してもよい。例えば、判定部132は、着座継続時間検知知に応じて、使用者による便器装置10の使用用途を判定してもよい。
【0095】
例えば、判定部132は、トイレットペーパーの使用量に応じて、使用者による便器装置10の使用用途を判定してもよい。判定部132は、トイレットペーパーの使用量が所定値を超える場合、その使用者による便器装置10の使用用途が大利用であると判定してもよい。判定部132は、トイレットペーパーの使用量が所定値以下である場合、その使用者による便器装置10の使用用途が小利用であると判定してもよい。
【0096】
例えば、判定部132は、臭気成分の有無、使用者による便器装置10の使用用途を判定してもよい。判定部132は、臭気を検知するガスセンサの検知による情報を用いて、使用者による便器装置10の使用用途が大利用、小利用、または大小の両方の利用のいずれであるかを判定する。判定部132は、ガスセンサにより検知された臭気成分の有無に基づいて、使用者による便器装置10の使用用途を判定してもよい。判定部132は、臭気の所定のパラメータとしてガスセンサで検知した特定の成分の有無や濃度に基づいて、使用者による便器装置10の使用用途を判定してもよい。
【0097】
なお、上記は一例に過ぎず、判定部132は、様々な情報を用いて、使用者による便器装置10の使用用途を判定してもよい。すなわち、判定部132は、使用者による便器装置10の使用用途を判定可能であれば、どのような情報を用いて使用用途の判定処理を行ってもよい。
【0098】
判定部132は、検知部101により検知された情報を用いて、判定処理を行う。判定部132は、記憶部120に記憶された情報を用いて、判定処理を行う。判定部132は、検知部101により検知された情報を用いて、画像に含まれる大便の性状を判定する。判定部132は、撮像装置により撮像された画像に含まれる大便の性状を判定する。
【0099】
判定部132は、検知部101により撮影された便を含む画像(「便画像」ともいう)に基づいて、その便画像に対応する便のタイプを判定する。判定部132は、便画像を用いて、その便画像に対応する便のタイプが、形状(単に「形」ともいう)に基づく複数段階のタイプのいずれかであるかを判定する。判定部132は、ブリストルスケールに基づいて、便のタイプを7種類に分類してもよい。例えば、判定部132は、便画像を用いて、その便画像に対応する便のタイプが、ブリストルスケールに基づくタイプ1~タイプ7のいずれかであるかを判定する。例えば、タイプ1はコロコロであり、タイプ2はカチカチ(硬い)であり、タイプ3はひび割れ(やや硬い)であり、タイプ4は普通(バナナ状)であり、タイプ5はやや軟らかであり、タイプ6は泥状であり、タイプ7は液状(水様)である。判定部132は、光学的な手法により便の形状を検知する種々の技術を適宜用いて、使用者の便のタイプ(形状)を判定する。
【0100】
判定部132は、AI(人工知能)に関する技術を用いて便のタイプを判定してもよい。例えば、判定部132は、機械学習により生成された学習モデル(タイプ判定モデル)を用いて、便のタイプを判定してもよい。この場合、タイプ判定モデルは、事前に分類判断を示す教師データにより学習される。この教師データには、便画像と、その便画像に含まれる塊(便)のタイプ(タイプ1~タイプ7のいずれか)を示すラベル(正解情報)との組合せを複数含む。例えば、タイプ判定モデルは、便画像を入力とし、入力された便画像に含まれる塊(便)のタイプを示す情報を出力するモデルである。例えば、タイプ判定モデルは、便画像が入力された場合に、入力された便画像に対応するラベル(便のタイプ)の情報を出力するように学習される。タイプ判定モデルの学習は、いわゆる教師あり学習に関する種々の手法を適宜用いて行われる。この場合、タイプ判定モデルは記憶部120に格納され、判定部132は、記憶部120に格納されたタイプ判定モデルを用いて、便のタイプを判定してもよい。例えば、情報処理装置100が学習処理を行い、タイプ判定モデルを生成してもよい。なお、上記は一例に過ぎず、判定部132は、様々な情報を適宜用いて、便のタイプを判定してもよい。
【0101】
また、判定部132は、検知部101により撮影された画像を基に大便の量を判定する。例えば、判定部132は、画像中に占める大便の面積や割合を基に大便の量を判定する。例えば、判定部132は、便量判定モデルが出力するスコアを用いて、大便の量を判定してもよい。判定部132は、画像が入力された便量判定モデルが出力するスコアが第1閾値以上、第2閾値未満である場合、大便の量を「少(小)」と判定してもよい。第2閾値は、第1閾値よりも大きい値であるものとする。また、判定部132は、画像が入力された便量判定モデルが出力するスコアが第2閾値以上、第3閾値未満である場合、大便の量を「中」と判定してもよい。第3閾値は、第2閾値よりも大きい値であるものとする。また、判定部132は、画像が入力された便量判定モデルが出力するスコアが第3閾値以上、第4閾値未満である場合、大便の量を「多(大)」と判定してもよい。第4閾値は、第3閾値よりも大きい値であるものとする。なお、上記の3段階の判定は一例に過ぎず、判定部132は、様々な情報を適宜用いて、大便の量を判定してもよい。また、上記は一例に過ぎず、判定部132は、タイプ、量以外にも、色等の様々な便性状を判定してもよい。
【0102】
算出部133は、算出処理を行う。算出部133は、記憶部120に記憶された各種の情報を用いて算出処理を行う。算出部133は、取得部131により取得された各種の情報を用いて算出処理を行う。算出部133は、判定部132により判定された便器装置10の使用用途に基づいて、便器装置10の汚れレベルを算出する。
【0103】
算出部133は、判定処理を行う。算出部133は、汚れレベルが第一所定値を超えたか否かを判定する判定処理を行う第2判定部として機能する。算出部133は、記憶部120に記憶された各種の情報を用いて判定処理を行う。算出部133は、取得部131により取得された各種の情報を用いて判定処理を行う。算出部133は、判定部132により判定された各種の情報を用いて判定処理を行う。
【0104】
算出部133は、記憶部120に記憶された閾値を用いて判定処理を行う。算出部133は、記憶部120に記憶された第一所定値を用いて判定処理を行う。算出部133は、算出した情報を用いて判定処理を行う。算出部133は、一の便器装置10に関する清掃タイミングか否かを判定する。
【0105】
算出部133は、大利用の使用回数および小利用の使用回数に基づいて、大利用の方が小利用よりも重みを大きい重み付けにより、便器装置10の汚れレベルを算出する。算出部133は、算出した汚れレベルが第一所定値を超えたか否かを判定する。算出部133は、1回の使用者の使用用途が、小利用及び大利用の両方であると判定された場合、1回の使用者の使用用途が小利用及び大利用の両方であるとして、便器装置10の汚れレベルを算出する。
【0106】
算出部133は、大便の性状により重み付け(大利用重み値)を変更する。算出部133は、便のタイプが軟便に近い程、大利用重み値の値を大きくする。算出部133は、便のタイプが軟便に近い程、第1部分スコアa1の値を大きくしてもよい。算出部133は、便の量が多い程、大利用重み値の値を大きくする。算出部133は、便の量が多い程、第1部分スコアa1の値を大きくしてもよい。
【0107】
また、算出部133は、トイレットペーパーの使用量に応じて重み付けを変更してもよい。算出部133は、トイレットペーパーの使用量が多い程、便器装置10が汚れていると判定してもよい。例えば、算出部133は、トイレットペーパーの使用量が多い程、使用者の体調が悪いと判定し、その使用者の使用による汚れレベルの増加を大きくしてもよい。算出部133は、トイレットペーパーの使用量が多い程、その使用者の使用による汚れレベルの増加の重み付けを大きくしてもよい。算出部133は、トイレットペーパーの使用量が多い程、その使用者の使用に対応する部分スコアを多くして、汚れレベルに加算してもよい。
【0108】
通知部134は、各種情報を通知する通知処理を実行する。通知部134は、外部の情報処理装置へ情報を送信することにより、通知処理を実行する。
【0109】
通知部134は、算出部133により清掃タイミングであると判定された場合、通知を行う。通知部134は、第一所定値を超えた場合に、清掃タイミングであることを通知する。通知部134は、一の便器装置10の第一所定値を超えた場合に、その一の便器装置10の清掃タイミングであることを通知する。通知部134は、一の便器装置10が使用中である場合、通知を保留し、一の便器装置10が使用中でなくなった際に、保留していた通知を行う。
【0110】
通知部134は、算出部133による判定結果に関する情報を、トイレ管理システム1を管理する管理者が利用する管理者装置へ送信する。通知部134は、算出部133による判定が清掃タイミングを示す場合、清掃タイミングと判定された便器装置10に関する情報を送信する。
【0111】
通知部134は、算出部133による判定が清掃タイミングを示す場合、清掃タイミングと判定された便器装置10を識別する情報を管理者装置へ送信する。通知部134は、算出部133による判定が清掃タイミングを示す場合、清掃タイミングと判定された便器装置10が配置される場所を示す情報を管理者装置へ送信する。なお、通知部134は、検知部101へ情報を送信してもよい。例えば、通知部134は、検知部101が収集した情報を要求する情報を検知部101へ送信する。
【0112】
<1-6.処理の流れ>
ここから、図6を用いて、清掃タイミング判定処理の処理フローについて説明する。図6は、トイレ管理システムが実行する処理の手順の一例を示すフローチャートである。具体的には、図6は、清掃タイミング判定の第1の処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0113】
トイレ管理システム1は、便器装置の使用を検出する(ステップS101)。例えば、トイレ管理システム1は、検知部101により便器装置10の使用を検出する。トイレ管理システム1は、便器装置の使用を検出していない場合(ステップS101:No)、処理を終了する。
【0114】
トイレ管理システム1は、便器装置の使用を検出した場合(ステップS101:Yes)、大/小利用の判別する(ステップS102)。例えば、トイレ管理システム1の情報処理装置100は、検知部101により撮像された画像を用いて、使用者による便器装置10の使用用途を判定する。
【0115】
トイレ管理システム1は、使用者による便器装置10の使用用途が大利用を含む場合(ステップS103:Yes)、a1を加算する(ステップS104)。例えば、トイレ管理システム1の情報処理装置100は、使用者による便器装置10の使用用途が大利用を含むと判定した場合、便器装置10の汚れレベルに第1部分スコアa1を加算する。なお、情報処理装置100は、使用者による便器装置10の使用用途が小利用も含むと判定した場合、便器装置10の汚れレベルに第2部分スコアa2も加算してもよい。この場合、情報処理装置100は、便器装置10の汚れレベルに第1部分スコアa1及び第2部分スコアa2の両方を加算する。
【0116】
トイレ管理システム1は、使用者による便器装置10の使用用途が大利用を含まず、小利用のみである場合(ステップS103:No)、a2を加算する(ステップS105)。例えば、トイレ管理システム1の情報処理装置100は、使用者による便器装置10の使用用途が小利用のみであると判定した場合、便器装置10の汚れレベルに第2部分スコアa2も加算する。
【0117】
トイレ管理システム1は、汚れレベルが第一所定値を超えたか否かを判定する(ステップS106)。例えば、トイレ管理システム1の情報処理装置100は、便器装置10の汚れレベルが第一所定値を超えたか否かを判定する。
【0118】
トイレ管理システム1は、汚れレベルが第一所定値を超えていない場合(ステップS106:No)、処理を終了する。例えば、トイレ管理システム1の情報処理装置100は、便器装置10の汚れレベルが第一所定値を超えていない場合、清掃タイミングではないと判定する。
【0119】
トイレ管理システム1は、汚れレベルが第一所定値を超えた場合(ステップS106:Yes)、清掃タイミングと判定する(ステップS107)。例えば、トイレ管理システム1の情報処理装置100は、便器装置10の汚れレベルが第一所定値を超えた場合、その便器装置10が清掃タイミングであると判定する。
【0120】
トイレ管理システム1は、清掃タイミングと通知する(ステップS108)。例えば、トイレ管理システム1の情報処理装置100は、汚れレベルが第一所定値を超えた便器装置10の清掃タイミングと通知する。
【0121】
<1-7.動的な所定値の例>
なお、上述した例は一例に過ぎず、トイレ管理システム1は、様々な情報を適宜用いて、清掃タイミングの判定及び、清掃タイミングになったことの通知等を行ってもよい。例えば、トイレ管理システム1は、清掃タイミングの判定に用いる閾値である第一所定値を時間経過に応じて動的に変更してもよい。この点について、図7を用いて説明する。図7は、所定値の変更の一例を示す図である。
【0122】
以下、図7に示す処理例について説明する、具体的には、図7では、便器装置1011を対象として、トイレ管理システム1が清掃タイミング判定を行う。すなわち、図7に示す線LN21は便器装置1011の汚れレベルを示す。なお、図2と同様の点については適宜説明を省略する。
【0123】
図7中のグラフGR21は、縦軸が便器装置1011の汚れレベルを示し、横軸が時間経過を示す。例えば、グラフGR21の原点の時間(開始時点t0)は、汚れレベルの算出の開始時点に対応する。例えば、グラフGR21の原点の時間(開始時点t0)は、清掃が完了した時点に対応し、汚れレベルがリセットされた時点に対応する。
【0124】
図7では、第一所定値FV21は、初期値が値VL21に設定される。また、図7では、便器装置1011は、開始時点t0より後の時点t20に1回目の使用が行われる。トイレ管理システム1は、時点t20から時間経過に応じて徐々に第一所定値FV21の値を低下させる。このように、第一所定値FV21は、少なくとも1回の便器装置10の利用後からは、時間経過とともに低下するように設定されている。
【0125】
図7では、第一所定値FV21の値が値VL21から低下した値VL22になった時点t21において、便器装置1011の汚れレベルが第一所定値FV21を超える。そのため、情報処理装置100は、便器装置1011の汚れレベルが第一所定値FV21を超えた時点t21において、便器装置1011の清掃タイミングであると判定する。情報処理装置100は、時点t21に便器装置1011が清掃タイミングになったと判定する。
【0126】
そして、情報処理装置100は、清掃タイミングになったと判定した場合、清掃タイミングであることを通知する。図7では、情報処理装置100は、トイレ室2を管理する管理者に、時点t21において便器装置1011が清掃タイミングになったことを通知する。
【0127】
上述した処理により、トイレ管理システム1は、1回のトイレ利用後から一定期間の間、トイレ利用がなかったとしても便器装置10への固着を考慮し、清掃タイミングを早めることでより清掃タイミングに適した時期を清掃担当者に報知できる。したがって、トイレ管理システムは、使用者の使用用途に応じて、清掃タイミングを適切に管理することができる。
【0128】
なお、上述してきた実施形態では、小利用よりも大利用の方が重み付けが重くなるように設定しているが、例えば、大便器に対し立位の姿勢で排尿されるようなシーンが多い場所では、小利用の方が大利用よりも重み付けを重く設定することも可能である。この場合、大利用重み値は小利用重み値よりも小さく設定される。例えば、大利用重み値が「1」であり、小利用重み値が「2」であってもよい。トイレ管理システム1は、小利用重み値と、小利用重み値よりも小さく設定された大利用重み値とを用いて上述した清掃タイミングの判定や通知等の処理を行ってもよい。
【0129】
なお、上述してきた各実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0130】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【0131】
上述してきた各実施形態及び変形例について、以下のような構成であってもよいが、以下には限られない。
(1)
使用者の排泄物を受けるボウルを有する便器装置と、
使用者による前記便器装置の使用用途に関する情報を検出する検出部と、
前記検出部による検出結果に基づいて、使用者の使用用途が大利用または小利用の少なくとも1つを含むかを判定する判定部と、
前記大利用の使用回数および前記小利用の使用回数に基づいて、前記大利用と前記小利用とにて異なる重み付けにより、前記便器装置の汚れレベルを算出し、算出した前記汚れレベルが第一所定値を超えたか否かを判定する算出部と、
前記第一所定値を超えた場合に、清掃タイミングであることを通知する通知部と、
を備えることを特徴とするトイレ管理システム。
(2)
前記重み付けは、前記大利用の方が前記小利用よりも重みを大きく設定した
ことを特徴とする(1)に記載のトイレ管理システム。
(3)
前記検出部は、
前記ボウル内を撮像する撮像装置であって、
前記判定部は、
前記撮像装置により撮像された画像に含まれる大便の性状を判定し、
前記算出部は、
前記大便の性状により前記重み付けを変更する
ことを特徴とする(1)または(2)に記載のトイレ管理システム。
(4)
前記検出部は、
前記ボウル内を撮像する撮像装置であって、
前記算出部は、
1回の使用者の使用用途が、前記小利用及び前記大利用の両方であると判定された場合、前記1回の使用者の使用用途が前記小利用及び前記大利用の両方であるとして、前記便器装置の前記汚れレベルを算出する
ことを特徴とする(1)~(3)のいずれか1つに記載のトイレ管理システム。
(5)
前記判定部は、
使用者の使用用途が判定できない場合、前記大利用とする
ことを特徴とする(1)~(4)のいずれか1つに記載のトイレ管理システム。
(6)
前記第一所定値は、少なくとも1回のトイレ利用後からは、時間経過とともに低下するように設定されている
ことを特徴とする(1)~(5)のいずれか1つに記載のトイレ管理システム。
【符号の説明】
【0132】
1 トイレ管理システム
2 トイレ室(トイレ空間)
10 便器装置
50 洗面化粧台部
100 情報処理装置
101 検知部(検出部)
110 通信部
120 記憶部
121 配置情報記憶部
122 収集情報記憶部
130 制御部
131 取得部
132 判定部
133 算出部
134 通知部
CS 共有空間
TB トイレブース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7