(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024033435
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】ガセット袋の封止方法
(51)【国際特許分類】
B65B 51/02 20060101AFI20240306BHJP
B65B 7/08 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
B65B51/02 D
B65B7/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022137007
(22)【出願日】2022-08-30
(71)【出願人】
【識別番号】000103932
【氏名又は名称】オリオン機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】弁理士法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】本庄 隆秋
【テーマコード(参考)】
3E049
3E094
【Fターム(参考)】
3E049AA07
3E049BA04
3E049DA06
3E049DB07
3E049EB02
3E049EC03
3E049FA07
3E094AA12
3E094BA11
3E094CA29
3E094DA06
3E094FA25
3E094HA03
(57)【要約】
【課題】ガセット袋の開口端部がすれることなく、正常に、また容易に当該開口端部を折り返して封止することができるガセット袋の封止方法を提供する。
【解決手段】ガセット袋4の封止方法は、ガセット部位6、6の外縁部25A、25Bにホットメルト系接着剤を塗布して、対向する一対のガセット部位6、6を互いに接着する第1接着ステップと、該第1接着ステップの後、開口端部5の端縁表面27にホットメルト系接着剤を塗布して、当該開口端部5を折り返して接着する第2接着ステップと、を含む。これにより、ガセット袋4の開口端部5がすれることなく、正常に、また容易に当該開口端部5を折り返して封止することができる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口端部の幅方向両側を内側に折り込んでなる、対向する一対のガセット部位を有するガセット袋の開口端部を封止する封止方法であって、
前記ガセット部位の外面の一部分に接着剤を塗布して、前記対向する一対のガセット部位を互いに接着する第1接着ステップと、
該第1接着ステップの後、前記開口端部の表面に接着剤を塗布して、当該開口端部を折り返して接着する第2接着ステップと、
を含むことを特徴とするガセット袋の封止方法。
【請求項2】
前記第2接着ステップの後、折り返して接着した折り返し部位の表面に接着剤を再び塗布して、当該折り返し部位を再び折り返して接着する第3接着ステップを含むことを特徴とする請求項1に記載のガセット袋の封止方法。
【請求項3】
前記第2接着ステップでは、前記開口端部の表面に接着剤を塗布して、当該開口端部を複数回折り返して接着することを特徴とする請求項1に記載のガセット袋の封止方法。
【請求項4】
前記第1接着ステップでは、前記ガセット部位の外面であって、当該ガセット部位を形成するためのガセット爪が接触する範囲以外の部位に前記接着剤を塗布することを特徴とする請求項1~3いずれかに記載のガセット袋の封止方法。
【請求項5】
前記第1接着ステップでは、前記ガセット部位の外縁部に前記接着剤を塗布することを特徴とする請求項1~3いずれかに記載のガセット袋の封止方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開口端部の幅方向両側を内側に折り込んでなる、対向する一対のガセット部位を有するカセット袋の開口端部を封止するための封止方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、包装袋には、開口端部の幅方向両側を内側に折り込んでなる、対向する一対のガセット部位を有するガセット袋が知られている。通常、ガセット袋は、素材としてヒートシール性に優れた合成樹脂製フィルム等が採用されており、このガセット袋の開口端部を一対のシールバーにより挟んでヒートシールすることで封止している。
【0003】
しかしながら、昨今の環境問題への意識改革として、合成樹脂材の使用量を削減する方向に進んでおり、上述した包装袋においても例外ではなく、その素材が合成樹脂製フィルムから紙に移行しつつある。そのために、従来までのヒートシールを採用することができず、新たな封止技術を採用する必要がある。
【0004】
そこで、ヒートシールを採用せずに、包装袋の開口端部を封止する従来技術として、特許文献1には、上方に向けて先端が開口する折込み代を介して充填部内に充填物が充填された包装袋を正立状態で搬送する搬送手段と、該搬送手段の途中に設けられ、前記包装袋の折込み代を該搬送手段の搬送方向に対して左,右両側から押圧し、該折込み代を搬送方向に沿って閉塞する折込み代閉塞手段と、該折込み代閉塞手段の下流側に位置して前記搬送手段の途中に設けられ、前記包装袋の充填部外周のうち左,右方向のいずれか一側に接着剤を塗布する接着剤塗布手段と、該接着剤塗布手段の下流側に位置して前記搬送手段の途中に設けられ、前記包装袋の折込み代を接着剤の塗布された方向に向け下向きに折返すように押倒し、該折込み代を前記包装袋の充填部外周に接着する折込み手段とから構成してなる包装袋の折込み装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、特許文献1の発明では、概略、包装袋の開口端部を折り返して接着する方法が採用されているが、この方法では、上述したガセット袋(紙製)の開口端部を折り返す際に、その開口端部がずれるなどして、正常に、また容易に折り返して封止することができない、という問題が発生する。このように、開口端部がずれた状態で折り返すと、完全な封止機能が損なわれると共に、外観上の見栄えも悪く商品価値が低下することになり、対策する必要がある。
【0007】
この問題を解決すべく、ガセット袋の開口端部がずれないように押えた状態で折り返す構造を採用した場合には、その構造が複雑となり高速化に対応することが困難になり、好ましくない。また、ガセット袋の開口端部の内面を接着剤により接着して折り返す構造を採用した場合には、ガセット袋内の物品に接着剤が付着する虞があり、これも好ましくない。さらに、ガセット袋の開口端部のガセット部位の外面全域を接着剤により接着して折り返す構造を採用すると、封止装置のガセット爪等により開口端部の幅方向両側にガセット部位を形成することが困難になり、これも好ましくない。
【0008】
そして、本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、ガセット袋の開口端部がすれることなく、正常に、また容易に当該開口端部を折り返して封止することができるガセット袋の封止方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明は、開口端部の幅方向両側を内側に折り込んでなる、対向する一対のガセット部位を有するガセット袋の開口端部を封止する封止方法であって、前記ガセット部位の外面の一部分に接着剤を塗布して、前記対向する一対のガセット部位を互いに接着する第1接着ステップと、該第1接着ステップの後、前記開口端部の表面に接着剤を塗布して、当該開口端部を折り返して接着する第2接着ステップと、を含むことを特徴とするものである。
請求項1の発明では、第1接着ステップにより、ガセット袋の開口端部をガセット状に折り込む際、ガセット部位の外面の一部に塗布した接着剤により、対向する一対のガセット部位を互いに接着できるので、開口端部を折り返す際に開口端部がすれるなどの問題を解消することができる。そして、第2接着ステップとして、開口端部の表面に接着剤を塗布した後、開口端部がずれることなく、正常に、また容易に当該開口端部を折り返して接着することができる。これら第1及び第2接着ステップにより、ガセット袋の開口端部は外部に露出した状態であるが、自然に開くことなく閉じた状態で保持することができる。
【0010】
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した発明において、前記第2接着ステップの後、折り返して接着した折り返し部位の表面に接着剤を再び塗布して、当該折り返し部位を再び折り返して接着する第3接着ステップを含むことを特徴とするものである。
請求項2の発明では、第3接着ステップにより、ガセット袋の開口端部を2回折り返して接着されているので、開口端部が外部に露出されることなく、該開口端部を完全に封止することができる。
【0011】
請求項3に記載した発明は、請求項1に記載した発明において、前記第2接着ステップでは、前記開口端部の表面に接着剤を塗布して、当該開口端部を複数回折り返して接着することを特徴とするものである。
請求項3の発明では、第2接着ステップにより、ガセット袋の開口端部を複数回折り返して接着されるので、第1及び第2接着ステップにより、開口端部が外部に露出されることなく、該開口端部を完全に封止することができる。
【0012】
請求項4に記載した発明は、請求項1~3いずれかに記載した発明において、前記第1接着ステップでは、前記ガセット部位の外面であって、当該ガセット部位を形成するためのガセット爪が接触する範囲以外の部位に前記接着剤を塗布することを特徴とするものである。
請求項4の発明では、ガセット袋の開口端部の幅方向両側に対向する一対のガセット部位を形成するためのガセット爪が接着剤を塗布した部位に接触することなく、スムーズに対向する一対のガセット部位を互いに接着することができる。
【0013】
請求項5に記載した発明は、請求項1~3いずれかに記載した発明において、前記第1接着ステップでは、前記ガセット部位の外縁部に前記接着剤を塗布することを特徴とするものである。
請求項5の発明では、請求項4の発明と同様に、一対のガセット部位を形成するためのガセット爪が接着剤を塗布した外縁部に接触することなく、スムーズに対向する一対のガセット部位を互いに接着することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るガセット袋の封止方法では、ガセット袋の開口端部がすれることなく、正常に、また容易に当該開口端部を折り返して封止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る封止装置に採用したガセット形成機構の斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態に係る封止装置に採用したガセット形成機構により、ガセット袋の開口端部の幅方向両側を内側に折り込んで対向する一対のガセット部位が形成される態様を段階的に示す断面図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態に係るガセット袋の封止方法を段階的に示した斜視図である。
【
図4】
図4は、本発明の他の実施形態に係るガセット袋の封止方法を段階的に示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を
図1~
図4に基づいて詳細に説明する。本発明の実施形態に係るガセット袋の封止方法は、
図2及び
図3を参照して、開口端部5の幅方向両側を内側に折り込んでなる、対向する一対のガセット部位6、6を有する紙製のガセット袋4(以下、単にガセット袋4という)の開口端部5を、ヒールシールを採用することなく封止することができるものである。当該ガセット袋4は、物品Wとして、例えば、紙おむつやナプキン等を包装するものである。本実施形態に係るガセット袋の封止方法を具現化するための封止装置は、ガセット袋4の開口端部5の幅方向両側を内側に折り込んで対向する一対のガセット部位6、6を形成するためのガセット形成機構10(
図1参照)と、ガセット袋4の開口端部5における所望位置にホットメルト系接着剤を供給するホットメルト供給装置11(
図2参照)と、ガセット袋4の開口端部5を適宜位置から複数回折り返す折り返し装置(図示略)と、を概略備えている。
【0017】
図1を参照して、ガセット形成機構10は、左右一対の上部ガセット爪12H、12Hと、左右一対の中間ガセット爪12M、12Mと、左右一対の下部ガセット爪12L、12Lと、を備えている。これら、上部ガセット爪12H、中間ガセット爪12M及び下部ガセット爪12Lは、薄厚の板材にて構成される。また、これら、上部ガセット爪12H、中間ガセット爪12M及び下部ガセット爪12Lは、ガセット袋4の長手方向(幅方向と直交する方向)に沿って延びる。
【0018】
上部ガセット爪12H、12Hは、上部であって、左右一対に配置される。下部ガセット爪12L、12Lは、下部であって、左右一対に配置される。上下一対の、上部ガセット爪12Hと、下部ガセット爪12Lとは、上下方向で重なる位置に配置される。上下一対の、上部ガセット爪12H、12Hと、下部ガセット爪12L、12Lとは、サーボモータ15、15の駆動により互いに近接・遠退自在に移動可能に構成される。
【0019】
サーボモータ15、15は、図示しない作動制御手段に電気的に接続され、作動制御手段からの信号により動作される。中間ガセット爪12M、12Mは、上部ガセット爪12Hと下部ガセット爪12Lとの間の上下方向中間位置であって、左右一対に配置される。左右一対の中間ガセット爪12M、12Mは、図示しない駆動装置の駆動により互いに近接・遠退自在に移動可能に構成される。当該駆動装置は、作動制御手段に電気的に接続され、作動制御手段からの信号により動作される。
【0020】
そして、まず、
図2(a)を参照して、左右一対の上部ガセット爪12H、12H及び左右一対の下部ガセット爪12L、12Lが、ガセット袋4の開口端部5の四隅に挿入される。すると、ガセット袋4の開口端部5が、内側から略矩形状の開口姿勢にて支持される。これと略同時に、左右一対の中間ガセット爪12M、12Mが、略矩形状にて開口された状態の開口端部5の幅方向両側であって、その上下方向中央位置近辺にそれぞれ配置される。続いて、
図2(b)を参照して、左右一対の中間ガセット爪12M、12Mが、その位置から水平方向に沿って互いに近接するようにして移動すると共に、上下一対の、上部ガセット爪12H、12Hと下部ガセット爪12L、12Lとが上下方向に沿って互いに近接するようにして、また左右一対の中間ガセット爪12M、12Mに近接する位置まで移動する。
【0021】
その結果、
図2(c)を参照して、これら、左右一対の上部ガセット爪12H、12H、左右一対の中間ガセット爪12M、12M及び左右一対の下部ガセット爪12L、12Lにより、ガセット袋4の開口端部5をガセット状に折り込むことができ、言い換えれば、開口端部5の幅方向(左右方向)両側を内側に折り込んでなる、対向する上下一対のガセット部位6、6が形成される。なお、本実施形態では、ガセット形成機構10は、左右一対の上部ガセット爪12H、12Hと、左右一対の中間ガセット爪12M、12Mと、左右一対の下部ガセット爪12L、12Lと、を備えて構成されているが、この構造に限定されることなく、他のガセット形成機構を採用してもよい。
【0022】
図2(b)を参照して、ホットメルト供給装置11は、複数の第1~第4ホットメルト供給ノズル21、22を有している(第3及び第4ホットメルト供給ノズルの図示は省略している)。各ホットメルト供給ノズル21、22は、ガセット袋4の複数の所定位置にホットメルト系接着剤をそれぞれ供給すべく所定位置に配置される。まず、
図2及び
図3を参照して、第1ホットメルト供給ノズル21は、ガセット袋4の開口端部5の幅方向両側のうち、一方の、対向する上下一対のガセット部位6、6のうちいずれか一方のガセット部位6の開口側の外縁部25A、本実施形態では、
図2(b)及び
図3(a)に示す、開口端部5の右側で下側のガセット部位6の外縁部25Aに沿う所定範囲にホットメルト系接着剤を塗布できるように構成される。また、第2ホットメルト供給ノズル22は、ガセット袋4の開口端部5の幅方向両側のうち、他方の、対向する上下一対のガセット部位6、6のうちいずれか一方のガセット部位6の開口側の外縁部25B、本実施形態では、
図2(b)及び
図3(a)に示す、開口端部5の左側で下側のガセット部位6の外縁部25Bに沿う所定範囲にホットメルト系接着剤を塗布できるように構成される。
【0023】
さらに、図示は省略するが第3ホットメルト供給ノズルは、ガセット状に折り込んで接着された開口端部5の端縁表面27(
図3(b)参照)の幅方向全域にホットメルト系接着剤を塗布できるように構成される。さらにまた、図示は省略するが第4ホットメルト供給ノズルは、開口端部5を1回折り返した後の折り返し部位8の端縁表面28(
図3(c)参照)の幅方向全域にホットメルト系接着剤を塗布するように構成される。なお、これら第1~第4ホットメルト供給ノズル21、22の移動、及び第1~第4ホットメルト供給ノズル21、22からのホットメルト系接着剤の塗布動作は、図示しない制御装置により制御される。なお、本実施形態では、ホットメルト供給装置11が第1~第4ホットメルト供給ノズル21、22を有し、これら第1~第4ホットメルト供給ノズル21、22により、上述した所望位置にホットメルト系接着剤を塗布できるように構成されているが、この構造に限定されることなく他の塗布構造を採用してもよい。
【0024】
折り返し装置は、例えば、ホットメルト系接着剤により接着された開口端部5(折り返し部位8)を折り返す際の折り返し位置を仮止めする位置決め手段と、当該開口端部5(折り返し部位8)を、前記折り返し位置を基準として上方に向かって折り曲げて直立させるプッシャ機構と、直立した開口端部5(折り返し部位8)を、前記折り返し位置を基準として折り返すべく、回転自在に支持され、前進及び後退するローラ本体を有するローラ機構と、これら位置決め手段、プッシャ機構及びローラ機構の動作を制御する制御装置と、を概略備えている。折り返り装置は、位置決め手段、プッシャ機構、ローラ機構及び制御装置がユニット化されて移動自在に構成される。当該折り返し装置の作用については後で詳述する。なお、本実施形態では、上述した折り返し装置により、ホットメルト系接着剤により接着された開口端部5を複数回折り返すように構成されているが、この折り返し装置の構造に限定されることなく、他の構造が採用された折り返し装置を採用してもよい。
【0025】
次に、上述した本実施形態に係る封止装置を使用して、ガセット袋4の開口端部5を封止する方法を
図2及び
図3に基づいて説明する。
まず、
図2(a)を参照して、ガセット袋4の開口端部5を開口する開口ステップとして、ガセット形成機構10の左右一対の上部ガセット爪12H、12H及び左右一対の下部ガセット爪12L、12Lを前進させて、ガセット袋4の開口端部5内の四隅に挿入する。すると、ガセット袋4の開口端部5が、内側から略矩形状の開口姿勢にて支持される。このとき、左右一対の中間ガセット爪12M、12Mは、略矩形状にて開口された状態の開口端部5の幅方向両側の上下方向中央位置近辺にそれぞれ配置される。続いて、この開口状態を維持して、図示しないプッシャ機構等により、物品Wがガセット袋4の開口端部5から内部に挿入される。
【0026】
次に、
図2(b)及び
図3(a)を参照して、ガセット形成機構10の左右一対の中間ガセット爪12M、12Mが、初期位置から水平方向に沿って互いに若干近接して移動すると共に、上下一対の、上部ガセット爪12H、12Hと下部ガセット爪12L、12Lとが上下方向に沿って互いに若干近接した段階で、第1接着ステップとして、ホットメルト供給装置11の第1ホットメルト供給ノズル21からのホットメルト系接着剤を、ガセット袋4の開口端部5の幅方向(左右方向)両側のうち、一方の、対向する上下一対のガセット部位6、6のうちいずれか一方のガセット部位6の開口側の外縁部25A、本実施形態では、
図2(b)及び
図3(a)に示す、開口端部5の右側で下側のガセット部位6の外縁部25Aに沿う所定範囲に塗布する。
【0027】
またこれと略同時に、ホットメルト供給装置11の第2ホットメルト供給ノズル22からのホットメルト系接着剤を、ガセット袋4の開口端部5の幅方向(左右方向)両側のうち、他方の、対向する上下一対のガセット部位6、6のうちいずれか一方のガセット部位6の開口側の外縁部25B、本実施形態では、
図2(b)及び
図3(a)に示す、開口端部5の左側で下側のガセット部位6の外縁部25Bに沿う所定範囲に塗布する。なお、
図2(a)の開口状態のときに、ホットメルト供給装置11の第1及び第2ホットメルト供給ノズル21、22からのホットメルト系接着剤を、ガセット部位6、6の外縁部25A、25Bに沿う所定範囲に塗布してもよい。要するに、
図2(a)の状態から開口端部5をガセット状に折り込む途中の適宜タイミングにて、第1及び第2ホットメルト供給ノズル21、22からのホットメルト系接着剤を、ガセット部位6、6の外縁部25A、25Bに塗布すればよい。
【0028】
また、本実施形態では、第1及び第2ホットメルト供給ノズル21、22により、ガセット袋4の開口端部5の幅方向両側に形成された、対向する上下一対のガセット部位6、6のうちいずれか一方のガセット部位6の開口側の外縁部25A、25Bにホットメルト系接着剤を塗布しているが、対向する上下一対のガセット部位6、6のうちいずれか一方または両方のガセット部位6の外面であって、ガセット形成機構10の中間ガセット爪12Mが接触する範囲以外の部位にホットメルト系接着剤を塗布すればよい。
【0029】
続いて、
図2(c)及び
図3(b)を参照して、ガセット形成機構10の左右一対の中間ガセット爪12M、12Mが、初期位置から水平方向に沿って互いに近接するようにして移動すると共に、上下一対の、上部ガセット爪12H、12Hと下部ガセット爪12L、12Lとが上下方向に沿って互いに近接するようにして、また左右一対の中間ガセット爪12M、12Mに近接する位置まで移動する。すると、ガセット袋4の開口端部5の幅方向両側を内側に折り込んでなる、対向する上下一対のガセット部位6、6がホットメルト系接着剤により互いに接着される。続いて、ガセット形成機構10の左右一対の上部ガセット爪12H、12H及び左右一対の下部ガセット爪12L、12Lが、ガセット袋4の開口端部5から外部に後退され、ガセット袋4の開口端部5は閉じた状態となる。
【0030】
次に、
図3(b)を参照して、第2接着ステップとして、ホットメルト供給装置11の第3ホットメルト供給ノズルからのホットメルト系接着剤を、第1接着ステップにてホットメルト系接着剤により接着された開口端部5の端縁表面27の幅方向全域に塗布する。続いて、折り返し装置において、制御装置からの信号により位置決め手段が動作され、第1接着ステップにてホットメルト系接着剤により接着された開口端部5を包装された物品W側に折り返すための折り返し位置を仮止めする。続いて、制御装置からの信号によりプッシャ機構が動作され、当該開口端部5を、前記折り返し位置を基準として上方に向かって折り曲げて直立させる。このとき、開口端部5の端縁表面27に塗布されたホットメルト系接着剤が、包装された物品W側を向く。
【0031】
続いて、制御装置からの信号によりローラ機構が動作され、ローラ機構のローラ本体が回転しながら直立状態の開口端部5を押し倒すように、包装された物品W側に向かって前進して、包装された物品W側に折り返す。すると、
図3(c)を参照して、第2接着ステップにて、開口端部5の端縁表面27の幅方向全域に塗布されたホットメルト系接着剤により開口端部5が袋本体に接着されて1回目の折り返しが成される。そして、第2接着ステップにより、ガセット袋4の開口端部5は外部に露出した状態であるが、自然に開くことなく閉じた状態で保持される。
【0032】
次に、
図3(c)を参照して、第3接着ステップとして、ホットメルト供給装置11の第4ホットメルト供給ノズルからのホットメルト系接着剤を、第2接着ステップにて折り返し接着された折り返し部位8の端縁表面28の幅方向全域に塗布する。続いて、制御装置からの信号により、折り返し装置が包装された物品W側に若干移動される。続いて、制御装置からの信号により折り返し装置の位置決め手段が動作され、第2接着ステップにて折り返し接着された折り返し部位8を、再び包装された物品W側に折り返すための折り返し位置を仮止めする。続いて、制御装置からの信号によりプッシャ機構が動作され、当該折り返し部位8を、再び前記折り返し位置を基準として上方に向かって折り曲げて直立させる。このとき、当該折り返し部位8の端縁表面28に塗布されたホットメルト系接着剤が、包装された物品W側を向く。
【0033】
続いて、制御装置からの信号によりローラ機構が動作され、ローラ機構のローラ本体が回転しながら直立状態の当該折り返し部位8を押し倒すように、包装された物品W側に向かって前進して、包装された物品W側に折り返す。すると、
図3(d)を参照して、第3接着ステップにて、当該折り返し部位8の端縁表面28の幅方向全域に塗布されたホットメルト系接着剤により当該折り返し部位8が袋本体に接着されて2回目の折り返しが成される。そして、第3接着ステップにより、ガセット袋4の開口端部5が外部に露出されないので、該開口端部5を完全に封止することができる。
【0034】
以上説明した本実施形態では、封止方法として、ガセット袋4の開口端部5におけるガセット部位6、6の外面であって、その開口側の外縁部25A、25Bにホットメルト系接着剤を塗布して、対向する上下一対のガセット部位6、6同士を互いに接着する、言い換えれば開口端部5をガセット状に折り込んで接着する第1接着ステップを含む。これにより、ガセット袋4の開口端部5の幅方向両側において、対向する上下一対のガセット部位6、6を互いに接着でき、その結果、開口端部5を折り返す際に開口端部5がずれるなどの現象を抑制することができる。
【0035】
また、第1接着ステップでは、ホットメルト系接着剤を、ガセット袋4の開口端部5におけるガセット部位6、6の外面であって、その開口側の外縁部25A、25Bに塗布している。これにより、対向する上下一対のガセット部位6、6を形成するためのガセット形成機構10の中間ガセット爪12Mがホットメルト系接着剤に接触する懸念もなく、また、ガセット袋4の内部にホットメルト系接着剤が混入して物品Wに付着するリスクもなく、何ら問題なく、対向する上下一対のガセット部位6、6を互いに接着することができる。
【0036】
そして、第2接着ステップにより、ガセット袋4の開口端部5の端縁表面27にホットメルト系接着剤を塗布した後、正常に、また容易に開口端部5を折り返して接着することができる。これにより、開口端部5がずれた状態を抑制できるので、完全な封止態様に容易に導くことができると共に、外観上の見栄えも良好で商品価値を向上させることができる。しかも、本実施形態に係る封止方法を採用すれば、その開口端部5を高速にて折り返して封止することができる。
【0037】
また、本実施形態では、封止方法として、第2接着ステップの後、折り返して接着した折り返し部位8の端縁表面28にホットメルト系接着剤を再び塗布して、当該折り返し部位8を再び折り返して接着する第3接着ステップを含む。これにより、ガセット袋4の開口端部5を2回折り返して接着できるので、開口端部5が外部に露出されることなく、該開口端部5を完全に封止することができる。
【0038】
なお、本実施形態では、第1接着ステップにおいて、ガセット袋4の開口端部5における対向する上下一対のガセット部位6、6の外面であって、その開口側の外縁部25A、25Bにホットメルト系接着剤を塗布して、開口端部5をガセット状に折り込んで接着しているが、ガセット部位6の外面であって、ガセット形成機構10の中間ガセット爪12Mが接触する範囲以外の部位にホットメルト系接着剤を塗布すればよく、ホットメルト塗布装置11によるホットメルト系接着剤の塗布位置の精度を過度に向上させる必要はない。
【0039】
次に、上述した本実施形態に係る封止装置を使用して、他の実施形態に係るガセット袋4の封止方法を
図4に基づいて説明する。なお、他の実施形態に係る封止方法を説明する際には、
図3に示す実施形態に係る封止方法と相違する点のみを説明する。
他の実施形態に係る封止方法では、
図4(a)、(b)に示す第1接着ステップの後、
図4(b)に示すように、第2接着ステップとして、ホットメルト供給装置11の第3ホットメルト供給ノズルからのホットメルト系接着剤を、第1接着ステップにてホットメルト系接着剤により接着された開口端部5の、包装された物品Wに近接する基部表面30(端縁側とは反対側の表面)の幅方向全域に塗布する。続いて、
図4(b)~(e)を参照して、制御装置からの信号により、折り返し装置の位置決め手段、プッシャ機構及びローラ機構を上述したように順次動作させて、第1接着ステップにてホットメルト系接着剤により接着された開口端部5を、包装された物品W側に複数回(本実施形態では3回)折り返し、最終的に、開口端部5の基部表面30に塗布されたホットメルト系接着剤により袋本体に接着する。
【0040】
そして、第1及び第2接着ステップにより、ガセット袋4の開口端部5が外部に露出されないので、該開口端部5を完全に封止することができる。なお、この実施形態では、第1接着ステップにてホットメルト系接着剤により接着された開口端部5を、包装された物品W側に3回折り返して接着しているが、最低2回折り返して接着すればよい。
【0041】
そして、
図4に示す他の実施形態に係る封止方法においても、
図3に示す実施形態に係る封止方法と同様の作用効果を奏することができる。また、
図4に示す他の実施形態に係る封止方法では、
図3に示す実施形態に係る封止方法に比べて、ガセット袋4の開口端部5の表面にホットメルト系接着剤を塗布する工程が少なく、1回で済むので、高速化することが可能となる。
【0042】
なお、本実施形態では、上述した封止装置が採用されているが、上述した本実施形態に係る封止方法を具現化することができれば、上述した封止装置に限定されるこなく、高速化等に対応すべく他の封止装置を採用してもよい。
【0043】
また、本実施形態では、紙製のガセット袋4を封止する封止方法を説明したが、紙製のガセット袋4に限らず、袋素材として布または生分解性を有するものや植物由来の不織布袋など、ヒートシールが困難、またはシール性が良くないガセット袋を封止する封止方法にも適用することができる。
【符号の説明】
【0044】
4 ガセット袋,5 開口端部,6 ガセット部位,8 折り返し部位,12M 中間ガセット爪,25A、25B 外縁部,27、28 端縁表面,30 基部表面