(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024003347
(43)【公開日】2024-01-15
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理装置及び方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/06 20230101AFI20240105BHJP
【FI】
G06Q10/06
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022102424
(22)【出願日】2022-06-27
(71)【出願人】
【識別番号】513056101
【氏名又は名称】フリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】孝橋 麻衣
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA06
(57)【要約】
【課題】ユーザのアクティビティ情報について、通常とは異なるアクティビティ情報を検知した場合に、必要に応じて通知を行う技術を提供する。
【解決手段】サービス提供システムのサーバは、その機能として、Webサービスにおけるユーザの行動を示すアクティビティ情報を、所定の期間ごとに取得するステップ(S123)と、アクティビティ情報に基づき、Webサービスにおいてユーザにより通常行う行動を示す第1行動情報を抽出してメモリ25に記憶させる(S124)と、第1行動情報に基づき、1の所定の期間について取得されたアクティビティ情報が、ユーザにより通常行う行動と異なるか否かを判定するステップと、判定の結果が、ユーザにより通常行う行動と異なる場合、ユーザに対して、1の所定の期間におけるアクティビティ情報がユーザにより通常行う行動と異なることを通知するステップと、を実行させる。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させ、事業者であるユーザに対してWebサービスを提供するためのプログラムであって、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
前記Webサービスにおける前記ユーザの行動を示すアクティビティ情報を、所定の期間ごとに取得するステップと、
前記アクティビティ情報に基づき、前記Webサービスにおいて前記ユーザにより通常行う行動を示す第1行動情報を抽出して前記メモリに記憶させるステップと、
前記第1行動情報に基づき、1の前記所定の期間について取得された前記アクティビティ情報が、前記ユーザにより通常行う行動と異なるか否かを判定するステップと、
前記判定の結果が、前記ユーザにより通常行う行動と異なる場合、前記ユーザに対して、1の前記所定の期間における前記アクティビティ情報が前記ユーザにより通常行う行動と異なることを通知するステップと、を実行させる、プログラム。
【請求項2】
前記Webサービスは、前記ユーザが会計処理を行うためのサービスを提供する会計サービスであり、
前記第1行動情報を抽出するステップにおいて、前記第1行動情報として、前記会計処理における期日の情報を抽出して前記メモリに記憶させ、
前記ユーザに対して通知するステップにおいて、前記会計処理において前記期日までに前記ユーザが前記アクティビティ情報としての所定の前記会計処理を行わない場合、前記ユーザに対して通知する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記Webサービスは、前記ユーザが人事労務処理を行うためのサービスを提供する会計サービスであり、
前記第1行動情報を抽出するステップにおいて、前記第1行動情報として、前記人事労務処理における期日の情報を抽出して前記メモリに記憶させ、
前記ユーザに対して通知するステップにおいて、前記人事労務処理において前記期日までに前記ユーザが前記アクティビティ情報としての所定の前記人事労務処理を行わない場合、前記ユーザに対して通知する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記Webサービスは、前記ユーザが取引で使用するワークフローを管理するためのサービスを提供する会計サービスであり、
前記第1行動情報を抽出するステップにおいて、前記第1行動情報として、前記ワークフローにおける期日の情報を抽出して前記メモリに記憶させ、
前記ユーザに対して通知するステップにおいて、前記ワークフローにおいて前記期日までに前記ユーザが前記アクティビティ情報としての所定の処理を行わない場合、前記ユーザに対して通知する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項5】
前記第1行動情報を抽出するステップにおいて、前記アクティビティ情報から、前記ユーザによる行動の日付、回数、または所用時間を含む情報を抽出し、前記第1行動情報に関連付けて前記メモリに記憶させる、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項6】
前記アクティビティ情報について判定するステップにおいて、前記アクティビティ情報から生成された機械学習モデルに基づき判定する、請求項5に記載のプログラム。
【請求項7】
制御部と、記憶部とを備え、事業者であるユーザに対してWebサービスを提供する情報処理装置であって、
前記制御部は、
前記Webサービスにおける前記ユーザの行動を示すアクティビティ情報を、所定の期間ごとに取得するステップと、
前記アクティビティ情報に基づき、前記Webサービスにおいて前記ユーザにより通常行う行動を示す第1行動情報を抽出して前記記憶部に記憶させるステップと、
前記第1行動情報に基づき、1の前記所定の期間について取得された前記アクティビティ情報が、前記ユーザにより通常行う行動と異なるか否かを判定するステップと、
前記判定の結果が、前記ユーザにより通常行う行動と異なる場合、前記ユーザに対して、1の前記所定の期間における前記アクティビティ情報が前記ユーザにより通常行う行動と異なることを通知するステップと、を実行する、情報処理装置。
【請求項8】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータにより実行され、事業者であるユーザに対してWebサービスを提供するための方法であって、
前記方法は、前記プロセッサが、
前記Webサービスにおける前記ユーザの行動を示すアクティビティ情報を、所定の期間ごとに取得するステップと、
前記アクティビティ情報に基づき、前記Webサービスにおいて前記ユーザにより通常行う行動を示す第1行動情報を抽出して前記メモリに記憶させるステップと、
前記第1行動情報に基づき、1の前記所定の期間について取得された前記アクティビティ情報が、前記ユーザにより通常行う行動と異なるか否かを判定するステップと、
前記判定の結果が、前記ユーザにより通常行う行動と異なる場合、前記ユーザに対して、1の前記所定の期間における前記アクティビティ情報が前記ユーザにより通常行う行動と異なることを通知するステップと、を実行する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、情報処理装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種のWebサービスにおいて、ユーザの行動に基づく情報に対して各種の通知を行うサービスが提供されている。
【0003】
企業等における勤怠情報管理システムの技術として、特許文献1には、従業員の残業時間等による異常勤怠を判定し、警告表示するシステムについての技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ユーザが通常行っている行動に基づき、ユーザの行動を示すアクティビティ情報を取得しておくことにより、当該ユーザの通常の行動とは異なるアクティビティ情報を検知した場合に通知することが可能になる。このような通知は、ユーザが行うべきアクションが漏れていた場合にリマインドとして通知することにつながり、ユーザにとって有益であるといえる。
【0006】
そこで、本開示では、ユーザのアクティビティ情報について、通常とは異なるアクティビティ情報を検知した場合に、必要に応じて通知を行う技術について説明する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一実施形態によると、プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させ、事業者であるユーザに対してWebサービスを提供するためのプログラムが提供される。プログラムは、プロセッサに、Webサービスにおけるユーザの行動を示すアクティビティ情報を、所定の期間ごとに取得するステップと、アクティビティ情報に基づき、Webサービスにおいてユーザにより通常行う行動を示す第1行動情報を抽出してメモリに記憶させるステップと、第1行動情報に基づき、1の所定の期間について取得されたアクティビティ情報が、ユーザにより通常行う行動と異なるか否かを判定するステップと、判定の結果が、ユーザにより通常行う行動と異なる場合、ユーザに対して、1の所定の期間におけるアクティビティ情報がユーザにより通常行う行動と異なることを通知するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、ユーザのアクティビティ情報を取得することにより、通常とは異なるアクティビティ情報を検知した場合に、必要に応じて通知を行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1のサービス提供システム1の全体の構成を示す図である。
【
図2】実施の形態1のサービス提供システム1を構成する端末装置10の機能的な構成を示すブロック図である。
【
図3】実施の形態1のサービス提供システム1を構成するサーバ20の機能的な構成を示す図である。
【
図4】実施の形態1のサービス提供システム1を構成するサーバ20が記憶する、アクティビティデータベース2021のデータ構造の例を示す図である。
【
図5】実施の形態1のサービス提供システム1を構成するサーバ20が記憶する、ユーザデータベース2022のデータ構造の例を示す図である。
【
図6】実施の形態1のサービス提供システム1による通常行動情報抽出処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
【
図7】実施の形態1のサービス提供システム1によるユーザ通知処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
【
図8】端末装置10に表示するユーザ通知の画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しつつ、本開示の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称及び機能も同じである。従って、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0011】
<概要>
以下、本開示に係るサービス提供システムについて説明する。本開示に係るサービス提供システムは、法人または個人事業主において、例えば会計サービス等を利用するユーザに対して、ユーザが勤務または経営する企業等の事業者に関する情報を定期的に取得し、ユーザである事業者に対して提供可能なサービスを提供するためのシステムである。企業等においては、事業を進めるに伴い発生する入出金について、適切な会計処理をする必要がある。また、事業者である企業や個人事業主の間で、商品、サービス等について発注、受注、購買等の取引を行う場合には、見積、発注、受注、納品、請求、支払のプロセスを経ることが多く、これらのプロセスごとに帳票発行等の取引処理を行う必要がある。さらに、企業等で従業者を雇用すると、給与支払や、これに伴う源泉徴収や社会保険料の支払い等の人事労務処理をする必要がある。
【0012】
本開示に係るサービス提供システムは、ユーザに対して提供可能なサービスの例として、上記のような会計処理、取引処理、及び人事労務処理を支援するサービスを提供するためのシステムである。ここで、会計処理については、ユーザの取引や購買に係る入出金の情報を取得(ユーザからの入力を受け付けてもよく、金融機関とのAPI連携により取得してもよい)して会計情報として登録(記帳)するシステムである。取引処理については、取引における見積、発注、受注、納品、請求、支払等のプロセスをワークフローとして管理し、これらのプロセスについて、作成中、待ち、確認中、承認済等のステータスの情報の更新を受け付けることで管理するシステムである。また、人事労務処理については、企業等で雇用する従業者についての勤怠情報や給与についての基本情報(いわゆる給与テーブル等)から給与計算を行い、源泉徴収や社会保険料の支払い等の処理を行うシステムである。本開示に係るサービス提供システムは、例えばクラウドサーバ等によりWebサービスとして、いわゆるSaaS(Software as a Service)によって提供されるシステムである。
【0013】
ところで、上記のような会計処理、取引処理、及び人事労務処理では、所定の期限までに処理を行う必要があるものが多い。そのため、処理を行うための期限を管理することが重要である。しかし、このような処理の期限は、一律で決まるものとは限らず、特に取引に関するものは取引相手との関係によっても異なることが多い。ただし、このような処理の期限は定期的に行う必要があるものも多く、ユーザの行動を示すアクティビティ情報を取得しておくことにより、把握することも可能である。
【0014】
そこで、本開示に係るサービス提供システムは、ユーザのアクティビティ情報を所定の期間(例えば、1ケ月)ごとに取得し、アクティビティ情報に基づき、通常とは異なるユーザの行動情報を検知した場合に、必要に応じて通知を行う。例えば、通常の月であればある期日までに行っている処理について、当月はその期日までに行っていない場合に、その旨の通知を行う。
【0015】
上記のような構成により、ユーザが通常行う処理を行っていないことを把握し、必要なアクションを取ることが可能になる。これにより、ユーザの作業漏れや(取引先等からの)アクション漏れを把握し、防止することを可能にしている。
【0016】
<実施の形態1>
以下、サービス提供システム1について説明する。以下の説明では、例えば、端末装置10がサーバ20へアクセスすることにより、サーバ20が、端末装置10で画面を生成するための情報を応答する。端末装置10は、サーバ20から受信した情報に基づいて画面を生成し表示する。
【0017】
<1 サービス提供システム1の全体構成>
図1は、実施の形態1のサービス提供システム1の全体の構成を示す図である。
図1に示すように、サービス提供システム1は、複数の端末装置(
図1では、端末装置10A及び端末装置10Bを示している。以下、総称して「端末装置10」ということもある)と、サーバ20とを含む。端末装置10とサーバ20とは、ネットワーク80を介して相互に通信可能に接続されている。ネットワーク80は、有線または無線ネットワークにより構成される。本実施形態では、サーバ20はWebサーバ(クラウドサーバを含む)であり、端末装置10との間でWebページにより情報のやり取りを行う。また、端末装置10にはWebページを閲覧するためのWebページブラウザがインストールされているが、サーバ20のサービスを提供するための専用アプリケーションがインストールされ、専用アプリケーションにより閲覧可能に構成してもよい。
【0018】
端末装置10は、各ユーザが操作する装置である。ここで、ユーザとは、端末装置10を使用してサービス提供システム1の機能である、会計処理、取引処理、または人事労務処理を行う者であり、例えば事業者である企業の担当者、または個人事業主等である。端末装置10は、据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPC等により実現される。この他、端末装置10は、例えば移動体通信システムに対応したタブレットや、スマートフォン等の携帯端末であるとしてもよい。
【0019】
端末装置10は、ネットワーク80を介してサーバ20と通信可能に接続される。端末装置10は、4G、5G、LTE(Long Term Evolution)等の通信規格に対応した無線基地局81、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11等の無線LAN(Local Area Network)規格に対応した無線LANルータ82等の通信機器と通信することにより、ネットワーク80に接続される。
図1に端末装置10Bとして示すように、端末装置10は、通信IF(Interface)12と、入力装置13と、出力装置14と、メモリ15と、記憶部16と、プロセッサ19とを備える。
【0020】
通信IF12は、端末装置10が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入力装置13は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置(例えば、キーボードや、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス等)である。出力装置14は、ユーザに対し情報を提示するための出力装置(ディスプレイ、スピーカ等)である。メモリ15は、プログラム、及び、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。記憶部16は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ19は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0021】
サーバ20は、ユーザである事業者の会計処理、取引処理、及び人事労務処理に関する各種情報を管理する装置である。サーバ20は、ユーザのアクティビティ情報を所定の期間(例えば、1ケ月)ごとに取得し、アクティビティ情報に基づいてユーザにより通常行う行動を示す行動の情報(第1行動情報)を抽出する。サーバ20は、行動の情報に基づき、ある所定の期間について取得されたアクティビティ情報が、ユーザにより通常行う行動と異なるか否かを判定する。また、サーバ20は、ユーザにより通常行う行動と異なる場合に通知する。
【0022】
サーバ20は、ネットワーク80に接続されたコンピュータである。サーバ20は、通信IF22と、入出力IF23と、メモリ25と、ストレージ26と、プロセッサ29とを備える。
【0023】
通信IF22は、サーバ20が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入出力IF23は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置、及び、ユーザに対し情報を提示するための出力装置とのインタフェースとして機能する。メモリ25は、プログラム、及び、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。ストレージ26は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ29は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0024】
<1.1 端末装置10の構成>
図2は、実施の形態1のサービス提供システム1を構成する端末装置10の機能的な構成を示すブロック図である。
図2に示すように、端末装置10は、複数のアンテナ(アンテナ111、アンテナ112)と、各アンテナに対応する無線通信部(第1無線通信部121、第2無線通信部122)と、操作受付部130(キーボード131及びマウス132を含む)と、音声処理部140と、マイク141と、スピーカ142と、ディスプレイ150と、記憶部160と、制御部170とを含む。端末装置10は、
図2では特に図示していない機能及び構成(例えば、電力を保持するためのバッテリー、バッテリーから各回路への電力の供給を制御する電力供給回路等)も有している。
図2に示すように、端末装置10に含まれる各ブロックは、バス等により電気的に接続される。
図2に示す端末装置10は、移動体通信システムに対応したタブレットや、スマートフォン等の携帯端末として説明するが、据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPCであってもよい。
【0025】
アンテナ111は、端末装置10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ111は、空間から電波を受信して受信信号を第1無線通信部121へ与える。
【0026】
アンテナ112は、端末装置10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ112は、空間から電波を受信して受信信号を第2無線通信部122へ与える。
【0027】
第1無線通信部121は、端末装置10が他の無線機器と通信するため、アンテナ111を介して信号を送受信するための変復調処理等を行う。第2無線通信部122は、端末装置10が他の無線機器と通信するため、アンテナ112を介して信号を送受信するための変復調処理等を行う。第1無線通信部121と第2無線通信部122とは、チューナー、RSSI(Received Signal Strength Indicator)算出回路、CRC(Cyclic Redundancy Check)算出回路、高周波回路等を含む通信モジュールである。第1無線通信部121と第2無線通信部122とは、端末装置10が送受信する無線信号の変復調や周波数変換を行い、受信信号を制御部170へ与える。
【0028】
操作受付部130は、ユーザの入力操作を受け付けるための機構を有する。具体的には、操作受付部130は、キーボード131と、マウス132とを含む。なお、操作受付部130は、例えば静電容量方式のタッチパネルを用いることによって、タッチパネルに対するユーザの接触位置を検出する、タッチスクリーンとして構成してもよい。
【0029】
キーボード131は、端末装置10のユーザの入力操作を受け付ける。キーボード131は、文字入力を行う装置であり、入力された文字情報を入力信号として制御部170へ出力する。
【0030】
マウス132は、端末装置10のユーザの入力操作を受け付ける。マウス132は、ディスプレイ150に表示されている表示物を選択等するためのポインティングデバイスであり、画面上で選択された位置情報と、ボタン押下されていることを示す情報とを入力信号として制御部170へ出力する。
【0031】
音声処理部140は、音声信号の変復調を行う。音声処理部140は、マイク141から与えられる信号を変調して、変調後の信号を制御部170へ与える。また、音声処理部140は、音声信号をスピーカ142へ与える。音声処理部140は、例えば音声処理用のプロセッサによって実現される。マイク141は、音声入力を受け付けて、当該音声入力に対応する音声信号を音声処理部140へ与える。スピーカ142は、音声処理部140から与えられる音声信号を音声に変換して当該音声を端末装置10の外部へ出力する。
【0032】
ディスプレイ150は、制御部170の制御に応じて、画像、動画、テキスト等のデータを表示する。ディスプレイ150は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイによって実現される。
【0033】
記憶部160は、例えばフラッシュメモリ等のメモリ15及び記憶部16により構成され、端末装置10が使用するデータ及びプログラムを記憶する。ある局面において、記憶部160は、ユーザ情報161を記憶する。
【0034】
ユーザ情報161は、端末装置10を使用して、サービス提供システム1の機能である会計処理、取引処理、または人事労務処理を行うユーザの情報である。ユーザ情報としては、ユーザを識別する情報(ユーザID)、事業者または担当者の氏名または名称、利用しているサービスの名称等の情報が含まれる。
【0035】
制御部170は、例えばプロセッサ19により構成され、記憶部160に記憶されるプログラムを読み込んで、プログラムに含まれる命令を実行することにより、端末装置10の動作を制御する。制御部170は、例えば予め端末装置10の記憶部160に格納され、インストールされているアプリケーションである図示しないプログラムに従って動作することにより、入力操作受付部171と、送受信部172と、通知制御部173と、データ処理部174としての機能を発揮する。
【0036】
入力操作受付部171は、キーボード131等の入力装置に対するユーザの入力操作を受け付ける処理を行う。
【0037】
送受信部172は、端末装置10が、サーバ20等の外部の装置と、通信プロトコルに従ってデータを送受信するための処理を行う。
【0038】
通知制御部173は、ユーザに対し情報を提示する処理を行う。通知制御部173は、表示画像をディスプレイ150に表示させる処理、音声をスピーカ142に出力させる処理等を行う。
【0039】
データ処理部174は、端末装置10が入力を受け付けたデータに対し、プログラムに従って演算を行い、演算結果をメモリ等に出力する処理を行う。
【0040】
<1.2 サーバ20の機能的な構成>
図3は、実施の形態1のサービス提供システム1を構成するサーバ20の機能的な構成を示す図である。
図3に示すように、サーバ20は、通信部201と、記憶部202と、制御部203としての機能を発揮する。
【0041】
通信部201は、サーバ20が外部の装置と通信するための処理を行う。
【0042】
記憶部202は、例えばメモリ25、ストレージ26から構成され、サーバ20が使用するデータ及びプログラムを記憶する。記憶部202は、アクティビティデータベース2021と、ユーザデータベース2022等を記憶する。
【0043】
アクティビティデータベース2021は、サービス提供システム1の管理対象である、サービス提供システム1におけるユーザの行動を示すアクティビティ情報を保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0044】
ユーザデータベース2022は、サービス提供システム1の管理対象である、サービス提供システム1におけるユーザの各種情報を保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0045】
制御部203は、サーバ20のプロセッサ29がプログラムに従って処理を行うことにより、各種モジュールとして受信制御モジュール2031、送信制御モジュール2032、サービス情報提供モジュール2033、入力受付モジュール2034、アクティビティ情報取得モジュール2035、行動情報抽出モジュール2036、アクティビティ情報判定モジュール2037、及び通知モジュール2038に示す機能を発揮する。
【0046】
受信制御モジュール2031は、サーバ20が外部の装置から通信プロトコルに従って信号を受信する処理を制御する。
【0047】
送信制御モジュール2032は、サーバ20が外部の装置に対し通信プロトコルに従って信号を送信する処理を制御する。
【0048】
サービス情報提供モジュール2033は、サービス提供システム1が提供するサービスの情報を、端末装置10へ送信してユーザに提示する処理を制御する。サービス情報提供モジュール2033が提供するサービスの情報とは、例えば、会計処理、取引処理、及び人事労務処理に関してユーザに参照させるための情報、ユーザからの入力を受け付けるための入力画面の情報である。サービスの情報の会計処理における具体例としては、ユーザの取引や購買に係る売掛金または買掛金のような入出金の予定情報や、取引や購買に係る実際の入出金の情報である。サービスの情報の取引処理における具体例としては、ユーザの取引における見積、発注、受注、納品、請求、支払等のプロセスにおいて行う作業(見積書作成、等)の予定情報やステータス情報である。サービスの情報の人事労務処理における具体例としては、従業者についての勤怠情報や給与についての基本情報(いわゆる給与テーブル等)、源泉徴収や社会保険料の支払いに必要な情報である。
【0049】
入力受付モジュール2034は、サービス情報提供モジュール2033が提供するサービスの情報について、ユーザによる端末装置10の操作により、各種処理を行うための入力情報を受け付ける処理を制御する。入力受付モジュール2034が受け付ける入力情報とは、例えば、会計処理、取引処理、及び人事労務処理に関してユーザから受け付ける入力情報である。入力情報の会計処理における具体例としては、サービスの情報と同様に、ユーザの取引や購買に係る売掛金または買掛金のような入出金の予定情報や、取引や購買に係る実際の入出金の情報である。入力情報の取引処理における具体例としては、サービスの情報と同様に、ユーザの取引における見積、発注、受注、納品、請求、支払等のプロセスにおいて行う作業(見積書作成、等)の予定情報やステータス情報である。入力情報の人事労務処理における具体例としては、従業者についての給与金額、源泉徴収税額や社会保険料の情報である。
【0050】
アクティビティ情報取得モジュール2035は、サービス提供システム1が提供するWebサービスにおけるユーザの行動を示すアクティビティ情報を、所定の期間(例えば、1ケ月)ごとに取得する処理を制御する。アクティビティ情報取得モジュール2035が取得するアクティビティ情報は、例えば、サービス情報提供モジュール2033が提供するサービス(例えば、会計処理、取引処理、及び人事労務処理)を選択する操作情報、サービス情報を参照したことを示す情報、入力受付モジュール2034が受け付けた入力情報である。
【0051】
アクティビティ情報取得モジュール2035は、アクティビティ情報として、例えば、会計処理、取引処理、及び人事労務処理等を行うWebページの参照情報を、当該Webページにアクセスしたことを示すアクセスログや、当該WebページのHTMLファイルにトラッキングコードを埋め込むことにより取得するトラッキングログ等から取得してもよい。アクティビティ情報取得モジュール2035は、アクティビティ情報として、例えば、会計処理、取引処理、及び人事労務処理等を行うための表示情報を、当該Webページに対するスクレイピング処理により取得してもよい。また、アクティビティ情報取得モジュール2035は、アクティビティ情報として、例えば、会計処理、取引処理、及び人事労務処理等を行うための入力情報を、当該Webページからの送信情報を示すHTMLタグに関連付けられた情報より取得してもよい。
【0052】
アクティビティ情報取得モジュール2035は、取得したアクティビティ情報を、アクティビティデータベース2021に登録して記憶させる。
【0053】
行動情報抽出モジュール2036は、アクティビティ情報取得モジュール2035が取得したアクティビティ情報に基づき、サービス提供システム1が提供するWebサービスにおいてユーザにより通常行う行動を示す行動の情報(第1行動情報)を抽出し、メモリに記憶させる処理を制御する。行動情報抽出モジュール2036が取得するユーザの行動の情報は、例えば、アクティビティ情報から推測される、ユーザが会計処理、取引処理、及び人事労務処理等において通常行う行動の情報である。行動情報抽出モジュール2036は、例えば、アクティビティ情報から、ユーザによる行動の日付、回数、または所用時間を含む情報を抽出する。
【0054】
行動情報抽出モジュール2036が抽出するユーザの行動の情報とは、例えば、会計処理における期日の情報、取引処理のワークフローにおける期日の情報、人事労務処理における期日の情報である。ここで、期日の情報とは、あるアクティビティ情報から所定の期間以内の期日(例えば、納品後5営業日以内、等)であってもよく、所定の期間内における固定の期日(例えば、毎月25日の2営業日前、等)であってもよく、所定の期間内における固定の日(例えば、毎月25日、等)であってもよい。
【0055】
行動情報抽出モジュール2036は、抽出したユーザの行動の情報を、ユーザデータベース2022に登録して記憶させる。
【0056】
アクティビティ情報判定モジュール2037は、行動情報抽出モジュール2036が抽出したユーザの行動の情報(第1行動情報)に基づき、アクティビティ情報取得モジュール2035により1の所定の期間(例えば、1ケ月)について取得されたアクティビティ情報が、ユーザにより通常行う行動と異なるか否かを判定する処理を制御する。アクティビティ情報判定モジュール2037は、例えば、取得されたアクティビティ情報に、行動情報抽出モジュール2036が抽出したユーザの行動の情報が含まれているか、期日までに行われているか、により判定する。
【0057】
アクティビティ情報判定モジュール2037は、具体的には、ユーザの行動の情報における会計処理の期日までに、仕訳に対する処理が行われているか否か(例えば、売掛金または買掛金に対する入出金があるか否か)、により判定し、入出金がない場合に通常行う行動と異なると判定する。アクティビティ情報判定モジュール2037は、具体的には、ユーザの行動の情報における取引処理のワークフローの期日までに、各プロセスにおいて行う作業(見積書作成、等)が行われているか否か(例えば、ステータス情報に、見積書作成が行われて取引相手に送信されている情報更新があるか否か)、により判定し、情報更新がない場合に通常行う行動と異なると判定する。また、アクティビティ情報判定モジュール2037は、具体的には、ユーザの行動の情報における人事労務処理の期日までに、給与明細書作成等の処理が行われているか否か、により判定し、処理が行われていない場合に通常行う行動と異なると判定する。
【0058】
アクティビティ情報判定モジュール2037は、上記の判定を、アクティビティ情報から抽出したユーザの行動の情報から生成された機械学習モデルに基づき判定してもよい。この機械学習モデルは、制御部203の機能として行われた機械学習により生成してもよく、他の装置により機械学習が行われた結果生成された機械学習モデルを取得してもよい。機械学習モデルを生成するために行われる機械学習は、所定の教師データを使用した教師あり機械学習により行われてもよく、教師なし機械学習により行われてもよく、ディープラーニングにより行われてもよい。さらに、機械学習モデルによる評価結果を、後にユーザの入力による結果と対比し、さらなる機械学習による学習結果をマージするアグリゲーション処理を行ってもよい。
【0059】
通知モジュール2038は、アクティビティ情報判定モジュール2037による判定の結果が、ユーザによる通常行う行動と異なると判定された場合、当該ユーザに対して、1の所定の期間におけるアクティビティ情報がユーザによる通常行う行動と異なることを通知する処理を制御する。
【0060】
通知モジュール2038は、上記の通知を、サービス提供システム1の表示画面上に表示させることで行ってもよく、ユーザの連絡先として登録されているメールアドレスにメールを送信することにより行ってもよく、各種メッセージサービスにメッセージを送信することにより行ってもよい。
【0061】
<2 データ構造>
図4は、実施の形態1のサービス提供システム1を構成するサーバ20が記憶する、アクティビティデータベース2021のデータ構造の例を示す図である。また、
図5は、実施の形態1のサービス提供システム1を構成するサーバ20が記憶する、ユーザデータベース2022のデータ構造の例を示す図である。
【0062】
図4に示すように、アクティビティデータベース2021のレコードのそれぞれは、項目「ユーザID」と、項目「ユーザ名」と、項目「利用サービス」と、項目「アクティビティ情報」等を含む。
【0063】
項目「ユーザID」は、サービス提供システム1の管理対象である、事業者や担当者等のユーザそれぞれを識別する情報である。
【0064】
項目「ユーザ名」は、サービス提供システム1の管理対象である、事業者や担当者等のユーザの氏名または名称である。
【0065】
項目「利用サービス」は、サービス提供システム1の管理対象である、事業者や担当者等のユーザがサービス提供システム1にて利用しているサービスの名称である。なお、
図4に示す例における「取引PF」は、取引処理を行うためのサービスを提供する取引プラットフォームを示している。
【0066】
項目「アクティビティ情報」は、サービス提供システム1の管理対象であるユーザの行動を示すアクティビティ情報であり、具体的には、項目「日付」と、項目「時刻」と、項目「アクティビティ」等を含む。項目「アクティビティ情報」には、項目「ユーザID」が識別するユーザに紐づけて、当該ユーザのアクティビティ情報が、例えば時系列で格納されている。
【0067】
項目「日付」は、ユーザが当該アクティビティ情報の行動をした日付である。
【0068】
項目「時刻」は、ユーザが当該アクティビティ情報の行動をした時刻である。
【0069】
項目「アクティビティ」は、ユーザによる当該アクティビティ情報の内容を示す情報である。具体的には、サービス提供システム1が提供するWebサービスの例である会計処理、取引処理、または人事労務処理を選択する操作情報、サービス情報を参照したことを示す情報、または入力情報の内容を示す情報が格納されている。項目「アクティビティ」には、例えば
図4に示すように、「□〇社向け納品書作成」のようなユーザによるアクティビティの内容が格納されている。
【0070】
サーバ20のアクティビティ情報取得モジュール2035は、アクティビティ情報を所定の期間(例えば、1ケ月)ごとに取得することに伴って、アクティビティデータベース2021の項目「アクティビティ情報」のレコードを追加する。
【0071】
図5に示すように、ユーザデータベース2022のレコードのそれぞれは、項目「ユーザID」と、項目「ユーザ名」と、項目「利用サービス」と、項目「ユーザ通常行動情報」等を含む。
【0072】
項目「ユーザID」は、サービス提供システム1の管理対象である、事業者や担当者等のユーザそれぞれを識別する情報であり、アクティビティデータベース2021の項目「ユーザID」に対応している。
【0073】
項目「ユーザ名」は、サービス提供システム1の管理対象である、事業者や担当者等のユーザの氏名または名称であり、アクティビティデータベース2021の項目「ユーザ名」に対応している。
【0074】
項目「利用サービス」は、サービス提供システム1の管理対象である、事業者や担当者等のユーザがサービス提供システム1にて利用しているサービスの名称であり、アクティビティデータベース2021の項目「利用サービス」に対応している。
【0075】
項目「ユーザ通常行動情報」は、サービス提供システム1の管理対象であるユーザが通常行う行動の情報(第1行動情報)であり、具体的には、項目「期日」と、項目「次回日付」と、項目「行動情報」等を含む。項目「ユーザ通常行動情報」には、項目「ユーザID」が識別するユーザに紐づけて、当該ユーザの行動の情報が1または複数格納されている。
【0076】
項目「期日」は、ユーザが通常行う行動の情報として格納されている行動(処理)の期日である。項目「期日」には、例えば
図5に示すように、「納品済情報取得後5営業日以内」のようなユーザの行動の具体的な期日(条件)の内容が格納されている。
【0077】
項目「次回日付」は、項目「期日」の条件による、ユーザが通常行う行動を次に行う次回期日の情報である。
【0078】
項目「行動情報」は、ユーザが通常行う行動の内容を示す情報である。具体的には、サービス提供システム1が提供するWebサービスの例である会計処理、取引処理、または人事労務処理において通常行う行動の情報が格納されている。項目「行動情報」には、例えば
図5に示すように、「□〇社向け納品書作成」のようなユーザによる行動の情報の内容が格納されている。
【0079】
サーバ20の行動情報抽出モジュール2036は、ユーザの行動の情報を抽出することに伴って、ユーザデータベース2022の項目「ユーザ通常行動情報」にレコードを追加する。
【0080】
<3 動作>
以下、
図6及び
図7を参照しながら、実施の形態1におけるサービス提供システム1による通常行動情報抽出処理及びユーザ通知処理について説明する。
【0081】
図6は、実施の形態1のサービス提供システム1による通常行動情報抽出処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
【0082】
ステップS111において、端末装置10の入力操作受付部171は、ユーザから、サービス提供システム1のサービスを利用するために必要な認証を行うためのユーザID及びパスワードを入力する操作を受け付ける。送受信部172は、受け付けたユーザID及びパスワード、及びユーザ情報をサーバ20へ送信する。端末装置10の送受信部172は、サーバ20から送信された認証完了の情報と、サービス画面の表示情報とを受け付ける。通知制御部173は、受け付けたサービス画面の表示情報を、ディスプレイ150に表示させる。
【0083】
ステップS121において、サーバ20は、ユーザID及びパスワードを、通信部201を介して受け付けて当該ユーザのユーザID及びパスワードが正当であることを確認し、所定の認証を行う。正当である場合、サーバ20は認証完了の情報を、サーバ20のサービス情報提供モジュール2033は、サービス画面の表示情報を、それぞれ端末装置10へ通信部201を介して送信する。
【0084】
ステップS112において、端末装置10の入力操作受付部171は、ディスプレイ150に表示されているサービス画面からのユーザによる操作により、本実施形態の例である、会計処理、取引処理、または人事労務処理を選択する入力、各処理における対象の情報(取引情報、従業者情報等)を選択する入力等を受け付ける。送受信部172は、入力された情報を、サーバ20へ送信する。端末装置10の送受信部172は、サーバ20から送信されたサービス内容(対象処理、対象情報)の表示情報を受け付ける。通知制御部173は、受け付けたサービス内容の表示情報を、ディスプレイ150に表示させる。
【0085】
ステップS122において、サーバ20の入力受付モジュール2034は、端末装置10から送信された処理を選択する入力、各処理における対象の情報等を、通信部201を介して受け付ける。サービス情報提供モジュール2033は、受け付けた処理を選択する入力、各処理における対象の情報等によるサービス内容(対象処理、対象情報)の表示情報を、端末装置10へ通信部201を介して送信する。
【0086】
ステップS123において、サーバ20のアクティビティ情報取得モジュール2035は、サービス提供システム1が提供するWebサービスにおけるユーザの行動を示すアクティビティ情報を、所定の期間(例えば、1ケ月)ごとに取得する。ステップS123では、例えば、ステップS122で受け付けたサービス(例えば、会計処理、取引処理、及び人事労務処理)を選択する操作情報、サービス情報を参照したことを示す情報、入力情報を取得する。
【0087】
また、ステップS123において、サーバ20のアクティビティ情報取得モジュール2035は、取得したアクティビティ情報を、アクティビティデータベース2021に登録して記憶させる。
【0088】
例えば、ステップS123では、
図4に示すアクティビティデータベース2021に格納されている例のように、ユーザのアクティビティ情報を、当該アクティビティ情報の日付及び時刻とともに取得し、項目「日付」に当該アクティビティ情報の日付を、項目「時刻」に当該アクティビティ情報の時刻を、項目「アクティビティ」に当該アクティビティ情報の内容を示す情報が格納される。
【0089】
ステップS124において、サーバ20の行動情報抽出モジュール2036は、ステップS123で取得したアクティビティ情報に基づき、サービス提供システム1が提供するWebサービスにおいてユーザにより通常行う行動を示す行動の情報(第1行動情報)を抽出する。ステップS124では、例えば、アクティビティ情報から推測される、ユーザが会計処理、取引処理、及び人事労務処理等において通常行う行動の情報を抽出する。
【0090】
また、ステップS124において、サーバ20の行動情報抽出モジュール2036は、抽出したユーザの行動の情報を、ユーザデータベース2022に登録して記憶させる。
【0091】
例えば、ステップS124では、
図5に示すユーザデータベース2022に格納されている例のように、ユーザの行動の情報を、当該行動の情報の期日及び次回日付とともに抽出し、項目「期日」に当該行動の情報の期日を、項目「次回日付」に当該行動の情報の次回日付を、項目「行動情報」に当該行動の情報の内容を示す情報が格納される。
【0092】
ステップS124の具体例を以下に説明する。ユーザは、
図4に示すアクティビティデータベース2021の項目「ユーザID」が「#0102」のように、(給与支給日が毎月25日であるとして)給与支給日の2営業日前である、項目「日付」が「2022/7/21」、「2022/8/23」において、項目「アクティビティ」に示すように給与明細の発行を行っている。この情報から、行動情報抽出モジュール2036が推測を行い、
図5に示すユーザデータベース2022の項目「ユーザID」が「#0102」のように、項目「期日」に「毎月25日の2営業日前」と格納し、この期日までに、項目「行動情報」に「自社給与明細発行」と格納し、ユーザ「#0102」が給与明細の発行を行う旨の情報を記憶させる。
【0093】
以上のように、サービス提供システム1では、ユーザのアクティビティ情報を所定の期間(例えば、1ケ月)ごとに取得し、アクティビティ情報に基づき、ユーザが通常行う行動を示す行動の情報(第1行動情報)を抽出する。この情報は、ユーザのある所定の期間(例えば、1ケ月)について取得されたアクティビティ情報が、ユーザにより通常行う行動と異なるか否かを判定するために使用される。
【0094】
図7は、実施の形態1のサービス提供システム1によるユーザ通知処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
【0095】
ステップS221において、サーバ20のアクティビティ情報判定モジュール2037は、ステップS124で抽出したユーザの行動の情報(第1行動情報)に基づき、ステップS123で1の所定の期間(例えば、1ケ月)について取得されたアクティビティ情報が、ユーザにより通常行う行動と異なるか否かを判定する。
【0096】
例えば、ステップS221では、所定の期間(例えば、1ケ月)について取得されたアクティビティ情報に、ユーザデータベース2022に登録されている当該ユーザの行動の情報が含まれているか、期日までに行われているかを判定し、当該行動の情報がない場合に通常行う行動と異なると判定する。
【0097】
ステップS222において、サーバ20の通知モジュール2038は、ステップS221における判定の結果が、ユーザによる通常行う行動と異なると判定された場合、当該ユーザに対して、1の所定の期間におけるアクティビティ情報がユーザによる通常行う行動と異なることを通知する。通知モジュール2038は、通知情報を、端末装置10へ通信部201を介して送信する。
【0098】
ステップS212において、端末装置10の送受信部172は、サーバ20から送信された通知情報を受け付ける。通知制御部173は、受け付けた通知情報を、ディスプレイ150に表示させる。
【0099】
以上のように、サービス提供システム1では、抽出したユーザの行動の情報(第1行動情報)に基づき、1の所定の期間(例えば、1ケ月)について取得されたアクティビティ情報が、ユーザが通常行う行動と異なるか否かを判定する。判定結果が異なる場合、当該ユーザに対して、1の所定の期間におけるアクティビティ情報がユーザによる通常行う行動と異なることを通知する。例えば、通常の月であればある期日までに行っている処理について、当月はその期日までに行っていない場合に、その旨の通知を行う。これにより、ユーザが通常行う処理を行っていないことを把握し、必要なアクションを取ることが可能になる。
【0100】
<4 画面例>
以下、
図8を参照しながら、サービス提供システム1によるユーザ通知の画面例について説明する。
【0101】
図8は、端末装置10に表示するユーザ通知の画面例を示す図である。
図8の画面例は、ユーザからの端末装置10の操作により、サーバ20の通知モジュール2038が通知した、1の所定の期間におけるアクティビティ情報がユーザによる通常行う行動と異なることが通知された状態の画面例を示す。
図7のステップS212に相当する。
【0102】
図8に示すように、端末装置10のディスプレイ150には、アクティビティ情報がユーザによる通常行う行動と異なること、具体的には期日までの処理がなされていない(未処理)ことを通知するメッセージ表示欄1031aと、当該メッセージの対象を示す取引概要表示欄1031bと、取引詳細表示欄1031cとが表示されている。
【0103】
メッセージ表示欄1031aには、例えば、
図5に示すユーザデータベース2022の項目「ユーザID」が「#0101」のように、項目「期日」に「納品済情報取得後5営業日以内」と格納されている場合において、5営業日以内に納品書を作成していない場合の通知の例として、「以下の取引の納品書が未作成です!」と表示されている。これにより、ユーザが通常行う処理を行っていないことを把握し、必要なアクションを取ることが可能になる。
【0104】
<小括>
以上のように、本実施形態によると、ユーザのアクティビティ情報を所定の期間(例えば、1ケ月)ごとに取得し、アクティビティ情報に基づき、ユーザが通常行う行動を示す行動の情報(第1行動情報)を抽出する。そして、抽出したユーザの行動の情報(第1行動情報)に基づき、1の所定の期間(例えば、1ケ月)について取得されたアクティビティ情報が、ユーザが通常行う行動と異なるか否かを判定する。判定結果が異なる場合、当該ユーザに対して、1の所定の期間におけるアクティビティ情報がユーザによる通常行う行動と異なることを通知する。そのため、ユーザが通常行う処理を行っていないことを把握し、必要なアクションを取ることが可能になる。これにより、ユーザの作業漏れや(取引先等からの)アクション漏れを把握し、防止することが可能になる。
【0105】
以上、開示に係る実施形態について説明したが、これらはその他の様々な形態で実施することが可能であり、種々の省略、置換及び変更を行なって実施することができる。これらの実施形態及び変形例ならびに省略、置換及び変更を行なったものは、特許請求の範囲の技術的範囲とその均等の範囲に含まれる。
【0106】
<付記>
以上の各実施形態で説明した事項を、以下に付記する。
【0107】
(付記1)プロセッサ29と、メモリ25とを備えるコンピュータに実行させ、事業者であるユーザに対してWebサービスを提供するためのプログラムであって、プログラムは、プロセッサ29に、Webサービスにおけるユーザの行動を示すアクティビティ情報を、所定の期間ごとに取得するステップ(S123)と、アクティビティ情報に基づき、Webサービスにおいてユーザにより通常行う行動を示す第1行動情報を抽出してメモリ25に記憶させる(S124)と、第1行動情報に基づき、1の所定の期間について取得されたアクティビティ情報が、ユーザにより通常行う行動と異なるか否かを判定するステップ(S221)と、判定の結果が、ユーザにより通常行う行動と異なる場合、ユーザに対して、1の所定の期間におけるアクティビティ情報がユーザにより通常行う行動と異なることを通知するステップ(S222)と、を実行させる、プログラム。
【0108】
(付記2)Webサービスは、ユーザが会計処理を行うためのサービスを提供する会計サービスであり、第1行動情報を抽出するステップにおいて、第1行動情報として、会計処理における期日の情報を抽出してメモリに記憶させ、ユーザに対して通知するステップにおいて、会計処理において期日までにユーザがアクティビティ情報としての所定の会計処理を行わない場合、ユーザに対して通知する、(付記1)に記載のプログラム。
【0109】
(付記3)Webサービスは、ユーザが人事労務処理を行うためのサービスを提供する会計サービスであり、第1行動情報を抽出するステップにおいて、第1行動情報として、人事労務処理における期日の情報を抽出してメモリに記憶させ、ユーザに対して通知するステップにおいて、人事労務処理において期日までにユーザがアクティビティ情報としての所定の人事労務処理を行わない場合、ユーザに対して通知する、(付記1)に記載のプログラム。
【0110】
(付記4)Webサービスは、ユーザが取引で使用するワークフローを管理するためのサービスを提供する会計サービスであり、第1行動情報を抽出するステップにおいて、第1行動情報として、ワークフローにおける期日の情報を抽出してメモリに記憶させ、ユーザに対して通知するステップにおいて、ワークフローにおいて期日までにユーザがアクティビティ情報としての所定の処理を行わない場合、ユーザに対して通知する、(付記1)に記載のプログラム。
【0111】
(付記5)第1行動情報を抽出するステップにおいて、アクティビティ情報から、ユーザによる行動の日付、回数、または所用時間を含む情報を抽出し、第1行動情報に関連付けてメモリ25に記憶させる、(付記1)から(付記4)のいずれかに記載のプログラム。
【0112】
(付記6)アクティビティ情報について判定するステップにおいて、アクティビティ情報から生成された機械学習モデルに基づき判定する、(付記5)に記載のプログラム。
【0113】
(付記7)制御部203と、記憶部202とを備え、事業者であるユーザに対してWebサービスを提供する情報処理装置であって、制御部203は、Webサービスにおけるユーザの行動を示すアクティビティ情報を、所定の期間ごとに取得するステップ(S123)と、アクティビティ情報に基づき、Webサービスにおいてユーザにより通常行う行動を示す第1行動情報を抽出してメモリ25に記憶させる(S124)と、第1行動情報に基づき、1の所定の期間について取得されたアクティビティ情報が、ユーザにより通常行う行動と異なるか否かを判定するステップ(S221)と、判定の結果が、ユーザにより通常行う行動と異なる場合、ユーザに対して、1の所定の期間におけるアクティビティ情報がユーザにより通常行う行動と異なることを通知するステップ(S222)と、を実行する、情報処理装置。
【0114】
(付記8)プロセッサ29と、メモリ25とを備えるコンピュータにより実行され、事業者であるユーザに対してWebサービスを提供するための方法であって、方法は、プロセッサ29が、Webサービスにおけるユーザの行動を示すアクティビティ情報を、所定の期間ごとに取得するステップ(S123)と、アクティビティ情報に基づき、Webサービスにおいてユーザにより通常行う行動を示す第1行動情報を抽出してメモリ25に記憶させる(S124)と、第1行動情報に基づき、1の所定の期間について取得されたアクティビティ情報が、ユーザにより通常行う行動と異なるか否かを判定するステップ(S221)と、判定の結果が、ユーザにより通常行う行動と異なる場合、ユーザに対して、1の所定の期間におけるアクティビティ情報がユーザにより通常行う行動と異なることを通知するステップ(S222)と、を実行する、方法。
【符号の説明】
【0115】
1 :サービス提供システム
10 :端末装置
10A :端末装置
10B :端末装置
13 :入力装置
14 :出力装置
15 :メモリ
16 :記憶部
19 :プロセッサ
20 :サーバ
25 :メモリ
26 :ストレージ
29 :プロセッサ
80 :ネットワーク
81 :無線基地局
82 :無線LANルータ
111 :アンテナ
112 :アンテナ
121 :第1無線通信部
122 :第2無線通信部
130 :操作受付部
131 :キーボード
132 :マウス
140 :音声処理部
141 :マイク
142 :スピーカ
150 :ディスプレイ
160 :記憶部
161 :ユーザ情報
170 :制御部
171 :入力操作受付部
172 :送受信部
173 :通知制御部
174 :データ処理部
201 :通信部
202 :記憶部
203 :制御部
2021 :アクティビティデータベース
2022 :ユーザデータベース
2031 :受信制御モジュール
2032 :送信制御モジュール
2033 :サービス情報提供モジュール
2034 :入力受付モジュール
2035 :アクティビティ情報取得モジュール
2036 :行動情報抽出モジュール
2037 :アクティビティ情報判定モジュール
2038 :通知モジュール