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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024033527
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】圧電発振器
(51)【国際特許分類】
   H03B 5/32 20060101AFI20240306BHJP
【FI】
H03B5/32 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022137151
(22)【出願日】2022-08-30
(71)【出願人】
【識別番号】000149734
【氏名又は名称】株式会社大真空
(74)【代理人】
【識別番号】100105980
【弁理士】
【氏名又は名称】梁瀬 右司
(74)【代理人】
【識別番号】100121027
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100178995
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 陽介
(72)【発明者】
【氏名】岡前 裕基
【テーマコード(参考)】
5J079
【Fターム(参考)】
5J079AA04
5J079BA43
5J079FA01
5J079FA19
5J079FB43
5J079HA03
5J079HA07
5J079HA25
(57)【要約】
【課題】集積回路を搭載する搭載主面の面積の増大を抑えつつ、搭載主面に集積回路の搭載可能箇所を複数有する圧電発振器を提供する。
【解決手段】圧電発振器1は、ICチップ20が搭載される搭載主面11a1には第1~第6の配線パターン71~76が設けられており、配線パターン71,72,75、76はそれぞれ搭載主面11a1上で互いに接続された一方の搭載部71a,72a,75a、76aと他方の搭載部71b,72b,75b、76bとを備え、配線パターン73,74はそれぞれ搭載主面11a1上では互いに接続されず他の面を介して接続された一方の搭載部73a,74aと他方の搭載部73b,74bとを備え、搭載主面11a1には一方の搭載部71a~76aが配置された第1のIC搭載部13aと、他方の搭載部71b~76bが配置された第2のIC搭載部13bとが設けられている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電素子と、
搭載主面に搭載される発振回路用の集積回路と
を具備し、
前記搭載主面に形成された前記集積回路の搭載部を有する配線パターンが形成されている
圧電発振器であって、
前記配線パターンは、複数の連続配線パターンと、1以上の離隔配線パターンとを有し、
前記複数の連続配線パターンの各々は、離隔した2か所に搭載部を有し、当該2か所の搭載部は、前記搭載主面上で接続し、
前記1以上の離隔配線パターンの各々は、離隔した2か所に搭載部を有し、当該2か所の搭載部を前記搭載主面とは異なる他の面を介して接続し、
前記搭載主面には、
当該搭載主面の一の端部寄りの一の領域内に、前記複数の連続配線パターンの各々の一方の搭載部と、前記1以上の離隔配線パターンの各々の一方の搭載部が配置された一の集積回路搭載部と、
当該搭載主面の他の端部寄りの他の領域内に、前記複数の連続配線パターンの各々の他方の搭載部と、前記1以上の離隔配線パターンの各々の他方の搭載部が配置された他の集積回路搭載部と
が設けられていることを特徴とする圧電発振器。
【請求項2】
前記搭載主面は当該搭載主面に対して垂直方向から見た平面視において略矩形状を有しており、
前記複数の連続配線パターンには、
前記一方の搭載部である第1の搭載部と前記他方の搭載部である第2の搭載部とを有する第1の連続配線パターンと、
前記一方の搭載部である第3の搭載部と前記他方の搭載部である第4の搭載部とを有する第2の連続配線パターンと
が含まれており、
前記第1の連続配線パターンの少なくとも一部、および、前記第2の連続配線パターンの少なくとも一部を、互いに前記搭載主面上の当該搭載主面の一の対角の位置関係にある一方の領域、および、他方の領域に配置し、
前記1以上の離隔配線パターンには、
前記一方の搭載部である第5の搭載部と前記他方の搭載部である第6の搭載部とを有する第1の離隔配線パターン
が含まれており、
前記第1の離隔配線パターンのうちの前記第5の搭載部側の少なくとも一部、および、前記第6の搭載部側の少なくとも一部を、互いに前記搭載主面上の当該搭載主面の他の対角の位置関係にある一方の領域、および、他方の領域に配置する
ことを特徴とする請求項1に記載の圧電発振器。
【請求項3】
前記複数の連続配線パターンの各々の一方の搭載部、および、前記1以上の離隔配線パターンの各々の一方の搭載部のうち、隣り合う搭載部の配置間隔と、前記複数の連続配線パターンの各々の他方の搭載部、および、前記1以上の離隔配線パターンの各々の他方の搭載部のうち、隣り合う搭載部の配置間隔とを異ならせる、もしくは、前記複数の連続配線パターンの各々の一方の搭載部、および、前記1以上の離隔配線パターンの各々の一方の搭載部の機能の並びと、前記複数の連続配線パターンの各々の他方の搭載部、および、前記1以上の離隔配線パターンの各々の他方の搭載部の機能の並びとを異ならせる
ことを特徴とする請求項1に記載の圧電発振器。
【請求項4】
前記搭載主面は当該搭載主面に対して垂直方向から見た平面視において略矩形状を有しており、
前記複数の連続配線パターンの各々の一方の搭載部、および、前記1以上の離隔配線パターンの各々の一方の搭載部を含む搭載部を組み合わせた搭載部群のそれぞれにおいて、当該搭載部群の搭載部を結ぶ線は、他の搭載部群の搭載部を結ぶ線とは重ならず、前記搭載主面の一の辺と平行であり、
前記複数の連続配線パターンの各々の他方の搭載部、および、前記1以上の離隔配線パターンの各々の他方の搭載部を含む搭載部を組み合わせた搭載部群のそれぞれにおいて、当該搭載部群の搭載部を結ぶ線は、他の搭載部群の搭載部を結ぶ線とは重ならず、前記搭載主面の前記一の辺と平行である
ことを特徴とする請求項1に記載の圧電発振器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器などに用いられる圧電発振器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、携帯電話機などの電子機器などには、基準信号源またはクロック信号源などの信号源が搭載されており、かかる信号源としてIC(Integrated Circuit)チップおよび水晶片を有する圧電発振器が知られており、例えば、特許文献1に開示された圧電発振器がある。
【0003】
特許文献1に開示された圧電発振器は、内壁段部を有して凹状とした積層セラミックからなる容器本体と、容器本体の内底面に設けられた6個の回路端子(一対の水晶端子、電源、出力、アース、スタンバイ端子)に一主面に設けられた6個のIC端子がフリップチップボンディング(Flip Chip Bonding:FCB)によって固着されたICチップと、内壁段部に設けられた一対の水晶保持端子に励振電極から引出電極の延出した一端部両側が固着された水晶片を備える。上記の6個の回路端子は、容器本体の内底面には幅を二等分する中心線に対して長さ方向に対称に配置され、ICチップの6個のIC端子が固着される3個ずつの計6個の回路端子からなり、6個の回路端子中の内壁段部に最も近接した2個の回路端子(一対の回路端子)は水晶保持端子と電気的に接続されている。3個ずつの回路端子は中心線の両側から幅方向の枠壁内周部に延在した内底面の幅方向を長辺として長さ方向を短辺とした長方形とし、3個ずつの回路端子における両側の回路端子の幅は中央の回路端子の幅よりも広く構成としている。このような構成とすることで、IC端子の間隔の狭いICチップから、IC端子の間隔が広いICチップまで、対応可能な圧電発振器を実現することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-135562号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に開示された圧電発振器は、IC端子の間隔が異なる複数種類のICチップに対応可能になっているものの、IC端子の機能の並びが異なる複数種類のICチップには対応可能になっていない、ICチップの搭載可能箇所は1か所に限られ、異なる箇所にICチップを配置可能になっていないなど、対応可能になっていることは限られている。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑み、発振回路用の集積回路を搭載する搭載主面の面積の増大を抑えつつ、搭載主面に集積回路の搭載可能箇所を複数有する圧電発振器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の目的を達成するため、本発明に係る圧電発振器は、圧電素子と、搭載主面に搭載される発振回路用の集積回路とを具備し、前記搭載主面に形成された前記集積回路の搭載部を有する配線パターンが形成されている圧電発振器であって、前記配線パターンは、複数の連続配線パターンと、1以上の離隔配線パターンとを有し、前記複数の連続配線パターンの各々は、離隔した2か所に搭載部を有し、当該2か所の搭載部は、前記搭載主面上で接続し、前記1以上の離隔配線パターンの各々は、離隔した2か所に搭載部を有し、当該2か所の搭載部を前記搭載主面とは異なる他の面を介して接続し、前記搭載主面には、当該搭載主面の一の端部寄りの一の領域内に、前記複数の連続配線パターンの各々の一方の搭載部と、前記1以上の離隔配線パターンの各々の一方の搭載部が配置された一の集積回路搭載部と、当該搭載主面の他の端部寄りの他の領域内に、前記複数の連続配線パターンの各々の他方の搭載部と、前記1以上の離隔配線パターンの各々の他方の搭載部が配置された他の集積回路搭載部とが設けられていることを特徴としている。
【0008】
この構成によれば、搭載主面に集積回路の搭載可能箇所を2か所(一の集積回路搭載部、他の集積回路搭載部)有する圧電発振器を実現することができ、集積回路を搭載する箇所を一の集積回路搭載部か他の集積回路搭載部のいずれかに選択できるため、集積回路を一の領域に搭載する仕様と、他の領域に搭載する仕様のいずれにも対応できる。また、配線パターンの一部に離隔配線パターンを利用することで、搭載主面の面積の増大を抑えることができるとともに、配線パターンの配置の設計自由度の向上を図ることができる。
【0009】
また、前記搭載主面は当該搭載主面に対して垂直方向から見た平面視において略矩形状を有しており、前記複数の連続配線パターンには、前記一方の搭載部である第1の搭載部と前記他方の搭載部である第2の搭載部とを有する第1の連続配線パターンと、前記一方の搭載部である第3の搭載部と前記他方の搭載部である第4の搭載部とを有する第2の連続配線パターンとが含まれており、前記第1の連続配線パターンの少なくとも一部、および、前記第2の連続配線パターンの少なくとも一部を、互いに前記搭載主面上の当該搭載主面の一の対角の位置関係にある一方の領域、および、他方の領域に配置し、前記1以上の離隔配線パターンには、前記一方の搭載部である第5の搭載部と前記他方の搭載部である第6の搭載部とを有する第1の離隔配線パターンが含まれており、前記第1の離隔配線パターンのうちの前記第5の搭載部側の少なくとも一部、および、前記第6の搭載部側の少なくとも一部を、互いに前記搭載主面上の当該搭載主面の他の対角の位置関係にある一方の領域、および、他方の領域に配置するとしてもよい。
【0010】
この構成によれば、第1の連続配線パターンの少なくとも一部、および、第2の連続配線パターンの少なくとも一部を、互いに搭載主面上の当該搭載主面の一の対角の位置関係にある一方の領域、および、他方の領域に配置し、第1の離隔配線パターンのうちの第5の搭載部側の少なくとも一部、および、第6の搭載部側の少なくとも一部を、互いに搭載主面上の当該搭載主面の他の対角の位置関係にある一方の領域、および、他方の領域に配置することで、第1の連続配線パターン、第2の連続配線パターン、および、第1の離隔配線パターンを、面積の小さい搭載主面に配置することができる。
【0011】
また、前記複数の連続配線パターンの各々の一方の搭載部、および、前記1以上の離隔配線パターンの各々の一方の搭載部のうち、隣り合う搭載部の配置間隔と、前記複数の連続配線パターンの各々の他方の搭載部、および、前記1以上の離隔配線パターンの各々の他方の搭載部のうち、隣り合う搭載部の配置間隔とを異ならせる、もしくは、前記複数の連続配線パターンの各々の一方の搭載部、および、前記1以上の離隔配線パターンの各々の一方の搭載部の機能の並びと、前記複数の連続配線パターンの各々の他方の搭載部、および、前記1以上の離隔配線パターンの各々の他方の搭載部の機能の並びとを異ならせるとしてもよい。
【0012】
この構成によれば、集積回路に備えられた端子間の配置間隔の異なる集積回路の載せ替えを行うことができる、もしくは、集積回路に備えられた端子の機能の並びが異なる集積回路の載せ替えを行うことができる。
【0013】
また、前記搭載主面は当該搭載主面に対して垂直方向から見た平面視において略矩形状を有しており、前記複数の連続配線パターンの各々の一方の搭載部、および、前記1以上の離隔配線パターンの各々の一方の搭載部を含む搭載部を組み合わせた搭載部群のそれぞれにおいて、当該搭載部群の搭載部を結ぶ線は、他の搭載部群の搭載部を結ぶ線とは重ならず、前記搭載主面の一の辺と平行であり、前記複数の連続配線パターンの各々の他方の搭載部、および、前記1以上の離隔配線パターンの各々の他方の搭載部を含む搭載部を組み合わせた搭載部群のそれぞれにおいて、当該搭載部群の搭載部を結ぶ線は、他の搭載部群の搭載部を結ぶ線とは重ならず、前記搭載主面の前記一の辺と平行であるとしてもよい。
【0014】
この構成によれば、集積回路を搭載主面の辺方向に配置を変えるだけで集積回路を搭載することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、搭載主面に集積回路の搭載可能箇所を2か所(一の集積回路搭載部、他の集積回路搭載部)有する圧電発振器を実現することができ、集積回路を搭載する箇所を一の集積回路搭載部か他の集積回路搭載部のいずれかに選択できるため、集積回路を一の領域に搭載する仕様と、他の領域に搭載する仕様のいずれにも対応できる。また、配線パターンの一部に離隔配線パターンを利用することで、搭載主面の面積の増大をさらに抑えることができるとともに、配線パターンの配置の設計自由度の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】(a)は本発明の実施形態に係る圧電発振器の断面図であり、(b)は圧電発振器の側面電極を示す正面図である。
図2】(a)は図1(a)の圧電発振器の一部部品(蓋部、ICチップ、水晶片を除く)を上側から下側に向かって見た場合における平面図であり、(b)は圧電発振器の第1の枠部を上側から下側に向かって見たものであって、第1の枠部の上面に配置される配線パターンなどを説明するための平面図であり、(c)は圧電発振器の第2の枠部を上側から下側に向かって見たものであって、第2の枠部の上面に配置される配線パターンなどを説明するための平面図である。
図3】(a)は図1(a)の圧電発振器の圧電発振器の第1の基板部を上側から下側に向かって見たものであって、第1の基板部の上面に配置される配線パターンなどを説明するための平面図であり、(b)は圧電発振器の第2の基板部を上側から下側に向かって見たものであって、第2の基板部の上面に配置される配線パターンなどを説明するための平面図であり、(c)は圧電発振器の第2の基板部を上側から下側に向かって見たものであって、第2の基板部の下面に配置される配線パターンなどを説明するための透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下では、本発明の実施形態にかかる圧電発振器1について図1から図4を参照しつつ詳細に説明する。
【0018】
本発明の実施形態にかかる圧電発振器1は、携帯電話機などの電子機器などに搭載されて、基準信号源またはクロック信号源などの信号源となるものである。圧電発振器1は、図1(a)に示すように、積層セラミックから形成されて凹状をした容器本体10と、発振回路用のICチップ(本発明の「集積回路」に相当)20と、水晶片(本発明の「圧電素子」に相当)30と、容器本体10の開口端面(第1の枠部12aの第2の枠部12bと反対側の面(第1の枠部12aの上面))に配置される金属リング40と、金属リング40の開口端面(金属リング40の第1の枠部12aと反対側の面(金属リング40の上面))に配置され、金属リング40にシーム溶接などによって接合された金属製の蓋部50とを有する。圧電発振器1では、ICチップ20および水晶片30は、容器本体10と金属リング40と蓋部50とにより形成される密閉空間に密閉されている。
【0019】
容器本体10は、上述したように積層セラミックから形成されて凹状をしており、容器本体10の底部を形成する基板部11と、容器本体10の側部を形成する枠部12とからなる。
基板部11は、第1の基板部11aと第2の基板部11bの2層からなる。第1の基板部11aと第2の基板部11bとは、それぞれ、図1(a)の紙面上側から紙面下側を見た(図3(a)の紙面手前側から紙面奥側を見た)平面視(本発明の「当該搭載主面に対して垂直方向から見た平面視」に相当:以下では、単に、「平面視」と記載する。)において、略矩形状をしている。第1の基板部11aと第2の基板部11bとは、平面視において略重なり合っている。
枠部12は、第1の枠部12aと第2の枠部12bの2層からなる。第1の枠部12aと第2の枠部12bとは、それぞれ、平面視において、略矩形の枠状をしている。第1の枠部12aと第2の枠部12bとは、平面視において、それらの外周が略重なり合っているが、それらの内周は第2の枠部12bの内周の方が第1の枠部12aの内周よりも内側にある。これにより、容器本体10は内壁段部を有するようになっている。
【0020】
図2(b)に示すように、第1の枠部12aの上面12a1には、全面にわたって配線パターン12a2が設けられている。配線パターン12a2は、第1の枠部12aと第2の枠部12bと第1の基板部11aとを貫通したスルーホール77cに接続されており、第1の基板部11aの上面(本発明の「搭載主面」に相当:以下、「搭載主面」と記載する。)11a1に設けられた第3の配線パターン73などに接続されている。
【0021】
図2(c)に示すように、第2の枠部12bの上面12b1には、第1の水晶保持配線パターン61と第2の水晶保持配線パターン62とが間隔をあけて並んで設けられている。
第1の水晶保持配線パターン61は、平面視で略矩形状をした第1の矩形部61aと、第1の矩形部61aから第2の枠部12bの辺12c1の中央部に向かって延在した第1の引出部61bとを備える。第2の枠部12bの辺12c1の中央部に対応する第2の枠部12bの側面の部分には当該側面の部分の最高点から最低点にまでキャスタレーション(不図示)が設けられており、第1の水晶保持配線パターン61の第1の引出部61bは当該キャスタレーションに接続されている。当該キャスタレーションは水晶片30に関する第1の振動端子として機能するものである。
第2の水晶保持配線パターン62は、平面視で略矩形状をした第2の矩形部62aと、第2の矩形部62aから第2の枠部12bの辺12c3の中央部に向かって延在した第2の引出部62bとを備える。第2の枠部12bの辺12c2の中央部に対応する第2の枠部12bの側面の部分には当該側面の部分の最高点から最低点にまでキャスタレーション63(図1(b)参照)が設けられており、第2の水晶保持配線パターン62の第2の引出部62bは当該キャスタレーション63に接続されている。当該キャスタレーション63は水晶片30に関する第2の振動端子として機能するものである。
水晶片30の一の面に設けられた第1の励振電極(不図示)が第1の水晶保持配線パターン61の第1の矩形部61aに接続され、水晶片30の一の面と反対側の面に設けられた第2の励振電極(不図示)が第2の水晶保持配線パターン62の第2の矩形部62aに接続される。
【0022】
図3(a)に示すように、ICチップ20などのICチップが搭載されることになる、第1の基板部11aの平面視において略矩形状をした上面(搭載主面)11a1には、第1の配線パターン(本発明の「第1の連続配線パターン」に相当)71、第2の配線パターン(本発明の「第2の連続配線パターン」に相当)72、第3の配線パターン(本発明の「第1の離隔配線パターン」に相当)73、第4の配線パターン(本発明の「第2の離隔配線パターン」に相当)74、第5の配線パターン(本発明の「第3の連続配線パターン」に相当)75、第6の配線パターン(本発明の「第2の連続配線パターン」に相当)76が設けられている。なお、第1の配線パターン71、第2の配線パターン72、第3の配線パターン73、第4の配線パターン74、第5の配線パターン75、第6の配線パターン76それぞれは、例えば、WやMoなどのメタライズの上面にNiメッキを形成し、その上面にAuメッキを積層した多層構造で形成することができる。この場合は、ICチップ20の各端子をAuバンプで形成し、第1~第6の配線パターン71~76の対応する搭載部(例えば、後述する搭載部71a、72a、73a、74a、75a、76a)に圧接や超音波接合などで接合することができる。
【0023】
第1の配線パターン71は、ICチップ20の出力に関わり、外部端子として機能する第2の基板部11bの下面11b2に設けられた第1の配線パターン91と電気的に接続される配線パターンである。第1の配線パターン71は、図2(a)に示すように、離隔した2か所に第1の搭載部(本発明の「第1の搭載部」に相当)71aと第2の搭載部(本発明の「第2の搭載部」に相当)71bとを有し、第1の搭載部71aと第2の搭載部71bとは、搭載主面11a1上で接続されている。第1の配線パターン71は、第1の基板部11aを貫通し、第1の配線パターン71と接続されたスルーホール77aと、第2の基板部11bの上面11b1に設けられ、スルーホール77aと接続された第1の配線パターン81と、容器本体10の第1の角部10a1(図2(a)参照)の側面の部分に第2の枠部12bの最高点から第2の基板部11bの最低点にまで設けられ、第1の配線パターン81と接続された第1のキャスタレーション(不図示)とにより、第2の基板部11bの下面11b2に設けられ、当該第1のキャスタレーションに接続された第1の配線パターン91に接続されている。
【0024】
第2の配線パターン72は、ICチップ20の入力(例えば、制御用のイネーブルまたはディセーブル)に関わり、外部端子として機能する第2の基板部11bの下面11b2に設けられた第2の配線パターン92と電気的に接続される配線パターンである。第2の配線パターン72は、図2(a)に示すように、離隔した2か所に第3搭載部(本発明の「第3の搭載部」に相当)72aと第4の搭載部(本発明の「第4の搭載部」に相当)72bとを有し、第3の搭載部72aと第4の搭載部72bとは、搭載主面11a1上で接続されている。第2の配線パターン72は、第1の基板部11aを貫通し、第2の配線パターン72と接続されたスルーホール77bと、第2の基板部11bの上面11b1に設けられ、スルーホール77bと接続された第2の配線パターン82と、容器本体10の第2の角部10a2(図2(a)参照)の側面の部分に第2の枠部12bの最高点から第2の基板部11bの最低点にまで設けられ、第2の配線パターン82と接続された第2のキャスタレーション10a21(図1(b)参照)とにより、第2の基板部11bの下面11b2に設けられ、当該第2のキャスタレーション10a21に接続された第2の配線パターン92に接続されている。
【0025】
第3の配線パターン73は、ICチップ20のグランドに関わり、グランド端子として機能する第2の基板部11bの下面11b2に設けられた第3の配線パターン93と電気的に接続されるグランド用の配線パターンである。第3の配線パターン73は、図2(a)に示すように、離隔した2か所に第5の搭載部(本発明の「第5の搭載部」に相当)73aと第6の搭載部(本発明の「第6の搭載部」に相当)73bとを有する。第5の搭載部73aと第6の搭載部73bとは、搭載主面11a1上では接続されていない。第5の搭載部73aと第6の搭載部73bとは、第1の基板部11aを貫通し、第3の配線パターン73の第5の搭載部73a側の部分と接続されたスルーホール77cと、第1の基板部11aを貫通し、第3の配線パターン73の第6の搭載部73b側の部分と接続されたスルーホール77dと、第2の基板部11bの上面11b1に設けられ、スルーホール77c,77dと接続された第3の配線パターン83とにより、接続されている。第3の配線パターン73は、第1の基板部11aを貫通し、第3の配線パターン73と接続されたスルーホール77c,77dと、第2の基板部11bの上面11b1に設けられ、スルーホール77c,77dと接続された第3の配線パターン83と、容器本体10の第2の角部10a3(図2(a)参照)の側面の部分に第2の枠部12bの最高点から第2の基板部11bの最低点にまで設けられ、第3の配線パターン83と接続された第3のキャスタレーション10a31(図1(b)参照)とにより、第2の基板部11bの下面11b2に設けられ、当該第3のキャスタレーション10a31に接続された第3の配線パターン93に接続されている。
【0026】
第4の配線パターン74は、ICチップ20の電源に関わり、電源端子として機能する第2の基板部11bの下面11b2に設けられた第4の配線パターン94と電気的に接続される電源用の配線パターンである。第4の配線パターン74は、図2(a)に示すように、離隔した2か所に第7の搭載部(本発明の「第7の搭載部」に相当)74aと第8の搭載部(本発明の「第8の搭載部」に相当)74bとを有する。第7の搭載部74aと第8の搭載部74bとは、搭載主面11a1上では接続されていない。第7の搭載部74aと第8の搭載部74bとは、第1の基板部11aを貫通し、第4の配線パターン74の第7の搭載部74a側の部分と接続されたスルーホール77eと、第1の基板部11aを貫通し、第4の配線パターン74の第8の搭載部74b側の部分と接続されたスルーホール77fと、第2の基板部11bの上面11b1に設けられ、スルーホール77e,77fと接続された第4の配線パターン84とにより、接続されている。第4の配線パターン74は、第1の基板部11aを貫通し、第4の配線パターン74と接続されたスルーホール77e,77fと、第2の基板部11bの上面11b1に設けられ、スルーホール77e,77fに接続された第4の配線パターン84と、容器本体10の第2の角部10a4(図2(a)参照)の側面の部分に第2の枠部12bの最高点から第2の基板部11bの最低点にまで設けられ、第4の配線パターン84と接続された第4のキャスタレーション(不図示)とにより、第2の基板部11bの下面11b2に設けられ、当該第4のキャスタレーションに接続された第4の配線パターン94に接続されている。
【0027】
第5の配線パターン75は、ICチップ20の水晶片30の振動に関わる信号の入出力に関わり、第2の枠部12bの上面に設けられた第1の水晶保持配線パターン61と電気的に接続される配線パターンである。第5の配線パターン75は、図2(a)に示すように、離隔した2か所に第9の搭載部(本発明の「第9の搭載部」に相当)75aと第10の搭載部(本発明の「第10の搭載部」に相当)75bとを有する。第9の搭載部75aと第10の搭載部75bとは、搭載主面11a1上で接続されている。第5の配線パターン75は、第2の枠部12bを貫通し、第5の配線パターン75と接続されたスルーホール77gにより、第2の枠部12bの上面に設けられ、スルーホール77gに接続された第1の水晶保持配線パターン61に接続されている。
【0028】
第6の配線パターン76は、ICチップ20の水晶片30の振動に関わる信号の入出力に関わり、第2の枠部12bの上面に設けられた第2の水晶保持配線パターン62と電気的に接続される配線パターンである。第6の配線パターン76は、図2(a)に示すように、離隔した2か所に第11の搭載部(本発明の「第11の搭載部」に相当)76aと第12の搭載部(本発明の「第12の搭載部」に相当)76bとを有する。第11の搭載部76aと第12の搭載部76bとは、搭載主面11a1上で接続されている。第6の配線パターン76は、第2の枠部12bを貫通し、第6の配線パターン76と接続されたスルーホール77hにより、第2の枠部12bの上面に設けられ、スルーホール77hに接続された第2の水晶保持配線パターン62に接続されている。
【0029】
上記の第1、第2、第3、第4、第5、第6の配線パターン71,72,73,74,75,76の第1、第3、第5、第7、第9、第11の搭載部71a,72a,73a,74a,75a,76aを、搭載主面11a1の一の端部寄りの一の領域内に配置するようにして、搭載主面11a1上に第1のIC搭載部(本発明の「一の集積回路搭載部」に相当)13aを設けている。
第1のIC搭載部13aでは、ICチップ20の水晶片30の振動に関わる信号の一方の入出力に関わる第9の搭載部75aと、ICチップ20の電源に関わる第7の搭載部74aと、ICチップ20の出力に関わる第1の搭載部71aとを搭載主面11a1の辺11e1(図3(a)参照)と平行な第1の線上に一列に並ぶように、ICチップ20の水晶片30の振動に関わる信号の入出力に関わる他方の第11の搭載部76aと、ICチップ20の入力(例えば、制御用のイネーブルまたはディセーブル)に関わる第3の搭載部72aと、ICチップ20のグランドに関わる第5の搭載部73aとを第1の線と異なる搭載主面11a1の辺11e1と平行な第2の線上に一列に並ぶように、配置している。
【0030】
上記の第1、第2、第3、第4、第5、第6の配線パターン71,72,73,74,75,76の第2、第4、第6、第8、第10、第12の搭載部71b,72b,73b,74b,75b,76bを、搭載主面11a1の他の端部寄りの他の領域内に配置するようにして、搭載主面11a1上に第2のIC搭載部(本発明の「他の集積回路搭載部」に相当)13bを設けている。
第2のIC搭載部13bでは、ICチップ20のグランドに関わる第6の搭載部73bと、ICチップ20の水晶片30の振動に関わる信号の他方の入出力に関わる第12の搭載部76bと、ICチップ20の入力(例えば、制御用のイネーブルまたはディセーブル)に関わる第4の搭載部72bとを搭載主面11a1の辺11e2(図3(a)参照)と平行な第3の線上に一列に並ぶように、ICチップ20の出力に関わる第2の搭載部71bと、ICチップ20の水晶片30の振動に関わる信号の一方の入出力に関わる第10の搭載部75bと、ICチップ20の電源に関わる第8の搭載部74bとを第3の線と異なる搭載主面11a1の辺11e2と平行な第4の線上に一列に並ぶように、配置している。
別の記載をすれば、第2のIC搭載部13bでは、ICチップ20のグランドに関わる第6の搭載部73bと、ICチップ20の出力に関わる第2の搭載部71bとを搭載主面11a1の辺11e1(図3(a)参照)と平行な第5の線上に一列に並ぶように、ICチップ20の水晶片30の振動に関わる信号の他方の入出力に関わる第12の搭載部76bと、ICチップ20の水晶片30の振動に関わる信号の一方の入出力に関わる第10の搭載部75bとを第5の線と異なる搭載主面11a1の辺11e1と平行な第6の線上に一列に並ぶように、ICチップ20の入力(例えば、制御用のイネーブルまたはディセーブル)に関わる第4の搭載部72bと、ICチップ20の電源に関わる第8の搭載部74bとを第5の線および第6の線と異なる搭載主面11a1の辺11e1と平行な第7の線上に一列に並ぶように、配置している。
【0031】
第1のIC搭載部13aを構成する第1、第3、第5、第7、第9、第11の搭載部71a,72a,73a,74a,75a,76aのうちの隣接する搭載部の配置間隔と、第2のIC搭載部13bを構成する第2、第4、第6、第8、第10、第12の搭載部71b,72b,73b,74b,75b,76bのうちの隣接する搭載部の配置間隔とは異なっている。
第1のIC搭載部13aを構成する第1、第3、第5、第7、第9、第11の搭載部71a,72a,73a,74a,75a,76aの機能の並びと、第2のIC搭載部13bを構成する第2、第4、第6、第8、第10、第12の搭載部71b,72b,73b,74b,75b,76bの機能の並びは異なっている。
【0032】
IC20などの6個のIC端子を有するICチップは、フリップチップボンディングにより、6個の端子が第1、第3、第5、第7、第9、第11の搭載部71a,72a,73a,74a,75a,76aのうちの互いに異なる一つの搭載部に接続されるようにして、第1のIC搭載部13aに搭載される。
または、6個のIC端子を有するICチップは、フリップチップボンディングにより、6個の端子が第2、第4、第6、第8、第10、第12の搭載部71b,72b,73b,74b,75b,76bのうちの互いに異なる一つの搭載部に接続されて、第2のIC搭載部13bに搭載される。
【0033】
なお、搭載主面11a1上での第1~第6の配線パターン71~76の配置位置などの詳細については後述する。
【0034】
第1の基板部11aの一層下の第2の基板部11bの上面(第1の基板部11a側の面)11b1には、第1の配線パターン81、第2の配線パターン82、第3の配線パターン83、第4の配線パターン84が設けられている。なお、ICチップ20のグランドに関わる配線パターンである第3の配線パターン83の面積が大きい程、グランドの電位が安定するため、第3の配線パターン83の面積を他の配線パターンである第1、第2、第4の配線パターン81,82,84の面積よりも大きくしている。
【0035】
第1の配線パターン81は、ICチップ20の出力に関わる配線パターンであり、上面11b1の角11b11から内側に向かって延在している。第1の配線パターン81は、第1の配線パターン81に接続されたスルーホール77aにより、スルーホール77aに接続された第1の配線パターン71に接続され、第1の配線パターン81に接続された第1のキャスタレーションにより、第1のキャスタレーションに接続された第1の配線パターン91に接続されている。
第2の配線パターン82は、ICチップ20の入力(例えば、制御用のイネーブルまたはディセーブル)に関わる配線パターンであり、上面11b1の角11b12から内側に向かって延在している。第2の配線パターン82は、第2の配線パターン82に接続されたスルーホール77bにより、スルーホール77bに接続された第2の配線パターン72に接続され、第2の配線パターン82に接続された第2のキャスタレーション10a21により、第2のキャスタレーション10a21に接続された第2の配線パターン92に接続されている。
【0036】
第3の配線パターン83は、ICチップ20のグランドに関わるグランド用の配線パターンであり、上面11b1の角11b13から内側に向かって延在している部分を有している。第3の配線パターン83は、第3の配線パターン83に接続されたスルーホール77c,77dにより、スルーホール77c,77dに接続された第3の配線パターン73に接続され、第3の配線パターン83に接続された第3のキャスタレーション10a31により、第3のキャスタレーション10a31に接続された第3の配線パターン93に接続されている。
第4の配線パターン84は、ICチップ20の電源に関わる電源用の配線パターンであり、上面11b1の角11b14から内側に向かって延在している部分を有している。第4の配線パターン84は、第4の配線パターン84に接続されたスルーホール77e,77fにより、スルーホール77e,77fに接続された第4の配線パターン74に接続され、第4の配線パターン84に接続された第4のキャスタレーションにより、第4のキャスタレーションに接続された第4の配線パターン94に接続されている。
【0037】
第1の基板部11aの一層下の第2の基板部11bの下面(第1の基板部11aと反対側の面)11b2には、第1の配線パターン91、第2の配線パターン92、第3の配線パターン93、第4の配線パターン94が設けられている。
【0038】
第1の配線パターン91は、ICチップ20の出力に関わり、外部端子として機能する配線パターンである。第1の配線パターン91は、略矩形状をした部分と、当該略矩形状をした部分の一つの角から下面11b2の角11b21にまで延在した部分とを有する。第1の配線パターン91は、第1の配線パターン91に接続された第1のキャスタレーションにより、第1のキャスタレーションに接続された第1の配線パターン81に接続されている。
第2の配線パターン92は、ICチップ20の入力(例えば、制御用のイネーブルまたはディセーブル)に関わり、外部端子として機能する配線パターンである。第2の配線パターン92は、略矩形状をした部分と、当該略矩形状をした部分の一つの角から下面11b2の角11b22にまで延在した部分とを有する。第2の配線パターン92は、第2の配線パターン92に接続された第2のキャスタレーション10a21により、第2のキャスタレーション10a21に接続された第2の配線パターン82に接続されている。
【0039】
第3の配線パターン93は、ICチップ20のグランドに関わり、グランド端子として機能する配線パターンである。第3の配線パターン93は、略矩形状をした部分と、当該略矩形状をした部分の一つの角から下面11b2の角11b23にまで延在した部分とを有する。第3の配線パターン93は、第3の配線パターン93に接続された第3のキャスタレーション10a31により、第3のキャスタレーション10a31に接続された第3の配線パターン83に接続されている。
第4の配線パターン94は、ICチップ20の電源に関わり、電源端子として機能する配線パターンである。第4の配線パターン94は、略矩形状をした部分と、当該略矩形状をした部分の一つの角から下面11b2の角11b24にまで延在した部分とを有する。第4の配線パターン94は、第4の配線パターン94に接続された第4のキャスタレーションにより、第4のキャスタレーションに接続された第4の配線パターン84に接続されている。
【0040】
続いて、搭載主面11a1上での第1~第6の配線パターン71~76の配置位置などの詳細について説明する。なお、搭載主面11a1を上下方向の中央で2分割し、左右方向の中央で2分割した4つの領域において、右側かつ上側の領域を「右上領域R1」と記載し、右側かつ下側の領域を「右下領域R2」と記載し、左側かつ下側の領域を「左下領域R3」と記載し、左側かつ上側の領域を「左上領域R4」と記載する。
【0041】
第1の配線パターン71は、搭載主面11a1の辺11e1と平行に延びる第1の延在部71cを含む。第1の延在部71cのほとんどの部分が、搭載主面11a1の右上領域R1に配置され、残りの部分が、左上領域R4に配置されている。
また、第1の配線パターン71は、第1の延在部71cの一方の端部(搭載主面11a1の辺11e2側の端部)から搭載主面11a1の辺11e3に向かって辺11e1と垂直な方向に延びる第2の延在部71dを含む。第2の延在部71dは、搭載主面11a1の右上領域R1に配置されている。
また、第1の配線パターン71は、第1の延在部71cの他方の端部(搭載主面11a1の辺11e2と反対側の端部)から搭載主面11a1の辺11e3に向かって辺11e1と垂直な方向に延びる第3の延在部71eを含む。第3の延在部71eは、搭載主面11a1の右上領域R1と左上領域R4の境界部分に配置されており、辺11e1と垂直な方向の第3の延在部71eの長さは、辺11e1と垂直な方向の第2の延在部71dの長さよりも短くなっている。
第2の延在部71dの一部が第1の配線パターン71の第1の搭載部71aを構成し、第3の延在部71eの一部が第1の配線パターン71の第2の搭載部71bを構成する(図2(a)、図3(a)参照)。
第1の配線パターン71は、第1の延在部71cと第2の延在部71dとの境界付近の部分でスルーホール77aと接続されている。
【0042】
第2の配線パターン72は、搭載主面11a1の辺11e1と平行に延びる第1の延在部72cを含む。第1の延在部72cは、搭載主面11a1の左下領域R3から右下領域R2にわたって配置されている。
また、第2の配線パターン72は、第1の延在部72cの一方の端部(搭載主面11a1の辺11e2側の端部)から搭載主面11a1の辺11e1に向かって辺11e1と垂直な方向に延びる第2の延在部72dを含む。第2の延在部72dは、搭載主面11a1の右下領域R2に配置されている。
また、第2の配線パターン72は、第1の延在部72cの他方の端部(搭載主面11a1の辺11e2と反対側の端部)から搭載主面11a1の辺11e1および辺11e3のそれぞれに向かって辺11e1と垂直な方向に延びる第3の延在部72eを含む。第3の延在部72eは、搭載主面11a1の左下領域R3に配置されている。
また、第2の配線パターン72は、第3の延在部72eの一方の端部(搭載主面11a1の辺11e3側の端部)から搭載主面11a1の辺11e4に向かって辺11e1と平行に延びる第4の延在部72fを含む。第4の延在部72fは、搭載主面11a1の左下領域R3に配置されている。
第2の延在部72dの一部が第2の配線パターン72の第3の搭載部72aを構成し、第3の延在部72eの一部が第2の配線パターン72の第4の搭載部72bを構成する(図2(a)、図3(a)参照)。
第2の配線パターン72は、第4の延在部72fの一方の端部(搭載主面11a1の辺11e4側の端部)付近の部分でスルーホール77bと接続されている。
【0043】
上述した第1の配線パターン71の少なくとも一部(第1の延在部71cの略全て、第2の延在部71dの全て、第3の延在部71eの一部)は、搭載主面11a1における右上領域R1(本発明の「搭載主面上の当該搭載主面の一の対角の位置関係にある一方の領域」に相当に配置している。また、上述した第2の配線パターン72の少なくとも一部(第1の延在部72cの一部、第3の延在部72eの全て、第4の延在部72fの全て)は、搭載主面11a1における右上領域R1と一の対角の位置関係にある左下領域R3(本発明の「前記搭載主面上の当該搭載主面の一の対角の位置関係にある他方の領域」に相当)に配置している。
【0044】
第3の配線パターン73は、搭載主面11a1の辺11e1と垂直な方向に延びる第1の延在部73cと、第1の延在部73cの一方の端部(搭載主面11a1の辺11e3側の端部)から搭載主面11a1の角11e23に向かって延びる第2の延在部73dとを含む。第1の延在部73cと第2の延在部73dとは、搭載主面11a1の右下領域R2に配置されている。
また、第3の配線パターン73は、搭載主面11a1の辺11e1と平行に延びる第3の延在部73eを含む。第3の延在部73eは、搭載主面11a1の左上領域R4に配置されている。
第1の延在部73cの一部が第3の配線パターン73の第5の搭載部73aを構成し、第3の延在部73eの一部が第3の配線パターン73の第6の搭載部73bを構成する(図2(a)、図3(a)参照)。
第3の配線パターン73のうちの第1の延在部73cと第2の延在部73dとを含む部分は、第2の延在部73dの一方の端部(搭載主面11a1の角11e23側の端部)付近の部分でスルーホール77cと接続されている。また、第3の配線パターン73のうちの第3の延在部73eを含む部分は、第3の延在部73eの一方の端部(搭載主面11a1の辺11e4側の端部)付近の部分でスルーホール77dと接続されている。
第3の配線パターン73のうちの第1の延在部73cと第2の延在部73dとを含む部分と、第3の配線パターン73のうちの第3の延在部73eを含む部分とは、搭載主面11a1では接続されていない。第1の延在部73cと第2の延在部73dとを含む部分と、第3の延在部73eを含む部分とは、スルーホール77c,77dと第3の配線パターン83とにより接続されている。
【0045】
第3の配線パターン73のうちの第5の搭載部73a側の少なくとも一部(第1の延在部73cの全て、第2の延在部73dの全て)は、搭載主面11a1における右下領域R2(本発明の「前記搭載主面上の当該搭載主面の他の対角の位置関係にある一方の領域」に相当)に配置している。第3の配線パターン73のうちの第6の搭載部73b側の少なくとも一部(第3の延在部73eの全て)は、搭載主面11a1における右下領域R2と他の対角の位置関係にある左上領域R4(本発明の「前記搭載主面上の当該搭載主面の他の対角の位置関係にある他方の領域」に相当)に配置している。
【0046】
第4の配線パターン74は、搭載主面11a1の辺11e1と垂直な方向に延びる第1の延在部74cを含む。第1の延在部74cは、搭載主面11a1の右上領域R1に配置されている。
また、第4の配線パターン74は、搭載主面11a1の辺11e1と平行に延びる第2の延在部74dを含む。第2の延在部73dのほとんどの部分が、搭載主面11a1の左下領域R3に配置され、残りの部分が、搭載主面11a1の右下領域R2に配置されている。
第1の延在部74cの一部が第4の配線パターン74の第7の搭載部74aを構成し、第2の延在部74dの一部が第4の配線パターン74の第8の搭載部74bを構成する(図2(a)、図3(a)参照)。
第4の配線パターン74のうちの第1の延在部74cを含む部分は、第1の延在部74cの一方の端部(搭載主面11a1の辺11e1側の端部)付近の部分でスルーホール77eと接続されている。また、第4の配線パターン74のうちの第2の延在部74dを含む部分は、第2の延在部74dの一方の端部(搭載主面11a1の辺11e4側の端部)付近の部分でスルーホール77fと接続されている。
第4の配線パターン74のうちの第1の延在部74cを含む部分と、第4の配線パターン74のうちの第2の延在部74dを含む部分とは、搭載主面11a1では接続されていない。第1の延在部74cを含む部分と、第2の延在部74dを含む部分とは、スルーホール77e,77fと第4の配線パターン84とにより接続されている。
【0047】
第4の配線パターン74のうちの第7の搭載部74a側の少なくとも一部(第1の延在部74cの全て)は、搭載主面11a1における右上領域R1(本発明の「前記搭載主面上の当該搭載主面の他の対角の位置関係にある一方の領域」に相当)に配置している。第4の配線パターン74のうちの第8の搭載部74b側の少なくとも一部(第2の延在部74dの一部)は、搭載主面11a1における右上領域R1と他の対角の位置関係にある左下領域R3(本発明の「前記搭載主面上の当該搭載主面の他の対角の位置関係にある他方の領域」に相当)に配置している。
第4の配線パターン74のうちの第7の搭載部74a側の少なくとも一部(第1の延在部74cの一部)は、第1の配線パターン71のうちの第1の搭載部71aを含む部分(第2の延在部71d)と第1の配線パターン71のうちの第2の搭載部71bを含む部分(第3の延在部71e)との間の領域に配置されている。
第4の配線パターン74のうちの第8の搭載部74b側の少なくとも一部(第2の延在部74dの全て)は、第2の配線パターン72のうちの第3の搭載部72aを含む部分(第2の延在部72d)と第2の配線パターン72のうちの第4の搭載部72bを含む部分(第3の延在部72e)との間の領域に配置されている。
【0048】
第5の配線パターン75は、搭載主面11a1の辺11e1と平行に延びる第1の延在部75cを含む。第5の延在部75cは、搭載主面11a1の左上領域R4に配置されている。
また、第5の配線パターン75は、第1の延在部75cの一方の端部(搭載主面11a1の辺11e2側の端部)から搭載主面11a1の辺11e3に向かって辺11e1と垂直な方向に延びる第2の延在部75dを含む。第2の延在部75dは、搭載主面11a1の左上領域R4に配置されている。
また、第5の配線パターン75は、第2の延在部75dの一方の端部(搭載主面11a1の辺11e3側の端部)から搭載主面11a1の辺11e2に向かって辺11e1と平行に延びる第3の延在部75eを含む。第3の延在部75eは、搭載主面11a1の左上領域R4から右上領域R1にわたって配置されている。
また、第5の配線パターン75は、第3の延在部75eの一方の端部(搭載主面11a1の辺11e2側の端部)から搭載主面11a1の辺11e1に向かって辺11e1と垂直な方向に延びる第4の延在部75fを含む。第4の延在部75fは、搭載主面11a1の右上領域R1に配置されている。
第4の延在部75fの一部が第5の配線パターン75の第9の搭載部75aを構成し、第3の延在部75eの一部が第5の配線パターン75の第10の搭載部75bを構成する(図2(a)、図3(a)参照)。
第5の配線パターン75は、第1の延在部75cの他方の端部(搭載主面11a1の辺11e4側の端部)付近の部分でスルーホール77gと接続されている。
【0049】
第5の配線パターン75の一部(第3の延在部75eの一部、第4の延在部75fの全部)は、第1の配線パターン71と第2の配線パターン72と間の領域に配置されている。
【0050】
第6の配線パターン76は、搭載主面11a1の辺11e1と平行に延びる第1の延在部76cを含む。第1の延在部76cは、搭載主面11a1の左下領域R3から右下領域R2にわたって配置されている。
また、第6の配線パターン76は、第1の延在部76cの長さ方向の中央寄り搭載主面11a1の辺11e4寄りの部分から搭載主面11a1の辺11e1に向かって辺11e1と垂直な方向に延びる第2の延在部76dを含む。第2の延在部76dは、搭載主面11a1の左下領域R3から左上領域R4にわたって配置されている。
また、第6の配線パターン76は、第1の延在部76cの一方の端部(搭載主面11a1の辺11e2側の端部)から搭載主面11a1の辺11e4に向かって辺11e1と垂直な方向に延びる第3の延在部76eを含む。第3の延在部76eは、搭載主面11a1の右下領域R2に配置されている。
第3の延在部76eの一部が第6の配線パターン76の第11の搭載部76aを構成し、第2の延在部76dの一部が第6の配線パターン76の第12の搭載部76bを構成する(図2(a)、図3(a)参照)。
第6の配線パターン76は、第1の延在部76cの他方の端部(搭載主面11a1の辺11e4側の端部)付近の部分でスルーホール77hと接続されている。
【0051】
第6の配線パターン76の一部(第1の延在部76cの一部、第3の延在部76eの全部)は、第1の配線パターン71と第2の配線パターン72と間の領域に配置されている。
【0052】
第1の基板部11aの搭載主面11a1に設けられた第1の配線パターン71の一部(第1の延在部71cの一部、第3の延在部71eの一部)と、第2の基板部11bの上面11b1に設けられた第4の配線パターン84の一部とが、平面視において重なり合っている。また、第1の基板部11aの搭載主面11a1に設けられた第2の配線パターン72の一部(第1の延在部72cの一部、第2の延在部72dの全て、第3の延在部72eの一部)と、第2の基板部11bの上面11b1に設けられた第3の配線パターン83の一部とが、平面視において重なり合っている。このように配置することにより、第1の配線パターン71を伝送する信号や第2の配線パターン72を伝送する信号に対するノイズの影響を軽減することができる。
【0053】
第1の基板部11aの搭載主面11a1に設けられた第5の配線パターン75の一の一部分(第1の延在部75cの一部、第3の延在部75eの一部、第4の延在部75fの一部)と、第2の基板部11bの上面11b1に設けられた第3の配線パターン83の一部とが、平面視において重なり合っており、第1の基板部11aの搭載主面11a1に設けられた第5の配線パターン75の他の一部分(第2の延在部75dの一部)と、第2の基板部11bの上面11b1に設けられた第4の配線パターン84の一部とが、平面視において重なり合っている。また、第1の基板部11aの搭載主面11a1に設けられた第6の配線パターン76の一の一部分(第1の延在部76cの一の一部分、第2の延在部76dの一部、第3の延在部76eの全部)と、第2の基板部11bの上面11b1に設けられた第3の配線パターン83の一部とが、平面視において重なり合っており、第1の基板部11aの搭載主面11a1に設けられた第6の配線パターン76の他の一部分(第1の延在部76cの他の一部分)と、第2の基板部11bの上面11b1に設けられた第4の配線パターン84の一部とが、平面視において重なり合っている。このように配置することにより、第5の配線パターン75や第6の配線パターン76に関わる浮遊容量の変動を抑えることができる。
【0054】
したがって、上記した実施形態によれば、搭載主面11a1にICチップ20などのICチップの搭載可能箇所を2か所(第1のIC搭載部13a、第2のIC搭載部13b)有する圧電発振器1を実現することができ、ICチップを搭載する箇所を第1のIC搭載部13aか第2のIC搭載部13bのいずれかに選択できるため、ICチップを第1のIC搭載部13aに搭載する仕様と、第2のIC搭載部13bに搭載する仕様のいずれにも対応することができる。
【0055】
また、搭載主面11a1の一の端部に偏った一の領域に第1のIC搭載部13aを形成し、搭載主面11a1の他の端部に偏った他の領域内に第2のIC搭載部13bを形成することで、第1のIC搭載部13aおよび第2のIC搭載部13bを有する搭載主面11a1の面積の増大を抑えることができる。
【0056】
また、第1~第6の配線パターン71~76の一部に、一方の搭載部(第5の搭載部73a、第7の搭載部74a)と他方の搭載部(第6の搭載部73b、第8の搭載部74b)とが互いに搭載主面11a1上では接続されておらず、他の面を介して接続されている第3の配線パターン73および第4の配線パターン74を利用することで、搭載主面11a1の面積の増大をさらに抑えることができるとともに、第1~第6の配線パターン71~76の配置の設計自由度の向上を図ることができる。
【0057】
また、第1のIC搭載部13aの第1、第3、第5、第7、第9、第11の搭載部71a,72a,73a,74a,75a,76aのうちの隣接する搭載部間の配置間隔と、
第2のIC搭載部13bの第2、第4、第6、第8、第10、第12の搭載部71b,72b,73b,74b,75b,76bのうちの隣接する搭載部間の配置間隔とを異なるようにすることで、隣接するIC端子間の配置間隔の異なる2種類のICチップを搭載することができる。
【0058】
また、第1のIC搭載部13aの第1、第3、第5、第7、第9、第11の搭載部71a,72a,73a,74a,75a,76aの機能の並びと、第2のIC搭載部13bの第2、第4、第6、第8、第10、第12の搭載部71b,72b,73b,74b,75b,76bの機能の並びとを異なるようにすることで、IC端子の機能の並びが異なる2種類のICチップを搭載することができる。
【0059】
また、第1の配線パターン71の少なくとも一部(第1の延在部71cの略全て、第2の延在部71dの全て、第3の延在部71eの一部)、および、第2の配線パターン72の少なくとも一部(第1の延在部72cの一部、第3の延在部72eの全て、第4の延在部72fの全て)を、互いに搭載主面11a1上の当該搭載主面11a1の一の対角の位置関係にある右上領域R1、および、左下領域R3に配置することで、第1の配線パターン71および第2の配線パターン72を面積の小さい搭載主面11a1に配置することができる。
【0060】
また、第3の配線パターン73のうちの第5の搭載部73a側の少なくとも一部(第1の延在部73cの全て、第2の延在部73dの全て)、および、第6の搭載部73b側の少なくとも一部(第3の延在部73eの全て)を、互いに搭載主面11a1上の当該搭載主面11a1の他の対角の位置関係にある右下領域R2、および、左上領域R4に配置することで、第1の配線パターン71および第2の配線パターン72とともに、第3の配線パターン73を、面積の小さい搭載主面11a1に配置することができる。
【0061】
また、第4の配線パターン74のうちの第8の搭載部74b側の少なくとも一部(第2の延在部74bの全て)を、第2の配線パターン72のうちの第3の搭載部72aを含む部分(第2の延在部72d)と第2の配線パターン72のうちの第4の搭載部72bを含む部分(第3の延在部72e)との間の領域に配置することで、第1の配線パターン71および第2の配線パターン72とともに、第4の配線パターン74を、面積の小さい搭載主面11a1に配置することができる。
【0062】
また、第5の配線パターン75の一部(第3の延在部75eの一部、第4の延在部75fの全部)を、第1の配線パターン71と第2の配線パターン72と間の領域に配置し、第6の配線パターン76の一部(第1の延在部76cの一部、第3の延在部76eの全部)を、第1の配線パターン71と第2の配線パターン72と間の領域に配置することで、第1の配線パターン71および第2の配線パターン72とともに、第5の配線パターン75および第6の配線パターン76を、面積の小さい搭載主面11a1に配置することができる。
【0063】
また、第1のIC搭載部13aでは、第9の搭載部75aと第7の搭載部74aと第1の搭載部71aとを搭載主面11a1の辺11e1と平行な第1の線上に一列に並ぶように、第11の搭載部76aと第3の搭載部72aと第5の搭載部73aとを第1の線と異なる搭載主面11a1の辺11e1と平行な第2の線上に一列に並ぶように、配置している。また、第2のIC搭載部13bでは、第6の搭載部73bと第2の搭載部71bとを搭載主面11a1の辺11e1と平行な第5の線上に一列に並ぶように、第12の搭載部76bと第10の搭載部75bとを第5の線と異なる搭載主面11a1の辺11e1と平行な第6の線上に一列に並ぶように、第4の搭載部72bと第8の搭載部74bとを第5の線および第6の線と異なる搭載主面11a1の辺11e1と平行な第7の線上に一列に並ぶように配置している。これにより。ICチップ20などのICチップを搭載主面11a1の辺11e1と平行な方向に配置を変えるだけでICチップを搭載することができる。
【0064】
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【0065】
例えば、上記の実施形態では、第1のIC搭載部13aを構成する第1、第3、第5、第7、第9、第11の搭載部71a,72a,73a,74a,75a,76aのうちの隣接する搭載部の配置間隔と、第2のIC搭載部13bを構成する第2、第4、第6、第8、第10、第12の搭載部71b,72b,73b,74b,75b,76bのうちの隣接する搭載部の配置間隔とは異なるようにしているが、これに限定されるものではなく、両者の配置間隔を同じにしてもよい。
【0066】
また、上記の実施形態では、第1のIC搭載部13aを構成する第1、第3、第5、第7、第9、第11の搭載部71a,72a,73a,74a,75a,76aの機能の並びと、第2のIC搭載部13bを構成する第2、第4、第6、第8、第10、第12の搭載部71b,72b,73b,74b,75b,76bの機能の並びは異なっているとしているが、これに限定されるものではなく、両者の機能の並びを同じにしてもよい。
【0067】
また、上記の実施形態での第1のIC搭載部13aを構成する第1、第3、第5、第7、第9、第11の搭載部71a,72a,73a,74a,75a,76aの機能の並びと、第2のIC搭載部13bを構成する第2、第4、第6、第8、第10、第12の搭載部71b,72b,73b,74b,75b,76bの機能の並びとは一例であって、他の機能の並びとなるように第1~第6の配線パターン71~76の配置などを変形してもよい。
【0068】
また、上記の実施形態では、第3の配線パターン73の第5の搭載部73aと第6の搭載部73bとを搭載主面11a1上で接続されず他の面を介して接続されるようにし、第4の配線パターン74の第7の搭載部74aと第8の搭載部74bとを搭載主面11a1上で接続されず他の面を介して接続されるようにしているが、これに限定されるものではなく、例えば、(1)第3の配線パターン73の第5の搭載部73aと第6の搭載部73bとを搭載主面11a1上で接続されず他の面を介して接続されるようにし、第4の配線パターン74の第7の搭載部74aと第8の搭載部74bとを搭載主面11a1上で接続されるようにしたり、(2)第3の配線パターン73の第5の搭載部73aと第6の搭載部73bとを搭載主面11a1上で接続されるようにし、第4の配線パターン74の第7の搭載部74aと第8の搭載部74bとを搭載主面11a1上で接続されず他の面を介して接続されるようにしたりしてもよい。
【0069】
また、上記の実施形態では、第1のIC搭載部13aと第2のIC搭載部13bとを搭載主面11a1上で左右方向に並べているが、これに限定されるものではなく、例えば、上下方向に並べたり、一の対角方向に並べたり、他の対角方向に並べてもよい。
【0070】
また、上記の実施形態では、第1~第6の配線パターン71~76のそれぞれでは、第1のIC搭載部13a用の搭載部(第1、第3、第5、第7、第9、第11の搭載部71a,72a,73a,74a,75a,76a)と、第2のIC搭載部13b用の搭載部(第2、第4、第6、第8、第10、第12の搭載部71b,72b,73b,74b,75b,76b)とを別の位置に形成しているが、これに限定されているが、これに限定されるものではなく、例えば、第1~第6の配線パターン71~76の一部のそれぞれでは、第1のIC搭載部13a用の搭載部と、第2のIC搭載部13b用の搭載部とを別の位置に形成し、残りのそれぞれでは、第1のIC搭載部13a用の搭載部と、第2のIC搭載部13b用の搭載部とを同じ位置に形成するようにしてもよい。つまり、第1のIC搭載部13aに配置される搭載部と、第2のIC搭載部13bに配置される搭載部の一部を兼用する構成であってもよい。この場合、第1のIC搭載部13aと第2のICの搭載部13bとが一部で重なる。
【0071】
また、上記の実施形態は、第1の配線パターン71および第2の配線パターン72の配置などは、第1の配線パターン71の少なくとも一部、および、第2の配線パターン72の少なくとも一部が、互いに搭載主面11a1上の搭載主面11a1の一の対角の位置関係にある一方の領域、および、他方の領域に配置されるという第1の条件を満たす配線パターンの一例であって、当該第1の条件を満たす他の配線パターンに、第1の配線パターン71および第2の配線パターン72の配置などを変更してもよい。
【0072】
また、上記の実施形態は、第3の配線パターン73の配置などは、第3の配線パターン73のうちの第5の搭載部73a側の少なくとも一部、および、第6の搭載部73b側の少なくとも一部が、互いに搭載主面11a1上の搭載主面11a1の他の対角の位置関係にある一方の領域、および、他方の領域に配置されるという第2の条件を満たす配線パターンの一例であって、当該第2の条件を満たす他の配線パターンに、第3の配線パターン73の配置などに変更してもよい。
【0073】
また、上記の実施形態は、第4の配線パターン74のうちの第8の搭載部74b側の少なくとも一部が、第2の配線パターン72のうちの第3の搭載部72aを含む部分と第2の配線パターン72のうちの第4の搭載部72bを含む部分との間の領域に配置されるという第3の条件を満たす配線パターンの一例であって、当該第3の条件を満たす他の配線パターンに、第4の配線パターン74の配置などを変更してもよい。
【0074】
また、上記の実施形態は、第5の配線パターン75の一部が、第1~第4の配線パターン71~74のうちの2つの配線パターンの間の領域に配置され、第6の配線パターン76の一部が、第1~第4の配線パターン71~74のうちの2つの配線パターンの間の領域に配置されるという第4の条件を満たす配線パターンの一例であって、当該第4の条件を満たす他の配線パターンに、第5の配線パターン75および第6の配線パターン76の配置などを変更してもよい。
【0075】
また、上記した実施形態では、圧電発振器1として、主要部がセラミックで形成された積層セラミックを例として説明したが、中央の振動部と周囲の枠部とが一体的に形成された振動用の水晶基板と封止用の水晶基板を用い、振動用の水晶基板の両主面に封止用の水晶基板で挟み込むことで気密封止された水晶基板のみの積層構造の圧電振動子に対し、封止用の水晶基板に上面にICを搭載することで構成された圧電発振器にも適用できる。この場合、ICが搭載される封止用の水晶基板の上面に本発明の特徴点となる配線パターンを形成すればよい。
【0076】
また、上記した実施形態では、一つの密閉空間にICチップ20と水晶片30の両方を収納した場合について説明したが、例えば、基板部の一方の主面側に水晶片を収容する密閉空間を形成し、基板部の他方の主面側にICチップを収容する空間を形成する構成であってもよい。この場合、基板部の一方の主面に枠部を積層し、金属リングを介して枠部と蓋部とを接合して密閉空間を形成する。一方、基板部の他方の主面にも枠部を積層し、ICチップ20などの収納空間を形成する。つまり、この構成によれば、積層方向の断面がH字状に形成されることになる。
【0077】
また、上記した実施形態では、ICチップ20をフリップチップ実装で搭載主面11a1に搭載する場合について説明したが、ICチップ20を例えばワイヤーボンディングなどを用いて搭載してもよい。
【0078】
また、上記の実施形態の第1~第6の配線パターン71~76の形状は一例であって、第1~第6の配線パターン71~76を例えばコ字形状や鍵型形状を利用した他の形状としてもよい。
【0079】
また、上記実施形態では、第1のIC搭載部13aでは、第9の搭載部75aと、第7の搭載部74aと、第1の搭載部71aとを搭載主面11a1の辺11e1と平行な第1の線上に一列に並ぶように、第11の搭載部76aと、第3の搭載部72aと、第5の搭載部73aとを第1の線と異なる搭載主面11a1の辺11e1と平行な第2の線上に一列に並ぶように、配置しているが、これに限定されるものではなく、例えば、第9の搭載部75aと第11の搭載部76aとの間隔と、第7の搭載部74aと第3の搭載部72aとの間隔とが同じで、両者の間隔と第1の搭載部71aと第5の搭載部73aとの間隔が異なるなど、第9の搭載部75aと、第7の搭載部74aと、第1の搭載部71aとの少なくとも一部が搭載主面11a1の辺11e1と平行な第1の線上に存在せず、または、第11の搭載部76aと、第3の搭載部72aと、第5の搭載部73aとを第1の線と異なる搭載主面11a1の辺11e1と平行な第2の線上に存在しないように、配置してもよい。
【0080】
上記の実施形態で説明した内容や上記の変形例で説明した内容を適宜組み合わせるようにしてもよい。
【0081】
本発明は、電子機器などに用いられる圧電発振器に広く適用可能である。
【符号の説明】
【0082】
1:圧電発振器
10:容器本体
11:基板部
11a:第1の基板部
11b:第2の基板部
12:枠部
12a:第1の枠部
12b:第2の枠部
20:ICチップ
30:水晶片
40:金属リング
50:蓋部
71:第1の配線パターン
71a:第1の搭載部
71b:第2の搭載部
72:第2の配線パターン
72a:第3の搭載部
72b:第4の搭載部
73:第3の配線パターン
73a:第5の搭載部
73b:第6の搭載部
74:第4の配線パターン
74a:第7の搭載部
74b:第8の搭載部
75:第5の配線パターン
75a:第9の搭載部
75b:第10の搭載部
76:第6の配線パターン
76a:第11の搭載部
76b:第12の搭載部
図1
図2
図3