(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024033558
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】電子部品の製造装置
(51)【国際特許分類】
C25D 17/16 20060101AFI20240306BHJP
C25D 21/10 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
C25D17/16 B
C25D21/10 302
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022137201
(22)【出願日】2022-08-30
(71)【出願人】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(72)【発明者】
【氏名】油川 祐基
(72)【発明者】
【氏名】杉山 智紀
(72)【発明者】
【氏名】金子 多
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 秀利
(72)【発明者】
【氏名】郡司 知訓
(72)【発明者】
【氏名】永嶌 怜温
(57)【要約】
【課題】クラックの発生が抑制されながらめっき処理が所望の厚さに施され得ると共に、コストが削減され得る電子部品の製造装置を提供する。
【解決手段】電子部品の製造装置は、給電部21を備えている。給電部21は、少なくとも1つのチップ部品C1の被めっき部10に給電する。給電部21は、収容部25と、脱落防止部26とを含んでいる。収容部25は、主面25aを有している。収容部25は、主面25aにおいて開放しており且つ1つのチップ部品C1を収容する空間Sが形成されている。脱落防止部26は、収容部25の主面25aに設けられていると共に、空間Sに収容されたチップ部品C1の脱落を防止する。脱落防止部26は、張り出し部46を含んでいる。張り出し部46は、主面25aに直交する方向から見て主面から空間S側に張り出している。張り出し部46は、空間Sに連通する開口48aを形成している。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのチップ部品の被めっき部に給電する給電部を備え、
前記給電部は、
主面を含んでいると共に、前記主面において開放しており且つ1つの前記チップ部品を収容する空間が形成されている収容部と、
前記収容部の前記主面に設けられていると共に、前記空間に収容された前記チップ部品の脱落を防止する脱落防止部と、を含み、
前記脱落防止部は、前記主面に直交する方向から見て前記主面から前記空間側に張り出していると共に、前記空間に連通する開口を形成している張り出し部を含んでいる、電子部品の製造装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つのチップ部品は、複数のチップ部品を含み、
前記収容部には、前記複数のチップ部品の各々を収容する複数の前記空間が形成されている、請求項1に記載の電子部品の製造装置。
【請求項3】
前記収容部は、前記複数の空間をそれぞれ画定する複数の壁面を含んでおり、
前記複数の空間を画定する前記複数の壁面は、互いに電気的に接続された導電層によって形成されている、請求項2に記載の電子部品の製造装置。
【請求項4】
前記収容部は、前記複数の空間をそれぞれ画定すると共に、導電性を有している複数の壁面を含んでおり、
前記複数の空間のうち第1空間を画定する前記壁面は、第1配線に接続されており、
前記複数の空間のうち前記第1空間と異なる第2空間を画定する前記壁面は、前記第1配線から離隔された第2配線に接続されている、請求項2に記載の電子部品の製造装置。
【請求項5】
前記収容部は、前記複数の空間をそれぞれ画定する複数の壁面と、前記壁面を形成している導電層と、前記導電層と前記脱落防止部との間に配置されていると共に前記主面を形成する絶縁層と、を含んでいる、請求項1に記載の電子部品の製造装置。
【請求項6】
前記収容部は、互いに対向する一対の前記主面を含んでおり、
前記空間は、前記一対の主面の対向方向に前記収容部を貫通しており、
前記脱落防止部は、前記一対の主面のうち第1主面に設けられている第1脱落防止部と、前記一対の主面のうち第2主面に設けられている第2脱落防止部とを含んでおり、
前記第1脱落防止部は、前記第1主面に直交する方向から見て前記第1主面から前記空間側に張り出していると共に、前記空間に連通する開口を形成している第1張り出し部を含んでおり、
前記第2脱落防止部は、前記第2主面に直交する方向から見て前記第2主面から前記空間側に張り出していると共に、前記空間に連通する開口を形成している第2張り出し部を含んでいる、請求項1に記載の電子部品の製造装置。
【請求項7】
前記一対の主面に直交する方向から見て、前記第1張り出し部によって形成される前記開口の面積と、前記第2張り出し部によって形成される前記開口の面積とは、同一である、請求項6に記載の電子部品の製造装置。
【請求項8】
前記一対の主面に直交する方向から見て、前記第1張り出し部によって形成される前記開口の面積は、前記第2張り出し部によって形成される前記開口の面積よりも小さい、請求項6に記載の電子部品の製造装置。
【請求項9】
前記収容部から離隔しているアノードをさらに備えており、
前記第1張り出し部によって形成される前記開口は、前記第2張り出し部によって形成される前記開口よりも前記アノードの近くに位置するように形成されている、請求項8に記載の電子部品の製造装置。
【請求項10】
前記開口の縁は、少なくとも1つの角を形成しており、
前記開口における前記少なくとも1つの角は、丸みを有している、請求項1に記載の電子部品の製造装置。
【請求項11】
前記開口の縁は、円形状を呈している、請求項1に記載の電子部品の製造装置。
【請求項12】
前記収容部は、前記空間を画定する壁面を含んでおり、
前記主面に直交する方向から見て、前記空間は、少なくとも1つの角を有しており、
前記空間における前記少なくとも1つの角は、前記主面に直交する方向から見て、前記空間の外側に向かって張り出している、請求項1に記載の電子部品の製造装置。
【請求項13】
前記給電部を回転又は揺動する駆動部をさらに備える、請求項1に記載の電子部品の製造装置。
【請求項14】
前記収容部と前記脱落防止部とは、それぞれ、互いに異なるプレートによって形成されている、請求項1に記載の電子部品の製造装置。
【請求項15】
前記脱落防止部は、絶縁性を有しており、
前記収容部は、導電性を有している、請求項14に記載の電子部品の製造装置。
【請求項16】
前記開口の縁の全周は、前記主面に直交する方向から見た場合における前記主面と前記空間との境界よりも、前記空間側に張り出している、請求項1から15のいずれか一項に記載の電子部品の製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品の製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子部品の製造において、チップ部品の被めっき部にめっき処理を行うことが知られている(たとえば、特許文献1)。チップ部品は、例えば、めっき処理前の電子部品である。被めっき部は、たとえば、めっき処理前の電極である。たとえば、被めっき部に電位が付与されることによって、めっき処理が実行される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に示されているように、複数のチップ部品と複数のめっきメディアとをバレルに入れて、バレルを回転させながらめっき処理を行う技術が知られている。このような電解バレルめっき法では、バレル内において、複数のチップ部品同士の衝突、又は、めっきメディアとチップ部品との衝突によって、一部のチップ部品にクラックが生じる。外観にクラックが表れていなかったとしても、内部にクラックが生じている場合がある。このようなクラックが生じた電子部品を生産ラインにおいて除外することは、容易ではない。
【0005】
また、バレル内において複数のチップ部品と複数のめっきメディアとが混在しているため、チップ部品の被めっき部だけでなく、めっきメディアにもめっきが付与されてしまう。このため、電力消費及び材料消費の低減を図り難い。複数のチップ部品は、バレルにおいて不均一に位置する。したがって、チップ部品ごとの被めっき部に付与される電位も不均一である。この結果、被めっき部におけるめっき膜厚も不均一となり得る。
【0006】
このため、各被めっき部の所定箇所に電極を接触させて、めっき処理を行うことが考えられる。このような構成においても、コストの削減のため、装置の構造の簡略化、工数の削減、及び、メンテナンスの簡略化が模索されている。
【0007】
本発明の一つの態様は、クラックの発生が抑制されながらめっき処理が所望の厚さに施され得ると共に、コストが削減され得る電子部品の製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一つの態様における電子部品の製造装置は、給電部を備えている。給電部は、少なくとも1つのチップ部品の被めっき部に給電する。給電部は、収容部と、脱落防止部とを含んでいる。収容部は、主面を含んでいる。収容部は、主面において開放しており且つ1つのチップ部品を収容する空間が形成されている。脱落防止部は、収容部の主面に設けられていると共に、空間に収容されたチップ部品の脱落を防止する。脱落防止部は、張り出し部を含んでいる。張り出し部は、主面に直交する方向から見て主面から空間側に張り出している。張り出し部は、空間に連通する開口を形成している。
【0009】
この電子部品の製造装置では、収容部に形成されている空間に1つのチップ部品が収容されている。このため、チップ部品同士の衝突が抑制され、チップ部品においてクラックの発生が抑制され得ると共に、所望の厚さのめっき膜厚が形成され得る。さらに、簡易な構成、簡易な工法、及び、簡易なメンテナンスなどの実現によって、コストが低減され得る。
【0010】
上記一つの態様では、少なくとも1つのチップ部品は、複数のチップ部品を含んでいてもよい。収容部には、複数のチップ部品の各々を収容する複数の上記空間が形成されていてもよい。この場合、複数のチップ部品の各々においてクラックの発生が抑制され得る。
【0011】
上記一つの態様では、収容部は、複数の空間をそれぞれ画定する複数の壁面を含んでいてもよい。複数の空間を画定する複数の壁面は、互いに電気的に接続された導電層によって形成されていてもよい。この場合、より容易な構成によって、各チップ部品の被めっき部に電圧が付与され得る。
【0012】
上記一つの態様では、収容部は、複数の空間をそれぞれ画定すると共に、導電性を有している複数の壁面を含んでいてもよい。複数の空間のうち第1空間を画定する壁面は、第1配線に接続されていてもよい。複数の空間のうち第1空間と異なる第2空間を画定する壁面は、第1配線から離隔された第2配線に接続されていてもよい。この場合、第1空間に収容されるチップ部品と第2空間に収容されるチップ部品との間において、被めっき部に付与する電位が変更される得る。したがって、各チップ部品の被めっき部におけるめっきの膜厚が制御され得る。
【0013】
上記一つの態様では、収容部は、複数の空間をそれぞれ画定する複数の壁面と、絶縁層と、導電層とを含んでいてもよい。導電層は、壁面を形成していてもよい。絶縁層は、導電層と脱落防止部との間に配置されていてもよい。絶縁層は、主面を形成していてもよい。この場合、給電部へのめっきが抑制され得るため、メンテナンス性が向上し得る。導電層における電気的な接続がより容易且つ強固に保護され得る。
【0014】
上記一つの態様では、収容部は、互いに対向する一対の上記主面を含んでいてもよい。空間は、一対の主面の対向方向に収容部を貫通していてもよい。脱落防止部は、第1脱落防止部と第2脱落防止部とを含んでいてもよい。第1脱落防止部は、一対の主面のうち第1主面に設けられていてもよい。第2脱落防止部は、一対の主面のうち第2主面に設けられていてもよい。第1脱落防止部は、第1張り出し部を含んでいてもよい。第1張り出し部は、第1主面に直交する方向から見て第1主面から空間側に張り出していると共に、空間に連通する開口を形成していてもよい。第2脱落防止部は、第2張り出し部を含んでいてもよい。第2張り出し部は、第2主面に直交する方向から見て第2主面から空間側に張り出していると共に、空間に連通する開口を形成していてもよい。この場合、第1張り出し部の開口と、第2張り出し部の開口との双方から、チップ部品の被めっき部に対してめっき処理が実施され得る。このため、めっき処理に要される時間がさらに低減され得る。たとえば、収容部に形成された空間において、チップ部品を反転させる工程が省略され得る。
【0015】
上記一つの態様では、一対の主面に直交する方向から見て、第1張り出し部によって形成される開口の面積と、第2張り出し部によって形成される開口の面積とは、同一であってもよい。この場合、チップ部品の被めっき部において、めっき膜が所望の膜厚で形成され得る。
【0016】
上記一つの態様では、一対の主面に直交する方向から見て、第1張り出し部によって形成される開口の面積は、第2張り出し部によって形成される開口の面積よりも小さくてもよい。この場合、チップ部品の被めっき部において、めっき膜が所望の膜厚で形成され得る。
【0017】
上記一つの態様では、収容部から離隔しているアノードをさらに備えていてもよい。第1張り出し部によって形成される開口は、第2張り出し部によって形成される開口よりもアノードの近くに位置するように形成されていてもよい。この場合、チップ部品の被めっき部に対して付与される電位が均一化され得る。
【0018】
上記一つの態様では、上記開口の縁は、少なくとも1つの角を形成していてもよい。上記開口における上記少なくとも1つの角は、丸みを有していてもよい。この場合、上記開口の縁に対するチップ部品のひっかかりが、抑制され得る。チップ部品の被めっき部へのめっき電流の集中が抑制され得る。
【0019】
上記一つの態様では、上記開口の縁は、円形状を呈していてもよい。この場合、上記開口の縁に対するチップ部品のひっかかりが、抑制され得る。チップ部品の被めっき部へのめっき電流の集中が抑制され得る。
【0020】
上記一つの態様では、収容部は、空間を画定する壁面を含んでいてもよい。主面に直交する方向から見て、上記空間は、少なくとも1つの角を有していてもよい。上記空間における上記少なくとも1つの角は、主面に直交する方向から見て、上記空間の外側に向かって張り出していてもよい。この場合、チップ部品の被めっき部が上記壁面に対してより適切に接し得る。
【0021】
上記一つの態様では、給電部を回転又は揺動する駆動部をさらに備えてもよい。この場合、チップ部品の被めっき部に対して、めっき膜の膜厚が均一に形成され得る。
【0022】
上記一つの態様では、収容部と脱落防止部とは、それぞれ、互いに異なるプレートによって形成されていてもよい。この場合、給電部の製造が比較的容易である。
【0023】
上記一つの態様では、脱落防止部は、絶縁性を有していてもよい。収容部は、導電性を有していてもよい。この場合、脱落防止部へのめっきが抑制され得る。さらに、導電層における電気的な接続が、より容易且つ強固に保護され得る。
【0024】
上記一つの態様では、上記開口の縁の全周は、主面に直交する方向から見た場合における主面と上記空間との境界よりも、上記空間側に張り出していてもよい。この場合、上記空間に収容されたチップ部品の脱落がより確実に抑制され得る。
【発明の効果】
【0025】
本発明の一つの態様は、クラックの発生が抑制されながらめっき処理が所望の厚さに施され得ると共に、コストが削減され得る電子部品の製造装置を提供することを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本実施形態における電子部品の製造装置のブロック図である。
【
図5】本実施形態の変形例における収容部の部分拡大図である。
【
図7】本実施形態の変形例における脱落防止部の部分拡大図である。
【
図8】本実施形態の変形例における収容部の部分拡大図である。
【
図9】本実施形態の変形例における脱落防止部の部分拡大図である。
【
図10】本実施形態の変形例における給電部の断面を示す概略図である。
【
図11】本実施形態の変形例における給電部の断面を示す概略図である。
【
図12】本実施形態の変形例における給電部の断面を示す概略図である。
【
図13】本実施形態の変形例における給電部の断面を示す概略図である。
【
図14】(a)及び(b)は、めっき処理部における回路を示す図である。
【
図15】電子部品の製造装置の動作の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態が詳細に説明される。図面の説明において、同一又は同等の要素には同一符号が用いられ、重複する説明は省略される。
【0028】
まず、
図1から
図9を参照して、本実施形態における電子部品の製造装置の概要を説明する。
図1は、本実施形態における電子部品の製造装置のブロック図である。製造装置1は、チップ部品C1の被めっき部10にめっき処理を行う。被めっき部10は、たとえば、チップ部品C1における外部電極を含んでいる。製造装置1は、めっき処理部2と、電源部3と、駆動制御部4とを備えている。
【0029】
製造装置1は、めっき処理部2において、少なくとも1つのチップ部品C1をめっき液に浸した状態で、被めっき部10に対するめっき処理を行う。被めっき部10にめっき処理を施すことによって、電子部品が形成される。たとえば、めっき処理部2は、チップ部品C1を収容し、チップ部品C1が揺動するように保持する。以下、本明細書において、「めっき処理」は、被めっき部10に対するめっき処理を意味する。被めっき部10をめっき処理することによって形成される電子部品は、たとえば、コンデンサ部品である。チップ部品C1は、たとえば、電子部品にめっき処理を施す前の部品である。チップ部品C1は、たとえば、素体と焼結電極とを含んでいる。たとえば、上記めっき処理によって、焼結電極にめっきが付与される。
【0030】
図2は、チップ部品の一例を示している。
図2に示されているチップ部品C1は、互いに対向する一対の端面11と、一対の端面11の間に位置している側面12とを含んでいる。
図2に示されている例において、チップ部品C1は、直方体形状を呈している。
図2において、方向D1は一対の端面11が対向する方向であり、方向D2は方向D1と交差する方向であり、方向D3は方向D1及び方向D2と交差する方向である。
【0031】
側面12は、方向D2において互いに対向する一対の側面12a,12bと、方向D3において互いに対向する一対の側面12c,12dとを含んでいる。換言すれば、一対の端面11は、方向D1において互いに反対側に位置している。一対の側面12a,12bは、方向D2において互いに反対側に位置している。一対の側面12c,12dは、方向D3において互いに反対側に位置している。
図2に示されている例において、方向D1と方向D2と方向D3とは、互いに直交している。直方体形状は、角部及び稜線部が面取りされている直方体の形状、及び、角部及び稜線部が丸められている直方体の形状を含んでいる。
【0032】
チップ部品C1は、被めっき部10として、互いに離間している複数の被めっき部13a,13bを含んでいる。チップ部品C1は、一対の端面11に互いに離間している一対の被めっき部13a,13bを含んでいる。各被めっき部13a,13bは、焼結電極を含んでいる。各被めっき部13a,13bは、対応する端面11の全体を構成しており、各側面12a,12bの一部と各側面12c,12dの一部とを構成している。各被めっき部13a,13bの焼結電極は、素体15の一部を覆っており、当該焼結電極が設けられていない部分では素体15が露出している。各被めっき部13a,13bにおける焼結電極は、材料として、たとえば、銅、銀、ニッケル、及びパラジウムの少なくとも一つを含んでいる。被めっき部13aは第一被めっき部に相当し、被めっき部13bは第二被めっき部に相当する。
【0033】
電源部3は、めっき処理部2に電力を供給する。電源部3から供給される電力によって、めっき処理部2においてめっき処理が施される。電源部3によって供給された電力によって、めっき電流が生じる。電源部3は、電源制御部31を含んでいる。電源制御部31は、めっき処理部2に供給する電力を制御する。
【0034】
駆動制御部4は、めっき処理部2の駆動を制御する。めっき処理部2は、駆動制御部4からの制御信号に応じて、チップ部品C1の被めっき部10とめっき処理部2との接触状態が変更されるように駆動する。
【0035】
次に、めっき処理部2を詳細に説明する。めっき処理部2は、チップ部品C1の各被めっき部13a,13bに対して、めっき処理を行う。めっき処理部2は、
図1に示されているように、給電部21と、アノード22と、駆動部23とを含んでいる。
【0036】
給電部21は、少なくとも1つのチップ部品C1の被めっき部10に給電する。たとえば、給電部21は、複数のチップ部品C1の各々の被めっき部10に電圧を付与する。給電部21は、アノード22と離隔している。給電部21とアノード22とは、互いに対向している。給電部21は、駆動部23によって駆動する。
図3に示されているように、給電部21は、収容部25と、少なくとも1つの脱落防止部26とを含んでいる。アノード22は、材料として、ニッケル及びスズから選択された少なくとも一つを含んでいる。
図3は、給電部21の断面を示す概略図である。
【0037】
収容部25は、少なくとも1つのチップ部品C1を収容する。収容部25は、チップ部品C1を揺動可能に収容する。収容部25は、たとえば、互いに対向している一対の主面25a,25bを含んでいる。収容部25には、複数のチップ部品C1の各々を収容する複数の空間Sが形成されている。空間Sは、主面25a,25bの各々において開放している。たとえば、空間Sは、一対の主面25a,25bの対向方向において、収容部25を貫通している。空間Sは、たとえば、スルーホールに対応する。
【0038】
一対の主面25a,25bの対向方向は、たとえば、一対の主面25a,25bに直交する方向に相当する。一対の主面25a,25bの対向方向は、Y軸方向に相当する。収容部25に収容されるチップ部品C1の厚み方向、すなわち方向D2に沿った方向は、Z軸方向に相当する。X軸方向、Y軸方向、及び、Z軸方向は、互いに直交している。
【0039】
各空間Sは、1つのチップ部品C1を収容する。収容部25は、たとえば、板形状を呈している。収容部25の少なくとも一部は、導電性を有している。収容部25は、たとえば、導電性を有するプレートによって形成されている。
【0040】
収容部25は、複数の空間Sをそれぞれ画定する複数の壁面Wを含んでいる。本実施形態に示す例において、
図4に示されるように、一対の主面25a,25bに直交する方向から見て、各空間Sは、少なくとも1つの角29を有するように画定されている。
図4は、給電部の部分拡大図である。
【0041】
たとえば、一対の主面25a,25bに直交する方向から見て、各空間Sは、矩形状を呈しており、4つの角29を有するように画定されている。たとえば、主面25a,25bに直交する方向から見て、複数の壁面Wは、少なくとも1つの角29において、互いに直交するように交わっている。本実施形態の変形例として、たとえば、
図5に示されているように、少なくとも1つの角29は、主面25a,25bに直交する方向から見て、空間Sの外側に向かって張り出していてもよい。
図5は、変形例における収容部の部分拡大図である。
【0042】
各壁面Wは、導電性を有している。
図3に示されているように、収容部25は、たとえば、導電層41及び絶縁層42を含んでいる。壁面Wは、たとえば、導電層41によって形成されている。本実施形態に示す例において、複数の壁面Wは、互いに電気的に接続された導電層41によって形成されている。導電層41は、アノード22に対応するカソードに相当する。
【0043】
導電層41は、たとえば、互いに対向している一対の主面41a,41bを含んでいる。導電層41は、板形状を呈している。少なくとも導電層41は、空間Sを画定している。導電層41は、壁面Wに露出している。本実施形態に示す例において、空間Sは、導電層41と絶縁層42とによって形成されている。導電層41は、たとえば、材料として、銅、ニッケル、チタン、鉄、クロム、ニッケル合金、ベリリウム銅合金、及び、ステンレス鋼から選択された少なくとも一つを含んでいる。収容部25に収容されたチップ部品C1において、被めっき部13a,13bは、それぞれ導電層41に接する。チップ部品C1の揺動によって、被めっき部13a,13bのそれぞれと、導電層41とが接する部分は変化する。Z軸方向における導電層41の長さは、たとえば、6.0mmである。
【0044】
絶縁層42は、各主面41a,41bに設けられている。絶縁層42は、各主面41a,41bを覆っている。換言すれば、導電層41は、絶縁層42に覆われている。絶縁層42は、収容部25の一対の主面25a,25bを形成している。絶縁層42は、導電層41と脱落防止部26との間に配置されている。絶縁層42は、たとえば、材料として、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、及び、フッ素樹脂等の高分子加工物、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、ガラス、石英等のセラミックス、並びに、ガラスエポキシ等の複合物から選択された少なくとも一つを含んでいる。
【0045】
脱落防止部26は、収容部25の各主面25a,25bに設けられている。脱落防止部26は、空間Sに収容されたチップ部品C1の脱落を防止する。脱落防止部26は、空間Sに収容されたチップ部品C1の脱落を防止する。脱落防止部26は、張り出し部46を含んでいる。張り出し部46は、空間Sに連通する開口48を形成している。
【0046】
たとえば、給電部21は、脱落防止部26として、一対の脱落防止部26a,26bを含んでいる。各脱落防止部26a,26bは、板形状を呈している。たとえば、脱落防止部26a,26bは、それぞれ絶縁性を有するプレートによって形成されている。脱落防止部26a,26bを形成するプレートと収容部25を形成するプレートとは、互いに異なり、別体である。
【0047】
脱落防止部26aは、主面25aに設けられている。脱落防止部26bは、主面25bに設けられている。たとえば、絶縁層42は、脱落防止部26aと導電層41との間に配置されていると共に、脱落防止部26bと導電層41との間に配置されている。各脱落防止部26a,26bは、絶縁性を有している。各脱落防止部26a,26bは、たとえば、材料として、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、及び、フッ素樹脂等の高分子加工物、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、ガラス、石英等のセラミックス、並びに、ガラスエポキシ等の複合物から選択された少なくとも一つを含んでいる。Z軸方向における脱落防止部26a,26bの各々の長さは、たとえば、0.5mmである。
【0048】
脱落防止部26aは、張り出し部46aを含んでいる。張り出し部46aは、主面25aに直交する方向から見て主面25aから空間S側に張り出している。張り出し部46aは、主面25a側において空間Sに連通する開口48aを形成している。脱落防止部26bは、張り出し部46bを含んでいる。張り出し部46bは、主面25bに直交する方向から見て主面25bから空間S側に張り出している。張り出し部46bは、主面25b側において空間Sに連通する開口48bを形成している。
【0049】
本実施形態に示す例において、
図6に示されているように、各開口48は、たとえば、矩形状を呈している。たとえば、収容部25における複数の空間Sは、行列状に配列されている。開口48の縁51は、少なくとも1つの角52を形成している。角52は、直角に構成されている。本実施形態の変形例として、
図7に示されているように、各開口48が矩形状を呈していると共に、角52が丸められていてもよい。換言すれば、各開口48における角52は、丸みを有していてもよい。
図6及び
図7は、脱落防止部の部分拡大図である。
【0050】
図4に示されているように、たとえば、開口48の縁は、全周にわたって、張り出し部46によって形成されている。たとえば、開口48a,48bの縁51は、それぞれ、全周にわたって、張り出し部46a,46bによって形成されている。開口48aの縁51の全周は、主面25aに直交する方向から見た場合における主面25aと空間Sとの境界Bよりも、空間S側に張り出している。開口48bの縁51の全周は、主面25bに直交する方向から見た場合における主面25bと空間Sとの境界Bよりも、空間S側に張り出している。換言すれば、主面25aに直交する方向において、開口48aの水平投影面積は、当該開口48aに連通する空間Sの水平投影面積よりも小さい。主面25bに直交する方向において、開口48bの水平投影面積は、当該開口48bに連通する空間Sの水平投影面積よりも小さい。
【0051】
チップ部品C1の方向D1における水平投影面積は、主面25a,25bに直交する方向における開口48a,48bの水平投影面積よりも大きい。方向D1におけるチップ部品C1の水平投影面積は、主面25a,25bに直交する方向における空間Sの水平投影面積よりも小さい。チップ部品C1の端面11の面積は、主面25a,25bに直交する方向における開口48a,48bの水平投影面積よりも大きい。チップ部品C1の端面11の面積は、主面25a,25bに直交する方向における空間Sの水平投影面積よりも小さい。
【0052】
たとえば、X軸方向において、各開口48a,48bの長さは、チップ部品C1の端面11の長さの75%以上である。Z軸方向において、各開口48a,48bの長さは、チップ部品C1の端面11の長さの75%以上である。この場合、被めっき部10の全体にめっきが施され得る。
【0053】
X軸方向において、各開口48a,48bの長さは、チップ部品C1の端面11の長さから0.1mm減算した値以下である。Y軸方向において、各開口48a,48bの長さは、チップ部品C1の端面11の長さから0.1mm減算した値以下である。この場合、チップ部品C1が空間Sから脱落することが、防止される。チップ部品C1が開口48a,48bに引っ掛かることが抑制される。給電部21の全体の大型化が抑制される。
【0054】
たとえば、X軸方向において、空間Sの長さは、チップ部品C1の端面11の長さに0.1mm加算した値以上である。Y軸方向において、空間Sの長さは、チップ部品C1の端面11の長さに0.1mm加算した値以上である。この場合、チップ部品C1が空間Sへ挿入される際における引っかかりが抑制される。さらに、めっき処理において、空間Sにおけるチップ部品C1の揺動がスムーズになり得る。
【0055】
X軸方向において、空間Sの長さは、チップ部品C1の端面11の長さの150%以下である。Y軸方向において、空間Sの長さは、チップ部品C1の端面11の長さの150%以下である。この場合、チップ部品C1が空間Sへ挿入される際において、チップ部品C1の挿入不良が抑制され得る。開口48a,48bの位置とのずれに応じた、めっき処理不良が抑制される。被めっき部10と導電層41との接触不良が抑制される。空間Sにおけるチップ部品C1の揺動に応じた、チップ部品C1のクラック及びカケの発生が抑制される。給電部21の全体の大型化が抑制される。
【0056】
本実施形態に示す例において、一対の主面25a,25bに直交する方向から見て、開口48aの面積と開口48bの面積とは、実質的に同一である。たとえば、「実質的」とは、製造誤差の範囲を考慮した範囲を示している。
【0057】
本実施形態の変形例として、一対の主面25a,25bに直交する方向から見て、開口48aの面積は、開口48bの面積より小さくてもよい。この場合、開口48aは、開口48bよりもアノード22の近くに位置するように形成されている。アノード22から開口48aまでの距離と、アノード22から開口48bまでの距離との関係が、めっき処理中に変化する場合には、たとえば、めっき処理における時間平均位置に関して、開口48aが開口48bよりもアノード22の近くに位置するように形成されている。
【0058】
本実施形態の変形例として、
図8に示されているように、一対の主面25a,25bに直交する方向から見て、各空間Sは、円形状を呈するように壁面Wによって画定されていてもよい。同様に、
図8及び
図9に示されているように、各開口48a,48bは、たとえば、円形状を呈していてもよい。この場合も、たとえば、収容部25における複数の空間Sは、行列状に配列されていてもよい。
図8は、変形例における収容部の部分拡大図である。
図9は、変形例における脱落防止部の部分拡大図である。
【0059】
図8に示されているように、各開口48a,48bが円形状を呈している場合、各開口48a,48bの最大径は、チップ部品C1の方向D3における長さよりも小さい。主面25a,25bに沿った方向における空間Sの最大径は、各開口48a,48bの最大径及び方向D3におけるチップ部品C1の長さよりも大きい。主面25a,25bに沿った方向における空間Sの最小径は、各開口48a,48bの最大径及び方向D3におけるチップ部品C1の長さよりも大きい。
【0060】
次に、
図10から
図14を参照して、本実施形態のさらなる変形例における給電部について説明する。
図10から
図13は、それぞれ、給電部21の断面を示す概略図である。本変形例は、概ね上述した実施形態と類似又は同じである。
図10に示されている変形例における給電部21Aは、収容部25の代わりに収容部65Aを含んでおり、かつ、脱落防止部26bを含んでいない点において、上述した実施形態と相違する。以下、上述した実施形態と変形例との相違点を主として説明する。
【0061】
収容部65Aは、たとえば、導電層61及び絶縁層42を含んでいる。壁面Wは、たとえば、導電層61によって形成されている。本変形例において、複数の壁面Wは、互いに電気的に接続された導電層61によって形成されている。導電層61は、アノード22に対応するカソードに相当する。導電層61は、導電層41と同様の材料を含んでいる。
【0062】
収容部65Aは、たとえば、互いに対向している一対の主面25a,61bを含んでいる。空間Sは、主面25aのみにおいて開放している。空間Sは、導電層61によって形成された底61cを含んでいる。
【0063】
導電層61は、たとえば、互いに対向している一対の主面61a,61bを含んでいる。導電層61は、板形状を呈している。少なくとも導電層61は、空間Sを画定している。導電層61は、壁面Wに露出している。本変形例において、空間Sは、導電層61と絶縁層42とによって形成されている。
【0064】
絶縁層42は、各主面61a,61bに設けられている。絶縁層42は、各主面61a,61bを覆っている。換言すれば、導電層61は、絶縁層42に覆われている。絶縁層42は、収容部65Aの一対の主面25a,25bを形成している。絶縁層42は、導電層61と脱落防止部26との間に配置されている。
【0065】
脱落防止部26は、収容部65Aの各主面25a,25bに設けられている。給電部21Aは、脱落防止部26として、脱落防止部26aのみを含んでいる。たとえば、絶縁層42は、脱落防止部26aと導電層61との間に配置されている。
【0066】
図11に示されている変形例における給電部21Bは、収容部25の代わりに収容部75Bを含んでおり、かつ、脱落防止部26bを含んでいない点において、上述した実施形態と相違する。給電部21Bは、脱落防止部26aと、導電層71とを含んでいる。導電層71が、収容部75Bと脱落防止部76bとを含んでいる。壁面Wは、たとえば、導電層71によって形成されている。本変形例において、複数の壁面Wは、互いに電気的に接続された導電層71によって形成されている。導電層71は、アノード22に対応するカソードに相当する。導電層71は、導電層41と同様の材料を含んでいる。
【0067】
収容部75Bは、たとえば、互いに対向している一対の主面71a,71bを含んでいる。一対の主面71a,71bは、主面25a,25bに相当する。空間Sは、主面25a及び主面25bにおいて開放している。
【0068】
導電層71は、たとえば、互いに対向している一対の主面71a,71bを含んでいる。導電層71は、板形状を呈している。少なくとも導電層71は、空間Sを画定している。導電層71は、壁面Wに露出している。本変形例において、空間Sは、導電層71によって形成されている。
【0069】
給電部21Bは、脱落防止部26として、脱落防止部26aと、脱落防止部76bとを含んでいる。本変形例において、脱落防止部26aが導電層71の主面25aに設けられている。換言すれば、脱落防止部26aは、主面25aに接している。脱落防止部76bは、導電層71と一体に形成されている。本変形例において、脱落防止部26aは絶縁性を有しており、脱落防止部76bは導電性を有している。
【0070】
脱落防止部76bは、張り出し部46bを含んでいる。張り出し部46bは、主面25bに直交する方向から見て主面25bから空間S側に張り出している。張り出し部46bは、主面25b側において空間Sに連通する開口78bを形成している。
【0071】
本変形例において、一対の主面25a,25bに直交する方向から見て、開口48aの面積と開口78bの面積とは、実質的に同一である。本変形例のさらなる変形例として、一対の主面25a,25bに直交する方向から見て、開口48aの面積は、開口78bの面積より小さくてもよい。この場合、開口48aは、開口78bよりもアノード22の近くに位置するように形成されている。アノード22から開口48aまでの距離と、アノード22から開口78bまでの距離との関係が、めっき処理中に変化する場合には、たとえば、めっき処理における時間平均位置に関して、開口48aが開口78bよりもアノード22の近くに位置するように形成されている。
【0072】
本変形例として、各開口48a,78bは、たとえば、円形状を呈していてもよい。各開口48a,78bが円形状を呈している場合、各開口48a,78bの最大径は、チップ部品C1の方向D3における長さよりも小さい。主面25a,25bに沿った方向における空間Sの最大径は、各開口48a,78bの最大径及び方向D3におけるチップ部品C1の長さよりも大きい。主面25a,25bに沿った方向における空間Sの最小径は、各開口48a,78bの最大径及び方向D3におけるチップ部品C1の長さよりも大きい。
【0073】
図12に示されている変形例における給電部21Cは、収容部25の代わりに収容部85Cを含んでおり、かつ、脱落防止部26a,26bを含んでいない点において、上述した実施形態と相違する。給電部21Cは、導電層81と導電層82とを含んでいる。導電層81及び導電層82によって、収容部85Cと、脱落防止部86a,86bとが構成されている。壁面Wは、たとえば、導電層81及び導電層82によって形成されている。本変形例において、複数の壁面Wは、互いに電気的に接続された導電層81及び導電層82によって形成されている。導電層81,82は、アノード22に対応するカソードに相当する。導電層81,82は、導電層41と同様の材料を含んでいる。
【0074】
収容部85Cにおいて、導電層81は、たとえば、互いに対向している一対の主面81a,81bを含んでいる。導電層82は、たとえば、互いに対向している一対の主面82a,82bを含んでいる。主面81bと主面82bとは、互いに対向している。たとえば、主面81bと主面82bとは、互いに接している。主面81a,82aは、それぞれ、主面25a,25bに相当する。空間Sは、主面25a及び主面25bにおいて開放している。導電層81、82は、板形状を呈している。導電層81及び導電層82によって、空間Sが画定されている。導電層81、82は、壁面Wに露出している。
【0075】
給電部21Cは、脱落防止部86として、脱落防止部86aと、脱落防止部86bとを含んでいる。脱落防止部86aは、導電層81と一体に形成されている。脱落防止部86bは、導電層82と一体に形成されている。
【0076】
脱落防止部86aは、張り出し部46aを含んでいる。張り出し部46aは、主面25aに直交する方向から見て主面25aから空間S側に張り出している。張り出し部46aは、主面25a側において空間Sに連通する開口88aを形成している。脱落防止部86bは、張り出し部46bを含んでいる。張り出し部46bは、主面25bに直交する方向から見て主面25bから空間S側に張り出している。張り出し部46bは、主面25b側において空間Sに連通する開口88bを形成している。
【0077】
本変形例において、一対の主面25a,25bに直交する方向から見て、開口88aの面積と開口88bの面積とは、実質的に同一である。本変形例のさらなる変形例として、一対の主面25a,25bに直交する方向から見て、開口88aの面積は、開口88bの面積より小さくてもよい。この場合、開口88aは、開口88bよりもアノード22の近くに位置するように形成されている。アノード22から開口88aまでの距離と、アノード22から開口88bまでの距離との関係が、めっき処理中に変化する場合には、たとえば、めっき処理における時間平均位置に関して、開口88aが開口88bよりもアノード22の近くに位置するように形成されている。
【0078】
本変形例として、各開口88a,88bは、たとえば、円形状を呈していてもよい。各開口88a,88bが円形状を呈している場合、各開口88a,88bの最大径は、チップ部品C1の方向D3における長さよりも小さい。主面25a,25bに沿った方向における空間Sの最大径は、各開口88a,88bの最大径及び方向D3におけるチップ部品C1の長さよりも大きい。主面25a,25bに沿った方向における空間Sの最小径は、各開口88a,88bの最大径及び方向D3におけるチップ部品C1の長さよりも大きい。
【0079】
図13に示されている変形例における給電部21Dは、収容部25の代わりに収容部95Dを含んでいる点において、上述した実施形態と相違する。給電部21Dにおいて、収容部95Dは、導電層91と、絶縁層92と、回路基板93とを含んでいる。収容部95Dは、導電性を有している複数の壁面Wを含んでいる。壁面Wは、たとえば、導電層91及び絶縁層92によって形成されている。本変形例において、複数の壁面Wは、互いに電気的に接続された導電層91によって形成されている。導電層91は、壁面Wに露出している。
【0080】
導電層91は、導電層41と同様の材料を含んでいる。絶縁層92は、絶縁層42と同様の材料を含んでいる。回路基板93は、たとえば、材料として、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、及び、フッ素樹脂等の高分子加工物、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、ガラス、石英等のセラミックス、ガラスエポキシ等の複合物、銅、ニッケル、チタン、鉄、クロム、ニッケル合金、ベリリウム銅合金、並びに、ステンレス鋼から選択された少なくとも一つを含んでいる。回路基板93は、たとえば、ガラスエポキシ基板である。
【0081】
収容部95Dは、複数の空間Sをそれぞれ画定する。本変形例において、空間Sは、少なくとも導電層91によって画定されている。換言すれば、空間Sは、導電層91によって形成されている。本変形例において、脱落防止部26aが主面25aに設けられており、脱落防止部26bが主面25bに設けられている。導電層91は、アノード22に対応するカソードに相当する。
【0082】
収容部95Dは、たとえば、互いに対向している一対の主面25a,25bを含んでいる。空間Sは、主面25a及び主面25bにおいて開放している。回路基板93は、互いに対向している一対の主面93a,93bを含んでいる。導電層91は、主面93aに設けられていると共に、壁面Wの少なくとも一部を形成している。主面93aに設けられた導電層91は、主面91aを形成している。絶縁層92は、主面91aに設けられている。収容部95Dの主面25a,25bは、絶縁層92によって形成されている。絶縁層92は、導電層91と脱落防止部26aとの間に配置されている。絶縁層92は、回路基板93と脱落防止部26bとの間に配置されている。
【0083】
給電部21Dは、
図14(a)に示されているように、回路C10を含んでいる。
図14(a)は、めっき処理部における回路を示す図である。回路C10は、配線L1,L2,L3及び抵抗R1,R2,R3を含んでいる。配線L1,L2,L3は、互いに離隔されている。各配線L1,L2,L3の少なくとも一部は、導電層91によって形成されている。抵抗R3の抵抗値は、抵抗R2の抵抗値よりも大きい。抵抗R2の抵抗値は、抵抗R1の抵抗値よりも大きい。配線L1は、抵抗R1を通して、電源部3に電気的に接続されている。配線L2は、抵抗R2を通して、電源部3に電気的に接続されている。配線L3は、抵抗R3を通して、電源部3に電気的に接続されている。各空間Sを画定する壁面Wと電源部3とは、配線L1,L2,L3のいずれかを通して、電気的に接続されている。
【0084】
複数の空間Sのうち第1空間を画定する壁面Wは、配線L1に接続されている。複数の空間Sのうち第2空間を画定する壁面Wは、配線L2に接続されている。複数の空間Sのうち第3空間を画定する壁面Wは、配線L3に接続されている。第1空間、第2空間、及び、第3空間は、それぞれ、互いに異なる空間である。第1空間は、たとえば、主面25aに直交する方向から見て、配列された複数の空間Sのうち中央に位置している。第2空間は、たとえば、主面25aに直交する方向から見て、第1空間と隣り合う空間Sであり、第1空間の上下左右に位置している。第3空間は、たとえば、主面25aに直交する方向から見て、第2空間よりも第1空間から離れている空間Sである。第1空間は、第2空間よりもアノード22からめっき電流が流れやすい空間Sである。第2空間は、第3空間よりもアノード22からめっき電流が流れやすい空間Sである。第1空間は、第2空間よりもアノード22に近い。第2空間は、第3空間よりもアノード22に近い。
【0085】
本変形例のさらなる変形例として、給電部21Dは、
図14(b)に示されているように、回路C10の代わりに回路C20を含んでいてもよい。
図14(b)は、めっき処理部における回路を示す図である。
【0086】
回路C20は、配線L11,L12,L13を含んでいる。配線L11,L12,L13は、互いに離隔されている。各配線L11,L12,L13の少なくとも一部は、導電層91によって形成されている。配線L11の線幅は、配線L12の線幅よりも大きい。配線L12の線幅は、配線L13の線幅よりも大きい。配線L11,L12,L13は、それぞれ、電源部3に電気的に接続されている。各空間Sを画定する壁面Wと電源部3とは、配線L11,L12,L13のいずれかを通して、電気的に接続されている。配線L1lの抵抗値は、配線L12の抵抗値よりも低い。配線L12の抵抗値は、配線L13の抵抗値よりも低い。
【0087】
複数の空間Sのうち第1空間を画定する壁面Wは、配線L11に接続されている。複数の空間Sのうち第2空間を画定する壁面Wは、配線L12に接続されている。複数の空間Sのうち第3空間を画定する壁面Wは、配線L13に接続されている。
【0088】
次に、
図15を参照して、製造装置1の動作の一例について詳細に説明する。
図15は、電子部品の製造装置の動作の一例を説明するための図である。給電部21は、めっき液に浸水した状態において、アノード22に対向して配置されている。たとえば、複数のチップ部品C1がそれぞれ収容された複数の空間Sにおいて、各空間Sに連通する開口48がアノード22に対向するように、給電部21とアノード22とが配置されている。たとえば、複数のチップ部品C1の配列方向がアノード22の延在方向に沿うように、給電部21とアノード22とが配置されている。収容部25の導電層41と、アノード22とは、それぞれ電源部3に電気的に接続されている。電源部3から、導電層41とアノード22とに電位が付与される。電源部3は、電源制御部31からの信号に基づいて、互いに異なる空間Sを画定する壁面Wに互いに異なる電位を付与してもよい。たとえば、電源制御部31は、空間Sの位置に応じて、当該空間Sを画定する壁面Wに付与する電位を決定してもよい。
【0089】
給電部21は、駆動部23に幾何的に連結されている。たとえば、ねじSCを介して、給電部21と駆動部23とが連結されている。たとえば、駆動部23は、駆動制御部4からの指示にしたがって、給電部21を駆動する。たとえば、駆動部23は、給電部21を方向αへ回転させる。この結果、チップ部品C1が、空間S内において移動し、壁面Wとチップ部品C1の被めっき部13a,13bとの接触状態が変化する。したがって、めっき処理中に、駆動部23によって給電部21が駆動されることによって、被めっき部13a,13bに施される膜厚の均一化が図られ得る。
【0090】
本実施形態の変形例として、駆動部23は、給電部21を揺動させてもよい。たとえば、駆動部23は、X軸方向、Y軸方向、及び、Z軸方向の少なくとも一つの方向へ給電部21を振動させてもよい。この場合も、チップ部品C1が、空間S内において移動し、壁面Wとチップ部品C1の被めっき部13a,13bとの接触状態が変化する。
【0091】
次に、本実施形態及び変形例における電子部品の製造装置による作用効果について説明する。
【0092】
製造装置1の給電部21では、収容部25に形成されている空間に1つのチップ部品C1が収容されている。このため、チップ部品C1同士の衝突が抑制され、チップ部品C1においてクラックの発生が抑制され得る。また、空間Sにおけるチップ部品C1の揺動によって、収容部25と被めっき部10とが互いに接する部分が変化するため、所望の厚さのめっき膜厚が形成され得る。さらに、簡易な構成、簡易な工法、及び、簡易なメンテナンスなどの実現によって、コストが低減され得る。給電部21A,21B,21C,21Dにおいても同様である。
【0093】
たとえば、給電部21の収容部25には、複数のチップ部品C1の各々を収容する複数の上記空間Sが形成されている。この場合、複数のチップ部品C1の各々においてクラックの発生が抑制され得る。給電部21A,21B,21C,21Dにおいても同様である。
【0094】
たとえば、給電部21の収容部25は、複数の空間Sをそれぞれ画定する複数の壁面Wを含んでいる。複数の空間Sを画定する複数の壁面Wは、互いに電気的に接続された導電層41によって形成されている。この場合、より容易な構成によって、各チップ部品C1の被めっき部10に電圧が付与され得る。給電部21A,21B,21Cにおいても同様である。
【0095】
たとえば、給電部21Dの収容部95Dは、複数の空間Sをそれぞれ画定すると共に、導電性を有している複数の壁面Wを含んでいる。複数の空間Sのうち第1空間を画定する壁面Wは、第1配線に接続されている。複数の空間Sのうち第1空間と異なる第2空間を画定する壁面Wは、配線L1から離隔された配線L2に接続されている。この場合、第1空間に収容されるチップ部品C1と第2空間に収容されるチップ部品C1との間において、被めっき部10に付与する電位が変更される得る。したがって、各チップ部品C1の被めっき部10におけるめっきの膜厚が制御され得る。
【0096】
たとえば、給電部21の収容部25は、絶縁層42と、導電層41とを含んでいる。導電層41は、壁面Wを形成している。絶縁層42は、導電層41と脱落防止部26との間に配置されている。絶縁層42は、主面25aを形成している。この場合、給電部21へのめっきが抑制され得るため、メンテナンス性が向上し得る。導電層41における電気的な接続がより容易且つ強固に保護され得る。給電部21A,21B,21C,21Dにおいても同様である。
【0097】
たとえば、給電部21の収容部25は、互いに対向する一対の上記主面25a,25bを含んでいる。空間Sは、一対の主面25a,25bの対向方向に収容部25を貫通している。脱落防止部26は、脱落防止部26aと脱落防止部26bとを含んでいる。脱落防止部26aは、一対の主面25a,25bのうち主面25aに設けられている。脱落防止部26bは、一対の主面25a,25bのうち主面25bに設けられている。脱落防止部26aは、張り出し部46aを含んでいる。張り出し部46aは、主面25aに直交する方向から見て主面25aから空間S側に張り出していると共に、空間Sに連通する開口48aを形成している。脱落防止部26bは、張り出し部46bを含んでいる。張り出し部46bは、主面25bに直交する方向から見て主面25bから空間S側に張り出していると共に、空間Sに連通する開口48bを形成している。この場合、張り出し部46aの開口48aと、張り出し部46bの開口48bとの双方から、チップ部品C1の被めっき部10に対してめっき処理が実施され得る。このため、めっき処理に要される時間がさらに低減され得る。たとえば、収容部25に形成された空間において、チップ部品C1を反転させる工程が省略され得る。給電部21B,21C,21Dにおいても同様である。
【0098】
たとえば、給電部21において、一対の主面25a,25bに直交する方向から見て、張り出し部46aによって形成される開口48aの面積と、張り出し部46bによって形成される開口48bの面積とは、同一である。この場合、チップ部品C1の被めっき部10において、めっき膜が所望の膜厚で形成され得る。給電部21B,21C,21Dにおいても同様である。
【0099】
たとえば、給電部21において、一対の主面25a,25bに直交する方向から見て、張り出し部46aによって形成される開口48aの面積は、張り出し部46bによって形成される開口48bの面積よりも小さくてもよい。この場合、チップ部品C1の被めっき部10において、めっき膜が所望の膜厚で形成され得る。さらに、給電部21の張り出し部46aによって形成される開口48aは、張り出し部46bによって形成される開口48bよりもアノード22の近くに位置するように形成されてもよい。この場合、チップ部品C1の被めっき部10に対して付与される電位が均一化され得る。給電部21B,21C,21Dにおいても同様である。
【0100】
たとえば、給電部21において、上記開口48の縁51の全周は、主面25aに直交する方向から見た場合における主面25aと上記空間Sとの境界よりも、上記空間S側に張り出している。この場合、上記空間に収容されたチップ部品の脱落がより確実に抑制され得る。給電部21A,21B,21C,21Dにおいても同様である。
【0101】
給電部21において、上記開口48の縁51は、少なくとも1つの角52を形成していてもよい。上記開口48における上記少なくとも1つの角52は、丸みを有していてもよい。この場合、上記開口48の縁51に対するチップ部品C1のひっかかりが、抑制され得る。チップ部品C1の被めっき部10へのめっき電流の集中が抑制され得る。給電部21A,21B,21C,21Dにおいても同様である。
【0102】
給電部21において、上記開口48の縁51は、円形状を呈していてもよい。この場合、上記開口48の縁51に対するチップ部品C1のひっかかりが、抑制され得る。チップ部品C1の被めっき部10へのめっき電流の集中が抑制され得る。給電部21A,21B,21C,21Dにおいても同様である。
【0103】
給電部21の収容部25は、空間Sを画定する壁面Wを含んでいる。主面25aに直交する方向から見て、上記空間Sは、少なくとも1つの角29を有している。上記空間Sにおける上記少なくとも1つの角29は、主面25aに直交する方向から見て、上記空間Sの外側に向かって張り出していてもよい。この場合、チップ部品C1の被めっき部10が上記壁面Wに対してより適切に接し得る。給電部21A,21B,21C,21Dにおいても同様である。
【0104】
たとえば、駆動部23は、給電部21を回転又は揺動してもよい。この場合、チップ部品C1の被めっき部10に対して、めっき膜の膜厚が均一に形成され得る。給電部21A,21B,21C,21Dにおいても同様である。
【0105】
たとえば、給電部21において、収容部25と脱落防止部26とは、それぞれ、互いに異なるプレートによって形成されている。この場合、給電部21の製造が比較的容易である。給電部21A,21B,21Dにおいても同様である。
【0106】
たとえば、給電部21の脱落防止部26は、絶縁性を有している。収容部25は、導電性を有している。この場合、脱落防止部26へのめっきが抑制され得る。さらに、導電層41における電気的な接続がより容易且つ強固に保護され得る。給電部21A,21B,21Dにおいても同様である。
【0107】
以上、本発明の実施形態及び変形例について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態及び変形例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0108】
たとえば、給電部21,21A,21B,21D及びそれらに関する変形例の構成は、適宜組み合わされてもよい。特に、収容部25,65A,75B,85C,95D、及び、それらに関する変形例の構成は、適宜組み合わされてもよい。たとえば、収容部75Bにおいて、収容部25のように、脱落防止部26aと導電層71との間に絶縁層42が設けられてもよい。
【0109】
上述した実施形態の記載から把握されるとおり、本明細書は、以下に示す態様の開示を含んでいる。
(付記1)
少なくとも1つのチップ部品の被めっき部に給電する給電部を備え、
前記給電部は、
主面を有していると共に、前記主面において開放しており且つ1つの前記チップ部品を収容する空間が形成されている収容部と、
前記収容部の前記主面に設けられていると共に、前記空間に収容された前記チップ部品の脱落を防止する脱落防止部と、を含み、
前記脱落防止部は、前記主面に直交する方向から見て前記主面から前記空間側に張り出していると共に、前記空間に連通する開口を形成している張り出し部を含んでいる、電子部品の製造装置。
(付記2)
前記少なくとも1つのチップ部品は、複数のチップ部品を含み、
前記収容部には、前記複数のチップ部品の各々を収容する複数の前記空間が形成されている、付記1に記載の電子部品の製造装置。
(付記3)
前記収容部は、前記複数の空間をそれぞれ画定する複数の壁面を含んでおり、
前記複数の空間を画定する前記複数の壁面は、互いに電気的に接続された導電層によって形成されている、付記2に記載の電子部品の製造装置。
(付記4)
前記収容部は、前記複数の空間をそれぞれ画定すると共に、導電性を有している複数の壁面を含んでおり、
前記複数の空間のうち第1空間を画定する前記壁面は、第1配線に接続されており、
前記複数の空間のうち前記第1空間と異なる第2空間を画定する前記壁面は、前記第1配線から離隔された第2配線に接続されている、付記2に記載の電子部品の製造装置。
(付記5)
前記収容部は、前記複数の空間をそれぞれ画定する複数の壁面と、前記壁面を形成している導電層と、前記導電層と前記脱落防止部との間に配置されていると共に前記主面を形成する絶縁層と、を含んでいる、付記1から付記4のいずれか一項に記載の電子部品の製造装置。
(付記6)
前記収容部は、互いに対向する一対の前記主面を含んでおり、
前記空間は、前記一対の主面の対向方向に前記収容部を貫通しており、
前記脱落防止部は、前記一対の主面のうち第1主面に設けられている第1脱落防止部と、前記一対の主面のうち第2主面に設けられている第2脱落防止部とを含んでおり、
前記第1脱落防止部は、前記第1主面に直交する方向から見て前記第1主面から前記空間側に張り出していると共に、前記空間に連通する開口を形成している第1張り出し部を含んでおり、
前記第2脱落防止部は、前記第2主面に直交する方向から見て前記第2主面から前記空間側に張り出していると共に、前記空間に連通する開口を形成している第2張り出し部を含んでいる、付記1から付記5のいずれか一項に記載の電子部品の製造装置。
(付記7)
前記一対の主面に直交する方向から見て、前記第1張り出し部によって形成される前記開口の面積と、前記第2張り出し部によって形成される前記開口の面積とは、同一である、付記6に記載の電子部品の製造装置。
(付記8)
前記一対の主面に直交する方向から見て、前記第1張り出し部によって形成される前記開口の面積は、前記第2張り出し部によって形成される前記開口の面積よりも小さい、付記6に記載の電子部品の製造装置。
(付記9)
前記収容部から離隔しているアノードをさらに備えており、
前記第1張り出し部によって形成される前記開口は、前記第2張り出し部によって形成される前記開口よりも前記アノードの近くに位置するように形成されている、付記8に記載の電子部品の製造装置。
(付記10)
前記開口の縁は、少なくとも1つの角を形成しており、
前記開口における前記少なくとも1つの角は、丸みを有している、付記1から付記9のいずれか一項に記載の電子部品の製造装置。
(付記11)
前記開口の縁は、円形状を呈している、付記1から付記9のいずれか一項に記載の電子部品の製造装置。
(付記12)
前記収容部は、前記空間を画定する壁面を含んでおり、
前記主面に直交する方向から見て、前記空間は、少なくとも1つの角を有しており、
前記空間における前記少なくとも1つの角は、前記主面に直交する方向から見て、前記空間の外側に向かって張り出している、付記1から付記11のいずれか一項に記載の電子部品の製造装置。
(付記13)
前記給電部を回転又は揺動する駆動部をさらに備える、付記1から付記12のいずれか一項に記載の電子部品の製造装置。
(付記14)
前記収容部と前記脱落防止部とは、それぞれ、互いに異なるプレートによって形成されている、付記1から付記13のいずれか一項に記載の電子部品の製造装置。
(付記15)
前記脱落防止部は、絶縁性を有しており、
前記収容部は、導電性を有している、付記14に記載の電子部品の製造装置。
(付記16)
前記開口の縁の全周は、前記主面に直交する方向から見た場合における前記主面と前記空間との境界よりも、前記空間側に張り出している、付記1から付記15のいずれか一項に記載の電子部品の製造装置。
【符号の説明】
【0110】
1…製造装置、10,13a,13b…被めっき部、21,21A,21B,21C,21D…給電部、22…アノード、23…駆動部、25,65A,75B,85C,95D…収容部、25a,25b…主面、26,26a,26b,76b,86a,86b…脱落防止部、29,52…角、41,61,71,81,82,91…導電層、42,92…絶縁層、46,46a,46b…張り出し部、48,48a,48b,78b,88a,88b…開口、51…縁、B…境界、C1…チップ部品、S…空間、W…壁面。