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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024033580
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20240306BHJP
【FI】
A63F5/04 651
A63F5/04 605B
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022137240
(22)【出願日】2022-08-30
(71)【出願人】
【識別番号】000135210
【氏名又は名称】株式会社ニューギン
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100148563
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 実
(72)【発明者】
【氏名】小西 雅秋
【テーマコード(参考)】
2C182
2C518
【Fターム(参考)】
2C182DA21
2C182EA16
2C518EA01
2C518EB01
2C518EB02
2C518EB16
2C518EC17
2C518EC30
(57)【要約】
【課題】興趣の向上を図ること。
【解決手段】遊技機は、遊技者が保有する遊技媒体の数をデータで管理することが可能である。遊技機において実行される演出には、遊技者が保有する遊技媒体の数が増加したことを特定可能な音声を出力する払出音演出と、払出音演出とは異なる下皿振動演出と、が含まれる。遊技者が保有する遊技媒体の数が特定数を超えている状況において、入賞に伴って遊技者が保有する遊技媒体の数が増加したときには、払出音演出に加えて、下皿振動演出が実行される。
【選択図】図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者が保有する遊技媒体の数をデータで管理することが可能な遊技機において、
演出を実行する演出実行手段と、
前記演出実行手段を制御する演出制御手段と、を備え、
前記演出には、遊技者が保有する遊技媒体の数が増加したことを特定可能な音声を出力する特定演出と、前記特定演出とは異なる特別演出と、が含まれ、
遊技者が保有する遊技媒体の数が特定数を超えている状況において、入賞に伴って遊技者が保有する遊技媒体の数が増加したときには、前記特定演出に加えて、前記特別演出が実行されることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
遊技者が保有する遊技媒体の数が前記特定数を超えていない状況において、入賞に伴って遊技者が保有する遊技媒体の数が前記特定数を超えなかったときには、前記特定演出が実行される一方、前記特別演出が実行されず、
遊技者が保有する遊技媒体の数が前記特定数を超えていない状況において、入賞に伴って遊技者が保有する遊技媒体の数が前記特定数を超えたときには、前記特定演出に加えて、前記特別演出が実行される請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
掛け数を設定する操作を可能な掛け数操作手段を備え、掛け数が設定されているときに開始操作手段の操作に基づいて変動ゲームを実行可能であり、
前記演出制御手段は、前記特別演出の実行中において前記掛け数操作手段が操作されたとき、前記特別演出を終了させることが可能である請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の一例である回動式遊技機は、入賞に伴って遊技媒体(一例として遊技メダル)を機外へ排出可能に構成される(例えば、特許文献1)。遊技者は、機外へ遊技媒体が排出されることにより、自身が保有する遊技媒体の数が増加していることを認識しうる。これにより、遊技者は、遊技を行うことに対する興趣を向上させる。近年では、遊技者が保有する遊技媒体の数をデータで管理して、入賞に伴って遊技媒体を機外へ排出することがない遊技機(一例としてメダルレス遊技機)もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-46373号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
遊技者は、入賞したときに遊技機から遊技媒体が排出されないと、自身が保有する遊技媒体の数が増加していることに対して認識し難くなる虞がある。このため、遊技者は、遊技を行うことに対する興趣を向上させ難い。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する遊技機は、遊技者が保有する遊技媒体の数をデータで管理することが可能な遊技機において、演出を実行する演出実行手段と、前記演出実行手段を制御する演出制御手段と、を備え、前記演出には、遊技者が保有する遊技媒体の数が増加したことを特定可能な音声を出力する特定演出と、前記特定演出とは異なる特別演出と、が含まれ、遊技者が保有する遊技媒体の数が特定数を超えている状況において、入賞に伴って遊技者が保有する遊技媒体の数が増加したときには、前記特定演出に加えて、前記特別演出が実行されることを要旨とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、興趣の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】回動式遊技機、及び管理ユニットを正面からみたときの図である。
図2】回動式遊技機が備える遊技機管理遊技媒体数表示部、及び計数ボタンの拡大図である。
図3】回動式遊技機が備える情報表示部の拡大図である。
図4】ストップボタンの操作態様を説明するための説明図である。
図5】役と賞を説明するための説明図である。
図6】遊技状態の遷移を説明するための説明図である。
図7】回動式遊技機の電気的な構成を示すブロック図である。
図8】遊技進行メイン処理を示すフローチャートである。
図9】回動式遊技機、及び回動式遊技機の正面に設けられた座席に着座した状態の遊技者の一例を示す模式図である。
図10】(a)は、変動ゲームの開始に伴って実行される演出の一例を示す模式図であり、(b)は、入賞に伴って実行される演出の一例を示す模式図である。
図11】入賞に伴って実行される演出の一例を示す模式図である。
図12】入賞に伴って実行される振動演出を説明するための説明図である。
図13】入賞に伴って実行される演出の一例を示すタイミングチャートである。
図14】入賞に伴って実行される演出の一例を示すタイミングチャートである。
図15】入賞に伴って実行される演出の一例を示すタイミングチャートである。
図16】入賞に伴って実行される演出の一例を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、回動式遊技機の一実施形態を説明する。
図1に示すように、島設備(遊技島)において、遊技機の一例である回動式遊技機10(以下、遊技機10と示す)と、管理装置の一例である管理ユニット100とは、交互に並ぶように設置される。管理ユニット100は、遊技機10に併設される。管理ユニット100は、遊技機10と通信可能に接続される。
【0009】
管理ユニット100について説明する。
管理ユニット100は、管理媒体を挿入可能な管理媒体挿入部101を備える。一例として、管理媒体は、ICカード、又はICコインといったデータ記憶媒体である。管理媒体は、投入金の残額、及び管理ユニット100が管理可能な遊技者が保有する遊技媒体の数を記憶可能である。以下の説明では、管理ユニット100が管理可能な遊技者が保有する遊技媒体の数を、「ユニット管理遊技媒体数」と示す。詳しくは後述するが、遊技媒体は、遊技機10において、遊技を行うために用いられる。ユニット管理遊技媒体数は、管理ユニット100が管理するデータである。管理媒体は、遊技者の個人情報を記憶可能であってもよい。管理ユニット100は、現金を投入可能な現金投入部102を備える。現金投入部102への投入金額は、管理媒体に記憶された投入金の残額に加算される。一例として、現金は、紙幣である。
【0010】
管理ユニット100は、貸出操作部103を備える。貸出操作部103は、管理媒体に記憶された投入金の残額に基づいて、遊技機10が管理可能な遊技者が保有する遊技媒体の数を増加させるときに操作される。以下の説明では、遊技機10が管理可能な遊技者が保有する遊技媒体の数を、「遊技機管理遊技媒体数」と示す。遊技機管理遊技媒体数は、遊技機10が管理するデータである。管理ユニット100は、払出操作部104を備える。払出操作部104は、ユニット管理遊技媒体数に基づいて、遊技機管理遊技媒体数を増加させるときに操作される。管理ユニット100は、返却操作部105を備える。返却操作部105は、管理ユニット100に挿入された管理媒体の返却を受けるときに操作される。
【0011】
管理ユニット100は、ユニット管理遊技媒体数表示部106、及び残額表示部107を備える。ユニット管理遊技媒体数表示部106には、ユニット管理遊技媒体数を特定可能な情報(一例としてアラビア数字)が表示される。残額表示部107には、投入金の残額を特定可能な情報(一例としてアラビア数字)が表示される。
【0012】
管理ユニット100は、管理ユニット制御基板110(以下、CU制御基板110と示す)を備える。CU制御基板110は、機外部にある外部機器の一例である。CU制御基板110は、CPU110aと、ROM110bと、RWM110cと、を備える。CPU110aは、管理ユニット制御プログラムを実行することにより、所定の制御を行う。ROM110bは、管理ユニット制御プログラムを記憶している。RWM110cは、管理ユニット100の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶する。一例として、RWM110cが記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。CU制御基板110は、遊技機10と双方向に通信可能に接続される通信端子110dを備える。
【0013】
CU制御基板110は、管理媒体挿入部101と接続される。CPU110aは、管理媒体挿入部101に挿入された管理媒体の記憶内容を書き換え可能に構成される。CU制御基板110は、現金投入部102と接続される。CPU110aは、現金投入部102に現金が投入されたときに出力される投入信号を入力可能に構成される。投入信号は、現金投入部102への投入金額を特定可能な信号である。
【0014】
CU制御基板110は、貸出操作部103と接続される。CPU110aは、貸出操作部103が操作されたときに出力される貸出信号を入力可能に構成される。CU制御基板110は、払出操作部104と接続される。CPU110aは、払出操作部104が操作されたときに出力される払出信号を入力可能に構成される。CU制御基板110は、返却操作部105と接続される。CPU110aは、返却操作部105が操作されたときに出力される返却信号を入力可能に構成される。
【0015】
CU制御基板110は、ユニット管理遊技媒体数表示部106と接続される。CPU110aは、ユニット管理遊技媒体数表示部106の表示内容を制御可能に構成される。CU制御基板110は、残額表示部107と接続される。CPU110aは、残額表示部107の表示内容を制御可能に構成される。CU制御基板110は、通信端子110dを介して遊技機10と接続される。CPU110aは、遊技機10が出力する各種の制御情報(制御信号)を入力可能に構成される。CPU110aは、遊技機10に対して各種の制御情報(制御信号)を出力可能に構成される。
【0016】
管理ユニット100は、遊技機10及び管理ユニット100とは別に用意された外部管理機器と接続するための外部通信端子(不図示)を備える。一例として、外部管理機器は、遊技店に設置されたホールコンピュータである。一例として、外部管理機器は、遊技店外のデータセンタに設置されたサーバ設備とネットワークを介して通信可能な管理コンピュータである。この場合、管理コンピュータと管理ユニット100とは、双方向に通信可能に接続されることが好ましい。
【0017】
管理ユニット100において行われる処理について説明する。
CPU110aは、管理媒体挿入部101に管理媒体が挿入されると、管理媒体に記憶された投入金の残額、及びユニット管理遊技媒体数を読み出し、RWM110cに記憶させる。CPU110aは、管理媒体が挿入されている場合、以下に説明する処理を行う。
【0018】
CPU110aは、投入信号を入力すると、投入信号から特定可能な投入金額を投入金の残額に加算する。CPU110aは、投入金の残額が規定額(一例として1000円)以上であるときに貸出信号を入力すると、規定額に対応する数(一例として50)の遊技媒体の貸出を特定可能な情報を貸出情報としてRWM110cに記憶させる。貸出情報は、遊技媒体の貸出数を特定可能な情報である。規定額に対応する数は、50であることに限らず、49以下であってもよく、51以上であってもよい。規定額は、1000円であることに限らず、999円以下であってもよく、1001円以上であってもよい。CPU110aは、投入金の残額が規定額未満であるときに貸出信号を入力したとしても、貸出情報を更新しない。
【0019】
詳しくは後述するが、CPU110aは、一定の周期(一例として300ms)毎に、RWM110cに記憶された貸出情報を遊技機10へ出力する。遊技機10は、貸出情報を入力すると、貸出情報に応じた処理が正常に行われたか否かを特定可能な応答情報をCU制御基板110へ出力する。CPU110aは、処理が正常に行われたことを特定可能な応答情報(以下、正常応答情報と示す)を入力した場合、投入金の残額を規定額だけ減算するとともに、貸出情報を初期化する。CPU110aは、処理が正常に行われなかったことを特定可能な応答情報(以下、異常応答情報と示す)を入力した場合、投入金の残
額を減算せずに、貸出情報を初期化する。
【0020】
CPU110aは、ユニット管理遊技媒体数が所定数(一例として50)以上であるときに払出信号を入力すると、所定数の遊技媒体の貸出を特定可能な情報を貸出情報としてRWM110cに記憶させる。所定数は、50であることに限らず、49以下であってもよく、51以上であってもよい。CPU110aは、ユニット管理遊技媒体数が所定数未満であるときに払出信号を入力すると、ユニット管理遊技媒体数の遊技媒体の貸出を特定可能な情報を貸出情報としてRWM110cに記憶させる。CPU110aは、ユニット管理遊技媒体数が0であるときに払出信号を入力したとしても、貸出情報を更新しない。CPU110aは、貸出情報を遊技機10へ出力した後、正常応答情報を入力した場合、ユニット管理遊技媒体数を遊技媒体の貸出数だけ減算するとともに、貸出情報を初期化する。CPU110aは、異常応答情報を入力した場合、ユニット管理遊技媒体数を減算せずに、貸出情報を初期化する。
【0021】
CPU110aは、遊技機10から計数情報を入力すると、計数情報から特定可能な遊技媒体の数をユニット管理遊技媒体数に加算する。詳しくは後述するが、計数情報は、遊技機10から管理ユニット100へと管理を移管する遊技媒体の数を特定可能な情報である。
【0022】
CPU110aは、ユニット管理遊技媒体数表示部106を制御し、その時々におけるユニット管理遊技媒体数を特定可能な情報を表示させる。ユニット管理遊技媒体数は、ユニット管理遊技媒体数表示部106においてリアルタイムで表示される。CPU110aは、残額表示部107を制御し、その時々における投入金の残額を特定可能な情報を表示させる。投入金の残額は、残額表示部107においてリアルタイムで表示される。CPU110aは、返却信号を入力すると、RWM110cに記憶されている投入金の残額、及びユニット管理遊技媒体数を管理媒体に記憶させるとともに、RWM110cに記憶されている投入金の残額、及びユニット管理遊技媒体数を初期化する。CPU110aは、管理媒体が管理媒体挿入部101から排出されるように管理媒体挿入部101を制御する。
【0023】
遊技機10について説明する。
本明細書において、上、下、左、右、前(表)、及び後(裏)の各方向は、遊技機10で遊技を行う遊技者からみたときの各方向を示すものとする。
【0024】
本実施形態における遊技機10は、物理的な遊技媒体(一例として遊技メダル)を用いて遊技を行うことができずに、電磁的な遊技媒体を用いて遊技を行うことができる遊技機(所謂、メダルレス遊技機)である。電磁的な遊技媒体は、電子的な遊技媒体ともいえる。電磁的な遊技媒体を用いて遊技を行うとは、データで管理された遊技媒体を用いて遊技を行うことに相当する。遊技機10は、物理的な遊技媒体を検知可能なセンサを有する装置(一例としてセレクタ)を備えない。遊技機10は、物理的な遊技媒体を機内部へ投入可能な投入口を備えない。遊技機10は、物理的な遊技媒体を貯留可能であるとともに、貯留している遊技媒体を排出可能な装置(一例としてホッパーユニット)を備えない。遊技機10は、物理的な遊技媒体を機外へ排出するための払出口を備えない。遊技機10は、遊技者が保有する遊技媒体の数(遊技機管理遊技媒体数)をデータで管理することが可能である。遊技機10は、データで管理する遊技媒体を用いて遊技を行うことが可能に構成される。遊技機10は、遊技媒体の貸出数、及び遊技媒体の獲得数に基づいて、遊技機管理遊技媒体数をデータとして管理する。遊技媒体の貸出数は、管理ユニット100から遊技機10へ貸し出された遊技媒体の数である。つまり、遊技媒体の貸出数は、遊技者に貸し出された遊技媒体の数であるといえる。遊技媒体の獲得数は、遊技者が入賞により獲得した遊技媒体の数である。このように、遊技機10は、遊技者が遊技を行うのに際し、物理的な遊技媒体に触れることがないように構成される。
【0025】
遊技機10は、四角箱状の本体キャビネット11を備える。本体キャビネット11は、前面に開口部(不図示)を備える。遊技機10は、本体キャビネット11の前記開口部を覆う前面扉12を備える。前面扉12は、本体キャビネット11に対して開閉可能に支持される。遊技機10は、前面扉12を施錠する施錠装置(不図示)を備える。遊技機10は、施錠装置に適合する鍵を用いて解錠しなければ、本体キャビネット11に対して前面扉12を開放できないように構成される。前面扉12には、遊技者が機内部を視認可能となるように、略四角形の表示窓12aが形成される。
【0026】
遊技機10は、演出を実行可能な演出装置の一例として、装飾ランプ13を備える。装飾ランプ13は、発光体(不図示)を点灯、消灯、又は点滅させる発光演出を実行可能である。一例として、装飾ランプ13は、前面扉12に配設される。一例として、装飾ランプ13には、中心線CLよりも左側に配設される装飾ランプ13と、中心線CLよりも左側に配設される装飾ランプ13と、がある。
【0027】
遊技機10は、演出を実行可能な演出装置の一例として、スピーカ14を備える。スピーカ14には、上部スピーカ14aと、下部スピーカ14bと、がある。スピーカ14は、効果音、楽曲、及び人の声などの音声を出力する音声演出を実行可能である。一例として、上部スピーカ14a及び下部スピーカ14bは、前面扉12に配設される。一例として、上部スピーカ14aには、中心線CLよりも左側に配設される上部スピーカ14aと、中心線CLよりも左側に配設される上部スピーカ14aと、がある。一例として、下部スピーカ14bには、中心線CLよりも左側に配設される下部スピーカ14bと、中心線CLよりも左側に配設される下部スピーカ14bと、がある。
【0028】
遊技機10は、演出を実行可能な演出装置の一例として、演出表示部15を備える。演出表示部15は、キャラクタや文字などを模した画像を表示する表示演出を実行可能である。一例として、演出表示部15は、液晶型や有機EL型のディスプレイである。一例として、演出表示部15は、前面扉12に配設される。
【0029】
遊技機10は、演出操作部24を備える。演出操作部24は、遊技者が操作可能な演出操作手段の一例である。一例として、演出操作部24は、押下操作を可能なボタン型である。これに限らず、演出操作部24は、タッチセンサ型であってもよく、レバー型であってもよい。演出操作部24は、1つの振動装置24aを有する。これに限らず、演出操作部24は、複数の振動装置24aを有してもよい。一例として、振動装置24aは、偏心モータ(所謂、振動モータ)である。偏心モータは、重心に偏りがある錘と、DCモータと、を含んで構成される。偏心モータによる振動の振幅は、錘の質量と、偏心率(偏心の度合い)と、に応じて異なる。偏心モータによる振動の振幅は、錘の質量が大きいほど大きくなる。偏心モータによる振動の振幅は、偏心率が大きいほど大きくなる。振幅は、振動の大きさ示す量であり、振動の強度を示す量ともいえる。演出操作部24は、振動装置24aが駆動することに伴って演出操作部24が振動する振動演出を実行可能である。つまり、演出操作部24は、振動演出を実行可能である。このように、演出操作部24は、遊技者が操作可能な演出操作手段であるとともに、演出を実行可能な演出装置としても機能する。一例として、演出操作部24は、前面扉12に配設される。
【0030】
遊技機10は、演出を実行可能な演出装置の一例として、下皿25を備える。下皿25は、例えば、遊技者の持ち物を置くことが可能な形状で構成される。下皿25は、受皿とも称される。下皿25は、2つの振動装置25aを有する。これに限らず、下皿25は、1つの振動装置25aを有してもよいし、3つ以上の振動装置25aを有してもよい。一例として、2つの振動装置25aのうち一方の振動装置25aは、中心線CLよりも左側に配設される。2つの振動装置25aのうち他方の振動装置25aは、中心線CLよりも
右側に配設される。一例として、振動装置25aは、偏心モータである。下皿25は、振動装置25aが駆動することに伴って下皿25が振動する振動演出を実行可能である。つまり、下皿25は、振動演出を実行可能である。一例として、下皿25は、前面扉12の下端部に配設される。
【0031】
ここで、装飾ランプ13、スピーカ14、演出表示部15、演出操作部24、及び下皿25は、何れも演出を実行する演出装置であるとともに、これらは演出実行手段の一例である演出装置群を構成する。演出実行手段は、装飾ランプ13、スピーカ14、演出表示部15、演出操作部24、及び下皿25の全てを含むことに限らず、これら演出装置の中から任意に選択可能な1又は複数の演出装置によって構成されていてもよい。
【0032】
遊技機10は、リールユニット16を備える。リールユニット16は、表示窓12aを介して遊技者が視認できるように、機内部に配設される。リールユニット16は、左リール16aと、中リール16bと、右リール16cと、を有する。リール16a~16cは、扁平な円筒状の部材であり、ドラムとも称される回胴である。各リール16a~16cの外周面には、それぞれ複数の図柄が周方向に沿って一列に並んでいる。図柄には、複数種類の図柄がある。一例として、複数種類の図柄には、チェリーを模したチェリー図柄、スイカを模したスイカ図柄、ベルを模したベル図柄、アラビア数字の7を模したセブン図柄、「BAR」の文字列を模したBAR図柄、及び「REPLAY」の文字列を模したリプレイ図柄が含まれる。
【0033】
リールユニット16は、リール16a~16cを各別に回転及び停止させることが可能な1又は複数のアクチュエータ(不図示)を備える。一例として、アクチュエータは、ステッピングモータである。リールユニット16は、左リール16aの回転位置を検出する左リールセンサSE1と、中リール16bの回転位置を検出する中リールセンサSE2と、右リール16cの回転位置を検出する右リールセンサSE3と、を備える(図7参照)。遊技機10では、リール16a~16cが回転すると、表示窓12aを介して視認可能な図柄が変動するように表示され、これにより変動ゲームが実行される。一例として、図柄の変動は、リール16a~16cが縦方向に回転する態様により行われる。このように、遊技機10は、図柄の変動表示を伴う変動ゲームを実行可能である。
【0034】
リール16a~16cには、遊技者が表示窓12aを介して視認可能となるように図柄が停止される位置として、複数の停止位置が設定されている。リール16a~16cにおける複数の停止位置には、上段停止位置、中段停止位置、及び下段停止位置がそれぞれ含まれる。遊技機10では、リール16a~16c毎に設定された複数の停止位置の中から、1つずつ選択された停止位置の組み合わせによって、表示された図柄の組み合わせを入賞と判定し得る有効な停止位置の組み合わせが構成される。以下の説明では、有効な停止位置の組み合わせを構成する複数の停止位置を結んだラインを、単に「有効ラインNL」と示す。一例として、遊技機10では、リール16a~16cの各中段停止位置によって、直線状の有効ラインNLが構成される。これに限らず、有効ラインNLは、右下がり又は右上がりで傾斜する直線状であってもよく、V字状であってもよい。有効ラインNLは、1であることに限らず、複数あってもよい。
【0035】
本明細書に示す「入賞」とは、図柄について、賞を獲得するために必要な組み合わせとして予め定められたものが表示されることを意味する。以下の説明では、賞を獲得するために必要な図柄の組み合わせとして予め定められたものを単に「役」と示す場合がある。また、本明細書において、所定の図柄の組み合わせについて「表示される」とは、有効ラインNL上に停止した図柄の組み合わせが前記所定の図柄の組み合わせとなることを意味する。以下の説明では、有効ラインNL上に停止された図柄の組み合わせを単に「停止目」と示す場合がある。遊技機10では、入賞が発生すると、表示された図柄の組み合わせ
に予め定められた賞(利益)が付与される。なお、有効な停止位置の組み合わせ以外の組み合わせは、表示された図柄の組み合わせを入賞と判定し得ない無効な停止位置の組み合わせ(所謂、無効ライン)である。詳しくは後述するが、変動ゲームにおいて入賞が可能となる役は、内部抽選(一例として役抽選)によって決定される。以下、役抽選において当選した役を単に「当選役」と示す場合がある。
【0036】
図1及び図2に示すように、遊技機10は、遊技機管理遊技媒体数を特定可能な情報を表示する遊技機管理遊技媒体数表示部22を備える。一例として、遊技機管理遊技媒体数表示部22は、複数(例えば5個)の7セグを並べた構成とされており、複数(例えば5桁)の数字を表示可能である。遊技機管理遊技媒体数表示部22は、所定の文字、及び数字を表示する態様で、所定の報知を実行可能である。遊技機10は、計数ボタン23を備える。計数ボタン23は、主に、遊技者が遊技機10でのプレイを終了するときに操作される。計数ボタン23は、押込み操作がされると計数信号を出力する。一例として、遊技機管理遊技媒体数表示部22、及び計数ボタン23は、後述する遊技者が遊技を行うために操作し得る1ベットボタン17、MAXベットボタン18、スタートレバー20、及びストップボタン21a~21cの近傍に配設される。
【0037】
ここで、計数ボタン23の操作態様について説明する。以下の説明では、計数信号についてオンと示す場合、計数信号が出力されていることを意味する。計数信号についてオフと示す場合、計数信号が出力されていないことを意味する。計数ボタン23の操作態様には、第1態様と、第2態様と、がある。第1態様は、計数ボタン23に対する操作時間が所定時間(一例として500ms)未満の操作態様である。操作時間は、計数信号がオンとなってからオフになるまでの時間である。第1態様は、所謂「短押し操作」である。第2態様は、計数ボタン23に対する操作時間が所定時間以上の操作態様である。第2態様は、所謂「長押し操作」である。
【0038】
遊技機10は、1ベットボタン17を備える。1ベットボタン17は、遊技者が保有する遊技媒体の中から掛け数を設定する操作を可能に構成される。具体的に、1ベットボタン17は、1回の操作により遊技機管理遊技媒体数を1減少させるとともに、掛け数を1増加させることが可能である。なお、遊技機管理遊技媒体数が0である場合には、1ベットボタン17が操作されたとしても、掛け数が増加されない。また、設定されている掛け数が最大掛け数である場合には、1ベットボタン17が操作されたとしても、掛け数が増加されない。1ベットボタン17は、掛け数を設定する操作を可能な掛け数操作手段の一例である。
【0039】
遊技機10は、MAXベットボタン18を備える。MAXベットボタン18は、遊技者が保有する遊技媒体の中から掛け数を設定する操作を可能に構成される。具体的に、MAXベットボタン18は、1回の操作により最大掛け数(一例として3)を上限として遊技機管理遊技媒体数を減少させるとともに、当該減少させた数だけ掛け数を増加させることが可能である。なお、遊技機管理遊技媒体数が0である場合には、MAXベットボタン18が操作されたとしても、掛け数が増加されない。また、設定されている掛け数が最大掛け数である場合には、MAXベットボタン18が操作されたとしても、掛け数が増加されない。これに限らず、設定されている掛け数と、遊技機管理遊技媒体数と、の合計が最大掛け数以上とならない場合には、MAXベットボタン18が操作されたとしても、掛け数が増加されなくてもよい。MAXベットボタン18は、掛け数を設定する操作を可能な掛け数操作手段の一例である。
【0040】
ここで、掛け数について説明する。遊技機10は、所定の掛け数を設定することにより1回の変動ゲームを行うことが可能に構成される。一例として、遊技機10において設定可能な掛け数は、「1」~「3」である。遊技機10では、設定可能な掛け数のうち、「
1」が最小掛け数となり、「3」が最大掛け数となる。一例として、1回の変動ゲームを行うことが可能な掛け数(以下、規定掛け数と示す)は、「3」である。つまり、遊技機10は、遊技者が保有する遊技媒体の中から遊技媒体の数として「3」の遊技媒体を用いることで1回の変動ゲームを行うことが可能である。一方、遊技機10は、遊技者が保有する遊技媒体の中から遊技媒体の数として「1」又は「2」の遊技媒体を用いることで1回の変動ゲームを行うことが不能である。これに限らず、遊技機10は、遊技者が保有する遊技媒体の中から遊技媒体の数として「1」又は「2」の遊技媒体を用いることで1回の変動ゲームを行うことが可能に構成されてもよい。つまり、規定掛け数は、「1」~「3」であってもよい。以下の説明では、掛け数を設定することを「ベット」と示す場合がある。また、以下の説明では、掛け数として「1」が設定されていることを「1ベット」と示し、掛け数として「2」が設定されていることを「2ベット」と示し、掛け数として「3」が設定されていることを「3ベット」と示す場合がある。
【0041】
遊技機10は、精算ボタン19を備える。精算ボタン19は、設定された掛け数を遊技者が保有する遊技媒体に戻すための操作を可能に構成される。具体的に、精算ボタン19は、1回の操作により設定されている掛け数を0となるように減少させるとともに、当該減少させた数だけ遊技機管理遊技媒体数を増加させることが可能である。一例として、3ベットされている状態において精算ボタン19が操作されたときには、掛け数が設定されていない状態となるとともに、遊技機管理遊技媒体数が3増加する。
【0042】
遊技機10は、スタートレバー20を備える。スタートレバー20は、リール16a~16cの回転、即ち、変動ゲームを開始させる契機となる開始操作を可能に構成される。遊技機10は、掛け数が設定されている状態(一例として3ベットされている状態)においてスタートレバー20が操作されたとき、変動ゲームを開始させることが可能に構成される。一方、遊技機10は、掛け数が設定されていない状態においてスタートレバー20が操作されたとき、変動ゲームを開始させることが不能に構成される。つまり、遊技機10は、掛け数が設定されているときにスタートレバー20の操作に基づいて変動ゲームを実行可能である。スタートレバー20は、開始操作手段の一例である。
【0043】
遊技機10は、左ストップボタン21aと、中ストップボタン21bと、右ストップボタン21cと、を備える。ストップボタン21a~21cは、それぞれリール16a~16cと各別に対応しており、それぞれに対応するリールの回転を停止させる契機となる停止操作を可能に構成される。以下の説明では、1回の変動ゲームにおいて、ストップボタン21a~21cのうち何れかのストップボタンを用いた最初の停止操作を第1停止操作と示し、残る2つのストップボタンのうち何れかのストップボタンを用いた次の停止操作を第2停止操作と示し、残る1つのストップボタンを用いた最後の停止操作を第3停止操作と示す。
【0044】
遊技機10は、情報表示部30を備える。一例として、情報表示部30は、遊技者が遊技を行うために操作し得る1ベットボタン17、MAXベットボタン18、スタートレバー20、及びストップボタン21a~21cの近傍に配設される。
【0045】
図3に示すように、情報表示部30は、再遊技表示部31を有する。再遊技表示部31は、再遊技が作動中であるか否かを特定可能な情報を表示する。具体的に、再遊技表示部31は、再遊技が作動中であるときに点灯する一方、再遊技が作動中ではないときに消灯する。本明細書に示す「再遊技」とは、新たに遊技者の保有する遊技媒体を用いらずに行うことができる変動ゲームを意味する。遊技機10は、再遊技が作動した場合、遊技機管理遊技媒体数を減少させて掛け数を設定することなく、前回の変動ゲームを開始する際に設定された掛け数と同数の掛け数が設定されて変動ゲームを行うことが可能に構成される。
【0046】
情報表示部30は、ウエイト表示部32を有する。ウエイト表示部32は、ウエイトタイム中であるか否かを特定可能な情報を表示する。具体的に、ウエイト表示部32は、ウエイトタイム中であるときに点灯する一方、ウエイトタイム中ではないときに消灯する。ウエイトタイムは、単位時間当りの変動ゲームの実行回数が予め定めた規定回数を超えないように設定された待機時間である。
【0047】
情報表示部30は、有利区間表示部33を有する。有利区間表示部33は、有利区間に制御されているか否かを特定可能な情報を表示する。具体的に、有利区間表示部33は、有利区間に制御されているときに点灯する一方、有利区間に制御されていないときに消灯する。有利区間表示部33は、有利区間のうち一部の区間に制御されているときに点灯するようにしてもよい。つまり、有利区間表示部33は、有利区間のうち少なくとも一部の区間に制御されているときに点灯する。詳しくは後述するが、有利区間に制御されているときは、有利区間に制御されていないときに比して、遊技者にとって有利な状態である。
【0048】
情報表示部30は、ベット表示部34を有する。ベット表示部34は、設定されている掛け数(ベット数)を特定可能な情報を表示する。具体的に、ベット表示部34は、3つの発光体を有する。そして、ベット表示部34では、1ベット、2ベット、及び3ベットの何れであるかに応じて、掛け数に対応する発光体が点灯する。
【0049】
情報表示部30は、払出表示部35を有する。一例として、払出表示部35は、複数(例えば2個)の7セグを並べた構成とされており、複数(例えば2桁)の数字を表示可能である。払出表示部35は、所定の文字、及び数字を表示する態様で、所定の報知を実行可能である。
【0050】
払出表示部35は、入賞の発生を契機とした遊技媒体の獲得数を特定可能な情報を表示する。また、払出表示部35は、当選役の入賞を発生させるために必要なストップボタン21a~21cの操作態様を特定可能な情報(以下、操作情報と示す)を表示する表示部として兼用される。一例として、操作情報は、1回の変動ゲームにおけるストップボタン21a~21cの操作順序(押し順)と、操作タイミング(押し位置)とのうち少なくとも一方を特定可能な情報である。本明細書に示す「遊技媒体の獲得数」とは、入賞に伴って遊技者が保有する遊技媒体の数(遊技機管理遊技媒体数)が増加する数を意味する。払出表示部35は、遊技機10において発生したエラーを特定可能なエラー情報を表示する表示部として兼用されてもよい。
【0051】
図4に示すように、ストップボタン21a~21cの押し順には第1から第6までの全6通りの押し順がある。例えば、第1押し順は、左リール16a→中リール16b→右リール16cの順に回転が停止されるように、ストップボタン21a~21cを操作する押し順である。図4では、押し順を示す場合に、左ストップボタン21aを「左」、中ストップボタン21bを「中」、右ストップボタン21cを「右」と略して示す。例えば、第1押し順は、「左中右」と示す。また、図4では、第1停止操作、第2停止操作、及び第3停止操作によって回転が停止するリールを示す。例えば、第1押し順の場合、第1停止操作を契機に左リール16aが停止し、第2停止操作を契機に中リール16bが停止し、第3停止操作を契機に右リール16cが停止することを示す。払出表示部35では、押し順に応じた操作情報が表示される。一例として、当選役の入賞を発生させるために必要なストップボタン21a~21cの操作態様が第1押し順である場合、払出表示部35では、第1押し順を特定可能な操作情報として「o1」が表示される。
【0052】
次に、役(図柄の組み合わせ)と賞との関係について説明する。
図5に示すように、遊技機10は、賞として遊技媒体の付与が定められた払出役を備え
る。付与される遊技媒体の数(以下、付与数と示す)は、払出役に応じて予め定められている。一例として、払出役には、チェリー役と、スイカ役と、ベル役と、ベルこぼし役と、がある。一例として、チェリー役には「4」、スイカ役には「15」、ベル役には「10」、ベルこぼし役には「1」の付与数が定められる。以下の説明において、チェリー役が入賞する場合に有効ラインNL上に停止される図柄の組み合わせを「チェリー停止目」と示す。スイカ役が入賞する場合に有効ラインNL上に停止される図柄の組み合わせを「スイカ停止目」と示す。ベル役が入賞する場合に有効ラインNL上に停止される図柄の組み合わせを「ベル停止目」と示す。ベルこぼし役が入賞する場合に有効ラインNL上に停止される図柄の組み合わせを「ベルこぼし停止目」と示す。
【0053】
遊技機10は、賞として再遊技の付与が定められた再遊技役(リプレイ役)を備える。3ベットで変動ゲームが行われたときに再遊技が付与された場合には、遊技機管理遊技媒体数を減少させて掛け数を設定することなく、再度、3ベットで変動ゲームを行うことができる。以下の説明において、再遊技役が入賞する場合に有効ラインNL上に停止される図柄の組み合わせを「再遊技停止目」と示す。
【0054】
遊技機10は、賞としてボーナス遊技の付与が定められたボーナス役を備える。ボーナス役には、賞として遊技媒体の付与、及び再遊技の付与が定められていない。ボーナス役に当選し、且つボーナス役が入賞した場合には、ボーナス遊技が付与(生起)される。遊技機10では、ボーナス遊技が生起すると、ボーナス状態に制御される。ボーナス状態は、当該ボーナス状態が開始されてからの遊技媒体の付与数が規定数(一例として200)を超える変動ゲームをもって終了する。以下の説明において、ボーナス役が入賞する場合に有効ラインNL上に停止される図柄の組み合わせを「ボーナス停止目」と示す。
【0055】
遊技機10は、複数の遊技状態を備える。
図6に示すように、複数の遊技状態には、第1通常状態と、第2通常状態と、AT(所謂、アシストタイム)状態と、ボーナス状態と、がある。以下の説明では、第1通常状態及び第2通常状態を纏めて通常状態と示す場合がある。AT状態は、通常状態に比して、払出役を入賞させ易い遊技状態である。このため、AT状態は、通常状態に比して、遊技者にとって有利な遊技状態といえる。ボーナス状態は、通常状態に比して、払出役を入賞させ易い遊技状態である。このため、ボーナス状態は、通常状態に比して、遊技者にとって有利な遊技状態といえる。
【0056】
遊技機10では、第1通常状態であるときに有利区間への移行条件が成立した場合、第2通常状態へ移行する。このとき、遊技機10では、非有利区間から有利区間へ移行する。ここで、有利区間とは、非有利区間に比して、AT状態へと移行され易い区間である。そして、有利区間は、払出表示部35に操作情報を表示させることが許容されている区間である。一方、非有利区間は、払出表示部35に操作情報を表示させることが禁止されている区間である。一例として、有利区間への移行条件は、役抽選において何れかの払出役に当選すると成立する。
【0057】
遊技機10では、第1通常状態であるときにボーナス役が入賞した場合、ボーナス状態へ移行する。このとき、遊技機10では、非有利区間から有利区間へ移行する。遊技機10では、第1通常状態からボーナス状態へ移行した後、ボーナス状態の終了条件(以下、ボーナス終了条件と示す)が成立した場合、第1通常状態へ移行する。ボーナス終了条件は、ボーナス状態へ移行してからの遊技媒体の付与数が規定数(一例として200)を超えると成立する。このとき、遊技機10では、有利区間から非有利区間へ移行する。
【0058】
遊技機10では、第2通常状態であるときにAT状態の開始条件(以下、AT開始条件と示す)が成立した場合、AT状態へ移行する。このとき、遊技機10では、継続して有
利区間に制御される。AT開始条件については、後述する。遊技機10では、第2通常状態であるときにボーナス役が入賞した場合、ボーナス状態へ移行する。このとき、遊技機10では、継続して有利区間に制御される。遊技機10では、第2通常状態からボーナス状態へ移行した後、ボーナス終了条件が成立した場合、第2通常状態へ移行する。このとき、遊技機10では、継続して有利区間に制御される。
【0059】
遊技機10では、AT状態であるときにAT状態の終了条件(以下、AT終了条件と示す)が成立した場合、第2通常状態へ移行する。このとき、遊技機10では、継続して有利区間に制御される。AT終了条件については、後述する。遊技機10では、AT状態であるときにボーナス役が入賞した場合、ボーナス状態へ移行する。このとき、遊技機10では、継続して有利区間に制御される。遊技機10では、AT状態からボーナス状態へ移行した後、ボーナス終了条件が成立した場合、AT状態へ移行する。このとき、遊技機10では、継続して有利区間に制御される。
【0060】
遊技機10では、第2通常状態及びAT状態の何れかであるときに、有利区間の終了条件が成立した場合、第1通常状態へ移行する。このとき、遊技機10では、有利区間から非有利区間へ移行する。また、遊技機10では、第2通常状態又はAT状態からボーナス状態へ移行した後、当該ボーナス状態であるときに有利区間の終了条件が成立し、ボーナス終了条件が成立した場合、第1通常状態へ移行する。このとき、遊技機10では、有利区間から非有利区間へ移行する。
【0061】
有利区間の終了条件は、有利区間へ移行した後、非有利区間へ移行しないままゲーム上限数(一例として4000)の変動ゲームが終了したときに成立する。つまり、遊技機10では、有利区間において、非有利区間へ移行せずに実行された変動ゲームの回数がゲーム上限数に相当する「4000」に達した場合、有利区間の終了条件が成立する。また、有利区間の終了条件は、有利区間へ移行した後、当該有利区間における遊技媒体の差数が差数上限数(一例として2400)に達したときに成立する。本明細書に示す「遊技媒体の差数」とは、入賞の発生を契機に付与される遊技媒体の数から変動ゲームを実行するために用いられた遊技媒体の数を差し引いた数である。このため、遊技媒体の差数は、正数になり得るし、負数にもなり得る。このように、遊技機10では、有利区間において、非有利区間へ移行せずに遊技媒体の差数が差数上限数に相当する「2400」に達した場合、有利区間の終了条件が成立する。以上のように、有利区間の終了条件は、有利区間において実行された変動ゲームの回数がゲーム上限数に達すること、又は、有利区間における差数が差数上限数に達することによって成立する。
【0062】
遊技機10は、遊技状態に応じて操作情報の表示の有無、又は、操作情報の表示確率が異なる。第1通常状態では、払出表示部35において操作情報の表示が行われない。第2通常状態では、払出表示部35において操作情報の表示が行われない。AT状態では、払出表示部35において操作情報の表示が行われる。ボーナス状態では、払出表示部35において操作情報の表示が行われる。このため、AT状態及びボーナス状態であるときは、遊技者に操作情報を表示するという有利な利益が付与される状態となる。一方、第1通常状態及び第2通常状態であるときは、遊技者に操作情報を表示するという有利な利益が付与されない状態となる。これに限らず、第2通常状態では、払出表示部35において操作情報の表示が行われるようにしてもよい。この場合、第2通常状態において操作情報が表示される確率は、AT状態及びボーナス状態よりも低確率であってもよい。なお、上述したように、非有利区間は、操作情報を表示させることが禁止されている区間である。よって、少なくとも第1通常状態では、操作情報の表示が行われない。
【0063】
次に、遊技機10の電気的構成を説明する。
図7に示すように、遊技機10は、複数の制御基板を備える。複数の制御基板には、メ
イン制御基板40と、遊技媒体数制御基板41と、サブ制御基板42と、が含まれる。複数の制御基板は、施錠装置を解錠して前面扉12を開放しなければアクセス、及び視認できない位置に設けられている。
【0064】
メイン制御基板40と、遊技媒体数制御基板41とは、双方向に通信を行うことが可能に接続される。メイン制御基板40は、所定の制御を実行し、遊技媒体数制御基板41へ制御情報を出力する。例えば、制御情報は、信号、コマンド、又は電文である。遊技媒体数制御基板41は、所定の制御を実行し、メイン制御基板40へ制御情報を出力する。
【0065】
メイン制御基板40と、サブ制御基板42とは、メイン制御基板40からサブ制御基板42へ一方向に通信を行うことが可能に接続される。メイン制御基板40は、所定の制御を実行し、サブ制御基板42へ制御情報を出力する。サブ制御基板42は、メイン制御基板40から出力される制御情報を入力可能である。サブ制御基板42は、メイン制御基板40から入力した制御情報に基づいて所定の制御を実行する。
【0066】
遊技機10の遊技媒体数制御基板41と、管理ユニット100のCU制御基板110とは、遊技機10に設けられた接続端子板90を介して、双方向に通信を行うことが可能に接続される。接続端子板90は、CU制御基板110に制御情報を出力できる。接続端子板90は、CU制御基板110から制御情報を入力できる。接続端子板90は、CU制御基板110から情報を入力できる外部入力手段の一例である。遊技媒体数制御基板41は、所定の制御を実行し、CU制御基板110へ制御情報を出力する。CU制御基板110は、所定の制御を実行し、遊技媒体数制御基板41へ制御情報を出力する。
【0067】
遊技機10は、電源ユニット60を機内部に備える。電源ユニット60は、機外部から電力供給を受けるとともに入力電圧を所定電圧に変換し、メイン制御基板40に対して供給する。メイン制御基板40に供給された電力は、さらに遊技媒体数制御基板41及びサブ制御基板42に対して供給される。電源ユニット60は、電源スイッチ60aを備える。遊技機10は、電源スイッチ60aをオン状態としたまま電源ユニット60に対して電力供給を開始するか、電力供給をした状態のまま電源スイッチ60aをオン状態とすることにより、電源投入が可能に構成される。
【0068】
メイン制御基板40について詳しく説明する。
メイン制御基板40は、CPU40aと、ROM40bと、RWM40cと、を備える。CPU40aは、メイン制御プログラムを実行することにより、主に、遊技の進行に関する制御を実行する。ROM40bは、メイン制御プログラム、各種の判定や抽選に用いる判定値、及びテーブルなどを記憶している。一例として、抽選に用いる判定値には、後述する役抽選に用いる役判定値がある。RWM40cは、CPU40aの処理結果に応じて書き換えられる様々な情報を記憶する。一例として、RWM40cが記憶する情報には、掛け数(ベット数)のほか、フラグ、カウンタ、及びタイマがある。
【0069】
メイン制御基板40は、乱数を生成可能に構成される。一例として、乱数は、乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数生成回路をメイン制御基板40に搭載することによって、所謂「ハードウェア乱数」として生成してもよく、CPU40aが所定の周期毎に乱数の値を更新することによって、所謂「ソフトウェア乱数」として生成してもよい。
【0070】
メイン制御基板40は、リールセンサSE1~SE3と接続される。CPU40aは、図示しないポートを介して、リールセンサSE1~SE3が出力する各検知信号を入力可能である。メイン制御基板40は、リール16a~16cのアクチュエータと接続される。CPU40aは、図示しない駆動回路を介して、リール16a~16cの回転及び停止を各別に制御可能である。
【0071】
メイン制御基板40は、1ベットボタン17、MAXベットボタン18、精算ボタン19、スタートレバー20、及びストップボタン21a~21cと接続される。CPU40aは、図示しないポートを介して、1ベットボタン17、MAXベットボタン18、精算ボタン19、スタートレバー20、及びストップボタン21a~21cが操作されたときに出力する各検知信号を入力可能である。メイン制御基板40は、情報表示部30と接続される。CPU40aは、図示しない駆動回路を介して、情報表示部30の表示内容を制御可能である。
【0072】
メイン制御基板40は、設定器50を備える。設定器50は、所定の鍵を用いることで操作することが可能に構成される。CPU40aは、図示しないポートを介して、設定器50が操作されたときに出力する検知信号を入力可能である。以下の説明において、「設定器50が操作される」と示す場合は、所定の鍵を用いて設定器50が操作されることを意味する。メイン制御基板40は、設定ボタン51を備える。CPU40aは、図示しないポートを介して、設定ボタン51が操作されたときに出力する検知信号を入力可能である。
【0073】
遊技機10では、電源投入されたときに設定器50が操作されることによって、設定値を設定することができる。設定値は、複数段階で構成される。遊技機10では、設定ボタン51が操作されることによって、複数の設定値のうち何れかの設定値を選択できる。設定値には、「1」~「6」がある。遊技機10では、「1」~「6」のうち何れかを設定値として設定することができる。遊技機10では、電源投入されたときに設定器50を操作した場合に、設定値を変更することが可能な設定値変更可能状態に制御される。遊技機10では、設定値変更可能状態において設定ボタン51を操作することによって、設定する設定値として選択している設定値を1段階ずつ変更することができる。そして、遊技機10では、設定値変更可能状態においてスタートレバー20が操作されたときに選択されている設定値が、設定値として設定される。遊技機10では、設定値に基づく当選確率の下で各種の抽選が行われる。これにより、遊技機10では、設定値に応じて有利度が異なり、出玉率の期待値が異なる。一例として、遊技機10では、設定値「1」<設定値「2」<設定値「3」<設定値「4」<設定値「5」<設定値「6」の順で、出玉率の期待値が高く、有利度が高い。
【0074】
ここで、ROM40bに記憶されている抽選テーブルのうち、複数ある当選番号の中から当選番号を決定するための役抽選に用いられる役抽選テーブルと、当選番号と、について説明する。
【0075】
まず、当選番号について説明する。当選番号は、変動ゲームにおいて表示(導出)可能な図柄の組み合わせとして、1つ又は複数の図柄の組み合わせが定められた情報である。つまり、当選番号は、変動ゲームにおいて入賞が可能な役として、1つ又は複数の役が定められた条件装置識別子(ID)である。
【0076】
遊技機10では、当選番号01~11を含む、複数の当選番号を備える。
当選番号01には、変動ゲームにおいて入賞可能な役として、チェリー役が定められている。当選番号01に当選している場合であって、ストップボタン21a~21cのそれぞれがチェリー図柄を有効ラインNL上に停止可能な押し位置(以下、チェリー押し位置と示す)で停止操作されたときには、押し順に関係なく、チェリー役が入賞するようにリールが停止される。一方、ストップボタン21a~21cがチェリー押し位置とは異なる押し位置で停止操作されたときには、押し順に関係なく、チェリーこぼしの図柄の組み合わせが表示されるようにリールが停止される。なお、遊技機10では、チェリーこぼしの図柄の組み合わせが表示されても、賞が付与されない。
【0077】
当選番号02には、変動ゲームにおいて入賞可能な役として、スイカ役が定められている。当選番号02に当選している場合であって、ストップボタン21a~21cのそれぞれがスイカ図柄を有効ラインNL上に停止可能な押し位置(以下、スイカ押し位置と示す)で停止操作されたときには、押し順に関係なく、スイカ役が入賞するようにリールが停止される。一方、ストップボタン21a~21cがスイカ押し位置とは異なる押し位置で停止操作されたときには、押し順に関係なく、スイカこぼしの図柄の組み合わせが導出されるようにリールが停止される。なお、遊技機10では、スイカこぼしの図柄の組み合わせが導出されても、賞が付与されない。
【0078】
当選番号03には、変動ゲームにおいて入賞可能な役として、ベル役が定められている。当選番号03に当選している場合には、押し順及び押し位置に関係なく、ベル役が入賞するようにリールが停止される。
【0079】
当選番号04~09には、変動ゲームにおいて入賞可能な役として、ベル役とベルこぼし役とが定められている。当選番号04~09のうち何れかに当選している場合であって、第1押し順~第6押し順のうち予め定められた何れか1つの押し順で停止操作(以下、ベル役の操作態様と示す)されたときには、押し位置に関係なく、ベル役が入賞するようにリールが停止される。一方、前記1つの押し順とは異なる押し順で停止操作(以下、ベルこぼし役の操作態様と示す)がされたときには、押し位置に関係なく、ベルこぼし役が入賞するようにリールが停止される。
【0080】
当選番号04は、第1押し順で停止操作されたときに、ベル役が入賞するようにリールが停止される。当選番号05は、第2押し順で停止操作されたときに、ベル役が入賞するようにリールが停止される。当選番号06は、第3押し順で停止操作されたときに、ベル役が入賞するようにリールが停止される。当選番号07は、第4押し順で停止操作されたときに、ベル役が入賞するようにリールが停止される。当選番号08は、第5押し順で停止操作されたときに、ベル役が入賞するようにリールが停止される。当選番号09は、第6押し順で停止操作されたときに、ベル役が入賞するようにリールが停止される。
【0081】
当選番号10には、変動ゲームにおいて入賞可能な役として、再遊技役が定められている。当選番号10に当選している場合には、押し順及び押し位置に関係なく、再遊技役が入賞するようにリールが停止される。
【0082】
当選番号11には、変動ゲームにおいて入賞可能な役として、ボーナス役が定められている。当選番号11に当選している場合であって、ストップボタン21a~21cのそれぞれがセブン図柄を有効ラインNL上に停止可能な押し位置(以下、セブン押し位置と示す)で停止操作されたときには、押し順に関係なく、ボーナス役が入賞するようにリールが停止される。一方、ストップボタン21a~21cがセブン押し位置とは異なる押し位置で停止操作されたときには、押し順に関係なく、ボーナスこぼしの図柄の組み合わせが導出されるようにリールが停止される。なお、遊技機10では、ボーナスこぼしの図柄の組み合わせが導出されても、賞が付与されない。
【0083】
次に、役抽選テーブルについて説明する。
遊技機10は、複数の役抽選テーブルを備える。役抽選テーブルには、ボーナス状態ではないときに変動ゲームが行われた場合に参照される第1役抽選テーブルと、ボーナス状態であるときに変動ゲームが行われた場合に参照される第2役抽選テーブルと、がある。
【0084】
各役抽選テーブルには、複数ある当選番号ごとに、当選とするか否かの判定(以下、当選判定と示す)を行うための数値データとして、役判定値がそれぞれ対応付けられている
。当選判定では、役抽選用の乱数の値から役判定値を減算して得られた値が負の値となった場合に当選とする判定を行っている。なお、役抽選用の乱数の値から役判定値を減算して得られた値が負の値にならなかった場合には、この算出した値を用いて、次の当選番号の当選判定を行う。因みに、何れの当選番号(役)にも当選しない場合は、所謂「はずれ」である。各役判定値は、役抽選テーブルと、設定値と、当選番号と、に応じて予め定められている。
【0085】
各抽選テーブルには、当選とするか否かの判定対象となる当選番号(役)が予め定められている。第1役抽選テーブルにおいて判定対象となる当選番号は、当選番号01~11である。第2役抽選テーブルにおいて判定対象となる当選番号は、当選番号01~10である。
【0086】
第1役抽選テーブルには、当選番号01~11の各当選確率が、設定値「1」<設定値「2」<設定値「3」<設定値「4」<設定値「5」<設定値「6」の順で高くなるように役判定値が設定されている。第2役抽選テーブルには、当選番号01~10の各当選確率が、設定値にかかわらず同じ役判定値が設定されている。第2役抽選テーブルには、第2役抽選テーブルにおける当選番号01~09の各当選確率が、それぞれ第1役抽選テーブルにおける当選番号01~09の各当選確率よりも高くなるように設定されている。
【0087】
したがって、遊技機10では、設定値「1」<設定値「2」<設定値「3」<設定値「4」<設定値「5」<設定値「6」の順で、賞の付与確率が高くなる。つまり、遊技機10は、設定値「1」<設定値「2」<設定値「3」<設定値「4」<設定値「5」<設定値「6」の順で、遊技者にとって有利となるように構成される。また、遊技機10では、ボーナス状態であるときに払出役に当選する確率が、ボーナス状態ではないときに払出役に当選する確率よりも高くなる。つまり、遊技機10は、ボーナス状態であるときに遊技媒体が付与される数の期待値が、ボーナス状態ではないときに遊技媒体が付与される数の期待値よりも高くなるように構成される。
【0088】
メイン制御基板40は、バックアップ電源52を備える。バックアップ電源52は、機外部からの電力供給が遮断された状態であっても、RWM40cのほか、遊技媒体数制御基板41(RWM41c)に対してバックアップ電力を供給する。バックアップ電源52は、電源スイッチ60aがオフ状態であっても、RWM40c及びRWM41cに対してバックアップ電力を供給する。一例として、バックアップ電源52は、機外部からの電力供給によって蓄電する蓄電装置である。
【0089】
以下の説明では、機外部からの電力供給が遮断されること、又は、電源スイッチ60aがオフ状態となることを電源断と示す場合がある。RWM40c及びRWM41cは、バックアップ電源52からバックアップ電力の供給を受けることにより、電源断時におけるRWM40c及びRWM41cの記憶内容を電源断後にも保持可能である。つまり、遊技機10は、バックアップ機能を搭載する。これに限らず、RWM40c及びRWM41cは、電源断されたときにも記憶内容を保持可能な不揮発性メモリであることにより、電源断後にも情報を保持可能であってもよい。RWM40c及びRWM41cに記憶される情報は、全てバックアップの対象となる。
【0090】
遊技媒体数制御基板41について詳しく説明する。
遊技媒体数制御基板41は、CPU41aと、ROM41bと、RWM41cと、を備える。CPU41aは、遊技媒体数制御プログラムを実行することにより、主に、遊技者の保有する遊技媒体に関する処理を行う。ROM41bは、遊技媒体数制御プログラムなどを記憶している。RWM41cは、CPU41aの処理結果に応じて書き換えられる様々な情報を記憶する。一例として、RWM41cが記憶する情報には、遊技機管理遊技媒
体数のほか、フラグ、カウンタ、及びタイマがある。
【0091】
遊技媒体数制御基板41は、遊技媒体数クリアボタン53を備える。遊技媒体数クリアボタン53は、RWM41cに記憶されている遊技機管理遊技媒体数を0に初期化する操作が可能な操作手段の一例である。遊技媒体数クリアボタン53は、押込み操作がされると遊技媒体数クリア信号を出力する。遊技媒体数クリア信号は、遊技媒体数クリアボタン53の押込み操作がされるとオン状態となり、押込み操作がされていないとオフ状態となる。CPU41aは、図示しないポートを介して、遊技媒体数クリア信号を入力可能である。遊技媒体数制御基板41は、遊技機管理遊技媒体数表示部22と接続される。CPU41aは、図示しない駆動回路を介して、遊技機管理遊技媒体数表示部22の表示内容を制御可能である。遊技媒体数制御基板41は、計数ボタン23と接続される。CPU41aは、図示しないポートを介して、計数ボタン23が操作されたときに出力する計数信号を入力可能である。
【0092】
サブ制御基板42について詳しく説明する。
サブ制御基板42は、CPU42aと、ROM42bと、RWM42cと、を備える。CPU42aは、サブ制御プログラムを実行することにより、主に、演出に関する処理を行う。ROM42bは、サブ制御プログラム、各種の判定や抽選に用いる判定値、及びテーブルなどを記憶している。ROM42bは、音声演出に用いる音声演出データ、発光演出に用いる発光演出データ、表示演出に用いる表示演出データ、及び振動演出に用いる振動演出データを記憶している。RWM42cは、CPU42aの処理結果に応じて書き換えられる様々な情報を記憶する。一例として、RWM42cが記憶する情報には、フラグ、カウンタ、及びタイマがある。
【0093】
サブ制御基板42は、乱数を生成可能に構成されている。例えば、乱数は、乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数生成回路をサブ制御基板42に搭載することによって、所謂「ハードウェア乱数」として生成してもよく、CPU42aが所定の周期毎に乱数の値を更新することによって、所謂「ソフトウェア乱数」として生成してもよい。
【0094】
サブ制御基板42は、装飾ランプ13、スピーカ14、及び演出表示部15と接続される。CPU42aは、図示しない駆動回路を介して、装飾ランプ13、スピーカ14、及び演出表示部15を制御可能である。サブ制御基板42は、演出操作部24と接続される。CPU42aは、図示しないポートを介して、演出操作部24が操作されたときに出力する検知信号を入力可能である。サブ制御基板42は、振動装置24a及び振動装置25aと接続される。CPU42aは、図示しない駆動回路を介して、振動装置24a及び振動装置25aを制御可能である。これにより、CPU42aは、演出操作部24及び下皿25に振動演出を実行させるように制御可能である。CPU42aは、装飾ランプ13、スピーカ14、演出表示部15、演出操作部24、及び下皿25を制御する演出制御手段の一例である。
【0095】
以下、CPU40a、及びCPU41aが実行する処理について、説明する。
まず、電源断されたときの処理について説明する。
CPU40aが実行するメイン側電源断処理について説明する。
【0096】
CPU40aは、図示しないバックアップ回路が出力する電源断検出信号を入力すると、メイン側電源断処理を実行する。一例として、バックアップ回路は、電源ユニット60から供給される電源電圧が規定電圧よりも低下すると電源断検出信号を出力する。メイン側電源断処理において、CPU40aは、RWM40cのチェックサム値を算出するとともに、算出したチェックサム値をRWM40cに記憶させる。また、CPU40aは、メイン側電源断処理が正常に実行されたことを特定可能な情報(以下、主バックアップフラ
グと示す)をRWM40cに記憶させる。その後、CPU40aは、完全に電源断されるまで待機する。電源断されたときにRWM40cに記憶される各種情報は、上述したバックアップ機能によって電源断後にも保持される。
【0097】
CPU41aが実行する媒体制御側電源断処理について説明する。
CPU41aは、図示しないバックアップ回路が出力する電源断検出信号を入力すると、媒体制御側電源断処理を実行する。媒体制御側電源断処理において、CPU41aは、RWM41cのチェックサム値を算出するとともに、算出したチェックサム値をRWM41cに記憶させる。また、CPU41aは、媒体制御側電源断処理が正常に実行されたことを特定可能な情報(以下、媒体バックアップフラグと示す)をRWM41cに記憶させる。その後、CPU41aは、完全に電源断されるまで待機する。電源断されたときにRWM41cに記憶されている各種情報は、上述したバックアップ機能によって電源断後にも保持される。
【0098】
次に、電源投入されたときの処理について説明する。
CPU40aが実行するメイン側電源投入処理について説明する。
CPU40aは、電源投入に伴って、電源ユニット60から供給される電源電圧が規定電圧に達して起動すると、メイン側電源投入処理を実行する。CPU40aは、設定器50が操作されたときに出力する検知信号を入力しているか否かを判定する。検知信号を入力している場合、CPU40aは、設定値変更処理を実行する。つまり、CPU40aは、設定値変更可能状態に制御する。設定値変更処理において、CPU40aは、設定ボタン51が操作される毎に、設定する設定値として選択している設定値を1段階ずつ変更する。そして、スタートレバー20が操作された場合、CPU40aは、その時点において選択している設定値を設定する設定値として、当該設定値を特定可能な情報(以下、設定値情報と示す)をRWM40cに記憶させる。また、CPU40aは、設定された設定値を特定可能な制御情報(以下、設定値コマンドと示す)を出力バッファに格納する。なお、出力バッファに格納された制御情報(コマンド)は、タイマ割り込み処理として実行される情報出力処理によって、遊技媒体数制御基板41及びサブ制御基板42へ出力される。CPU40aは、設定値情報をRWM40cに記憶させた後、RWM40cに記憶された設定値情報とは異なる一部又は全部の情報を初期化する。その後、CPU40aは、後述する遊技進行メイン処理を実行する。
【0099】
設定器50が操作されたときに出力する検知信号を入力していない場合、CPU40aは、バックアップされている情報が正常であるか否かを判定する。CPU40aは、RWM40cに主バックアップフラグが記憶されているか否かを判定する。また、CPU40aは、RWM40cのチェックサム値を算出する。そして、CPU40aは、算出したチェックサム値と、メイン側電源断処理において算出したチェックサム値とが一致するか否かを判定する。CPU40aは、主バックアップフラグが記憶されており、且つチェックサム値が一致する場合に正常と判定する一方、そうではない場合に異常と判定する。
【0100】
バックアップされている情報が異常と判定した場合、CPU40aは、RWMエラーが発生したとしてRWMエラー処理を実行する。RWMエラー処理において、CPU40aは、払出表示部35にRWMエラーが発生していることを特定可能なエラー情報を表示させるとともに、電源断されるまで待機する。遊技機10では、RWMエラーが発生した場合、設定値変更処理が実行されるまで電源投入される毎にRWMエラーが発生する。バックアップされている情報が正常と判定した場合、CPU40aは、バックアップされた情報に基づいて復帰し、後述する遊技進行メイン処理を実行する。CPU40aは、メイン側電源投入処理を終了すると、タイマ割り込み処理を許可する。
【0101】
CPU41aが実行する媒体制御側電源投入処理について説明する。
CPU41aは、電源投入に伴って、電源ユニット60から供給される電源電圧が規定電圧に達して起動すると、媒体制御側電源投入処理を実行する。CPU41aは、バックアップされている情報が正常であるか否かを判定する。CPU41aは、RWM41cに媒体バックアップフラグが記憶されているか否かを判定する。また、CPU41aは、RWM41cのチェックサム値を算出する。そして、CPU41aは、算出したチェックサム値と、媒体制御側電源断処理において算出したチェックサム値と、が一致するか否かを判定する。CPU41aは、媒体バックアップフラグが記憶されており、且つチェックサム値が一致する場合に正常と判定する一方、そうではない場合に異常と判定する。バックアップされている情報が異常と判定した場合、CPU41aは、RWM41cに記憶された遊技機管理遊技媒体数、遊技機性能情報、遊技機設置情報、及び外部管理機器用情報を含む全ての情報を初期化する。その後、CPU41aは、初期化された情報に基づいて復帰し、後述する媒体制御側通常処理を実行する。
【0102】
遊技機性能情報は、遊技の結果に応じてメイン制御基板40から出力される制御情報に基づいてRWM41cに記憶される情報である。一例として、遊技機性能情報には、電源投入されてからの総ベット数と、遊技媒体の総獲得数と、総遊技回数と、を特定可能な情報がある。遊技機設置情報には、CPU40a及びCPU41aのIDと、遊技機10のメーカコードと、CPU40a及びCPU41aの製品コードと、を特定可能な情報がある。外部管理機器用情報は、遊技の進行に応じてメイン制御基板40から出力される制御情報に基づいてRWM41cに記憶される情報である。一例として、外部管理機器用情報には、ベット数と、遊技媒体の獲得数と、遊技機10の遊技状態と、遊技機10のエラー状態と、を特定可能な情報がある。外部管理機器用情報は、外部管理機器の一例であるホールコンピュータ用に出力されるデータである。
【0103】
バックアップされている情報が正常と判定した場合、CPU41aは、遊技媒体数クリア信号がオン状態であるか否かに基づき、遊技媒体数クリアボタン53が操作されているか否かを判定する。CPU41aは、遊技媒体数クリアボタン53が操作されているとき、RWM41cに記憶された遊技機管理遊技媒体数及び遊技機性能情報を初期化する。このとき、CPU41aは、RWM41cに記憶された遊技機管理遊技媒体数及び遊技機性能情報とは異なる情報を初期化しない。これに限らず、CPU41aは、RWM41cに記憶された遊技機管理遊技媒体数及び遊技機性能情報とは異なる情報のうち一部を初期化してもよい。その後、CPU41aは、初期化又はバックアップされた情報に基づいて復帰し、後述する媒体制御側通常処理を実行する。
【0104】
CPU41aは、遊技媒体数クリアボタン53が操作されていないとき、RWM41cに記憶された遊技機性能情報を初期化する。このとき、CPU41aは、RWM41cに記憶された遊技機性能情報とは異なる情報を初期化しない。これに限らず、CPU41aは、RWM41cに記憶された遊技機性能情報とは異なる情報のうち一部を初期化してもよい。ただし、CPU41aは、RWM41cに記憶された遊技機管理遊技媒体数を初期化しない。その後、CPU41aは、初期化又はバックアップされた情報に基づいて復帰し、後述する媒体制御側通常処理を実行する。
【0105】
CPU40aが実行する遊技進行メイン処理と、CPU41aが実行する媒体制御側通常処理と、について説明する。
図8に示すように、CPU40aが実行する遊技進行メイン処理は、変動ゲームの実行、及び賞の付与などを行う遊技の進行に係る一連の処理である。
【0106】
遊技進行メイン処理においてCPU40aは、遊技開始セット処理を実行する(ステップS101)。遊技開始セット処理において、CPU40aは、RWM40cにおける所定の記憶領域の更新を行う。次に、CPU40aは、エラー処理を実行する(ステップS
102)。エラー処理は、エラーを発生させるか否かを判定する処理と、発生したエラーに基づいて遊技を行うことができない遊技不能状態に制御する処理と、を含む。以下の説明において、エラーについて「発生させる」と示す場合、そのエラーを特定可能な情報をRWM40cに記憶させることを意味する。エラーについて「解除する」と示す場合、そのエラーを特定可能な情報をRWM40cから消去させることを意味する。エラー処理については、後述する。
【0107】
エラー処理を終了すると、CPU40aは、再遊技が非作動中であるか否かを判定する(ステップS103)。再遊技が非作動中とは、再遊技が付与されていないときに相当する。再遊技が作動中とは、再遊技が付与されているときに相当する。再遊技が非作動中である場合(ステップS103:YES)、CPU40aは、今回の変動ゲームにおける掛け数(ベット数)を設定するベットボタン受付処理を実行する(ステップS104)。
【0108】
ベットボタン受付処理において、CPU40aは、1ベットボタン17又はMAXベットボタン18が操作されたか否かを判定する。1ベットボタン17又はMAXベットボタン18が操作されていない場合、CPU40aは、ベットボタン受付処理を終了する。1ベットボタン17又はMAXベットボタン18が操作された場合、CPU40aは、掛け数を増加させ得る。
【0109】
具体的に、ベットボタン受付処理において、CPU40aは、1ベットボタン17が操作されたときに出力される検知信号を入力すると、掛け数を増加させ得る。CPU40aは、設定されている掛け数が最大掛け数未満であり、且つ遊技機管理遊技媒体数が1以上あるときに、1ベットボタン17が操作されると掛け数を1増加させる。CPU40aは、設定されている掛け数が最大掛け数であるときに、1ベットボタン17が操作されても掛け数を増加させない。CPU40aは、遊技機管理遊技媒体数が0であるときに、1ベットボタン17が操作されても掛け数を増加させない。後述するが、CPU40aは、遊技媒体数制御基板41(CPU41a)から入力する管理遊技媒体数コマンドに基づいて、遊技機管理遊技媒体数を特定可能である。管理遊技媒体数コマンドは、遊技機管理遊技媒体数を特定可能な制御情報である。
【0110】
ベットボタン受付処理において、CPU40aは、MAXベットボタン18が操作されたときに出力される検知信号を入力すると、掛け数を増加させ得る。CPU40aは、設定されている掛け数が最大掛け数未満であり、且つ遊技機管理遊技媒体数が1以上あるときに、MAXベットボタン18が操作されると掛け数を増加させ得る。CPU40aは、設定されている掛け数が最大掛け数であるときに、MAXベットボタン18が操作されても掛け数を増加させない。CPU40aは、遊技機管理遊技媒体数が0であるときに、MAXベットボタン18が操作されても掛け数を増加させない。
【0111】
CPU40aは、MAXベットボタン18が操作されたことに基づいて掛け数を増加させる場合、最大掛け数となるときのみ掛け数を増加させる。CPU40aは、設定されている掛け数が最大掛け数未満であり、且つ設定されている掛け数と遊技機管理遊技媒体数との合計が最大掛け数以上であるとき、MAXベットボタン18が操作されると、掛け数が最大掛け数となるように掛け数を増加させる。CPU40aは、設定されている掛け数と遊技機管理遊技媒体数との合計が最大掛け数未満であるとき、MAXベットボタン18が操作されても掛け数を増加させない。例えば、CPU40aは、設定されている掛け数が0であり、且つ遊技機管理遊技媒体数が3未満であるときに、MAXベットボタン18が操作されても掛け数を増加させない。
【0112】
ベットボタン受付処理において掛け数を増加させた場合、CPU40aは、掛け数が設定されたことを特定可能な制御情報(以下、掛け数コマンドと示す)を出力バッファに格
納する。掛け数コマンドは、1ベットボタン17又はMAXベットボタン18が操作されたことにより増加した掛け数を特定可能な制御情報である。一例として、1ベットボタン17が操作されて掛け数が1増加した場合、掛け数が1増加したことを特定可能な掛け数コマンドを出力バッファに格納する。一例として、MAXベットボタン18が操作されて掛け数が3増加した場合、掛け数が3増加したことを特定可能な掛け数コマンドを出力バッファに格納する。CPU40aは、掛け数コマンドを出力バッファに格納した後、ベットボタン受付処理を終了する。
【0113】
媒体制御側通常処理においてCPU41aは、掛け数コマンドを入力すると、当該掛け数コマンドから特定可能な掛け数(ベット数)の数だけ遊技機管理遊技媒体数から減算する。一例として、CPU41aは、掛け数が1増加したことを特定可能な掛け数コマンドを入力した場合、遊技機管理遊技媒体数を1減少させる。一例として、CPU41aは、掛け数が3増加したことを特定可能な掛け数コマンドを入力した場合、遊技機管理遊技媒体数を3減少させる。このように、CPU41aは、掛け数コマンドに応じて遊技機管理遊技媒体数を減少させる。遊技機10は、掛け数の設定に伴って遊技者が保有する遊技媒体の数(遊技機管理遊技媒体数)を減少させることが可能に構成される。
【0114】
ベットボタン受付処理を終了すると、CPU40aは、精算ボタン受付処理を実行する(ステップS105)。精算ボタン受付処理において、CPU40aは、精算ボタン19が操作されたか否かを判定する。精算ボタン19が操作されていない場合、CPU40aは、精算ボタン受付処理を終了する。精算ボタン19が操作された場合、CPU40aは、掛け数(ベット数)を減少させ得る。つまり、精算ボタン19が操作された場合、CPU40aは、掛け数を精算し得る。
【0115】
具体的に、精算ボタン受付処理において、CPU40aは、精算ボタン19が操作されたときに出力される検知信号を入力すると、掛け数を減少させ得る。CPU40aは、設定されている掛け数が1以上であるときに、精算ボタン19が操作されると掛け数を減少させる。CPU40aは、設定されている掛け数が0であるときに、精算ボタン19が操作されても掛け数を減少させず、精算ボタン受付処理を終了する。
【0116】
CPU40aは、精算ボタン19が操作されたことに基づいて掛け数を減少させる場合、設定されている掛け数の数だけ減少させる。つまり、CPU40aは、精算ボタン19が操作された場合、掛け数が0となるように設定されている掛け数を減少させる。例えば、CPU40aは、設定されている掛け数が最大掛け数(3)であるときに、精算ボタン19が操作されると、掛け数を3減少させる。
【0117】
精算ボタン受付処理において掛け数を減少させた場合、CPU40aは、掛け数が精算されたことを特定可能な制御情報(以下、精算コマンドと示す)を出力バッファに格納する。掛け数が精算されるとは、設定されている掛け数が減少することに相当する。より具体的に、掛け数が精算されるとは、設定されている掛け数が1~3の何れかから0になることに相当する。精算コマンドは、精算ボタン19が操作されたことにより減少した掛け数の数を特定可能な制御情報である。一例として、設定されている掛け数が最大掛け数(3)であるときに、精算ボタン19が操作された場合、掛け数が3減少したことを特定可能な精算コマンドを出力バッファに格納する。
【0118】
媒体制御側通常処理においてCPU41aは、精算コマンドを入力すると、当該精算コマンドから特定可能な掛け数(ベット数)の数だけ遊技機管理遊技媒体数に加算する。一例として、CPU41aは、掛け数が3減少したことを特定可能な精算コマンドを入力した場合、遊技機管理遊技媒体数を3増加させる。このように、CPU41aは、精算コマンドに応じて遊技機管理遊技媒体数を増加させる。遊技機10は、掛け数の精算に伴って
遊技者が保有する遊技媒体の数(遊技機管理遊技媒体数)を増加させることが可能に構成される。
【0119】
CPU40aは、再遊技が非作動中ではない場合(ステップS103:NO)、又は、精算ボタン受付処理を終了した場合、設定されている掛け数(ベット数)が、変動ゲームを開始可能とする規定掛け数(一例として3)と一致するか否かを判定する(ステップS106)。なお、CPU40aは、再遊技が非作動中ではない場合(ステップS103:NO)、前回の変動ゲームを開始する際に設定された掛け数を、今回の変動ゲームにおける掛け数として設定する。
【0120】
設定されている掛け数が規定掛け数と一致しない場合(ステップS106:NO)、CPU40aは、ステップS102の処理に移行する。つまり、ステップS106の処理においてCPU40aは、変動ゲームを開始可能な状態となったか否かを判定する。一方、設定されている掛け数が規定掛け数と一致する場合(ステップS106:YES)、CPU40aは、スタートレバー20が操作(開始操作)されたか否かを判定する(ステップS107)。
【0121】
ステップS107の処理においてCPU40aは、スタートレバー20から検知信号を入力した場合に肯定判定する。一方、CPU40aは、スタートレバー20から検知信号を入力しない場合に否定判定する。開始操作を受付けていない場合(ステップS107:NO)、CPU40aは、ステップS102の処理へ移行する。一方、開始操作を受付けた場合(ステップS107:YES)、CPU40aは、内部抽選処理を実行する(ステップS108)。
【0122】
内部抽選処理のうち役抽選処理について説明する。
役抽選処理は、役抽選として当選番号を決定するための処理である。役抽選処理において、CPU40aは、メイン制御基板40にて生成している役抽選用の乱数を取得する。CPU40aは、ボーナス状態であるか否かに応じて、役抽選テーブルのうち第1役抽選テーブル及び第2役抽選テーブルの何れかを参照する。CPU40aは、設定値情報を参照し、設定されている設定値を特定する。CPU40aは、取得した役抽選用の乱数から役抽選テーブル及び設定値毎に定められた当選番号の役判定値を減算して、当選とするか否かの判定を繰り返し行う。これにより、CPU40aは、役抽選テーブルに定められた当選番号の何れかに当選とするか、何れの当選番号にも非当選(所謂、はずれ)とするかを決定する。何れかの当選番号に当選した場合、CPU40aは、当選した当選番号を特定可能な情報(以下、当選フラグと示す)をRWM40cに記憶させる。CPU40aは、当選した当選番号を特定可能な制御情報(以下、当選コマンドと示す)を出力バッファに格納する。その後、CPU40aは、役抽選処理を終了する。
【0123】
内部抽選処理のうち有利抽選処理について説明する。
役抽選処理を終了すると、CPU40aは、有利抽選処理を実行する。有利抽選処理において、CPU40aは、遊技状態に応じて、有利区間移行決定処理、及びAT移行決定処理の何れかを実行する。CPU40aは、第1通常状態に制御されているとき、有利区間移行決定処理を実行する。CPU40aは、第2通常状態に制御されているとき、AT移行決定処理を実行する。CPU40aは、AT状態又はボーナス状態に制御されているとき、有利抽選処理を終了して、内部抽選処理を終了する。
【0124】
最初に、有利区間移行決定処理について説明する。
CPU40aは、第1通常状態に制御されているときに有利区間移行決定処理を実行する。一方、CPU40aは、第1通常状態とは異なる遊技状態に制御されているときに有利区間移行決定処理を実行しない。有利区間移行決定処理は、非有利区間から有利区間へ
移行させるか否かを決定する処理である。有利区間移行決定処理は、第1通常状態から第2通常状態へ移行させるか否かを決定する処理ともいえる。
【0125】
有利区間移行決定処理において、CPU40aは、有利区間への移行条件が成立するか否かを判定する。具体的に、CPU40aは、当選フラグを参照する。当選フラグが当選番号01~09の何れかであった場合、CPU40aは、有利区間への移行条件が成立したと判定する。CPU40aは、有利区間への移行条件が成立したことを特定可能な情報(以下、有利区間移行情報と示す)をRWM40cに記憶させる。これにより、CPU40aは、有利区間への移行条件が成立したことを特定可能である。当選フラグが当選番号10,11、又は、何れの当選番号にも当選していない場合(はずれ)、CPU40aは、有利区間への移行条件が成立しなかったと判定する。
【0126】
CPU40aは、有利区間への移行条件が成立したと判定した場合、又は、有利区間への移行条件が成立しなかったと判定した場合、有利区間移行決定処理を終了するとともに、有利抽選処理を終了する。そして、CPU40aは、内部抽選処理を終了する。因みに、有利区間への移行条件が成立した場合、CPU40aは、後述する遊技状態更新処理(ステップS117)において、非有利区間から有利区間へ移行させるとともに、第1通常状態から第2通常状態へ移行させる。
【0127】
次に、AT移行決定処理について説明する。
CPU40aは、第2通常状態に制御されているときにAT移行決定処理を実行する。一方、CPU40aは、第2通常状態とは異なる遊技状態に制御されているときにAT移行決定処理を実行しない。AT移行決定処理は、第2通常状態からAT状態へ移行させるか否かを決定する処理である。
【0128】
AT移行決定処理において、CPU40aは、メイン制御基板40にて生成しているAT移行抽選用の乱数と、当選フラグの当選番号と、に基づいてAT抽選を行う。一例として、AT抽選は、取得した有利移行抽選用の乱数の値が、AT抽選に当選とする値であるか否かを判定することによって行うことができる。AT抽選の当選確率は、当選フラグの当選番号(当選役)に応じて異なる。これに限らず、AT抽選の当選確率は、第2通常状態における変動ゲームの実行回数に応じて周期的に変化する構成であってもよい。AT抽選に当選した場合、CPU40aは、AT開始条件が成立したと判定する。AT抽選に当選した場合、CPU40aは、AT開始条件が成立したことを特定可能な情報(以下、AT開始情報と示す)をRWM40cに記憶させる。これにより、CPU40aは、AT開始条件が成立したことを特定可能である。また、CPU40aは、AT開始条件が成立したことを特定可能な制御情報(以下、AT当選コマンドと示す)を出力バッファに格納する。AT抽選に当選しなかった場合、CPU40aは、AT開始条件が成立しなかったと判定する。
【0129】
CPU40aは、AT開始条件が成立したと判定した場合、又は、AT開始条件が成立しなかったと判定した場合、AT移行決定処理を終了するとともに、有利抽選処理を終了する。そして、CPU40aは、内部抽選処理を終了する。因みに、AT開始条件が成立した場合、CPU40aは、後述する遊技状態更新処理(ステップS117)において、第2通常状態からAT状態へ移行させる。内部抽選処理を終了すると、CPU40aは、指示情報処理を実行する(ステップS109)。
【0130】
指示情報処理のうち指示情報決定処理について説明する。
CPU40aは、AT状態及びボーナス状態の何れかに制御されているときに指示情報決定処理を実行する。一方、CPU40aは、第1通常状態及び第2通常状態の何れかに制御されているときに指示情報決定処理を実行せずに指示情報処理を終了する。
【0131】
指示情報決定処理において、CPU40aは、当選フラグが当選番号04~09(ベル役及びベルこぼし役)の何れかであった場合、ベル役の入賞を発生させるために必要なストップボタン21a~21cの操作態様を特定可能な操作情報を決定する。一方、当選フラグが01,02,03,10,11、又は、何れの当選番号にも当選していない場合、ストップボタン21a~21cの操作態様を特定可能な操作情報を決定しない。一例として、当選フラグが当選番号04であった場合、CPU40aは、第1押し順を特定可能な操作情報を決定する。CPU40aは、押し順を特定可能な制御情報(以下、指示情報コマンドと示す)を出力バッファに格納し、指示情報決定処理を終了する。
【0132】
指示情報処理のうち指示情報表示処理について説明する。
指示情報決定処理を終了すると、CPU40aは、指示情報表示処理を実行する。指示情報決定処理において第1押し順~第6押し順の何れかを特定可能な操作情報を決定した場合、CPU40aは、決定した操作情報が表示されるように、払出表示部35を制御する(図4参照)。そして、CPU40aは、指示情報表示処理を終了する。なお、指示情報決定処理が実行されていない場合、又は、指示情報決定処理において操作情報を決定していない場合、CPU40aは、指示情報表示処理を実行しない。その後、CPU40aは、指示情報処理を終了する。
【0133】
指示情報処理を終了すると、CPU40aは、開始操作を受付けたときの掛け数を特定可能な制御情報(以下、開始時ベット数コマンドと示す)を出力バッファに格納する。CPU41aは、入力した開始時ベット数コマンドに基づいて、RWM41cに記憶された遊技機性能情報における総ベット数を更新する。CPU41a及びCPU42aは、開始時ベット数コマンドを入力することにより、今回の変動ゲームにおける掛け数(ベット数)を特定可能であるとともに、変動ゲームを開始させるための開始操作が受付けられたことを特定可能である。
【0134】
そして、CPU40aは、ウエイトタイムが経過したか否かを判定する(ステップS110)。ウエイトタイムが経過していない場合(ステップS110:NO)、CPU40aは、ウエイトタイムが経過するまで待機する。ウエイトタイムが経過している場合(ステップS110:YES)、CPU40aは、次回、ウエイトタイムが経過したか否かを判定するためのウエイトタイム(一例として4100ms)を設定する。なお、設定されたウエイトタイムは、タイマ割り込み処理として実行されるカウント減算処理において計時される。
【0135】
ウエイトタイムを設定した後、CPU40aは、リール16a~16cの回転が開始されるように、リール16a~16cの各アクチュエータを制御する(ステップS111)。遊技機10では、ステップS111においてリール16a~16cの回転が開始されることにより変動ゲームが開始する。このように、CPU40aは、開始操作を契機として変動ゲームを開始させる。CPU40aは、変動ゲームが開始したことを特定可能な制御情報(以下、開始コマンドと示す)を出力バッファに格納する。なお、開始コマンドは、開始操作を受付けたときの掛け数を特定可能な制御情報でもある。
【0136】
CPU40aは、リール16a~16cの回転速度が規定速度に達すると、ストップボタン21a~21cの何れかによる停止操作を受付けたかを判定する(ステップS112)。ステップS112の処理において、CPU40aは、回転中のリールに対応するストップボタン21a~21cの何れかから検知信号を入力している場合に肯定判定する。一方、CPU40aは、ストップボタン21a~21cの何れからも検知信号を入力していない場合に否定判定する。停止操作を受付けていない場合(ステップS112:NO)、CPU40aは、停止操作を受付けるまで待機する。
【0137】
停止操作を受付けた場合(ステップS112:YES)、CPU40aは、検知信号を入力したストップボタンに対応するリールの回転を停止させるリール停止処理を実行する(ステップS113)。つまり、CPU40aは、停止操作を契機としてアクチュエータを制御し、停止操作に対応するリールの回転を停止させる。
【0138】
リール停止処理について説明する。
CPU40aは、ストップボタンが操作されたタイミング(回転位置)から所定の引き込み範囲内(一例として5図柄)にある図柄のうち、役抽選の結果(当選役)に応じて、有効ラインNL上に停止させることが許容されている図柄を検索する。例えば、図柄の検索は、ROM40bに記憶されている停止図柄検索テーブルを参照すること、及び停止図柄検索データを用いた演算の少なくとも一方によって実現できる。そして、CPU40aは、検索された図柄の何れかが有効ラインNL上に停止するようにリールの回転を停止させる。
【0139】
CPU40aは、第1停止操作、第2停止操作、及び第3停止操作がされたときに、それぞれリール停止処理を実行することによって、今回の役抽選の結果と、ストップボタン21a~21cの操作態様(押し順及び押し位置)と、に応じた図柄の組み合わせを表示させる。つまり、CPU40aは、ストップボタン21a~21cの操作態様に応じて、当選フラグの当選番号に対応付けられた役の入賞を発生させることが可能である。なお、CPU40aは、何れの当選番号にも当選していない場合(はずれの場合)、何れの役の入賞も発生させない。
【0140】
続いて、CPU40aは、リール16a~16cの全てを停止させたかを判定する(ステップS114)。リール16a~16cのうち一部のリールを停止させていない場合(ステップS114:NO)、CPU40aは、ステップS112の処理へ移行する。一方、リール16a~16cの全てを停止させている場合(ステップS114:YES)、CPU40aは、変動ゲームを終了して、変動ゲームの結果を判定する入賞判定処理を実行する(ステップS115)。このように、CPU40aは、停止操作を契機として変動ゲームを終了させる。CPU40aは、変動ゲームが終了したことを特定可能な制御情報(以下、終了コマンドと示す)を出力バッファに格納する。CPU41aは、入力した終了コマンドに基づいて、RWM41cに記憶された遊技機性能情報における総遊技回数を更新する。以上のように、遊技機10では、ステップS111においてリール16a~16cの回転が開始されることにより変動ゲームが開始して、ステップS114においてリール16a~16cが停止したことにより変動ゲームが終了する。
【0141】
ステップS115の入賞判定処理において、CPU40aは、何れかの役の入賞が発生したか否かの入賞判定を行う。つまり、CPU40aは、有効ラインNL上に停止させた図柄の組み合わせが、賞を獲得するために必要な組み合わせとして予め定められたものであるか否かを判定する。CPU40aは、何れかの役の入賞が発生した場合、当該入賞が発生した役に定められた賞を付与する。
【0142】
払出役の入賞が発生した場合、CPU40aは、獲得する賞として遊技媒体の数(遊技媒体の獲得数)を特定可能な情報(以下、獲得数情報と示す)をRWM40cに記憶させる。また、払出役の入賞が発生した場合、CPU40aは、遊技媒体の獲得数を特定可能な制御情報(以下、獲得数コマンドと示す)を出力バッファに格納する。獲得数コマンドは、入賞が発生した払出役に定められた遊技媒体が付与される数(付与数)を特定可能な制御情報である。獲得数コマンドは、入賞が発生した役を特定可能な制御情報であってもよい。CPU40aは、獲得数コマンドを出力バッファに格納した後、入賞判定処理を終了する。
【0143】
媒体制御側通常処理においてCPU41aは、獲得数コマンドを入力すると、当該獲得数コマンドから特定可能な遊技媒体の獲得数を遊技機管理遊技媒体数に加算する。一例として、CPU41aは、遊技媒体の獲得数が10であることを特定可能な獲得数コマンドを入力した場合、遊技機管理遊技媒体数を10増加させる。このように、CPU41aは、獲得数コマンドに応じて遊技機管理遊技媒体数を増加させる。遊技機10は、入賞に伴って遊技者が保有する遊技媒体の数(遊技機管理遊技媒体数)を増加させることが可能に構成される。また、CPU41aは、入力した獲得数コマンドに基づいて、RWM41cに記憶された遊技機性能情報における遊技媒体の総獲得数を更新する。なお、詳しくは後述するが、遊技機10は、遊技機管理遊技媒体数が遊技上限数(一例として16369)以上である場合、遊技を行うことができない遊技不能状態となる。よって、遊技機管理遊技媒体数が遊技上限数以上である場合には、メイン制御基板40から獲得数コマンドが出力されることもない。遊技機10では、1回の入賞に伴って獲得可能な遊技媒体の最大数が15となっている。よって、遊技機管理遊技媒体数は、最大で「遊技上限数-1+15(一例として16383)」となる。
【0144】
再遊技役の入賞が発生した場合、CPU40aは、再遊技を作動させる。つまり、CPU40aは、再遊技役の入賞が発生した変動ゲームと同じ掛け数を設定する。CPU40aは、再遊技が作動したことを特定可能な制御情報(以下、再遊技コマンドと示す)を出力バッファに格納する。
【0145】
ボーナス役の入賞が発生した場合、CPU40aは、ボーナス遊技を生起させる。CPU40aは、ボーナス遊技が生起したことを特定可能な制御情報(以下、ボーナス生起コマンドと示す)を出力バッファに格納する。なお、遊技機10では、当選フラグが当選番号11(ボーナス役)であり、且つボーナス役の入賞が発生しなかった場合、次の変動ゲーム以降も、ボーナス役の入賞が発生するまでボーナス役が入賞可能な状態(所謂、ボーナス内部中)となる。その後、CPU40aは、入賞判定処理を終了する。
【0146】
入賞判定処理を終了すると、CPU40aは、情報算出処理(ステップS116)を実行する。
情報算出処理は、遊技の結果に関連する情報を算出(生成)する処理である。情報算出処理において、CPU40aは、有利区間上限処理を実行する。有利区間上限処理において、CPU40aは、有利区間に制御されているか否かを判定する。つまり、CPU40aは、第2通常状態、AT状態、及びボーナス状態の何れかに制御されているか否かを判定する。有利区間に制御されていない場合、CPU40aは、有利区間上限処理を終了する。有利区間に制御されている場合、CPU40aは、RWM40cに記憶されている非有利区間から有利区間へ移行してからの変動ゲームの実行回数を特定可能な情報(以下、有利ゲーム数と示す)を1減算する。なお、後述する遊技状態更新処理(ステップS117)では、非有利区間から有利区間に移行したときに、ゲーム上限数(一例として4000)が有利ゲーム数の初期値としてRWM40cに記憶される。CPU40aは、有利区間から有利区間へ移行してからの変動ゲームの実行回数を特定可能な制御情報(以下、有利区間ゲーム数コマンドと示す)を出力バッファに格納する。
【0147】
有利区間に制御されている場合、CPU40aは、RWM40cに記憶されている非有利区間から有利区間へ移行してからの遊技媒体の差数を特定可能な情報(以下、有利差数と示す)を更新する。具体的に、CPU40aは、今回の変動ゲームにおける掛け数(ベット数)を有利差数から減算する。なお、再遊技が作動して実行された変動ゲームの場合、CPU40aは、有利差数を減算しない。CPU40aは、RWM40cに記憶されている獲得数情報によって特定可能な遊技媒体の数を有利差数に加算する。なお、再遊技役の入賞が発生した場合、CPU40aは、有利差数に加算しない。一例として、3ベット
で実行された変動ゲームにおいて払出役の入賞が発生しなかった場合、CPU40aは、有利差数を3減算する。一例として、3ベットで実行された変動ゲームにおいてベル役の入賞が発生した場合、CPU40aは、有利差数を3減算するとともに、10加算する。つまり、CPU40aは、有利差数に7加算する。有利差数は、減算された結果として負数にもなり得る。CPU40aは、非有利区間から有利区間へ移行してからの遊技媒体の差数を特定可能な制御情報(以下、有利差数コマンドと示す)を出力バッファに格納する。なお、後述する遊技状態更新処理(ステップS117)では、非有利区間から有利区間に移行したときに、有利差数の初期値として0がRWM40cに記憶される。
【0148】
CPU40aは、有利区間の終了条件が成立するか否かを判定する。具体的に、CPU40aは、有利ゲーム数が0となったか否かを判定する。有利ゲーム数が0となったか否かを判定するとは、有利ゲーム数が1減算された結果として減算後の値が0であるか否かを判定することに相当する。有利ゲーム数が0とならなかった場合、CPU40aは、有利差数が差数上限数(一例として2400)以上となったか否かを判定する。有利差数が差数上限数以上とならなかった場合、CPU40aは、有利区間の終了条件が成立しなかったと判定して、有利区間上限処理を終了する。有利ゲーム数が0となった場合、又は、有利差数が差数上限数以上となった場合、CPU40aは、有利区間の終了条件が成立したと判定する。このように、有利区間の終了条件は、有利区間が開始した後、当該有利区間に制御されているときにおける変動ゲームの結果に基づいて成立する。
【0149】
有利区間の終了条件が成立したと判定した場合、CPU40aは、有利区間の終了条件が成立したことを特定可能な情報(以下、有利終了情報と示す)をRWM40cに記憶させる。これにより、CPU40aは、有利区間の終了条件が成立したことを特定可能である。また、CPU40aは、有利区間の終了条件が成立したことを特定可能な制御情報(以下、有利終了条件コマンドと示す)を出力バッファに格納する。その後、CPU40aは、有利区間上限処理を終了する。なお、CPU40aは、後述する遊技状態更新処理(ステップS117)において、有利区間から非有利区間へ移行させるとともに、第2通常状態、及びAT状態の何れかから第1通常状態へ移行させる。
【0150】
このように、有利区間の終了条件は、有利区間において実行された変動ゲームの回数がゲーム上限数に達すること、又は、有利区間における差数が差数上限数に達するときに成立する。有利区間の終了条件は、有利区間において実行された変動ゲームの回数がゲーム上限数に達していないとき、及び、有利区間における差数が差数上限数に達していないときに成立しない。
【0151】
有利区間上限処理を終了すると、CPU40aは、最大上限差数処理を実行する。最大上限差数処理において、CPU40aは、電源投入されてからの最大の差数を特定可能な情報(以下、最大差数と示す)を更新する。最大差数は、RWM40cに記憶される。なお、最大差数は、電源投入されたときに初期化されて0となる。CPU40aは、今回の変動ゲームにおける掛け数(ベット数)を最大差数から減算する。なお、再遊技が作動して実行された変動ゲームの場合、CPU40aは、最大差数を減算しない。CPU40aは、RWM40cに記憶されている獲得数情報によって特定可能な遊技媒体の数を最大差数に加算する。なお、再遊技役の入賞が発生した場合、CPU40aは、最大差数に加算しない。一例として、3ベットで実行された変動ゲームにおいて払出役の入賞が発生しなかった場合、CPU40aは、最大差数を3減算する。一例として、3ベットで実行された変動ゲームにおいてベル役の入賞が発生した場合、CPU40aは、最大差数を3減算するとともに、10加算する。つまり、CPU40aは、最大差数に7加算する。CPU40aは、最大差数を更新した場合、更新した後の最大差数を特定可能な制御情報(以下、最大差数コマンドと示す)を出力バッファに格納する。
【0152】
ここで、CPU40aは、減算された結果として最大差数が負数となる場合、最大差数を0にする。例えば、最大差数が1であり、且つ3ベットで実行された変動ゲームにおいて払出役の入賞が発生しなかった場合、CPU40aは、最大差数を0にする。このように、最大差数は、電源投入されてからの総ベット数と、電源投入されてからの遊技媒体の総獲得数と、に基づいて算出される。そして、最大差数は、遊技媒体の総獲得数から総ベット数を減算した結果が、最も小さい数(値)となったときを基準として、その基準から増加した遊技媒体の数を特定可能な情報といえる。
【0153】
CPU40aは、最大差数エラーの発生条件が成立するか否かを判定する。具体的に、CPU40aは、最大差数が最大上限差数(一例として19000)以上となったか否かを判定する。最大差数が最大上限差数以上とならなかった場合、CPU40aは、最大差数エラーの発生条件が成立しなかったと判定して、最大上限差数処理を終了する。そして、CPU40aは、情報算出処理を終了する。最大差数が最大上限差数以上となった場合、CPU40aは、最大差数エラーの発生条件が成立したと判定する。
【0154】
最大差数エラーの発生条件が成立したと判定した場合、CPU40aは、最大差数フラグをRWM40cに記憶させる。以下の説明では、最大差数フラグがRWM40cに記憶されることを、最大差数フラグがオンになると示す。これにより、CPU40aは、最大差数エラーの発生条件が成立したことを特定可能である。また、CPU40aは、最大差数エラーの発生条件が成立したことを特定可能な制御情報(以下、最大差数条件コマンドと示す)を出力バッファに格納する。その後、最大上限差数処理を終了する。そして、CPU40aは、情報算出処理を終了する。後述するが、CPU40aは、ステップS102のエラー処理において、最大差数エラーを発生させることが可能である。
【0155】
情報算出処理を終了すると、CPU40aは、遊技状態更新処理を実行する(ステップS117)。
遊技状態更新処理において、CPU40aは、有利区間移行処理を実行する。有利区間移行処理において、CPU40aは、非有利区間から有利区間へ移行させる有利移行処理、及び有利区間から非有利区間へ移行させる非有利移行処理の何れかを実行する場合がある。有利区間移行処理において、CPU40aは、有利区間への移行条件が成立したか否かを判定する。有利区間への移行条件が成立していた場合、CPU40aは、有利移行処理を行う。つまり、有利区間への移行条件が成立していた場合、CPU40aは、非有利区間から有利区間へ移行させるとともに、第1通常状態から第2通常状態へ移行させる。
【0156】
具体的に、有利移行処理において、CPU40aは、有利区間に制御されていることを特定可能な情報(以下、有利区間情報と示す)をRWM40cに記憶させる。これにより、遊技機10では、有利区間に制御される。そして、CPU40aは、有利区間表示部33が点灯するように制御する。なお、CPU40aは、有利区間から非有利区間へ移行させるときまで有利区間表示部33が点灯するように制御する。CPU40aは、有利区間に制御されていることを特定可能な制御情報(以下、有利区間コマンドと示す)を出力バッファに格納する。また、CPU40aは、有利ゲーム数の初期値(一例として4000)を有利ゲーム数としてRWM40cに記憶させる。CPU40aは、有利差数の初期値(一例として0)を有利差数としてRWM40cに記憶させる。
【0157】
さらに、CPU40aは、第2通常状態に制御されていることを特定可能な情報(以下、第2状態情報と示す)をRWM40cに記憶させる。これにより、遊技機10では、第2通常状態に制御される。CPU40aは、第2通常状態に制御されていることを特定可能な制御情報(以下、第2状態コマンドと示す)を出力バッファに格納する。その後、CPU40aは、有利区間移行処理を終了する。
【0158】
有利区間への移行条件が成立していなかった場合、CPU40aは、有利区間の終了条件が成立したか否かを判定する。有利区間の終了条件が成立していた場合、CPU40aは、非有利移行処理を行う。つまり、有利区間の終了条件が成立していた場合、CPU40aは、有利区間から非有利区間へ移行させるとともに、第2通常状態及びAT状態の何れかから第1通常状態へ移行させる。有利区間の終了条件が成立していなかった場合、CPU40aは、有利区間移行処理を終了する。
【0159】
非有利移行処理において、CPU40aは、非有利区間に制御されていることを特定可能な情報(以下、非有利区間情報と示す)をRWM40cに記憶させる。これにより、遊技機10では、非有利区間に制御される。そして、CPU40aは、有利区間表示部33が消灯するように制御する。なお、CPU40aは、非有利区間から有利区間へ移行させるときまで有利区間表示部33が消灯するように制御する。CPU40aは、非有利区間に制御されていることを特定可能な制御情報(以下、非有利区間コマンドと示す)を出力バッファに格納する。
【0160】
さらに、CPU40aは、第1通常状態に制御されていることを特定可能な情報(以下、第1状態情報と示す)をRWM40cに記憶させる。これにより、遊技機10では、第1通常状態に制御される。CPU40aは、第1通常状態に制御されていることを特定可能な制御情報(以下、第1状態コマンドと示す)を出力バッファに格納する。その後、CPU40aは、有利区間移行処理を終了する。
【0161】
有利区間移行処理を終了すると、CPU40aは、AT移行処理を実行する。
AT移行処理において、CPU40aは、AT開始条件が成立したか否かを判定する。AT開始条件が成立した場合、CPU40aは、AT状態に制御されていることを特定可能な情報(以下、AT状態情報と示す)をRWM40cに記憶させる。これにより、遊技機10では、AT状態に制御される。CPU40aは、AT状態に制御されていることを特定可能な制御情報(以下、AT状態コマンドと示す)を出力バッファに格納する。その後、CPU40aは、AT移行処理を終了する。
【0162】
AT開始条件が成立していない場合、CPU40aは、AT状態であるか否かを判定する。AT状態ではない場合、CPU40aは、AT移行処理を終了する。AT状態である場合、CPU40aは、AT終了条件が成立したか否かを判定する。AT終了条件は、AT状態に制御されてからの遊技媒体の獲得数(以下、AT中獲得数と示す)がAT獲得上限数(一例として300)に達すると成立する。CPU40aは、AT状態に制御されてからの遊技媒体の獲得数を特定可能な制御情報(以下、AT中獲得数コマンドと示す)を出力バッファに格納する。これに限らず、AT終了条件は、AT状態に制御されてからの変動ゲームの実行回数がATゲーム上限数(一例として50回)に達すると成立するようにしてもよく、AT状態に制御されてからの操作情報の表示回数がAT表示上限回数(一例として30回)に達すると成立するようにしてもよい。
【0163】
AT終了条件が成立しなかった場合、CPU40aは、AT移行処理を終了する。AT終了条件が成立した場合、CPU40aは、第2状態情報をRWM40cに記憶させる。これにより、遊技機10では、第2通常状態に制御される。CPU40aは、第2状態コマンドを出力バッファに格納する。その後、CPU40aは、AT移行処理を終了する。
【0164】
AT移行処理を終了すると、CPU40aは、ボーナス移行処理を実行する。ボーナス移行処理において、CPU40aは、ボーナス役が入賞してボーナス遊技を生起させた場合、ボーナス状態に制御されていることを特定可能な情報(以下、ボーナス状態情報と示す)をRWM40cに記憶させる。これにより、遊技機10では、ボーナス状態に制御される。CPU40aは、ボーナス状態に制御されていることを特定可能な制御情報(以下
、ボーナス状態コマンドと示す)を出力バッファに格納する。その後、CPU40aは、ボーナス移行処理を終了して、遊技状態更新処理を終了する。
【0165】
ボーナス役が入賞しなかった場合、CPU40aは、ボーナス状態であるか否かを判定する。ボーナス状態ではない場合、CPU40aは、ボーナス移行処理を終了して、遊技状態更新処理を終了する。ボーナス状態である場合、CPU40aは、ボーナス遊技が開始してからの遊技媒体の獲得数(以下、ボーナス中獲得数と示す)を更新してRWM40cに記憶させる。具体的に、CPU40aは、RWM40cに記憶されている獲得数情報によって特定可能な遊技媒体の数をボーナス中獲得数に加算する。一例として、ボーナス状態に制御されているときの変動ゲームにおいてベル役の入賞が発生した場合、CPU40aは、ボーナス中獲得数に10加算する。CPU40aは、ボーナス遊技が開始してからの遊技媒体の獲得数を特定可能な制御情報(以下、ボーナス中獲得数コマンドと示す)を出力バッファに格納する。
【0166】
CPU40aは、更新後のボーナス中獲得数が規定数(一例として200)を超えたか否かを判定する。ボーナス中獲得数が規定数を超えなかった場合、CPU40aは、ボーナス移行処理を終了して、遊技状態更新処理を終了する。ボーナス中獲得数が規定数を超えた場合、CPU40aは、ボーナス遊技を終了させる。CPU40aは、ボーナス遊技が終了したことを特定可能な制御情報(以下、ボーナス終了コマンドと示す)を出力バッファに格納する。CPU40aは、ボーナス状態から第1通常状態、第2通常状態、及びAT状態の何れかに制御する。この場合、CPU40aは、ボーナス遊技が生起されたときに制御されていた遊技状態に制御する。一例として、第2通常状態においてボーナス遊技が生起された場合、CPU40aは、ボーナス遊技が終了すると、第2通常状態に制御する。なお、第2通常状態及びAT状態の何れかにおいてボーナス遊技が生起された場合であっても、ボーナス遊技中に有利区間の終了条件が成立した場合、CPU40aは、ボーナス遊技が終了すると、第1通常状態に制御する。
【0167】
ここで、遊技進行メイン処理のエラー処理(ステップS102)について説明する。
エラー処理において、CPU40aは、最大差数エラーを発生させるか否かを判定する。CPU40aは、最大差数フラグがRWM40cに記憶されているか否かに基づいて、最大差数エラーを発生させるか否かを判定する。
【0168】
最大差数フラグがオンではない場合(最大差数フラグがオフである場合)、CPU40aは、最大差数エラーを発生させない。この場合、CPU40aは、遊技不能状態に制御せずに、遊技を行うことができる遊技可能状態に制御する。遊技機10では、遊技不能状態に制御されると、遊技進行メイン処理のうちステップS102のエラー処理とは異なる処理が実行されない。このため、遊技機10では、遊技不能状態に制御されると、変動ゲームが実行されることがなく、賞が付与されることもない。一方、遊技機10では、遊技可能状態に制御されると、遊技進行メイン処理のうちステップS102のエラー処理とは異なる処理も実行され得る。このため、遊技機10では、遊技可能状態に制御されると、変動ゲームが実行される場合があり、賞が付与される場合もある。
【0169】
最大差数フラグがオンである場合、CPU40aは、ボーナス状態であるか否かを判定する。ボーナス状態である場合、CPU40aは、最大差数エラーを発生させない。この場合、CPU40aは、遊技不能状態に制御せずに、遊技可能状態に制御する。ボーナス状態ではない場合、CPU40aは、最大差数エラーを発生させる。この場合、CPU40aは、遊技不能状態に制御する。CPU40aは、遊技不能状態に制御した場合、最大差数が最大上限差数以上となったことにより遊技不能状態に制御されたことを特定可能な制御情報(以下、第1不能状態コマンドと示す)を出力バッファに格納する。その後、CPU40aは、電源断されるまで待機する。CPU40aは、設定値変更処理が終了する
ときに最大差数エラーを解除する。つまり、最大差数フラグは、設定値変更処理が終了するときに初期化されてオフになる。そして、CPU40aは、遊技不能状態から遊技可能状態に制御する。このとき、CPU40aは、遊技不能状態から遊技可能状態に制御したことを特定可能な制御情報(以下、可能状態コマンドと示す)を出力バッファに格納する。最大差数フラグは、設定値変更処理が終了するときまでオンを維持する。これに限らず、最大差数フラグは、設定値変更処理が開始するときまでオンを維持して、開始したときに初期化されてもよい。このように、遊技機10は、最大差数フラグがオンである場合、少なくとも電源断されるまで遊技不能状態に制御する。
【0170】
CPU40aは、最大差数エラーを発生させなかった場合、オーバーフローエラーを発生させるか否かを判定する。CPU40aは、遊技媒体数制御基板41(CPU41a)から入力する管理遊技媒体数コマンドに基づいて、オーバーフローエラーを発生させるか否かを判定する。
【0171】
遊技機管理遊技媒体数が遊技上限数(一例として16369)未満である場合、CPU40aは、オーバーフローエラーを発生させない。この場合、CPU40aは、遊技不能状態に制御せずに、遊技可能状態に制御する。その後、CPU40aは、エラー処理を終了する。
【0172】
遊技機管理遊技媒体数が遊技上限数以上である場合、CPU40aは、オーバーフローエラーを発生させる。この場合、CPU40aは、遊技不能状態に制御する。CPU40aは、遊技不能状態に制御した場合、遊技機管理遊技媒体数が遊技上限数以上となったことにより遊技不能状態に制御されたことを特定可能な制御情報(以下、第2不能状態コマンドと示す)を出力バッファに格納する。その後、CPU40aは、遊技機管理遊技媒体数が遊技上限数未満となるまで待機する。
【0173】
CPU40aは、遊技機管理遊技媒体数が遊技上限数未満であることを特定可能な管理遊技媒体数コマンドを入力すると、オーバーフローエラーを解除する。そして、CPU40aは、遊技不能状態から遊技可能状態に制御する。このとき、CPU40aは、可能状態コマンドを出力バッファに格納する。その後、CPU40aは、エラー処理を終了する。
【0174】
遊技進行メイン処理において、CPU40aは、さらに以下の制御を行うように構成される。CPU40aは、その時々における遊技機10の状態に関する報知が行われるように、情報表示部30(再遊技表示部31、ウエイト表示部32、及び払出表示部35)を制御する。例えば、CPU40aは、遊技機10においてエラーが発生した場合、発生したエラーを特定可能なエラー情報を表示するように払出表示部35を制御する。一例として、最大差数エラーを発生させた場合、CPU40aは、払出表示部35に「E1」と表示されるように制御する。一例として、オーバーフローエラーを発生させた場合、CPU40aは、払出表示部35に「E2」と表示されるように制御する。
【0175】
CPU41aが実行する媒体制御側通常処理のうち遊技情報記憶処理について説明する。
遊技情報記憶処理は、メイン制御基板40から入力する制御情報をRWM41cに記憶する処理である。CPU41aは、メイン制御基板40から入力する制御情報により、遊技機性能情報、遊技機設置情報、及び外部管理機器用情報を更新してRWM41cに記憶させる。CPU41aは、後述する外部機器通信処理において、RWM41cに記憶されている遊技機性能情報、遊技機設置情報、及び外部管理機器用情報をCU制御基板110へ出力する。
【0176】
CPU41aが実行する媒体制御側通常処理のうち管理媒体数情報生成処理について説明する。
管理媒体数情報生成処理は、遊技機管理遊技媒体数を生成(管理)するための処理である。CPU41aは、CU制御基板110から貸出情報を入力すると、当該貸出情報から特定可能な遊技媒体の貸出数を遊技機管理遊技媒体数に加算する。このように、CPU41aは、貸出情報に応じて遊技機管理遊技媒体数を増加させる。なお、貸出情報は、一定の周期(一例として300ms)毎に出力される情報であり、遊技媒体の貸出数として0を特定可能な貸出情報が出力される場合もある。この場合、遊技機管理遊技媒体数は、増加しない。遊技機10は、遊技媒体の貸出に伴って遊技者が保有する遊技媒体の数(遊技機管理遊技媒体数)を増加させることが可能に構成される。
【0177】
ここで、CPU41aは、遊技機管理遊技媒体数が貸出上限数(一例として15000)以上である場合、CPU41aは、CU制御基板110から貸出情報を入力したとしても、当該貸出情報から特定可能な遊技媒体の貸出数を遊技機管理遊技媒体数に加算せず、遊技機管理遊技媒体数を更新しない。つまり、遊技機管理遊技媒体数が貸出上限数以上であるときには、管理ユニット100の貸出操作部103又は払出操作部104が操作されても、遊技機管理遊技媒体数が増加しない。以上のように、CU制御基板110から貸出情報を入力したときには、遊技者が保有する遊技媒体の数(遊技機管理遊技媒体数)が増加する場合がある。
【0178】
CPU41aは、計数ボタン23が操作されたときに出力する計数信号を入力すると、計数遊技媒体数をRWM41cに記憶されている計数情報に加算する。一例として、CPU41aは、計数ボタン23から「短押し操作」を特定可能な計数信号を入力した場合、第1計数遊技媒体数(一例として1)を計数情報に加算してRWM41cに記憶させる。CPU41aは、遊技機管理遊技媒体数が50以上であり、且つ計数ボタン23から「長押し操作」を特定可能な計数信号を入力した場合、第2計数遊技媒体数(一例として50)を計数情報に加算してRWM41cに記憶させる。CPU41aは、遊技機管理遊技媒体数が50未満であり、且つ計数ボタン23から「長押し操作」を特定可能な計数信号を入力した場合、遊技機管理遊技媒体数の数だけ計数情報に加算してRWM41cに記憶させる。なお、CPU41aは、遊技機管理遊技媒体数が0である場合、計数信号を入力したとしても、計数情報に加算しない。
【0179】
CPU41aは、計数情報に加算した数だけ第2計数遊技媒体数から減算する。CPU41aは、第2計数遊技媒体数を減算してから計数情報を加算してもよく、計数情報を加算してから第2計数遊技媒体数を減算してもよい。このように、CPU41aは、計数ボタン23の操作に応じて遊技機管理遊技媒体数を減少させる。そして、CPU41aは、「短押し操作」と、「長押し操作」と、で減少させる第2計数遊技媒体数を異ならせる。遊技機10は、計数ボタン23の操作に伴って遊技者が保有する遊技媒体の数(遊技機管理遊技媒体数)を減少させることが可能に構成される。
【0180】
その他、上述したように、CPU41aは、獲得数コマンド、又は精算コマンドを入力したことに基づいて遊技機管理遊技媒体数を加算する。また、CPU41aは、掛け数コマンドを入力したことに基づいて遊技機管理遊技媒体数を減算する。
【0181】
CPU41aは、加算又は減算した更新後の遊技機管理遊技媒体数を特定可能な情報を表示するように、遊技機管理遊技媒体数表示部22を制御する。遊技機管理遊技媒体数表示部22は、遊技者が保有する遊技媒体の数(遊技機管理遊技媒体数)を表示可能な表示手段の一例である。遊技者が保有する遊技媒体の管理は、後述する外部機器通信処理において計数情報をCU制御基板110へ出力することにより、遊技機10から管理ユニット100へ移管される。CPU41aは、加算又は減算した更新後の遊技機管理遊技媒体数
を特定可能な管理遊技媒体数コマンドをメイン制御基板40へ出力する。なお、メイン制御基板40(CPU40a)は、管理遊技媒体数コマンドをサブ制御基板42(CPU42a)へ出力する。
【0182】
CPU41aが実行する媒体制御側通常処理のうち外部機器通信処理について説明する。
外部機器通信処理において、CPU41aは、一定の周期(一例として300ms)毎に、RWM41cに記憶された外部管理機器用情報をCU制御基板110に出力する。CPU41aは、外部管理機器用情報を出力した後に所定の時間(一例として100ms)が経過すると、RWM41cに記憶された計数情報をCU制御基板110に出力する。CPU41aは、CU制御基板110に計数情報を出力すると、計数情報を初期化する。なお、計数情報は、外部管理機器用情報と同じく一定の周期毎に出力されるものであり、計数ボタン23が操作されていなければ0となる。
【0183】
CPU41aは、CU制御基板110に計数情報を出力して遊技機管理遊技媒体数を減少させた場合、1以上の遊技媒体を管理ユニット100へ移管したことを特定可能な制御情報(以下、計数完了コマンドと示す)をメイン制御基板40へ出力する。計数完了コマンドは、計数情報を出力したことを特定可能な制御情報ともいえる。なお、メイン制御基板40(CPU40a)は、計数完了コマンドをサブ制御基板42(CPU42a)へ出力する。計数完了コマンドは、管理ユニット100へ移管する遊技媒体の数を特定可能な情報が含まれていてもよい。
【0184】
CU制御基板110(CPU110a)は、計数情報を入力した後、所定の時間(一例として170ms)以内に、貸出情報を出力する。つまり、CPU41aは、計数情報を出力した後、所定の時間(一例として170ms)以内に、CU制御基板110から貸出情報を入力可能である。CPU41aは、貸出情報を入力すると、入力した貸出情報に対する応答情報を、応答時間(一例として10ms)以内にCU制御基板110に出力する。CPU41aは、入力した貸出情報に基づいて遊技機管理遊技媒体数を更新させる処理を行った場合、正常応答情報をCU制御基板110に出力する。一方、CPU41aは、入力した貸出情報に基づいて遊技機管理遊技媒体数を更新させる処理を行わなかった場合、異常応答情報をCU制御基板110に出力する。一例として、CPU41aは、遊技機管理遊技媒体数が貸出上限数以上である場合、貸出情報を入力したとしても、当該貸出情報に基づいて遊技機管理遊技媒体数を更新させる処理を行わず、異常応答情報をCU制御基板110に出力する。
【0185】
CPU41aは、応答情報を出力した後、所定の時間(一例として20ms)以上が経過したときに、再び、外部管理機器用情報をCU制御基板110に出力する。このように、CPU41aは、1回の通信周期の期間内(一例として300ms)において、外部管理機器用情報、計数情報、及び応答情報をCU制御基板110に出力するとともに、貸出情報をCU制御基板110から入力する。これに加え、CPU41aは、一定の周期(一例として60s)毎に、RWM41cに記憶された遊技機設置情報をCU制御基板110に出力する。また、CPU41aは、一定の周期(一例として180s)毎に、RWM41cに記憶された遊技機性能情報をCU制御基板110に出力する。
【0186】
次に、CPU42aが実行する処理について説明する。
CPU42aは、遊技の進行に伴って入力する各種の制御情報に基づいて演出装置群を制御し、各種の遊技演出を実行させる。ここで、本実施形態における「遊技演出」は、変動ゲームの進行状況や遊技状態の遷移などに応じて、1の演出装置による演出を単独で、又は、2以上の演出装置による各演出を組み合わせて実行することにより、遊技者の興趣を向上させることを主な目的として実行される演出である。CPU42aは、メイン制御
基板40(CPU40a)から出力される制御情報を入力することによって、変動ゲームの進行状況や遊技状態の遷移などを特定することができる。一例として、CPU42aは、第1状態コマンド、第2状態コマンド、AT状態コマンド、及びボーナス状態コマンドを入力することによって、現在の遊技状態を特定する。
【0187】
以下、演出装置群にて実行される遊技演出の一例を説明する。
CPU42aは、遊技状態に応じた背景画像を表示するように、演出表示部15を制御する。ここで、背景画像とは、キャラクタや文字といった各種の画像を演出表示部15に表示させるときに、最も優先度が低いレイヤーに配置される画像である。一例として、CPU42aは、第1通常状態、第2通常状態、AT状態、及びボーナス状態でそれぞれ異なる背景画像を表示するように、演出表示部15を制御する。また、CPU42aは、遊技状態に応じた背景音楽(所謂、BGM)を出力するように、スピーカ14を制御する。一例として、CPU42aは、第1通常状態、第2通常状態、AT状態、及びボーナス状態でそれぞれ異なる背景音楽を出力するように、スピーカ14を制御する。
【0188】
CPU42aは、指示情報コマンドを入力すると、当該指示情報コマンドから特定可能なストップボタン21a~21cの操作態様を示唆又は報知する演出(以下、ナビ演出と示す)を実行するように演出装置群を制御する。一例として、ナビ演出には、ストップボタン21a~21cの操作態様を特定可能な画像を表示するナビ表示演出と、ストップボタン21a~21cの操作態様を特定可能な音声を出力するナビ音声演出と、がある。CPU42aは、指示情報コマンドを入力すると、ナビ表示演出を実行するように、演出表示部15を制御する。CPU42aは、指示情報コマンドを入力すると、ナビ音声演出を実行するように、スピーカ14を制御する。ナビ表示演出による画像は、背景画像よりも優先度が高いレイヤーに配置して表示される。ナビ音声演出による音声は、背景音楽よりも音量が大きい。
【0189】
CPU42aは、当選コマンドを入力した後に開始コマンドを入力すると、当選コマンドから特定可能な当選役を示唆又は報知する演出(以下、役示唆演出と示す)を実行するように演出装置群を制御する。一例として、役示唆演出には、当選役を示唆又は報知する画像を表示する役示唆表示演出と、当選役を示唆又は報知する音声を出力する役示唆音声演出と、がある。役示唆演出を実行させる場合、CPU42aは、役示唆表示演出を実行するように、演出表示部15を制御する。役示唆演出を実行させる場合、CPU42aは、役示唆音声演出を実行するように、スピーカ14を制御する。役示唆表示演出による画像は、背景画像よりも優先度が高いレイヤーに配置して表示される。役示唆音声演出による音声は、背景音楽よりも音量が大きい。
【0190】
役示唆演出には、ボーナス役に当選したか否かを示唆又は報知するボーナス役示唆演出が含まれる。一例として、ボーナス役示唆演出には、演出操作部24の操作を促す画像を表示するとともに、演出操作部24の操作を契機としてボーナス役に当選したか否かを示唆又は報知する画像を表示するボーナス役示唆表示演出がある。ボーナス役示唆演出を実行させる場合、CPU42aは、ボーナス役示唆表示演出を実行するように、演出表示部15を制御する。一例として、ボーナス役示唆演出には、演出操作部24の操作を促す音声を出力するとともに、演出操作部24の操作を契機としてボーナス役に当選したか否かを示唆又は報知する音声を出力するボーナス役示唆音声演出がある。ボーナス役示唆演出を実行させる場合、CPU42aは、ボーナス役示唆音声演出を実行するように、スピーカ14を制御する。一例として、ボーナス役示唆演出には、演出操作部24の操作を促すための演出として、演出操作部24が振動する振動演出(以下、操作振動演出と示す)がある。演出操作部24は、所定の振幅、即ち、所定の振動の強度にて操作振動演出を実行する。ボーナス役示唆演出を実行させる場合、CPU42aは、操作振動演出を実行するように、振動装置24aを制御する。演出操作部24の操作を促すための演出として実行
される操作振動演出は、特殊演出の一例である。
【0191】
CPU42aは、ボーナス役示唆演出において、演出操作部24の操作を契機として操作振動演出が実行されるように振動装置24aを制御してもよい。CPU42aは、ボーナス役示唆演出においてボーナス役に当選したことを示唆又は報知する場合、演出操作部24の操作を契機として操作振動演出が実行されるように振動装置24aを制御してもよい。一方、CPU42aは、ボーナス役示唆演出においてボーナス役に当選していないことを示唆又は報知する場合、演出操作部24の操作を契機として操作振動演出が実行されないように振動装置24aを制御してもよい。演出操作部24は、所定の振幅、即ち、所定の振動の強度にて操作振動演出を実行する。演出操作部24の操作を契機として実行される操作振動演出は、特殊演出の一例である。
【0192】
CPU42aは、AT当選コマンドを入力すると、AT抽選に当選したことを示唆又は報知する演出(以下、AT当選演出と示す)を実行するように演出装置群を制御する。一例として、AT当選演出には、AT抽選に当選したことを示唆又は報知する画像を表示するAT当選表示演出と、AT抽選に当選したことを示唆又は報知する音声を出力するAT当選音声演出と、がある。AT当選演出を実行させる場合、CPU42aは、AT当選表示演出を実行するように、演出表示部15を制御する。AT当選演出を実行させる場合、CPU42aは、AT当選音声演出を実行するように、スピーカ14を制御する。AT当選表示演出による画像は、背景画像よりも優先度が高いレイヤーに配置して表示される。AT当選音声演出による音声は、背景音楽よりも音量が大きい。一例として、AT当選演出には、AT抽選に当選したことを示唆又は報知するための演出として操作振動演出がある。演出操作部24は、所定の振幅、即ち、所定の振動の強度にて操作振動演出を実行する。AT当選演出を実行させる場合、CPU42aは、操作振動演出を実行するように、振動装置24aを制御する。AT抽選に当選したことを示唆又は報知するための演出として実行される操作振動演出は、特殊演出の一例である。以上のように、特殊演出は、振動の発生を伴う演出である。
【0193】
CPU42aは、ボーナス生起コマンドを入力すると、ボーナス役が入賞したことを示唆又は報知する演出(以下、ボーナス入賞演出と示す)を実行するように演出装置群を制御する。ボーナス入賞演出は、ボーナス遊技が開始することを示唆又は報知する演出ともいえる。一例として、ボーナス入賞演出には、ボーナス役が入賞したことを示唆又は報知する画像を表示するボーナス入賞表示演出と、ボーナス役が入賞したことを示唆又は報知する音声を出力するボーナス入賞音声演出と、がある。ボーナス入賞演出を実行させる場合、CPU42aは、ボーナス入賞表示演出を実行するように、演出表示部15を制御する。ボーナス入賞演出を実行させる場合、CPU42aは、ボーナス入賞音声演出を実行するように、スピーカ14を制御する。図5に示すように、CPU42aは、ボーナス入賞音声演出を実行させるとき、効果音B1が出力されるように、スピーカ14を制御する。効果音B1は、ボーナス役が入賞したときにのみ出力される専用の音声である。ボーナス入賞表示演出による画像は、背景画像よりも優先度が高いレイヤーに配置して表示される。ボーナス入賞音声演出による音声は、背景音楽よりも音量が大きい。
【0194】
CPU42aは、ボーナス中獲得数コマンドを入力すると、ボーナス遊技が開始してからの遊技媒体の獲得数を示唆又は報知する演出(以下、ボーナス中獲得数演出と示す)を実行するように演出装置群を制御する。一例として、ボーナス中獲得数演出には、ボーナス遊技が開始してからの遊技媒体の獲得数を示唆又は報知する画像を表示するボーナス中獲得数表示演出と、ボーナス遊技が開始してからの遊技媒体の獲得数を示唆又は報知する音声を出力するボーナス中獲得数音声演出と、がある。ボーナス中獲得数演出を実行させる場合、CPU42aは、ボーナス中獲得数表示演出を実行するように、演出表示部15を制御する。ボーナス中獲得数演出を実行させる場合、CPU42aは、ボーナス中獲得
数音声演出を実行するように、スピーカ14を制御する。ボーナス中獲得数表示演出による画像は、背景画像よりも優先度が高いレイヤーに配置して表示される。ボーナス中獲得数音声演出による音声は、背景音楽よりも音量が大きい。
【0195】
CPU42aは、ボーナス終了コマンドを入力すると、ボーナス遊技が終了したことを示唆又は報知する演出(以下、ボーナス終了演出と示す)を実行するように演出装置群を制御する。一例として、ボーナス終了演出には、ボーナス遊技が終了したことを示唆又は報知する画像を表示するボーナス終了表示演出と、ボーナス遊技が終了したことを示唆又は報知する音声を出力するボーナス終了音声演出と、がある。ボーナス終了演出を実行させる場合、CPU42aは、ボーナス終了表示演出を実行するように、演出表示部15を制御する。ボーナス終了演出を実行させる場合、CPU42aは、ボーナス終了音声演出を実行するように、スピーカ14を制御する。ボーナス終了表示演出による画像は、背景画像よりも優先度が高いレイヤーに配置して表示される。ボーナス終了音声演出による音声は、背景音楽よりも音量が大きい。
【0196】
CPU42aは、AT状態において、AT中獲得数コマンドを入力すると、AT状態に制御されてからの遊技媒体の獲得数を示唆又は報知する演出(以下、AT中獲得数演出と示す)を実行するように演出装置群を制御する。一例として、AT中獲得数演出には、AT状態に制御されてからの遊技媒体の獲得数を示唆又は報知する画像を表示するAT中獲得数表示演出と、AT状態に制御されてからの遊技媒体の獲得数を示唆又は報知する音声を出力するAT中獲得数音声演出と、がある。AT中獲得数演出を実行させる場合、CPU42aは、AT中獲得数表示演出を実行するように、演出表示部15を制御する。AT中獲得数演出を実行させる場合、CPU42aは、AT中獲得数音声演出を実行するように、スピーカ14を制御する。AT中獲得数表示演出による画像は、背景画像よりも優先度が高いレイヤーに配置して表示される。AT中獲得数音声演出による音声は、背景音楽よりも音量が大きい。
【0197】
CPU42aは、有利差数コマンドを入力すると、非有利区間から有利区間へ移行してからの遊技媒体の差数(有利差数)を示唆又は報知する演出(以下、有利差数演出と示す)を実行するように演出装置群を制御する場合がある。CPU42aは、入力した有利差数コマンドによって特定可能な有利差数に応じて有利差数演出を実行するように演出装置群を制御する。有利差数演出は、少なくとも有利差数が差数上限数未満であるときに実行可能である。つまり、有利差数演出は、有利区間の終了条件が成立する前、即ち、有利区間から非有利区間へ移行する前に実行可能である。有利差数演出は、有利区間の終了条件が成立して有利区間から非有利区間へ移行するまでに入賞によって増加可能な遊技者が保有する遊技媒体の数(遊技機管理遊技媒体数)を示唆又は報知する演出ともいえる。一例として、有利差数演出には、有利差数を示唆又は報知する画像を表示する有利差数表示演出と、有利差数を示唆又は報知する音声を出力する有利差数音声演出と、がある。有利差数演出を実行させる場合、CPU42aは、有利差数表示演出を実行するように、演出表示部15を制御する。有利差数演出を実行させる場合、CPU42aは、有利差数音声演出を実行するように、スピーカ14を制御する。有利差数表示演出による画像は、背景画像よりも優先度が高いレイヤーに配置して表示される。有利差数音声演出による音声は、背景音楽よりも音量が大きい。
【0198】
CPU42aは、有利区間に制御されているときにおいて非有利区間コマンドを入力すると、有利区間が終了することを示唆又は報知する演出(以下、有利区間終了演出と示す)を実行するように演出装置群を制御する。CPU42aは、有利差数が差数上限数以上であることを特定可能な有利差数コマンドを入力すると、有利区間終了演出を実行するように演出装置群を制御するようにしてもよい。一例として、有利区間終了演出には、有利区間が終了することを示唆又は報知する画像を表示する有利区間終了表示演出と、有利区
間が終了することを示唆又は報知する音声を出力する有利区間終了音声演出と、がある。有利区間終了演出を実行させる場合、CPU42aは、有利区間終了表示演出を実行するように、演出表示部15を制御する。有利区間終了演出を実行させる場合、CPU42aは、有利区間終了音声演出を実行するように、スピーカ14を制御する。有利区間終了表示演出による画像は、背景画像よりも優先度が高いレイヤーに配置して表示される。有利区間終了音声演出による音声は、背景音楽よりも音量が大きい。
【0199】
CPU42aは、最大差数コマンドを入力すると、電源投入されてからの最大の差数(最大差数)を示唆又は報知する演出(以下、最大差数演出と示す)を実行するように演出装置群を制御する場合がある。CPU42aは、入力した最大差数コマンドによって特定可能な最大差数に応じて最大差数演出を実行するように演出装置群を制御する。最大差数演出は、少なくとも最大差数が最大上限差数未満であるときに実行可能である。つまり、最大差数演出は、最大差数エラーが発生する前に実行可能である。最大差数演出は、最大差数エラーの発生までに入賞によって増加可能な遊技者が保有する遊技媒体の数(遊技機管理遊技媒体数)を示唆又は報知する演出ともいえる。一例として、最大差数演出には、最大差数を示唆又は報知する画像を表示する最大差数表示演出と、最大差数を示唆又は報知する音声を出力する最大差数音声演出と、がある。最大差数演出を実行させる場合、CPU42aは、最大差数表示演出を実行するように、演出表示部15を制御する。最大差数演出を実行させる場合、CPU42aは、最大差数音声演出を実行するように、スピーカ14を制御する。最大差数表示演出による画像は、背景画像よりも優先度が高いレイヤーに配置して表示される。最大差数音声演出による音声は、背景音楽よりも音量が大きい。
【0200】
CPU42aは、第1不能状態コマンドを入力すると、最大差数が最大上限差数以上となったことにより遊技不能状態に制御されたことを示唆又は報知する演出(以下、第1不能演出と示す)を実行するように演出装置群を制御する。第1不能演出は、最大差数エラーが発生したことを示唆又は報知する演出といえる。一例として、第1不能演出には、最大差数が最大上限差数以上となったことにより遊技不能状態に制御されたことを示唆又は報知する画像を表示する第1不能表示演出と、最大差数が最大上限差数以上となったことにより遊技不能状態に制御されたことを示唆又は報知する音声を出力する第1不能音声演出と、がある。第1不能演出を実行させる場合、CPU42aは、第1不能表示演出を実行するように、演出表示部15を制御する。第1不能演出を実行させる場合、CPU42aは、第1不能音声演出を実行するように、スピーカ14を制御する。第1不能表示演出による画像は、背景画像よりも優先度が高いレイヤーに配置して表示される。第1不能音声演出による音声は、背景音楽よりも音量が大きい。CPU42aは、可能状態コマンドを入力すると、第1不能演出を終了するように演出装置群を制御する。
【0201】
CPU42aは、管理遊技媒体数コマンドを入力すると、遊技機管理遊技媒体数を示唆又は報知する演出(以下、管理媒体数演出と示す)を実行するように演出装置群を制御する場合がある。CPU42aは、入力した管理遊技媒体数コマンドによって特定可能な遊技機管理遊技媒体数に応じて管理媒体数演出を実行するように演出装置群を制御する。管理媒体数演出は、少なくとも遊技機管理遊技媒体数が遊技上限数未満であるときに実行可能である。つまり、管理媒体数演出は、オーバーフローエラーが発生する前に実行可能である。管理媒体数演出は、オーバーフローエラーの発生までに入賞によって増加可能な遊技者が保有する遊技媒体の数(遊技機管理遊技媒体数)を示唆又は報知する演出ともいえる。一例として、管理媒体数演出には、遊技機管理遊技媒体数を示唆又は報知する画像を表示する管理媒体数表示演出と、遊技機管理遊技媒体数を示唆又は報知する音声を出力する管理媒体数音声演出と、がある。管理媒体数演出を実行させる場合、CPU42aは、管理媒体数表示演出を実行するように、演出表示部15を制御する。管理媒体数演出を実行させる場合、CPU42aは、管理媒体数音声演出を実行するように、スピーカ14を
制御する。管理媒体数演出による画像は、背景画像よりも優先度が高いレイヤーに配置して表示される。管理媒体数音声演出による音声は、背景音楽よりも音量が大きい。
【0202】
CPU42aは、第2不能状態コマンドを入力すると、遊技機管理遊技媒体数が遊技上限数以上となったことにより遊技不能状態に制御されたことを示唆又は報知する演出(以下、第2不能演出と示す)を実行するように演出装置群を制御する。第2不能演出は、オーバーフローエラーが発生したことを示唆又は報知する演出といえる。一例として、第2不能演出には、遊技機管理遊技媒体数が遊技上限数以上となったことにより遊技不能状態に制御されたことを示唆又は報知する画像を表示する第2不能表示演出と、遊技機管理遊技媒体数が遊技上限数以上となったことにより遊技不能状態に制御されたことを示唆又は報知する音声を出力する第2不能音声演出と、がある。第2不能演出を実行させる場合、CPU42aは、第2不能表示演出を実行するように、演出表示部15を制御する。第2不能演出を実行させる場合、CPU42aは、第2不能音声演出を実行するように、スピーカ14を制御する。第2不能表示演出による画像は、背景画像よりも優先度が高いレイヤーに配置して表示される。第2不能音声演出による音声は、背景音楽よりも音量が大きい。CPU42aは、可能状態コマンドを入力すると、第2不能演出を終了するように演出装置群を制御する。
【0203】
CPU42aは、再遊技コマンドを入力すると、再遊技役が入賞したことを示唆又は報知する演出(以下、再遊技入賞演出と示す)を実行するように演出装置群を制御する。再遊技入賞演出は、再遊技が作動することを示唆又は報知する演出ともいえる。また、再遊技入賞演出は、再遊技が付与されたことを示唆又は報知する演出ともいえる。一例として、再遊技入賞演出には、再遊技役が入賞したことを示唆又は報知する音声を出力する再遊技入賞音声演出がある。再遊技入賞演出を実行させる場合、CPU42aは、再遊技入賞音声演出を実行するように、スピーカ14を制御する。図5に示すように、CPU42aは、ボーナス状態ではないときに再遊技入賞音声演出を実行させるとき、効果音S1が出力されるように、スピーカ14を制御する。CPU42aは、ボーナス状態であるときに再遊技入賞音声演出を実行させるとき、効果音S2が出力されるように、スピーカ14を制御する。効果音S1,S2は、それぞれ再遊技役が入賞したときにのみ出力される専用の音声である。再遊技入賞音声演出による音声は、背景音楽よりも音量が大きい。
【0204】
CPU42aは、獲得数コマンドを入力すると、払出役が入賞したことを示唆又は報知する演出(以下、払出役入賞演出と示す)を実行するように演出装置群を制御する。払出役入賞演出は、遊技媒体が付与されたことを示唆又は報知する演出ともいえる。一例として、払出役入賞演出には、払出役が入賞したことを示唆又は報知する画像を表示する払出役入賞表示演出(以下、払出表示演出と示す)と、払出役が入賞したことを示唆又は報知する音声を出力する払出役入賞音声演出(以下、払出音演出と示す)と、がある。払出役入賞演出を実行させる場合、CPU42aは、払出表示演出を実行するように、演出表示部15を制御する。払出役入賞演出を実行させる場合、CPU42aは、払出音演出を実行するように、スピーカ14を制御する。払出表示演出及び払出音演出は、遊技者が保有する遊技媒体の数(遊技機管理遊技媒体数)が増加したことを特定可能な演出である。払出音演出は、特定演出の一例である。
【0205】
図5に示すように、CPU42aは、払出音演出を実行させるとき、ボーナス状態であるか否かと、入賞した役と、に応じた音声(効果音)が出力されるように、スピーカ14を制御する。一例として、CPU42aは、ボーナス状態ではないときにベル役が入賞した場合、効果音H1が出力されるように、スピーカ14を制御する。一例として、CPU42aは、ボーナス状態であるときにベル役が入賞した場合、効果音H5が出力されるように、スピーカ14を制御する。効果音H1~H8は、それぞれ異なる音声(効果音)である。換言すれば、払出音演出は、遊技状態及び入賞した役に応じて演出態様が異なる。
これに限らず、効果音H1~H8のうち一部は同じ音声であってもよい。例えば、効果音H1~H4はそれぞれ異なる音声である一方、効果音H5~H8は同じ音声であってもよい。払出役入賞演出による画像は、背景画像よりも優先度が高いレイヤーに配置して表示される。払出音演出による音声は、背景音楽よりも音量が大きい。
【0206】
さらに、CPU42aは、払出役入賞演出が実行されるとき、当該払出役入賞演出に加えて下皿25が振動する振動演出(以下、下皿振動演出と示す)を実行させる場合がある。CPU42aは、獲得数コマンドを入力したときにおいて特定条件が成立しているか否かに応じて下皿振動演出を実行させるか否かを決定する。下皿振動演出を実行させる場合、CPU42aは、下皿25が振動するように振動装置25aを制御する。下皿振動演出を実行させない場合、CPU42aは、下皿25が振動しないように振動装置25aを制御する。このように、下皿振動演出は、振動の発生を伴う演出である。下皿振動演出は、特別演出の一例である。
【0207】
以下、特定条件の成立と、特定条件の成立に応じて実行される下皿振動演出と、について説明する。
CPU42aは、管理遊技媒体数コマンドを入力すると、遊技機管理遊技媒体数を特定可能な情報(以下、サブ媒体数と示す)をRWM42cに記憶させる。そして、CPU42aは、サブ媒体数が特定数(一例として50)を超えているか否かを判定する。サブ媒体数が特定数を超えている場合、CPU42aは、特定条件が成立していることを特定可能な情報(以下、特定フラグと示す)をRWM42cに記憶させる。つまり、CPU42aは、特定フラグをオンにする。一方、サブ媒体数が特定数を超えていない場合、CPU42aは、特定フラグを初期化する。つまり、CPU42aは、特定フラグをオフにする。このように、遊技機管理遊技媒体数が特定数を超えている状況では特定条件が成立する一方、遊技機管理遊技媒体数が特定数を超えていない状況では特定条件が非成立となる。本実施形態における特定数は、計数ボタン23が長押し操作されたときに遊技機10から管理ユニット100へ移管される遊技媒体の数(第2計数遊技媒体数)と同数である。特定数は、管理ユニット100から貸し出される遊技媒体の数と同数である。
【0208】
CPU42aは、終了コマンドを入力したときに特定フラグがオンであるか否かを判定する。特定フラグがオンである場合、CPU42aは、獲得数コマンドを入力すると、下皿振動演出を実行させる。特定フラグがオフである場合、CPU42aは、獲得数コマンドを入力した後に管理遊技媒体数コマンドを入力すると、特定フラグがオンになるか否かを判定する。つまり、CPU42aは、入賞によって遊技機管理遊技媒体数が増加したことにより特定条件が成立するか否かを判定する。特定フラグがオンになった場合、CPU42aは、下皿振動演出を実行させる。
【0209】
また、遊技機管理遊技媒体数が特定数を超えていない状況でも特定条件が成立する場合がある。CPU42aは、獲得数コマンドを入力したとき、入賞した役に応じて特定フラグをRWM42cに記憶させる。一例として、特定役(一例としてスイカ役)が入賞した場合、CPU42aは、特定フラグをRWM42cに記憶させる。非特定役(チェリー役、ベル役、及びベルこぼし役)が入賞した場合、CPU42aは、特定フラグをRWM42cに記憶させない。
【0210】
CPU42aは、終了コマンドを入力したときに特定フラグがオフであり、且つ獲得数コマンドを入力した後に管理遊技媒体数コマンドを入力したときに特定フラグがオンにならなかった場合、入賞した役が特定役であるか否かを判定する。入賞した役が特定役である場合、CPU42aは、下皿振動演出を実行させる。なお、CPU42aは、下皿振動演出を実行させると、特定フラグを初期化する。一方、入賞した役が非特定役である場合、CPU42aは、下皿振動演出を実行させない。
【0211】
これに限らず、遊技機管理遊技媒体数が特定数を超えていない状況では、特定条件が成立しないようにしてもよい。つまり、CPU42aは、獲得数コマンドを入力したとき、入賞した役にかかわらず、特定フラグをRWM42cに記憶させなくてもよい。この場合、CPU42aは、終了コマンドを入力したときに特定フラグがオフであり、且つ獲得数コマンドを入力した後に管理遊技媒体数コマンドを入力したときに特定フラグがオンにならなかったときに、下皿振動演出を実行させないようにしてもよい。
【0212】
ここで、遊技島YSに設置された遊技機10と、当該遊技機10において遊技を行う遊技者YGと、について説明する。
図9は、遊技島YSに設置された遊技機10の左側面を示す模式図である。遊技島YSに設置された遊技機10の正面には、座席ISが設けられている。一例として、図9では、座席ISに着座した状態の遊技者YGがスタートレバー20を操作して変動ゲームを開始させる様子を示す。
【0213】
遊技者YGが座席ISに着座した状態においては、遊技者YGが、MAXベットボタン18、スタートレバー20、及びストップボタン21a~21cなどの遊技の進行に関連する操作手段が操作し易いことが好ましい。加えて、遊技者YGが座席ISに着座した状態においては、遊技者YGが、変動ゲームが行われるリール16a~16c、及び演出表示部15を視認し易いことが好ましい。このような遊技者が遊技を行い易い環境にするために、遊技店では、遊技島YSと、遊技島YSに設置される遊技機10と、座席ISと、が予め固定されている。これにより、遊技店では、遊技者に対して遊技を行い易い環境を提供することができる。
【0214】
このような、遊技者が遊技を行い易い位置関係で遊技島YS、遊技機10、及び座席ISが配置されているとき、座席ISに着座した遊技者YGの足部KBが下皿25に接する場合がある。このため、下皿振動演出が実行された場合には、下皿25が振動することにより、その振動が遊技者YGの足部KBに伝わり得る。
【0215】
ここで、従来、物理的な遊技媒体(一例として遊技メダル)を用いて遊技を行うことが可能な遊技機では、貯留している遊技媒体を排出可能な装置(一例としてホッパーユニット)から遊技メダルが排出される場合がある。排出された遊技メダルは、下皿に接触し得る。下皿は、排出された遊技メダルが接触することにより振動し得る。加えて、下皿は、ホッパーユニットが動作することにより振動し得る。よって、遊技者は、下皿が振動することにより、自身が保有する遊技メダルの数が増加していることを認識できる。遊技者は、視線を下げなくても、足部から伝わる振動により遊技メダルが排出されていることを認識できる。
【0216】
遊技機10は、物理的な遊技媒体が排出されない。遊技機10は、貯留している遊技媒体を排出可能な装置を備えない。よって、遊技機10では、物理的な遊技媒体が排出されることにより下皿25が振動するという現象が起こり得ない。一方、遊技機10では、払出役が入賞したときに遊技機管理遊技媒体数が特定数を超えていると、下皿振動演出が実行される。よって、遊技者は、下皿25が振動することにより、自身が保有する遊技媒体の数(遊技機管理遊技媒体数)が増加していることを認識できる。
【0217】
図1に示すように、下皿25は、変動ゲームが行われるリール16a~16c、及び演出表示部15よりも下方にある。また、下皿25は、MAXベットボタン18、スタートレバー20、及びストップボタン21a~21cなどの遊技の進行に関連する操作手段よりも下方にある。また、下皿25は、遊技機管理遊技媒体数を表示可能な遊技機管理遊技媒体数表示部22よりも下方にある。また、下皿25は、上部スピーカ14a及び下部ス
ピーカ14bよりも下方にある。下皿25は、前面扉12に配設された装置のうち、最も下方に配設された装置である。このように、下皿振動演出が実行される位置は、変動ゲームが行われる位置よりも下方であり、且つ遊技者が保有する遊技媒体の数(遊技機管理遊技媒体数)を表示可能な遊技機管理遊技媒体数表示部22の位置よりも下方である。遊技者は、視線を下げたり、手で下皿25を触れなくても、足部から伝わる振動により下皿振動演出が実行されていることを認識できる。遊技機10では、遊技者が遊技を行うことに対して阻害することなく、下皿振動演出が実行されていることを認識させることができる。
【0218】
次に、遊技機10において実行される演出の具体的な一例について、説明する。
図10(a)は、変動ゲームの開始に伴って役示唆演出が実行された場合の一例を示す。一例として、演出表示部15では、役示唆表示演出が実行される。上部スピーカ14a及び下部スピーカ14bでは、役示唆音声演出が実行される。
【0219】
演出表示部15では、役示唆表示演出が実行されると、所定のキャラクタを模したキャラクタ画像CHと、黄色の箱を模した箱画像BX1と、青色の箱を模した箱画像BX2と、が表示される。一例として、箱画像BX1は、ベル役が当選したことを示唆する画像である。箱画像BX2は、再遊技役が当選したことを示唆する画像である。一例として、演出表示部15では、キャラクタ画像CHが、箱画像BX1及び箱画像BX2の何れを選択するか考える様子の動画が表示された後、箱画像BX1を選択した様子の動画が表示される。つまり、演出表示部15では、ベル役が当選したことを報知する役示唆表示演出が実行される。
【0220】
上部スピーカ14a及び下部スピーカ14bでは、役示唆音声演出が実行されると、演出表示部15において実行される役示唆表示演出に合わせて効果音E1が出力される。一例として、キャラクタ画像CHが箱画像BX1を選択した様子の動画が表示されたとき、上部スピーカ14a及び下部スピーカ14bでは、「ベルだ」という音声が出力される。
【0221】
図10(b)は、図10(a)において開始された変動ゲームが終了し、ベル役の入賞に伴って払出役入賞演出が実行された場合の一例を示す。一例として、演出表示部15では、払出表示演出が実行される。上部スピーカ14a及び下部スピーカ14bでは、払出音演出が実行される。なお、図10(b)では、特定条件が成立しなかったため、下皿振動演出が実行されなかったものとする。
【0222】
演出表示部15では、払出表示演出が実行されると、所定のキャラクタを模したキャラクタ画像CHが消去されるとともに、「10枚GET!!」という文字列の文字画像KMが表示される。一例として、文字画像KMは、遊技媒体の獲得数(付与された遊技媒体の数)を報知する画像である。つまり、文字画像KMは、遊技機管理遊技媒体数が増加することを報知する画像である。このように、払出表示演出は、遊技機管理遊技媒体数が増加したことを特定可能な画像を表示する演出である。上部スピーカ14a及び下部スピーカ14bでは、払出音演出が実行されると、効果音H1が出力される。一例として、効果音H1は、ベル(鈴)が鳴っているような音声である。これに限らず、効果音H1は、「10枚ゲット」という男性のセリフの音声であってもよい。効果音H1は、入賞した払出役が特定可能な音声であるとよく、払出役が入賞したことにより遊技媒体が付与されたことを特定可能な音声であるとよい。このように、払出音演出は、遊技者が保有する遊技媒体の数(遊技機管理遊技媒体数)が増加したことを特定可能な音声を出力する演出である。
【0223】
図11は、図10(a)において開始された変動ゲームが終了し、ベル役の入賞に伴って払出役入賞演出が実行された場合の一例を示す。一例として、演出表示部15では、払出表示演出が実行される。上部スピーカ14a及び下部スピーカ14bでは、払出音演出
が実行される。なお、図11では、入賞に伴って特定条件が成立したことにより、下皿振動演出が実行されたものとする。
【0224】
演出表示部15では、払出表示演出が実行されると、所定のキャラクタを模したキャラクタ画像CHが消去されるとともに、「10枚GET!!」という文字列の文字画像KMが表示される。上部スピーカ14a及び下部スピーカ14bでは、払出音演出が実行されると、効果音H1が出力される。
【0225】
下皿25では、下皿振動演出が実行されると、振動装置25aのDCモータが駆動することに伴って振動演出が実行される。下皿25は、下皿振動演出が実行されると、振動態様SDで振動する。つまり、下皿25は、下皿振動演出が実行されると、所定の振幅、即ち、所定の振動の強度にて振動する。ここで、下皿振動演出は、操作振動演出よりも振幅が大きい。つまり、下皿振動演出が実行されているときの下皿25の振幅は、操作振動演出が実行されているときの演出操作部24の振幅よりも大きい。よって、下皿振動演出は、操作振動演出よりも振動の強度が強いといえる。これに限らず、下皿振動演出は、操作振動演出よりも振幅が小さくてもよい。つまり、下皿振動演出は、操作振動演出よりも振動の強度が弱くてもよい。このように、下皿振動演出と、操作振動演出とでは、振動の強度が異なる。下皿25は、特定条件が成立したタイミングに応じて、下皿振動演出の実行時間を異ならせる。以下、具体的に説明する。
【0226】
図12に示すように、入賞する前に特定条件が成立していた場合と、入賞した後に特定条件が成立した場合と、で下皿振動演出の実行時間が異なる。図12における「入賞前特定条件」の欄は、入賞する前のタイミングにおいて特定条件が成立していたか否かを示す。入賞する前のタイミングとは、CPU42aが終了コマンドを入力したタイミングである。図12における「入賞後特定条件」の欄は、入賞した後のタイミングにおいて特定条件が成立したか否かを示す。入賞した後のタイミングとは、CPU42aが獲得数コマンドを入力した後に管理遊技媒体数コマンドを入力したタイミングである。当然のことながら、入賞する前のタイミングにおいて特定条件が成立していた場合には、入賞した後のタイミングにおいても特定条件が成立している。
【0227】
入賞する前のタイミングにおいて特定条件が成立していた場合、CPU42aは、下皿振動演出を開始させてから第1振動時間(一例として1500ms)が経過するまで下皿振動演出を実行させる。そして、CPU42aは、下皿振動演出を開始させてから第1振動時間が経過すると、下皿振動演出を終了させる。なお、CPU42aは、下皿振動演出の実行中において掛け数コマンドを入力した場合、第1振動時間が経過していなかったとしても、下皿振動演出を終了させる。
【0228】
入賞する前のタイミングにおいて特定条件が成立しておらず、且つ入賞した後のタイミングにおいて特定条件が成立した場合、CPU42aは、下皿振動演出を開始させてから第2振動時間(一例として1000ms)が経過するまで下皿振動演出を実行させる。そして、CPU42aは、下皿振動演出を開始させてから第2振動時間が経過すると、下皿振動演出を終了させる。なお、CPU42aは、下皿振動演出の実行中において掛け数コマンドを入力した場合、第2振動時間が経過していなかったとしても、下皿振動演出を終了させる。
【0229】
入賞する前のタイミングにおいて特定条件が成立しておらず、且つ入賞した後のタイミングにおいても特定条件が成立しなかった場合、CPU42aは、下皿振動演出を開始させない。ただし、入賞する前のタイミングにおいて特定条件が成立しておらず、且つ入賞した後のタイミングにおいても特定条件が成立しなかった場合であっても、特定役が入賞したときには、下皿振動演出が実行される。この場合、CPU42aは、下皿振動演出を
開始させてから第3振動時間(一例として900ms)が経過するまで下皿振動演出を実行させる。そして、CPU42aは、下皿振動演出を開始させてから第3振動時間が経過すると、下皿振動演出を終了させる。なお、CPU42aは、下皿振動演出の実行中において掛け数コマンドを入力した場合、第3振動時間が経過していなかったとしても、下皿振動演出を終了させる。
【0230】
以上のように、下皿振動演出の実行時間は、特定条件が成立したタイミング、及び、特定条件が成立した要因によって異なる。一例として、第1振動時間~第3振動時間は、第3振動時間<第2振動時間<第1振動時間の順に長い。これに限らず、第1振動時間~第3振動時間は、上述の具体例とは異なる時間を設定してもよく、その長短関係を変更してもよい。
【0231】
以下、特定条件の成立と、特定条件の成立に応じて実行される下皿振動演出と、の具体的な一例について説明する。
図13に示すように、タイミングtm10において、遊技機10では、変動ゲームが開始したものとする。このとき、遊技機管理遊技媒体数は、35とする。よって、特定条件は、成立していない。タイミングtm11において、遊技機10では、変動ゲームが終了してベル役が入賞したとする。ベル役の入賞に伴って、スピーカ14では、払出音演出が実行される。このとき、遊技機管理遊技媒体数は、45となる。よって、特定条件は、成立しない。このため、下皿25では、下皿振動演出が実行されない。払出音演出が開始してから演出時間t1(一例として500ms)が経過したタイミングtm12において、払出音演出が終了する。
【0232】
タイミングtm13において、遊技機10では、変動ゲームが開始したものとする。このとき、遊技機管理遊技媒体数は、42となる。よって、特定条件は、成立していない。タイミングtm14において、遊技機10では、変動ゲームが終了してベル役が入賞したとする。ベル役の入賞に伴って、スピーカ14では、払出音演出が実行される。このとき、遊技機管理遊技媒体数は、52となる。よって、入賞した後のタイミングにおいて特定条件が成立する。このため、下皿25では、下皿振動演出が実行される。払出音演出が開始してから演出時間t1が経過したタイミングtm15において、払出音演出が終了する。また、下皿振動演出が開始してから演出時間t2(一例として1000ms)が経過したタイミングtm16において、下皿振動演出が終了する。
【0233】
タイミングtm17において、遊技機10では、変動ゲームが開始したものとする。このとき、遊技機管理遊技媒体数は、49となる。よって、特定条件は、非成立となる。タイミングtm18において、遊技機10では、変動ゲームが終了してベル役が入賞したとする。ベル役の入賞に伴って、スピーカ14では、払出音演出が実行される。このとき、遊技機管理遊技媒体数は、59となる。よって、入賞した後のタイミングにおいて特定条件が成立する。このため、下皿25では、下皿振動演出が実行される。払出音演出が開始してから演出時間t1が経過したタイミングtm19において、払出音演出が終了する。また、下皿振動演出が開始してから演出時間t2が経過したタイミングtm20において、下皿振動演出が終了する。
【0234】
タイミングtm21において、遊技機10では、変動ゲームが開始したものとする。このとき、遊技機管理遊技媒体数は、56となる。よって、特定条件は、成立したままとなる。タイミングtm22において、遊技機10では、変動ゲームが終了してベル役が入賞したとする。ベル役の入賞に伴って、スピーカ14では、払出音演出が実行される。このとき、遊技機管理遊技媒体数は、66となる。入賞する前のタイミングで特定条件が成立しているため、下皿25では、下皿振動演出が実行される。払出音演出が開始してから演出時間t1が経過したタイミングtm23において、払出音演出が終了する。また、下皿
振動演出が開始してから演出時間t3(一例として1500ms)が経過したタイミングtm24において、下皿振動演出が終了する。
【0235】
タイミングtm14及びタイミングtm18のように、遊技機10では、入賞に伴って遊技機管理遊技媒体数が増加して特定数(一例として50)を超えると特定条件が成立する。タイミングtm11のように、遊技機10では、入賞に伴って遊技機管理遊技媒体数が増加したとしても特定数を超えないと特定条件が成立しない。このように、遊技者が保有する遊技媒体の数(遊技機管理遊技媒体数)が増加したときには、特定条件が成立する場合がある。
【0236】
タイミングtm17のように、遊技機10では、変動ゲームを実行するのに際し掛け数が設定されて遊技機管理遊技媒体数が減少したことにより、特定条件が非成立となる。タイミングtm21のように、遊技機10では、変動ゲームを実行するのに際し掛け数が設定されて遊技機管理遊技媒体数が減少したとしても、特定条件が非成立とならない。このように、特定条件が成立しているときにおいて、変動ゲームが実行されるようにするために遊技媒体が用いられたことにより遊技者が保有する遊技媒体の数(遊技機管理遊技媒体数)が減少すると、特定条件が非成立となる場合がある。
【0237】
そして、タイミングtm11のように、入賞に伴って遊技者が保有する遊技媒体の数(遊技機管理遊技媒体数)が増加したときにおいて特定条件が成立しないときには、払出音演出が実行される一方、下皿振動演出が実行されない。より具体的に、遊技者が保有する遊技媒体の数(遊技機管理遊技媒体数)が特定数を超えていない状況において、入賞に伴って遊技者が保有する遊技媒体の数(遊技機管理遊技媒体数)が特定数を超えなかったときには、払出音演出が実行される一方、下皿振動演出が実行されない。
【0238】
また、タイミングtm14及びタイミングtm18のように、入賞に伴って遊技者が保有する遊技媒体の数(遊技機管理遊技媒体数)が増加したときにおいて特定条件が成立したときには、払出音演出に加えて、下皿振動演出が実行される。より具体的に、遊技者が保有する遊技媒体の数(遊技機管理遊技媒体数)が特定数を超えていない状況において、入賞に伴って遊技者が保有する遊技媒体の数(遊技機管理遊技媒体数)が特定数を超えたときには、払出音演出に加えて、下皿振動演出が実行される。
【0239】
また、タイミングtm22のように、特定条件が成立しているときにおいて、入賞に伴って遊技者が保有する遊技媒体の数(遊技機管理遊技媒体数)が増加したときには、払出音演出に加えて、下皿振動演出が実行される。より具体的に、遊技者が保有する遊技媒体の数(遊技機管理遊技媒体数)が特定数を超えている状況において、入賞に伴って遊技者が保有する遊技媒体の数(遊技機管理遊技媒体数)が増加したときには、払出音演出に加えて、下皿振動演出が実行される。
【0240】
ここで、変動ゲームが終了して払出役が入賞した場合には、メイン制御基板40(CPU40a)から獲得数コマンドが出力され、当該獲得数コマンドを入力したCPU41aが遊技機管理遊技媒体数を増加させる。入賞してから遊技機管理遊技媒体数の増加が終了するまでの時間は、払出音演出の演出時間t1と略同一となっている。入賞してから遊技機管理遊技媒体数の増加が終了するまでの時間とは、入賞してから遊技機管理遊技媒体数表示部22において入賞に伴って増加した後の遊技機管理遊技媒体数が表示されるまでの時間に相当する。このように、遊技機10は、払出役が入賞したとき、遊技機管理遊技媒体数が増加している期間、即ち、入賞に伴って遊技機管理遊技媒体数が増加している様子を遊技機管理遊技媒体数表示部22において表示している期間に、払出音演出が実行されるように構成される。そして、遊技機10は、遊技機管理遊技媒体数が増加している期間が終了すると略同時に、払出音演出が終了するように構成される。
【0241】
一方、入賞してから遊技機管理遊技媒体数の増加が終了するまでの時間は、下皿振動演出の演出時間t2よりも短い。入賞してから遊技機管理遊技媒体数の増加が終了するまでの時間は、下皿振動演出の演出時間t3よりも短い。つまり、遊技機10は、払出役が入賞したとき、遊技機管理遊技媒体数が増加している期間が終了した後も、下皿振動演出が実行されるように構成される。このように、入賞に伴って遊技者が保有する遊技媒体の数(遊技機管理遊技媒体数)が特定数を超えたときに下皿振動演出が開始された場合、当該下皿振動演出は、入賞に伴って遊技者が保有する遊技媒体の数(遊技機管理遊技媒体数)が増加した後においても実行可能である。
【0242】
また、払出音演出の演出時間t1は、下皿振動演出の演出時間t2よりも短い。払出音演出の演出時間t1は、下皿振動演出の演出時間t3よりも短い。つまり、遊技機10は、払出役が入賞したとき、払出音演出が終了した後も、下皿振動演出が実行されるように構成される。このように、入賞に伴って遊技者が保有する遊技媒体の数(遊技機管理遊技媒体数)が特定数を超えたときに下皿振動演出が開始された場合、当該下皿振動演出は、払出音演出が終了した後においても実行可能である。
【0243】
図14に示すように、タイミングtm30において、遊技機10では、変動ゲームが開始したものとする。このとき、遊技機管理遊技媒体数は、15とする。よって、特定条件は、成立していない。タイミングtm31において、遊技機10では、変動ゲームが終了してベル役が入賞したとする。ベル役の入賞に伴って、スピーカ14では、払出音演出が実行される。このとき、遊技機管理遊技媒体数は、25となる。よって、特定条件は、成立しない。このため、下皿25では、下皿振動演出が実行されない。払出音演出が開始してから演出時間t1が経過したタイミングtm32において、払出音演出が終了する。
【0244】
タイミングtm33において、管理ユニット100の貸出操作部103が操作されたものとする。これにより、規定額に対応する数(一例として50)の遊技媒体が貸し出されて、遊技機管理遊技媒体数は75となり、特定条件が成立する。タイミングtm34において、遊技機10では、変動ゲームが開始したものとする。このとき、遊技機管理遊技媒体数は、72となる。よって、特定条件は、成立したままとなる。タイミングtm35において、遊技機10では、変動ゲームが終了してベル役が入賞したとする。ベル役の入賞に伴って、スピーカ14では、払出音演出が実行される。このとき、遊技機管理遊技媒体数は、82となる。入賞する前のタイミングで特定条件が成立しているため、下皿25では、下皿振動演出が実行される。払出音演出が開始してから演出時間t1が経過したタイミングtm36において、払出音演出が終了する。また、下皿振動演出が開始してから演出時間t3が経過したタイミングtm37において、下皿振動演出が終了する。
【0245】
タイミングtm38において、遊技機10では、計数ボタン23が長押し操作されたものとする。これにより、第2計数遊技媒体数(一例として50)の遊技媒体が管理ユニット100へ移管されて、遊技機管理遊技媒体数は32となり、特定条件が非成立となる。その後、タイミングtm39において、遊技機10では、変動ゲームが開始したものとする。このとき、遊技機管理遊技媒体数は、29となる。よって、特定条件は、成立していない。タイミングtm40において、遊技機10では、変動ゲームが終了してベル役が入賞したとする。ベル役の入賞に伴って、スピーカ14では、払出音演出が実行される。このとき、遊技機管理遊技媒体数は、39となる。よって、特定条件は、成立しない。このため、下皿25では、下皿振動演出が実行されない。払出音演出が開始してから演出時間t1が経過したタイミングtm41において、払出音演出が終了する。
【0246】
タイミングtm33のように、遊技機10では、管理ユニット100から遊技機10へ遊技媒体が貸し出されて遊技機管理遊技媒体数が増加したことにより、特定条件が成立す
る。なお、管理ユニット100から遊技機10へ遊技媒体が貸し出されたとしても、貸し出される前の遊技機管理遊技媒体数と、貸し出された数と、の合計が特定数を超えない場合には、特定条件が成立しない。このように、遊技機10では、特定条件が成立していないときにおいて、CU制御基板110から情報を入力したことにより遊技者が保有する遊技媒体の数(遊技機管理遊技媒体数)が増加すると、特定条件が成立する場合がある。
【0247】
タイミングtm38のように、遊技機10では、遊技機10から管理ユニット100へ遊技媒体が移管されて遊技機管理遊技媒体数が減少したことにより、特定条件が非成立となる。なお、遊技機10から管理ユニット100へ遊技媒体が移管されたとしても、移管された後の遊技機管理遊技媒体数が特定数を超えている場合には、特定条件が非成立とならず、成立したままとなる。このように、遊技機10では、特定条件が成立しているときにおいて、CU制御基板110へ情報を出力することにより遊技者が保有する遊技媒体の数(遊技機管理遊技媒体数)が減少すると、特定条件が非成立となる場合がある。
【0248】
図15に示すように、タイミングtm50において、遊技機10では、MAXベットボタン18が操作されたものとする。これにより、遊技機10では、3ベットされた状態となったものとする。このとき、遊技機管理遊技媒体数は、60とする。よって、特定条件は、成立している。タイミングtm51において、遊技機10では、変動ゲームが開始したものとする。タイミングtm52において、遊技機10では、変動ゲームが終了してベル役が入賞したとする。ベル役の入賞に伴って、スピーカ14では、払出音演出が実行される。このとき、遊技機管理遊技媒体数は、70となる。入賞する前のタイミングで特定条件が成立しているため、下皿25では、下皿振動演出が実行される。払出音演出が開始してから演出時間t1が経過したタイミングtm53において、払出音演出が終了する。
【0249】
下皿振動演出が開始してから演出時間t3が経過するタイミングtm55よりも前のタイミングtm54において、遊技機10では、MAXベットボタン18が操作されたものとする。タイミングtm54において、遊技機10では、MAXベットボタン18が操作されたことにより下皿振動演出が終了する。つまり、遊技機10では、下皿振動演出の演出時間が、演出時間t3未満である演出時間t4(一例として1200ms)であったとしても、下皿振動演出が終了する。このように、CPU42aは、下皿振動演出の実行中において掛け数コマンドを入力したとき、下皿振動演出を終了させることが可能である。換言すれば、CPU42aは、下皿振動演出の実行中において1ベットボタン17又はMAXベットボタン18が操作されたとき、下皿振動演出を終了させることが可能である。
【0250】
図16に示すように、タイミングtm60において、遊技機10では、変動ゲームが開始したものとする。このとき、遊技機管理遊技媒体数は、15とする。よって、特定条件は、成立していない。タイミングtm61において、遊技機10では、変動ゲームが終了してチェリー役が入賞したとする。チェリー役の入賞に伴って、スピーカ14では、払出音演出が実行される。このとき、遊技機管理遊技媒体数は、19となる。よって、特定条件は、成立しない。このため、下皿25では、下皿振動演出が実行されない。払出音演出が開始してから演出時間t5(一例として200ms)が経過したタイミングtm62において、払出音演出が終了する。
【0251】
タイミングtm63において、遊技機10では、変動ゲームが開始したものとする。このとき、遊技機管理遊技媒体数は、16となる。よって、特定条件は、成立していない。タイミングtm64において、遊技機10では、変動ゲームが終了してスイカ役が入賞したとする。スイカ役の入賞に伴って、スピーカ14では、払出音演出が実行される。このとき、遊技機管理遊技媒体数は、31となる。よって、特定条件は、成立しない。しかしながら、入賞した役が特定役(一例としてスイカ役)であるため特定条件が成立する。このため、下皿25では、下皿振動演出が実行される。払出音演出が開始してから演出時間
t6(一例として750ms)が経過したタイミングtm65において、払出音演出が終了する。また、下皿振動演出が開始してから演出時間t7(一例として900ms)が経過したタイミングtm66において、下皿振動演出が終了する。
【0252】
したがって、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)遊技機10は、遊技者が保有する遊技媒体の数(遊技機管理遊技媒体数)をデータで管理するように構成される。遊技者が保有する遊技媒体の数をデータで管理する遊技機は、入賞に伴って遊技者が保有する遊技媒体の数が増加したときに遊技媒体が機外へ排出されうる遊技機と比べ、遊技者に対し、遊技者が保有する遊技媒体の数が増加している感覚を与え難い。このような問題に対し、遊技機10によれば、入賞に伴って遊技者が保有する遊技媒体の数(遊技機管理遊技媒体数)が増加したときにおいて特定条件が成立したときには、遊技者が保有する遊技媒体の数が増加したことを特定可能な音声を出力する払出音演出に加えて、下皿振動演出が実行される。一方、遊技機10によれば、入賞に伴って遊技者が保有する遊技媒体の数(遊技機管理遊技媒体数)が増加したときにおいて特定条件が成立しないときには、払出音演出が実行されるが、下皿振動演出が実行されない。特定条件は、遊技者が保有する遊技媒体の数(遊技機管理遊技媒体数)が増加したときに成立しうる条件である。このため、払出音演出に加えて下皿振動演出が実行されると、下皿振動演出が実行されず、単に払出音演出が実行されるよりも、遊技者に対し、自身が保有する遊技媒体の数が増加している感覚を与え易く、興趣の向上を図ることができる。
【0253】
(2)従来の回胴式遊技機は、変動ゲームが行われる装置や各種の表示装置について、遊技者が視認し易い位置に設けられている。これにより、遊技者は、回胴式遊技機の状態などを認識し易い。ここで、従来の回胴式遊技機は、これらの装置よりも下方に設けられた下皿に物理的な遊技媒体(一例として遊技メダル)が排出されるように構成される。遊技者は、下皿に遊技媒体が排出される様子を視認しなくとも、遊技媒体が排出されることによる下皿の振動により、遊技媒体が排出されたことを認識できる。遊技機10は、変動ゲームが行われる位置よりも下方であり、且つ遊技者が保有する遊技媒体の数(遊技機管理遊技媒体数)を表示可能な表示手段の位置よりも下方において下皿振動演出を実行するようにした。これにより、遊技機10では、従来の回胴式遊技機において遊技媒体が排出される現象に近づけることができる。よって、遊技者に対し、遊技者が保有する遊技媒体の数が増加している感覚を与え易くすることができ、興趣の向上を図ることができる。
【0254】
(3)一般的に、演出操作部24は、変動ゲームの結果に基づいて実行される演出に関係する操作手段である。このため、遊技機10では、演出操作部24を操作させて演出を実行することにより、遊技者に期待感を与えて楽しませることができる。ここで、操作振動演出及び下皿振動演出は、同じ種類の動作を行う演出であるから、操作振動演出及び下皿振動演出の何れの演出が実行されているかについて誤って認識させてしまう虞がある。遊技機10では、操作振動演出と、下皿振動演出と、で振動の強度を異ならせた。これにより、操作振動演出の実行によって楽しませるとともに、下皿振動演出の実行によって遊技者が保有する遊技媒体の数が増加している感覚を与えることができ、興趣の向上を図ることができる。
【0255】
(4)遊技機10では、遊技機管理遊技媒体数が特定数を超えている状況において、入賞に伴って遊技者が保有する遊技媒体の数(遊技機管理遊技媒体数)が増加したとき、遊技者が保有する遊技媒体の数が増加したことを特定可能な音声を出力する払出音演出に加えて、下皿振動演出が実行されるようにした。これにより、遊技機10によれば、遊技者に対し、自身が保有する遊技媒体の数が特定数よりも多いことを理解させることができ、これに加えて、自身が保有する遊技媒体がさらに増加したことを理解させることができる。よって、遊技者に対し、自身が保有する遊技媒体の数が増加している感覚を与え、興趣の向上を図ることができる。
【0256】
(5)遊技機10では、入賞に伴って遊技者が保有する遊技媒体の数(遊技機管理遊技媒体数)が増加しても、遊技機管理遊技媒体数が特定数を超えなかったとき、払出音演出が実行されるが、下皿振動演出が実行されないようにした。一方、遊技機10では、入賞に伴って遊技者が保有する遊技媒体の数(遊技機管理遊技媒体数)が増加したことにより、遊技機管理遊技媒体数が特定数を超えたとき、払出音演出に加えて、下皿振動演出が実行されるようにした。これにより、遊技者に対し、自身が保有する遊技媒体の数が特定数よりも多くなったことを理解させることができる。よって、遊技者に対し、自身が保有する遊技媒体の数が増加している感覚を与え、興趣の向上を図ることができる。
【0257】
(6)遊技機10では、下皿振動演出の実行中において1ベットボタン17又はMAXベットボタン18が操作されたとき、下皿振動演出を終了させることができる。1ベットボタン17及びMAXベットボタン18は、遊技者が保有する遊技媒体の数(遊技機管理遊技媒体数)を用いて掛け数を設定する操作が可能な手段であるから、下皿振動演出が実行されることと、遊技者が保有する遊技媒体の数(遊技機管理遊技媒体数)が増加することと、について、より関連性を持たせることができる。よって、下皿振動演出が実行されることにより、遊技者に対し、自身が保有する遊技媒体の数が増加している感覚を与え易く、興趣の向上を図ることができる。
【0258】
(7)CU制御基板110から情報を入力したときには、遊技機管理遊技媒体数が増加する場合がある。そして、CU制御基板110から情報を入力したことにより遊技機管理遊技媒体数が増加したときには、特定条件が成立する場合がある。遊技機10では、特定条件が成立しているときに下皿振動演出を実行可能である一方、特定条件が成立していないときに下皿振動演出を実行しないから、遊技者に対し、遊技者が保有する遊技媒体の数を認識させ易くしつつ、自身が保有する遊技媒体の数が増加している感覚を与えることができる。
【0259】
(8)遊技機10では、変動ゲームを行うのに際し遊技媒体が用いられたことによって遊技者が保有する遊技媒体の数(遊技機管理遊技媒体数)が減少したときに、特定条件が非成立となる場合がある。遊技機10では、特定条件が成立しているときに下皿振動演出を実行可能である一方、特定条件が成立していないときに下皿振動演出を実行しないから、遊技者に対し、自身が保有する遊技媒体の数を認識させ易くしつつ、自身が保有する遊技媒体の数が増加している感覚を与えることができる。
【0260】
(9)遊技機10は、入賞に伴って遊技者が保有する遊技媒体の数(遊技機管理遊技媒体数)に増加した後においても、下皿振動演出を実行可能である。これにより、遊技者に対し、下皿振動演出が実行されたことを認識させ易くすることができるから、自身が保有する遊技媒体の数が増加している感覚を与え易く、興趣の向上を図ることができる。
【0261】
(10)遊技機10では、払出音演出の演出時間よりも、下皿振動演出の演出時間が長い。これにより、遊技者に対し、下皿振動演出が実行されたことを認識させ易くすることができるから、自身が保有する遊技媒体の数が増加している感覚を与え易く、興趣の向上を図ることができる。
【0262】
(11)入賞する前のタイミングにおいて特定条件が成立していた場合と、入賞した後のタイミングにおいて特定条件が成立した場合とでは、下皿振動演出の実行時間が異なる。特に、特定条件は、遊技機管理遊技媒体数に応じて成立するから、下皿振動演出の実行時間によって、遊技機管理遊技媒体数を理解させることができる。よって、遊技者に対し、遊技者が保有する遊技媒体の数を認識させ易くしつつ、自身が保有する遊技媒体の数が増加している感覚を与えることができる。
【0263】
(12)遊技機10では、特定役が入賞したときには、下皿振動演出が実行されるようにした。これにより、遊技者に特定役が入賞したことを理解させることができるとともに、特定役の入賞により遊技媒体の数が増加することを理解させることができる。よって、下皿振動演出が実行されることにより、遊技者に対し、自身が保有する遊技媒体の数が増加している感覚を与え易く、興趣の向上を図ることができる。
【0264】
(13)振動装置25aは、中心線CLの左側と、右側と、のそれぞれに配設されている。よって、例えば、遊技者が足を組んでいたとしても、左足と右足の何れかに振動を伝えることができ、下皿振動演出が実行されていることを認識させることができる。また、遊技者が足を組んでいない場合には、左足と右足の両方に対して振動を伝えることができ、下皿振動演出が実行されていることを認識させることができる。よって、下皿振動演出が実行されることにより、遊技者に対し、自身が保有する遊技媒体の数が増加している感覚を与え易く、興趣の向上を図ることができる。
【0265】
上述した実施形態は、以下のように変更して実施することができる。なお、上述した各実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0266】
・払出音演出が実行されたときに出力される音声は、第1通常状態、第2通常状態、AT状態、及びボーナス状態の何れに制御されているかに応じて異ならせてもよい。この場合、第1通常状態、第2通常状態、AT状態、及びボーナス状態ではそれぞれ異なる音声が出力されるようにしてもよいし、一部の遊技状態では同じ音声が出力されるようにしてもよい。そして、払出音演出が実行されたときに出力される音声は、入賞した役に応じて異ならせてもよいし、入賞した役にかかわらず同じにしてもよい。入賞した役に応じて異ならせる場合、チェリー役、スイカ役、ベル役、及びベルこぼし役の入賞ではそれぞれ異なる音声が出力されるようにしてもよいし、一部の払出役の入賞では同じ音声が出力されるようにしてもよい。
【0267】
払出音演出が実行されたときに出力される音声は、第1通常状態、第2通常状態、AT状態、及びボーナス状態の何れに制御されているかにかかわらず同じにしてもよい。そして、払出音演出が実行されたときに出力される音声は、入賞した役に応じて異ならせてもよい。払出音演出は、遊技状態及び入賞した役のうち少なくとも一方に応じて演出態様が異なる場合があるようにしてもよい。本変更例によれば、入賞に伴って払出音演出が実行されることにより、遊技者に対し、遊技状態及び入賞した役について、認識させ易くすることができる。
【0268】
・下皿振動演出が実行されたときにおける振動の強度は、制御されている遊技状態にかかわらず同じであってもよい。下皿振動演出が実行されたときにおける振動の強度は、入賞した役にかかわらず同じであってもよい。下皿振動演出の演出時間は、制御されている遊技状態にかかわらず同じであってもよい。下皿振動演出の演出時間は、入賞した役にかかわらず同じであってもよい。このように、下皿振動演出は、遊技状態及び入賞した役にかかわらず演出態様が同じであってもよい。本変更例によれば、入賞に伴って下皿振動演出が実行されることにより、遊技者に対し、自身が保有する遊技媒体の数が増加したことを認識させ易くすることができる。
【0269】
・下皿振動演出が実行されたときにおける振動の強度は、制御されている遊技状態に応じて異ならせてもよいし、制御されている遊技状態にかかわらず同じであってもよい。この場合、下皿振動演出が実行されたときにおける振動の強度は、入賞した役に応じて異ならせてもよいし、入賞した役にかかわらず同じであってもよい。下皿振動演出の演出時間
は、制御されている遊技状態に応じて異ならせてもよいし、制御されている遊技状態にかかわらず同じであってもよい。この場合、下皿振動演出の演出時間は、入賞した役に応じて異ならせてもよいし、入賞した役にかかわらず同じであってもよい。下皿振動演出は、遊技状態及び入賞した役のうち少なくとも一方に応じて演出態様が異なる場合があるようにしてもよい。本変更例によれば、入賞に伴って下皿振動演出が実行されることにより、遊技者に対し、遊技状態及び入賞した役について、認識させ易くすることができる。
【0270】
・特定条件は、ボーナス状態であるときに、ボーナス中獲得数が特定数を超えたときに成立するようにしてもよい。この場合、特定条件は、ボーナス遊技が終了するときに非成立としてもよい。このとき、遊技機管理遊技媒体数が特定数を超えている場合には、特定条件を成立したままにしてもよい。
【0271】
・特定条件は、AT状態であるときに、AT中獲得数が特定数を超えたときに成立するようにしてもよい。この場合、特定条件は、AT状態からAT状態とは異なる遊技状態へ移行するときに非成立としてもよい。このとき、遊技機管理遊技媒体数が特定数を超えている場合には、特定条件を成立したままにしてもよい。
【0272】
・特定条件は、有利差数が特定数を超えたときに成立するようにしてもよい。この場合、特定条件は、有利差数が特定数以下となったときに非成立としてもよい。また、特定条件は、有利区間から非有利区間へと制御された場合には、非成立としてもよい。このとき、遊技機管理遊技媒体数が特定数を超えている場合には、特定条件を成立したままにしてもよい。
【0273】
・特定条件は、最大差数が特定数を超えたときに成立するようにしてもよい。この場合、特定条件は、最大差数が特定数以下となったときに非成立としてもよい。また、特定条件は、電源断された後に電源投入されて最大差数が初期化されたときに非成立としてもよい。このとき、遊技機管理遊技媒体数が特定数を超えている場合には、特定条件を成立したままにしてもよい。
【0274】
・特定条件は、遊技状態に応じて成立可能とするようにしてもよい。一例として、AT状態又はボーナス状態において遊技機管理遊技媒体数が特定数を超えた場合には特定条件が成立する一方、第1通常状態又は第2通常状態において遊技機管理遊技媒体数が特定数を超えた場合には特定条件が成立しないようにしてもよい。つまり、AT状態及びボーナス状態では特定条件が成立し得る一方、第1通常状態及び第2通常状態では特定条件が成立し得なくてもよい。よって、特別演出は、AT状態及びボーナス状態において実行され得る一方、第1通常状態及び第2通常状態において実行され得なくてもよい。
【0275】
・特定条件が成立した場合に実行される演出(特別演出)は、下皿振動演出に限らない。下皿振動演出に代えて、又は加えて下皿振動演出とは異なる演出を実行してもよい。一例として、下皿振動演出とは異なる演出は、風を送り出す装置(一例として送風ファン)を備え、当該装置によって遊技者に風があたるように風を送り出す演出であってもよい。一例として、下皿振動演出とは異なる演出は、スピーカ14において、入賞に伴って遊技者が保有する遊技媒体の数が増加したことを示唆又は報知する音声が出力される演出であってもよい。一例として、下皿振動演出とは異なる演出は、演出表示部15において、入賞に伴って遊技者が保有する遊技媒体の数が増加したことを示唆又は報知する画像が表示される演出であってもよい。一例として、下皿振動演出とは異なる演出は、スピーカ14において、特定条件が成立したことを示唆又は報知する音声が出力される演出であってもよい。一例として、下皿振動演出とは異なる演出は、演出表示部15において、特定条件が成立したことを示唆又は報知する画像が表示される演出であってもよい。
【0276】
・特定条件が成立した場合に実行される演出(特別演出)は、入賞する前に特定条件が成立していた場合と、入賞した後に特定条件が成立した場合と、で異なる演出態様(演出内容)であってもよい。つまり、特別演出は、遊技者が保有する遊技媒体の数が特定数を超えている状況において実行される場合と、遊技者が保有する遊技媒体の数が特定数を超えていない状況において入賞に伴って遊技者が保有する遊技媒体の数が前記特定数を超えたときにおいて実行される場合と、で異なる演出態様(演出内容)であってもよい。一例として、CPU42aは、入賞する前に特定条件が成立していた場合と、入賞した後に特定条件が成立した場合と、で下皿振動演出の実行中における振動装置25aのDCモータの回転速度を異ならせて、下皿振動演出の演出態様(演出内容)を異ならせるようにしてもよい。
【0277】
・特定条件が成立した場合に実行される演出(特別演出)は、遊技者が保有する遊技媒体の数(遊技機管理遊技媒体数)が、特定数よりも多い数である特別数(一例として500)を超えているときと、特定数よりも多い数であり特別数以下であるときと、で異なる演出態様(演出内容)であってもよい。一例として、CPU42aは、入賞した後における遊技機管理遊技媒体数が特別数を超えている場合と、入賞した後における遊技機管理遊技媒体数が特定数を超えており特別数以下である場合と、で下皿振動演出の実行中における振動装置25aのDCモータの回転速度を異ならせて、下皿振動演出の演出態様(演出内容)を異ならせるようにしてもよい。
【0278】
上記変更例について、特別演出は、遊技者が保有する遊技媒体の数(遊技機管理遊技媒体数)が、特定数よりも多い数であり特別数以下であるときよりも、特別数を超えているときのほうが演出の強度が高くてもよい。発光演出における発光体の光量は、演出の強度に相当する。発光体の光量が大きいほど演出の強度が高いといえる。音声演出における音声の音量は、演出の強度に相当する。音声の音量が大きいほど演出の強度が高いといえる。表示演出における画像の表示領域の大きさ(広さ)は、演出の強度に相当する。画像が表示される領域が大きい(広い)ほど演出の強度が高いといえる。また、表示演出における画像の明るさは、演出の強度に相当する。表示される画像が明るいほど演出の強度が高いといえる。振動演出における振動の振幅の大きさは、演出の強度に相当する。振動の振幅が大きいほど演出の強度が高いといえる。また、振動演出における振動数の多さは、演出の強度に相当する。振動数が多いほど演出の強度が高いといえる。つまり、特別演出は、その演出の強度が高いほど、遊技者が保有する遊技媒体の数(遊技機管理遊技媒体数)が増加したことについて、遊技者に対して報知する強度が高いといえる。
【0279】
・下皿振動演出において下皿25を振動させる方法としては、偏心モータによる振動とは異なる方法を採用してもよい。一例として、遊技機10の内部において錘を移動させることによって下皿25を振動させる方法を採用してもよい。その他、例えば、前面扉12に可動体を備え、当該可動体が動作することによって下皿25を振動させる方法を採用してもよい。可動体は、振動装置24aの振動する機能を有するように構成してもよい。この場合、可動体は、振動装置24aと兼用されてもよい。つまり、下皿振動演出は、可動体が動作されることによって実行される演出であってもよい。その他、例えば、下部スピーカ14bが音声を出力することによって下皿25を振動させる方法を採用してもよい。下部スピーカ14bは、振動装置24aの振動する機能を有するように構成してもよい。この場合、下部スピーカ14bは、振動装置24aと兼用されてもよい。つまり、下皿振動演出は、下部スピーカ14bから音声が出力されることによって実行される演出であってもよい。その他、例えば、下皿25を振動させる方法としては、遊技機10を所定範囲内で前後又は左右に移動させる装置を備え、当該装置が作動することによって結果的に下皿25が振動する方法を採用してもよい。
【0280】
・CPU42aは、特定条件が成立して特別演出を実行させた後、特定条件が非成立と
なり、その後、再び特定条件が成立したとしても、所定の実行条件が成立するまで、特別演出を実行させないように制御してもよい。一例として、所定の実行条件は、特別演出が実行された後において実行された変動ゲームの回数が所定のゲーム回数(一例として、10)に達したときに成立してもよい。所定の実行条件は、特別演出が実行された後において経過した時間が所定の経過時間(一例として、30000ms)に達したときに成立してもよい。例えば、図13においてCPU42aは、タイミングtm14において特定条件が成立して特別演出を実行させた後、タイミングtm17において特定条件が非成立となり、その後、再びタイミングtm18で特定条件が成立したとしても、所定の実行条件が成立していなければ、特別演出を実行させないように制御してもよい。CPU42aは、タイミングtm18において所定の実行条件が成立していれば、特別演出を実行させるように制御してもよい。
【0281】
・特定数は、予め定められた数であれば、適宜変更してもよい。特定数は、50であることに限らず、49以下であってもよく、51以上であってもよい。ただし、特定数は、遊技者の保有する遊技媒体が増加した可能性がある4以上であることが好ましい。
【0282】
・特別演出は、操作振動演出よりも演出の実行時間が長くてもよい。特別演出は、操作振動演出よりも演出の実行時間が短くてもよい。特別演出は、操作振動演出よりも演出の実行時間が長い場合があってもよく、短い場合があってもよい。つまり、特別演出と、操作振動演出とでは、演出の実行時間が異なってもよい。
【0283】
・払出音演出の演出時間は、出力される音声(効果音)に応じて異ならせてもよい。この場合、払出音演出の演出時間は、付与される遊技媒体の数に応じた時間にしてもよい。払出音演出の演出時間は、入賞してから遊技機管理遊技媒体数の増加が終了するまでの時間と略同一となるようにしてもよい。入賞してから遊技機管理遊技媒体数の増加が終了するまでの時間は、付与される遊技媒体の数が多いほど長くなる。なお、払出音演出によって出力される音声(効果音)が何れであっても、払出音演出の演出時間は、特別演出の演出時間よりも短くてもよい。一例として、効果音H1,H5は、500msである。効果音H2,H6は、50msである。効果音H3,H7は、200msである。効果音H4,H8は、750msである。
【0284】
・CPU42aは、特別演出の実行中において掛け数コマンドを入力したとき、遊技機管理遊技媒体数が特定数以下となり特定条件が非成立になった場合に特別演出を終了させるようにしてもよい。一方、CPU42aは、特別演出の実行中において掛け数コマンドを入力したとき、遊技機管理遊技媒体数が特定数以下とならずに特定条件が成立している場合に特別演出を終了させなくてもよい。つまり、CPU42aは、特別演出の実行中において掛け数コマンドを入力したとき、特定条件が成立していない場合には特別演出を終了させる一方、特定条件が成立している場合には特別演出を終了させなくてもよい。
【0285】
・遊技機10は、特別演出の実行中に、停滞制御(所謂、フリーズ)が実行されるように構成されてもよい。CPU40aは、特別演出が実行された場合、遊技進行メイン処理の遊技状態更新処理(ステップS117)を終了した後、ステップS101に戻らずに、特別演出が終了するまで待機してもよい。このように、CPU40aは、特別演出の実行中に1ベットボタン17、及びMAXベットボタン18の操作を受付けないようにしてもよい。つまり、遊技機10は、特別演出の実行中に掛け数を設定できないように構成されてもよい。
【0286】
・CPU42aは、計数ボタン23が操作されて遊技機管理遊技媒体数が減少したときに特別演出が実行されるように演出装置群を制御してもよい。つまり、CPU42aは、遊技媒体が遊技機10から管理ユニット100へ移管されるときに特別演出が実行される
ように演出装置群を制御してもよい。
【0287】
・特定役は、スイカ役に限らず複数あってもよい。特定役は、ベル役を含んでもよいし、チェリー役を含んでもよい。特定役が入賞したときには、特別演出が実行されるから、入賞によって付与される遊技媒体の数が、規定掛け数よりも多い(大きい)ほうが好ましい。つまり、特別演出は、少なくとも変動ゲームが実行されているときに設定された掛け数よりも多い(大きい)数の遊技媒体が付与されたときに実行されるとよい。
【0288】
・CPU42aは、特定条件が成立していたとしても、入賞に伴って増加した遊技機管理遊技媒体数が、規定掛け数よりも少ない(小さい)場合は、特別演出を終了させないようにしてもよい。この場合、CPU42aは、特定条件が成立しているときに、入賞に伴って増加した遊技機管理遊技媒体数が、規定掛け数よりも多い(大きい)場合は、特別演出を終了させるようにしてもよい。
【0289】
・払出音演出による音声は、上部スピーカ14aと、下部スピーカ14bと、で異ならせてもよい。払出音演出による音声は、上部スピーカ14a及び下部スピーカ14bの何れか一方だけで出力されるようにしてもよい。
【0290】
・CPU40aは、設定されている掛け数が最大掛け数(3)であり、且つ遊技機管理遊技媒体数が1以上あるときに、1ベットボタン17が操作されると掛け数を2減少させてもよい。つまり、CPU40aは、設定されている掛け数が最大掛け数(3)であり、且つ遊技機管理遊技媒体数が1以上あるときに、1ベットボタン17が操作されると1ベットとなるようにしてもよい。この場合、CPU40aは、掛け数が2減少したことを特定可能な精算コマンドを出力バッファに格納してもよい。これにより、CPU41aは、入力した精算コマンドに基づいて、管理媒体数情報生成処理において遊技機管理遊技媒体数を2増加させる。
【0291】
・CPU40aは、設定されている掛け数と遊技機管理遊技媒体数との合計が最大掛け数以上ではないときにも、MAXベットボタン18が操作されると掛け数を増加させるようにしてもよい。CPU40aは、設定されている掛け数が最大掛け数未満であり、且つ遊技機管理遊技媒体数が1以上あるときに、MAXベットボタン18が操作されると掛け数を増加させるようにしてもよい。つまり、遊技機10は、MAXベットボタン18が操作されることによって最大掛け数未満の掛け数も設定できるように構成されてもよい。
【0292】
・ゲーム上限数は、予め定められた数であればよく、4000でなくてもよい。ゲーム上限数は、4000未満であってもよい。ゲーム上限数は、4001以上であってもよい。差数上限数は、予め定められた数であればよく、2400でなくてもよい。差数上限数は、2400未満であってもよい。差数上限数は、2401以上であってもよい。
【0293】
・有利差数は、非有利区間から有利区間へ移行してから最も小さい数(値)となったときを基準として、その基準から増加した遊技媒体の数であってもよい。この場合、CPU40aは、今回の変動ゲームにおける掛け数(ベット数)を有利差数から減算する。CPU40aは、RWM40cに記憶されている獲得数情報によって特定可能な遊技媒体の数を有利差数に加算する。CPU40aは、減算された結果として有利差数が負数となる場合、有利差数を0にする。
【0294】
・有利差数は、非有利区間から有利区間へ移行してからの遊技媒体の獲得数であってもよい。この場合、CPU40aは、今回の変動ゲームにおける掛け数(ベット数)を有利差数から減算しない。CPU40aは、RWM40cに記憶されている獲得数情報によって特定可能な遊技媒体の数を有利差数に加算する。
【0295】
・最大上限差数は、予め定められた数であればよく、19000でなくてもよい。最大上限差数は、19000未満であってもよい。最大上限差数は、19001以上であってもよい。
【0296】
・最大差数は、電源投入されてからの遊技媒体の差数であってもよい。この場合、CPU40aは、今回の変動ゲームにおける掛け数(ベット数)を最大差数から減算する。CPU40aは、RWM40cに記憶されている獲得数情報によって特定可能な遊技媒体の数を最大差数に加算する。最大差数は、減算された結果として負数にもなり得る。つまり、CPU40aは、減算された結果として最大差数が負数となる場合、最大差数を0にしなくてもよい。
【0297】
・最大差数は、電源投入されてからの遊技媒体の獲得数であってもよい。この場合、CPU40aは、今回の変動ゲームにおける掛け数(ベット数)を最大差数から減算しない。CPU40aは、RWM40cに記憶されている獲得数情報によって特定可能な遊技媒体の数を最大差数に加算する。
【0298】
・遊技機10では、第1通常状態であるときに、有利区間への移行条件が成立した場合、AT状態へ移行する場合があってもよい。このとき、遊技機10では、非有利区間から有利区間へ移行する。つまり、遊技機10では、第1通常状態であるときに、有利区間への移行条件が成立した場合、第2通常状態及びAT状態の何れかに移行してもよい。この場合、第2通常状態であるときにAT状態へ移行する確率は、第1通常状態であるときにAT状態へ移行する確率に比して、高くてもよい。
【0299】
・遊技機管理遊技媒体数表示部22は、遊技機10において発生したエラーを特定可能なエラー情報を表示する表示部として兼用されてもよい。CPU41aは、遊技不能状態であるときにエラー情報が表示されるように遊技機管理遊技媒体数表示部22を制御する一方、遊技可能状態であるときにエラー情報が表示されないように遊技機管理遊技媒体数表示部22を制御してもよい。つまり、CPU41aは、エラーが発生していたとしても、遊技可能状態であるときにはエラー情報が表示されないように遊技機管理遊技媒体数表示部22を制御してもよい。CPU41aは、エラー情報を表示する場合、遊技機管理遊技媒体数を特定可能な情報と、エラー情報と、が所定期間(一例として2000ms)毎に交互に表示されるように遊技機管理遊技媒体数表示部22を制御してもよい。
【0300】
・メイン制御基板40は、役比表示部(所謂、役比モニタ)を備えてもよい。CPU40aは、役比表示部の表示内容を制御可能であるとよい。一例として、役比表示部に表示される内容は、役物等状態比率、有利区間比率、連続役物比率、及び役物比率である。一例として、有利区間比率は、有利区間及び非有利区間において実行された変動ゲームの回数に占める、有利区間において実行された変動ゲームの回数の割合である。
【0301】
・メイン制御基板40の機能は、複数の基板に分割して実現されていてもよい。また、CPU40aは、単一の基板上に実装された複数のCPUから構成されていてもよい。遊技媒体数制御基板41の機能は、複数の基板に分割して実現されていてもよい。また、CPU41aは、単一の基板上に実装された複数のCPUから構成されていてもよい。
【0302】
・サブ制御基板42の機能は、複数の基板に分割して実現されていてもよい。例えば、演出表示部15を専門に制御する表示基板、スピーカ14を専門に制御する音基板、装飾ランプ13を専門に制御するランプ基板、及び振動装置24aと振動装置25aを専門に制御する振動基板を設けてもよく、これらの基板群を統括的に制御する統括基板をさらに設けてもよい。また、CPU42aは、単一の基板上に実装された複数のCPUから構成
されていてもよい。
【0303】
・遊技媒体数クリアボタン53は、遊技媒体数制御基板41とは異なる基板に設けられてもよい。設定器50は、メイン制御基板40とは異なる基板に設けられてもよい。設定ボタン51は、メイン制御基板40とは異なる基板に設けられてもよい。バックアップ電源52は、メイン制御基板40とは異なる基板に設けられてもよい。
【0304】
・遊技機10は、有利区間表示部33を備えなくてもよい。つまり、遊技機10は、有利区間に制御されているか否かを特定可能な情報を表示可能な表示部を備えなくてもよい。
【0305】
・上記実施形態において遊技機10が備える複数の遊技状態は、第1通常状態と、第2通常状態と、AT状態と、ボーナス状態と、により構成されていたが、これに限らず、適宜変更してもよい。一例として、遊技機10が備える複数の遊技状態は、第1通常状態と、第2通常状態と、AT状態と、により構成されてもよい。つまり、遊技機10が備える複数の遊技状態には、ボーナス状態が含まれなくてもよい。一例として、遊技機10が備える複数の遊技状態は、第1通常状態と、ボーナス状態と、により構成されてもよい。つまり、遊技機10が備える複数の遊技状態には、第2通常状態、及びAT状態が含まれなくてもよい。
【0306】
遊技機10が備える複数の遊技状態には、第1通常状態、第2通常状態、AT状態、及びボーナス状態の一部に代えて、又は加えて第1通常状態、第2通常状態、AT状態、及びボーナス状態とは異なる遊技状態が含まれてもよい。第1通常状態、第2通常状態、AT状態、及びボーナス状態とは異なる遊技状態には、RT(所謂、リプレイタイム)状態が含まれてもよく、ART(所謂、アシストリプレイタイム)状態が含まれてもよい。
【0307】
・ボーナス状態は、第1通常状態、第2通常状態、及びAT状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態でなくてもよい。一例として、ボーナス状態に制御されているときは、出玉率の期待値が100%未満であってもよい。ボーナス状態に制御されているときは、AT状態に制御されているときよりも払出役に当選し易いものの、AT状態に制御されているときよりも出玉率の期待値が低くなるように構成されてもよい。ボーナス状態に制御されているときは、第1通常状態及び第2通常状態に制御されているときよりも出玉率の期待値が、高くなるように構成されてもよく、低くなるように構成されてもよく、同一になるように構成されてもよい。そして、ボーナス状態では、AT開始条件が成立する場合がなくてもよい。一方、第1通常状態及び第2通常状態では、AT開始条件が成立する場合があってもよい。遊技機10では、第1通常状態であるときに遊技を開始した場合、ボーナス状態であるときに遊技を開始した場合よりもAT状態に制御され易くてもよい。これにより、遊技機10は、第1通常状態であるときに遊技を開始した場合、ボーナス状態であるときに遊技を開始した場合よりも出玉率の期待値が高くなるように構成されてもよい。これに限らず、遊技機10は、第1通常状態であるときに遊技を開始した場合、ボーナス状態であるときに遊技を開始した場合と比べ出玉率の期待値が同一又は略同一となるように構成されてもよい。つまり、ボーナス状態は、第1通常状態と同等、又は第1通常状態よりも不利な遊技状態であってもよい。遊技機10では、第2通常状態であるときに遊技を開始した場合、ボーナス状態であるときに遊技を開始した場合よりもAT状態に制御され易くてもよい。これにより、遊技機10は、第2通常状態であるときに遊技を開始した場合、ボーナス状態であるときに遊技を開始した場合よりも出玉率の期待値が高くなるように構成されてもよい。これに限らず、遊技機10は、第2通常状態であるときに遊技を開始した場合、ボーナス状態であるときに遊技を開始した場合と比べ出玉率の期待値が同一又は略同一となるように構成されてもよい。つまり、ボーナス状態は、第2通常状態と同等、又は第2通常状態よりも不利な遊技状態であってもよい。
【0308】
・遊技媒体数制御基板41の機能は、メイン制御基板40に統一して実現されてもよい。この場合、メイン制御基板40は、遊技媒体数クリアボタン53を備えてもよい。メイン制御基板40は、遊技機管理遊技媒体数表示部22と接続されてもよい。CPU40aは、遊技機管理遊技媒体数表示部22の表示内容を制御可能であってもよい。メイン制御基板40は、計数ボタン23と接続されてもよい。CPU40aは、計数ボタン23が操作されたときに出力する計数信号を入力可能であってもよい。そして、CPU40aは、上記実施形態においてCPU41aが実行する各種の処理を実行するとよい。
【0309】
・遊技機10は、バックアップ電源52からバックアップ電力の供給を受けることにより、電源断時におけるRWM42cの記憶内容を電源断後にも保持可能であるように構成されてもよい。
【0310】
・遊技機10は、電磁的な遊技媒体を用いて遊技を行うことに加えて、物理的な遊技媒体(一例として遊技メダル)を用いて遊技を行うことができるように構成されてもよい。この場合、遊技機10は、物理的な遊技媒体を機内部へ投入可能であってもよく、物理的な遊技媒体を機外部へ排出可能であってもよい。
【0311】
・遊技機10は、パチンコ遊技機として具体化してもよい。パチンコ遊技機では、所定の入賞口に遊技球が入球することが入賞することに相当する。パチンコ遊技機では、遊技球が発射されて、遊技球が所定の入賞口へ入球することにより遊技媒体が付与される。パチンコ遊技機は、遊技者が保有する遊技媒体(所謂、持ち球)の数をデータとして記憶可能であって、データとして記憶された遊技媒体を物理的な遊技媒体(遊技球)に変換して発射することにより遊技者の保有する遊技媒体の数を用いて変動ゲームを実行可能であってもよい。つまり、上記実施形態は、物理的な遊技媒体が払い出されないパチンコ遊技機(所謂、管理遊技機)に具体化してもよい。管理遊技機としてのパチンコ遊技機では、管理装置(管理ユニット)から遊技媒体が貸し出されたときに、持ち球の数を増加させることができる。管理遊技機としてのパチンコ遊技機では、パチンコ遊技機から管理装置へと持ち球の管理を移管して、持ち球を減少させることができる。
【0312】
各実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
(付記1)遊技者が保有する遊技媒体の数をデータで管理することが可能な遊技機において、演出を実行する演出実行手段と、前記演出実行手段を制御する演出制御手段と、を備え、前記演出には、遊技者が保有する遊技媒体の数が増加したことを特定可能な音声を出力する特定演出と、前記特定演出とは異なる特別演出と、が含まれ、遊技者が保有する遊技媒体の数が増加したときには、特定条件が成立する場合があり、入賞に伴って遊技者が保有する遊技媒体の数が増加したときにおいて前記特定条件が成立しないときには、前記特定演出が実行される一方、前記特別演出が実行されず、入賞に伴って遊技者が保有する遊技媒体の数が増加したときにおいて前記特定条件が成立したときには、前記特定演出に加えて、前記特別演出が実行されることを特徴とする遊技機。
【0313】
(付記2)前記特別演出が実行される位置は、変動ゲームが行われる位置よりも下方であり、且つ遊技者が保有する遊技媒体の数を表示可能な表示手段の位置よりも下方である(付記1)に記載の遊技機。
【0314】
(付記3)遊技者が操作可能な演出操作手段を備え、前記演出操作手段は、特殊演出を実行可能であり、前記特殊演出と、前記特別演出とは、振動の発生を伴う演出であり、前記特殊演出と、前記特別演出とでは、前記振動の強度が異なる(付記1)又は(付記2)に記載の遊技機。
【0315】
(付記4)外部機器から情報を入力できる外部入力手段を備え、前記外部機器から情報を入力したときには、前記遊技機が管理する遊技者が保有する遊技媒体の数が増加する場合があり、前記特定条件が成立していないときにおいて、前記外部機器から情報を入力したことにより前記遊技機が管理する遊技者が保有する遊技媒体の数が増加すると、前記特定条件が成立する場合があり、前記特定条件が成立しているときにおいて、入賞に伴って前記遊技機が管理する遊技者が保有する遊技媒体の数が増加したときには、前記特定演出に加えて、前記特別演出が実行される(付記1)~(付記3)のうち何れか一項に記載の遊技機。
【0316】
(付記5)前記特定条件が成立しているときにおいて、入賞に伴って遊技者が保有する遊技媒体の数が増加したときには、前記特定演出に加えて、前記特別演出が実行され、前記特定条件が成立しているときにおいて、変動ゲームが実行されるようにするために遊技媒体が用いられたことにより遊技者が保有する遊技媒体の数が減少すると、前記特定条件が非成立となる場合がある(付記1)~(付記4)のうち何れか一項に記載の遊技機。
【0317】
(付記6)遊技者が保有する遊技媒体の数をデータで管理することが可能な遊技機において、演出を実行する演出実行手段と、前記演出実行手段を制御する演出制御手段と、を備え、前記演出には、遊技者が保有する遊技媒体の数が増加したことを特定可能な音声を出力する特定演出と、前記特定演出とは異なる特別演出と、が含まれ、遊技者が保有する遊技媒体の数が特定数を超えている状況において、入賞に伴って遊技者が保有する遊技媒体の数が増加したときには、前記特定演出に加えて、前記特別演出が実行されることを特徴とする遊技機。
【0318】
(付記7)遊技者が保有する遊技媒体の数が前記特定数を超えていない状況において、入賞に伴って遊技者が保有する遊技媒体の数が前記特定数を超えなかったときには、前記特定演出が実行される一方、前記特別演出が実行されず、遊技者が保有する遊技媒体の数が前記特定数を超えていない状況において、入賞に伴って遊技者が保有する遊技媒体の数が前記特定数を超えたときには、前記特定演出に加えて、前記特別演出が実行される(付記6)に記載の遊技機。
【0319】
(付記8)掛け数を設定する操作を可能な掛け数操作手段を備え、掛け数が設定されているときに開始操作手段の操作に基づいて変動ゲームを実行可能であり、前記演出制御手段は、前記特別演出の実行中において前記掛け数操作手段が操作されたとき、前記特別演出を終了させることが可能である(付記6)又は(付記7)に記載の遊技機。
【0320】
(付記9)入賞に伴って遊技者が保有する遊技媒体の数が前記特定数を超えたときに前記特別演出が開始された場合、当該特別演出は、入賞に伴って遊技者が保有する遊技媒体の数が増加した後においても実行可能である(付記6)~(付記8)のうち何れか一項に記載の遊技機。
【0321】
(付記10)前記特定演出は、遊技状態及び入賞した役のうち少なくとも一方に応じて演出態様が異なる場合があり、前記特別演出は、遊技状態及び入賞した役にかかわらず演出態様が同じである(付記6)~(付記9)のうち何れか一項に記載の遊技機。
【符号の説明】
【0322】
10…遊技機 12…前面扉 13…装飾ランプ 14…スピーカ 15…演出表示部
16a…左リール 16b…中リール 16c…右リール 17…1ベットボタン 18…MAXベットボタン 19…精算ボタン 20…スタートレバー 21a…左ストップボタン 21b…中ストップボタン 21c…右ストップボタン 22…遊技機管理遊技媒体数表示部 23…計数ボタン 24…演出操作部 24a…振動装置 30…情報
表示部 35…払出表示部 40…メイン制御基板 40a…CPU 40b…ROM 40c…RWM 41…遊技媒体数制御基板 41a…CPU 41b…ROM 41c…RWM 42…サブ制御基板 42a…CPU 42b…ROM 42c…RWM 53…遊技媒体数クリアボタン 90…接続端子板 100…管理ユニット 110…CU制御基板
図1
図2
図3
図4
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図10
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