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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024033590
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】配線シート
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/00 20060101AFI20240306BHJP
   G01R 31/54 20200101ALI20240306BHJP
【FI】
H05K3/00 T
G01R31/54
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022137254
(22)【出願日】2022-08-30
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】松保 諒
(72)【発明者】
【氏名】塚田 孝高
(72)【発明者】
【氏名】三浦 大史
【テーマコード(参考)】
2G014
【Fターム(参考)】
2G014AA13
2G014AB59
2G014AC01
2G014AC09
(57)【要約】
【課題】ベース基材上に導電性配線が形成されてロール状に巻き取られた配線シートにおいて、ロール状に巻き取られた状態で導電性配線の導通検査を容易に行う。
【解決手段】ベース基材10と、ベース基材10上に形成された導電性配線20a~20dとを有し、ロール状に巻き取られた配線シート1であって、導電性配線20a~20dのそれぞれは、その一端が、ロール状に巻き取られた配線シート1の巻き終わり端部11b側に位置し、他端が、ロール状に巻き取られた配線シート1の巻き始め端部11a側に位置し、ベース基材10上の領域のうち、導電性配線20a~20dの前記一端よりも配線シート1の巻き始め端部11a側の領域に、導電性配線20a~20dを電気的に短絡するように導電テープ50が積層されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース基材と、前記ベース基材上に形成された2本の導電性配線とを有し、ロール状に巻き取られた配線シートであって、
前記2本の導電性配線のそれぞれは、その一端が、前記ロール状に巻き取られた配線シートの巻き終わり端部側に位置し、他端が、前記ロール状に巻き取られた配線シートの巻き始め端部側に位置し、
前記ベース基材上の領域のうち、前記2本の導電性配線の前記一端よりも前記配線シートの巻き始め端部側の領域に、前記2本の導電性配線を電気的に短絡するように短絡用部材が積層されている、配線シート。
【請求項2】
請求項1に記載の配線シートにおいて、
前記短絡用部材は、前記2本の導電性配線の前記他端間を電気的に短絡するように前記ベース基材上に積層されている、配線シート。
【請求項3】
ベース基材と、前記ベース基材上に形成された導電性配線とを有し、ロール状に巻き取られた配線シートであって、
前記導電性配線は、その一端が、前記ロール状に巻き取られた配線シートの巻き終わり端部に側に位置し、他端が、前記ロール状に巻き取られた配線シートの巻き始め端部側に位置し、
前記ベース基材上の領域のうち、前記導電性配線の前記一端よりも前記配線シートの巻き始め端部側の領域に、前記導電性配線に電気的に接続された検査用部材が積層され、
前記検査用部材は、その一部が前記ロール状に巻き取られた配線シートの巻き取り方向に延びる側辺から突出している、配線シート。
【請求項4】
請求項3に記載の配線シートにおいて、
前記検査用部材は、前記導電性配線の前記他端に電気的に接続されて前記ベース基材上に積層されている、配線シート。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の配線シートにおいて、
前記ベース基材上には、前記導電性配線の少なくとも一部を覆うように保護層が積層されている、配線シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベース基材上に導電性配線が形成され、ロール状に巻き取られた配線シートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ベース基材上に導電性配線を形成し、水分や油分が付着した場合に、導電性配線を短絡させたり断線させたり、あるいは抵抗値を変化させたりすることで、水分や油分の漏れを検出する技術が考えられており、例えば、特許文献1に開示されている。
【0003】
このような技術において、水分や油分の漏れを検出するセンシングエリアを広範囲に広げるために、長尺状のベース基材に導電性配線を長尺方向に延びるように形成した構成が考えられる。そのような構成の配線シートは、長尺方向にロール状に巻き取られることで、保管や持ち運びが容易なものとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-525380号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、ベース基材上に導電性配線が形成された配線シートをロール状に巻き取った場合、導電性配線のほとんどの領域が表出していない状態となっている。そのため、ロール状に巻き取った後、導電性配線の導通検査をすることが困難となってしまうという問題点がある。ロール状から引き出して外観で検査をすることが考えられるが、その場合、ロール状から引き出し、検査後再びロール状に巻き取るための手間がかかってしまうとともに、微細な断線まで外観で検査をすることは困難である。
【0006】
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、ベース基材上に導電性配線が形成されてロール状に巻き取られた配線シートにおいて、ロール状に巻き取られた状態で導電性配線の導通検査を容易に行うことができる配線シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明は、
ベース基材と、前記ベース基材上に形成された2本の導電性配線とを有し、ロール状に巻き取られた配線シートであって、
前記2本の導電性配線のそれぞれは、その一端が、前記ロール状に巻き取られた配線シートの巻き終わり端部側に位置し、他端が、前記ロール状に巻き取られた配線シートの巻き始め端部側に位置し、
前記ベース基材上の領域のうち、前記2本の導電性配線の前記一端よりも前記配線シートの巻き始め端部側の領域に、前記2本の導電性配線を電気的に短絡するように短絡用部材が積層されている配線シートである。
【0008】
上記のように構成された本発明においては、ベース基材上に形成された2本の導電性配線のそれぞれが、その一端が、ロール状に巻き取られた配線シートの巻き終わり端部側に位置し、他端が、ロール状に巻き取られた配線シートの巻き始め端部側に位置し、2本の導電性配線の前記一端よりも配線シートの巻き始め端部側の領域において2本の導電性配線が短絡用部材を介して電気的に短絡しているので、ロール状に巻き取られた状態において、ロール状に巻き取られた配線シートの巻き終わり端部側に位置する2本の導電性配線の一端間の導通状態を検査することで、導電性配線の導通検査を行うことができる。
【0009】
また、短絡用部材が、2本の導電性配線の前記他端間を電気的に短絡するようにベース基材上に積層されていれば、2本の導電性配線全体の導通検査を行うことができる。
【0010】
また、ベース基材と、前記ベース基材上に形成された導電性配線とを有し、ロール状に巻き取られた配線シートであって、
前記導電性配線は、その一端が、前記ロール状に巻き取られた配線シートの巻き終わり端部側に位置し、他端が、前記ロール状に巻き取られた配線シートの巻き始め端部側に位置し、
前記ベース基材上の領域のうち、前記導電性配線の前記一端よりも前記配線シートの巻き始め端部側の領域に、前記導電性配線に電気的に接続された検査用部材が積層され、
前記検査用部材は、その一部が前記ロール状に巻き取られた配線シートの巻き取り方向に延びる側辺から突出している配線シートである。
【0011】
上記のように構成された本発明においては、ベース基材上に形成された導電性配線が、その一端が、ロール状に巻き取られた配線シートの巻き終わり端部側に位置し、他端が、ロール状に巻き取られた配線シートの巻き始め端部側に位置し、導電性配線の前記一端よりも配線シートの巻き始め端部側の領域において検査用部材に電気的に接続されており、検査用部材の一部がロール状に巻き取られた配線シートの巻き取り方向に延びる側辺から突出しているので、ロール状に巻き取られた状態において、導電性配線の配線シートの巻き終わり端部側に位置する一端と、ロール状に巻き取られた配線シートの側辺から突出した検査用部材の一部との間の導通状態を検査することで、導電性配線の導通検査を行うことができる。
【0012】
また、検査用部材が、導電性配線の前記他端に電気的に接続されてベース基材上に積層されていれば、導電性配線全体の導通検査を行うことができる。
【0013】
また、ベース基材上に、導電性配線の少なくとも一部を覆うように保護層が積層されていれば、導電性配線が保護される。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ベース基材上に形成された2本の導電性配線のそれぞれが、その一端が、ロール状に巻き取られた配線シートの巻き終わり端部側に位置し、他端が、ロール状に巻き取られた配線シートの巻き始め端部側に位置している構成において、2本の導電性配線の前記一端よりも配線シートの巻き始め端部側の領域において2本の導電性配線が短絡用部材を介して電気的に短絡しているため、ロール状に巻き取られた状態において、2本の導電性配線の配線シートの巻き終わり端部側に位置する一端間の導通状態を検査することで、導電性配線の導通検査を容易に行うことができる。
【0015】
また、短絡用部材が、2本の導電性配線の前記他端間を電気的に短絡するようにベース基材上に積層されているものにおいては、2本の導電性配線全体の導通検査を行うことができる。
【0016】
また、本発明によれば、ベース基材上に形成された導電性配線が、その一端が、ロール状に巻き取られた配線シートの巻き終わり端部側に位置し、他端が、ロール状に巻き取られた配線シートの巻き始め端部側に位置している構成において、導電性配線の前記一端よりも配線シートの巻き始め端部側の領域において導電性配線が検査用部材に電気的に接続されており、検査用部材の一部がロール状に巻き取られた配線シートの巻き取り方向に延びる側辺から突出しているため、ロール状に巻き取られた状態において、導電性配線の配線シートの巻き終わり端部側に位置する一端と、ロール状に巻き取られた配線シートの側辺から突出した検査用部材の一部との間の導通状態を検査することで、導電性配線の導通検査を容易に行うことができる。
【0017】
また、検査用部材が、導電性配線の前記他端に電気的に接続されてベース基材上に積層されているものにおいては、導電性配線全体の導通検査を行うことができる。
【0018】
また、ベース基材上に、導電性配線の少なくとも一部を覆うように保護層が積層されているものにおいては、導電性配線を保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の配線シートの第1の実施の形態を示す図であり、(a)は外観図、(b)はベース基材上の構成を示す図である。
図2図1に示した配線シートの使用方法の一例を説明するための図である。
図3図1に示した配線シートにおける導電性配線の導通検査方法を説明するための図である。
図4】本発明の配線シートの第2の実施の形態を示す図であり、(a)は外観図、(b)はベース基材上の構成を示す図である。
図5図4に示した配線シートの使用方法の例を説明するための図である。
図6図4に示した配線シートにおける導電性配線の導通検査方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0021】
(第1の実施の形態)
〈配線シートの構成〉
図1は、本発明の配線シートの第1の実施の形態を示す図であり、(a)は外観図、(b)はベース基材10上の構成を示す図である。
【0022】
本形態は図1に示すように、ベース基材10上に4本の導電性配線20a~20dが形成された配線シート1である。
【0023】
ベース基材10は、フィルム等の絶縁性材料から構成され、長尺状の形状を有している。
【0024】
導電性配線20a~20dは、導電性インクを用いてベース基材10の一方の面に形成されている。導電性配線20a~20dは、ベース基材10の長尺方向の一方の端部から他方の端部まで互いに並行して延びている。
【0025】
ベース基材10の導電性配線20a~20dが形成された面には、保護層30が積層されている。保護層30は、導電性配線20a~20d上に所定の間隔を隔てて島状に積層されており、これにより、保護層30は、ベース基材10上において導電性配線20a~20dの一部を覆うように積層されている。保護層30は、樹脂等の絶縁性材料を印刷によって導電性配線20a~20dの一部を覆うようにパターン塗工することで積層することが考えられる。このようにベース基材10上において導電性配線20a~20dの一部を覆うように保護層30が積層されていることにより、導電性配線20a~20dが保護される。
【0026】
このように構成された配線シート1は、ベース基材10の長尺方向に巻き芯40を中心としてロール状に巻き取られている。それにより、導電性配線20a~20dは、その一端が配線シート1の巻き終わり端部11bに位置し、他端が配線シート1の巻き始め端部11aに位置する。
【0027】
配線シート1の巻き始め端部11aの近傍には導電テープ50が配置されている。導電テープ50は、本願発明にて短絡用部材となるものである。導電テープ50は、ベース基材10の導電性配線20a~20dが形成された面において、保護層30を避けて導電性配線20a~20d上を横切るようにして積層され、導電性接着剤によってベース基材10に接着されている。これにより、導電性配線20a~20dは、配線シート1の巻き始め端部11aの近傍において導電テープ50によって互いに電気的に短絡している。このような構成とすることで、導電テープ50は、配線シート1がロール状に巻き取られることで導電性配線20a~20dが表出していない領域に積層されていることになる。
【0028】
〈配線シートの使用方法〉
以下に、上記のように構成された配線シート1の使用方法について説明する。
【0029】
図2は、図1に示した配線シート1の使用方法の一例を説明するための図である。
【0030】
図1に示した配線シート1は、例えば、配管に取り付けられ、配管からの水分の漏れを検出するために使用される。
【0031】
その場合はまず、図1に示したロール状に巻き取られた配線シート1を引き出し、図2(a)に示すように導電性配線20a~20dのうち2本の導電性配線20a,20bが形成された領域を切断し、さらに、配管における水分の漏れを検出する範囲に応じた長さに切断する。なお、配管からの水分の漏れを検出するために使用する場合、後述するように2本の導電性配線20a,20bが水分によって短絡するかどうかによって配管からの水分の漏れを検出するため、まず、導電性配線20a~20dのうち2本の導電性配線20a,20bが形成された領域を切断して再度ロール状に巻き取っておき、実際の使用時に、配管における水分の漏れを検出する範囲に応じた長さに切断することが考えられる。その場合でも、配線シート1の切断された領域を再度ロール状に巻き取る際に、その巻き始め端部の近傍において、保護層30を避けて導電性配線20a,20b上を横切るように導電テープ50を積層しておくことになる。
【0032】
その後、図2(b)に示すように、導電性配線20a,20bの一方の端部に電気的に接続されるように接続コネクタ4を接続する。接続コネクタ4は、切断された長尺状のベース基材10の長尺方向の一方の端部が突き当られた場合に導電性配線20a,20bと電気的に接続される端子(不図示)を有しており、接続コネクタ4にベース基材10の長尺方向の一方の端部を突き当てることで、導電性配線20a,20bの一方の端部を接続コネクタ4に電気的に接続することができる。接続コネクタ4には、ケーブル6a,6bを介してRFIDタグ8が接続されている。接続コネクタ4の導電性配線20a,20bと電気的に接続される端子はケーブル6a,6bと電気的に接続されているため、導電性配線20a,20bの一方の端部を接続コネクタ4に電気的に接続することで、導電性配線20a,20bが接続コネクタ4及びケーブル6a,6bを介してRFIDタグ8と電気的に接続されることになる。
【0033】
このように導電性配線20a,20bが接続コネクタ4及びケーブル6a,6bを介してRFIDタグ8と電気的に接続された配線シート1を配管に取り付け、2本の導電性配線20a,20b間の導通状態を検査する。具体的には、RFIDタグ8と非接触通信が可能な検査装置5からRFIDタグ8に電力を供給することで、RFIDタグ8からケーブル6a,6b及び接続コネクタ4を介して導電性配線20a,20bに電流を供給して抵抗値を検出する。配管にて水分の漏れが発生していない場合は、2本の導電性配線20a,20b間は導通しておらず、そのため、検査装置5からRFIDタグ8を介して導電性配線20a,20bに電流が供給されても導電性配線20a,20bには電流が流れず、それにより、検査装置5にてRFIDタグ8を介して検出される抵抗値は、ほぼ無限大となる。
【0034】
一方、配管にて水分の漏れが発生している場合は、2本の導電性配線20a,20b間が水分によって導通し、それにより、検査装置5からRFIDタグ8を介して導電性配線20a,20bに電流が供給されると導電性配線20a,20bに電流が流れ、検査装置5にてRFIDタグ8を介して一定の抵抗値が検出されることになる。
【0035】
検査装置5においては、このようにしてRFIDタグ8を介して検出した抵抗値に基づいて配管に水分の漏れが発生しているかどうかを判断することになる。
【0036】
なお、導電性配線20a,20bを接続コネクタ4及びケーブル6a,6bを介してRFIDタグ8に接続し、検査装置5にてRFIDタグ8を介して抵抗値を検出するのではなく、導電性配線20a,20bを接続コネクタ4及びケーブル6a,6bを介して検査装置5に直接接続し、検査装置5にて抵抗値を検出する構成としてもよい。
【0037】
〈導電性配線20a~20dの導通検査方法〉
以下に、上記のように構成された配線シート1における導電性配線20a~20dの導通検査方法について説明する。
【0038】
図3は、図1に示した配線シート1における導電性配線20a~20dの導通検査方法を説明するための図である。
【0039】
図1に示した配線シート1においては、上述したように、配線シート1の巻き始め端部11aの近傍に導電テープ50が配置されていることで、導電性配線20a~20dが、配線シート1の巻き始め端部11aの近傍において導電テープ50によって互いに電気的に短絡している。
【0040】
そこで、導電性配線20a~20dそれぞれの導通検査を行うためには、図3に示すようにまず、導電性配線20a,20bの配線シート1の巻き終わり端部11bに位置する一端にケーブル3a,3bを介して計測器2を接続し、導電性配線20a,20bの導通検査を行う。導通状態が検出されれば、導電性配線20a,20bのいずれにおいても断線が発生していないことが確認される。また同様に、導電性配線20c,20dの配線シート1の巻き終わり端部11bに位置する一端にケーブル3a,3bを介して計測器2を接続し、導電性配線20c,20dの導通検査を行い、導通状態が検出されれば、導電性配線20c,20dのいずれにおいても断線が発生していないことが確認される。
【0041】
これにより、ベース基材10に形成された導電性配線20a~20dのいずれにおいても断線が発生していないことを確認することができる。
【0042】
一方、上述したようにして導電性配線20a,20bの導通検査を行った結果、導通状態が検出されなかった場合は、導電性配線20a,20bの少なくとも一方に断線が発生していることになる。その場合、導電性配線20a,20bのうち断線が発生している導電性配線を特定するためには、まずは、断線が発生していない導電性配線を探すことになる。
【0043】
本形態においては、ベース基材10上に4本の導電性配線20a~20dが形成されている。そこでまず、導電性配線20c,20dの配線シート1の巻き終わり端部11bに位置する一端にケーブル3a,3bを介して計測器2を接続し、導電性配線20c,20dの導通検査を行う。そして、導電性配線20c,20dの導通状態が検出されれば、導電性配線20c,20dのいずれにおいても断線が発生していないことが確認される。
【0044】
そのため次に、導電性配線20a,20cまたは導電性配線20a,20dの配線シート1の巻き終わり端部11bに位置する一端にケーブル3a,3bを介して計測器2を接続し、導電性配線20a,20cまたは導電性配線20a,20dの導通検査を行う。そして、導電性配線20a,20cまたは導電性配線20a,20dの導通状態が検出されれば、導電性配線20aに断線が発生していないことが確認される。一方、導電性配線20a,20cまたは導電性配線20a,20dの導通状態が検出されなければ、導電性配線20aに断線が発生していることが確認される。
【0045】
また同様に、導電性配線20b,20cまたは導電性配線20b,20dの配線シート1の巻き終わり端部11bに位置する一端にケーブル3a,3bを介して計測器2を接続し、導電性配線20b,20cまたは導電性配線20b,20dの導通検査を行う。そして、導電性配線20b,20cまたは導電性配線20b,20dの導通状態が検出されれば、導電性配線20bに断線が発生していないことが確認される。一方、導電性配線20b,20cまたは導電性配線20b,20dの導通状態が検出されなければ、導電性配線20bに断線が発生していることが確認される。
【0046】
また、上述したようにして導電性配線20a,20bの導通検査を行った結果、導通状態が検出されず、かつ、導電性配線20c,20dの導通検査を行った結果においても、導通状態が検出されなかった場合は、まず、導電性配線20a,20cの配線シート1の巻き終わり端部11bに位置する一端にケーブル3a,3bを介して計測器2を接続し、導電性配線20a,20cの導通検査を行う。そして、導電性配線20a,20cの導通状態が検出されれば、導電性配線20a,20cのいずれにおいても断線が発生しておらず、導電性配線20b,20dのそれぞれにて断線が発生していることが確認される。
【0047】
また、導電性配線20a,20cの導通状態が検出されなかった場合は、導電性配線20b,20dの配線シート1の巻き終わり端部11bに位置する一端にケーブル3a,3bを介して計測器2を接続し、導電性配線20b,20dの導通検査を行う。そして、導電性配線20b,20dの導通状態が検出されれば、導電性配線20b,20dのいずれにおいても断線が発生しておらず、導電性配線20a,20cに断線が発生していることが確認される。
【0048】
また、導電性配線20b,20dの導通状態が検出されなかった場合は、導電性配線20a,20dの配線シート1の巻き終わり端部11bに位置する一端にケーブル3a,3bを介して計測器2を接続し、導電性配線20a,20dの導通検査を行う。そして、導電性配線20a,20dの導通状態が検出されれば、導電性配線20a,20dのいずれにおいても断線が発生しておらず、導電性配線20b,20cに断線が発生していることが確認される。
【0049】
また、導電性配線20a,20dの導通状態が検出されなかった場合は、導電性配線20b,20cの配線シート1の巻き終わり端部11bに位置する一端にケーブル3a,3bを介して計測器2を接続し、導電性配線20b,20cの導通検査を行う。そして、導電性配線20b,20cの導通状態が検出されれば、導電性配線20b,20cのいずれにおいても断線が発生しておらず、導電性配線20a,20dに断線が発生していることが確認される。
【0050】
また、導電性配線20b,20cの導通状態が検出されなかった場合は、導電性配線20a~20dの全てにおいて断線が発生していることが確認される。
【0051】
このように、4本の導電性配線20a~20dのうち2本の導電性配線の導通検査を行った結果、導通状態を確認できなかった場合、まず断線が発生していない導電性配線を特定し、その後、断線が発生していない導電性配線と、導通状態を確認したい導電性配線の導通検査を行うことで、断線が発生している導電性配線を特定することができる。
【0052】
上述したように本形態においては、ベース基材10上に形成された導電性配線20a~20dが、ベース基材10がロール状に巻き取られることで導電性配線20a~20dが表出していない領域において導電テープ50を介して電気的に短絡しているので、ロール状に巻き取られた状態において、導電性配線20a~20dのうち2本の導電性配線の配線シート1の巻き終わり端部11bに位置する一端間の導通状態を検査することで、導電性配線20a~20dの導通検査を行うことができる。
【0053】
なお、導電性配線20a~20dのうち、配管からの水分の漏れの検出に用いる2本の導電性配線20a,20bが形成された領域を切断して再度ロール状に巻き取っておく場合でも、その巻き始め端部の近傍において、保護層30を避けて導電性配線20a,20b上を横切るように導電テープ50を積層しておくことで、導電性配線20a,20bが配線シート1の巻き始めの端部の近傍において導電テープ50を介して短絡しているため、導電性配線20a,20bの配線シート1の巻き終わり端部に位置する一端にケーブル3a,3bを介して計測器2を接続して導電性配線20a,20bの導通検査を行うことができる。
【0054】
また、本形態においては、ベース基材10上において配線シート1の巻き始め端部11aの近傍に導電テープ50が積層、接着されることで導電性配線20a~20dが互いに電気的に短絡しているが、配線シート1の巻き始め端部11aに導電テープ50が積層、接着された構成とすれば、導電性配線20a~20dが、配線シート1の巻き始め端部11a側に位置する端部間にて電気的に短絡することとなり、それにより、検査対象となる2本の導電性配線についてその全体の導通検査を行うことができる。
【0055】
また、本形態においては、ベース基材10上に4本の導電性配線20a~20dが形成された構成を例に挙げて説明したが、導電性配線は、ベース基材10上に少なくとも2本形成されていれば、上述したようにケーブル3a,3bを接続することで導通検査を行うことができ、2本以上であれば何本形成されていても構わない。
【0056】
また、本形態においては、導電テープ50が導電性接着剤によってベース基材10に接着されている。しかしながら、導電性配線20a~20dの配線シート1における巻き始め端部11a側において、導電性配線20a~20dが互いに電気的に接続されるように導電性配線を形成し、上述した短絡用部材の役割を導電性配線そのもので果たしてもよい。
【0057】
(第2の実施の形態)
〈配線シートの構成〉
図4は、本発明の配線シートの第2の実施の形態を示す図であり、(a)は外観図、(b)はベース基材10上の構成を示す図である。
【0058】
本形態は図4に示すように、図1に示したものに対して、導電テープ150の形状が異なる配線シート101である。
【0059】
本形態における導電テープ150は、本願発明にて検査用部材となるものである。導電テープ150は、ベース基材10の導電性配線20a~20dが形成された面において、保護層30を避けて導電性配線20a~20d上を横切るようにして積層され、導電性接着剤によってベース基材10に接着されている。これにより、導電テープ150は、配線シート101の巻き始め端部11aの近傍において導電性配線20a~20dと電気的に接続されている。このような構成とすることで、導電テープ150は、配線シート101がロール状に巻き取られることで導電性配線20a~20dが表出していない領域に積層されていることになる。また、本形態における導電テープ150は、その一部がロール状に巻き取られた配線シート101の巻き取り方向に延びる側辺から突出している。
【0060】
〈配線シートの使用方法〉
以下に、上記のように構成された配線シート101の使用方法について説明する。
【0061】
図5は、図4に示した配線シート101の使用方法の例を説明するための図である。
【0062】
図4に示した配線シート101は、例えば、配管に取り付けられ、配管からの油分の漏れを検出するために使用される。
【0063】
その場合も、図4に示したロール状に巻き取られた配線シート101を引き出し、図2(a)に示したものと同様に、導電性配線20a~20dのうち2本の導電性配線20a,20bが形成された領域を切断し、さらに、配管における油分の漏れを検出する範囲に応じた長さに切断する。この場合においても、まず、導電性配線20a~20dのうち2本の導電性配線20a,20bが形成された領域を切断して再度ロール状に巻き取っておき、実際の使用時に、配管における水分の漏れを検出する範囲に応じた長さに切断することが考えられる。その際、配線シート1の切断された領域を再度ロール状に巻き取る際に、その巻き始め端部の近傍において、保護層30を避けて導電性配線20a,20b上を横切り、かつ、配線シート101の巻き取り方向に延びる側辺から突出するように導電テープ150を積層しておくことになる。
【0064】
その後、図5(a)に示すように、導電性配線20a,20bの一方の端部に電気的に接続されるように接続コネクタ4を接続するとともに、導電性配線20a,20bの他方の端部に接続部材7を接続する。接続部材7は、1本の配線の両端に2つの接続端子を有しており、この2つの接続端子に導電性配線20a,20bの端部がそれぞれ接続されることで、導電性配線20a,20bが電気的に接続された状態となる。接続コネクタ4には、切断された長尺状のベース基材10の長尺方向の一方の端部が突き当られた場合に導電性配線20a,20bと電気的に接続される端子(不図示)を有しており、接続コネクタ4にベース基材10の長尺方向の一方の端部を突き当てることで、導電性配線20a,20bの一方の端部を接続コネクタ4に電気的に接続する。接続コネクタ4には、ケーブル6a,6bを介してRFIDタグ8が接続されている。ケーブル6a,6bは、導電性配線20a,20bと電気的に接続された端子と電気的に接続されているため、導電性配線20a,20bの一方の端部を接続コネクタ4に電気的に接続することで、導電性配線20a,20bが接続コネクタ4及びケーブル6a,6bを介してRFIDタグ8と電気的に接続されることになる。
【0065】
このように導電性配線20a,20bが接続部材7を介して互いに電気的に接続されることで1本の導電性配線となるとともに、導電性配線20a,20bが接続コネクタ4及びケーブル6a,6bを介してRFIDタグ8と電気的に接続された配線シート101を配管に取り付け、2本の導電性配線20a,20bの導通状態を検査する。具体的には、RFIDタグ8と非接触通信が可能な検査装置5からRFIDタグ8に電力を供給することで、RFIDタグ8からケーブル6a,6b及び接続コネクタ4を介して導電性配線20a,20bに電流を供給して抵抗値を検出する。配管にて油分の漏れが発生していない場合は、2本の導電性配線20a,20bが接続部材7を介して導通している。そのため、検査装置5からRFIDタグ8を介して導電性配線20a,20bに電流が供給された場合、導電性配線20a,20bに電流が流れ、それにより、検査装置5にて導電性配線20a,20bと接続部材7とケーブル6a,6bとを合わせた抵抗値がRFIDタグ8を介して検出されることになる。
【0066】
一方、配管にて油分の漏れが発生している場合は、導電性配線20a,20bが油分で断線し、それにより、検査装置5からRFIDタグ8を介して導電性配線20a,20bに電流が供給されても導電性配線20a,20bには電流が流れず、検査装置5にてRFIDタグ8を介して検出される抵抗値は、ほぼ無限大となる。
【0067】
また、上述したように、配管からの油分の漏れを検出するために使用する場合、導電性配線20a,20bが油分によって断線するかどうかによって配管からの油分の漏れを検出するため、図5(b)に示すように、図4に示したロール状に巻き取られた配線シート101を引き出し、導電性配線20a~20dのうち1本の導電性配線20aが形成された領域を切断し、さらに、配管における油分の漏れを検出する範囲に応じた長さに切断し、導電性配線20aの両端にケーブル6a,6bを介して検査装置5を接続してもよい。この場合においても、まず、導電性配線20a~20dのうち1本の導電性配線20aが形成された領域を切断して再度ロール状に巻き取っておき、実際の使用時に、配管における水分の漏れを検出する範囲に応じた長さに切断することが考えられる。またその際、配線シート101の切断された領域を再度ロール状に巻き取る際に、その巻き始め端部の近傍において、保護層30を避けて導電性配線20aに接続され、かつ、配線シート101の巻き取り方向に延びる側辺から突出するように導電テープ150を積層しておく。
【0068】
そして、検査装置5からRFIDタグ8に電力を供給することで、RFIDタグ8からケーブル6a,6b及び接続コネクタ4を介して導電性配線20a,20bに電流を供給して抵抗値を検出する。配管にて油分の漏れが発生していない場合は、導電性配線20aが断線していないため、検査装置5からRFIDタグ8を介して導電性配線20aに電流が供給された場合、導電性配線20aに電流が流れ、それにより、検査装置5にて導電性配線20aと、ケーブル6a,6bとを合わせた抵抗値がRFIDタグ8を介して検出されることになる。
【0069】
一方、配管にて油分の漏れが発生している場合は、導電性配線20aが油分で断線し、それにより、検査装置5からRFIDタグ8を介して導電性配線20aに電流が供給されても導電性配線20aには電流が流れず、検査装置5にてRFIDタグ8を介して検出される抵抗値は、ほぼ無限大となる。
【0070】
検査装置5においては、このようにしてRFIDタグ8を介して検出した抵抗値に基づいて配管に油分の漏れが発生しているかどうかを判断することになる。なお、油分の漏れが発生した場合に導電性配線が断線する構成ではなく、その抵抗値が変化する構成を用いて油分の漏れが発生しているかどうかを判断してもよい。その場合においても、図5(a),(b)に示したように、導電性配線20a,20bにRFIDタグ8を接続し、RFIDタグ8と非接触通信が可能な検査装置5からRFIDタグ8を介して導電性配線20a,20bに電流を供給することで抵抗値を検出し、検出した抵抗値に基づいて、配管に油分の漏れが発生しているかどうかを判断することになる。
【0071】
〈導電性配線20a~20dの導通検査方法〉
以下に、上記のように構成された配線シート101における導電性配線20a~20dの導通検査方法について説明する。
【0072】
図6は、図4に示した配線シート101における導電性配線20a~20dの導通検査方法を説明するための図である。
【0073】
図4に示した配線シート101においては、上述したように、配線シート101の巻き始め端部11aの近傍に導電テープ150が配置されていることで、導電性配線20a~20dが、配線シート101の巻き始め端部11aの近傍において導電テープ150と電気的に接続されている。また、導電テープ150の一部がロール状に巻き取られた配線シート101の巻き取り方向に延びる側辺から突出している。
【0074】
そこで、導電性配線20a~20dそれぞれの導通検査を行うためには、図6に示すようにまず、導電性配線20aの配線シート101の巻き終わり端部11bに位置する一端にケーブル3aを介して計測器2を接続するとともに、導電テープ150の配線シート101の側辺から突出した部分にケーブル3bを介して計測器2を接続し、導電性配線20aの導通検査を行う。導通状態が検出されれば、導電性配線20aに断線が発生していないことが確認される。また、導電性配線20b~20dについても同様に、導電性配線20b~20dの配線シート101の巻き終わり端部11bに位置する一端にケーブル3aを介して計測器2を接続するとともに、導電テープ150の配線シート101の側辺から突出した部分にケーブル3bを介して計測器2を接続し、導電性配線20b~20dの導通検査を行う。導通状態が検出されれば、導電性配線20b~20dに断線が発生していないことが確認される。
【0075】
一方、上述したようにして導電性配線20a~20dそれぞれの導通検査を行った結果、導通状態が検出されなかった場合は、導通状態が検出されなかった導電性配線20a~20dにて断線が発生していることが確認される。
【0076】
上述したように本形態においては、ベース基材10上に形成された導電性配線20a~20dが、ベース基材10がロール状に巻き取られることで導電性配線20a~20dが表出していない領域において導電テープ150に電気的に接続されており、導電テープ150の一部がロール状に巻き取られた配線シート101の巻き取り方向に延びる側辺から突出しているので、ロール状に巻き取られた状態において、導電性配線20a~20dの配線シート101の巻き終わり端部11bに位置する一端と、ロール状に巻き取られた配線シート101の側辺から突出した導電テープ150の一部との間の導通状態を検査することで、導電性配線20a~20dの導通検査を行うことができる。また、導電テープ150の一部が配線シート101の巻き取り方向に延びる側辺から突出していることで、導電テープ150が配線シート101のどこに配置されているかがわかりやすいという利点もある。
【0077】
なお、導電性配線20a~20dのうち、配管からの油分の漏れの検出に用いる1本または2本の導電性配線20a,20bが形成された領域を切断して再度ロール状に巻き取っておく場合でも、その巻き始め端部の近傍において、保護層30を避けて導電性配線20a,20b上を横切るように導電テープ150を積層しておくことで、導電性配線20a,20bが配線シート101の巻き始めの端部において導電テープ150と電気的に接続されていることになるため、導電性配線20a,20bの配線シート101の巻き終わり端部11bに位置する一端にケーブル3aを介して計測器2を接続するとともに、導電テープ150の配線シート101の側辺から突出した部分にケーブル3bを介して計測器2を接続して導電性配線20a,20bの導通検査を行うことができる。
【0078】
なお、本形態においては、ベース基材10上において配線シート101の巻き始め端部11aの近傍に導電テープ150が積層、接着されることで導電テープ150と導電性配線20a~20dとが電気的に導通しているが、配線シート101の巻き始め端部11aに導電テープ150が積層、接着された構成とすれば、導電性配線20a~20dが、配線シート101の巻き始め端部11a側に位置する端部にて導電テープ150と電気的に接続することとなり、それにより、検査対象となる導電性配線についてその全体の導通検査を行うことができる。
【0079】
また、本形態においては、導電テープ150が導電性接着剤によってベース基材10に接着されている。しかしながら、導電性配線20a~20dの配線シート101における巻き始め端部11a側において、導電性配線20a~20dが互いに電気的に接続されるように導電性配線を形成し、この導電性配線に導電性部材を取り付け、この導電性部材の一部を配線シート101の巻き取り方向に延びる側辺から突出させることで上述した検査用部材を構成してもよい。
【0080】
また、上述した実施の形態においては、導電テープ50,150が、配線シート1,101の巻き始め端部11aの近傍に積層されているが、導電テープ50,150は、配線シート1,101の巻き始め端部11aの近傍でなくても、配線シート1,101がロール状に巻き取られることで導電性配線20a~20dが表出していない領域に積層されていればよい。また、巻き芯40に導電テープ50,150を取り付けてもよい。
【0081】
また、上述した実施の形態においては、導電テープ50,150が導電性接着剤によってベース基材10に接着されている。しかしながら、配線シート1,101をロール状に巻き取った場合、ベース基材10上に積層された導電テープ50,150には巻き付けによる圧力が加わり、導電性配線20a~20dと電気的に接続されることになるため、導電テープ50,150が導電性接着剤によってベース基材10に接着されていない構成としてもよい。ただ、導電テープ50,150が導電性接着剤によってベース基材10に接着されている構成の方が、導電テープ50,150と導電性配線20a~20dとの接続の信頼性が向上する。
【0082】
また、上述した実施の形態においては、導電性配線20a~20dがベース基材10の長尺方向の一方の端部から他方の端部まで互いに並行して延びていることで、その一端が配線シート1,101の巻き終わり端部11bに位置し、他端が配線シート1,101の巻き始め端部11aに位置しているが、導電性配線20a~20dの一端が配線シート1,101の巻き終わり端部11b側に位置し、導電性配線20a~20dの他端が配線シート1,101の巻き始め端部11a側に位置していれば、導電性配線20a~20dの一端が配線シート1,101の巻き終わり端部11bに位置し、導電性配線20a~20dの他端が配線シート1,101の巻き始め端部11aに位置していなくてもよい。例えば、配線シート1,101がロール状に巻き取られた状態において導電性配線20a~20dを保護するために配線シート1,101の巻き終わり端部11bの近傍の領域には導電性配線20a~20dを形成しないことも考えられる。その場合でも、導電性配線20a~20dの配線シート1,101の巻き終わり端部11b側に位置する一端が表出していれば、この一端に上述したようにケーブル3a,3bを接続し、また、導電性配線20a~20dの配線シート1,101の巻き終わり端部11b側に位置する一端が表出していない場合でも、配線シート1,101を導電性配線20a~20dのその一端のみが表出するように引き出すだけで上述したようにケーブル3a,3bを接続して導通検査を行うことができる。
【0083】
また、上述した実施の形態においては、保護層30が、ベース基材10上において導電性配線20a~20dの一部を覆うように積層されているが、保護層30を、孔部を有する構成とすれば、導電性配線20a~20dの全部を覆うように積層されている構成としてもよい。また、導電性配線20a~20dを覆うように保護層30を積層することで、導電性配線20a~20dを保護することができるが、保護層30を有さない構成とすることも考えられる。
【符号の説明】
【0084】
1,101 配線シート
2 計測器
3a,3b,6a,6b ケーブル
4 接続コネクタ
5 検査装置
7 接続部材
8 RFIDタグ
10 ベース基材
11a 巻き始め端部
11b 巻き終わり端部
20a~20d 導電性配線
30 保護層
40 巻き芯
50,150 導電テープ
図1
図2
図3
図4
図5
図6