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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024033593
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】読取装置及び読取装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/04 20060101AFI20240306BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
H04N1/12 A
H04N1/00 L
H04N1/00 127B
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022137257
(22)【出願日】2022-08-30
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】釘町 久崇
【テーマコード(参考)】
5C062
5C072
【Fターム(参考)】
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA37
5C062AB17
5C062AB23
5C062AB32
5C062AB38
5C062AB40
5C062AC02
5C062AC05
5C062AC12
5C062AC22
5C062AC34
5C072AA01
5C072EA07
5C072FB23
5C072NA01
5C072NA05
(57)【要約】
【課題】使い勝手の良い読取装置、及び、読取装置の制御方法を提供する。
【解決手段】外部装置と接続される読取装置であって、原稿を搬送する搬送部と、搬送部によって搬送される原稿を読み取る読取部と、読取部によって読み取られた原稿の画像データを生成するデータ生成部と、外部装置に画像データを転送する転送部と、ユーザーに情報を通知する通知部と、制御部と、を備え、前記制御部は、転送部による画像データの転送速度に基づいて搬送部による原稿の搬送速度を制御し、搬送速度を変更する場合に、搬送速度の変更を示す変更通知A1を通知部に通知させる。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部装置と接続される読取装置であって、
原稿を搬送する搬送部と、
前記搬送部によって搬送される原稿を読み取る読取部と、
前記読取部によって読み取られた原稿の画像データを生成するデータ生成部と、
前記外部装置に前記画像データを転送する転送部と、
ユーザーに情報を通知する通知部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記転送部による前記画像データの転送速度に基づいて前記搬送部による原稿の搬送速度を制御し、
前記搬送速度を変更する場合に、前記搬送速度の変更を示す変更通知を前記通知部に通知させることを特徴とする読取装置。
【請求項2】
前記変更通知を表示する表示部を備え、
前記表示部は、前記転送速度を表示することを特徴とする請求項1に記載の読取装置。
【請求項3】
前記変更通知を表示する表示部を備え、
前記制御部は、前記画像データの転送が完了するまでに要する転送時間を前記転送速度に基づいて推定し、
前記表示部は、前記転送時間を表示することを特徴とする請求項1に記載の読取装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記転送速度が改善閾値未満である場合に、前記転送速度の改善を促す改善通知を前記通知部に通知させることを特徴とする請求項1に記載の読取装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記転送速度が前記改善閾値よりも小さいエラー閾値未満である場合に、前記搬送部を停止させ、前記通知部にエラーを通知させることを特徴とする請求項4に記載の読取装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記転送速度が前記改善閾値以下である場合に、前記読取部による原稿の読取中には前記改善通知を前記通知部に通知させないことを特徴とする請求項4に記載の読取装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記転送速度に基づいて、先行する原稿の読取を終えてから後続する原稿の搬送を開始するまでの間に、前記搬送速度を変更することを特徴とする請求項1から請求項6の何れか一項に記載の読取装置。
【請求項8】
前記制御部は、
複数枚の原稿を連続して読み取る場合に、
1枚目の原稿については、無線通信によって接続される前記外部装置との通信速度に基づいて前記搬送速度を制御し、
2枚目以降の原稿については、前記転送部により転送された前記画像データの前記転送速度に基づいて前記搬送速度を制御することを特徴とする請求項1から請求項6の何れか一項に記載の読取装置。
【請求項9】
前記データ生成部は、前記読取部の読取値からRGB画像を生成し、前記RGB画像に変換処理を施すことによって前記画像データを生成し、
前記制御部は、後続する原稿の前記画像データの生成を開始するまでに先行する原稿の前記画像データの転送が完了するように、2枚目以降の原稿の前記搬送速度を制御するこ
とを特徴とする請求項8に記載の読取装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記転送速度に基づいて前記データ生成部の機能を制限することを特徴とする請求項1から請求項6の何れか一項に記載の読取装置。
【請求項11】
前記画像データが格納される記憶部を備え、
前記制御部は、前記記憶部に格納される前記画像データの格納量、及び、前記転送速度に基づいて、前記搬送速度を変更することを特徴とする請求項1から請求項6の何れか一項に記載の読取装置。
【請求項12】
外部装置と接続される読取装置であって、
原稿を搬送する搬送部と、
前記搬送部によって搬送される原稿を読み取る読取部と、
前記読取部によって読み取られた原稿の画像データを生成するデータ生成部と、
前記外部装置に前記画像データを転送する転送部と、
ユーザーに情報を通知する通知部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記転送部によって転送される前記画像データの転送速度に基づいて前記搬送部による原稿の搬送速度を制御し、
前記転送速度が改善閾値未満である場合に、前記転送速度の改善を促す改善通知を前記通知部に通知させることを特徴とする読取装置。
【請求項13】
搬送される原稿を読み取ることによって原稿の画像データを生成する読取装置の制御方法であって、
前記読取装置から外部装置に転送される前記画像データの転送速度に基づいて原稿の搬送速度を変更することと、
前記搬送速度を変更する場合に、前記搬送速度の変更を通知することと、を含むことを特徴とする読取装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、読取装置及び読取装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、バッファに格納される画像データの格納量、及び、画像データの転送速度などに基づいて原稿の読取速度を変更する読取装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11-215326号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の読取装置では、転送速度が小さいと、読取速度が自動的に小さくなる。この場合、ユーザーは、読取装置に故障、不具合などが生じたと誤認するおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する読取装置は、外部装置と接続される読取装置であって、原稿を搬送する搬送部と、前記搬送部によって搬送される原稿を読み取る読取部と、前記読取部によって読み取られた原稿の画像データを生成するデータ生成部と、前記外部装置に前記画像データを転送する転送部と、ユーザーに情報を通知する通知部と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記転送部による前記画像データの転送速度に基づいて前記搬送部による原稿の搬送速度を制御し、前記搬送速度を変更する場合に、前記搬送速度の変更を示す変更通知を前記通知部に通知させる。
【0006】
上記課題を解決する読取装置は、外部装置と接続される読取装置であって、原稿を搬送する搬送部と、前記搬送部によって搬送される原稿を読み取る読取部と、前記読取部によって読み取られた原稿の画像データを生成するデータ生成部と、前記外部装置に前記画像データを転送する転送部と、ユーザーに情報を通知する通知部と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記転送部によって転送される前記画像データの転送速度に基づいて前記搬送部による原稿の搬送速度を制御し、前記転送速度が改善閾値未満である場合に、前記転送速度の改善を促す改善通知を前記通知部に通知させる。
【0007】
上記課題を解決する読取装置の制御方法は、搬送される原稿を読み取ることによって原稿の画像データを生成する読取装置の制御方法であって、前記読取装置から外部装置に転送される前記画像データの転送速度に基づいて原稿の搬送速度を変更することと、前記搬送速度を変更する場合に、前記搬送速度の変更を通知することと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】読取装置の一実施形態を示す斜視図である。
図2】読取装置のブロック図である。
図3】画像データとしてJPEG画像が生成される場合の手順を示す模式図である。
図4】画像データとしてTIFF画像が生成される場合の手順を示す模式図である。
図5】転送速度が十分に大きい場合のタイミングチャートである。
図6】転送速度が小さい場合のタイミングチャートである。
図7】転送速度に基づいて搬送速度を制御する場合のタイミングチャートである。
図8】転送速度に基づいて搬送速度及び変換モジュールへの電力供給を制御する場合のタイミングチャートである。
図9】転送速度に基づいて搬送速度及び処理回路への電力供給を制御する場合のタイミングチャートである。
図10】転送速度及び搬送速度の対応関係について一例を示す表である。
図11】無線接続による転送において転送速度がS1以上である場合の表示画面を示す模式図である。
図12】無線接続による転送において転送速度がS1未満且つS2以上である場合の表示画面を示す模式図である。
図13】無線接続による転送において転送速度がS2未満且つS3以上である場合の表示画面を示す模式図である。
図14】無線接続による転送において転送速度がS3未満である場合の表示画面を示す模式図である。
図15】直接接続による転送において転送速度がS1以上である場合の表示画面を示す模式図である。
図16】直接接続による転送において転送速度がS1未満である場合の表示画面を示す模式図である。
図17】読取処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、読取装置の一実施形態について図を参照しながら説明する。読取装置は、例えば、用紙、フィルムなどの原稿を搬送することによって、原稿に記録された文字、写真などの画像を読み取るシートフィードスキャナーである。
【0010】
図1に示すように、読取装置11は、1以上の外部装置100と接続される。読取装置11は、読み取った原稿99の画像データD1を外部装置100に転送する。したがって、画像データD1は、外部装置100に保存される。
【0011】
読取装置11は、例えば、外部装置100と直接接続される。外部装置100は、例えば、USBメモリー、SDカードなどの記憶媒体を含む。
読取装置11は、例えば、無線通信によって外部装置100と接続される。外部装置100は、例えば、パーソナルコンピューター、スマートフォン、タブレット、サーバーなどを含む。読取装置11は、例えば、別途設置されたアクセスポイント101にアクセスすることによって、外部装置100と通信する。アクセスポイント101は、例えば、LANルーターである。
【0012】
読取装置11は、筐体12を備える。筐体12には、供給口13が開口する。供給口13を通じて、筐体12内に原稿99が供給される。筐体12には、排出口14が開口する。排出口14を通じて、筐体12内から原稿99が排出される。
【0013】
読取装置11は、供給トレイ15を備える。供給トレイ15は、例えば、筐体12に取り付けられる。供給トレイ15は、供給口13から筐体12外に向けて延びる。供給トレイ15には、1以上の原稿99がセットされる。原稿99は、供給トレイ15にセットされることによって、供給口13を通じて筐体12内に搬送される。
【0014】
供給トレイ15は、筐体12内に収容可能に構成されてもよい。供給トレイ15は、例えば、スライドすることによって筐体12内に収められたり、筐体12内から引き出されたりしてもよい。供給トレイ15は、折り畳み可能に構成されてもよい。
【0015】
読取装置11は、排出トレイを備えてもよい。排出トレイは、例えば、排出口14から筐体12外に向けて延びる。排出トレイは、排出口14から排出される原稿99を受ける。排出トレイは、スライド可能に構成されてもよいし、折り畳み可能に構成されてもよい。
【0016】
読取装置11は、表示部16を備えてもよい。表示部16は、筐体12に取り付けられる。表示部16は、情報を表示するように構成される。表示部16は、例えば、液晶ディスプレイである。表示部16は、液晶ディスプレイに限らず、ランプでもよい。表示部16は、無線通信による通信速度を表示してもよい。この通信速度は、読取装置11とアクセスポイント101との通信による速度である。表示部16が表示する具体的な内容については、後述する。
【0017】
読取装置11は、操作部17を備えてもよい。操作部17は、筐体12に取り付けられる。操作部17は、例えば、タッチパネル、ボタン、レバーなどである。ユーザーは、操作部17を操作することによって、読取装置11を操作したり、読取装置11に指示を与えたりする。ユーザーは、例えば、読取装置11と接続されるパーソナルコンピューターを介して読取装置11を操作したり、読取装置11に指示を与えたりしてもよい。
【0018】
ユーザーは、例えば、操作部17を操作することによって、画像データD1の転送先を指定できる。ユーザーは、読取装置11と直接接続される外部装置100を転送先として指定したり、読取装置11と無線接続される外部装置100を転送先として指定したりできる。ユーザーは、読取装置11と接続されるパーソナルコンピューターを介して転送先を指定してもよい。
【0019】
図2に示すように、読取装置11は、搬送部19を備える。搬送部19は、原稿99を搬送するように構成される。搬送部19は、1以上のローラーを含む。搬送部19は、例えば、供給トレイ15に積載される原稿99を順次搬送するピックローラー20を含む。搬送部19は、原稿99を1枚ずつに分離する分離ローラーを含んでもよい。搬送部19は、後述する読取部23に原稿99を搬送する搬送ローラー対21、読取部23により読み取られた原稿99を排出する排出ローラー対22を含んでもよい。搬送ローラー対21及び排出ローラー対22は、駆動ローラーと従動ローラーとにより構成されてもよいし、2つの駆動ローラーから構成されてもよい。搬送部19は、所定の間隔をあけながら、原稿99を順次搬送する。例えば、ピックローラー20は、先行する原稿99の読み取りが完了した後に、次の原稿99の搬送を開始する。搬送ローラー対21及び排出ローラー対22は、ピックローラー20によって搬送される原稿99を順次搬送する。その結果、搬送部19によって、先行する原稿99が排出されつつ、後続の原稿99が供給される。
【0020】
読取装置11は、読取部23を備える。読取部23は、原稿99を読み取るように構成される。読取部23は、搬送部19によって搬送される原稿99を読み取る。読取部23は、1以上のCISM24を含む。CISM24は、例えば、原稿99の幅方向に長尺のラインセンサーである。CISM24は、搬送される原稿99を1ラインずつ読み取る。
【0021】
読取部23は、2つのCISM24を含んでもよい。この場合、2つのCISM24は、原稿99の表面と、原稿99の裏面とをそれぞれ読み取る。すなわち、2つのCISM24は、原稿99を挟むように位置する。読取部23は、2つのCISM24によって、原稿99の表面と原稿99の裏面とを並行して読み取ることができる。読取部23は、1つのCISM24で原稿99の表面と原稿99の裏面とを読み取ってもよい。この場合、読取装置11は、原稿99の表面を読み取った後に、例えば原稿99を反転搬送することによって、原稿99の裏面を読み取るとよい。
【0022】
読取装置11は、データ生成部25を備える。データ生成部25は、原稿99の画像データD1を生成するように構成される。データ生成部25は、読取部23によって読み取られた画像データD1を生成する。データ生成部25は、1以上の処理回路26を含む。データ生成部25は、例えば、2つの処理回路26を含む。処理回路26は、CISM24と接続される。2つの処理回路26は、2つのCISM24とそれぞれ接続されてもよい。1つの処理回路26は、2つのCISM24と接続されてもよい。処理回路26の数は、CISM24の数以上であるとよい。データ生成部25は、2つの処理回路26によって、原稿99の表面のデータと、原稿99の裏面のデータとを、並行して生成できる。処理回路26は、例えば、1以上のCPUを含むソフトウェア処理回路及びハードウェア回路を含む回路で構成される。
【0023】
処理回路26は、RGBモジュール27を含む。RGBモジュール27は、読取部23の読取値からRGB画像D2を生成する。RGBモジュール27は、例えば、CISM24が検出した値を、赤、緑、青の256階調値に換算する。これにより、RGB画像D2が生成される。RGBモジュール27は、例えば、ASICなどのハードウェア回路である。
【0024】
処理回路26は、RGB画像D2に対して、画像処理を施してもよい。画像処理は、例えば、傾き補正、及び、切り出し補正などである。傾き補正は、RGB画像D2において原稿99に該当する領域の傾きを補正する処理である。切り出し補正は、RGB画像D2において原稿99に該当する領域を切り出す補正である。画像処理の内容は、例えば、原稿99を読み取る際に予め設定される。
【0025】
処理回路26は、1以上の変換モジュール28を含む。処理回路26は、例えば、2つの変換モジュール28を含む。変換モジュール28は、RGB画像D2に変換処理を施すことによって、画像データD1を生成する。変換モジュール28は、例えば、RGB画像D2に対して、色変換を施したり、圧縮変換を施したりする。変換モジュール28は、例えば、ASICなどのハードウェア回路である。
【0026】
変換モジュール28は、RGB画像D2に対して、所定ラインずつ変換処理を施す。変換モジュール28は、例えば、RGB画像D2に対して8ラインずつ変換処理を施す。処理回路26において2つの変換モジュール28は、1つのRGB画像D2に対して、所定ラインずつ並行して変換処理を施す。例えば、2つの変換モジュール28のうち、一方の変換モジュール28は1ライン目から8ライン目のデータに変換処理を施し、他方の変換モジュール28は9ライン目から16ライン目のデータに変換処理を施す。したがって、処理回路26において変換モジュール28の数が多いほど、画像データD1の生成速度が大きくなる。
【0027】
変換モジュール28は、RGB画像D2に対して所定ラインずつ変換処理を施すことによって、分割データD3を生成する。例えば、変換モジュール28は、RGB画像D2について、1ライン目から8ライン目のデータに変換処理を施すことによって分割データD3を生成し、9ライン目から16ライン目のデータに変換処理を施すことによって分割データD3を生成する。分割データD3は、画像データD1が分割されたデータである。RGB画像D2について変換処理が施されることによって、複数の分割データD3が生成される。複数の分割データD3によって、画像データD1が構成される。
【0028】
図3及び図4に示すように、変換モジュール28は、予め定められた画像形式にRGB画像D2を変換する。変換モジュール28は、RGB画像D2について、所定ラインごとに、色変換を施したり、圧縮変換を施したりすることによって、所定の画像形式に変換す
る。変換モジュール28は、様々な色空間、様々な画像形式に変換できるように、種々のモジュールを含む。画像形式は、例えば、原稿99を読み取る際に予め設定される。
【0029】
図3に示すように、変換モジュール28は、JPEG画像を生成してもよい。変換モジュール28は、YUVモジュール29と、JPEGモジュール30とを含んでもよい。YUVモジュール29は、RGB画像D2の色空間をRGBからYUVに変換する。このとき、YUVモジュール29は、RGB画像D2について、所定ラインごとに色変換を施す。JPEGモジュール30は、YUVに変換された画像を所定の方式で圧縮することによって、JPEG画像に変換する。このとき、JPEGモジュール30は、YUVに変換された所定ラインごとのデータに、圧縮変換を施す。これにより、JPEG画像の分割データD3が順次生成される。
【0030】
2つの変換モジュール28は、1つのYUVモジュール29をそれぞれ含んでもよいし、共通のYUVモジュール29を含んでもよい。すなわち、2つの変換モジュール28は、YUVモジュール29とJPEGモジュール30とをそれぞれ1つずつ含んでもよい。2つの変換モジュール28は、共通のYUVモジュール29と、それぞれ別のJPEGモジュール30とを含んでもよい。
【0031】
図4に示すように、変換モジュール28は、JPEG画像に限らず、例えば、TIFF画像を生成してもよい。変換モジュール28は、TIFFモジュール31を含んでもよい。TIFFモジュール31は、RGB画像D2に色補正を施すことによって、TIFF画像に変換する。このとき、TIFFモジュール31は、RGB画像D2について、所定ラインごとに色補正を施す。例えば、TIFFモジュール31は、RGB画像D2について、色の階調値を変換することによって色補正を施す。これにより、TIFF画像の分割データD3が順次生成される。TIFFモジュール31は、例えば、RGB画像D2をモノクロスケール、グレースケールなどに変換できる。
【0032】
図2に示すように、読取装置11は、記憶部33を備える。記憶部33は、例えば、ROM、RAMなどのメモリーである。記憶部33は、読取部23が読み取った原稿99に関するデータを一時的に格納、すなわちバッファする。
【0033】
図3及び図4に示すように、記憶部33は、例えば、RGBバッファ34を含む。RGBバッファ34は、RGB画像D2が一時的に格納される保存領域である。RGBバッファ34は、通常、2枚分の原稿99のRGB画像D2を格納できる程度の容量を有する。RGB画像D2は、そのRGB画像D2の全ラインについて変換処理が完了することによって、RGBバッファ34から削除される。これにより、RGBバッファ34の空き容量が少なくなるおそれが低減される。RGBバッファ34の空き容量が0又は僅少になると、原稿99の読取が停止するおそれがある。
【0034】
記憶部33は、転送バッファ35を含む。転送バッファ35は、分割データD3が一時的に格納される保存領域である。すなわち、転送バッファ35には、JPEG画像の分割データD3、TIFF画像の分割データD3などが格納される。分割データD3は、転送バッファ35から外部装置100に順次転送される。分割データD3は、外部装置100に転送された後、転送バッファ35から順次削除される。これにより、転送バッファ35の空き容量が少なくなるおそれが低減される。転送バッファ35の空き容量が0又は僅少になると、原稿99の読取が停止するおそれがある。
【0035】
記憶部33は、変換バッファ36を含んでもよい。変換バッファ36は、RGB画像D2について色変換が施されたデータが一時的に格納される保存領域である。変換バッファ36には、例えば、YUVモジュール29、TIFFモジュール31などによって変換さ
れたデータが格納される。変換バッファ36に格納されるデータは、所定の処理を経て転送バッファ35に順次転送される。変換バッファ36は、転送バッファ35と共通でもよい。
【0036】
図2に示すように、読取装置11は、転送部37を備える。転送部37は、外部装置100に画像データD1を転送するように構成される。転送部37は、例えば、出力インターフェースである。転送部37は、例えば、読取装置11と直接接続される外部装置100、無線通信によって読取装置11と接続される外部装置100などに画像データD1を転送する。転送部37は、無線通信によって読取装置11と接続される外部装置100に画像データD1を転送する場合、例えば、外部装置100のフォルダーに直接転送したり、メールによって外部装置100に転送したり、クラウドサービスによって外部装置100に転送したりする。
【0037】
転送部37は、転送バッファ35に格納される分割データD3を外部装置100に順次転送する。すなわち、転送部37は、変換モジュール28によって変換処理された所定ラインごとに、画像データD1を転送する。転送部37は、変換モジュール28によって所定ラインごとに変換処理が施されるたびに、外部装置100に分割データD3を転送する。すべての分割データD3の転送が完了すると、画像データD1の転送が完了する。
【0038】
読取装置11は、通知部38を備える。通知部38は、ユーザーに情報を通知するように構成される。通知部38は、例えば、出力インターフェースである。通知部38は、例えば、表示部16に情報を通知する。これにより、表示部16は、通知された情報を表示する。その結果、ユーザーは、その情報を把握する。通知部38は、例えば、ユーザーが所有するパーソナルコンピューターに情報を通知してもよい。通知部38が通知する具体的な情報については、表示部16が表示する内容と併せて、後で説明する。
【0039】
読取装置11は、制御部39を備える。制御部39は、例えば、読取装置11を統括的に制御してもよい。制御部39は、1つ以上のCPUを含むソフトウェア処理回路で構成されてもよい。制御部39は、ASICなどのハードウェア回路で構成されてもよい。制御部39は、ソフトウェア処理回路及びハードウェア回路の組み合わせを含む回路で構成されてもよい。
【0040】
<搬送速度の制御>
制御部39は、搬送部19を制御する。制御部39は、例えば、搬送ローラー対21及び排出ローラー対22による原稿99の搬送速度を制御する。制御部39は、転送速度に基づいて、搬送速度を制御する。具体的には、制御部39は、転送速度が小さい場合に、搬送速度を小さくする。転送速度は、分割データD3が転送される速度である。転送速度が小さい場合では、転送バッファ35に分割データD3が次々に格納されることによって、転送バッファ35に分割データD3が蓄積される。その結果、転送バッファ35の空き容量が少なくなるおそれがある。そのため、転送速度が小さい場合に、搬送速度を小さくするとよい。搬送速度が小さくなると、読取部23が原稿99の読取を開始してから完了するまでの時間、すなわち読取時間が長くなる。これに伴い、RGB画像D2の生成を開始してから完了するまでの時間、すなわち生成時間が長くなる。生成時間が長くなることによって、画像データD1の生成が開始されるまでの時間が長くなる。これにより、転送バッファ35に分割データD3が蓄積されるおそれが低減される。
【0041】
制御部39は、転送バッファ35の空き容量、すなわちデータ生成部25に格納される画像データD1の格納量、及び、転送速度に基づいて、搬送速度を制御してもよい。制御部39は、例えば、転送バッファ35の空き容量が少ない、且つ、転送速度が大きい場合に、搬送速度を小さくしてもよい。搬送速度が大きいと、転送バッファ35の空き容量が
少なくなるおそれがある。そのため、転送バッファ35の空き容量が少ない場合に搬送速度が大きいと、転送バッファ35の空き容量が0又は僅少になるおそれがある。制御部39は、例えば、転送バッファ35の空き容量が少ない、且つ、転送速度が小さい場合に、搬送速度を小さくしてもよい。制御部39は、例えば、転送バッファ35の空き容量が多い、且つ、転送速度が小さい場合に、搬送速度を小さくしてもよい。制御部39は、例えば、転送バッファ35の空き容量が多い、且つ、転送速度が大きい場合に、搬送速度を大きくしてもよい。
【0042】
図5に示すように、画像データD1の転送が完了した後に、次の画像データD1の生成、すなわち次のRGB画像D2について最初の変換処理が開始されることによって、転送バッファ35に分割データD3が蓄積されるおそれが低減される。図5は、搬送ローラー対21、排出ローラー対22、読取部23、RGBモジュール27、変換モジュール28、及び、転送部37の駆動タイミングを示す。ONは、駆動していることを示す。OFFは、駆動していないことを示す。
【0043】
ピックローラー20、搬送ローラー対21、及び、排出ローラー対22は、原稿99の読取処理が開始されることによって、駆動する。ピックローラー20が駆動すると、供給トレイ15から1枚の原稿99が供給される。ピックローラー20は、1枚の原稿99を搬送ローラー対21に送り終えると、停止する。ピックローラー20は、供給トレイ15に原稿99がセットされている場合、再び駆動する。ピックローラー20は、例えば、読取部23が原稿99の読取を終えてから所定時間後に、再び駆動する。これにより、供給トレイ15から次の原稿99が供給される。搬送ローラー対21及び排出ローラー対22は、ピックローラー20から原稿99が供給されることに伴い、駆動する。搬送ローラー対21及び排出ローラー対22は、互いに同期して駆動する。搬送ローラー対21及び排出ローラー対22は、1枚の原稿99を排出し終えると、停止する。すなわち、搬送ローラー対21及び排出ローラー対22は、読取部23が原稿99の読取を終えた後に、停止する。搬送部19において、搬送ローラー対21及び排出ローラー対22が駆動してから搬送ローラー対21及び排出ローラー対22が停止するまでの時間が、搬送時間に相当する。なお、搬送ローラー対21及び排出ローラー対22は、互いに同期せずに駆動してもよい。この場合、搬送部19において、搬送ローラー対21が駆動してから排出ローラー対22が停止するまでの時間が、搬送時間に相当する。
【0044】
搬送ローラー対21が駆動してから所定時間が経過すると、原稿99が読取部23に到達する。原稿99が読取部23に到達すると、読取部23が駆動する。読取部23は、原稿99の読取を終えると、停止する。読取部23は、次の原稿99が到達すると、再び駆動する。読取部23において、読取を開始してから完了するまでの時間が、読取時間である。
【0045】
読取部23が読取を開始することによって、RGBモジュール27が駆動する。RGBモジュール27が駆動すると、読取部23の読取値からRGB画像D2が生成される。すなわち、RGBモジュール27は、読取部23と並行して駆動する。RGBモジュール27は、RGB画像D2の生成を完了すると、停止する。RGBモジュール27は、読取部23が原稿99の読取を再び開始することによって、再び駆動する。RGBモジュール27において、RGB画像D2の生成を開始してから完了するまでの時間が、生成時間である。
【0046】
RGBモジュール27がRGB画像D2の生成を完了した後に、変換モジュール28が駆動する。詳しくは、RGBバッファ34にRGB画像D2が格納されている場合に、変換モジュール28が駆動する。処理回路26がRGB画像D2に画像処理を施す場合、画像処理が完了した後に、変換モジュール28が駆動する。変換モジュール28が駆動する
と、画像データD1の生成が開始される。変換モジュール28は、RGB画像D2の変換を完了、すなわち画像データD1の生成が完了すると、停止する。詳しくは、変換モジュール28は、RGBバッファ34にRGB画像D2が格納されていない場合に、停止する。変換モジュール28において、変換処理を開始してから完了するまでの時間が、変換時間である。
【0047】
変換モジュール28が画像データD1の生成を開始した後に、転送部37が駆動する。詳しくは、転送バッファ35に分割データD3が格納されている場合に、転送部37が駆動する。すなわち、変換モジュール28が1つ目の分割データD3の生成を完了した後に、転送部37が駆動する。転送部37は、画像データD1の転送を完了、すなわちすべての分割データD3の転送を完了すると、停止する。詳しくは、転送部37は、転送バッファ35に分割データD3が格納されていない場合に、停止する。転送部37において、画像データD1の転送を開始してから完了するまでの時間が、転送時間である。換言すると、転送時間は、1つ目の分割データD3の転送を開始してから最後の分割データD3の転送を完了するまでの時間である。
【0048】
転送時間は、読取装置11とアクセスポイント101との通信速度、外部装置100の処理速度などの影響を受ける。そのため、その時々の環境により転送速度が通常よりも小さくなることによって、転送時間が長くなることがある。
【0049】
図6に示すように、転送時間が長くなると、画像データD1の転送が完了する前に、次の画像データD1の生成、すなわち次のRGB画像D2について最初の変換処理が開始されることがある。この場合、転送バッファ35から分割データD3が出力される速度よりも、分割データD3が転送バッファ35に入力される速度が大きくなることによって、転送バッファ35に分割データD3が蓄積されるおそれがある。転送バッファ35に分割データD3が蓄積されることによって、転送バッファ35の空き容量が徐々に少なくなる。したがって、画像データD1の生成を開始、すなわち変換モジュール28が次の変換処理を開始するまでに、前回の画像データD1の転送を完了する必要がある。
【0050】
図7に示すように、搬送時間が長くなると、読取時間、及び、生成時間が長くなる。生成時間が長くなることによって、変換モジュール28が変換処理を開始するタイミングが遅くなる。すなわち、搬送時間が長くなることによって、変換モジュール28が次の変換処理を開始するまでの時間が長くなる。その結果、画像データD1の転送が完了した後に、次の画像データD1の生成が開始される。このように、搬送時間が長くなると、転送部37が画像データD1の転送に割くことのできる時間が長くなる。これにより、転送バッファ35の空き容量が少なくなるおそれが低減される。したがって、制御部39は、転送時間が長い場合に、搬送時間を長くする。制御部39は、搬送速度を小さくすることによって、搬送時間を長くする。制御部39は、搬送部19が含むローラーの回転速度を小さくすることによって、搬送速度を小さくする。
【0051】
搬送速度が小さくなると、搬送時間、読取時間、及び、生成時間に限らず、搬送ローラー対21及び排出ローラー対22による原稿99の搬送間隔、読取部23による原稿99の読取間隔、RGBモジュール27によるRGB画像D2の生成間隔、などが長くなることがある。これにより、1枚分の画像データD1を生成するために割くことのできる時間が長くなる。
【0052】
図7において、t1は、1つ目の分割データD3の転送を開始したタイミングを示す。t2は、次の原稿99の搬送が開始されるタイミングを示す。t3は、最後の分割データD3の転送が完了したタイミングを示す。したがって、t1からt3までの時間が、転送時間である。t4は、次のRGB画像D2について変換処理を開始するタイミングを示す
【0053】
制御部39は、t4までにt3が位置するように、搬送速度を制御する。すなわち、制御部39は、画像データD1の生成を開始するまでに、前回の画像データD1の転送を完了するように、搬送速度を制御する。搬送速度が小さくなる、すなわち搬送時間が長くなると、t4のタイミングが遅くなる。これにより、転送バッファ35に分割データD3が蓄積されるおそれが低減される。逆に、t4以降にt3が位置する場合、転送バッファ35に分割データD3が蓄積される。
【0054】
制御部39は、搬送速度を制御するために、転送速度を取得する。制御部39は、例えば、1つ目の分割データD3の転送を開始してから次の原稿99の搬送を開始するまでの経過時間と、その経過時間内に転送された分割データD3のデータ量とから、転送速度を取得する。すなわち、制御部39は、t1からt2までの経過時間と、その経過時間内に転送された分割データD3のデータ量とから転送速度を取得する。制御部39は、取得した転送速度に基づいて、t2において搬送が開始される原稿99の搬送速度を制御する。
【0055】
制御部39は、転送速度に基づいて、転送時間を推測してもよい。すなわち、制御部39は、t1からt2までの経過時間に転送された分割データD3のデータ量に基づいて、転送時間を推測してもよい。制御部39は、例えば、RGB画像D2のデータ量と、t2時点で転送済みの分割データD3のデータ量とから、すべての分割データD3を転送し終えるまでに要する時間を推測できる。
【0056】
制御部39は、転送速度に限らず、通信速度に基づいて、搬送速度を制御してもよい。転送速度は、通信速度に依存する。通信速度が小さいと、転送速度が小さくなる。そのため、制御部39は、通信速度が小さい場合に、搬送速度を小さくしてもよい。
【0057】
制御部39は、複数枚の原稿99を連続して読み取る場合に、1枚目の原稿99について、通信速度に基づいて搬送速度を制御してもよい。これは、分割データD3の転送によって転送速度が測定されるため、1枚目の原稿99を読み取る場合には直近の転送速度を測定できないためである。例えば、制御部39は、1枚目の原稿99について搬送を開始する前に、通信速度を取得する。制御部39は、通信速度に基づいて、1枚目の原稿99について搬送速度を制御する。
【0058】
制御部39は、1枚目の原稿99について、通信速度によらず、通常の搬送速度で原稿99を供給させてもよい。これは、1枚目の原稿99を読み取るだけでは、転送バッファ35の空き容量が少なくなるおそれが少ないためである。制御部39は、1枚目の原稿99について、前回のジョブで適用された搬送速度で搬送させてもよい。具体的には、制御部39は、前回の読取処理のうち最後の原稿99について搬送速度を決定するために使用された転送速度に基づいて、今回の読取処理のうち1枚目の原稿99について搬送速度を決定してもよい。
【0059】
制御部39は、2枚目以降の原稿99について、転送速度に基づいて搬送速度を制御してもよい。通信速度が大きい場合であっても、外部装置100の処理が滞っている場合では、転送速度が小さくなることがある。そのため、通信速度に基づいて搬送速度を制御するよりも、転送速度に基づいて搬送速度を制御する方が、分割データD3の転送状況に基づいて搬送速度をより正確に制御できる。
【0060】
制御部39は、転送速度に基づいて、先行する原稿99の読取を終えてから後続する原稿99の搬送を開始するまでに、搬送速度を変更してもよい。この場合、原稿99の読取途中で搬送速度を変更する場合と比べて、読取品質が低下するおそれが低下する。
【0061】
<電力供給の制御>
図2に示すように、制御部39は、データ生成部25を制御してもよい。制御部39は、例えば、データ生成部25への電力供給を制御してもよい。制御部39は、データ生成部25への電力供給を制御することによって、データ生成部25の機能を制限する。制御部39は、例えば、データ生成部25への電力供給を制御することによって、データ生成部25を通常モードM1と1以上の省電力モードとに切り換える。具体的には、制御部39は、データ生成部25への電力供給量を少なくすることによって、通常モードM1から省電力モードに切り換える。
【0062】
通常モードM1は、データ生成部25が本来のパフォーマンスを発揮するモードである。通常モードM1では、データ生成部25は、高速で画像データD1を生成する。
省電力モードは、データ生成部25の機能が制限されるモードである。すなわち、省電力モードは、通常モードM1よりもデータ生成部25のパフォーマンスが低いモードである。省電力モードでは、通常モードM1と比べて、データ生成部25は、低速で画像データD1を生成することがある。この場合、1枚分の原稿99について画像データD1を生成するために要する時間が長くなることがある。
【0063】
制御部39は、例えば、2つの処理回路26のうち、1つの処理回路26にのみ電力を供給することによって、通常モードM1から省電力モードに切り換えてもよい。1つの処理回路26にのみ電力を供給する場合、読取部23が原稿99の両面を読み取る際には、1つの処理回路26が原稿99の表面と原稿99の裏面とについて画像データD1を生成する。この場合、2つの処理回路26に電力が供給される場合と比べて処理効率が落ちるため、1枚分の画像データD1を生成するために要する時間が長くなる。1つの処理回路26にのみ電力を供給する場合、読取部23が原稿99の片面を読み取る際には、1つの処理回路26が原稿99の片面について画像データD1を生成する。この場合、2つの処理回路26に電力が供給される場合と比べて、1枚分の画像データD1を生成するために要する時間に変化がない。
【0064】
制御部39は、例えば、2つの変換モジュール28のうち、1つの変換モジュール28にのみ電力を供給することによって、通常モードM1から省電力モードに切り換えてもよい。1つの変換モジュール28にのみ電力を供給する場合、読取部23が原稿99の両面、又は、片面のみを読み取ることに依らず、RGB画像D2の変換効率が落ちるため、変換時間が長くなる。したがって、この場合、1枚分の画像データD1を生成するために要する時間が長くなる。
【0065】
制御部39は、処理回路26、変換モジュール28、又は、その双方への電力供給を制限することによって、データ生成部25の機能を制限する。制御部39は、データ生成部25への電力供給を制限することによって、データ生成部25の処理能力を制限する。
【0066】
1以上の省電力モードは、例えば、第1省電力モードM2と、第2省電力モードM3とを含む。したがって、制御部39は、データ生成部25への電力供給を制御することによって、通常モードM1と、第1省電力モードM2と、第2省電力モードM3とに切り換える。
【0067】
第1省電力モードM2は、通常モードM1よりも電力供給量が少ないモードである。第1省電力モードM2は、通常モードM1よりも消費電力が少ない。この点で、第1省電力モードM2で駆動するデータ生成部25は、通常モードM1で駆動するデータ生成部25よりも省電力である。制御部39は、処理回路26に対して、2つの変換モジュール28のうち1つの変換モジュール28にのみ電力を供給することによって、第1省電力モード
M2に切り換える。すなわち、第1省電力モードM2は、データ生成部25において、4つの変換モジュール28のうち2つの変換モジュール28のみが駆動するモードである。
【0068】
第2省電力モードM3は、第1省電力モードM2よりも電力供給量が少ないモードである。第2省電力モードM3は、第1省電力モードM2よりも消費電力が少ない。この点で、第2省電力モードM3で駆動するデータ生成部25は、第1省電力モードM2で駆動するデータ生成部25よりも省電力である。制御部39は、2つの処理回路26のうち、1つの処理回路26にのみ電力を供給することによって、第2省電力モードM3に切り換える。すなわち、第2省電力モードM3は、データ生成部25において、4つの変換モジュール28のうち1つの変換モジュール28のみが駆動するモードである。
【0069】
制御部39は、転送速度に基づいて、データ生成部25への電力供給を制御してもよい。すなわち、制御部39は、転送速度に基づいて、データ生成部25の機能を制限してもよい。転送速度が小さい場合では、データ生成部25が高速で画像データD1を生成しても、転送速度がボトルネックとなる。転送速度が小さい場合では、制御部39が搬送速度を小さくすることに伴い、搬送時間、搬送間隔、読取時間、及び、読取間隔などが長くなるため、1枚分の画像データD1を生成するために割くことのできる時間が長くなる。そのため、転送速度が小さいことに合わせて、データ生成部25が低速で画像データD1を生成しても問題がない。
【0070】
図8に示すように、制御部39が搬送速度を小さくすることによって、読取時間及び読取間隔などが長くなるため、変換時間を長くとることができる。そのため、制御部39は、転送速度が小さい場合、2つの変換モジュール28のうち1つの変換モジュール28にのみ電力を供給することによって、データ生成部25の機能を制限してもよい。これにより、消費電力量が低減される。変換処理は、次のRGB画像D2の生成が完了するまでに完了していればよい。
【0071】
図9に示すように、制御部39が搬送速度を小さくすることによって、読取時間及び読取間隔などが長くなるため、変換時間を長くとることができる。具体的には、制御部39が搬送速度を小さくすることによって、原稿99の表面及び原稿99の裏面について2回分の変換時間をとることができる。そのため、制御部39は、転送速度が小さい場合、2つの処理回路26のうち1つの処理回路26にのみ電力を供給することによって、データ生成部25の機能を制限してもよい。これにより、消費電力量が低減される。2回分の変換処理は、次のRGB画像D2の生成が完了するまでに完了していればよい。
【0072】
制御部39は、転送速度に限らず、通信速度に基づいて、データ生成部25への電力供給を制御してもよい。制御部39は、通信速度が小さい場合に、データ生成部25への電力供給量を制限する。
【0073】
制御部39は、複数枚の原稿99を連続して読み取る場合に、1枚目の原稿99について、通信速度に基づいて、データ生成部25への電力供給を制御してもよい。すなわち、制御部39は、通信速度に基づいて、データ生成部25を省電力モードに切り換えてもよい。制御部39は、1枚目の原稿99について、通信速度によらず、データ生成部25を通常モードM1で駆動させてもよい。
【0074】
制御部39は、2枚目以降の原稿99について、転送速度に基づいて、データ生成部25への電力供給を制御してもよい。搬送速度の場合と同様に、通信速度に基づいてデータ生成部25への電力供給を制御するよりも、転送速度に基づいてデータ生成部25への電力供給を制御する方が、分割データD3の転送状況に基づいてより正確に電力供給を制御できる。
【0075】
<搬送速度及び電力供給の制御>
図10に示すように、制御部39は、通信速度、又は、搬送速度に基づいて、搬送速度を複数段階で制御してもよい。制御部39は、通信速度、又は、搬送速度に基づいて、データ生成部25への電力供給量を複数段階で制御してもよい。
【0076】
通信速度は、例えば、R1、R2、R3、R4の4段階で分けられる。通信速度において、R1、R2、R3、及び、R4は、この順に大きい。R1、R2、R3、及び、R4は、通信速度の閾値である。
【0077】
転送速度は、例えば、S1、S2、S3、S4の4段階で分けられる。転送速度において、S1、S2、S3、及び、S4は、この順に大きい。S1、S2、S3、及び、S4は、転送速度の閾値である。
【0078】
搬送速度は、V1、V2、V3、V4の4段階で分けられる。搬送速度において、V1、V2、V3、及び、V4は、この順に大きい。V1、V2、V3、及び、V4は、搬送速度の設定値である。V1は、通常の搬送速度である。
【0079】
制御部39は、例えば、通信速度がR1以上である場合に、搬送速度をV1に変更する。制御部39は、例えば、通信速度がR1以上である場合に、データ生成部25を通常モードM1に切り換える。
【0080】
制御部39は、例えば、通信速度がR1未満且つR2以上である場合に、搬送速度をV2に変更する。制御部39は、例えば、通信速度がR1未満且つR2以上である場合に、データ生成部25を第1省電力モードM2に切り換える。
【0081】
制御部39は、例えば、通信速度がR2未満且つR3以上である場合に、搬送速度をV3に変更する。制御部39は、例えば、通信速度がR2未満且つR3以上である場合に、データ生成部25を第2省電力モードM3に切り換える。
【0082】
制御部39は、例えば、通信速度がR3未満である場合に、搬送速度をV4に変更する。制御部39は、例えば、通信速度がR3未満である場合に、データ生成部25を第2省電力モードM3に切り換える。
【0083】
制御部39は、例えば、転送速度がS1以上である場合に、搬送速度をV1に変更する。制御部39は、例えば、転送速度がS1以上である場合に、データ生成部25を通常モードM1に切り換える。
【0084】
制御部39は、例えば、転送速度がS1未満且つS2以上である場合に、搬送速度をV2に変更する。制御部39は、例えば、転送速度がS1未満且つS2以上である場合に、データ生成部25を第1省電力モードM2に切り換える。すなわち、制御部39は、転送速度が第1閾値未満である場合に、データ生成部25を第1省電力モードM2に切り換える。
【0085】
制御部39は、例えば、転送速度がS2未満且つS3以上である場合に、搬送速度をV3に変更する。制御部39は、例えば、転送速度がS2未満且つS3以上である場合に、データ生成部25を第2省電力モードM3に切り換える。すなわち、制御部39は、転送速度が第1閾値よりも小さい第2閾値未満である場合に、データ生成部25を第2省電力モードM3に切り換える。
【0086】
制御部39は、例えば、転送速度がS3未満である場合に、搬送速度をV4に変更する。制御部39は、例えば、転送速度がS3未満である場合に、データ生成部25を第2省電力モードM3に切り換える。
【0087】
制御部39は、通信速度がR3未満又は転送速度がS3未満である場合に、読取処理を停止させてもよい。これは、通信速度がR3未満又は転送速度がS3未満である場合、分割データD3が正常に転送できないおそれがあるためである。すなわち、制御部39は、転送速度が第2閾値よりも小さい第3閾値未満である場合に、エラーを出してもよい。通信速度がR3未満又は転送速度がS3未満である場合、制御部39は、例えば、読取中の原稿99について読取を終えてから、読取処理を停止させてもよい。これにより、一の原稿99の読取中に、読取処理が停止するおそれがない。これにより、転送速度が改善されることによって読取が再開された場合に、読取品質が低下するおそれが低減される。一の原稿99の読取中で読取処理を停止した後に再開した場合、画像データD1のラインにずれが生じるおそれがある。
【0088】
<通知内容>
次に、通知部38が通知する情報について説明する。本実施例では、通知部38が通知する情報は、表示部16に表示されることを前提に説明する。上述したように、通知部38が通知する情報は、読取装置11とは別の装置に表示されてもよい。通知部38は、例えば、供給トレイ15に積載される一群の原稿99について読取処理の実施中に、情報を通知する。
【0089】
通知部38は、制御部39が搬送速度を変更する場合に、変更通知を通知する。変更通知は、搬送速度が変更されたことを示す通知である。通知部38は、例えば、搬送速度がV1からV2、V3、V4などに変更される場合に、変更通知を通知する。すなわち、通知部38は、転送速度が変更閾値未満、すなわちS1未満である場合に、変更通知を通知する。通知部38は、通信速度がR1未満である場合に、変更通知を通知してもよい。通知部38は、制御部39がデータ生成部25を省電力モードに切り換える場合に、変更通知を通知するともいえる。変更通知によって、ユーザーは、搬送速度が変更されることを把握できる。
【0090】
通知部38は、転送速度が改善閾値未満、すなわちS2未満である場合に、改善通知を通知する。改善通知は、転送速度の改善を促す通知である。改善通知は、例えば、通信速度の改善を促すことによって、転送速度の改善を促す。通知部38は、通信速度がR2未満である場合に、改善通知を通知してもよい。通知部38は、制御部39がデータ生成部25を第2省電力モードM3に切り換える場合に、改善通知を通知するともいえる。改善通知によって、ユーザーは、転送速度を改善すればよいことを把握する。ユーザーは、例えば、読取装置11の位置、姿勢などを変更することによって、転送速度の改善を図る。読取装置11の位置、姿勢などが変更されると、通信速度が改善されることがある。
【0091】
原稿99の読取中において、読取装置11の位置、姿勢などが変更されると、読取品質が低下するおそれがある。そのため、通知部38は、転送速度が改善閾値未満である場合に、原稿99の読取中においては改善通知を通知しなくてもよい。例えば、通知部38は、先行する原稿99の読取を終えてから後続の原稿99の読取を開始するまでの間に、改善通知を通知するとよい。
【0092】
通知部38は、転送速度がエラー閾値未満、すなわちS3未満である場合に、エラー通知を通知する。エラー閾値は、例えば、第3閾値である。エラー通知は、エラーの通知、すなわち読取処理を停止する通知である。通知部38は、通信速度がR3未満である場合に、エラー通知を通知してもよい。エラー通知によって、ユーザーは、転送速度が極端に
低いことを把握する。エラー通知によって、読取装置11の不具合、故障などによって読取が停止したとユーザーが誤認するおそれが低減される。例えば、エラー通知が通知されると、現在読取中の原稿99について読取を終えた時点、又は、転送バッファ35の空き容量が0又は僅少になった時点で、読取処理が停止する。
【0093】
図11図12図13図14図15、及び、図16に示すように、通知部38は、例えば、メッセージで情報を通知する。図11図12図13図14図15、及び、図16は、表示部16が表示する表示画面の一例である。表示部16は、例えば、変更通知A1、改善通知A2、及び、エラー通知A3などを表示する。図11図12図13、及び、図14に示す表示画面は、無線通信により読取装置11と接続される外部装置100に画像データD1を転送する場合に、表示される。図15及び図16に示す表示画面は、読取装置11に直接接続される外部装置100に画像データD1を転送する場合に、表示される。
【0094】
表示部16は、変更通知A1、改善通知A2、エラー通知A3に限らず、その他の情報を表示してもよい。表示部16は、読取情報B1を表示してもよい。読取情報B1は、現在の読取状況を示す情報である。読取情報B1は、例えば、原稿99の読取中であることを示す。読取情報B1は、例えば、何ページ目の原稿99を現在読み取っているかを表示する。
【0095】
表示部16は、設定情報B2を通知してもよい。設定情報B2は、読取に関する設定を示す情報である。設定情報B2は、例えば、カラースケール、モノクロスケール、グレースケールなどの色に関する情報を含む。設定情報B2は、例えば、PDF、TIFFなどの読取形式に関する情報を含む。設定情報B2は、例えば、300dpi、600dpiなどの読取部23による解像度に関する情報を含む。
【0096】
表示部16は、通信速度情報B3を表示してもよい。通信速度情報B3は、読取装置11とアクセスポイント101との通信速度を示す情報である。通信速度情報B3は、単位時間当たりのデータ量を数値で示してもよいし、電波強度を段階的に示してもよい。図11に示す通信速度情報B3は、通信速度がR1以上であることを示す。図11に示す通信速度情報B3は、通信速度がR1以上である場合に、通知される。
【0097】
表示部16は、転送速度情報B4を表示してもよい。転送速度情報B4は、転送速度を示す情報である。転送速度情報B4は、例えば、単位時間当たりのデータ量を数値で示してもよいし、転送速度を段階的に示してもよい。
【0098】
表示部16は、転送時間情報B5を表示してもよい。転送時間情報B5は、現在読取中の原稿99について、転送時間を示す情報である。
表示部16は、中止ボタン41を表示してもよい。操作部17を介して中止ボタン41が操作されると、読取処理が中止される。表示部16は、再開ボタン42を表示してもよい。再開ボタン42は、例えば、読取処理が停止している場合に表示される。操作部17を介して再開ボタン42が操作されると、読取処理が再開される。再開ボタン42によって、ユーザーが読取処理を手動で再開させることができる。読取処理は、自動的に再開してもよい。
【0099】
図11に示す表示画面は、転送速度がS1以上である場合に表示される。図12に示す表示画面は、転送速度がS1未満且つS2以上である場合に表示される。そのため、図12では、変更通知A1が通知されている。図13に示す表示画面は、転送速度がS2未満S3以上である場合に表示される。そのため、図13では、変更通知A1及び改善通知A2が通知されている。図14に示す表示画面は、転送速度がS3未満である場合に表示さ
れる。そのため、図14では、変更通知A1、改善通知A2、及び、エラー通知A3が通知されている。
【0100】
図15に示す表示画面は、転送速度がS1以上である場合に表示される。図15に示す表示画面は、転送速度がS1未満である場合に表示される。図15及び図16では、無線通信を使用しないため、通信速度情報B3が表示されない。無線通信を使用しない場合では、読取装置11に直接接続される外部装置100の性能によって転送速度が決まるため、改善通知A2が表示されない。また、無線通信を使用しない場合では、画像データD1の転送が困難になるほど転送速度が小さくなることがないため、エラー通知A3が表示されない。
【0101】
<フローチャート>
次に、制御部39が実行する読取処理の一例について説明する。例えば、ユーザーが読取開始の指示を制御部39に入力することによって、読取処理が開始する。
【0102】
図17に示すように、制御部39は、ステップS11において、無線通信によって画像データD1を転送するか否かを判定する。無線通信によって画像データD1を転送する場合、制御部39は、ステップS12に処理を移行する。無線通信によって画像データD1を転送しない場合、すなわち読取装置11に直接接続される外部装置100に画像データD1を転送する場合、制御部39は、ステップS13に処理を移行する。
【0103】
制御部39は、ステップS12において、通信速度を取得する。
制御部39は、ステップS13において、搬送速度を決定する。制御部39は、ステップS12で取得した通信速度に基づいて、搬送速度を決定する。ステップS12の処理を経ていない場合、制御部39は、搬送速度を通常の速度、すなわちV1に決定する。搬送速度がV4に決定された場合、制御部39は、所定のタイミングで読取処理を停止する。
【0104】
制御部39は、ステップS14において、データ生成部25への電力供給量を決定する。制御部39は、ステップS12で取得した通信速度に基づいて、データ生成部25への電力供給量を決定する。ステップS12の処理を経ていない場合、制御部39は、電力供給量を通常の供給量、すなわちデータ生成部25を通常モードM1で駆動させる。
【0105】
制御部39は、ステップS15において、原稿99の搬送を開始する。制御部39は、ステップS13で決定した搬送速度で原稿99を搬送する。
制御部39は、ステップS16において、原稿99の読取を開始する。制御部39は、ステップS14で決定した電力供給量でデータ生成部25を駆動させる。
【0106】
制御部39は、ステップS17において、次の原稿99が供給トレイ15にセットされているか否かを判定する。次の原稿99が供給トレイ15にセットされている場合、すなわち複数枚の原稿99を連続して読み取る場合に、制御部39は、ステップS18に処理を移行する。次の原稿99が供給トレイ15にセットされていない場合、すなわち1枚の原稿99のみを読み取る場合、現在の原稿99について読取を終えた後に読取処理を終了する。
【0107】
制御部39は、ステップS18において、転送速度を取得する。制御部39は、先行する原稿99の画像データD1の転送速度を取得する。制御部39は、例えば、ステップS16で読取を開始された原稿99の画像データD1の転送速度を取得する。
【0108】
制御部39は、ステップS19において、搬送速度を決定する。制御部39は、ステップS18で取得した転送速度に基づいて、搬送速度を決定する。搬送速度がV4に決定さ
れた場合、制御部39は、所定のタイミングで読取処理を停止する。
【0109】
制御部39は、ステップS20において、データ生成部25への電力供給量を決定する。制御部39は、ステップS18で取得した転送速度に基づいて、データ生成部25への電力供給量を決定する。
【0110】
制御部39は、ステップS21において、原稿99の搬送を開始する。制御部39は、ステップS19で決定した搬送速度で原稿99を搬送する。
制御部39は、ステップS22において、原稿99の読取を開始する。制御部39は、ステップS20で決定した電力供給量でデータ生成部25を駆動させる。
【0111】
制御部39は、ステップS23において、次の原稿99が供給トレイ15にセットされているか否かを判定する。次の原稿99が供給トレイ15にセットされている場合、制御部39は、ステップS18に処理を戻す。次の原稿99が供給トレイ15にセットされていない場合、制御部39は、現在の原稿99について読取を終えた後に読取処理を終了する。
【0112】
<効果>
次に、上記実施例の効果について説明する。
(1)制御部39は、転送速度に基づいて搬送速度を制御し、搬送速度を変更する場合に、搬送速度の変更を示す変更通知A1を通知部38に通知させる。
【0113】
上記構成によれば、読取装置11に故障、不具合などが生じたために搬送速度の変更が生じたとユーザーが誤認するおそれが低減される。したがって、読取装置11の使い勝手が向上する。
【0114】
(2)表示部16は、転送速度を表示する。
上記構成によれば、ユーザーは、転送速度を把握できる。これにより、例えば、ユーザーは、転送速度が低い場合に、転送速度の改善を試みることができる。
【0115】
(3)制御部39は、転送速度に基づいて転送時間を推定する。表示部16は、転送時間を表示する。
上記構成によれば、ユーザーは、転送時間を把握できる。これにより、ユーザーの利便性が向上する。
【0116】
(4)制御部39は、転送速度が改善閾値未満である場合に、改善通知A2を通知部38に通知させる。
上記構成によれば、改善通知A2によって、ユーザーは、転送速度が小さいことを把握できる。これにより、ユーザーの利便性が向上する。
【0117】
(5)制御部39は、転送速度が改善閾値よりも小さいエラー閾値未満である場合に、搬送部19を停止させ、通知部38にエラーを通知させる。
転送速度が極端に小さい場合、画像データD1の転送が困難になる場合がある。上記構成によれば、エラーを通知することによって、ユーザーは、転送速度が極端に小さいことを把握できる。
【0118】
(6)制御部39は、転送速度が改善閾値以下である場合に、読取部23による原稿99の読取中には改善通知A2を通知部38に通知させない。
改善通知A2が通知されることによって、ユーザーは、読取装置11の位置、姿勢などを変更することがある。原稿99の読取中に読取装置11の位置、姿勢などが変更される
と、読取品質が低下するおそれがある。上記構成によれば、原稿99の読取中に読取装置11の位置、姿勢などが変更されるおそれが低減されるため、読取品質が低下するおそれが低減される。
【0119】
(7)制御部39は、転送速度に基づいて、先行する原稿99の読取を終えてから後続する原稿99の搬送を開始するまでの間に、搬送速度を変更する。
1枚の原稿99を読み取る間で搬送速度が変更されると、読取品質が低下するおそれがある。上記構成によれば、1枚の原稿99を読み取る間では搬送速度が変更されないため、読取品質が低下するおそれが低減される。
【0120】
(8)制御部39は、複数枚の原稿99を連続して読み取る場合に、1枚目の原稿99については、無線通信によって接続される外部装置100との通信速度に基づいて搬送速度を制御する。制御部39は、2枚目以降の原稿99については、転送速度に基づいて搬送速度を制御する。上記構成によれば、原稿99ごとに搬送速度が制御される。すなわち、原稿99ごとに搬送速度が最適化されるため、ユーザーの待ち時間が少なくなる。
【0121】
(9)データ生成部25は、読取部23の読取値からRGB画像D2を生成し、RGB画像D2に変換処理を施すことによって画像データD1を生成する。制御部39は、後続する原稿99の画像データD1の生成を開始するまでに先行する原稿99の画像データD1の転送が完了するように、2枚目以降の原稿99の搬送速度を制御する。
【0122】
画像データD1の生成を開始するまでに前回の画像データD1の転送が完了しない場合では、画像データD1が蓄積されるおそれがある。この点、上記構成によれば、画像データD1の転送が完了した後に次の画像データD1が生成されるため、画像データD1が蓄積されるおそれが低減される。
【0123】
(10)制御部39は、転送速度に基づいてデータ生成部25の機能を制限する。
データ生成部25の機能が制限されると、画像データD1の生成速度が低くなる。しかし、転送速度が小さい状況では、データ生成部25が高速で画像データD1を生成する場合と、低速で画像データD1を生成する場合とで、画像データD1の転送に要する時間は変わらない。すなわち、転送速度がボトルネックになる。そのため、転送速度が小さい状況では、データ生成部25の機能を制限しても問題がない。データ生成部25の機能が制限されることによって、データ生成部25の消費電力が低減される。したがって、上記構成によれば、転送速度が小さい場合に、データ生成部25の消費電力を低減できる。
【0124】
(11)制御部39は、記憶部33に格納される画像データD1の格納量、及び、転送速度に基づいて、搬送速度を変更する。
例えば、画像データD1の格納量が多い場合、記憶部33の空き容量が少なくなる。このうえ、原稿99の搬送速度が大きいと、記憶部33の空き容量がさらに少なくなるおそれがある。転送速度が大きくても、記憶部33の空き容量が少ないと、原稿99の搬送速度を小さくした方がよい場合がある。したがって、上記構成によれば、搬送速度をより好適に変更できる。
【0125】
(12)制御部39は、転送速度が第1閾値未満である場合に、データ生成部25を省電力モードに切り換える。
データ生成部25の機能が制限されると、画像データD1の生成速度が小さくなる。しかし、転送速度が小さい状況では、データ生成部25が高速で画像データD1を生成する場合と、低速で画像データD1を生成する場合とで、画像データD1の転送に要する時間は変わらない。すなわち、転送速度がボトルネックになる。したがって、転送速度が小さい状況では、データ生成部25の機能を制限しても問題がない。そのため、上記構成によ
れば、転送速度が第1閾値未満である場合に、省電力モードによって電力量が削減される。
【0126】
(13)制御部39は、転送速度が第1閾値未満である場合に、データ生成部25を第1省電力モードM2に切り換える。制御部39は、転送速度が第2閾値未満である場合に、第1省電力モードM2と比べてデータ生成部25への電力供給が少なくなることによって機能がさらに制限される第2省電力モードM3に切り換える。上記構成によれば、転送速度が第2閾値未満である場合に、第2省電力モードM3によって電力量がより削減される。
【0127】
(14)制御部39は、転送速度が第3閾値未満である場合に、通知部38にエラーを通知させる。
転送速度が極端に小さい場合、画像データD1の転送が困難になる場合がある。上記構成によれば、エラーを通知することによって、ユーザーは、転送速度が極端に小さいことを把握できる。
【0128】
(15)制御部39は、複数の変換モジュール28に対して一部の変換モジュール28のみに電力を供給することによって、データ生成部25を省電力モードに切り換える。
上記構成によれば、省電力モードにおいて、変換モジュール28の駆動数が削減されるため、電力量が削減される。
【0129】
<変更例>
本実施例は、以下のように変更して実施できる。本実施例及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施できる。
【0130】
・制御部39は、通信速度を予測してもよい。制御部39は、予測した通信速度に基づいて1枚目の原稿99について搬送速度を決めてもよい。制御部39は、転送バッファ35の空き容量に基づいて、通信速度を予測してもよい。例えば、転送バッファ35の空き容量が少ない場合、画像データD1の転送が滞っているため、通信速度が小さいことが予測できる。
【0131】
・変換モジュール28は、JPEG画像及びTIFF画像以外の形式の画像データD1を生成する構成であってもよい。例えば、変換モジュール28は、BMP画像、PNG画像などの形式で画像データD1を生成してもよい。
【0132】
・制御部39は、1枚ごとに限らず、例えば、所定枚数ごとに搬送速度を変更してもよい。制御部39は、所定枚数ごとにデータ生成部25のモードを切り換えてもよい。
・通知部38は、変更通知A1及び改善通知A2のうち少なくとも1つを通知していればよい。これにより、読取装置11に故障、不具合などが生じたために搬送速度の変更が生じたとユーザーが誤認するおそれが低減される。
【0133】
<技術的思想>
以下に、上述した実施例及び変更例から把握される技術的思想及びその作用効果を記載する。
【0134】
[態様1]読取装置は、外部装置と接続される読取装置であって、原稿を搬送する搬送部と、前記搬送部によって搬送される原稿を読み取る読取部と、前記読取部によって読み取られた原稿の画像データを生成するデータ生成部と、前記外部装置に前記画像データを転送する転送部と、ユーザーに情報を通知する通知部と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記転送部による前記画像データの転送速度に基づいて前記搬送部による原稿の搬送
速度を制御し、前記搬送速度を変更する場合に、前記搬送速度の変更を示す変更通知を前記通知部に通知させる。
【0135】
上記構成によれば、読取装置に故障、不具合などが生じたために搬送速度の変更が生じたとユーザーが誤認するおそれが低減される。したがって、読取装置の使い勝手が向上する。
【0136】
[態様2]態様1の読取装置は、前記変更通知を表示する表示部を備え、前記表示部は、前記転送速度を表示してもよい。
上記構成によれば、ユーザーは、転送速度を把握できる。これにより、例えば、ユーザーは、転送速度が低い場合に、転送速度の改善を試みることができる。
【0137】
[態様3]態様1又は態様2の読取装置は、前記変更通知を表示する表示部を備え、前記制御部は、前記画像データの転送が完了するまでに要する転送時間を前記転送速度に基づいて推定し、前記表示部は、前記転送時間を表示してもよい。上記構成によれば、ユーザーは、転送時間を把握できる。これにより、ユーザーの利便性が向上する。
【0138】
[態様4]態様1から態様3の何れかの読取装置において、前記制御部は、前記転送速度が改善閾値未満である場合に、前記転送速度の改善を促す改善通知を前記通知部に通知させてもよい。
【0139】
上記構成によれば、改善通知によって、ユーザーは、転送速度が小さいことを把握できる。これにより、ユーザーの利便性が向上する。
[態様5]態様4の読取装置において、前記制御部は、前記転送速度が前記改善閾値よりも小さいエラー閾値未満である場合に、前記搬送部を停止させ、前記通知部にエラーを通知させてもよい。
【0140】
転送速度が極端に小さい場合、画像データの転送が困難になる場合がある。上記構成によれば、エラーを通知することによって、ユーザーは、転送速度が極端に小さいことを把握できる。
【0141】
[態様6]態様4又は態様5の読取装置において、前記制御部は、前記転送速度が前記改善閾値以下である場合に、前記読取部による原稿の読取中には前記改善通知を前記通知部に通知させなくてもよい。
【0142】
改善通知が通知されることによって、ユーザーは、読取装置の位置、姿勢などを変更することがある。原稿の読取中に読取装置の位置、姿勢などが変更されると、読取品質が低下するおそれがある。上記構成によれば、原稿の読取中に読取装置の位置、姿勢などが変更されるおそれが低減されるため、読取品質が低下するおそれが低減される。
【0143】
[態様7]態様1から態様6の何れかの読取装置において、前記制御部は、前記転送速度に基づいて、先行する原稿の読取を終えてから後続する原稿の搬送を開始するまでの間に、前記搬送速度を変更してもよい。
【0144】
1枚の原稿を読み取る間で搬送速度が変更されると、読取品質が低下するおそれがある。上記構成によれば、1枚の原稿を読み取る間では搬送速度が変更されないため、読取品質が低下するおそれが低減される。
【0145】
[態様8]態様1から態様7の何れかの読取装置において、前記制御部は、複数枚の原稿を連続して読み取る場合に、1枚目の原稿については、無線通信によって接続される前
記外部装置との通信速度に基づいて前記搬送速度を制御し、2枚目以降の原稿については、前記転送部により転送された前記画像データの前記転送速度に基づいて前記搬送速度を制御してもよい。上記構成によれば、原稿ごとに搬送速度が制御される。すなわち、原稿ごとに搬送速度が最適化されるため、ユーザーの待ち時間が少なくなる。
【0146】
[態様9]態様1から態様8の何れかの読取装置において、前記データ生成部は、前記読取部の読取値からRGB画像を生成し、前記RGB画像に変換処理を施すことによって前記画像データを生成し、前記制御部は、後続する原稿の前記画像データの生成を開始するまでに先行する原稿の前記画像データの転送が完了するように、2枚目以降の原稿の前記搬送速度を制御してもよい。
【0147】
後続する原稿の画像データの生成を開始するまでに先行する原稿の画像データの転送が完了しない場合では、画像データが蓄積されるおそれがある。この点、上記構成によれば、先行する原稿の画像データの転送が完了した後に後続する原稿の画像データが生成されるため、画像データが蓄積されるおそれが低減される。
【0148】
[態様10]態様1から態様9の何れかの読取装置において、前記制御部は、前記転送速度に基づいて前記データ生成部の機能を制限してもよい。
データ生成部の機能が制限されると、画像データの生成速度が低くなる。しかし、転送速度が小さい状況では、データ生成部が高速で画像データを生成する場合と、低速で画像データを生成する場合とで、画像データの転送に要する時間は変わらない。すなわち、転送速度がボトルネックになる。そのため、転送速度が小さい状況では、データ生成部の機能を制限しても問題がない。データ生成部の機能が制限されることによって、データ生成部の消費電力が低減される。したがって、上記構成によれば、転送速度が小さい場合に、データ生成部の消費電力を低減できる。
【0149】
[態様11]態様1から態様10の何れかの読取装置は、前記画像データが格納される記憶部を備え、前記制御部は、前記記憶部に格納される前記画像データの格納量、及び、前記転送速度に基づいて、前記搬送速度を変更してもよい。
【0150】
例えば、画像データの格納量が多い場合、記憶部の空き容量が少なくなる。このうえ、原稿の搬送速度が大きいと、記憶部の空き容量がさらに少なくなるおそれがある。転送速度が大きくても、記憶部の空き容量が少ないと、原稿の搬送速度を小さくした方がよい場合がある。したがって、上記構成によれば、搬送速度をより好適に変更できる。
【0151】
[態様12]読取装置は、外部装置と接続される読取装置であって、原稿を搬送する搬送部と、前記搬送部によって搬送される原稿を読み取る読取部と、前記読取部によって読み取られた原稿の画像データを生成するデータ生成部と、前記外部装置に前記画像データを転送する転送部と、ユーザーに情報を通知する通知部と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記転送部によって転送される前記画像データの転送速度に基づいて前記搬送部による原稿の搬送速度を制御し、前記転送速度が改善閾値未満である場合に、前記転送速度の改善を促す改善通知を前記通知部に通知させる。
【0152】
上記構成によれば、読取装置に故障、不具合などが生じたために搬送速度の変更が生じたとユーザーが誤認するおそれが低減される。すなわち、ユーザーは、改善通知によって、転送速度が小さいために原稿の搬送速度が変更されたことを把握できる。したがって、読取装置の使い勝手が向上する。
【0153】
[態様13]読取装置の制御方法は、搬送される原稿を読み取ることによって原稿の画像データを生成する読取装置の制御方法であって、前記読取装置から外部装置に転送され
る前記画像データの転送速度に基づいて原稿の搬送速度を変更することと、前記搬送速度を変更する場合に、前記搬送速度の変更を通知することと、を含む。上記方法によれば、上述した読取装置と同様の効果が得られる。
【0154】
[態様14]読取装置は、外部装置と接続される読取装置であって、原稿を搬送する搬送部と、前記搬送部によって搬送される原稿を読み取る読取部と、前記読取部によって読み取られた原稿の画像データを生成するデータ生成部と、前記外部装置に前記画像データを転送する転送部と、前記データ生成部への電力供給を制御することによって、前記データ生成部を通常モードと省電力モードとを含む複数のモードで切り換える制御部と、を備え、前記省電力モードは、前記通常モードと比べて、前記データ生成部への電力供給量が少なくなることによって機能が制限されるモードであり、前記制御部は、前記転送部による前記画像データの転送速度に基づいて前記搬送部による原稿の搬送速度を制御し、前記転送速度が閾値未満である場合に、前記データ生成部を前記省電力モードに切り換える。
【0155】
データ生成部の機能が制限されると、画像データの生成速度が小さくなる。しかし、転送速度が小さい状況では、データ生成部が高速で画像データを生成する場合と、低速で画像データを生成する場合とで、画像データの転送に要する時間は変わらない。すなわち、転送速度がボトルネックになる。したがって、転送速度が小さい状況では、データ生成部の機能を制限しても問題がない。そのため、上記構成によれば、転送速度が閾値未満である場合に、省電力モードによって電力量が削減される。
【0156】
[態様15]態様14の読取装置は、前記画像データが格納される記憶部を備え、前記制御部は、前記記憶部に格納される前記画像データの格納量、及び、前記転送速度に基づいて、前記搬送速度を変更してもよい。
【0157】
画像データの格納量が多い場合、記憶部の空き容量が少なくなる。このうえ、原稿の搬送速度が大きいと、記憶部の空き容量がさらに少なくなるおそれがある。このように、転送速度が大きくても、記憶部の空き容量が少ないと、原稿の搬送速度を小さくした方がよいことがある。したがって、上記構成によれば、搬送速度をより好適に変更できる。
【0158】
[態様16]態様14又は態様15の読取装置において、前記省電力モードは、第1省電力モードであり、前記閾値は、第1閾値であり、前記制御部は、前記転送速度が前記第1閾値未満である場合に、前記データ生成部を前記第1省電力モードに切り換え、前記転送速度が前記第1閾値よりも低い第2閾値未満である場合に、前記第1省電力モードと比べて前記データ生成部への電力供給が少なくなることによって機能がさらに制限される第2省電力モードに切り換えてもよい。上記構成によれば、転送速度が第2閾値未満である場合に、第2省電力モードによって電力量がより削減される。
【0159】
[態様17]態様16の読取装置は、ユーザーに情報を通知する通知部を備え、前記制御部は、前記転送速度が前記第2閾値よりも低い第3閾値未満である場合に、前記通知部にエラーを通知させてもよい。
【0160】
転送速度が極端に小さい場合、画像データの転送が困難になる場合がある。上記構成によれば、エラーを通知することによって、ユーザーは、転送速度が極端に小さいことを把握できる。
【0161】
[態様18]態様14から態様17の何れかの読取装置において、前記データ生成部は、前記読取部の読取値からRGB画像を生成するRGBモジュールと、前記RGB画像に変換処理を施すことによって前記画像データを生成する複数の変換モジュールと、を含み、前記制御部は、前記複数の変換モジュールに対して一部の変換モジュールのみに電力を
供給することによって、前記データ生成部を前記省電力モードに切り換えてもよい。上記構成によれば、省電力モードにおいて、変換モジュールの駆動数が削減されるため、電力量が削減される。
【0162】
[態様19]態様14から態様18の何れかの読取装置において、前記制御部は、複数枚の原稿を連続して読み取る場合に、1枚目の原稿については、無線通信によって接続される前記外部装置との通信速度に基づいて前記搬送速度を制御し、2枚目以降の原稿については、前記転送部により転送された前記画像データの前記転送速度に基づいて前記搬送速度を制御してもよい。上記構成によれば、原稿ごとに搬送速度が制御される。すなわち、原稿ごとに搬送速度が最適化されるため、ユーザーの待ち時間が少なくなる。
【0163】
[態様20]態様14から態様19の何れかの読取装置において、前記データ生成部は、前記読取部の読取値からRGB画像を生成し、前記RGB画像に変換処理を施すことによって前記画像データを生成し、前記制御部は、前記画像データの生成を開始するまでに前回の前記画像データの転送が完了するように、2枚目以降の原稿の前記搬送速度を制御してもよい。
【0164】
画像データの生成を開始するまでに前回の画像データの転送が完了しない場合では、画像データが蓄積されることがある。この点、上記構成によれば、画像データの転送が完了した後に次の画像データが生成されるため、画像データが蓄積されるおそれが低減される。
【0165】
[態様21]読取装置の制御方法は、搬送される原稿から原稿の画像データを生成するデータ生成部を備える読取装置の制御方法であって、前記読取装置から外部装置に転送される前記画像データの転送速度に基づいて原稿の搬送速度を変更することと、前記転送速度が閾値未満である場合に、前記データ生成部への電力供給量を少なくすることによって前記データ生成部の機能を制限することと、を含む。上記方法によれば、上述の読取装置と同様の効果が得られる。
【符号の説明】
【0166】
11…読取装置、12…筐体、13…供給口、14…排出口、15…供給トレイ、16…表示部、17…操作部、19…搬送部、20…ピックローラー、21…搬送ローラー対、22…排出ローラー対、23…読取部、24…CISM、25…データ生成部、26…処理回路、27…RGBモジュール、28…変換モジュール、29…YUVモジュール、30…JPEGモジュール、31…TIFFモジュール、33…記憶部、34…RGBバッファ、35…転送バッファ、36…変換バッファ、37…転送部、38…通知部、39…制御部、41…中止ボタン、42…再開ボタン、99…原稿、100…外部装置、101…アクセスポイント、A1…変更通知、A2…改善通知、A3…エラー通知、B1…読取情報、B2…設定情報、B3…通信速度情報、B4…転送速度情報、B5…転送時間情報、D1…画像データ、D2…RGB画像、D3…分割データ、M1…通常モード、M2…第1省電力モード、M3…第2省電力モード。
図1
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