(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024033625
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】商品受け渡しシステム、ロッカー管理装置および商品受け渡し方法
(51)【国際特許分類】
A47G 29/12 20060101AFI20240306BHJP
G07F 17/12 20060101ALI20240306BHJP
E05B 65/00 20060101ALI20240306BHJP
E05B 49/00 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
A47G29/12 Z
G07F17/12
E05B65/00 D
E05B49/00 J
E05B49/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022137315
(22)【出願日】2022-08-30
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129067
【弁理士】
【氏名又は名称】町田 能章
(74)【代理人】
【識別番号】100183162
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 義文
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】三宅 晨
【テーマコード(参考)】
2E250
3K100
【Fターム(参考)】
2E250AA18
2E250BB05
2E250BB08
2E250DD06
2E250DD07
2E250EE20
2E250FF11
2E250FF28
2E250GG06
3K100CA43
3K100CA45
3K100CA48
3K100CC10
3K100CD03
3K100CD10
(57)【要約】
【課題】非対面での受け渡しながら購入者が商品を確実に受け取ることができる。
【解決手段】オンライン決済を用いて購入した商品を購入者に受け渡す商品受け渡しシステム1であって、購入した前記商品を収納するロッカー装置としてのコインロッカー5と、コインロッカー5を管理するロッカー管理装置としてのCL管理サーバー6とを備える。コインロッカー5は、施解錠可能な収納部と、持ち運び可能な媒体または購入者自身から購入者情報を読み取る読取部とを有する。CL管理サーバー6は、前記オンライン決済で使用した前記購入者情報を商店側から受信する通信部と、コインロッカー5に対して施解錠に関する信号を送信する制御部とを有し、前記制御部は、前記通信部で受信した第1の購入者情報と前記読取部で読み取った第2の購入者情報とが同一である場合に前記収納部を解錠する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オンライン決済を用いて購入した商品を購入者に受け渡す商品受け渡しシステムであって、
購入した前記商品を収納するロッカー装置と、
前記ロッカー装置を管理するロッカー管理装置と、を備え、
前記ロッカー装置は、
施解錠可能な収納部と、
持ち運び可能な媒体または購入者自身から購入者情報を読み取る読取部と、を有し、
前記ロッカー管理装置は、
前記オンライン決済で使用した前記購入者情報を商店側から受信する通信部と、
前記ロッカー装置に対して施解錠に関する信号を送信する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記通信部で受信した第1の購入者情報と前記読取部で読み取った第2の購入者情報とが同一である場合に前記収納部を解錠する、
ことを特徴とする商品受け渡しシステム。
【請求項2】
前記読取部は、前記商品を預け入れるときに前記第2の購入者情報を読み取る第1の読取部と、前記商品を取り出すときに前記第2の購入者情報を読み取る第2の読取部と、を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の商品受け渡しシステム。
【請求項3】
前記第1の読取部は、バーコードリーダーまたはカメラであり、
前記第2の読取部は、ICカードリーダーである、
ことを特徴とする請求項2に記載の商品受け渡しシステム。
【請求項4】
前記制御部は、前記通信部で受信した前記第1の購入者情報を記憶部に記憶しておき、
前記記憶部で記憶する前記第1の購入者情報と前記第1の読取部で読み取った第2の購入者情報とが同一である場合に、前記収納部を解錠して前記商品を預け入れ可能にし、
前記記憶部で記憶する前記第1の購入者情報と前記第2の読取部で読み取った第2の購入者情報とが同一である場合に、前記収納部を解錠して収納する前記商品を取り出し可能にする、
ことを特徴とする請求項2に記載の商品受け渡しシステム。
【請求項5】
前記制御部は、前記オンライン決済が完了した後で前記ロッカー装置の予約依頼を受け取った場合に、前記収納部を施錠する、
ことを特徴とする請求項1に記載の商品受け渡しシステム。
【請求項6】
前記ロッカー装置は、
前記ロッカー管理装置から解錠の信号を受け取った場合に延長利用があるかを判定し、延長利用があるときに前記購入者情報を用いてオンライン決済を行う、
ことを特徴とする請求項1に記載の商品受け渡しシステム。
【請求項7】
オンライン決済を用いて購入した商品を購入者に受け渡すロッカー装置を管理するロッカー管理装置であって、
前記オンライン決済で使用した購入者情報を商店側から受信する通信部と、
前記ロッカー装置に対して施解錠に関する信号を送信する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記通信部で受信した第1の購入者情報と、前記ロッカー装置の読取部で読み取った第2の購入者情報とが同一である場合に、前記ロッカー装置の収納部を解錠する、
ことを特徴とするロッカー管理装置。
【請求項8】
オンライン決済を用いて購入した商品を、ロッカー装置を用いて購入者に受け渡す商品受け渡し方法であって、
前記オンライン決済で使用した購入者情報を商店側から受信する受信ステップと、
前記ロッカー装置が備える読取部を用いて持ち運び可能な媒体または購入者自身から購入者情報を読み取る読取ステップと、
前記受信ステップで商店側から受信した第1の購入者情報と、前記読取ステップで読み取った第2の購入者情報とが同一である場合に、前記ロッカー装置の収納部を解錠する解錠ステップと、を有する、
ことを特徴とする商品受け渡し方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品受け渡しシステム、ロッカー管理装置および商品受け渡し方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットを利用した電子商取引が一般的となり、様々な商品の受け渡し方法が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1に記載される宅配システムは、不在中に宅配された荷物を帰宅時に自宅前で受け取ることができるものである。特許文献1に記載される宅配システムでは、暗証暗号で解錠する宅配ボックスに宅配業者が荷物を収容して荷受人の自宅前等に留置し、荷受人の携帯電話等に暗証暗号を送信する。荷受人は、携帯電話等に通知された暗証番号を用いて宅配ボックスを解錠して荷物を受け取る。
【0003】
また、公共の場所に設置されたコインロッカーを使用して商品の受け渡しが行われる場合がある。コインロッカーをインターネットに接続させることで、コインロッカーの予約や電子マネーによる決済が可能であるので、商品の受け渡しにコインロッカーを使用することができる。荷受人は、例えば通知された暗証番号を用いてコインロッカーを解錠して商品を受け取る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、商品の受け渡しに暗証番号を使用した場合、第三者が番号をランダムに入力することによって解錠されてしまう恐れがある。
【0006】
本発明は、前記問題に鑑みてなされたものであり、非対面での受け渡しながら購入者が商品を確実に受け取ることができる、商品受け渡しシステム、ロッカー管理装置および商品受け渡し方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明に係る商品受け渡しシステムは、オンライン決済を用いて購入した商品を購入者に受け渡す商品受け渡しシステムであって、購入した前記商品を収納するロッカー装置と、前記ロッカー装置を管理するロッカー管理装置と、を備え、前記ロッカー装置は、施解錠可能な収納部と、持ち運び可能な媒体または購入者自身から購入者情報を読み取る読取部と、を有し、前記ロッカー管理装置は、前記オンライン決済で使用した前記購入者情報を商店側から受信する通信部と、前記ロッカー装置に対して施解錠に関する信号を送信する制御部と、を有し、前記制御部は、前記通信部で受信した第1の購入者情報と前記読取部で読み取った第2の購入者情報とが同一である場合に前記収納部を解錠することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係るロッカー管理装置は、オンライン決済を用いて購入した商品を購入者に受け渡すロッカー装置を管理するロッカー管理装置であって、前記オンライン決済で使用した購入者情報を商店側から受信する通信部と、前記ロッカー装置に対して施解錠に関する信号を送信する制御部と、を有し、前記制御部は、前記通信部で受信した第1の購入者情報と、前記ロッカー装置の読取部で読み取った第2の購入者情報とが同一である場合に、前記ロッカー装置の収納部を解錠することを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る商品受け渡し方法は、オンライン決済を用いて購入した商品を、ロッカー装置を用いて購入者に受け渡す商品受け渡し方法であって、前記オンライン決済で使用した購入者情報を商店側から受信する受信ステップと、前記ロッカー装置が備える読取部を用いて持ち運び可能な媒体または購入者自身から購入者情報を読み取る読取ステップと、前記受信ステップで商店側から受信した第1の購入者情報と、前記読取ステップで読み取った第2の購入者情報とが同一である場合に、前記ロッカー装置の収納部を解錠する解錠ステップと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、非対面での受け渡しながら購入者が商品を確実に受け取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態に係る商品受け渡しシステムの全体構成図である。
【
図7】本発明の実施形態に係る商品受け渡し動作における商品購入時のシーケンス図である。
【
図8】本発明の実施形態に係る実施形態に係る商品受け渡し動作における商品預け入れ時のシーケンス図である。
【
図9】本発明の実施形態に係る商品受け渡し動作における商品受け取り時のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態を、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、本実施形態では、本発明と直接的に関連しない構成や周知な構成については、説明を省略する場合がある。なお、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
【0013】
<実施形態に係る商品受け渡しシステムの構成について>
図1を参照して、実施形態に係る商品受け渡しシステム1の構成について説明する。
図1は、商品受け渡しシステム1の全体構成図である。
図1に示す商品受け渡しシステム1は、オンライン決済を用いて購入した商品を、ロッカー装置(例えば、コインロッカーや宅配ボックス)を用いて受け渡すシステムある。
【0014】
図1に示すように、商品受け渡しシステム1は、主に、一つ以上の電子機器端末3と、OS注文管理サーバー4と、コインロッカー5と、CL管理サーバー6と、決済サーバー7とを備える。なお、「OS」はオンラインストアの略称であり、「CL」はコインロッカーの略称である。商品受け渡しシステム1では、商店2が販売して購入者によって購入された商品を、販売者やその関係者がコインロッカー5に収納し、購入者はコインロッカー5から自身が購入した商品を受け取る。
【0015】
なお、本実施形態では、購入者はIC(Integrated Circuit)チップ8aを内蔵したICカード8を用いて商品を購入する場合を想定する。ICカード8は、ICチップ8aに膨大な情報を記憶させることが可能であり、ICチップ8aには購入者の情報(「購入者情報」と呼ぶ場合がある)が記憶されている。ICカード8は、例えば、クレジットカード、デビットカード、プリペイド式の電子マネーカードなどであってよい。ICカード8は、接触型、非接触型の何れであってもよい。購入者情報は、例えば、購入者を識別する識別情報、購入者の生体情報、ICカードのカード情報などであってよい。
【0016】
図1に示す電子機器端末3は、商品の購入者が使用する端末である。電子機器端末3は、例えば、PC(Personal Computer)、タブレット端末、スマートフォン等である。電子機器端末3の機能構成を
図2に示す。
【0017】
図2に示すように、電子機器端末3は、制御部31と、通信部32と、入力部33と、表示部34と、を主に備える。制御部31は、例えばCPU(Central Processing Unit)を有しており、ROM(Read Only Memory)に格納されるプログラムを実行することによって様々な機能を実現する(制御部31の機能については、後記する「商品受け渡しシステムの動作」で説明する)。通信部32は、例えばネットワークカードであり、ネットワークNWを介して他の装置(特にOS注文管理サーバー4)とデータ通信する。入力部33は、例えばキーボード、タッチパネルなどであり、購入者は、購入者情報(例えば、ICカード8の情報)を、入力部33を介して入力する。なお、購入者情報の入力方法は特に限定されず、ICカードリーダーで購入者情報を読み取ってもよい。表示部34は、例えば液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどであり、商取引に関する情報や商品の受け渡しに関する情報を表示する。
【0018】
図1に示すOS注文管理サーバー4は、インターネットを介して商品を売買するサービス(オンラインストア)を提供する装置である。本実施形態でのOS注文管理サーバー4は、商店2の商品を売買する。OS注文管理サーバー4の機能構成を
図3に示す。
【0019】
図3に示すように、OS注文管理サーバー4は、制御部41と、通信部42と、記憶部43と、を主に備える。制御部41は、例えばCPUを有しており、ROMに格納されるプログラムを実行することによって様々な機能を実現する(制御部41の機能については、後記する「商品受け渡しシステムの動作」で説明する)。通信部42は、例えばネットワークカードであり、ネットワークNWを介して他の装置(特にOS注文管理サーバー4、CL管理サーバー6、決済サーバー7)とデータ通信する。記憶部43は、例えばHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)などであり、オンラインストアを実現するために必要な情報を記憶する。記憶部43は、例えば商品データベース、顧客データベース、精算データベースなどを有する。
【0020】
図1に示すコインロッカー5は、時間に応じた金額を支払うことで商品を預けることができる時間制のロッカー装置である。コインロッカー5は、所定の金額の硬貨を入れることで施錠(または解錠)可能である。本実施形態では、購入した商品をコインロッカー5に収納することで、非対面での商品の受け渡しを実施する。コインロッカー5の設置場所は特に限定されず、例えば公共の場所に設置される。なお、コインロッカー5は、ロッカー装置の一例であり、ロッカー装置は、コインロッカー5に限定されない。ロッカー装置は、例えば宅配ボックスなどであってもよい。コインロッカー5の機能構成を
図4に示す。
【0021】
図4に示すように、コインロッカー5は、例えば、制御部51と、通信部52と、収納部53と、読取部54と、を主に備える。制御部51は、例えばCPUを有しており、ROMに格納されるプログラムを実行することによって様々な機能を実現する(制御部51の機能については、後記する「商品受け渡しシステムの動作」で説明する)。通信部52は、例えばネットワークカードであり、ネットワークNWを介して他の装置(特にCL管理サーバー6)とデータ通信する。
【0022】
収納部53は、商品を収納可能な空間を有し、当該空間は開閉可能な扉によって閉鎖することができる。収納部53には、電気錠53a(電子錠でもよい)が設置されており、閉じた状態の扉を施錠することが可能である。電気錠53aは、電気的に施解錠をする機構を組み込んだロックシステムのことであり、遠隔操作で電気錠53aを施解錠できる。コインロッカー5は、一つ以上の収納部53を備える。
【0023】
読取部54は、購入者情報を読み取るものであり、本実施形態に係る読取部54は、読み取る方法が異なる二つの構成要素(第1の読取部54a、第2の読取部54b)を有する。第1の読取部54aは、例えばバーコードリーダー(スキャナーやカメラなど)であり、一次元または二次元のバーコードを読み取り可能である。第1の読取部54aは、購入した商品を従業員がコインロッカー5に預け入れるときに使用される。第2の読取部54bは、例えばICカードリーダーであり、ICカード8の情報を読み取り可能である。第2の読取部54bは、購入した商品を購入者がコインロッカー5から取り出すときに使用される。
【0024】
図1に示すCL管理サーバー6は、コインロッカー5を管理する装置である。CL管理サーバー6は、コインロッカー5の予約や施解錠を行うことができる。CL管理サーバー6の機能構成を
図5に示す。
【0025】
図5に示すように、CL管理サーバー6は、制御部61と、通信部62と、記憶部63と、を主に備える。制御部61は、例えばCPUを有しており、ROMに格納されるプログラムを実行することによって様々な機能を実現する(制御部61の機能については、後記する「商品受け渡しシステムの動作」で説明する)。通信部62は、例えばネットワークカードであり、ネットワークNWを介して他の装置(特にOS注文管理サーバー4、コインロッカー5)とデータ通信する。記憶部63は、例えばHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)などであり、コインロッカー5の管理を実現するために必要な情報を記憶する。記憶部63は、例えばコインロッカー(CL)使用状況データベースなどを有する。
【0026】
図1に示す決済サーバー7は、購入した商品の決済処理を実行する装置である。本実施形態での決済サーバー7は、購入者のICカード8の情報を用いて、商店2から購入した商品をオンラインで決済処理(オンライン決済)する。
【0027】
図6に示すように、決済サーバー7は、制御部71と、通信部72と、記憶部73と、を主に備える。制御部71は、例えばCPUを有しており、ROMに格納されるプログラムを実行することによって様々な機能を実現する(制御部71の機能については、後記する「商品受け渡しシステムの動作」で説明する)。通信部72は、例えばネットワークカードであり、ネットワークNWを介して他の装置(特にOS注文管理サーバー4、コインロッカー5)とデータ通信する。記憶部73は、例えばHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)などであり、購入した商品の決済処理を実行するために必要な情報を記憶する。
【0028】
<実施形態に係る商品受け渡しシステムの動作について>
図7ないし
図9を参照して(適宜、
図1ないし
図6を参照)、実施形態に係る商品受け渡しシステム1の商品受け渡し動作について説明する。ここでは、「商品購入時の動作」、「商品預け入れ時の動作」、「商品受け取り時の動作」に分けて、商品受け渡し動作を説明する。
図7は、実施形態に係る商品受け渡し動作における商品購入時のシーケンス図である。
図8は、実施形態に係る商品受け渡し動作における商品預け入れ時のシーケンス図である。
図9は、実施形態に係る商品受け渡し動作における商品受け取り時のシーケンス図である。
【0029】
図7ないし
図9のシーケンス図で使用している図形は、以下の内容を表している。
・長方形の図形は、システム上の処理を表す。
・上辺が下辺よりも長い台形は、購入者の操作を表す。
・平行四辺形の図形は、送受信されるデータを示す。
・内部に点線が描かれた長方形の図形(
図8のステップS46および
図9のステップS65を参照)は、処理の分岐を表す。
【0030】
(商品購入時の動作)
図7に示すように、購入者は、オンラインストアで商店2の商品を購入しようとした場合に、コインロッカー5の受け取り設定を実施する(ステップS11)。例えば、購入者は、受取場所として任意のコインロッカーを選択し、また受取希望時間を選択する。電子機器端末3は、「購入予定商品」、「受取希望場所」、「受取希望時間」をOS注文管理サーバー4に送信する(ステップS12)。受取希望場所は、例えばエリアを特定する情報(地名など)であり、住所であってもよい。受取希望時間は、例えば日付や時間を含んだ情報である。
【0031】
OS注文管理サーバー4の制御部41は、購入予定商品の識別情報をキーにして商品データベースを参照し、商品データベースから「購入予定商品の情報(例えば、商品のサイズ)」を取得する(ステップS13)。制御部41は、「購入商品サイズ」、「受取希望場所」、「受取希望時間」をCL管理サーバー6に送信してコインロッカー5の使用状況を問い合わせる(ステップS14)。CL管理サーバー6の制御部61は、これら受信した情報をキーにしてCL使用状況データベースを参照し、条件に合致する(または条件を満たす)コインロッカー5の情報をCL使用状況データベースから取得し、当該情報を「コインロッカー空き情報」としてOS注文管理サーバー4に応答する(ステップS15)。
【0032】
OS注文管理サーバー4の制御部41は、CL管理サーバー6から受信した「コインロッカー空き情報」を電子機器端末3に送信し(ステップS16)、電子機器端末3の制御部31は、受信した「コインロッカー空き情報」を表示部34に表示する(ステップS17)。購入者は、表示部34に表示される「コインロッカー空き情報」を見ることで、自身が希望した「場所」や「時間」において、「購入予定商品」を収納可能なコインロッカー5の空き状況を確認できる。
【0033】
購入者は、表示されたコインロッカー5の空き状況から一つのコインロッカー5を仮予約先として選択し(ステップS18)、電子機器端末3の制御部31は、仮予約先として選択されたコインロッカー5の「位置情報(コインロッカー5の識別情報でも可能)」、「受取希望時間」をOS注文管理サーバー4に送信する(ステップS19)。OS注文管理サーバー4の制御部41は、受信した情報に基づいてコインロッカー5の「仮予約依頼」をCL管理サーバー6に送信する(ステップS20)。CL管理サーバー6の制御部61は、「仮予約依頼」の情報をCL使用状況データベースに登録し、登録後にコインロッカー5の仮予約が完了したことを「仮予約完了通知」としてOS注文管理サーバー4に応答する(ステップS21)。
【0034】
OS注文管理サーバー4の制御部41は、CL管理サーバー6から受信したコインロッカー5の「仮予約完了通知」を電子機器端末3に送信し(ステップS22)、電子機器端末3の制御部31は、受信した「仮予約完了通知」に基づいて、仮予約が完了した状態であること(例えば、「仮予約完了」のメッセージなど)を示す情報を表示部34に表示する(ステップS23)。購入者は、表示部34に表示される「仮予約完了状態」を見ることで、自身が希望した「場所」や「時間」でのコインロッカー5の仮予約が完了したことを確認できる。
【0035】
購入者は、コインロッカー5の仮予約が完了した後で商品を購入する操作を行い(ステップS24)、電子機器端末3の制御部31は、「購入商品」、「受取希望場所」、「受取希望時間」、「決済」に関する情報をOS注文管理サーバー4に送信する(ステップS25)。OS注文管理サーバー4の制御部41は、受信した情報に基づいて「決済リクエスト(決済情報を含む)」を決済サーバー7に送信し(ステップS26)、決済サーバー7は、「決済リクエスト(決済情報を含む)」を受信する(ステップS27)。
【0036】
決済サーバー7の制御部71は、「決済リクエスト(決済情報を含む)」に基づいて電子決済を行い(ステップS28)、処理後に電子決済が完了したことを「決済完了通知」としてOS注文管理サーバー4に応答する(ステップS29)。OS注文管理サーバー4の制御部41は、「決済完了通知」を受領し(ステップS30)、商品の購入に関する情報を顧客情報に反映するとともに、決済情報を精算データベースに登録する(ステップS31)。次に、制御部41は、購入した商品の決済が完了したことを示す「決済完了通知」を電子機器端末3に送信し(ステップS32)、電子機器端末3は、「決済完了通知」を受領する(ステップS33)。これにより、購入者は、購入した商品の決済処理が完了したことを確認できる。
【0037】
また、OS注文管理サーバー4の制御部41は、コインロッカー5の「予約依頼」をCL管理サーバー6に送信し(ステップS34)、CL管理サーバー6の制御部61は、「予約依頼」の情報をCL使用状況データベースに登録する。ここで、「予約依頼」には、オンライン決済で使用した購入者情報が含まれており、CL使用状況データベース(つまり、記憶部63)には、購入者情報が記憶される。また、CL管理サーバー6は、予約依頼の対象となるコインロッカー5の収納部53を施錠する信号を送信し(ステップS35)、信号を受信したコインロッカー5は、収納部53を施錠する(ステップS36)。これにより、該当するコインロッカー5の使用が購入した商品に制限され(第三者が使用できなくなり)、コインロッカー5の予約が完了する。コインロッカー5を施錠した後で、CL管理サーバー6は、コインロッカー5の予約が完了したことをOS注文管理サーバー4に通知する(ステップS37)。
【0038】
(商品預け入れ時の動作)
図8に示すように、購入商品の決済およびコインロッカー5の予約が完了した場合に、OS注文管理サーバー4は、購入者のICカード8の情報やコインロッカー5の予約情報を二次元コードとして出力する。予約情報は、ステップS34でのコインロッカー5の予約依頼に関する情報であり、CL使用状況データベースに登録される予約を検索するためのキー情報を含むものである。予約情報は、例えば予約依頼を識別する情報、予約したコインロッカー5や収納部53を識別する情報を含むものである。予約情報は、CL使用状況データベースに登録される情報自体(またはその一部)であってもよい。購入者のICカード8の情報やコインロッカー5の予約情報を暗号化した後で二次元コードとして出力してもよい。本実施形態では、二次元コードを「2DBC」と表記する場合がある。二次元コードの出力方法は特に限定されず、紙媒体に二次元コードを印刷してもよいし、従業員が所持するモバイル端末(図示せず)に二次元コードを送信してもよい。紙媒体やモバイル端末は「媒体」の一例である。ここでは、紙媒体に二次元コードを印刷する場合を想定する。
【0039】
商店2の従業員は、受取希望時間に間に合うように、購入商品および二次元コードが印刷された紙媒体を持って対象のコインロッカー5に移動し、二次元コードをコインロッカー5の第1の読取部54aに翳(かざ)す(ステップS42)。コインロッカー5の第1の読取部54aは、翳された二次元コードを読み取り(ステップS43)、制御部51は、対象の収納部53の「予約情報」をCL管理サーバー6に送信してコインロッカー5の予約状況を問い合わせる(ステップS44)。CL管理サーバー6の制御部61は、受信した「予約情報」を基にしてCL使用状況データベースを照会し、「照会結果」をコインロッカー5に応答する(ステップS45)。
【0040】
コインロッカー5の制御部51は、受信した「照会結果」から予約状況を確認する(ステップS46)。制御部51は、該当する予約情報が無い場合、商品を預け入れる処理を中断する(ステップS47)。制御部51は、例えば、該当する予約がないことを従業員に何らかの手段(例えば、音声やメッセージ)を用いて伝えて、商品を預け入れる処理を中断する。一方、制御部51は、該当する予約情報が有る場合、対象の収納部53を解錠し(ステップS48)、従業員が解錠された収納部53内に購入商品を配置する(ステップS49)。
【0041】
コインロッカー5の制御部51は、対象の収納部53内に購入商品が配置された後で施錠し(ステップS50)、コインロッカー5の「状態情報(購入商品が配置されて施錠されている)」をCL管理サーバー6に送信する(ステップS51)。CL管理サーバー6の制御部61は、「状態情報(購入商品が配置されて施錠されている)」をCL使用状況データベースに登録し、当該状態情報を「商品保管通知」としてOS注文管理サーバー4に送信する(ステップS52)。このように、本実施形態では、従業員が二次元コードをコインロッカー5の第1の読取部54aに読み取らせることで対象の収納部53が解錠し、商品を収納部53内に配置して扉を閉めることで施錠される。なお、商品を収納部53内に配置して扉を閉めた状態で二次元コードを第1の読取部54aに再度読み取らせることで対象の収納部53が施錠されてもよい。
【0042】
OS注文管理サーバー4の制御部41は、「商品保管通知」を受領し(ステップS53)、コインロッカー5の「状態情報(購入商品が配置されて施錠されている)」を顧客データベースに登録する。また、制御部41は、コインロッカー5の「状態情報(購入商品が配置されて施錠されている)」を示す「商品保管通知」を電子機器端末3に送信し(ステップS54)、電子機器端末3は、「商品保管通知」を受領する(ステップS55)。電子機器端末3の制御部31は、「商品保管通知」を受領した場合に、購入商品を収納したコインロッカー5の場所や収納部53の位置と共に、購入商品が受け取り可能であることを表示部34に表示する。なお、電子機器端末3は、「商品保管通知」をメールとして受領してもよい。これにより、購入者は、購入した商品が受け取りを希望したコインロッカー5内に収納(配置)されたことを確認できる。
【0043】
(商品受け取り時の動作)
購入者は、購入した商品が受取りを希望したコインロッカー5内に収納(配置)されたことを確認した後で、受取希望時間に対象のコインロッカー5に向かい、コインロッカー5の操作で受け取りを選択する。そして、
図9に示すように、購入者は、購入時に使用した自身のICカード8をコインロッカー5の第2の読取部54bに翳す(ステップS61)。
【0044】
コインロッカー5の第2の読取部54bは、翳されたICカード8の情報を読み取り(ステップS62)、制御部51は、読み取った「ICカードの情報」をCL管理サーバー6に送信して、コインロッカー5内の商品の受け取り操作をしている人物が購入者であるか、および指定された時間内での受け取りであるかを問い合わせる(ステップS63)。CL管理サーバー6の制御部61は、受信した「ICカードの情報」を基にしてCL使用状況データベースを照会し、「照会結果」をコインロッカー5に応答する(ステップS64)。制御部61は、CL使用状況データベース(つまり、記憶部63)に記憶される購入者情報(第1の購入者情報)と、コインロッカー5の第2の読取部54bで読み取った購入者情報(第2の購入者情報)とを比較し、この二つの情報が同一である場合に収納部53を解錠する信号を「照会結果」に含めてコインロッカー5に応答する。
【0045】
コインロッカー5の制御部51は、受信した「照会結果」に収納部53を解錠する信号が含まれていた場合に、延長利用の有無を確認する(ステップS65)。制御部51は、延長利用がある場合(例えば、受取希望時間から長時間が経過してからの受け取りの場合)、延長料金を表示する(ステップS66)。購入者は、延長料金の表示を確認した後で、決済方法を選択し(ステップS67)、コインロッカー5の制御部51は、通知された延長料金および選択された決済方法に基づいて、「決済リクエスト(決済情報を含む)」を決済サーバー7に送信し(ステップS68)、決済サーバー7は、「決済リクエスト(決済情報を含む)」を受信する(ステップS69)。
【0046】
決済サーバー7の制御部71は、「決済リクエスト(決済情報を含む)」に基づいて電子決済を行い(ステップS70)、処理後に電子決済が完了したことを「決済完了通知」としてコインロッカー5に応答する(ステップS71)。コインロッカー5は、「決済完了通知」を受領し(ステップS72)、制御部51は、対象の収納部53を解錠する(ステップS73)。一方、コインロッカー5の制御部51は、延長利用がない場合、延長料金の表示を行わずに、対象の収納部53を解錠する(ステップS73)。
【0047】
購入者は、解錠された収納部53内から購入商品を受け取り(ステップS74)、コインロッカー5の制御部51は、収納部53内から購入商品が取り出された後で施錠し(ステップS75)、コインロッカー5の「状態情報(購入商品が取り出された状態で施錠されている)」をCL管理サーバー6に送信する(ステップS76)。CL管理サーバー6の制御部61は、「状態情報(購入商品が取り出された状態で施錠されている)」をCL使用状況データベースに登録し、当該状態情報を「商品保管通知」としてOS注文管理サーバー4に送信する(ステップS77)。
【0048】
OS注文管理サーバー4は、「商品保管通知」を受領し(ステップS78)、制御部41は、コインロッカー5の「状態情報(購入商品が取り出された状態で施錠されている)」を顧客データベースに登録する。また、制御部41は、コインロッカー5の「状態情報(購入商品が取り出された状態で施錠されている)」を示す「商品保管通知」を電子機器端末3に送信し(ステップS79)、電子機器端末3は、「商品保管通知」を受領する(ステップS80)。
【0049】
以上のように、本実施形態に係る商品受け渡しシステム1によれば、利用者はオンラインストアを通じて商品を購入し、購入時に使用したICカード8を使用してコインロッカー5に配置された商品を受け取ることができる。そのため、非対面での受け渡しながら購入者が商品を確実に受け取ることができる。つまり、第三者がアクセスできない自分のICカード8で荷物の受け取りができるため、安全性の向上(盗難のリスクの低減)が期待できる。
【0050】
また、本実施形態に係る商品受け渡しシステム1によれば、販売者である商店2側が購入者情報を二次元コードとして媒体に出力し、コインロッカー5に商品を配置する際に販売者である商店2側の従業員が二次元コードを出力された媒体を持参して読み取らせる。そのため、従業員が購入者情報を直接入力(手入力)する必要がないので利便性がよい。また、従業員が媒体を紛失したとしても、購入者情報は二次元コード化されているので一目で購入者情報を認識することができないので、購入者情報が外部に流出することを抑制できる。
【0051】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を変えない範囲で実施することができる。
【0052】
例えば、実施形態では、購入者が自分のICカード8をコインロッカー5の第2の読取部54bに翳すことで商品の受け渡しをすることを想定していた(つまり、ICカード8をキーとして商品の受け渡しをしていた)。しかしながら、例えば購入者の生体情報(顔情報など)を第2の読取部54bで読み取ることによって商品の受け渡しを行ってもよい(つまり、購入者の生体情報をキーとして商品の受け渡しを行ってもよい)。この場合、第2の読取部54bは、例えばカメラである。購入者の生体情報は、ICカード8の情報に関連付けて保有してもよいし、ICカード8の情報に関連付けずに保有してもよい。生体情報をオンライン決済時に取得して保有してもよい。また、ICカード8に加えて購入者の生体情報を読み込ませるようにしてもよい。これにより、より安全性を向上することが可能である(盗難のリスクのより低減できる)。
【符号の説明】
【0053】
1 商品受け渡しシステム
2 商店
3 電子機器端末
31 制御部
32 通信部
33 入力部
34 表示部
4 OS注文管理サーバー
41 制御部
42 通信部
43 記憶部
5 コインロッカー(ロッカー装置)
51 制御部
52 通信部
53 収納部
53a 電気錠
54 読取部
54a 第1の読取部
54b 第2の読取部
6 CL管理サーバー(ロッカー管理装置)
61 制御部
62 通信部
63 記憶部
7 決済サーバー
71 制御部
72 通信部
73 記憶部
8 ICカード(媒体)
8a ICチップ