(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024033643
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】風力発電機
(51)【国際特許分類】
F03D 1/06 20060101AFI20240306BHJP
F03D 15/20 20160101ALI20240306BHJP
F03D 1/04 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
F03D1/06 A
F03D15/20
F03D1/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022137356
(22)【出願日】2022-08-30
(71)【出願人】
【識別番号】516027247
【氏名又は名称】SDグリーンエナジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098796
【弁理士】
【氏名又は名称】新井 全
(74)【代理人】
【識別番号】100121647
【弁理士】
【氏名又は名称】野口 和孝
(74)【代理人】
【識別番号】100187377
【弁理士】
【氏名又は名称】芳野 理之
(72)【発明者】
【氏名】漆谷 敏郎
【テーマコード(参考)】
3H178
【Fターム(参考)】
3H178AA04
3H178AA40
3H178AA43
3H178BB07
3H178BB10
3H178BB37
3H178BB46
3H178BB62
3H178BB71
3H178CC02
3H178CC23
3H178CC25
3H178DD12Z
3H178DD29X
(57)【要約】
【課題】風力発電機の小型化が可能であり、風の向きに合わせてうまく追従して、発電を止めずに継続して安定して発電をすることができる風力発電機を提供すること。
【解決手段】風力発電機1の風車30は本体20の一端部20Aに回転可能に保持され、発電機40は本体20の他端部20Bに保持され、風車30から発電機40に回転運動を伝える水平軸部23が本体20に収容され、風車30は、発電機40側から風車30の方向に風Wの力を受ける複数のブレード31を有し、本体20における風車30と発電機40との間の重心Gが、タワーの軸中心Lと一致されている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
風の力を利用して風車を回して、前記風車の回転運動を発電機に伝えて電気に変換する風力発電機であって、
タワーと、
前記タワーにおいて回転可能に支持されている本体と、を備え、
前記風車は前記本体の一端部に回転可能に保持され、前記発電機は前記本体の他端部に保持され、前記風車から前記発電機に前記回転運動を伝える水平軸部が前記本体に収容され、
前記風車は、前記発電機側から前記風車の方向に前記風の力を受ける複数の羽根部材を有し、
前記本体における前記風車と前記発電機との間の重心が、前記タワーの軸中心と一致されていることを特徴とする風力発電機。
【請求項2】
前記発電機は前記水平軸部の軸方向に関して薄型に形成されており、
前記発電機は、
前記水平軸に連結されておりマグネットを有するロータと、
前記風車の回転に同期して前記ロータが回転することにより発電を行うコイルを有するステータと、を有し、前記発電機はブラシレス発電機であることを特徴とする請求項1に記載の風力発電機。
【請求項3】
前記風車と前記発電機の前記ロータは、ギアボックスを介さずに、前記水平軸により直接的に接続されていることを特徴とする請求項2に記載の風力発電機。
【請求項4】
前記本体は、前記本体の向きを、前記発電機側から前記風車の方向に前記風の力を受ける方向になるように前記風の方向に正対させる風向案内部を有し、前記風向案内部は、前記本体と、前記タワーの上部と、の間に配置されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の風力発電機。
【請求項5】
前記本体は、前記発電機を保持している部分から、前記風車を保持している部分に掛けて先細りに形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の風力発電機。
【請求項6】
前記風車は、
前記水平軸部に固定された中心部材と、
前記中心部材に対して間隔をおいて対面した状態で前記水平軸部に固定された固定部材と、
複数の羽根部材と、
各前記羽根部材の基部と前記中心部材との間に配置されて、前記羽根部材の前記基部と前記中心部材とを連結する連結部材と、
前記羽根部材の前記基部側の前記連結部材の部分と前記固定部材との間に配置されて、前記羽根部材が前記発電機側から前記風車の方向に前記風の力を受ける際に前記風の力により生じる前記固定部材に対する前記羽根部材の移動を抑制する弾性機構部と、
を備え、
前記連結部材は、前記羽根部材の前記基部側に設けられて、前記風の力を受けると前記羽根部材を前記連結部材に対して屈曲させて前記風の力の方向に対する前記羽根部材のピッチ角を大きくさせる第1屈曲部と、前記中心部材側に設けられて、強い前記風の力を受けると前記連結部材を前記中心部材に対して屈曲させて前記風の力の方向に対する前記羽根部材のピッチ角をさらに大きくさせる第2屈曲部と、を有し、
前記第2屈曲部において前記連結部材を前記中心部材に対して屈曲させた後にさらにより強い前記風の力を受けると前記風の力を逃がすために前記第1屈曲部をさらに屈曲させて前記風の力の方向に対する前記羽根部材のピッチ角をさらに大きくさせる構成となることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の風力発電機。
【請求項7】
前記タワーは、前記タワーの設置部に対して直立状態から倒してメンテナンスするためのメンテナンス状態に移行可能なタワー駆動操作部を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の風力発電機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、風力を用いて羽根を回すことで発電を行う風力発電機に関する。
【背景技術】
【0002】
風力発電機は、風の力を利用して風車を回し、風車の回転運動を発電機に伝えて発電機により電気を起こす。
特許文献1には、3枚の羽根と、支柱と、管状ハウジングを備える風力発電機が開示されている。この風力発電機の支柱の上部には管状ハウジングが取り付けられており、管状ハウジングには、シャフトが回転可能に支持されている。シャフトの先端には三角形平板が固定されている。一方、各羽根の根本は、各平板を介して主ハブ部材に連結されている。各羽根の根本と各平板の一端部とは機械的な連結構造の第1蝶番で連結され、主ハブ部材の端部と各平板の他端部とは機械的な連結構造の第2蝶番で連結されている。三角形平板と各平板は、コイルバネで連結されている。
【0003】
このような風力発電機の構造により、第1蝶番と第2蝶番は、主ハブ部材に対して、各羽根の折り目の役割を果たし、しかもコイルバネの弾性力が各平板を三角形平板側に引き寄せているので、各羽根は三角形平板側に片寄らせた形で静止位置に位置される。すなわち、各羽根の先端は、風の力で羽根が押されて羽根が回転すると、羽根の長手方向沿いに作用する遠心力が、コイルバネの弾性力に抗して働いて、風速が回転して発電を行う。増加するにつれて羽根のピッチ角が徐々に減少していくようにすることで、羽根の回転速度を一定に保持する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の風力発電機の構造であると、各羽根の根本と各平板の一端部とは第1蝶番で連結され、主ハブ部材の端部と各平板の他端部とは第2蝶番で連結されていて、スプリングで各羽根の動きを抑制しているだけである。
【0006】
このため、風の力、特に強風や暴風が吹いて各羽根にかかる風の力がある一定以上増加すると、羽根や平板の第1蝶番と第2蝶番が耐えられずに破損してしまい、継続して安定して発電をすることができなくなる恐れがある。
【0007】
しかも、管状ハウジングの一端部に3枚の羽根を有する風車が回転可能に取り付けられているが、管状ハウジングの他端部には何も取り付けられていないので、風の向きに合わせて回転する際の管状ハウジングの重量バランスが良くない。このため、管状ハウジングは、支柱に対して回転可能に取り付けられてはいるが、風の向きに合わせてうまく追従して回転することができない可能性があり、発電効率が低下する。
【0008】
また、別の種類の従来の風力発電機には、風の力に応じて羽根の向きを機械的に変える可変ピッチ機構を備える風力発電機もある。しかし、この可変ピッチ機構を備える風力発電機は、構造が複雑であり大型化と重量増が避けられず、風力発電機の設置が容易ではない。
【0009】
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、風力発電機の小型化が可能であり、風の向きに合わせてうまく追従して、発電を止めずに継続して安定して発電をすることができる風力発電機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題は、本発明によれば、風の力を利用して風車を回して、前記風車の回転運動を発電機に伝えて電気に変換する風力発電機であって、タワーと、前記タワーにおいて回転可能に支持されている本体と、を備え、前記風車は前記本体の一端部に回転可能に保持され、前記発電機は前記本体の他端部に保持され、前記風車から前記発電機に前記回転運動を伝える水平軸部が前記本体に収容され、前記風車は、前記発電機側から前記風車の方向に前記風の力を受ける複数の羽根部材を有し、前記本体における前記風車と前記発電機との間の重心が、前記タワーの軸中心と一致されていることを特徴とする本発明の風力発電機により、達成される。
【0011】
本発明によれば、本体における風車と発電機との間の重心が、タワーの軸中心と一致されているので、本体は、時々刻々と変わる風の向きに追従してタワーの軸を中心としてスムーズに回転して、発電機側から風車側に向けて風を常に当てることができ、発電機は連続して発電できる。また、発電機とタワーの軸との間隔を小さくできる。このため、風力発電機の小型化が可能であり、風の向きに合わせてうまく追従して、発電を止めずに継続して安定して発電をすることができる
【0012】
本発明では、好ましくは、前記発電機は前記水平軸部の軸方向に関して薄型に形成されており、前記発電機は、前記水平軸に連結されておりマグネットを有するロータと、前記風車の回転に同期して前記ロータが回転することにより発電を行うコイルを有するステータと、を有し、前記発電機はブラシレス発電機であることを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、発電機のロータは水平軸に連結されており、構造が簡単なブラシレス発電機であるので、風力発電機の小型化と軽量化が図れる。
【0014】
本発明では、好ましくは、前記風車と前記発電機の前記ロータは、ギアボックスを介さずに、前記水平軸により直接的に接続されていることを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、本体には、ギアボックスを設ける必要がないので、本体の小型化と軽量化が図れ、発電機側から風車側に向けて風を常に当てることができ、発電機は連続して発電できる。
【0016】
本発明では、好ましくは、前記本体は、前記本体の向きを、前記発電機側から前記風車の方向に前記風の力を受ける方向になるように前記風の方向に正対させる風向案内部を有し、前記風向案内部は、前記本体と、前記タワーの上部と、の間に配置されていることを特徴とする。
【0017】
本発明によれば、風向案内部は、発電機側から前記風車の方向に前記風の力を受ける方向になるように前記風の方向に正対させるので、時々刻々と変わる風の向きに追従してタワーの軸を中心として回転して、発電機側から風車側に向けて風を常に当てることができ、発電機は連続して発電できる。
【0018】
本発明では、好ましくは、前記本体は、前記発電機を保持している部分から、前記風車を保持している部分に掛けて先細りに形成されていることを特徴とする。
【0019】
本発明によれば、本体は、発電機を保持している部分から、風車を保持している部分に掛けて先細りに形成されているので、時々刻々と変わる風の向きに追従してタワーの軸を中心として回転して、発電機側から風車側に向けて風を常に当てることができ、発電機は連続して発電できる。
【0020】
本発明では、好ましくは、前記風車は、前記水平軸部に固定された中心部材と、前記中心部材に対して間隔をおいて対面した状態で前記水平軸部に固定された固定部材と、複数の羽根部材と、各前記羽根部材の基部と前記中心部材との間に配置されて、前記羽根部材の前記基部と前記中心部材とを連結する連結部材と、前記羽根部材の前記基部側の前記連結部材の部分と前記固定部材との間に配置されて、前記羽根部材が前記発電機側から前記風車の方向に前記風の力を受ける際に前記風の力により生じる前記固定部材に対する前記羽根部材の移動を抑制する弾性機構部と、を備え、前記連結部材は、前記羽根部材の前記基部側に設けられて、前記風の力を受けると前記羽根部材を前記連結部材に対して屈曲させて前記風の力の方向に対する前記羽根部材のピッチ角を大きくさせる第1屈曲部と、前記中心部材側に設けられて、強い前記風の力を受けると前記連結部材を前記中心部材に対して屈曲させて前記風の力の方向に対する前記羽根部材のピッチ角をさらに大きくさせる第2屈曲部と、を有し、前記第2屈曲部において前記連結部材を前記中心部材に対して屈曲させた後にさらにより強い前記風の力を受けると前記風の力を逃がすために前記第1屈曲部をさらに屈曲させて前記風の力の方向に対する前記羽根部材のピッチ角をさらに大きくさせる構成となることを特徴とする。
【0021】
本発明によれば、連結部材の第1屈曲部は、風の力を受けると羽根部材を連結部材に対して屈曲させて風の力の方向に対する羽根部材のピッチ角を大きくさせ、連結部材の第2屈曲部は、強い風の力を受けると連結部材を中心部材に対して屈曲させて風の力の方向に対する羽根部材のピッチ角をさらに大きくさせる。しかも、第2屈曲部において連結部材を中心部材に対して屈曲させた後により強い風の力を受けると風の力を逃がすために第1屈曲部をさらに屈曲させて風の力の方向に対する羽根部材のピッチ角をさらに大きくさせることができる。これにより、風の力を受けて発電機が発電する際に、羽根部材のピッチ角を、風の力の大きさに応じて連続的に変えていくので、発電機は、風の力が急激に増加してより強い風の力を受けても羽根部材を破損させることなく、発動動作を中断することなく、連続して発電することができる。本発明の風力発電機では、本体に対して風車と発電機と水平軸を搭載しているだけの構成であるので、風車の小型化が可能であり、風の力が増加しても破損することなく発電を止めずに継続して安定して発電をすることができる。
【0022】
本発明では、好ましくは、前記タワーは、前記タワーの設置部に対して直立状態から倒してメンテナンスするためのメンテナンス状態に移行可能なタワー駆動操作部を有することを特徴とする。
【0023】
本発明によれば、タワー駆動操作部は、メンテナンス時に、本体と風車と発電機を、メンテナンス状態に移行できるので、メンテナンスが容易に行える。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、風力発電機の小型化が可能であり、風の向きに合わせてうまく追従して、発電を止めずに継続して安定して発電をすることができる風力発電機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】
図1(A)は、本発明の実施形態に係る風力発電機の側面図であり、
図1(B)は、風力発電機の正面図である。
【
図2】
図1に示す本体と風車と発電機を示す斜視図である。
【
図3】
図2のV方向から見た発電機等を示す図である。
【
図4】は、風車の一部分と、本体の内部構造例と、発電機を示す斜視図である。
【
図5】
図4のV1方向から見た風車の一部分と、本体の内部構造例と、発電機を示す図である。
【
図7】中心部材と連結部材と3つのブレードの連結状態を示す平面図である。
【
図8】風車を構成する中心部材と連結部材とブレードと弾性機構部の連結状態を示す斜視図である。
【
図9】風車を構成する中心部材と連結部材とブレードと弾性機構部の連結状態を、別の角度から示す斜視図である。
【
図11】連結部材のJ-J線における断面図である。
【
図12】連結部材の主層内に配置されている補強部材の例を示す図である。
【
図13】連結部材の着脱可能な連結構造例を示す図である。
【
図14】
図14(A)は、弾性機構部の好ましい構造例を示す正面図であり、
図14(B)は、
図14(A)におけるA-A線における断面図である。
【
図15】風Wの力の力を受ける場合のブレードの状態を示す図である。
【
図16】風の力を受ける場合のブレードの状態を示す斜視図である。
【
図17】風の力を受ける場合のブレードの別の状態を示す斜視図である。
【
図18】弾性機構部の第1弾性部材と第2弾性部材が引っ張り弾性力を発揮することによる第1弾性部材と第2弾性部材の変化例を示す図である。
【
図19】
図19(A)は、本発明の実施形態の風力発電機の風力発電出力と風速の関係例を示し、
図19(B)は、比較例の風力発電機の風力発電出力と風速の関係例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照して詳しく説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0027】
(発電機1の全体説明)
図1は、本発明の実施形態に係る風力発電機を示している。
図1(A)は、本発明に実施形態の風力発電機1の側面図であり、
図1(B)は、風力発電機1の正面図である。
図1に示す風力発電機1は、複数のブレード31を有するプロペラ型の風車30を有する風の力を利用して発電を行う風力発電機である。
図1(A)に示すように、この風力発電機1では、風車30の回転軸が水平になっている水平軸23を有する水平型の風力発電機である。
【0028】
風力発電機1は、自然エネルギを利用しており、発電時に二酸化炭素等を排出しないので、環境にやさしい。この風力発電機1は、風の弱い地域や風の強い地域、そして風の強弱が激しい地域であっても発電を停止することなく安定して連続発電でき、発電効率が良く、騒音が出にくく、離島やへき地等の多様な設置場所に設置できる。風力発電機1は、例えば一般家庭用発電、農業用発電、電気通信事業用発電、公共事業用発電、離島での発電等に使用可能である。通常用いられている風力発電機は、25m/secを超える強風では安全のために、風車の回転を止めて発電動作を停止する必要がある。しかし、本発明の実施形態の風力発電機1は、強力な低気圧や台風等が通過して25m/secを超える環境下であっても、風車30の破損を防いで発電動作を中断することが無く連続して発電できる特徴がある。
【0029】
しかも、風力発電機1は、例えばクラス1の風速70m/secまたはこれを超える環境下でも連続して発電可能であり、強風により他の通常の風力発電機が停止を余儀なくされるような場合でも、発電動作を継続できる。特に、台風等の強風や暴風時であっても、風力発電機1は発電動作を中断せずに継続できるので、離島や南極等の極地や洋上、山頂等での電源確保が可能である。
この風力発電機1は、シンプルな構造を備えており故障を極力無くすことができる。
図1(A)に示すように、風力発電機1は、発電機40側から後方より風Wの力を受ける、いわゆるダウンウインド型の風車30を備えていることで、風車30は自動的に主風向に正対して、通常の弱い風Wだけでなく強風や乱気流等のさらにより強い風Wであっても受け流して発電を継続できる。風力発電機1の風車30は、例えば6.5kW程度の発電が可能なダウンウインド型の風車であり、防爆仕様である。
【0030】
風力発電機1は、シンプルな構造であり小型で軽量化されているので、設置作業やメンテナンス作業、撤去作業が容易である。風力発電機1は、地産地消の再生エネルギの創出ができ、低炭素で循環型の社会に貢献できる。風力発電機1は、導入する用途として、例えば通信基地用、産業用や鉄道用、電気自動車給電気用、淡水化施設用、軍事用等多方面に用いることができる。
【0031】
図1に示す風力発電機1は、風Wの力を利用して風車30を回して、風車30の回転運動を発電機40に伝えて電気に変換する。風力発電機1は、概略的には、支柱であるタワー10と、本体20と、ロータである風車30と、発電機40を備える。
風車30は、複数のブレード31(図示例では、3つの風車30)を有している。風車30が受けることができる風Wの風力エネルギは、ブレード31における風Wの受風面積に比例し、すなわちロータである風車30の直径の2乗に比例し、風Wの風速の3乗に比例することが知られている。このため、風車30は、少しでも強い風Wを安定して受けることができる設置場所に設置されることが重要である。
【0032】
<タワー10>
図1に示すタワー10は、鉄等の金属で作られていて、設置場所として、例えば地盤に設けられた基礎である設置部11に対して、垂直軸Lを中心として、垂直に立てて設けられている。タワー10は、下部12が最も太く、上部14に行くに従って徐々に細くなるように先細りに作られている。これにより、タワー10における風Wの抵抗を低減し、軽量化を図っている。
設置部11とタワー10の下部12との間には、タワー駆動操作部13が設けられている。タワー駆動操作部13は、タワー10の設置部11に対して直立状態から
図1(B)に示すようにQ方向に沿って地盤側に倒すことができるので、本体20や風車30や発電機40等をメンテナンスするためのメンテナンス状態に、容易に移行できる。
【0033】
具体的には、
図1(B)に示すように、タワー駆動操作部13は、ヒンジ部13Aと、油圧シリンダ等のアクチュエータ13Bとを備えている。図示しない制御部からの指令により油圧シリンダ13Bのロッド13Cが収縮作動すると、タワー10の下部12は、タワー基部12Rに対して、Q方向で示すように傾けることができる。油圧式のアクチュエータ13Bを採用していることで、風車30や発電機40等の高さ位置を下げることができる。このため、タワー駆動操作部13は、メンテナンス時に、本体20と風車30と発電機40を、メンテナンス状態に移行できるので、メンテナンスが容易に行える。風力発電機1を設置する場合の設置作業が短期に行え、風車30や発電機40等のメンテナンス作業が容易にでき、短期のメンテナンス作業ができる。
【0034】
<風向案内部15>
図2は、
図1に示す本体20と風車30と発電機40を示す斜視図である。
図1と
図2に示すように、タワー10の上部14には、風向案内部15が垂直軸Lを中心にして着脱可能でしかも回転可能に保持されており、風向案内部15の上には本体20が着脱可能に固定されている。
図2に示す風向案内部15の形状例では、発電機40側の風向案内部15の厚みt1は、風車30側の風向案内部15の厚みt2に比べて大きく設定されており、厚みt1から厚みt2にかけて、すなわち風Wを受ける方向に沿って徐々に薄くなるように先細りに形成されている。
【0035】
このように、風向案内部15の先細りの構造を採用することで、風向案内部15は、風Wの向きに応じて本体20を、垂直軸Lを中心にして回転させる。従って、本体20の向きは、発電機40側から風車30の方向にうまく風Wの力を受けられるように、風Wの方向に正対させることができる。これにより、本体20の風車30は、後方からの風Wを受けるようにして、自動的に主風向に正対して、通常の弱い風Wだけでなく強風や乱気流等のより強い風Wをも受け流して発電を継続できる。しかも、従来用いられている複雑な構造を有するヨー制御装置を別途設ける必要としないので、風力発電機1の軽量化と構造の簡単化が図れ、コストダウンも図れる。
【0036】
<本体20>
一方、
図1(A)と
図2に示すように、風車30は本体20の一端部20Aにおいて回転可能に保持され、発電機40は本体20の他端部20Bに保持されている。風車30は、例えば3つの同じサイズで同じ構造のブレード31を備えており、
図2に示すように、各ブレード31は回転中心Cを中心として、120度ごとに半径方向に延びている。寸法例を挙げれば、
図1(B)に示す風車30の直径Dは、例えば5.6mである。風車30を含めた風力発電機1の全高Hは、例えば17.8mである。
図1(A)に示す本体20の中心までの高さH1は、例えば15mである。
【0037】
次に、本体20と風車30について、
図2から
図5を参照してさらに説明する。
図3は、
図2のV方向から見た発電機40等を示す図である。
図4は、風車30の一部分と、本体20の内部構造例と、発電機40を示す斜視図である。
図4では、本体20のケーシングの図示は省略している。
図5は、
図4のV1方向から見た風車20の一部分と、本体20の内部構造例と、発電機40を示す図である。
【0038】
図1(A)と
図2に示す本体20は、別名でナセルとも言い、鉄やステンレス等の耐候性に優れた金属で筒状に作られていている。
図5に示すように、好ましくは、本体20の一端部20Aの直径は、他端部20Bの直径に比べて、小さく設定されており、他端部20Bから一端部20Aにかけて少しずつ先細りになるように形成されている。これにより、本体20の外周面に沿って、風Wを風車30の各ブレード31側に案内し易く、一端部20A側の風車30は、自動的に主風向に正対させることができる。これにより、本体20の風車30は、自動的に主風向に正対して、通常の弱い風の風Wだけでなく、強風や乱気流等のより強い風Wでも風の力を受け流して発電を継続できる。
【0039】
これにより、本体20の風車30は、後方からの風Wを受けるようにして、自動的に主風向に正対して、通常の弱い風Wだけでなく強風や乱気流等のより強い風Wをも受け流して発電を継続できる。本体20の先細りの特徴的な構造と、上述した風向案内部15の先細りの特徴的な構造の両方あるいはいずれか一方を採用することで、従来用いられている複雑な構造を有する大きなヨー制御装置を別途設ける必要がないので、風力発電機1の軽量化と構造の簡単化が図れ、コストダウンも図れる。
【0040】
<水平軸23>
図2と
図4と
図5に示すように、水平軸23が、本体20の中心を通っていて、
図5に示すように、2つの軸受け21,22により水平にしかも回転可能に支持されている。水平軸23の一端部には、風車30が着脱可能に固定されている。水平軸23の他端部には、発電機40のロータ41が着脱可能に設けられている。
【0041】
<発電機40>
次に、発電機40について説明する。
図3から
図5に示すように、発電機40は、例えばブラシレスダイレクトドライブ永久磁石型のものであり、定格出力は例えば6.5kWである。
図5に示すように、発電機40は、ロータ41とステータ42を有し、好ましくは樹脂で封止することで、塩害や水害から保護されている。ロータ41は、マグネットを有し、ステータ42は、コイルを有する。ロータ41は、水平軸23の他端部に着脱可能に固定されている。ステータ42は、通常の弱い風Wあるいはより強い風Wにより生じる風車30の回転に同期してロータ41が回転することにより、例えば300Vで3相の交流の起電力を発生して、発電を行う。
発電機40のロータ41は、水平軸23を介して風車30に対して、ギアボックスを用いずに直接接続されているダイレクトドライブ方式を採用している。風車30は、例えば風Wの力により好ましくは200rpm~250rpm程度までの回転範囲で回転するので、風車30と回転軸23との間にはギアボックスは不要である。これにより、通常のギアボックスを用いる風力発電機の場合に比べて、風力発電機1の本体20内における機構部の構成の簡略化と、軽量化が図れる。
【0042】
図1(A)に示すように、発電機40により発電した電力は、整流機151に送られ、インバータ152を介してバッテリ(蓄電池)153に蓄電され、蓄電された電力は、電力供給対象154に供給される。発電機40により発電した電力は、例えば3相の300Vであり、整流機151は、発電した電力を整流して、インバータ152は、例えば3相200Vに変換した後に、バッテリ153に蓄電する。電力供給対象154としては、例えば離島に風力発電機1が設置された場合には、離島に設けられている公共施設等であるが、特に限定されない。
【0043】
図5に示すように、発電機40の水平軸23の軸方向RTに沿った厚みNは、できる限り薄くしてある。軸方向RTとタワー10の垂直軸Lとは、直交している。タワー10の上端部14の上には、延長軸14Bが取り付けられており、延長軸14Bの上端部には、本体20の基部20Fが着脱可能に固定されている。この基部20Fには、上述した2つの軸受け21,22が固定されている。軸受け21は、風車30寄りの位置に固定され、軸受け22は、発電機40寄りの位置に固定されている。なお、
図4と
図5に示すように、風向案内部15を構成する骨組みとして、部材15Bと部材15Cを備えている。
【0044】
このように、発電機40の厚みNが薄く形成されている薄型の発電機40を用い、しかも本体20における発電機40の搭載位置は、垂直軸Lにできる限り近づけてある。発電機40のステータ42の外面から垂直軸Lまでの距離K1は、風車30の中心位置から垂直軸Lまでの距離K2に比べて短くなっている。本体20と風車30と発電機40から成る構造体において、風車30と本体20と、風車30の重量に比べると重い発電機40との重心Gは、タワー10の垂直軸Lに一致させている。これにより、本体20と風車30と発電機40から成る構造体は、垂直軸Lを中心とする重量バランスを最適化でき、垂直軸Lを中心として、風Wの向きに応じてスムーズに回転できる。発電機40と垂直軸Lとの距離K1を距離K2に比べて小さくできるので、風力発電機1の小型化が図れる。本体20は、垂直軸Lを中心として回転し、風車30に対して、後方からの風Wに対して、自動的に主風向に正対して、通常の弱風の風Wだけでなく強風や乱気流等野より強い風Wをも受け流して発電を継続できる。
【0045】
<風車30の構造例>
次に、風車30の好ましい構造例を説明する。
図2と
図4に示すように、風車30は、すでに説明したように、発電機40側の前方からの風Wを受けるダウンウインド型の風車であり、風車30は自動的に主風向に正対することができる。
【0046】
<風車30のブレード31>
図2から
図4に示すように、風車30は、3つのブレード31を有している。各ブレード31は、例えばガラス熱可塑性樹脂複合材により作られていて、例えば70m/secよりもより強い風Wを受けても風Wより変形をせずに形状を保って折れない板状の部材である。すなわち、ブレード31は、class1(70m/sec)の耐風速対応になっていて、70m/secを超えても、発電を中止することなく連続稼働できる。
図4に示すように、ブレード31は、基部31Bと、先端部31Cと、中間部31Dを有しており、基部31Bは最も幅が広く、中間部31Dから先端部31Cに向っていくと、徐々に幅が狭くなっている。各ブレード31の厚みは、例えば基部31Bから先端部31Cに至るまで均一になっているか、あるいは基部31Bから先端部31Cに至るまで徐々に薄く形成されているが、特に限定されない。これにより、風車30が破損することがなく、風力発電機1は連続発電をすることができる。
【0047】
図4には、ブレード31のピッチ角αを示している。ブレード31の「ピッチ角α」とは、風Wの方向に対して直交している風車30の水平軸23を中心とする回転平面PLに対するブレード31の面の成す角度である。
ブレード31は、弱い風Wの力を受けてもピッチ角αは変わらないが、より強い風Wの力を受けると、より強い風Wの力を逃がすために風Wの力の方向に対するブレード31のピッチ角αを徐々に大きくさせるようになっている。ブレード31は、低気圧や台風のようなより強い風Wが当たっても、破損することはない。このブレード31のピッチ角αの変化動作例については、後で説明する。
図4に例示するように、ピッチ角αの角度範囲としては、例えば好ましくは初期設定角度6度から最大角度17度の範囲で変化できる。初期設定角度6度は、予めせってされているブレード31に対して風Wが当たっていない場合であり、最大角度17度は、例えば70m/secかそれ以上のより強い風Wが当たっている場合の角度である。
【0048】
<中心部材50と固定部材60>
図2から
図5に示すように、風車30は、3つの羽根部材の一例であるブレード31と、1つのデルタ型の中心部材50と、もう1つのデルタ型の固定部材60と、3つの連結部材70と、3組の弾性機構部100と、を有する。
図6は、中心部材50の形状例を示す平面図である。
図7は、中心部材50と連結部材70と3つのブレード31の連結状態を示す平面図である。
図8は、風車30を構成する中心部材50と連結部材70とブレード31と弾性機構部100の連結状態を示す斜視図である。
図9は、風車30を構成する中心部材50と連結部材70とブレード31と弾性機構部100の連結状態を、別の角度から示す斜視図である。なお、
図4、
図5、
図7から
図9において、図面の簡単化のために、風車30の一部分を図示している。
【0049】
図6から
図9に示す中心部材50は、風車30の回転ハブであり、鉄等の金属板によりほぼ正三角形状に作られている。
図8と
図9に示すように、中心部材50は、水平軸23の先端位置に固定されている。中心部材50は、連結用の複数の孔50Hと、1つの中心孔50Rを有する。中心孔50Rには、水平軸23が通っているが、水平軸23と中心部材50は固定されている。複数の孔50Hは、中心部材50の3つの直線状に形成された辺部50Sに沿って、それぞれ直列に配列されている。
【0050】
一方、固定部材60は、
図8と
図9に示すように、中心部材50と同様にして、鉄等の金属板により例えば正三角形状に作られており、固定部材60は、水平軸23の途中であって、中心部材50に対面するようにして水平軸23の途中の位置に固定されている。ただし、固定部材60の各頂点60Sは、中心部材50の1つの辺部50Sの中央位置に対応した位置にある。
図5に示すように、中心部材50と固定部材60は、本体20において、2つの軸受け21,22を用いて、水平軸23ととも一体となって水平軸23の軸方向RTを中心として回転可能になっている。なお、中心部材50と固定部材60との間には、補強のための補強部材60Jが設けられていて、強い風Wが吹いたとしても、中心部材50と固定部材60との相対位置と間隔を保持し、中心部材50と固定部材60が変形するのを防いでいる。
【0051】
<連結部材70>
次に、連結部材70について、
図7から
図13を参照して説明する。
図10は、連結部材70の形状例を示す正面図であり、
図11は、連結部材70のJ-J線における断面図である。
図10に示すように、連結部材70は、ほぼ直角三角形状を有する板状の部材であり、弾性変形可能である。
図7と
図8に示すように、連結部材70は、各ブレード31の基部31Bと中心部材50の各辺部50Sとの間に配置されて、各ブレード31の基部31Bと中心部材50の各辺部50Sと、を着脱可能に連結している。
【0052】
図10に示すように、連結部材70は、直線状の第1縁部66と、直線状の第2縁部67と、直線状の第1側部68と、直線状の第2側部69と、直線状の第1屈曲部71と、直線状の第2屈曲部72を有する。第1縁部66は、第2縁部67に対して、例えば最も好ましくは45度程度の角度θで傾斜されている。この角度θは、好ましくは30度から60度の範囲で選択することで、各ブレード31がより強い風Wを受けた時に、ブレード31における風Wの受風面積を小さくすることで、より強い風Wを受ける時にはわざと風車Wの回転をある程度失速させる。このため、風車30の回転を抑えながら、本体20の水平軸23に加わるスラスト力を低減できるので、本体20からタワー10自体に加わる力を小さくできる。これにより、非常に強い風Wが吹いても、タワー10自体に加わる力を低減でき、タワー10自体の太さを小さくでき、風力発電機1の小型化が図れる。もし、角度θが30度よりも小さいか60度よりも大きいと、風車30の各ブレード31が非常に強い風Wを受け易くなるので好ましくはない。
【0053】
図10に示すように、第1側部68と第2側部69は平行であり、第1側部68と第2側部69は第2縁部67に対して垂直になっている。第1屈曲部71は、第1縁部66に平行に形成され、第2屈曲部72は、第2縁部67に平行に形成されている。第1屈曲部71と第2屈曲部72は、例えば他の部分に比べて少し厚みを薄くすることで作られている。
図8と
図9に示すように、各第1縁部66は、各ブレード31の基部31Bに対して着脱可能に固定されている。また、各第2縁部67は、中心部材50の各辺部50Sに対して着脱可能に固定されている。これにより、第1屈曲部71は、風Wの力を受けると
図10(A)と
図8に示すC1方向に関して、各ブレード31の基部31Bを連結部材70に対して屈曲させ、
図4に示すブレード31のピッチ角αの変化させる機能を有する。同様にして、第2屈曲部72は、強い風Wの力を受けると
図10(A)と
図8に示すC2方向に連結部材70を中心部材50に対して屈曲させる機能を有する。
【0054】
図11に示すように、連結部材70は、主層75と、補強部材76と、被覆層77,78により形成されている。主層75は、樹脂のエラストマー等の柔軟性と成型性の高い材料により平板状に作られている。被覆層77,78は、薄いアルミニウムやステンレススチール等の金属板であり、主層75の表裏を被覆していることで、主層75の柔軟性と耐候性を確保している。
【0055】
図12は、連結部材70の主層75内に配置されている補強部材76の例を示しており、
図12(A)では、連結部材70には力が加わっていない状態を示し、
図12(B)では、第1屈曲部71において連結部材70がC1方向に屈曲している様子を示す。補強部材76は、主層75内に引張強度と曲げ強度の補強のために配置されており、例えばポリエステル等の樹脂製のロープである。
【0056】
<連結部材70の補強部材76>
図12に示す例では、ロープ状の補強部材76が、連結部材70の主層75の全体に渡ってらせん状に均一になるように配置されている。ロープ状の補強部材76の配置のZ方向(主方向)は、第1屈曲部71から第2屈曲部72に向かう方向であり、第1縁部66と第2縁部67で交互に折り曲げることで、第1縁部66と第2縁部67の間で繰り返して平行になるように配置されている。
また、補強部材76は、第1屈曲部71と第2屈曲部72を交差するように配置されているので、連結部材70の全体補強だけではなく、第1屈曲部71と第2屈曲部72の補強も兼ねている。補強部材76は、特に第1屈曲部71から第2屈曲部72に向かうZ方向の引張強度と曲げ強度を確保している。これにより、各ブレード31が弱い風Wだけでなく、より強い風Wを受けても、連結部材70が第1屈曲部71から第2屈曲部72に向かう方向に引っ張られたり、曲げられても、
図11に示す柔軟性に富んだ主層75における亀裂の発生や断裂等を防止できる。従って、連結部材70は、軽量であり、大きくて厚みのある丈夫な金属製の部材を用いて強度の確保をする必要が無く、ブレード31は連結部材70を用いて中心部材50に連結されているだけであるので、風車30自体の小型化と軽量化が可能であり、風の力が増加しても風の力に追従して、破損することなく発電を止めずに継続して安定して発電をすることができる。
【0057】
図10に示すように、連結部材70の直線状の第1縁部66と直線状の第2縁部67に沿って、それぞれ連結用の複数の孔66H、67Hが形成されている。
図13は、連結部材70の着脱可能な連結例を示す図である。
図13は、連結部材70の第1縁部66とブレード31の基部31Bとの着脱可能な連結例と、連結部材70の第2縁部67と中心部材50の辺部50Sとの着脱可能な連結例とを示してる。連結部材70の第1縁部66とブレード31の基部31Bとの連結と、連結部材70の第2縁部67と中心部材50の辺部50Sとの連結は、ともに例えば塩害等に強い耐候性を有するボルト80とナット81を用いて、着脱可能に固定されている。これにより、ブレード31、連結部材70、中心部材70を、例えば5年ごとに定期メンテナンスを行う場合に、ボルト80とナット81を外すことで、容易に分解することができ、設置場所における風力発電機1の維持管理が容易になる。
【0058】
<弾性機構部100>
次に、
図14と
図4と
図8と
図9を参照して、弾性機構部100について説明する。
図14(A)は、弾性機構部100の好ましい構造例を示す正面図であり、
図14(B)は、
図14(A)におけるA-A線における断面図である。
図14に示す弾性機構部100の一方の取付け基部103と他方の取付け基部104は、
図8と
図9に示すように、各ブレード31側に固定されている連結部材70が第1屈曲部71付近と、固定部材60にそれぞれ着脱可能に固定されている。ブレード31が
図2に示すように、発電機40側から風車30の方向に風Wの力を受ける際に、弾性機構部100は、風Wの力により、中心部材50と固定部材60に対して、連結部材70の第1屈曲部71の付近部分が移動するのと、ブレード31が移動するのを、弾発力により抑制する役割を有し、例えば70m/secよりも強い風Wの場合にはブレード31のピッチ角αを最大にして、風Wを受け流すことができる。
【0059】
図14に示す弾性機構部100の構成例では、弾性機構部100は、2本の第1弾性部材101,101と、2本の第2弾性部材102,102と、2つの取付け基部103,104を有する。第1弾性部材101と第2弾性部材102は、ともに金属製あるいは樹脂製の圧縮コイルバネであり、第2弾性部材102は第1弾性部材101に比べて太く、第2弾性部材102のバネ常数は、第1弾性部材101のバネ常数よりも大きく設定されている。2本の第1弾性部材101は、
図2に示す弱い風Wの力を受けて、
図10に示す連結部材70の第1屈曲部71とともに
図4に示すブレード31を連結部材70に対して屈曲させると、単独で弾性力を発揮する。
【0060】
次に、2本の第2弾性部材102は、第1弾性部材101よりも引っ張りの弾性力が強い。このため、第2弾性部材102は、強い風Wの力を受けて、
図10に示す連結部材70の第2屈曲部72が連結部材70を
図4に示す中心部材50に対して屈曲させる際に、第1弾性部材101とともに引っ張りの弾性力を発揮する。
【0061】
図示例では、2本の第1弾性部材101と2本の第2弾性部材102は、2つの取付け基部103,104の間で、同じ平面において並行に配列されている。2本の第1弾性部材101が、2本の第2弾性部材102の間の位置に配置されていて、各第2弾性部材102は、2本の第1弾性部材101の左右位置にそれぞれ配置されている。
図8に示すように、一方の取付け基部103は、連結部材70の第1屈曲部71側に着脱可能に固定され、他方の取付け基部104は、固定部材60の縁部分69に着脱可能に固定されている。一方の取付け基部103は、連結部材70の第1屈曲部71側に着脱可能に固定されていて、ブレード31の基部31Bには直接固定されていないのは、ブレード31が比較的自由にピッチ角度αを確保できるようにするためである。
【0062】
ところで、
図14に示す第1弾性部材101の両端部と、第2弾性部材102の両端部は、ともに取付け基部103,104に固定されている。2本の第1弾性部材101が
図2に示す弱い風Wの力を受けて、
図8に示す第1屈曲部71がブレード31の基部31Bを70に対して屈曲させるまでの間、単独で弾性力を発揮する際には、2本の第2弾性部材102は、引っ張り弾性力を発揮しない不感領域となっている。
【0063】
すなわち、弱い風Wがブレード31にかかった場合には、2本の第1弾性部材101だけが先に引っ張り弾性力を発揮するが、2本の第2弾性部材102にはその弱い風Wの力はかからないことから引っ張り力は発揮しないで待機状態にある。そして、より強い風Wの力以上の力がブレード31にかかった場合には、2本の第1弾性部材101が引っ張り力を発揮するのに加えて、2本の第2弾性部材102もより強い引っ張り力を発揮するようになっている。弾性機構部100は、2種類のバネ序数の異なる弾性部材101,102を用いることで、非線形な引っ張り弾性力を発揮できる。もし、バネ常数が一緒の弾性部材を用いると、線形の引っ張り弾性力しか発揮できない。
【0064】
本発明の実施形態において、弾性機構部100が上述したように引っ張りの弾性力を非線形になるような構造を採用するのは、既に述べたように、風Wの風力エネルギは、ブレード31における風Wの受風面積に比例し、すなわちロータである風車30の直径の2乗に比例し、風Wの風速の3乗に比例するからである。これにより、弾性機構部100は、3つのブレード31を含む風車30が、弱い風Wの力を受けても、急激に上昇したより強い風Wの力以上の力を受けても、風Wの風力エネルギの急激な変化に対応して風車30が連続回転でき、風車30の各ブレード31と、連結部材70が、中心部材50が、破損しない。なお、弾性機構部100の耐候性を高めるために、図示しないが弾性機構部100を耐候性に優れた膜部材や板部材で覆うようにしても良い。
【0065】
(風力発電機1の動作例と作用効果の説明)
次に、
図15以降の図面を参照しながら、上述した風力発電機1の動作例と作用効果を説明する。
図15は、風車30が受ける風Wの力の強さにより風車30の形態が変化する状態を示しており、
図15(A)は、弱い風Wの力を受けている風車30のブレード31の状態例を示し、
図15(B)は、強い風Wの力を受けている風車30のブレード31の状態例を示している。
【0066】
図16(A)~
図16(C)と
図17(D)~
図17(E)は、無風の風Wの力から強い風Wとより強い風Wと非常に強い風Wの力を受ける場合のブレード31の状態例を示す斜視図である。
なお、以下に説明する際に例示する風車30が受ける風速例の範囲や、風Wの風速の値は、あくまでも説明を分かりやすくするための一例を示すものであり、限定されるものではない。
【0067】
まず、
図15に示す本発明の実施形態の風力発電機1は、発電機40から風車30に向けた風Wであるダウンウインドを利用しており、風速70m/secのより強い風Wであっても風車30は止まらずに、発電動作を継続することができる。一方、通常用いられている風力発電機は、25m程度の強風が吹くと、風車の回転を停止させて発電を中止して風車の破損を防ぐ必要がある。
【0068】
図15(A)に示すように、風力発電機1の本体20は、発電機40側から風車30側にかけて先細りになっている風向案内部15を有しているが、この風向案内部15は、本体20と、タワー10の上部14と、の間に配置されている。これにより、風向案内部15は、本体20の向きを、発電機40側から風車30の方向に風Wの力を受ける方向になるように、本体2を、垂直軸Lを中心として回転して、風車30のブレード31を風Wの方向に自動的に正対させることができる。
【0069】
しかも、管状あるいは筒状の本体20は、発電機40を保持している部分である他端部20Bから、風車30を保持している部分である一端部20Aに掛けて先細りに形成されている。これにより、本体20の向きを、発電機40側から風車30の方向に風Wの力を受ける方向になるように、垂直軸Lを中心として回転して風Wの方向に自動的に正対させることができる。これらの風向案内部15の先細り構造と本体20の先細り構造は、両方を採用しても、少なくとも一方を設けるようにしても良い。
いずれにしても、風車30は、風Wの方向に自動的に正対させることができる、いわゆるフリーヨー(free yaw)の構造を採用している。このため、本発明の実施形態の風力発電機1は、通常用いられているヨー制御装置を別途必要としない。従って、風力発電機1の構造を簡単化でき、重量の軽減とコストダウンが図れる。
【0070】
<第1段階ST1の風速の範囲における風車30の挙動>
図16(A)は、第1段階ST1の風速の範囲例における風車30の挙動を示している。この場合における風車30が受ける風速例の範囲としては、風Wの風速として無風0m/secから弱い風11m/sec程度を挙げている。
図4に示すブレード31自体は、低気圧や台風等でのより強い風Wを受けても変形や破損はしない。ブレードWが無風の風から弱い風Wの力を受ける第1段階ST1においては、連結部材70の第1屈曲部71においても屈曲現象は発生しない。従って、各ブレード31のピッチ角αは初期設定角度α0(6度)のままで変化がない。また、弾性機構部100は引っ張り弾性力を発揮していない。これにより、ブレード31は第1段階の比較的弱い風Wを受けながらブレード31が破損しないようにして、風車30を連続回転して、発電機40は発電をすることができる。
【0071】
<第2段階ST2の風速の範囲における風車30の挙動>
次に、
図16(B)は、第2段階ST2の風速の範囲例における風車30の挙動に示している。この場合には、風車30が受ける風速例の範囲としては、風Wの風速として弱い風11m/secからやや強い風20m/sec程度を挙げている。
ブレード31が第2段階ST2の風Wの力を受けると、ブレード31は、風Wの力を受けることで、連結部材70の第1屈曲部71が、中心部材50と連結部材70に対してC1方向に屈曲される。しかし、弾性機構部100には力は全くかかっておらず、弾性機構部100は引っ張り弾性力を発揮していない。これにより、ブレード31のピッチ角αは、ピッチ角α1(α1>α0)へ少し増加させることができる。各ブレード31の姿勢が変わることで、風Wを受けるブレード31の受風面積が減少するので、風車30の回転数は第1段階ST1の場合と同程度になり、風車30の回転が停止することはない。従って、ブレード31が第2段階ST2の風Wを受けると、風車30のブレード31自体の姿勢に少し変化が生じた状態で、風車30は連続回転して、発電機40は発電をすることができる。この際に、ブレード31自体の形状は全く変形していない。
【0072】
<第3段階ST3の風速の範囲における風車30の挙動>
次に、
図16(C)は、第3段階ST3の風速の範囲例における風車30の挙動に示している。この場合には、風車30が受ける風速例の範囲としては、風Wの風速としてやや強い風20m/secからより強い風50m/sec程度である。ブレード31が次の第3段階ST3の強い風Wの力を受けると、強い風Wの力により、ブレード31は、さらに弾性機構部100の引っ張りの弾性力に抗して、連結部材70の第2屈曲部72が中心部材50に対してC2方向に屈曲される。これにより、ブレード31のピッチ角αは、ピッチ角α2(α2>α1)へ増加させることができる。このため、ブレード31のピッチ角α2は、風Wの方向に対して大きくなるので、ブレード31は風Wを逃がすようにして風Wを受ける。各ブレード31の姿勢が変わることで、さらに強い風Wを受けるブレード31の受風面積が減少するので、風車30の回転数は第2段階ST2の場合に比べて同じか少なくなるが、風車30の回転が停止することはない。この際に、ブレード31自体の形状は全く変形していない。従って、ブレード31が第3段階ST3の風Wを受けると、風車30のブレード31の姿勢にさらに変化が生じた状態で、風車30はスムーズに連続回転して、発電機40は発電をすることができる。
【0073】
<第4段階ST4の風速の範囲における風車30の挙動>
次に、
図17(D)は、第3段階ST4の風速の範囲例における風車30の挙動に示している。この場合には、風車30が受ける風速例の範囲としては、風Wの風速として非常に強い風50m/sec以上である。ブレード31が次の第4段階ST4のさらに強い風Wの力を受けると、ブレード31は、風Wの力により、連結部材70の第1屈曲部71が、連結部材70と中心部材50に対して、さらにC1方向に屈曲される。これにより、ブレード31自体の形は変わらないが、ブレード31の姿勢は、連結部材70と中心部材50に対してさらに変わり、ブレード31のピッチ角αは、最大角度α3(α3=17度>α2)となる。従って、ブレード31は、風Wを積極的に逃がすようにして風Wを受けることができる。この際に、ブレード31自体の形状は全く変形していない。各ブレード31の姿勢が変わることで、さらに強い風Wを受けるブレード31の受風面積が減少するので、風車30の回転数は第3段階ST3と同じか少なくなるが、風車30の回転が停止することはなく、次の風Wの状態の変化に備えることができる。
【0074】
そして、例えば、風Wが、再び
図17(A)に示す第1段階ST1の範囲に戻れば、風車30の状態は、
図17(A)に示す状態に戻る。また、風Wが、再び
図17(B)に示す第2段階ST2の範囲に戻れば、風車30の状態は、
図17(B)に示す状態に戻る。さらに、風Wが、
図17(C)の範囲に戻れば、風車30の状態は、
図17(C)に示す状態に戻る。
【0075】
このように、3つのブレード31を含む風車30は、風Wの力の大小にかかわらずに、長期間破損せずに、スムーズに回転し続けながら絶え間なく発電することができる。強風時には、ブレード31が風Wの方向に押されてはいるが、風速の大きさに応じて各ブレード31における風Wの受風面積を減少させることで風Wの力を積極的に逃がしており、しかもブレード31自体の変形や破損が生じない。これにより、風力発電機1は、通常の弱い風Wは勿論のこと、25m/sec以上の強い風Wであっても、発電を続けることができる。ブレード31が、好ましくはガラス熱可塑性樹脂複合材により作られていて剛体であり、25m/secを超える強風であって、70m/secに達っして超えるようなよりさらにより強い強風であっても、変形や破損が生じない。従って、風力発電機1は、発電を中止することなく、発電動作を続けることができる。
【0076】
図18は、風の力を受けて
図8と
図14に示す弾性機構部100の第1弾性部材101と第2弾性部材102が引っ張り弾性力を発揮する際に生じる第1弾性部材101と第2弾性部材102の変化例を示している。
図18の横軸は、第1弾性部材101と第2弾性部材102の伸びを示し、縦軸は、第1弾性部材101と第2弾性部材102にかかる荷重を示している。
【0077】
図18に示すように、直線領域S0は、通常用いられている1種類のバネ常数を有する単一のスプリングを用いた場合を示しており、荷重に対する伸びは、荷重の全域にわたって正比例で単純増加している。
これに対して、本発明の実施形態の弾性機構部100を用いると、風の力が弱い場合に細い第1弾性部材101が引っ張り弾性力を発揮する直線領域S1では、荷重に対する伸びは、比較的小さい傾きであって正比例で増加し、その後風の力が増加して、細い第1弾性部材101に加えて太い第2弾性部材102が引っ張り弾性力を発揮する直線領域S2では、傾きが急激に増加してその後直線領域S3になる。これにより、通常の常に同じ直線領域S0で変化する荷重に対する伸びとは異なり、弾性機構部100は、直線領域S1,S2,S3の複数段階で、非線形の引っ張り弾性力を発揮できる。このような弾性機構部100を採用するのは、風Wの力は、風速の3乗で上昇する特性に対応して、風Wの力の上昇が非線形であることにできるだけ合わせて、ブレード31のピッチ角αを風速の大小に合わせて変えて、発電効率を上げるためである。
【0078】
図19(A)は、本発明の実施形態の風力発電機1の風力発電出力と風速の関係例を示し、
図19(B)は、比較例の風力発電機の風力発電出力と風速の関係例を示している。
図19(A)に示すように、発電機40の定格出力が例えば6.5kWである場合に、例えばカットイン風速が2.5m/secであると、発電機40の風力発電出力は、カットイン風速から開始して最大の定格出力で発電できる。しかも、カットアウト風速はないので、風車30は回転を停止しないことから、カットアウト風速で風力発電出力が出力減少もしくは出力消滅をすることなく追加発電分BTを確保できる。ブレード31は、回転による遠心力と、向心力と、揚力とのバランスを取りながら、風速の大きさによらず追加で発電をし続けることができる。風車30は、最小回転可能風速であるカットイン風速が、例えば2.5m/secであり、最大受容風速であるカットアウト風速は、無制限であり、カットアウト風速が風車30に加わっても破損せずに、継続して回転稼働して、発電を継続することができる。
これに対して、
図19(B)の比較例では、カットイン風速が3~5m/secである。カットアウト風速が24~25m/secに達すると、風車の回転は強制的に止められて、風力発電出力がゼロになるので、
図19(A)の本発明の実施形態に比べると、追加発電分Vだけ出力減少もしくは出力消滅をする。
【0079】
上述した風力発電機1の風車30は、各ブレード31にかかる遠心力と揚力と向心力のバランスを取りながら回転をし、各ブレード31は、風Wの力の強さに応じて、ブレード31自体の受風面積を変えていくことで風Wの力を逃がしながら、風車30は例えば200rpm~250rpmの回転数を維持しながら、強風や暴風であっても発電を中止することなく継続できる。また、各ブレード31は、風Wの力の強さに応じてピッチ角を変えて、ブレード31自体の受風面積を減らしていくことで風Wの力を逃がすので、「ブーン」という風切り音の発生を抑制でき、風力発電機1の静音化が図れる。
【0080】
風力発電機1は、従来用いられている大がかりなヨー制御装置等が不要であり、構造がシンプルであり故障が生じにくい。風力発電機1は、強風や暴風下であっても、発電を継続することができ、離島や無人島等のあらゆる厳しい設置環境であっても設置できる。風力発電機1の用途の例としては、電気通信事業、軍事目的、工業や鉄道事業、国際支援事業、海水の脱塩事業等であるが、現場での保守管理や整備管理の必要性が低く、国内の電力網に依存しないでスタンドアローンで発電できる。また、この風力発電機1は、従来用いられているディーゼル発電機の代替になり、環境に優しい。風力発電機1は、構造が簡単であり、小型化が図れるので、トラックにより輸送でき、人力のみで設置ができる。
【0081】
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。上記実施形態の構成は、その一部を省略したり、上記とは異なるように任意に組み合わせたりすることができる。
例えば、風車30は、3つのブレードを用いているが、2つまたは4つのブレードを用いても良い。発電機40は、マグネットロータとコイルステータを有しているが、コイルロータと、マグネットステータを用いても良い。なお、補強部材76は、ロープ状でなくても例えば網状であっても良い。
【符号の説明】
【0082】
1・・・風力発電機、10・・・タワー、11・・・設置部、12・・・タワーの下部、13・・・タワー駆動操作部、14・・・タワーの上部、15・・・風向案内部、20・・・本体、23・・・水平軸、30・・・風車、31・・・ブレード(羽根部材の例)、31B・・・ブレードの基部、40・・・発電機、41・・・ロータ、42・・・ステータ、50・・・中心部材、60・・・固定部材、70・・・連結部材、71・・・連結部材の第1屈曲部、72・・・連結部材の第2屈曲部、75・・・主層、76・・・補強部材、77,78・・・被覆層、100・・・弾性機構部、101・・・第1弾性部材、102・・・第2弾性部材、151・・・整流機、152・・・インバータ、153・・・バッテリ(蓄電池)、154・・・電力供給対象、L・・・垂直軸、RT・・・軸方向、ST1・・・第1段階、ST2・・・第2段階、ST3・・・第3段階、ST4・・・第4段階、α、α0~α3・・・ブレードのピッチ角、G・・・重心、K1,K2・・・距離、PL・・・回転平面、W・・・風