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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024003365
(43)【公開日】2024-01-15
(54)【発明の名称】ランタンスタンド
(51)【国際特許分類】
   F21S 6/00 20060101AFI20240105BHJP
   F21V 21/16 20060101ALI20240105BHJP
   F21L 19/00 20060101ALI20240105BHJP
   F21S 8/08 20060101ALI20240105BHJP
   F21S 9/02 20060101ALI20240105BHJP
【FI】
F21S6/00 510
F21V21/16 310
F21L19/00
F21S8/08
F21S9/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022102452
(22)【出願日】2022-06-27
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 展示会名 FIELDSTYLE SEASIDEMARKET 開催日 令和4年5月21日
(71)【出願人】
【識別番号】000135726
【氏名又は名称】株式会社バンガード
(74)【代理人】
【識別番号】100093986
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 雅男
(72)【発明者】
【氏名】岩本 将史
(57)【要約】
【課題】ランタンの設置高さを簡単に調節可能なランタンスタンドの提供を目的とする。
【解決手段】接地面上に固定可能な設置部1と、
設置部1から立設され、先端が設置部1への固定端に対して平面視において所定間隔偏位し、先端部にトップガイド部材2を配置した支柱部3と、
支柱部3に取り付けられたリール4に繰り出し自在に巻き取られた吊下紐5とを有し、
前記リール4からトップガイド部材2によりガイドされて引き出された吊下紐5の先端にランタン6を連結して吊り下げる。
【選択図】 図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接地面上に固定可能な設置部と、
設置部から立設され、先端が設置部への固定端に対して平面視において所定間隔偏位し、先端部にトップガイド部材を配置した支柱部と、
支柱部に取り付けられたリールに繰り出し自在に巻き取られた吊下紐とを有し、
前記リールからトップガイド部材によりガイドされて引き出された吊下紐の先端にランタンを連結して吊り下げるランタンスタンド。
【請求項2】
前記支柱部は複数の支柱体を分離可能に連結して形成されるとともに、
前記支柱体同士は、一方に形成された嵌合突部を他方の嵌合凹部に嵌合させて連結されるとともに、嵌合突部と嵌合凹部のいずれか一方には、嵌合状態における先端側の支柱体の前記偏位方向への傾動動作により他方に形成された係止凹部に係止する係止突部が形成される請求項1記載のランタンスタンド。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャンプ等でランタンを保持するランタンスタンドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
キャンプ等でランタン等を保持するランタンスタンドとしては、特許文献1に記載のものが知られている。
【0003】
この従来例において保持装置は、三脚により支持されるパイプ状の支持ポールの上端に固定される連結座に吊り棒を鉛直姿勢と水平姿勢との間を遷移可能に連結して形成される。吊り棒は水平姿勢においてランタンの取っ手を係止可能な吊掛部を備えており、鉛直姿勢に移行させることにより支持ポール内に収容することができる。
【0004】
したがって本従来例において、ランタン使用時には吊り棒を支持ポールから引き出したあと、水平姿勢に移行させて吊掛部にランタンの取っ手を係止させ、使用後には、鉛直姿勢まで回転させたあと、支持ポール内に収容することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】登録実用新案第3057072号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上述した従来例において、ランタンの設置高さを変更するためには、支持ポールの設置高さを変更する必要があり、作業が面倒であるという問題がある。
【0007】
本発明は、以上の欠点を解消すべくなされたものであって、ランタンの設置高さを簡単に調節可能なランタンスタンドの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば上記目的は、
接地面上に固定可能な設置部1と、
設置部1から立設され、先端が設置部1への固定端に対して平面視において所定間隔偏位し、先端部にトップガイド部材2を配置した支柱部3と、
支柱部3に取り付けられたリール4に繰り出し自在に巻き取られた吊下紐5とを有し、
前記リール4からトップガイド部材2によりガイドされて引き出された吊下紐5の先端にランタン6を連結して吊り下げるランタンスタンドを提供することにより達成される。
【0009】
本発明において、ランタンスタンドは、地面等の接地面に固定される設置部1から支柱部3を立設して形成され、支柱部3の適宜高さ位置にリール4が取り付けられる。
【0010】
リール4には吊下紐5が巻き付けられており、巻き付けられた吊下紐5はリール4を操作することにより所望長繰り出すことができる。
【0011】
したがって本発明において、設置部1を接地面に固定した状態でリール4から繰り出した吊下紐5をトップガイド部材2に通し、吊下紐5の先端にランタン6を連結すると、ランタン6を接地面上の適宜高さに保持することができ、吊下紐5のリール4からの繰り出し量を調整することによって簡単に照明具の高さを調整することができる。
【0012】
また、支柱部3を複数の支柱体7を分離可能に連結して形成すると、搬送、あるいは保管時のスペースを小さくすることができる。
【0013】
このとき、支柱体7同士は、一方に形成された嵌合突部8を他方の嵌合凹部9に嵌合させて連結されるとともに、嵌合突部8と嵌合凹部9のいずれか一方には、嵌合状態における先端側の支柱体7の前記偏位方向への傾動動作により他方に形成された係止凹部10に係止する係止突部11が形成されるように構成することができる。
【0014】
このように構成すると、連結すべき一対の支柱体7の一方に形成された嵌合突部8を他方の嵌合凹部9に挿入、嵌合させた後、先端側、すなわち、設置部1から離隔した側の支柱体7を支柱部3の先端における偏位方向に回転させるようにして傾けると、係止突部11が係止凹部10に係止して、以後、抜去方向の移動が規制される。
【0015】
また、支柱部3の先端は設置部1に固定される基端部に対して平面視において偏位しているために、支柱部3の重心は偏位方向に偏っており、各支柱体7には偏位方向に向けて回転する回転モーメントが作用する。この結果、一旦係止突部11が係止凹部10に係止すると、係止解除のための操作力が与えられない限り係止状態が維持され、不用意な離脱が防がれる。
【0016】
嵌合突部8は先端側、あるいは設置部1に近い基端側のいずれに形成することができ、連結対象側に嵌合凹部9が形成される。また、係止突部11は嵌合突部8、あるいは嵌合凹部9のいずれに形成することができ、連結対象側に係止凹部10が形成される。さらに、係止突部11と係止凹部10との嵌合深さを規制し、嵌合深さの調整をすることなく傾動操作によってのみ係止突部11と係止凹部10の係止操作を行うことができるように、ストッパを設けることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ランタンの設置高さを容易に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明を示す図で、(a)は左側面図、(b)は正面図、(c)は(b)の1C部拡大図である。
図2】本発明を示す図で、(a)は右側面図、(b)は背面図である。
図3】本発明を示す図で、(a)は平面図、(b)は底面図である。
図4】設置部を示す図で、(a)は平面図、(b)は連結筒部の形成方法を示す図、(c)は(b)のC4方向矢視図、(d)は(c)のD4方向矢視図、(e)は第1支柱体の連結筒部への連結工程を示す図4(a)のE4-E4線断面図である。
図5】第1支柱体の組み立てを示す図で、(a)は左側面図、(b)は(a)のB5方向矢視図、(c)は組立完了状態の第1支柱体を示す図、(d)は(c)のD5方向一部拡大矢視図、(e)は(d)のE5-E5線断面図である。
図6】第2支柱体の組立を示す図で、(a)は左側面図、(b)は(a)のB6方向矢視図である。
図7】第2支柱体の組立を示す図で、(a)は組立完了状態を示す図である。
図8】第2支柱体の連結工程を示す図で、(a)は嵌合突部を嵌合凹部に挿入した状態、(b)は嵌合突部を最深部まで挿入した状態、(c)は係止突部を係止凹部に係止させた状態を示す図である。
図9】第3支柱体を示す図で、(a)は左側面図、(b)は(a)のB9方向矢視図、(c)は(a)のC9方向矢視図、(d)は(a)のD9方向矢視図、(e)は(a)のE9-E9線断面図である。
図10】第3支柱体の連結工程を示す図で、(a)は嵌合突部を嵌合凹部に挿入した状態、(b)は嵌合突部を最深部まで挿入した状態、(c)は係止突部を係止凹部に係止させた状態を示す図である。
図11】ランタンを保持した状態を示す左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1以下に示すように、ランタンスタンドは、地面等の設置面に固定可能な設置部1と、設置部1から立設される支柱部3とを有する。
【0020】
本例において設置部1は、接地面上にぐらつくことなく固定することができるように適宜の面積を有する平板状の設置プレート1aと、設置プレート1a上に固定される連結筒部1bとから形成され、設置プレート1aに開設された杭装着穴1cから打ち込まれる杭により地面に固定される。
【0021】
図4に示すように、連結筒部1bは、金属板材により断面コ字形の樋形状に形成された一対の連結片12を正対させてフランジ12a同士を接合することにより正背方向(前後方向)に長く、幅方向に短い矩形中空部を有する筒形状に形成される。
【0022】
図4(b)に示すように、各連結片12の下端は所定角度(θ)傾斜した傾斜辺とされており、連結筒部1bは設置プレート1a上に溶接等の適宜手段により固定した状態で正面側にやや傾斜する。
【0023】
なお、本明細書において、図1(a)に示す方向を「左側面」、図2(a)に示す方向を「右側面」、図1(b)に示す方向を「正面」、図2(b)に示す反対方向を「背面」、図3(a)に示す方向を「平面」、図3(b)に示す方向を「底面」、図1(b)における左右方向を「幅方向」とする。
【0024】
支柱部3は複数の支柱体7を分離可能に連結して形成され、本例において第1、第2、第3支柱体7A、7B、7Cを連結して形成され、最下段に位置する第1支柱体7Aを設置部1の連結筒部1bに連結することにより設置部1上に立設される。
【0025】
図5に示すように、第1支柱体7Aは、上記連結筒部1bに嵌合可能な所定板厚を有する板材(本例においては表面に適宜の表面処理を施した金属板材)であり、側面視において、下端は、傾斜角(θ)が上記連結筒部1bの下端の傾斜辺と同一の傾斜辺として形成され、上方に行くに従って漸次正面方向に向かうような緩やかな曲面により形成される。
【0026】
さらに、第1支柱体7Aの上端縁には、連結用切欠13が形成され、この連結用切欠13の形成部を一対のカバー片14により囲って嵌合凹部9が形成される。連結用切欠13の下端には、背面方向に延びる係止凹部10が設けられる。カバー片14は、上述した連結片12と同様に、金属板材により断面コ字形の樋形状に形成され、一対のカバー片14を対向姿勢で第1支柱体7Aを表裏から挟み込むようにして第1支柱部3に固定される。
【0027】
また、上記第1支柱体7Aの上端部には、リール固定片15が固定される。リール固定片15は、図5(a)、(b)に示すように、金属板材をL字形状に折り曲げて形成され、一方の翼片(支柱固定翼15a)に支柱連結孔15bが、他方の翼片(リール固定翼15c)にはリール固定孔15dが開設される。
【0028】
リール固定片15を第1支柱体7Aに固定した状態でリール固定翼15cは第1支柱体7Aの正面壁から適宜間隔離れた位置で正対する。
【0029】
以上のように構成される第1支柱体7Aは、図4(e)に示すように、下端の傾斜辺が設置プレート1a上に当接する状態で設置部1の連結筒部1bに嵌合させた後、第1支柱体7A、および連結筒部1bに開設した連結孔16にビス、リベット等を装着して設置部1に固定される。
【0030】
一方、第2支柱体7Bは、図6、7に示すように、上記第1支柱体7Aと同一板厚の板材により形成される。この第2支柱体7Bは、上方に行くに従って緩やかに正面方向に屈曲しつつ、前後方向の幅寸法が漸次小寸となる側面視形状を有し、下端に嵌合突部8を、上端に連結用切欠13を備える。
【0031】
上記連結用切欠13の下端には、第1支柱体7Aと同様に、背面方向に延びる係止凹部10が形成されるとともに、連結用切欠13を含む第1支柱体7Aの上端部を一対のカバー片14により囲って嵌合凹部9が形成される。
【0032】
上記嵌合突部8は、第2支柱体7Bの下端から下方に延設され、その下端には背面方向に突出する係止突部11が設けられる。
【0033】
また、第2支柱体7Bには中間ガイド部材16が固定される。中間ガイド部材16は、後述するリール4から繰り出された吊下紐5をガイドするもので、図6、7に示すように、固定片16aと、固定片16aに対して直交し、吊下紐5が挿通可能なガイド孔16bを備えたガイド片16cとを有して側面視L字形状に形成され、固定片16aにおいて第2支柱体7Bの正面壁に適宜手段により固定される。
【0034】
この第2支柱体7Bの連結は、図8に示すように、まず、第2支柱体7B全体をやや背面方向に傾けた姿勢で嵌合突部8を第1支柱体7Aの連結用切欠13に挿入する(図8(a)参照)。この後、図8(b)に示すように、連結用切欠13に沿って嵌合突部8を嵌合突部8の基端部、あるいは嵌合突部8の先端部が第1支柱体7Aの上端、あるいは連結用切欠13の底壁に衝接するまで押し込み、さらに、図8(c)に示すように、第2支柱体7B全体を正面方向に傾けることにより行うことができる。
【0035】
第2支柱体7Bの正面方向への傾動操作により係止突部11は係止凹部10に係止し、以後、第2支柱体7Bの第1支柱体7Aからの離脱が規制される。
【0036】
この状態で第2支柱体7Bには、当該第2支柱体7Bの重心位置が第1支柱帯との連結部位から正面方向に偏位し、さらに、後述するランタン6の荷重が吊下紐5を介して中間ガイド部材16に下方への負荷を与えるために、第2支柱体7Bには第1支柱体7Aとの連結部位を中心とする図8(c)において時計回りの回転モーメントが作用するために、係止突部11と係止凹部10との係止状態が維持される。
【0037】
以上のように、第1支柱体7Aと第2支柱体7Bとの連結は、特別な工具等を要せずに簡単に行うことができ、さらに、連結の解除は、上方に位置する第2支柱体7Bを一旦、図8(c)における反時計回りに傾けて係止突部11と係止凹部10との係止を解除した後、上方に引き上げるだけで簡単に行うことができる。
【0038】
上記第3支柱体7Cは、図9に示すように、上記第1、第2支柱体7A、7Bと同一板厚の板材により形成され、下端にはこれらと同様、係止突部11を備えた嵌合突部8が形成される。第3支柱体7Cの側面視形状は、第2支柱体7Bの曲率に比して大きな曲率で正面方向に屈曲し、さらに、幅寸法の変化率が第2支柱体7Bとほぼ同一となるように形成される。
【0039】
さらに、第3支柱体7Cの中間部、および先端の正面壁には中間ガイド部材16とトップガイド部材2とが固定される。本例において、中間ガイド部材16は第2支柱体7Bに使用されるものと同一のものが使用され、先端に使用されるトップガイド部材2は、固定片2aと、ガイド孔2bを備えたガイド片2cとの間の角度が鈍角をなすものが使用される。
【0040】
以上の第3支柱体7Cは、図10に示すように、第2支柱体7Bの第1支柱体7Aへの連結方法と同様の手順で行われる。
【0041】
以上のように組み立てられた支柱部3にはリール4が固定される。図1、2に示すように、本例においてリール4はボディ4aにスプール4bを回転操作自在に連結したフライリールが使用され、ボディ4aに形成される取付部4cをリール固定片15に固定して支柱部3に固定される。
【0042】
図11に示すように、リール4のスプール4bには吊下紐5が巻き付けられており、スプール4bから繰り出された吊下紐5は、第2、第3支柱体7Cの中間位置に配置された中間ガイド部材16のガイド孔16bに挿通され、第3支柱の先端のトップガイド部材2のガイド孔2bから引き出される。
【0043】
吊下紐5の先端にはランタン6のハンドル6aに係止、あるいは締結してランタン6を連結するハンドル連結部5aが形成されており、吊下紐5の先端にランタン6を連結した状態でスプール4bに配置される操作ハンドル4dを回移転操作すると、吊下紐5のスプール4bからの繰り出し量を調整することができ、結果、ランタン6の設置高さを簡単に調整することができる。
【0044】
また、第1、2、3支柱体7A、7B、7Cを連結した状態で、支柱部3は図1、2に示すように、側面視において上方に行くに従って概ね連続的に屈曲するとともに、先端に向けて徐々に幅方向寸法が小さくなり、この状態からリール固定片15にリール4を固定し、ランタン6を保持すると、あたかも釣り竿によりランラン6を釣り上げたような状態となり、意匠的な効果も期待できる。
【符号の説明】
【0045】
1 設置部
2 トップガイド部材
3 支柱部
4 リール
5 吊下紐
6 ランタン
7 支柱体
8 嵌合突部
9 嵌合凹部
10 係止凹部
11 係止突部


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11