(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024033655
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 51/04 20220101AFI20240306BHJP
G06F 40/166 20200101ALI20240306BHJP
【FI】
H04L51/04
G06F40/166
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022137370
(22)【出願日】2022-08-30
(71)【出願人】
【識別番号】514044617
【氏名又は名称】株式会社インゲージ
(74)【代理人】
【識別番号】100117260
【弁理士】
【氏名又は名称】福永 正也
(72)【発明者】
【氏名】和田 哲也
【テーマコード(参考)】
5B109
【Fターム(参考)】
5B109RB21
5B109RB31
5B109SA14
5B109VC03
(57)【要約】
【課題】コメントが付与されたか否かを容易に確認することができるとともに、付与されたコメントを付与された順に確認することが可能な情報処理装置、情報処理方法及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】複数のユーザによって情報共有グループを構成し、情報共有グループ内のユーザ間で私信情報を共有する。共有されている私信情報を所定の領域に時系列に一覧表示し、共有されている私信情報ごとに情報共有グループ内のユーザによるコメント付与を受け付ける。受け付けたコメントの内容とともに、コメントの付与を受け付けた日時及び付与対象となった私信情報を識別する識別情報を記憶するとともに、受け付けたコメントを他の領域に時系列に一覧表示する。コメントの選択を受け付けた場合、識別情報に基づいてコメントの付与対象となった私信情報を特定し、特定された私信情報が表示されるよう表示変更する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザによって情報共有グループを構成し、
前記情報共有グループ内のユーザ間で、前記情報共有グループ外とのメッセージ交換も含めた私信情報を共有する情報処理装置であって、
共有されている前記私信情報を所定の領域に時系列に一覧表示する一覧表示手段と、
共有されている前記私信情報ごとに前記情報共有グループ内のユーザによるコメント付与を受け付けるコメント付与受付手段と、
受け付けたコメントの内容とともに、前記コメントの付与を受け付けた日時及び付与対象となった私信情報を識別する識別情報を記憶するコメント情報記憶部と、
受け付けたコメントを他の領域に時系列に一覧表示するコメント表示手段と
を有し、
前記コメント表示手段で表示されているコメントの選択を受け付けた場合、前記識別情報に基づいて前記コメントの付与対象となった前記私信情報を特定する私信情報特定手段を備え、
前記一覧表示手段は、特定された前記私信情報が表示されるよう表示変更することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記私信情報にチャットによりメッセージ交換するチャット情報も含まれている場合、前記コメント付与受付手段は、前記チャット情報については含まれているメッセージ単位でコメント付与を受け付け、
前記識別情報は、前記チャット情報については、チャット情報単位及び該チャット情報に含まれているメッセージ単位の両方で識別し、
前記一覧表示手段は、特定された前記私信情報が前記チャット情報の前記メッセージである場合、特定された前記メッセージを含む前記私信情報が前記所定の領域に表示されるようスクロールして表示することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記情報共有グループは、特定のタスクに関連する私信情報を共有することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記一覧表示手段は、特定された前記私信情報が前記所定の領域に表示されるようスクロールして表示する、又は特定された前記私信情報の前後の私信情報及び付与されたコメントを含めて、前記所定の領域とは異なる領域に表示することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記一覧表示手段は、特定された前記私信情報が前記所定の領域に表示されるようスクロールして表示する、又は特定された前記私信情報の前後の私信情報及び付与されたコメントを含めて、前記所定の領域とは異なる領域に表示することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記コメント付与手段で受け付けたコメントに特定のユーザの宛先を示す宛先情報を含み、
前記宛先情報へコメントが付与された旨を示す付与通知を、付与されたコメントの内容とともに送信する通知手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記コメント付与手段で受け付けたコメントに特定のユーザの宛先を示す宛先情報を含み、
前記宛先情報へコメントが付与された旨を示す付与通知を、付与されたコメントの内容とともに送信する通知手段を備えることを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記一覧表示手段は、受け付けたコメントを、付与対象となった私信情報の下部に表示することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記一覧表示手段は、受け付けたコメントを、付与対象となった私信情報に含まれるメッセージの下部に表示することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項10】
複数のユーザによって情報共有グループを構成し、
前記情報共有グループ内のユーザ間で、前記情報共有グループ外とのメッセージ交換も含めた私信情報を共有する情報処理装置で実行することが可能な情報処理方法であって、
前記情報処理装置が、
共有されている前記私信情報を所定の領域に時系列に一覧表示する工程と、
共有されている前記私信情報ごとに前記情報共有グループ内のユーザによるコメント付与を受け付ける工程と、
受け付けたコメントの内容とともに、前記コメントの付与を受け付けた日時及び付与対象となった私信情報を識別する識別情報を記憶する工程と、
受け付けたコメントを他の領域に時系列に一覧表示する工程と
を含み、
前記情報処理装置が、表示されているコメントの選択を受け付けた場合、前記識別情報に基づいて前記コメントの付与対象となった前記私信情報を特定する工程と、
特定された前記私信情報が表示されるよう表示変更する工程と
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項11】
前記情報処理装置が、
前記私信情報にチャットによりメッセージ交換するチャット情報も含まれている場合、前記チャット情報については含まれているメッセージ単位でコメント付与を受け付け、
前記識別情報は、前記チャット情報については、チャット情報単位及び該チャット情報に含まれているメッセージ単位の両方で識別し、
特定された前記私信情報が前記チャット情報の前記メッセージである場合、特定された前記メッセージを含む前記私信情報が前記所定の領域に表示されるようスクロールして表示することを特徴とする請求項10に記載の情報処理方法。
【請求項12】
前記情報共有グループは、特定のタスクに関連する私信情報を共有することを特徴とする請求項10又は11に記載の情報処理方法。
【請求項13】
複数のユーザによって情報共有グループを構成し、
前記情報共有グループ内のユーザ間で、前記情報共有グループ外とのメッセージ交換も含めた私信情報を共有する情報処理装置で実行することが可能なコンピュータプログラムであって、
前記情報処理装置を、
共有されている前記私信情報を所定の領域に時系列に一覧表示する一覧表示手段、
共有されている前記私信情報ごとに前記情報共有グループ内のユーザによるコメント付与を受け付けるコメント付与受付手段、
受け付けたコメントの内容とともに、前記コメントの付与を受け付けた日時及び付与対象となった私信情報を識別する識別情報を記憶するコメント情報記憶部、及び
受け付けたコメントを他の領域に時系列に一覧表示するコメント表示手段
として機能させ、
前記情報処理装置を、
前記コメント表示手段で表示されているコメントの選択を受け付けた場合、前記識別情報に基づいて前記コメントの付与対象となった前記私信情報を特定する私信情報特定手段として機能させ、
前記一覧表示手段を、特定された前記私信情報が表示されるよう表示変更する手段として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項14】
前記情報処理装置を、
前記私信情報にチャットによりメッセージ交換するチャット情報も含まれている場合、前記チャット情報については含まれているメッセージ単位でコメント付与を受け付ける手段として機能させ、
前記識別情報は、前記チャット情報については、チャット情報単位及び該チャット情報に含まれているメッセージ単位の両方で識別し、
前記一覧表示手段を、特定された前記私信情報が前記チャット情報の前記メッセージである場合、特定された前記メッセージを含む前記私信情報が前記所定の領域に表示されるようスクロールして表示する手段として機能させることを特徴とする請求項13に記載のコンピュータプログラム。
【請求項15】
前記情報共有グループは、特定のタスクに関連する私信情報を共有することを特徴とする請求項13又は14に記載のコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の電子メール等私信情報を複数人で共有するとともに、私信情報ごとに付与されたコメントも複数人で共有管理することが可能な情報処理装置、情報処理方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットの普及に伴い、企業活動において社内連絡及び顧客等社外との情報のやり取り等には、電子メールを含む様々なメッセージ交換手段が用いられている。そして、メッセージを共有することにより、業務の効率向上を図っている。
【0003】
1対1のメッセージ交換から、多対多の情報共有へと変化すると、それぞれのメッセージに対して複数のコメント付与がなされることが多い。この場合、誰がどのメッセージに対してコメントを付与しているのかがわかりやすいことが好ましい。
【0004】
例えば特許文献1では、文書情報の内容、メッセージ交換(会話)の内容、及びコメントの内容を一つの画面上に表示する文書作成プログラムが開示されている。特許文献1では、法律文書を複数の人間により完成させることが想定されており、文書情報に対して、作成者同士で行ったメッセージ交換(チャット等での会話)情報、作成者が付したコメント情報等が1つの画面上に表示されている。
【0005】
また、特許文献2では、生徒から入力された閲覧データに対して添削情報を付与する添削可能掲示板装置が開示されている。特許文献2では、チャット、掲示板、電子メール等の情報を同一画面に表示して、それぞれを取り扱うアプリごとに、それぞれの情報に対してコメントを付与することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2020-166870号公報
【特許文献2】特開2002-116977号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の文書作成プログラムでは、文書情報のどの部分に対して会話がなされたか、あるいはどの部分に対してコメントが付与されたかは、文書情報を始めから順次閲覧していく中で発見することができる。しかし、文書情報の特定の部分について何らかの会話がなされたか、あるいはコメントが付いたか等を一括して知ることができず、順次確認しながら内容を把握することしかできない煩雑さが生じるという問題点があった。
【0008】
また、特許文献2の添削可能掲示板装置では、アプリごとにコメントを付与することはできるが、それぞれのコメントは、その他のアプリとは無関係に付与されているので、同様の部分について他のアプリ内でどのようなコメントがなされているのかは判断することができず、共有者間でコメントの内容に関して誤解が生じているか否か判断することができないという問題点があった。
【0009】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、コメントが付与されたか否かを容易に確認することができるとともに、付与されたコメントを付与された順に確認することが可能な情報処理装置、情報処理方法及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために本発明に係る情報処理装置は、複数のユーザによって情報共有グループを構成し、前記情報共有グループ内のユーザ間で、前記情報共有グループ外とのメッセージ交換も含めた私信情報を共有する情報処理装置であって、共有されている前記私信情報を所定の領域に時系列に一覧表示する一覧表示手段と、共有されている前記私信情報ごとに前記情報共有グループ内のユーザによるコメント付与を受け付けるコメント付与受付手段と、受け付けたコメントの内容とともに、前記コメントの付与を受け付けた日時及び付与対象となった私信情報を識別する識別情報を記憶するコメント情報記憶部と、受け付けたコメントを他の領域に時系列に一覧表示するコメント表示手段とを有し、前記コメント表示手段で表示されているコメントの選択を受け付けた場合、前記識別情報に基づいて前記コメントの付与対象となった前記私信情報を特定する私信情報特定手段を備え、前記一覧表示手段は、特定された前記私信情報が表示されるよう表示変更することを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る情報処理装置は、前記私信情報にチャットによりメッセージ交換するチャット情報も含まれている場合、前記コメント付与受付手段は、前記チャット情報については含まれているメッセージ単位でコメント付与を受け付け、前記識別情報は、前記チャット情報については、チャット情報単位及び該チャット情報に含まれているメッセージ単位の両方で識別し、前記一覧表示手段は、特定された前記私信情報が前記チャット情報の前記メッセージである場合、特定された前記メッセージを含む前記私信情報が前記所定の領域に表示されるようスクロールして表示することが好ましい。
【0012】
また、本発明に係る情報処理装置は、前記情報共有グループは、特定のタスクに関連する私信情報を共有することが好ましい。
【0013】
また、本発明に係る情報処理装置は、前記一覧表示手段は、特定された前記私信情報が前記所定の領域に表示されるようスクロールして表示する、又は特定された前記私信情報の前後の私信情報及び付与されたコメントを含めて、前記所定の領域とは異なる領域に表示することが好ましい。
【0014】
また、本発明に係る情報処理装置は、前記コメント付与手段で受け付けたコメントに特定のユーザの宛先を示す宛先情報を含み、前記宛先情報へコメントが付与された旨を示す付与通知を、付与されたコメントの内容とともに送信する通知手段を備えることが好ましい。
【0015】
また、本発明に係る情報処理装置は、前記一覧表示手段は、受け付けたコメントを、付与対象となった私信情報の下部に表示する、あるいは前記私信情報にチャットによりメッセージ交換するチャット情報も含まれている場合、受け付けたコメントを、付与対象となった私信情報に含まれるメッセージの下部に表示することが好ましい。
【0016】
次に、上記目的を達成するために本発明に係る情報処理方法は、複数のユーザによって情報共有グループを構成し、前記情報共有グループ内のユーザ間で、前記情報共有グループ外とのメッセージ交換も含めた私信情報を共有する情報処理装置で実行することが可能な情報処理方法であって、前記情報処理装置が、共有されている前記私信情報を所定の領域に時系列に一覧表示する工程と、共有されている前記私信情報ごとに前記情報共有グループ内のユーザによるコメント付与を受け付ける工程と、受け付けたコメントの内容とともに、前記コメントの付与を受け付けた日時及び付与対象となった私信情報を識別する識別情報を記憶する工程と、受け付けたコメントを他の領域に時系列に一覧表示する工程とを含み、前記情報処理装置が、表示されているコメントの選択を受け付けた場合、前記識別情報に基づいて前記コメントの付与対象となった前記私信情報を特定する工程と、特定された前記私信情報が表示されるよう表示変更する工程とを含むことを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係る情報処理方法は、前記情報処理装置が、前記私信情報にチャットによりメッセージ交換するチャット情報も含まれている場合、前記チャット情報については含まれているメッセージ単位でコメント付与を受け付け、前記識別情報は、前記チャット情報については、チャット情報単位及び該チャット情報に含まれているメッセージ単位の両方で識別し、特定された前記私信情報が前記チャット情報の前記メッセージである場合、特定された前記メッセージを含む前記私信情報が前記所定の領域に表示されるようスクロールして表示することが好ましい。
【0018】
また、本発明に係る情報処理方法は、前記情報共有グループは、特定のタスクに関連する私信情報を共有することが好ましい。
【0019】
次に、上記目的を達成するために本発明に係るコンピュータプログラムは、複数のユーザによって情報共有グループを構成し、前記情報共有グループ内のユーザ間で、前記情報共有グループ外とのメッセージ交換も含めた私信情報を共有する情報処理装置で実行することが可能なコンピュータプログラムであって、前記情報処理装置を、共有されている前記私信情報を所定の領域に時系列に一覧表示する一覧表示手段、共有されている前記私信情報ごとに前記情報共有グループ内のユーザによるコメント付与を受け付けるコメント付与受付手段、受け付けたコメントの内容とともに、前記コメントの付与を受け付けた日時及び付与対象となった私信情報を識別する識別情報を記憶するコメント情報記憶部、及び受け付けたコメントを他の領域に時系列に一覧表示するコメント表示手段として機能させ、前記情報処理装置を、前記コメント表示手段で表示されているコメントの選択を受け付けた場合、前記識別情報に基づいて前記コメントの付与対象となった前記私信情報を特定する私信情報特定手段として機能させ、前記一覧表示手段を、特定された前記私信情報が表示されるよう表示変更する手段として機能させることを特徴とする。
【0020】
また、本発明に係るコンピュータプログラムは、前記情報処理装置を、前記私信情報にチャットによりメッセージ交換するチャット情報も含まれている場合、前記チャット情報については含まれているメッセージ単位でコメント付与を受け付ける手段として機能させ、前記識別情報は、前記チャット情報については、チャット情報単位及び該チャット情報に含まれているメッセージ単位の両方で識別し、前記一覧表示手段を、特定された前記私信情報が前記チャット情報の前記メッセージである場合、特定された前記メッセージを含む前記私信情報が前記所定の領域に表示されるようスクロールして表示する手段として機能させることが好ましい。
【0021】
また、本発明に係るコンピュータプログラムは、前記情報共有グループが、特定のタスクに関連する私信情報を共有することが好ましい。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、付与されたコメントを時系列に一覧することができるので、コメントが付与されたか否かを見逃すことがなく、また、付与されたコメントを付与された順に確認することができるとともに、どのメッセージに対するコメントであるのか容易に確認することができるので、情報共有グループ内で誤解が生じているか否かを確認しやすく、1つのタスクについて互いに誤解しているか否か確認しながら円滑に進めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の実施の形態に係る情報処理装置を用いたメッセージ交換システムの構成を模式的に示すブロック図である。
【
図2】本発明の実施の形態に係る情報処理装置の構成を模式的に示すブロック図である。
【
図3】本発明の実施の形態1に係る情報処理装置の機能ブロック図である。
【
図4】本発明の実施の形態に係る情報処理装置の表示画面の例示図である。
【
図5】本発明の実施の形態に係る情報処理装置のコメント関連情報記憶部に記憶されているデータのデータ構成の例示図である。
【
図6】本発明の実施の形態に係る情報処理装置のコメント選択時の表示画面の例示図である。
【
図7】本発明の実施の形態に係る情報処理装置のコメント付与処理の手順を示すフローチャートである。
【
図8】本発明の実施の形態2に係る情報処理装置の返信処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態に係る情報処理装置について、図面を参照して説明する。以下の実施の形態は、特許請求の範囲に記載された発明を限定するものではなく、実施の形態の中で説明されている特徴的事項の組み合わせの全てが解決手段の必須事項であるとは限らないことは言うまでもない。
【0025】
また、本発明は多くの異なる態様にて実施することが可能であり、実施の形態の記載内容に限定して解釈されるべきものではない。実施の形態を通じて同じ要素には同一の符号を付している。
【0026】
以下の実施の形態では、コンピュータシステムにコンピュータプログラムを導入した情報処理装置として説明するが、当業者であれば明らかな通り、本発明はその一部をコンピュータで実行することが可能なコンピュータプログラムとして実施することができる。したがって、本発明は、コメントが付与されたか否かを容易に確認することができるとともに、付与されたコメントを付与された順に確認することが可能な情報処理装置というハードウェアとしての実施の形態、ソフトウェアとしての実施の形態、又はソフトウェアとハードウェアとの組み合わせの実施の形態をとることができる。コンピュータプログラムは、ハードディスク、DVD、CD、光記憶装置、磁気記憶装置等の任意のコンピュータで読み取ることが可能な記録媒体に記録することができる。
【0027】
本発明の実施の形態によれば、付与されたコメントを時系列に一覧することができるので、コメントが付与されたか否かを見逃すことがなく、また、付与されたコメントを付与された順に確認することができるとともに、どのメッセージに対するコメントであるのか容易に確認することができるので、情報共有グループ内で誤解が生じているか否かを確認しやすく、1つのタスクについて互いに誤解しているか否か確認しながら円滑に進めることが可能となる。
【0028】
図1は、本発明の実施の形態に係る情報処理装置を用いたメッセージ交換システムの構成を模式的に示すブロック図である。本実施の形態に係るメッセージ交換システムは、企業が提供するサービスに対して問い合わせ等をするユーザが使用する端末装置1と、端末装置1とデータ通信することが可能にインターネット等のネットワーク網2を介して接続されている情報処理装置3とで構成されている。端末装置1は、据え置き型のPCであっても良いし、スマートホン等の携帯端末であっても良い。
【0029】
図2は、本発明の実施の形態に係る情報処理装置3の構成を模式的に示すブロック図である。本実施の形態に係る情報処理装置3は、少なくともCPU(中央演算装置)31、メモリ32、記憶装置33、I/Oインタフェース34、ビデオインタフェース35、可搬型メモリドライブ36、通信インタフェース37及び上述したハードウェアを接続する内部バス38で構成されている。
【0030】
CPU31は、内部バス38を介して情報処理装置3の上述したようなハードウェア各部と接続されており、上述したハードウェア各部の動作を制御するとともに、記憶装置33に記憶されているコンピュータプログラム100に従って、種々のソフトウェア的機能を実行する。メモリ32は、SRAM、SDRAM等の揮発性メモリで構成され、コンピュータプログラム100の実行時にロードモジュールが展開され、コンピュータプログラム100の実行時に発生する一時的なデータ等を記憶する。
【0031】
記憶装置33は、内蔵される固定型記憶装置(ハードディスク)、ROM等で構成されている。記憶装置33に記憶されたコンピュータプログラム100は、プログラム及びデータ等の情報を記録したDVD、CD-ROM、USBメモリ、SDカード等の可搬型記録媒体90から、可搬型メモリドライブ36によりダウンロードされ、実行時には記憶装置33からメモリ32へ展開して実行される。もちろん、通信インタフェース37を介して接続されている外部コンピュータからダウンロードされたコンピュータプログラムであっても良い。
【0032】
記憶装置33は、コメント関連情報記憶部331を備えている。コメント関連情報記憶部331は、コメントを付与したユーザのユーザID、付与されたコメントの内容、コメントが付与された日時及び付与対象となった私信情報を識別する識別情報を記憶する。付与対象となった私信情報を識別する識別情報は特に限定されるものではない。例えば、私信情報が電子メールである場合には、電子メールごとにIDを割り当てても良いし、受信した時刻を示すタイムスタンプ(受信日時)で代用しても良い。
【0033】
通信インタフェース37は内部バス38に接続されており、インターネット、LAN、WAN等の外部のネットワーク網2に接続されることにより、外部コンピュータ等とデータ送受信を行うことが可能となっている。
【0034】
I/Oインタフェース34は、入力装置であるキーボード41、マウス42と接続され、データの入力を行う。
【0035】
ビデオインタフェース35は、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ等の表示装置43と接続されている。本実施の形態では、実際に私信情報を出力表示するのは、ユーザが使用している端末装置1(スマートフォン、タブレット等)であり、情報処理装置3は、端末装置1との間で通信インタフェース37を介してデータを送受信する。
【0036】
以下、上述した構成の情報処理装置3の動作について説明する。なお、本実施の形態においては、複数のユーザによって情報共有グループを構成し、情報共有グループ内のユーザ間で、情報共有グループ外とのメッセージ交換も含めた私信情報を共有している。なお、本実施の形態における「私信情報」とは、電子メールによるメッセージ交換情報に限定されるものではなく、電話機能による音声交換情報、ソーシャルネットワーク(以下、SNS)等を用いて交換されるメッセージ情報、チャット機能を用いたチャット情報等、様々な情報を含むものとする。
【0037】
本実施の形態に係る情報共有グループは、特定のタスクに関連する私信情報を共有することが好ましい。特定のタスクを遂行するメンバ間のみで情報を共有することができ、情報漏えいのリスクを最小限にすることができるからである。
【0038】
図3は、本発明の実施の形態に係る情報処理装置3の機能ブロック図である。
図3において、一覧表示部301は、情報共有グループ内で共有されている私信情報を所定の領域に時系列に一覧表示する。コメント付与受付部302は、共有されている私信情報ごとに情報共有グループ内のユーザによるコメント付与を受け付ける。
【0039】
図4は、本発明の実施の形態に係る情報処理装置3の表示画面の例示図である。
図4に示すように、本実施の形態では、特定のタスクについて様々なメッセージ交換手段で行われたメッセージ等を、一覧表示領域401に時系列に一覧表示している。なお、電話の場合は、通話した時間の表示に留めても良いし、テキストデータの入力を受け付けても良いし、音声認識した会話内容のテキストデータを表示しても良い。
【0040】
また、表示されるメッセージ等を、特定のタスクごとに一覧表示しても良い。例えば「タスク1」として分類された特定のタスク、例えば問い合わせに対する情報共有グループに属するユーザのやりとりを一覧表示したい場合には、タスク表示領域403の「タスク1」をクリックすることで、特定のタスクに対するやりとりのみを一覧表示領域401に時系列に一覧表示することができる。
【0041】
私信情報が電子メールである場合、ユーザが、表示されている電子メールのメッセージ、例えば「メッセージ1」をクリックすると、コメント入力領域402がアクティブとなり、「メッセージ1」の内容に対するコメントの入力を受け付け可能となる。私信情報が複数のメッセージからなるチャット情報である場合、表示されているチャット情報、例えば「チャット1」の中に含まれているサブメッセージ、例えば「サブメッセージ1」をクリックすると、同様にコメント入力領域402がアクティブとなり、「サブメッセージ1」の内容に対するコメントの入力を受け付け可能となる。
【0042】
また、コメントに対するコメントの入力を受け付けても良い。この場合、以前に付与されているコメント、例えば「コメント1」をユーザがクリックすると、コメント入力領域402がアクティブとなり、「コメント1」の内容に対するコメントの入力を受け付け可能となる。
【0043】
もちろん、画面の仕様はこれに限定されるものではなく、多くのSNSの画面のように、メッセージあるいはサブメッセージの下部に、例えば「コメント」ボタンや「コメント」のハイパーリンクを設けていても良いことは言うまでもない。
【0044】
図3に戻って、コメント情報記憶部303は、受け付けたコメントの内容とともに、コメントの付与を受け付けた日時及び付与対象となった私信情報を識別する識別情報を、記憶装置33のコメント関連情報記憶部331に記憶する。
【0045】
図5は、本発明の実施の形態に係る情報処理装置3のコメント関連情報記憶部331に記憶されているデータのデータ構成の例示図である。
図5に示すように、付与対象となった私信情報を識別する識別情報として、タスクを識別するタスクID、私信情報を受信した日時(受信日時)を用い、これら識別情報と対応付けて、受け付けたコメントの内容(コメント内容)、コメントを受け付けた日時を示すタイムスタンプ情報(コメント付与日時)、受け付けたコメントを付与したユーザを示すユーザIDを記憶する。
【0046】
また、コメントに対してコメントの付与を受け付けた場合、付与対象となるコメントの内容及びコメントを受け付けた日時を示すタイムスタンプ情報(コメント付与日時)とともに、付与対象となったコメントの付与対象となったコメントの内容及びコメントを受け付けた日時を示すタイムスタンプ情報(コメント付与日時)も記憶する。
【0047】
1つのメッセージに対してコメントが付与され、そのコメントに対してコメントが、そしてそのコメントに対して、というように何階層にもわたってコメントが付与されている場合には、そのすべてに対して記憶しておき、元の付与対象となったメッセージがどれであるのかが明確になるよう記憶しておく。もちろん、直前のコメントの情報だけ記憶しておき、そこからコメント付与の元になったメッセージにたどり着くまでさかのぼってサーチする方法であっても良い。
【0048】
私信情報がチャット情報である場合、チャット情報を含むスレッド(一連のメッセージ群)が立ち上げられた日時を示すタイムスタンプ情報とともに、チャット情報に含まれているメッセージごとの発信日時を示すタイムスタンプ情報も記憶する。これにより、チャット情報の中のどのメッセージに対するコメントであるのかを容易に特定することができる。
【0049】
受け付けたコメントは、従来と同様、付与された私信情報の直下に表示されるが、本実施の形態ではそれだけではなく、別の領域に受け付けたコメントだけを時系列に一覧表示する点に特徴を有する。すなわち、
図3に戻って、コメント表示部304は、受け付けたコメントを、私信情報が一覧表示される領域とは異なる領域に、時系列に一覧表示する。
【0050】
図4の例では、複数種類の私信情報が時系列に一覧表示されている一覧表示領域401とは別個に設けられたコメント表示領域404に、受け付けたコメントを時系列に表示する。そして、
図3に戻って、コメント選択受付部305は、表示されているコメントの選択を受け付ける。コメント自体が選択可能なハイパーリンクとして表示されていても良いし、別個に「選択」ボタンをコメントごとの直下に表示しても良い。
【0051】
コメントの選択を受け付けた場合、私信情報特定部306は、識別情報に基づいて選択を受け付けたコメントの付与対象となった私信情報を特定する。選択を受け付けたコメントのタイムスタンプ情報、ユーザID等をキー情報としてコメント関連情報記憶部331を照会する。これにより、コメントの付与対象となった私信情報を特定することができる。
【0052】
一覧表示部301は、特定された私信情報が表示されるよう表示変更する。具体的には、例えば一覧表示領域401に表示されるよう、私信情報をスクロールして表示する。表示される位置は特に限定されるものではないが、当該コメントが付された経緯を知る意味でも中央近傍に表示されることがより好ましい。
【0053】
図6は、本発明の実施の形態に係る情報処理装置3のコメント選択時の表示画面の例示図である。
図6において、コメント表示領域404に表示されているユーザにより「コメント3」がクリックされると、一覧表示領域401の表示内容がスクロールされて、「コメント3」が付与されている「メッセージ4」が一覧表示領域401に表示される。
図6では、一覧表示領域401の略中央に「メッセージ4」が表示されるようスクロールされている。
【0054】
ただし、一覧表示領域401における表示方法は特にこれに限定されるものではない。例えば「コメント3」が一覧表示領域401の最上端に表示されるようスクロールしても良いし、「コメント3」が一覧表示領域401の最下端に表示されるようスクロールしても良い。すなわち、一覧表示領域401に表示される私信情報の上端から下端の間にクリックされた「コメント3」が表示される方法であれば何でも良い。
【0055】
特定された私信情報がチャット情報に含まれるメッセージである場合も同様に、特定されたメッセージを含む私信情報、すなわちチャット情報が一覧表示領域401に表示されるようスクロールして表示する。チャット情報が表示される位置についても特に限定されるものではない。
【0056】
また、表示内容によっては、一覧表示領域401に表示するのではなく、異なる領域、例えば別のウインドウを立ち上げる等して、特定されて私信情報を含む前後の私信情報及びコメントを表示しても良い。
【0057】
具体的には、一覧表示部301は、特定された私信情報の前後の私信情報及び付与されたコメントを含めて、一覧表示領域401とは異なる領域を新たに生成して、生成された新たな領域に表示する。これにより、コメントがどの私信情報に付与されたのかを確実に目視確認することが可能となる。
【0058】
図7は、本発明の実施の形態に係る情報処理装置3のコメント付与処理の手順を示すフローチャートである。
図7において、情報処理装置3のCPU31は、情報共有グループ内で共有されている私信情報を所定の領域に時系列に一覧表示する(ステップS701)。CPU31は、共有されている私信情報ごとに情報共有グループ内のユーザによるコメント付与を受け付けたか否かを判断する(ステップS702)。
【0059】
CPU31が、コメント付与を受け付けていないと判断した場合(ステップS702:NO)、CPU31は、待ち状態となる。CPU31が、コメント付与を受け付けたと判断した場合(ステップS702:YES)、CPU31は、受け付けたコメントの内容とともに、コメントが付与された日時及び付与対象となった私信情報を識別する識別情報を、記憶装置33のコメント関連情報記憶部331に記憶する(ステップS703)。CPU31は、受け付けたコメントを、私信情報が一覧表示される領域とは異なる領域に、時系列に一覧表示する(ステップS704)。
【0060】
図8は、本発明の実施の形態に係る情報処理装置3の確認処理の手順を示すフローチャートである。
図8において、情報処理装置3のCPU31は、一覧表示されているコメントの選択を受け付けたか否かを判断する(ステップS801)。CPU31が、選択を受け付けていないと判断した場合(ステップS801:NO)、CPU31は、待ち状態となる。CPU31が、選択を受け付けたと判断した場合(ステップS801:YES)、CPU31は、識別情報に基づいて選択を受け付けたコメントの付与対象となった私信情報を特定する(ステップS802)。具体的には、選択を受け付けたコメントのタイムスタンプ情報、ユーザID等をキー情報としてコメント関連情報記憶部331を照会する。
【0061】
CPU31は、特定された私信情報が表示されるよう、私信情報をスクロールして表示する(ステップS803)。特定された私信情報がチャット情報に含まれるメッセージである場合、特定されたメッセージを含む私信情報、すなわちチャット情報が一覧表示領域401の中央近傍に表示されるようスクロールして表示する。
【0062】
以上のように本実施の形態によれば、付与されたコメントを時系列に一覧することができるので、コメントが付与されたか否かを見逃すことがなく、また、付与されたコメントを付与された順に確認することができるとともに、どのメッセージに対するコメントであるのか容易に確認することができるので、情報共有グループ内で誤解が生じているか否かを確認しやすく、1つのタスクについて互いに誤解しているか否か確認しながら円滑に進めることが可能となる。
【0063】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲内であれば多種の変更、改良等が可能である。例えば付与されたコメントを一覧表示する領域は、画面の右端に限定されるものではなく、視認性さえ確保できれば画面のどの位置に配置されていても構わない。
【0064】
また、コメント付与受付部302で受け付けたコメントに特定のユーザの宛先を示す宛先情報が含まれている場合、含まれている宛先情報へコメントが付与された旨を示す付与通知を、付与されたコメントの内容とともに送信する通知部307を備えていても良い。通知部307は、受け付けたコメントに宛先情報が含まれているか否かを判断し、宛先情報が含まれている場合、宛先情報が示すメールアドレス等に対してコメントが付与された旨を示す通知情報及び付与されたコメントの内容を送信する。これにより、本実施の形態に係る情報処理装置1と通信を行っていないユーザであっても、コメントが付与された事実を確実に通知することができ、業務遂行を円滑に行うことが可能となる。
【符号の説明】
【0065】
1 端末装置
2 ネットワーク網
3 情報処理装置
31 CPU
32 メモリ
33 記憶装置
34 I/Oインタフェース
35 ビデオインタフェース
36 可搬型ディスクドライブ
37 通信インタフェース
38 内部バス
90 記憶媒体
100 コンピュータプログラム
331 コメント関連情報記憶部