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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024033669
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20240306BHJP
【FI】
A63F7/02 312Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022137399
(22)【出願日】2022-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】山室 雅義
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088BA65
2C088EB05
2C088EB53
(57)【要約】
【課題】ステージへと遊技球を誘導する為のワープ入口やワープ通路が不要となり、従来に比べてコンパクトで且つ遊技球の多彩な動きを実現したステージを備えた遊技機を提供する。
【解決手段】遊技領域を転動する遊技球が入球可能な入球口である第1始動口11の上方にステージ35を配置するとともに、そのステージ35の下方にある障害物で弾かれた遊技球をステージ上面36へと導く誘導部材38を有し、ステージ35の下方にある障害物で弾かれて第1始動口11へと入球できなかった遊技球の一部をステージ35へと誘導し、ステージ35を経由して第1始動口11へと再び入球するチャンスを与えるように構成する。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発射装置によって遊技盤上に発射された遊技球が転動する遊技領域と、
前記遊技領域に設けられ、前記遊技領域を転動する遊技球が入球可能な入球口と、
前記入球口の上方に配置され、前記遊技領域の一部として遊技球が転動する転動領域を上面に備えたステージと、
遊技盤の前面において前記ステージの下方にある障害物で弾かれた遊技球を受け止める受け部と、
前記受け部と連続して形成され、前記受け部で受け止めた遊技球を傾斜に従って移動させて前記ステージの上面へと導く傾斜部と、を有することを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば遊技機の一つであるパチンコ遊技機では、始動入球口にパチンコ球が入球すると画像表示装置に表示された図柄が変動を開始するとともに、一定時間後に停止され、停止した図柄が特定の組み合わせに揃うと大入賞口が開放され、遊技者が多くのパチンコ球を獲得できる構成となっている。また、図柄が変動している間、並びに図柄の変動終了後においても、遊技者を飽きさせないように画像、音、ランプ、役物を用いて様々な演出を行っている。
【0003】
また、上記パチンコ遊技機では、遊技領域へと発射された遊技球が始動入球口へ入球するルートを複数設けることによって遊技球の動きを多様化し、遊技者を飽きさせないようにしている。そのような始動入球口へ入球するルートの一つとして、ステージを経由するルートが知られている。ここでステージは、例えば特開2004-230018号公報に示すように一般的に始動入球口の上方に設けられており、遊技盤中央付近にある画像表示装置の左右に設けられたワープ入口から入球した遊技球がワープ通路を通ってステージの上面に運ばれ、ステージの上面にて転動した後に一定の割合で始動入球口へと入球する仕組みとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-230018号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、上記特許文献1のような従来からあるステージは、ステージ上面へと遊技球を誘導する為のワープ入口やワープ通路が別途必要であり、構造として複雑であり広い設置スペースが必要であった。また、ワープ入口やワープ通路は中央の液晶表示装置周辺に設置されるので、液晶表示装置の視認性が悪化する原因となっていた。
【0006】
本発明は前記従来における問題点を解消するためになされたものであり、ステージへと遊技球を誘導する為のワープ入口やワープ通路が不要となり、従来に比べてコンパクトで且つ遊技球の多彩な動きを実現したステージを備えた遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため本発明に係る遊技機は、発射装置によって遊技盤上に発射された遊技球が転動する遊技領域と、前記遊技領域に設けられ、前記遊技領域を転動する遊技球が入球可能な入球口と、前記入球口の上方に配置され、前記遊技領域の一部として遊技球が転動する転動領域を上面に備えたステージと、遊技盤の前面において前記ステージの下方にある障害物で弾かれた遊技球を受け止める受け部と、前記受け部と連続して形成され、前記受け部で受け止めた遊技球を傾斜に従って移動させて前記ステージの上面へと導く傾斜部と、を有することを特徴とする。
尚、「入球口」としては、特別図柄の入賞口(始動口)に限られず、例えば普通図柄の入賞口や一般入賞口等、遊技盤上で遊技球が入球可能な場所であればよい。
【発明の効果】
【0008】
前記構成を有する本発明に係る遊技機によれば、ステージへと遊技球を誘導する為のワープ入口やワープ通路が不要であって従来に比べてコンパクトなステージ構成となり、中央の液晶表示装置の視認性を低下させることがない。一方で、遊技球をステージ上面で転動させ、ステージ経由で入球口への入球するルートについては従来と同じく実現できるので、遊技球の多彩な動きについて実現可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機の正面図である。
図2図1に示すパチンコ遊技機に設けられた表示器類を拡大して示す説明図である。
図3図1に示すパチンコ遊技機のステージ付近を拡大して示した正面図である。
図4図1に示すパチンコ遊技機のステージ付近を拡大して示した斜視図である。
図5】第1始動口付近で遊技盤を側方から視認した断面図である。
図6】ステージの下方からステージの受け部へと転動する遊技球のルートを示した図である。
図7】ステージの下方からステージの受け部へと転動する遊技球のルートを示した図である。
図8】傾斜部からステージ上面へと転動する遊技球のルートを示した図である。
図9】ステージから落下する遊技球のルートを示した図である。
図10図1に示すパチンコ遊技機に設けられた主制御基板および周辺機器の電気的構成をブロックで示す説明図である。
図11図1に示すパチンコ遊技機に設けられたサブ制御基板および周辺機器の電気的構成をブロックで示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態に係る遊技機について図を参照しつつ説明する。本実施形態では、本発明の実施形態に係る遊技機としてパチンコ遊技機について説明する。なお、以下の説明において、パチンコ遊技機の各部の方向を説明する場合は、そのパチンコ遊技機と対向して遊技を行う遊技者から見た方向を基準とする。具体的には、パチンコ遊技機の各部の左右方向および上下方向は、遊技者から見た左右方向および上下方向とする。また、遊技者に近づく方向を前方とし、遊技者から遠ざかる方向を後方とする。
【0011】
[パチンコ遊技機の主要構成]
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、遊技機枠16を備える。遊技機枠16は、前方側から順に、前面枠18、内枠(図示せず)、外枠(図示せず)によって構成される。前面枠18は、ハンドル4と、打球供給皿(上皿ともいう)24と、余剰球受皿(下皿ともいう)25と、演出ボタン9と、演出レバー6と、スピーカ8と、左サイドランプ23aと、右サイドランプ23bとを備えている。
【0012】
ハンドル4は、前面枠18のうち右下、つまり、パチンコ遊技機1と対向して遊技を行う遊技者が右手で握ることができる位置に設けられている。ハンドル4は、タッチスイッチ92(図10)と、発射レバー4aと、発射停止ボタン4bとを備えている。タッチスイッチ92は、遊技者がハンドル4に触れたことを示す信号を出力するものであり、ハンドル4を握った遊技者の右手が触れる部分に配置されている。発射レバー4aは、遊技球の発射強度を調整するためのものであり、ハンドル4に回動可能に設けられている。発射停止ボタン4bは、遊技球が発射されているときに遊技球の発射を停止するためのものであり、ハンドル4を握った右手の親指により操作可能な位置に設けられている。打球供給皿(上皿ともいう)24は、前面枠18のうち中央下側に設けられている。打球供給皿24は、発射装置90(図10)に供給する遊技球を貯留するためのものである。打球供給皿24は、貸球払出装置80(図10)および賞球払出装置400(図10)から払出された遊技球を貯留する。余剰球受皿(下皿ともいう)25は、前面枠18のうち打球供給皿24の下方に設けられている。余剰球受皿25は、打球供給皿24の貯留可能数を超えた遊技球を貯留する。
【0013】
演出ボタン9は、前面枠18のうち打球供給皿24の上方を覆う部分に設けられている。換言すると、演出ボタン9は、前面枠18のうち、パチンコ遊技機1と対向する遊技者が右手または左手で押圧操作可能な位置に設けられている。本実施形態では、演出ボタン9はプッシュオン式のボタンスイッチである。演出ボタン9には、演出ボタンランプ9c(図11)と、演出ボタン振動モータ9b(図11)とが内蔵されている。演出ボタンランプ9cは、演出ボタン9の押圧操作が有効な期間に演出ボタン9が押圧操作されたときに点灯または点滅する。演出ボタン9の表面は透光性材料によって形成されており、演出ボタンランプ9cが発した光を遊技者が視認できるように工夫されている。演出ボタン振動モータ9bは、演出ボタン9を振動させるものであり、演出ボタン9の押圧操作が有効な期間において所定のタイミングで振動する。本実施形態では、演出ボタンランプ9cはLEDである。
演出ボタン9には、押圧操作された演出ボタン9を押圧操作前の位置に復帰させるためのバネなどの弾性部材(図示せず)が内蔵されており、演出ボタン9は、押圧操作状態が解除されると、上記弾性部材の復元力によって押圧操作前の状態に復帰する。遊技者が、演出ボタン9の押圧操作が有効な期間に演出ボタン9を押圧操作すると、特定の演出が行われる。以下、演出ボタン9の操作を契機として行われる特定の演出のことをボタン演出という。
【0014】
前面枠18のうち余剰球受皿25の左方、つまり、前面枠18のうち下側の左端寄りには、演出レバー6が設けられている。換言すると、演出レバー6は、前面枠18のうち、パチンコ遊技機1と対向した遊技者が左手で操作可能な位置に設けられている。つまり、演出レバー6は、前面枠18のうち、パチンコ遊技機1と対向した遊技者が左手で操作可能な位置に設けられており、演出ボタン9は、前面枠18のうち、遊技者が左手で演出レバー6を操作している状態で、右手で押圧操作可能な位置に設けられている。
演出レバー6は、左手で掴むことができる棒状に形成されており、右回転または左回転の回転操作の他、後方への押し込み操作が可能である。また、演出レバー6には、演出レバー振動モータ6d(図11)が設けられている。演出レバー振動モータ6dは、演出レバー6を振動させるものであり、演出レバー6の操作が有効な期間において所定のタイミングで振動する。遊技者が、演出レバー6の操作が有効な期間に演出レバー6を操作すると、特定の演出が行われる。以下、演出レバー6の操作を契機として行われる特定の演出のことをレバー演出という。
【0015】
前面枠18のうち、左側には左サイドランプ23aが設けられており、右側には右サイドランプ23bが設けられている。左サイドランプ23aおよび右サイドランプ23bが設けられている部分の前面枠18は透光性を有し、その透光性を有する部分の内側には複数のLEDが配置されている。各LEDは、それぞれ複数色を発光可能であり、演出内容に応じて点灯または点滅し、さらに発光色を変化させる。スピーカ8は、前面枠18のうち上部の左右の隅部にそれぞれ設けられており、音楽、効果音および報知音などの音を演出内容に応じて出力する。
【0016】
また、パチンコ遊技機1は、遊技盤2と、ガラス板5と、演出表示装置7と、ステージ35とを備える。遊技盤2は、パチンコ遊技機1の略中央、つまり、遊技者の顔と略正対する位置に配置されている。演出表示装置7は、遊技盤2の後側に配置されており、その画面が遊技盤2の略中央から露出している。また、ステージ35は演出表示装置7の下方に独立して配置されている。遊技盤2は、遊技盤2は、固定入賞装置10と、大入賞装置30と、ゲート12と、普通可変入賞装置(普通電動役物、電チューともいう)20と、一般入賞口13と、表示器類50と、センター装飾体14と、レール部材17とを備える。
【0017】
遊技盤2の盤面には、遊技球が流下(転動)する遊技領域3が形成されている。遊技領域3は、演出表示装置7の画面の左方に形成された左遊技領域3aと、演出表示装置7の画面の右方に形成された右遊技領域3bとを有する。遊技盤2の盤面には、遊技球の流下方向を変化させるための複数の遊技釘(一部を除いて図示を省略する)が打ち込まれている。遊技盤2の盤面の前方は、透明のガラス板5によって覆われている。また、図1には示さないが、遊技盤2の複数箇所には、LEDが設けられている。それら各LEDを総称して盤ランプ(図11において符号2aで示す)という。盤ランプ2aを構成する各LEDは、複数色を発光可能であり、演出内容に応じて点灯または点滅し、さらに発光色を変化させる。つまり、パチンコ遊技機1は、遊技制御中に演出内容に応じて左サイドランプ23a、右サイドランプ23bおよび盤ランプ2aを点灯または点滅させ、各スピーカ8から音を出力する。
【0018】
固定入賞装置10は、遊技盤2のうち下側の略中央に配置されている。固定入賞装置10は、遊技球が1個ずつ入賞(入球)可能な第1始動口11を有する。第1始動口11は常時開口しており、遊技球が第1始動口11に入賞する確率は略変動しない。ゲート12は、右遊技領域3bに配置されており、右遊技領域3bを流下する遊技球が通過可能に構成されている。普通可変入賞装置20は、右遊技領域3bのうちゲート12の下方に配置されている。普通可変入賞装置20は、可動部材21を備える。可動部材21は、基端を回動軸にして回動可能に構成されており、可動部材21が開閉動作することにより、第2始動口22が開閉する。可動部材21が開作動すると、第2始動口22が開口され、遊技球が第2始動口22に1個ずつ入賞(入球)し易い状態になる。また、可動部材21が閉作動すると、第2始動口22が閉口され、遊技球が第2始動口22に入賞することができない状態になる。
尚、図1に示す例では普通可変入賞装置20は遊技領域3の右側に配置されているが、遊技領域3の下側に配置しても良い。
【0019】
大入賞装置30は、遊技盤2のうち固定入賞装置10の右方に配置されている。大入賞装置30は、大入賞口32を開閉する開閉部材31を備える。大入賞口32は、複数の遊技球が入賞(入球)可能な大きさに形成されている。本実施形態では、開閉部材31は、左右方向に長い板状に形成されており、左右の下端を回動軸にして回動可能に構成されている。
【0020】
表示器類50は、遊技盤2のうち遊技領域3の外側であって大入賞装置30の下方に設けられている。図2に示すように、表示器類50は、第1特別図柄(第1特図ともいう)を変動表示する第1特別図柄表示器51と、第2特別図柄(第2特図ともいう)を変動表示する第2特別図柄表示器52と、普通図柄(普図ともいう)を変動表示する普通図柄表示器53とを備える。さらに、表示器類50は、第1特別図柄表示器51の作動保留の記憶数を表示する第1特図保留表示器51aと、第2特別図柄表示器52の作動保留の記憶数を表示する第2特図保留表示器52aと、普通図柄表示器53の作動保留の記憶数を表示する普図保留表示器53aとを備える。以下、第1特別図柄および第2特別図柄に共通の事項を説明する場合は、単に特別図柄という。また、第1特別図柄表示器51および第2特別図柄表示器52に共通の事項を説明する場合は、単に特別図柄表示器という。
【0021】
本実施形態では、第1特別図柄表示器51および第2特別図柄表示器52は、それぞれ8個のLEDから構成されている。点灯したLED(□)および消灯したLED(■)がそれぞれ特別図柄を表しており、LEDの点灯箇所が所定方向(たとえば、左から右)へ流れる状態が特別図柄の変動表示を表している。以下、特別図柄が変動表示を開始してから特別図柄が確定表示されるまでの特別図柄の変動パターンを特図変動パターンという。
また、本実施形態では、普通図柄表示器53は、2個のLEDから構成されている。点灯したLED(□)および消灯したLED(■)が普通図柄を表しており、各LEDが交互に点灯する状態が普通図柄の変動表示を表している。また、遊技球がゲート12を通過すると、当たりか否かを判定する普通図柄の抽選が実行され、普通図柄表示器53が普通図柄を変動表示する。そして、普通図柄表示器53は、普通図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、普通図柄の抽選結果に対応する普通図柄を確定表示する。普通図柄表示器53が確定表示した普通図柄が、当たりを示す普通図柄であった場合は、普通可変入賞装置20が作動して可動部材21が開閉し、第2始動口22が開閉する。
【0022】
遊技球が第1始動口11に入賞すると大当たりか否かを判定する大当たり判定(大当たり抽選ともいう)が実行され、第1特別図柄表示器51が第1特別図柄を変動表示する。そして、第1特別図柄表示器51は、第1特別図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、大当たり判定の結果に対応する第1特別図柄を確定表示する。ここで、確定表示された第1特別図柄が、大当たりを示す特別図柄であった場合は、大当たりが発生し、大入賞装置30が作動して開閉部材31が開閉し、大入賞口32が開閉する。第1特別図柄表示器51が第1特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第1始動口11に入賞したときは、その入賞を契機とする第1特別図柄表示器51の作動が保留され、その作動保留の数を示す記憶数が第1特図保留表示器51aによって表示される。以下、第1特別図柄表示器51の作動保留の記憶数を第1特図保留数という。
【0023】
また、遊技球が第2始動口22に入賞すると大当たり判定(大当たり抽選ともいう)が実行され、第2特別図柄表示器52が第2特別図柄を変動表示する。そして、第2特別図柄表示器52は、第2特別図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、大当たり判定の結果に対応する第2特別図柄を確定表示する。ここで、確定表示された第2特別図柄が、大当たりを示す特別図柄であった場合は、大当たりが発生し、大入賞装置30が作動して開閉部材31が開閉し、大入賞口32が開閉する。第2特別図柄表示器52が第2特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第2始動口22に入賞したときは、その入賞を契機とする第2特別図柄表示器52の作動が保留され、その作動保留の数を示す記憶数が第2特図保留表示器52aによって表示される。以下、第2特別図柄表示器52の作動保留の記憶数を第2特図保留数という。また、第1特図保留数および第2特図保留数に共通の事項を説明する場合は、単に特図保留数という。
【0024】
以下、特別図柄表示器が特別図柄の変動表示を開始してから特別図柄を確定表示するまでを特別図柄の1回の変動という。また、特別図柄が1回変動される毎に特図保留数が1個ずつ減少することを特図保留数の消化という。また、大入賞口が開口してから閉口するまでに要する期間を大入賞口の開口期間といい、大入賞口が開口してから次回開口するまでの期間をラウンドという。また、最初のラウンド開始から最終ラウンドが終了するまでの遊技を大当たり遊技という。また、大当たり判定において大当たりと判定された場合は、大当たりの種類が抽選により決定される。大当たりの種類によって、大入賞口の開口期間、実行可能な最大ラウンド数などが異なる。
【0025】
パチンコ遊技機1には、大当たり判定において大当たりと判定される確率(以下、大当たり確率という)として、通常の確率(以下、通常確率という)と、通常確率よりも高い確率(以下、高確率という)とが設定されている。以下、大当たり確率が通常確率に設定されている遊技状態を通常確率状態といい、大当たり確率が高確率に設定されている遊技状態を高確率状態という。尚、上記高確率状態と通常確率状態のどちらに移行するかは、大当たり時の抽選によって基本的に決定される。本実施形態のパチンコ遊技機1は、いわゆる確変機と呼ばれる機種である。
【0026】
一般入賞口13は、遊技盤2のうち固定入賞装置10の左方に配置されている。レール部材17は、遊技盤2の周囲に沿って配置されている。レール部材17は、発射装置90(図10)によって発射された遊技球を遊技領域3に案内する。遊技盤2の下部中央には、どこにも入賞しなかった遊技球を排出するためのアウト口19が開口している。センター装飾体14は、遊技盤2のうち上部に配置されている。センター装飾体14は透光性を有し、その内側には、演出内容に応じて点灯・点滅する複数のLEDが設けられている。
また、パチンコ遊技機1は、可動体15を備える。可動体15は、センター装飾体14の後方に配置されている。図1は、可動体15がセンター装飾体14に略隠れた状態を示す。可動体15は、演出内容に応じて所定のタイミングで下方に降下し、遊技者から視認可能な状態に変位する。
【0027】
演出表示装置7は、演出画像、メッセージ画像、デモンストレーション画像などの動画像および静止画像を表示する。遊技者は、それらの画像をパチンコ遊技機1の前方から見ながら遊技を行う。演出表示装置7は、演出画像として、演出(装飾)図柄を特別図柄の変動表示と同期させて変動表示する。本実施形態では、演出図柄は、1~9の算用数字を表した図柄である。なお、演出図柄には、アルファベットや特別なキャラクタなど、数字以外を表した図柄を含めてもよいし、数字以外を表した図柄と組み合わせてもよい。本実施形態では、演出表示装置7が演出図柄を変動表示する領域として、左から順に、左演出図柄表示領域、中演出図柄表示領域、右演出図柄表示領域が設定されている。左演出図柄表示領域では左演出図柄9Lが、中演出図柄表示領域では中演出図柄9Cが、右演出図柄表示領域では右演出図柄9Rがそれぞれ変動表示される。以下、左演出図柄表示領域、中演出図柄表示領域および右演出図柄表示領域に共通の事項を説明する場合は、単に演出図柄表示領域という。
【0028】
本実施形態では、各演出図柄の主な変動パターン(変動態様)は、演出図柄が表す数字が昇順となるように画面の上から下に移動する変動パターン、つまり、縦方向にスクロールする変動パターンである。なお、変動パターンとして、演出図柄が画面の左右の一方から他方へ移動する横スクロール方式、演出図柄が同じ表示位置にて数字の昇順に順番に表示される方式などを用いることもできる。また、演出表示装置7は、演出画像として各演出図柄の背景に背景画像を表示する。たとえば、背景画像は、テレビドラマや映画などの動画像、その動画像をアニメ化した動画像、アニメーション、パチンコ遊技機メーカーオリジナルの動画像などである。本実施形態では、演出表示装置7は、液晶表示装置である。なお、演出表示装置7として、有機EL表示装置、ドットマトリクスLEDを使った表示装置などを用いることもできる。
演出表示装置7は、各演出図柄を特別図柄の変動表示と同期させて変動表示し、特別図柄が確定表示されると同時に各演出図柄を確定表示し、大当たり判定結果を表示する。ここで、確定表示とは、演出図柄が上下に揺れたり、再変動したりすることなく、完全に停止した停止表示状態のことである。
【0029】
以下、大当たり判定の結果が大当たりであったことを表す演出図柄を大当たり演出図柄といい、大当たり判定の結果がハズレであったことを表す演出図柄をハズレ演出図柄という。本実施形態では、大当たり演出図柄は、各演出図柄が同じ数字を表す演出図柄で揃った状態、いわゆる、ぞろ目の状態である。たとえば、図1に示すように、確定表示された左演出図柄9L、中演出図柄9Cおよび右演出図柄9Rがそれぞれ「7」で揃った状態である。また、ハズレ演出図柄は、各演出図柄が同じ数字を表す演出図柄で揃っていない状態、つまり、ぞろ目ではない状態の図柄である。たとえば、確定表示された左演出図柄9Lが「7」、中演出図柄9Cが「6」、右演出図柄9Rが「7」の状態である。
以下、演出表示装置7が特別図柄と同期させて変動表示する演出図柄を演出図柄変動パターンといい、その演出図柄変動パターンの背景に表示される画像を背景画像という。背景画像は、静止画像または動画像である。
【0030】
演出図柄変動パターンは、特図変動パターンの変動表示と同期して変動表示され、特別図柄表示器の作動保留が発生した場合は、演出表示装置7の作動も保留される。つまり、特別図柄表示器の作動保留数と、演出表示装置7の作動保留数とは一致する。尚、第1特図保留数に対応する演出表示装置7の作動保留数、及び第2特図保留数に対応する演出表示装置7の作動保留数は、保留画像によって演出表示装置7に表示される。従って、遊技者は、演出表示装置7に表示される保留画像の数を数えることにより、第1特図保留数や第2特図保留数を知ることができるとともに、第1特図保留数や第2特図保留数に起因する演出表示装置7の作動保留数を知ることができる。尚、演出表示装置7の作動保留数については演出表示装置7に表示せずに演出表示装置7の周辺にあるランプ等を用いて遊技者に報知しても良い。
【0031】
また、パチンコ遊技機1では、上記演出図柄による大当たり判定の結果の報知に加えて、演出表示装置7に表示される背景画像、スピーカ8から出力される音、盤ランプ2aの点灯、役物の動作等を複合的に用いて、大当たり判定の結果の報知を行う。具体的には、予告演出、リーチ演出等の各種演出が該当する。
【0032】
[パチンコ遊技機のステージの構成]
続いて、本実施形態に係るパチンコ遊技機1が備えるステージ35について以下に詳細を説明する。ここで、図3はパチンコ遊技機1の特にステージ35付近を拡大して示した正面図、図4は同じくパチンコ遊技機1の特にステージ35付近を拡大して示した斜視図である。
【0033】
ステージ35は、図1に示すように演出表示装置7の下方で且つ第1始動口(入球口)11の上方に演出表示装置7とは独立して設けられている。尚、本実施形態では従来からあるステージ上面へと遊技球を誘導する為のワープ入口やワープ通路は備えておらず、後述のようにステージ35の下方にある障害物(具体的には釘)で弾かれた遊技球をステージ上面へと誘導する構造を有する。従って、従来からあるステージと比べると極めてコンパクトな形状となっている。
【0034】
ここで、ステージ35は図3及び図4に示すように、全体として角が円弧となった略直方体形状を有し、遊技盤2の前面に対して奥側に凹んだ凹状に形成される。尚、図5は第1始動口11付近で遊技盤2を側方から視認した断面図であり、図5に示すようにステージ35はステージ上面36において遊技球が左右方向に転動可能な転動領域が確保できるように、即ち少なくとも遊技球の直径以上の奥行方向の幅と高さのあるステージ上面36を備えるように形成されている。尚、ステージ35は遊技盤2と連続した形状を有するが、遊技盤2と一体に成形しても良いし、遊技盤2とは別体に成形した後に遊技盤2に取り付けても良い。
【0035】
また、ステージ35は、ステージ35の下方にある障害物、具体的には第1始動口11の周辺に配置された釘37で弾かれた遊技球をステージ上面36へと導く為の誘導部材38を備えている。誘導部材38は、更に遊技盤2の前面においてステージ35の下方にある釘37で弾かれた遊技球を受け止める受け部39と、受け部39と連続して形成され、受け部39で受け止めた遊技球を傾斜に従って奥側方向に移動させてステージ上面36へと導く傾斜部40とを備える。
【0036】
ここで、受け部39は図4に示すように第1始動口11のある左方向から転動する遊技球の動きを止めるための壁がガラス板5方向及び右方向に夫々存在する。その結果、図6に示すように第1始動口11のある左方向から転動する遊技球をそれらの壁と接触させて遊技盤2の前面で受け止めることが可能となる。特に本実施形態では転動の勢いで右上方に駆け上がってきた遊技球が受け部39で受け止められることを想定している。また、受け部39の上方には釘(以下、天井釘41と称する)が配置されており、天井釘41は図7に示すようにステージ35の下方にある釘37で弾かれて右上方に勢いよく駆け上がってきた遊技球と接触することによって遊技球の速度を低下させ、また転動方向を変えて遊技球を受け部39へと落下させる役目を有する。天井釘41が無い場合と比較して、天井釘41を配置した場合には第1始動口11のある左方向から転動する遊技球を受け部39によって受け止めることができる確率が大きく上昇する。尚、天井釘41の位置は図7に示す例では受け部39に対して鉛直上向きの位置としているが、鉛直上向きに対して右方向或いは左方向に位置をずらして配置しても良い。また、高さ方向の位置(受け部39に対して天井釘41をどの程度離れた上方に配置するか)についても適宜設定可能である。例えば図7に示す例ではステージ35の上端の僅かに上方としている。天井釘41の位置は天井釘41に接触した遊技球が最も高確率で受け部39へと導かれる位置とするのが望ましい。また、天井釘41は1本のみに限られることなく複数本配置しても良い。
【0037】
そして、上記受け部39によって受け止められた遊技球は、その後に図8に示すように傾斜部40の傾斜に沿って奥側に運ばれ、ステージ上面36に到達する。傾斜部40は床面が奥側に向かって徐々に低くなるように傾斜しており、且つ図4に示すように中央には溝が形成されており、遊技球は形成された溝に沿って奥側に自重で移動する。尚、本実施形態では受け部39で受け止められた遊技球はその後にほぼ確実にステージ上面36へと到達するように構成されているが、一定割合で傾斜部40から遊技盤の遊技領域に落下するようにしても良い。
【0038】
その後、ステージ上面36に到達した遊技球は、ステージ上面36の傾斜に沿ってステージ上面36を右から左方向へと転動する。ここで、ステージ上面36は図3に示すように第1始動口11方向に徐々に低くなるように傾斜しており、更に凹凸が形成されている。具体的には、中央付近にある第1凹部42と左端の第1始動口11の直上にある第2凹部43が存在し、ステージ上面36を転動する遊技球は基本的に第1凹部42と第2凹部43のいずれかで最終的にステージ35から遊技盤2の遊技領域へと落下することとなる。第1凹部42から落下した遊技球はその後に高確率でアウト口19へと入球することとなり、第2凹部43から落下した遊技球はその後に高確率で第1始動口11へと入球することとなる。
【0039】
従って、第1凹部42と第2凹部43の形状を適宜変更することにより第1始動口11への入賞確率を調整することも可能である。基本的には、第1凹部42を小さく、第2凹部43を大きくすれば遊技球は第2凹部43で落下し易くなるので第1始動口11への入賞確率を上昇させることが可能である。尚、本実施形態では第1凹部42は第2凹部43よりも大きく形成されているが、第2凹部43の凹部の方をより大きくしても良い。また、ステージ上面36の左右方向の傾斜角度によっても第1始動口11への入賞確率を調整することが可能であり、基本的には、傾斜が急になるほど遊技球は第2凹部43に到達し易く、即ち第2凹部43で落下し易くなるので第1始動口11への入賞確率を上昇させることが可能である。また、第1凹部42をなくしてステージ上面36に到達した遊技球は全て第2凹部43から落下するようにすることも可能である。尚、ステージ上面36は僅かではあるが前面側(ガラス板5側)が低くなるように傾斜しているので、ステージ上面36に遊技球が留まることはない。
【0040】
尚、第1凹部42から遊技球が落下する場合には、具体的には図9に示す(A)のルートを通ることとなる。即ち、右方向から左方向へとステージ上面36を転動する遊技球が第1凹部42に到達した際に遊技球に勢いがなく、それ以上左には移動せずに第1凹部42から落下するパターンである。尚、第2凹部43に到達した後に勢いが強すぎた遊技球が壁に衝突した反動で第1凹部42へと戻り落下するパターンも考えられる。
【0041】
一方、第2凹部43から遊技球が落下する場合には、具体的には図9に示す(B)のルートを通ることとなる。即ち、右方向から左方向へとステージ上面36を転動する遊技球が第1凹部42に到達した際に遊技球に勢いがあって、更に凸部を乗り越えて左に移動し、第2凹部43に到達して第2凹部43から落下するパターンである。
【0042】
上記説明したように本実施形態のパチンコ遊技機1では、従来のパチンコ遊技機にあるようなステージ35へと遊技球を誘導する為のワープ入口やワープ通路が存在せず、従来に比べてコンパクトなステージ構成となる。また、ワープ入口やワープ通路が存在しないことから、図1に示すように中央の演出表示装置7の前方には何の構造物も存在せず、演出表示装置7の前方を遊技球も通過しないことから演出表示装置7の視認性を低下させることがない。一方で、遊技球をステージ上面36で転動させ、ステージ経由で入球口への入球するルートについては従来と同じく実現できるので、遊技球の多彩な動きについて実現可能となる。また、特に従来のパチンコ遊技機では基本的に第1始動口11よりも右に飛んだ球はアウト口19へと入球するだけの死に玉となっていたが、本実施形態では図6図7に示すように第1始動口11よりも右に飛んだ球がステージ35によって拾われて第1始動口11へと再び入球するチャンスを得ることとなり、球の動きに対して最後まで遊技者の注目を得ることが可能となる。
【0043】
[パチンコ遊技機の主な電気的構成]
次に、パチンコ遊技機1の主な電気的構成について図10および図11を参照しつつ説明する。
パチンコ遊技機1は、主制御基板60(図10)と、払出制御基板73(図10)と、サブ制御基板100(図11)と、画像制御基板200(図11)と、ランプ制御基板79(図11)と、音声制御基板78(図11)とを備えている。
【0044】
図10に示すように、主制御基板60には、遊技制御用ワンチップマイコン(以下、遊技制御用マイコンという)61が実装されている。遊技制御用マイコン61は、CPU62と、ROM63と、RAM64と、入出力回路65とを備えている。CPU62は、入賞の検出、大当たり判定、各種乱数の更新などを実行する。ROM63には、CPU62が実行するコンピュータプログラム、大当たり判定テーブルTa1、大当たり種別判定テーブルTa2、リーチ判定テーブルTa3、特図変動パターン選択テーブルTa4などの各種のテーブルが記憶されている。遊技制御用マイコン61は、大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数など、各種の判定(抽選)にて使用する乱数を発生する。
【0045】
RAM64は、CPU62がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリなどとして使用される。また、RAM64には、第1特図保留記憶部64aと、第2特図保留記憶部64bと、普図保留記憶部64cとが設けられている。第1特図保留記憶部64aは、第1ないし第4記憶領域を備えている。つまり、記憶可能な第1特図保留数は最大4個である。各記憶領域には、遊技球が第1始動口11(図1)に入賞したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数および変動パターン乱数が記憶される。第1特別図柄表示器51(図2)が第1特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第1始動口11(図1)に入賞したときは、その入賞に起因する第1特別図柄の変動表示は一旦保留(作動保留)され、その入賞に起因して取得された大当たり乱数などは第1特図保留記憶部64aに記憶される。
【0046】
一方、第2特図保留記憶部64bは、第1ないし第4記憶領域を備えている。つまり、記憶可能な第2特図保留数は最大4個である。各記憶領域には、遊技球が第2始動口22(図1)に入賞したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数および変動パターン乱数が記憶される。第2特別図柄表示器52(図2)が第2特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第2始動口22(図1)に入賞したときは、その入賞に起因する第2特別図柄の変動表示は一旦保留(作動保留)され、その入賞に起因して取得された大当たり乱数などは第2特図保留記憶部64bに記憶される。
【0047】
大当たり乱数などは作動保留の発生順、つまり、遊技制御用マイコン61による取得順に第1特図保留記憶部64aおよび第2特図保留記憶部64bの各第1記憶領域から順番に記憶される。このため、大当たり乱数などが第1ないし第4記憶領域まで記憶されている場合は、第4記憶領域に記憶されている大当たり乱数などが時間的に最も新しい情報であり、第1記憶領域に記憶されている大当たり乱数などが時間的に最も古い情報である。各記憶領域に記憶されている大当たり乱数などは、特別図柄の変動表示が1回終了する毎に、記憶の順番が古い方の記憶領域に1つずつシフトする。たとえば、第2記憶領域に記憶されていた大当たり乱数などは第1記憶領域にシフトする。また、第1記憶領域に記憶されている大当たり乱数などに基づく判定(抽選)は、特別図柄表示器による特別図柄の当該変動表示が終了し、次の変動表示が始まる前に実行される。
【0048】
普図保留記憶部64c(図10)は、遊技球がゲート12(図1)を通過したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した普通当たり乱数(普通図柄が当たりか否かを判定(抽選)するための乱数)が記憶される。普通図柄表示器53が普通図柄を変動表示しているときに遊技球がゲート12を通過したときは、その通過に起因する普通図柄表示器53の作動は一旦保留(作動保留)され、その通過に起因して取得された普通当たり乱数は普図保留記憶部64cに記憶される。普通図柄の保留された変動表示は、現在行われている普通図柄の変動表示が終了した次に行われる。本実施形態では、普図保留記憶部64cは、計4個の保留を行うための記憶領域を有し、普通図柄表示器53の作動保留の記憶数は最大4個である。以下、普通図柄表示器53の作動保留の記憶数を普図保留数という。
【0049】
また、主制御基板60には、RAMクリアスイッチ66が搭載されている。パチンコ遊技機1は、RAMクリアスイッチ66が押下された状態で起動すると、RAM64およびサブ制御基板100のRAM120(図11)を初期化する。また、主制御基板60には、表示器類50が電気的に接続されている。さらに、主制御基板60には、中継基板74を介して第1始動口センサ11aと、第2始動口センサ22aと、ゲートセンサ12aと、大入賞口センサ32aと、一般入賞口センサ13aと、電チューソレノイド20aと、大入賞口ソレノイド30aとが電気的に接続されている。
【0050】
第1始動口センサ11aは、第1始動口11(図1)の直下に設けられており、遊技球が第1始動口11に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。第2始動口センサ22aは、第2始動口22(図1)の直下に設けられており、遊技球が第2始動口22に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。ゲートセンサ12aは、ゲート12(図1)のうち遊技球の通過領域に設けられており、遊技球がゲート12を通過したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。大入賞口センサ32aは、大入賞口32(図1)の直下に設けられており、遊技球が大入賞口32に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。一般入賞口センサ13aは、一般入賞口13(図1)の直下に設けられており、遊技球が一般入賞口13に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。
【0051】
電チューソレノイド20aは、普通可変入賞装置20の可動部材21(図1)を開閉駆動する。大入賞口ソレノイド30aは、大入賞装置30の開閉部材31(図1)を開閉駆動する。
また、主制御基板60には、払出制御基板73を介して貸球払出装置80と、カードユニット76と、賞球払出装置400とが電気的に接続されている。カードユニット76は、パチンコ遊技機1に隣接して設けられており、プリペイドカードに対して残高の読取りや書き込みなどを行う。貸球払出装置80は、球貸モータ81と、球貸センサ82とを備えている。球貸モータ81は、貸球としての遊技球を払出す部材を駆動し、球貸センサ82は、その部材によって遊技球が払出されたことを示す信号を払出制御基板73を介して主制御基板60へ出力する。遊技制御用マイコン61は、払出制御基板73から出力される信号に基づいて、貸球払出装置80が払出した貸球数を計数する。カードユニット76に挿入されたプリペイドカードに、払出可能な最小残高以上の残高が記録されているときに、球貸ボタン(図示せず)が操作されると、貸球払出装置80が作動し、最小単位個数の貸球が打球供給皿24に払出される。
【0052】
賞球払出装置400は、賞球モータ401と、賞球センサ402とを備えている。賞球モータ401は、賞球としての遊技球を払出す部材を駆動し、賞球センサ402は、その部材によって遊技球が払出されたことを示す信号を払出制御基板73を介して主制御基板60へ出力する。遊技制御用マイコン61は、払出制御基板73から出力される信号に基づいて、賞球払出装置400が払出した賞球数を計数する。
また、主制御基板60には、発射制御回路75を介して発射装置90が電気的に接続されている。発射装置90は、発射モータ91と、タッチスイッチ92と、発射ボリューム93とを備えている。発射モータ91は、遊技球を打撃して発射する打撃槌(図示せず)を駆動する。タッチスイッチ92は、遊技者がハンドル4に触れたことを示す信号を出力する。発射ボリューム93は、発射レバー4a(図1)の回転量に応じて、上記打撃槌が遊技球を打撃する強度を調節する。
【0053】
また、パチンコ遊技機1は、電源基板70を備えている。電源基板70は、主制御基板60および払出制御基板73に電力を供給する。また、電源基板70は、払出制御基板73に電気的に接続された各装置に対して、払出制御基板73を介して電力を供給する。また、電源基板70は、中継基板74に電気的に接続された各センサおよびソレノイドに対して、主制御基板60から中継基板74を介して電力を供給する。また、電源基板70は、主制御基板60に電気的に接続された表示器類50に対して、主制御基板60を介して電力を供給する。
電源基板70には、バックアップ電源回路71が設けられている。バックアップ電源回路71は、パチンコ遊技機1に対して外部から電力が供給されていない場合に、主制御基板60のRAM64などに対して情報の保持に必要な電力を供給する。電源基板70には、電源基板70へ電力を供給する主電源をオンオフするための電源スイッチ72が電気的に接続されている。
【0054】
主制御基板60は、サブ制御基板100(図11)に対して各種コマンドを送信する。主制御基板60は、コマンドをサブ制御基板100へ送信することはできるが、サブ制御基板100は、主制御基板60へコマンドを送信することができない。つまり、主制御基板60とサブ制御基板100との通信は、主制御基板60からサブ制御基板100へ送信することのみが可能な単方向通信となっている。
【0055】
図11に示すように、サブ制御基板100には、演出制御用ワンチップマイコン(以下、演出制御用マイコンという)101が実装されている。演出制御用マイコン101は、CPU102と、ROM110と、RAM120と、入出力回路103とを備えている。CPU102は、遊技に伴って演出を制御する。ROM110には、CPU102が演出を制御するためのコンピュータプログラムの他、演出選択テーブルTa5などの各種のテーブルが記憶されている。RAM120は、CPU102がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリとして使用される。また、RAM120には、第1特図保留演出記憶部121と、第2特図保留演出記憶部122と、当該変動用演出記憶部123とが設けられている。なお、演出制御用マイコン101が、本発明の制御手段の一例である。
【0056】
第1特図保留演出記憶部121は、第1ないし第4記憶領域から成る4つの記憶領域を有し、各記憶領域は、主制御基板60から出力される第1始動入賞コマンドなどを記憶する。第1始動入賞コマンドは、遊技球が第1始動口11に入賞したことを契機として、遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、変動パターン乱数およびリーチ乱数を含むコマンドである。
一方、第2特図保留演出記憶部122は、第1ないし第4記憶領域から成る4つの記憶領域を有し、各記憶領域は、主制御基板60から出力される第2始動入賞コマンドなどを記憶する。第2始動入賞コマンドは、遊技球が第2始動口22に入賞したことを契機として、遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、変動パターン乱数およびリーチ乱数を含むコマンドである。
当該変動用演出記憶部123は、変動演出パターンの当該変動に用いる第1始動入賞コマンドまたは第2始動入賞コマンドを記憶する。
入出力回路103は、サブ制御基板100に接続された各基板などとの間でデータの送信または受信を行う。
【0057】
サブ制御基板100には、画像制御基板200が電気的に接続されている。画像制御基板200には、画像制御用CPU202と、VDP201(Video Display Processor)と、制御用ROM203と、制御用RAM204と、CGROM(Character Generator Read Only Memory)205と、VRAM(Video Random Access Memory)206とが実装されている。画像制御用CPU202は、変動演出パターン、ボタン演出画像、レバー演出画像および予告画像などの演出画像を表示するよう演出表示装置7を制御する。制御用ROM203には、画像制御用CPU202が演出表示装置7を制御するためのコンピュータプログラムが記憶されている。制御用RAM204は、画像制御用CPU202がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリとして使用される。CGROM205には、演出表示装置7が演出画像を表示するための画像データが記憶されている。VDP201は、画像制御用CPU202によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM205から画像データを読み出し、その読出した画像データをVRAM206内の展開領域に展開する。そして、VDP201は、VRAM206内に展開した画像データを合成し、その合成した画像データをVRAM206内のフレームバッファに記憶する。そして、VDP201は、VRAM206内のフレームバッファに記憶した画像データをRGB信号に変換して演出表示装置7に出力する。これにより、演出表示装置7は演出画像を表示する。CGROM205が本発明の演出記憶手段の一例である。
【0058】
サブ制御基板100には、ランプ制御基板79を介して左サイドランプ23a、右サイドランプ23bおよび盤ランプ2aが電気的に接続されている。演出制御用マイコン101は、ROM110に記憶されているデータを用いて各ランプの発光態様を決める発光パターンデータを作成し、その発光パターンデータをランプ制御基板79に送信する。そして、ランプ制御基板79は、受信した発光パターンデータに従って各ランプの発光制御を行う。なお、左サイドランプ23a、右サイドランプ23b、盤ランプ2a、演出ボタンランプおよびランプ制御基板79が、本発明の演出手段の一例である。
ランプ制御基板79には、中継基板77を介して可動体15が電気的に接続されている。可動体15は、可動体15を動作させるための装置(図示せず)が接続されており、その装置には、その装置を駆動するための可動体モータ(図示せず)が接続されている。演出制御用マイコン101は、ROM110に記憶されているデータを用いて可動体15の動作パターンを決める動作パターンデータを作成し、その動作パターンデータをランプ制御基板79に送信する。そして、動作パターンデータを受信したランプ制御基板79は、その動作パターンに従って中継基板77を介して上記可動体モータを駆動し、可動体15の動作制御を行う。
【0059】
サブ制御基板100には、音声制御基板78を介して各スピーカ8が電気的に接続されている。音声制御基板78には、音声制御用CPU(図示せず)と、音声データROM(図示せず)と、音声合成回路(図示せず)と、アンプ(図示せず)とが搭載されている。音声データROMには、各スピーカ8が音楽や効果音などの音を出力するための音声データが記憶されている。音声制御用CPUは、サブ制御基板100から受信したコマンドに基づいて音声データROMから音声データを読出し、その読出した音声データを音声合成回路に出力する。音声合成回路は、入力した音声データを合成するとともに、その合成した合成音声データをアナログの音声信号に変換してアンプに出力する。アンプは、入力した音声信号を増幅して各スピーカ8に出力する。そして、各スピーカ8は、入力した音声信号により示される音を出力する。
【0060】
また、サブ制御基板100には、演出ボタン検出スイッチ9aと、演出レバー押込検出スイッチ6gと、演出レバー回転検出スイッチ6hと、演出ボタン振動モータ9bと、演出レバー振動モータ6dとが電気的に接続されている。演出ボタン検出スイッチ9aは、演出ボタン9が押圧操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力し、演出制御用マイコン101は、演出ボタン検出スイッチ9aから入力した信号に基づいて、ボタン演出を実行する。演出レバー押込検出スイッチ6gは、演出レバー6が押込操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力し、演出制御用マイコン101は、演出レバー押込検出スイッチ6gから入力した信号に基づいて、演出レバー6が押込操作されたときに行うレバー演出を実行する。演出レバー回転検出スイッチ6hは、演出レバー6が回転操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力し、演出制御用マイコン101は、演出レバー回転検出スイッチ6hから入力した信号に基づいて、演出レバー6が回転操作されたときに行うレバー演出を実行する。
【0061】
演出ボタン振動モータ9bは、演出ボタン9を振動させる部材であり、演出ボタン9の内部に収容されている。演出レバー振動モータ6dは、演出レバー6を振動させる部材であり、演出レバー6と接する部位または演出レバー6の内部に設けられている。ROM110には、演出ボタン振動モータ9bの動作パターンを決める動作パターンデータと、演出レバー振動モータ6dの動作パターンを決める動作パターンデータとが記憶されている。演出制御用マイコン101は、演出ボタン9を振動させる演出タイミングになったときに、ROM110から動作パターンデータを読出し、その読出した動作パターンデータに基づいて演出ボタン振動モータ9bを駆動制御する。また、演出制御用マイコン101は、演出レバー6を振動させる演出タイミングになったときに、ROM110から動作パターンデータを読出し、その読出した動作パターンデータに基づいて演出レバー振動モータ6dを駆動制御する。
【0062】
また、サブ制御基板100には、リアルタイムクロック(RTC)124が実装されている。RTC124は、現時点の日時(日付及び時刻)を計測するものである。RTC124は、例えば、外部の電源装置からパチンコ遊技機1へ電力が供給されているときにはその電力によって動作し、外部の電源装置から電力が供給されていないときには、電源基板70が備えるバックアップ電源回路71から供給される電力によって動作する。このため、RTC124は、パチンコ遊技機1の電源が投入されていないときにも現在の日時を計測することが可能である。なお、RTC124へ電力を供給するバックアップ電源回路をサブ制御基板100に設けてもよい。
【0063】
[遊技状態の説明]
次に、パチンコ遊技機1の遊技状態について説明する。パチンコ遊技機1の特別図柄表示器および普通図柄表示器53には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能とが備わっている。特別図柄表示器の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。
また、特別図柄表示器の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始から確定表示までに要する時間)が、非時短状態よりも短くなっている。
【0064】
特別図柄表示器の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄表示器53の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄表示器の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。つまり、普通図柄表示器53の確率変動機能および変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。したがって、時短状態では、普通図柄の抽選において当たりと判定される確率が非時短状態よりも高くなっている。つまり、普通図柄表示器53の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄表示器53が確定表示する普通図柄が、普通当たり図柄(普通図柄の抽選において当たりと判定されたことを示す普通図柄)となる確率が高くなる。
【0065】
また、時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。たとえば、普通図柄の変動時間は非時短状態では10秒であるが、時短状態では1秒である。さらに時短状態では、普通可変入賞装置20の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている。つまり、普通可変入賞装置20の開放時間延長機能が作動している。例えば非時短状態での普通可変入賞装置20の開放時間は0.5秒、時短状態での普通可変入賞装置20の開放時間は3秒とする。加えて時短状態では、補助遊技における普通可変入賞装置20の開放回数が非時短状態よりも多くなっている。つまり、普通可変入賞装置20の開放回数増加機能が作動している。補助遊技とは、確定表示された普通図柄が予め定めた特定の普通図柄である場合に、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口22を開閉させる遊技のことである。
【0066】
普通図柄表示器53の確率変動機能および変動時間短縮機能と、普通可変入賞装置20の開放時間延長機能および開放回数増加機能とが作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、普通可変入賞装置20が頻繁に開放され、第2始動口22へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合が高くなるため、遊技者は、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、このように、普通図柄表示器53の確率変動機能および変動時間短縮機能と、普通可変入賞装置20の開放時間延長機能および開放回数増加機能とが作動している状況下で、普通可変入賞装置20により第2始動口22への入賞をサポートする制御を電サポ制御という。
本実施形態のパチンコ遊技機1では、確変大当たりで当選した後の大当たり遊技が終了した後の遊技状態は、電サポ制御が行われるとともに高確率状態かつ時短状態である。この遊技状態は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより一旦終了し、当選した大当たりが再度確変大当たりである場合には高確率状態が再度開始されることとなる。
【0067】
また、通常大当たりに当選した場合には、その大当たり遊技が終了した後の遊技状態は、電サポ制御が行われるとともに通常確率状態かつ時短状態である。この遊技状態は、所定回数(例えば50回)の特別図柄の変動表示が実行されるか、あるいは、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
なお、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、電サポ制御は行わないとともに通常確率状態かつ非時短状態である。
【0068】
[実施形態の効果]
(1)上述した実施形態のパチンコ遊技機1を実施すれば、発射装置によって遊技盤上に発射された遊技球が転動する遊技領域と、前記遊技領域に設けられ、前記遊技領域を転動する遊技球が入球可能な入球口と、前記入球口の上方に配置され、前記遊技領域の一部として遊技球が転動する転動領域を上面に備えたステージと、遊技盤の前面において前記ステージの下方にある障害物で弾かれた遊技球を受け止める受け部と、前記受け部と連続して形成され、前記受け部で受け止めた遊技球を傾斜に従って移動させて前記ステージの上面へと導く傾斜部と、を有する。その結果、ステージへと遊技球を誘導する為のワープ入口やワープ通路が不要であって従来に比べてコンパクトなステージ構成となり、中央の液晶表示装置の視認性を低下させることがない。一方で、遊技球をステージ上面で転動させ、ステージ経由で入球口への入球するルートについては従来と同じく実現できるので、遊技球の多彩な動きについて実現可能となる。
(2)また、ステージの下方にある障害物で弾かれて入球口へと入球できなかった遊技球の一部をステージへと誘導し、ステージを経由して入球口へと再び入球するチャンスを与えることが可能となる。
(3)また、受け部の上方には、ステージの下方にある障害物で弾かれた遊技球と接触することによって遊技球を受け部へと落下させる釘が配置されている。その結果、ステージの下方にある障害物で弾かれた遊技球をより高い確率で受け部により受け止めてステージへと誘導することが可能となる。
(4)また、誘導部材は、ステージの下方にある障害物で入球口の右側へと弾かれた遊技球を前記ステージの上面へと導く。その結果、入球口よりも右側に飛んだ球が死に玉とならずに、ステージによって拾われて入球口へと再び入球するチャンスを得ることとなり、球の動きに対して最後まで遊技者の注目を得ることが可能となる。
(5)また、障害物は、前記入球口の周辺に配置された釘である。その結果、特に入球口の周辺の釘で弾かれて入球口へと入球できなかった球が死に玉とならずに、ステージによって拾われて入球口へと再び入球するチャンスを得ることとなり、球の動きに対して最後まで遊技者の注目を得ることが可能となる。
【0069】
〈他の実施形態〉
(1)前述した実施形態では、ステージ35を特に第1始動口11の上方に配置しているが、第1始動口11以外の入球口の上方にステージ35を配置しても良い。
(2)また、前述した実施形態では、第1始動口11の周辺の釘で右側に弾かれて第1始動口11へと入球できなかった遊技球をステージ35へと導いているが、釘以外の例えば樹脂製の構造物や入賞装置等によって弾かれて第1始動口11へと入球できなかった遊技球をステージ35へと導くことも可能である。
(3)また、天井釘41についても釘に代えて例えば樹脂製の構造物を配置するようにしても良い。
(4)また、前述した実施形態では、確変機に本願発明を適用した例について説明したが、確変機以外にも適用することが可能である。例えば、第2種パチンコ機、1種2種混合機やST機であっても良い。
【0070】
[本明細書に開示されている発明]
前述した実施形態には、以下の発明が開示されている。以下の説明では、実施形態における対応する構成の名称や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。ただし、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
【0071】
(発明A)
発射装置(90)によって遊技盤(2)上に発射された遊技球が転動する遊技領域(3)と、
前記遊技領域に設けられ、前記遊技領域を転動する遊技球が入球可能な入球口(11)と、
前記入球口の上方に配置され、前記遊技領域の一部として遊技球が転動する転動領域(36)を上面に備えたステージ(35)と、
前記ステージの下方にある障害物で弾かれた遊技球を前記ステージの上面へと導く誘導部材(38)と、を有することを特徴とする遊技機。
【0072】
これによれば、ステージへと遊技球を誘導する為のワープ入口やワープ通路が不要であって従来に比べてコンパクトなステージ構成となり、中央の液晶表示装置の視認性を低下させることがない。一方で、遊技球をステージ上面で転動させ、ステージ経由で入球口への入球するルートについては従来と同じく実現できるので、遊技球の多彩な動きについて実現可能となる。
【0073】
(発明B)
前記ステージ(35)は前記遊技盤(2)の前面よりも奥側にあって、
前記誘導部材(38)は、
遊技盤の前面において前記ステージの下方にある障害物で弾かれた遊技球を受け止める受け部(39)と、
前記受け部と連続して形成され、前記受け部で受け止めた遊技球を傾斜に従って奥側方向に移動させて前記ステージの上面へと導く傾斜部(40)と、
を備えることを特徴とする発明Aに記載の遊技機。
【0074】
これによれば、ステージの下方にある障害物で弾かれて入球口へと入球できなかった遊技球の一部をステージへと誘導し、ステージを経由して入球口へと再び入球するチャンスを与えることが可能となる。
【0075】
(発明C)
前記受け部(39)の上方には、前記ステージ(35)の下方にある障害物で弾かれた遊技球と接触することによって前記遊技球を前記受け部へと落下させる釘(41)が配置されていることを特徴とする発明Bに記載の遊技機。
【0076】
これによれば、ステージの下方にある障害物で弾かれた遊技球をより高い確率で受け部により受け止めてステージへと誘導することが可能となる。
【0077】
(発明D)
前記誘導部材(38)は、前記ステージ(35)の下方にある障害物で前記入球口(11)の右側へと弾かれた遊技球を前記ステージの上面へと導くことを特徴とする発明A乃至発明Cのいずれかに記載の遊技機。
【0078】
これによれば、入球口よりも右側に飛んだ球が死に玉とならずに、ステージによって拾われて入球口へと再び入球するチャンスを得ることとなり、球の動きに対して最後まで遊技者の注目を得ることが可能となる。
(発明E)
前記障害物は、前記入球口の周辺に配置された釘であることを特徴とする発明Aに記載の遊技機。
【0079】
これによれば、特に入球口の周辺の釘で弾かれて入球口へと入球できなかった球が死に玉とならずに、ステージによって拾われて入球口へと再び入球するチャンスを得ることとなり、球の動きに対して最後まで遊技者の注目を得ることが可能となる。
【符号の説明】
【0080】
1 パチンコ遊技機
2 遊技盤
5 ガラス板
7 演出表示装置
11 第1始動口
35 ステージ
36 ステージ上面
37 釘
38 誘導部材
39 受け部
40 傾斜部
41 天井釘
42 第1凹部
43 第2凹部
図1
図2
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