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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024033701
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】コンソールボックス
(51)【国際特許分類】
   B60R 7/04 20060101AFI20240306BHJP
   B60N 3/00 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
B60R7/04 C
B60N3/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022137460
(22)【出願日】2022-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】000241463
【氏名又は名称】豊田合成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】福井 直行
(72)【発明者】
【氏名】菱田 裕
(72)【発明者】
【氏名】釜谷 拓人
【テーマコード(参考)】
3B088
3D022
【Fターム(参考)】
3B088CA06
3B088CA15
3D022CA07
3D022CB01
3D022CD07
3D022CD20
3D022CD22
3D022CD24
3D022CD26
(57)【要約】
【課題】収納部に物品を収納することに加え、ボックス本体からリッドを取り外して、電子機器に電力を供給できるようにする。
【解決手段】コンソールボックスは、上部開口が設けられた収納部を有するボックス本体と、ボックス本体に取り外し可能に連結されて上部開口を開閉するリッド30とを備える。リッド30は、ボックス本体から取り外されることで、上部開口を開放する。リッド30の内部には、電子機器Aと電気的に接続されて電子機器Aに電力を供給するバッテリ80が収容されている。バッテリ80は、外部から供給された電力を蓄える蓄電部82と、蓄電部82に蓄えられた電力を電子機器Aに送電する送電部83とを有している。
【選択図】図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部開口が設けられた収納部を有するボックス本体と、前記ボックス本体に取り外し可能に連結されて前記上部開口を開閉するリッドとを備え、
前記リッドは、前記ボックス本体から取り外されることで、前記上部開口を開放し、
前記リッドの内部には、電子機器と電気的に接続されて前記電子機器に電力を供給するバッテリが収容されており、
前記バッテリは、外部から供給された電力を蓄える蓄電部と、前記蓄電部に蓄えられた電力を前記電子機器に送電する送電部とを有しているコンソールボックス。
【請求項2】
前記送電部は、前記蓄電部に蓄えられた電力を、非接触給電により前記電子機器に送電する請求項1に記載のコンソールボックス。
【請求項3】
前記電子機器は、前記リッドに組み込まれている請求項1又は請求項2に記載のコンソールボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコンソールボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、両開きコンソールボックスが開示されている。このコンソールボックスは、収納部を有するボックス本体と、収納部の開口を開閉するリッド(蓋体)と、リッドを左右二つの回動軸それぞれを中心にして開閉動作させる開閉機構とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-82926号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、ユーザのニーズの多様化に伴い、コンソールボックスにおいては、収納部に物品を収納するといった一般的な機能だけでなく、上記ニーズに応じてその他様々な機能を付加することが望まれている。例えば、リッドをボックス本体から取り外してリッド単体で上記ニーズに応じた機能を発揮させることが考えられる。しかし、そうしたコンソールボックスは未だ提供できていないのが実情である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するためのコンソールボックスの各態様を記載する。
[態様1]上部開口が設けられた収納部を有するボックス本体と、前記ボックス本体に取り外し可能に連結されて前記上部開口を開閉するリッドとを備え、前記リッドは、前記ボックス本体から取り外されることで、前記上部開口を開放し、前記リッドの内部には、電子機器と電気的に接続されて前記電子機器に電力を供給するバッテリが収容されており、前記バッテリは、外部から供給された電力を蓄える蓄電部と、前記蓄電部に蓄えられた電力を前記電子機器に送電する送電部とを有しているコンソールボックス。
【0006】
上記の構成によれば、収納部の上部開口は、例えば、ボックス本体に連結された状態のリッドが回動されたり、スライドされたりすることで、開放及び閉塞される。また、上部開口は、ボックス本体からリッドが取り外された場合には、開放される。
【0007】
上部開口が開放されると、収納部の外部の物品を、上部開口を通じて収納部内に収納することが可能となる。また、収納部内に収納されていた物品を、上部開口を通じて収納部の外部へ取り出すことが可能となる。
【0008】
特に、ボックス本体からリッドが取り外されることにより上部開口が開放された場合には、上部開口を通じた物品の出し入れがしやすくなる。ボックス本体に連結された状態でリッドが作動されて上部開口が開放された場合には、その上部開口に近い箇所にリッドが存在する。リッドが、物品の出し入れの妨げとなる場合がある。これに対し、取り外された場合には、上部開口に近い箇所にリッドが存在しないからである。
【0009】
また、収納部内に物品が収納されている状態で、リッドにより上部開口が閉塞されると、リッドは、その物品を収納された状態に保持する。このように、コンソールボックスは、収納部に物品を収納するといった一般的な機能を発揮する。
【0010】
一方、リッドの内部に収容されたバッテリに対し、その外部から電力が供給されると、その電力は蓄電部に蓄えられる。電子機器がバッテリに電気的に接続されると、蓄電部に蓄えられた電力が送電部によって電子機器に供給される。供給された電力により、電子機器を作動させ、電子機器が有する機能を発揮させることが可能である。また、電子機器が蓄電部を有している場合には、供給された電力を蓄電部に蓄えることが可能である。
【0011】
なお、電子機器への電力供給に伴い、蓄電部に残っている電力の容量(蓄電残量)が少なくなると、バッテリの外部から供給された電力を蓄電部に蓄えることで、蓄電残量を多くすることが可能である。
【0012】
さらに、リッドのボックス本体に対する連結が解除されて、リッドがボックス本体から取り外されると、バッテリが収容されたリッドを、ボックス本体から離れた箇所へ持ち運ぶことが可能となる。この場合、バッテリは、リッドの一部を構成しつつ、電子機器に電力を供給するモバイルバッテリとして機能し得る。
【0013】
[態様2]前記送電部は、前記蓄電部に蓄えられた電力を、非接触給電により前記電子機器に送電する[態様1]に記載のコンソールボックス。
上記の構成によれば、バッテリの送電部は、蓄電部に蓄えられた電力を、非接触給電により電子機器に送電する。従って、電子機器が、非接触給電に対応していて、蓄電部に蓄えられた電力により作動するタイプの電子機器であれば、ケーブルでバッテリに接続しなくても、送電された電力を受電することが可能であり、利便性が向上する。
【0014】
[態様3]前記電子機器は、前記リッドに組み込まれている[態様1]又は[態様2]に記載のコンソールボックス。
上記の構成によれば、リッドは、バッテリに加え、そのバッテリに対し電気的に接続された電子機器をも、自身の一部として有する。この場合、バッテリは、電子機器の電源として機能する。電子機器は、バッテリの送電部から送電される電力により作動し、自身が有する機能を発揮する。
【発明の効果】
【0015】
上記コンソールボックスによれば、収納部に物品を収納することに加え、ボックス本体からリッドを取り外して、電子機器に電力を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】第1実施形態におけるコンソールボックスの主要部を示す斜視図である。
図2】第1実施形態におけるボックス部の斜視図である。
図3】第1実施形態における支持部、シム及び第2ばねを示す分解斜視図である。
図4】第1実施形態における支持部の前部、シム及び第2ばねの部分分解斜視図である。
図5】第1実施形態における支持部の後部、シム及び第2ばねの部分分解斜視図である。
図6】第1実施形態におけるリッドの分解斜視図である。
図7】第1実施形態におけるリッドの部分分解斜視図である。
図8】第1実施形態におけるコンソールボックス上部の部分縦断面図である。
図9図8における9-9線に沿ったコンソールボックス上部の部分断面図である。
図10図9に対応する図であり、操作部が押し込み操作されたコンソールボックス上部の部分断面図である。
図11図8における11-11線に沿ったコンソールボックス上部の部分断面図である。
図12図8における12-12線に沿ったコンソールボックス上部の部分断面図である。
図13】第1実施形態における電力供給システムの構成を示すブロック図である。
図14】第1実施形態において、ボックス本体から取り外されたリッドの第2面に携帯端末を置いて、その携帯端末に非接触給電する様子を示す斜視図である。
図15】同じく第1実施形態において、ボックス本体から取り外されたリッドの第2面に携帯端末を置いてその携帯端末に非接触給電する様子を示す部分断面図である。
図16】第2実施形態を示す図であり、バッテリに加えスピーカが組み込まれたリッドを示す斜視図である。
図17】第2実施形態における電力供給システムの構成を示すブロック図である。
図18】電子機器として保温器が組み込まれたリッドの変更例を、保温の対象となる弁当とともに示す分解斜視図である。
図19】電子機器として保冷器が組み込まれたリッドの変更例を、保冷の対象となる飲料容器とともに示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1実施形態)
以下、コンソールボックスの第1実施形態について、図1図15を参照して説明する。
【0018】
なお、以下の記載においては、車両の前進方向を前方とし、後進方向を後方として説明する。また、上下方向は車両の上下方向を意味し、左右方向は車幅方向であって車両の前進時の左右方向と一致するものとする。
【0019】
ここで、前後方向、上下方向及び左右方向の各方向におけるコンソールボックス10の位置を特定するために、各方向におけるコンソールボックス10の中央部を基準とする。各方向のうち、中央部に近づく方向、側等を「内」、「内方」、「内側」等といい、中央部から遠ざかる方向、側等を「外」、「外方」、「外側」等という。
【0020】
図1は、コンソールボックス10の主要部を示している。コンソールボックス10は、車室内において運転席と助手席との間に配置されるセンターコンソールの一部を構成する。
【0021】
コンソールボックス10は、ボックス本体11、リッド30、ハウジング57、ロック機構60(図9参照)、及び回動範囲規定部78(図11参照)を備えている。次に、コンソールボックス10を構成する各部について説明する。
【0022】
<ボックス本体11>
図2及び図3に示すように、ボックス本体11は、上端が開口された有底のボックス部12と、ボックス部12の上側に配置される支持部13とを備えている。ボックス部12は、左右方向よりも前後方向に長い略直方体状をなしている。
【0023】
支持部13は、前後方向に対称な構造を有するとともに、左右方向に対称な構造を有している。そのため、以降においては、前後方向における支持部13の一側の構造を説明することで、他側の構造については説明を省略することがある。また、左右方向における支持部13の一側の構造を説明することで、他側の構造については説明を省略することがある。これらの点は、支持部13に限らず、コンソールボックス10を構成する他の部材についても同様である。
【0024】
支持部13の下部は、長方形状をなす枠部17によって構成されている。枠部17によって囲まれた空間と、ボックス部12の内部空間とによって、小物等の物品を収納するための収納部20が構成されている。この収納部20のうち、枠部17によって囲まれた空間は、収納部20の上部開口14を構成している。上部開口14は、平面視で矩形状の一態様である長方形状をなしている。
【0025】
図3に示すように、枠部17は、互いに左右方向に平行に離間した状態で前後方向に延びる一対の第1壁部18と、互いに前後方向に平行に離間した状態で左右方向へ延びる一対の第2壁部19とを備えている。前側の第2壁部19の左右方向における各端部は、隣の第1壁部18の前端部に連結されている。後側の第2壁部19の左右方向における各端部は、隣の第1壁部18の後端部に連結されている。
【0026】
前後の各第2壁部19からは、支持壁部21が上方へ延びている。各支持壁部21の前後方向における内側の面には、シム収容部22が開口されている。シム収容部22は、各支持壁部21の左右方向における両側部に設けられている。図4及び図5に示すように、各シム収容部22は、前後方向に延びる円筒状をなしている。各シム収容部22は、挿通孔23、一対の係止孔24及び回転規制溝部25を有している。シム収容部22毎の挿通孔23は、シム収容部22の底部の中心部を貫通している。シム収容部22毎の一対の係止孔24は、シム収容部22において、上記挿通孔23の左右方向における両側部に位置している。回転規制溝部25は、シム収容部22の外周部分の一部から径方向における外方へ突出した状態で前後方向へ延びている。
【0027】
<リッド30>
リッド30は、ボックス本体11に取り外し可能に連結される。また、リッド30は、ボックス本体11に連結された状態では、図12において実線で示すように、上部開口14を閉塞する閉塞位置と、同図12において二点鎖線で示すように、起立状態となって上部開口14を全開にする全開位置との間で回動可能である。表現を変えると、リッド30は、閉塞位置と全開位置との間で回動することにより、上部開口14を開閉する。以降においては、上部開口14を閉塞した状態のリッド30について説明する。
【0028】
<リッド30の基本構造>
図6に示すように、リッド30は、リッド本体31、一対の支持板部46及び一対の回動軸54を備えている。リッド本体31は、上部開口14を上方から閉塞し得る形状及び大きさを有している(図12参照)。リッド本体31は、上下方向を自身の厚み方向としている。リッド本体31は、厚み方向における一方に位置する第1半割体33と、他方に位置し、かつ第1半割体33に結合された第2半割体39とを備えている。なお、図8では、第1半割体33が第2半割体39の上側に位置する状態のリッド30が図示されている。また、図15では、第2半割体39が第1半割体33の上側に位置する状態のリッド30が図示されている。
【0029】
図8に示すように、第1半割体33は、硬質の樹脂材料によって形成された基材35と、基材35上に積層され、かつ発泡体からなるクッション層36と、クッション層36上に積層された表皮37とを備えている。表皮37のうち、リッド30の厚み方向における一側の面となる部分は、リッド30の第1面34を構成している。第1面34は、少なくとも一部に肘置き面を有している。第1実施形態では、第1面34の全体が、肘置き面を構成している。
【0030】
第2半割体39の全体は、硬質の樹脂材料によって形成されている。第2半割体39は、厚み方向における外方に向けて開口する凹部40を有している(図12参照)。第2半割体39のうち、上記厚み方向において第1面34に対し反対側(裏側)となる面は、リッド30の第2面41を構成している。第2面41のうち、凹部40内における部分は、トレイ面とされている。
【0031】
図6に示すように、第1半割体33の左右方向における両側壁部38の前部には、切欠き部38aがそれぞれ形成されている。第2半割体39の左右方向における両側壁部42の前部にも、切欠き部42aがそれぞれ形成されている。第2半割体39が第1半割体33に結合された状態では、切欠き部38a,42aによって操作孔32が構成されている(図9参照)。
【0032】
図6に示すように、一対の支持板部46は、リッド本体31の前後方向における両外側に配置されている。前側の支持板部46は、第2半割体39の前壁部43に取り付けられ、後側の支持板部46は第2半割体39の後壁部44に取り付けられている。
【0033】
図8に示すように、ボックス本体11及びリッド30は、そのリッド30が第1面34及び第2面41のいずれを上に向けた姿勢でも、ボックス本体11に対してリッド30を取り外し及び連結し得る形状を有している。
【0034】
一対の回動軸54は、リッド本体31をボックス本体11に回動可能に連結する機能を有している。図6に示すように、両回動軸54は、リッド本体31の左右方向における両側部において、互いに平行な状態で前後方向へ延びている。
【0035】
リッド30は、両回動軸54のうち、選択された一方の回動軸54を中心として、上記閉塞位置と全開位置との間で回動可能である。
各回動軸54の前後方向における両端部の外周には、ピニオンギヤ55が形成されている。また、第2半割体39における前壁部43及び後壁部44のそれぞれの左右方向における両側部分には、ラックギヤ45が形成されている。そして、各回動軸54の前端部のピニオンギヤ55が前壁部43のラックギヤ45に噛み合わされ、各回動軸54の後端部のピニオンギヤ55が後壁部44のラックギヤ45に噛み合わされている。
【0036】
各回動軸54は、前後方向へ延びるピン部56を、ピニオンギヤ55よりも同方向における外側に有している。前後の各支持板部46の左右両側部分には、前後方向における内側へ凹む凹部47が形成されている。各凹部47の底部には、左右方向へ延びる長孔48が、支持板部46を貫通した状態で形成されている。回動軸54毎のピン部56は、長孔48に挿通されている。
【0037】
リッド30は、いずれか一方の回動軸54と一体となって回動することが可能である。また、ピニオンギヤ55はラックギヤ45上を転動することが可能である。各長孔48は、ピン部56の左右方向への移動を許容するとともに、同方向へのピン部56の移動範囲を規定する。
【0038】
<ハウジング57>
図1及び図8に示すように、ハウジング57は、リッド30の上面及び側面を露出させた状態でボックス本体11を収容している。なお、図1では、ハウジング57は一部のみ図示されている。
【0039】
<ロック機構60>
図9及び図10に示すように、ロック機構60は、リッド30を、上部開口14を閉塞した状態(閉塞位置)にロックするとともに、そのロックを解除する機能を有している。また、ロック機構60は、各回動軸54がボックス本体11に連結された連結状態と、連結が解除された状態とを切り替える機能も有している。
【0040】
また、ロックが解除された状態には、次の2つの状態が含まれる。
・左右の両回動軸54のボックス本体11に対する連結がともに解除された状態。
・一方の回動軸54のボックス本体11に対する連結が維持され、かつ他方の回動軸54のボックス本体11に対する連結が解除された状態。
【0041】
図7図9に示すように、リッド30内の前部であって、左右方向における両側部分には、それぞれ操作基台61が取り付けられている。左右の各操作基台61の同方向における外側部分には、門形の出入口部62が形成されている。操作基台61毎の出入口部62は、リッド本体31の上記操作孔32に配置されている。各操作基台61の左右方向における内側部には、ばね受け部64が形成されている。
【0042】
各操作基台61上には、操作部65が出入口部62を通って左右方向へスライドし得るように配置されている。左右の両操作部65(一対の操作部65)は、ロック機構60の一部を構成する部材としてリッド30に備えられている。左右の操作部65は、左右の両回動軸54(一対の回動軸54)にそれぞれ対応して互いに独立して設けられている。各操作部65の左右方向における内側部であって、上記ばね受け部64に対向する箇所には、ばね受け部66が形成されている。両ばね受け部64,66間には、第1ばね68が左右方向に圧縮された状態で配置されている。各第1ばね68により、各操作部65が、左右方向における外側へ常に付勢されている。各操作部65の前後方向における両側部には、上方が開放された円弧状の軸受部67がそれぞれ形成されている。そして、各回動軸54が両軸受部67によって操作部65に回動可能に支持されている。
【0043】
なお、第1実施形態では、第1ばね68として、コイルばねが用いられているが、他の種類のばねが用いられてもよい。この点は、後述する第2ばね74についても同様である。
【0044】
図4図5図8及び図9に示すように、各支持壁部21における左右のシム収容部22には、それぞれシム70が収容されている。各シム70は、支持壁部21に対し、前後方向へ移動可能、かつ回転を規制された状態で組み付けられている。各シム70は、対応する回動軸54の端部をボックス本体11に取り外し可能に連結する機能を有している。また、各シム70は、対応する回動軸54の端部をボックス本体11に連結した状態では、その回動軸54を回動可能に支持する機能を有している。
【0045】
各シム70は、前後方向における外側部分が開放された円筒状をなしている。各シム70は、それぞれ前後方向へ延びる軸部71、一対の係止部72及び回転規制突部73を有している。シム70毎の軸部71は、シム70の中心部に形成されており、対応するシム収容部22の挿通孔23に対し、前後方向へ移動可能に挿通されている。シム70毎の一対の係止部72は、シム70において、上記軸部71の左右両側方となる箇所に形成されており、対応するシム収容部22の係止孔24に対し、前後方向へ移動可能に挿通されている。シム70毎の回転規制突部73は、シム70の外周部の一部から径方向における外方へ突出しており、対応するシム収容部22の回転規制溝部25に対し、前後方向へ移動可能に係合されている。
【0046】
各シム70は、図9に示すように、支持板部46における凹部47の底部に接触する連結位置と、図10に示すように、連結位置から前後方向における外側へ離間した箇所に設定された取り外し位置との間で、前後方向へ移動可能に構成されている。
【0047】
図4及び図5に示すように、シム70毎の軸部71、一対の係止部72及び回転規制突部73は、同シム70の前後方向への移動をガイドする機能を有している。また、一対の係止部72は、シム70がシム収容部22から前後方向における内側へ脱落するのを規制する機能も有している。この機能は、各係止部72が、シム収容部22において対応する係止孔24の周辺部分に係止されることによって発揮される。
【0048】
前後の各支持壁部21における各シム収容部22の内底面と、シム70との間には、第2ばね74が前後方向に圧縮された状態で配置されている。この第2ばね74により、各シム70は、前後方向における内側へ常に付勢されている。
【0049】
図4図5図8及び図9に示すように、各シム70は、基準面75a及び内傾斜面75bを有する収容凹部75と、外傾斜面76とを有している。シム70毎の収容凹部75は、前後方向における内側の面において開口されている。収容凹部75毎の基準面75aは、シム70の中心部に位置していて、シム70の軸線に対し直交している。収容凹部75毎の内傾斜面75bは、基準面75aに対し、左右方向における内側に位置し、基準面75aに繋がっている。各内傾斜面75bは、左右方向における内側ほど前後方向における内側に位置するように、基準面75aに対し傾斜している。
【0050】
シム70毎の外傾斜面76は、同シム70の前後方向における内側面の上部に形成されている。各外傾斜面76は、前後方向における内側ほど下側に位置するように、鉛直面に対し傾斜している。
【0051】
<回動範囲規定部78>
回動範囲規定部78は、リッド30が上述した閉塞位置と全開位置との間で回動するように、リッド30の回動範囲を規定する部分である。図5図6及び図11に示すように、回動範囲規定部78は、リッド30が有する4つ(図6では前側の2つのみ図示)の突部49と、各シム70が有する溝部77とを備えている。
【0052】
より詳しくは、各突部49は、各支持板部46における左右の凹部47であって、左右方向における長孔48よりも外方となる箇所から、前後方向における外側へ突出している。各突部49は、リッド30の回動に伴い、回動軸54の軸線の周りを移動(旋回)する。
【0053】
各溝部77は、収容凹部75の基準面75aを中心とする円弧状をなしている。各溝部77は、シム70の前後方向における内側の面において開口されている。そして、各突部49が、対応する溝部77に挿入されている。各突部49は、溝部77に沿って周方向に移動可能である。各突部49が溝部77の周方向における一方の端部まで移動したときには、リッド30が図11において実線で示す閉塞位置に位置する。各突部49が溝部77の周方向における他方の端部まで移動したときには、リッド30が、図11において二点鎖線で示す全開位置に位置する。
【0054】
<バッテリ80>
さらに、図1図6等に示すように、リッド本体31の内部にはバッテリ80が収容されている。バッテリ80は、電子機器Aに電力を供給する電力供給システムの一部を構成するものであり、ねじ締結等の方法によってリッド本体31に固定されている。図14及び図15に示すように、第1実施形態では、スマートフォン、携帯電話、ウェアラブルデバイス等の可搬性の通信装置である携帯端末86が電子機器Aとされている。スマートフォンは、携帯電話としての通話機能の他にも多くの機能を有する可搬型の電話端末である。スマートフォンは、例えば、カメラによる撮像機能、パーソナルコンピュータ(以下、単に「パソコン」という)のようなWeb情報表示機能等を備えている。ウェアラブルデバイスとは、人体等の生体に装着されるデバイスであり、スマートウォッチ、スマートグラス等といったいわゆるウェアラブル端末が典型である。
【0055】
携帯端末86は、図示は省略するが、CPU、メモリ、ディスプレイ、入力装置、通信装置等を有する。図13に示すように、携帯端末86は2次電池からなる蓄電部87を内蔵しており、この蓄電部87を電源として、自身の有する機能を発揮するように構成されている。上記バッテリ80から携帯端末86に供給された電力は、この蓄電部87に蓄えられる。
【0056】
バッテリ80は、受電部81、蓄電部82、送電部83及び制御部84を備えている。受電部81は、コネクタ、ケーブル等を介して外部電源85に接続されており、外部電源85から供給される電力を受電する。第1実施形態では、車載バッテリが、外部電源85とされている。外部電源85及び電子機器Aは、バッテリ80とともに電力供給システムを構成している。
【0057】
蓄電部82は、繰り返し充放電が可能な2次電池、例えば、ニッケル水素蓄電池、リチウムイオン蓄電池等によって構成されている。送電部83は、蓄電部82に蓄電された電力の一部を携帯端末86に送電(供給)する。制御部84は、例えば、CPU等のハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。制御部84は、送電部83から携帯端末86への電力の送電(供給)を制御する。また、制御部84は、蓄電部82の充電状態に基づいて、受電部81を通じて受電された電力の蓄電部82に対する蓄電を制御する。
【0058】
バッテリ80の送電部83から携帯端末86への電力の供給は、金属接点、コネクタ等を介さずに電力を伝送可能な無接点(ワイヤレス)電力伝送方式によって行われる。この方式は、非接触給電、非接触電力伝送等とも呼ばれる。第1実施形態では、比較的近い領域で利用できる非放射型と呼ばれる方式のうち、電磁誘導方式の無接点電力伝送が採用されている。バッテリ80の送電部83は、電流が流されると、磁界(磁束)を発生する送電コイルを1次コイルとして備えている。送電コイルは、リッド本体31内であって、そのリッド本体31の第2面41に接近した箇所に配置されている。
【0059】
一方、携帯端末86は、受電コイルを2次コイルとして備えている。そして、携帯端末86が第2面41上に載置されて、受電コイルが送電コイルに近付けられると、両コイルが電磁結合されて、磁界を電力に変換する。変換された電力は携帯端末86の蓄電部87に蓄電される。
【0060】
なお、非接触型の給電方式として、上述した電磁誘導方式に代えて、磁界共鳴方式、電界結合方式、電波受信方式等が用いられてもよい。
次に、上記のように構成された第1実施形態の作用について説明する。
【0061】
<いずれの操作部65も押し込み操作されない場合>
図9に示すとともに、図12において実線で示すように、リッド30が閉塞位置に位置していて、いずれの操作部65も押し込み操作されていない場合には、各操作部65の左右方向における外側部分が出入口部62から突出している。この場合には、第2ばね74によって前後方向における内側へ付勢された各シム70が、支持板部46における凹部47の底部に接触して、連結位置に保持されている。各操作部65を左右方向における外側へ付勢する第1ばね68の付勢力は、その操作部65を介して回動軸54に伝達されている。各回動軸54の前後の各ピン部56は、収容凹部75における基準面75aに接触している。各ピン部56は、長孔48の左右方向における外側の端部に位置している。また、各回動軸54のピニオンギヤ55は、ラックギヤ45の左右方向における外側部分に噛み合っている。左右の各回動軸54は、前後のシム70を介して前後の支持壁部21に連結されている。そのため、リッド30が閉塞位置にロックされ、上部開口14が閉塞状態に保持される。
【0062】
このとき、収納部20内に物品が収納されていれば、リッド30は、その物品を収納された状態に保持する。
また、ボックス本体11及びリッド30は、第1面34及び第2面41のいずれを上に向けた姿勢であっても、ボックス本体11に対してリッド30を取り外し及び連結の可能な形状を有している。
【0063】
そのため、このとき、図12に示すようにリッド30が、第1面34を上に向けた姿勢を採っていれば、その第1面34は、肘を載せる箇所として機能し得る。表現を変えると、リッド30は肘置き(アームレスト)として機能し得る。
【0064】
また、図示はしないが、このとき、リッド30が、第2面41を上に向けた姿勢を採っていれば、その第2面41は、物品を載置するためのトレイ面として機能し得る。表現を変えると、リッド30はトレイとして機能し得る。
【0065】
<片方の操作部65が押し込み操作された場合>
図10に示すように、一対の操作部65のいずれか一方が第1ばね68の付勢力に抗して、左右方向における内側へ押し込み操作されると、軸受部67によって支持された回動軸54に対し、これを左右方向における内側へ移動させようとする力が加わる。回動軸54の前後のピニオンギヤ55はラックギヤ45に噛み合っていて、左右方向における内側へ転動可能である。回動軸54の前後のピン部56は、前後の各支持板部46の長孔48に沿って左右方向における内側へ移動可能である。そのため、上記操作部65の押し込み操作に応じて、回動軸54が回転しながら左右方向における内側へ移動する。
【0066】
回動軸54の上記移動に伴い、前後の各ピン部56が収容凹部75内で、基準面75aから内傾斜面75bに移動する。ここで、内傾斜面75bは、左右方向における内側ほど前後方向における内側に位置するように基準面75aに対し傾斜している。そのため、前後の各シム70は、第2ばね74の付勢力に抗して押されて、前後方向における外側へ移動する。このときのシム70の移動方向は、前後方向のうち、回動軸54から遠ざかる方向である。
【0067】
そして、同図10に示すように、前後の各シム70が取り外し位置まで移動すると、前後の各ピン部56が収容凹部75から抜け出す。回動軸54の支持壁部21(ボックス本体11)に対する連結状態が解除される。すなわち、ロック機構60によるロックが一部解除される。
【0068】
押し込み操作されていない操作部65に対応する回動軸54は、支持壁部21(ボックス本体11)に対し連結され続ける。そのため、上記のように支持壁部21に連結され続ける回動軸54を中心として、リッド30を上方へ回動させる。リッド30の回動に伴い、上部開口14が開放され、収納部20の外部の物品を、上部開口14を通じて収納部20内に収納することが可能となる。また、収納部20内に収納されていた物品を、上部開口14を通じて収納部20の外部へ取り出すことが可能となる。
【0069】
なお、ロックが解除されたことで操作部65が押し込まれなくなると、その操作部65に対応する第1ばね68が、蓄えていた付勢力を解放する。この開放された付勢力によって操作部65が、図9に示すように回動軸54を伴って左右方向における外側へ移動される。このとき、回動軸54の前後の各ピニオンギヤ55が、噛み合っているラックギヤ45上を、左右方向における外側へ転動する。そのため、回動軸54が、前後方向に対し傾斜した状態で左右方向へ移動する現象が抑制される。回動軸54は、支持部13の第1壁部18に対し平行な状態を維持しつつ、左右方向へスムーズに移動する。
【0070】
上記移動に伴い、操作部65の左右方向における外側部が、操作基台61の出入口部62から、同方向における外側へ突出する。操作部65の上記移動、及び回動軸54の回動は、前後の各ピン部56が長孔48の左右方向における外側の端部に接触することで停止する。
【0071】
また、前後の各支持壁部21では、第2ばね74が蓄えていた付勢力を解放する。この解放された付勢力によって各シム70が、同図9に示すように、前後方向における内側へ移動する。各シム70の上記移動は、各係止部72が、シム収容部22において対応する係止孔24の周辺部分に係止されることによって、規制される。
【0072】
<両方の操作部65が同時に押し込み操作された場合>
ここで、左右の両操作部65が互いに独立している。そのため、一対の操作部65の双方が、第1ばね68の付勢力に抗して同時に押し込み操作されると、上述した<片方の操作部65が押し込み操作された場合>と同様の作用が、両方の回動軸54に対して行われる。
【0073】
そして、一対の回動軸54がそれぞれ、対応する収容凹部75から抜け出すことで、一対の回動軸54の双方とボックス本体11との連結状態が解除される。両解除により、リッド30は、ボックス本体11から取り外し得る状態になる。
【0074】
ボックス本体11からリッド30が取り外されると、上部開口14が開放される。この場合にも、上述した<片方の操作部65が押し込み操作された場合>と同様、収納部20の外部の物品を、上部開口14を通じて収納部20内に収納することが可能となる。また、収納部20内に収納されていた物品を、上部開口14を通じて収納部20の外部へ取り出すことが可能となる。
【0075】
特に、ボックス本体11からリッド30が取り外されることにより上部開口14が開放された場合には、その上部開口14を通じた物品の出し入れがしやすくなる。ボックス本体11に連結された状態でリッド30が作動されて上部開口14が開放された場合には、その上部開口14に近い箇所にリッド30が存在する。リッド30が、物品の出し入れの妨げとなる場合がある。これに対し、リッド30が取り外された場合には、上部開口14に近い箇所にリッド30が存在しないからである。
【0076】
ロックが解除されたことで両操作部65が押し込まれなくなると、図9に示すように、リッド30では、左右の各第1ばね68の付勢力によって各操作部65が、回動軸54を伴って左右方向における外側へ移動される。各操作部65の左右方向における外側部が、操作基台61の出入口部62から、同方向における外側へ突出する。
【0077】
また、前後の各支持壁部21では、各第2ばね74の付勢力によって各シム70が、前後方向における内側へ移動する。各シム70の上記移動は、各係止部72が、シム収容部22において対応する係止孔24の周辺部分に係止されることによって、規制される。
【0078】
<リッド30をボックス本体11に取り付ける場合>
ここで、ボックス本体11から取り外されているリッド30は、第1面34及び第2面41のいずれを上に向けた姿勢を採っていても、ボックス本体11に取り付けることが可能である。
【0079】
第1面34及び第2面41の上下の位置関係を、リッド30が取り外される前とは逆にした状態で、リッド30をボックス本体11に取り付ける場合には、ボックス本体11に対して、上方からリッド30が押し付けられる。このとき、左右の各回動軸54の前後のピン部56が、前後の各シム70における外傾斜面76に接触する。ここで、図5に示すように、シム70毎の外傾斜面76は、前後方向における内側ほど、下側に位置するように傾斜している。そのため、各シム70は第2ばね74の付勢力に抗して押されて、前後方向における外側へ移動する。この際のシム70の移動方向は、前後方向のうち、回動軸54から遠ざかる方向である。そして、各回動軸54のピン部56が外傾斜面76を通過してシム70の中心部まで下降すると、第2ばね74によって付勢されたシム70が前後方向における内側へ移動する。各回動軸54の前後のピン部56が、シム70の収容凹部75に入り込むと、回動軸54がボックス本体11に対して連結される。コンソールボックス10は、上述した<いずれの操作部65も押し込み操作されない場合>と同様の状態になる。
【0080】
<携帯端末86への電力供給について>
リッド本体31内に収容されたバッテリ80では、図13に示すように、外部電源85から受電部81に供給された電力は、制御部84が受電部81を制御することによって蓄電部82に蓄えられる。携帯端末86がバッテリ80に対し電気的に接続されると、蓄電部82に蓄えられた電力は、制御部84が送電部83を制御することによって携帯端末86に送電される。
【0081】
第1実施形態では、蓄電部82に蓄えられた電力は、非接触給電により携帯端末86に送電される。従って、非接触給電に対応しているタイプの携帯端末86が、図14に示すように第2面41上に載置されて、受電コイルが送電コイルに近付けられると、携帯端末86がバッテリ80に電気的に接続される。両コイルが電磁結合されて、磁界を電力に変換する。変換された電力は、携帯端末86の蓄電部87に蓄電される。
【0082】
なお、携帯端末86への電力供給に伴い、蓄電部82に残っている電力の容量(蓄電残量)が少なくなると、制御部84によって受電部81が制御されることで、外部電源85から受電部81に供給された電力が蓄電部82に蓄えられる。
【0083】
さらに、リッド30がボックス本体11から取り外されると、バッテリ80が収容されたリッド30を、ボックス本体11から離れた箇所へ持ち運ぶことが可能となる。この場合、バッテリ80は、リッド30の一部を構成しつつ、携帯端末86の蓄電部87に電力を供給するモバイルバッテリとして機能し得る。
【0084】
次に、第1実施形態の効果について説明する。
(1-1)第1実施形態では、図11及び図12に示すように、収納部20の上部開口14を開放及び閉塞するリッド30を、ボックス本体11に対し、取り外し可能に連結している。
【0085】
ボックス本体11に連結された状態のリッド30を、一方の回動軸54を中心として回動させることで、上部開口14を開放及び閉塞させる。また、ボックス本体11からリッド30を取り外すことで、上部開口14を開放させる。
【0086】
上部開口14を開放させると、収納部20の外部の物品を、上部開口14を通じて収納部20内に収納することができる。また、収納部20内に収納されていた物品を、上部開口14を通じて収納部20の外部へ取り出すことができる。
【0087】
また、収納部20内に物品が収納されている状態で上部開口14を閉塞させると、リッド30によって、その物品を収納された状態に保持できる。
このように、収納部20に物品を収納するといった一般的な機能を、コンソールボックス10に発揮させることができる。
【0088】
特に、ボックス本体11からリッド30を取り外すことにより上部開口14を開放させた場合には、上部開口14を通じた物品の出し入れがしやすくなる。
(1-2)第1実施形態では、図6に示すように、リッド本体31内にバッテリ80を収容している。そのため、図13に示すように、外部電源85から供給された電力を蓄電部82に蓄えることができる。携帯端末86をバッテリ80に電気的に接続すると、蓄電部82に蓄えられた電力を送電部83から携帯端末86に送電して、蓄電部87に蓄電することができる。
【0089】
携帯端末86への電力供給に伴い、蓄電部82の蓄電残量が少なくなると、外部電源85から供給された電力を蓄電部82に蓄えることで、蓄電残量を多くすることができる。
また、図14及び図15に示すように、リッド30をボックス本体11から取り外すことで、リッド本体31をバッテリ80とともに、ボックス本体11から離れた箇所へ持ち運ぶことが可能となる。リッド30をモバイルバッテリとして機能させることができる。ボックス本体11から離れた箇所、ひいては車外でも携帯端末86を充電できる。
【0090】
(1-3)第1実施形態では、図13に示すように、バッテリ80の送電部83が、蓄電部82に蓄えられた電力を、非接触給電により携帯端末86に供給可能である。そのため、携帯端末86が、非接触給電に対応していて、蓄電部82に蓄えられた電力により作動するタイプの電子機器Aであれば、ケーブルでバッテリ80に接続しなくても、送電された電力を受電し、その電力を蓄電部87に蓄電できる。携帯端末86とバッテリ80との接続状態を気にすることなく、携帯端末86をリッド本体31の第2面41上に載置することで、携帯端末86を容易に充電できる。また、ケーブルを携帯しなくてすむため、利便性が向上する。
【0091】
(第2実施形態)
次に、コンソールボックス10の第2実施形態について、図16及び図17を参照して説明する。
【0092】
第2実施形態では、電子機器Aとしてスピーカ91が用いられ、これがリッド本体31に組み込まれている。スピーカ91は、例えば、リッド本体31の前壁部43及び前側の支持板部46に埋め込まれた状態でリッド本体31に取り付けられている。図16では、スピーカ91が複数(3つ)用いられた例が図示されているが、スピーカ91の数は特に限定されない。スピーカ91は、ワイヤレススピーカ、モバイルスピーカ、ポータブルスピーカ等と呼ばれるタイプのスピーカである。スピーカ91は、図17の電力供給システムに示すように、バッテリ80の送電部83に対し、ケーブル等によって電気的に接続されている。スピーカ91は、外部電源85及びバッテリ80とともに電力供給システムを構成している。
【0093】
スピーカ91は、スマートフォン、パソコン、タブレット端末等の端末に対し、Bluetooth(登録商標)等の近距離通信の規格の無線によって接続され、端末から送信される音楽データ等の音源データに対応する音を出力する。なお、上記スピーカ91は、無線LANを介して音源データを送受信するタイプであってもよい。
【0094】
上記以外の構成は第1実施形態と同様である。そのため、第1実施形態で説明したものと同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
次に、第2実施形態の作用について説明する。
【0095】
リッド30は、バッテリ80に加え、そのバッテリ80に対し電気的に接続されたスピーカ91をも、自身の一部として有する。バッテリ80は、スピーカ91の電源として機能する。スピーカ91は、バッテリ80の送電部83から送電される電力により作動し、自身が有する機能を発揮する。ここでは、端末から無線で通信される音源データに対応する音を出力する。
【0096】
従って、第2実施形態によると、上記(1-1)と同様の効果が得られるほか、次の効果も得られる。
(2-1)第2実施形態では、スピーカ91をリッド30に組み込んでいる。スピーカ91にバッテリ80を電気的に接続し、バッテリ80から電力をスピーカ91に供給している。そのため、スマートフォン、パソコン、タブレット端末等の端末から送信される音源データに対応する音を出力させることができる。この効果は、リッド30がボックス本体11に取り付けられた状態でも、ボックス本体11から取り外された状態でも得られる。特に、リッド30をボックス本体11から取り外して車外に持ち出し、端末内に記録されている音楽データ等の音源データを、スピーカ91で出力される音として聴くことができる。
【0097】
なお、上記実施形態は、これを以下のように変更した変更例として実施することもできる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0098】
<第1及び第2実施形態に共通する事項>
・上部開口14が、前後方向よりも左右方向に長い長方形状に形成されてもよい。また、上部開口14の形状が、矩形状であることを条件に、長方形状とは異なる形状に変更されてもよい。さらに、上部開口14の形状が矩形状とは異なる形状に変更されてもよい。
【0099】
・第2半割体39が、第1半割体33と同様の層構造を採ってもよい。すなわち、第2半割体39は、硬質の樹脂材料によって形成された基材と、基材上に積層され、かつ発泡体からなるクッション層と、クッション層上に積層された表皮とを備えてもよい。
【0100】
また、第2半割体39と同様に、第1半割体33の全体が硬質の樹脂材料によって形成されてもよい。
・第1半割体33及び第2半割体39の少なくとも一方が、硬質の樹脂材料によって形成された基材と、基材上に、クッション層を介さずに直接に積層された表皮とを備える層構造を採ってもよい。
【0101】
・凹部40(図12参照)は、第2半割体39に1つのみ設けられてもよいし、複数設けられてもよい。さらには、第2半割体39から凹部40が省略されてもよい。この場合、第1面34及び第2面41の双方が凹部40を有さず、外観が互いに似たものとなるが、第1面34と第2面41とで意匠基調を異ならせてもよい。
【0102】
・一対の回動軸54が、前後方向に代えて左右方向に延びる姿勢で配置されてもよい。
・一対の回動軸54の一方が省略されて、リッド30が片開きするタイプに変更されてもよい。この場合には、省略の対象となった回動軸54に対応するロック機構60も省略の対象となる。
【0103】
・回動軸54では、前後方向における両端部は、リッド本体31をボックス本体11に回動可能に連結するために、同方向へ延びるシャフト状をなす必要がある。従って、回動軸54は、第1実施形態のように、全体がシャフト状をなすものであってもよい。また、回動軸54の前後方向における中間部分については、必ずしもシャフト状をなしていなくてよい。
【0104】
・ロック機構60は、シム70を用いずに、リッド30を、上部開口14を閉塞した状態にロックするものであってもよい。
例えば、各回動軸54が、前後方向に2つの軸部に分割されてもよい。2つの軸部は、円柱状の第1端を有する第1軸部と、円柱状の第2端を有する第2軸部とからなる。第1軸部及び第2軸部は、それらの間に設けられたばねにより、前後方向のうち互いに離れる(遠ざかる)向きに付勢される。
【0105】
一方、ボックス本体11における前後の各支持壁部21には、シム収容部22に代えて、有底円筒状の軸受部が設けられる。各軸受部には、回動軸54毎の上記第1端及び第2端がそれぞれ収容される。各軸受部により、第1端及び第2端がそれぞれ回動可能に支持される。
【0106】
さらに、操作部65と第1軸部及び第2軸部との間には、操作部65の左右方向における内側への移動に連動して、両軸部を前後方向のうち互いに近づく方向へ移動させる連動機構が設けられる。
【0107】
このようにしても、操作部65を押し込み操作することで、軸受部から第1端及び第2端をそれぞれ抜け出させて、回動軸54と支持壁部21(ボックス本体11)との連結状態を解除できる。
【0108】
・一対の操作部65の双方が同時に操作されなくても、ボックス本体11からリッド30を取り外せる構成が採用されてもよい。例えば、一方の操作部65を操作して、対応する回動軸54と支持壁部21との連結状態を解除する。その解除後に、他方の操作部65を操作して、対応する回動軸54と支持壁部21との連結状態を解除する。すると、両回動軸54と支持壁部21との連結状態がともに解除され、リッド30は取り外し可能な状態になる。
【0109】
・操作部65は、左右方向における内側に押し込み操作されるものに限定されず、傾動可能に設けられたレバー型のものであってもよい。この場合、操作部65は、リッド本体31に代えてボックス本体11に設けられてもよい。操作部65と回動軸54との間には、操作部65を傾動させるための力が加えられると、その力を、回動軸54を左右方向における内側に向けて移動させる力に変換する変換機構が設けられる。
【0110】
<第1実施形態に関する事項>
・バッテリ80は、外部電源85から供給される電力を非接触給電により受電して、蓄電部82に蓄える仕様に変更されてもよい。
【0111】
・第1実施形態の構成に加えて、又は代えて、図18及び図19に示すように、送電部83に接続されたUSBコネクタ等のコネクタ105が、リッド本体31の任意の箇所、例えば、支持板部46、側壁部38等に設けられてもよい。蓄電部87を内蔵した電子機器Aが、USBケーブルを介してコネクタ105に接続されてもよい。表現を変えると、バッテリ80から電子機器Aへの電力供給は、USBケーブルを通じて給電する、いわゆるUSB給電によって行われてもよい。そして、電子機器Aに供給された電力によって蓄電部87が蓄電されてもよい。
【0112】
<第2実施形態における電子機器Aに関する事項>
第2実施形態において、スピーカ91とは異なる種類の電子機器Aがリッド本体31に組み込まれてもよい。該当する電子機器Aとしては、例えば、以下に示すライト、モバイルルータ、保温器、保冷器、加湿器、空気清浄機、プロジェクタ、ブルーレイ(Blu-ray:登録商標)ディスクドライブ、ハードディスクプレーヤ、タブレット端末が挙げられる。ただし、これらは例示にすぎず、他の機器が電子機器Aとされてもよい。
【0113】
いずれの電子機器Aも、バッテリ80の送電部83に対し、ケーブル等によって電気的に接続される。いずれの電子機器Aも、送電部83を通じて電力を供給されて、電子機器Aが有する機能を発揮する。
【0114】
・ライトとしては、例えば、LEDを光源とするLEDライトを用いることができる。この場合、ライトは、リッド30がボックス本体11に取り付けられた状態で、周囲を明るくするものであってもよいし、リッド30がボックス本体11から取り外された状態で周囲を明るくするものであってもよい。前者の場合、ライトは、ボックス本体11に取り付けられた状態のリッド本体31のうち、露出する箇所、例えば、リッド本体31の左右の側壁部38等に組み付けられる。後者の場合、ライトの組み込み箇所は特に限定されない。後者の場合、リッド30は、非常用や防災用の懐中電灯として利用することができる。
【0115】
なお、ライトは1つのリッド30につき複数用いられてもよい。この場合、各ライトとして、互いに異なる色の光を照射するものを用い、強さ、色、照射時間等の異なる複数の照射パターンで、各ライトを作動させてもよい。
【0116】
・モバイルルータは、ユーザが持ち運び可能な程度に小型の通信端末である。モバイルルータは、無線LAN通信により、スマートフォン、タブレット端末等の携帯通信端末から、IDカードの端末識別子を取得し、自機が保持するIDカードの端末識別子と照合して、携帯通信端末に対する認証を行う。認証に成功した場合、モバイルルータは、広域通信により携帯通信端末をネットワークに接続する。
【0117】
モバイルルータとしては、例えば、モバイルWi-Fiルータ(Wi-Fi:登録商標)が挙げられる。この場合、車内でWi-Fiを使うことができる。外出先でも外部ネットワークとしてのインターネット網へアクセスできる。また、リッド30をボックス本体11から取り外して車外に持ち出すことで、車外のどこでもいつでもWi-Fiを使うことができる。さらに、1つのモバイルルータを用いることによって、その周囲に位置する複数の携帯通信端末を同時にインターネット網に接続することができる。
【0118】
図18には、弁当92を保温する保温器98がリッド本体31に組み込まれたリッド30が図示されている。弁当92の弁当容器93は、上端開口を有し、かつ食品97が収容される容器本体94と、容器本体94の上端開口に被せられる蓋体95とからなる。図18では、蓋体95が二点鎖線で図示されている。
【0119】
リッド本体31には、第2面41及び第1面34のいずれか一方において開口する凹部96が形成されている。この凹部96は、容器本体94の少なくとも下部を収容し得る大きさ及び形状に形成されている。リッド本体31内において、凹部96の底面96aよりも深い箇所であってその底面96aに近い箇所には、ペルチェ素子を備える保温器98が配置されている。ペルチェ素子は、2種類の金属の接合部に電流を流すと、一方の金属から他方の金属へ熱が移動するというペルチェ効果を利用した板状の半導体素子である。ペルチェ素子に直流電流が流されると、一方の面が吸熱し、反対面に発熱が起こる。電流の極性を逆転させると、吸熱及び発熱の関係が反転する。保温器98は、ペルチェ素子の発熱面を上にした状態でリッド本体31内に組み込まれている。
【0120】
コンビニエンスストア等で温められた状態で購入した弁当92を車室に持ち込んだ場合、車両の運転中等に放置しておくと、弁当92が徐々に冷える。しかし、保温器98のペルチェ素子に通電することで、ペルチェ素子の上面(発熱面)を発熱させる。食品97が収容された容器本体94の少なくとも下部をリッド本体31の凹部96に対し、収容された状態で載置する。すると、保温器98が発した熱が容器本体94を介して、弁当容器93内の食品97に伝わる。従って、車両の運転中にも弁当92を保温できる。
【0121】
また、凹部96内に容器本体94の少なくとも下部を収容した状態で保温するため、保温器98の上方となる位置から弁当92がずれるのを規制することができる。
図19には、カップ101、飲料缶102等、飲料の入った容器(飲料容器B)を保冷する保冷器104が組み込まれたリッド30が図示されている。リッド本体31には、第2面41及び第1面34のいずれか一方において開口する凹部103が形成されている。図19では、それぞれ円形に開口する凹部103が、第2面41又は第1面34において互いに離間する複数箇所に形成されている。各凹部103は、飲料容器Bの少なくとも下部を収容し得る大きさ及び形状に形成されている。
【0122】
リッド本体31内において、凹部103の底面よりも深い箇所であってその底面に近い箇所には、ペルチェ素子を備える保冷器104が配置されている。保冷器104は、ペルチェ素子の吸熱面を上にした状態でリッド本体31内に組み込まれている。
【0123】
上記リッド30は、カップホルダとして機能する。飲料容器Bの少なくとも下部を凹部103内に収容することで、その飲料容器Bを起立させた状態に保持できる。
また、冷えた飲料の入った飲料容器Bを車内に持ち込んで、凹部103に収容した場合、時間の経過とともに飲料の温度が上昇する。しかし、ペルチェ素子に通電することで、ペルチェ素子の上面(吸熱面)を吸熱させる。すると、飲料容器Bの温度上昇が抑制され、飲料を冷えた状態に維持(保冷)できる。
【0124】
なお、ペルチェ素子に流れる電流の向きを変えることで、ペルチェ素子の上面を発熱させてもよい。この場合には、飲料容器Bを保温することができる。また、ペルチェ素子に流れる電流の向きを状況に応じて切り替えることで、ペルチェ素子の上面を発熱させて飲料容器Bを保温したり、吸熱させて飲料容器Bを保冷したりすることができる。
【0125】
・加湿器は、加湿手段により気化、又は霧化された水分を吹出口から放出する機器である。加湿器は、吹出口を露出させた状態でリッド本体31に組み込まれる。
加湿器の加湿方式には、大きく分けて4つの種類がある。スチーム方式、超音波方式、気化方式及びハイブリッド方式である。スチーム方式は、水をヒータで加熱して沸騰させて蒸気にする加湿方式である。超音波方式は、超音波の振動によって水を霧状にして、内蔵のファンで空気中に放出する加湿方式である。気化方式は、水を含ませたフィルタにファンで風を当て、水蒸気を発生させる加湿方式である。ハイブリッド方式は、異なる2種類の加湿方式を組み合わせた方式である。例えば、スチーム方式と気化式とを組み合わせた加湿方式、スチーム方式と超音波方式とを組み合わせた加湿方式等である。いずれの加湿方式の加湿器が電子機器Aとしてリッド本体31に組み込まれてもよい。
【0126】
加湿器を用いることで、車内等、狭い範囲の空気を加湿することで、身の回りの湿度を保つことができる。また、花粉症やウイルス対策にも有効である。これは、1つには、鼻や喉の乾燥を防いで、粘膜のバリア機能の低下を抑制できるからである。バリア機能とは、鼻、喉等の呼吸器の粘膜が、花粉やウイルスといった異物を粘液とともに排除する機能である。そのほかにも、車内を適度な湿度に保つことで、車内に侵入してきた花粉の飛散を抑制できるからである。
【0127】
・空気清浄機は、粒子状物質、花粉、インフルエンザウイルス等を捕集又は除去して、空気を清浄にする機器である。空気清浄機には、イオン発生タイプ、フィルタタイプ及びハイブリッドタイプがある。
【0128】
イオン発生タイプは、イオンを放出し、浮遊している菌を捕捉して分解するタイプである。このタイプは、高い消臭性能を有しており、タバコ、カビ等の臭い(ニオイ)のもととなる浮遊菌を除去する。また、車内に浮遊しているホコリを帯電させて落下させたり、細菌を弱体化させたりする効果も期待できる。フィルタタイプは、空気中に浮遊する物質を空気とともに吸い込んで、フィルタでろ過した後にきれいな空気を放出するタイプである。花粉、PM2.5、アレルゲン物質等の微粒子を捕集することができる。ハイブリッドタイプは、イオン発生タイプとフィルタタイプとを組み合わせたタイプであり、高い空気清浄力と高い消臭力とを有している。いずれのタイプの空気清浄機が電子機器Aとしてリッド本体31に組み込まれてもよい。
【0129】
・プロジェクタ(投影機)は、画像や映像を表示するディスプレイ装置の一種であり、レンズを露出させた状態でリッド本体31に組み込まれる。
この場合、プロジェクタに対しては、無線送信により、間接的に、その他の電子機器、例えば、スマートフォン、タブレット端末等が電気的に接続される。プロジェクタは、スマートフォン等から映像信号を受信し、映像を拡大してスクリーン、壁等に投影する。
【0130】
プロジェクタがリッド本体31に組み込まれたリッド30を、ボックス本体11から取り外して車外に持ち出すことで、いつでもどこでも動画等を鑑賞できるようになる。
・ブルーレイディスクドライブとは、光学ディスクドライブのうち、ブルーレイディスクの再生や記録に対応しているディスクドライブのことである。ブルーレイディスクは、青紫色半導体レーザを用いてデータの読み書きを行う光ディスクの規格である。青紫色レーザは、光の波長が極めて短い。そのため、ブルーレイディスクは、光ディスクの他の規格であるDVDに比べて半分以下のトラックピッチでデータを記録することができ、DVDよりも記憶容量が多い。
【0131】
・ハードディスクプレーヤは、音楽のデジタルデータを記録及び再生できる音響機器であるデジタルオーディオプレーヤの一種であり、記憶装置にハードディスクを用いている。ハードディスクプレーヤは、インターネット網上の音楽配信サービスからダウンロードしたり、CDから取り込んだりした楽曲データを、内蔵のハードディスクに記録し、それを再生する機能を有している。ハードディスクプレーヤには、音楽だけでなく、動画、静止画等の記録及び再生に対応した機器もある。
【0132】
・タブレット端末は、板状のディスプレイ一体型パソコンであり、入出力装置としてタッチパネルを備える携帯情報端末である。タッチパネルは、入力機能と表示機能との双方を備えた電子部品であり、情報の表示、ユーザからの入力の受け付け等を行う。表示機能は、液晶ディスプレイ等の表示装置によって担われる。入力機能は、表示装置の接触面(表面)に対する接触物、例えば、ユーザの指、専用又は一般のペン等の接触を検出するセンサ等によって担われる。接触物の接触の検出方式は、静電方式、抵抗膜方式、又は光学方式等、公知の方式のいずれであってもよい。
【0133】
指、ペン等をタッチパネルに触れて操作を行うことで、ネットブラウザ機能、メール機能等、各種アプリケーションを実行することが可能である。例えば、地図情報、道路情報等をリアルタイムで表示させたり、インターネット網上に存在する情報を、必要に応じ手軽に検索したりすることができる。
【0134】
上述したいずれの例でも、リッド30は、バッテリ80に加え、そのバッテリ80に対し電気的に接続された電子機器Aをも、自身の一部として有する。この場合、バッテリ80は、電子機器Aの電源として機能する。電子機器Aは、バッテリ80の送電部83から送電される電力により作動し、自身が有する機能を発揮する。
【0135】
電子機器Aの種類毎に発揮される機能が異なる。これに伴い、リッド30で実現される機能が、リッド30に組み込まれる電子機器Aの種類に応じて異なる。表現を変えると、リッド30に組み込まれる電子機器Aの種類を工夫することで、リッド30によって様々な機能を実現することができる。
【0136】
なお、上記のように例示した各種電子機器Aは、非接触給電に対応していて、蓄電部82に蓄えられた電力により作動するタイプであれば、第1実施形態における電子機器A(携帯端末86)として用いることができる。
【0137】
<その他の事項>
・ロック機構60によるロックの解除に応じてリッド30をボックス本体11から押し上げる押し上げ機構が追加されてもよい。この場合、ロックを解除することで、押し上げ機構によって、リッド30の一部をボックス本体11から上方へ突出させることができる。
【0138】
片方の操作部65が押し込み操作された場合には、その操作部65に対応する回動軸54と、ボックス本体11との連結状態が解除される。押し込み操作されていない操作部65に対応する回動軸54は、ボックス本体11に連結され続ける。この場合には、リッド30のうち、ボックス本体11から突出した部分を把持することで、連結され続ける回動軸54を中心としてリッド30を容易に回動させて、上部開口14を開放及び閉塞することができる。リッド30の良好な操作性が得られる。
【0139】
また、一対の回動軸54の双方とボックス本体11との連結状態が解除された場合には、リッド30のうち、ボックス本体11から突出した部分を把持することで、ボックス本体11からリッド30を容易に取り外すことができる。
【0140】
また、押し上げ機構を設けると、次の効果も期待できる。それは、一対の操作部65の双方の押し込み操作が解除された後に、再び連結状態となることでリッド30を取り外すことができなくなるといった現象を抑制できることである。
【符号の説明】
【0141】
10…コンソールボックス
11…ボックス本体
14…上部開口
20…収納部
30…リッド
80…バッテリ
82…蓄電部
83…送電部
A…電子機器
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