(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024033714
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】位置検出装置及び位置検出方法
(51)【国際特許分類】
G01N 21/84 20060101AFI20240306BHJP
G03F 7/20 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
G01N21/84 E
G03F7/20 503
G03F7/20 521
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022137477
(22)【出願日】2022-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】000115902
【氏名又は名称】レーザーテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(74)【代理人】
【識別番号】100129953
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 康弘
(72)【発明者】
【氏名】幸山 常仁
(72)【発明者】
【氏名】林田 慧太朗
(72)【発明者】
【氏名】西澤 正泰
【テーマコード(参考)】
2G051
2H197
【Fターム(参考)】
2G051AA51
2G051BA05
2G051BA08
2G051BA10
2G051BC01
2H197GA05
2H197GA24
2H197HA03
(57)【要約】
【課題】ターゲットにおけるプラズマの位置を検出することができる位置検出装置及び位置検出方法を提供する。
【解決手段】本開示に係る位置検出装置1は、ターゲット12に対してレーザ光L1を集光レンズ31で集光させることにより発生させたプラズマ27からEUV光E1ともに生成された可視光V1を集光する可視光光学系30と、可視光光学系30で集光された可視光V1を検出する位置検出センサ40と、位置検出センサ40で検出された可視光V1のスポットの変化からターゲット12におけるプラズマ27の位置の変化を検出する位置検出処理部50と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターゲットに対してレーザ光を集光レンズで集光させることにより発生させたプラズマからEUV光ともに生成された可視光を集光する可視光光学系と、
前記可視光光学系で集光された前記可視光を検出する位置検出センサと、
前記位置検出センサで検出された前記可視光のスポットの変化から前記ターゲットにおける前記プラズマの位置の変化を検出する位置検出処理部と、
を備えた位置検出装置。
【請求項2】
前記位置検出処理部は、検出された前記プラズマの位置の変化に基づいて、前記EUV光を集光するEUV光光学系の光軸を補正するための前記EUV光光学系の光軸の変化を算出する、
請求項1に記載の位置検出装置。
【請求項3】
前記位置検出処理部は、前記位置検出センサで検出された前記可視光のスポットの位置から、前記集光レンズの光軸方向における前記プラズマの位置の変化、及び、前記集光レンズの光軸に直交する方向における前記プラズマの位置の変化を検出する、
請求項1または2に記載の位置検出装置。
【請求項4】
前記位置検出処理部は、前記位置検出センサで検出された前記可視光のスポットの大きさから、前記集光レンズの光軸方向における前記プラズマの位置の変化を検出する、
請求項1または2に記載の位置検出装置。
【請求項5】
前記位置検出センサと前記可視光光学系との間に配置され、前記可視光の断面における前記集光レンズの光軸を含む中央部分を、前記位置検出センサに対して遮蔽する遮蔽板をさらに備え、
前記位置検出処理部は、前記位置検出センサで検出された環状の前記スポットの大きさから、前記集光レンズの光軸方向における前記プラズマの位置の変化を検出する、
請求項4に記載の位置検出装置。
【請求項6】
前記位置検出処理部は、前記位置検出センサで検出された前記環状の前記スポットの位置から、前記集光レンズの光軸に直交する方向における前記プラズマの位置の変化を検出する、
請求項5に記載の位置検出装置。
【請求項7】
前記遮蔽板は、前記中央部分を反射するミラーを有し、
前記中央部分を検出する別の位置検出センサをさらに備え、
前記位置検出処理部は、前記別の位置検出センサで検出された前記スポットの位置から、前記集光レンズの光軸に直交する方向における前記プラズマの位置の変化を検出する、
請求項5に記載の位置検出装置。
【請求項8】
前記位置検出処理部は、検出された前記プラズマの位置の変化に基づいて、前記レーザ光の光軸を補正するための前記レーザ光の光軸の変化を算出する、
請求項1または2に記載の位置検出装置。
【請求項9】
ターゲットに対してレーザ光を集光レンズで集光させることにより発生させたプラズマからEUV光ともに生成された可視光を可視光光学系によって集光するステップと、
前記可視光光学系で集光された前記可視光を位置検出センサによって検出するステップと、
前記位置検出センサで検出された前記可視光のスポットの変化から前記ターゲットにおける前記プラズマの位置の変化を位置検出処理部によって検出するステップと、
を備えた位置検出方法。
【請求項10】
前記位置検出処理部によって検出された前記プラズマの位置の変化に基づいて、前記EUV光を集光するEUV光光学系の光軸を補正するための前記EUV光光学系の光軸の変化を算出するステップをさらに備えた、
請求項9に記載の位置検出方法。
【請求項11】
前記位置検出処理部によって検出するステップにおいて、
前記位置検出センサで検出された前記可視光のスポットの位置から、前記集光レンズの光軸方向における前記プラズマの位置の変化、及び、前記集光レンズの光軸に直交する方向における前記プラズマの位置の変化を検出する、
請求項9または10に記載の位置検出方法。
【請求項12】
前記位置検出処理部によって検出するステップにおいて、
前記位置検出センサで検出された前記可視光のスポットの大きさから、前記集光レンズの光軸方向における前記プラズマの位置の変化を検出する、
請求項9または10に記載の位置検出方法。
【請求項13】
前記位置検出センサと前記可視光光学系との間に配置され、前記可視光の断面における前記集光レンズの光軸を含む中央部分を、前記位置検出センサに対して遮蔽板によって遮蔽するステップをさらに備え、
前記位置検出処理部によって検出するステップにおいて、
前記位置検出センサで検出された環状の前記スポットの大きさから、前記集光レンズの光軸方向における前記プラズマの位置の変化を検出する、
請求項12に記載の位置検出方法。
【請求項14】
前記位置検出処理部によって検出するステップにおいて、
前記位置検出センサで検出された前記環状の前記スポットの位置から、前記集光レンズの光軸に直交する方向における前記プラズマの位置の変化を検出する、
請求項13に記載の位置検出方法。
【請求項15】
前記遮蔽板は、前記中央部分を反射するミラーを有し、
前記中央部分を別の位置検出センサによって検出するステップをさらに備え、
前記位置検出処理部によって検出するステップにおいて、
前記別の位置検出センサで検出された前記スポットの位置から、前記集光レンズの光軸に直交する方向における前記プラズマの位置の変化を検出する、
請求項13に記載の位置検出方法。
【請求項16】
前記位置検出処理部によって検出された前記プラズマの位置の変化に基づいて、前記レーザ光の光軸を補正するための前記レーザ光の光軸の変化を算出するステップをさらに備えた、
請求項9または10に記載の位置検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、例えば、EUV(Extreem Ultra Violet)光源において、レーザ光を照射することにより、ターゲットに発生したプラズマの位置検出装置及び位置検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1~3には、スズ(Sn)等のターゲットに、IR(Infra Red)レーザ光を照射することにより、ターゲットを励起させ、発生したプラズマからEUV光を発光させる光源が記載されている。光源から取り出したEUV光は、半導体基板の検査装置及び露光装置等に利用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-001924号公報
【特許文献2】特開2014-086523号公報
【特許文献3】特開2011-003887号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ターゲットへのIRレーザ光の照射に際し、ターゲットの位置が変化すると、発生するEUV光の光軸が変化し、検査装置及び露光装置等の装置側に取り出したEUV光の光軸も変化する。EUV光の光軸を安定化させるためには、ターゲットの位置の変化を検出することが必要である。
【0005】
本開示の目的は、このような問題を解決するためになされたものであり、ターゲットにおけるプラズマの位置を検出することができる位置検出装置及び位置検出方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る位置検出装置は、ターゲットに対してレーザ光を集光レンズで集光させることにより発生させたプラズマからEUV光ともに生成された可視光を集光する可視光光学系と、前記可視光光学系で集光された前記可視光を検出する位置検出センサと、前記位置検出センサで検出された前記可視光のスポットの変化から前記ターゲットにおける前記プラズマの位置の変化を検出する位置検出処理部と、を備える。
【0007】
上記位置検出装置では、前記位置検出処理部は、検出された前記プラズマの位置の変化に基づいて、前記EUV光を集光するEUV光光学系の光軸を補正するための前記EUV光光学系の光軸の変化を算出してもよい。
【0008】
上記位置検出装置では、前記位置検出処理部は、前記位置検出センサで検出された前記可視光のスポットの位置から、前記集光レンズの光軸方向における前記プラズマの位置の変化、及び、前記集光レンズの光軸に直交する方向における前記プラズマの位置の変化を検出してもよい。
【0009】
上記位置検出装置では、前記位置検出処理部は、前記位置検出センサで検出された前記可視光のスポットの大きさから、前記集光レンズの光軸方向における前記プラズマの位置の変化を検出してもよい。
【0010】
上記位置検出装置では、前記位置検出センサと前記可視光光学系との間に配置され、前記可視光の断面における前記集光レンズの光軸を含む中央部分を、前記位置検出センサに対して遮蔽する遮蔽板をさらに備え、前記位置検出処理部は、前記位置検出センサで検出された環状の前記スポットの大きさから、前記集光レンズの光軸方向における前記プラズマの位置の変化を検出してもよい。
【0011】
上記位置検出装置では、前記位置検出処理部は、前記位置検出センサで検出された前記環状の前記スポットの位置から、前記集光レンズの光軸に直交する方向における前記プラズマの位置の変化を検出してもよい。
【0012】
上記位置検出装置では、前記遮蔽板は、前記中央部分を反射するミラーを有し、前記中央部分を検出する別の位置検出センサをさらに備え、前記位置検出処理部は、前記別の位置検出センサで検出された前記スポットの位置から、前記集光レンズの光軸に直交する方向における前記プラズマの位置の変化を検出してもよい。
【0013】
上記位置検出装置では、前記位置検出処理部は、検出された前記プラズマの位置の変化に基づいて、前記レーザ光の光軸を補正するための前記レーザ光の光軸の変化を算出してもよい。
【0014】
本開示に係る位置検出方法は、ターゲットに対してレーザ光を集光レンズで集光させることにより発生させたプラズマからEUV光ともに生成された可視光を可視光光学系によって集光するステップと、前記可視光光学系で集光された前記可視光を位置検出センサによって検出するステップと、前記位置検出センサで検出された前記可視光のスポットの変化から前記ターゲットにおける前記プラズマの位置の変化を位置検出処理部によって検出するステップと、を備える。
【0015】
上記位置検出方法では、前記位置検出処理部によって検出された前記プラズマの位置の変化に基づいて、前記EUV光を集光するEUV光光学系の光軸を補正するための前記EUV光光学系の光軸の変化を算出するステップをさらに備えてもよい。
【0016】
上記位置検出方法では、前記位置検出処理部によって検出するステップにおいて、
前記位置検出センサで検出された前記可視光のスポットの位置から、前記集光レンズの光軸方向における前記プラズマの位置の変化、及び、前記集光レンズの光軸に直交する方向における前記プラズマの位置の変化を検出してもよい。
【0017】
上記位置検出方法では、前記位置検出処理部によって検出するステップにおいて、
前記位置検出センサで検出された前記可視光のスポットの大きさから、前記集光レンズの光軸方向における前記プラズマの位置の変化を検出してもよい。
【0018】
上記位置検出方法では、前記位置検出センサと前記可視光光学系との間に配置され、前記可視光の断面における前記集光レンズの光軸を含む中央部分を、前記位置検出センサに対して遮蔽板によって遮蔽するステップをさらに備え、前記位置検出処理部によって検出するステップにおいて、前記位置検出センサで検出された環状の前記スポットの大きさから、前記集光レンズの光軸方向における前記プラズマの位置の変化を検出してもよい。
【0019】
上記位置検出方法では、前記位置検出処理部によって検出するステップにおいて、
前記位置検出センサで検出された前記環状の前記スポットの位置から、前記集光レンズの光軸に直交する方向における前記プラズマの位置の変化を検出してもよい。
【0020】
上記位置検出方法では、前記遮蔽板は、前記中央部分を反射するミラーを有し、前記中央部分を別の位置検出センサによって検出するステップをさらに備え、前記位置検出処理部によって検出するステップにおいて、前記別の位置検出センサで検出された前記スポットの位置から、前記集光レンズの光軸に直交する方向における前記プラズマの位置の変化を検出してもよい。
【0021】
上記位置検出方法では、前記位置検出処理部によって検出された前記プラズマの位置の変化に基づいて、前記レーザ光の光軸を補正するための前記レーザ光の光軸の変化を算出するステップをさらに備えてもよい。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、ターゲットにおけるプラズマの位置を検出することができる位置検出装置及び位置検出方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】実施形態1に係る光源を例示した断面図である。
【
図2】実施形態1に係る光源の容器を例示した斜視図である。
【
図3】実施形態1に係る位置検出装置を例示した構成図である。
【
図4】実施形態1に係る位置検出装置において、ターゲットにおけるプラズマの位置がZ軸方向に変化した場合の可視光を例示した構成図である。
【
図5】実施形態1に係る位置検出装置において、ターゲットにおけるプラズマの位置が変化した場合の変化前及び変化後に位置検出センサが検出した可視光のスポットを例示した図である。
【
図6】実施形態1に係る位置検出装置において、ターゲットにおけるプラズマの位置がX軸方向及びY軸方向の少なくともいずれかに変化した場合の可視光を例示した構成図である。
【
図7】実施形態1に係る位置検出装置において、位置検出処理部を例示したブロック図である。
【
図8】実施形態1に係る位置検出方法を例示したフローチャート図である。
【
図9】実施形態2に係る位置検出装置を例示した構成図である。
【
図10】実施形態2に係る位置検出装置において、ターゲットにおけるプラズマの位置がZ軸方向に変化した場合の可視光を例示した構成図である。
【
図11】実施形態2に係る位置検出装置において、ターゲットにおけるプラズマの位置が変化した場合の変化前及び変化後に位置検出センサが検出した可視光のスポットを例示した図である。
【
図12】実施形態2に係る位置検出装置において、ターゲットにおけるプラズマの位置がX軸方向及びY軸方向の少なくともいずれかに変化した場合の可視光を例示した構成図である。
【
図13】実施形態3に係る位置検出装置を例示した構成図である。
【
図14】実施形態3に係る位置検出装置において、ターゲットにおけるプラズマの位置がZ軸方向に変化した場合の可視光を例示した構成図である。
【
図15】実施形態3に係る位置検出装置において、ターゲットにおけるプラズマの位置が変化した場合の変化前及び変化後に位置検出センサが検出した可視光のスポットを例示した図である。
【
図16】実施形態3に係る位置検出装置において、ターゲットにおけるプラズマの位置がX軸方向及びY軸方向の少なくともいずれかに変化した場合の可視光を例示した構成図である。
【
図17】実施形態3に係る位置検出装置において、遮蔽板がある場合に位置検出センサが検出した可視光のスポットを例示した図である。
【
図18】実施形態3に係る位置検出装置において、遮蔽板がない場合に位置検出センサが検出した可視光のスポットを例示した図である。
【
図19】実施形態4に係る位置検出装置を例示した構成図である。
【
図20】実施形態4に係る位置検出装置において、ターゲットにおけるプラズマの位置がZ軸方向に変化した場合の可視光を例示した構成図である。
【
図21】実施形態4に係る位置検出装置において、ターゲットにおけるプラズマの位置が変化した場合の変化前及び変化後に位置検出センサが検出した可視光のスポットを例示した図である。
【
図22】実施形態4に係る位置検出装置において、ターゲットにおけるプラズマの位置がX軸方向及びY軸方向の少なくともいずれかに変化した場合の可視光V1を例示した構成図である。
【
図23】実施形態5に係る位置検出装置を例示した構成図である。
【
図24】実施形態5に係る位置検出装置において、レーザ光のポインティングが変化することにより、ターゲットにおけるプラズマの位置が変化した場合の変化前及び変化後に位置検出センサが検出した可視光V1のスポットを例示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本実施形態の具体的構成について図面を参照して説明する。以下の説明は、本開示の好適な実施の形態を示すものであって、本開示の範囲が以下の実施の形態に限定されるものではない。以下の説明において、同一の符号が付されたものは実質的に同様の内容を示している。
【0025】
(実施形態1)
実施形態1に係る位置検出装置を説明する。本実施形態の位置検出装置は、例えば、EUV光を生成させる光源のターゲットの位置を検出する。光源は、スズ等のターゲットに、IR光を含むレーザ光を照射することにより、ターゲットを励起させ、発生させたプラズマからEUV光を生成させる。光源は、例えば、検査装置における検査対象を照明する照明光の光源である。また、光源は、露光装置における露光光の光源に用いられてもよい。光源の一例として、容器に保持した溶融金属をターゲットとする例を説明する。なお、光源は、容器に保持した溶融金属をターゲットとするものに限らず、レーザ光の照射によりプラズマを発生する固体金属、液滴等をターゲットとしたものでもよい。以下では、まず、<光源>について説明し、その後、<位置検出装置の構成>を説明する。
【0026】
<光源>
図1は、実施形態1に係る光源を例示した断面図である。
図2は、実施形態1に係る光源の容器を例示した斜視図である。
図1及び
図2に示すように、光源10は、容器11を備えている。容器11は、例えば、坩堝であり、内部で、金属を溶融させることができる。容器11は、レーザ光L1の照射によりプラズマを発生させる溶融金属等のターゲット12を保持する。ターゲット12は、例えば、容器11に保持された溶融金属である。なお、ターゲット12は、容器11に保持された溶融金属に限らず、レーザ光L1の照射によりプラズマを発生する物質であれば、固体金属、液滴等でもよい。溶融金属は、例えば、スズ(Sn)、または、リチウム(Li)等が溶融したものであるが、レーザ光L1の照射によりプラズマを発生するものであれば、スズ、リチウムに限らない。
【0027】
容器11は、回転軸R1を有し、回転軸R1を中心にして回転する。容器11は、例えば、一方の開口部が閉じた円筒形状である。容器11の閉じた部分を底部13という。容器11の円筒状の部分を円筒部14という。容器11の回転軸R1は、例えば、鉛直方向に延びている。底部13の内側の面を底面15という。円筒部14の内側の面を内周面16という。底部13と円筒部14との接合部分には溝17が形成されてもよい。
【0028】
回転軸R1を囲むように形成された内周面16は、回転軸R1との距離が一定の円筒状の部分を含んでもよいし、上方ほど外側に拡がったすり鉢状の部分を含んでもよい。例えば、内周面16のすり鉢状の部分は溝17に接続されている。
【0029】
光源10は、容器11の他、ヒータ18、ミラー19、デブリシールド20、凹面鏡21を備えてもよい。ヒータ18の加熱によって、容器11内に、溶融金属等のターゲット12を形成することができる。ミラー19は、生成されたEUV光E1を反射する。EUV光E1は、レーザ光L1がターゲット12に照射されることにより発生したプラズマから生成される。デブリシールド20は、ターゲット12を覆うように開口部22に配置されている。凹面鏡21は、ミラー19で反射したEUV光E1を反射し、EUV光E1を検査装置等の装置に導く。
【0030】
光源10は、レーザ光L1を生成する励起用レーザを備えてもよいし、光源10の外部に設置した励起用レーザからのレーザ光L1を導入して、ターゲット12を照射するようにしてもよい。レーザ光L1は、例えば、IRレーザ光である。レーザ光L1は、集光レンズ31によって集光され、ターゲット12照射する。
【0031】
<位置検出装置の構成>
次に、本実施形態の位置検出装置を説明する。
図3は、実施形態1に係る位置検出装置を例示した構成図である。
図3に示すように、位置検出装置1は、可視光光学系30、位置検出センサ40及び位置検出処理部50を備えている。
【0032】
レーザ光L1は、例えば、ミラー23~26を介して、集光レンズ31に入射する。集光レンズ31は、レーザ光L1をターゲット12に集光する。ターゲット12は、レーザ光L1の照射により、励起される。これにより、ターゲット12は、プラズマ27を発生し、EUV光E1を生成する。生成されたEUV光E1は、検査装置等の装置側に取り出される。プラズマ27からは、EUV光E1とともに可視光V1も生成される。このように、ターゲット12に対してレーザ光L1を集光レンズ31で集光させることにより発生されたプラズマ27からEUV光E1とともに可視光V1が生成される。
【0033】
ここで、位置検出装置1の説明の便宜のために、XYZ直交座標軸系を導入する。例えば、ターゲット12に対してレーザ光L1を集光する集光レンズ31の光軸をZ軸方向とし、集光レンズ31の光軸に直交する2つの方向をX軸方向及びY軸方向とする。
【0034】
可視光光学系30は、EUV光E1とともに生成された可視光V1を集光する。可視光光学系30は、集光レンズ31及びレンズ32を含んでいる。可視光光学系30は、これら以外の光学部材を含んでもよい。集光レンズ31は、ターゲット12に対向した位置に配置されている。例えば、集光レンズ31は、ターゲット12の+Z軸方向に配置されている。集光レンズ31は、ターゲット12から生成された可視光V1を集光する。集光レンズ31は、レーザL1を集光してターゲット12へ照射するレンズと共用してもよい。この場合には、集光レンズ31は、レーザ光L1をターゲット12に集光するとともに、レーザ光L1を照射することにより生成された可視光V1を透過させる。
【0035】
レーザ光L1は、集光レンズ31の光軸を含む中央部分を透過してターゲット12に集光される。ターゲット12におけるプラズマ27から生成された可視光V1は、集光レンズ31の光軸を含まない周辺部分を透過する。集光レンズ31を透過した可視光V1は、レンズ32に入射する。レンズ32は、可視光V1を位置検出センサ40上に集光する。
【0036】
位置検出センサ40は、可視光光学系30で集光された可視光V1を検出する。位置検出センサ40は、可視光V1のスポットを画像として検出してもよい。位置検出センサ40は、検出した可視光V1のスポットの画像等の情報を位置検出処理部50に出力する。位置検出処理部50は、位置検出センサ40で検出された可視光V1のスポットの変化からターゲット12におけるプラズマ27の位置の変化を検出する。
【0037】
<可視光V1が集光レンズ31の周辺部分を透過.Z軸方向の位置の変化>
図4は、実施形態1に係る位置検出装置1において、ターゲット12におけるプラズマ27の位置がZ軸方向に変化した場合の可視光V1を例示した構成図である。
図4に示すように、例えば、ターゲット12にZ軸方向の位置の変化があると、ターゲット12において発生するプラズマ27の位置もZ軸方向に変化する。そうすると、プラズマ27から生成されるEUV光E1の光軸が変化し、検査装置等の装置におけるEUV光E1の光軸が変化する。これにより、検査装置等の装置に不具合を引き起こす。
【0038】
ターゲット12において発生するプラズマ27の位置が変化すると、可視光V1の光軸も変化する。可視光光学系30は、生成された可視光V1を取り出し、光テコの方法を用いて、ターゲット12の位置の変化を検出する構成を有している。具体的には、可視光V1は、集光レンズ31の周辺部分を透過し、レンズ32によって位置検出センサ40に集光される。位置検出センサ40は、可視光V1をスポットとして検出する。
【0039】
図5は、実施形態1に係る位置検出装置1において、ターゲット12におけるプラズマ27の位置が変化した場合の変化前及び変化後に位置検出センサ40が検出した可視光V1のスポットを例示した図である。
図5において、NO.1-Aは、集光レンズ31の焦点深度D以下のZ軸方向におけるプラズマ27の位置の変化ΔZを示し、NO.1-Bは、集光レンズ31の焦点深度Dよりも大きいZ軸方向におけるプラズマ27の位置の変化ΔZを示す。NO.1-Cは、X軸方向及びY軸方向の少なくともいずれかにおけるプラズマ27の位置の変化ΔXΔYを示し、NO.1-Dは、集光レンズ31の焦点深度D以下のZ軸方向におけるプラズマ27の位置の変化ΔZ並びにX軸方向及びY軸方向の少なくともいずれかにおけるプラズマ27の位置の変化ΔXΔYを示す。NO.1-Eは、集光レンズ31の焦点深度Dよりも大きいZ軸方向におけるプラズマ27の位置の変化ΔZ並びにX軸方向及びY軸方向の少なくともいずれかにおけるプラズマ27の位置の変化ΔXΔYを示す。
【0040】
NO.1-A及びNO.1-Bに示すように、本実施形態において、ターゲット12におけるプラズマ27のZ軸方向の位置の変化ΔZは、焦点深度Dとの関係で、異なる状態で位置検出センサ40に検出される。
【0041】
まず、
図5のNO.1-Aに示すように、ターゲット12におけるプラズマ27のZ軸方向の位置の変化ΔZが焦点深度D以下の場合には、位置の変化ΔZは、変化前及び変化後において、可視光V1のスポットの大きさ、すなわち、スポットのボケに影響しない。よって、スポットの大きさは変化しない。しかしながら、可視光V1は、集光レンズ31の周辺部分を透過する。よって、位置検出センサ40は、Z軸方向の位置の変化ΔZを可視光V1のスポットの位置の変化として検出する。
【0042】
次に、
図5のNO.1-Bに示すように、ターゲット12におけるプラズマ27のZ軸方向の位置の変化ΔZが焦点深度Dよりも大きい場合には、位置の変化ΔZは、変化前及び変化後において、スポットの大きさ、すなわち、スポットのボケに影響する。よって、スポットの大きさは変化する。また、可視光V1は、集光レンズ31の周辺部分を透過する。よって、位置検出センサ40は、Z軸方向の位置の変化ΔZを可視光V1のスポットの位置の変化として検出する。
【0043】
このように、可視光V1を集光レンズ31の周辺部分を透過させた場合には、位置検出センサ40は、焦点深度Dにかかわらず、集光レンズ31の光軸方向におけるプラズマ27の位置の変化ΔZを、可視光V1のスポットの位置の変化として検出する。また、Z軸方向の位置の変化ΔZが焦点深度Dよりも大きい場合には、位置検出センサ40は、集光レンズ31の光軸方向におけるプラズマ27の位置の変化ΔZを、可視光V1のスポットの大きさの変化として検出する。
【0044】
<可視光がレンズの周辺部分を透過.X軸及びY軸方向の位置の変化>
図6は、実施形態1に係る位置検出装置1において、ターゲット12におけるプラズマ27の位置がX軸方向及びY軸方向の少なくともいずれかに変化した場合の可視光V1を例示した構成図である。
図6に示すように、例えば、レーザ光L1のポインティング、すなわち、レーザ光L1の集光位置が変化した場合には、ターゲット12におけるプラズマ27の位置は、X軸方向及びY軸方向の少なくともいずれかに変化する。位置検出センサ40は、X軸方向及びY軸方向におけるプラズマ27の位置の変化ΔXΔYを、可視光V1のスポットの位置の変化として検出する。
【0045】
図5のNO.1-Cに示すように、位置検出センサ40は、ターゲット12におけるプラズマ27のX軸方向及びY軸方向の少なくともいずれかの位置の変化ΔXΔYを、可視光V1のスポットの位置の変化として検出する。なお、位置検出センサ40は、位置の変化ΔXΔYを、可視光V1のスポットの大きさの変化として検出することは困難である。
【0046】
<可視光がレンズの周辺部分を透過.X軸Y軸Z軸方向の位置の変化>
図5のNO.1-D及びNO.1-Eに示すように、ターゲット12におけるプラズマ27のZ軸方向の位置の変化ΔZが焦点深度D以下の場合には、位置検出センサ40は、位置の変化ΔZをスポットの大きさの変化として検出することは困難である。これに対して、位置の変化ΔZが焦点深度Dよりも大きい場合には、位置検出センサ40は、位置の変化ΔZをスポットの大きさの変化として検出する。
【0047】
一方、NO.1-D及びNO.1-Eに示すように、位置検出センサ40は、ターゲット12におけるプラズマ27の位置の変化ΔXΔYを、可視光V1のスポットの位置の変化として検出する。
【0048】
位置検出処理部50は、位置検出センサ40で検出された可視光V1のスポットの位置から、集光レンズ31の光軸方向におけるプラズマ27の位置の変化、及び、集光レンズ31の光軸に直交する方向におけるプラズマ27の位置の変化を検出する。また、位置検出処理部50は、位置検出センサ40で検出された可視光V1のスポットの大きさから、集光レンズ31の光軸方向におけるプラズマ27の位置の変化を検出する。位置検出処理部50は、検出されたターゲット12におけるプラズマ27の位置の変化に基づいて、EUV光を集光するEUV光光学系の光軸を補正するためのEUV光光学系の光軸の変化を算出してもよい。位置検出処理部50は、例えば、あらかじめ、プラズマ27の位置の変化とEUV光光学系の光軸の変化とを対応付けてもよい。位置検出処理部50は、例えば、サーバ装置、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置でもよい。
【0049】
図7は、実施形態1に係る位置検出装置1において、位置検出処理部50を例示したブロック図である。
図7に示すように、位置検出処理部50は、制御部51、通信部52、記憶部53及びインターフェース部54を有している。制御部51、通信部52、記憶部53及びインターフェース部54は、それぞれ、制御手段、通信手段、記憶手段及びインターフェース手段としての機能を有している。
【0050】
制御部51は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、ECU(Electronic Control Unit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のプロセッサを含む。制御部51は、位置検出処理及び演算処理等を行う演算装置としての機能を有する。また、制御部51は、通信部52、記憶部53、インターフェース部54及び各装置の機能を実行するための各構成要素の動作を制御する。
【0051】
情報処理装置の各構成要素は、例えば、制御部51の制御によって、プログラムを実行させることによって実現できる。より具体的には、各構成要素は、記憶部53に格納されたプログラムを、制御部51が実行することによって実現され得る。また、必要なプログラムを任意の不揮発性記録媒体に記録しておき、必要に応じてインストールすることで、各構成要素を実現するようにしてもよい。また、各構成要素は、プログラムによるソフトウェアで実現することに限ることなく、ハードウェア、ファームウェア、及びソフトウェアのうちのいずれかの組み合わせ等により実現してもよい。
【0052】
通信部52は、位置検出処理部50が位置検出処理を行う上で必要な通信を行う。記憶部53は、例えば、ROM(Read Only Memory)、又はRAM(Random Access Memory)等である。記憶部53は、制御部51によって実行される制御プログラム及び演算プログラム等を記憶するための機能を有する。また、記憶部53は、位置検出センサ40が検出した画像データ等を一時的に記憶するための機能を有する。
【0053】
インターフェース部54は、例えば、ユーザインターフェース(User Interface)である。インターフェース部54は、キーボード、タッチパネル又はマウス等の入力手段と、ディスプレイ又はスピーカ等の出力手段とに接続されている。インターフェース部は、ユーザ(オペレータ等)によるデータの入力の操作を受け付け、ユーザに対して情報を出力する。
【0054】
次に、本実施形態の位置検出方法を説明する。
図8は、実施形態1に係る位置検出方法を例示したフローチャート図である。
図8のステップS11に示すように、本実施形態の位置検出方法は、まず、ターゲット12におけるプラズマ27からEUV光E1とともに生成された可視光V1を集光する。具体的には、ターゲット12に対してレーザ光L1を集光レンズ31で集光させる。これにより発生させたプラズマ27からEUV光EVともに生成された可視光V1を可視光光学系30によって集光する。
【0055】
次に、ステップS12に示すように、可視光光学系30で集光された可視光V1を位置検出センサ40で検出する。
【0056】
次に、ステップS13に示すように、位置検出センサ40で検出された可視光V1のスポットの変化からターゲット12におけるプラズマ27の位置の変化を位置検出処理部50で検出する。
【0057】
プラズマ27の位置の変化を位置検出処理部50によって検出する際に、位置検出センサ40で検出された可視光V1のスポットの位置から、集光レンズ31の光軸方向におけるプラズマ27の位置の変化、及び、集光レンズ31の光軸に直交する方向におけるプラズマ27の位置の変化を検出してもよい。また、プラズマ27の位置の変化を位置検出処理部50によって検出する際に、位置検出センサ40で検出された可視光V1のスポットの大きさから、集光レンズ31の光軸方向におけるプラズマ27の位置の変化を検出してもよい。
【0058】
なお、プラズマ27の位置の変化を位置検出処理部50で検出した後に、位置検出処理部50によって検出されたターゲット12におけるプラズマ27の位置の変化に基づいて、EUV光E1を集光するEUV光光学系の光軸を補正するためのEUV光光学系の光軸の変化を算出してもよい。
【0059】
次に、本実施形態の効果を説明する。本実施形態の位置検出装置1では、プラズマ27からEUV光E1とともに生成された可視光V1を集光レンズ31の周辺部分に透過させている。よって、位置検出センサ40における可視光V1のスポットの位置から、集光レンズ31の光軸方向におけるプラズマ27の位置の変化ΔZ、及び、集光レンズ31の光軸に直交する方向におけるプラズマ27の位置の変化ΔXΔYを検出することができる。
【0060】
また、ターゲット12におけるプラズマ27のZ軸方向の位置の変化ΔZが集光レンズ31の焦点深度Dよりも大きい場合には、可視光V1のスポットの大きさから、集光レンズ31の光軸方向におけるプラズマ27の位置の変化ΔZを検出することができる。
【0061】
さらに、ターゲット12におけるプラズマ27の位置の変化ΔXΔY及びΔZを検出することができるので、EUV光E1を用いる検査装置等におけるEUV光E1の光軸を補正することができる。
【0062】
(実施形態2)
次に、実施形態2に係る位置検出装置を説明する。本実施形態の位置検出装置は、可視光V1が集光レンズ31の光軸を含む中央部分を透過する。
図9は、実施形態2に係る位置検出装置を例示した構成図である。
【0063】
図9に示すように、本実施形態に係る位置検出装置2は、可視光光学系30、位置検出センサ40及び位置検出処理部50を備えている。可視光光学系30は、集光レンズ31及びレンズ33を含んでいる。集光レンズ31及びレンズ33の光軸は一致している。本実施形態において、可視光V1は、集光レンズ31の光軸を含む中央部分を透過する。集光レンズ31を透過した可視光V1は、レンズ33に入射する。可視光V1は、レンズ33の光軸を含む中央部分を透過する。レンズ33は、可視光V1を位置検出センサ40上に集光する。
【0064】
<可視光がレンズの中央部分を透過.Z軸方向の位置の変化>
図10は、実施形態2に係る位置検出装置2において、ターゲット12におけるプラズマ27の位置がZ軸方向に変化した場合の可視光V1を例示した構成図である。
図10に示すように、ターゲット12において発生するプラズマ27の位置が変化すると、可視光V1の光軸も変化する。可視光V1は、集光レンズ31の中央部分を透過し、レンズ33によって位置検出センサ40に集光される。位置検出センサ40は、可視光V1をスポットとして検出する。
【0065】
図11は、実施形態2に係る位置検出装置2において、ターゲット12におけるプラズマ27の位置が変化した場合の変化前及び変化後に位置検出センサ40が検出した可視光V1のスポットを例示した図である。
図11におけるNO.2-A、NO.2-B、NO.2-C、NO.2-D及びNO.2-Eは、
図5におけるNO.1-A、NO.1-B、NO.1-C、NO.1-D及びNO.1-Eの条件と同様である。
【0066】
図11のNO.2-Aに示すように、ターゲット12におけるプラズマ27のZ軸方向の位置の変化ΔZが焦点深度D以下の場合には、位置の変化ΔZは、変化前及び変化後において、可視光V1のスポットの大きさ、すなわち、スポットのボケに影響しない。よって、スポットの大きさは変化しない。また、可視光V1は、集光レンズ31の中央部分を透過する。よって、位置検出センサ40において、スポットの位置は変化しない。
【0067】
次に、
図5のNO.2-Bに示すように、ターゲット12におけるプラズマ27のZ軸方向の位置の変化ΔZが焦点深度Dよりも大きい場合には、位置の変化ΔZは、変化前及び変化後において、スポットの大きさ、すなわち、スポットのボケに影響する。よって、スポットの大きさは変化する。また、可視光V1は、集光レンズ31の中央部分を透過する。よって、位置検出センサ40において、スポットの位置は変化しない。
【0068】
このように、可視光V1を集光レンズ31の中央部分を透過させた場合には、位置検出センサ40は、焦点深度Dにかかわらず、集光レンズ31の光軸方向におけるプラズマ27の位置の変化ΔZを、可視光V1のスポットの位置の変化として検出することは困難である。一方、Z軸方向の位置の変化ΔZが焦点深度Dよりも大きい場合には、位置検出センサ40は、集光レンズ31の光軸方向におけるプラズマ27の位置の変化ΔZを、可視光V1のスポットの大きさの変化として検出する。
【0069】
<可視光がレンズの中央部分を透過.X軸及びY軸方向の位置の変化>
図12は、実施形態2に係る位置検出装置2において、ターゲット12におけるプラズマ27の位置がX軸方向及びY軸方向の少なくともいずれかに変化した場合の可視光V1を例示した構成図である。
図12に示すように、レーザ光L1のポインティング、すなわち、レーザ光L1の集光位置が変化した場合には、ターゲット12におけるプラズマ27の位置は、X軸方向及びY軸方向の少なくともいずれかに変化する。位置検出センサ40は、X軸方向及びY軸方向におけるプラズマ27の位置の変化ΔXΔYを、可視光V1のスポットの位置の変化として検出する。
【0070】
図11のNO.2-Cに示すように、位置検出センサ40は、ターゲット12におけるプラズマ27のX軸方向及びY軸方向の少なくともいずれかの位置の変化ΔXΔYを、可視光V1のスポットの位置の変化として検出する。なお、位置検出センサ40は、位置の変化ΔXΔYを、可視光V1のスポットの大きさの変化として検出することは困難である。
【0071】
<可視光がレンズの中央部分を透過.X軸Y軸Z軸方向の位置の変化>
図11のNO.2-D及びNO.2-Eに示すように、ターゲット12におけるプラズマ27のZ軸方向の位置の変化ΔZが焦点深度D以下の場合には、位置検出センサ40は、位置の変化ΔZをスポットの大きさの変化として検出することはできない。これに対して、位置の変化ΔZが焦点深度Dよりも大きい場合には、位置検出センサ40は、位置の変化ΔZをスポットの大きさの変化として検出する。
【0072】
一方、NO.2-D及びNO.2-Eに示すように、位置検出センサ40は、ターゲット12におけるプラズマ27の位置の変化ΔXΔYを、可視光V1のスポットの中心位置の変化として検出する。
【0073】
位置検出処理部50は、位置検出センサ40で検出された可視光V1のスポットの位置から、集光レンズ31の光軸に直交する方向におけるプラズマ27の位置の変化を検出する。また、位置検出処理部50は、位置検出センサ40で検出された可視光V1のスポットの大きさの変化から、集光レンズ31の光軸方向におけるプラズマ27の位置の変化を検出する。
【0074】
次に、本実施形態の効果を説明する。本実施形態の位置検出装置2は、可視光V1を集光レンズ31の光軸を含む中央部分を透過させている。これにより、位置検出処理部50は、位置の変化ΔZが焦点深度Dよりも大きい場合には、可視光V1のスポットの大きさの変化より、集光レンズ31の光軸方向におけるプラズマ27の位置の変化ΔZを検出することができる。また、位置検出処理部50は、可視光V1のスポットの位置の変化より、集光レンズ31の光軸に直交する方向におけるプラズマ27の位置の変化ΔXΔYを検出することができる。このように、本実施形態では、位置の変化ΔZと、位置の変化ΔXΔYとを区別することができる。よって、位置検出装置2は、ターゲット12のZ軸方向の位置と、レーザ光L1のポインティングとを区別することができる。これ以外の構成及び効果は実施形態1の記載に含まれている。
【0075】
(実施形態3)
次に、実施形態3に係る位置検出装置を説明する。本実施形態の位置検出装置は、位置検出センサと可視光光学系との間に配置された遮蔽板を備える。
図13は、実施形態3に係る位置検出装置を例示した構成図である。
【0076】
図13に示すように、本実施形態において、位置検出装置3の遮蔽板34は、位置検出センサ40と可視光光学系30との間に配置されている。具体的には、遮蔽板34は、位置検出センサ40とレンズ33との間に配置されている。遮蔽板34は、集光レンズ31及びレンズ33の光軸上に配置されている。遮蔽板34は、可視光V1の断面における光軸を含む中央部分を位置検出センサ40に対して遮蔽する。
【0077】
可視光V1は、集光レンズ31の光軸を含む中央部分を透過する。集光レンズ31を透過した可視光V1は、レンズ33に入射する。可視光V1は、レンズ33の光軸を含む中央部分を透過する。レンズ33は、可視光V1を位置検出センサ40上に集光する。その際に、遮蔽板34は、可視光V1の断面における光軸を含む中央部分を遮蔽する。したがって、レンズ33を透過した可視光V1の中央部分以外の周辺部分は、位置検出センサ40上に集光される。
【0078】
<可視光がレンズの中央部分を透過.Z軸方向の位置の変化>
図14は、実施形態3に係る位置検出装置3において、ターゲット12におけるプラズマ27の位置がZ軸方向に変化した場合の可視光V1を例示した構成図である。
図14に示すように、ターゲット12において発生するプラズマ27の位置が変化すると、可視光V1の光軸も変化する。可視光V1は、集光レンズ31の中央部分を透過し、レンズ33によって位置検出センサ40に集光される。その際に、可視光V1の中央部分は遮蔽板34によって遮蔽される。
【0079】
図15は、実施形態3に係る位置検出装置3において、ターゲット12におけるプラズマ27の位置が変化した場合の変化前及び変化後に位置検出センサ40が検出した可視光V1のスポットを例示した図である。
図15におけるNO.3-A、NO.3-B、NO.3-C、NO.3-D及びNO.3-Eは、
図5におけるNO.1-A、NO.1-B、NO.1-C、NO.1-D及びNO.1-Eの条件と同様である。
【0080】
図15のNO.3-Aに示すように、ターゲット12におけるプラズマ27のZ軸方向の位置の変化ΔZが焦点深度D以下の場合には、位置の変化ΔZは、変化前及び変化後において、可視光V1のスポットの大きさ、すなわち、スポットのボケに影響しない。よって、スポットの大きさは変化しない。また、可視光V1は、集光レンズ31の中央部分を透過する。よって、位置検出センサ40において、スポットの位置は変化しない。
【0081】
次に、
図15のNO.3-Bに示すように、ターゲット12におけるプラズマ27のZ軸方向の位置の変化ΔZが焦点深度Dよりも大きい場合には、位置の変化ΔZは、変化前及び変化後において、スポットの大きさ、すなわち、スポットのボケに影響する。よって、スポットの大きさは変化する。なお、本実施形態では、遮蔽板34によって可視光V1の中央部分が遮蔽されている。よって、位置検出センサ40は、環状のスポットを検出する。また、可視光V1は、集光レンズ31の中央部分を透過する。よって、位置検出センサ40において、環状のスポットの中心位置は変化しない。
【0082】
このように、可視光V1を集光レンズ31の中央部分を透過させた場合には、位置検出センサ40は、焦点深度Dにかかわらず、集光レンズ31の光軸方向におけるプラズマ27の位置の変化ΔZを、可視光V1のスポットの位置の変化として検出することは困難である。一方、Z軸方向の位置の変化ΔZが焦点深度Dよりも大きい場合には、位置検出センサ40は、集光レンズ31の光軸方向におけるプラズマ27の位置の変化ΔZを、可視光V1の環状のスポットにおける大きさの変化として検出する。
【0083】
<可視光がレンズの中央部分を透過.X軸及びY軸方向の位置の変化>
図16は、実施形態3に係る位置検出装置3において、ターゲット12におけるプラズマ27の位置がX軸方向及びY軸方向の少なくともいずれかに変化した場合の可視光V1を例示した構成図である。
図16に示すように、レーザ光L1のポインティング、すなわち、レーザ光L1の集光位置が変化した場合には、ターゲット12におけるプラズマ27の位置は、X軸方向及びY軸方向の少なくともいずれかに変化する。位置検出センサ40は、X軸方向及びY軸方向におけるプラズマ27の位置の変化ΔXΔYを、可視光V1のスポットの位置の変化として検出する。
【0084】
図15のNO.3-Cに示すように、位置検出センサ40は、ターゲット12におけるプラズマ27のX軸方向及びY軸方向の少なくともいずれかの位置の変化ΔXΔYを、可視光V1のスポットの位置の変化として検出する。なお、位置検出センサ40は、位置の変化ΔXΔYを、可視光V1のスポットの大きさの変化として検出することは困難である。
【0085】
<可視光がレンズの中央部分を透過.X軸Y軸Z軸方向の位置の変化>
図15のNO.3-D及びNO.3-Eに示すように、ターゲット12におけるプラズマ27のZ軸方向の位置の変化ΔZが焦点深度D以下の場合には、位置検出センサ40は、位置の変化ΔZをスポットの大きさの変化として検出することはできない。これに対して、位置の変化ΔZが焦点深度Dよりも大きい場合には、位置検出センサ40は、位置の変化ΔZを環状のスポットにおける大きさの変化として検出する。
【0086】
一方、NO.3-D及びNO.3-Eに示すように、位置検出センサ40は、ターゲット12におけるプラズマ27の位置の変化ΔXΔYを、可視光V1の環状のスポットにおける中心位置の変化として検出する。
【0087】
位置検出処理部50は、位置検出センサ40で検出された可視光V1における環状のスポットの位置から、集光レンズ31の光軸に直交する方向におけるプラズマ27の位置の変化を検出する。また、位置検出処理部50は、位置検出センサ40で検出された可視光V1における環状のスポットの大きさの変化から、集光レンズ31の光軸方向におけるプラズマ27の位置の変化を検出する。
【0088】
次に、本実施形態の効果を説明する。本実施形態の位置検出装置3は、可視光V1を集光レンズ31の光軸を含む中央部分を透過させている。そして、可視光V1の中央部分を遮蔽板34によって遮蔽している。これにより、位置検出処理部50は、位置の変化ΔZが焦点深度Dよりも大きい場合には、環状のスポットの大きさの変化より、集光レンズ31の光軸方向におけるプラズマ27の位置の変化ΔZを検出することができる。スポットを環状とすることにより、スポットの輪郭を明確にすることができ、スポットの大きさの計測精度を向上させることができる。
【0089】
また、位置検出処理部50は、環状のスポットの中心位置の変化より、集光レンズ31の光軸に直交する方向におけるプラズマ27の位置の変化ΔXΔYを検出することができる。スポットを環状とすることにより、スポットの輪郭からスポットの中心位置を明確にすることができ、スポットの位置の計測精度を向上させることができる。
【0090】
このように、本実施形態では、位置の変化ΔZと、位置の変化ΔXΔYとを区別することができる。よって、位置検出装置2は、ターゲット12のZ軸方向の位置と、レーザ光L1のポインティングとを区別することができる。また、スポットの大きさ及び位置の計測精度を向上させることができる。
【0091】
図17は、実施形態3に係る位置検出装置3において、遮蔽板34がある場合に位置検出センサ40が検出した可視光のスポットを例示した図である。
図18は、実施形態3に係る位置検出装置3において、遮蔽板34がない場合に位置検出センサ40が検出した可視光のスポットを例示した図である。
【0092】
図17の3-Fに示すように、例えば、レンズ33の半径が60mm、レンズ33上に配置された遮蔽板34の半径が59mmの場合には、左端のプラズマ27から出射した可視光V1は、集光レンズ31、レンズ33及び遮蔽板34を介して、右端の位置検出センサ40に入射する。
【0093】
図17の3-Gに示すように、プラズマ27の位置の変化前に位置検出センサ40が検出した可視光V1のスポットを一辺が0.5mmの像で示す。
図17の3-H及び3-Iは、プラズマの位置がZ軸方向に、それぞれ、+50μm及び+100μm変化した場合のスポットを示す。プラズマの位置の変化が大きくなるほど、スポットの大きさは大きくなる。
【0094】
図18の3-Jに示すように、例えば、レンズ33の半径が60mmであり、レンズ33上に遮蔽板34が配置されない場合には、左端のプラズマ27から出射した可視光V1は、集光レンズ31及びレンズ33を介して、右端の位置検出センサ40に入射する。
【0095】
図18の3-Kに示すように、プラズマ27の位置の変化前に位置検出センサ40が検出した可視光V1のスポットを一辺が1.5mmの像で示す。
図18の3-L及び3-Mは、プラズマの位置がZ軸方向に、それぞれ、+50μm及び+100μm変化した場合のスポットを示す。プラズマの位置の変化が大きくなるほど、スポットの大きさは大きくなる。
【0096】
図17及び
図18を比較すると、遮蔽板34を配置させることで、焦点深度が浅くなり、NAを向上させ、収差を低減させることができる。よって、位置検出センサ40が検出できるプラズマ27の位置の変化量を向上させることができる。これ以外の構成及び効果は実施形態1及び2の記載に含まれている。
【0097】
(実施形態4)
次に、実施形態4に係る位置検出装置を説明する。本実施形態の位置検出装置は、可視光V1の中央部分をミラーで反射し、別の位置検出センサで検出する。
図19は、実施形態4に係る位置検出装置を例示した構成図である。
【0098】
図19に示すように、本実施形態において、位置検出装置4の遮蔽板35は、可視光V1の中央部分を反射するミラー36を有している。また、位置検出装置4は、位置検出センサ40とは異なる別の位置検出センサ41を備えている。位置検出センサ41は、可視光V1における遮蔽板35のミラー36で反射した中央部分を検出する。位置検出センサ40に対して中心遮蔽を行うことで、実施形態3で中心遮蔽を入れた場合と同様な効果が期待できる。
【0099】
可視光V1は、集光レンズ31の光軸を含む中央部分を透過する。集光レンズ31を透過した可視光V1は、レンズ33に入射する。可視光V1は、レンズ33の光軸を含む中央部分を透過する。レンズ33は、可視光V1を位置検出センサ40上に集光する。その際に、遮蔽板35におけるミラー36は、可視光V1の断面における光軸を含む中央部分を反射する。ミラー36は、可視光V1の中央部分を位置検出センサ41に対して反射する。一方、遮蔽板35は、可視光V1の断面における光軸を含む中央部分を位置検出センサ40に対して遮蔽する。したがって、レンズ33を透過した可視光V1の中央部分は、位置検出センサ41上に集光される。レンズ33を透過した可視光V1の中央部分以外の周辺部分は、位置検出センサ40上に集光される。
【0100】
<可視光がレンズの中央部分を透過.Z軸方向の位置の変化>
図20は、実施形態4に係る位置検出装置4において、ターゲット12におけるプラズマ27の位置がZ軸方向に変化した場合の可視光V1を例示した構成図である。
図20に示すように、ターゲット12において発生するプラズマ27の位置が変化すると、可視光V1の光軸も変化する。可視光V1は、集光レンズ31の中央部分を透過し、レンズ33によって位置検出センサ40に集光される。その際に、可視光V1の中央部分は、遮蔽板35のミラー36によって位置検出センサ41に反射される。
【0101】
図21は、実施形態4に係る位置検出装置4において、ターゲット12におけるプラズマ27の位置が変化した場合の変化前及び変化後に位置検出センサ40及び41が検出した可視光V1のスポットを例示した図である。
図21におけるNO.4-A、NO.4-B、NO.4-C、NO.4-D及びNO.4-Eは、
図5におけるNO.1-A、NO.1-B、NO.1-C、NO.1-D及びNO.1-Eの条件と同様である。
【0102】
図21のNO.4-Aに示すように、ターゲット12におけるプラズマ27のZ軸方向の位置の変化ΔZが焦点深度D以下の場合には、位置の変化ΔZは、変化前及び変化後において、可視光V1のスポットの大きさ、すなわち、スポットのボケに影響しない。よって、位置検出センサ40及び41が検出するスポットの大きさは変化しない。また、可視光V1は、集光レンズ31の中央部分を透過する。よって、位置検出センサ40及び41において検出されるスポットの位置は変化しない。
【0103】
次に、
図15のNO.4-Bに示すように、ターゲット12におけるプラズマ27のZ軸方向の位置の変化ΔZが焦点深度Dよりも大きい場合には、位置の変化ΔZは、変化前及び変化後において、スポットの大きさ、すなわち、スポットのボケに影響する。よって、位置検出センサ40及び41が検出するスポットの大きさは変化する。
【0104】
なお、本実施形態では、遮蔽板35によって可視光V1の中央部分が位置検出センサ40に対して遮蔽されている。よって、位置検出センサ40は、環状のスポットを検出する。また、ミラー36によって可視光V1の中央部分は位置検出センサ41に集光されている。よって、位置検出センサ41は、大きさが変化したスポットを検出する。可視光V1は、集光レンズ31の中央部分を透過する。よって、位置検出センサ40及び41において、スポットの中心位置は変化しない。
【0105】
このように、可視光V1を集光レンズ31の中央部分を透過させた場合には、位置検出センサ40及び41は、焦点深度Dにかかわらず、集光レンズ31の光軸方向におけるプラズマ27の位置の変化ΔZを、可視光V1のスポットの位置の変化として検出することは困難である。一方、Z軸方向の位置の変化ΔZが焦点深度Dよりも大きい場合には、位置検出センサ40及び41は、集光レンズ31の光軸方向におけるプラズマ27の位置の変化ΔZを、可視光V1のスポットにおける大きさの変化として検出する。
【0106】
<可視光がレンズの中央部分を透過.X軸及びY軸方向の位置の変化>
図22は、実施形態4に係る位置検出装置4において、ターゲット12におけるプラズマ27の位置がX軸方向及びY軸方向の少なくともいずれかに変化した場合の可視光V1を例示した構成図である。
図22に示すように、レーザ光L1のポインティング、すなわち、レーザ光L1の集光位置が変化した場合には、ターゲット12におけるプラズマ27の位置は、X軸方向及びY軸方向の少なくともいずれかに変化する。位置検出センサ40及び41は、X軸方向及びY軸方向におけるプラズマ27の位置の変化ΔXΔYを、可視光V1のスポットの位置の変化として検出する。
【0107】
図21のNO.4-Cに示すように、位置検出センサ40及び41は、ターゲット12におけるプラズマ27のX軸方向及びY軸方向の少なくともいずれかの位置の変化ΔXΔYを、可視光V1のスポットの位置の変化として検出する。なお、位置検出センサ40は、位置の変化ΔXΔYを、可視光V1のスポットの大きさの変化として検出することは困難である。
【0108】
<可視光がレンズの中央部分を透過.X軸Y軸Z軸方向の位置の変化>
図20のNO.4-D及びNO.4-Eに示すように、ターゲット12におけるプラズマ27のZ軸方向の位置の変化ΔZが焦点深度D以下の場合には、位置検出センサ40及び41は、位置の変化ΔZをスポットの大きさの変化として検出することはできない。これに対して、位置の変化ΔZが焦点深度Dよりも大きい場合には、位置検出センサ40は、位置の変化ΔZを環状のスポットにおける大きさの変化として検出する。また、位置検出センサ41は、位置の変化ΔZをスポットの大きさの変化として検出する。
【0109】
一方、NO.4-D及びNO.4-Eに示すように、位置検出センサ40は、ターゲット12におけるプラズマ27の位置の変化ΔXΔYを、可視光V1の環状のスポットにおける中心位置の変化として検出する。また、位置検出センサ41は、ターゲット12におけるプラズマ27の位置の変化ΔXΔYを、可視光V1のスポットの中心位置の変化として検出する。
【0110】
位置検出処理部50は、位置検出センサ40で検出された可視光V1における環状のスポットの位置及び位置検出センサ41で検出された可視光V1のスポットの位置から、集光レンズ31の光軸に直交する方向におけるプラズマ27の位置の変化を検出する。
【0111】
また、位置検出処理部50は、位置検出センサ40で検出された可視光V1における環状のスポットの大きさの変化及び位置検出センサ40で検出された可視光V1のスポットの大きさの変化から、集光レンズ31の光軸方向におけるプラズマ27の位置の変化を検出する。
【0112】
次に、本実施形態の効果を説明する。本実施形態の位置検出装置4において、位置検出処理部50は、位置検出センサ40及び41で検出された可視光V1のスポットの大きさの変化より、集光レンズ31の光軸方向におけるプラズマ27の位置の変化ΔZを検出することができる。位置検出センサ40におけるスポットを環状とすることにより、スポットの輪郭を明確にすることができ、スポットの大きさの計測精度を向上させることができる。
【0113】
また、位置検出処理部50は、位置検出センサ40及び41で検出された可視光V1のスポットの位置より、集光レンズ31の光軸に直交する方向におけるプラズマ27の位置の変化ΔXΔYを検出することができる。位置検出センサ40におけるスポットを環状とすることにより、スポットの輪郭からスポットの中央位置を明確にすることができ、スポットの位置の計測精度を向上させることができる。
【0114】
本実施形態では、位置の変化ΔZを位置検出センサ40のスポットの大きさに基づいて検出し、位置の変化ΔXΔYを位置検出センサ41のスポットの位置に基づいて検出することができる。このように、位置の変化ΔZと、位置の変化ΔXΔYとを異なる位置検出センサ40及び41で区別して検出することができる。よって、位置検出処理部50における処理を、位置検出センサ40からの位置の変化ΔZと、位置検出センサ41からの位置の変化ΔXΔYとに区別することができ、効率化することができる。これ以外の構成及び効果は実施形態1~3の記載に含まれている。
【0115】
(実施形態5)
次に、実施形態5に係る位置検出装置を説明する。本実施形態の位置検出装置は、位置検出センサ40及び41の少なくともいずれかで検出されたスポットの位置の変化から、レーザ光L1のポインティング補正を行う。
図23は、実施形態5に係る位置検出装置を例示した構成図である。
図23に示すように、位置検出装置5は、ミラー24及びミラー25の代わりに、ガルバノミラー24a及び25aを備えてもよい。ガルバノミラー24a及び25aは、位置検出処理部50の制御により、反射する方向を変化させることができる。
【0116】
図24は、実施形態5に係る位置検出装置5において、レーザ光L1のポインティングが変化することにより、ターゲット12におけるプラズマ27の位置が変化した場合の変化前及び変化後に位置検出センサ40及び41が検出した可視光V1のスポットを例示した図である。
図24に示すように、位置検出センサ41が検出したスポットの位置は、画像上のα方向及びβ方向において、それぞれ、変化Δα及び変化Δβを示している。
【0117】
位置検出処理部は、変化Δα及び変化Δβに基づいて、ガルバノミラー24a及び25aを調整する。例えば、ガルバノミラー24aは、変化Δαを補正するように反射方向を調整されてもよい。ガルバノミラー25aは、変化Δβを補正するように反射方向を調整されてもよい。
【0118】
このように、本実施形態の位置検出装置5において、位置検出処理部50は、検査装置等の装置側でのEUV光光学系の光軸を補正するために、EUV光光学系の光軸の変化を算出することに加えて、レーザ光L1のポインティングを補正するために、レーザ光L1の光軸の変化を算出する。具体的には、位置検出処理部50は、位置検出センサ40及び41の少なくともいずれかにおけるスポットの位置の変化Δα及びΔβに基づいて、ガルバノミラー24a及び25aの調整量を算出する。そして、位置検出処理部50は、算出した調整量に基づいて、ガルバノミラー24a及び25aの反射方向を調整してもよい。例えば、位置検出処理部50は、スポットの位置の変化Δα及びΔβを入力値として、ガルバノミラー24a及び25aの反射方向を調整するPID制御を行ってもよい。
【0119】
本実施形態によれば、位置検出処理部50は、検出されたプラズマ27の位置の変化に基づいて、レーザ光L1の光軸を補正するためのレーザ光L1の光軸の変化を算出する。そして、位置検出処理部50は、算出したレーザ光L1の光軸の変化に基づいて、レーザ光L1のポインティングを補正することができる。よって、検査装置及び露光装置等のEUV光の照射条件を向上させることができる。これ以外の構成及び効果は、実施形態1~4の記載に含まれている。
【0120】
以上、本開示の実施形態を説明したが、本開示はその目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に、上記の実施形態よる限定は受けない。また、実施形態1~5における各構成は、適宜、組み合わせてもよい。
【0121】
さらに、上記した位置検出処理部50の処理のうちの一部又は全部は、コンピュータプログラムによって実行されてもよい。上述したプログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、実施形態で説明された1又はそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリ、solid-state drive(SSD)又はその他のメモリ技術、CD-ROM、digital versatile disc(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、またはその他の形式の伝搬信号を含む。
【0122】
また、本実施形態の位置検出方法をコンピュータに実行させる下記の位置検出プログラムも実施形態の技術思想に含まれる。
【0123】
ターゲットに対してレーザ光を集光レンズで集光させることにより発生させたプラズマからEUV光ともに生成された可視光を可視光光学系によって集光するステップと、
前記可視光光学系で集光された前記可視光を位置検出センサによって検出するステップと、
前記位置検出センサで検出された前記可視光のスポットの変化から前記ターゲットにおける前記プラズマの位置の変化を位置検出処理部によって検出するステップと、
をコンピュータに実行させる位置検出プログラム。
【符号の説明】
【0124】
1、2、3、4 位置検出装置
10 光源
11 容器
12 ターゲット
13 底部
14 円筒部
15 底面
16 内周面
17 溝
18 ヒータ
19 ミラー
20 デブリシールド
21 凹面鏡
22 開口部
23、24、25、26 ミラー
24a、25a ガルバノミラー
27 プラズマ
30 可視光光学系
31 集光レンズ
32、33 レンズ
34、35 遮蔽板
36 ミラー
40、41 位置検出センサ
50 位置検出処理部
51 制御部
52 通信部
53 記憶部
54 インターフェース部
E1 EUV光
L1 レーザ光
R1 回転軸
V1 可視光