(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024033718
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】照明器具および照明装置
(51)【国際特許分類】
F21S 8/02 20060101AFI20240306BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240306BHJP
【FI】
F21S8/02 410
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022137483
(22)【出願日】2022-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】505455945
【氏名又は名称】コイズミ照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】寺田 守
(72)【発明者】
【氏名】上田 崚介
(57)【要約】
【課題】グレア光を抑制することが可能な照明器具および照明装置を提供する。
【解決手段】照明器具100は、光源12と、ソケット20と、レンズ30と、反射部材50とを備える。ソケット20は、光源12を保持する。反射部材50は、レンズ30を透過した光を反射する。ソケット20は、光源12から出射した光が通過する光通過空間Sを形成する内側面22を有する。内側面22は、レンズ30の光軸方向のレンズ30側に配置される第1縁部22bを有する。レンズ30は、光源12に対向するレンズ部31と、レンズ部31の外周部に配置される鍔部32とを有する。光軸方向から見て、レンズ部31と鍔部32との境界部33は、第1縁部22bに比べて、内側に配置される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
前記光源を保持する保持部材と、
前記光源から出射した光を透過するレンズと、
前記レンズを透過した光を反射する反射部材と
を備え、
前記保持部材は、前記光源から出射した光が通過する光通過空間を形成する内側面を有し、
前記内側面は、前記レンズの光軸方向のレンズ側に配置される第1縁部を有し、
前記レンズは、前記光源に対向するレンズ部と、前記レンズ部の外周部に配置される鍔部とを有し、
前記光軸方向から見て、前記レンズ部と前記鍔部との境界部は、前記第1縁部に比べて、内側に配置される、照明器具。
【請求項2】
前記境界部は、前記光源の外周縁に比べて、外側に配置される、請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記内側面は、
前記レンズの光軸方向の光源側からレンズ側に向かって拡がっており、
前記光軸方向の前記光源側に配置される第2縁部をさらに有し、
前記境界部は、前記第2縁部に比べて、内側に配置される、請求項1または請求項2に記載の照明器具。
【請求項4】
請求項1に記載の照明器具と、
前記照明器具に電力を供給する電源装置と
を備える、照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具および照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源と、光源を保持する保持部材と、光源から出射した光を透過するレンズと、レンズを透過した光を反射する反射部材とを備えた照明器具が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、LEDチップと、LEDチップを保持するLEDホルダと、LEDチップから出射した光を透過するレンズと、レンズを透過した光を反射する反射板とを備えた照明器具が記載されている。LEDホルダは、リング状に形成されている。また、LEDホルダは、LEDチップから横方向に出射した一部の光をレンズ側に反射する反射面を有する。
【0003】
また、特許文献1の照明器具では、レンズは、略半球状に形成された凸レンズ部と、凸レンズ部の周囲から外側に向かって突出する台座部とを有する。凸レンズ部は、LEDホルダの反射面の直径よりも大きい直径を有する。このため、反射面で反射された光は、凸レンズ部の上面に入射し、凸レンズ部の下面である凸状の光出射面から出射する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、一般的に、凸レンズ部の光出射面の曲率は、LEDチップから出射してレンズに直接入射した光が所定の配光パターンになるように、設計される。このため、例えばLEDホルダの反射面を介して凸レンズ部に入射した光は、グレア光になりやすい。具体的には、例えば反射面を介して凸レンズ部に入射した光は、凸レンズ部の光出射面で屈折する。このとき、光は、光出射面から出射して反射板に向かって進行したり、光出射面で一旦全反射した後に横方向に出射して反射板に向かって進行したりする。これらの光は、反射板で反射されてグレア光となる。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、グレア光を抑制することが可能な照明器具および照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願に開示する照明器具は、光源と、保持部材と、レンズと、反射部材とを備える。前記保持部材は、前記光源を保持する。前記レンズは、前記光源から出射した光を透過する。前記反射部材は、前記レンズを透過した光を反射する。前記保持部材は、前記光源から出射した光が通過する光通過空間を形成する内側面を有する。前記内側面は、前記レンズの光軸方向のレンズ側に配置される第1縁部を有する。前記レンズは、前記光源に対向するレンズ部と、前記レンズ部の外周部に配置される鍔部とを有する。前記光軸方向から見て、前記レンズ部と前記鍔部との境界部は、前記第1縁部に比べて、内側に配置される。
【0008】
本願に開示する照明器具において、前記境界部は、前記光源の外周縁に比べて、外側に配置されてもよい。
【0009】
本願に開示する照明器具において、前記内側面は、前記レンズの光軸方向の光源側からレンズ側に向かって拡がっていてもよい。前記内側面は、前記光軸方向の前記光源側に配置される第2縁部をさらに有してもよい。前記境界部は、前記第2縁部に比べて、内側に配置されてもよい。
【0010】
本願に開示する照明装置は、上記の照明器具と、前記照明器具に電力を供給する電源装置とを備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、グレア光を抑制することが可能な照明器具および照明装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本実施形態に係る照明器具を備えた照明装置の構成を示す斜視図である。
【
図2】本実施形態に係る照明器具の構造を示す断面図である。
【
図3】本実施形態の照明器具の構造の一部を示す断面図である。
【
図4】本実施形態の照明器具の光源モジュール、ソケット、レンズ、支持部材、および、後述するベースプレートの構造を示す分解図である。
【
図5】照明器具から出射する光の配光パターンを概略的に示す断面図である。
【
図6】本実施形態の照明器具の構造の一部を示す断面図である。
【
図7】本実施形態の第1変形例の照明器具の構造の一部を示す断面図である。
【
図8】本実施形態の第2変形例の照明器具の構造の一部を示す断面図である。
【
図9】本実施形態の第3変形例の照明器具の構造の一部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0014】
図1から
図6を参照して、本発明の一実施形態に係る照明器具100を備えた照明装置1について説明する。
図1は、本実施形態に係る照明器具100を備えた照明装置1の構成を示す斜視図である。
図2は、本実施形態に係る照明器具100の構造を示す断面図である。
【0015】
図1および
図2に示すように、本実施形態の照明装置1は、照明器具100と、電源装置200とを備える。電源装置200は、照明器具100に電力を供給する。
【0016】
照明器具100は、天井等に取り付けられて使用される。本実施形態では、照明器具100は、天井に取り付けられるダウンライトである。なお、以下の説明において、「上」「下」は、照明器具100が天井に取り付けられた状態であるときの「上」「下」に対応する。ただし、「上」「下」は、あくまで便宜のために用いるに過ぎず、本発明に係る照明器具および照明装置の使用時の向きを限定しない。
【0017】
照明器具100は、光源モジュール10と、ソケット20と、レンズ30と、支持部材40と、反射部材50とを備える。なお、ソケット20は、本発明の「保持部材」の一例である。
【0018】
図3は、本実施形態の照明器具100の構造の一部を示す断面図である。
図3では、後述するヒートシンク70および取付バネ90を省略している。
図4は、本実施形態の照明器具100の光源モジュール10、ソケット20、レンズ30、支持部材40、および、後述するベースプレート60の構造を示す分解図である。
図3および
図4に示すように、光源モジュール10は、光源11と、光源11が搭載される光源基板12とを有する。光源11は、特に限定されるものではないが、例えば、LED(Light Emitting Diode)素子を含む。本実施形態では、光源11は、面状光源である。また、本実施形態では、光源11は、例えば、10mm以上の直径を有する円形状の面状光源である。光源基板12は、光源11に電気的に接続される配線(図示せず)を有する。光源基板12は、電源装置200に電気的に接続されており、電源装置200からの電力を光源11に供給する。
【0019】
ソケット20は、光源11を保持する。本実施形態では、ソケット20は、光源モジュール10を保持する。ソケット20は、ネジまたは接着剤等によって、後述するベースプレート60に固定される。ソケット20は、光源モジュール10を収容する収容部21と、光源11の周囲に配置される内側面22とを有する。内側面22は、光源11から出射した光が通過する光通過空間Sを形成する。
【0020】
具体的には、ソケット20は、上面20aと、下面20bとを有する。収容部21は、上面20aに配置される。収容部21は、光源基板12と略同じ形状を有する。また、ソケット20は、収容部21から下面20bまで貫通する貫通孔23を有する。内側面22は、貫通孔23を形成する。
【0021】
本実施形態では、内側面22は、傾斜面によって形成されている。内側面22は、レンズ30の光軸方向の光源11側からレンズ30側に向かって拡がる。本実施形態では、内側面22は、上下方向の上側から下側に向かって拡がる。内側面22は、円錐台の側面と略同じ形状を有する。貫通孔23は、略円錐台形状を有する。また、本実施形態では、内側面22は、反射面である。内側面22は、光源11からの光をレンズ30に反射する。なお、光軸方向とは、光軸の延びる方向である。本実施形態では、光軸とは、レンズ30の中心を通る仮想線である。また、本実施形態では、光軸は、上下方向に延びる直線であり、光源11の中心、レンズ30の中心、内側面22の中心を通る。
【0022】
ソケット20は、特に限定されるものではないが、例えば、樹脂により形成されている。また、ソケット20は、反射率を高めるために、例えば、白色の樹脂により形成される。
【0023】
レンズ30は、光源11から出射した光を透過する。レンズ30は、例えば、透明なガラスまたは樹脂により形成される。レンズ30は、ソケット20の下側(光出射方向側)に配置される。レンズ30は、光源11に対向するレンズ部31と、レンズ部31の外周部に配置される鍔部32とを有する。鍔部32は、略平板形状を有する。
【0024】
図5は、本実施形態の照明器具100から出射する光の配光パターンを概略的に示す断面図である。なお、
図5では、照明器具100から出射する最大強度の光に対して50%以上の強度の光の配光パターンを示している。
図5に示すように、レンズ部31は、光源11からの光を屈折し、所定の配光パターンを形成する。言い換えると、レンズ部31は、光の拡がり角を制御する。レンズ部31の光出射面31aの曲率は、光源11から出射してレンズ30に直接入射した光が所定の配光パターンになるように、設定される。また、本実施形態では、レンズ部31は、光源11とは反対側である光軸方向の一方側(下側)に突出する凸形状を有する。また、本実施形態では、レンズ部31は、略半球形状を有する。レンズ部31は、貫通孔23の直径よりも小さい直径を有する。
【0025】
図3および
図4に示すように、鍔部32は、例えば、環形状を有する。鍔部32は、貫通孔23の直径よりも大きい直径を有する。レンズ部31および鍔部32は、貫通孔23の下方を覆う。
【0026】
支持部材40は、レンズ30を支持する。具体的には、支持部材40は、ソケット20を収容するソケット収容部41と、レンズ30を支持する支持部42とを有する。ソケット収容部41は、ソケット20と略同じ形状を有する。支持部42は、レンズ30の鍔部32を支持する。支持部42は、レンズ部31の周囲を囲う。支持部42は、光軸方向から見て円周形状を有し、支持部42の内側にはレンズ部31が配置される孔43が形成される。
【0027】
反射部材50は、レンズ30の周囲に配置される。本実施形態では、反射部材50は、レンズ30のレンズ部31の周囲に配置される。反射部材50は、レンズ30を透過した光を反射する。具体的には、反射部材50は、レンズ30を透過した光を反射する反射面51を有する。反射面51は、傾斜面によって形成されており、レンズ30からの光を下側に反射する。反射面51は、レンズ30の光軸方向の光源11側から、光源11とは反対側に向かって拡がる。本実施形態では、反射面51は、上下方向の上側から下側に向かって拡がる。反射面51は、円錐台の側面と略同じ形状を有する。
【0028】
反射部材50は、特に限定されるものではないが、例えば、樹脂により形成される。また、ソケット20は、反射率を高めるために、例えば、白色の樹脂により形成される。なお、反射部材50は、例えば、金属により形成されてもよい。また、反射部材50は、後述する枠体80に配置された板バネ(図示せず)によって所定位置に固定される。なお、反射部材50は、ネジ、接着剤または枠体80等によって、支持部材40または後述するベースプレート60等に固定されてもよい。
【0029】
図2に示すように、照明器具100は、ベースプレート60と、ヒートシンク70と、枠体80と、取付バネ90とをさらに備える。
【0030】
ベースプレート60は、特に限定されるものではないが、例えば、所定厚みを有する金属板により形成される。ベースプレート60には、図示しないネジ等を用いてヒートシンク70が固定される。また、ベースプレート60には、ネジ等を用いて支持部材40、枠体80および取付バネ90等が固定される。本実施形態では、ベースプレート60と枠体80との間に支持部材40および取付バネ90を配置した状態で、ネジ101を用いて枠体80がベースプレート60に固定される。なお、支持部材40および取付バネ90は、枠体80とは別にベースプレート60に固定されてもよい。
【0031】
ヒートシンク70は、例えば、金属により形成される。ヒートシンク70は、例えば、複数のフィンを有する。ヒートシンク70は、光源モジュール10で発生した熱を空気中に放熱する。
【0032】
枠体80は、反射部材50の周囲を囲う。枠体80は、略円筒状の筒部81と、筒部81の上端から径方向内側に突出する取付部82と、筒部81の下端から径方向外側に突出する規制部83とを有する。なお、本実施形態において、径方向は、光軸方向に対して垂直な方向である。筒部81は、天井の取付孔(図示せず)の内径よりも小さい直径を有する。筒部81は、取付孔(図示せず)に挿入される。取付部82は、ネジ101を用いてベースプレート60に固定される。規制部83は、天井の取付孔(図示せず)の内径よりも大きい直径を有する。規制部83は、筒部81の外周面と取付孔(図示せず)の内周面との隙間の下方を覆うように配置される。規制部83の上面83aは、天井の下面に当接し、照明器具100の上方向への移動を規制する。
【0033】
取付バネ90は、照明器具100を取付孔(図示せず)に取り付けるための部材である。取付バネ90は、例えば、複数(ここでは2つ)設けられる。取付バネ90は、例えば、板バネにより形成される。取付バネ90は、例えば、枠体80に沿って配置される基端部91と、基端部91の下端から径方向外側に向かって延びる係合部92とを有する。係合部92は、先端(径方向外側)に向かって上側に延びる。照明器具100を天井に取り付ける場合、作業者は、係合部92を径方向内側に押圧して取付バネ90を弾性変形させた状態で、照明器具100を取付孔(図示せず)に挿入する。作業者が取付バネ90に対する押圧を解除すると、取付バネ90は弾性力によって拡がり、取付バネ90と規制部83との間に天井が挟まれ、照明器具100が天井に固定される。
【0034】
次に、
図3~
図6を参照して、照明器具100のソケット20、レンズ30、支持部材40および反射部材50の詳細構造を説明する。
図6は、本実施形態の照明器具100の構造の一部を示す断面図である。
【0035】
図3および
図4に示すように、内側面22は、光軸方向の光源11側(上側)に配置される第2縁部22aと、光軸方向のレンズ30側(下側)に配置される第1縁部22bとを有する。第2縁部22aは内側面22の上端であり、第1縁部22bは内側面22の下端である。
【0036】
レンズ30の光軸方向から見て、レンズ部31と鍔部32との境界部33は、第1縁部22bに比べて、径方向内側に配置される。言い換えると、鍔部32の少なくとも一部は、第1縁部22bよりも径方向内側に配置される。従って、例えば、光源11から出射して内側面22で下方に反射された光L1(
図6参照)は、鍔部32を透過して下方に向かって進行する。鍔部32は略平板状であるから、鍔部32を透過した光L1は、反射面51にほとんど向かうことなく、下方に進行する。よって、光源11から出射して内側面22で反射された光L1がグレア光になることを抑制できる。その結果、照明器具100では、グレア光の発生を抑制できる。
【0037】
なお、光源11から出射して内側面22以外で反射した光であっても、下方に向かって鍔部32に入射した光は、鍔部32を通過して下方に向かって進行する。そして、光は、反射面51にほとんど向かうことなく、下方に進行する。従って、光源11から出射して内側面22以外で反射した光が、グレア光になることを抑制できる。その結果、照明器具100では、グレア光の発生を抑制できる。
【0038】
境界部33は、光源11の外周縁11aに比べて、外側に配置される。従って、光源11から垂直に出射した光の略全てがレンズ部31に入射する。よって、レンズ30によって所定の配光パターンを容易に形成できる。
【0039】
境界部33は、第2縁部22aに比べて、径方向内側に配置される。従って、境界部33が第2縁部22aに比べて径方向外側に配置される場合に比べて、例えば、より多くの光L1(
図6参照)が鍔部32を透過する。よって、例えば、光L1がグレア光になることをより抑制できる。
【0040】
また、支持部材40の支持部42は、径方向内側の端部である内側端部42aを有する。内側端部42aは、内側面22の第1縁部22bに比べて、径方向外側に配置される。従って、例えば、光源11から出射して内側面22で下方に反射された光L1(
図6参照)が支持部材40で遮られることを抑制できる。よって、光の利用効率が低下することを抑制できる。
【0041】
反射部材50の反射面51は、光軸方向の一方側(下側)に配置される端部51aと、光軸方向の他方側(上側)に配置される端部51bとを有する。鍔部32の光軸方向の一方側(下側)の面32aは、端部51bに比べて、光軸方向の他方側(上側)に配置される。従って、鍔部32の面32aが端部51bに比べて光軸方向の一方側(下側)に配置される場合と異なり、レンズ30を支持部材40によって容易に支持できる。なお、後述するようにレンズ30を反射部材50によって支持する場合であっても、鍔部32の面32aを端部51bに比べて光軸方向の他方側(上側)に配置することによって、レンズ30を容易に支持できる。
【0042】
また、レンズ部31は、光軸方向の一方側(下側)の端部に配置される頂部31bを有する。頂部31bは、端部51bに比べて、光軸方向の一方側(下側)に配置される。従って、レンズ部31の曲率を大きく(曲率半径を小さく)できるため、レンズ部31から出射する光の拡がり角(指向角や配光角ともいう)が大きくなり過ぎることを抑制できる(
図5参照)。
【0043】
鍔部32の光軸方向の他方側(上側)の面32bは、内側面22の第1縁部22bに比べて、光軸方向の一方側(下側)に配置される。本実施形態では、面32bは、支持部材40の下面に当接している。このように、面32bを、内側面22の第1縁部22bに比べて、光軸方向の一方側(下側)に配置することによって、鍔部32を貫通孔23よりも大きい直径を有するように形成できる。よって、支持部材40により、光を遮らない位置でレンズ30を支持できる。
【0044】
また、反射部材50の中心を通過する断面(
図6参照)において、光軸方向と交差する方向(
図6では左右方向)に対向する端部51aと端部51bとを結ぶ直線をm1とする。この場合、本実施形態では、レンズ部31全体は、直線m1よりも上側に配置される。従って、グレアカット角(遮光角ともいう)を大きくできる。
【0045】
また、支持部42は、孔43を形成する内側面42bを有する。上述の内側端部42aは、内側面42bの上端である。そして、反射部材50の中心を通過する断面(
図6参照)において、光軸方向と交差する方向(
図6では左右方向)に対向する端部51aと内側端部42aとを結ぶ直線をm2とする。この場合、本実施形態では、レンズ部31全体は、直線m2よりも上側に配置される。従って、グレアカット角をより大きくできる。
【0046】
以上、
図1~
図6を参照して説明したように、レンズ30の光軸方向から見て、レンズ部31と鍔部32との境界部33は、第1縁部22bに比べて、径方向内側に配置される。従って、例えば、光源11から出射して内側面22で下方に反射された光L1は、鍔部32を透過して下方に向かって進行する。鍔部32を透過した光L1は、反射面51にほとんど向かうことなく、下方に進行する。よって、例えば、光源11から出射して内側面22で反射された光L1がグレア光になることを抑制できる。その結果、照明器具100では、グレア光の発生を抑制できる。
【0047】
以下、本実施形態の変形例について説明する。
【0048】
(第1変形例)
図7を参照して本実施形態の第1変形例について説明する。
図7は、本実施形態の第1変形例の照明器具100の構造の一部を示す断面図である。第1変形例では、レンズ30を、
図1~
図6に示した実施形態とは異なる位置に配置する例について説明する。
【0049】
図7に示すように、レンズ30は、反射部材50によって支持される。具体的には、レンズ30の鍔部32は、反射部材50と支持部材40との間に配置される。この場合も、反射部材50によってレンズ30を容易に支持できる。なお、第1変形例では、反射部材50は、本発明の「支持部材」の一例である。
【0050】
また、第1変形例では、
図1~
図6に示した実施形態と同様、レンズ部31全体は、直線m1(
図6参照)よりも上側に配置される。従って、グレアカット角を大きくできる。
【0051】
第1変形例のその他の構造および効果は、上記実施形態と同様である。
【0052】
(第2変形例)
図8を参照して本実施形態の第2変形例について説明する。
図8は、本実施形態の第2変形例の照明器具100の構造の一部を示す断面図である。第2変形例では、レンズ30の鍔部32を、
図1~
図6に示した実施形態とは異なる形状にする例について説明する。
【0053】
図8に示すように、第2変形例では、板状の鍔部32は、位置決め部を有する。具体的には、鍔部32は、1つ以上の凸部32cを有する。第2変形例では、凸部32cは、鍔部32の外周縁を1周するように、1つ設けられる。なお、凸部32cは、例えば、等角度間隔、または所定の角度間隔で、複数設けられてもよい。
【0054】
第2変形例では、凸部32cは、下方向に突出する。そして、支持部材40の支持部42は、凸部32cを収容する凹部42cを有する。凸部32cが凹部42cに嵌ることによって、光軸方向と交差する方向(ここでは水平方向)に対して鍔部32が位置決めされる。
【0055】
凸部32cは、鍔部32のうち、第1縁部22bよりも径方向外側の位置に配置される。従って、例えば、光源11から出射して内側面22で下方に反射された光L1が凸部32cに入射することを抑制できる。よって、例えば、光L1が鍔部32を透過する際に、光L1の進行方向が例えば内側面22に向かうように変更されることを抑制できる。
【0056】
なお、第2変形例では、凸部32cが下方向に突出する例について示したが、例えば、凸部32cは、上方向に突出してもよい。この場合、例えば、ソケット20は、凸部32cを収容する凹部を有してもよい。
【0057】
また、第2変形例では、鍔部32が、位置決め部としての凸部32cを有する例について示したが、鍔部32は、位置決め部としての凹部を有してもよい。この場合、例えば、支持部材40またはソケット20は、鍔部32の凹部に収容される凸部を有してもよい。
【0058】
第2変形例のその他の構造および効果は、上記実施形態と同様である。
【0059】
(第3変形例)
図9を参照して本実施形態の第3変形例について説明する。
図9は、本実施形態の第3変形例の照明器具100の構造の一部を示す断面図である。第3変形例では、反射面51が、
図1~
図6に示した実施形態とは異なる形状を有する例について説明する。
【0060】
図9に示すように、反射部材50の中心を通過する断面において、反射面51は、湾曲する。第3変形例では、反射面51は、径方向内側に向かって突出するように湾曲する。
【0061】
第3変形例のその他の構造は、上記実施形態と同様である。
【0062】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施可能である。また、上記の実施形態に開示される複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚さ、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質、形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0063】
例えば、上記の実施形態では、レンズ部31が光軸方向の一方側(下側)に突出する凸形状を有する例について示したが、本発明はこれに限らない。例えば、レンズ部は、光軸方向の他方側(上側)に突出する凸形状を有してもよい。また、レンズ部は、例えば、凹形状を有してもよい。また、レンズ部は、例えば、凸形状と凹形状とを組み合わせた形状を有してもよい。また、レンズ部は、例えば、フレネルレンズを有してもよい。
【0064】
また、上記の実施形態では、内側面22が反射面である例について示したが、本発明はこれに限らず、内側面22は、反射面でなくてもよい。
【0065】
また、上記の実施形態では、内側面22が光軸方向の光源11側からレンズ30側に向かって拡がる例について示したが、本発明はこれに限らない。例えば、内側面22は、円柱の側面と略同じ形状を有してもよい。
【0066】
また、上記の実施形態では、鍔部32が略平板形状を有する例について示した。つまり、鍔部32の面32aおよび面32bが略水平面である例について示した。しかしながら、本発明はこれに限らない。例えば、レンズ30の上面全体が凹状または凸状にわずかに湾曲していてもよい。この場合、鍔部32の面32aは、面32bと略平行に湾曲していてもよいし、略水平面であってもよい。また、レンズ30の上面の曲率半径は、例えば、レンズ部31の曲率半径の10倍以上である。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、照明器具および照明装置の分野に有用である。
【符号の説明】
【0068】
1 :照明装置
11 :光源
11a :外周縁
20 :ソケット(保持部材)
22 :内側面
22a :第2縁部
22b :第1縁部
30 :レンズ
31 :レンズ部
32 :鍔部
33 :境界部
40 :支持部材
50 :反射部材
51 :反射面
100 :照明器具
200 :電源装置
S :光通過空間