(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024033722
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】車両用計器装置
(51)【国際特許分類】
G08C 15/06 20060101AFI20240306BHJP
G01D 7/00 20060101ALI20240306BHJP
B60K 35/00 20240101ALI20240306BHJP
【FI】
G08C15/06 J
G01D7/00 K
B60K35/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022137487
(22)【出願日】2022-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】今井 裕二
【テーマコード(参考)】
2F041
2F073
3D344
【Fターム(参考)】
2F041EA07
2F041EA08
2F073AA01
2F073AB03
2F073BB04
2F073BC01
2F073CC03
2F073CD11
2F073DD07
2F073FF13
2F073GG01
2F073GG08
3D344AA19
3D344AB01
3D344AB03
3D344AB07
3D344AD01
3D344AD13
(57)【要約】
【課題】汎用性に優れた車両用計器装置を提供する。
【解決手段】車両に搭載され、入力された信号に応じて、車両に関する物理量を表示するメータ200であって、物理量を表示する表示部と、信号に応じて、表示部を制御するマイコン210と、CAN(第一通信プロトコル)に基づく第一信号とUART(第二通信プロトコル)に基づく第二信号との両方の入力に対応した単一のコネクタ(接続端子)と、を備え、マイコン210は、信号が第一信号であるかを判定するステップS3(第一判定動作)と、信号が第二信号であるかを判定するステップS8(第二判定動作)と、を実行する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載され、入力された信号に応じて、前記車両に関する物理量を表示する車両用計器装置であって、
前記物理量を表示する表示部と、
前記信号に応じて、前記表示部を制御する制御部と、
第一通信プロトコルに基づく第一信号と第二通信プロトコルに基づく第二信号との両方の入力に対応した単一の接続端子と、
を備え、
前記制御部は、
前記信号が前記第一信号であるかを判定する第一判定動作と、
前記信号が前記第二信号であるかを判定する第二判定動作と、
を実行する
車両用計器装置。
【請求項2】
前記第一通信プロトコルは、
Controller Area Network (CAN)と
Universal Asynchronous Receiver/Transmitter (UART)と
のいずれか一方であり、
前記第二通信プロトコルは、他方である
請求項1に記載の車両用計器装置。
【請求項3】
前記第一通信プロトコルは、前記CANである
請求項2に記載の車両用計器装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第一判定動作を実行した後に前記第二判定動作を実行する
請求項3に記載の車両用計器装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記第一判定動作と前記第二判定動作の結果、前記信号が前記第一信号と前記第二信号のいずれでもない場合、エラー表示を行うよう前記表示部を制御する
請求項1に記載の車両用計器装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用計器装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載される計器装置として、特許文献1に記載の構成が開示されている。この構成では、各種センサ群と接続されたコントロールボックス(3)が、計器(1),(2)らを制御することで、測定した物理量の表示を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示される計器(1),(2)は、受信部(11),(14)を備える。これら受信部は、特定のプロトコルに基づいた信号でのみ、通信を行える。従って、計器(1),(2)は、接続されている相手側機器が対応するプロトコルに変更が生じた場合に、その相手側機器とは通信を行えない
【0005】
本発明の目的とするところは、上述課題に着目し、より汎用性に優れる車両用計器装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る車両用計器装置は、
車両に搭載され、入力された信号に応じて、前記車両に関する物理量を表示する車両用計器装置であって、
前記物理量を表示する表示部と、
前記信号に応じて、前記表示部を制御する制御部と、
第一通信プロトコルに基づく第一信号と第二通信プロトコルに基づく第二信号との両方の入力に対応した単一の接続端子と、
を備え、
前記制御部は、
前記信号が前記第一信号であるかを判定する第一判定動作と、
前記信号が前記第二信号であるかを判定する第二判定動作と、
を実行する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】メータ200とその周辺機器を表したブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の車両用計器装置の実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
[第一実施形態]
1-1.構成の説明
1-2.動作の説明
1-3.効果例
[変形例]
【0009】
[第一実施形態]
<1-1.構成の説明>
本開示の車両用計器装置は、例えば
図1から
図3に示されるようなメータ200として構成される。
【0010】
メータ200は、乗用車やオートバイ、作業車などの車両に搭載される。メータ200は、搭載された車両に関する物理量をユーザ(乗員など)へ報知する。メータ200が報知する物理量は、例えば車両の速度、動力の稼働状態(エンジン回転数、過給器の圧力、モータ回転数、バッテリ電力の充放電量など)、クーラント液温度、オイル温度などである。メータ200は、これらに挙げた物理量以外にも、車両状態、運行、走行環境などに関わる情報を表示しても良い。メータ200は、例えば車両へ後付けされる補助計器として搭載されてもよい。
【0011】
車両は、メータ200の他、バッテリB、センサ群S、コントロールユニット100を備える。
【0012】
バッテリBは、コントロールユニット100やメータ200へ電力を供給する電源の一例である。バッテリBは、例えば12V程度の電圧で電力を供給する鉛蓄電池である。バッテリBは、陽極端子と陰極端子を備え、各端子それぞれがコントロールユニット100やメータ200などに接続される。なお、図面では陽極端子と電気的に接続されるバッテリラインBLのみが図示される。陰極端子配線の図示は省略されている。
【0013】
センサ群Sは、車両に搭載される種々のセンサである。センサ群Sは、メータ200が表示する物理量を測定するセンサを含む。センサ群Sを構成するセンサは、例えばホール素子や可変抵抗、ダイアフラム式圧力センサ、サーミスタ、熱電対など、物理的な変化に応じて電圧や電流を変化する素子で構成される。センサ群Sは、過給器の圧力や、クーラント液の温度などを測定する。このようにしてセンサによって変化された電圧や電流は、センサ信号SSとしてコントロールユニット100へと送信される。
【0014】
コントロールユニット100は、メータ200を制御する制御装置である。具体的には、コントロールユニット100は、センサ群Sから入力されたセンサ信号SSに応じて所定のプロトコルに基づいた信号を生成する。コントロールユニット100は、信号ラインSLを介してこの信号をメータ200へ出力する。これにより、コントロールユニット100は、メータ200を制御する計器制御装置として機能する。
コントロールユニット100は、筐体に収容されつつも筐体の外部へ露出したコネクタを備える回路基板として構成される。
図2を参照しつつコントロールユニット100の電気的な構成を詳細に説明する。
【0015】
コントロールユニット100は、バッテリB及びセンサ群Sと電気的に接続される。コントロールユニット100は、バッテリBから所定の電力を供給されつつ、さらにバッテリラインBLを介して供給された電力をメータ200へと伝達する。なお、バッテリラインBLは、変圧回路を備えてもよい。すなわち、バッテリBが出力する電圧は、機器に応じて適切な電圧へ変換されてもよい。
【0016】
コントロールユニット100は、マイコン110、センサI/F回路120、電源スイッチ130、UART用I/F回路142、CAN用I/F回路141、UARTコネクタUC、CANコネクタCCを備える。
【0017】
マイコン110は、センサI/F回路120から入力されるセンサ信号SSに応じてメータ200を制御する。具体的には、マイコン110は、センサ信号SSに応じて、UART用I/F回路142とCAN用I/F回路141とを介してメータ200を制御する。マイコン110は、例えば所定プログラムや各種データの格納や演算時のデータ保持などに用いるROMやRAM等の記憶部と、所定プログラムに従って演算処理するためのCPUと、入出力インターフェース等を設けたマイクロコンピュータが適用され得る。
【0018】
マイコン110は、このようにUART用I/F回路142とCAN用I/F回路141とのいずれかでメータ200と通信することで、メータ200を制御する。すなわち、マイコン110は、複数のプロトコルに基づいてメータ200と通信可能である。
【0019】
マイコン110は、センサ信号SSの種類に応じて自動的に使用するプロトコルを選択してもよい。また、マイコン110は、動作前または動作中のユーザによる操作に応じて使用するプロトコルを選択してもよい。また、マイコン110は、後述の各プロトコル用コネクタ(CANコネクタCCやUARTコネクタUC)の内、導通を検出したコネクタに対応したプロトコルを自動的に使用するプロトコルとして選択してもよい。
【0020】
センサI/F回路120は、センサ群Sが出力したセンサ信号SSを、マイコン110が処理可能な形態へ変換するインターフェース用回路である。センサI/F回路120は、センサ信号SSに対して平均化、変圧、変調などの変換処理を行う。
【0021】
電源スイッチ130は、マイコン110によって開閉を制御されるスイッチである。 電源スイッチ130の後段(バッテリBに対して反対側)のバッテリラインBLは、UARTコネクタUC及びCANコネクタCCに含まれる端子としてメータ200へ接続可能に設けられている。電源スイッチ130は、開状態ではスイッチ前後のバッテリラインBLを短絡させ、メータ200へ電力供給を行う。この電力供給がなされている間、メータ200は表示動作を行う。電源スイッチ130は、閉状態ではスイッチ前後のバッテリラインBLを開放させ、メータ200への電力供給を停止する。
【0022】
マイコン110は、ユーザの操作や、車両から入力される信号(起動命令信号)に応じて電源スイッチ130を短絡させ、メータ200の動作を開始させてもよい。マイコン110は、ユーザの操作や、車両から入力される信号(終了命令信号)に応じて電源スイッチ130を開放させ、メータ200の動作を停止させてもよい。
【0023】
UART用I/F回路142及びCAN用I/F回路141は、マイコン110から受ける制御信号に応じて、メータ200へ所定のプロトコルに基づく信号を出力する。UART用I/F回路142は、UARTコネクタUCを介してUART(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter)に基づいた信号(第二信号)を出力する。CAN用I/F回路141は、CANコネクタCCを介してCAN(Controller Area Network)に基づいた信号(第一信号)を出力する。これらI/F回路は、排他的に単独で動作しても良いし、同時に動作しても良い。
【0024】
このように構成された計器制御装置であるところのコントロールユニット100は、電気的に接続されたメータへ所定のプロトコルに基づいた信号を出力することで、メータ200を制御する。
【0025】
メータ200は、コネクタC、信号ラインSL、マイコン210、通信選択回路220、UART用I/F回路232、CAN用I/F回路231、表示部(モータドライバ240、モータ250を含む)を備える。
【0026】
コネクタCは、メータ200の外部に露出した端子群である。端子群は、少なくともバッテリラインBLや信号ラインSLに対応した端子を含む。コネクタCは、コントロールユニット100などの計器制御装置から入力される信号をメータ200へ取り込み、通信選択回路220へ伝達する。また、コネクタCは、バッテリラインBLを介してメータ200の動作に必要な電力をメータ200へ取り込む。
【0027】
コネクタCは、端子群の他に、端子の保護や接続時のガイドのために嵌合部を形成する。嵌合部は、接続される配線の端部嵌合部と嵌合するように形状が形成される。嵌合部の形状は、相手側配線が伝送する信号のプロトコルに因らず、共通の形状で嵌合するように形成される。すなわち、メータ200は、使用するシーンに因って、異なるプロトコルに基づく複数の種類の信号が入力されたとしても、単一のコネクタCを介して信号を入力できる。このようなコネクタCを備える計器装置であるメータ200は、単一の計器装置として対応するプロトコルの数が多い場合であっても、コネクタの数が増大し大型化することを防ぐ事ができる。
【0028】
制御部の一例であるマイコン210は、コントロールユニット100から入力される信号に応じて、ユーザへ物理量を報知するべく表示部を制御する。具体的な挙動は後述する。マイコン210は、例えば所定プログラムや各種データの格納や演算時のデータ保持などに用いるROMやRAM等の記憶部と、所定プログラムに従って演算処理するためのCPUと、入出力インターフェース等を設けたマイクロコンピュータが適用され得る。
【0029】
通信選択回路220は、マイコン210の制御に応じて、信号ラインSLを介して入力された信号を、UART用I/F回路232とCAN用I/F回路231のいずれかへ伝達する。通信選択回路220は、主にトランジスタなどのスイッチング素子で構成されることで、信号の伝達経路を切り替えることができる。詳細な挙動は後述される。
【0030】
UART用I/F回路232とCAN用I/F回路231は、信号ラインSLを介して入力された信号を、マイコン210が取り込み可能な制御信号へと変換I/F回路である。
【0031】
表示部は、マイコン210に制御されることで、ユーザへ物理量を報知する。表示部は、モータドライバ240とモータ250、図示されないインジケータランプなどで構成される。
モータドライバ240は、マイコン210が出力するモータ制御信号に応じてモータ250へモータ駆動信号を出力するドライバである。モータ250は、モータドライバ240が出力するモータ駆動信号に応じて回転するモータであり、例えばステッピングモータやサーボモータが適用される。
メータ200は、指針と文字板を更に備える。モータ250は、この指針を回動させる。回動された指針は、文字板上に印刷された指標を指示する。ユーザは、指示された指標を視認することで、センサ群Sが計測した物理量を認識することができる。
インジケータランプは、透光性有色文字板と、当該文字板へ照明光を発する光源と、光源の周囲を囲み文字板や光源を保持するケースを有する。透光性有色文字板には、警告マーク状の透光部が形成され、ユーザは、これが透過照明される様子を視認することで情報を確認できる。
【0032】
<1-2.動作の説明>
上記のように構成されるメータ200は、
図4に示されるフローチャートのように動作する。
【0033】
ステップS1では、コントロールユニット100が、メータ200への電力の供給を開始する。メータ200は、電力供給が始まるとマイコン210の起動動作を開始し、引き続き以下に示すステップの動作を行う。マイコン210は、起動動作が完了すると、入力される信号のプロトコルを判定するために、通信確立モードに移行する。
【0034】
ステップS2では、マイコン210は、通信選択回路220を制御することで、信号ラインSLをCAN用I/F回路231へ接続する。
【0035】
ステップS3では、マイコン210は、信号ラインSLから入力される信号に対して、正常に通信を行えるかどうかを判定する。すなわち、マイコン210は、入力される信号がCANプロトコルに基づいた信号であるかを判定する(第一判定動作)。
【0036】
ステップS3にて、マイコン210が通信を行えた場合(すなわち信号がCANプロトコルに基づいた信号である場合。判定の結果が正である場合。)、ステップS4が実行される。
【0037】
ステップS4では、マイコン210は、引き続き通信選択回路220の状態を維持し、CANプロトコルに基づいた通信を行う。
【0038】
ステップS5では、マイコン210は、通常表示モードに移行する。通常表示モードのマイコン210は、入力される信号が表す車両情報に応じて、表示部(モータドライバ240など)へ制御信号を送信することで、通常表示動作を行う。この間、ユーザは表示部を視認することで車両の物理量を確認できる。
【0039】
ステップS6では、マイコン210は、コントロールユニット100からの電力供給が停止したことに応じて、動作を終了する。具体的には、マイコン210は、メータ200に備わる電子部品のシャットダウンを行った後に、マイコン210自体のシャットダウンを行う。
【0040】
ステップS3にて、マイコン210が通信を行えなかった場合(すなわち信号がCANプロトコルに基づいた信号でない場合。否である場合。)、ステップS7が実行される。
【0041】
ステップS7では、マイコン210は、通信選択回路220を制御することで、信号ラインSLをUART用I/F回路232へ接続する。
【0042】
ステップS8では、マイコン210が、信号ラインSLから入力される信号に対して、正常に制御を行えるかどうかを判定する。すなわち、マイコン210は、入力される信号がUARTプロトコルに基づいた信号であるかを判定する(第二判定動作)。
【0043】
ステップS8にて、マイコン210が通信を行えた場合(すなわち信号がUARTプロトコルに基づいた信号である場合。判定結果が正である場合。)、ステップS5が実行される。
【0044】
ステップS8にて、マイコン210が通信を行えなかった場合(すなわち信号がUARTプロトコルに基づいた信号でない場合。否である場合。)、ステップS9が実行される。
【0045】
ステップS9では、マイコン210は、エラー表示モードに移行する。
【0046】
ステップS10では、エラー表示モードのマイコン210は、表示部を制御することで、ユーザへエラー表示を行う。エラー表示時、例えばマイコン210は、インジケータランプを点灯させる。またマイコン210は、モータドライバ240へ所定の制御信号を送信することでモータ250が特異な動作をするように制御することで、ユーザへエラー発生を報知しても良い。
【0047】
<1-3.効果例>
第一の構成として、車両用計器装置であるところのメータ200は、
車両に搭載され、入力された信号に応じて、車両に関する物理量を表示するメータ200であって、
物理量を表示する表示部と、
信号に応じて、表示部を制御するマイコン210と、
CAN(第一通信プロトコル)に基づく第一信号とUART(第二通信プロトコル)に基づく第二信号との両方の入力に対応した単一のコネクタ(接続端子)と、
を備え、
マイコン210は、
信号が第一信号であるかを判定するステップS3(第一判定動作)と、
信号が第二信号であるかを判定するステップS8(第二判定動作)と、
を実行する。
【0048】
この構成に依れば、コネクタの数を少なく抑えながらも、より汎用性に優れる車両用計器装置となる。
【0049】
第一の構成を含む第二の構成として、メータ200は、
第一通信プロトコルは、
Controller Area Network(CAN)と
Universal Asynchronous Receiver/Transmitter(UART)と
のいずれか一方であり、
前記第二通信プロトコルは、他方である。
【0050】
この構成に依れば、車両用として広く普及しているプロトコルに対応することで、より汎用性に優れる車両用計器装置となる。
【0051】
第二の構成を含む第三の構成として、メータ200は、
第一通信規格は、CANである。
【0052】
第三の構成を含む第四の構成として、メータ200は、
マイコン210は、第一判定動作であるステップS3を実行した後に第二判定動作であるステップS8を実行する
【0053】
この構成では、マイコン210は入力された信号がまずCANであるか否かを判定する。ここで、CANとUARTとを比較した際、CANの方が供用開始時期の観点でUARTより時期が遅い。従って、従来の車両用計器としては、UART用として設計されたプログラムがより広く普及している。UART用プログラムには、上記の第二判定動作を含む場合が多い。こういった環境では、このUART用プログラムを改変する場合、当該プログラムの先頭へ、第一判定動作に関するプログラムを挿入する方が、設計が簡便になる傾向がある。
【0054】
仮に、これとは逆に第二判定動作の後に第一判定動作を実行するようにプログラムを設計する場合、例えばその後段に続くであろうエラー表示などプログラムにまで変更を加える可能性が生じる。このような事態を避けるため、マイコン210は、第一判定動作を実行した後に第二判定動作を実行する。
【0055】
この構成に依れば、より簡便に設計が可能な、汎用性に優れる車両用計器装置となる。
【0056】
第一から第四のうち少なくとも一つの構成を含む第五の構成として、メータ200は、 マイコン210は、ステップS3とステップS8での判定の結果、信号が第一信号と第二信号のいずれでもない場合、エラー表示を行うよう表示部を制御する。
【0057】
[変形例]
なお、本発明の車両用計器装置を上述した実施の形態の構成にて例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の構成においても、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の改良、並びに表示の変更が可能なことは勿論である。
【0058】
第一通信プロトコルや第二通信プロトコルとして、UARTやCANが適用される例を示した。しかしながら、これらプロトコルとして、これら以外のプロトコルが適用されてもよい。例えば、LIN(Local Interconnect Network)やFlexRay、MOST(Media Oriented Systems Transport)、CAN FD(Flexible Data rate)、Ethernetなどのプロトコルが第一通信プロトコルや第一通信プロトコルとして適用されてもよい。
【符号の説明】
【0059】
B バッテリ
BL バッテリライン
S センサ群
SS センサ信号
100 コントロールユニット(計器制御装置の一例)
110 マイコン
120 センサI/F回路
130 電源スイッチ
141 CAN用I/F回路
142 UART用I/F回路
CC CANコネクタ
UC UARTコネクタ
200 メータ(車両用計器装置の一例)
210 マイコン
220 通信選択回路
231 CAN用I/F回路
232 UART用I/F回路
240 モータドライバ
250 モータ
C コネクタ
CL 信号ライン