(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024033743
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】制御システム、制御方法、および制御プログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20240306BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20240306BHJP
B60W 30/08 20120101ALI20240306BHJP
【FI】
G08G1/16 A
G08G1/09 V
B60W30/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022137530
(22)【出願日】2022-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】509186579
【氏名又は名称】日立Astemo株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 有真
(72)【発明者】
【氏名】石郷岡 祐
(72)【発明者】
【氏名】布施 康宏
(72)【発明者】
【氏名】近藤 明宏
(72)【発明者】
【氏名】新 吉高
【テーマコード(参考)】
3D241
5H181
【Fターム(参考)】
3D241BB37
3D241CD17
3D241CE02
3D241CE04
3D241CE05
3D241DB01Z
3D241DB02Z
3D241DB20Z
3D241DC03Z
3D241DC09Z
3D241DC25Z
3D241DC31Z
3D241DC35Z
3D241DC37Z
3D241DC44Z
3D241DC57Z
5H181AA01
5H181AA21
5H181BB12
5H181BB13
5H181FF13
5H181LL01
5H181LL02
5H181LL04
5H181LL07
5H181LL08
5H181LL09
5H181LL14
(57)【要約】
【課題】有人車両や人が混在した人混在環境においても安全性を保証した上で効率的な走行調停が可能な制御システム、制御方法、および制御プログラムを提供する。
【解決手段】移動体(車載装置1、移動体3)と管制装置2で構成される制御システム0において、前記管制装置2は、特定の移動体(車載装置1)において、前記特定の移動体の位置と移動計画と速度に基づいて閉塞領域202を算出し、前記閉塞領域202と前記特定の移動体の制動時間と周辺情報に基づいて警戒領域203を算出する閉塞候補算出部21と、前記閉塞候補算出部21により算出された領域の種別、及び、前記領域に侵入する侵入移動体(移動体3)の種別に基づいて安全行動指示を選択する安全指示生成部22と、前記安全行動指示を前記特定の移動体に通知する安全通知部23と、を備え、前記特定の移動体は、前記安全行動指示に基づいて、行動を実施する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体と管制装置で構成される制御システムにおいて、
前記管制装置は、
特定の移動体において、前記特定の移動体の位置と移動計画と速度に基づいて閉塞領域を算出し、前記閉塞領域と前記特定の移動体の制動時間と周辺情報に基づいて警戒領域を算出する閉塞候補算出部と、
前記閉塞候補算出部により算出された領域の種別、及び、前記領域に侵入する侵入移動体の種別に基づいて安全行動指示を生成する安全指示生成部と、
前記安全行動指示を前記特定の移動体に通知する安全通知部と、を備え、
前記特定の移動体は、前記安全通知部から通知された前記安全行動指示に基づいて、行動を実施することを特徴とする制御システム。
【請求項2】
請求項1に記載の制御システムにおいて、
前記管制装置は、前記閉塞領域情報と前記警戒領域情報と前記移動体情報を前記特定の移動体に通知する閉塞指示部を備えることを特徴とする制御システム。
【請求項3】
請求項1に記載の制御システムにおいて、
前記管制装置は、前記特定の移動体が移動する経路において、前記侵入移動体の任意時間後の位置が、前記特定の移動体の前記閉塞領域もしくは前記警戒領域内に位置付けられる場合に、前記特定の移動体に対して速度指示を出力する速度調整部を備えることを特徴とする制御システム。
【請求項4】
請求項1に記載の制御システムにおいて、
前記閉塞候補算出部は、
前記特定の移動体において、前記特定の移動体の位置と移動計画と速度に基づいて制動距離と制動時間を算出し、前記移動計画と前記制動距離による領域を前記閉塞領域として算出し、
前記閉塞領域と前記制動時間と、前記侵入移動体の速度もしくは前記侵入移動体の想定最高速度とに基づいて前記閉塞領域の外側に前記制動時間に前記侵入移動体が移動できる領域を前記警戒領域として算出することを特徴とする制御システム。
【請求項5】
請求項1に記載の制御システムにおいて、
前記閉塞候補算出部は、
前記特定の移動体において、前記特定の移動体の位置と移動計画と速度に基づいて制動距離と制動時間を算出し、前記移動計画と前記制動距離による領域を前記閉塞領域として算出し、
前記侵入移動体の位置と移動計画と、前記侵入移動体の速度もしくは前記侵入移動体の想定最高速度とに基づいて前記閉塞領域の外側に前記制動時間における前記侵入移動体が走行する領域を前記警戒領域として算出することを特徴とする制御システム。
【請求項6】
請求項1に記載の制御システムにおいて、
前記安全指示生成部は、前記閉塞候補算出部により算出された領域の種別、及び、前記領域に侵入する前記侵入移動体の種別に加えて、ルールに基づいて安全行動指示を生成することを特徴とする制御システム。
【請求項7】
請求項1に記載の制御システムにおいて、
前記移動体の種別は、少なくとも行動を制御可能な移動体と行動を制御不可能な移動体に分類されることを特徴とする制御システム。
【請求項8】
請求項1に記載の制御システムにおいて、
前記移動体の種別は、自動運転車両、非自動運転車両、歩行者に分類されることを特徴とする制御システム。
【請求項9】
請求項6に記載の制御システムにおいて、
前記ルールは、歩道、分離帯、横断歩道、複数車線、又は作業エリアの少なくともいずれかを含む道路情報で構成されることを特徴とする制御システム。
【請求項10】
請求項1に記載の制御システムにおいて、
前記安全指示生成部における前記侵入移動体とは、前記特定の移動体の前記閉塞領域または前記警戒領域に侵入した移動体を意味し、前記安全指示生成部における前記特定の移動体とは、前記侵入移動体により前記閉塞領域または前記警戒領域に侵入された移動体を意味することを特徴とする制御システム。
【請求項11】
請求項8に記載の制御システムにおいて、
前記歩行者あるいは有人車両は、前記管制装置から通知された侵入移動体通知情報を、音、光、振動、又は映像の少なくともいずれかで通知する機能を有するデバイスを所持することを特徴とする制御システム。
【請求項12】
請求項1に記載の制御システムにおいて、
前記特定の移動体は、前記管制装置から通知された前記閉塞領域の外部を走行しない閉塞制御連携自動運転部を備えることを特徴とする制御システム。
【請求項13】
請求項1に記載の制御システムにおいて、
前記特定の移動体は、前記移動体情報と前記閉塞領域情報と前記警戒領域情報を基に、回避軌道を算出することを特徴とする制御システム。
【請求項14】
特定の移動体において、前記特定の移動体の位置と移動計画と速度に基づいて閉塞領域を算出し、前記閉塞領域と前記特定の移動体の制動時間と周辺情報に基づいて前記閉塞領域の外側に警戒領域を算出する閉塞候補算出ステップと、
前記閉塞候補算出ステップにより算出された領域の種別、及び、前記領域に侵入する侵入移動体の種別に基づいて安全行動指示を生成する安全指示生成ステップと、
前記安全行動指示を前記特定の移動体に通知する安全通知ステップと、を含むことを特徴とする制御方法。
【請求項15】
特定の移動体において、前記特定の移動体の位置と移動計画と速度に基づいて閉塞領域を算出し、前記閉塞領域と前記特定の移動体の制動時間と周辺情報に基づいて前記閉塞領域の外側に警戒領域を算出する閉塞候補算出手順と、
前記閉塞候補算出手順により算出された領域の種別、及び、前記領域に侵入する侵入移動体の種別に基づいて安全行動指示を生成する安全指示生成手順と、
前記安全行動指示を前記特定の移動体に通知する安全通知手順と、をコンピュータに実行させるための制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御システム、制御方法、および制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
有人車両と無人車用の干渉を制御する既存技術として、特開2021-162976号公報(特許文献1)に記載の技術がある。この公報には、制御できない有人車両(移動体)と閉塞領域が重なった場合に、無人車両を制動させることにより安全性を向上することを特徴とする交通管制サーバ及び交通管制システム並びに交通管制サーバと無線通信可能な表示装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1においては、固定的な領域を想定しているため、有人車両(移動体)の走行によっては衝突を防ぐことができない。したがって、有人車両や人が混在した環境においても安全性を保証することが課題である。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、人混在環境においても安全性を保証した上で効率的な走行調停が可能な制御システム、制御方法、および制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の制御システムは、移動体と管制装置で構成される制御システムにおいて、前記管制装置は、特定の移動体において、前記特定の移動体の位置と移動計画と速度に基づいて閉塞領域を算出し、前記閉塞領域と前記特定の移動体の制動時間と周辺情報に基づいて警戒領域を算出する閉塞候補算出部と、前記閉塞候補算出部により算出された領域の種別、及び、前記領域に侵入する侵入移動体の種別に基づいて安全行動指示を生成する安全指示生成部と、前記安全行動指示を前記特定の移動体に通知する安全通知部と、を備え、前記特定の移動体は、前記安全通知部から通知された前記安全行動指示に基づいて、行動を実施する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、人混在環境においても安全性を保証した上で効率的な走行調停が可能となる。
【0008】
上記した以外の課題、構成および効果については、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施例1における制御システム0の構成を示した図である。
【
図2】実施例1における制御システム0の機能ブロック構成ならびに全体動作フロー概要を示した図である。
【
図4】閉塞領域202と警戒領域203の一例を示した図である。
【
図5】閉塞領域202と警戒領域203の他例を示した図である。
【
図7】閉塞候補算出部21の処理フローを示した図である。
【
図8】閉塞領域202の算出のための具体例を示した図である。
【
図9】閉塞領域202の算出の処理フローの別例を示した図である。
【
図10】
図9に記載の処理フローで閉塞領域202を算出する際の具体例を示した図である。
【
図11】安全指示生成部22の処理フローを示した図である。
【
図12】実施例2における安全指示生成部22の処理フローを示した図である。
【
図13】実施例2におけるルール情報205の例を示した図である。
【
図14】実施例3における安全指示生成部22の処理フローを示した図である。
【
図15】実施例3におけるルール情報205の例を示した図である。
【
図16】実施例4における制御システム0の機能ブロック構成ならびに全体動作フロー概要を示した図である。
【
図17】実施例4における速度調整部24の処理フローを示した図である。
【
図18】現在の速度で走行した場合の閉塞領域および警戒領域を示した図である。
【
図19】速度を調整した場合の閉塞領域および警戒領域を示した図である。
【
図20】実施例5における制御システム0の機能ブロック構成ならびに全体動作フロー概要を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本実施例は、制御システム0および車載装置1および管制装置2に関する。
【0011】
以下、本発明に好適な実施形態の例(実施例)を図面を用いて説明する。
【0012】
[実施例1]
<制御システムの構成>
図1は、実施例1における制御システム0の構成を示した図である。
【0013】
制御システム0は、車載装置1と管制装置2と移動体3からなる。車載装置1は、車両の走行の機能が搭載されており、必要に応じて管制装置2から車両制御を補助する情報を受け取ることにより自動運転を行う。つまり、車載装置1は、自動運転可能な車両(移動体)である自動運転車両を構成する。管制装置2は、車載装置1や移動体3から位置や速度や移動計画といった移動体情報201(
図2)を受け取り、任意の領域に対して閉塞制御を行い、車載装置1や移動体3に指示を行う。移動体3は、車載装置1の周辺に存在し得る有人車両(非自動運転車両)や人(歩行者)である。
【0014】
<管制装置と車載装置の構成>
図2は、実施例1における制御システム0の機能ブロック構成ならびに全体動作フロー概要を示した図である。
【0015】
車載装置1は、自動運転部11と出力調停部12と車両制御部13を持つ。
【0016】
管制装置2は、閉塞候補算出部21と安全指示生成部22と安全通知部23を持つ。
【0017】
自動運転部11は、車両に搭載されているセンサを基に、車両の制御指令値を算出し、車両を制御する。
【0018】
出力調停部12は、自動運転部11の出力と安全通知部23の出力を基に、制御指令値の調停を行い、車両制御部13に入力する。
【0019】
車両制御部13は、調停後の制御指令値を基に、車両の制御を行う。
【0020】
閉塞候補算出部21は、車載装置1や移動体3から受け取った位置や速度や移動計画といった移動体情報201を基に、閉塞領域202と警戒領域203を算出する。
【0021】
安全指示生成部22は、閉塞領域202と警戒領域203と移動体情報201を基に、閉塞制御を行い、安全指示情報204を生成する。
【0022】
安全通知部23は、安全指示情報204を車載装置1(の出力調停部12)に通知する。
【0023】
<移動体情報>
図3は、本実施例における移動体情報201の例を示した図である。
【0024】
移動体情報201は、本実施例の想定する環境に存在している各移動体(車載装置1、移動体3)の位置、速度、種別、経路(移動計画)を、それぞれIDを割り当てて管理する。この情報は、各移動体(車載装置1、移動体3)が管制装置2に通知してもよいし、インフラセンサ等を使用して検知してもよい。本実施例において各移動体の種別は、少なくとも行動を制御可能な移動体(例えば無人車両)と行動を制御不可能な移動体(例えば有人車両や人)に分類される。換言すると、本実施例において各移動体の種別は、自動運転車両(例えば無人車両)、非自動運転車両(例えば有人車両)、人(歩行者)に分類される。また、例えば有人車両は人が運転しているため、現在の速度情報を有しているが、どのような経路で走行するかの情報は含まれていないことが考えられる。一方で、有人車両であっても例えば目的地があり、そこまでの経路が確定している場合も考えられる。また、歩行者についても同様であるが、歩行者は容易に進行方向や速度が変わるため、速度情報を持たないことが考えられる。
【0025】
<閉塞領域と警戒領域>
図4と
図5は、本実施例における閉塞領域202と警戒領域203の例を示した図である。
【0026】
閉塞領域202は、
図4と
図5における斜線で示された領域である。警戒領域203は、閉塞領域202の外側に存在している領域である。
【0027】
閉塞領域202は、特定の移動体(車載装置1)が制動をかけて停止するまでに走行する領域である。
【0028】
警戒領域203は、移動体3が移動しても衝突を防ぐために必要な領域である。
【0029】
図4に示すように、車両が直線路を走行(直進)している場合も考えられるし、
図5に示すように、車両がカーブを走行している場合も考えられる。図示しないが、右左折等、様々な走行パターンに応じて領域が決定される。
【0030】
<安全指示情報>
図6は、本実施例における安全指示情報204の例を示した図である。
【0031】
図6に示すように、対象となる車両に対して例えば減速のような安全指示を出す。
【0032】
<閉塞候補算出部>
図7は、本実施例における閉塞候補算出部21の処理フローを示した図である。
【0033】
ステップS211に示すように前提を次のようにする。
座標系:車両座標系(車両座標系と世界座標系はそれぞれ変換することが可能である。)
現在位置:(0,0)
自車両の軌道:y=f(x)
現在速度(m/s):V0
減速度(m/s^2):-A
【0034】
ステップS212において、制動時間T_stopを算出する。制動時間はT_stop=V0/Aで求まる。
【0035】
ステップS213において、制動距離D_stopを算出する。制動距離はD_stop=V0*T_stop+(-A*T_stop^2)/2で求まる。
【0036】
ステップS214において、自車両の停止位置を(X_stop,Y_stop)とし、停止位置X_stopは以下の(数1)を満たす。
(数1)
【0037】
ステップS215において、閉塞領域202の算出を行う。
【0038】
ステップS216において、警戒領域203の算出を行う。
【0039】
<閉塞領域の算出>
図8は、閉塞領域202の算出のための具体例を示した図である。
【0040】
閉塞領域202は、車幅、車長、軌道(移動計画)、位置、速度、加速度(減速度)から求まる。一例を以下に説明する。
【0041】
閉塞領域202を算出するにあたり、車両左側の軌道はy=g(x)で、車両右側の領域はy=h(x)で表現する。
【0042】
軌道上の任意の点(a,f(a))について考える。
【0043】
任意の点における接線の傾きは、f’(a)であることから、法線の傾きは-1/f’(a)であることがわかる。(接線の傾きと法線の傾きをかけると-1となる。つまり直交していることがわかる。)
【0044】
また、法線は任意の点(a,f(a))を通るため、法線はy = -1/f’(a)*x + a/f’(a) + f(a)で表現できる。
【0045】
次に、車両の左側と右側の関数について考える。法線との交点を(c,d)とする。
【0046】
(c,d)は法線を通るため、d = (a-c)/f’(a) + f(a)である。
【0047】
車両サイズは一定であるため、任意の点と交点(c,d)の距離D_車幅マージンは常に一定である。つまり、(a-c)^2 + (f(a)-d)^2 = D_車幅マージン^2である。
【0048】
これらより、dを代入することで次式の(数2)が得られる。
(数2)
(a-c)^2 + (f(a) - (a-c)/f’(a) + f(a))^2 = D_車幅マージン^2
⇔(f’(a)^2+1) * (c-a)^2 = (f’(a)*D_車幅マージン)^2
⇔c = a ± f’(a)*D_車幅マージン
【0049】
そして、aの範囲は、0≦a≦X_stopであるため、左側は-D_車幅マージン ≦ x ≦X_stop - f’(X_stop)*D_車幅マージン、右側はD_車幅マージン ≦ x ≦X_stop + f’(X_stop)*D_車幅マージンである。
【0050】
求まったcによって、左側はxが負の方向に、右側はxが正の方向であるため、次式の(数3)が得られる。
(数3)
・g(x)
d = g(c) = (a - (a - f’(a)*D_車幅マージン))/f’(a) + f(a)
⇔d = f(a) + D_車幅マージン
⇔y = f(x) + D_車幅マージン, -D_車幅マージン ≦ x ≦ X_stop - f’(X_stop)*D_車幅マージン
・h(x)
d = h(c) = (a - (a + f’(a)*D_車幅マージン))/f’(a) + f(a)
⇔d = f(a) - D_車幅マージン
⇔y = f(x) - D_車幅マージン, D_車幅マージン ≦ x ≦ X_stop + f’(X_stop)*D_車幅マージン
【0051】
閉塞領域202は、
図8に示すようにg(x)とh(x)を車長マージン分拡張した領域となる。
【0052】
また、軌道がy=f(x)で表現できない区間が存在する場合、x=(任意の定数)となるため、次の(数4)のように閉塞領域202を決定することができる。
(数4)
-D_車幅マージン≦x≦D_車幅マージン, -D_車長マージン≦y≦D_stop+車長マージン
【0053】
<閉塞領域の算出の別例>
図9は、閉塞領域202の算出の処理フローの別例を示した図である。
図10は、
図9に記載の処理フローで閉塞領域202を算出する際の具体例を示した図である。
【0054】
ステップS2151において、iとD_sumを0に初期化する。
【0055】
ステップS2152において、ウェイポイント(WP)が存在しているか否かを判定し、ウェイポイントが存在している場合はステップS2153に進み、存在していない場合は処理を終了する。
【0056】
ステップS2153において、処理対象のウェイポイント間の距離を算出する。
【0057】
ステップS2154において、今までの距離の合計(D_sum)と処理対象のウェイポイント間の距離(D_i)の合計が、制動距離(D_stop)を超えているかを判定し、制動距離を超えている場合はステップS2157に進み、そうでない場合はステップS2155に進む。
【0058】
ステップS2155において、今までの距離の合計に、処理対象のウェイポイント間の距離を加算する。
【0059】
ステップS2156において、処理対象のウェイポイントの線分に、車長と車幅を考慮して閉塞領域を算出する。また、次のウェイポイントに処理を移す。
【0060】
図10のWP_1とWP_2に示すような領域となる。
【0061】
ステップS2157において、WP_iと停止位置(WP_stop)の距離が、制動距離(D_stop)と今までの距離の合計(D_sum)の差になるような停止位置を算出する。
【0062】
ステップS2158において、WP_iと停止位置(WP_stop)の線分に、車長と車幅を考慮して閉塞領域を算出する。
図10のWP_3と停止位置(X_stop,Y_stop)のような領域となる。例えば
図10の場合、(WP_1とWP_2の距離)+(WP_2とWP_3の距離)+(WP_3と停止位置の距離)=D_stopとなる。
【0063】
このような手順で閉塞領域を算出する。
【0064】
すなわち、本実施例において、閉塞候補算出部21は、特定の移動体である車載装置1において、車載装置1の位置と移動計画と速度に基づいて閉塞領域を算出する。詳しくは、閉塞候補算出部21は、特定の移動体である車載装置1において、車載装置1の位置と移動計画と速度に基づいて制動距離と制動時間を算出し、移動計画と制動距離による領域を閉塞領域として算出する。
【0065】
<警戒領域の算出>
警戒領域203は、特定の移動体(車載装置1)が制動をかけて停止するまでに、移動体3が移動できる領域であり、特定の移動体(車載装置1)の制動時間と軌道と移動体3の速度(現在速度または想定最高速度)から求まる。一例を下記に示す。
【0066】
自車両の軌道を媒介変数t(tは時刻を表し、0≦t≦T_stop)を用いて、x = f_x(t) , y = f_y(t)と表現できるとする。
【0067】
警戒領域203は、次式の(数5)のように算出できる。
(数5)
(x - f_x(t))^2 + (y - f_y(t))^2 ≦(V_other * t)^2 , 0≦t≦T_stop
【0068】
V_otherは移動体3の速度であり、移動体情報201から現在速度を参照してもよいし、想定される移動体3の最高速度を参照してもよい。
【0069】
すなわち、本実施例において、閉塞候補算出部21は、特定の移動体である車載装置1において、閉塞領域と車載装置1の制動時間と周辺情報(移動体3の速度(現在速度または想定最高速度)など)に基づいて閉塞領域の外側に警戒領域を算出する。詳しくは、閉塞候補算出部21は、車載装置1の閉塞領域と制動時間と、移動体3の速度もしくは移動体3の想定最高速度とに基づいて閉塞領域の外側に制動時間に移動体3が移動できる領域を警戒領域として算出する。換言すると、閉塞候補算出部21は、移動体3の位置と移動計画と、移動体3の速度もしくは移動体3の想定最高速度とに基づいて閉塞領域の外側に制動時間における移動体3が走行する領域を警戒領域として算出する。
【0070】
<安全指示生成部>
図11は、安全指示生成部22の処理フローを示した図である。
【0071】
ステップS221において、閉塞領域202に移動体3(他移動体)が存在するか否かを判定し、存在している場合はステップS226に進み、存在していない場合はステップS222に進む。
【0072】
ステップS222において、警戒領域203に移動体3が存在するか否かを判定し、存在している場合はステップS223に進み、存在していない場合は処理を終了する。
【0073】
ステップS223において、移動体3が無人車両であるか否かを判定し、無人車両である場合はステップS224に進み、無人車両でない場合はステップS226に進む。
【0074】
ステップS224において、移動計画が閉塞領域202に侵入しない計画となっているか否かを判定し、閉塞領域202に侵入しない計画となっている場合は処理を終了し、閉塞領域202に侵入する計画となっている場合はステップS225に進む。
【0075】
ステップS225において、自車両が優先であるか否かを判定し、自車両が優先である場合は処理を終了し、自車両が優先でない場合はステップS226に進む。
【0076】
ステップS226において、安全指示情報204(
図6)を生成する。
【0077】
このような手順で安全指示生成部22は車両に対して指示すべき内容を決定する。
【0078】
すなわち、安全指示生成部22は、閉塞候補算出部21により算出された領域の種別(閉塞領域、警戒領域)、及び、その領域に侵入する移動体3(他移動体)の種別(無人車両、有人車両など)に基づいて安全行動指示(安全指示情報204)を生成する。
【0079】
<安全通知部>
安全通知部23は、安全指示生成部22で生成された安全行動指示(安全指示情報204)を車載装置1(の出力調停部12)に通知する。
【0080】
実施例1における制御システム0および車載装置1および管制装置2によれば、閉塞領域202と警戒領域203を算出し、閉塞領域202や警戒領域203に侵入された場合に制動することにより、移動体3との衝突を防ぐことが可能となる。また、移動体3の種別によって侵入を許可することにより、走行効率を向上させることが可能となる。
【0081】
[実施例2]
本発明の実施例2における制御システム0について説明する。
【0082】
実施例1と異なる点は、ルール情報205を追加することにより、警戒領域203への移動体3の侵入を許可することにより、ルールを順守している場合に、安全性を保証しつつ、走行効率を向上させることが可能となる。
【0083】
なお、実施例1と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0084】
<安全指示生成部>
図12は、実施例2における安全指示生成部22の処理フローを示した図である。
【0085】
ステップS227において、ルール情報を取得する。
【0086】
ステップS221において、閉塞領域202に移動体3(他移動体)が存在するか否かを判定し、存在している場合はステップS226に進み、存在していない場合はステップS222に進む。
【0087】
ステップS222において、警戒領域203に移動体3が存在するか否かを判定し、存在している場合はステップS228に進み、存在していない場合は処理を終了する。
【0088】
ステップS228において、ルール情報205を参照し、警戒領域203に存在している移動体3の侵入を許可するかどうかを判定し、許可する場合は処理を終了し、許可しない場合はステップS226に進む。
【0089】
ステップS226において、安全指示情報204(
図6)を生成する。
【0090】
このような手順で安全指示生成部22は車両に対して指示すべき内容を決定する。
【0091】
すなわち、安全指示生成部22は、閉塞候補算出部21により算出された領域の種別(閉塞領域、警戒領域)、及び、その領域に侵入する移動体3(他移動体)の種別(無人車両、有人車両など)に加えて、ルールに基づいて安全行動指示(安全指示情報204)を生成する。
【0092】
<ルール情報>
図13は、実施例2におけるルール情報205の例を示した図である。
【0093】
例えば、警戒領域203に侵入してきた移動体3が無人車両(制御可能)の場合、優先度に応じて制御(そのまま走行/減速)を行う。
【0094】
有人車両(制御不可能)や歩行者(作業員/外部作業員)が警戒領域203に存在する場合には、ルールベースで処理を決定する。
【0095】
歩道において、歩行者(作業員)の場合は、ルール順守が徹底されているため、車道に飛び出さないと判断でき、警戒領域203の内、歩道の領域への侵入を許可することができる。一方で、歩行者(外部作業員)の場合、ルール順守の徹底が困難であるため、歩道の領域への侵入を許可しない。
【0096】
車道において、分離帯が存在する場合は、対向車両が走行車線に侵入する可能性がないと判断することができるため、移動体3の車道の領域への侵入を許可することができる。
【0097】
横断歩道の場合、歩行者が横断する可能性があるため、横断歩道の領域への侵入を許可しない。
【0098】
複数車線がある場合、有人車両が急な車線変更を行った際に衝突の可能性があるため、当該車線の領域への侵入を許可しない。一方で、車線変更禁止区間の場合は、車線を変更できないため、当該車線の領域への侵入を許可する。
【0099】
例えばコンテナといった物品が道路上に置いてある場合やクレーン等といった機器により物品が移動し得る場合に、その可動範囲は衝突の可能性があると判断し、作業エリアへの侵入を許可しない。換言すると、前記領域と干渉した場合は、車載装置1を搭載した車両は減速/停止する。
【0100】
このように、安全指示生成部22は、歩道、分離帯、横断歩道、複数車線、作業エリアといった道路情報で構成されるルールに基づいて安全行動指示(安全指示情報204)を生成する。
【0101】
実施例2における制御システム0および車載装置1および管制装置2によれば、ルール情報205を追加することにより、警戒領域203への移動体3の侵入を許可することにより、ルールを順守している場合に、安全性を保証しつつ、走行効率を向上させることが可能となる。
【0102】
[実施例3]
本発明の実施例3における制御システム0について説明する。
【0103】
実施例1、2と異なる点は、ルール情報205に侵入移動体への安全指示を定義することにより、侵入してきた移動体3に警告を出すことで、安全性を向上させることが可能となる。
【0104】
なお、実施例1、2と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0105】
<安全指示生成部>
図14は、実施例3における安全指示生成部22の処理フローを示した図である。
【0106】
ステップS227において、ルール情報205を取得する。
【0107】
ステップS221において、閉塞領域202に移動体3(他移動体)が存在するか否かを判定し、存在している場合はステップS226に進み、存在していない場合はステップS222に進む。
【0108】
ステップS222において、警戒領域203に移動体3が存在するか否かを判定し、存在している場合はステップS228に進み、存在していない場合は処理を終了する。
【0109】
ステップS228において、ルール情報205を参照し、警戒領域203に存在している移動体3の侵入を許可するかどうかを判定し、許可する場合は処理を終了し、許可しない場合はステップS226に進む。
【0110】
ステップS226において、安全指示情報204(
図6)を生成する。
【0111】
ステップS229において、侵入移動体通知情報を生成する。移動体(有人車両、歩行者)は、管制装置2から通知される侵入移動体通知情報を、音・光・振動・映像の少なくともいずれかで通知する機能を有するデバイスを所持するものとする。この情報が通知された移動体(有人車両、歩行者)は、所持しているデバイスで、音・光・振動・映像の少なくともいずれかで警告される。
【0112】
このような手順で安全指示生成部22は車両に対して指示すべき内容を決定する。
【0113】
<ルール情報>
図15は、実施例3におけるルール情報205の例を示した図である。
【0114】
図15に示すように、有人車両・歩行者が閉塞領域202に侵入した場合には、管制装置2が侵入移動体通知情報を送り、有人車両・歩行者が所持しているデバイスを通じて警告される。
【0115】
また、有人車両・歩行者が警戒領域203に侵入した際は、侵入が許可されていない場合に、管制装置2が侵入移動体通知情報を送り、有人車両・歩行者が所持しているデバイスを通じて警告される。
【0116】
実施例3における制御システム0および車載装置1および管制装置2によれば、ルール情報205に侵入移動体への安全指示を定義することにより、侵入してきた移動体3に警告を出すことで、安全性を向上させることが可能となる。
【0117】
[実施例4]
本発明の実施例4における制御システム0について説明する。
【0118】
実施例1、2、3と異なる点は、干渉が見込まれる場合、特定の移動体(車載装置1)の速度を調整することにより、加減速回数を削減し、安定した走行を実現することが可能となる。
【0119】
なお、実施例1、2、3と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0120】
<管制装置と車載装置の構成>
図16は、実施例4における制御システム0の機能ブロック構成ならびに全体動作フロー概要を示した図である。
【0121】
管制装置2は、実施例1の構成に加え、移動体情報201を基に速度情報206を算出する速度調整部24と、速度情報206を車載装置1(の出力調停部12)に送信(通知)する速度通知部25を持つ。
【0122】
<速度調整部>
図17は、本実施例における速度調整部24の処理フローを示した図である。
【0123】
ステップS241において、軌道と横断歩道の交点を算出する。横断歩道を関数で表現することが可能であるため、軌道との交点(X_横断歩道,Y_横断歩道)を算出できる。
【0124】
ステップS242において、移動体3と横断歩道の距離を算出する。
図3の歩行者(X3,Y3)を例として説明する。距離D_横断歩道は、√((X3-X_横断歩道)^2+(Y3-Y_横断歩道)^2)で算出できる。
【0125】
ステップS243において、調整速度を算出する。調整速度V_調整は、V_調整=(A/V_other)*(D_横断歩道-D_歩行者マージン)で算出できる。
【0126】
ステップS244において、(X_横断歩道-X_stop)^2+(Y_横断歩道-Y_stop)^2が(V_other*T_stop)^2より小さいか否かを判定し、小さい場合はステップS245に進み、そうでない場合は処理を終了する。
【0127】
ステップS245において、V0がV_調整より大きいか否かを判定し、大きい場合はステップS246に進み、そうでない場合は処理を終了する。
【0128】
ステップS246において、V_調整を速度情報206として車載装置1(の出力調停部12)へ出力する(速度通知部25)。
【0129】
このような手順で、速度調整部24は、干渉を防ぐための速度(V_調整)を算出し、現在速度がV_調整より大きい場合はV_調整を車載装置1(の出力調停部12)へ通知する。
【0130】
すなわち、本実施例において、管制装置2の速度調整部24は、特定の移動体(車載装置1)が移動する経路において、移動体3の任意時間後の位置が、車載装置1の閉塞領域もしくは警戒領域内に位置付けられる場合に、車載装置1に対して(速度調整のための)速度指示(速度情報206)を出力する。
【0131】
図18は、現在の速度で走行した場合の閉塞領域および警戒領域を示した図である。
図19は、速度を調整した場合の閉塞領域および警戒領域を示した図である。
図18と
図19を用いて具体例を説明する。
【0132】
図18に示すように、現在の速度で走行する場合、例えば歩行者(移動体3)が警戒領域203へ侵入することが考えられる。
図18の場合は横断歩道の付近であるため、警戒領域203への侵入は許可されないので、減速指示が車載装置1に通知される。しかしながら、減速することにより警戒領域203は小さくなるため、侵入状態が解消され、再度目標速度まで加速する。
【0133】
そこで、
図19に示すように、マージンを踏まえて速度を決定して警戒領域203を(小さく)設定することにより、安全性を保証した上で、加減速の頻発を防ぎ、安定した走行を実現することができる。
【0134】
実施例4における制御システム0および車載装置1および管制装置2によれば、干渉が見込まれる場合、特定の移動体(車載装置1)の速度を調整することにより、加減速回数を削減し、安定した走行を実現することが可能となる。
【0135】
[実施例5]
本発明の実施例5における制御システム0について説明する。
【0136】
実施例1、2、3、4と異なる点は、車載装置1へ移動体情報201と閉塞領域202と警戒領域203の情報を送信することにより、自動運転部11において前記領域を回避する軌道を算出し、干渉を発生させずに走行することが可能となる。
【0137】
なお、実施例1、2、3、4と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0138】
<管制装置と車載装置の構成>
図20は、実施例5における制御システム0の機能ブロック構成ならびに全体動作フロー概要を示した図である。
【0139】
管制装置2は、実施例1の構成に加え、移動体情報201と閉塞領域202と警戒領域203の情報を車載装置1(の自動運転部11)へ送信(通知)する閉塞指示部26を持つ。
【0140】
また、自動運転部11は、閉塞領域202と警戒領域203を回避するような軌道を、公知のパスプランニングの方法によって算出することが可能である。
【0141】
すなわち、車載装置1は、管制装置2から通知された閉塞領域202の外部を走行しない閉塞制御連携自動運転部11を備える。また、本実施例において、車載装置1(の自動運転部11)は、移動体情報と閉塞領域情報と警戒領域情報を基に、閉塞領域202や警戒領域203を回避するような回避軌道を算出することが可能である。
【0142】
実施例5における制御システム0および車載装置1および管制装置2によれば、車載装置1へ閉塞領域202と警戒領域203の情報を送信することにより、自動運転部11において前記領域を回避する軌道を算出し、干渉を発生させずに走行することが可能となる。
【0143】
[実施例1~5のまとめ]
以上で説明したように、本実施例の制御システム0は、移動体(車載装置1、移動体3)と管制装置2で構成される制御システム0において、前記管制装置2は、特定の移動体(車載装置1)において、前記特定の移動体の位置と移動計画と速度に基づいて閉塞領域202を算出し、前記閉塞領域202と前記特定の移動体の制動時間と周辺情報(移動体3の速度(現在速度または想定最高速度)など)に基づいて(前記閉塞領域202の外側に)警戒領域203を算出する閉塞候補算出部21と、前記閉塞候補算出部21により算出された領域の種別(閉塞領域202、警戒領域203)、及び、前記領域に侵入する(前記特定の移動体の周辺の)侵入移動体(移動体3)の種別(無人車両、有人車両)に基づいて安全行動指示を生成する安全指示生成部22と、前記安全行動指示を前記特定の移動体に通知する安全通知部23と、を備え、前記特定の移動体は、前記安全通知部23から通知された前記安全行動指示に基づいて、行動を実施する。
【0144】
なお、前記安全指示生成部22における前記侵入移動体(移動体3)とは、前記特定の移動体の前記閉塞領域202または前記警戒領域203に侵入した移動体を意味し、前記安全指示生成部22における前記特定の移動体(車載装置1)とは、前記侵入移動体により前記閉塞領域202または前記警戒領域203に侵入された移動体を意味する。
【0145】
本実施例によれば、閉塞領域202と警戒領域203を算出し、閉塞領域202には移動体の侵入を許可せず、警戒領域203には移動体の種別に応じて侵入を許可することにより、人混在環境においても安全性を保証した上で効率的な走行調停が可能となる。
【0146】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0147】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
【0148】
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0149】
0 制御システム
1 車載装置(特定の移動体)
11 自動運転部
12 出力調停部
13 車両制御部
2 管制装置
21 閉塞候補算出部
22 安全指示生成部
23 安全通知部
24 速度調整部
25 速度通知部
26 閉塞指示部
201 移動体情報
202 閉塞領域
203 警戒領域
204 安全指示情報
205 ルール情報
206 速度情報
3 移動体(侵入移動体)