(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024033750
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】ロール製品パッケージ
(51)【国際特許分類】
B65D 33/08 20060101AFI20240306BHJP
【FI】
B65D33/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022137544
(22)【出願日】2022-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】000183462
【氏名又は名称】日本製紙クレシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】清水 美沙
(72)【発明者】
【氏名】大岡 康伸
(72)【発明者】
【氏名】飯野 里保
【テーマコード(参考)】
3E064
【Fターム(参考)】
3E064AA13
3E064BA26
3E064BA30
3E064BA36
3E064BA37
3E064EA30
3E064FA01
3E064HJ02
3E064HN05
(57)【要約】
【課題】指掛け用開口部に指を入れて持ち運んだ際に指掛け用開口部を起点として把持部が破れ難く、かつ持ち易い、コスト性に優れたロール製品パッケージを提供する。
【解決手段】本開示に係るロール製品パッケージは、複数のロール製品を包装袋にガセット包装してなるものであり、包装袋の厚さは、18μm以上53μm以下であり、包装袋の把持部12は、切断されない非切断部20と、切断される切断部21とによって囲まれた指掛け用開口部15を有しており、指掛け用開口部15の形状は、円形状の複数の仮想円を長手方向に沿って連結させた状態から、複数の仮想円の下端側を長手方向に沿って直線状に切り欠いた形状であり、非切断部20は、指掛け用開口部15の下端縁24に設けられ、複数の仮想円の直径は、20mm以上45mm以下であり、複数の仮想円の重なり領域の長手方向の長さは、35mm以下である。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルムからなる包装袋に、衛生薄葉紙のシートを巻いたロール製品を複数個収納してなるロール製品パッケージであって、
前記ロール製品を2×2の4個並べた段を2段又は3段重ねて前記包装袋にガセット包装してなるものであり、
前記包装袋は、前記ロール製品を囲む有底筒状の本体部と、前記本体部の上辺のうち、互いに対向する辺から上方に向かってそれぞれ切妻屋根型に延びて接合された把持部と、を有し、
前記包装袋の厚さは、18μm以上53μm以下であり、
前記把持部は、切断されない非切断部と、切断される切断部とによって囲まれた指掛け用開口部を有しており、
前記指掛け用開口部の形状は、円形状の複数の仮想円を前記把持部の長手方向に互いに接触させ、又は前記複数の仮想円の一部を互いに重ねて、前記複数の仮想円を前記長手方向に沿って連結させた状態から、前記複数の仮想円の下端側を前記長手方向に沿って直線状に切り欠いた形状であり、
前記指掛け用開口部の前記非切断部は、前記指掛け用開口部の下端縁に設けられ、
前記複数の仮想円の直径は、20mm以上45mm以下であり、
前記複数の仮想円の一部を互いに重ねて前記長手方向に沿って連結させた場合の重なり領域の前記長手方向の長さは、35mm以下である
ことを特徴とするロール製品パッケージ。
【請求項2】
前記複数の仮想円のうち隣り合う2つの仮想円において、前記2つの仮想円の中心からの距離が等しい中央線と前記指掛け用開口部の前記下端縁との交点と前記仮想円の中心とを結ぶ仮想線と、前記指掛け用開口部の前記下端縁との間の角度は、15度以上70度以下である
ことを特徴とする請求項1に記載のロール製品パッケージ。
【請求項3】
前記把持部は、前記長手方向に離間して配置される少なくとも2つの前記指掛け用開口部を有し、
2つの前記指掛け用開口部の間の前記長手方向の最短の離間距離は、2mm以上30mm以下である
ことを特徴とする請求項1に記載のロール製品パッケージ。
【請求項4】
前記把持部は、1つの前記指掛け用開口部を有し、
前記指掛け用開口部の前記長手方向の最長部の長さは、60mm以上125mm以下である
ことを特徴とする請求項1に記載のロール製品パッケージ。
【請求項5】
前記指掛け用開口部の上下方向の最長部の長さは、15mm以上40mm以下である
ことを特徴とする請求項1に記載のロール製品パッケージ。
【請求項6】
前記フィルムは、前記本体部及び前記把持部を形成する第一のフィルムと、前記把持部の片側表面において、少なくとも前記指掛け用開口部を設けた領域において、前記第一のフィルムに接合して当該領域を補強する第二のフィルムと、からなり、
前記第二のフィルムの厚さは、50μm以上150μm以下である
ことを特徴とする請求項1に記載のロール製品パッケージ。
【請求項7】
前記把持部は、前記指掛け用開口部よりも上方に前記長手方向に延びるシールラインを有し、
前記シールラインの本数は、1本以上8本以下である
ことを特徴とする請求項1に記載のロール製品パッケージ。
【請求項8】
前記シールラインの太さの合計は、0.5mm以上50mm以下である
ことを特徴とする請求項7に記載のロール製品パッケージ。
【請求項9】
前記包装袋を除いた前記ロール製品の質量は、1100g以上3600g以下である
ことを特徴とする請求項1に記載のロール製品パッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、トイレットペーパー等のロール製品を複数個包装袋に収納したロール製品パッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
トイレットペーパー等のロール製品を包装する包装袋として、ポリエチレン等の筒状フィルムにガゼット(ガセット)を対称的に折り込んで本体とし、その上部を平面状に折り畳んで把持部を構成したものが用いられている(特許文献1)。また、一般的に、把持部には購入者が運搬するための指掛け用開口部が備えられている。また、上記した包装袋の本体と別体の帯状の把持部を、包装袋の上面を跨いで、両端部をそれぞれ本体の対向する側面に接合したものが用いられている(特許文献2)。さらに、上記の指掛け用開口部を設けた領域の強度を強化するために、指掛け用開口部を設けた領域に、補強用フィルムを設けた包装袋が開示されている(特許文献3、特許文献4)。
【0003】
ガセットフィルム(包装袋)は、ロール製品の持ち運びの際に持ち易く、指掛け用開口部の強度を確保するために、フィルムの厚さを厚くし、高い強度を保つことが重要な要素である。また、一方で、持ち易さや強度といった品質を保ちつつ、コストダウンやプラスチック削減への取り組みも求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-269010号公報
【特許文献2】特開2005-153959号公報
【特許文献3】特開2010-202252号公報
【特許文献4】特開2019-081602号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年、トイレットペーパー等のロール製品を従来に比べてより長く巻き取り、1個のロール当たりの有効使用量を多くし、交換頻度の低減や持ち運び時及び保管時のコンパクト化を図ったものが販売されている。
【0006】
しかしながら、上記した長巻のロール製品は1個のロール当たりの重量が大きいため、ロール製品を包装したパッケージを購入者が持ち運ぶ際に、指掛け用開口部に荷重がかかり、持ち難くなったり、フィルムが破れ易くなったりする。そこで、包装袋の本体や把持部等の強度を確保するために、包装袋を厚くすることが考えられるが、包装袋を厚くして強度を高くすると、コストが高くなるという問題があった。
【0007】
そこで、本開示は、上記の問題を解決し、長巻のロール製品をガセットタイプの包装袋に収納したロール製品パッケージにおいて、指掛け用開口部に指を入れて持ち運んだ際に指掛け用開口部を起点として把持部が破れ難く、かつ持ち易い、コスト性に優れたロール製品パッケージを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意研究を行った。その結果、包装袋の厚さを調整し、開口部の形状を調節することで、上記課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様は、フィルムからなる包装袋に、衛生薄葉紙のシートを巻いたロール製品を複数個収納してなるロール製品パッケージであって、前記ロール製品を2×2の4個並べた段を2段又は3段重ねて前記包装袋にガセット包装してなるものであり、前記包装袋は、前記ロール製品を囲む有底筒状の本体部と、前記本体部の上辺のうち、互いに対向する辺から上方に向かってそれぞれ切妻屋根型に延びて接合された把持部と、を有し、前記包装袋の厚さは、18μm以上53μm以下であり、前記把持部は、切断されない非切断部と、切断される切断部とによって囲まれた指掛け用開口部を有しており、前記指掛け用開口部の形状は、円形状の複数の仮想円を前記把持部の長手方向に互いに接触させ、又は前記複数の仮想円の一部を互いに重ねて、前記複数の仮想円を前記長手方向に沿って連結させた状態から、前記複数の仮想円の下端側を前記長手方向に沿って直線状に切り欠いた形状であり、前記指掛け用開口部の前記非切断部は、前記指掛け用開口部の下端縁に設けられ、前記複数の仮想円の直径は、20mm以上45mm以下であり、前記複数の仮想円の一部を互いに重ねて前記長手方向に沿って連結させた場合の重なり領域の前記長手方向の長さは、35mm以下である。
【0010】
本発明の第2の態様は、上記第1の態様のロール製品パッケージであって、前記複数の仮想円のうち隣り合う2つの仮想円において、前記2つの仮想円の中心からの距離が等しい中央線と前記指掛け用開口部の前記下端縁との交点と前記仮想円の中心とを結ぶ仮想線と、前記指掛け用開口部の前記下端縁との間の角度は、15度以上70度以下である。
【0011】
本発明の第3の態様は、上記第1の態様のロール製品パッケージであって、前記把持部は、前記長手方向に離間して配置される少なくとも2つの前記指掛け用開口部を有し、2つの前記指掛け用開口部の間の前記長手方向の最短の離間距離は、2mm以上30mm以下である。
【0012】
本発明の第4の態様は、上記第1の態様のロール製品パッケージであって、前記把持部は、1つの前記指掛け用開口部を有し、前記指掛け用開口部の前記長手方向の最長部の長さは、60mm以上125mm以下である。
【0013】
本発明の第5の態様は、上記第1の態様のロール製品パッケージであって、前記指掛け用開口部の上下方向の最長部の長さは、15mm以上40mm以下である。
【0014】
本発明の第6の態様は、上記第1の態様のロール製品パッケージであって、前記フィルムは、前記本体部及び前記把持部を形成する第一のフィルムと、前記把持部の片側表面において、少なくとも前記指掛け用開口部を設けた領域において、前記第一のフィルムに接合して当該領域を補強する第二のフィルムと、からなり、前記第二のフィルムの厚さは、50μm以上150μm以下である。
【0015】
本発明の第7の態様は、上記第1の態様のロール製品パッケージであって、前記把持部は、前記指掛け用開口部よりも上方に前記長手方向に延びるシールラインを有し、前記シールラインの本数は、1本以上8本以下である。
【0016】
本発明の第8の態様は、上記第7の態様のロール製品パッケージであって、前記シールラインの太さの合計は、0.5mm以上50mm以下である。
【0017】
本発明の第9の態様は、上記第1の態様のロール製品パッケージであって、包装袋を除いた前記ロール製品の質量は、1100g以上3600g以下である。
【発明の効果】
【0018】
本開示によれば、長巻のロール製品をガセットタイプの包装袋に収納したロール製品パッケージにおいて、指掛け用開口部に指を入れて持ち運んだ際に指掛け用開口部を起点として把持部が破れ難く、かつ持ち易い、コスト性に優れたロール製品パッケージを提供することできる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の一実施形態に係るロール製品パッケージの斜視図である。
【
図2】ロール製品を収納する前の包装袋の折り畳んだ状態の平面図である。
【
図6】把持部の変形例を示す把持部の要部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態について詳細に説明するが、以下の実施形態は例示の目的で提示するものであり、本発明は、以下に示す実施形態に何ら限定されるものではない。
【0021】
<ロール製品パッケージ>
図1は、本発明の一実施形態に係るロール製品パッケージ1の斜視図である。
図2は、ロール製品2を収納する前の包装袋10の折り畳んだ状態の平面図である。
図3は、
図2の包装袋10の概略断面図である。
【0022】
本実施形態のロール製品パッケージ1は、フィルムからなる包装袋10に、衛生薄葉紙のシートを巻いたロール製品2を複数個収納してなるものである。ロール製品2は、その軸方向を上下にして、2×2の4個並べた段を2段又は3段重ねた状態で包装袋10にガセット包装されて収納される。なお、
図1には、ロール製品2を、2×2の4個並べた段を2段重ねた状態でガセット包装して収納した状態が図示されている。
【0023】
なお、以下の説明では、ロール製品2が重なる方向を上下方向(図中に矢印Xで示す方向)とし、包装袋10の後述する把持部12が延びる方向(上下方向と直交する方向)を幅方向(図中に矢印Yで示す方向)として説明する。
【0024】
[包装袋]
図1及び
図2に示すように、包装袋10は、ロール製品2を囲む部分となる有底筒状の本体部11と、本体部11の上端から連続して上方へ延びる把持部12とを一体的に備える。把持部12は、本体部11の上辺11a~11dのうち、互いに対向する辺11a及び辺11cから上方に向かってそれぞれ切妻屋根型に延びて接合されている。本体部11の辺11a及び辺11cと把持部12との間には、傾斜する切妻屋根状のパネル部13a,13bが設けられる。パネル部13a,13bの幅方向(Y方向)の両端部には、妻側の端縁となる山折り稜線14がそれぞれ設けられる。把持部12は、指掛け用開口部15を有している。本実施形態では、把持部12は、2つの指掛け用開口部15を有している。指掛け用開口部15の詳細については後述する。
【0025】
包装袋10を構成するフィルムは、本体部11及び把持部12を形成するベースとなる本体側フィルム(第一のフィルム)16と、本体側フィルム16に対して接合されて把持部12を補強する補強フィルム(第二のフィルム)17とからなる。補強フィルム17は、本体側フィルム16の把持部12の片側表面において、少なくとも指掛け用開口部15を設けた領域において、本体側フィルム16に接合して当該領域を補強する。補強フィルム17の詳細については後述する。
【0026】
(本体側フィルム)
包装袋10の本体側フィルム16は、ロール製品2を収納する前において、チューブ状(筒状)に形成される。
図2及び
図3に示すように、包装袋10の本体側フィルム16は、ロール製品2を収納する前において、本体側フィルム16の幅方向の両側をガゼットとして内側に対称的に折り込まれて平面状に折り畳まれることで、折り込み端縁18が形成される。また、本体側フィルム16の上端側をヒートシールで一体化して固定することによって、幅方向に長尺に延びる矩形状の扁平部分が形成され、係る扁平部分が把持部12として機能する。すなわち、包装袋10の幅方向(Y方向)が、把持部12の長手方向となる。
【0027】
ロール製品2を収納する際には、本体側フィルム16の本体部11は、下方へ開口しており、下側からロール製品2を収納する。ロール製品2を本体側フィルム16の本体部11に下方から収納した後、本体部11の下方の開口端をヒートシールして封止部19(
図1参照)を形成する。本体側フィルム16の本体部11のガゼットは、ロール製品2を収納した際に展開され、本体部11は、4つの側面を有する断面矩形状の略直方体を構成し、ロール製品2を囲う。なお、ロール製品2を包装袋10に収納する際には、封止部19を形成した後に、包装袋10の下端部を必要に応じて適宜カットして寸法を調整することができる。
【0028】
本体側フィルム16は、包装袋10の全体を形成するベースとなるフィルムである。本体側フィルム16としては、リサイクルに適した熱可塑性樹脂(いわゆるプラスチック)であることが好ましい。具体的には、ポリオレフィン(ポリエチレンやポリプロピレン等)、ポリエステル(PET等)、ポリアミド(ナイロン等)、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等、従来公知の熱可塑性樹脂を挙げることができる。それらの中でも、ポリエチレン、ポリプロピレンが好ましく、延伸性や強度の面で、ポリエチレンが更に好ましい。
【0029】
本体側フィルム16の厚さは、18μm以上53μm以下である。本体側フィルム16の厚さは、23μm以上46μm以下であることが好ましく、27μm以上40μm以下であることが更に好ましい。本体側フィルム16の厚さを上記の範囲にすることにより、ロール製品パッケージ1を持ち運んだ際に破れ難くすることができ、かつ、コストを抑えることができる。なお、本体側フィルム16の厚さの測定方法は、JIS K 7130:1999に準拠する。
【0030】
(指掛け用開口部)
図4は、
図2の把持部12の要部の拡大図である。
図5は、指掛け用開口部15の説明図である。
図6は、把持部12の変形例を示す把持部12の要部の拡大図である。
【0031】
把持部12は、指掛け用開口部15を有する。本実施形態では、把持部12は、幅方向(長手方向)に互いに離間して配置される2つの指掛け用開口部15を有する。2つの指掛け用開口部15は、把持部12の幅方向の両側に対称的に設けられ、略同様の構成を有する。なお、本実施形態では、把持部12に、2つの指掛け用開口部15を設けたが、3つ以上の指掛け用開口部15を設けてもよい。
【0032】
2つの指掛け用開口部15間の幅方向の離間距離L1は、2mm以上30mm以下であることが好ましく、5mm以上20mm以下であることがより好ましく、8mm以上15mm以下であることが更に好ましい。2つの指掛け用開口部15間の離間距離L1を上記範囲に設定することによって、2つの指掛け用開口部15間に残存するフィルムによってロール製品2の荷重を受けることができるとともに、使用者が2つの指掛け用開口部15の双方に指を挿入し易い。
【0033】
指掛け用開口部15は、把持部12に対して切断されない非切断部20と、切断される切断部21とによって囲まれる。切断部21とは、指掛け用開口部15を開口として使用する際にフィルムが切断されている部分を意味し、非切断部20とは、フィルムが切断されていない部分を意味する。
【0034】
指掛け用開口部15の形状は、円形状の複数の仮想円22を幅方向に互いに接触させ、又は複数の仮想円22の一部を互いに重ねて、複数の仮想円22を幅方向に沿って連結させた状態から、複数の仮想円22の下端側を幅方向に沿って直線状に切り欠いた形状である。
図4及び
図5には、複数の仮想円22の一部を互いに重ねて複数の仮想円22を幅方向に沿って連結させた状態が図示されている。非切断部20は、複数の仮想円22の下端側を幅方向に沿って直線状に切り欠いた部分(指掛け用開口部15の下端縁24)に設けられる。本実施形態では、非切断部20は、指掛け用開口部15の下端縁24の幅方向の全域に設けられる。指掛け用開口部15の外周縁のうち、非切断部20以外の部分は、切断された切断部21となっている。切断部21の一部に、切断可能なツナギ部23を設けることが好ましい。ツナギ部23は、非切断部20と対向する位置(本実施形態では、上端縁部)に設けることが好ましい。ツナギ部23を設けることによって、未使用の状態において、指掛け用開口部15を未開口の状態にしておくことができる。
図4に二点鎖線で示すように、使用者はツナギ部23を切り離し、指掛け用開口部15内の領域Aを非切断部20である下端部を基端として下方へ折り返すことによって、指掛け用開口部15に指を入れてロール製品パッケージ1を持ち運ぶことができる。なお、仮想円22は、持ち易さを確保できる円形状であればよく、真円に限定されるものではなく、他の円形状(例えば楕円形状)であってもよい。また、本実施形態では、非切断部20を、指掛け用開口部15の下端縁24の幅方向の全域に設けたが、これに限定されるものではなく、例えば、指掛け用開口部15の下端縁24の幅方向の一部の領域に設けてもよい。また、指掛け用開口部15内の領域Aを下方へ折り返し易くするために、切断しないミシン目や開口等の易折り曲げ手段を非切断部20に設けてもよい。また、切断部21の全域を、使用時に切断可能なミシン目状に形成してもよい。また、切断部21にツナギ部23を設けなくてもよい。
【0035】
図5に示すように、本実施形態の指掛け用開口部15の形状は、2つの仮想円22a,22bの一部を互いに重ねて、2つの仮想円22a,22bを幅方向に沿って連結させた状態から、2つの仮想円22a,22bの下端側を幅方向に沿って略直線状に切り欠いた形状である。すなわち、指掛け用開口部15の外周縁のうち、略直線状の下端縁24以外の領域は、円弧形状が幅方向に連続する形状となっている。なお、本実施形態では、指掛け用開口部15を、2つの仮想円22a,22bを幅方向に沿って連結させて構成したが、これに限定されるものではなく、3つ以上の仮想円22を幅方向に沿って連結させて構成してもよい。
【0036】
仮想円22a,22bの直径dは、20mm以上45mm以下であることが好ましく、23mm以上40mm以下であることがより好ましく、25mm以上35mm以下であることが更に好ましい。仮想円22a,22bの直径dを上記範囲に設定することによって、指を入れ易く、ロール製品パッケージ1の持ち易さが向上する。
【0037】
互いに隣り合う2つの仮想円22a,22bの互いに重なっている重なり領域B(
図5に斜線で示す領域)の幅方向の長さL2は、35mm以下であることが好ましく、25mm以下であることがより好ましく、10mm以下であることが更に好ましい。重なり領域Bの幅方向の長さL2を上記範囲に設定することによって、指を必要以上に開くことなく指掛け用開口部15に入れられるため、ロール製品パッケージ1の持ち易さが向上する。なお、重なり領域Bの幅方向の長さL2は、最大長の箇所の長さを意味する。また、互いに隣り合う2つの仮想円22a,22bが接する場合には、重なり領域Bが存在しないので、長さL2はゼロとなる(L2=0)。
【0038】
互いに隣り合う2つの仮想円22a,22bにおいて、2つの仮想円22a,22bの中心Oa,Obからの距離が等しい中央線CL(
図5に一点鎖線で示す)と指掛け用開口部15の下端縁24との交点Pと仮想円22a(又は22b)の中心Oa(又はOb)とを結ぶ仮想線VL(
図5に二点鎖線で示す)と、指掛け用開口部15の下端縁24との間の角度θは、15度以上70度以下であることが好ましく、20度以上60度以下であることがより好ましく、25度以上45度以下であることが更に好ましい。上記角度θを上記範囲に設定することによって、指掛け用開口部15の大きさが適切になり、ロール製品パッケージ1の持ち易さが向上する。なお、上記角度θは、仮想線VLと、仮想線VLが通る中心Oa(又はOb)の下方に位置する下端縁24との間の角度θを意味する。
【0039】
指掛け用開口部15の上下方向の長さL3は、15mm以上40mm以下であることが好ましく、20mm以上35mm以下であることがより好ましく、23mm以上32mm以下であることが更に好ましい。指掛け用開口部15の上下方向の長さL3を上記範囲に設定することによって、指を入れ易く、ロール製品パッケージ1の持ち易さが向上する。なお、指掛け用開口部15の上下方向の長さL3は、最大長の箇所の長さを意味する。
【0040】
また、
図5に示すように、指掛け用開口部15の上端縁側に複数の切り込み28を設けることが好ましい。これにより、指にかかる負担を更に低減することができる。
【0041】
なお、本実施形態では、複数(2つ)の指掛け用開口部15を把持部12に設けたが、これに限定されるものではなく、
図6に示すように、1つの指掛け用開口部15を把持部12に設けてもよい。
【0042】
把持部12に1つの指掛け用開口部15を設ける場合、指掛け用開口部15の形状は、複数(例えば4つ)の仮想円22a~22dを幅方向に互いに接触させ、又は複数の仮想円22a~22dの一部を互いに重ねて、複数の仮想円22a~22dを幅方向に沿って連結させた状態から、仮想円22a~22dの下端側を幅方向に沿って略直線状に切り欠いた形状である。
図6には、複数の仮想円22a~22dの一部を互いに重ねて、複数の仮想円22a~22dを幅方向に沿って連結させた状態が図示されている。仮想円22a~22dの直径d、重なり領域Bの幅方向の長さ、仮想線VLと指掛け用開口部15の下端縁24との間の角度θは、上記実施形態(2つの指掛け用開口部15を設けた実施形態)と同様に設定される。把持部12に1つの指掛け用開口部15を設ける場合、指掛け用開口部15の幅方向の長さL4は、60mm以上125mm以下であることが好ましく、68mm以上115mm以下であることがより好ましく、75mm以上100mm以下であることが更に好ましい。指掛け用開口部15の幅方向の長さL4を上記範囲に設定することによって、指の開き具合が適切になり、ロール製品パッケージ1の持ち易さが向上する。なお、指掛け用開口部15の幅方向の長さL4は、最大長の箇所の長さを意味する。
【0043】
(補強フィルム)
補強フィルム17は、把持部12の片側表面において、少なくとも指掛け用開口部15を設けた領域において、本体側フィルム16に接合して当該領域を補強するフィルムである。補強フィルム17には、本体側フィルム16と同様の素材を用いることができる。補強フィルム17を本体側フィルム16と同じ材質とすることが、コスト面及び本体側フィルム16に接合する際の接合性の面でも好ましい。補強フィルム17を当該領域に設けることにより、指掛け用開口部15を設けた領域を補強することができ、指掛け用開口部15に指を入れてロール製品パッケージ1を持ち運ぶ際(以下、単に「ロール製品パッケージ1を持ち運ぶ際」という。)に、指掛け用開口部15を起点として把持部12が破れることを防止することができ、かつ、本体側フィルム16の厚さを大きくして上記の領域を補強する場合に比べてコストを抑えることができる。
【0044】
補強フィルム17の寸法は、少なくとも指掛け用開口部15を設けた領域を覆うことができれば、特に限定されないが、ロール製品パッケージ1を持ち運ぶ際に、指掛け用開口部15を起点して把持部12が破れることを防止し、かつ、コストを抑えることが可能であればよい。
【0045】
補強フィルム17の厚さは、50μm以上150μm以下であることが好ましく、70μm以上130μm以下であることがより好ましく、90μm以上110μm以下であることが更に好ましい。補強フィルム17の厚さを上記範囲に設定することによって、ロール製品パッケージ1を持ち運ぶ際に把持部12の破れを防止することができ、かつコストを抑えることができる。なお、補強フィルム17の厚さの測定方法は、JIS K 7130:1999に準拠する。
【0046】
(シールライン)
図4及び
図6に示すように、包装袋10の把持部12には、本体部11と把持部12の境界に第1シールライン25が、把持部12の指掛け用開口部15よりも上方に少なくとも1本の第2シールライン(シールライン)26が、それぞれ設けられる。第1シールライン25及び第2シールライン26は、幅方向に延びる。補強フィルム17は、本体側フィルム16に対して、第1シールライン25及び第2シールライン26によって接合される。さらに、補強フィルム17と本体側フィルム16との接合を強くするために、補強フィルム17の幅方向の両端部に上下方向に延びる第3シールライン27を設けることが好ましい。この場合、補強フィルム17は、第1シールライン25、第2シールライン26、第3シールライン27の外側まで延在していてもよい。なお、各シールラインは、ヒートシールによって形成され、一部に脱気用の非ヒートシール部を設けてもよい。
【0047】
第1シールライン25及び第3シールライン27の本数は、特に限定されないが、加工性の観点から、第1シールライン25は1本、第3シールライン27は計2本設けられていることが好ましい。第2シールライン26の本数は、1本以上8本以下であることが好ましく、2本以上5本以下であることがより好ましく、2本であることが更に好ましい。第2シールライン26の本数を上記範囲に設定することによって、ロール製品パッケージ1を持ち運ぶ際に指掛け用開口部15を起点として把持部12が破れてしまうことを防止することができる。
【0048】
最も上端にある第2シールライン26は、把持部12の上端部の幅方向の一端から他端にかけて設けられることが好ましく、他の第2シールライン26については、必ずしも把持部12の幅方向の一端から他端にかけて設けられる必要はなく、
図4及び
図6に示すように、少なくとも補強フィルム17を設けた領域内に、幅方向に設けられていればよい。
【0049】
第2シールライン26の太さは、1mm以上5mm以下であることが好ましい。第2シールライン26を複数設ける場合の第2シールライン26の太さの合計(各第2シールライン26の太さの和)は、2mm以上50mm以下であることが好ましく、3mm以上25mm以下であることがより好ましく、4mm以上8mm以下であることが更に好ましい。第2シールライン26の太さの合計を上記範囲に設定することによって、補強フィルム17を確実に固定し、ロール製品パッケージ1を持ち運ぶ際に指掛け用開口部15を起点として把持部12が破れてしまうことを防止することができ、かつ、補強フィルム17を本体側フィルム16に接合する際のヒートシールが安定し、ムラをなくして品質を安定させることができ、より破れ難くなる。
【0050】
[ロール製品]
ロール製品2は、例えばトイレットペーパーのロール製品であり、衛生薄葉紙のシートを巻いて形成される。
【0051】
ロール製品2は、木材パルプ100質量%からなるものであってもよく、古紙パルプ、非木材パルプ、脱墨パルプを含んでもよい。目標とする品質を得るためには、NBKP(針葉樹晒クラフトパルプ)の含有率が0質量%以上35質量%以下であることが好ましく、2質量%以上25質量%以下であることがより好ましく、5質量%以上15質量%以下であることが更に好ましい。また、LBKP(広葉樹晒クラフトパルプ)の含有率が50質量%以上100質量%以下であることが好ましく、60質量%以上90質量%以下であることがより好ましく、70質量%以上80質量%以下であることが更に好ましい。
【0052】
また、ミルクカートン(牛乳パック)等の液体飲料由来の古紙パルプの含有率が0質量%より多く40質量%以下であることが好ましく、5質量%以上30質量%以下であることがより好ましく、10質量%以上20質量%以下であることが更に好ましい。クラフトパルプの含有率が、60質量%以上100質量%以下であることが好ましく、70質量%以上95質量%以下であることがより好ましく、80質量%以上90質量%以下であることが更に好ましい。
【0053】
ミルクカートン(牛乳パック)等の液体飲料由来の古紙パルプは、針葉樹パルプが主体であり、ロール製品2の強度を向上させやすいというメリットがある一方で、品質的にバラツキが大きく、含有割合が高過ぎると製品の品質に影響することがある。ミルクカートン等の液体飲料由来の古紙パルプの含有量を上記の範囲内のものとすることにより、品質のバラツキを抑えつつ、ロール製品2の強度を効果的に向上させることができる。
【0054】
(巻長)
1プライの場合の巻長は、75m以上200m以下であることが好ましく、90m以上170m以下であることがより好ましく、100m以上150m以下であることが更に好ましい。1プライの場合の巻長を75m以上200m以下にすることにより、ロール製品2の交換頻度を減らすことができ、省スペース性を図ることができるとともに、巻直径が適切な範囲に維持され、ロール製品2がトイレットペーパーホルダー等に十分に収容されるものとなる。また、2プライの場合の巻長は、35m以上100m以下であることが好ましく、50m以上90m以下であることがより好ましく、65m以上80m以下であることが更に好ましい。2プライの場合の巻長を35m以上100m以下にすることにより、ロール製品2の交換頻度を減らすことができ、省スペース性を図ることができるとともに、巻直径が適切な範囲に維持され、ロール製品2がトイレットペーパーホルダー等に十分に収容されるものとなる。なお、通常の1プライのトイレットペーパーの1ロール当たりの巻長は50m~60m程度、2プライのトイレットペーパーの1ロール当たりの巻長は25m~30m程度であり、本開示は、1ロール当たりの巻長が長く、質量が大きいロール製品2を包装するのに適するロール製品パッケージ1となる。
【0055】
(巻直径)
ロール製品2の巻直径が100mm以上160mm以下であることが好ましい。巻直径を上記の範囲に調整することにより、ロール製品2の巻長を好適な範囲に維持しつつ、ロール製品2がトイレットペーパーホルダーに十分に収容されるものとなる。巻直径は、112mm以上135mm以下であることが好ましく、116mm以上125mm以下であることがより好ましい。また、本開示の対象となる1ロール当たりの巻長が長く、質量が大きいロール製品2は、通常のトイレットロールより巻直径が大きい。本開示は、このように1ロール当たりの巻長が長く、質量が大きいロール製品2でも破れ難く持ち易いロール製品パッケージ1となる。
【0056】
(ロール質量)
ロール製品2の芯(コア(紙管))を含む1個のロール製品2の質量は、120g以上400g以下であることにより、ロール製品2の交換頻度を減らすことができる。上記の質量は、ロール幅114mm当たりのロール製品2の質量である。なお、通常のトイレットペーパーの1ロール当たりの質量は115g~120g程度であり、本開示は、1ロール当たりのロール質量が大きいロール製品2でも破れ難く持ち易いロール製品パッケージ1となる。
【0057】
上記のように構成されたロール製品パッケージ1では、指掛け用開口部15の形状が、円形状の複数の仮想円22を幅方向に沿って一部を重ねて並べた状態から、複数の仮想円22の下端側を幅方向に沿って直線状に切り欠いた形状であるので、指掛け用開口部15の上端縁側は、上方へ膨出する円弧形状が幅方向に並んだ状態となる。このため、ロール製品パッケージ1を持ち運ぶ際に、指掛け用開口部15の上端縁の円弧に指を沿わせることができるので、指への負担を抑えることができ、ロール製品パッケージ1を持ち易い。
【0058】
また、指掛け用開口部15の非切断部20が指掛け用開口部15の下端縁24側に設けられるので、把持部12の指掛け用開口部15内の領域Aが指掛け用開口部15の下側に残る。このように、把持部12の指掛け用開口部15内の領域Aが指掛け用開口部15の下側に残るので、上側に残る構造よりも、非切断部20と切断部21の境目(境界)をきっかけに指掛け用開口部15が破れる可能性が低い。よって、フィルムを薄くしても、把持部12の指掛け用開口部15内の領域Aが指掛け用開口部15の下側に残る構造にすることで、把持部12のフィルムが破れ難い。
【0059】
また、包装袋10の本体側フィルム16の厚さが、18μm以上53μm以下であるので、ロール製品パッケージ1を持ち運んだ際にフィルムを破れ難くすることができ、かつ、コストを抑えることができる。
【0060】
また、把持部12の指掛け用開口部15を設けた領域に補強フィルム17を設けるので、ロール製品パッケージ1を持ち運ぶ際に、指掛け用開口部15を起点として把持部12が破れることを防止することができ、かつ、本体側フィルム16の厚さを大きくして上記の領域を補強する場合に比べてコストを抑えることができる。
【0061】
このように、本実施形態によれば、長巻のロール製品2をガセットタイプの包装袋10に収納したロール製品パッケージ1において、指掛け用開口部15に指を入れて持ち運んだ際に指掛け用開口部15を起点として把持部12が破れ難く、かつ持ち易い、コスト性に優れたロール製品パッケージ1を提供することできる。
【0062】
なお、
図5及び
図6では、指掛け用開口部15の下端縁24を、複数の仮想円22の重なり領域Bの下端と同じ高さ位置に配置しているが、これに限定されるものではなく、指掛け用開口部15の下端縁24を重なり領域Bの下端よりも上方又は下方に配置してもよい。
【0063】
以上、本発明について、上記実施形態に基づいて説明を行ったが、本発明は上記実施形態の内容に限定されるものではなく、当然に本発明を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論である。
【実施例0064】
以下に実施例をあげて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
【0065】
実施例1~14及び比較例1~8のロール製品パッケージを作成した。
【0066】
実施例1~14及び比較例1~8では、ロール製品を、その軸方向を上下にして、2×2の4個並べた段を3段(計12個)重ねた状態で包装袋によってガセット包装した。ロール製品は、2プライのロール製品とし、1ロールあたりの重量(コアを含む重量)は、約270gとし、包装袋を除いたロール製品の質量は、約3240gとした。包装袋には、本体側フィルム(第一のフィルム)及び補強フィルム(第二のフィルム)としてポリエチレンフィルムを使用した。また、本体部と把持部の境界には第1シールラインを、把持部の指掛け用開口部よりも上方には第2シールライン(シールライン)を、指掛け用開口部の幅方向の両側には第3シールラインをそれぞれ設け、補強フィルムを、これらのシールラインで本体側フィルムに接合した。また、指掛け用開口部の数(穴の数)、非切断部の位置、仮想円の直径、仮想円の重なり領域の幅方向の長さ(仮想円の重なり領域の長さ)、仮想線VLと指掛け用開口部の下端縁との間の角度(角度θ)、指掛け用開口部を2つ設けた場合の開口間の離間距離(穴と穴との距離)、指掛け用開口部を1つ設けた場合の指掛け用開口部の幅方向の長さ(穴の幅方向の長さ)、指掛け用開口部の上下方向の長さ(穴の上下方向の長さ)、本体側フィルムの厚さ、及び補強フィルムの厚さを、表1~表3に示すように設定した。
【0067】
そして、実施例1~14及び比較例1~8の間で、以下の3つの項目(持ち易さ、破れ難さ、コスト)の評価を行った。
【0068】
「持ち易さ」の評価は、30人のモニターの中で指掛け用開口部に指を挿入してロール製品パッケージを持ち運ぶ際に「持ち易い」と評価したモニターの数によって4段階の官能評価をした。評価基準は以下のとおりである。
◎ :「持ち易い」と感じたモニターが、28名以上
○ :「持ち易い」と感じたモニターが、24名~27名
△ :「持ち易い」と感じたモニターが、18名~23名
× :「持ち易い」と感じたモニターが、17名以下
【0069】
「破れ難さ」の評価は、30人のモニターが指掛け用開口部に指を挿入してロール製品パッケージを持ち運んだ際にフィルムが破れたモニターの数によって4段階の官能評価をした。評価基準は以下のとおりである。
◎ :フィルムが破れたモニターが、2名以下
○ :フィルムが破れたモニターモニターが、3名~6名
△ :フィルムが破れたモニターモニターが、7名~12名
× :フィルムが破れたモニターモニターが、13名以上
【0070】
「コスト」の評価は、補強フィルムの厚さに対する本体フィルムの厚さの比率(補強フィルムの厚さ÷本体フィルムの厚さ)によって4段階の評価をした。評価基準は以下のとおりである。
◎ :3.0以上
○ :2.1以上3.0未満
△ :1.6以上2.1未満
× :1.6未満
【0071】
得られた結果を表1~3に示す。
【0072】
【0073】
【0074】
【0075】
以上より、本開示のロール製品パッケージによれば、指掛け用開口部に指を入れて持ち運んだ際に指掛け用開口部を起点として把持部が破れ難く、かつ持ち易い、コスト性に優れたロール製品パッケージを提供できることが確認された。