(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024033752
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】水道メータ用保温カバー
(51)【国際特許分類】
G01F 15/10 20060101AFI20240306BHJP
G01F 1/00 20220101ALI20240306BHJP
E03B 7/12 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
G01F15/10
G01F1/00 G
E03B7/12 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022137546
(22)【出願日】2022-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】595086328
【氏名又は名称】株式会社光明製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100114764
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 正樹
(74)【代理人】
【識別番号】100178124
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 英樹
(72)【発明者】
【氏名】階元 鳴彰
(72)【発明者】
【氏名】尾関 隆祐規
(72)【発明者】
【氏名】金村 哲志
(72)【発明者】
【氏名】金村 時喜
【テーマコード(参考)】
2F030
【Fターム(参考)】
2F030CC02
2F030CE13
(57)【要約】
【課題】本発明は、製造コストを低く抑えることができるとともに、作業効率を向上させることができる水道メータ用保温カバーを提供することを目的とする。
【解決手段】水道を流れる水の流量を表示する流量表示部232を有する水道メータ2を保温するための水道メータ用保温カバー10である。水道メータ用保温カバー10は、水道メータ2を囲む態様で設けられ、流量表示部232を確認するための開口窓110が形成された本体部11と、本体部11の開口窓110を塞ぐ蓋部12とを備え、本体部11の開口窓110と蓋部12の間にアダプタ部13が脱着可能に設けられる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水道を流れる水の流量を表示する流量表示部を有する水道メータを保温するための水道メータ用保温カバーであって、
水道メータを囲む態様で設けられ、前記流量表示部を確認するための開口窓が形成された本体部と、
前記本体部の前記開口窓を塞ぐ蓋部とを備え、
前記本体部の前記開口窓と前記蓋部の間にアダプタ部が脱着可能に設けられることを特徴とする水道メータ用保温カバー。
【請求項2】
前記アダプタ部は、上側と下側が開口した筒状に形成され、前記開口窓の周縁部に係合する下側縁部と、前記蓋部の周縁部に係合する上側縁部とを備える請求項1に記載の水道メータ用保温カバー。
【請求項3】
前記アダプタ部は、配線が挿通される挿通孔が形成されている請求項2に記載の水道メータ用保温カバー。
【請求項4】
前記挿通孔は、前記アダプタ部の下側縁部に切り欠き状に形成されている請求項3に記載の水道メータ用保温カバー。
【請求項5】
前記本体部は、水道メータの流入口部側を囲む第1の本体部と、水道メータの流出口部側を囲む第2の本体部と、水道メータの中央部を囲む第3の本体部とから構成され、
前記第1の本体部は、水道メータの流入口部が貫通する第1の貫通孔と、水道メータを支承する台座が係合する第1の係合凹部とを備え、
前記第2の本体部は、水道メータの流出口部が貫通する第2の貫通孔と、水道メータを支承する台座が係合する第2の係合凹部とを備え、
前記第3の本体部は、水道メータを確認するための開口窓が第1の本体部および第2の本体部よりも高い位置に形成される請求項1から請求項4のいずれかに記載の水道メータ用保温カバー。
【請求項6】
前記本体部は、水道メータの長さに交差する幅方向に分割可能に構成されている請求項5に記載の水道メータ用保温カバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水道メータを保温するための水道メータ用保温カバーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、水道を流れる水の流量を計測する水道メータは、戸建ての場合には地表付近に埋設されたり、マンションの場合には地階や地上に設置されたりしており、特に寒冷地等においては内部の水が凍結するなどして破損する虞があるため、水道メータを保護するための保温カバーが設けられることがある。
【0003】
この保温カバーは、保温効果の高いスチレン発泡樹脂等の断熱材から構成されるものであって、水道メータを囲む態様で設けられ、水道メータを確認するための開口窓が形成された本体部と、本体部の開口窓を塞ぐ蓋部とを備え、過去にも様々な保温カバーが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
ところで、最近では、水道業界においても、ガス業界や電機業界と同様、水道メータのスマート化(遠隔制御)が注目されており、水道メータ(あるいは水道メータユニット)と水道局や利用者などの外部の情報端末とをネットワークを介して接続して、流量の計測を自動的に行うものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003-149029号公報
【特許文献2】特開2002-90190号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、遠隔制御可能な水道メータの場合、外部の情報端末との間において通信するための通信機器や、水道メータの流量表示部を読み取るための撮像機器などの通信ユニットが必要となるが、該通信ユニットは水道メータの表示部の上部に設けられる場合が多かった。このため、水道メータの全体の高さが高くなって、従来の保温カバーだと蓋部が閉まらなくなるため、新たに保護カバーを設計・製造しなければならず製造コスト高を招く上、古い保温カバーと交換しなければならず作業効率が低下するという問題があった。
【0007】
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、製造コストを低く抑えることができるとともに、作業効率を向上させることができる水道メータ用保温カバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するために、水道を流れる水の流量を表示する流量表示部を有する水道メータを保温するための水道メータ用保温カバーであって、水道メータを囲む態様で設けられ、前記流量表示部を確認するための開口窓が形成された本体部と、前記本体部の前記開口窓を塞ぐ蓋部とを備え、前記本体部の前記開口窓と前記蓋部の間にアダプタ部が脱着可能に設けられることを特徴とする。
【0009】
これによれば、水道メータの流量表示部に通信ユニット等が設けられている場合、保温カバーの開口窓と蓋部の間にアダプタ部を装着し、蓋部により保温カバーの開口窓をアダプタ部を介して塞ぐことにより、アダプタ部の内側に通信ユニット等が配置されるため、保温カバーの内部に水道メータ全体を収容することができる。
【0010】
一方、水道メータの流量表示部に通信ユニット等が設けられていない場合、保温カバーの開口窓と蓋部の間にアダプタ部を装着せず、蓋部により保温カバーの開口窓を直接塞ぐことにより、保温カバーの内部に水道メータ全体をコンパクトに収容することができる。
【0011】
このため、流量表示部に通信ユニット等が設けられている場合と設けられていない場合のいずれの場合の水道メータであっても、アダプタ部を脱着するだけで同じ保温カバーを使用できるため、通信ユニット等の有無によって新しい保温カバーを設計・製造する必要がなく、製造コストを低く抑えることができるとともに、古い保温カバーと交換する必要もなく、作業効率を向上させることができる。
【0012】
また、前記アダプタ部は、上側と下側が開口した筒状に形成され、前記開口窓の周縁部に係合する下側縁部と、前記蓋部の周縁部に係合する上側縁部とを備えてもよい。これによれば、アダプタ部の内側に通信ユニット等が配置される密閉空間を確実に形成することができる上、アダプタ部を開口窓と蓋部に確実に係合させることができる。
【0013】
また、前記アダプタ部は、配線が挿通される挿通孔が形成されてもよい。これによれば、保温カバーの開口窓と蓋部の間にアダプタ部を装着する際、アダプタ部の挿通孔に配線を挿通することによって、保温カバーの内部機器と外部機器を容易に接続することができる。
【0014】
また、前記挿通孔は、前記アダプタ部の下側縁部に切り欠き状に形成されてもよい。これによれば、保温カバーの開口窓と蓋部の間にアダプタ部を装着する際、保温カバーの内部の配線を外部に引き出した後、アダプタ部の挿通孔に配線を下方から嵌め込みながら挿通することによって、保温カバーの内部機器と外部機器をより一層容易に接続することができる。
【0015】
また、前記本体部は、水道メータの流入口部側を囲む第1の本体部と、水道メータの流出口部側を囲む第2の本体部と、水道メータの中央部を囲む第3の本体部とから構成され、前記第1の本体部は、水道メータの流入口部が貫通する第1の貫通孔と、水道メータを支承する台座が係合する第1の係合凹部とを備え、前記第2の本体部は、水道メータの流出口部が貫通する第2の貫通孔と、水道メータを支承する台座が係合する第2の係合凹部とを備え、前記第3の本体部は、水道メータを確認するための開口窓が第1の本体部および第2の本体部よりも高い位置に形成されてもよい。これによれば、保温カバーの内部に水道メータを確実に収容できるとともに、開口窓を通して水道メータの流量表示部を上方から確実に確認することができる。
【0016】
また、前記本体部は、水道メータの長さに交差する幅方向に分割可能に構成されてもよい。これによれば、水道メータに保温カバーを設置する際には、水道メータの幅方向に分割された本体部同士を水道メータの幅方向の両側から近接させてゆき、内側に水道メータが収容された状態で結合することにより、保温カバーを簡単かつ確実に設置することができる。一方、水道メータから保温カバーを撤去する際には、結合された本体部同士を水道メータの幅方向に分離して、水道メータの幅方向の両側に離間させてゆくことにより、保温カバーを簡単かつ確実に撤去することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、水道メータの流量表示部に通信ユニット等が設けられている場合、保温カバーの開口窓と蓋部の間にアダプタ部を装着し、蓋部により保温カバーの開口窓をアダプタ部を介して塞ぐことにより、アダプタ部の内側に通信ユニットが配置されるため、保温カバーの内部に水道メータ全体を収容することができる。
【0018】
一方、水道メータの流量表示部に通信ユニット等が設けられていない場合、保温カバーの開口窓と蓋部の間にアダプタ部を装着せず、蓋部により保温カバーの開口窓を直接塞ぐことにより、保温カバーの内部に水道メータ全体をコンパクトに収容することができる。
【0019】
このため、流量表示部に通信ユニット等が設けられている場合と設けられていない場合のいずれの場合の水道メータであっても、アダプタ部を脱着するだけで同じ保温カバーを使用できるため、通信ユニットの有無によって新しい保温カバーを設計・製造する必要がなく、製造コストを低く抑えることができるとともに、古い保温カバーと交換する必要もなく、作業効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本実施形態に係る水道メータ用保温カバーを示す斜視図である。
【
図2】アダプタ部装着の保温カバーを取り付けた状態の水道メータユニットを示す正面図(保護カバー断面)である。
【
図3】
図2の水道メータユニットの右側側面図(保護カバー断面)である。
【
図4】
図2の水道メータユニットの平面図(保護カバー断面)である。
【
図5】アダプタ部未装着の保温カバーを取り付けた状態の水道メータユニットを示す正面図(保護カバー断面)である。
【
図6】
図5の水道メータユニットの右側側面図(保護カバー断面)である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、本発明に係る水道メータユニットについて
図1~
図6を参照しつつ説明する。なお、本明細書において、「上流側」とは、
図2において止水栓5からバルブ3まで流れる水道水の上流側をいい、「下流側」とは、
図2において止水栓5からバルブ3まで流れる水道水の下流側をいう。「右側」とは、
図2において上流側から下流側を見た場合の右側をいい、「左側」とは、
図2において上流側から下流側を見た場合の左側をいう。
【0022】
<水道メータユニット1の全体構成>
前記水道メータユニット1は、
図2に示すように、水道の中途に設けられ、水道を流れる水の流量を計測する水道メータ2と、水道メータ2の下流側に設けられたバルブ3と、水道メータ2の上流側に継手7を介して設けられた減圧弁4と、減圧弁4の上流側に設けられた止水栓5と、水道メータ2およびバルブ3などを支承する台座6とを備え、水道メータ2に対して保温用の水道メータ用保温カバー10(以下、保温カバー10という)が設置されている。なお、バルブ3、減圧弁4及び止水栓5は、従来公知のものと同一構成であるため、詳細な説明を省略する。
【0023】
前記水道メータ2は、継手7から水が流入する流入口部21と、水が流出する流出口部22と、流入口部21と流出口部22が接続されたメータ本体部23とを備える。
【0024】
前記メータ本体部23は、金属製または樹脂製のケーシングから構成され、水の流量や圧力などを計測する計測部231と、計測部231により計測された水の流量を表示する流量表示部232を備えている。
【0025】
また、前記メータ本体部23は、流量表示部232を覆う態様で通信ユニット8が着脱可能に設けられる。本実施形態では、通信ユニット8は、流量表示部232を撮影する撮像部8aと、外部管理端末と通信可能な通信部8bとを備え、外部機器と電気的に接続するための配線81が設けられている。
【0026】
而して、
図2~
図4に示すように、メータ本体部23に通信ユニット8が設けられている場合、メータ本体部23の流量表示部232に表示される流量・圧力は、通信ユニット8の撮像部8aにより撮像され、電気信号に変換された後、通信ユニット8の通信部8bにより外部機器に送信される。一方、
図5および
図6に示すように、メータ本体部23に通信ユニット8が設けられていない場合、メータ本体部23の流量表示部232に表示される流量・圧力は、管理者の目視により直接確認される。
【0027】
前記台座6は、平面視矩形状の天板部61と、天板部61の周縁部から下方に延びる側板部62と、側板部62の下端部から水平外側方向に延びる基板部63とを備え、所定の設置面に設置されている。
【0028】
また、前記台座6は、天板部61に保持部9が設けられている。この保持部9は、天板部61の上流側の上面に設けられた上流側保持部91と、天板部61の下流側の上面に設けられた下流側保持部92とからなり、上流側保持部91により水道メータ2の流入口部21側を保持するとともに、下流側保持部92により水道メータ2の流出口部22側を保持する。これにより、台座6は、保持部9(上流側保持部91および下流側保持部92)を介して水道メータ2を所定の隙間を空けながら支承する。
【0029】
<保温カバー10の構成>
前記保温カバー10は、
図2~
図6に示すように、水道メータ2の内部の水道水が凍結しないように水道メータ2を保温するためのカバーであって、水道メータ2を囲む態様で設置される。
【0030】
具体的には、前記保温カバー10は、
図1に示すように、水道メータ2を確認するための開口窓110が形成された本体部11と、本体部11の開口窓110を塞ぐ蓋部12と、本体部11と蓋部12の間に着脱可能なアダプタ部13を備え、スチレン発泡樹脂等の保温効果の高い断熱材により構成されている。これにより、水道メータ2を確認しない通常時では、本体部11の開口窓110が蓋部12に塞がれることにより、保温カバー10の内部と外部が遮断される。一方、水道メータ2の確認時では、蓋部12が取り外されて本体部11の開口窓110が開かれることにより、水道メータ2の流量表示部232側が開口窓110を通じて目視で確認される。
【0031】
また、前記本体部11は、水道メータ2の流入口部21側を囲む第1の本体部111と、水道メータ2の流出口部22側を囲む第2の本体部112と、水道メータ2の中央部を囲む第3の本体部113とから構成される。
【0032】
前記第1の本体部111は、水道メータ2の流入口部21が貫通する第1の貫通孔111aと、第1の貫通孔111aの下方に設けられ、水道メータ2を支承する台座6が係合する第1の係合凹部111bを備える。第1の貫通孔111aは、第1の本体部111の上部において長さ方向に延びる態様で設けられ、内面が水道メータ2の流入口部21に沿うように円形状に形成されている。また、第1の係合凹部111bは、第1の本体部111の下部において長さ方向に延びる態様で設けられ、内面が台座6の天板部61および左右の側板部62に沿うようコ字状に形成されている。
【0033】
前記第2の本体部112は、水道メータ2の流出口部22が貫通する第2の貫通孔112aと、第2の貫通孔112aの下方に設けられ、水道メータ2を支承する台座6が係合する第2の係合凹部112bを備える。第2の貫通孔112aは、第2の本体部112の上部において長さ方向に延びる態様で設けられ、内面が水道メータ2の流出口部22に沿うように円形状に形成されている。また、第2の係合凹部112bは、第2の本体部112の下部において長さ方向に延びる態様で設けられ、内側面が台座6の天板部61および左右の側板部62に沿うようコ字状に形成されている。
【0034】
前記第3の本体部113は、上下方向に延びる略円筒状に形成され、水道メータ2の流量表示部232を確認するための平面視円形状の開口窓110が第1の本体部111および第2の本体部112よりも高い位置に形成されている。これによれば、保温カバー10の内部に水道メータ2を確実に収容できるとともに、開口窓110を通して水道メータ2を上方から確実に確認することができる。なお、開口窓110は、周縁部110aに蓋部12またはアダプタ部13と係合する凸部110bが設けられている。
【0035】
また、前記本体部11は、水道メータ2の長さ方向に交差する幅方向の中央部において、該中央部の右側の右側本体部11aと、該中央部の左側の左側本体部11bに分割可能に構成されている。これによれば、水道メータ2に保温カバー10を設置する際には、水道メータ2の幅方向に分割された本体部11同士を水道メータ2の幅方向の両側から近接させてゆき、内側に水道メータ2が収容される状態で結合することにより、簡単かつ確実に保温カバー10を設置することができる。一方、水道メータ2から保温カバー10を撤去する際には、結合された本体部11同士を水道メータ2の幅方向に分離して、水道メータ2の幅方向の両側に離間させてゆくことにより、簡単かつ確実に保温カバー10を撤去することができる。
【0036】
前記蓋部12は、本体部11の開口窓110を塞ぐものあって、平面視円形状の天板部121と、天板部121の周縁部から下方に延びる円筒状の側板部122を備え、側板部122が本体部11の開口窓110またはアダプタ部13に係合するようになっている。具体的には、前記側板部122は、下側縁部122aの内側部分に凹部122bが形成され、
図2~
図4に示すように、本体部11の開口窓110と蓋部12の間にアダプタ部13が装着される場合には、蓋部12の凹部122bに後述するアダプタ部13の上側縁部132に形成された凸部132aが嵌るように係合する。一方、
図5および
図6に示すように、本体部11の開口窓110と蓋部12の間にアダプタ部13が装着されない場合には、蓋部12の凹部122bに本体部11の開口窓110の周縁部110aに形成された凸部110bが嵌るように係合する。
【0037】
前記アダプタ部13は、上側と下側が開口した円筒状に形成され、本体部11の開口窓110の周縁部110aに係合する下側縁部131と、蓋部12の側板部122の下側縁部122aに係合する上側縁部132を備える。具体的には、このアダプタ部13は、下側縁部131の内側部分に凹部131aが設けられ、該凹部131aに開口窓110の周縁部110aに形成された凸部110bが嵌ることにより開口窓110の周縁部110aに係合する。また、前記アダプタ部13は、上側縁部132の内側部分に凸部132aが設けられ、該凸部132aが蓋部12の下側縁部122aに形成された凹部122bに嵌ることにより蓋部12の下側縁部122aに係合する。これによれば、アダプタ部13の内側に通信ユニット8が配置される密閉空間を確実に形成することができる上、アダプタ部13を開口窓110と蓋部12に確実に係合させることができる。
【0038】
また、前記アダプタ部13は、側面に配線81が挿通される挿通孔133が形成されている。本実施形態では、挿通孔133は、アダプタ部13の下側縁部131を逆U字に切り欠いた形状に形成されている。これによれば、開口窓110と蓋部12の間にアダプタ部13を装着する際、保温カバー10の内部の配線81を外部に引き出した後、アダプタ部13の挿通孔133に配線81を下方から嵌め込みながら挿通することによって、保温カバー10の内部機器と外部機器をより一層容易に接続することができる。なお、挿通孔133は、逆U字状に限定されるものではなく、コ字状や逆V字状などのその他の形状であってもよい。
【0039】
以上の構成の保護カバー10によれば、
図2~
図4に示すように、水道メータ2の流量表示部232に通信ユニット8が設けられている場合、保温カバー10の開口窓110と蓋部12の間にアダプタ部13を装着し、蓋部12により保温カバー10の開口窓110をアダプタ部13を介して塞ぐことにより、アダプタ部13の内側に通信ユニット8が配置されるため、保温カバー10の内部に水道メータ2全体を収容することができる。
【0040】
一方、
図5および6に示すように、水道メータ2の流量表示部232に通信ユニット8が設けられていない場合、保温カバー10の開口窓110と蓋部12の間にアダプタ部13を装着せず、蓋部12により保温カバー10の開口窓110を直接塞ぐことにより、保温カバー10の内部に水道メータ2全体をコンパクトに収容することができる。
【0041】
このため、流量表示部232に通信ユニット8が設けられている場合と設けられていない場合のいずれの場合の水道メータ2であっても、アダプタ部13を脱着するだけで同じ保温カバー10を使用できるため、通信ユニット8の有無によって新しい保温カバーを設計・製造する必要がなく、製造コストを低く抑えることができるとともに、古い保温カバーと交換する必要もなく、作業効率を向上させることができる。
【0042】
なお、本実施形態において、アダプター部13は、本体部11の開口窓110と蓋部12の形状に合わせて平面視円筒状に形成したが、本体部11の開口窓110と蓋部12の間に装着可能なものであれば、平面視C字状などのその他の形状に形成してもよい。
【0043】
また、前記挿通孔133は、アダプタ部13の下側縁部131に切り欠き状に形成したが、アダプタ部13の上側縁部132に切り欠き状に形成してもよいし、あるいはアダプタ部13の中間部に貫通する態様で形成してもよい。
【0044】
以上、図面を参照して本発明の実施形態を説明したが、本発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示された実施形態に対して、本発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0045】
1…水道メータユニット
2…水道メータ
21…流入口部
22…流出口部
23…メータ本体部
231…計測部
232…流量表示部
3…バルブ
4…減圧弁
5…止水栓
6…台座
61…天板部
62…側板部
63…基板部
7…継手
8…通信ユニット
8a…撮像部
8b…通信部
81…配線
9…保持部
91…上流側保持部
92…下流側保持部
10…保温カバー(水道メータ用保温カバー)
11…本体部
11a…右側本体部
11b…左側本体部
110…開口窓
110a…周縁部
110b…凸部
111…第1の本体部
111a…第1の貫通孔
111b…第1の係合凹部
112…第2の本体部
112a…第2の貫通孔
112b…第2の係合凹部
113…第3の本体部
12…蓋部
121…天板部
122…側板部
122a…下側縁部
122b…凹部
13…アダプタ部
131…下側縁部
131a…凹部
132…上側縁部
132a…凸部
133…挿通孔