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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024033765
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】充電システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/02 20160101AFI20240306BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
H02J7/02 F
H02J7/00 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022137570
(22)【出願日】2022-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】000000262
【氏名又は名称】株式会社ダイヘン
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100168044
【弁理士】
【氏名又は名称】小淵 景太
(72)【発明者】
【氏名】石和久 将一
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA04
5G503BB01
5G503CA10
5G503CC08
5G503EA05
5G503FA06
5G503GB03
5G503GD03
(57)【要約】
【課題】各充電装置が自律的に出力電力を調整できる充電システムを提供する。
【解決手段】電気移動体2の蓄電池21を充電する充電装置1a,1bを備えている充電システムA1であって、充電装置1a,1bはそれぞれ、直流電力を出力する直流電源部11と、電気移動体2に接続されて、直流電源部11が出力する直流電力を当該電気移動体2に供給する充電ケーブル19と、電気移動体2および他の充電装置1と通信を行う通信部12と、直流電源部11および通信部12を制御する制御部13と、を備えている。充電装置1aは、充電装置1bが充電中であるときに、充電ケーブル19が電気移動体2に接続され、電気移動体2から要求電力値を受信した場合、充電装置1bに当該要求電力値を送信する。充電装置1bは、充電装置1aから要求電力値を受信した場合、当該要求電力値を受け入れるか否かを判断し、判断結果を充電装置1aに送信する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電池の電力で電動機を駆動して移動する電気移動体の前記蓄電池を充電する第1充電装置および第2充電装置を備えている充電システムであって、
前記第1充電装置および前記第2充電装置はそれぞれ、
直流電力を出力する直流電源部と、
前記電気移動体に接続されて、前記直流電源部が出力する直流電力を当該電気移動体に供給する充電ケーブルと、
前記電気移動体および他の充電装置と通信を行う通信部と、
前記直流電源部および前記通信部を制御する制御部と、
を備え、
前記第1充電装置は、前記第2充電装置が充電中であるときに、前記充電ケーブルが前記電気移動体に接続され、前記電気移動体から要求電力値を受信した場合、前記第2充電装置に当該要求電力値を送信し、
前記第2充電装置は、前記第1充電装置から前記要求電力値を受信した場合、当該要求電力値を受け入れるか否かを判断し、判断結果を前記第1充電装置に送信する、
充電システム。
【請求項2】
前記第2充電装置は、自身の充電ケーブルに接続された電気移動体の充電率に基づいて、受け入れるか否かを判断する、
請求項1に記載の充電システム。
【請求項3】
前記第1充電装置は、自身の充電ケーブルに接続された電気移動体に関する関連情報を、前記第2充電装置に送信し、
前記第2充電装置は、前記関連情報に基づいて、受け入れるか否かを判断する、
請求項1に記載の充電システム。
【請求項4】
前記第2充電装置は、受け入れると判断した場合、前記第1充電装置が前記要求電力値の電力を出力しても、前記充電システム全体の出力電力が許容電力値を超えないように、自身の出力電力を変更し、
前記第1充電装置は、受け入れる旨の判断結果を受信した場合、前記要求電力値での充電を開始する、
請求項1に記載の充電システム。
【請求項5】
前記第2充電装置は、受け入れないと判断した場合、自身の出力電力を変更せず、
前記第1充電装置は、受け入れない旨の判断結果を受信した場合、前記充電システム全体の出力電力が許容電力値を超えないように、充電を開始する、
請求項1ないし4のいずれかに記載の充電システム。
【請求項6】
前記第1充電装置は、前記第2充電装置の出力電力が減少した場合、前記充電システムの出力電力が前記許容電力値を超えない範囲で、自身の出力電力を増加させる、
請求項5に記載の充電システム。
【請求項7】
前記第1充電装置および前記第2充電装置と同じ構成を有する第3充電装置をさらに備え、
前記第1充電装置は、前記第2充電装置および前記第3充電装置が充電中であるときに、前記充電ケーブルが前記電気移動体に接続され、前記電気移動体から前記要求電力値を受信した場合、前記第3充電装置にも当該要求電力値を送信し、
前記第2充電装置は、前記第1充電装置から前記要求電力値を受信した場合、当該要求電力値を受け入れるか否かを判断し、判断結果を前記第3充電装置にも送信し、
前記第3充電装置は、前記第1充電装置から前記要求電力値を受信した場合、当該要求電力値を受け入れるか否かを判断し、判断結果を前記第1充電装置および前記第2充電装置に送信する、
請求項1に記載の充電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車などを充電する充電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電気自動車の普及に伴い、電気自動車の蓄電池に充電をするための充電システムの整備が進んでいる。特許文献1には、充電システムの一例が開示されている。当該充電システムは、複数台の急速充電器と、各急速充電器と通信を行って充電動作を制御するシステムコントローラとを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-211891号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記充電システムにおいては、システムコントローラが各急速充電器から各種情報を収集して、各急速充電器の充電時における最大電力値を決定して送信し、各急速充電器が受信した最大電力値の範囲内で充電電力を出力する。したがって、システムコントローラの負担が大きい。また、システムコントローラが故障した場合、充電システムの出力電力を適正に制御できなくなる。また、システムコントローラが各急速充電器の充電電力の指令値を設定する場合も、各急速充電器から各種情報を収集して各指令値を算出するので、同様に、システムコントローラの負担が大きい。また、システムコントローラが故障した場合、充電システムは充電を継続することができない。また、各急速充電器の出力電力の変更に時間がかかる。
【0005】
本発明は上記した事情のもとで考え出されたものであって、各充電装置が自律的に出力電力を調整できる充電システムを提供することをその目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0007】
本発明の第1の側面によって提供される充電システムは、蓄電池の電力で電動機を駆動して移動する電気移動体の前記蓄電池を充電する第1充電装置および第2充電装置を備えている充電システムであって、前記第1充電装置および前記第2充電装置はそれぞれ、直流電力を出力する直流電源部と、前記電気移動体に接続されて、前記直流電源部が出力する直流電力を当該電気移動体に供給する充電ケーブルと、前記電気移動体および他の充電装置と通信を行う通信部と、前記直流電源部および前記通信部を制御する制御部と、を備え、前記第1充電装置は、前記第2充電装置が充電中であるときに、前記充電ケーブルが前記電気移動体に接続され、前記電気移動体から要求電力値を受信した場合、前記第2充電装置に当該要求電力値を送信し、前記第2充電装置は、前記第1充電装置から前記要求電力値を受信した場合、当該要求電力値を受け入れるか否かを判断し、判断結果を前記第1充電装置に送信する。
【0008】
なお、「電気移動体」は、蓄電池の電力で電動機を駆動して移動する移動体であって、いわゆる電気自動車だけでなく、ハイブリッド車なども含まれる。また、「電気移動体」は、いわゆる自動車だけでなく、二輪車、船舶、飛行機などの他の乗り物、または、無人搬送車、ドローンなどの無人移動体も含まれる。
【0009】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第2充電装置は、自身の充電ケーブルに接続された電気移動体の充電率に基づいて、受け入れるか否かを判断する。
【0010】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第1充電装置は、自身の充電ケーブルに接続された電気移動体に関する関連情報を、前記第2充電装置に送信し、前記第2充電装置は、前記関連情報に基づいて、受け入れるか否かを判断する。
【0011】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第2充電装置は、受け入れると判断した場合、前記第1充電装置が前記要求電力値の電力を出力しても、前記充電システム全体の出力電力が許容電力値を超えないように、自身の出力電力を変更し、前記第1充電装置は、受け入れる旨の判断結果を受信した場合、前記要求電力値での充電を開始する。
【0012】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第2充電装置は、受け入れないと判断した場合、自身の出力電力を変更せず、前記第1充電装置は、受け入れない旨の判断結果を受信した場合、前記充電システム全体の出力電力が許容電力値を超えないように、充電を開始する。
【0013】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第1充電装置は、前記第2充電装置の出力電力が減少した場合、前記電力システムの出力電力が前記許容電力値を超えない範囲で、自身の出力電力を増加させる。
【0014】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第1充電装置および前記第2充電装置と同じ構成を有する第3充電装置をさらに備え、前記第1充電装置は、前記第2充電装置および前記第3充電装置が充電中であるときに、前記充電ケーブルが前記電気移動体に接続され、前記電気移動体から前記要求電力値を受信した場合、前記第3充電装置にも当該要求電力値を送信し、前記第2充電装置は、前記第1充電装置から前記要求電力値を受信した場合、当該要求電力値を受け入れるか否かを判断し、判断結果を前記第3充電装置にも送信し、前記第3充電装置は、前記第1充電装置から前記要求電力値を受信した場合、当該要求電力値を受け入れるか否かを判断し、判断結果を前記第1充電装置および前記第2充電装置に送信する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によると、第1充電装置は、電気移動体が接続されて要求電力値を受信した場合、充電中の第2充電装置に対して当該要求電力値を送信する。そして、第2充電装置は、第1充電装置から要求電力値を受信した場合、当該要求電力値を受け入れるか否かを判断し、判断結果を第1充電装置に送信する。第2充電装置は、自身の判断結果に応じて出力電力を調整できる。また、第1充電装置は、第2充電装置から受信した判断結果に応じて出力電力を調整できる。したがって、各充電装置が自律的に出力電力を調整できる。これにより、充電制御装置が各充電装置の出力電力を制御する必要がない。
【0016】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】第1実施形態に係る充電システムの全体構成を示すブロック図である。
図2】充電開始処理および受入判断処理を説明するためのフローチャートの一例である。
図3】充電変更処理を説明するためのフローチャートの一例である。
図4】第2実施形態に係る充電システムの全体構成を示すブロック図である。
図5】第3実施形態に係る充電システムの全体構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
【0019】
〔第1実施形態〕
図1は、第1実施形態に係る充電システムA1の全体構成を示すブロック図である。
【0020】
充電システムA1は、電気自動車2の充電を行うための設備である。電気自動車2は、動力源としての電動機および電動機に電力を供給する蓄電池21を備えた自動車であり、電動機のみを動力源とするいわゆる電気自動車だけでなく、内燃機関が併設されたハイブリッド車なども含まれる。充電システムA1は、複数の充電装置1および充電制御装置3を備えている。本実施形態では、充電システムA1が2台の充電装置1を備えている場合について説明する。なお、充電システムA1が備える充電装置1は、3台以上であってもよい。
【0021】
充電制御装置3は、複数の充電装置1を制御する。ただし、充電制御装置3は、各充電装置1の出力電力の調整を行わない。各充電装置1は、互いに通信を行って、それぞれが自律的に出力電力の調整を行う。充電制御装置3は、上位機器9および各充電装置1と通信を行う。当該通信の方法は限定されず、有線通信であってもよいし、無線通信であってもよい。充電制御装置3は、充電システムA1が出力することを許容される電力の最大値(すなわち、複数の充電装置1の出力電力の合計値の許容される最大値)である許容電力値を、上位機器9から受信して、各充電装置1に送信する。また、充電制御装置3は、各充電装置1から各種情報を受信して記憶する。
【0022】
上位機器9は、充電システムA1、および、施設が備えている図示しない各設備のエネルギーマネジメントを行う機器である。各設備には、たとえば太陽光発電システムなどの発電システム、電力を蓄電する蓄電池を備えた蓄電システム、および、施設が備えている各種負荷などが含まれる。上位機器9は、充電システムA1および各設備から情報を入力され、施設全体での効率の良いエネルギーの利用を行うために、各設備の制御を行う。たとえば、上位機器9は、施設全体で使用される電力を検出し、例えば30分間(デマンド時限)での平均使用電力であるデマンド値が契約電力を超えないように、各設備を制御する。上位機器9は、デマンド値に応じて、充電システムA1(充電制御装置3)に出力する許容電力値を変化させる。これにより、充電システムA1は、エネルギーマネジメントに貢献できる。また、上位機器9は、電力会社が提供する時間帯による供給力と使用電力予測に基づいて、許容電力値を変化させてもよい。この場合、充電システムA1は、電力需給ひっ迫への対応にも貢献できる。
【0023】
複数の充電装置1はそれぞれ、施設の駐車場などに配置され、電気自動車2の充電を行う。充電装置1は、いわゆる大容量タイプの急速充電装置であり、たとえば50kWの直流電力を出力して急速充電を行う。また、充電装置1は、たとえば90kWの直流電力を出力してブースト充電(超急速充電)を行うことも可能である。充電装置1は、直流電源部11、通信部12、制御部13、電力線11a、通信線12a、および充電ケーブル19を備えている。
【0024】
直流電源部11は、制御部13からの設定値に応じて、直流電力を出力する構成である。直流電源部11は、たとえば、コンバータおよび平滑回路を備えている。コンバータは、制御部13からの指令に応じて、電力系統から入力される交流電力を直流電力に変換する。平滑回路は、コンバータが出力する直流電力を平滑して出力する。なお、直流電源部11の具体的な構成は限定されず、直流電力を出力できればよい。たとえば、直流電源部11は、電力系統から入力される交流電圧を昇圧する変圧器を備えてもよい。
【0025】
通信部12は、電気自動車2、他の充電装置1、および充電制御装置3との間で通信を行う。通信部12は、充電ケーブル19に配置された通信線12aを介して、充電ケーブル19に接続された電気自動車2と通信を行う。通信部12は、電気自動車2と、たとえばCAN(Controller Area Network)通信の規格に応じて通信を行う。なお、通信規格は限定されない。通信部12は、電気自動車2から、要求電力値を受信する。要求電力値は、電気自動車2が蓄電池21を充電するために、充電装置1に要求する電力値である。また、通信部12は、電気自動車2から関連情報を受信する。関連情報には、蓄電池21の容量(以下では「蓄電池容量」と記載する場合がある)、および、現在の充電率(SoC:State of Charge)などの情報が含まれる。なお、関連情報は限定されない。電気自動車2は、要求電力値および関連情報を、通信部12からの問い合わせに応じて送信してもよいし、所定のタイミング毎に送信してもよい。なお、通信部12と各電気自動車2との間で送受信される情報は限定されない。また、通信部12と電気自動車2との通信方法は限定されず、例えば無線通信であってもよい。
【0026】
また、通信部12は、他の充電装置1および充電制御装置3とも通信を行う。当該通信の方法は限定されず、有線通信であってもよいし、無線通信であってもよい。通信部12は、充電制御装置3から許容電力値を受信し、充電制御装置3に電気自動車2から受信した要求電力値および関連情報と、制御部13が設定した設定値および図示しない電力センサで検出した出力電力値などの情報とを送信する。また、通信部12は、他の充電装置1との間で、接続された電気自動車2から受信した要求電力値および関連情報と、設定値および出力電力値などの情報とを、互いに送受信する。なお、通信部12と他の充電装置1および充電制御装置3との間で送受信される情報は限定されない。
【0027】
充電ケーブル19は、電力線11aおよび通信線12aが配置されている。充電ケーブル19は、先端に配置された充電コネクタ191を電気自動車2のプラグインコネクタ22に接続することで、電気自動車2と接続される。充電ケーブル19が接続された電気自動車2は、電力線11aを介して直流電源部11から供給される電力によって、蓄電池21を充電される。
【0028】
制御部13は、充電装置1の制御を行う構成であり、例えばマイクロコンピュータなどによって実現されている。制御部13は、通信部12による通信を制御する。制御部13は、通信部12が受信した情報または信号を取得し、また、通信部12を介して、情報または信号を送信する。また、制御部13は、直流電源部11に設定値を出力することで、直流電源部11による直流電力の出力を制御する。本実施形態では、各充電装置1は、充電制御装置3からの指示に応じて出力電力を設定するのではなく、他の充電装置1との間で情報を送受信することで、自律的に出力電力を設定する。また、各充電装置1は、充電開始時に他の充電装置1が充電を行っている場合、当該充電装置1に要求電力値の電力を出力することを受け入れるか否かの問い合わせを行う。
【0029】
制御部13は、通信部12を介して電気自動車2と通信を行うことで、充電コネクタ191とプラグインコネクタ22との接続を確認する。制御部13は、接続を確認できた場合、電気自動車2に要求電力値の問い合わせを行う。これに応じて、電気自動車2は、要求電力値を通信部12に送信する。なお、通信が確立された場合に、電気自動車2が自動的に要求電力値を送信してもよい。制御部13は、電気自動車2から要求電力値を受信すると、現在充電を行っている充電装置1がある場合、当該充電装置1に、当該要求電力値の電力を出力することを受け入れるか否かを確認する信号(以下では「確認信号」と記載する)を送信する。確認信号には、要求電力値が含まれている。現在充電を行っている充電装置1があるか否かは、他の充電装置1から受信した出力電力値によって判断可能である。なお、制御部13は、他に充電を行っている充電装置1がない場合、要求電力値での電力を出力可能であると判断し、要求電力値での充電を開始する。具体的には、制御部13は、直流電源部11に、要求電力値を設定値として出力する。
【0030】
制御部13は、他の充電装置1から確認信号を受信した場合、要求電力値を受け入れるか否かを判断し、判断結果を対応する充電装置1に送信する。要求電力値を受け入れるか否かの判断方法は限定されない。制御部13は、接続されている電気自動車2から受信した関連情報に基づいて判断を行ってもよい。例えば、制御部13は、充電率が所定値以上である場合には受け入れると判断し、充電率が所定値未満である場合には受け入れないと判断してもよい。また、制御部13は、充電完了までの残り時間が所定時間未満である場合には受け入れると判断し、当該残り時間が所定時間以上である場合には受け入れないと判断してもよい。充電完了までの残り時間は、関連情報として電気自動車2から受信してもよいし、関連情報の充電率および蓄電池容量に基づいて、制御部13が算出してもよい。また、制御部13は、その他の関連情報(例えば蓄電池容量)に基づいて判断してもよい。また、制御部13は、直流電源部11の出力電力に基づいて判断を行ってもよい。例えば、制御部13は、直流電源部11がブースト充電を行っている場合には受け入れないと判断し、ブースト充電が終了して通常の急速充電を行っている場合には受け入れると判断してもよい。
【0031】
また、制御部13は、確認信号を送信した充電装置1が記憶する関連情報(当該充電装置1が接続されている電気自動車2から受信した関連情報)を受信し、当該関連情報(以下では「相手関連情報」と記載する場合がある)に基づいて判断を行ってもよい。例えば、制御部13は、相手関連情報の充電率が所定値未満である場合には受け入れると判断し、相手関連情報の充電率が所定値以上である場合には受け入れないと判断してもよい。また、逆に、制御部13は、相手関連情報の充電率が所定値以上である場合には受け入れると判断し、相手関連情報の充電率が所定値未満である場合には受け入れないと判断してもよい。また、制御部13は、相手関連情報に基づく充電完了までの残り時間や、相手関連情報の蓄電池容量などの他の情報に基づいて判断してもよい。また、制御部13は、確認信号に含まれている要求電力値の大きさに基づいて判断してもよい。
【0032】
また、関連情報に電気自動車2の優先度が含まれている場合、制御部13は、関連情報に含まれる優先度と、相手関連情報に含まれる優先度との比較結果に基づいて判断してもよい。また、制御部13は、上述した判断基準を複数組み合わせて判断を行ってもよい。
【0033】
制御部13は、受け入れると判断した場合、確認信号を送信した充電装置1が要求電力値の電力を出力しても、充電システムA1全体の出力電力が許容電力値を超えないように、直流電源部11の出力電力を変更する。具体的には、制御部13は、直流電源部11に出力する設定値を、許容電力値から要求電力値を減じた電力値以下の値に変更する。一方、制御部13は、受け入れないと判断した場合、直流電源部11の出力電力を変更しない。
【0034】
制御部13は、確認信号を送信した充電装置1から、受け入れる旨の判断結果を示す許可信号を受信した場合、要求電力値での充電を開始する。具体的には、制御部13は、直流電源部11に、要求電力値を設定値として出力する。一方、制御部13は、確認信号を送信した充電装置1から、受け入れない旨の判断結果を示す不許可信号を受信した場合、充電システムA1全体の出力電力が許容電力値を超えないように、充電を開始する。具体的には、制御部13は、直流電源部11に、許容電力値から不許可信号を送信した充電装置1の出力電力値を減じた電力値以下の値を設定値として出力する。
【0035】
図2(a)は、制御部13が行う充電開始処理を説明するためのフローチャートの一例である。充電開始処理は、電気自動車2が接続されたときに、当該電気自動車2への充電を開始するための処理である。充電開始処理は、充電装置1が起動したときに開始される。
【0036】
まず、電気自動車2が接続されたか否かが判別される(S1)。具体的には、制御部13が通信部12を介して電気自動車2と通信を行う。制御部13は、通信ができた場合は電気自動車2が接続されたと判断し、通信ができない場合は電気自動車2が接続されていないと判断する。電気自動車2が接続されていない場合(S1:NO)、ステップS1に戻って、ステップS1の判別が繰り返される。つまり、電気自動車2が接続されるのを待つ。電気自動車2が接続された場合(S1:YES)、要求電力値が受信されたか否かが判別される(S2)。具体的には、制御部13は、通信部12を介して電気自動車2から、要求電力値を受信したか否かを判別する。要求電力値が受信されていない場合(S2:NO)、ステップS2に戻って、ステップS2の判別が繰り返される。つまり、要求電力値が受信されされるのを待つ。
【0037】
要求電力値が受信された場合(S2:YES)、他に充電を行っている充電装置1があるか否かが判別される(S3)。具体的には、制御部13が、他の充電装置1から受信した出力電力値に基づいて判断する。他に充電を行っている充電装置1がない場合(S3:NO)、要求電力値での充電が開始されて(S9)、充電開始処理は終了する。具体的には、制御部13が、直流電源部11に、要求電力値を設定値として出力する。
【0038】
ステップS3において、他に充電を行っている充電装置1がある場合(S3:YES)、確認信号が送信される(S4)。具体的には、制御部13が、通信部12を介して、要求電力値を含む確認信号を、充電を行っている充電装置1に送信する。次に、返信があったか否かが判別される(S5)。具体的には、制御部13が、通信部12を介して、許可信号または不許可信号を受信したか否かが判別される。返信がない場合(S5:NO)、ステップS5に戻って、ステップS5の判別が繰り返される。つまり、返信を待つ。返信があった場合(S5:YES)、返信が許可信号であるか否かが判別される(S6)。許可信号である場合(S6:YES)、要求電力値での充電が開始されて(S9)、充電開始処理は終了する。
【0039】
一方、許可信号でない場合、すなわち不許可信号である場合(S6:NO)、充電システムA1全体の出力電力が許容電力値を超えないような電力値が算出され、算出された電力値での充電が開始されて(S8)、充電開始処理は終了する。具体的には、制御部13は、許容電力値から不許可信号を送信した充電装置1の出力電力値を減じた値以下の電力値を算出して、当該電力値を設定値として直流電源部11に出力する。なお、図2(a)のフローチャートに示す処理は一例であって、制御部13が行う充電開始処理は上述したものに限定されない。
【0040】
図2(b)は、制御部13が行う受入判断処理を説明するためのフローチャートの一例である。受入判断処理は、確認信号を受信した場合の対応処理である。受入判断処理は、充電開始処理の終了後に開始される。
【0041】
まず、確認信号が受信されたか否かが判別される(S11)。具体的には、制御部13が通信部12を介して確認信号を受信したか否かが判別される。確認信号が受信されていない場合(S11:NO)、ステップS11に戻って、ステップS11の判別が繰り返される。つまり、確認信号が受信されるのを待つ。
【0042】
確認信号が受信された場合(S11:YES)、受け入れるか否かが判断される(S12)。具体的には、制御部13が、あらかじめ設定された判断方法に基づいて、受け入れるか否かを判断する。受け入れると判断された場合(S12:YES)、許可信号が送信される(S13)。具体的には、制御部13が、通信部12を介して、確認信号を送信した充電装置1に、許可信号を送信する。次に、充電システムA1全体の出力電力が許容電力値を超えないような電力値が算出される(S14)。そして、出力電力が変更され(S15)、ステップS11に戻って、ステップS11の判別が行われる。具体的には、制御部13は、許容電力値から要求電力値を減じた値以下の電力値を算出して、当該電力値を設定値として直流電源部11に出力する。
【0043】
一方、ステップS12において、受け入れないと判断された場合(S12:NO)、不許可信号が送信され(S16)、出力電力の変更は行われずにステップS11に戻って、ステップS11の判別が行われる。受入判断処理は、接続された電気自動車2の充電が終了した場合、終了する。なお、図2(b)のフローチャートに示す処理は一例であって、制御部13が行う受入判断処理は上述したものに限定されない。
【0044】
以下に、充電装置1bが電気自動車2に90kWで充電を行っているときに、充電装置1aに電気自動車2が接続され、充電装置1aが要求電力値として90kWを受信した場合を例に説明する。許容電力値は120kWとする。充電装置1aは、要求電力値「90kW」を含む確認信号を充電装置1bに送信する(ステップS4参照)。充電装置1bは、確認信号に対して、受け入れるか否かを判断する(ステップS12参照)。
【0045】
充電装置1bは、受け入れると判断した場合(S12:YES)、充電装置1aに許可信号を送信する(ステップS13参照)。また、充電装置1bは、充電装置1aが要求電力値「90kW」の電力を出力しても、充電システムA1全体の出力電力が許容電力値「120kW」を超えないように、自身の出力電力を120kWから30kW(=120-90)に変更する(ステップS14,S15参照)。なお、実際には、ある程度余裕をもって、出力電力が設定される。許可信号を受信した充電装置1aは、要求電力値「90kW」で充電を開始する(ステップS9参照)。
【0046】
充電装置1bは、受け入れないと判断した場合(S12:NO)、充電装置1aに不許可信号を送信する(ステップS16参照)。この場合、充電装置1bは、自身の出力電力を変更しない。不許可信号を受信した充電装置1aは、充電システムA1全体の出力電力が許容電力値「120kW」を超えないように、自身の出力電力を30kW(=120-90)に設定して、充電を開始する(ステップS7,S8参照)。なお、実際には、ある程度余裕をもって、出力電力が設定される。
【0047】
上述したように、制御部13は、不許可信号を受信した場合、要求電力値の電力を出力できず、抑制された電力で充電を開始する。その後、充電を行っていた他の充電装置1の出力電力が減少した場合、制御部13は、充電システムA1全体の出力電力が許容電力値を超えない範囲で、出力電力を増加させる。具体的には、制御部13は、直流電源部11に、許容電力値から不許可信号を送信した充電装置1の現在の出力電力値を減じた電力値以下の値で、かつ、要求電力値以下の値を設定値として出力する。なお、他の充電装置1の出力電力が減少したことは、当該充電装置1から受信した出力電力値が減少したことで判断できる。なお、制御部13は、出力電力が減少した場合に、他の充電装置1にその旨を知らせる信号を送信してもよい。
【0048】
図3は、制御部13が行う出力電力増加処理を説明するためのフローチャートの一例である。出力電力増加処理は、要求電力値の電力を出力できていない場合に、出力電力を要求電力値まで引き上げるための処理である。出力電力増加処理は、充電開始処理の終了後に開始される。
【0049】
まず、直流電源部11の出力電力が要求電力より小さいか否かが判別される(S21)。出力電力が要求電力と同じである場合(S21:NO)、出力電力を引き上げる必要がないので、出力電力増加処理は終了する。出力電力が要求電力より小さい場合(S21:YES)、他の充電装置1の出力電力が減少したか否かが判別される(S22)。具体的には、制御部13が、他の充電装置1から受信した出力電力値が減少したか否かを判別する。減少していない場合(S22:NO)、ステップS21に戻って、ステップS21,S22の判別が繰り返される。つまり、他の充電装置1の出力電力が減少するのを待つ。
【0050】
他の充電装置1の出力電力が減少した場合(S22:YES)、充電システムA1全体の出力電力が許容電力値を超えないような電力値が算出される(S23)。具体的には、制御部13は、許容電力値から他の充電装置1の現在の出力電力値を減じた値以下の電力値を算出する。次に、算出された電力値が要求電力値より小さいか否かが判別される(S24)。算出された電力値が要求電力値より小さい場合(S24:YES)、出力電力が算出された電力値に変更され(S25)、ステップS21に戻る。具体的には、制御部13は、算出された電力値を設定値として直流電源部11に出力する。一方、算出された電力値が要求電力値以上の場合(S24:NO)、出力電力が要求電力値に変更され(S26)、ステップS21に戻る。具体的には、制御部13は、要求電力値を設定値として直流電源部11に出力する。
【0051】
出力電力増加処理は、接続された電気自動車2の充電が終了した場合にも終了する。なお、図3のフローチャートに示す処理は一例であって、制御部13が行う出力電力増加処理は上述したものに限定されない。なお、充電を行っていた他の充電装置1が充電を終了した場合は、制御部13は、出力電力を要求電力値まで増加させる。
【0052】
先述した例において、充電装置1bが受け入れないと判断した場合、充電装置1aは、出力電力を30kWに設定して、充電を開始している。その後、充電装置1bの出力電力が90kWから50kWに減少した場合、充電装置1aは、出力電力を30kWから70kW(=120-50)に変更する。さらに、充電装置1bの出力電力が50kWから20kWに減少した場合、充電装置1aは、出力電力を70kWから90kW(<100=120-20)に変更する。
【0053】
次に、本実施形態に係る充電システムA1の作用および効果について説明する。
【0054】
本実施形態によると、充電装置1の制御部13は、電気自動車2との接続が確認でき、電気自動車2から要求電力値を受信した場合、現在充電を行っている充電装置1に、要求電力値を含む確認信号を送信する。確認信号を受信した充電装置1の制御部13は、要求電力値を受け入れるか否かを判断し、判断結果を対応する充電装置1に送信する。確認信号を受信した充電装置1の制御部13は、自身の判断結果に応じて出力電力を調整できる。また、確認信号を送信した充電装置1の制御部13は、受信した判断結果に応じて出力電力を調整できる。各充電装置1が自律的に出力電力を調整できるので、充電制御装置3は、各充電装置1の出力電力を制御する必要がない。これにより、充電システムA1は、充電制御装置3の負担を軽減できる。また、充電システムA1は、充電制御装置3が故障した場合でも、充電を継続できる。各充電装置1が互いに通信を行うことで、それぞれが自律的に出力電力の調整を行うので、充電システムA1は、充電制御装置3が各充電装置1の出力電力の調整を行う場合と比較して、各充電装置1の出力電力の変更に係る時間を短縮できる。
【0055】
また、本実施形態によると、確認信号を受信した充電装置1の制御部13は、受け入れると判断した場合、確認信号を送信した充電装置1が要求電力値の電力を出力しても、充電システムA1全体の出力電力が許容電力値を超えないように、直流電源部11の出力電力を変更する。また、確認信号を送信した充電装置1は、許可信号を受信して、要求電力値での充電を開始する。したがって、充電システムA1は、確認信号を送信した充電装置1に要求電力値での出力を行わせつつ、全体の出力電力が許容電力値を超えないように制御できる。また、確認信号を受信した充電装置1の制御部13は、受け入れないと判断した場合、確認信号を送信した充電装置1に不許可信号を送信する。不許可信号を受信した充電装置1の制御部13は、充電システムA1全体の出力電力が許容電力値を超えないように、充電を開始する。したがって、充電システムA1は、受け入れを拒否した(不許可信号を送信した)充電装置1の出力電力を変化させることなく、全体の出力電力が許容電力値を超えないように制御できる。
【0056】
また、本実施形態によると、確認信号を送信した充電装置1は、不許可信号を受信して、要求電力値から抑制された電力で充電を開始した場合でも、その後、充電を行っていた他の充電装置1の出力電力が減少すると、出力電力を増加できる。したがって、確認信号を送信した充電装置1は、出力電力を要求電力値に近づけることができる。また、この場合、確認信号を送信した充電装置1は、充電システムA1全体の出力電力が許容電力値を超えない範囲で、出力電力を増加させるので、充電システムA1は、全体の出力電力が許容電力値を超えないように制御できる。
【0057】
また、本実施形態によると、充電装置1の制御部13は、確認信号を受信した場合に受け入れるか否かを、接続されている電気自動車2から受信した関連情報に基づいて判断することが可能である。この場合、制御部13は、接続されている電気自動車2の状態に応じて判断を行うことができる。特に、関連情報の充電率に基づいて判断する場合、制御部13は、接続されている電気自動車2の充電状態に応じて受け入れるか否かを判断できる。また、充電装置1の制御部13は、確認信号を受信した場合に受け入れるか否かを、相手関連情報に基づいて判断を行うことも可能である。この場合、制御部13は、接続されている電気自動車2の状態に関係なく、判断を行うことができる。特に、相手関連情報の充電率に基づいて判断する場合、制御部13は、確認信号を送信した充電装置1に接続されている電気自動車2の充電状態に応じて受け入れるか否かを判断できる。
【0058】
なお、本実施形態においては、充電装置1が電気自動車2を充電する場合について説明したが、これに限られない。充電装置1は、電気自動車2以外の移動体を充電してもよい。この移動体の他の例として、たとえば二輪車(電動オートバイ、電動アシスト自転車)、船舶、飛行機などの他の乗り物、または、無人搬送車、ドローンなどの無人移動体などが考えられる。
【0059】
また、本実施形態においては、充電システムA1が上位機器9によるエネルギーマネジメントが行われる場合について説明したが、これに限られない。充電システムA1は、上位機器9を備えず、契約電力に基づいて設定した固定の許容電力値を用いてもよい。
【0060】
〔第2実施形態〕
図4は、第2実施形態に係る充電システムA2の全体構成を示すブロック図である。図4において、上記第1実施形態と同一または類似の要素には、上記第1実施形態と同一の符号を付している。本実施形態に係る充電システムA2は、充電制御装置3を備えていない点で、第1実施形態に係る充電システムA1と異なる。
【0061】
第2実施形態に係る充電システムA2は、充電制御装置3を備えておらず、上位機器9が、許容電力値を直接、各充電装置1に送信する。
【0062】
本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。さらに、本実施形態によると、充電システムA2は、充電制御装置3を備えていないので、導入コストを抑制できる。
【0063】
〔第3実施形態〕
図5は、第3実施形態に係る充電システムA3の全体構成を示すブロック図である。なお、図5においては、各充電装置1の内部構成の記載を省略している。また、図5において、上記第1実施形態と同一または類似の要素には、上記第1実施形態と同一の符号を付している。本実施形態に係る充電システムA3は、充電装置1を多数備えている点で、第1実施形態に係る充電システムA1と異なる。
【0064】
第3実施形態に係る充電システムA3は、充電装置1を多数備えている。図5においては記載を省略しているが、各充電装置1は、他のすべての充電装置1と通信を行う。各充電装置1の制御部13は、電気自動車2から要求電力値を受信すると、現在充電を行っているすべての充電装置1に確認信号を送信する。そして、確認信号を受信した充電装置1の制御部13は、すべての充電装置1に判断結果を送信する。
【0065】
制御部13は、受け入れると判断した場合、確認信号を送信した充電装置1が要求電力値を出力できるように、他の充電装置1のうち受け入れると判断した充電装置1と分担して、出力電力を抑制する。各充電装置1が出力電力の抑制をどのように分担するかは、限定されない。各充電装置1は、均等に同じ電力だけ抑制してもよいし、元の出力電力値に応じた分だけ抑制してもよい。また、受け入れると判断した充電装置1のうち出力電力値が最大のものだけが出力電力を抑制してもよい。受け入れると判断した充電装置1が1台でもあれば、確認信号を送信した充電装置1の制御部13は、要求電力値での充電を開始する。一方、受け入れると判断した充電装置1が1台もなければ、確認信号を送信した充電装置1の制御部13は、第1実施形態と同様に、充電システムA1全体の出力電力が許容電力値を超えないように、要求電力値から抑制した電力値で充電を開始する。
【0066】
本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。さらに、本実施形態によると、充電システムA3は、確認信号を送信した充電装置1が要求電力値を出力できるように、複数の充電装置1で出力電力の抑制を分担することも可能である。
【0067】
本発明に係る充電システムは、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る充電システムの各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【符号の説明】
【0068】
A1~A3:充電システム、1:充電装置、11:直流電源部、12:通信部、13:制御部、19:充電ケーブル、2:電気自動車、21:蓄電池
図1
図2
図3
図4
図5