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特開2024-33781可変透析液流率を伴う血液透析システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024033781
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】可変透析液流率を伴う血液透析システム
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/14 20060101AFI20240306BHJP
   A61M 60/113 20210101ALI20240306BHJP
   A61M 60/279 20210101ALI20240306BHJP
   A61M 60/37 20210101ALI20240306BHJP
【FI】
A61M1/14 110
A61M60/113
A61M60/279
A61M60/37
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022137598
(22)【出願日】2022-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】522176942
【氏名又は名称】ダイアリティ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ブランドン ボリロ
(72)【発明者】
【氏名】ズー タン チェン
(72)【発明者】
【氏名】クレイトン ポッピー
【テーマコード(参考)】
4C077
【Fターム(参考)】
4C077AA05
4C077BB01
4C077DD05
4C077EE03
4C077HH02
4C077HH15
4C077JJ02
4C077JJ16
4C077JJ28
4C077KK25
(57)【要約】      (修正有)
【課題】可変透析液流率を伴う血液透析システムを提供すること
【解決手段】透析器と、患者からの血液を透析器を通して、患者に戻るように運搬する、閉ループ血液流路と、透析器を通して透析液を運搬する、閉ループ透析液流路とを含む、持ち運び可能な血液透析システムが、提供される。好ましくは、血液透析システムは、透析液流路内に吸着材フィルタを含む。さらに、血液透析機は、血液ポンプと、一対の透析液ポンプとを含む。プロセッサが、血液流路を通した血液の流動を制御し、プロセッサは、透析液流路を通した透析液の流動を制御する。加えて、プロセッサは、患者治療計画を記憶し、透析液流路を通した透析液の流率は、患者の治療の全体を通して低下し、吸着材フィルタによって除去される尿素の量を最大限化する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可変流率を伴う血液透析システムであって、
機械筐体と、
患者から血液を収集するために患者の動脈に接続するための動脈血液ラインと、
患者に血液を戻すために患者の静脈に接続するための静脈血液ラインと、
透析器と、
血液流路であって、前記血液流路は、患者からの血液を前記透析器に、および患者に戻るように運搬するために前記動脈血液ラインおよび前記静脈血液ラインに接続される、血液流路と、
透析液を貯蔵するためのリザーバと、
透析液流路であって、前記透析液流路は、前記血液流路から隔離され、前記リザーバから前記透析器に透析液を運搬するために、前記リザーバおよび前記透析器に接続される、透析液流路と、
透析液を前記透析液流路を通して圧送するための少なくとも1つの透析液ポンプと、
血液を前記血液流路を通して圧送するための血液ポンプと、
前記透析液流路を通して透析液の前記流率を測定する前記透析液流路内の透析液流動センサと、
前記透析液流動センサおよび前記少なくとも1つの透析液ポンプに接続される制御プロセッサであって、前記制御プロセッサは、それによって患者が治療される患者治療計画を記憶するためのメモリを保有し、前記患者治療計画は、患者の治療の間の透析液流率を含み、前記透析液流率は、患者を治療するための期間「T(合計)」にわたって減少する、制御プロセッサと
を備える、可変流率を伴う血液透析システム。
【請求項2】
前記透析液流率は、高流率と、低流率とを含み、低流率は、前記高流率の75%未満である、請求項1に記載の可変流率を伴う血液透析システム。
【請求項3】
前記患者治療計画は、前記透析液流率を線形様式において減少させることを含む、請求項1に記載の可変流率を伴う血液透析システム。
【請求項4】
前記透析液流率は、漸進的に減少し、高流率と、低流率とを含む、請求項1に記載の可変流率を伴う血液透析システム。
【請求項5】
透析液流率は、400~800ml/分の高流率と、100~400ml/分の低流率とを含む、請求項1に記載の可変流率を伴う血液透析システム。
【請求項6】
前記制御プロセッサは、前記透析液ポンプに、前記透析液流路を通して、少なくとも0.5時間にわたって400~800ml/分の透析液を圧送させ、前記制御プロセッサは、前記透析液ポンプに、前記透析液流路を通して、少なくとも0.5時間にわたって100~400ml/分の透析液を圧送させる、請求項1に記載の可変流率を伴う血液透析システム。
【請求項7】
透析液から尿毒素を除去するために、前記透析液流路に接続される吸着材フィルタをさらに備える、請求項1に記載の可変流率を伴う血液透析システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透析を提供する際の使用のための人工腎システムに関する。より具体的には、本発明は、血液透析システムを対象とする、血液透析システムを対象とする。
【0002】
本出願人は、本明細書によって、本願において引用または言及される、あらゆる特許および公開特許出願を、参照することによって本明細書に組み込む。
【背景技術】
【0003】
血液透析は、半浸透性膜を横断した溶質の拡散を伴う、患者の血液からのクレアチン、尿素、および遊離水を含む、老廃生成物の体外除去を達成するために使用される、医療手技である。これらの老廃生成物を適切に除去することができないことは、腎不全をもたらし得る。
【0004】
血液透析の間に、患者の血液が、動脈ラインによって除去され、透析機によって治療され、静脈ラインによって身体に戻される。透析機は、それを通して血液が運搬される、半浸透性膜を形成する多数の中空ファイバを含有する、透析器を含む。加えて、透析機は、適切な量の電解質と、他の不可欠な成分(グルコース等)を含有し、また、透析器を通して圧送される、透析液液体を利用する。
【0005】
典型的には、透析液は、水と適切な割合の酸濃縮物および重炭酸濃縮物を混合することによって調製される。好ましくは、酸および重炭酸濃縮物は、酸濃縮物中のカルシウムおよびマグネシウムが、重炭酸濃縮物中の高重炭酸塩レベルと接触すると、沈殿するであろうため、透析器内での使用の直前の最終混合まで、分離される。透析液はまた、適切なレベルのナトリウムと、カリウムと、塩素と、グルコースとを含み得る。
【0006】
膜を横断した透析プロセスは、拡散および対流の組み合わせによって達成される。拡散は、高濃度の領域から低濃度の領域への無作為運動による、分子の遊走を伴う。その一方で、対流は、典型的には、静水圧の差異に応答する、溶質の移動を伴う。半浸透性膜を形成するファイバは、透析液から血漿を分離し、尿素、カリウム、およびリン酸塩を含む老廃物が、透析液の中に浸透することを可能にしながら、透析液の中への血液細胞、ポリペプチド、およびあるタンパク質等のより大きい分子の移送を防止する、拡散が生じるためのより広い表面積を提供する。
【0007】
典型的には、透析液は、体外回路内の血流に対して反対方向に流動する。対向流流動は、透析の効率を向上させるように、半浸透性膜を横断して濃度勾配を維持する。いくつかの事例では、血液透析は、限外濾過とも称される、流体除去を提供し得る。限外濾過は、一般的には、透析器の透析液コンパートメントの静水圧を降下させ、したがって、電解質および他の浸透性物質を含む、溶解された溶質を含有する水が、血漿から膜を横断して透析液まで移動することを可能にすることによって、遂行される。より稀な状況では、透析器の透析液流路部分内の流体は、血流部分より高く、流体を透析流路から血液流路に移動させる。これは、一般的には、逆限外濾過と称される。限外濾過および逆限外濾過は、患者に対するリスクを増大させ得るため、限外濾過および逆限外濾過は、典型的には、非常に訓練された医療関係者によって監督される間に、行われる。
【0008】
残念ながら、血液透析は、多数の欠点を被る。動静脈瘻は、最も一般的に認識される、アクセス点である。脈瘻を生成するために、医師は、動脈および静脈をともに継合する。本プロセスは、患者の毛細血管をバイパスするため、血液は、急速に流動する。透析セッション毎に、脈瘻は、大型の針を用いて穿刺され、血液を透析器の中に送達し、血液をそこから戻さなければならない。典型的には、本手技は、外来患者用施設において1週間に3回、3~4時間にわたって行われる。より低い程度において、患者は、自宅において血液透析を行う。自宅透析は、典型的には、1週間に6日、2時間にわたって行われる。しかしながら、自宅血液透析は、より頻繁な治療を要求する。
【0009】
自宅血液透析は、なおも付加的な欠点を被る。本自宅透析システムは、大きく、複雑で、威圧的であり、動作させることが困難である。本機器は、有意な訓練を要求する。自宅血液透析システムは、現在、大きすぎて、持ち運び不可能であり、それによって、血液透析患者が外出しないように妨げる。自宅血液透析システムは、特に、患者が機械のために支払うことを要求されない、センター内血液透析と比較して、高価であり、高い初期金銭的投資を要求する。本自宅血液透析システムは、消耗品の再利用を適切に提供しておらず、自宅血液透析を医療用品供給元にとって経済的により実行不可能にしている。上記に述べられる欠点の結果として、自宅血液透析の苦役を行う、動機付けられた患者は、非常に少ない。
【0010】
さらに、吸着材フィルタを利用する血液透析システムは、広く受け入れられていない。残念ながら、吸着材フィルタは、比較的に高価であり、余剰透析後イオン、すなわち、K+、Ca++、Mg++、およびリン酸塩(PO)が、Na+、H+、重炭酸塩(HCO3-)、および酢酸塩のような無害またはあまり有毒ではないイオンと交換されるにつれて生じる、イオン交換に起因して、瞬く間に使用され得る。
【0011】
故に、運搬可能であり、軽量であり、使用が容易であり、患者にやさしく、したがって、診療所内または自宅内使用が可能である、血液透析システムの有意な必要性が、存在する。
【0012】
また、ポンプ、モータ、管、または電子機器内に、患者を危険にさらすであろう単一点障害を保有しないような血液透析システムを提供することが、望ましいであろう。
【0013】
加えて、透析液を洗浄するためのフィルタを用いる、またはフィルタを用いない等の、種々のモードで使用されることが可能であるような血液透析システムを提供することが、望ましいであろう。
【0014】
加えて、吸着材フィルタの寿命を最大限化するような様式において血液透析システムを動作させることが、望ましいであろう。
【0015】
本発明の側面は、以下の概要に説明されるように、これらのニーズを履行し、さらなる関連する利点を提供する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の第1の側面によると、患者から血液を収集するために患者の動脈に接続するための、動脈血液ラインと、患者に血液を戻すために患者の静脈に接続するための、静脈血液ラインと、再利用可能な透析機と、使い捨て可能な透析器とを含む、血液透析システムが、提供される。
【0017】
動脈血液ラインおよび静脈血液ラインは、当業者に公知である、典型的構築物であってもよい。例えば、動脈血液ラインは、患者の動脈から血液を収集するための、針に接続される、従来的な可撓性の中空管類であってもよい。同様に、静脈血液ラインは、患者の静脈に血液を戻すための、従来的な可撓性の管および針であってもよい。静脈内カテーテル、動静脈瘻、または合成移植片を含む、種々の構築物および外科手術手技が、患者の血液へのアクセスを得るために採用され得る。
【0018】
好ましくは、使い捨て可能な透析器は、血液流路と、透析液流路とを含む、当業者に公知の構築物および設計を有する。用語「流路」は、流体を運搬するための、通路とも称される、1つまたはそれを上回る流体導管を指すことを意図している。可撓性の医療用管類または非可撓性の中空の金属またはプラスチック筐体等を含む、導管は、当業者によって決定され得るような任意の様式において構築され得る。血液流路は、患者からの血液を透析器に、および患者に戻すように運搬するための動脈血液ラインおよび静脈血液ラインに接続することによって、閉ループシステム内で血液を運搬する。その一方で、透析液流路は、透析液の供給部から透析器に、および透析液供給部に戻すように、閉ループシステム内で透析液を運搬する。血液流路および透析液流路は両方とも、透析器を通して通過するが、流路は、透析器の半浸透性膜によって分離される。
【0019】
好ましくは、血液透析システムは、透析溶液を貯蔵するための、リザーバを含有する。リザーバは、血液透析システムの透析液流路に接続し、リザーバからの透析液を血液透析システムの透析器に、およびリザーバに戻るように運搬するための、閉ループシステムを形成する。代替として、血液透析システムは、代替として、透析液流路内に設置され得る、2つ(またはそれを上回る)の透析液リザーバを保有する。1つのリザーバが、汚染された透析液を保有するとき、透析治療は、汚染された透析液を伴うリザーバが、空にされ、補充される間、他のリザーバを使用して継続することができる。リザーバは、適切な血液透析治療を実施するために、臨床医によって要求されるような任意のサイズであってもよい。しかしながら、2つのリザーバが、同一のサイズであり、透析機が容易に持ち運び可能であることを可能にするように十分に小さいことが、好ましい。許容可能なリザーバは、サイズが0.5リットル~6.0リットルである。血液透析システムが、1つのみのリザーバを含む場合、許容可能なリザーバは、12.0リットルの容積を有する。
【0020】
血液透析システムは、好ましくは、リザーバ内に貯蔵される透析液を加熱するための、リザーバに熱的に結合される、1つまたはそれを上回る加熱器を保有する。加えて、血液透析システムは、リザーバ内の透析液の温度を測定するための、温度センサを含む。血液透析システムは、好ましくは、リザーバ内の流体のレベルを検出するための、流体レベルセンサを保有する。流体レベルセンサは、リザーバ内の流体の量を決定するための、任意のタイプのセンサであってもよい。許容可能なレベルセンサは、磁気的または機械的浮動タイプセンサ、伝導性センサ、超音波センサ、光インターフェース、およびリザーバ内の透析液の重量を測定するための秤またはロードセル等の、重量測定センサを含む。
【0021】
好ましくは、透析は、3つの一次ポンプを含む。第1および第2の「透析液」ポンプは、透析液を、透析液流路を通してリザーバから透析器に、およびリザーバに戻すように圧送するために透析液流路に接続される。好ましくは、第1のポンプが、透析器から「上向きに」(「流路内で前に」を意味する)透析液流路内に位置付けられる一方、第2のポンプは、透析器から「下向きに」(「流路内で後に」を意味する)透析液流路内に位置付けられる。その一方で、血液透析システムの第3の一次ポンプが、血液流路に接続される。本「血液」ポンプは、患者からの血液を、動脈血液ラインを通して、透析器を通して、および患者に戻すための静脈血液ラインを通して圧送する。第3のポンプが、透析器から上向きに、血液流路内に位置付けられることが、好ましい。
【0022】
血液透析システムはまた、血漿から半浸透性膜を通して透析液の中に浸透している毒素を除去するための、1つまたはそれを上回る吸着材フィルタを含有してもよい。フィルタ内での使用のためのフィルタ材料は、当業者にとって周知である。例えば、好適な材料は、ジルコニウム系樹脂を含む、樹脂床を含む。許容可能な材料はまた、米国特許第8,647,506号および米国特許公開第2014/0001112号にも説明される。
【0023】
第1の実施形態では、吸着材フィルタは、透析液がリザーバに戻るように運搬されることに先立って、透析液中の毒素を除去するように、透析器から下流の透析液流路に接続される。第2の実施形態では、フィルタは、閉ループ透析液流路の外側にあるが、代わりに、2つの透析液リザーバのうちのいずれか一方に選択的に接続する、別個の閉ループ「フィルタ」流路内に位置付けられる。本実施形態に関して、好ましくは、血液透析システムは、フィルタ流路およびそのフィルタを通して汚染された透析液を圧送するための、付加的な流体ポンプを含む。
【0024】
好ましくは、血液透析システムは、「排液」流路および「新鮮透析液」流路の形態にある、2つの付加的流路を含む。排液流路は、汚染された透析液のリザーバを排液するための、1つまたはそれを上回る流体排液ラインを含み、新鮮透析液流路は、新鮮透析液を新鮮透析液の供給部からリザーバに運搬するための、1つまたはそれを上回る流体充填ラインを含む。1つまたはそれを上回る流体ポンプが、流体をそれらの意図される目的地に運搬するために、排液流路および/または新鮮透析液流路に接続されてもよい。
【0025】
加えて、血液透析システムは、血液流路を通した血液の流動を制御するため、透析液流路を通した透析液の流動を制御するため、およびフィルタ流路を通した使用済み透析液の流動を制御するための、複数の流体弁アセンブリを含む。弁アセンブリは、限定ではないが、従来的な電気機械式の二方流体弁および三方流体弁を含む、当業者によって決定され得るような、任意のタイプの電気機械流体弁構築物であってもよい。二方弁は、入口ポートと、出口ポートとを含む、2つのポートを伴う任意のタイプの弁であり、弁は、単純に、流体経路を通した流体の流動を可能にするか、またはそれを遮る。逆に、三方弁は、3つのポートを保有し、1つの流体経路内の流体流を遮断しながら、別の経路内で流体流を開放するように機能する。加えて、透析機の弁アセンブリは、静脈血液ラインを通した血液の流動を選択的に可能にするか、またはそれを遮るための、静脈血液ラインに接続された、ピンチ弁等の安全ピンチ弁を含んでもよい。静脈血液ラインをピンチし、それによって、危険な条件が検出された場合、患者に戻るような血液の流動を防止するような、ピンチ弁が、提供される。
【0026】
好ましくは、血液透析システムは、血液透析を監視するためのセンサを含有する。本目標を達成するために、好ましくは、透析機は、透析液流路内の流体流(体積および/または速度)を検出するための、透析液流路に接続される、少なくとも1つの流動センサを有する。加えて、透析機が、透析液流路内の圧力を検出するための、1つまたはそれを上回る圧力センサ、または少なくとも、透析液流路が遮断されているかどうかを検出するための、閉塞センサを含有することが、好ましい。好ましくは、透析機はまた、血液流路内の圧力および/または流体流を測定するための、1つまたはそれを上回るセンサも保有する。圧力および流率センサは、別個の構成要素であってもよい、または圧力および流率測定が、単一のセンサによって行われてもよい。
【0027】
さらに、血液透析システムが、透析液流路を通した透析液の流動を監視し、血液が、透析器の半浸透性膜を通して透析液流路の中に不適切に拡散しているかどうかを検出する、血液漏出検出器(「BLD」)を含むことが、好ましい。好ましい実施形態では、血液透析システムは、透析液流路を通して光を放出する、光源と、透析液流路を通して放出されている光を受光する、光センサとを組み込む、血液漏出センサアセンブリを含む。透析液流路を通して通過した後、受光された光は、次いで、分析され、光が、透析液中の可能な血液を反射するように改変されているかどうかを決定する。
【0028】
透析機は、好ましくは、透析液中のアンモニアおよびpHのレベルを検出するためのアンモニアセンサと、pHセンサとを含む、付加的なセンサを含む。好ましくは、アンモニアセンサおよびpHセンサは、フィルタのすぐ下流の透析液流路内にある。加えて、透析機は、動脈血液ラインに接続される、気泡センサと、ガス状の気泡が血液流路内に形成しているかどうかを検出するための、静脈血液ラインに接続される、気泡センサとを保有する。
【0029】
血液透析システムは、血液透析システムを制御するための専用の電子機器を含有する、プロセッサを保有する。プロセッサは、血液透析システムの適切な動作を制御するための、ポンプモータ、弁、および透析機センサに接続される、電力管理および制御電気回路網を含有する。
【0030】
透析液流路を通して透析液の流率を減少させることが、尿素からアンモニウムを捕捉するための吸着材フィルタのリン酸ジルコニウムの容量を増大させることが、見出されている。尿素は、患者の治療の開始時において高く、次いで、これが治療の間に除去されるにつれて減少するため、一定の尿素濃度が、高流率において開始し、治療の過程にわたってこれを低下させることを要求する。有利なこととして、透析液流率を減少させることからの尿素クリアランスのいかなる損失も、透析治療の持続時間を延長することによって補償されることができる。故に、好ましい実施形態では、血液透析システムのプロセッサは、それによって患者が治療される1つまたはそれを上回る患者治療計画を記憶する、メモリを含む。患者治療計画によると、透析液流路を通した透析液流率は、治療の全体を通して静的ではない。代わりに、透析液流率は、患者の治療の全体を通して減少する。透析液流率の減少は、漸進的であってもよい。代替として、透析液流率は、透析液流率を経時的に減少させることを提供する、線形、指数関数的、反比例、多項式、または他の関係等、任意の様式において減少してもよい。
【0031】
具体的には、各患者治療計画は、患者を治療するための合計期間「T(合計)」を含み、これは、ひいては、時間区画T1、時間区画T2、時間区画T3等を含む、複数の時間区画を含む。患者治療計画はさらに、少なくとも、時間区画T1、時間区画T2、時間区画T3等にわたって動作する、高流率を含む、複数の流率を含む。当業者によって理解されるであろうように、透析液流率の減少が、線形または多項式様式等において緩徐に変更される場合、時間区画毎の期間は、極めて小さいものであり得る。
【0032】
好ましくは、透析液治療は、400~800ml/分のより高い透析液流率において開始し、100~500ml/分のより低い流率において終了する。より好ましくは、透析治療は、450~800ml/分のより高い透析液流率において開始し、100~450ml/分のより低い流率において終了する。好ましい実施形態では、患者治療計画は、2~6時間持続し、およそ400~600ml/分の透析液流率で治療を開始し、200~300ml/分の流率において終了するまで、線形に減少する。さらにより好ましい実施形態では、患者治療計画は、およそ500ml/分の透析液流率で治療を開始し、250ml/分の流率において終了するまで、4時間にわたって線形に減少する。
【0033】
本透析機は、運搬可能であり、軽量であり、使用が容易であり、患者にやさしく、自宅内使用が可能である、血液透析システムを提供する。
【0034】
加えて、本血液透析システムは、患者の安全性の向上を提供するように、以前には血液透析システムによって提供されていない、並外れた量の制御および監視を提供する。
【0035】
また、血液透析システムは、吸着材フィルタによって除去され得る尿素の量を最大限化する。
【0036】
本発明の他の特徴および利点が、図面を参照して続く、詳細な説明を熟読することに応じて、当業者によって理解されるであろう。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
可変流率を伴う血液透析システムであって、
機械筐体と、
患者から血液を収集するために患者の動脈に接続するための動脈血液ラインと、
患者に血液を戻すために患者の静脈に接続するための静脈血液ラインと、
透析器と、
血液流路であって、上記血液流路は、患者からの血液を上記透析器に、および患者に戻るように運搬するために上記動脈血液ラインおよび上記静脈血液ラインに接続される、血液流路と、
透析液を貯蔵するためのリザーバと、
透析液流路であって、上記透析液流路は、上記血液流路から隔離され、上記リザーバから上記透析器に透析液を運搬するために、上記リザーバおよび上記透析器に接続される、透析液流路と、
透析液を上記透析液流路を通して圧送するための少なくとも1つの透析液ポンプと、
血液を上記血液流路を通して圧送するための血液ポンプと、
上記透析液流路を通して透析液の上記流率を測定する上記透析液流路内の透析液流動センサと、
上記透析液流動センサおよび上記少なくとも1つの透析液ポンプに接続される制御プロセッサであって、上記制御プロセッサは、それによって患者が治療される患者治療計画を記憶するためのメモリを保有し、上記患者治療計画は、患者の治療の間の透析液流率を含み、上記透析液流率は、患者を治療するための期間「T(合計)」にわたって減少する、制御プロセッサと
を備える、可変流率を伴う血液透析システム。
(項目2)
上記透析液流率は、高流率と、低流率とを含み、低流率は、上記高流率の75%未満である、上記項目に記載の可変流率を伴う血液透析システム。
(項目3)
上記患者治療計画は、上記透析液流率を線形様式において減少させることを含む、上記項目のいずれか1項に記載の可変流率を伴う血液透析システム。
(項目4)
上記透析液流率は、漸進的に減少し、高流率と、低流率とを含む、上記項目のいずれか1項に記載の可変流率を伴う血液透析システム。
(項目5)
透析液流率は、400~800ml/分の高流率と、100~400ml/分の低流率とを含む、上記項目のいずれか1項に記載の可変流率を伴う血液透析システム。
(項目6)
上記制御プロセッサは、上記透析液ポンプに、上記透析液流路を通して、少なくとも0.5時間にわたって400~800ml/分の透析液を圧送させ、上記制御プロセッサは、上記透析液ポンプに、上記透析液流路を通して、少なくとも0.5時間にわたって100~400ml/分の透析液を圧送させる、上記項目のいずれか1項に記載の可変流率を伴う血液透析システム。
(項目7)
透析液から尿毒素を除去するために、上記透析液流路に接続される吸着材フィルタをさらに備える、上記項目のいずれか1項に記載の可変流率を伴う血液透析システム。
(摘要)
透析器と、患者からの血液を透析器を通して、患者に戻るように運搬する、閉ループ血液流路と、透析器を通して透析液を運搬する、閉ループ透析液流路とを含む、持ち運び可能な血液透析システムが、提供される。好ましくは、血液透析システムは、透析液流路内に吸着材フィルタを含む。さらに、血液透析機は、血液ポンプと、一対の透析液ポンプとを含む。プロセッサが、血液流路を通した血液の流動を制御し、プロセッサは、透析液流路を通した透析液の流動を制御する。加えて、プロセッサは、患者治療計画を記憶し、透析液流路を通した透析液の流率は、患者の治療の全体を通して低下し、吸着材フィルタによって除去される尿素の量を最大限化する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1図1は、血液透析システムの第1の実施形態を図示する、フローチャートである。
【0038】
図2図2は、透析液が、バイパス流路を通して流動することによってフィルタを回避する実施形態を図示する、図1のフローチャートである。
【0039】
図3図3は、透析液が、第1のリザーバを組み込む閉ループ透析液流路内のフィルタを通して流動する実施形態を図示する、図1のフローチャートである。
【0040】
図4図4は、透析液が、第2のリザーバを組み込む閉ループ透析液流路内のフィルタを通して流動する実施形態を図示する、図1のフローチャートである。
【0041】
図5図5は、第1のリザーバ内の流体を濾過している閉ループフィルタ流路を含む、血液透析システムの第2の実施形態を図示する、フローチャートである。
【0042】
図6図6は、第2のリザーバ内の流体を濾過しているフィルタ流路を含む、図5に示される血液透析システムの第2の実施形態を図示する、フローチャートである。
【0043】
図7図7は、外側源からの透析液が、本システムのリザーバのうちの1つに供給され、使用済み透析液が、貯蔵バッグまたは排液に指向される、血液透析システムのある実施形態を図示する、フローチャートである。
【0044】
図8図8は、吸着材フィルタが本システムの中に導入され、閉ループ動作を提供している、図7の血液透析システムの実施形態を図示する、フローチャートである。
【0045】
図9図9は、血液透析システムのプロセッサに接続される、血液ポンプ、透析液ポンプ、および流動センサを図示する、ブロック図である。
【0046】
図10図10は、透析液流率を減少させるステップを伴う患者治療計画を図示する、グラフである。
【0047】
図11図11は、透析液流率を減少させるステップを伴う第2の患者治療計画を図示する、グラフである。
【0048】
図12図12は、透析液流率を減少させるステップを伴う第3の患者治療計画を図示する、グラフである。
【0049】
図13図13は、透析液流率を減少させるステップを伴う第4の患者治療計画を図示する、グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0050】
発明の詳細な説明
本発明は、図面に示されるような種々の形態における実施形態が可能であるが、以降、本開示が、本発明の例示として見なされるべきであること、および本発明を図示される具体的な実施形態に限定することを意図していないという理解を伴って、本発明の本好ましい実施形態を説明するであろう。
【0051】
図1-8に最も詳細に図示されるように、血液透析システムは、血液流路53と、透析液流路54とを含む。血液透析システムはさらに、血液透析を実施するための、再利用可能な透析機と、使い捨て可能な構成要素とを含む。血液流路53は、患者から血液を収集するために患者の動脈に接続するための、動脈血液ライン1と、血液を患者に戻すために患者の静脈に接続するための、静脈血液ライン14とを含む。動脈血液ライン1および静脈血液ライン14は、当業者に公知である、典型的構築物であってもよい。
【0052】
血液流路53は、患者からの血液を、透析器8を通して患者に戻すように運搬するために、動脈血液ライン1に、および静脈血液ライン14から患者に接続することによって、閉ループシステム内で血液を運搬する。好ましくは、血液透析システムは、血液流路1に接続される、ヘパリンの供給部6と、ヘパリンポンプとを含む。ヘパリンポンプは、少量のヘパリン抗凝固剤を血流の中に送達し、機械内での血液凝固のリスクを低下させる。ヘパリンポンプは、線形に作動されるシリンジポンプの形態をとることができる、またはヘパリンポンプは、小型の蠕動ポンプまたは注入ポンプと接続される、バッグであってもよい。
【0053】
血液透析システムは、透析液流路54内に、当業者にとって公知の構築物および設計である、透析器8を含む。好ましくは、透析器8は、半浸透性膜を形成する、多数の中空ファイバを含む。好適な透析器は、Fresenius Medical Care、Baxter International, Inc.、Nipro Medical Corporation、および中空ファイバ透析器の他の製造業者から取得されることができる。血液流路および透析液流路は両方とも、透析液を受容するための、入口と、透析液を排出するための、出口と、患者からの血液を受容するための、入口と、血液を患者に戻すための、出口とを保有する、透析器8を通して進行する。好ましくは、透析液は、透析液流路が半浸透性膜(図示せず)によって血液流路から隔離された状態で、透析器を通して流動する血液に対して反対方向に流動する。図1-6に図示されるように、かつ下記により詳細に解説されるように、透析液流路54は、透析液が、リザーバ(17または20)から透析器8に、およびリザーバ(17または20)に戻されるように圧送される、閉ループシステム内で透析液を運搬する。血液流路53および透析液流路54は両方とも、透析器8を通して通過するが、透析器の半浸透性膜によって分離される。
【0054】
好ましくは、血液透析システムは、血液および透析液を圧送するための、3つの一次ポンプ(5、26、および33)を含む。本明細書の目的のために、用語「ポンプ」は、吸込または圧力を使用し、流体を移動させる、ポンプアクチュエータと、アクチュエータを機械的に移動させるための、ポンプモータとの両方を指すことを意味する。好適なポンプアクチュエータは、当業者によって決定され得るような、流体を移動させるためのインペラ、ピストン、振動板、ローブポンプのローブ、ねじポンプのねじ、蠕動ポンプのローラまたは線形可動フィンガ、または任意の他の機械的構築物を含んでもよい。その一方で、ポンプのモータは、アクチュエータを移動させるための電気機械装置である。モータは、シャフトまたは同等物によってポンプアクチュエータに接続されてもよい。好ましい実施形態では、透析液および/または血液は、従来的な可撓性管類を通して流動し、ポンプアクチュエータはそれぞれ、各ポンプアクチュエータが、可撓性管を圧縮する、「ローラ」、「靴」、「ワイパ」、または「ローブ」の形態にある、ロータの外周に取り付けられるいくつかのカムを伴う、ロータを含む、蠕動ポンプ機構から成る。ロータが回るにつれて、圧縮下にある管の一部が、閉鎖された状態にピンチされ(すなわち、「閉塞」し)、流体を管を通して圧送されるように押進させる。加えて、管が、カムの通過の後、その自然の状態に開放するにつれて、流体流が、管を通して誘発される。
【0055】
第1および第2の一次ポンプ(26および33)が、透析液を、透析液流路を通してリザーバ(17または20)から透析器8に、およびリザーバ(17または20)に戻すように圧送するために透析液流路に接続される。第1のポンプ26が、透析器8から「上流」(「流路内の前方」を意味する)の透析液流路に接続される一方、第2のポンプ33が、透析器8から「下流」(「流路内の後方」を意味する)の透析液流路に接続される。その一方で、血液透析システムの第3の一次ポンプ6が、血液流路に接続される。血液ポンプとも称される、第3のポンプ6は、患者からの血液を、動脈血液ラインを通して、透析器8を通して、および患者に戻すために静脈血液ラインを通して圧送する。第3のポンプ6が、透析器から上流の血液流路に接続されることが、好ましい。血液透析システムは、3つより多いまたは少ない一次ポンプを含有してもよい。例えば、透析液は、単一のポンプのみを利用して、透析器8を通して圧送されてもよい。しかしながら、血液透析システムが、透析器8から上流の第1のポンプ26と、透析器8から下流の第2のポンプ33とを含む、2つのポンプを含有することが、好ましい。
【0056】
好ましくは、血液透析システムは、透析溶液を貯蔵するための、1つまたはそれを上回るリザーバ(17および20)を含有する。本システムが、2つのリザーバを含む場合、リザーバ(17および20)は両方とも、透析液流路54に同時に接続され、1つの大きい透析液源を形成してもよい。代替として、血液透析システムは、2つのリザーバ(17または20)の両方ではなく、いずれかを透析液流路54の中に導入し、2つのリザーバのうちの一方からの透析液を透析器に、およびそのリザーバに戻すように運搬するための閉ループシステムを形成するための、弁アセンブリ21を含む。第1のリザーバ17内の透析液が、使用され、もはや十分に清浄ではなくなる、または適切な化学的性質を保有しなくなった後、血液透析システムの弁21が、透析液流路から第1のリザーバ17を除去し、新鮮透析液75を有する第2のリザーバ20を透析液流路の中に置換するように制御される。したがって、一方のリザーバが、汚染された透析液76を保有し、リザーバが、空にされ、新たに発生された透析流体75で補充される必要があるとき、透析治療は、他方のリザーバを使用して継続することができる。
【0057】
このように、血液透析システムは、治療の過程にわたって複数回、各リザーバ17と20との間で切り替わり得る。さらに、1つのリザーバと対照的に、2つのリザーバの存在は、他方のリザーバが排液または充填されている間、これを隔離しながら、ポンプの較正または限外濾過測定のための流率の測定を可能にする。リザーバは、適切な血液透析治療を実施するために、臨床医によって要求されるような任意のサイズであってもよいが、好ましいリザーバは、0.5リットル~5.0リットルの容積を有する。
【0058】
血液透析システムはまた、血漿から半浸透性膜を通して透析液の中に浸透している毒素を除去するための、透析液流路54に接続される、(本明細書では「フィルタ」とも称される)吸着材フィルタを含有する。第1の実施形態では、フィルタ36は、透析液がリザーバに運搬されることに先立って、透析器によって透析液中に移送される毒素を除去するように、透析器から下流の透析液流路54に接続される。透析機との併用のためのフィルタ材料は、当業者にとって周知である。例えば、好適な材料は、ジルコニウム系樹脂を含む、樹脂床を含む。好ましくは、フィルタは、酸化ジルコニウムと、リン酸ジルコニウムと、炭素との層を含有する、筐体を有する。許容可能な材料は、米国特許第8,647,506号および米国特許出願公開第2014/0001112号に説明される。他の許容可能なフィルタ材料も、当業者によって、過度の実験をすることなく、開発され、利用されることができる。フィルタ筐体は、液体ではない、特に、フィルタを通して流動する透析液液体ではない、ガスを放出することが可能である、蒸気膜を含む場合とそうではない場合がある。
【0059】
血液透析システムが、吸着材フィルタを保有する場合には、好ましくは、透析液流路54は、アンモニウムセンサ37およびpHセンサ38の形態における安全特徴を組み込む。これらのセンサは、吸着材カートリッジ36のすぐ下流、または1つまたはそれを上回るリザーバのすぐ下流に位置してもよい。吸着材フィルタ36が、使い果たされると、フィルタ36は、濾過化学反応の結果としてアンモニウムイオンを放出し始め得る。あるレベルにおいて、透析流体中のアンモニウムイオンが、患者に損害を与え得る。好ましくは、アンモニウムイオンセンサ37が、パーツパーミリオン(ppm)においてアンモニウムイオンの分量を測定する。測定値が、およそ5~20ppmの範囲に到達すると、警告状態が、アクティブ化され、本透析液を用いた治療が、停止される。透析流体は、排液されることができ、透析治療は、代替リザーバを使用して、新鮮透析流体を使用することによって継続し得る。同様に、pHセンサ38もまた、安全特徴として作用し、アンモニウムイオンの測定を支援する。透析流体のpHが、変化するにつれて、アンモニア(NH3)およびアンモニウムイオン(NH4+)の平衡状態も、変化し得る。透析流体のpHが、およそ6.4~7.8pHの範囲の外側にあると測定された場合、警告状態が、アクティブ化されることができ、使用中の透析流体が、排液されることができる。
【0060】
血液透析システムが、吸着材フィルタ36の直後の透析液流路54の中に試薬を導入するための、試薬バッグ39と、ポンプ40とを保有することもまた、好ましい。試薬バッグ39は、フィルタに透析流体を再注入するための塩類およびイオンの濃縮溶液を保持する。老廃物を濾過するアクションを通して、吸着材フィルタ36はまた、透析流体からカルシウムおよび塩類等の有益なイオンも除去する。濾過された透析流体が、再循環され得る前に、これは、透析流体が患者の血液からこれらの有益なイオンを引き出さないように、カルシウムおよび塩類を再注入されなければならない。好ましくは、試薬バッグ39は、1~3リットルの濃縮試薬を保持するであろう。試薬ポンプ40は、蠕動ポンプまたは隔膜ポンプ等の任意のタイプのポンプであることができる。血液透析システムが、透析液の中に適切な量の塩類およびイオンを導入していることを確実にするために、伝導率センサ41が、試薬バッグ39の直後の透析液流路54内に位置付けられてもよい。伝導率センサ41は、再生透析液の総溶解固形物を測定する、安全特徴としての役割を果たす。総溶解固形物が、処方された範囲内にないことが検出された場合には、ポンプ40の動作が、増大または減少されることができる、または代替として、治療が、完全に停止されることができる。例えば、故障状態が、透析流体内で検出された場合、流体が、透析液が透析器内で患者の血液に接しないように、三方弁29および32によってバイパス通路30を通して方向転換されることができる。より具体的には、三方弁29は、透析流体を透析器の入口に指向し、三方弁32は、透析液出口から透析液流路54に戻るように透析液を指向する。しかしながら、温度が低すぎる、または過度のアンモニウムイオンが、透析液中で検出される等の故障状態が、透析流体中で検出された場合、透析流体は、三方弁29および32によって、バイパス通路30を通して透析器8をバイパスするように方向転換される。
【0061】
図1-4に図示される実施形態に関して、血液透析システムは、リザーバ(17および20)から老廃物透析液を処分するための、排液流路55を含む。図1-4に図示される実施形態では、排液流路55は、両方のリザーバ(17および20)に接続される。老廃物透析液が、重力供給を通して、排液流路5を通して排液されてもよい、または血液透析システムが、破棄されるべき使用済み透析液を圧送するために、当業者によって選択され得るような、任意のタイプのポンプ44を従来的な建物下水管路45等に含んでもよい。
【0062】
図1-4に図示される実施形態に関して、血液透析システムは、好ましくは、リザーバ17および20のそれぞれを補充するための、透析液流体源46を含む。好ましくは、透析液流体源は、試薬(48および50)と混合され、所望の性質の透析液を提供する、清浄水の供給部46を含む。好ましい実施形態では、清浄水の供給部46は、清浄水を生産し、次いで、化学濃縮物を添加し、透析液流体を生成する、本デバイスに隣接して位置する、逆浸透(「RO」)機械によって提供される。流体は、「新鮮透析液」流路56を通してリザーバ(17および20)に供給される。好ましくは、血液透析システムはまた、使い捨て可能なバッグ内に貯蔵され得る、濃縮試薬源(48および50)を含む。好ましくは、濃縮試薬は、以下、すなわち、炭酸塩溶液、重炭酸塩溶液、酸性溶液、乳酸溶液、塩溶液のうちの1つまたはそれを上回るものを含有する。試薬のうちのいくつかを2つのバッグ(48および50)の中に分離し、望ましくない相互作用または溶質の折出を防止することが、必要である。濃縮試薬源(48および50)は、ポンプ(47および49)によって供給部ライン46に接続される。ポンプ(47および49)のアクティブ化は、濃縮試薬を水の供給部の中に導入し、透析液をリザーバ(17および20)に提供する。
【0063】
吸着材フィルタ36を使用することに対する代替策として、血液透析システムは、吸着材フィルタ36の周囲に透析を選択的に運搬する、補完的な「バイパス」流路35を含む。バイパス流路は、フィルタの上流に三方弁34を含む。三方弁34は、吸着材フィルタ36を通して透析流体を指向するように切り替えられる、または代替として、三方弁34は、吸着材フィルタ36を回避するようにバイパス流路35を通して透析液を指向するように切り替えられる。例えば、吸着材フィルタが、利用可能ではない場合、または吸着材フィルタが、使用済みになりつつある場合、または吸着材フィルタが、特定の患者治療のために要求されない場合、三方弁34が、透析流体をバイパス流路35を辿るように指向するように切り替えられる。
【0064】
図5および6に図示される代替実施形態では、吸着材フィルタ71は、閉ループ透析液流路の外側に位置する。血液透析システムは、2つの透析液リザーバ17または20のうちのいずれか一方に選択的に接続する、別個の閉ループ「フィルタ」流路57を含み、フィルタ71が、閉ループフィルタ流路57内に直列に位置付けられる。好ましくは、透析機は、フィルタ流路およびフィルタ71を通して汚染された透析液を圧送するための、付加的な流体ポンプ58を含む。図5および6に図示されるように、好ましいフィルタ流路57は、汚染された透析液が廃液されるリザーバを決定する、三方弁43を含む。例えば、図5は、リザーバ20をフィルタ流路57に接続するが、リザーバ17を接続しない、三方弁43を図示する。図6は、リザーバ17をフィルタ流路57に接続するが、リザーバ20を接続しない、三方弁43を図示する。フィルタ流路は、ポンプ58を含んでもよい、または透析液は、重力供給を通してリザーバ17または20から汚染された透析液を分注してもよい。加えて、好ましくは、フィルタ流路57は、圧力センサ59と、逆止弁60と、アンモニウムセンサ69と、pHセンサ70とを含む。
【0065】
血液透析機の本実施形態は、試薬をフィルタ流路の中に導入するためのシステムを含む。図5および6に図示されるように、フィルタ流路57は、塩類を含有する第1の試薬源61と、重炭酸塩と、乳酸溶液とを含有する第2の試薬源65とを含んでもよい。これらの試薬は、ポンプ62および66および混合器63および67を使用してフィルタ流路の中に導入される。好ましくは、フィルタ流路はまた、フィルタ71が使用済みではなく、許容不可能なアンモニウムイオンを透析液中に導入していないことを確実にするために、アンモニウムセンサ69の形態にある安全特徴と、試薬が、適切な量の有益なイオンを提供するために清浄にされた透析液の中に適切に導入されているかどうかを監視する、伝導率センサ64および68とを保有する。最後に、フィルタ流路57は、ここで、清浄にされた透析液が、そこから汚染された透析液が廃液されているリザーバに戻されることを確実にするために、開閉される、一対の逆止弁51および52を含む。
【0066】
図7は、本システムがシングルパスモードにおいて動作される、血液透析システムのある実施形態を図示する。透析液が、加熱器23によって所望の温度に維持される透析液源46から新鮮透析液流路を通してリザーバ17まで、機械に導入される。本治療から、第1のリザーバ17からの透析液が、ポンプ26および33を使用して、透析器8を通して循環される。その後、使用済み透析液が、次いで、廃水55または廃液排液を貯蔵するための受器に指向される。ロードセル81および82および/またはレベルセンサ15が、透析液源46および結果として生じる廃水55を測定するために提供されてもよい。さらに、透析液流路は、流動センサ25と、圧力センサ27と、サンプルポート79とを含んでもよい。
【0067】
図8は、透析液が吸着材フィルタ36を通して閉ループシステム内で流動する再循環モードにおいて動作する、血液透析システムのなおも付加的な実施形態を図示する。他の実施形態のように、血液流路53は、患者からの血液を透析器、および患者に戻るように運搬するために、動脈血液ライン1および静脈血液ライン14を患者に接続することによって、閉ループシステム内で血液を運搬する。透析液は、透析液のレベルがレベルセンサ15およびロードセル19によって測定され、透析液の温度が加熱器23によって維持された状態で、リザーバ17内に貯蔵される。透析液は、ポンプ26および33を使用して、透析器8および吸着材カートリッジ36を通して再循環される。その後、透析液は、透析液流路54を通して同一のリザーバ17に送り返される。
【0068】
図8に図示される実施形態では、透析液流路は、吸着材フィルタ36の下流に位置付けられる、脱気装置80を含む。吸着材フィルタ36は、ひいては、フィルタ36aと、圧力センサと、ポンプ44とを有する、空気入口を有する。吸着材再生脱気が、実質的にCOが存在しない、空気入口を通した空気の流れを再生透析液の中に導入することによって遂行され得る。好ましくは、ポンプ44は、透析液流路を通した液体の流率とおよそ同一の流率あたりで空気の流れを吸着材フィルタ36の中に導入する。組み合わせられた空気/液体流体が、次いで、ガスが自由に本システムから退出するが、液体が透析液流路を通して流動し続ける、脱気装置80内の疎水性膜に対して暴露されてもよい。
【0069】
図8に図示される実施形態では、透析液中に適切な化学物質を維持するために、必要に応じて、吸着材フィルタを残して流体に添加され得る、化学濃縮物源48および50が、提供される。好ましくは、第1の試薬源48は、塩類を含有し、第2の試薬源50は、重炭酸塩または炭酸塩と、乳酸溶液とを含有する。化学濃縮物は、清浄水および化学濃縮物が混合器63および67を用いて混合される、化学濃縮物ポンプ47および49を使用して、透析液流路の中に導入される。再び、透析液流路は、流動センサ25と、圧力センサ27と、サンプルポート79とを含んでもよい。好ましくは、透析液流路はまた、第2の混合器67とリザーバ17との間に位置付けられる、伝導率センサ41を含み、リザーバ17と透析器8との間に位置付けられる、アンモニアセンサ37と、pHセンサ38と、組み合わせられた伝導率/温度センサ24とを含む。制御プロセッサが、血液透析治療を制御するために種々のセンサおよびポンプに接続される。また、図9-13を参照すると、好ましくは、制御プロセッサは、下記に説明されるように、治療の全体を通して透析液の流率を減少させる。
【0070】
依然として図1-8を参照すると、血液透析システムは、好ましくは、透析液流路またはリザーバに熱的に接続される、透析液を所望の温度まで加熱するための、加熱器23を保有する。例えば、図1-6に図示されるある実施形態では、単一の加熱器23が、両方のリザーバ(17および20)の下流の透析液流路に熱的に結合される。しかしながら、血液透析は、付加的な加熱器を含んでもよく、1つまたはそれを上回る加熱器が、異なる場所にあってもよい。例えば、代替実施形態では、血液透析システムは、単一の加熱器が各リザーバに熱的に結合される、2つの加熱器を含む。1つまたはそれを上回る加熱器は、好ましくは、電気によってアクティブ化され、電流の通過に伴って熱を生産する、レジスタを含む。
【0071】
加えて、血液透析システムは、血液透析、特に、血液流路および透析液流路を監視するための、種々のセンサを保有する。本目標を達成するために、血液透析システムは、好ましくは、透析液流路内の流体流(体積および/または速度)を検出するための、透析液流路に接続される、1つまたはそれを上回る流動センサ25を有する。加えて、血液透析システムが、透析液流路内の圧力を検出するための、1つまたはそれを上回る圧力センサ、または閉塞センサ(9および27)を含有することが、好ましい。好ましくは、血液透析システムはまた、血液流路内の圧力(4および7)および/または流体流11を測定するための、1つまたはそれを上回るセンサも保有する。
【0072】
好ましくは、血液透析システムは、透析液流路の全体を通して透析液の温度を測定するための、温度センサ(22、24、および28)を含む。加えて、血液透析システムは、リザーバ(17および20)内の流体のレベルを検出するための、レベルセンサを保有する。好ましいレベルセンサは、容量性流体レベルセンサ(15および18)実施形態を含み得、重量、したがって、各リザーバ17および20の透析液のレベルが、プロセッサに接続されるレベルセンサ(16または19)によって測定される。
【0073】
さらに、血液透析システムが、透析液流路を通した透析液の流動を監視し、血液が、透析器の半浸透性膜を通して透析液流路の中に不適切に拡散しているかどうかを検出する、血液漏出検出器31を含むことが、好ましい。
【0074】
好ましくは、血液透析システムはまた、静脈血液ラインを通した血液の流動を選択的に可能にするか、またはそれを遮るための、動脈血液ライン1に接続される、第1のピンチ弁2と、静脈血液ラインを通した血液の流動を選択的に可能にするか、またはそれを遮るための、静脈血液ライン14に接続される、第2のピンチ弁13とを含有する。動脈血液ライン1および静脈血液ライン14をピンチし、センサのうちのいずれかがが、危険な条件を検出した場合に、患者に戻るような血液の流動を防止するような、ピンチ弁が、提供される。さらなる付加的な安全特徴を前提として、血液透析システムは、血液ライン気泡センサ(3および12)を含み、空気泡が、動脈ライン(血液漏出センサ3)または静脈ライン(血液漏出センサ12)を辿って逆に進行しているかどうかを検出する。さらに、血液流路53は、プラスチック筐体の内側に加圧空気のポケット状部を有する、気泡トラップ10を含んでもよい。血液が、トラップの下側出口に流動し続ける間、気泡が、気泡トラップの上部まで上昇する。本構成要素は、気泡が患者の血液の中に進行するリスクを低下させる。
【0075】
血液透析システムを通した血液および透析液の流動および方向を制御するために、血液透析システムは、血液透析システムの種々の流路を通した流体の流動を制御するための、種々の流体弁を含む。種々の弁は、開放または閉鎖されなければならない、ピンチ弁および二方弁と、透析液を意図されるように所望の流動経路を通して変向させる、三方弁とを含む。上記において識別された弁に加えて、血液透析システムは、どのリザーバ(17または20)から透析液が透析器8を通して通過するかを決定する、リザーバの出口に位置する、三方弁21を含む。付加的な三方弁42が、使用済み透析液が送出される、リザーバを決定する。最後に、(ピンチ弁であり得る)二方弁51および52が、リザーバの入口に位置し、リザーバ(17および20)への新鮮透析液の供給を可能にするか、またはそれを遮る。当然ながら、当業者によって決定され得るような、代替弁が、採用されてもよく、本発明は、識別されている、具体的な二方弁または三方弁に限定されることを意図していない。
【0076】
加えて、血液透析システムは、プロセッサ77と、ユーザインターフェース(図示せず)とを含む。プロセッサは、血液透析システムの適切な動作を制御するための、ポンプモータ、センサ、弁、および加熱器に接続される、ハードウェアおよびソフトウェアおよび電力管理回路網を含む、血液透析システムを制御するための、専用の電子機器を含有する。プロセッサは、種々のセンサのそれぞれを監視し、血液透析治療が、医療関係者によってユーザインターフェースの中に入力された、事前プログラムされた手技に従って進められていることを確実にする。プロセッサは、種々のセンサを監視し、加熱器、ポンプ、およびピンチ弁の自動化された、または指示された制御を提供するための、当業者によって決定され得るような、ハードウェアと、ソフトウェアとを含む、汎用目的コンピュータまたはマイクロプロセッサであってもよい。プロセッサは、回路基板の電子機器内または複数の回路基板およびメモリカードの集約処理部内に位置してもよい。
【0077】
また、示されていないが、血液透析システムは、プロセッサ、ユーザインターフェース、ポンプモータ、弁、およびセンサに電力を提供するための、電力供給源を含む。プロセッサは、従来的な電気回路網によって、透析機センサ(リザーバレベルセンサ(15、16、18、および19)と、血液漏出センサ31と、アンモニアセンサ37と、圧力および流率センサ(4、7、9、11、25、および27)と、温度センサ(22、24、および28)と、血液ライン気泡センサ(3および12)とを含む)、ポンプ(5、6、26、33、40、44、47、および49)、およびピンチ弁(2および13)に接続される。
【0078】
動作時、プロセッサは、ポンプモータのアクティブ化および回転速度を制御し、ひいては、ポンプアクチュエータを制御し、ひいては、血液流路を通した血液の圧力および流体速度、および透析液流路を通した透析液の圧力および流体速度を制御するための、第1、第2、および第3の一次ポンプ(5、26、および33)に電気的に接続される。透析液ポンプ26および33の動作を独立して制御することによって、プロセッサは、透析器内の透析液流路内の圧力および/または流体流を維持、増加、または減少させることができる。また、3つのポンプ全てを独立して制御することによって、プロセッサは、透析器の半浸透性膜を横断した圧力差を制御し、所定の圧力差(ゼロ、正、または負)を維持する、または所定の圧力範囲を維持することができる。例えば、大部分の血液透析が、半浸透性膜を横断してゼロまたはほぼゼロの圧力差を用いて実施され、本目標を達成するために、プロセッサは、本所望のゼロまたはほぼゼロの圧力差を維持するように、ポンプを監視および制御することができる。代替として、プロセッサは、圧力センサを監視し、ポンプモータを制御し、ひいては、ポンプアクチュエータを制御し、透析器内の血液流路内の正圧を透析器内の透析液流路の圧力に対して増加させ、維持してもよい。有利なこととして、本圧力差は、プロセッサによって、限外濾過、および血液から透析液への遊離水および溶解された溶質の移送を提供するように影響を及ぼされることができる。
【0079】
好ましい実施形態では、プロセッサは、血液流動センサ11を監視し、血液ポンプの流率を制御する。これは、透析液流動センサ25を使用し、上流透析液ポンプからの透析液の流率を制御する。プロセッサは、次いで、リザーバレベルセンサ(15、16、18、および19)を使用し、下流透析液ポンプ33からの流率を制御する。透析液リザーバ内の流体レベル(または体積)の変化は、患者の体積の変化と同じである。リザーバ内のレベルを監視および制御することによって、順、逆、またはゼロの限外濾過が、遂行されることができる。
【0080】
血液透析システムが、透析液が吸着材フィルタ36を通して閉ループ内で流動している状態で動作している、図3、4、および8-13を参照すると、好ましくは、透析液流率が、患者の治療の全体を通して低下される。より具体的には、より多くの尿素が、治療の持続時間が増加された場合、同一の吸着材カートリッジ36を使用して治療の間に除去され得ることが、発見されている。これは、治療周期が延長される限り、同一のspKt/Vがより低い透析液流率に伴って達成され得ることを示す、下記の表に例証される。spKt/Vは、経時的な(t)尿素クリアランス(K)およびヒトの分散される尿素体積(V)に基づく、透析に関する妥当性の尺度である。血液透析妥当性ガイドライン3.1に関するKDOQI 2015臨床実践ガイドラインは、1.2の、週に3度の透析に関する最小のKt/Vを示唆する。spKt/Vの「sp」の部分は、実践では、これが、人体が、尿素を一様に保持し、放出する、流体の単一の体積のようなものであると仮定することによって計算されることを意味する、「単一貯留部」の略である。透析有効性の本尺度は、多くの場合、透析患者の初期および最終の血中尿素窒素(「BUN」)に関連し、最終BUNは、透析が完了するとすぐに測定される。ここで、285分にわたる300ml/分における透析液流率を伴う治療と同一のspKt/Vが、240分にわたって600ml/分で達成されることができ、spKt/Vの変化割合は、太字で示されるベースライン数値から測定される。しかしながら、吸着材カートリッジ36は、より低い透析液流率において動作される治療の間、より多くの尿素を吸収することが可能である。
【表1】
【0081】
加えて、透析液流率の線形低下を示す以下の表に見られるように、35Lの分散された尿素体積患者における500~300ml/分の透析液流率に関して、spKt/Vは、1.54である。これは、400ml/分の一定の流率に関する1.57spKt/Vに類似する。同様に、35Lの分散された尿素体積患者における550~250ml/分の透析液流率に関して、spKt/Vは、1.52であり、これは、依然として、400ml/分の一定の流率に関する1.57spKt/Vに類似する。これは、透析液流率の平均が、尿素除去に影響を及ぼすために流率を漸増させる以上に重要となることを示している。
【表2】
【0082】
但し、再び、吸着材カートリッジ36は、低減する透析液流率において動作される治療の間により多くの尿素を吸収することが可能である。また、重要なことに、尿素は、典型的には、治療の終了時と比較して、血液透析治療の開始時においてより高いレベルで透析液中に放出される。したがって、治療の開始時における、より高い透析液流率が、好ましい。これらの対抗する影響を平衡させるために、患者の治療が、透析液が治療の開始時に高流率において流動する状態で始まるが、透析液流率が、患者の治療を通して減少することが、望ましい。
【0083】
吸着材フィルタ内での尿素除去を最適化すること以外にも、治療の過程にわたって透析液流率を変更するための他の理由が、存在する。治療の長さに伴って、治療のために必要とされる透析液の体積を平衡させることが、治療の過程にわたって透析液流率を変動させることによって遂行されることができる。尿素濃度が、治療の開始時に高いとき、高い透析液流率は、血液から尿素を迅速に除去することにおいて役立つ。尿素濃度が、減少するにつれて、流率を減少させることは、血液から除去され得る尿素を過度に変化させないが、消耗された透析液の量は、減少されることができる。
【0084】
透析液流率を減少させることを伴う患者治療計画を実装するために、プロセッサ77が、透析液流動センサ25に接続され、透析液の流動を監視し、プロセッサ77は、透析液ポンプ26および33に接続され、透析液が透析液流路を通して流動する率を制御する。加えて、プロセッサ77は、それによって患者が治療される1つまたはそれを上回る患者治療計画を記憶する、メモリ78を含む。本特許の治療計画は、透析液が患者の治療の全体を通して異なる時間区画において流動することを意図される、所望の流率を含む。図10-13に図示されるように、患者治療計画によると、透析液流率が、患者の治療の全体を通して減少する。透析液流率の減少は、図11に図示されるように、漸進的であってもよい。代替として、透析液流率は、図12に図示されるように、線形様式において減少してもよい。さらなる代替治療計画では、透析液流率の減少は、経時的に減少する透析液流率を提供する、指数関数的、反比例、多項式、または別の関係であってもよい。例えば、図12は、減少する流率の変化率(Δ)が減少している、許容可能な多項式的治療プロトコルを図示する。逆に、図13は、減少する流率の変化率(Δ)が増加している、許容可能な多項式的治療プロトコルを図示する。
【0085】
具体的には、各患者治療計画は、患者を治療するための合計期間「T(合計)」を含み、これは、ひいては、時間区画T1、時間区画T2、時間区画T3等を含む、複数の時間区画を含む。患者治療計画はさらに、少なくとも、時間区画T1にわたって動作する高流率を含む、複数の流率を含む。治療計画はさらに、時間区画T2、時間区画T3等を含む。当業者によって理解されるであろうように、透析液流率の減少が、線形または多項式様式におけるもの等、実質的に持続的に変更されている場合、時間区画毎の期間は、極めて小さいと見なされる。
【0086】
好ましくは、透析治療は、400~800ml/分等のより高い透析液流率において開始し、100~500ml/分のより低い流率において終了する。しかしながら、透析治療は、さらに800ml/分を上回る値において開始し、100ml/分より低い流率において終了してもよい。より好ましくは、透析治療は、450~800ml/分のより高い透析液流率において開始し、100~450ml/分のより低い流率において終了する。しかしながら、別の患者は、異なる治療プロトコルを要求する場合がある。例えば、別の好ましい実施形態では、患者治療計画は、4時間持続し、およそ400~600ml/分の透析液流率を伴って治療を開始し、200~300ml/分の流率において終了するまで、線形に減少する。
【0087】
図10-13に図示される好ましい実施形態では、患者治療計画は、およそ500ml/分の透析液流率を伴って治療を開始し、250ml/分の流率において終了するまで、2時間にわたって線形に減少する。しかしながら、治療プロトコルは、図10に図示されるように線形に減少する、または図11に図示されるように漸進的に減少する等、異なってもよい。例えば、図11に図示される実施形態に関して、患者は、最初に、450ml/分を上回る(500ml/分に図示される)高透析液流率における1.0時間の時間区画T1、450~400ml/分の(417ml/分と図示される)中間の流率における1.0時間の第2の時間区画T2、350~300ml/分の(333ml/分に図示される)中間の流率における1.0時間の第3の時間区画T3、および300~200ml/分の(250ml/分に図示される)低流率における1.0時間の最終時間区画T4にわたって治療される。代替として、流率を漸進的または線形に低下させるために、流率の減少は、図12に図示されるように、経時的に減少してもよい(-Δ)、または流率の減少は、図13に図示されるように、経時的に増加してもよい(+Δ)。図10-13に図示されるこれらの実施例のそれぞれに関して、透析液流率は、およそ500ml/分において開始し、250ml/分の流率において終了するまで、4時間にわたって減少する。透析液流率を減少させる異なる方法に加えて、患者治療計画の合計治療時間T(合計)が、高流率(800~400ml/分等)および低流率(500~200ml/分)がそうであり得るように、患者毎に適宜決定され(2~8時間等)てもよい。
【0088】
患者の適切な治療を維持するために、プロセッサは、種々のセンサの全てを監視し、血液透析機が、効率的かつ安全に動作していることを確実にし、危険または規定されていない条件が検出された場合には、プロセッサは、欠陥を是正する、またはさらなる血液透析治療を停止する。例えば、静脈血液ライン圧力センサ9が、危険な圧力を示す場合、または気泡センサ12が、静脈血液ライン内にガス状の気泡を検出した場合、プロセッサが、警報を信号伝達し、ポンプが、非アクティブ化され、ピンチ弁が、閉鎖され、患者に戻るようなさらなる血流を防止する。同様に、血液漏出センサ31が、血液が透析器の半浸透性膜に浸透していることを検出した場合、プロセッサは、警報を信号伝達し、さらなる血液透析治療を停止する。
【0089】
透析機のユーザインターフェースは、患者または医療関係者が治療に関するコマンドを入力することを可能にする、または患者または医療関係者が血液透析システムの性能を監視することを可能にするための、キーボードまたはタッチスクリーン(図示せず)を含んでもよい。また、プロセッサは、遠隔場所への情報または制御の伝達のための、Wi-FiまたはBluetooth(登録商標)コネクティビティを含んでもよい。
【0090】
以下において、好ましい血液透析システムの種々の構成要素が、識別され、番号は、図に図示される構成要素に対応する。
【表3-1】
【表3-2】
【表3-3】
【表3-4】
【表3-5】
【0091】
血液透析システムは、透析の要求される頻度、患者の特性、透析液または水の入手性、および透析機の所望の可搬性に基づく、治療選択肢の向上された柔軟性を提供する。全ての治療に関して、血液流路53は、患者からの血液を透析器に、および患者に戻るように運搬するために、動脈血液ライン1に、および静脈血液ライン14から患者に接続することによって、閉ループシステム内で血液を運搬する。
【0092】
図2を参照すると、血液透析システムを使用する第1の方法は、吸着材フィルタ36の使用を要求しない。水が、逆浸透(RO)を通して供給される水等の水供給部46から新鮮透析液流路56を通して機械に導入される。必要とされる場合、化学物質濃縮物48および50が、化学物質濃縮物ポンプ47および49を使用して清浄水に添加される。混合された透析液が、次いで、リザーバ17および20に導入される。本治療に関して、第1のリザーバからの透析液75が、透析器8を越えて、バイパス通路35を通して、同一のリザーバに戻るように再循環される。リザーバの容積が、一度再循環されると、リザーバは、排液流路55を通して空にされ、リザーバは、新鮮透析液流路56を通して補充される。
【0093】
その一方で、第1のリザーバが、空にされ、補充される間、血液透析治療が、第2のリザーバ(17または20)を使用して継続する。図2に図示されるように、いったんプロセッサが、全ての透析液が一度再循環したことを決定すると、または透析液が、汚染されたことを決定すると、プロセッサは、全ての関連のある弁(21、42、43、51、および52)を切り替え、患者治療から第1のリザーバ20を除去し、透析液流路54の中に第2のリザーバ17を挿入する。第2のリザーバ17からの透析液75が、透析器8を越えて、バイパス通路35を通して、同一のリザーバ17に戻るように再循環される。リザーバ17とリザーバ20との間の交互の本切替は、透析治療が完了するまで継続する。本動作は、いかなる吸着材フィルタも使用されていないため、従来的なシングルパスシステムに類似しているが、それと同一ではない。
【0094】
図3に図示される第2の実施形態では、吸着材カートリッジ36が、透析液を、透析器8を通して通過した後、濾過する。本目標を達成するために、プロセッサは、三方弁34を切り替え、透析液流路54の中に吸着材カートリッジ36を組み込み、プロセッサは、種々の弁アセンブリ(21、42、43、51および52)を切り替え、透析治療の間にリザーバ17を利用する。清浄な透析液75が、透析器8および吸着材カートリッジ36を通して再循環され、その後、透析液は、透析液流路54を通して同一のリザーバ17に送り返される。本再循環は、プロセッサによって、限定ではないが、吸着材カートリッジが使用済みである、または透析液流体が汚染されている、または限外濾過がリザーバ17を満杯な状態にし、廃液および補充されることを要求するため等決定されるように、継続する。その一方で、リザーバ20内の流体が、汚染された場合、これは、排液流路45を通して排液され、次いで、リザーバ20は、新鮮透析液流路56を使用して補充される。
【0095】
図4に図示されるように、いったんプロセッサが、透析治療のためのリザーバ17の継続された使用が、適切ではないと決定すると、プロセッサは、種々の弁アセンブリ(21、42、43、51、および52)を切り替え、透析液流路54からリザーバ17を除去し、代わりに、透析治療のために、透析流路の中にリザーバ20を挿入する。清浄な透析液75が、透析器8および吸着材フィルタ36を通して同一のリザーバ20に戻るように再循環される。再び、本再循環は、リザーバ17に戻るような切替まで、または透析治療が完了されるまで、プロセッサによって決定されるように、リザーバ20を使用して継続する。透析治療が、リザーバ20を使用して継続する間、リザーバ17内の汚染された流体76が、排液流路を通して排液される。その後、リザーバ17が、新鮮透析液流路56を使用して補充される。他の治療方法のように、リザーバ17とリザーバ20との間の交互の本切替は、透析治療が完了するまで継続する。
【0096】
図5および6に図示されるさらなる付加的な実施形態では、吸着材フィルタ36が透析液流路54内で利用されない血液透析治療が、図2に図示されるものに類似する様式において行われる。透析液流路54内でフィルタ36を利用することが可能性として考えられるが、本実施形態に関して、透析液75が、吸着材フィルタ36を回避するように、バイパス通路35を通して指向されることが、好ましい。治療の間、第1のリザーバからの透析液75が、透析器8を越えて、バイパス通路35を通して再循環され、同一のリザーバに戻るように指向される。さらにより好ましくは、本実施形態に関して、血液透析システムは、吸着材フィルタ36を含まない。代わりに、図5および6を参照すると、血液透析システムは、本明細書ではフィルタ流路57と称される、別個の閉ループ流路内にある、単一の吸着材フィルタ71を含む。図5および6は、2つの吸着材フィルタ36および71を含む血液透析システムを図示するが、透析液流路54内の吸着材フィルタ36は、随意であり、血液透析システムの本実施形態内に組み込まれる必要はない。
【0097】
以前の実施形態のように、透析治療が、リザーバ17とリザーバ20との間で交互に切り替えながら、実装される。図5を参照すると、透析治療は、リザーバ17内の清浄な透析液75を使用するが、種々の弁アセンブリ(21、42、43、51、および52)が、切り替えられ、閉ループフィルタ流路57の中に第2のリザーバ20を挿入する。汚染された水76が、リザーバ20から、ポンプ58および圧力センサ59を通して排液される。その後、汚染された水76が、吸着材フィルタ71を通して濾過される。試薬61および65が、重力供給またはポンプ62および66を使用してフィルタ流路の中に導入されてもよい。試薬は、ここで清浄にされた透析液が、伝導率試験器64および68、アンモニウムセンサ69、およびpHセンサ70によって適応性に関して試験される前に、混合器63および67内で混合される。試験が、水が現在清浄であることを示す場合、これは、リザーバ20に戻るように指向される。
【0098】
図6を参照すると、プロセッサは、透析液流路54内のものを含む、種々のセンサの出力を監視し続ける。いったんリザーバ17内の水が、汚染された状態になると、これは、透析液流路から除去され、リザーバ20が、再度、関連のある弁アセンブリ(21、42、43、51、および52)の全てを切り替えることによって、その場所の中で置換される。第2のリザーバ20からの透析液75は、透析器8を越えて閉ループ透析液流路54内で再循環され、同一のリザーバに戻るように指向される。その一方で、リザーバ17内の今汚染されている水76が、吸着材フィルタ71を通して濾過される前に、ポンプ58および圧力センサ59を通して排液される。再び、試薬61および65が、フィルタ流路57の中に導入されてもよく、試薬は、混合器63および67内で混合される。ここで清浄な透析液が、リザーバ17を充填する前に、伝導率試験器64および68、アンモニウムセンサ69、およびpHセンサ70によって適応性に関して試験される。交互に入れ替わるリザーバの本プロセスは、処方された血液透析治療が完了する、または治療が中断されることを要求する故障が検出されるまで継続する。
【0099】
図2、3、5、および6に図示される実施形態のように、図7に図示される実施形態は、シングルパスモードにおいて動作する。透析液が、新鮮透析液流路を通して、透析液流路を通して透析器8まで流動する透析液源46から、リザーバ17まで、機械に導入される。その後、使用済み透析液が、次いで、廃水55または廃液排液を貯蔵するための受器に指向される。吸着材フィルタの使用を要求するものではないが、本シングルパスモードは、典型的には、400~600リットルの水を要求する。
【0100】
逆に、図8に図示される血液透析システムの実施形態は、透析液が吸着材フィルタ36を通して流動する、閉ループ再循環モードにおいて動作する。透析液が、リザーバ17内に貯蔵され、透析器8および吸着材カートリッジ36を通して再循環される。化学濃縮物48および50が、必要に応じて、濾過された水に添加される。再循環が、治療が完了する、吸着材カートリッジが使用済になる、透析液流体が汚染される、または限外濾過がリザーバ17を満杯な状態にし、廃液および補充されることを要求するまで、プロセッサによって決定されるように継続する。
【0101】
締めくくりに、本明細書に示され、説明されるような本発明の例示的実施形態に関して、血液透析システムが開示されることを理解されたい。本発明の原理は、示され、説明されるもの以外のいくつかの構成において実践され得、そのため、本発明が、例示的実施形態によっていかようにも限定されず、概して、血液透析システムを対象とし、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、それを行うために多数の形態をとることが可能であることを理解されたい。また、本発明が、開示される構築物の特定の幾何学形状および材料に限定されず、代わりに、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、現在公知である、または後に開発される、他の機能的に同等の構造または材料を伴い得ることが、当業者によって理解されるであろう。さらに、上記に説明される実施形態のそれぞれの種々の特徴は、任意の論理様式において組み合わせられ得、本発明の範囲内に含まれることを意図する。
【0102】
本発明の代替実施形態、要素、またはステップの群化は、限定物として解釈されないものとする。各群の構成要素は、個々に、または本明細書に開示される他の群の構成要素との任意の組み合わせにおいて言及および請求され得る。群の1つまたはそれを上回る構成要素が、便宜上および/または特許性の理由のために、群の中に含まれる、またはそれから削除され得ることが予期される。任意のそのような包含または削除が、生じるとき、本明細書は、修正されたものとして、群を含有すると見なされる。
【0103】
別様に示されない限り、本明細書および請求項内で使用される、特性、項目、数量、パラメータ、性質、用語等を表現する全ての数値は、用語「約」によって全ての事例において修飾されているものとして理解されるべきである。本明細書で使用されるように、用語「約」は、そのように条件付けられた特性、項目、数量、パラメータ、性質、または用語が、記載された特性、項目、数量、パラメータ、性質、または用語の値の±10パーセント上方および下方の範囲を含有することを意味する。故に、そうではないことが示されていない場合、本明細書および添付の請求項に記載の数値パラメータは、変動し得る、近似値である。最低限でも、均等論の適用を本請求項の範囲に限定するような試みとしてではなく、各数値インジケーションは、少なくとも、報告された有効桁数に照らして、かつ通常の丸め技術を適用することによって解釈されるべきである。本発明の広範な範囲を記載する数値範囲および値が近似値であるにもかかわらず、具体的実施例に記載の数値範囲および値は、可能な限り、精密に報告される。しかしながら、いかなる数値範囲または値も、本質的に、それらの個別の試験測定値に見出される標準偏差から必然的に結果として生じる、ある誤差を含有する。本明細書における値の数値範囲の列挙は、その範囲内にある各別個の数値範囲を個々に指す、簡略的な方法としての役割を果たすことを意図しているにすぎない。本明細書において別様に示されない限り、数値範囲の各個々の値は、本明細書に個々に列挙されている場合と同様に、本明細書の中に組み込まれる。
【0104】
本発明の説明の文脈(特に、以下の請求項の文脈)内で使用される用語「a」、「an」、「the」、および類似の指示物は、本明細書で別様に示される、または文脈によって明確に矛盾されない限り、単数および複数の両方を網羅すると解釈されるべきである。本明細書に説明される方法の全てが、本明細書において別様に示される、または文脈によって明確に別様に矛盾されない限り、任意の好適な順序において実施されることができる。本明細書に提供される、ありとあらゆる実施例または例示的な言い回し(例えば、「等」)の使用は、本発明をより明瞭に照明することを意図しているにすぎず、別様に請求される本発明の範囲に限定を課すものではない。本明細書におけるいかなる言い回しも、任意の非請求要素を、本発明の実践に対して不可欠であるように示しているものとして解釈されるべきではない。
【0105】
本明細書に開示される具体的な実施形態はさらに、「consisting of(~から成る)」または「本質的に~から成る(consisting essentially of)」の言い回しを使用して、本請求項において限定され得る。本請求項において使用されると、改定毎に出願されるものとして、または追加されるものとしてであるかにかかわらず、移行用語「consisting of(~から成る)」は、本請求項内で規定されていない、いかなる要素、ステップ、または成分も除外する。移行用語「consisting essentially of(~から本質的に成る)」は、請求項の範囲を、規定される材料またはステップおよび基本的特性および新規の特性に実質的に影響を及ぼさないものに限定する。そのように請求される本発明の実施形態は、本明細書において本質的または明示的に説明され、有効にされる。
【0106】
各方法の個別の要素が実施される、論理コード、プログラム、モジュール、プロセス、方法、および順序は、純粋に例示的であることを理解されたい。実装に応じて、それらは、本開示において別様に示されない限り、任意の順序で、または並行して実施され得る。さらに、論理コードは、任意の特定のプログラミング言語に関連または限定されず、分散型、非分散型、または多重処理型環境内の1つまたはそれを上回るプロセッサ上で実行する、1つまたはそれを上回るモジュールを備え得る。
【0107】
本発明のいくつかの特定の形態が、図示され、説明されているが、種々の修正が、本発明の精神および発明から逸脱することなく成され得ることが、明白となるであろう。したがって、本発明が、以下の請求項によらない限り、限定されることは意図していない。
図1
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図5
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図7
図8
図9
図10
図11
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図13
【外国語明細書】