(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024033788
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】液体吐出装置
(51)【国際特許分類】
B41J 2/17 20060101AFI20240306BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20240306BHJP
B41J 2/175 20060101ALI20240306BHJP
B41J 2/165 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
B41J2/17 203
B41J2/01 305
B41J2/175 119
B41J2/165
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022137617
(22)【出願日】2022-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】藁科 蒼
(72)【発明者】
【氏名】小牧 剛
(72)【発明者】
【氏名】大月 昇
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056HA28
2C056HA29
2C056JB00
2C056JC13
2C056KC01
(57)【要約】
【課題】媒体セット部と支持部とを鉛直方向に重ねて配置すると、液体吐出装置が大型化する虞がある。
【解決手段】液体吐出装置11は、媒体Mをセット可能な媒体セット部60と、媒体Mを支持可能な支持部16と、支持部16に支持される媒体Mに対してインクを吐出して記録する記録部20と、記録部20に供給するインクを収容する液体収容部35が装着される液体収容部装着部30と、記録部20から廃液として排出されたインクを収容する廃液収容部45が装着される廃液収容部装着部40と、を備え、液体収容部装着部30および廃液収容部装着部40は、支持部16の下方となる位置であって、支持部16において媒体Mが搬送される搬送方向TDに沿う方向から見たときに媒体セット部60と重なる位置に設けられる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体をセット可能な媒体セット部と、
前記媒体セット部から搬送される前記媒体を支持可能な支持部と、
前記支持部に支持される前記媒体に対して液体を吐出して記録する記録部と、
前記記録部に供給する前記液体を収容する液体収容部が着脱可能に装着される液体収容部装着部と、
前記記録部から廃液として排出された前記液体を収容可能な廃液収容部が着脱可能に装着される廃液収容部装着部と、
を備え、
前記支持部において前記媒体が搬送される方向を搬送方向とするとき、前記液体収容部装着部および前記廃液収容部装着部は、前記支持部の下方となる位置であって、前記搬送方向に沿う方向から見たときに前記媒体セット部と重なる前記位置に設けられる、
ことを特徴とする液体吐出装置。
【請求項2】
前記液体収容部装着部と前記廃液収容部装着部とは、前記搬送方向に沿う方向において隣り合う、
ことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
【請求項3】
前記媒体セット部、前記液体収容部装着部および前記廃液収容部装着部を収容する筐体を更に備え、
前記媒体セット部、前記液体収容部および前記廃液収容部は、前記搬送方向と交差する前記筐体の奥行方向手前側からアクセス可能に設けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
【請求項4】
前記記録部により記録された前記媒体を受容可能な媒体受容部を更に備え、
前記液体収容部装着部および前記廃液収容部装着部は、前記搬送方向に沿う方向において、前記媒体セット部と前記媒体受容部との間に設けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
【請求項5】
前記媒体セット部は、ロール状に巻かれた前記媒体をセット可能である、
ことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
【請求項6】
媒体がセットされる媒体セット部と、
前記媒体セット部から搬送される前記媒体を支持可能な支持部と、
前記支持部に支持される前記媒体に対して液体を吐出して記録する記録部と、
前記記録部に供給する前記液体を収容する液体収容部が着脱可能に装着される液体収容部装着部と、
前記記録部から廃液として排出された前記液体を収容可能な廃液収容部と、
を備え、
前記支持部において前記媒体が搬送される方向を搬送方向とするとき、前記液体収容部装着部および前記廃液収容部は、前記支持部の下方となる位置であって、前記搬送方向に沿う方向から見たときに前記媒体セット部と重なる前記位置に設けられる、
ことを特徴とする液体吐出装置。
【請求項7】
前記液体収容部装着部と前記廃液収容部とは、前記搬送方向に沿う方向において隣り合う、
ことを特徴とする請求項6に記載の液体吐出装置。
【請求項8】
前記媒体セット部および前記液体収容部装着部を収容する筐体を更に備え、
前記媒体セット部および前記液体収容部装着部は、前記搬送方向と交差する前記筐体の奥行方向手前側からアクセス可能に設けられる、
ことを特徴とする請求項6に記載の液体吐出装置。
【請求項9】
前記記録部により記録された前記媒体を受容可能な媒体受容部を更に備え、
前記液体収容部装着部および前記廃液収容部は、前記搬送方向に沿う方向において、前記媒体セット部と前記媒体受容部との間に設けられる、
ことを特徴とする請求項6に記載の液体吐出装置。
【請求項10】
前記媒体セット部は、ロール状に巻かれた前記媒体をセット可能である、
ことを特徴とする請求項6に記載の液体吐出装置。
【請求項11】
前記記録部をメンテナンス可能なメンテナンス部を更に備え、
前記記録部は、前記支持部と対向する記録位置と、前記搬送方向と交差する奥行方向に前記記録位置から離れた待機位置と、に移動可能であり、
前記メンテナンス部は、前記待機位置にある前記記録部と対向する位置に設けられ、
鉛直方向に沿って見た場合に、前記メンテナンス部は、前記液体収容部装着部の少なくとも一部とオーバーラップする、
ことを特徴とする請求項1から請求項10のうち何れか一項に記載の液体吐出装置。
【請求項12】
媒体がセットされる媒体セット部と、
前記媒体セット部から搬送される前記媒体を支持可能な支持部と、
前記支持部に支持される前記媒体に対して液体を吐出して記録する記録部と、
前記記録部に供給する前記液体を収容する液体収容部と、
前記記録部から廃液として排出された前記液体を収容可能な廃液収容部と、
を備え、
前記支持部において前記媒体が搬送される方向を搬送方向とするとき、前記液体収容部および前記廃液収容部は、前記支持部の下方となる位置であって、前記搬送方向に沿う方向から見たときに前記媒体セット部と重なる前記位置に設けられる、
ことを特徴とする液体吐出装置。
【請求項13】
前記液体収容部と前記廃液収容部とは、前記搬送方向に沿う方向において隣り合う、
ことを特徴とする請求項12に記載の液体吐出装置。
【請求項14】
前記記録部により記録された前記媒体を受容可能な媒体受容部を更に備え、
前記液体収容部および前記廃液収容部は、前記搬送方向に沿う方向において、前記媒体セット部と前記媒体受容部との間に設けられる、
ことを特徴とする請求項12に記載の液体吐出装置。
【請求項15】
前記媒体セット部は、ロール状に巻かれた前記媒体をセット可能である、
ことを特徴とする請求項12に記載の液体吐出装置。
【請求項16】
前記記録部のメンテナンスが可能なメンテナンス部を更に備え、
前記記録部は、前記支持部と対向する記録位置と、前記搬送方向と交差する奥行方向に前記記録位置から離れた待機位置と、に移動可能であり、
前記メンテナンス部は、前記待機位置にある前記記録部と対向する位置に設けられ、
鉛直方向に沿って見た場合に、前記メンテナンス部は、前記液体収容部の少なくとも一部とオーバーラップする、
ことを特徴とする請求項12から請求項15のうち何れか一項に記載の液体吐出装置。
【請求項17】
前記筐体の前記奥行方向手前側に設けられ、各種指示を行うための操作部を更に備える、
ことを特徴とする請求項3に記載の液体吐出装置。
【請求項18】
前記筐体の前記奥行方向手前側に設けられ、各種指示を行うための操作部を更に備える、
ことを特徴とする請求項8に記載の液体吐出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、液体吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、媒体を円筒状に巻き重ねたロール体を保持する媒体保持部と、媒体保持部から搬送されて、支持部材に支持される媒体に対してインクを吐出することで記録する記録部と、を備える液体吐出装置の一例である記録装置が開示されている。媒体保持部は媒体をセット可能な媒体セット部の一例である。また、支持部材は媒体を支持可能な支持部の一例である。
【0003】
また、この記録装置では、媒体保持部は、支持部材の鉛直下方に配置されることが開示されている。また、この記録装置では、支持部材において媒体が搬送される方向と交差する方向において媒体保持部と隣り合う位置に、インクを収容した収容体を着脱可能に装着する一対の収容体装着部と、廃液を回収するための回収体を着脱可能に装着する回収体装着部とが配置されていることが開示されている。収容体装着部は、液体収容部装着部の一例である。回収体は廃液収容部の一例であり、回収体装着部は廃液収容部装着部の一例である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の記録装置では、媒体保持部と支持部材とが鉛直方向に重ねて設けられるため、記録装置の高さが高くなりやすい。また、媒体保持部と支持部材とが鉛直方向に重ねて設けられるため、収容体装着部、あるいは回収体装着部を媒体保持部、支持部材とは異なる位置に設けることになる。よって、記録装置が大型化する虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
液体吐出装置は、媒体をセット可能な媒体セット部と、前記媒体セット部から搬送される前記媒体を支持可能な支持部と、前記支持部に支持される前記媒体に対して液体を吐出して記録する記録部と、前記記録部に供給する前記液体を収容する液体収容部が着脱可能に装着される液体収容部装着部と、前記記録部から廃液として排出された前記液体を収容可能な廃液収容部が着脱可能に装着される廃液収容部装着部と、を備え、前記支持部において前記媒体が搬送される方向を搬送方向とするとき、前記液体収容部装着部および前記廃液収容部装着部は、前記支持部の下方となる位置であって、前記搬送方向に沿う方向から見たときに前記媒体セット部と重なる前記位置に設けられる。
【0007】
液体吐出装置は、媒体がセットされる媒体セット部と、前記媒体セット部から搬送される前記媒体を支持可能な支持部と、前記支持部に支持される前記媒体に対して液体を吐出して記録する記録部と、前記記録部に供給する前記液体を収容する液体収容部が着脱可能に装着される液体収容部装着部と、前記記録部から廃液として排出された前記液体を収容可能な廃液収容部と、を備え、前記支持部において前記媒体が搬送される方向を搬送方向とするとき、前記液体収容部装着部および前記廃液収容部は、前記支持部の下方となる位置であって、前記搬送方向に沿う方向から見たときに前記媒体セット部と重なる前記位置に設けられる。
【0008】
液体吐出装置は、媒体がセットされる媒体セット部と、前記媒体セット部から搬送される前記媒体を支持可能な支持部と、前記支持部に支持される前記媒体に対して液体を吐出して記録する記録部と、前記記録部に供給する前記液体を収容する液体収容部と、前記記録部から廃液として排出された前記液体を収容可能な廃液収容部と、を備え、前記支持部において前記媒体が搬送される方向を搬送方向とするとき、前記液体収容部および前記廃液収容部は、前記支持部の下方となる位置であって、前記搬送方向に沿う方向から見たときに前記媒体セット部と重なる前記位置に設けられる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図4】液体収容部装着部周辺の構成を示す模式断面図。
【
図5】廃液収容部装着部周辺の構成を示す模式断面図。
【
図7】実施形態2に係る液体収容部周辺の構成を示す模式断面図。
【
図9】実施形態3に係る廃液収容部周辺の構成を示す模式断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示を実施形態に基づいて説明する。液体吐出装置は、例えば、用紙、布帛などの媒体に液体の一例であるインクを吐出して記録するインクジェット式のプリンターである。
【0011】
各図において同一部材には同一符号を付し、重複する説明は省略する。なお、本明細書において、「同じ」、「同一」、「同時」とは、完全に同じであることを指すのみならず、測定誤差を考慮して同じである場合、部材の製造ばらつきを考慮して同じである場合、および、機能を損なわない範囲で同じである場合を含むものとする。よって、例えば、「両者の寸法が同じである」とは、測定誤差、部材の製造ばらつきを考慮し、両者の寸法差が、一方の寸法の±10パーセント以内、さらに好ましくは±5パーセント以内、特に好ましくは±3パーセント以内であることを指す。
【0012】
また、各図においてX、Y、Zは、互いに直交する3つの空間軸を表している。本明細書では、これらの軸に沿った方向をX軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向とする。向きを特定する場合には、正の方向を「+」、負の方向を「-」として、方向表記に正負の符合を併用し、各図の矢印が向かう向きを+方向、矢印の反対方向を-方向として説明する。
【0013】
また、Z軸方向は、重力方向を示し、+Z方向は鉛直上向き、-Z方向は鉛直下向きを示す。このため、Z軸方向を鉛直方向と称することもある。また、X軸,Y軸を含む平面をX-Y面、X軸,Z軸を含む平面をX-Z面、Y軸,Z軸を含む平面をY-Z面として説明する。また、X-Y面は水平面となる。さらに、正方向及び負方向を限定しない3つのX、Y、Zの空間軸については、X軸、Y軸、Z軸として説明する。
【0014】
尚、各図においてX軸方向は液体吐出装置11を正面から見たときの奥行方向である。また、X軸方向は、媒体Mの幅方向である。また、X軸は、後述する記録部20の幅方向である。X軸方向のうち+X方向は液体吐出装置11の正面から液体吐出装置11の背面に向かう方向である。また、-X方向は液体吐出装置11の背面から液体吐出装置11の正面に向かう方向である。尚、液体吐出装置11の正面とは、ユーザーが液体吐出装置11に対して指示を与えるために操作される操作部15が位置する側の面である。
【0015】
1.実施形態1
図1に示すように、液体吐出装置11は、箱状の筐体12と、筐体12の前面となる-X方向側に配置される操作部15と、筐体12の+Y方向側に取り付けられる媒体受容部70とを備える。また、
図2、
図3に示すように、液体吐出装置11は、筐体12内に、媒体セット部60と、支持部16と、記録部20と、液体収容部装着部30と、廃液収容部装着部40と、メンテナンス部50と、制御部90とを備える。
【0016】
筐体12は、不図示のフレームと、フレームに対して取り付けられる外装部材と、により構成される。筐体12は、外装部材を構成するカバー13、前扉14、および上扉19を備える。
【0017】
カバー13は、
図1に示す閉位置と閉位置の-Y方向となる開位置との間をスライド可能に、筐体12に設けられる。カバー13の閉位置は、媒体セット部60を覆う位置である。カバー13の開位置は、筐体12の奥行方向手前側となる-X方向側から媒体セット部60にユーザーがアクセス可能な位置である。尚、
図2では、説明のため、カバー13が取り除かれている。
【0018】
前扉14は、
図1に示す閉位置と
図2に示す開位置との間を回動可能に、筐体12に設けられる。前扉14の閉位置は、液体収容部装着部30、および廃液収容部装着部40を覆う位置である。前扉14の開位置は、-X方向側から液体収容部装着部30、および廃液収容部装着部40にユーザーがアクセス可能な位置である。
【0019】
上扉19は、Y軸に沿い、上扉19の+X方向側端部に設けられる軸中心に回動可能に、筐体12に設けられる。上扉19は、
図1に示す閉位置と不図示の開位置との間を回動可能に、筐体12に設けられる。上扉19の閉位置は、支持部16、および記録部20を覆う位置である。上扉19の開位置は、支持部16、および記録部20にユーザーがアクセス可能な位置である。
【0020】
操作部15は、筐体12の奥行方向手前側となる-X方向側に設けられる。操作部15は、Z軸方向において、前扉14と上扉19との間に配置される。操作部15は、表示部と操作ボタンを有する。ユーザーは、操作ボタンを操作することで、液体吐出装置11に各種指示を与えることが可能である。尚、操作部15は、タッチパネルよりなる表示部を有する構成であってもよい。この場合、ユーザーは、表示部をタッチ操作することで、液体吐出装置11に指示を与えることが可能である。
【0021】
媒体セット部60は、媒体Mをセット可能に、筐体12に配置される。本実施形態の媒体セット部60は、ロール状に巻かれた媒体Mをセット可能に、筐体12に配置される。媒体セット部60にセットされるロール状に巻かれた媒体Mは、例えば、ロール状に巻かれた長尺状の媒体Mであってもよいし、ロール状に巻かれた長尺状の台紙に貼り付けられた枚葉の媒体Mであってもよい。
【0022】
図2、
図3に示すように、媒体セット部60は、筐体12の中央より-Y方向側となる位置に配置される支持軸61に、回転可能に配置される。支持軸61は、X軸に沿い、筐体12の中央から-X方向に延びる。媒体セット部60は、媒体保持部62と、フランジ63とを有する。
【0023】
媒体保持部62は、支持軸61に回転可能に支持される。媒体保持部62は、支持軸61が挿入される円筒部と、円筒部の一端に配置される鍔部とを有する。フランジ63には、媒体保持部62の円筒部が挿入可能な貫通穴が設けられる。媒体セット部60には、幅寸法の異なる複数仕様の媒体Mがセット可能である。このため、媒体保持部62の円筒部には、フランジ63の取付け位置が媒体Mの幅寸法に合わせて複数設けられる。
【0024】
液体吐出装置11に媒体Mをセットする場合、ロール状に巻かれた媒体Mの中心穴に、媒体保持部62の円筒部を挿入する。そして、媒体保持部62の円筒部にフランジ63を取り付けることで、媒体セット部60に媒体Mをセットする。そして、媒体保持部62の円筒部の貫通穴に支持軸61を挿入することで、液体吐出装置11に媒体Mがセットされた媒体セット部60を取り付ける。これにより、ロール状に巻かれた媒体Mがセットされた媒体セット部60は、支持軸61に、回転可能に支持される。
【0025】
媒体セット部60から繰り出される媒体Mは、支持軸61に支持される媒体セット部60の+Z方向側に配置される上流側搬送部18aによって、支持部16に向けて搬送される。上流側搬送部18aは、支持部16に向けて媒体Mを搬送可能な搬送機構である。
【0026】
支持部16は、媒体セット部60から搬送される媒体Mを支持可能に、筐体12に配置される。
図2、
図3に示すように、支持部16は、媒体セット部60、および上流側搬送部18aの+Y方向側に配置される。支持部16のうち媒体Mを支持する支持面は、X-Y面に沿う平面である。支持部16の支持面におけるX軸方向の寸法は、媒体Mの幅寸法と同じかそれより大きく設定される。支持部16の支持面は、Z軸方向において、媒体セット部60より+Z方向側に位置する。支持部16において媒体Mが搬送される方向を搬送方向TDとするとき、搬送方向TDはY軸方向に沿う方向である。
【0027】
記録部20は、支持部16に支持される媒体Mに対してインクを吐出することで記録する。
図2に示すように、記録部20は、筐体12において、支持部16より+Z方向側となる位置に配置される。
図3、
図4に示すように、記録部20は、液体吐出ヘッド21と、液体吐出ヘッド21を保持するヘッド保持部25とを有する。
【0028】
図4に示すように、液体吐出ヘッド21は、液体吐出ヘッド21の-Z方向側に配置されるノズル面23に開口する複数のノズル22を有する。
図3、
図4に示すように、液体吐出ヘッド21は、X軸方向に延在する状態で、複数のノズル群22a,22b,22c,22dを構成する複数のノズル22から媒体Mにインクを吐出するように構成される。液体吐出ヘッド21が媒体Mにインクを吐出して記録するときの記録部20の位置を記録位置RPという。記録位置RPにおいて、記録部20が有する液体吐出ヘッド21のノズル面23、およびノズル22は、支持部16の支持面、および支持部16に支持される媒体Mと対向する。
【0029】
本実施形態の液体吐出ヘッド21は、X軸方向において、媒体Mの幅全域に亘りインクを同時に吐出可能な数のノズル22を有するラインヘッドである。液体吐出装置11は、一定速度で搬送される媒体Mに向かって、媒体Mの幅全域と対向する位置にある複数のノズル22からインクを吐出することでライン印刷を行う。
【0030】
ヘッド保持部25は、Z軸方向に移動可能に、液体吐出ヘッド21を保持する。
図3、
図4に示すように、ヘッド保持部25は、液体吐出装置11が備える一対のガイド軸26によって、X軸方向に移動可能に支持される。各ガイド軸26は、X軸に沿って延びる。一対のガイド軸26はY軸方向に間隔を置いて、筐体12に配置される。液体吐出ヘッド21を保持するヘッド保持部25は、X軸方向に移動可能に、ガイド軸26に支持される。
【0031】
これにより、記録部20は、支持部16と対向する記録位置RPと、記録位置RPから+X方向に離れた待機位置SP(
図5参照)と、の間を移動可能に、筐体12に配置される。待機位置SPにおいて、記録部20は、支持部16の+X方向側に配置されるメンテナンス部50と対向する。
【0032】
図1から
図3に示すように、媒体受容部70は、記録部20により記録された媒体Mを受容可能に、液体吐出装置11が備える受容フレーム17に、配置される。受容フレーム17は、筐体12の+Y方向側の側面に取り付けられる。受容フレーム17は、下流側搬送部18bと、回転軸71とを有する。
【0033】
媒体受容部70は、支持部16、および下流側搬送部18bより+Y方向側となる位置に配置される回転軸71に、取り付けられる。回転軸71は、X軸に沿い、受容フレーム17から-X方向に延びる。回転軸71は、不図示の駆動モーターにより回転駆動される。媒体受容部70は、媒体巻取部72と、フランジ73とを有する。
【0034】
媒体巻取部72は、回転軸71に取り付けられる。媒体巻取部72は、回転軸71が挿入される円筒部と、円筒部の一端に配置される鍔部とを有する。フランジ73には、媒体巻取部72の円筒部が挿入可能な貫通穴が設けられる。媒体受容部70には、幅寸法の異なる複数仕様の媒体Mが受容可能である。このため、媒体巻取部72の円筒部には、フランジ73の取付け位置が媒体Mの幅寸法に合わせて複数設けられる。
【0035】
液体吐出装置11に媒体巻取部72をセットする場合、媒体巻取部72の円筒部の貫通穴に回転軸71を挿入することで、回転軸71に媒体巻取部72を取り付ける。そして、媒体巻取部72の円筒部に、媒体Mを巻き付ける。尚、媒体巻取部72の円筒部に媒体Mを巻き付ける前に、巻き取る媒体Mの幅寸法に合わせて、媒体巻取部72の円筒部にフランジ73を取り付けておいてもよい。そして、回転軸71が回転駆動されることで、媒体Mが媒体受容部70に巻き取られて、受容される。これにより、支持部16から媒体受容部70に向けて、記録部20により記録された媒体Mが搬送される。
【0036】
下流側搬送部18bは、Y軸方向において、回転軸71にセットされた媒体受容部70と支持部16との間に配置される。下流側搬送部18bは、支持部16から媒体受容部70に向けて搬送される媒体Mをガイドする。下流側搬送部18bは、媒体Mにかかる張力を調整するテンションローラーを含んでもよい。
【0037】
液体収容部装着部30には、記録部20に供給するインクを収容する液体収容部35が着脱可能に装着される。
図2、
図4に示すように、液体収容部装着部30、および、液体収容部装着部30に装着された液体収容部35は、筐体12において、支持部16、およびメンテナンス部50の鉛直下方となる-Z方向側に配置される。液体収容部装着部30は、筐体12の奥行方向となるX軸方向において、筐体12内の-X方向側端部から+X方向側端部まで延びる。また、
図2、
図3に示すように、液体収容部装着部30、および液体収容部装着部30に装着された液体収容部35は、Y軸方向において、媒体セット部60と媒体受容部70との間に配置される。
【0038】
図4に示すように、液体収容部装着部30に装着される液体収容部35は、可撓性を有する袋体38と、袋体38に収容するインクを導出する導出口37と、袋体38および導出口37を収容する箱状のケース36とにより構成される。また、液体収容部35が液体収容部装着部30に装着された状態において、液体収容部装着部30の-X方向の端より-X方向に位置するケース36の側壁には、把持部36aが配置される。ユーザーは、把持部36aを掴むことで、液体収容部装着部30に対する液体収容部35の着脱を容易に行える。
【0039】
本実施形態の液体収容部35は、液体収容部35a,35b,35c,35dを含む。各液体収容部35a,35b,35c,35dは、インクの一例として、ブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクのいずれかを収容する。各液体収容部35a,35b,35c,35dが収容するインクは、供給チューブ27、および供給機構28を介して記録部20に供給される。
【0040】
供給チューブ27は、供給チューブ27a,27b,27c,27dを含む。供給機構28は、液体収容部35a,35b,35c,35dが収容する各インクを記録部20のノズル群22a,22b,22c,22dに向けて供給可能に設けられる。供給機構28は、例えば、供給チューブ27a,27b,27c,27dに連結されるダイヤフラムポンプである。
【0041】
液体収容部装着部30は、液体収容部35を収容する収容ケース31を有する。収容ケース31は、液体収容部35a,35b,35c,35dを上下方向となるZ軸方向に重ねて収容可能な四つの収容空間を有する。収容ケース31の-X方向側端部には、収容ケース31の収容空間に液体収容部35を挿入するための開口が設けられる。
図4に示すように、液体収容部装着部30、および液体収容部装着部30の収容空間に装着された液体収容部35a,35b,35c,35dは、支持部16の鉛直下方である-Z方向となる位置であって、Y軸に沿う方向から見たときに媒体セット部60と重なる位置に設けられる。
【0042】
収容ケース31の収容空間の+X方向側を画定する前壁32には、導出管33が配置される。各収容ケース31に対応して上下方向となるZ軸方向に間隔を置いて並ぶ四つの導出管33は、供給チューブ27a,27b,27c,27dと接続される。液体収容部装着部30に液体収容部35a,35b,35c,35dが装着されることにより、液体収容部35a,35b,35c,35dの各導出口37に、四つの導出管33が進入する。これにより、各液体収容部35a,35b,35c,35dは、対応する各供給チューブ27a,27b,27c,27dと通じる。
【0043】
廃液収容部装着部40には、記録部20から廃液として排出されるインクを収容可能な廃液収容部45が着脱可能に装着される。
図2、
図5に示すように、廃液収容部装着部40、および、廃液収容部装着部40に装着された廃液収容部45は、筐体12において、支持部16、およびメンテナンス部50の鉛直下方となる-Z方向側に配置される。廃液収容部装着部40は、筐体12の奥行方向となるX軸方向において、筐体12内の-X方向側端部から筐体12の中央より+X方向側となる位置まで延びる。
【0044】
また、
図2、
図3に示すように、廃液収容部装着部40、および廃液収容部装着部40に装着された廃液収容部45は、液体収容部装着部30、および液体収容部装着部30に装着された液体収容部35の+Y方向側に隣り合う。また、廃液収容部装着部40、および廃液収容部装着部40に装着された廃液収容部45は、Y軸方向において、媒体セット部60と媒体受容部70との間に配置される。
【0045】
図5に示すように、廃液収容部装着部40に装着される廃液収容部45は、廃液を収容可能な箱状のケース46と、廃液が導入される導入口47と、ケース46に収容される液体を保持可能な吸収体48とにより構成される。吸収体48は、液体を吸収する吸収性を有し、吸収した液体を保持可能な吸収体、例えばスポンジ状の多孔質部材、古紙を積層させた積層体等で構成される。また、廃液収容部45が廃液収容部装着部40に装着された状態において、ケース46の-X方向側の端となるケース46の側壁には、把持部49が配置される。ユーザーは、把持部49を掴むことで、廃液収容部装着部40に対する廃液収容部45の着脱を容易に行える。
【0046】
廃液収容部装着部40は、廃液収容部45を収容する収容ケース41を有する。収容ケース41は、廃液収容部45を収容可能な収容空間を有する。収容ケース41の-X方向側端部には、収容ケース41の収容空間に廃液収容部45を挿入するための開口が設けられる。
図5に示すように、廃液収容部装着部40、および廃液収容部装着部40の収容空間に装着された廃液収容部45は、支持部16の鉛直下方である-Z方向となる位置であって、Y軸に沿う方向から見たときに媒体セット部60と重なる位置に設けられる。
【0047】
収容ケース41の収容空間の+X方向側を画定する前壁42には、導入管43が配置される。導入管43は、廃液チューブ56と接続される。廃液収容部装着部40に廃液収容部45が装着されることにより、廃液収容部45の導入口47に、導入管43が進入する。これにより、廃液収容部45は、廃液チューブ56と通じる。
【0048】
メンテナンス部50は、記録部20のメンテナンスを行う。
図3、
図4に示すように、メンテナンス部50は、筐体12において、支持部16の+X方向側に隣り合う位置に配置される。メンテナンス部50は、矩形の板状のメンテナンスベース51、キャップ52、キャップ52をZ軸方向に移動可能に支持する支持ばね53、メンテナンスベース51に配置されるキャップ支持部54、廃液チューブ56、吸引機構57、ワイパー58、およびワイパー移動機構59を有する。
【0049】
図5に示すように、メンテナンス部50は、待機位置SPにある記録部20と対向する位置に設けられる。また、
図3、
図4に示すように、鉛直方向であるZ軸方向に沿って見た場合に、メンテナンス部50は、液体収容部装着部30の+X方向側および液体収容部装着部30に装着された液体収容部35の+X方向側とオーバーラップする。また、
図3、
図5に示すように、Z軸方向に沿って見た場合に、メンテナンス部50は、廃液収容部装着部40の+X方向側および廃液収容部装着部40に装着された廃液収容部45の+X方向側とオーバーラップする。
【0050】
キャップ52は、キャップ支持部54に取り付けられる一対の支持ばね53に支持される。キャップ52は、待機位置SPにある記録部20における液体吐出ヘッド21のノズル面23と対向する位置に配置される。記録部20における液体吐出ヘッド21のノズル面23にキャップ52が接触することで、ノズル22が開口するキャッピング空間を形成するキャッピングが行われる。
【0051】
メンテナンス部50のキャップ52により、キャッピングが行われることで、液体吐出ヘッド21のノズル22内のインクの増粘が抑制される。これにより液体吐出ヘッド21のノズル22からのインクの吐出不良の発生が予防できる。よって、メンテナンス部50は、キャッピングを行うことで、記録部20のメンテナンスを行う。
【0052】
尚、
図3に示すように、キャップ52は、キャップ52a,52b,52c,52dを含む。メンテナンス部50がキャッピングを行うとき、キャップ52aはノズル群22aが開口するキャッピング空間を形成し、キャップ52bはノズル群22bが開口するキャッピング空間を形成し、キャップ52cはノズル群22cが開口するキャッピング空間を形成し、キャップ52dはノズル群22dが開口するキャッピング空間を形成する。
【0053】
また、
図5に示すように、キャップ52は、廃液チューブ56、および導入管43を介して、廃液収容部装着部40に装着される廃液収容部45と通じる。クリーニング、フラッシング等の記録部20のメンテナンスにおいて、液体吐出ヘッド21のノズル22から排出されて、キャップ52が受けたインクは、吸引機構57により吸引されることで、廃液チューブ56、および導入管43を介して、廃液収容部45に廃液として導入される。
【0054】
クリーニングとは、記録部20に供給されるインクを供給機構28により加圧してノズル22から強制的にインクを排出する動作、あるいはキャッピング状態で吸引機構57を駆動することで、液体吐出ヘッド21のノズル22に吸引力を加えてノズル22から強制的にインクを排出する動作をいう。クリーニングが行われることで、供給チューブ27内、および液体吐出ヘッド21内の増粘インク、気泡、異物等が排出される。これにより、液体吐出ヘッド21のノズル22からのインクの吐出不良の修復、あるいはノズル22からのインクの吐出不良発生の予防を行うことができる。
【0055】
フラッシングとは、ノズル22から記録とは関係のない液滴が排出されるための吐出動作をいう。フラッシングは空吐出ともいう。フラッシングによって、ノズル22から吐出不良の原因となる液体吐出ヘッド21内の増粘インク、気泡、異物等を排出するため、ノズル22の目詰まりを予防することができる。
【0056】
吸引機構57としては、例えば、ローラーが廃液チューブ56を押し潰しながら回転することで、キャップ52側に負圧を作用させてインクを吸い込み、廃液チューブ56に吸い込んだインクを廃液収容部45に向けて送るチューブポンプが採用される。
【0057】
図3から
図5に示すように、ワイパー58は、メンテナンスベース51において、キャップ52と-X方向側に隣り合う位置に配置される。ワイパー58は、X軸方向において、キャップ52と支持部16との間に位置する。
図3に示すように、メンテナンス部50は、ノズル面23のうち各ノズル群22a,22b,22c,22dが配置される領域に対応して、Y軸方向に間隔を置いて並ぶ四つのワイパー58を有する。
【0058】
ワイパー58は、液体吐出ヘッド21のノズル面23に接触可能な
図7に示すワイピング位置と、ワイピング位置から-Z方向に離れた
図4、
図5に示す離隔位置とに移動可能に、ワイパー移動機構59に支持される。
図7に示すように、ワイパー58がワイピング位置にある状態で、記録部20が待機位置SPから記録位置RPに移動することで、ワイパー58によりノズル面23を払拭するワイピングが行われる。ワイピングが行われることで、液体吐出ヘッド21のノズル面23に付着するインク、および塵埃などの汚れが除去される。よって、メンテナンス部50は、ワイピングを行うことで、記録部20のメンテナンスを行う。
【0059】
図3に示すように、制御部90は、筐体12に設けられる。制御部90は、不図示のCPU(Central Processing Unit)、およびメモリーを有する。CPUは、メモリーに記憶される各種プログラムを実行することができ、例えば、各種の判断や各種の命令等を行なうことができる。メモリーには、例えば、媒体Mを搬送するプログラム、記録部20により媒体Mに記録するためのプログラム、操作部15の表示部に液体吐出装置11の状態を表示するための表示方法に関するプログラム等の各種プログラムが記憶されている。また、メモリーには、媒体Mが媒体セット部60から搬送された長さ等の各種カウンター値が記憶されている。
【0060】
制御部90は、液体吐出装置11の全体を制御する。例えば、制御部90は、上流側搬送部18aを制御することで、媒体セット部60にセットされた媒体Mを支持部16に向けて搬送する。また、例えば、制御部90は、供給機構28を制御することで、液体収容部装着部30に装着される液体収容部35から記録部20にインクを供給する。また、例えば、制御部90は、記録部20を制御することで、支持部16に搬送される媒体Mに、液体吐出ヘッド21のノズル22からインクを吐出させて記録する。また、例えば、制御部90は、回転軸71の駆動モーターを制御することで、記録部20により記録された媒体Mを媒体受容部70に巻き取って受容する。
【0061】
また、例えば、制御部90は、メンテナンス部50、記録部20、および供給機構28のいずれかを制御することで、記録部20のメンテナンスを行う。また、例えば、制御部90は、メンテナンス部50の吸引機構57を制御することで、キャップ52に記録部20から排出されたインクを、廃液収容部装着部40に装着される廃液収容部45に収集する。また、例えば、制御部90は、操作部15の表示部を制御することで、操作部15の表示部に液体吐出装置11の状態を表示する。
【0062】
以上述べたように、実施形態1に係る液体吐出装置11によれば、以下の効果を得ることができる。
【0063】
液体吐出装置11は、媒体Mをセット可能な媒体セット部60と、媒体セット部60から搬送される媒体Mを支持可能な支持部16と、支持部16に支持される媒体Mに対してインクを吐出して記録する記録部20と、記録部20に供給するインクを収容する液体収容部35が着脱可能に装着される液体収容部装着部30と、記録部20から廃液として排出されたインクを収容可能な廃液収容部45が着脱可能に装着される廃液収容部装着部40と、を備える。そして、支持部16において媒体Mが搬送される方向を搬送方向TDとするとき、液体収容部装着部30および廃液収容部装着部40は、支持部16の下方となる位置であって、搬送方向TDに沿う方向から見たときに媒体セット部60と重なる位置に設けられる。これによれば、媒体セット部60と支持部16とが鉛直方向に重ならない位置に設けられることで、液体吐出装置11の高さを抑えることができる。更に、上述のようなレイアウトにすることによって、支持部16の下方に生まれるデッドスペースに、液体収容部装着部30と廃液収容部装着部40とを配置することで、液体吐出装置11の高さ以外の大型化も抑制できる。
【0064】
液体収容部装着部30と廃液収容部装着部40とは、搬送方向TDに沿う方向において隣り合う。これによれば、液体吐出装置11の高さをより抑えることができる。
【0065】
液体吐出装置11は、媒体セット部60、液体収容部装着部30および廃液収容部装着部40を収容する筐体12を更に備え、媒体セット部60、液体収容部装着部30および廃液収容部装着部40は、搬送方向TDと交差する筐体12の奥行方向手前側からアクセス可能に設けられる。これによれば、ユーザーの作業性を向上させることができる。
【0066】
液体吐出装置11は、記録部20により記録された媒体Mを受容可能な媒体受容部70を更に備え、液体収容部装着部30および廃液収容部装着部40は、搬送方向TDに沿う方向において、媒体セット部60と媒体受容部70との間に設けられる。これによれば、媒体受容部70を設けた場合でも、媒体セット部60と支持部16と媒体受容部70によって囲まれるデッドスペースに液体収容部装着部30と廃液収容部装着部40を配置することで液体吐出装置11の大型化を抑制できる。
【0067】
媒体セット部60は、ロール状に巻かれた媒体Mをセット可能である。これによれば、ロール状に巻かれた媒体Mをセットするような媒体セット部60を備える液体吐出装置11でも同様の効果が得られる。
【0068】
液体吐出装置11は、記録部20のメンテナンスが可能なメンテナンス部50を更に備え、記録部20は、支持部16と対向する記録位置RPと、搬送方向TDと交差する奥行方向に記録位置RPから離れた待機位置SPと、に移動可能であり、メンテナンス部50は、待機位置SPにある記録部20と対向する位置に設けられ、鉛直方向に沿って見た場合に、メンテナンス部50は、液体収容部35の少なくとも一部とオーバーラップする。これによれば、液体吐出装置11の設置面積の増加を抑制できる。
【0069】
液体吐出装置11は、筐体12の奥行方向手前側に設けられ、各種指示を行うための操作部15を更に備える。これによれば、ユーザーの作業性をより向上させることができる。
【0070】
2.実施形態2
図6、
図7に示すように、実施形態2に係る液体吐出装置11は、上記実施形態1における液体収容部35を、インクを継ぎ足す仕様にすることで、液体収容部装着部30に対して着脱不要にし、液体収容部装着部30に対して液体収容部35を着脱できないように固定したものである。換言すると、実施形態2に係る液体吐出装置11は、筐体12に、液体収容部35を備える。尚、液体収容部35を筐体12に取り付けて固定する場合、液体吐出装置11は、液体収容部装着部30を備えなくてもよい。
【0071】
実施形態2に係る液体吐出装置11におけるその他の構成は、実施形態1に係る液体吐出装置11と同じである。尚、実施形態1と同一の構成部位については、同一の番号を使用し、重複する説明は省略する。尚、
図7では、液体収容部35の模式断面図として、液体収容部35bの断面を示している。
【0072】
本実施形態において、液体収容部35a,35b,35c,35dは、Y軸方向に間隔を置いて並んで配置される。液体収容部35a,35b,35c,35dは、液体収容部装着部30に対して着脱不能に固定される。
【0073】
液体収容部装着部30に固定される液体収容部35は、インクを収容するインク収容室を有するケース36と、ケース36に収容するインクを導出する導出口37と、ケース36に設けられる注入口36bをキャッピングする栓部材39とにより構成される。注入口36bは、液体収容部35を液体収容部装着部30に固定した状態において、ケース36の-X方向側の側壁に配置される。注入口36bは、液体収容部装着部30の-X方向の端より-X方向側に位置し、筐体12から筐体12の奥行方向手前側に向かう方向となる斜め上方に向かって開口する。これにより、液体収容部35を液体収容部装着部30に固定した状態において、ユーザーは、注入口36bを介してケース36のインク収容室にインクを注入することができる。
【0074】
液体収容部35にインクを注入する場合、ユーザーは、栓部材39を注入口36bから外し、インクが充填されたインクボトルの注ぎ口を注入口36bに挿し込み、液体収容部35にインクを注入する。尚、本実施形態では、液体収容部35は液体収容部装着部30に固定されているため、導出口37は、導出管33と常時接続されている。
【0075】
3.実施形態3
図8、
図9に示すように、実施形態3に係る液体吐出装置11は、上記実施形態2における廃液収容部45の廃液収容量を多くすることで廃液収容部装着部40に対して着脱不要にし、廃液収容部装着部40に対して廃液収容部45を着脱できないように固定したものである。換言すると、実施形態3に係る液体吐出装置11は、筐体12に、液体収容部35と、廃液収容部45とを備える。尚、廃液収容部45を筐体12に取り付けて固定する場合、液体吐出装置11は、廃液収容部装着部40を備えなくてもよい。
【0076】
実施形態3に係る液体吐出装置11におけるその他の構成は、実施形態2に係る液体吐出装置11と同じである。尚、実施形態2と同一の構成部位については、同一の番号を使用し、重複する説明は省略する。
【0077】
本実施形態の廃液収容部45は、廃液収容部45の廃液収容量を多くするために、ケース46のX軸方向の寸法、およびZ軸方向の寸法を実施形態1および実施形態2におけるケース46と比較して大きくしている。また、本実施形態の廃液収容部45は、ケース46のX軸方向の寸法、およびZ軸方向の寸法に合わせて、吸収体48を、実施形態1および実施形態2における吸収体48と比較して大きくしている。また、本実施形態の廃液収容部45は、廃液収容部45に収容する廃液からの水分蒸発を促進するために、ケース46の+Z方向側の側壁を削除することで、ケース46内を大気開放している。これらにより、廃液収容部45を廃液収容部装着部40に対して着脱不要とすることで、廃液収容部45は、廃液収容部装着部40に対して着脱不能に固定される。
【0078】
尚、本実施形態では、廃液収容部45は廃液収容部装着部40に固定されているため、導入口47は、導入管43と常時接続されている。また、廃液収容部45は廃液収容部装着部40に対して着脱されないため、廃液収容部45は、実施形態1および実施形態2の廃液収容部45が有する把持部49を備えない。
【0079】
以上述べたように、実施形態3に係る液体吐出装置11によれば、以下の効果を得ることができる。
【0080】
液体吐出装置11は、媒体Mがセットされる媒体セット部60と、媒体セット部60から搬送される媒体Mを支持可能な支持部16と、支持部16に支持される媒体Mに対してインクを吐出して記録する記録部20と、記録部20に供給するインクを収容する液体収容部35と、記録部20から廃液として排出されたインクを収容可能な廃液収容部45と、を備える。そして、支持部16において媒体Mが搬送される方向を搬送方向TDとするとき、液体収容部35および廃液収容部45は、支持部16の下方となる位置であって、搬送方向TDに沿う方向から見たときに媒体セット部60と重なる位置に設けられる。これによれば、媒体セット部60と支持部16とが鉛直方向に重ならない位置に設けられることで、液体吐出装置11の高さを抑えることができる。更に、上述のようなレイアウトにすることによって、支持部16の下方に生まれるデッドスペースに液体収容部35と廃液収容部45を配置することで液体吐出装置11の高さ以外の大型化も抑制できる。
【0081】
液体収容部35と廃液収容部45とは、搬送方向TDに沿う方向において隣り合う。これによれば、液体吐出装置11の高さをより抑えることができる。
【0082】
液体吐出装置11は、記録部20により記録された媒体Mを受容可能な媒体受容部70を更に備え、液体収容部35および廃液収容部45は、搬送方向TDに沿う方向において、媒体セット部60と媒体受容部70との間に設けられる。これによれば、媒体受容部70を設けた場合でも、媒体セット部60と支持部16と媒体受容部70によって囲まれるデッドスペースに液体収容部35と廃液収容部45を配置することで液体吐出装置11の大型化を抑制できる。
【0083】
媒体セット部60は、ロール状に巻かれた媒体Mをセット可能である。これによれば、ロール状に巻かれた媒体Mをセットするような媒体セット部60を備える液体吐出装置11でも同様の効果が得られる。
【0084】
液体吐出装置11は、記録部20のメンテナンスが可能なメンテナンス部50を更に備え、記録部20は、支持部16と対向する記録位置RPと、搬送方向TDと交差する奥行方向に記録位置RPから離れた待機位置SPと、に移動可能であり、メンテナンス部50は、待機位置SPにある記録部20と対向する位置に設けられ、鉛直方向に沿って見た場合に、メンテナンス部50は、液体収容部35の少なくとも一部とオーバーラップする。これによれば、液体吐出装置11の設置面積の増加を抑制できる。
【0085】
液体吐出装置11は、筐体12の奥行方向手前側に設けられ、各種指示を行うための操作部15を更に備える。これによれば、ユーザーの作業性をより向上させることができる。
【0086】
4.実施形態4
実施形態4に係る液体吐出装置11は、上記実施形態1における廃液収容部45を、上記実施形態3の廃液収容部45に変更することで、廃液収容部装着部40に対して着脱不要にし、廃液収容部装着部40に対して廃液収容部45を着脱できないように固定したものである。換言すると、実施形態4に係る液体吐出装置11は、筐体12に、液体収容部装着部30と、廃液収容部45とを備える。実施形態4に係る液体吐出装置11におけるその他の構成は、実施形態1に係る液体吐出装置11と同じである。
【0087】
以上述べたように、実施形態4に係る液体吐出装置11によれば、以下の効果を得ることができる。
【0088】
液体吐出装置11は、媒体Mがセットされる媒体セット部60と、媒体セット部60から搬送される媒体Mを支持可能な支持部16と、支持部16に支持される媒体Mに対してインクを吐出して記録する記録部20と、記録部20に供給するインクを収容する液体収容部35が着脱可能に装着される液体収容部装着部30と、記録部20から廃液として排出されたインクを収容可能な廃液収容部45と、を備える。そして、支持部16において媒体Mが搬送される方向を搬送方向TDとするとき、液体収容部装着部30および廃液収容部45は、支持部16の下方となる位置であって、搬送方向TDに沿う方向から見たときに媒体セット部60と重なる位置に設けられる。これによれば、媒体セット部60と支持部16とが鉛直方向に重ならない位置に設けられることで、液体吐出装置11の高さを抑えることができる。更に、上述のようなレイアウトにすることによって、支持部16の下方に生まれるデッドスペースに、液体収容部装着部30と廃液収容部45を配置することで、液体吐出装置11の高さ以外の大型化も抑制できる。
【0089】
液体収容部装着部30および廃液収容部45は、搬送方向TDに沿う方向において隣り合う。これによれば、液体吐出装置11の高さをより抑えることができる。
【0090】
液体吐出装置11は、媒体セット部60および液体収容部装着部30を収容する筐体12を更に備え、媒体セット部60および液体収容部装着部30は、搬送方向TDと交差する筐体12の奥行方向手前側からアクセス可能に設けられる。これによれば、ユーザーの作業性を向上させることができる。
【0091】
液体吐出装置11は、記録部20により記録された媒体Mを受容可能な媒体受容部70を更に備え、液体収容部装着部30および廃液収容部45は、搬送方向TDに沿う方向において、媒体セット部60と媒体受容部70との間に設けられる。これによれば、媒体受容部70を設けた場合でも、媒体セット部60と支持部16と媒体受容部70によって囲まれるデッドスペースに、液体収容部装着部30と廃液収容部45を配置することで、液体吐出装置11の大型化を抑制できる。
【0092】
媒体セット部60は、ロール状に巻かれた媒体Mをセット可能である。これによれば、ロール状に巻かれた媒体Mをセットするような媒体セット部60を備える液体吐出装置11でも同様の効果が得られる。
【0093】
液体吐出装置11は、記録部20をメンテナンス可能なメンテナンス部50を更に備える。そして、記録部20は、支持部16と対向する記録位置RPと、搬送方向TDと交差する奥行方向に記録位置RPから離れた待機位置SPと、に移動可能であり、メンテナンス部50は、待機位置SPにある記録部20と対向する位置に設けられ、鉛直方向に沿って見た場合に、メンテナンス部50は、液体収容部装着部30の少なくとも一部とオーバーラップする。これによれば、液体吐出装置11の設置面積の増加を抑制できる。
【0094】
液体吐出装置11は、筐体12の奥行方向手前側に設けられ、各種指示を行うための操作部15を更に備える。これによれば、ユーザーの作業性をより向上させることができる。
【0095】
本開示の上記実施形態に係る液体吐出装置11は、以上述べたような構成を有することを基本とするものであるが、本開示の要旨を逸脱しない範囲内での部分的構成の変更や省略等を行うことも勿論可能である。また、上記実施形態および以下に説明する他の実施形態は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。以下、他の実施形態について説明する。
【0096】
上記実施形態において、媒体セット部60にセットされる媒体Mは、ロール状に巻かれた媒体Mでなくてもよい。例えば、媒体セット部60にセットされる媒体Mは、枚葉の媒体Mであってもよい。この場合、媒体セット部60は、複数の媒体Mを収容可能なカセットであってもよい。また、この場合、液体吐出装置11は、媒体セット部60としてのカセットを、Z軸方向に重ねて複数段備えてもよい。また、この場合、媒体セット部60としてのカセットは、筐体12の中央より-Y方向側となる位置に、X軸方向にスライド可能に配置される。また、この場合、媒体受容部70は、記録部20により記録された枚葉の媒体Mを受容可能な板状のトレイであってもよい。また、この場合、媒体受容部70は、支持部16より+Y方向側となる位置に配置される。
【0097】
上記実施形態において、液体吐出装置11は、媒体セット部60から支持部16に搬送されて、記録部20により記録された媒体Mを枚葉に切断する切断機構を備えてもよい。この場合、媒体受容部70は、記録部20により記録されて、切断機構により枚葉に切断された媒体Mを受容可能な板状のトレイであってもよい。また、この場合、媒体受容部70は、支持部16より+Y方向側となる位置に配置される。
【0098】
上記実施形態において、液体収容部装着部30は、筐体12の奥行方向となるX軸方向において、筐体12内の-X方向側端部からメンテナンス部50の鉛直下方となる位置まで延びていなくてもよい。この場合も、液体収容部装着部30、および液体収容部装着部30に配置される液体収容部35は、支持部16の鉛直下方である-Z方向となる位置であって、Y軸に沿う方向から見たときに媒体セット部60と重なる位置に設けられる。
【0099】
上記実施形態において、廃液収容部装着部40は、筐体12の奥行方向となるX軸方向において、筐体12内の-X方向側端部からメンテナンス部50の鉛直下方となる位置まで延びていなくてもよい。この場合も、廃液収容部装着部40、および廃液収容部装着部40に配置される廃液収容部45は、支持部16の鉛直下方である-Z方向となる位置であって、Y軸に沿う方向から見たときに媒体セット部60と重なる位置に設けられる。
【0100】
上記実施形態において、メンテナンス部50は、支持部16の+X方向側に隣り合う位置に配置されなくてもよい。例えば、メンテナンス部50は、支持部16の+Y方向側に隣り合う位置に配置されてもよい。この場合、ヘッド保持部25は、ガイド軸26によって、Y軸方向に移動可能に支持される。そして、液体吐出ヘッド21を保持するヘッド保持部25がガイド軸26によってY軸方向に移動可能に支持されることで、記録部20は、支持部16と対向する記録位置RPと、記録位置RPから+Y方向に離れた待機位置SPと、の間を移動可能に、筐体12に配置される。待機位置SPにおいて、記録部20は、支持部16の+Y方向側に配置されるメンテナンス部50と対向する。また、この場合、媒体受容部70は、メンテナンス部50の鉛直下方となる-Z方向側であって、支持部16より+Y方向側となる位置に配置されてもよい。
【符号の説明】
【0101】
11…液体吐出装置、12…筐体、13…カバー、14…前扉、15…操作部、16…支持部、17…受容フレーム、18a…上流側搬送部、18b…下流側搬送部、19…上扉、20…記録部、21…液体吐出ヘッド、22…ノズル、22a,22b,22c,22d…ノズル群、23…ノズル面、25…ヘッド保持部、26…ガイド軸、27,27a,27b,27c,27d…供給チューブ、28…供給機構、30…液体収容部装着部、31…収容ケース、32…前壁、33…導出管、35,35a,35b,35c,35d…液体収容部、36…ケース、36a…把持部、36b…注入口、37…導出口、38…袋体、39…栓部材、40…廃液収容部装着部、41…収容ケース、42…前壁、43…導入管、45…廃液収容部、46…ケース、47…導入口、48…吸収体、49…把持部、50…メンテナンス部、51…メンテナンスベース、52,52a,52b,52c,52d…キャップ、54…キャップ支持部、56…廃液チューブ、57…吸引機構、58…ワイパー、59…ワイパー移動機構、60…媒体セット部、61…支持軸、62…媒体保持部、63…フランジ、70…媒体受容部、71…回転軸、72…媒体巻取部、73…フランジ、90…制御部、M…媒体、RP…記録位置、SP…待機位置、TD…搬送方向。