IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社IHIシバウラの特許一覧

<>
  • 特開-散布装置の自動化システム 図1
  • 特開-散布装置の自動化システム 図2
  • 特開-散布装置の自動化システム 図3
  • 特開-散布装置の自動化システム 図4
  • 特開-散布装置の自動化システム 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024033800
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】散布装置の自動化システム
(51)【国際特許分類】
   A01C 15/00 20060101AFI20240306BHJP
【FI】
A01C15/00 G
A01C15/00 H
A01C15/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022137633
(22)【出願日】2022-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】000198330
【氏名又は名称】株式会社IHIアグリテック
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】森 素広
【テーマコード(参考)】
2B052
【Fターム(参考)】
2B052BA03
2B052BA06
2B052DC07
2B052DC09
2B052DD04
(57)【要約】
【課題】可変散布量マップ情報に含まれる散布量の修正を簡単にする手段の提供を課題とする。
【解決手段】可変散布量マップ情報は、農業用資材を散布する予定の圃場を、緯度経度情報と紐づけた複数の領域に分けた地図を含み、領域ごとに予定散布量を指定した情報を含むものであり、コントロール部は、入力部と演算部を備え、入力部は、変数を入力するものであり、演算部は、入力された変数に従い、可変散布量マップ情報に含まれる領域の予定散布量に対し、四則演算に含まれるいずれか選択された演算種別の演算を行うことで修正した予定散布量とした修正した可変散布量マップ情報を作成するものであり、コントロール部は、現在の位置情報と前記修正した可変散布量マップ情報に基づき、散布量を制御する信号を散布装置に向けて送信することを特徴とする散布装置の自動化システム。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部と測位部とコントロール部を備え、
前記記憶部は、
可変散布量マップ情報を記憶するものであり、
前記可変散布量マップ情報は、農業用資材を散布する予定の圃場を、緯度経度情報と紐づけた複数の領域に分けた地図を含み、前記領域ごとに予定散布量を指定した情報を含むものであり、
前記測位部は、
散布装置の現在の位置情報を取得するものであり、
前記コントロール部は、入力部と演算部を備え、
前記入力部は、変数を入力するものであり、
前記演算部は、入力された前記変数に従い、前記可変散布量マップ情報に含まれる前記領域の前記予定散布量に対し、四則演算に含まれるいずれか選択された演算種別の演算を行うことで修正した予定散布量を得て修正した可変散布量マップ情報を作成するものであり、
前記コントロール部は、
現在の前記位置情報と修正した前記可変散布量マップ情報に基づき、散布量を制御する信号を前記散布装置に向けて送信することを特徴とする
散布装置の自動化システム。
【請求項2】
さらに一括修正ボタンを有し、前記一括修正ボタンを操作すると前記演算部は、入力された前記変数に従い、前記可変散布量マップ情報に含まれるすべての前記領域の前記予定散布量を、一括して演算して修正した前記可変散布量マップ情報を作成することを特徴とする
請求項1記載の散布装置の自動化システム。
【請求項3】
さらに、領域選択部を備え、前記領域選択部で領域選択がなされた後に、前記一括修正ボタンを操作すると前記演算部は、選択された前記演算種別と入力された前記変数に従い、前記領域選択された前記領域の前記予定散布量を、一括して演算して修正した前記可変散布量マップ情報を作成することを特徴とする
請求項2記載の散布装置の自動化システム。


【請求項4】
記憶部と測位部とコントロール部を備え、
前記記憶部は、
可変散布量マップ情報を記憶するものであり、
前記可変散布量マップ情報は、農業用資材を散布する予定の圃場を、緯度経度情報と紐づけた複数の領域に分けた地図を含み、前記領域ごとに予定散布量を指定した情報を含むものであり、
前記コントロール部は、散布装置を制御するものであり、入力部と演算部と表示部を備え、
前記入力部は、変数を入力するものであり、
前記演算部は、入力された前記変数に従い、修正前の前記可変散布量マップ情報に含まれる前記予定散布量に対し、四則演算に含まれるいずれか選択された演算種別の演算を行うことで修正した前記予定散布量とした修正した前記可変散布量マップ情報を作成するものであり、
前記表示部は、
修正前の前記可変散布量マップ情報に含まれる修正前の前記地図と修正前の前記予定散布量を表示する画面および
修正した前記可変散布量マップ情報に含まれる修正した前記地図と修正した前記予定散布量を表示する画面を
切り換えてまたは1画面にまとめて表示するように制御されていることを特徴とする散布装置の自動化システム。
【請求項5】
さらに一括修正ボタンを有し、前記一括修正ボタンを操作すると前記演算部は、入力された前記変数に従い、前記可変散布量マップ情報に含まれるすべての前記領域の前記予定散布量を、一括して演算して修正した前記可変散布量マップ情報を作成することを特徴とする
請求項4記載の散布装置の自動化システム。
【請求項6】
さらに、領域選択部を備え、前記領域選択部で領域選択がなされた後に、前記一括修正ボタンを操作すると前記演算部は、選択された前記演算種別と入力された前記変数に従い、前記領域選択された前記領域の前記予定散布量を、一括して演算して修正した前記可変散布量マップ情報を作成することを特徴とする
請求項5記載の散布装置の自動化システム。

【請求項7】
記憶部と測位部とコントロール部を備え、
前記記憶部は、
可変散布量マップ情報を記憶するものであり、
前記可変散布量マップ情報は、農業用資材を散布する予定の圃場を、緯度経度情報と紐づけた複数の領域に分けた地図を含み、前記領域ごとに予定散布量を指定した情報を含むものであり、
前記コントロール部は、散布装置を制御するものであり、入力部と演算部と表示部を備え、
前記入力部は、変数を入力するものであり、
前記演算部は、入力された前記変数に従い、修正前の前記可変散布量マップ情報に含まれる予定散布量に対し、四則演算に含まれるいずれか選択された演算種別の演算を行うことで修正した前記予定散布量とした修正した前記可変散布量マップ情報を作成するものであり、
前記表示部は、
修正前の前記可変散布量マップ情報または修正した前記可変散布量マップ情報に含まれる前記地図を表示する画面に、修正前の前記予定散布量と修正した前記予定散布量を区別できる態様で表示するように制御されていることを特徴とする散布装置の自動化システム。
【請求項8】
さらに一括修正ボタンを有し、前記一括修正ボタンを操作すると前記演算部は、入力された前記変数に従い、前記可変散布量マップ情報に含まれるすべての前記領域の前記予定散布量を、一括して演算して修正した前記可変散布量マップ情報を作成することを特徴とする
請求項7記載の散布装置の自動化システム。
【請求項9】
さらに、領域選択部を備え、前記領域選択部で領域選択がなされた後に、前記一括修正ボタンを操作すると前記演算部は、選択された前記演算種別と入力された前記変数に従い、前記領域選択された前記領域の前記予定散布量を、一括して演算して修正した前記可変散布量マップ情報を作成することを特徴とする
請求項8記載の散布装置の自動化システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、肥料、薬剤、種子、石灰等などの土壌改良剤、農薬などの農業用資材を散布する散布装置に関する。
【背景技術】
【0002】
(可変散布量マップが利用できる散布装置)
近年、作業者は、衛星写真、航空写真などから圃場の生育具合のデータを取得できるようになった。作業者は、得られたデータを波長分解するなど加工することで、圃場ごとに生育が良好な領域、生育が標準的な領域、生育が悪い領域を区別できるようになる。
また、圃場内の土壌を多数地点でサンプリングして、土壌の状態を調べた土壌成分マップをつくることも、特許文献1のように行われている。
生育マップや土壌成分マップは、肥料などの農業用資材を散布するのに利用でき、緯度・経度情報と紐づけた可変散布量マップ情報を作ることに使われる。
可変散布量マップは、領域ごとに農業用資材の散布量が規定されており、肥料散布装置は、GPSなどのGNSS測位装置を使用して、経度・緯度情報で規定された領域ごとに、異なる散布量で農業用資材を散布するのに使われている。
可変散布量マップを利用できる散布装置は、肥料以外でも使われており、害虫の食害データマップからは、薬剤の可変散布量マップ情報を作ることができるし、肥料でも、窒素、リン酸、カリウムなどの肥料の種別ごとに細かく可変散布量マップ情報を作ることも可能である。
このような可変散布量マップは、緯度・経度と紐づけられており、圃場を複数の領域に分け、領域ごとに指定した面積当たりの予定散布量を情報として含む。
【0003】
(GNSS測位情報)
GNSS(Global Navigation Satellite System / 全球測位衛星システム)は、GPS(Global Positioning System)や日本の準天頂衛星(QZSS)などの総称である。
可変散布量マップを利用できるGNSS測位部を備えたコントロール部(自動化システム)が既に開発されている。これを取り付けることができる仕様の散布装置も実用化されている。散布装置は、コントロール部(自動化システム)を取り付けることにより、GNSS測位情報から散布装置の現在位置が緯度・経度で特定できる。コントロール部(自動化システム)は、現在散布装置が可変量散布マップ情報のどの領域を走行中かを判断し、当該領域に指定された面積当たりの予定散布量で農業用資材を散布することを可能にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-27号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
可変散布量マップ情報の作成は、科学的な分析により行われる。科学的な分析は、農業用資材の種類や分析対象によって異なる分析機器が使用される。たとえば、分析機器は、撮影されたカラー写真を波長分解し、緑の波長と作物の生育状態と関連付け、生育の良し悪しの程度を識別して領域に分ける。そして、分析機器により、各々の領域に適した予定散布量が指定される。
他方、作業者は、長年の間、同じ圃場で作物を育て、地域の気象・土壌の状態・害虫被害など様々な経験を積んでいる。その作業者が、可変散布量マップ情報に接したとき、違和感を覚えることがあった。たとえば、作成された可変散布量マップ情報どおりに肥料を散布すると生育は良くなるが、害虫被害が多くなるなど、経験に裏付けられた違和感などがある。このような場合、作業者は、可変散布量マップ情報に含まれる予定散布量全体を一律所定の割合減らしたいなどと思うことがある。
また、作業者は、「この領域は、毎年害虫被害が大きく、今は被害が出ていないが、この領域とその周辺領域については防虫薬散布量を多くすべき」など一部領域についてだけ違和感を覚えることがある。
このような場合、作業者は、可変散布量マップ情報に含まれる一部の領域の散布量を増やしたいなどと思うことがある。
【0006】
そのような違和感を覚えた場合、作業者は、可変散布量マップ情報に含まれる散布量情報を修正することができる。しかし、作業者は、領域ごとに散布量情報の修正を行うしかなく、手作業による修正になるため時間がかかり、作業効率が悪かった。また、違和感は、作業者が散布するために圃場に到着し、圃場の作物の生育具合等を見たときに受けるため、現場での修正になる。現場で、時間のかかる修正作業を行うことは、作業者にとって負担になっていた。
【0007】
本発明は、可変散布量マップ情報に含まれる散布量の修正を簡単にする手段の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、記憶部と測位部とコントロール部を備え、前記記憶部は、可変散布量マップ情報を記憶するものであり、前記可変散布量マップ情報は、農業用資材を散布する予定の圃場を、緯度経度情報と紐づけた複数の領域に分けた地図を含み、前記領域ごとに予定散布量を指定した情報を含むものであり、前記測位部は、散布装置の現在の位置情報を取得するものであり、前記コントロール部は、入力部と演算部を備え、前記入力部は、変数を入力するものであり、前記演算部は、入力された前記変数に従い、前記可変散布量マップ情報に含まれる前記領域の前記予定散布量に対し、四則演算に含まれるいずれか選択された演算種別の演算を行うことで修正した予定散布量を得て修正した可変散布量マップ情報を作成するものであり、前記コントロール部は、現在の前記位置情報と修正した前記可変散布量マップ情報に基づき、散布量を制御する信号を前記散布装置に向けて送信することを特徴とする散布装置の自動化システムとすることで課題を解決した。
【0009】
また、別態様として修正に伴う確認作業に注目し、記憶部と測位部とコントロール部を備え、前記記憶部は、可変散布量マップ情報を記憶するものであり、前記可変散布量マップ情報は、農業用資材を散布する予定の圃場を、緯度経度情報と紐づけた複数の領域に分けた地図を含み、前記領域ごとに予定散布量を指定した情報を含むものであり、前記コントロール部は、散布装置を制御するものであり、入力部と演算部と表示部を備え、前記入力部は、変数を入力するものであり、前記演算部は、入力された前記変数に従い、修正前の前記可変散布量マップ情報に含まれる前記予定散布量に対し、四則演算に含まれるいずれか選択された演算種別の演算を行うことで修正した予定散布量とした修正した可変散布量マップ情報を作成するものであり、前記表示部は、修正前の前記可変散布量マップ情報に含まれる修正前の前記地図と修正前の前記予定散布量を表示する画面および修正した前記可変散布量マップ情報に含まれる修正した前記地図と修正した前記予定散布量を表示する画面を切り換えてまたは1画面にまとめて表示するように制御されていることを特徴とする散布装置の自動化システムとすることで課題を解決した。
【0010】
さらに、別態様として修正に伴う確認作業に注目し、記憶部と測位部とコントロール部を備え、前記記憶部は、可変散布量マップ情報を記憶するものであり、前記可変散布量マップ情報は、農業用資材を散布する予定の圃場を、緯度経度情報と紐づけた複数の領域に分けた地図を含み、前記領域ごとに予定散布量を指定した情報を含むものであり、前記コントロール部は、散布装置を制御するものであり、入力部と演算部と表示部を備え、前記入力部は、変数を入力するものであり、前記演算部は、入力された前記変数に従い、修正前の前記可変散布量マップ情報に含まれる予定散布量に対し、四則演算に含まれるいずれか選択された演算種別の演算を行うことで修正した予定散布量とした修正した可変散布量マップ情報を作成するものであり、前記表示部は、修正前の前記可変散布量マップ情報または修正した前記可変散布量マップ情報に含まれる前記地図を表示する画面に、修正前の前記予定散布量と修正した前記予定散布量を区別できる態様で表示するように制御されていることを特徴とする散布装置の自動化システムとすることで課題を解決した。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、きわめて簡単に可変散布量マップ情報に含まれる散布量の修正ができるようになり、作業効率が向上した。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1はコントロール部(自動化システム)を取り付けた散布装置1の説明図である。図1(A)は散布装置の部材の概念図である。図1(B)は可変散布量マップ情報に含まれる地図などを表示部に表示した説明図である。
図2図2は領域を正方形状にブロック化したものであり、可変散布量マップ情報に含まれる地図の表示例である。
図3図3は予定散布量を変数倍に修正する一括修正画面の説明図であり、図3(A)はテンキー(入力部)の表示画面、図3(B)は表示部21に表示された画面の説明図である。
図4図4は演算部で行われる処理の概念図である。
図5図5は実施例2の説明図であり、図5(A)は表示画面の説明図、図5(B)は、図5(A)の予定散布量表示区画(数値)の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[実施例1]
実施例1の散布装置1は、ブロードキャスタである。前述したように、本発明の散布装置1は、何らかの農業用資材を散布する散布装置1であればよく、肥料の散布は一例にすぎない。農業用資材は、肥料の他に、薬剤(殺虫剤、抗菌剤、除草剤等)、石灰等の土壌改良剤、種子など、散布を要する農業用資材であれば何でもよい。
【0014】
(可変散布量マップ情報を利用する散布装置)
図1はコントロール部2(自動化システム)を取り付けた散布装置1の説明図である。図1(A)は散布装置1の部材の概念図である。
図1のコントロール部2(自動化システム)を取り付けた散布装置1は、従来使われていたものであり、その概要を説明する。
散布装置1(ブロードキャスタ)は、トラクタなどの走行車体に取り付けられ、PTO軸から散布部13に動力が送られる。散布部13は肥料を散布するのに必要な機械的構成を備えた部位であり、散布する肥料を溜めるホッパ134を有する。ホッパ134に蓄えられた肥料は、シャッタ131により散布羽根132に送られる量が調整される。シャッタ131を通過した肥料は、PTO軸から送られた動力で回転する散布羽根132に当って飛ばされ、圃場に広く散布される。
【0015】
可変散布量マップ情報3は、情報であってそれ自体が地図31というわけではない。可変散布量マップ情報3は、緯度経度情報と紐づけた複数の領域に分けた地図31を再構成できる情報を含んでいる。また、可変散布量マップ情報3は、領域ごとに指定した予定散布量9Hも含む。可変散布量マップ情報3は、この他に様々な情報を含ませることができる。
また、以下で「可変散布量マップ情報3」や「修正前の可変散布量マップ情報3」「修正した可変散布量マップ情報3」などの用語が使われるが、特に修正前と修正したものを区別したい場合に用いる。修正前後の区別が必要ない場合は単に「可変散布量マップ情報3」が使われる。
また、「地図31」も同様であり、「修正前の地図31A」「修正した地図31B」などと特に修正前と修正したものを区別したい場合に用いる。
【0016】
(コントロール部)
実施例1のコントロール部2(自動化システム)は、別の装置となっており、トラクタなどの走行車両の運転席に取り付けることができる。コントロール部2(自動化システム)は、配線等をとおして、散布装置1と接続され、散布装置1はコントロール部2(自動化システム)の制御を受け付けるようになっている。
実施例1のコントロール部2(自動化システム)は、取り付け取り外しが簡単なように持ち運び自在なコンパクトな筐体に収められている。
【0017】
(コントロール部が備える外観まわりの部材)
コントロール部2(自動化システム)は、中央に表示部21を備えている。実施例1の表示部21は、可変散布量マップ情報3をはじめとする様々な情報を表示できる。そして、表示部21は、画面をタッチすることで入力ができ、アイコン等のシンボル化されたソフトキーを用いて、様々な指令や数値を入力可能な仕様となっている。
コントロール部2(自動化システム)は、その左右の側壁に、入出力端子22を有している。コントロール部2は、散布装置1(ブロードキャスタ)の散布制御部12と右の入出力端子22を介して、常時接続されている。
コントロール部2(自動化システム)は、現在位置を緯度・経度として測位するGNSS測位部5と図示されていない記憶部26と演算部25を備えている。右の入出力端子22は、コネクタ24を介してGNSS測位部5及び散布部13と接続されている。
【0018】
図1(B)は、可変散布量マップ情報3に含まれる地図31などを表示部21に表示した説明図である。可変散布量マップ情報3は、作業前に、左の入出力端子22などを介して、コントロール部2(自動化システム)の記憶部26にダウンロード(矢印はダウンロードを示す)される。
【0019】
コントロール部2(自動化システム)は、可変散布量マップ情報3と現在の位置情報51(経度・緯度)を照らし合わせ、現在どの領域を走行中か特定する。そして、コントロール部2(自動化システム)は、当該領域に指定された予定散布量9Hとなるように、散布部13を制御する。
散布部13の種類、方式、構造などによって異なるが、実施例1の散布部13は、シャッタ131の開度が制御される。コントロール部2(自動化システム)は、シャッタ131の開度を予定散布量9Hになるように制御する。
【0020】
図1(B)の可変散布量マップ情報3は、1つの圃場を領域a~領域eに分け、それぞれの領域に面積当たりの予定散布量9Hを指定した情報を含む。可変散布量マップ情報3に含まれる地図31の情報には、領域a~領域eなどの領域情報が含まれている。
コントロール部2(自動化システム)の記憶部26と演算部25は、筐体内部に取り付けられており、図1(A)のそれぞれ一点鎖線と破線で示されている位置にある。演算部25は現在の散布装置1の位置情報51が領域bにあると判断した場合、コントロール部2(自動化システム)は、粗いドットが示す散布量Akg/10aで散布するように散布量を制御する信号を散布装置1に向けて送信する。
GNSS測位部5が検出した位置情報51(緯度・経度情報)は、常時演算部25へと送られている。
【0021】
散布装置1は、領域ごとに散布を行うのではなく、圃場を往復しながら散布する。
たとえば、散布装置1が、図1(B)で示す圃場を横方向(W-E方向)に散布する場合、往路(W→E)では、領域a・領域b・領域c・領域d及び領域eの順にすべての領域を通るルートを通ることがあり得る。
【0022】
コントロール部2(自動化システム)は、GNSS測位部5からの位置情報51(図1(B)参照)に照らして、散布装置1が位置する領域の予定散布量9Hとなるように、散布部13のシャッタ131に向けて制御信号を送る。
コントロール部2(自動化システム)は、散布装置1を、位置情報51に照らして、瞬時に散布量が可変散布量マップ情報3どおりとなるようにリアルタイムで制御する。
【0023】
(可変散布量マップ情報の表示形態)
可変散布量マップ情報3は、コントロール部2(自動化システム)の表示部21に表示できるようになっている。作業者は、圃場に到着すると、まず可変散布量マップ情報3に含まれる情報を可視化した画像を表示部21に表示させる。
図1(B)は、表示部21の一部に表示されている地図31を図示したものである。地図31は、領域ごとに異なる模様が付けられており、模様は予定散布量9Hと対応する。
画面は、地図31を表示する地図表示区画9Aと、予定散布量表示区画(模様)9DAを表示している。予定散布量表示区画(模様)9DAは、地図31に表示された模様を説明する区画であり、模様シンボル9Kの下に予定散布量9Hを配置することで、地図31に接した作業者が、予定散布量9Hを簡単に把握できるようになっている。
以下、表示部21の表示の態様について、「地図表示区画9A」など「区画」という用語により説明するが、これは画面中の予め地図31が表示されるウインドウのような区画(画像領域)を意味する。「区画」は、1画面中の表示部分を区画と表現しているだけで、図に示されるような境界で区切られていることを意味しない。地図31などを表示する区画が、予め表示領域として設定されていることを意味し、画面上に区切りを入れる否かは適宜である。
【0024】
地図表示区画9Aに地図31を表示する場合は、領域a~領域eなどの領域情報を含んだ地図31が表示される。可変散布量マップ情報3に含まれる情報の表示形態は様々であり、図1(B)はその一例である。
【0025】
出願人は、他の表示形態として、次の図2を説明する。図2は、領域を正方形状にブロック化したものであり、可変散布量マップ情報3に含まれる地図31の表示例である。なお、「a1」などの記号は、領域の識別記号であり、領域を特定するために使われ、地図31に表示される。なお、図2は、説明の都合上、すべての領域に識別記号が図示されていない。実際には、すべてのブロック状の領域に識別記号が割り当てられ、表示される。
各ブロックの幅は、散布装置1(ブロードキャスタ)が散布幅と一致している。作業者は、地図表示区画9Aを見れば、領域と予定散布量9Hの関係を直ちに把握できる。図2の表示形態では、模様説明として予定散布量表示区画(模様)9DAを示す区画と、数値として予定散布量9Hを表示する予定散布量表示区画(数値)9DBが設けられている。数値として予定散布量9Hを表示する予定散布量表示区画(数値)9DBは、指でスクロールすることですべての領域の予定散布量9Hを表示できる。
また、地図表示区画9Aに表示された地図31は、拡大縮小が自在になっている。
なお、領域選択ボタン84は、後述の実施例2で説明される。
【0026】
(作業者の予定散布量の最終チェック作業)
作業者は、圃場に到着すると、予定散布量9Hを確認するために、コントロール部2(自動化システム)の電源を入れ、図1(B)や図2のような画面を表示部21に表示させる。
そして、作業者は、圃場の全体を眺め、自らの経験に照らし予定散布量9Hに違和感がないかをチェックする。
違和感を覚えた作業者は、以下に記すように予定散布量9Hの修正を行う。
【0027】
(予定散布量の修正[一括修正])
図3は予定散布量9Hを変数倍に修正する一括修正画面の説明図である。図3(A)はテンキー86(入力部)の表示画面、図3(B)は地図情報表示画面の説明図である。コントロール部2(自動化システム)は、予定散布量9Hの一括修正モードを備えており、キー操作などで適宜、一括修正モードに入ることができる。
【0028】
テンキー86(入力部)には、演算選択キー89「×」と「-」のキーがあり、次のように使う。
加算:「×」と「-」の演算選択キー89を何も押下しないで、数値のみを入力した場合、加算をとなるように設定されている。変数表示区画9Cには、「+1.25」などと表示される。
引き算:演算選択キー89「-」を押下して、数値を入力すると、引き算となるよう設定されている。変数表示区画9Cには、「-1.25」などと表示される。
乗算:演算選択キー89「×」を押下して、1以上の数値を入力すると、乗算となるよう設定されている。変数表示区画9Cには、「1.25倍」などと表示される。
除算:除算を行う場合は、演算選択キー89「×」と、1未満の数値を小数点キー「・」を使うことで入力する。変数表示区画9Cには、「0.85倍」などと表示される。
このように、コントロール部2(自動化システム)は、四則演算に含まれるいずれか選択された演算を行えるようになっている。
【0029】
図3(A)を例に説明すれば、作業者は、演算選択キー89である「×」キーを最初に押下し、0.85の数値を入力し、次いで入力キー87を押下したため、変数表示区画9Cには除算(乗算)を示す「0.85倍」と表示されている。ここで、数値訂正を行う場合は、作業者は数値訂正ボタン88を押下し、変数の入力を再び行う。
【0030】
作業者が、「0.85倍」で良いと思った場合、圃場の含まれるすべての予定散布量9Hを一括して修正すべく、一括修正ボタン82を押下する。
これにより、演算部25は、修正前の可変散布量マップ情報3に含まれる予定散布量9Hすべて0.85倍し、新たに修正した可変散布量マップ情報3Bを作成する。
【0031】
以上のように、演算部25は、入力された変数に従い、修正前の可変散布量マップ情報3に含まれる予定散布量9Hに対し、四則演算に含まれるいずれか選択された演算種別の演算を行うことで修正した予定散布量9HAとした修正した可変散布量マップ情報3Bを作成する。
【0032】
一括修正ボタン82は、更なるメリットを有する。領域の大きさは様々であり、作業者によっては、ポイントのように小さな領域としたい場合がある。多数の領域(ポイント)の予定散布量9Hを、一つ一つ修正する作業は手間のかかる作業であった。一括修正ボタン82は、すべての領域の予定散布量9Hを一括して修正できるため、大幅に修正作業の効率を高めることが可能にする。
【0033】
(確認画面)
図3(B)は表示部21に表示された画面の説明図である。作業者は、修正した予定散布量表示区画(模様)9EAに表示された修正した予定散布量9HBを見ることができる。また、修正した地図31Bが修正地図表示区画9Bに表示される。作業者は、これらの表示から修正した状況を直ちに把握できる。
また、修正地図表示区画9Bの横には、地図表示区画9Aがあり、修正前の地図31Aが表示され、予定散布量表示区画(模様)9DAには修正前の予定散布量9HAが表示されている。
作業者の覚えた違和感は、自身の経験に基づくものであり修正しても違和感が解消していないこともある。
修正前と修正した両情報が表示部21に表示されるため、両者を比較することができる。
確認画面は、様々な態様があり得るが、実施例1はその一つである。
【0034】
一括修正ボタン82が押下されると、表示部21の画面は図3(B)に切り替わり、修正前の地図表示区画9Aと修正地図表示区画9Bが並んで表示される。
そして、予定散布量表示区画(模様)9DAと修正した予定散布量表示区画(模様)9EAが、それぞれの地図表示区画9Aの上に表示される。また、画面の最上部には、変数表示区画9Cがあり、一括修正した処理の内容が表示される。図3(B)の例では、変数表示区画9Cに「0.85倍」と表示されているので、作業者は、自らが行った修正の内容を確認することができる。
模様シンボル9Kの縦縞は、10kg/10aより大きく20kg/10aの範囲で使われる模様シンボル9Kであり、20kg/10aに近づくほど密な縦縞となることで、視認性を高めている。模様シンボル9Kのドットは、0kg/10aより大きく10kg/10a以下の範囲で使われる模様シンボル9Kであり、10kg/10aに近づくほど密度の高いドットなることで、視認性を高めている。
模様シンボル9Kに代えて、散布量に応じて色の濃淡を変えたり、色を青、黄、緑、赤の順に色を変えたり、地図31に表示する予定散布量9Hの表示の形式は様々であり得る。
【0035】
以上のように、表示部21は、前記選択された演算と前記変数を変数表示区画9Cに表示し、そして同じ画面に修正前の可変散布量マップ情報3と修正した可変散布量マップ情報3Bに含まれる予定散布量9Hと地図31を表示するよう制御される。すなわち、コントロール部2(自動化システム)は、表示部21に修正前の予定散布量9HAと修正前の地図31に加え、修正した予定散布量9HBと修正した地図31を、選択された演算と前記変数と併せて1画面で表示する。
この画面は、作業者が修正前と修正した状態を比較するのに便利であり、簡単に確認作業ができる。
【0036】
さらに、修正前の地図表示区画9Aと修正地図表示区画9Bのいずれか一方の地図31を拡大縮小すると、他方の地図31も連動して拡大縮小されるように構成してもよい。
【0037】
(演算部で行われる修正処理)
図4は演算部25で行われる処理の概念図である。記憶部26に記憶された可変散布量マップ情報3は、演算部25に送られる。なお、可変散布量マップ情報3は、修正前の可変散布量マップ情報3Aでもある。演算選択キー89から演算種別7が、テンキー(入力部)86からは変数6が演算部25に送られる。可変散布量マップ情報3に含まれる予定散布量9Hと演算種別7と変数6を用いて、演算部25は、修正した予定散布量9HBを演算する。
演算部25は、修正前の地図31A、修正した地図31Bを表示部21に送り、地図表示区画9Aと修正地図表示区画9Bにそれぞれ表示させる。
演算部25は、演算種別7と変数6を表示部21に送り、これを変数表示区画9Cに表示させる。
【0038】
演算部25は、修正前の予定散布量9HAを表示部21に送り、予定散布量表示区画(模様)9DAに模様シンボル9Kと併せて表示させる。また、予定散布量表示区画(数値)9DBの詳細は実施例2で説明するが、表示部21は、修正前の予定散布量9HAを数値として予定散布量表示区画(数値)9DBに併せて表示してもよい。
表示部21は、修正した予定散布量9HBを、修正した予定散布量表示区画(模様)9EAに模様シンボル9Kと併せて表示する。また、実施例2で説明するが、修正した予定散布量9HBは、数値として修正前の予定散布量9HAと区別できる態様で予定散布量表示区画(数値)9DBに併せて表示されてもよい。
【0039】
(確定ボタン・戻しボタン)
作業者は、比較することで、違和感が解消されているか確認することができる。解消されている場合、作業者は確定ボタン83を押下する。解消されていない場合、作業者は戻しボタン85を押下して、図3(A)の画面に戻って最初から修正作業をやり直せる。
【0040】
(確認画面の変形例1[別画面表示])
表示部21が小さいなど、表示部21が修正前の地図表示区画9Aと修正地図表示区画9Bを同時に1画面に表示することができない場合がある。
そのような場合、表示部21は別の画面として表示するように制御されていてもよい。
少なくとも修正地図表示区画9Bのある画面には、選択された演算と変数が表示される。
作業者は、修正前の地図表示区画9Aのある画面と修正地図表示区画9Bのある画面を行き来することで、確認作業を行うことができる。
【0041】
[実施例2]
実施例2は、複数の領域を選択し、選択した領域を一括して予定散布量9Hを修正する態様である。作業者は、一部領域だけ、予定散布量9Hを増やしたいと思うことがある。
図5は実施例2の説明図であり、図5(A)は表示画面の説明図、図5(B)は、図5(A)の予定散布量表示区画(数値)9DBの拡大図である。
実施例2で採用されている可変散布量マップ情報3は、図2と同じものであり、ブロック状の多くの区画が並んでいる。
【0042】
(個別の領域を複数選択して、まとめて修正する使い方)
作業者が、識別記号a2・a3・b3・b4の領域だけまとめて予定施肥量を0.85倍にしたい場合を例にして説明する。
修正作業に入る前、予定散布量表示区画(数値)9DBには、すべての領域が表示され、識別記号の横に予定散布量9Hが並んで表示されている。修正作業前の予定散布量表示区画(数値)9DBは、識別番号と予定散布量9Hしか表示していない。
【0043】
図31に表示されているa2・a3・b3・b4の区画は、それ自体が領域選択ボタン84(領域選択部)となっており、作業者は、これをタッチすることで、複数の領域を選択できる。選択された領域は、選択されたことが分かるように色や枠の太さなどの表示が変わる。それと同時に、選択領域表示区画9Jは、選択された領域の識別記号を表示する。作業者は、テンキー86(入力部)を用いて、変数表示区画9Cに希望する演算と変数を入力する。図5の例では、変数は、「×0.85」と入力されており、次いで、一括修正ボタン82が押下される。この操作により、予定散布量表示区画(数値)9DBに表示されたa2・a3・b3・b4の識別記号の下に、修正した予定散布量9HBが表示される。図5で図示した状態は、この状態を示している。
【0044】
(確認画面)
図5の態様は、修正前の可変散布量マップ情報3から取得した地図31を一つの画面に表示している。併せて、表示部21は、予定散布量表示区画(数値)9DBに、修正前の予定散布量9HAと修正した予定散布量9HBを上下に分けて区別できる態様で表示するものであり、作業者は修正前後を比較できる。
【0045】
また、修正前の予定散布量9HAと修正した予定散布量9HBを区別できる態様には、この他にも、色を変えて表示する、文字をイタリック体やゴシック体など異なるフォントで表示するなど様々であり得る。
【0046】
このとき、表示される地図31は、修正した可変散布量マップ情報3Bから取得した地図31であっても、修正前の可変散布量マップ情報3から取得した修正前の地図31であってもよい。
修正した可変散布量マップ情報3Bから取得した地図31を表示する選択をした場合は、新たに修正した領域と修正した予定散布量9HBに対応した地図31が表示される。作業者が、修正した状態を重視する場合にこのような画面を表示させることができる。
【0047】
作業者は、修正前の状態を重視して、修正前の可変散布量マップ情報3から取得した地図31を表示するように選択することもできる。
いずれの態様であっても、修正前の予定散布量9HAと修正した予定散布量9HBが区別できる態様で表示されるように表示部21が制御されているため、作業者の確認作業に支障はない。
【0048】
(領域選択部の別態様)
実施例1は、地図31中に表示された領域自体を、領域選択ボタン84(領域選択部)とする例であった。作業者は、経験に照らし、粗いドットの予定散布量9Hが少なすぎると感じることがある。
図5(A)を参照されたい。作業者は、予定散布量表示区画(模様)9DAにある粗いドットの模様シンボル9Kを押下する。表示された模様シンボル9Kが、すべて領域選択ボタン84(領域選択部)となるように設計されており、模様シンボル9Kを押下すると、当該模様シンボル9Kに対応する領域の識別記号が、選択領域表示区画9Jに表示される。その後、一括修正ボタン82を操作することで、演算部25は、一括して演算し、修正した可変散布量マップ情報3Bを作成する。
このように、予め指定された予定散布量9Hを予定散布量9Hごとに一括して修正することができ、作業者が一つ一つ領域を選択することに比べて著しく作業効率が向上する。
【0049】
また、領域選択ボタン84(領域選択部)により、修正前の予定散布量9HAの模様バリエーションにない修正した予定散布量9HBの領域が生じた場合、コントロール部2(自動化システム)は、修正した予定散布量表示区画(模様)9EAに、修正した予定散布量9HBに新たな模様を割り当て、対応する新たな模様シンボル9Kを表示できるようにしてもよい。修正した地図31の修正領域は、新たな模様シンボル9Kの模様により他の領域と区別ができるような態様で表示部21に表示される。
【0050】
(地図表示の態様性)
可変散布量マップ情報3は、様々なものがあり得、それに応じて、領域選択ボタン84(領域選択部)は変わり得る。また、修正前の可変散布量マップ情報3と修正した可変散布量マップ情報3Bに含まれる、修正前の予定散布量9HAや修正した予定散布量9HBの表示の態様も様々であり得る。
【0051】
領域選択ボタン84(領域選択部)を使って領域を選択した場合、予定散布量表示区画(数値)9DBに表示される画面は、領域a1から並んでおり、どこが修正されたかわかりづらい態様となる。例えば、実施例2のように識別記号a2・a3・b3・b4の領域だけ選択された場合、地図31で見れば互いに近接する領域であるが、領域a1から並ぶ予定散布量表示区画(数値)9DBでは識別記号a2・a3と識別記号b3・b4は離れて表示される。
この不都合を解消するため、選択された領域に限り修正前の予定散布量9HAと修正した予定散布量9HBが表示されるように予定散布量表示区画(数値)9DBの表示内容が切り替わるようにしてもよい。
【0052】
(設計変更)
以上、本発明に係る実施例1や実施例2を中心に、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構造や構成は、これらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更などがあっても本発明に含まれる。
また、前述の変形例や別態様は、その目的および構成などに特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用して組み合わせることが可能である。
【0053】
(持続可能な開発目標:SDGs)
また、本発明の実施例は、作業者の経験に照らして最適量となる農業用資材を簡単に散布することができるように予定散布量9Hを簡単に修正できる散布装置1のコントロール部2(自動化システム)である。本発明は、農業用資材を過剰や不足する量で散布することを防ぎ、農地を健全に維持することに貢献できる。このように、本発明は、持続的な農作物の生産をとおして、「陸の豊かさも守ろう」という目標15に寄与できる。
【符号の説明】
【0054】
1 散布装置(ブロードキャスタ)
12 散布制御部
13 散布部
131 シャッタ
132 散布羽根
134 ホッパ
2 コントロール部(自動化システム)
21 表示部
22 入出力端子
24 コネクタ
25 演算部
26 記憶部
3 可変散布量マップ情報
31 地図
31A 修正前の地図
31B 修正した地図
5 GNSS測位部
81 変数入力ボタン
82 一括修正ボタン
83 確定ボタン
84 領域選択ボタン(領域選択部)
85 戻しボタン
86 テンキー(入力部)
87 入力キー
89 演算選択キー
9A 地図表示区画
9B 修正地図表示区画
9C 変数表示区画
9DA 予定散布量表示区画(模様)
9DB 予定散布量表示区画(数値)
9EA 修正した予定散布量表示区画(模様)
9H 予定散布量
9HA 修正前の予定散布量
9HB 修正した予定散布量
9J 選択領域表示区画
9K 模様シンボル
図1
図2
図3
図4
図5