(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024033822
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】作業支援装置、作業支援方法及び作業支援プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/06 20240101AFI20240306BHJP
【FI】
G06Q50/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022137674
(22)【出願日】2022-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坂野 正太郎
(72)【発明者】
【氏名】大秋 大輔
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC06
(57)【要約】 (修正有)
【課題】作業の対象となる設備や作業に用いる装備に応じて、適切な注意喚起を通知することが可能な作業支援装置を提供する。
【解決手段】作業者が装着し作業者の支援を行う作業支援装置1において、処理部10は、作業者の装備を示す第1情報を取得する取得部110と、作業の対象となる設備を示す第2情報を取得する取得部111と、設備の作業に要する装備を示す第3情報を取得する取得部112と、第1~第3情報が取得された後に、作業者が装備を装着した状態で設備の作業を行うに際し、安全性に関する注意を喚起するための注意喚起情報を、現実世界の設備に対応させて表示装置に表示させる表示制御部117と、を備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業者が装着し前記作業者の支援を行う作業支援装置であって、
前記作業者の装備を示す第1情報を取得する第1取得部と、
作業の対象となる設備を示す第2情報を取得する第2取得部と、
前記設備の作業に要する装備を示す第3情報を取得する第3取得部と、
前記第1~第3情報が取得された後に、前記作業者が前記装備を装着した状態で前記設備の作業を行うに際し、安全性に関する注意を喚起するための注意喚起情報を、現実世界の前記設備に対応させて表示する表示部と、
を備える作業支援装置。
【請求項2】
請求項1に記載の作業支援装置であって、
前記注意喚起情報は、
前記第1~第3情報に基づいて生成される、
作業支援装置。
【請求項3】
請求項1に記載の作業支援装置であって、
前記表示部は、前記注意喚起情報を、前記設備内の複数のエリアごとに表示する、
作業支援装置。
【請求項4】
請求項3に記載の作業支援装置であって、
前記注意喚起情報は、前記複数のエリアの危険度合いに応じた画像であり、
前記表示部は、前記注意喚起情報を前記設備に重ねて表示する、
作業支援装置。
【請求項5】
請求項4に記載の作業支援装置であって、
前記注意喚起情報は、前記安全性に関する説明文を含む、
作業支援装置。
【請求項6】
請求項1に記載の作業支援装置であって、
前記表示部は、前記第1~第3情報が取得された後に、前記設備に対する複数の作業項目を表示し、
前記複数の作業項目のうち、前記作業者が選択した何れかの作業項目が受け付けられると、前記作業者の装備が、前記何れかの作業項目の作業を行う条件を満たしているか否かの判定結果を表示する、
作業支援装置。
【請求項7】
請求項6に記載の作業支援装置であって、
前記表示部は、前記作業者の装備が、前記何れかの作業項目の作業を行う条件を満たしていない場合、前記作業者の装備が、前記何れかの作業項目の作業を行う条件を満たすために必要な前記作業者の装備の情報を更に表示する、
作業支援装置。
【請求項8】
作業者が装着する作業支援装置が、前記作業者の支援を行う作業支援方法であって、
前記作業者の装備を示す第1情報を取得するステップと、
作業の対象となる設備を示す第2情報を取得するステップと、
前記第1~第3情報が取得された後に、前記作業者が前記装備を装着した状態で前記設備の作業を行うに際し、安全性に関する注意を喚起するための注意喚起情報を、現実世界の前記設備に対応させて表示するステップと、
を含む作業支援方法。
【請求項9】
作業者の支援を行う作業支援プログラムであって、
コンピュータに、
前記作業者の装備を示す第1情報を取得する処理と、
作業の対象となる設備を示す第2情報を取得する処理と、
前記第1~第3情報が取得された後に、前記作業者が前記装備を装着した状態で前記設備の作業を行うに際し、安全性に関する注意を喚起するための注意喚起情報を、現実世界の前記設備に対応させて表示する処理と、
を実行させる作業支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業支援装置、作業支援方法及び作業支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
拡張現実技術を用いて、使用者が行う作業を支援するとともに、作業に付随する危険等の注意点を通知する技術が知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された技術は、事故やヒヤリハットといった過去の事例に基づいて注意点を通知する。つまり、作業の対象となる設備や作業に用いる装備等の製造元の注意事項に基づいて注意点を通知するものではない。そのため、設備や装備に応じた適切な注意点を通知することが困難である。
【0005】
本発明の目的は、作業の対象となる設備や作業に用いる装備に応じて、適切な注意喚起を通知することが可能な作業支援装置、作業支援方法及び作業支援プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための一の発明は、作業者が装着し前記作業者の支援を行う作業支援装置であって、前記作業者の装備を示す第1情報を取得する第1取得部と、作業の対象となる設備を示す第2情報を取得する第2取得部と、前記設備の作業に要する装備を示す第3情報を取得する第3取得部と、前記第1~第3情報が取得された後に、前記作業者が前記装備を装着した状態で前記設備の作業を行うに際し、安全性に関する注意を喚起するための注意喚起情報を、現実世界の前記設備に対応させて表示する表示部と、を備える作業支援装置である。本発明の他の特徴については、本明細書の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、作業の対象となる設備や作業に用いる装備に応じて、適切な注意喚起を通知することが可能な作業支援装置、作業支援方法及び作業支援プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】作業支援装置及び作業対象となる設備を説明するための図である。
【
図2】作業支援装置のハードウェア構成を示す図である。
【
図4】所定の設備を作業する際の装備の登録情報を説明する図である。
【
図5】作業支援装置の機能ブロックを示す図である。
【
図6】作業前の確認作業の処理を説明するフローチャートである。
【
図7】作業前の確認作業の処理を説明するフローチャートである。
【
図8】作業前の確認作業の処理を説明するフローチャートである。
【
図9】作業前の確認作業において、装備の情報を取得する方法を説明する図である。
【
図10】作業支援装置が注意喚起情報を表示するまでの処理を説明するフローチャートである。
【
図13】作業支援装置が作業に必要な装備の情報を表示するまでの処理を説明するフローチャートである。
【
図14】他の作業を選択する際の表示画面の一例を示す図である。
【
図15】作業支援システムの概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
==実施形態==
<作業支援装置1>
図1は、本実施形態の作業支援装置1及び作業対象となる設備7を説明するための図である。
図1には、作業支援装置1を装着した作業者5と、作業の対象となる設備7が示されている。
【0010】
作業支援装置1は、作業者5が装着可能なヘッドマウントディスプレイ方式の拡張現実(AR)装置である。具体的には、作業支援装置1は、に、作業の準備又は実際の作業を支援するための情報を作業者5に通知する装置である。
【0011】
詳細は後述するが、「作業者5が設備7に対する作業を行う前に通知する情報」とは、必要な装備についてのガイダンス、安全性に関する注意を喚起するための情報、作業を行うための条件を満たすために必要な装備等の情報等が含まれる。
【0012】
また、「作業者5が設備7に対する作業中に通知する情報」とは、作業の手順の詳細な情報が含まれる。
【0013】
設備7は、高電圧が印加されるインバータ等の電気設備である。設備7には、複数のパーツが取り付けられている。
【0014】
本実施形態では、設備7は、パーツPa1~Pa5が取り付けられている。パーツPa1~Pa5は、異なるエリアに配置されている。
【0015】
以下、作業支援装置1のハードウェア構成及び作業支援装置1の機能ブロックの順に説明する。
【0016】
<作業支援装置1のハードウェア構成>
図2は、本発明の一実施形態である作業支援装置1のハードウェア構成を説明する図である。作業支援装置1は、CPU(Central Processing Unit)100と、メモリ101と、通信装置102と、記憶装置103と、入力装置104と、表示装置105と、カメラ106とを有するコンピュータである。
【0017】
[CPU100]
CPU100は、メモリ101や記憶装置103に記憶された情報処理プログラムを実行することにより、作業支援装置1が有する様々な機能を実現する。
【0018】
[メモリ101]
メモリ101は、例えばRAM(Random-Access Memory)等であり、様々なプログラムやデータ等の一時的な記憶領域として用いられる。
【0019】
[通信装置102]
通信装置102は、ネットワークNWを介して、他のコンピュータと各種プログラムやデータの受け渡しを行う。
【0020】
[記憶装置103]
記憶装置103は、CPU100によって、実行または処理される各種データを格納する非一時的な(例えば不揮発性の)記憶装置である。記憶装置103には、装備等の登録情報と、設備7の作業に要する装備の登録情報といったデータベースが格納されている(これらの詳細は後述する)。
【0021】
[入力装置104]
入力装置104は、ユーザからの入力を受け付ける装置である。本実施形態の入力装置104は、作業支援装置1に設けられた物理スイッチ、画像認識により感知された作業者の指先の動きに基づいて入力を受け付ける入力装置(ジェスチャー入力)、及び音声認識に基づく音声入力装置を含む。
【0022】
なお、入力装置104は上記に限定されず、他の例として、検出された作業者5の脳波に基づいて入力を受け付ける装置であってもよい。
【0023】
あるいは、入力装置104は、作業者5の眼球の動きを検知することで作業者5の視線を追跡し、作業者5が注視した位置に基づいて入力を受け付ける視線入力装置を含んでもよい。
【0024】
あるいは、作業支援装置1に接続された、スマートフォン、スマートウォッチ等のリモートコントローラを介して入力を受け付ける方式であってもよい。
【0025】
[表示装置105]
表示装置105は、ホログラフィックディスプレイといった画像出力装置である。
【0026】
[カメラ106]
カメラ106は、作業支援装置1を装着した作業者5の視界に対応する環境を撮像することができる。
【0027】
以下、上述した記憶装置103に格納されている、装備等の登録情報と、設備7の作業に要する装備の登録情報とについて説明する。
【0028】
[装備等の登録情報]
図3は、装備等の登録情報90を説明する図である。ここで、本実施形態における「装備等」とは、装備、資格、工具及び部品を含む。
【0029】
「装備」とは、例えば手袋、靴、ヘルメット等、作業に際して作業者5が装着する道具である。「装備の登録情報」とは、組織が保有している装備ごとの商品名、識別番号、規格、性能等の情報である。
【0030】
「資格」とは、作業者が設備を点検、作業等する際に必要となる資格、免許(例えば、電気主任技術者)である。「資格の登録情報」とは、組織に所属している作業者ごとの保有している資格、免許等の情報である。
【0031】
「工具」とは、例えばペンチ、スパナ等、作業者が作業に際して用いる道具である。「工具の登録情報」とは、組織が保有している工具ごとの商品名、識別番号、規格、性能等の情報である。
【0032】
「部品」とは、例えばネジ、油等の、設備7に対して交換や補充の対象となるものである。「部品の登録情報」とは、組織が保有している部品ごとの商品名、識別番号、規格等の情報である。
【0033】
図3には、装備等の例として、靴(
図3(a))、手袋(
図3(b))及び資格(
図3(c))の登録情報90が示されている。
【0034】
登録情報90a(
図3(a))は、靴に関する情報であり、1列目に靴を識別するための識別番号(Sh1~Sh6)が示されている。靴の規格及び性能として、2列目から順に、耐圧、ESD(Electro―StaticDischarge)防止機能、作業区分、衝撃耐性及び切創耐性が示されている。
【0035】
また、7列目には、登録情報90aに登録されるに際して、組織の承認を得られているか否か(エビデンス)が示されている。組織の承認を得られている場合は「有」が表示され、組織の承認を得られていない場合は、「無」が表示される。
【0036】
登録情報90b(
図3(b))は、手袋に関する情報であり、1列目に手袋を識別するための識別番号(Gl1~Gl7)が示されている。手袋の規格及び性能として、2列目から順に、耐圧、ESD防止機能、油耐性、グリップ力及び切創耐性が示されている。また、7列目には、エビデンスが示されている。
【0037】
登録情590c(
図3(c))は、資格に関する情報であり、1列目に作業者の名称が示されている。資格、免許等の種別として、2列目から順に、低圧、高圧及び薬品が示されている。
【0038】
また、5列目には、データベースの連携の有無が示されている。データベースの連携がある場合とは、登録情報90cと、作業者5の資格、免許等を含む情報が登録された他のデータベースとが連携している場合である。この場合、他のデータベースが更新されると、更新情報が登録情報90cに反映される。
【0039】
[設備の作業に要する装備の登録情報]
図4は、所定の設備7を作業する際の装備の登録情報91を説明する図である。登録情報91において、1列目には、作業を識別するための識別番号(Wo1~Wo5)が示されている。2列目には、修理内容(ここでの「修理」は、作業の一例である)が示されている。
【0040】
3列目には、作業を行う作業者5に必要な資格が示され、4列目には、作業を行うために要する作業者の最低人数が示されている。
【0041】
5列目には、作業を行うために要する靴の条件が示され、6列目には、作業を行うために要する手袋の条件が示されている。
【0042】
7列目には、作業を行うために要する工具が示され、8列目には、作業を行うために要する部品が示されている。
【0043】
この例では、例えば作業Wo1は、設備7の修理のためにパーツPa1を交換する作業である。作業Wo1を行うための条件は、以下の通りである。
【0044】
作業Wo1を行う作業者5は、低圧及び高圧の資格が必要であり、作業Wo1を行う作業者5の人数は1人で足りる。作業Wo1を行うに際し、作業者5は、AC200Vの耐圧を有する靴と手袋が必要である。さらに、作業Wo1を行うに際し、作業者5は、工具To1,To2及び部品Pa1を準備する必要がある。
【0045】
<作業支援装置1の機能ブロック>
図5は、本発明の一実施形態である作業支援装置1の機能ブロックを説明する図である。作業支援装置1には、作業の準備又は実際の作業を支援するための情報を作業者に通知するための各種処理を実行する処理部10が実現される。
【0046】
処理部10は、取得部110と、取得部111と、取得部112と、生成部113と、受付部114と、判定部115と、生成部116と、表示制御部117とを有する。以下では、これらの概要について説明し、これらが実行する処理の詳細な説明は、後述するフローチャートを用いて行う。
【0047】
[取得部110]
取得部110(「第1取得部」に相当)は、作業者5の装備を示す情報I1(「第1情報」に相当)を取得する。「作業者5の装備」とは、作業者5が装着している、又は作業時に装着する予定の装備である。
【0048】
[取得部111]
取得部111(「第2取得部」に相当)は、作業の対象となる設備7を示す情報I2(「第2情報」に相当)を取得する。
【0049】
[取得部112]
取得部112(「第3取得部」に相当)は、設備7の作業に要する装備等を示す情報I3(「第3情報」に相当)を取得する。
【0050】
[生成部113]
生成部113は、取得部110~112が取得した情報I1~I3に基づいて、注意喚起情報を生成する。「注意喚起情報」とは、作業者5が装備を装着した状態で設備7の作業を行うに際し、安全性に関する注意を喚起するための情報である。
【0051】
[受付部114]
受付部114は、設備7に対する複数の作業項目のうち、作業者5が作業支援装置1から作業支援を受けるべく選択した何れかの作業項目を受け付ける。
【0052】
[判定部115]
判定部115は、作業者5の装備が、受付部114で受け付けられた作業項目の作業を行うための条件を満たしているか否かを判定する。
【0053】
[生成部116]
生成部116は、作業者5の装備が、受付部114で受け付けられた作業項目の作業を行うための条件を満たすために必要な情報を生成する。
【0054】
[表示制御部117]
表示制御部117は、作業支援装置1の表示装置105に、生成部113が生成した注意喚起情報、判定部115による判定結果、生成部116が生成した必要な作業者5の装備の情報等を表示装置105に表示させる。表示制御部117は、更に、作業に必要な装備についてのガイダンス、作業支援を実行するための情報を、表示装置105に表示させる。
【0055】
なお、表示制御部117及び前述の表示装置105は、「表示部」に相当する。
【0056】
以上説明した作業支援装置1は、「作業前の確認作業」、「注意喚起情報の表示」及び「作業に必要な装備の情報の表示」といった処理を実行する。以下、それぞれの処理について詳細に説明する。
【0057】
<<作業前の確認作業>>
図6~8は、作業前の確認作業の処理を説明するフローチャートである。
図9は、作業前の確認作業において、装備の情報を取得する方法を説明する図である。
【0058】
なお、以下の説明において、作業者5は、作業Wo1(つまり、
図4の登録情報91に示す「Pa1の交換」)を行うとし、そのための確認作業を例示して説明する。
【0059】
また、以下の説明では、作業者5は、靴については識別番号Sh4の靴(
図3(a))、手袋については識別番号Gl4の手袋(
図3(b))を装着しているとして説明する。
【0060】
また、以下の説明では、特に断らない限り、処理部10が処理を実行するとして説明する。
【0061】
先ず、ステップS101において、処理部10は、作業に必要な装備等についてのガイダンスを開始する。ガイダンスは、作業支援装置1の表示装置105を介した映像、音声等によって作業者5に提供される。
【0062】
次いで、ステップS102において、作業者5は、ガイダンスに従って、作業Wo1を行うための条件を満たす工具、部品等を用意しているかを確認する。
【0063】
ステップS102において、作業者5が、条件を満たす工具、部品等を用意していると判断し、作業者5によって判断結果が処理部10に入力されると(ステップS102:Y)、ステップS104に進む。
【0064】
一方、ステップS102において、作業者5が、条件を満たす工具、部品等を用意していないと判断し、作業者5によって判断結果が処理部10に入力されると(ステップS102:N)、ステップS103に進む。
【0065】
ステップS103において、作業者5は工具、部品等の確認をスキップすることができる。スキップする場合、作業者5のスキップする旨の操作結果が処理部10に入力されると(ステップS103:Y)ステップS104に進む。スキップしない場合、作業者5のスキップしない旨の操作結果が処理部10に入力されると(ステップS103:N)、処理部10は確認作業を中止する。
【0066】
次いで、ステップS104において、作業者5は、ガイダンスに従って、作業Wo1を行うための条件を満たす免許等の条件を満たしているかを確認する。
【0067】
ステップS104において、作業者5が、免許等の条件を満たしていると判断し、作業者5によって判断結果が処理部10に入力されると(ステップS104:Y)、ステップS106に進む。
【0068】
一方、ステップS104において、作業者5が、免許等の条件を満たしていないと判断し、作業者5によって判断結果が処理部10に入力されると(ステップS104:N)、ステップS105に進む。
【0069】
ステップS105において、作業者5は免許等の確認をスキップすることができる。スキップする場合、作業者5のスキップする旨の操作結果が処理部10に入力されると(ステップS105:Y)ステップS106に進む。スキップしない場合、作業者5のスキップしない旨の操作結果が処理部10に入力されると(ステップS105:N)、処理部10は確認作業を中止する。
【0070】
次いで、ステップS106において、作業者5は、ガイダンスに従って、作業Wo1を行うための条件を満たす人数条件を満たしているかを確認する。
【0071】
ステップS106において、作業者5が、人数条件を満たしていると判断し、作業者5によって判断結果が処理部10に入力されると(ステップS106:Y)、ステップS108に進む。
【0072】
一方、ステップS106において、作業者5が、人数条件を満たしていないと判断し、作業者5によって判断結果が処理部10に入力されると(ステップS106:N)、ステップS107に進む。
【0073】
ステップS107において、作業者5は人数条件の確認をスキップすることができる。スキップする場合、作業者5のスキップする旨の操作結果が処理部10に入力されると(ステップS107:Y)ステップS108に進む。スキップしない場合、作業者5のスキップしない旨の操作結果が処理部10に入力されると(ステップS107:N)、処理部10は確認作業を中止する。
【0074】
次いで、ステップS108において、処理部10は、作業者5が条件を満たす靴を装着しているか否かを判断する。このとき、
図9(a)に示すように、作業者5が作業支援装置1を装着した状態で、靴を視認する。そうすると、取得部110は、カメラ106を介して靴を認識し、処理部10は、条件を満たす靴であるか否かを判断する。
【0075】
ステップS108において、処理部10が、作業者5が条件を満たす靴を装着していると判断すると(ステップS108:Y)、ステップS109に進む。
【0076】
一方、ステップS108において、処理部10が、条件を満たす靴を装着していないと判断すると(ステップS108:N)、装備変更フローに進む。
【0077】
ここで、装備変更フローについて説明する。
図8は、装備変更フローの処理を説明する図である。
【0078】
先ず、
図7のステップS108において、処理部10が、作業者5が条件を満たす靴を装着していないと判断すると(ステップS108:N)、ステップ201において、処理部10は、条件を満たさない理由をガイダンスする。ここで、作業者5は、ガイダンスを視聴し、条件を満たすための対応をするか、対応をせずにスキップするか、確認作業を中止するかを検討する。
【0079】
次いで、ステップS202において、作業者5は、スキップすると判断し、作業者5のスキップする旨の操作結果が処理部10に入力された場合はステップS109(
図7)に進む。一方、ステップS202において、作業者5は、確認作業を中止すると判断し、確認作業を中止する旨を処理部10に入力した場合は(ステップS202:作業中止)、処理部10は確認作業を中止する。
【0080】
また、ステップS202において、作業者5は、対応すると判断し、対応する旨を処理部10に入力した場合は(ステップS202:対応する)、ステップS203に進む。
【0081】
ステップS203において、作業者5は、この時点で作業者5が装着している靴を新たに登録情報90aに登録するか、装着している靴を変更するかを選択することができる。
【0082】
なお、靴を新たに登録する必要のある場合とは、この時点で装着している靴が登録情報90a(
図3)に含まれていないために、ステップS109において処理部10が条件を満たさないと判断した場合が考えられる。
【0083】
装着している靴を変更する場合、作業者5は、装着する靴を他の靴に変更し、変更した旨を処理部10に入力すると(ステップS203:変更)、ステップS108に戻る。この時点で装着している靴の情報を新たに登録する場合、新たに登録する旨を処理部10に入力すると(ステップS203:登録)、ステップS204に進む。
【0084】
ステップS204において、作業者5は、この時点で装着している靴の保証書等から、靴の規格、性能等を確認する。ここで、作業者5は、保証書等が靴と一体として(例えばソール等に)表示されているか、靴とは別体として(例えば書類等に)表示されているかを確認する。
【0085】
ステップS204において、保証書等が靴と一体として表示されている場合(ステップS204:一体)、ステップS206に進む。
【0086】
一方、ステップS204において、保証書等が靴と別体として表示されている場合(ステップS204:別体)、ステップS205に進む。
【0087】
ステップS205において、作業者5は、この時点で装着している靴を新たに登録情報90aに登録するために、所属する組織の承認を得る。処理部10が、作業者5から組織の承認を得た旨を受け付けると、ステップS206に進む。
【0088】
ステップS206において、作業者5は、この時点で装着している靴を、登録情報に新たに登録する。このステップで登録が完了すると、ステップS108に戻る。以上の処理によって装備変更フローの処理が終了する。以下、ステップS109(
図7)以降の説明に戻る。
【0089】
次いで、ステップS109において、処理部10は、作業者5が条件を満たす手袋を装着しているか否かを判断する。このとき、
図9(b)に示すように、作業者5が作業支援装置1を装着した状態で、手袋を視認する。そうすると、取得部110は、カメラ106を介して手袋を認識し、処理部10は、条件を満たす手袋であるか否かを判断する。
【0090】
ステップS109において、処理部10が、作業者5が条件を満たす手袋を装着していると判断すると(ステップS109:Y)、ステップS110に進む。
【0091】
一方、ステップS109において、処理部10が、作業者5が条件を満たす手袋を装着していないと判断すると(ステップS109:N)、装備変更フローに進む。
【0092】
手袋についての装備変更フローも、靴についての装備変更フローと同様である。上述した靴についての装備変更フローについて、適宜「靴」を「手袋」と置き換えればよい。
【0093】
次いで、ステップS110において、処理部10は、作業者5が条件を満たすヘルメットを装着しているか否かを判断する。このとき、
図9(c)に示すように、作業者5が作業支援装置1を装着した状態で、ヘルメットを視認する。そうすると、取得部110は、カメラ106を介してヘルメットを認識し、処理部10は条件を満たすヘルメットであるか否かを判断する。
【0094】
ステップS110において、処理部10が、作業者5が条件を満たすヘルメットを装着していると判断すると(ステップS110:Y)、ステップS111に進む。
【0095】
一方、ステップS110において、作業者5が、条件を満たすヘルメットを装着していないと判断すると(ステップS110:N)、装備変更フローに進む。
【0096】
ヘルメットについての装備変更フローも、靴についての装備変更フローと同様である。上述した靴についての装備変更フローについて、適宜「靴」を「ヘルメット」と置き換えればよい。
【0097】
次いで、ステップS111において、処理部10は、以前の処理において、スキップした項目がないか否かを判断する。具体的には、処理部10は、ステップS103、S105、S107、S202の何れかにおいて、スキップした項目がないか否かを判断する。
【0098】
ステップS111において、処理部10が、スキップした項目がないと判断した場合(ステップS111:Y)、確認作業を終了する。一方、ステップS111において、処理部10が、スキップした項目があると判断した場合(ステップS111:N)、確認作業を中止する。
【0099】
<<注意喚起情報の表示>>
作業者5は、上述の確認作業を行った後、作業の対象となる設備7が設置された作業現場に赴く。このとき、作業支援装置1は、作業者5に対して注意喚起情報を通知する。
【0100】
以下、作業支援装置1が注意喚起情報を通知するまでの処理について説明する。なお、前述のように、設備7に対する作業として、作業Wo1(
図4)を例示して説明する。
【0101】
また、前述のように、作業者5は、靴については識別番号Sh4の靴(
図3(a))、手袋については識別番号Gl4の手袋(
図3(b))を装着しているとする。
【0102】
図10は、作業支援装置1が注意喚起情報を表示するまでの処理を説明するフローチャートである。
【0103】
先ず、ステップS301において、取得部110は、作業者5が装着している装備を認識する。このとき、
図9(a)~(c)に示したように、作業者5が作業支援装置1を装着した状態で、靴、手袋及びヘルメット(装備)を視認する。そうすると、取得部110は、カメラ106を介して、装備を認識する。
【0104】
取得部110は、装備等を認識すると、それぞれの装備等の識別番号を特定する。このとき、取得部110は、組織が保有している装備等の画像データと、画像データのそれぞれに紐づけられた識別番号を含む装備等データベース(図示せず)を参照し、装備等の識別番号を特定する。
【0105】
そうすると、取得部110は、登録情報90(
図3)を参照し、認識した装備の識別番号に紐付けられた登録情報90を取得する。ここで、認識した装備の識別番号に紐付けられた登録情報90は、「作業者5の装備を示す第1情報」の一例である。
【0106】
なお、
図7のステップS108、S109及びS110において、取得部110が既に靴、手袋及びヘルメットの登録情報90を取得している。この登録情報90を取得部110が依然として保持している場合、ステップS301は省略してもよい。
【0107】
次いで、ステップS302において、取得部111は、カメラ106を介して、作業の対象となる設備7を認識する。このとき、作業者5が作業支援装置1を装着した状態で、設備7を視認する。取得部111は、設備7を認識すると、設備7の識別番号を取得する。
【0108】
このとき、取得部111は、組織が保有している設備の画像データと、画像データのそれぞれに紐づけられた識別番号を含む設備データベース(図示せず)を参照し、設備7の識別番号を特定する。ここで、設備7の識別番号は、「作業の対象となる設備を示す第2情報」の一例である。
【0109】
次いで、ステップS303において、取得部112は、設備7の作業に要する装備の情報を取得する。取得部112は、ステップS302で取得された設備7の識別番号に基づいて、設備7の登録情報91(
図4)を参照する。更に、取得部112は、作業者5が予定している作業Wo1に要する装備等の登録情報91を取得する。
【0110】
次いで、ステップS304において、生成部113は、注意喚起情報を生成する。生成部113は、ステップS301で取得された識別番号に係る登録情報90(
図3)と、ステップS302で取得された設備7の識別番号と、ステップS303で取得された作業Wo1に要する装備の情報とに基づいて生成される。
【0111】
次いで、ステップS305において、表示制御部117は、注意喚起情報を表示装置105に表示する。このとき、表示制御部117は、注意喚起情報を、現実世界の設備7に対応させて表示する。
【0112】
図11は、注意喚起情報の一例を示す図である。
図11では、作業者5が作業支援装置1を装着した状態で設備7を視認した際に、作業支援装置1の表示装置105を介して視認される画像を示している。
【0113】
本実施形態では、作業Wo1(パーツPa1の交換)を行う例を挙げて説明しているが、表示制御部117は、作業Wo1以外の作業(パーツPa1の交換以外)についての注意喚起情報も表示している。
【0114】
先ず、設備7のパーツPa1及びパーツPa2のエリアに対応させて、現状の装備で安全に作業可能であることを示す注意喚起情報80が表示されている。更に、設備7のパーツPa3のエリアに対応させて、現状の装備では作業が不可能であることを示す注意喚起情報81が表示されている。このように、表示制御部117は、注意喚起情報を、設備7内の複数のエリアごとに表示してもよい。
【0115】
ここで、設備7やエリアといった対象に「対応させて表示する」とは、対象に重ねて表示することであってもよいし、対象の近傍に表示することであってもよい。あるいは、対象と注意喚起情報とが、矢印、引き出し線等で結合して表示することであってもよい。
【0116】
本実施形態では、注意喚起情報80は、画像80aと、説明文80bと、着色されたエリア80cとを含んでいる。また、注意喚起情報81は、画像81aと、説明文81bと、着色されたエリア81cとを含んでいる。
【0117】
画像80aは、パーツPa1及びパーツPa2のエリアの近傍に表示されている。画像80aは、現状の装備で安全に作業可能であることを示す画像である。この例では、画像80aは、感嘆符「!」を含むマークである。
【0118】
画像81aは、パーツPa3のエリアの近傍に表示されている。画像81aは、現状の装備では作業が不可能であることを示す画像である。この例では、画像81aは、ドクロマークを含むマークである。
【0119】
このように、注意喚起情報は、複数のエリアの危険度合いに応じた画像を含む。
【0120】
なお、前述のように、作業者5が装着している靴の識別番号はSh4であるため、耐圧はAC500Vである(
図3)。また、手袋の識別番号はGl4であるため、耐圧は300Vである(
図3)。
【0121】
従って、パーツPa1及びパーツPa2の作業に要する靴の耐圧(いずれもAC200V)をいずれも満たすため(
図4)、安全に作業可能であることを示す画像80aが表示されている。一方、パーツPa3の作業に要する手袋の耐圧(DC500V)を満たさないため(
図4)、作業が不可能であることを示す画像81aが示されている。
【0122】
また、説明文80bは『現状の装備で安全に作業可能エリア。[注意]ただし、AC100Vのため指定の手袋以外で触れると危険』であり、パーツPa1及びパーツPa2のエリアの近傍に表示されている。更に、『現状の装備で作業負荷エリア。絶対に触れないでください。[備考]DC500V耐圧の保護具が必要』といった説明文81bが、パーツPa3のエリアの近傍に表示されている。これらのように、注意喚起情報は、安全性に関する説明文を含む。
【0123】
また、着色されたエリア80cは、パーツPa1及びパーツPa2のエリアに重ねて表示されている。この例では、エリア80cの色は黄色である。更に、着色されたエリア81cは、パーツPa3のエリアに重ねて表示されている。この例では、エリア80cの色は赤である。
【0124】
このように、表示制御部117は、設備7内のエリアごとに、危険の度合いに応じて異なる色で着色されたエリアを表示する。
【0125】
以上の処理によって、注意喚起情報80、81が表示される。このような処理によれば、作業の対象となる設備7や作業に用いる装備に応じて、適切な注意喚起を作業者5に通知することが可能となる。
【0126】
なお、作業者5が作業(この例では、作業Wo1(パーツPaの交換))を終了すると、表示装置105には、
図12に示す作業完了確認画面82aが表示される。作業完了確認画面82aには、「Pa1のみで完了」と表示されたボタンB1と、「その他の作業」と表示されたボタンB2とを含む。
【0127】
作業者5は、作業支援装置1を装着した状態で指によるジェスチャーで仮想上のボタンを長押しすることによって選択することができる。なお、このような入力方式は一例であり、入力方式の態様は特に限定はされない。
【0128】
作業者5が、ボタンB1を選択すると、作業支援装置1による作業支援は終了する。作業者5が、ボタンB2を選択すると、作業支援装置1は、継続して作業Wo1以外の作業を行うための作業支援の処理を実行する。以下では、作業Wo1以外の作業を行うための作業支援の処理について説明する。
【0129】
<<作業に必要な装備の情報の表示>>
上述の説明では、設備7に対する作業が作業Wo1であるとして説明した。しかし、作業者5が作業Wo1の作業を終了した後に、継続して他の作業(例えば作業Wo3(Pa3の充填))等を行いたいと考える場合がある。
【0130】
そのような場合に、作業支援装置1は、現状の装備を装着したままで他の作業を行うことが可能か否かを通知することができる。
【0131】
図13は、作業支援装置1が作業に必要な装備の情報を表示するまでの処理を説明するフローチャートである。
【0132】
先ず、ステップS401において、取得部110は、作業者5が装着している装備を認識する。なお、
図10のステップS301において、この処理を完了している。この登録情報が保存されていれば、ステップS401は省略してもよい。
【0133】
次いで、ステップS402において、取得部111は、カメラ106を介して、作業の対象となる設備7を認識する。なお、
図10のステップS302において、取得部111が既に設備7の識別番号を取得している。この識別番号を処理部10が依然として保持している場合、ステップS402は省略してもよい。
【0134】
次いで、ステップS403において、取得部112は、設備7の作業に要する装備を示す情報を取得する。なお、
図10のステップS303において、取得部112が既に登録情報91を取得している。この登録情報91を処理部10が依然として保持している場合、ステップS403は省略してもよい。
【0135】
次いで、ステップS404において、表示制御部117は、設備7に対する複数の作業項目を表示する。
【0136】
図14は、表示装置105に表示される、作業Wo1以外の作業を選択する際の表示画面の一例を示す図である。ここで、
図14(a)は、
図12に示した作業完了確認画面82aである。作業者5が、作業完了確認画面82aのボタンB2(その他の作業)を選択すると、
図14(b)に示す作業確認画面82bに遷移する。
【0137】
作業確認画面には、ボタンB3~B5によって3個の作業項目が表示されている。ボタンB3~B5にはそれぞれ、「Pa3の作業」、「Pa2の作業」及び「Pa5の作業」と表示されている。ここで、「Pa3の作業」とは
図4に示したように、パーツPa3を充填する作業(作業Wo3)である。他のボタンについても同様である。
【0138】
なお、ボタンB6は作業を完了するためのボタンであって、この段階で作業者5がボタンB6を選択すると、作業支援装置1は処理を終了する。
【0139】
次いで、ステップS405において、受付部114は、複数の作業項目のうち、作業者5が選択した何れかの作業項目を受け付ける。
【0140】
受付部114は、作業確認画面82bを介して、作業項目を受け付ける。この例では、作業者5は、「Pa3の作業」、「Pa2の作業」及び「Pa5の作業」を選択することができる。
【0141】
次いで、ステップS406において、判定部115は、ステップS406において何れかの作業項目が受け付けられると、作業者5の装備が、受け付けられた作業項目の作業を行う条件を満たしているか否かを判定する。
【0142】
次いで、ステップS407において、表示制御部117は、ステップS406で得られた判定部115による判定結果を表示する。
【0143】
ステップS407の判定結果が、作業者5の装備が作業を行う条件を満たしていることを示す場合(ステップS408:充足している)、ステップS409において、表示制御部117は、条件を満たしている旨の画面を表示する。
【0144】
図14(c)の作業画面82cは、条件を満たしている旨の画面の一例であって、ステップS405において、ボタンB3(Pa5の作業)が選択された場合の判定結果を示す画面である。作業画面82cには、「安全なエリアです。Pa5をTo1で補修することができます。」といった説明文が表示されている。
【0145】
つまり、この場合の判定部115による判定結果は、作業者5の現状の装備等で、Pa5の補修(作業Wo5)を行うことが可能であることを意味する。
【0146】
前述のように、作業者5が装着している靴の識別番号はSh4であるため、耐圧はAC500Vである(
図3(a))。また、手袋の識別番号はGl4であるため、耐圧は300Vである(
図3(b))。
【0147】
これに対し、
図4のPa5の補修(作業Wo5)においては靴及び手袋についての条件は空欄であり、Pa5の補修は、靴及び手袋は不要の作業であることを意味する。この例では、作業者5は靴及び手袋を装着しているため、上記の判定結果となる。
【0148】
作業画面82cには、Pa5の作業を開始するためのボタンB7が示されている。ステップ412において、作業者5がボタンB7を選択すると(ステップS412:作業開始)、表示制御部117は、Pa5の作業を支援するための情報を表示する。一方、ステップ412において、作業者5がボタンB7を選択しない場合(ステップS412:他の作業の確認)、ステップS405に戻る。
【0149】
また、ステップS406の判定部115による判定結果が、作業者5の装備が作業を行う条件を満たしていないことを示す場合(ステップS408:充足していない)、ステップS410に進む。
【0150】
ステップS410において、生成部116は、作業者5の装備が作業を行う条件を満たすために必要な作業者5の装備の情報を生成する。
【0151】
次いで、ステップS411において、表示制御部117は、ステップS410において生成された必要な作業者5の装備の情報を更に表示する。
【0152】
図14(d)の作業画面82dは、ステップS405において、ボタンB2(Pa2の作業)が選択された場合の判定結果を示す画面である。作業画面82dには、『現装備で作業可能なAC100Vエリアです。ただし、工具To3と、部品Oi1が必要です。』といった説明文が示されている。
【0153】
つまり、この場合の判定部115による判定結果(ステップS407)は、安全面については作業者5の現状の装備(靴及び手袋)でPa2の充填(作業Wo2)を行うことが可能であることを意味する。
【0154】
しかし、この判定結果は、工具及び部品が充足していないことを意味する。作業者5は、当初はPa1の交換(作業Wo1)のために工具To1、To2及び部品Pa1を準備していた(
図4)。そのため、作業者5は、Pa2の作業(作業Wo2)に要する工具To3及び部品Oi1(
図4)を準備していない。そのため、継続してPa2の充填(作業Wo2)を行うことはできない。
【0155】
図14(e)の作業画面82eは、ステップS405において、ボタンB3(Pa3の作業)が選択された場合の判定結果を示す画面である。画面には、『Pa3は作業負荷エリアのため、DC500V耐圧保護具が必須です。その他工具や部品も用意ください。』といった説明文が示されている。
【0156】
つまり、この場合の判定部115による判定結果は、安全面については作業者5の現状の装備(靴及び手袋)でPa3の充填(作業Wo3)を行うことが不可能であることを意味する。
【0157】
前述のように、作業者5が装着している靴の識別番号はSh4であるため、耐圧はAC500Vである(
図3)。また、手袋の識別番号はGl4であるため、耐圧は300Vである(
図3)。これに対し、Pa3の充填(作業Wo3)に要する手袋の耐圧(DC500V)を満たさないため、上記の判定結果となる。
【0158】
また、この判定結果は、工具及び部品が充足していないことを意味するが、作業画面82eには、充足するために必要な工具又は部品については表示されていない。
【0159】
このように、安全面については作業者5の現状の装備が充足しておらず、工具又は部品についても充足していない場合、充足するために必要な工具又は部品については表示しなくてもよい。
【0160】
なお、ステップS407の判定結果に関わらず、作業者5は、判定結果を確認した後、確認作業を終了してもよい(ステップS408:終了する)。
【0161】
なお、作業完了確認画面82a、作業確認画面82b、作業画面82c~82eを表示する位置は特に限定はなく、作業者5が視認しやすい位置に表示すればよい。
【0162】
以上説明した処理によれば、作業者5は、条件を満たさない装備を用いて作業を行うことを回避することができ、作業を行う前に条件を満たす装備を整えることができる。
【0163】
==変形例==
図15は、変形例としての作業支援装置3の一例である。本変形例の作業支援装置3は、情報処理装置4とともに、作業支援システム2を構成する。
【0164】
上記実施形態では、作業支援のための機能が全てヘッドマウントディスプレイ方式の作業支援装置1に設けられる態様を示した。しかし、本変形例のように、実施形態の作業支援装置1の機能の一部を、互いにネットワークNWで接続された他のコンピュータ(情報処理装置4)が担うこととしてもよい。
【0165】
例えば、本変形例の作業支援装置3は、上述の取得部110と、取得部111と、受付部と、表示制御部117との機能を担うこととしてもよい。このとき、情報処理装置4は、取得部112と、生成部113と、判定部と、生成部116との機能を担うこととすればよい。このとき、
図3に示した登録情報と、
図4に示した登録情報とは、情報処理装置4に記憶されていることとしてもよい。
【0166】
このような態様であっても、作業の対象の設備7や作業に用いる装備に応じて、適切な注意喚起を通知することが可能になる。
【0167】
==まとめ==
以上、実施形態の作業支援装置1は、作業者5が装着し作業者5の支援を行う作業支援装置1であって、作業者5の装備を示す第1情報を取得する取得部110と、作業の対象となる設備7を示す第2情報を取得する取得部111と、設備7の作業に要する装備を示す第3情報を取得する取得部112と、第1~第3情報が取得された後に、作業者5が装備を装着した状態で設備7の作業を行うに際し、安全性に関する注意を喚起するための注意喚起情報を、現実世界の設備7に対応させて表示する表示制御部と、を備える。
【0168】
このような構成によれば、作業の対象となる設備7や作業に用いる装備に応じて、適切な注意喚起を通知することが可能になる。
【0169】
また、実施形態の作業支援装置1において、注意喚起情報は、第1~第3情報に基づいて生成される。このような構成によれば、更に適切な注意喚起を通知することが可能になる。
【0170】
また、実施形態の作業支援装置1において、表示制御部は、注意喚起情報を、設備7内の複数のエリアごとに表示する。このような構成によれば、作業者5は、設備7内の作業対象のエリアについて固有の注意喚起情報を認識することができる。
【0171】
また、実施形態の作業支援装置1において、注意喚起情報は、複数のエリアの危険度合いに応じた画像であり、表示制御部117は、注意喚起情報を設備7に重ねて表示する。このような構成によれば、作業者5は、複数のエリアの危険度合いを視覚的に容易に認識することができる。
【0172】
また、実施形態の作業支援装置1において、注意喚起情報は、安全性に関する説明文を含む。このような構成によれば、作業者5は、説明文を考慮して、作業時に適切な注意を払うことができる。
【0173】
また、実施形態の作業支援装置1において、表示制御部117は、第1~第3情報が取得された後に、設備7に対する複数の作業項目を表示し、複数の作業項目のうち、作業者5が選択した何れかの作業項目が受け付けられると、作業者5の装備が、何れかの作業項目の作業を行う条件を満たしているか否かの判定結果を表示する。このような構成によれば、作業者5は、条件を満たさない装備を用いて作業を行うことを回避することができる。
【0174】
また、実施形態の作業支援装置1において、表示制御部117は、作業者5の装備が、何れかの作業項目の作業を行う条件を満たしていない場合、作業者5の装備が、何れかの作業項目の作業を行う条件を満たすために必要な作業者5の装備の情報を更に表示する。このような構成によれば、作業者5は、作業を行う前に条件を満たす装備を整えることができる。
【0175】
実施形態の作業支援方法は、作業者5が装着する作業支援装置1が、作業者5の支援を行う作業支援方法であって、作業者5の装備を示す第1情報を取得するステップと、作業の対象となる設備7を示す第2情報を取得するステップと、第1~第3情報が取得された後に、作業者5が装備を装着した状態で設備7の作業を行うに際し、安全性に関する注意を喚起するための注意喚起情報を、現実世界の設備7に対応させて表示するステップと、を含む。
【0176】
このような構成によれば、作業の対象となる設備7や作業に用いる装備に応じて、適切な注意喚起を通知することが可能になる。
【0177】
実施形態の作業支援プログラムは、作業者5の支援を行う作業支援プログラムであって、コンピュータに、作業者5の装備を示す第1情報を取得する処理と、作業の対象となる設備7を示す第2情報を取得する処理と、第1~第3情報が取得された後に、作業者5が装備を装着した状態で設備7の作業を行うに際し、安全性に関する注意を喚起するための注意喚起情報を、現実世界の設備7に対応させて表示する処理と、を実行させる。
【0178】
このような構成によれば、作業の対象となる設備7や作業に用いる装備に応じて、適切な注意喚起を通知することが可能になる。
【符号の説明】
【0179】
1:作業支援装置
10:処理部
100:CPU
101:メモリ
102:通信装置
103:記憶装置
104:入力装置
105:表示装置
106:カメラ
110:取得部
111:取得部
112:取得部
113:生成部
114:受付部
115:判定部
116:生成部
117:表示制御部
2:作業支援システム
3:作業支援装置
4:情報処理装置
5:作業者
7:設備
80:注意喚起情報
80a:画像
80b:説明文
80c:エリア
81:注意喚起情報
81a:画像
81b:説明文
81c:エリア
82a:作業完了確認画面
82b:作業確認画面
82c:作業画面
82d:作業画面
82e:作業画面
90:登録情報
91:登録情報