(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024033824
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】サンドル及びこれを用いた架台
(51)【国際特許分類】
E01D 21/00 20060101AFI20240306BHJP
E04G 21/18 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
E01D21/00 Z
E01D21/00 A
E04G21/18 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022137676
(22)【出願日】2022-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】509338994
【氏名又は名称】株式会社IHIインフラシステム
(74)【代理人】
【識別番号】110001863
【氏名又は名称】弁理士法人アテンダ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹田 圭一
(72)【発明者】
【氏名】中村 善彦
【テーマコード(参考)】
2D059
2E174
【Fターム(参考)】
2D059AA05
2D059DD08
2E174DA32
2E174EA02
(57)【要約】
【課題】サンドルの積み上げ作業の労力を軽減することができるとともに、作業効率の向上を図ることのできるサンドル及びこれを用いた架台を提供する。
【解決手段】サンドル本体11を木材によって形成したので、サンドル本体11を鋼材に比べて軽量化することができ、サンドル10の積み上げ作業の労力を大幅に軽減することができる。また、サンドル本体11の上下方向一方の面及び他方の面にそれぞれ凹部12及び凸部13を設けるとともに、凹部12及び凸部13が上下方向の他のサンドル10の凸部13及び凹部12に係合するようにしたので、サンドル10を積み上げる際、上下の凹部12及び凸部13を係合することによりサンドル10の位置決めを容易に行うことができる。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
角柱状に形成されたサンドル本体を有し、幅方向に複数配列されるとともに、上下方向に積み重ねることにより、任意の高さの架台を形成するサンドルにおいて、
少なくとも一部を木材によって形成し、
サンドル本体の上下方向一方の面及び他方の面にそれぞれ凹部及び凸部を設けるとともに、
凹部及び凸部が上下方向の他のサンドルの凸部及び凹部に係合するように形成した
ことを特徴とするサンドル。
【請求項2】
前記木材として直交集成材を用いた
ことを特徴とする請求項1記載のサンドル。
【請求項3】
前記凹部及び凸部の少なくとも一方に金属製の部材を用いた
ことを特徴とする請求項1記載のサンドル。
【請求項4】
前記サンドル本体の角部に金属製の補強部材を設けた
ことを特徴とする請求項1記載のサンドル。
【請求項5】
前記凹部及び凸部をサンドル本体の幅方向及び長手方向に複数ずつ設けた
ことを特徴とする請求項1記載のサンドル。
【請求項6】
前記凹部の内周面と前記凸部の外周面をそれぞれテーパ状に形成した
ことを特徴とする請求項1記載のサンドル。
【請求項7】
前記サンドル本体に軽量化のための孔を設けた
ことを特徴とする請求項1記載のサンドル。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか一項記載のサンドルを用いた架台であって、
複数のサンドルを幅方向に配列するとともに、互いに長手方向が直交する向きになるように上下に積み重ねることにより、上下方向複数段のサンドルによって任意の高さに形成された
ことを特徴とする架台。
【請求項9】
互いに上下に積み重ねられるサンドル同士を連結する連結具を備えた
ことを特徴とする請求項8記載の架台。
【請求項10】
前記サンドルの上面側に前記凹部が位置するとともに、サンドルの下面側に前記凸部が位置するようにサンドルを配置した
ことを特徴とする請求項8記載の架台。
【請求項11】
最下段のサンドルの下方に配置され、サンドルの下面の凸部に係合する凹部を上面に有するベース部材を備えた
ことを特徴とする請求項10記載の架台。
【請求項12】
下面に凸部を有しないサンドルを最下段に配置した
ことを特徴とする請求項10記載の架台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば橋梁の架設工事において、橋脚上に仮設される主桁等を支持するためのサンドル及びこれを用いた架台に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、橋梁の架設工事においては、主桁を一旦高い位置に仮設した後、これを降下させて橋脚に設置する場合があり、その際には主桁を一時的に支持するサンドルを組み立てた架台が用いられる(例えば、特許文献1参照。)。この架台は、例えば所定長さの鋼材からなる複数のサンドルを幅方向に配列するとともに、互いに長手方向が直交する向きになるように上下に井桁状に積み重ねることにより、上下方向複数段のサンドルによって任意の高さに形成されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、主桁等の重量物が載置されるサンドルは高い強度が必要となるため、H鋼等の鋼材によって形成されているが、一般的なサイズ(150mm×150mm×600mm)のサンドルで27kg程度の重量があり、サンドルの運搬や積み上げ作業に多大な労力を要する。例えば、主桁の送り出し架設の降下作業では3m以上の高さのサンドルを用いる場合があり、橋脚上で数百個のサンドルの積み上げ作業が必要となる場合もある。また、積み上げ時に重いサンドルをずらしながらサンドルの位置決めをしなければならず、作業効率が著しく低下し、サンドルの積み上げ作業に多大な労力と時間を要するという問題点があった。
【0005】
本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、サンドルの積み上げ作業の労力を軽減することができるとともに、作業効率の向上を図ることのできるサンドル及びこれを用いた架台を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は前記目的を達成するために、角柱状に形成されたサンドル本体を有し、幅方向に複数配列されるとともに、上下方向に積み重ねることにより、任意の高さのサンドルを形成するサンドルにおいて、少なくとも一部を木材によって形成し、サンドル本体の上下方向一方の面及び他方の面にそれぞれ凹部及び凸部を設けるとともに、凹部及び凸部が上下方向の他のサンドルの凸部及び凹部に係合するように形成している。
【0007】
また、本発明は前記目的を達成するために、前記構成を有するサンドルを用いた架台であって、複数のサンドルを幅方向に配列するとともに、互いに長手方向が直交する向きになるように上下に積み重ねることにより、上下方向複数段のサンドルによって任意の高さに形成した架台を構成している。
【0008】
これにより、サンドル本体が木材によって形成されることから、サンドル本体が鋼材に比べて軽量化される。また、サンドル本体の凹部及び凸部が上下方向の他のサンドルの凸部及び凹部に係合することから、サンドルを積み上げる際、上下の凹部及び凸部が係合することによりサンドルが位置決めされる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、サンドル本体を鋼材に比べて軽量化することができるので、サンドルの積み上げ作業の労力を大幅に軽減することができ、作業時間を短縮することができる。これにより、作業効率の向上を図ることができるとともに、軽量化により非力な作業者の負担も軽減することができるので、年齢や性別にかかわらず広く人的労力を確保することができる。また、サンドルを積み上げる際、サンドルの位置決めを容易に行うことができるので、作業効率をより一層向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の第1の実施形態を示すサンドルの上面側斜視図
【
図14】本発明の第2の実施形態を示すサンドルの上面側斜視図
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1乃至
図13は本発明の第1の実施形態を示すもので、例えば橋梁の架設工事において、橋脚上に仮設される主桁等を支持するためのサンドル及びこれを用いた架台を示すものである。
【0012】
同図に示す架台1は、複数のサンドル10と、最下段のサンドル10の下方に配置されるベース部材20と、サンドル10同士を連結する連結具30とを備え、各サンドル10を幅方向に配列するとともに、互いに長手方向が直交する向きになるように上下に積み重ねることにより、上下方向複数段のサンドル10によって任意の高さに形成されるようになっている。
【0013】
サンドル10は、横長の角柱状に形成されたサンドル本体11を有し、サンドル本体11には直交集成材(ひき板を繊維方向が直交するように積層接着した周知の木質系材料)からなる木材が用いられる。サンドル本体11の上下方向一方の面及びこれに対向する他方の面にはそれぞれ凹部12及び凸部13が設けられ、凹部12及び凸部13は上下方向の他のサンドル10の凸部13及び凹部12に係合するように形成されている。
【0014】
凹部12及び凸部13はサンドル本体11の幅方向及び長手方向に複数ずつ設けられ、本実施形態では、凹部12及び凸部13がサンドル本体11の幅方向に2つずつ、長手方向に8つずつ等間隔に配置されている。凹部12は軸方向に短い円筒状の金属製部材(例えば鋼材)からなり、サンドル本体11に設けられた円形の孔11aに上端がサンドル本体11の外面と面一になるように埋設されている。凸部13は円柱状の金属製部材(例えば鋼材)からなり、サンドル本体11に設けられた円形の孔11bに下端側がサンドル本体11の外面から突出するように埋設されている。この場合、凸部13の突出長さは凹部12の深さよりも短く、凸部13の外径は凹部12の内径よりも小さくなっている。また、凸部13の端縁はテーパ状に面取りされている。
【0015】
サンドル本体11には、サンドル本体11を上下方向に貫通する複数の円形の貫通孔11cと、サンドル本体11を幅方向に貫通する複数の円形の貫通孔11dが設けられ、各貫通孔11c,11dはサンドル本体11の軽量化のために設けられている。また、サンドル本体11の長手方向両端面の中央には、サンドル10同士を連結するための円形の連結孔11eがそれぞれ設けられ、連結孔11eは各貫通孔11c,11dと等しい内径に形成されている。
【0016】
サンドル本体11の角部(上面、下面及び両側面の境界部分)にはそれぞれ補強部材14が設けられている。補強部材14は、サンドル本体11の軸方向に延びる棒状の金属製部材(例えば鋼材)からなり、その端部側を折り曲げてサンドル本体11に圧入することによりサンドル本体11に取り付けられている。
【0017】
ベース部材20は、一辺がサンドル10の長手方向の長さとほぼ等しい平板状の部材からなり、サンドル本体11と同様、直交集成材からなる木材によって形成されている。ベース部材20の上面にはサンドル10の凸部13と係合可能な複数の凹部21が設けられ、凹部21はサンドル10の凹部13と同様、サンドル本体11に設けられた孔に金属(例えば鋼材)からなる円筒部材を埋設することによって形成されている。ベース部材20の凹部21は縦横それぞれ8つずつ設けられ、サンドル10の凹部13と等しい間隔で配列されている。また、ベース部材20には上下方向に貫通する複数の円形の貫通孔22が設けられ、各貫通孔22はサンドル本体11の軽量化のために設けられている。更に、ベース部材20の角部(上面、下面及び前後左右の側面の境界部分)にはそれぞれ補強部材23が設けられ、補強部材23はベース部材20の各辺に沿って延びる棒状の金属製部材(例えば鋼材)からなる。
【0018】
連結具30は、サンドル10の連結孔11e及び貫通孔11dに係合可能な一対の係合部31と、各係合部31同士を連結する連結部材32とからなる。各係合部31は連結孔11e及び貫通孔11dの内径と同等の外径を有する円筒状の部材からなり、それぞれ係合部31の軸方向に直交する方向に延びる雌ネジ部31aが設けられている。連結部材32は円柱状の部材からなり、その軸方向両端には各係合部31の雌ネジ部31aに螺合する雄ネジ部32aが設けられている。この場合、一方の雌ネジ部31a及び雄ネジ部32aと、他方の雌ネジ部31a及び雄ネジ部32aとは、互いにネジの向きが逆方向になるように形成されており、
図8に示すように各係合部31に対して連結部材32を回転させると、各係合部31が互いに接近または離隔する方向に移動するようになっている。
【0019】
以上のように構成されたサンドル10を用いて架台1を形成する場合は、
図9に示すようにベース部材20の上に最下段のサンドル10を載置する。この場合、3つのサンドル10を凹部12及び凸部13を1つ分あけて互いに幅方向に間隔をおいて配列する。次に、
図10に示すように最下段のサンドル10の上に2段目のサンドル10を載置する。この場合、3つのサンドル10を長手方向が1段目のサンドル10と直交する向きになるように互いに幅方向に1段目と同じ間隔をおいて配列する。このようにして、
図11に示すように複数段のサンドル10を上下に積み重ねることにより、任意の高さの架台1を形成する。
【0020】
その際、互いに上下に位置するサンドル10のうち、一方のサンドル10の連結孔11eに連結具30の一方の係合部31を係合し、他方のサンドル10の貫通孔11dに連結具30の他方の係合部31を係合することにより、上下のサンドル10が連結具30によって連結される。その際、連結孔11eと貫通孔11dとの間隔に応じて各係合部31の間隔を変えることにより、互いに間隔が異なる連結孔11e及び貫通孔11dに連結具30を係合することができる。例えば、
図12に示すように、貫通孔11dの位置によって連結孔11eとの間隔L1 ,L2 が異なる場合でも、間隔L1 ,L2 に応じて各係合部31の間隔を調整することができる。
【0021】
また、
図13に示すように、現場等に存在する障害物Sと架台1が干渉する場合、障害物Sに対応する位置のサンドル10を障害物Sと反対側に寄せて配置することにより、障害物Sとの干渉を解消するようにすることも可能である。
【0022】
このように、本実施形態によれば、サンドル本体11を木材によって形成したので、サンドル本体11を鋼材に比べて軽量化することができ、サンドル10の積み上げ作業の労力を大幅に軽減することができる。これにより、作業時間を短縮することができるので、作業効率の向上を図ることができるとともに、軽量化により非力な作業者の負担も軽減することができるので、年齢や性別にかかわらず広く人的労力を確保することができる。
【0023】
また、サンドル本体11の上下方向一方の面及び他方の面にそれぞれ凹部12及び凸部13を設けるとともに、凹部12及び凸部13が上下方向の他のサンドル10の凸部13及び凹部12に係合するようにしたので、サンドル10を積み上げる際、上下の凹部12及び凸部13を係合することによりサンドル10の位置決めを容易に行うことができ、作業効率をより一層向上させることができる。
【0024】
更に、サンドル本体11の木材として直交集成材を用いたので、天然木材(無垢材)に比べて高い強度と品質の均一性により、重量物を支持するサンドル10としての性能を高めることができる。
【0025】
また、凹部12及び凸部13に金属製の部材を用いたので、係合時に凹部12及び凸部13に衝撃が加わった場合でも、凹部12及び凸部13の変形や破損を少なくすることができ、耐久性を高めることができる。
【0026】
更に、サンドル本体11の角部に金属製の補強部材14を設けたので、サンドル10の積み上げ、積み降ろし、運搬等の際にサンドル10同士が衝突した場合でも、サンドル本体11の変形や破損を少なくすることができ、耐久性を高めることができる。
【0027】
また、凹部12及び凸部13をサンドル本体11の幅方向及び長手方向に複数ずつ設けたので、上下に積み重ねられたサンドル10の一端側同士が少なくとも2箇所の凹部12及び凸部13で係合する。これにより、各サンドル10が凹部12及び凸部13の係合部で回動することがなく、サンドル全体の歪みを防止することができるので、架台1の安定性を高めることができる。
【0028】
更に、互いに上下に積み重ねられるサンドル10同士を連結具30によって上下方向に連結するようにしたので、凹部12及び凸部13の係合状態を確実に保つことができ、高さ寸法の大きい架台1であっても安定性をより高めることができる。この場合、連結具30をサンドル10の連結孔11e及び貫通孔11dに係合するように構成し、軽量化のための貫通孔11dを利用するようにしたので、サンドル10の構造の簡素化を図ることができる。
【0029】
また、サンドル10の上面側に凹部12が位置するとともに、サンドル10の下面側に凸部13が位置するようにサンドル10を配置したので、最上段のサンドル10の上面を常に突起物のない平面状態にすることができ、架台1に支持対象物や他の資材を載置する場合に極めて有利である。
【0030】
更に、最下段のサンドル10の下方に、サンドル10の下面の凸部13に係合する凹部21を上面に有するベース部材20を配置するようにしたので、最下段のサンドル10の凸部13をベース部材20の凹部21に係合することにより、最下段のサンドル10の位置決めを容易に行うことができるとともに、最下段のサンドル10の凸部13が設置面に接触することがないので、架台1を安定して設置することができる。
【0031】
また、サンドル10及びベース部材20に、軽量化のための多数の貫通孔11c,11d,22を設けたので、サンドル10及びベース部材20の重量をより一層軽くすることができる。尚、軽量化のための孔は貫通していない孔であってもよい。
【0032】
図14乃至
図21は本発明の第2の実施形態を示すもので、サンドルを木材のみによって形成したものである。
【0033】
同図に示すサンドル40は、横長の角柱状に形成されたサンドル本体41を有し、サンドル本体41には、直交集成材からなる木材が用いられる。サンドル本体41の上下方向一方の面及びこれに対向する他方の面にはそれぞれ凹部42及び凸部43が設けられ、凹部42及び凸部43は上下方向の他のサンドル40の凸部43及び凹部42に係合するように形成されている。
【0034】
凹部42及び凸部43はサンドル本体11の幅方向及び長手方向に複数ずつ設けられ、第1の実施形態と同様、凹部42及び凸部43がサンドル本体41の幅方向に2つずつ、長手方向に8つずつ等間隔に配置されている。凹部42及び凸部43はそれぞれ周面がテーパ状をなすように形成され、凹部42の内形及び凸部43の外形は互いに同等の大きさをなすように形成されている。
【0035】
以上のように構成されたサンドル40を用いて架台を形成する場合は、第1の実施形態と同様、複数のサンドル40を幅方向に配列するとともに、互いに長手方向が直交する向きになるように上下に積み重ねることにより、上下方向複数段のサンドル40によって任意の高さのサンドルを形成する。この場合、最下段に配置されるサンドル50には、
図19に示すようにサンドル本体51の上面に前述と同様の凹部52を有し、サンドル本体51の下面には凸部を有しないものが用いられる。
【0036】
例えば、
図20に示す第1の構成例の架台2では、最下段用の3つのサンドル50を凹部52の1つ分あけて互いに幅方向に間隔をおいて配列するとともに、その上に3つのサンドル40を長手方向が1段目のサンドル40と直交する向きになるように互いに幅方向に1段目と同じ間隔をおいて配列し、このようにして複数段のサンドル40を上下に積み重ねる。本構成例では、最上段に3つのサンドル40を互いに凹部42及び凸部43の1つ分の間隔をあけずに幅方向中央側に寄せて配列し、その上に図示しない支持対象物を載置するようにしている。
【0037】
また、
図21に示す第2の構成例の架台3では、最下段用の3つのサンドル50を凹部52の1つ分あけて互いに幅方向に間隔をおいて配列するとともに、その上に3つのサンドル40を長手方向が1段目のサンドル40と直交する向きになるように互いに幅方向に1段目と同じ間隔をおいて配列し、このようにして複数段のサンドル40を上下に積み重ねる。本構成例では、所定高さ位置に4つのサンドル40を互いに凹部42及び凸部43の1つ分の間隔をあけずに配列し、その上面に2つのサンドル40を互いに凹部42及び凸部43の1つ分の間隔をあけずに幅方向一端側に寄せて複数段に配列し、幅方向他端側にジャッキJを載置するようにしている。
【0038】
このように、本実施形態によれば、サンドル本体41を木材によって形成したので、サンドル本体41を鋼材に比べて軽量化することができ、サンドル40の積み上げ作業の労力を大幅に軽減することができる。これにより、第1の実施形態と同様、作業時間を短縮することができるので、作業効率の向上を図ることのできるとともに、軽量化により非力な作業者の負担も軽減することができるので、年齢や性別にかかわらず広く人的労力を確保することができる。
【0039】
また、サンドル本体41の上下方向一方の面及び他方の面にそれぞれ凹部42及び凸部43を設けるとともに、凹部42及び凸部43が上下方向の他のサンドル40の凸部43及び凹部42に係合するようにしたので、第1の実施形態と同様、サンドル40を積み上げる際、上下の凹部42及び凸部43を係合することによりサンドル40の位置決めを容易に行うことができ、作業効率をより一層向上させることができる。
【0040】
また、凹部42の内周面と凸部43の外周面をそれぞれテーパ状に形成したので、凹部42及び凸部43を係合する際、テーパ面の案内により凹部42及び凸部43を容易に契合させることができ、サンドル40の位置決め作業を効率よく行うことができる。
【0041】
更に、下面に凸部を有しないサンドル50を最下段に配置したので、最下段のサンドル50の下面に突起物がなく、架台2,3を安定して設置することができる。
【0042】
尚、本発明の架台は、前記第1及び第2の実施形態で示した各構成例に限定されるものではなく、サンドルの配列数、段数、積み上げの形態等、使用現場に応じて多様に構成することができる。
【0043】
また、第1及び第2の実施形態で示した凹部及び凸部の個数や配列も一例であり、これに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0044】
1,2,3…架台、10…サンドル、11…サンドル本体、11c,11d…貫通孔、12…凹部、13…凸部、20…ベース部材、21…凹部、22…貫通孔、30…連結具、40…サンドル、41…サンドル本体、42…凹部、43…凸部、50…サンドル、51…サンドル本体、52…凹部。