(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024033827
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】管内検査装置
(51)【国際特許分類】
G02B 23/24 20060101AFI20240306BHJP
【FI】
G02B23/24 B
G02B23/24 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022137680
(22)【出願日】2022-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】000142595
【氏名又は名称】株式会社栗本鐵工所
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100187827
【弁理士】
【氏名又は名称】赤塚 雅則
(74)【代理人】
【識別番号】100167380
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 隆
(72)【発明者】
【氏名】八重垣 淳平
(72)【発明者】
【氏名】道浦 吉貞
【テーマコード(参考)】
2H040
【Fターム(参考)】
2H040AA02
2H040BA04
2H040BA24
2H040CA01
2H040GA02
(57)【要約】
【課題】管内検査装置の撮像装置の修理や交換を、容易に且つ短時間でできるようにする。
【解決手段】シャフト11と、シャフト11に接続される撮像装置10と、シャフト11と撮像装置10とを連結する着脱部材20とを備え、着脱部材20は、シャフト11の下端11fに対向する上端23fを有するシャフト接続環23と、シャフト11のネジ加工部11aに螺合するネジ加工部24aとシャフト接続環23の段部23cに対向する段部24cを有する脱着リング24と、撮像装置10の上端12にボルト26で接続されシャフト接続環23のネジ加工部23aに螺合するネジ加工部27aを有する撮像装置固定環27と、シャフト11の下端11fとシャフト接続環23の上端23fとの間に設けられた第1の止水部材22と、シャフト接続環23の内面23gと撮像装置固定環27の外面27gとの間に設けられた第2の止水部材25とを備えた管内検査装置とした。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャフト(11)と、
前記シャフト(11)に接続される撮像装置(10)と、
前記シャフト(11)と前記撮像装置(10)とを連結する着脱部材(20)とを備え、
前記着脱部材(20)は、
前記シャフト(11)の下端(11f)に対向する上端(23f)を有するシャフト接続環(23)と、
前記シャフト(11)のネジ加工部(11a)に螺合するネジ加工部(24a)と前記シャフト接続環(23)の段部(23c)に対向する段部(24c)を有する脱着リング(24)と、
前記撮像装置(10)の上端(12)にボルト(26)で接続され前記シャフト接続環(23)のネジ加工部(23a)に螺合するネジ加工部(27a)を有する撮像装置固定環(27)と、
前記シャフト(11)の下端(11f)と前記シャフト接続環(23)の上端(23f)との間に設けられた第1の止水部材(22)と、
前記シャフト接続環(23)の内面(23g)と前記撮像装置固定環(27)の外面(27g)との間に設けられた第2の止水部材(25)と、
を備えた管内検査装置。
【請求項2】
前記撮像装置(10)の上端(12)と前記撮像装置固定環(27)の下端(27h)との間に設けられた第3の止水部材(28)を備えた請求項1に記載の管内検査装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の管内検査装置に用いられる前記着脱部材(20)の部品ユニットであって、
前記シャフト(11)に代えて上部蓋(21)が接続され、前記上部蓋(21)は、前記シャフト接続環(23)の上端(23f)に対向する下端(21f)と、前記脱着リング(24)のネジ加工部(24a)に螺合するネジ加工部(21a)を有し、前記上部蓋(21)の下端(21f)と前記シャフト接続環(23)の上端(23f)との間に前記第1の止水部材(22)を介在し、
前記撮像装置(10)に代えて下部蓋(29)が接続され、前記下部蓋(29)は、前記撮像装置固定環(27)の下端(27h)に前記ボルト(26)で接続され、前記下部蓋(29)の上端(29h)と前記撮像装置固定環(27)の下端(27h)との間に設けられた前記第3の止水部材(28)を介在している前記着脱部材(20)の部品ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、上水道等の配管の内部を検査するための管内検査装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上水道等の各種の配管において、敷設後の管内の状態を確認することは、施設の維持管理の面から重要である。管内の状態を確認する方法として、例えば、管路の一部を採取して状態を確認する方法、管内の水を排出した後に人が直接管内に入って又はカメラ等で管内の状態を確認する方法がある。しかし、管路の一部を採取したり、検査のために断水等を行うのは難しい場合が多い。このため、管内に通水させたままの状態で、カメラ等を備えた管内検査装置を用いる方法が一般的である。
【0003】
管内検査装置の挿入箇所として、検査の対象となる配管(本管)から分岐する枝管が多用される。その枝管として、例えば、水道管の途中に消火栓を設置するために設けられている分岐管が挙げられる。例えば、特許文献1に記載の管内検査装置は、シャフトの先端部に画像を取得するための撮像装置(カメラ)を一体に取り付けたものである。枝管の開口部から操作用シャフトを差し入れ、撮像装置が備える照明で本管内を照らしながら、管内の画像を取得することで検査を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の管内検査装置は、高い水圧が掛かっている上水道管の配管内に挿入して用いるため、水密性の観点からシャフトと撮像装置とを継ぎ目のない一体型としていた。しかしながら、管内検査装置を配管内に挿入した際に撮像装置の先端部が配管の底部に接触することや、装置運搬時等の取り扱い時において管内検査装置の一部分が破損する場合があった。ユーザーは、シャフトと撮像装置を簡単には分解することができない仕様であるため、仮に撮像装置が損傷してしまうと、破損した撮像装置だけでなく、シャフトも含めた管内検査装置一式を全て修理するか交換する必要があった。したがって、装置一式を修理交換するには時間と手間が掛かるため改善の余地がある。
【0006】
そこで、この発明の課題は、管内検査装置の撮像装置の修理や交換を、容易に且つ短時間でできるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、この発明は、シャフトと、前記シャフトに接続される撮像装置と、前記シャフトと前記撮像装置とを連結する着脱部材とを備え、前記着脱部材は、前記シャフトの下端に対向する上端を有するシャフト接続環と、前記シャフトのネジ加工部に螺合するネジ加工部と前記シャフト接続環の段部に対向する段部を有する脱着リングと、前記撮像装置の上端にボルトで接続され前記シャフト接続環のネジ加工部に螺合するネジ加工部を有する撮像装置固定環と、前記シャフトの下端と前記シャフト接続環の上端との間に設けられた第1の止水部材と、前記シャフト接続環の内面と前記撮像装置固定環の外面との間に設けられた第2の止水部材と、を備えた管内検査装置を採用した。
【0008】
ここで、前記撮像装置の上端と前記撮像装置固定環の下端との間に設けられた第3の止水部材を備えた構成を採用できる。
【0009】
これらの各態様からなる管内検査装置に用いられる着脱部材の部品ユニットとして、前記シャフトに代えて上部蓋が接続され、前記上部蓋は、前記シャフト接続環の上端に対向する下端と、前記脱着リングのネジ加工部に螺合するネジ加工部を有し、前記上部蓋の下端と前記シャフト接続環の上端との間に前記第1の止水部材を介在し、前記撮像装置に代えて下部蓋が接続され、前記下部蓋は、前記撮像装置固定環の下端に前記ボルトで接続され、前記下部蓋の上端と前記撮像装置固定環の下端との間に設けられた前記第3の止水部材を介在している前記着脱部材の部品ユニットを採用できる。
【発明の効果】
【0010】
この発明は、管内検査装置の撮像装置の修理や交換を、容易に且つ短時間でできるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】同実施形態の管内検査装置に用いられる着脱部材の部品ユニットを示す縦断面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、この発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、管内検査装置30の分解斜視図を示しており、
図2及び
図3はその管内検査装置30に用いられる着脱部材の部品ユニットを示している。
図4は、管内検査装置30が、水道管の配管である本管1から上向きに分岐して接続された枝管2に挿し込まれて、本管1内の検査を行っている状況を示す見取図である。
【0013】
管内検査装置30を通す枝管2は、
図4に示すように、本管1と一体に成型された分岐管2a、その分岐管2aに接続される消火栓2b等を備えている。消火栓2bは、外部への通水を制御するためのバルブ3を備えている。管内検査の際には、このバルブ3を開弁して、管内検査装置30を本管1まで差し入れる。管内検査装置30の上部側と枝管2の内面との間の隙間には水密部材(図示せず)が設けられ、適宜の漏水防止が図られる。
【0014】
管内検査装置30は、シャフト11、シャフト11に接続される撮像装置10、シャフト11と撮像装置10とを連結する着脱部材20とを備えた構成となっている。
【0015】
シャフト11は円筒状を成し、そのシャフト11の下端11f(以下、シャフト下端11fと称する)よりも少し上方にネジ加工部11aを備えている。この実施形態では、ネジ加工部11aは雄ネジで構成されている。シャフト11は、本管1及び枝管2内の水圧や、撮像装置10をシャフト11の軸周りに回転操作する際の捩り力に耐え得るように鋼管を採用するのが好ましいが、この水圧や捩り力に耐え得る限りにおいて、繊維強化樹脂材等の他の素材を採用することもできる。シャフト11を軸周りに回転すると、このシャフト11の下部に取り付けられた撮像装置10も一体に軸周りに回転し、この軸周りの周囲全体をスムーズに観察することができる。
【0016】
撮像装置10は、
図1に示すように、本管1の内部を撮影することができるカメラ15と、そのカメラ15の上下にそれぞれ設けられた対の照明14,16をフレーム13に取り付けた構成である。カメラ15は、シャフト11の軸方向に対して直交する方向を向くように取り付けられている。カメラ15の種別としては、例えば、CMOSイメージセンサを備えた小型カメラ、あるいは、CCDイメージセンサ等の素子を用いた他の種類の小型カメラを内蔵した構成とできる。撮像装置10への電力供給や画像信号の送信は、シャフト11内に通されたケーブル(図示せず)によって行なわれる。
図1中の符号17は、ケーブルへの接続用端子17である。この接続用端子17にケーブル側のコネクタが接続される。
【0017】
着脱部材20は、
図1に示すように、シャフト接続環23、脱着リング24、撮像装置固定環27を主な構成部材としている。いずれも断面円形の環状部材で構成されている。また、着脱部材20は、撮像装置固定環27と撮像装置10とを接続する複数のボルト26を備えている。さらに、着脱部材20は、シャフト11とシャフト接続環23との間に設けられる第1の止水部材22、シャフト接続環23と撮像装置固定環27との間に設けられる第2の止水部材25、撮像装置10と撮像装置固定環27との間に設けられる第3の止水部材28を備えている。第3の止水部材28の設置は任意であるが、止水性をより高めるためには、第3の止水部材28を設けることが望ましい。
【0018】
図2及び
図3は、着脱部材20を、シャフト11と撮像装置10との連結に使用する前の状態を示している。使用前の着脱部材20は、シャフト11に代えて上部蓋21が接続され、撮像装置10に代えて下部蓋29が接続され、その内部に異物が侵入しないように保護されている。この
図2及び
図3に示す使用前の着脱部材20を、着脱部材20の部品ユニットと称する。着脱部材20の部品ユニットを使用する際には、上部蓋21を取り外してその取り外した部分にシャフト11を接続し、また、下部蓋29を取り外してその取り外した部分に撮像装置10を接続することとなる。
【0019】
シャフト接続環23は、シャフト下端11fに対向する上端23fを有している環状部材である。シャフト接続環23は、
図1~
図3に示すように、下方に突出する挿入筒部23dと、挿入筒部23dの上端で半径方向外方へ突出するフランジ状の外面凸部23bを備えている。挿入筒部23dの内面には、ネジ加工部23aが形成されている。この実施形態では、ネジ加工部23aは雌ネジで構成されている。
【0020】
外面凸部23bの下面は、挿入筒部23dとの間で下向きの段部23cとなっている。挿入筒部23d及び外面凸部23bの上端(上面)は、連続するフラット面となっている。このフラットな上端23fを以下、シャフト接続環上端23fと称する。シャフト接続環上端23fには、環状の凹溝23hが形成され、その凹溝23h内に、第1の止水部材22が収容されるようになっている。この実施形態では、第1の止水部材22としてゴム製のOリング(以下、第1のOリング22と称する)を採用している。また、挿入筒部23dの内面におけるネジ加工部23aよりも上方の部分には、円筒面状のシャフト接続環内面23gが設けられている。
【0021】
脱着リング24は、シャフト11のネジ加工部11aに螺合するネジ加工部24aと、シャフト接続環23の段部23cに対向する段部24cを有している環状部材である。脱着リング24は、
図1~
図3に示すように、上方に突出する上部筒部24bと、下方に突出する下部筒部24eとを備えている。ネジ加工部24aは、上部筒部24bの内面に形成されている。この実施形態では、ネジ加工部24aは雌ネジで構成されている。上部筒部24bと下部筒部24eとの境界部は、上向きの段部24cとなっている。また、下部筒部24eには、脱着リング24を締結させる際に使用する治具を取り付けることを目的として、内径方向に凹む内面凸部24dが設けられている。内面凸部24dは、シャフト接続環23の外面に当接するようになっている。内面凸部24dは、周方向に沿って複数(実施形態では等分方位に4箇所)設けられている。この内面凸部24dによって、段部24cが構成されている。
【0022】
なお、使用時に取り外す上部蓋21は、シャフト11のネジ加工部11aと同じネジ形状であるネジ加工部21aを備えている円形部材である。この実施形態では、ネジ加工部21は雄ネジで構成されている。上部蓋21は、円盤状の閉塞部21bと、その閉塞部21bの外縁に沿って上方へ立ち上がる環状の補強リブ21c、補強リブ21cよりも外方において全周に亘って外径側へ突出するフランジ部21eを備えている。また、上部蓋21は、閉塞部21bの外縁から下方へ突出する挿入筒部21dを備えている。ネジ加工部21aは、挿入筒部21dの外面に形成されている。また、挿入筒部21dの下端21f(以下、上部蓋下端21fと称する)は、環状のフラット面となっている。
【0023】
撮像装置固定環27は、撮像装置10の上端12にボルト26で接続され、撮像装置10の上端12に対向する下端27h(以下、(撮像装置固定環下端27hと称する)を有している環状部材である。撮像装置固定環27は、
図1~
図3に示すように、下方に位置する基部27bと、その基部27bから上方へ突出する挿入筒部27cとを備えている。基部27bの外縁は、半径方向外方へ突出するフランジ部となっており、このフランジ部に、周方向に沿って複数のボルト孔27fが形成されている。ボルト孔27fは、ボルト26の軸部が挿通される細孔部と、ボルト26の頭部を収容するための座繰り部とを備えている。
【0024】
撮像装置固定環27は、シャフト接続環23のネジ加工部23aに螺合するネジ加工部27aを備えている。ネジ加工部27aは、挿入筒部27cの外面に形成されている。この実施形態では、ネジ加工部27aは雄ネジで構成されている。基部27bの上面は、挿入筒部27cとの間で上向きの段部となっており、この段部は、シャフト接続環23の下端に対向している(必ずしも接触していなくてもよい)。また、撮像装置固定環下端27hはフラット面であり、それに対向する撮像装置10の上端12もフラット面である。
【0025】
さらに、撮像装置固定環27の挿入筒部27cの外面におけるネジ加工部27aよりも上方の部分には、円筒面状の外面27g(以下、撮像装置固定環外面27gと称する)が設けられている。撮像装置固定環外面27gは、全周に亘ってシャフト接続環内面23gに対向している。撮像装置固定環外面27gには環状の凹溝27eが形成され、その凹溝27e内に、第2の止水部材25が収容されるようになっている。この実施形態では、第2の止水部材25としてゴム製のOリング(以下、第2のOリング25と称する)を採用している。
【0026】
撮像装置固定環下端27hには、環状の凹溝27dが形成され、その凹溝27d内に、第3の止水部材28が収容されるようになっている。この実施形態では、第3の止水部材28としてゴム製のOリング(以下、第3のOリング28と称する)を採用している。
【0027】
なお、使用時に取り外す下部蓋29は、撮像装置10の上端12に形成された雌ネジ孔12aと同じネジ形状である雌ネジ孔29aを備えている円形部材である。下部蓋29の上端29h(以下、下部蓋上端29hと称する)は、円形のフラット面となっている。
下部蓋上端29hは、撮像装置固定環下端27hに対向している。
【0028】
以上のように、使用前の着脱部材20の部品ユニットは、管内検査装置30のシャフト11に代えて上部蓋21が接続され、上部蓋21は、シャフト接続環上端23fに対向する上部蓋下端21fと、脱着リング24のネジ加工部24aに螺合するネジ加工部21aを有し、上部蓋下端21fとシャフト接続環上端23fとの間に第1のOリング22を介在している。また、撮像装置10に代えて下部蓋29が接続され、下部蓋29は、撮像装置固定環下端27hにボルト26で接続され、下部蓋上端29hと撮像装置固定環下端27hとの間に設けられた第3のOリング28を介在している状態である。この着脱部材20の部品ユニットの状態で商品が提供されるので、撮像装置10等の交換作業、修理作業等において適宜活用できる。
【0029】
使用前の着脱部材20の部品ユニットの状態で、フラット面からなる上部蓋下端21fとフラット面からなるシャフト接続環上端23fとは対向しており、また、使用状態において、フラット面からなるシャフト下端11fとフラット面からなるシャフト接続環上端23fとは対向している。その各対向面間において、第1のOリング22を介在していることから、使用前及び使用状態のそれぞれにおいて、所定の止水機能を発揮することができる。
【0030】
また、使用前の着脱部材20の部品ユニットの状態、及び、使用状態のそれぞれにおいて、円筒面からなる撮像装置固定環外面27gと、円筒面からなるシャフト接続環内面23gは全周に亘って対向している。その各対向面間において、第2のOリング25を介在していることから、使用前及び使用状態のそれぞれにおいて、所定の止水機能を発揮することができる。
【0031】
さらに、使用前の着脱部材20の部品ユニットの状態で、フラット面からなる下部蓋上端29hとフラット面からなる撮像装置固定環下端27hとは対向しており、また、使用状態において、フラット面からなる撮像装置10の上端12とフラット面からなる撮像装置固定環下端27hとは対向している。その各対向面間において、第3のOリング28を介在していることから、使用前及び使用状態のそれぞれにおいて、所定の止水機能を発揮することができる。
【0032】
また、第1のOリング22、第2のOリング25及び第3のOリング28を介在する部材の対向面が、上方から下方に向かって順に、シャフト11の軸方向に対して直交する面、シャフト11の軸回り円筒面、シャフト11の軸方向に対して直交する面、というように同じ方向が連続しない構成となっていることから、より高い止水機能が期待できる。
【0033】
また、脱着リング24は、その内面上側にシャフト11(又は、上部蓋21)とのネジ締結部となるネジ加工部24aを有し、ネジ加工部24aの下部には、シャフト接続環23の段部23cに対向する段部24cが形成されている。このため、脱着リング24のネジ加工部24aを、シャフト11のネジ加工部11a(又は、上部蓋21のネジ加工部21a)に締め付けていくと、シャフト下端11f(又は、上部蓋下端21f)とシャフト接続環上端23fとが圧着して、シャフト接続環23を押し下げる。さらに締め付けていくと、シャフト接続環23と脱着リング24とが、段部23c及び段部24c同士で圧着して互いに固定される。この圧着箇所に第1のOリング22が設置されていることから、ネジ加工部24aの締付けによって、第1のOリング22が圧縮するようになっている。
【0034】
さらに、撮像装置固定環27のネジ加工部27aをシャフト接続環23のネジ加工部23aに締め付けることで、第2のOリング25が圧縮されるようになっている。また、撮像装置固定環27と撮像装置10(又は、下部蓋29)とをボルト26で締め付けることにより、第3のOリング28が圧縮されるようになっている。
【0035】
なお、上記の実施形態で説明したネジ締結部、すなわち、ネジ加工部24aとネジ加工部11a(又は、ネジ加工部21a)とのネジ締結部、ネジ加工部23aとネジ加工部27aとのネジ締結部は、それぞれ互いに螺合する(ネジ合う)雌ネジと雄ネジを逆にしてもよい。また、第1~第3の止水部材22、25、28は、上記の実施形態に示す第1~第3のOリング22、25、28に限定されず、止水機能を有する他の形態の止水部材としてもよい。
【0036】
この発明によれば、撮像装置10のみ、あるいは、シャフト11のみが損傷した場合においても、その損傷箇所のみを容易に且つ短時間で修理又は交換ができる。また、着脱部材20を用いたことにより、撮像装置10とシャフト11とを分割して部品として取り扱っても、両者間の水密性を保ちつつ組み立てることが可能となり、利便性が向上する。
【符号の説明】
【0037】
1 本管
2 枝管
2a 分岐管
2b 消火栓
3 バルブ
10 撮像装置
11 シャフト
11a ネジ加工部
11f 下端(シャフト下端)
12 撮像装置の上端
13 フレーム
14,16 照明
15 カメラ
17 接続用端子
20 着脱部材
21 上部蓋
21a ネジ加工部
21b 閉塞部
21c 補強リブ
21d 挿入筒部
21e フランジ部
21f 下端(上部蓋下端)
22 第1の止水部材(第1のOリング)
23 シャフト接続環
23a ネジ加工部
23b 外面凸部
23c 段部
23d 挿入筒部
23f 上端(シャフト接続環上端)
23g 内面(シャフト接続環内面)
23h 凹溝
24 脱着リング
24a ネジ加工部
24b 上部筒部
24c 段部
24d 内面凸部
24e 下部筒部
25 第2の止水部材(第2のOリング)
26 ボルト
27 撮像装置固定環
27a ネジ加工部
27b 基部
27c 挿入筒部
27d 凹溝
27e 凹溝
27f ボルト孔
27g 外面(撮像装置固定環外面)
27h 下端(撮像装置固定環下端)
28 第3の止水部材(第3のOリング)
29 下部蓋
29a 雌ネジ孔
29h 上端(下部蓋上端)
30 管内検査装置